JP2017127673A - 干渉を低減する歯科矯正アーチワイヤ及び関連方法 - Google Patents

干渉を低減する歯科矯正アーチワイヤ及び関連方法 Download PDF

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Abstract

【課題】歯科矯正アーチワイヤを作製する新規な方法等を提供する。【解決手段】ワイヤの固定式装具内への挿入及び歯科矯正治療経過中の構造の摺動を容易にする特注アーチワイヤを形成する。これらのアーチワイヤは、全体的なアーチワイヤ形状を維持しながら、曲げの有害作用及びアーチワイヤ長の相違を軽減するようにアーチワイヤ形状を修正することにより舌側装具と調和する。これは、同時に、アーチワイヤ形状の1つ以上のセグメントを選択する、アーチ長を戦略的に調節する、最終咬合を対象としたワイヤ構成に対してモーフィング又は平滑化作業を実施する、及びそれらの組み合わせにより達成することができる。【選択図】 図10

Description

歯科矯正装具及びそれを作製する関連方法を提供する。より具体的には、特注のアーチワイヤ及びそれを作製する方法は、固定歯科矯正装具を用いて使用するために提供される。
歯科矯正療法は、不正咬合(又は歪んだ)歯の監督された治療に関する歯科の専門領域である。一般に、そのような治療は、1つ以上の歯科矯正装具を使用して、歯に連続して軽度の力を慎重に適用することを伴う。これらの力は、周囲の骨構造の変化を刺激し、それによって歯を徐々に口腔内のその適切な位置に誘導する。歯科矯正療法は、衛生状態を保つ容易さ、顔貌の改善、並びに咬合機能の改善を含む多くの利益を提供することができる。
固定式装具又は「ブレース」は、ブラケットと呼ばれる小さいスロット付き装具が歯に取り付けられる歯科矯正治療の一種を表す。次いで、弾力的なU字形状のアーチワイヤは、ブラケットのスロット内に配置される。ブラケットに連結されるとき、アーチワイヤは、治療経過中に歯をその適切な位置に誘導する進路として作用する。治療の初めに、アーチワイヤは連結を容易にするために小さい断面寸法を有し、歯がほぐされると、歯に加わる力も比較的小さく保つ傾向がある。治療の後期の段階では、歯はその標的位置に近づき、関連する歯に対する実施者の制御を改善するために、進行的により大きい(そしてより硬い)ワイヤを使用することが可能である。
舌側歯科矯正治療では、固定式装具は、歯の舌に面する表面に結合される。この種類の治療は、患者がブレースが見えるのを望まない美的治療の状況において特に望ましい。舌側歯科矯正治療の一例としては、3M Unitek(Monrovia,CA)から販売されているINCOGNITO商標の舌側ブレースである。
舌側ブレースは、多くの美的利点を提供するが、いくつかの固有の技術的な課題も提示する。舌側治療において認識される問題の1つは、患者ごとのアーチ長、アーチ形状、及び相対的な歯の大きさの実質的な変動である。これらの相違は、歯の舌側表面を処理するときに特に顕著である。デジタル走査方法及び高速プロトタイピングにおける技術の発展により、ブラケット、アーチワイヤ、又はその両方が個々の患者の歯の構成に完全に特注されることを可能にしてきた。
だが、特注装具の実装にも関わらず、多くの課題が残っている。主な問題は、歯の不正咬合位置ではなく、歯の所望の位置に基づき特注されたアーチワイヤ形状に由来する。ブラケット間の距離は、歯の舌側表面上に制限されるため、アーチワイヤのブラケット内への挿入及び適切な摺動は、困難になり得る。これらの問題は、一般に、例えば犬歯と小臼歯との間に鋭い段曲げを有する舌側のアーチ形状の変則性により悪化する。アーチワイヤの直径を減少させることにより、ある程度の緩和を提供することができるが、これらの曲げは、歯の最終位置に基づき、不正咬合歯列に配置されるときにブラケットのスロットと干渉する可能性があるため、依然として問題がある。
起因要因は、比較的狭いブラケットのスロットを通してアーチワイヤの摺動を妨害する突然の曲げを生成する可能性がある、機械的に成形された特注ワイヤからも生じる。ブラケットのアーチワイヤスロットに接続される真っ直ぐなワイヤセグメントを長くすることにより摺動を容易にすることは可能であるが、これらの真っ直ぐなワイヤセグメントを互いに接合するために利用可能な隣接歯間空間を減少させるため、これも不利である可能性がある。皮肉にも、これは、他の領域に更に鋭い曲げを生成することにより問題を悪化させる可能性がある。
本明細書において、舌側歯科矯正治療の初期段階で、ワイヤの挿入及び摺動を容易にする特注のアーチワイヤを説明する。これらのアーチワイヤは、効率的な歯科矯正治療を促進するように所望のアーチ形状の特徴を維持しながら、特注のアーチワイヤと関連するブラケットとの間の干渉を予測し、減少させるように所望のアーチワイヤ形状を修正することにより、舌側装具と調和する構成を有する。
一態様では、歯科矯正アーチワイヤを作製する方法であって、本方法は、患者の歯の特定の位置と関連する第1のアーチワイヤ形状を準備する工程と、所定の寸法を有するアーチワイヤスロット内で摺動する適切なアーチワイヤを形成するアーチワイヤ形状に関連する干渉パラメータの許容範囲を定義する工程と、第1のアーチワイヤ形状が許容範囲を外れて拡大する干渉パラメータを有することを測定する工程と、干渉パラメータが許容範囲を外れて拡大する第1のアーチワイヤ形状の少なくとも一部を、干渉パラメータがもはや許容範囲を外れて拡大しないアーチワイヤ形状に修正する工程とを含む。
別の態様では、歯科矯正アーチワイヤ一式を作製する方法が提供され、本方法は、アーチワイヤ形状を決定する工程と、1つ以上の固定具に設けられる複数のチャネルを作り出す工程であって、少なくとも2つのチャネルが、測定されたアーチワイヤ形状を反映し、互いに異なるそれぞれの断面寸法を有する、工程と、アーチワイヤが形成された形状を採用するように、アーチワイヤをそれぞれのチャネルに制限する工程と、1つ以上の固定具を、アーチワイヤが測定されたアーチワイヤ形状を固定して採用するのに十分な条件に曝し、それによって測定されたアーチワイヤ形状に関して様々な程度の忠実性を表す2つ以上のアーチワイヤを形成する工程とを含む。
また別の態様では、第1のアーチワイヤ形状を有する第1のアーチワイヤと、第2のアーチワイヤ形状を有する第2のアーチワイヤとを含み、第2のアーチワイヤ形状の少なくとも一部が、幾何学的に平滑化された第1のアーチワイヤ形状の少なくとも一部の表示である歯科矯正キットを提供する。
更に別の態様では、歯科矯正キットは、第1のアーチワイヤ形状を有する第1のアーチワイヤと、第2のアーチワイヤ形状を有する第2のアーチワイヤであって、第1及び第2のアーチワイヤ形状のそれぞれが、それぞれアーチ長を有し、第2のアーチワイヤ形状の少なくとも一部が、第1及び第2のアーチワイヤ形状のアーチ長が互いに異なるように、第1のアーチワイヤ形状に対して幾何学的に拡張される、又は縮小される第1のアーチワイヤ形状の少なくとも一部の表示である、第2のアーチワイヤとを含む。
クライアントコンピュータが製造施設と通信する代表的なコンピュータ環境のブロックダイアグラムである。 一実施形態による代表的な歯科矯正アーチワイヤ製造方法を目的とする高レベルのフローチャートである。 関連するブラケット及びアーチワイヤセグメントに沿った歯列の平面図である。 図2のアーチワイヤセグメントを独立して示す平面図である。 図2及び3のアーチワイヤセグメントに一部基づくアーチワイヤ形状を示す平面図である。 真っ直ぐなアーチワイヤセグメントと固定寸法のアーチワイヤスロットとの間の関係を示す図である。 様々な曲げ角度及び図5のアーチワイヤスロットを有する曲がったアーチワイヤセグメント間の関係を示す図である。 様々な曲げ角度及び図5のアーチワイヤスロットを有する曲がったアーチワイヤセグメント間の関係を示す図である。 様々な曲げ角度及び図5のアーチワイヤスロットを有する曲がったアーチワイヤセグメント間の関係を示す図である。 連続して湾曲したアーチワイヤセグメントと図5〜8のアーチワイヤスロットとの間の関係を示す図である。 別の実施形態による図2の歯列に重ね合わせられた平滑化されたアーチワイヤ形状を示す平面図である。 また別の実施形態による曲がったアーチワイヤセグメントと図5〜9のアーチワイヤスロットとの間の関係を示す図である。 更に別の実施形態を目的とする一組の固定具を示す平面図である。 更に別の実施形態を目的とする一組の固定具を示す平面図である。 それぞれ、図13a及び13bの固定具を使用して作製された一組のアーチワイヤを示す平面図である。 それぞれ、図13a及び13bの固定具を使用して作製された一組のアーチワイヤを示す平面図である。 関連する装具に沿った不正咬合歯列に重ね合わせられた平滑化されたアーチワイヤ形状を示す平面図である。 更に別の実施形態を目的とするアーチワイヤセグメントに沿った図15の装具の平面図である。
定義
本明細書において使用するところの、
「近心側」は、患者の湾曲した歯列弓の中央に向かう方向を意味する。
「遠心側」は、患者の湾曲した歯列弓の中央から離れる方向を意味する。
「咬合側」は、患者の歯の外側先端部に向かう方向を意味する。
「歯肉側」は、患者の歯茎又は歯肉に向かう方向を意味する。
