JP2017124044A - レーザ治療用デリバリユニットおよび眼科用レーザ治療装置 - Google Patents

レーザ治療用デリバリユニットおよび眼科用レーザ治療装置 Download PDF

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【課題】デリバリユニットの接続時や変更時における作業負担を軽減できるレーザ治療用デリバリユニットおよび眼科用レーザ治療装置を提供する。【解決手段】光源を備える装置本体11から光ファイバにより導光された治療レーザ光またはエイミング光を患者眼に照射する照射光学系を有するデリバリユニット14であって、スリットランプ又は術者に装着され、患者眼に治療レーザ光を照射して患者眼を治療する眼科用レーザ治療に使用されるレーザ治療用デリバリユニットにおいて、装置本体に接続する通信部と、通信部を介して装置本体の制御部22に読み出され制御部による装置本体の制御に使用されるデリバリユニットの固有情報が記憶されたメモリ93と、を有する。【選択図】図2

Description

本開示は、患者眼に治療用のレーザ光(以下、「治療レーザ光」という。)を照射する眼科用レーザ治療に使用されるレーザ治療用デリバリユニットおよび眼科用レーザ治療装置に関する。
患者眼に治療レーザ光を照射して患者眼を治療する眼科用レーザ治療(例えば、患者眼の組織を熱凝固させる光凝固治療)が知られている。この眼科用レーザ治療を行う装置として、特許文献1には、レーザ光源ユニットと、光ファイバと、スリットランプと、スリットランプに装着されレーザ照射光学系を備えるデリバリと、制御部とを有する眼科用レーザ治療装置が開示されている。そして、この眼科用レーザ治療装置において、デリバリは、光ファイバを介してレーザ光源ユニットに接続し、ケーブルを介して制御部に接続している。
特開2011−156290号公報
特許文献1に開示されるような眼科用レーザ治療装置において、デリバリの接続時や変更時には、作業者が、デリバリが持つ固有の特性(例えば、治療レーザ光の透過率など)に応じて、眼科用レーザ治療を行うために必要な各設定項目(例えば、治療レーザ光源の光量など)を設定し直す必要があった。そのため、デリバリの接続時や変更時において、作業負担が大きかった。
そこで、本開示は上記した問題点を解決するためになされたものであり、デリバリユニットの接続時や変更時における作業負担を軽減できるレーザ治療用デリバリユニットおよび眼科用レーザ治療装置を提供することを目的とする。
本開示における典型的な実施形態が提供するレーザ治療用デリバリユニットは、光源を備える装置本体から光ファイバにより導光された治療レーザ光またはエイミング光を患者眼に照射する照射光学系を有するデリバリユニットであって、スリットランプ又は術者に装着され、前記患者眼に前記治療レーザ光を照射して前記患者眼を治療する眼科用レーザ治療に使用されるレーザ治療用デリバリユニットにおいて、前記装置本体に接続する通信部と、前記通信部を介して前記装置本体の制御部に読み出され前記制御部による前記装置本体の制御に使用される前記デリバリユニットの固有情報が記憶されたメモリと、を有すること、を特徴とする。
本開示における典型的な実施形態が提供する眼科用レーザ治療装置は、光源を備える装置本体と、光ファイバと、デリバリユニットと、を有し、前記デリバリユニットは、前記装置本体から前記光ファイバにより導光された治療レーザ光またはエイミング光を患者眼に照射する照射光学系と、スリットランプ又は術者に装着するための装着部材と、を備え、前記スリットランプ又は前記術者に前記デリバリユニットが装着された状態で前記患者眼に前記治療レーザ光を照射して前記患者眼を治療する眼科用レーザ治療装置において、前記デリバリユニットは、前記装置本体に接続する通信部と、前記デリバリユニットの固有情報が記憶されたメモリと、を備え、前記装置本体は、前記通信部を介して前記メモリから読み出した前記デリバリユニットの固有情報を使用して前記装置本体を制御する制御部を備えること、を特徴とする。
本開示のレーザ治療用デリバリユニットおよび眼科用レーザ治療装置によれば、デリバリユニットの接続時や変更時における作業負担を軽減できる。
本実施形態の眼科用レーザ治療装置の全体構成を示す概略図である。 本実施形態の眼科用レーザ治療装置の制御系の構成を示す図である。
