JP2017123539A - 無線装置 - Google Patents

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義信 志澤
Yoshinobu Shizawa
義信 志澤
卓朗 西川
Takuro Nishikawa
卓朗 西川
浩年 菅野
Hirotoshi Sugano
浩年 菅野
倫昭 ▲但▼野
倫昭 ▲但▼野
Tomoaki Tadano
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Abstract

【課題】増幅器のIdqドリフトに伴う送信信号の歪を改善する。【解決手段】無線装置10は、増幅器15と、ET部12と、信号生成部31と、変動量測定部33と、補正電圧出力部35と、結合部36を有する。増幅器15は、入力された送信信号を増幅して出力する。ET部12は、増幅器15に入力される送信信号の包絡線成分に基づいて増幅器15の電源電圧を制御する。信号生成部31は、増幅器15が送信信号を増幅していない期間に増幅器15に入力される所定信号を生成する。変動量測定部33は、増幅器15によって所定信号が増幅された後の出力信号に基づいて、増幅器15のIdqドリフトに伴う出力信号の変動量を測定する。補正電圧出力部35および結合部36は、変動量測定部33によって測定された変動量に基づいて、ET部12によって制御される電源電圧を補正する。【選択図】図1

Description

本発明は、無線装置に関する。
無線装置には、送信信号を増幅する増幅器が設けられる。増幅器としては、近年、効率の高いGaN(窒化ガリウム)デバイスが用いられる場合がある。GaNデバイスでは、大電力の信号が出力された場合、信号の入力がない場合にドレインに流れるアイドル電流Idqが変動するIdqドリフトと呼ばれる現象が生じることが知られている。Idqドリフトが発生すると、増幅器のゲインが変動し、増幅器の入出力特性が変化する。その結果、増幅器から出力された信号に含まれる歪が増大する。
このようなIdqドリフトを抑制するために、例えば、送信信号が増幅されたときの増幅器のドレイン電流を測定し、測定されたドレイン電流の値をフィードバックする技術が知られている。このような技術では、フィードバックされたドレイン電流の値に基づいて、増幅器のゲート電圧を制御することで、増幅器のゲインの変動が抑制される。
特開2013−247501号公報 特開2013−009200号公報 特開2010−045508号公報
ところで、従来の技術では、増幅器においてIdqドリフトが発生している場合、ゲート電圧が制御される前に増幅器で増幅された信号については、Idqドリフトに起因する歪を含む信号となる。そのため、Idqドリフトが発生した直後に送信された信号の品質は大きく劣化することになる。また、増幅器の温度が低い場合の方が、増幅器の温度が高い場合よりも、Idqドリフトが大きくなる傾向がある。そのため、寒冷地に設置された基地局装置のように、低温状態で送信を開始するような状況では、送信開始直後に送信された信号の品質が著しく劣化することになる。
開示の技術は、上記に鑑みてなされたものであって、増幅器のIdqドリフトに伴う送信信号の歪を改善することを目的とする。
開示の態様では、無線装置は、増幅器と、電圧制御部と、生成部と、変動量測定部と、補正部とを有する。増幅器は、入力された送信信号を増幅して出力する。電圧制御部は、増幅器に入力される送信信号の包絡線成分に基づいて増幅器の電源電圧を制御する。生成部は、増幅器から送信信号が出力されていない期間に増幅器に入力される所定信号を生成する。変動量測定部は、増幅器によって所定信号が増幅された出力信号に基づいて、増幅器のIdqドリフトに伴う出力信号の変動量を測定する。補正部は、変動量測定部によって測定された変動量に基づいて、電圧制御部によって制御される電源電圧を補正する。
開示の態様によれば、増幅器のIdqドリフトに伴う送信信号の歪を改善することができる。