「顔面側」は、患者の唇又は頬に向かう方向を意味する。
「舌側」は、患者の舌に向かう方向を意味する。
ここで、実施形態がより詳細に参照され、その実施例は、添付の図面において図示される。本明細書において、提供される実施形態は、歯科矯正治療用の特注のアーチワイヤを作製するための物品、キット、及び方法を目的とする。好ましい実施形態では、記載される方法は、コンピュータにより施行され、デジタルデータの操作及び伝送を伴う。
本明細書で使用される、「デジタル画像」とは、視認可能な3D画像若しくは画像自体を表す、画定する、又は表示するデジタルデータを指す。患者の「歯列」とは、3次元(3D)空間に位置し、治療中の特定の時間で患者に関連する自然若しくは人工歯一式又はその一部を指す。デジタル画像は、バックオフィスサーバー、又はワークステーション、例えば、デジタル画像を操作することのできるプロセッサ、ユーザーインターフェース、及びユーザーがデジタル画像を見ることを可能にするディスプレイを有する汎用コンピュータを使用して、保存、処理、及び/又は伝達され得る。コンピュータは、複数組のデジタル画像を保存でき、コンピュータで実行するソフトウェアに十分にアクセス可能なメモリを更に含む。
図1は、クライアントコンピュータ12を含む代表的なコンピュータ環境10を示すブロック図である。好ましくは、クライアントコンピュータ12はプロセッサ、入力装置、記憶装置、及び表示装置を有する。クライアントコンピュータ12は、患者16の歯列のデジタル画像と相互作用する歯科矯正実施者14のインターフェースを表す。同じインターフェースは、実施者14が歯の予想される移動を再検討し、患者16の1つ以上の特注装具を要求することを可能にすることもできる。示されるように、クライアントコンピュータ12はネットワーク20を介して製造施設18内の製造用コンピュータ22と通信する。製造用コンピュータ20は、同時に製造技術者22が実施者14によって提供される指示を再検討し、要求された装具を構成するための環境を提供する。製造用コンピュータ20は、要求された装具の製作を可能にする製造装置22も制御する。
幾つかの実施形態では、クライアントコンピュータ12及び製造用コンピュータ22は、歯科研究所又は実施者のオフィスに位置する単一コンピュータに統合される。クライアントコンピュータ12又は製造用コンピュータ22に関連する計算資源は、異なる位置の2つ以上のコンピュータにも分配され得る。別の可能性として、実施者14及び技術者22の両方は、データ及び/又はアプリケーションがインターネット又はイントラネット等のネットワーク上でアクセスされるウェブに基づくアプリケーションでデータファイルと相互作用することができる。ウェブに基づくアプリケーションの使用は、高度のクロスプラットフォームの適合性を提供する一方で、アプリケーションの更新及びサポートを容易するのに有益であり得る。
デジタル画像収集
治療前に、実施者14は、不正咬合状態の患者16の歯列を表すデジタル画像を得る。この工程で、患者の歯列構成のデジタル画像が提供され、現場の又は遠隔の計算装置に保存される。デジタル画像は、患者16の歯列構造全体、上歯列弓若しくは下歯列弓のみ、又は一つ若しくは両方の歯列弓の一部のみを表し得る。任意により、歯科矯正治療の開始時に、例えば、歯列矯正装具を歯へと結合又は配置する直前又は直後に、第1デジタル画像が提供される。幾つかの実施形態では、第1デジタル画像は、患者の歯だけではなくまた、ブラケット、又はこれに関連する他の歯科矯正装具の3D形状を示す。
幾つかの実施形態では、デジタル画像は、PCT公開第WO 2007/084727号(Boerjes et al.)に記載される能動波面サンプリングを用いた口腔内スキャナ等の携帯型の口腔内スキャナを使用して提供され得る。また、他の口腔内スキャナ又は口腔内接触プローブを使用することもできる。別の選択肢として、第1のデジタル画像は、患者の歯の凹型の歯科印象を走査することによって提供され得る。更に別の選択肢として、第1のデジタル画像は、患者の歯の凸型の物理的モデルを撮像することにより、又は患者の歯のモデル上で接触プローブを使用することにより提供され得る。走査に使用されるモデルは、例えば、アルギネート又はポリビニルシロキサン(PVS)などの好適な歯科印象材から、患者の歯列の印象をキャスティングし、キャスティング材料(例えば、歯科矯正石膏又はエポキシ樹脂)を歯科印象材に注ぎ、キャスティング材料を硬化させることによって作製され得る。モデルを走査するために、X線写真、レーザー走査、コンピュータ断層撮影(CT)、磁気共鳴映像法(MRI)、及び超音波画像診断を含む、任意の好適な操作技術が使用され得る。他の可能な走査方法について米国特許出願公開第2007/0031791号(Cinader et al.)に述べられている。
任意に、デジタル歯列データは更なる処理を受ける。例えば、未加工データは、明らかなエラーを表すか、又は不必要であるいずれかのデータポイントを除去することにより、「浄化」されてもよい。例えば、隣り合うデータポイント同士に通常予想される幾何学的関係から著しく外れたデータポイントを含む、歯表面を表すデータファイルを、データ処理ソフトウェアで修正することによって、誤ったデータポイントを除去することができる。更に、欠けている歯のデータポイントをデータ処理ソフトウェアにより追加又は推定することによって、データポイントによって画定されるリアルな滑らかに湾曲した歯又は顎骨の形状を形成することもできる。幾つかの実施形態では、デジタルデータは、Geomagic,Inc.(Research Triangle Park,NC)等の提供元からのモデル化ソフトウェアを使用して「表面化」されるか、又はデジタルポイントクラウドから3D表面へと変換されてもよい。
歯のセグメント化
幾つかの実施形態では、デジタル画像は、別個の要素へと仮想的に分離され、それによって各歯が、別個のオブジェクトとして、別々に動かされ得る。任意に、歯の要素はまた、周辺の歯肉組織及び骨から分離されて、歯冠の浮動3D画像のみを残す。歯根の画像が無い場合、歯の視覚化及び操作において実施者14を補助するために、仮想の根株が加えられ得る。
任意に、これらのプロセスは、2011年2月21日に出願された同時係属中の米国特許出願第61/444,664号(et al.を参照)に記載される半自動プロセスを用いたデジタルセットアップソフトウェアを使用して実施される。そのようなソフトウェアは、現場の又は遠隔の演算装置で実行され、自動的に又はオペレータの介入により実施され得る。歯の、個別の歯のオブジェクトへの分離を記載する別の方法は、発行済みの米国特許第6,632,089号(Rubbert et al.)、同第6,371,761号(Cheang et al.)、及び同第7,245,750号(Cermak et al.)に記載される。
代替として、物理的プロセスは歯をセグメント化するために使用され得る。例えば、物理的石膏モデルは歯を互いに分離するために手によって分割され得る。次に、個別化された歯はワックス等の可鍛材料中に装填され得、訓練された技術者によって歯が適切な位置に配置されることを可能にする。更なる代替えとして、歯のレプリカモデルが、米国特許第6,227,851号(Chishti et al.)、第6,394,801号(Chishti et al.)、及び第6,499,997号(Chishti et al.)等に記載される装具を製作するのに使用可能な操作可能な歯列モデルシステムに装填され得る。
デジタルセットアップモデル作製
別個の移動可能な歯のオブジェクトが、物理的モデル又はソフトウェアのいずれかで一旦作製されたら、これらのオブジェクトは、所望の歯の位置を反映する歯科矯正セットアップモデルを提供するように操作することができる。物理的セットアップモデルが石膏モデルから歯のオブジェクトを分割し、それらをワックス中にはめ込むことにより作製された場合、適切なスキャナを用いてセットアップモデルのデジタルアナログが表示され得る。この目的に使用可能なスキャナとしては、例えばGOM mbH(Braunschweig,GERMANY)により製造された高解像度光学3Dスキャナが挙げられる。
あるいは、デジタルセットアップモデルは、クライアントコンピュータ12、製造用コンピュータ22、又は共有コンピュータのいずれかで実行されるソフトウェアにおいて完全に構築され得る。例えば、セットアップモデルは、不正咬合位置から所望の位置に歯を仮想的に移動するための治療計画ソフトウェアを実行するコンピュータ上で前処理され得る。仮想セットアップモデルの作製は、自動又は半自動であり得る。代表的な半自動デジタルセットアッププロセスは、例えば同時係属中の米国特許出願第61/444,664号(et al.を参照)に記載される。デジタルセットアップの実装により、物理的な歯のモデルのカッティング及び再位置付けに関連する手間が不要になるため、物理的モデルの使用と比較して製造業者の大幅な費用削減を提供することができる。
よって、完了したデジタルセットアップモデルが実現された後、承認のため実施者14に送信され得る。一旦この承認が得られたら、特注のブラケット及びアーチワイヤの製作を開始することができる。
ブラケットの製造