眼科用レーザ治療を行う眼科用レーザ治療装置は、光源を備える装置本体に光ファイバを介して接続するデリバリユニットから患者眼に対して治療レーザ光を照射して、患者眼を治療する。ここで、デリバリユニットには、治療対象の患者眼の症状や手術時の患者の姿勢状況などの各状況に適用できるように、その構成や装着形式などが各々異なる複数の種類のユニットが存在する。例えば、デリバリユニットの種類には、スリットランプに装着するタイプのデリバリユニットや、観察光学系と照明光学系と照射光学系を一体的に備え術者(例えば、術者の頭部)に装着するタイプのデリバリユニット(以下、「術者装着タイプのデリバリユニット」という。)、あるいは、患者眼の眼内に挿入可能な眼内プローブを備えるタイプのデリバリユニットなどがある。
このようにデリバリユニットには複数の種類のユニットが存在するが、本実施形態では、スリットランプに装着するタイプのデリバリユニットを例に挙げて説明する。
そこで、図1に示すように、本実施形態の眼科用レーザ治療装置1は、装置本体11と、光ファイバ12と、スリットランプ13と、デリバリユニット14を有する。
装置本体11は、レーザ光源ユニット21と、制御部22と、操作ユニット23などを備えている。
レーザ光源ユニット21は、光ファイバ12に接続しており、治療レーザ光やエイミング光(可視の照準光)を光ファイバ12に入射させる。このレーザ光源ユニット21は、治療レーザ光源31、エイミング光源32、ダイクロイックミラー33、集光レンズ34、シャッタ35、シャッタ36などを備えている。
治療レーザ光源31は、治療レーザ光を出射させる機器である。エイミング光源32は、エイミング光を出射させる機器である。ダイクロイックミラー33は、治療レーザ光とエイミング光を合波する部品である。集光レンズ34は、合波された治療レーザ光とエイミング光を集光し光ファイバ12に入射させるレンズである。シャッタ35は、治療レーザ光を遮断する機器である。シャッタ36は、治療レーザ光またはエイミング光を遮断する機器である。
そして、このようなレーザ光源ユニット21において、治療レーザ光源31から出射された治療レーザ光は、シャッタ35、ダイクロイックミラー33、シャッタ36、集光レンズ34を通って、光ファイバ12に入射する。また、エイミング光源32から出射されたエイミング光は、ダイクロイックミラー33、シャッタ36、集光レンズ34を通って、光ファイバ12に入射する。
制御部22は、メモリ24、治療レーザ光源31、エイミング光源32、エンコーダ109、走査部106、操作ユニット23、フットスイッチ41に接続している。さらに、本実施形態では、図2に示すように、制御部22は、デリバリケーブル92を介して、デリバリユニット14のメモリ93に接続している。そして、本実施形態では、制御部22は、デリバリケーブル92を介してメモリ93に記憶されたデリバリユニット14の固有情報を読み出すことができ、さらに、読み出したデリバリユニット14の固有情報を使用して装置本体11を制御する。なお、フットスイッチ41は、治療レーザ光またはエイミング光を照射するトリガを入力するための機器である。
操作ユニット23は、表示器42などを備えている。
表示器42は、タッチパネル式の表示機器であり、各種のパネルスイッチが設けられている。そして、表示器42において、治療レーザ光またはエイミング光の照射条件のパラメータが設定可能である。ここで、表示器42の画面上において、照射条件の各項目の設定部として、例えば、治療レーザ光やエイミング光の出力設定部51、照射時間(パルス幅)設定部52、休止時間(治療レーザ光の照射時間間隔)設定部53、治療レーザ光の走査パターン設定部54、照射モードを設定するモード設定部55、治療レーザ光のスポットサイズを表示するスポットサイズ表示部56などが用意されている。また、表示器42の画面上において、その他の設定部等を呼び出すためのメニューボタン等も用意されている。なお、表示器42において設定した各種パラメータはメモリ24に記憶される。