図1は、実施例1における無線装置の一例を示すブロック図である。 図2は、Idqドリフトを説明する図である。 図3は、Idqドリフトに伴う増幅器の出力信号の変化を説明する図である。 図4は、記憶部に記憶される第1のテーブルの一例を示す図である。 図5は、記憶部に記憶される第2のテーブルの一例を示す図である。 図6は、補正テーブルの特定タイミングの一例を説明する図である。 図7は、第2の補正値の適用タイミングの一例を説明する図である。 図8は、Idqドリフトがない場合の増幅器のゲイン特性の一例を示す図である。 図9は、Idqドリフトが発生している場合の増幅器のゲイン特性の一例を示す図である。 図10は、増幅器の電源電圧の一例を示す図である。 図11は、Idqドリフトが発生している増幅器において電源電圧が補正された場合の増幅器のゲイン特性の一例を示す図である。 図12は、運用開始前における無線装置の動作の一例を示すフローチャートである。 図13は、運用開始後における実施例1の無線装置の動作の一例を示すフローチャートである。 図14は、実施例2における無線装置の一例を示すブロック図である。 図15は、漏洩電力測定部によって測定される帯域外の漏洩電力の一例を説明する図である。 図16は、運用開始後における実施例2の無線装置の動作の一例を示すフローチャートである。 図17は、無線装置のハードウェアの一例を示す図である。
以下に、本願が開示する無線装置の実施例を図面に基づいて説明する。なお、以下に示す実施例により本願が開示する無線装置が限定されるものではない。また、以下に示す各実施例は、適宜組み合わせて実施してもよいことはいうまでもない。
<無線装置10>
図1は、実施例1における無線装置10の一例を示すブロック図である。無線装置10は、ENV(ENVelope)生成部11、ET(Envelope Tracking)部12、DAC(Digital to Analog Converter)13、アップコンバータ14、増幅器15、カプラ16、アンテナ17、および発振器18を有する。また、無線装置10は、ダウンコンバータ19、ADC(Analog to Digital Converter)20、補正処理部30、および歪補償部40を有する。
ENV生成部11は、歪補償部40によって歪補償の処理が施された送信信号の電力の包絡線を示すエンベロープ信号を生成する。そして、ENV生成部11は、生成したエンベロープ信号を補正処理部30およびET部12へ出力する。
ET部12は、ENV生成部11から出力されたエンベロープ信号に基づいて、増幅器15の電源電圧を制御する。そして、ET部12は、制御された電源電圧を、補正処理部30へ出力する。ET部12は、電圧制御部の一例である。
DAC13は、歪補償部40によって歪補償の処理が施された送信信号を、デジタル信号からアナログ信号に変換する。そして、DAC13は、変換後の送信信号をアップコンバータ14へ出力する。
アップコンバータ14は、アナログ信号に変換された送信信号を、発振器18から出力された局発信号を用いてアップコンバートする。アップコンバータ14には、直交変調器やミキサ等が含まれる。アップコンバータ14は、アップコンバート後の送信信号を増幅器15へ出力する。
増幅器15は、補正処理部30から供給された電源電圧で動作し、アップコンバータ14によってアップコンバートされた送信信号の電力を増幅する。そして、増幅器15は、増幅後の送信信号をカプラ16へ出力する。本実施例において、増幅器15は、例えばGaN等の窒化物半導体素子である。増幅器15では、大電力の送信信号が入力された場合、Idqドリフトが発生する。なお、増幅器15の出力段には、例えば、送信信号の周波数成分のうち、送信信号の帯域として予め定められた周波数帯域の成分を通過させるフィルタ(図示せず)が設けられている。
カプラ16は、増幅器15によって増幅された送信信号をアンテナ17へ出力すると共に、その一部をダウンコンバータ19へフィードバックする。アンテナ17へ出力された信号は、アンテナ17から空間に放射される。
ダウンコンバータ19は、カプラ16からフィードバックされた送信信号を、発振器18から出力された局発信号を用いてダウンコンバートする。ダウンコンバータ19には、直交復調器やミキサ等が含まれる。ダウンコンバータ19は、ダウンコンバート後の送信信号をADC20へ出力する。
ADC20は、ダウンコンバート後の送信信号をアナログ信号からデジタル信号に変換する。そして、ADC20は、デジタル信号に変換した送信信号を歪補償部40へ出力する。
歪補償部40は、乗算器41、アドレス生成部42、LUT(Look Up Table)43、更新部44、遅延部45、減算器46、および遅延部47を有する。
アドレス生成部42は、歪補償部40に入力された送信信号の振幅または電力に基づいて、アドレス情報を生成する。そして、アドレス生成部42は、生成したアドレス情報をLUT43へ出力する。送信信号は、例えば、同相成分信号(I信号:In-Phase component)と直交成分信号(Q信号:Quadrature component)とを含むデジタルのベースバンド信号である。