上記の収集されたデジタルデータは、舌側歯科矯正治療の特注のブラケットを製作するために使用され得る。これらの装具の構成は、歯科矯正クリニックのユーザーによって行うことができるか、又は遠隔に位置する製造所で実施することができる。治療用の特注装具一式は、一般に、結合装具一式又はブラケット及び弾力的な金属性のアーチワイヤを含む。下側のプロファイル装具を形成するために、ブラケット及びアーチワイヤの両方を個々の患者16に合わせることが有益であり得る。
各ブラケットは、結合基部(又はパッド)及び本体を含む。好ましくは、結合基部は実質的に患者の歯列のそれぞれの歯の外側形状に一致する。結合基部の形状及び大きさは、ブラケットが結合される歯の所望の領域に関する入力を受信するソフトウェアを使用して測定することができる。この領域のこの仕様は、例えばユーザーが歯の表面上に仮想上の線を引く場合、手動であってよい。一方、この仕様は、ソフトウェアのアルゴリズムが歯の表面の曲率を分析し、ブラケットの歯の表面上への確実な手動による位置付けを可能にするために、実質的な曲率特徴を網羅するのに十分に大きい表面を測定する場合、部分的に又は完全に自動であってもよい。そのようなアルゴリズムは、所定の基部の大きさから開始することもできる。
幾つかの実施形態では、基本的な歯の領域は、ブラケットと歯との間の界面結合表面を表す湾曲表面を画定するために使用される。次に、この表面は、画定された基部厚を有する3次元の固体オブジェクトを生成するために、歯の表面に対して垂直方向に沿って押出される。好ましくは、基部は下側のブラケットプロファイルを維持するために比較的薄い(0.3ミリメートル未満)。
アーチワイヤスロットを収容するブラケットの本体は、「ライブラリ」、又はコンピュータ上に作製され、保存することができる所定の仮想モデルの一群から選択され得る。あるいは、ブラケット本体はまた、患者16に合わせて特注することもできる。いずれの場合においても、実施者14は、仮想環境において実現が可能である、特殊なフック又はタイウイング(tiewing)を取り付ける等の1つ以上のブラケットに修正を行う選択肢を有する。
次に、ブラケットの本体及び結合基部は、例えば自由造形形状を構成し、既存の形状を互いに接続することができるコンピュータ支援設計(CAD)ソフトウェアを使用して、一体型オブジェクトを形成するように仮想的に一緒に統合される。これらのオブジェクトは、結合された装具の全体的なプロファイルを最少にし、ブラケット間の距離を最大にするような方法で統合され得る。更なる利点として、例えば治療の経過中、隣接する又は対向するブラケット間の干渉の可能性を避けるために、結合基部に対して本体を空間的に調節することが可能である。
本体及び結合基部を単一の仮想オブジェクトに接合した後、次に、オブジェクトを表すデジタルデータを高速プロトタイピング装置にエクスポートすることによって物理的アナログを直接製造することができる。そのような装置は、例えば立体リソグラフ装置(「SLA」)、積層オブジェクト製造、選択的レーザー焼結、溶着載置、ソリッド研磨硬化、及び3−D印刷を含む。あるいは、ブラケットは、ブラケットの凸型レプリカがワックスで作製され、セラミック材料に注ぎ込まれ、次に、凹型鋳型を生成するために続いて熱により取り外される「失ろう」技法を使用して間接的に作製され得る。次に、凹型鋳型は、ブラケットを金又は他の好適な合金に鋳造するために使用され得る。
装具製造プロセスの更なる選択肢及び利点は、例えば米国特許第6,776,614号(Wiechmann et al.)に記載される。
アーチワイヤ形状の測定
好ましい実施形態では、ブラケット及びアーチワイヤは両方とも所望の歯の位置を制御する歯科矯正指示を協同的に表す様式で特注される。内側−外側、垂直高さ、回転、角形成、及び各歯に関連するトルクを含む歯科矯正指示の任意の所与の要素は、ブラケット、アーチワイヤ、又は組み合わせでその両方に組み込むことができる。可能な場合、アーチワイヤが実質的に平面内にあるように、これらの装具を構成することが有利であり得る。この原理は、例えば3M Unitek(Monrovia,CA)により製造されるINCOGNITO商標のAppliance Systemに適用されている。
任意に、ブラケットのうちの1つ以上は、そのそれぞれのブラケット結合基部に対してほぼ平行な配列で配向されるアーチワイヤスロットを有する。この構成では、ブラケット一式が患者16の歯列上に設置され、アーチワイヤがスロットに挿入されるとき、アーチワイヤは、アーチワイヤがスロット内に挿入される位置で歯の表面と一致するように、咬合平面に対して傾斜される。これは同時にブラケットの全体的な厚さを減少させることができる。傾斜歯科矯正アーチワイヤの開発及び製造の詳細は、例えば米国特許第6,776,614号(Paehl et al.)及び第6,928,733号(Rubbert et al.)に記載される。
図2は、特注アーチワイヤを作製するのに使用される製造工程を示すフローチャートである。任意に、これらの工程の幾つか又は全ては、技術者24の監視のもと、製造用コンピュータ22上で実行される。提供される、これらの工程は、アーチワイヤ形状を提案する工程(ブロック50)、アーチワイヤ干渉パラメータに関連する制限を定義する工程(ブロック52)、現在のアーチワイヤ形状の干渉パラメータを測定する工程(ブロック54)、及び次に干渉パラメータが定義された制限を超えたかを確認する工程(ブロック56)を含む。超えた場合、アーチワイヤ形状は訂正され(ブロック58)、条件が合致するまで定義された制限と反復的に再度比較される(ブロック56)。最後に、条件が一旦合致したら、アーチワイヤ形状に従い物理的アーチワイヤが製造される(ブロック60)。これらの工程のそれぞれは、次の段落で更に説明される。
最初に、患者の歯の指定された位置に関連するアーチワイヤ形状が準備される。代表的な実施形態及び図2のブロック50に示されるように、歯の位置は実施者14及び/又は技術者18により指定され、患者の歯の所望の位置を表す。所望の歯の位置は、上述のデジタルセットアップモデルを使用して、例えば、実施者によって承認された最終的な歯の位置及び提案されたアーチワイヤ形状であり得る。あるいは、所望の歯の位置は、治療の終了前のある時点で達し得る中間位置での歯に基づいてよい。好ましくは、アーチワイヤ形状は、アーチワイヤの長手方向軸線により画定されるアーチの形状だけでなく、ワイヤの断面寸法も含む。アーチワイヤ形状は、アーチに沿って変動することができるその長手方向軸線の周囲のワイヤの配向を更に含む。
その所望の位置に固定された歯と共に、仮想ブラケットは、その適切な所定の位置に従いそのそれぞれの歯オブジェクトに取り付けることができる。コンピュータは、次に、統一された3D座標系において、仮想ブラケットに関連するアーチワイヤスロットのそれぞれの正確な位置及び配向を測定することができる。
図3は、歯科矯正治療を受ける患者16の所望の歯の位置を表す仮想デジタルセットアップモデル200を示す。セットアップモデル200は、歯202の舌側表面に取り付けられる仮想の歯202及びブラケット204(一般的にここでは長方形として表される)を平面図で示す。代表的な実施形態では、その一式の各ブラケット204のアーチワイヤスロットは、限定されたワイヤセグメント206の位置及び配向を測定する。各セグメント206は、ソフトウェアで調節することができる定義された長さを有する。しかしながら、好ましくは、セグメントの長さは、アーチワイヤの摺動を容易にするように、各ブラケット204のアーチワイヤスロットの少なくとも長手方向の長さである。この例では、アーチワイヤスロット(及び関連するワイヤセグメント206)の全ては平面内に整合されるが、一般的に必ずしもそうである必要はない。
図示される実施形態では、セグメント206は、近心側及び遠心側上のそのそれぞれのアーチワイヤスロットの長さをそれぞれのマージンδ及びδ超える。マージンδ及びδは、互いに等しくある必要はなく、デジタルセットアップソフトウェア内のユーザーインターフェースにおいて別個に調節することができ、1つのセグメント206ごとによって異なってよい。場合によっては、大幅な隣接歯間空間がブラケット間で利用可能であるとき、δ及びδを増加させ、隣接歯間空間が制限されるとき、δ及びδを減少させることが望ましい場合がある。幾つかの実施形態では、マージンにはデフォルト値が割り当てられ、セットアップモデル200のセグメント206の幾つか又は全てのδ及びδを調節するために、実施者14が指示を提供する。
デジタルセットアップソフトウェアは、実施者14又は技術者24のいずれかがアーチワイヤの定義に更なる手動による調節を行うことを可能にすることもできる。例えば、各アーチワイヤセグメント206は、次のうちの1つ以上に対して個々に調節され得る:舌側又は咬合段曲げ、トルク、角形成、回転、及び内側−外側(即ち舌側−顔面側)オフセット。デジタルセットアップソフトウェアは、任意に、実施者14又は技術者24からの入力と取り換えることができる、治療基準に基づくアーチワイヤ形状に対して1つ以上のデフォルト調節を含む。例えば、前歯の幾つか又は全てのセグメント206は、ブラケット間の距離を拡張するために僅かな咬合オフセットを自動的に含むことができる。