また、図2に示すように、装置本体11は、デリバリ接続認識回路25を備えている。デリバリ接続認識回路25は、制御部22とデリバリユニット14のデリバリケーブル92とに接続している。このデリバリ接続認識回路25により、制御部22は、デリバリユニット14のデリバリケーブル92が装置本体11に接続されているか否かを認識できる。例えば、眼科用レーザ治療装置1の起動中において、デリバリケーブル92が抜かれて別のデリバリユニット14のデリバリケーブル92が装置本体11に接続されたときに、制御部22は、その接続を認識できる。なお、装置本体11は、デリバリ接続認識回路25の代わりに、デリバリケーブル92が装置本体11に接続されたことを検出できるスイッチやセンサを備えていてもよい。
光ファイバ12は、装置本体11のレーザ光源ユニット21と、デリバリユニット14の筐体101の接続部101aに接続している。そして、光ファイバ12は、レーザ光源ユニット21から入射された治療レーザ光またはエイミング光をデリバリユニット14の照射光学系91に導光する。
スリットランプ13は、観察光学系61と照明光学系62を備えている。本実施形態では、このスリットランプ13にデリバリユニット14の筐体101の装着部101bが装着されている。
観察光学系61は、術者が患者眼PEを観察するためのユニットである。観察光学系61は、患者眼PE側から順に、対物レンズ71、変倍光学系72、術者保護フィルタ設置部73、術者保護フィルタ74、正立プリズム光学系75、視野絞り76、接眼レンズ77などを備えている。
術者保護フィルタ74は、術者保護フィルタ設置部73に設置されることにより観察光学系61における光路に配置され、患者眼PEからの治療レーザ光の反射光を遮断して、術者眼OEを保護する。
ここで、術者保護フィルタ設置部73に術者保護フィルタ74が設置される形式として、手動式と、電動式と、固定式が存在する。手動式は、手動で術者保護フィルタ74を術者保護フィルタ設置部73に設置する形式である。電動式は、自動で術者保護フィルタ74を術者保護フィルタ設置部73に設置する形式である。固定式は、術者保護フィルタ74が術者保護フィルタ設置部73に固定されている形式である。なお、図2に示すように、術者保護フィルタ設置部73は、デリバリユニット14を介して、装置本体11の制御部22に接続している。なお、術者保護フィルタ設置部73は、デリバリユニット14を介さずに、装置本体11の制御部22に接続していてもよい。
照明光学系62は、患者眼PEに照明光を照らすユニットである。照明光学系62は、照明光源81を備え、この照明光源81側から順に、コンデンサーレンズ82、スリット83、投影レンズ84、補正レンズ85、分割ミラー86、分割ミラー87などを備えている。
そして、このような照明光学系62において、照明光源81から発せれた照明光は、コンデンサーレンズ82、スリット83、投影レンズ84、補正レンズ85、分割ミラー86、分割ミラー87を介して、患者眼PEに照らされる。
デリバリユニット14は、図1と図2に示すように、照射光学系91とデリバリケーブル92(通信部)とメモリ93などを有する。デリバリユニット14は、光ファイバ12を介して装置本体11に接続されているとともに、デリバリケーブル92を介して装置本体11に接続されている。また、デリバリユニット14は、スリットランプ13に装着されている。具体的には、スリットランプ13の観察光学系61と照明光学系62との間の位置において、デリバリユニット14は、その筐体101の装着部101b(装着部材)においてスリットランプ13に装着されている。
照射光学系91は、光ファイバ12を介して装置本体11のレーザ光源ユニット21に接続されている。この照射光学系91は、レーザ光源ユニット21から光ファイバ12により導光された治療レーザ光またはエイミング光を患者眼PEに照射する。なお、治療レーザ光またはエイミング光は、コンタクトレンズCLを介して、患者眼PEに照射される。
照射光学系91は、筐体101を備え、その筐体101の内部において、光ファイバ12が接続される接続部101a側から順に、リレーレンズ102、治療レーザ光のスポットサイズを変更するズームレンズ103、ミラー104、コリメータレンズ105、走査部106、対物レンズ107、反射ミラー108などを備えている。また、照射光学系91は、エンコーダ109を備えている。