LUT43は、アドレス情報に対応付けられた歪補償係数を保持する。LUT43は、アドレス生成部42から出力されたアドレス情報に対応する歪補償係数を特定する。そして、LUT43は、特定した歪補償係数を乗算器41および更新部44へ出力する。
乗算器41は、無線装置10が送信信号を送信している期間(以下、「送信期間」と呼ぶことがある)において、送信信号と、LUT43から出力された歪補償係数とを乗算する。そして、乗算器41は、歪補償係数が乗算された送信信号をDAC13へ出力する。また、乗算器41は、無線装置10が送信信号を送信していない期間(以下、「送信停止期間」と呼ぶことがある)において、補正処理部30から出力された所定信号をDAC13へ出力する。本実施例において、所定信号はインパルス信号である。なお、送信停止期間では、乗算器41は、送信信号ではなく、補正処理部30から出力された所定信号をDAC13へ出力する。そのため、送信停止期間では、増幅器15は送信信号を増幅しない。
遅延部45は、歪補償部40に入力された送信信号のタイミングと、ADC20を介してフィードバックされた送信信号のタイミングとが減算器46において一致するように、歪補償部40に入力された送信信号の遅延時間を調整する。
遅延部47は、歪補償部40に入力された送信信号のタイミングと、ADC20を介してフィードバックされた送信信号のタイミングとが減算器46において一致するように、ADC20を介してフィードバックされた送信信号の遅延時間を調整する。
減算器46は、遅延部45から出力された信号と、遅延部47から出力された信号とを用いて、歪補償部40に入力された送信信号と、ADC20から出力された信号との差分を算出する。
更新部44は、LUT43が出力した歪補償係数と、減算器46によって算出された差分の信号とに基づいて、更新後の歪補償係数を算出する。更新部44は、例えばLMS(Least Mean Square)やRLS(Recursive Least Squares)等のアルゴリズムを用いて、更新後の歪補償係数を算出する。そして、更新部44は、算出した歪補償係数で、LUT43内の歪補償係数を更新する。
補正処理部30は、信号生成部31、特定部32、変動量測定部33、記憶部34、補正電圧出力部35、および結合部36を有する。
特定部32は、無線装置10の運用開始前に、信号生成部31、変動量測定部33、および補正電圧出力部35に、補正処理の実行を指示する。無線装置10の運用開始前では、無線装置10は送信信号を送信しないため、運用開始前の期間も送信停止期間に含まれる。特定部32は、例えば、無線装置10の運用開始前に、無線装置10の管理者等からの指示に応じて、信号生成部31、変動量測定部33、および補正電圧出力部35に、補正処理の実行を指示する。また、特定部32は、無線装置10の運用開始後において、ADC20からの出力に基づいて、送信停止期間を特定する。そして、特定部32は、送信停止期間を特定した場合、信号生成部31、変動量測定部33、および補正電圧出力部35に、補正処理の実行を指示する。
信号生成部31は、特定部32から補正処理の実行を指示された場合、所定の電力を有する所定信号を生成し、生成した所定信号を乗算器41へ出力する。信号生成部31は、生成部の一例である。所定信号の電力は、送信信号の平均電力よりも大きいことが好ましい。これにより、後述する変動量測定部33は、Idqドリフトによる増幅器15の出力信号の変化を精度よく測定することができる。
本実施例において、所定信号は、例えば所定の電力を有するインパルス信号である。インパルス信号は、広帯域の周波数成分を有するが、送信信号の周波数帯域に含まれる周波数成分の電力は小さい。そのため、送信停止期間において信号生成部31によって生成されたインパルス信号に含まれる一部の周波数成分は増幅器15によって増幅されてアンテナ17から放射される場合があっても、該周波数線分の信号が他の無線装置の通信に与える影響は少ない。
なお、信号生成部31は、インパルス信号ではなく、所定帯域の周波数成分を有する信号を、送信停止期間において生成してもよい。ただし、その場合、生成された信号において、送信信号の周波数帯域内の周波数成分の電力は、送信信号の周波数帯域外の周波数成分の電力よりも低いことが好ましい。これにより、信号生成部31によって生成された信号の周波数成分のうち、送信信号の周波数帯域外の周波数成分は、増幅器15の出力段に設けられたフィルタにより除去される。そのため、信号生成部31によって生成された信号により他の無線装置の通信に与える影響を少なくすることができる。