図4は、ブラケット204及び歯202を取り除いた不連続のアーチワイヤセグメント206を示す。各セグメント206は、デカルト座標空間における正確な長さ、位置、及び配向を有する。セグメント206に使用される座標系は、歯202及びブラケット204に使用される座標系に共通しており、患者の歯列に関連する参照平面又は患者の顎骨上の固定された位置等の口腔における固定された位置に基づく1つ以上の所定の標識に対して任意に画定される。
セグメント206は、簡潔化のために本明細書において単純な線のセグメントとして図示されるが、各セグメント206は、角形成及びトルクの両方を含む具体的な空間配向を有することを理解するべきである。長方形のアーチワイヤに関して、各セグメント206は、図3及び4では明らかではないその長手方向軸線の周囲にある程度の捻れを有することができる。例えば、傾斜アーチワイヤは、歯202の舌側表面と密に一致するように、アーチの長さに沿って1つ以上の捻れを含む。更なる例として、セグメントは、セグメント206が咬合平面(即ち図4の頁の平面)に対して所定の角度で拡大するある程度の角形成を有することもできる。
ここで図5を参照すると、セグメント206は、次に、完全な仮想アーチワイヤ210を形成するために、隣接歯間(又は接続)ワイヤセグメント208を加えることにより相互に接続される。示される例において、単一の隣接歯間セグメント208は、隣接するセグメント206の各組を接続する。しかしながら必ずしもそうである必要はない。例えば、隣接するセグメント206の各組は、端から端まで接合される2つ以上の隣接歯間セグメント208により互いに接続され得る。トルク値がセグメント206内で変動する場合では、隣接歯間セグメント208は、好ましくは、アーチワイヤ210の長さに沿って得られる捻れに連続性を提供する配向を採用する。
図5に示される、アーチワイヤ210を構成するセグメント206、208は、歯科矯正セットアップモデルにおける装具の相対的配向に基づき異なる角度で一緒になる。セグメント206、208はこの場合真っ直ぐであるため、隣接するセグメント206、208間の接合部は曲げ212を呈する。これらの曲げ212の特徴は、以下で更に詳細に検討される。
この図の目的において、アーチワイヤは、図6〜10及び12に関して頁の平面内に存在するように制限されることが仮定される。図5は、固定された第1及び第2の側面224、226を有するアーチワイヤスロット222に存在する真っ直ぐなアーチワイヤセグメント220を示す。図7及び8は、僅かな曲げ328、428を含み、同じアーチワイヤスロット222内に存在するアーチワイヤセグメント320、420を示す。曲げ328、428は、曲げ角度θ、又は曲げ328、428の片側上のセグメント320、420の一部の軌道から曲げ328、428の反対側のセグメント320、420の一部の角偏差を特徴とする。
この図に示される、曲げ角度θは、スロット222を通過するときにセグメント220が直面する摺動に対する抵抗に著しい影響を及ぼす可能性がある。θが0のとき、理論的には、図6に示されるように、摺動に対する抵抗が本質的にないだろう。θがほんの僅か増加する場合、図7に示されるように、セグメント320とスロット222との間に依然接触はない。よって、依然として、セグメントアーチワイヤ320が固定寸法のスロットを通ってある程度摺動することを可能にするが、但し、アーチワイヤ320の再配置が可能であることを条件とする。しかしながら、図8は、θが一旦ある閾値θに増加されると、セグメント420とスロット222の第1及び第2の側面224、226との間の接触はもはや避けることができない。アーチワイヤが直径Dを有し、スロット222が長さL、及び横断幅Wを有するここに示される幾何モデルでは、閾値曲げ角度は、
θ=2tan(2(W−D)/L)として概算され得る。
したがって、θの値は、アーチワイヤの直径が増加すると減少し、セグメント420の直径Dがスロット222の幅Wに近づくと、0に近づく。
図9は、セグメント520とθを超えるθを有する曲げ528との間の相互作用を示す。この構成では、曲げ528は、セグメント520がスロット222の近心端及び遠心端で第2の側面226と干渉するのに十分に鋭い。曲げ528を収容するために、アーチワイヤセグメントは、図9に示されるように、例えば広く屈曲させることにより形状を変更することができる。しかしながら、セグメント528をスロット内で無理に屈折させることは、幾つかの欠点を提示する。例えば、セグメント520の屈折は、結合及び摺動に対する抵抗の増加をもたらす可能性がある。そのような抵抗は、特に治療の平滑化及び整合段階中の歯の移動を妨げる可能性がある。セグメント520の剛性により、セグメント520のスロット222内への初期係合は、曲げ528により複雑になる可能性もあり、実施者の使いやすさの問題を提示する。これは、歯の不整合が最大であり、ブラケットスロットがアーチワイヤの真っ直ぐなワイヤセグメントと一致しないことが多い治療の初期段階において特に問題である。
これらの問題は、真っ直ぐなワイヤセグメントから構成されるアーチワイヤに限定されない。図10は、同様の干渉が、曲げが一点に集中せず、アーチワイヤセグメント620に沿った連続する湾曲にわたって広がるときでさえ生じることを図示する。示されるように、セグメント620は、その曲率半径がRを下回って減少するときに側面224、226と干渉を開始する。ピタゴラスの定理を適用することにより、閾値半径は、よって、
=[(W−D+L/4)/(W−D)−D]/2のように概算され得る。
曲率κは単に曲率の半径の逆数であるため、示されるアーチワイヤセグメントの曲率が限界曲率κ又は1/Rを超えるとき、セグメント620の結合が生じることが概算され得る。この幾何関係に基づき、ワイヤの直径Dがスロット幅Wに近づくと、Rは無限に近づき、κは0に近づく。
アーチ長の相違は、それがアーチワイヤの係合及び摺動の両方に影響を及ぼすことを更に考慮する。この相違は、セットアップモデルのアーチ長と不正咬合歯列モデルのアーチ長との間の差として測定される。咬合の悪さにより、このアーチ長の相違は、アーチ長の不足又は過剰のいずれかの形態であり得る。舌側歯科矯正において、隣接したブラケット間のアーチワイヤの長さは、歯が整合されると大幅に減少するため、最終的な歯の位置に基づき構成されたアーチワイヤを密集した歯列に配置することは特に困難であり得る。唇側アーチワイヤと違い、舌側アーチワイヤは、これらの作用を拡大する可能性がある犬歯と小臼歯との間に位置する著しい段曲げを有する傾向もある。
一般に、アーチワイヤの係合及び摺動の問題は、舌側歯科矯正治療において重大な結果を生じる可能性がある。例えば、アーチワイヤ挿入の難しさは、患者16にとって不快であるだけでなく、ワイヤ交換中椅子に座っている時間も延びる可能性がある。ワイヤが全く挿入できない場合、実施者14は、問題の曲げが治療の経過中アーチワイヤスロットの近心側と遠心側との間に交互に並ぶように、アーチワイヤを強制的に「操作」しなければならない。しかしながら、この実践は、アーチ形状を歪め、効率の悪い治療をもたらす傾向があるため、理想的ではない。いずれの場合においても、アーチワイヤとブラケットの間の干渉は、ワイヤ材料にストレスを与え、治療経過中のアーチワイヤ破損のリスクを増加させる。
アーチワイヤ形状の訂正
前に説明されたように、アーチワイヤの曲げから生じる干渉は、治療において問題であり得る。この問題は、アーチワイヤ製造前に提案されたアーチワイヤ形状を仮想的に訂正することによって改善され得る。この試みを支援するために、1つ以上の干渉パラメータは、それらが生じる前に干渉を予測するために使用され得る。好適な干渉パラメータは、アーチワイヤセグメントと固定された寸法の部分的に取り囲んでいるアーチワイヤスロットとの間の幾何関係を説明する任意の他の測定基準又は複数の測定基準に基づき得る。
幾つかの実施形態では、干渉パラメータは、アーチワイヤに沿った1つ以上の曲げの曲げ角度θに基づく。干渉パラメータは、アーチワイヤの少なくとも一部に沿って測定された曲率κ又は曲率の半径Rにも基づき得る。θ、κ、及びRによって表される測定基準が明示的に本明細書において言及されるが、これらは単に例示であり、アーチワイヤとアーチワイヤスロットとの間の干渉と相関する他の幾何パラメータも使用することができる。
図2のブロック52に戻って参照すると、干渉パラメータの制限は、ブラケットのアーチワイヤスロットの既知の寸法(例えば長さ、幅、及び高さ)に基づき定義され得る。干渉パラメータの限界値は、所望の適切なアーチワイヤの摺動及びブラケット内への挿入が、アーチワイヤ形状の干渉パラメータがその限界(又は閾値)値を超えない限り維持され得るように測定され得る。特に、制限は、上述の最大曲げ角度(θ)若しくは最大曲率(κ)等の上限、又は曲率(R)の最小半径等の下限であり得る。個別に、上限又は下限は値の解放範囲をもたらし、一方、組み合わせでの上限及び下限は値の限定範囲をもたらす。選択肢として、干渉パラメータに対する制限は、製造されたアーチワイヤが上記の干渉をもたらす条件に更に近づくのを防止するために、「安全のマージン」を組み込むこともできる。