そして、このような照射光学系91において、光ファイバ12から照射光学系91に入射された治療レーザ光またはエイミング光は、リレーレンズ102、ズームレンズ103、ミラー104、コリメータレンズ105、走査部106、対物レンズ107、反射ミラー108を介して、患者眼PEに向かって照射される。
デリバリケーブル92は、装置本体11に接続している。メモリ93(図2参照)は、書き換え可能かつ電源が遮断されてもデータの保持が可能な半導体(例えば、EEPROM、フラッシュメモリ等)、または、RAMとバックアップ電池の組合せからなるものである。本実施形態では、メモリ93には、デリバリユニット14の固有情報が記憶されている。このデリバリユニット14の固有情報は、デリバリケーブル92を介して装置本体11の制御部22に読み出され、制御部22による装置本体11の制御に使用される。
また、本実施形態では、メモリ93は、デリバリケーブル92を介して装置本体11の制御部22との間でシリアル通信を行う。これにより、デリバリケーブル92の内部の配線数を減らすことができるので、コストの低減やデリバリケーブル92の取り扱い性の向上を図ることができる。すなわち、例えば、装置本体11とデリバリユニット14とに接続する複数本の配線を使用してデリバリユニット14の種類を検出する場合には、デリバリユニット14の種類が増えるほど配線本数が増えてしまう。しかし、本実施形態ではデリバリユニット14の種類が増えてもデリバリケーブル92の内部の配線数を増やすことなく容易にデリバリユニット14の種類を検出できると共に、デリバリユニット14の種類の検出以外の複雑な制御を行うことができる。
以上のような構成の眼科用レーザ治療装置1は、装置本体11のレーザ光源ユニット21から光ファイバ12を介して治療レーザ光をデリバリユニット14に導光して、デリバリユニット14の照射光学系91から患者眼PEに治療レーザ光を照射する。そこで、術者は、観察光学系61により患者眼PEを観察しながら、照明光学系62により患者眼PEに照明を照らし、照射光学系91から患者眼PEに治療レーザ光を照射させることにより、患者眼PEを治療する。このとき、術者保護フィルタ74により患者眼PEからの治療レーザ光の反射光が遮断されるので、術者眼OEは保護される。また、術者は、患者眼PEに治療レーザ光の照準を合わせるために、照射光学系91からエイミング光を患者眼PEに照射させることができる。
次に、メモリ93に記憶されているデリバリユニット14の固有情報に関して説明する。本実施形態では、デリバリユニット14の固有情報には、例えば、出力補正情報が含まれている。ここで、出力補正情報とは、装置本体11の制御部22により、治療レーザ光源31における治療レーザ光の出力、または、エイミング光源32におけるエイミング光の出力を補正するための情報である。
この出力補正情報には、光透過率の情報が含まれている。ここで、光透過率の情報とは、装置本体11のレーザ光源ユニット21から光ファイバ12への治療レーザ光またはエイミング光の出力値に対するデリバリユニット14の照射光学系91から患者眼PEへの治療レーザ光またはエイミング光の出力値の比率の情報である。すなわち、光透過率の情報とは、光ファイバ12へ入射される治療レーザ光またはエイミング光の光量に対する、光ファイバ12と照射光学系91を通過して照射光学系91から出射される治療レーザ光またはエイミング光の光量の割合である。
そして、本実施形態では、デリバリユニット14の接続時や変更時において、装置本体11の制御部22は、デリバリケーブル92を介してメモリ93からデリバリユニット14の光透過率の情報を読み出して、読み出した情報をもとに装置本体11を制御する。
例えば、制御部22は、読み出したデリバリユニット14の光透過率の情報をもとに、すなわち、装置本体11に接続されたデリバリユニット14が持つ固有の光透過率の情報をもとに、所望の光量(例えば、表示器42の出力設定部51で設定した光量)の治療レーザ光が患者眼PEに照射されるように、治療レーザ光源31における治療レーザ光の光量を補正する。なお、制御部22は、同様にして、エイミング光源32におけるエイミング光の光量を補正する。なお、読み出した光透過率の情報や、補正後の光量の情報は、メモリ24に記憶させおくことが望ましい。