変動量測定部33は、特定部32から補正処理の実行を指示された場合、ADC20から出力された信号に基づいて、Idqドリフトに伴う増幅器15の出力信号の変動量を測定する。ここで、図2および図3を用いて、変動量測定部33によって測定される変動量について説明する。図2は、Idqドリフトを説明する図である。図3は、Idqドリフトに伴う増幅器15の出力信号の変化を説明する図である。
増幅器15に信号が入力されていない場合、増幅器15のドレインには、例えば図2に示すようにアイドル電流Idqが流れる。そして、時刻t0において増幅器15に大電力の信号が入力されると、増幅器15のドレインには、所定の電流が流れる。そして、増幅器15に入力される信号がなくなった時刻t1において、増幅器15のドレインに流れるアイドル電流は、曲線50〜52に示すように、Idqよりも低い値となる。そして、増幅器15のドレインに流れるアイドル電流は、例えば曲線50〜52に示すように、時間の経過と共に徐々に増加し、やがてIdqに戻る。
大電力の信号が入力された後の増幅器15のアイドル電流Idqの変動量は、増幅器15毎にバラツキがある。また、アイドル電流Idqの変動量は、増幅器15の温度等の外的要因によっても変化する。そのため、増幅器15に入力される信号がなくなった時刻t1から所定時間Δtが経過した時刻t2におけるアイドル電流Idqの変動量ΔIdqは、例えば図2に示すように、個体差や温度等によってばらつく。
信号生成部31は、送信停止期間において、インパルス信号を生成する。信号生成部31によって生成されたインパルス信号は、DAC13およびアップコンバータ14を介して増幅器15に入力される。そして、増幅器15によってインパルス信号が増幅された信号である出力信号は、カプラ16およびダウンコンバータ19を介してADC20から出力される。ADC20から出力された、インパルス信号に対応する出力信号の振幅の変化は、例えば図3のようになる。なお、以下では、ADC20から出力された信号を、増幅器15から出力された信号として説明する。
例えば図3に示すように、増幅器15に信号が入力されていない場合、増幅器15からは振幅A0の信号が出力される。そして、時刻t0において増幅器15にインパルス信号が入力されると、増幅器15のドレインに流れた電流に応じて、所定の振幅のパルス状の出力信号が出力される。そして、インパルス信号がなくなった時刻t1において、増幅器15からは、例えば曲線53〜55に示すように、振幅A0よりも低い振幅の信号が出力される。そして、増幅器15から出力された信号の振幅は、例えば曲線53〜55に示すように、時間の経過と共に徐々に増加し、やがて振幅A0に戻る。
インパルス信号が入力された後の増幅器15の出力信号の振幅は、増幅器15のアイドル電流Idqの変動量ΔIdqに応じて変動する。そこで、本実施例の変動量測定部33は、例えば図3に示すように、インパルス信号がなくなった時刻t1から所定時間Δtが経過した時刻t2において増幅器15から出力されている信号の振幅を測定する。そして、変動量測定部33は、時刻t2において測定した信号の振幅と、インパルス信号が入力される前の出力信号の振幅A0との差分ΔAを、変動量として測定する。そして、変動量測定部33は、測定した変動量を補正電圧出力部35へ出力する。
記憶部34は、第1のテーブルおよび第2のテーブルを記憶する。図4は、記憶部34に記憶される第1のテーブル340の一例を示す図である。第1のテーブル340には、増幅器15からの出力信号の振幅の差分ΔAである変動量の範囲341毎に、補正テーブル342が格納されている。それぞれの補正テーブル342には、増幅器15に入力される送信信号の電力の範囲343に対応付けて、第1の補正値344が格納されている。なお、図4に例示した第1のテーブル340では、所定の閾値ΔA1未満の差分ΔAについては、補正テーブル342が格納されていない。そのため、後述する補正電圧出力部35は、出力信号の振幅の差分ΔAが所定の閾値ΔA1未満の場合、即ち、Idqドリフトが発生していない場合には、ET部12から出力された電源電圧の補正を行わない。
図5は、記憶部34に記憶される第2のテーブル345の一例を示す図である。第2のテーブル345には、増幅器15に入力される送信信号の電力の範囲346に対応付けて、第2の補正値347が格納されている。図5に例示された第2のテーブル345では、所定の閾値Pth1以上である入力電力Pinに対して、いずれかの第2の補正値ΔVd2-1〜ΔVd2-3が対応付けられている。そして、入力電力Pinには、閾値Pth1と入力電力Pinとの差が大きいほど、大きな値の第2の補正値が対応付けられている。