図2のブロック54に示されるように、提案されたアーチワイヤ又はアーチワイヤセグメントの干渉パラメータが次に測定される。図2のブロック56に進むと、干渉パラメータは、次にブロック52で前に定義された上限(又は下限)と比較される。その場合、プロセスは、干渉パラメータがそのもはや許容範囲を外れて拡大しないようにアーチワイヤ形状が修正され得るブロック58に移動することができる。そのような修正は、アーチワイヤの挿入を容易にし、歯が所望の位置に向かって移動すると、曲げをアーチワイヤスロットに沿ってより容易に摺動させることができる。比較的小さな矯正に関して、アーチワイヤ形状は、理想のアーチワイヤ形状にできる限り密に一致するべきであることを更に認識する。元の提案されたアーチワイヤ形状の忠実性を維持することは、歯をセットアップモデルによって前に画定されたその意図される位置近くにできる限り移動させるのに有益であり得る。
一実施形態では、アーチワイヤ形状は、アーチワイヤ形状の少なくとも一部を平滑化することにより修正される。これは、例えば、滑らかな曲線を比較的凹凸のワイヤ構成に適合させる数学的曲線適合アルゴリズムを使用して達成することができる。そのような平滑化作業は、平滑化スプライン(即ちピース−ワイズ多項式関数)、多項式回帰、又は曲線適合の使用を含む。平滑化の程度は、提案されたアーチワイヤ形状に対する忠実性とアーチワイヤ形状の凹凸との間の妥協点を制御する、例えば平滑化スプライン関数における平滑化パラメータλを用いて便宜的に調節することができる。好ましくは、平滑化の程度は、限界曲げ角度又は修正されたアーチワイヤ形状の曲率が提案されたアーチワイヤ形状から過度に外れないように選択される。
代替えの実施形態では、修正されたアーチワイヤ形状は、提案されたアーチワイヤ形状の少なくとも一部を既存のアーチワイヤ形状のライブラリから選択されたアーチワイヤ形状の少なくとも一部と差し替えることにより準備される。この代用は、干渉パラメータの必要条件を満たす修正されたアーチワイヤ形状を準備することができる。選択プロセスは、例えばある許容度を定義する工程と、次に提案されたアーチワイヤ形状の一部を仮想ライブラリに保存されるアーチワイヤ形状と比較する工程とを含み得る。プロセスは、例えば、ある許容度内で提案されたアーチワイヤ形状(又はその一部)に一致するアーチワイヤ形状が見つかったときに終了する。許容度が非常に多い一致をもたらす場合、一致が見つかるまで反復して減少させることができる。一方、一致が見つからない場合、許容度は、一致が見つかるまで漸進的に増加され得る。
上記の実施形態の変形として、修正されたアーチワイヤ形状は、提案されたアーチワイヤ形状を既存のアーチワイヤ形状のライブラリから選択されたアーチワイヤ形状を用いてモーフィングすることにより準備され得る。類似性により、提案されたアーチワイヤ形状の1つ以上の部分は、そのライブラリから選択されたそれぞれの部分を用いて提案されたアーチワイヤ形状の部分をモーフィング(又は平均化)することにより修正され得る。利点として、本方法は、修正されたアーチワイヤ形状又はその一部を実施者によって承認されたセットアップモデルから得られる所望の構成に更に密に一致させる。任意に、2つのアーチワイヤ形状のモーフィングは、提案されたアーチワイヤ形状に対して様々な忠実性を有する可能な中間構成の範囲を提供するために、変動制で実行することができる。
図2に示されるように、上記は反復プロセスを用いて実行することができる。一実施形態では、許容範囲を外れて拡大する干渉パラメータを有するアーチワイヤ形状の少なくとも一部が準備され得る。次に、アーチワイヤ形状部分は、ワイヤ形状の少なくとも一部の干渉パラメータが差し替えアーチワイヤ形状セグメントを得るために、もはや許容範囲を外れて拡大しなくなるまで、反復的に平滑化され得る。最後に、元のアーチワイヤ形状の一部は、次に、差し替えアーチワイヤ形状セグメントの対応する部分と差し替えられ得る。
幾つかの実施形態では、アーチワイヤ形状の平滑化は、アーチワイヤ形状の全長に沿って実行され得る。例えば、図11は、患者の歯列と重ね合わされた仮想アーチワイヤ720の形状を示す。示されるように、アーチワイヤ720の形状は、別個の曲げを排除するために、その全アーチ形状に沿って数学的に平滑化された。アーチワイヤに沿った突然の曲げを排除することにより、それぞれのブラケットにおけるアーチワイヤ720の摺動及び挿入は大幅に強化され、一方で、元の平滑化されていないアーチワイヤの全体的な特注構成を維持する。
別の変形では、アーチワイヤ形状の平滑化は、局所的に、又はアーチワイヤ形状の制限された部分にわたって実行され得る。例えば、図12は、鋭い曲げの1つが、互いに離間する2つの比較的より緩やかな曲げ828、830によって差し替えられたアーチワイヤセグメント820に示される初期の平滑化作業の結果を示す。示されるように、より緩やかな曲げ828、830のそれぞれは、限界曲げ角度θ未満の曲げ角度を有する。この修正は、アーチワイヤスロット222におけるアーチワイヤの挿入及び摺動の強化を提供し、一方で、図9に示される元の平滑化されていないアーチワイヤセグメントと全体的に同じ形状を維持する。
更に別の実施形態では、平滑化作業は、図2のブロック58及び60により表される工程を単一工程に効率的に統合するアーチワイヤ製造プロセス自体に組み込まれ得る。図13a及び13bはそれぞれのプレート固定具900、902を示し、それぞれが、ニッケルチタン等の形状記憶合金又はその誘導体合金から構成されるアーチワイヤの製造のためにそれぞれのチャネル904、906を設ける。示されるように、各チャネル904、906は、端から端までの配列で接続される複数の略線形チャネルセグメントを含む。各線形セグメントのチャネル幅は、一般にその長さに沿って均一であり、対応するアーチワイヤの横幅より幾分大きい。
任意に及び示されるように、各チャネル904、906は、隣接するチャネルセグメントが一緒になる位置に対応する複数の円筒形の空洞908、910を含む。空洞908、910は、チャネル904、906に物理的に係合する、及びそれから解放するのを補助することができる。チャネル904、906は、同時にセットアップモデルから直接提供され得る、所望のアーチワイヤ形状を表すデジタルデータを入力として受信する数値的に制御されたミリング機械を用いて彫ることができる。ここで、所望のアーチワイヤ形状の長手方向軸線は、固定具900、902のいずれかに重ね合わされるとき、一般に、そのそれぞれのチャネル904、906の各セグメントと交差する。本方法に一般的に関連する更なる選択肢及び利点は、米国特許第6,928,733号(Rubbert et al.)に記載される。
固定具900、902の適用は、異なる程度の平滑度を提供するために、アーチワイヤ材料の自然な弾性を利用する。図13a及び13bを再度参照すると、チャネル904、906は、同じ所望のアーチワイヤ形状を目的とする構成を有する。しかしながら、チャネル906は、チャネル904より大きい断面寸法(ここでは横幅)を有する。アーチワイヤを形状設定するために、好適な形状記憶合金から構成されるワイヤは、チャネル904、906のそれぞれの中に挿入される。各ワイヤはそのそれぞれのチャネル904、906に制限されるため、その長さに沿った鋭い曲げを最小にする構成を採用するように自然に弛緩する。各固定具900、902は、次に、収容されるアーチワイヤに所望の形状を固定して採用させるのに十分な条件に曝される。ニッケル−チタンワイヤに関して、これは、一般に、350℃を超える温度に加熱することにより達成される。
図14a及び14bは、図13a及び13bの固定具900、902を用いて上記の方法により製造された完成したアーチワイヤ912、914を示す。示されるように、アーチワイヤ912は、より広い断面寸法を有するチャネル906に形状設定された結果として、アーチワイヤ914より実質的に平滑な輪郭を有する。本方法の更なる利点はその単純さに由来する。所望する場合、得られるアーチワイヤ形状の平滑度は、チャネル904、906の幅を単純に調節することにより、広範囲にわたって調整することができ、一方で、全体的なアーチワイヤ形状に対する大幅な変更を避ける。
この実施形態では、収容されるアーチワイヤに所望の形状を固定して採用させるのに十分な条件に固定具900、902を曝す工程は、所望の形状に対して様々な程度の忠実性を表す2つ以上のアーチワイヤを形成する。これは、同時に、各連続するアーチワイヤの形状が歯科矯正セットアップモデルにおいて画定される所望のアーチワイヤ形状に漸進的に近づく、アーチワイヤの順序を提供するために使用され得る。
これらの方法を使用することにより、アーチワイヤ形状は、アーチに沿った異なる位置で異なる程度の平滑度を表すように調整され得る。これは、例えば、不均一な断面寸法を有する(例えば先細りの壁)チャネルを用いて固定具を実装することにより達成することができる。そのようなアーチワイヤ構成は、患者の歯列の一部がセットアップモデルとほぼ一致し、一方で、歯列弓の別の部分がセットアップモデルから大幅に外れる状態において有利であり得る。これらの場合では、アーチワイヤの幾つかのセグメントを他より大きな程度に平滑することが有益であり得る。平滑度の変化は、実施者の必要性により徐々に又は急激のいずれかであり得る。チャネル904、906の断面寸法が固定具を製造する能力によってのみ制限されるとき、特注化の自由度を広くすることが可能である。