ここで、デリバリユニット14の接続時や変更時とは、例えば、装置本体11に新たなデリバリユニット14を接続したときや、装置本体11に接続するデリバリユニット14を別の同じ種類のデリバリユニット14に変更したときや、装置本体11に接続するデリバリユニットをデリバリユニット14とは種類の異なるデリバリユニット(例えば、術者装着タイプのデリバリユニット)からスリットランプ13に装着するタイプのデリバリユニット14に変更したときなどである。また、前記のように制御部22が行うメモリ93からデリバリユニット14の光透過率の情報を読み出す制御は、例えば、装置本体11の電源を投入したときや、デリバリ接続認識回路25によってデリバリユニット14が接続されたことが認識されたときに行われる。
このようにして、装置本体11の制御部22は、デリバリユニット14の接続時や変更時において、装置本体11に接続されるデリバリユニット14が持つ固有の光透過率を自動で認識し、デリバリユニット14が持つ固有の光透過率に応じて、治療レーザ光源31やエイミング光源32の光量を補正する。そのため、従来技術のような作業者の設定作業の負担が軽減される。したがって、デリバリユニット14の接続時や変更時における作業負担を軽減しながら、照射光学系91から患者眼PEへ所望の光量の治療レーザ光またはエイミング光を照射できる。また、同じ種類のデリバリユニット14間の個体差による光透過率の違いや、異なる種類のデリバリユニット間の光透過率の違いによる影響を抑制しながら、照射光学系91から患者眼PEへ所望の光量の治療レーザ光またはエイミング光を照射できる。
ところで、デリバリユニット14の照射光学系91におけるズームレンズ103により治療レーザ光のスポットサイズを小さく調整するときには、ズームレンズ103において治療レーザ光の光量が低下して、照射光学系91から患者眼PEへ照射される治療レーザ光の光量が低下するおそれがある。
そこで、光透過率の情報には、ズームレンズ103によりスポットサイズを所定値よりも小さくするときの光透過率(以下、適宜、「小スポットサイズ時のレーザ光透過率」という。)の情報が含まれている。そして、本実施形態では、装置本体11の制御部22は、デリバリケーブル92を介してメモリ93から小スポットサイズ時のレーザ光透過率を読み出して、読み出した情報をもとに装置本体11を制御する。
例えば、制御部22は、装置本体11に接続されたデリバリユニット14が持つ固有の小スポットサイズ時のレーザ光透過率をもとに、所望の光量の小スポットサイズの治療レーザ光が患者眼PEに照射されるように、治療レーザ光源31における治療レーザ光の光量を補正する。なお、読み出した小スポットサイズ時のレーザ光透過率の情報や、補正後の光量の情報は、メモリ24に記憶させおくことが望ましい。
このようにして、装置本体11の制御部22は、デリバリユニット14の接続時や変更時において、装置本体11に接続されるデリバリユニット14が持つ固有の小スポットサイズ時のレーザ光透過率を自動で認識し、デリバリユニット14が持つ固有の光透過率に応じて、治療レーザ光源31の光量を補正する。そのため、デリバリユニット14の接続時や変更時における作業負担を軽減しながら、照射光学系91から患者眼PEへ所望の光量の小スポットサイズの治療レーザ光を照射できる。
また、出力補正情報には、デリバリユニットの種類の情報が含まれている。ここで、デリバリユニットの種類の情報とは、例えば、デリバリユニットが、スリットランプに装着するタイプのデリバリユニットであるか、術者装着タイプのデリバリユニットであるか、患者眼の眼内に挿入可能な眼内プローブを備えるタイプのデリバリユニットであるか、などの情報である。なお、図1に示すデリバリユニット14の種類は、スリットランプに装着するタイプのデリバリユニットに該当する。
そして、本実施形態では、デリバリユニット14の接続時や変更時において、装置本体11の制御部22は、デリバリケーブル92を介してメモリ93からデリバリユニットの種類の情報を読み出して、読み出した情報をもとに装置本体11を制御する。