補正電圧出力部35は、無線装置10の運用開始前において、特定部32から補正処理の実行を指示された場合、変動量測定部33から変動量が出力されたか否かを判定する。変動量測定部33から変動量が出力された場合、補正電圧出力部35は、記憶部34内の第1のテーブル340を参照して、変動量測定部33から出力された変動量が含まれる変動量の範囲を特定する。そして、補正電圧出力部35は、特定した変動量の範囲に対応付けられている補正テーブルを特定する。
そして、補正電圧出力部35は、送信信号の送信期間において、ENV生成部11から出力されたエンベロープ信号に基づいて、増幅器15に入力される送信信号の電力(以下、「入力電力」と呼ぶ)を逐次特定する。そして、補正電圧出力部35は、補正テーブルを参照して、入力電力が含まれる電力の範囲に対応付けられている第1の補正値を特定する。そして、補正電圧出力部35は、特定した第1の補正値に対応する補正電圧を結合部36へ出力する。
また、補正電圧出力部35は、無線装置10の運用開始後において、補正テーブルを前回特定してから第1の時間が経過した後に、補正テーブルを前回特定してから第2の時間が経過するまでの間に特定部32から補正処理の実行を指示されたか否かを判定する。なお、第2の時間は、第1の時間よりも長い。第2の時間が経過するまでの間に特定部32から補正処理の実行が指示された場合、補正電圧出力部35は、記憶部34内の第1のテーブルを参照して、変動量測定部33によって測定された変動量に基づいて補正テーブルを特定する処理を再度実行する。
図6は、補正テーブルの特定タイミングの一例を示す図である。図6において、符号59は、入力電力の包絡線を示す。例えば図6に示すように、補正テーブルが前回特定された時刻t0から第1の時間Δt1が経過した時刻t1から、時刻t0から第2の時間Δt2が経過する時刻t2までの間に、送信停止期間Δtaが発生した場合を考える。この場合、特定部32は、信号生成部31、変動量測定部33、および補正電圧出力部35に補正処理の実行を指示する。これにより、送信停止期間Δtaにおいて、信号生成部31はインパルス信号を生成し、変動量測定部33は増幅器15の出力信号の変動量を測定する。そして、補正電圧出力部35は、送信停止期間Δtaにおいて、変動量測定部33によって測定された変動量に基づいて補正テーブルを特定する処理を再度実行する。
一方、時刻t2までの間に送信停止期間Δtaが発生しなかった場合、特定部32は、時刻t2までの間に、信号生成部31、変動量測定部33、および補正電圧出力部35に補正処理の実行を指示しない。時刻t2までの間に特定部32から補正処理の実行が指示されなかった場合、補正電圧出力部35は、ENV生成部11から出力されたエンベロープ信号に基づいて逐次特定した入力電力が所定の閾値以上であるか否かを判定する。入力電力が所定の閾値以上である場合、補正電圧出力部35は、記憶部34内の第2のテーブルを参照して、入力電力が含まれる電力の範囲に対応付けられている第2の補正値を特定する。なお、補正電圧出力部35は、第2の補正値の特定処理と並行して、入力電力に対応する第1の補正値を補正テーブル内で特定する処理を実行している。
そして、補正電圧出力部35は、第2の補正値に基づいて第1の補正値を補正し、補正後の値に対応する補正電圧を結合部36へ出力する。補正電圧出力部35は、例えば、第2の補正値を第1の補正値に加えることにより、第2の補正値に基づいて第1の補正値を補正する。
そして、補正電圧出力部35は、第2の補正値に基づいて第1の補正値を補正してから第3の時間が経過するまでの間に、特定部32から補正処理の実行を指示されたか否かを判定する。第2の補正値に基づいて第1の補正値を補正してから第3の時間が経過するまでの間に、特定部32から補正処理の実行を指示された場合、補正電圧出力部35は、第2の補正値に基づく第1の補正値に対する補正を解除する。そして、補正電圧出力部35は、入力電力に対応する第1の補正値を補正テーブル内で特定する処理を再び実行する。
一方、第2の補正値に基づいて第1の補正値を補正してから第3の時間が経過するまでの間に、特定部32から補正処理の実行を指示されなかった場合、補正電圧出力部35は、第2の補正値に基づく第1の補正値に対する補正を解除する。そして、補正電圧出力部35は、入力電力に対応する第2の補正値を第2のテーブル内で特定する処理を再び実行する。