アーチワイヤ長の相違は、提案されたアーチワイヤ形状を訂正することによって軽減され得る別の問題である。この事実は、患者の不正咬合歯列に重ね合わされた代表的なアーチワイヤ形状916を示す図15に示される。アーチワイヤ形状916は、調節可能なノード922、924により2つの後方区画918及び前方区画920に細分化される。前方領域において著しく密集した患者16の不正咬合歯列に重ね合わせられたアーチワイヤ形状916が示される。ノード922、924間のアーチワイヤ形状916の部分を見ると、前方セグメント920を前歯の上のブラケットに係合するためのワイヤ長が不十分であることは、視覚的に明らかである。アーチワイヤを更に平滑化する工程は、この矛盾が個々のアーチワイヤスロットとの干渉により作り出されたのではなく、むしろ全体としてのアーチワイヤ形状の不一致によるものであるため、この問題を解決しないことが更に観察される。
ノード922、924は、区画918、920を再画定するために、所望により、実施者14又は技術者22のいずれかによって、ソフトウェアにおいて自由に画定及び調節することができる。例えば、単一ノードは、アーチワイヤ形状を2つの別個のアーチワイヤ区画に分割するために使用され、一方で、3つ以上のノードは、4つ以上の別個のアーチワイヤ区画を作り出すために使用され得る。いずれの場合においても、ノード922、924は、アーチワイヤ形状の異なる区画が単離され、互いから別々に訂正されることを可能にする。
代表的な実施形態では、干渉パラメータはアーチ長の相違に基づく。所与のアーチワイヤ形状のアーチ長は、次に、アーチ長の相違を低減させるために必要に応じて調節される。例えばアーチ長に不足がある場合、不一致は、干渉パラメータ条件が満たされるまで、アーチ長の相違を低減させるためにアーチワイヤの長さを増加することにより軽減することができる。図15において、前方区画920のみが密集と関連し、一方で、後方区画918は適切に整合された歯列と関連する。この状況は、その長さを拡張するために、前方区画920を拡大することにより対処することができ、同時に後方区画918の位置及び/又は配向を維持する。アーチワイヤ形状916の位置のちょうど上にアーチワイヤの長さを拡張することにより、後方歯列に対する任意の悪影響は、実質的に排除又は低減され得る。より一般的には、ノード922、924は、所与の区画918、920のアーチ長を別の所与の区画918、920のアーチ長より長く又は短く調節するのを可能にする。
図15により提供される例において、前方区画920のエンドポイントを提供するノード922、924は、制限されてもされなくてもよい。幾つかの実施形態では、ノード922、924は、前方区画920が前方方向(不正咬合歯列に向かって)に非対称的に拡張し、一方で、後方区画918がその元の位置に固定されたままであるように留められる。したがって、後方区画918の配向及び位置は、アーチワイヤ形状916のアーチ長が調節されるとき、固定されたままであり得る。別の選択肢として、前方区画920が全方向において外向きに拡張することが可能であるノード922、924の幾つかの変形が可能である。この種類の拡張は、例えば、区画920を等尺性を保って拡大するときに生じる。しかしながら、これは、後方区画918の位置を最初に提案されたアーチワイヤ形状のものから大幅に外れさせる可能性があるため、望ましくない可能性がある。
前方区画920の拡張は、前方区画920の長さに沿って均一に又は不均一に生じてよい。アーチに沿った均一な拡張は、例えば、前方区画920を等尺性を保って拡大するときに生じる。逆に、不均一な拡張は、前方セグメントの第1の部分が前方セグメントの第2の部分より比例して大きく又は小さく拡張するときに生じる。例えば、前方区画920自体は、2つ以上の小区画に細分化することができ、それぞれアーチ長調節の範囲を画定するそれぞれの拡張指数を有する。幾つかの実施形態では、拡張指数は、ソフトウェアにおいて自動的に又は半自動的に測定される。任意に、1つ以上の区画の拡張指数は、各区画又は小区画に関連する患者の歯列における密集の程度に基づき得る。
幾つかの実施形態では、拡張されるワイヤ区画は、図5の文脈において前述されるデジタルセットアップモデルからの所定のアーチワイヤセグメント206、208のうちの1つ以上の歯列に基づく。拡張されるワイヤ区画がアーチワイヤセグメントを目的とする場合、関連する拡張指数は、任意に、アーチワイヤ形状に沿ったワイヤセグメントとその隣接するワイヤセグメントのうちの1つ又はその両方との間に形成される曲げ角度に少なくとも部分的に基づき得る。拡張指数が、関連するアーチワイヤ区画に近位の不正咬合歯列における密集の程度に関する曲率等の任意の他の測定可能な干渉パラメータに少なくとも部分的に基づき得ることが更に想定される。
これらの方法は、必ずしもアーチワイヤ拡張に限定される必要はない。前方セグメントの拡張が上述されるが、隣接する歯間に大幅な隙間がある逆のシナリオも生じ得る。この状況では、治療の1つ以上の初期段階中に存在する過剰なアーチワイヤ長を相殺するために、1つ以上のアーチワイヤセグメントの縮小が想定される。
任意に、一連の各工程での大きさは、その前の反復に対して制御された活動を提供する構成を有する。ワイヤは平面にあるために、アーチ形状の各セグメントは、4つの自由度で記載され得る。
前のように、上記の方法は反復的に実施することができる。例えば、許容範囲を外れて拡大する干渉パラメータを有するアーチワイヤ形状の少なくとも一部が準備され得る。次に、差し替えアーチワイヤ形状セグメントを得るために、アーチワイヤ形状の部分の干渉パラメータがもはや許容範囲を外れて拡大しなくなるまで、アーチワイヤ形状の一部のアーチ長は反復的に調節され得る。最後に、元のアーチワイヤ形状の対応する一部は、次に、差し替えアーチワイヤ形状セグメントと差し替えられ得る。
幾つかの実施形態では、提案されたアーチワイヤ形状に対する訂正は、少なくとも部分的に不正咬合歯列モデルに基づく。例えば、訂正は、アーチワイヤが患者の不正咬合歯列モデル上に配置されるとき、1つ以上のアーチワイヤセグメントの初期の位置及び配向を測定する工程を伴う場合がある。これは、アーチワイヤがセットアップモデル上に配置されるとき、歯が所望の(又は最終)位置にある、それぞれのセグメントの位置及び配向と比較され得る。3D座標系における初期位置と最終位置との間のアーチワイヤセグメントの位置及び配向を変換する数学関数を定義することにより、コンピュータは、提案されたアーチワイヤ形状を、アーチワイヤ長の相違を実質的に軽減する中間アーチワイヤ形状と差し替えることができる。
一実施形態では、提案されたアーチワイヤ形状におけるアーチワイヤセグメントの位置(位置及び配向)は、最初に、不正咬合歯列に対して測定され、次に、同じセグメントの位置は、所望の歯列に対して測定され、次に、提案されたアーチワイヤ形状の少なくとも一部は、不正咬合歯列及び所望の歯列に関連するセグメントの位置により画定されるモーフィングされたアーチワイヤ形状の少なくとも一部と差し替えられる。これは図16を参照に示される。
図16は、図15に示される不正咬合歯列上のブラケット928に関連する真っ直ぐなワイヤセグメント930を示す。この場合において、セグメント930の全ては同じ平面内にあるように制限され、各セグメントの各位置及び配向は、4つの自由度のみに完全に特定され得る。各セグメントは、セグメントごとに変動することができる個々の長さを更に有する。したがって、ワイヤの断面寸法が固定されると仮定すると、ワイヤセグメントの仕様Sは、一般的に、
S=f(x,y,α,β,L)
として定義することができるということになり、式中、x及びyは、x−y平面内のデカルト座標であり、αは平面における角度配向を定義し、βはワイヤセグメントの長手方向軸線の周囲のトルク角を定義し、Lはワイヤセグメントの長さである。
次に、S=f(x,y,α,β,L)及びS=(x,y,α,β,L)は、所与のワイヤセグメントの初期構成及び最終構成を表すと仮定する。この場合、中間ワイヤセグメントの仕様Sは、自明に、
=f((x−x)/2,(y−y)/2,(α−α)/2,(β−β)/2,(L−L)/2)と定義することができる。
よって、仕様Sは、ある意味で、初期及び最終のワイヤセグメントの幾何「平均」を提供する。初期及び最終のアーチワイヤ形状を含む対応するワイヤセグメントの各対に関してこのプロセスを反復することにより、訂正されたアーチワイヤ形状は、どちらがS及びSの特徴を平均化するかを完全に特定することができる。
図2のブロック56によって示されるように、次に、訂正されたアーチワイヤ形状のアーチ長の相違が計算され、実施者14又は製造者のいずれかによって特定された所定の制限と比較され得る。アーチ長の相違が定義された制限内に入る場合、訂正されたアーチワイヤ形状は認められる。試験が失敗した場合、更なる中間アーチワイヤ形状が得られ(図2、ブロック58)、好適なアーチワイヤ形状が見つかるまで試験される。更なる中間アーチワイヤ形状は、例えばS及びSをモーフィングすることによって得られる。あるいは、SとSとの間の重量平均が使用され得る。このプロセスを繰り返すことにより、アーチワイヤ形状は、絶えず訂正され、アーチ長の相違条件が満たされるまで、不正咬合状態に漸進的に近づく。