例えば、制御部22は、装置本体11に接続されたデリバリユニット14がスリットランプに装着するタイプのデリバリユニットであるとの情報をもとに、スリットランプに装着するタイプのデリバリユニットにおける光透過率の特性に応じて、所望の光量の治療レーザ光が患者眼PEに照射されるように、治療レーザ光源31における治療レーザ光の光量を補正する。なお、制御部22は、同様にして、エイミング光源32におけるエイミング光の光量を補正する。また、制御部22は、表示器42に、装置本体11に接続されたデリバリユニット14がスリットランプに装着するタイプのデリバリユニットであるという内容を表示する。なお、読み出したデリバリユニットの種類の情報や、補正後の光量の情報は、メモリ24に記憶させおくことが望ましい。
このようにして、装置本体11の制御部22は、デリバリユニット14の接続時や変更時において、装置本体11に接続されるデリバリユニット14の種類を自動で認識し、デリバリユニット14の種類に応じて、装置本体11を制御する。そのため、デリバリユニット14の接続時や変更時における作業負担を軽減しながら、デリバリユニットの種類間の特性の違いによる影響を抑制しつつ、照射光学系91から患者眼PEへ治療レーザ光やエイミング光を照射できる。
また、出力補正情報には、同じ種類のデリバリユニット14間のその他の特性の個体差を吸収するためのキャリブレーションデータも含まれている。
また、デリバリユニット14の固有情報には、術者保護フィルタ設置部73に術者保護フィルタ74が設置されている形式が手動式または電動式または固定式のいずれかであるかを識別するためのフィルタ識別情報が含まれている。
そして、本実施形態では、デリバリユニット14の接続時や変更時において、装置本体11の制御部22は、デリバリケーブル92を介してメモリ93からフィルタ識別情報を読み出して、例えばメモリ24に、フィルタ識別情報を記憶させておく。そして、制御部22は、治療レーザ光を患者眼PEに照射するときに、記憶させたフィルタ識別情報をもとに、装置本体11を制御する。
例えば、術者保護フィルタ設置部73に術者保護フィルタ74が設置されている形式が手動式であるときにおいて、治療レーザ光を患者眼PEに照射するときに術者保護フィルタ74が術者保護フィルタ設置部73に設置されていない場合には、制御部22は、治療レーザ光源31を制御して治療レーザ光の照射を停止させたり、表示器42に警告を表示したり警告音を鳴らすように制御する。また、例えば、術者保護フィルタ設置部73に術者保護フィルタ74が設置されている形式が電動式であるときにおいて、制御部22は、治療レーザ光を患者眼PEに照射するときに、自動で術者保護フィルタ74が術者保護フィルタ設置部73に設置されるように制御する。なお、読み出したフィルタ識別情報は、メモリ24に記憶させておくことが望ましい。
このようにして、装置本体11の制御部22は、デリバリユニット14の接続時や変更時において、フィルタ識別情報を自動で認識し、装置本体11における例えばメモリ24にフィルタ識別情報を記憶させる。そのため、デリバリユニット14の接続時や変更時における作業負担を軽減しながら、術者保護フィルタ74が術者保護フィルタ設置部73に設置されている形式に応じて、装置本体11や術者保護フィルタ設置部73を制御できる。したがって、術者保護フィルタ74による術者眼OEの保護が図られる。
以上のように、本実施形態のデリバリユニット14は、装置本体11に接続するデリバリケーブル92と、デリバリユニット14の固有情報が記憶されたメモリ93と、を有する。そして、デリバリユニット14の固有情報は、デリバリケーブル92を介して装置本体11の制御部22に読み出され、当該制御部22による装置本体11の制御に使用される。
このようにして、装置本体11の制御部22は、デリバリユニット14の接続時や変更時において、デリバリユニット14の固有情報を自動で認識できる。そのため、デリバリユニット14の接続時や変更時における作業負担を軽減しながら、制御部22は、接続されたデリバリユニット14が持つ固有の特性に応じて、装置本体11を制御できる。そして、同じ種類のデリバリユニット間の個体差による特性の違いや、異なる種類のデリバリユニット間の特性の違いによる影響を抑制しながら、装置本体11を制御できる。
デリバリユニット14の固有情報には、治療レーザ光源31における治療レーザ光またはエイミング光源32におけるエイミング光の出力の補正に使用される出力補正情報が含まれている。これにより、装置本体11の制御部22は、出力補正情報をもとに、接続されたデリバリユニット14が持つ固有の特性に応じて、治療レーザ光源31における治療レーザ光またはエイミング光源32におけるエイミング光の出力(光量などの出射条件)を補正できる。
また、出力補正情報には、光透過率の情報が含まれている。これにより、装置本体11の制御部22は、光透過率の情報をもとに、接続されたデリバリユニット14が持つ固有の光透過率に応じて、治療レーザ光源31やエイミング光源32の光量を補正できる。そのため、患者眼PEへ所望の光量の治療レーザ光またはエイミング光を照射できる。
また、光透過率の情報には、小スポットサイズ時のレーザ光透過率の情報が含まれる。これにより、装置本体11の制御部22は、小スポットサイズ時のレーザ光透過率の情報をもとに、接続されたデリバリユニット14が持つ固有の小スポットサイズ時のレーザ光透過率に応じて、小スポットサイズの治療レーザ光を患者眼PEに照射するときの治療レーザ光源31の光量を補正できる。そのため、患者眼PEへ所望の光量の小スポットサイズの治療レーザ光を照射できる。
また、出力補正情報には、デリバリユニット14の種類の情報が含まれる。これにより、装置本体11の制御部22は、デリバリユニット14の種類の情報をもとに、接続されたデリバリユニット14の種類に応じて、装置本体11を制御できる。そのため、デリバリユニットの種類間の特性の違いによる影響を抑制しつつ、患者眼PEへ治療レーザ光やエイミング光を照射できる。
また、デリバリユニット14の固有情報には、フィルタ識別情報が含まれている。これにより、装置本体11の制御部22は、フィルタ識別情報をもとに、術者保護フィルタ74が設置される形式に応じて、装置本体11や術者保護フィルタ設置部73を制御できる。そのため、術者保護フィルタ74による術者眼OEの保護が図られる。
また、部品の共通化により眼科用レーザ治療装置1を安価にする観点から、装置本体11におけるデリバリユニット14との接続部位の部品(例えば、デリバリケーブル92との接続部位)を、装置本体11の種類に関わらず共通化することが考えられる。そうすると、装置本体11の種類に関わらずデリバリユニット14を装置本体11に接続できることになるが、本実施形態では、デリバリユニット14の固有情報には、使用可能な装置本体11の情報が含まれている。これにより、例えば、デリバリユニット14が術者保護フィルタ74により遮断できない波長のレーザ光が発せられる装置本体11に誤って接続された場合に、装置本体11の制御部22は、誤って接続されたことを認識できる。そして、制御部22が装置本体11におけるレーザ光の照射の停止や警告を行うことにより、患者眼PEからの治療レーザ光の反射光が術者保護フィルタ74により遮断されずに術者眼OEに達することを防止できるので、術者眼OEの保護が図られる。
また、メモリ93は、デリバリケーブル92を介して装置本体11の制御部22との間でシリアル通信を行う。これにより、デリバリケーブル92に構成される配線の数を減らすことができる。そのため、コストの低減やデリバリケーブル92の取り扱い性の向上を図ることができる。
なお、変形例として、デリバリユニット14は、観察光学系61と照明光学系62と照射光学系91を備えるデリバリユニットであってもよい。また、メモリ93に記憶させておく情報は、特に限定されず、メモリ93に、例えば、治療レーザ光のスポットサイズの幅の設定値の情報が記憶されていてもよい。また、メモリ93に記憶させおくデリバリユニットの種類の情報として、患者眼PEに対する治療レーザ光の照射パターンに関するデリバリユニットの種類の情報(照射パターンを1つ備えるタイプのデリバリユニットであるか、あるいは、照射パターンを複数備えるタイプのデリバリユニットであるかの情報)が含まれていてもよい。
上記の説明においては、本開示のデリバリユニットとして、スリットランプ13に装着されるタイプのデリバリユニットを例に挙げたが、これに限定されず、術者装着タイプのデリバリユニットや、患者眼PEの眼内に挿入可能な眼内プローブを備えるタイプのデリバリユニットにも適用できる。
なお、上記した実施の形態は単なる例示にすぎず、本開示を何ら限定するものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることはもちろんである。
1 眼科用レーザ治療装置
11 装置本体
12 光ファイバ
13 スリットランプ