幾つかの実施形態では、複数の中間アーチワイヤ形状は、段階的な治療計画を提供するために、上述のように、初期のアーチワイヤ形状と最終アーチワイヤ形状との間に線形補間されることにより最初に測定される。例えば、これは、中間アーチワイヤ形状の画定された部分を得るために、不正咬合歯及び所望の歯の位置に関連する対のアーチワイヤセグメントの位置及び配向を線形補間することにより実行することができる。この治療計画は、初期位置から最終位置に歯を漸進的に移動させるために、歯に結合される特注ブラケットを係合する一連のアーチワイヤを含み得る。
任意に、1つのアーチワイヤ形状から次への幾何偏差を反映する偏差指数が測定される。所望する場合、第1のアーチワイヤ形状を第2のアーチワイヤ形状と差し替える工程は、所定の範囲内に入る第1と第2のアーチワイヤ形状との間の偏差指数に依存してもよい。幾つかの実施形態では、第1及び第2のアーチワイヤ形状は、アーチワイヤ配列において連続したアーチワイヤ形状である。範囲は、アーチワイヤが治療経過中に差し替えられるとき、各連続するアーチワイヤがある程度以下の活動(単位領域当たり患者の歯に適用される力の最大レベルに対応する)を提供するように定義され得る。単純な歯の移動に関して、段階的な治療計画は、アーチワイヤ形状が歯の予測される移動に適合するため、アーチワイヤ摺動に関連する問題を最小にすることができる。
最後に、訂正されたアーチワイヤ形状が定義された干渉パラメータ制限を一旦満たすと、1つ以上の特注のアーチワイヤが訂正されたアーチワイヤ形状に基づき製造される図2のブロック60のプロセスに進む。特注のアーチワイヤは、当該技術分野において既知の幾つかの方法のいずれかを用いて製造され得る。好適なアーチワイヤ材料としては、ニッケル−チタン及び銅−ニッケル−チタンの合金を含む、ステンレススチール、チタン、及び形状記憶合金が挙げられる。
幾つかの実施形態では、アーチワイヤは、比較的軟性で熱処理可能である金属合金から構成される。そのような合金の1つは、Rocky Mountain Orthodontics(Denver,CO)により提供されるELGILOY商標のコバルトクロム合金である。この特別なワイヤ材料は、コバルト40%、クロム20%、ニッケル15%、モリブデン7%、マンガン2%、炭素0.15%、残りは鉄の組成物を有する。別の好適な合成は、Ormco Corporation(Orange,CA)により提供されるAZURLOY商標の合金である。これらの合金から作製されたアーチワイヤは、加熱つかみ具を有する6軸曲げロボットでの使用に特に好適である。ワイヤ曲げロボットは、訂正されたアーチワイヤ形状を表すデジタルデータを用いて、真っ直ぐな長さのワイヤを特注アーチワイヤに変換することができる。6軸ワイヤ曲げロボットの使用に関する更なる詳細は、国際特許公開第WO 01/80761号(Rubbert et al.)に記載される。
アーチワイヤは、ワイヤの強度を増加させるために、曲げた後に加熱処理され得る。例えば、曲げロボットの加熱つかみ具は、ワイヤを抵抗加熱するために電流を適用することができる。別の選択肢として、加熱処理は、アーチワイヤを炉又は米国特許第6,214,285号(Rubbert et al.)に記載される他の加熱装置に配置することにより、アーチワイヤ全体に対して実施され得る。コバルトクロムアーチワイヤが使用される場合、加熱処理は約260℃の温度で実施され得る。
別の態様では、アーチワイヤは、アーチワイヤをワイヤ曲げロボットに供給し、訂正されたアーチワイヤ形状を有するようにアーチワイヤをワイヤ曲げロボットを用いて曲げ、ワイヤがワイヤ曲げロボットによって定位置に保持される間にアーチワイヤを加熱処理することにより曲げられ、加熱処理され得る。コバルトクロム合金が想定されるが、曲げた後に加熱処理から利益を受ける他の合金も使用することができる。ここで、曲げ及び加熱処理の工程は、ワイヤにおける一連の曲げを誘発し、一連の曲げにおけるそれぞれの曲げを誘発した後にワイヤを加熱することにより実施され得る。
加えて、図13a〜b及び14a〜bの文脈において前述されるように、アーチワイヤは、訂正されたアーチワイヤ形状を表すデジタルデータに基づき1つ以上の固定具の構成を作り出し、構成に基づき1つ以上の固定具を製造し、1つ以上の固定具においてワイヤを制限し、アーチワイヤに訂正された形状を永久的に採用させるのに十分な条件に固定具を曝すことにより、所望の形状に形成され得る。任意に、固定具は、1つ以上のアーチワイヤ形状を表すデジタルデータを入力として受信する数値的に制御された製造装置を用いて製造される。好適な製造装置としては、例えば、チャネルを略平面固定具内に正確にミリングすることが可能であるコンピュータ制御高速ミリング機械を挙げることができる。
キット及びアセンブリ
提供される方法により製造されたアーチワイヤは、個別に又は2つ以上のアーチワイヤを含むキットの一部としてパッケージ化され得る。アーチワイヤ一式を含むキットは、例えば、歯を所望の位置に漸進的に移動させるために順に使用するための2つ以上のアーチワイヤが形成される段階的な治療を可能にするために、歯科矯正実施者に提供され得る。
代表的な歯科矯正キットは、第1のアーチワイヤ形状を有する第1のアーチワイヤと、第2のアーチワイヤ形状を有する第2のアーチワイヤとを含み、第2のアーチワイヤ形状の一部は、幾何学的に平滑化された第1のアーチワイヤ形状の少なくとも一部の表示である。任意に、平滑化された表示は、第1のアーチワイヤ形状の対応する部分の干渉パラメータより低い干渉パラメータを有する。前に定義されるように、干渉パラメータは、平均曲げ角度、最大曲げ角度、平均曲率、最大曲率、アーチ長の相違、及びそれらの組み合わせに基づき得る。
別の代表的な歯科矯正キットは、第1のアーチワイヤ形状を有する第1のアーチワイヤと、第2のアーチワイヤ形状を有する第2のアーチワイヤとを含み、第1及び第2のアーチワイヤ形状のそれぞれは、それぞれのアーチ長を特徴とする。第2のアーチワイヤ形状の少なくとも一部は、第1及び第2のアーチワイヤ形状のアーチ長が互いに異なるように、第1のアーチワイヤ形状に対して幾何学的に拡張される、又は縮小される第1のアーチワイヤ形状の少なくとも一部の表示である。
任意に、アーチワイヤは、歯科矯正治療において、不正咬合位置から所望の位置に歯を移動させるのに十分である。例えば、一式は、図2のブロック60において参照される修正されたアーチワイヤ形状を有する初期のアーチワイヤと、図2のブロック50において参照される提案されたアーチワイヤ形状を有する最終アーチワイヤとを含み得る。アーチワイヤ一式は、治療の意図される段階により、異なる断面形状(例えば丸、長方形)及び寸法(例えば014、016、16×22、17×25)も有することができる。
幾つかの実施形態では、アーチワイヤは、患者の歯の上に配置されたとき、所定の程度の活動を提供するそれぞれの形状を有する。活動の程度は、順序において、所与のアーチワイヤと次のアーチワイヤとの間の偏差指数の関数として測定され得る。偏差指数の所望の範囲は、アーチワイヤが歯に適用するべき力の最適範囲に基づき計算することができ、ワイヤ材料の固有の剛性、ワイヤの断面寸法、隣接歯間セグメントの長さ、及び意図される歯の種類の移動に依存し得る。
様々なパッケージ構成が可能である。形成されるアーチワイヤは、パッケージ化され、使用順序を示す個別の容器で実施者に発送され得る。アーチワイヤもパッケージ化され、ブラケット、頬チューブ、及びバンド等の1つ以上の特注の結合可能な装具一式と共に発送され得る。アーチワイヤ及びブラケットが一緒にパッケージ化される場合、ブラケットは、任意に、同様に患者に特注される間接結合トレー等の好適な留置装置において準備される。更なる選択肢として、留置装置のブラケットは、例えば米国特許第7,137,812号(Cinader et al.)に記載される、好適な歯科矯正接着剤と共にパッケージ化され得る。
上記で触れた特許及び特許出願の全てを本明細書に明確に援用するものである。上記に述べた実施形態は本発明を例示するものであり、他の構造もまた可能である。したがって、本発明は、上記に詳細に説明し、添付図面に示した実施形態に限定されるものと見なされるべきではなく、以下の特許請求の範囲の正当な範囲及びその均等物によってのみ限定されるものである。
222…アーチワイヤスロット、224…第1の側面224、226…第2の側面、620…アーチワイヤセグメント、Rc…曲率半径。

Claims (33)

  1. 歯科矯正アーチワイヤを作製する方法であって、
    患者の歯の特定の位置と関連する第1のアーチワイヤ形状を準備する工程と、
    所定の寸法を有するアーチワイヤスロット内で摺動する適切なアーチワイヤを形成するアーチワイヤ形状に関連する干渉パラメータの許容範囲を定義する工程と、
    前記第1のアーチワイヤ形状が前記許容範囲を外れて拡大する干渉パラメータを有することを測定する工程と、
    干渉パラメータが前記許容範囲を外れて拡大する前記第1のアーチワイヤ形状の少なくとも一部を、前記干渉パラメータがもはや前記許容範囲を外れて拡大しないアーチワイヤ形状に修正する工程と、を含む、方法。
  2. 前記特定の位置が、前記患者の歯の所望の位置である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記修正されたアーチワイヤ形状に従って前記アーチワイヤを製造する工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
  4. 前記干渉パラメータが、アーチワイヤ曲げ角度に基づく、請求項1、2、又は3に記載の方法。
  5. 前記干渉パラメータが、アーチワイヤ曲率に基づく、請求項1、2、又は3に記載の方法。
  6. 前記第1のアーチワイヤ形状の少なくとも一部を修正する工程が、曲線適合アルゴリズムを前記第1のアーチワイヤ形状の少なくとも一部に適用する工程を含む、請求項1、2、又は3に記載の方法。
  7. 曲線適合アルゴリズムを適用する工程が、平滑化スプラインを適用する工程を含む、請求項6に記載の方法。
  8. 曲線適合アルゴリズムを適用する工程が、全体のアーチワイヤ形状を維持しながら、前記第1のアーチワイヤ形状の曲げを2つ以上の比較的より緩やかな曲げと差し替える工程を含む、請求項6に記載の方法。
  9. 前記第1のアーチワイヤ形状の少なくとも一部を修正する工程が、前記第1のアーチワイヤ形状の少なくとも一部を、アーチワイヤ形状のライブラリから選択される第2のアーチワイヤ形状の一部でモーフィングすることを含む、請求項1、2、又は3に記載の方法。
  10. 前記第1のアーチワイヤ形状の少なくとも一部を修正する工程が、
    アーチワイヤ形状のライブラリから第2のアーチワイヤ形状の少なくとも一部を選択する工程と、
    前記第1のアーチワイヤ形状の少なくとも一部を前記第2のアーチワイヤ形状の前記選択された一部と差し替える工程と、を含む、請求項1、2、又は3に記載の方法。
  11. 前記第2のアーチワイヤ形状の少なくとも一部を選択する工程が、所定の許容度内で前記第1のアーチワイヤ形状の少なくとも一部と一致するアーチワイヤ形状を求めて前記ライブラリを検索する工程を含む、請求項10に記載の方法。
  12. 前記干渉パラメータが、アーチ長の相違に基づく、請求項1、2、又は3に記載の方法。
  13. 前記アーチワイヤ形状の少なくとも一部を修正する工程が、前記第1のアーチワイヤ形状のアーチ長を調節して、前記アーチ長の相違を低減させる工程を含む、請求項12に記載の方法。
  14. アーチ長を調節する工程が、前記第1のアーチワイヤ形状を等尺的に拡大縮小する工程を含む、請求項13に記載の方法。
  15. アーチ長を調節する工程が、前記第1のアーチワイヤ形状を2つ以上の別個のアーチワイヤ区画に分割する1つ以上のノードを前記第1のアーチワイヤ形状に沿って画定する工程と、第1のアーチワイヤ区画のアーチ長を前記第2のアーチワイヤ区画のアーチ長よりも長く又は短く調節する工程と、を含む、請求項13に記載の方法。
  16. 前記第2のアーチワイヤ区画の配向及び位置が、前記第1のアーチワイヤ形状のアーチ長が調節されるときに固定されたままである、請求項15に記載の方法。
  17. それぞれのアーチワイヤ区画のアーチ長調節の程度が、前記アーチワイヤ区画に関連する歯の密集の程度に依存する、請求項15に記載の方法。
  18. 前記歯の密集の程度が、前記第1のアーチワイヤ形状に沿った1つ以上の曲げの前記曲げ角度に少なくとも部分的に基づく、請求項17に記載の方法。
  19. 前記歯の密集の程度が、前記第1のアーチワイヤ形状の少なくとも一部に沿って測定された曲率に少なくとも部分的に基づく、請求項17に記載の方法。
  20. 前記第1のアーチワイヤ形状の少なくとも一部を修正する工程が、
    前記アーチワイヤが不正咬合歯の上に配置された状態で、前記第1のアーチワイヤ形状の1つ以上のセグメントの位置及び配向を測定する工程と、
    前記アーチワイヤが特定の位置で歯の上に配置された状態で、前記1つ以上のセグメントの位置及び配向を測定する工程と、
    前記第1のアーチワイヤ形状の少なくとも一部を、前記不正咬合歯及び特定の歯の位置に関連する前記セグメントの前記位置及び配向により画定される第2のアーチワイヤ形状の少なくとも一部と差し替える工程と、を更に含む、請求項1、2、又は3に記載の方法。
  21. 前記不正咬合歯及び特定の歯の位置に関連するアーチワイヤセグメントの前記位置及び配向を線形補間して、前記第2のアーチワイヤ形状の前記画定された部分を得る工程を更に含む、請求項20に記載の方法。
  22. 前記1つ以上のセグメントが実質的に同一平面上に存在するように、前記1つ以上のセグメントの前記位置及び配向が制限される、請求項20に記載の方法。
  23. 幾何学的偏差指数を定義する工程を更に含み、前記第1のアーチワイヤ形状の少なくとも一部を前記第2のアーチワイヤ形状の少なくとも一部と差し替える工程が、所定の範囲内に入る前記第1と第2のアーチワイヤ形状の少なくとも一部間の前記偏差指数に依存する、請求項20に記載の方法。
  24. 前記干渉パラメータがもはや前記許容範囲を外れて拡大しないように前記第1のアーチワイヤ形状の少なくとも一部を修正する工程が、
    前記許容範囲を外れて拡大する干渉パラメータを有する第2のアーチワイヤ形状の少なくとも一部を準備する工程と、
    差し替えアーチワイヤ形状セグメントを得るために、前記第2のアーチワイヤ形状の平滑化された部分の前記干渉パラメータがもはや前記許容範囲を外れて拡大しなくなるまで、前記第2のアーチワイヤ形状の少なくとも一部を反復的に平滑化する工程と、
    前記第1のアーチワイヤ形状の少なくとも一部を前記差し替えアーチワイヤ形状セグメントと差し替える工程と、を含む、請求項1、2、又は3に記載の方法。
  25. 前記第1のアーチワイヤ形状の少なくとも一部を修正する工程が、
    前記許容範囲を外れて拡大する干渉パラメータを有する第2のアーチワイヤ形状の少なくとも一部を準備する工程と、
    差し替えアーチワイヤ形状セグメントを得るために、前記第2のアーチワイヤ形状の調節された部分の前記干渉パラメータがもはや前記許容範囲を外れて拡大しなくなるまで、前記第2のアーチワイヤ形状の少なくとも一部の前記アーチ長を反復的に調節する工程と、
    前記第1のアーチワイヤ形状の少なくとも一部を前記差し替えアーチワイヤ形状セグメントと差し替える工程と、を含む、請求項1、2、又は3に記載の方法。
  26. 請求項1〜25のいずれか1項に記載の方法により作製された特注歯科矯正アーチワイヤ。
  27. 歯科矯正アーチワイヤ一式を作製する方法であって、
    アーチワイヤ形状を測定する工程と、
    1つ以上の固定具に設けられる複数のチャネルを作り出す工程であって、少なくとも2つのチャネルが、前記測定されたアーチワイヤ形状を反映し、互いに異なるそれぞれの断面寸法を有する、工程と、
    前記アーチワイヤが前記測定された形状を採用するように、アーチワイヤをそれぞれのチャネルに制限する工程と、
    前記1つ以上の固定具を、それらの中の前記アーチワイヤが前記測定されたアーチワイヤ形状を固定して採用するのに十分な条件に曝し、それによって前記測定されたアーチワイヤ形状に関して様々な程度の忠実性を表す2つ以上のアーチワイヤを形成する工程と、を含む、方法。
  28. 前記断面寸法が横幅である、請求項27に記載の方法。
  29. 前記それぞれの固定具のチャネルが、端から端までの配列において複数の略線形セグメントと、隣接する複数のセグメントが一緒になる位置に位置する複数の空洞と、を有し、それぞれの線形セグメントの前記横幅が、その長さに沿ってほぼ均一である、請求項28に記載の方法。
  30. 一般に複数のチャネルを作り出す工程が、
    それぞれが前記アーチワイヤのそれよりも断面寸法を有する2つ以上のチャネルを画定する工程と、
    前記固定具上で重ね合わされるとき、前記測定された形状の前記長手方向軸線が一般に前記チャネルのそれぞれのセグメントと交差するように、それぞれの固定具においてそれぞれのチャネルを形成する工程と、を更に含む、請求項27に記載の方法。
  31. 第1のアーチワイヤ形状を有する第1のアーチワイヤと、
    第2のアーチワイヤ形状を有する第2のアーチワイヤと、を含み、前記第2のアーチワイヤ形状の少なくとも一部が、前記第1のアーチワイヤ形状の少なくとも一部の幾何学的に平滑化された表示である、歯科矯正キット。
  32. 前記平滑化された表示が、前記第1のアーチワイヤ形状のそれぞれの部分の干渉パラメータ未満の前記干渉パラメータを有し、前記干渉パラメータが、平均曲げ角度、最大曲げ角度、平均曲率、最大曲率、及びアーチ長の相違のうちの1つ以上に基づく、請求項31に記載の歯科矯正キット。
  33. 第1のアーチワイヤ形状を有する第1のアーチワイヤと、
    第2のアーチワイヤ形状を有する第2のアーチワイヤと、を含み、前記第1及び第2のアーチワイヤ形状のそれぞれが、それぞれアーチ長を有し、前記第2のアーチワイヤ形状の少なくとも一部が、前記第1及び第2のアーチワイヤ形状の前記アーチ長が互いに異なるように、前記第1のアーチワイヤ形状に対して幾何学的に拡張される、又は縮小される前記第1のアーチワイヤ形状の少なくとも一部の表示である、歯科矯正キット。
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