14 デリバリユニット
21 レーザ光源ユニット
22 制御部
23 操作ユニット
24 メモリ
25 デリバリ接続認識回路
31 治療レーザ光源
32 エイミング光源
42 表示器
61 観察光学系
62 照明光学系
73 術者保護フィルタ設置部
74 術者保護フィルタ
91 照射光学系
92 デリバリケーブル
93 メモリ
PE 患者眼
OE 術者眼

Claims (8)

  1. 光源を備える装置本体から光ファイバにより導光された治療レーザ光またはエイミング光を患者眼に照射する照射光学系を有するデリバリユニットであって、スリットランプ又は術者に装着され、前記患者眼に前記治療レーザ光を照射して前記患者眼を治療する眼科用レーザ治療に使用されるレーザ治療用デリバリユニットにおいて、
    前記装置本体に接続する通信部と、
    前記通信部を介して前記装置本体の制御部に読み出され前記制御部による前記装置本体の制御に使用される前記デリバリユニットの固有情報が記憶されたメモリと、を有すること、
    を特徴とするレーザ治療用デリバリユニット。
  2. 請求項1のレーザ治療用デリバリユニットにおいて、
    前記デリバリユニットの固有情報には、前記光源における前記治療レーザ光または前記エイミング光の出力の補正に使用される出力補正情報が含まれること、
    を特徴とするレーザ治療用デリバリユニット。
  3. 請求項2のレーザ治療用デリバリユニットにおいて、
    前記出力補正情報には、前記装置本体から前記光ファイバへの前記治療レーザ光または前記エイミング光の出力値に対する前記照射光学系から前記患者眼への前記治療レーザ光または前記エイミング光の出力値の比率を表す光透過率の情報が含まれること、
    を特徴とするレーザ治療用デリバリユニット。
  4. 請求項3のレーザ治療用デリバリユニットにおいて、
    前記照射光学系は、前記治療レーザ光のスポットサイズを変更するズームレンズを備え、
    前記光透過率の情報には、前記ズームレンズにより前記スポットサイズを所定値よりも小さくしたときの前記光透過率の情報が含まれること、
    を特徴とするレーザ治療用デリバリユニット。
  5. 請求項2乃至4のいずれか1つのレーザ治療用デリバリユニットにおいて、
    前記出力補正情報には、前記デリバリユニットの種類の情報が含まれること、
    を特徴とするレーザ治療用デリバリユニット。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1つのレーザ治療用デリバリユニットにおいて、
    前記デリバリユニットの固有情報には、前記患者眼を観察するための観察光学系に前記患者眼からの前記治療レーザ光の反射光を遮断する術者保護フィルタが設置される形式が手動式または電動式または固定式のいずれかであるかを識別するためのフィルタ識別情報が含まれること、
    を特徴とするレーザ治療用デリバリユニット。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1つのレーザ治療用デリバリユニットにおいて、
    前記メモリは、前記通信部を介して前記制御部との間でシリアル通信を行うこと、
    を特徴とするレーザ治療用デリバリユニット。
  8. 光源を備える装置本体と、光ファイバと、デリバリユニットと、を有し、前記デリバリユニットは、前記装置本体から前記光ファイバにより導光された治療レーザ光またはエイミング光を患者眼に照射する照射光学系と、スリットランプ又は術者に装着するための装着部材と、を備え、前記スリットランプ又は前記術者に前記デリバリユニットが装着された状態で前記患者眼に前記治療レーザ光を照射して前記患者眼を治療する眼科用レーザ治療装置において、
    前記デリバリユニットは、
    前記装置本体に接続する通信部と、
    前記デリバリユニットの固有情報が記憶されたメモリと、を備え、
    前記装置本体は、前記通信部を介して前記メモリから読み出した前記デリバリユニットの固有情報を使用して前記装置本体を制御する制御部を備えること、
    を特徴とする眼科用レーザ治療装置。
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