図7は、第2の補正値の適用タイミングの一例を示す図である。図7において、符号59は、入力電力の包絡線を示す。例えば図7に示すように、補正テーブルが前回特定された時刻から第2の時間が経過した時刻t2の後に、入力電力が所定の閾値Pth1以上となった場合、補正電圧出力部35は、記憶部34内の第2のテーブルを参照して入力電力に対応する第2の補正値を特定する。図7の例では、時刻t3における入力電力が閾値Pth2以上かつ閾値Pth3未満の範囲内の電力であるため、補正電圧出力部35は、この範囲に対応付けられている第2の補正値を第2のテーブル内で特定する。なお、第2のテーブルには、閾値Pth1との差に応じた大きさの第2の補正値が格納されている。そのため、時刻t3において特定される第2の補正値は、時刻t3における入力電力と所定の閾値Pth1との差に応じた値となる。即ち、時刻t3における入力電力と所定の閾値Pth1との差が大きいほど、時刻t3において特定される第2の補正値は大きな値となり、時刻t3における入力電力と所定の閾値Pth1との差が小さい場合、時刻t3において特定される第2の補正値は小さい値となる。
そして、補正電圧出力部35は、特定した第2の補正値に基づいて第1の補正値を補正し、補正後の値に対応する補正電圧を結合部36へ出力する。そして、時刻t3から第3の時間Δt3が経過した時刻t4までの間に、特定部32から補正処理の実行を指示されなかった場合、補正電圧出力部35は、第2の補正値に基づく第1の補正値に対する補正を解除する。そして、補正電圧出力部35は、入力電力に対応する第2の補正値を第2のテーブル内で特定する処理を再び実行する。一方、時刻t3から時刻t4までの間に、特定部32から補正処理の実行を指示された場合、補正電圧出力部35は、第2の補正値に基づく第1の補正値に対する補正を解除し、入力電力に対応する補正テーブルを特定する処理を再び実行する。
結合部36は、ET部12から出力された電源電圧に、補正電圧出力部35から出力された補正電圧を加算して増幅器15の電源端子に供給する。補正電圧出力部35および結合部36は、補正部の一例である。
ここで、Idqドリフトが発生していない場合の増幅器15では、例えば図8に示すようなゲイン特性となる。図8は、Idqドリフトがない場合の増幅器15のゲイン特性の一例を示す図である。なお、以下に示す図8、図9、および図11において、縦軸は、増幅器15のゲインを示しており、G0<G1<G2<G3<G4である。また、以下に示す図8、図9、および図11において、横軸は、増幅器15から出力される送信信号の電力Poutを示しており、P0<P1<・・・<P10である。また、以下に示す図8、図9、および図11では、V1〜V4の4通りのVdについてのゲイン特性が示されており、V1<V2<V3<V4である。例えば図8に示すように、増幅器15に供給される電源電圧Vdが高いほど、増幅器15のゲインは高くなる。また、所定のゲインおよび線形性が得られる範囲で電源電圧が低く設定された方が、増幅器15の効率は高くなる。そのため、ET部12は、増幅器15に入力される送信信号の電力の包絡線を示すエンベロープ信号に基づいて、増幅器15のゲインおよび線形性が所定範囲に保たれるように、増幅器15の電源電圧を制御する。これにより、増幅器15のゲインは、例えば曲線60に示すように、ほぼ一定に保たれる。
これに対し、Idqドリフトが発生している場合の増幅器15では、例えば図9に示すようなゲイン特性となる。図9は、Idqドリフトが発生している場合の増幅器15のゲイン特性の一例を示す図である。Idqドリフトが発生している場合の増幅器15では、例えば図9に示すように、増幅器15から出力される送信信号の電力Poutが低いほど、増幅器15のゲインが低くなる。ET部12が、Idqドリフトが発生していない状態の増幅器15に対する電源電圧の制御と同一の制御を、Idqドリフトが発生している状態の増幅器15に対して実行すると、増幅器15のゲインは例えば曲線61に示すように変動する。増幅器15のゲインが変動すると、増幅器15の入出力特性が変化し、結果として増幅器15によって増幅された信号に含まれる歪が増大する。
そこで、本実施例の補正電圧出力部35は、Idqドリフトの大きさに応じて、ET部12が制御している増幅器15の電源電圧を補正する。図10は、増幅器15の電源電圧の一例を示す図である。図10の縦軸は、増幅器15の電源電圧Vdを示しており、V0<V1<・・・<V6である。図10の横軸は、増幅器15から出力される送信信号の電力Poutを示しており、P0<P1<・・・<P10である。Idqドリフトが発生していない場合、補正電圧出力部35は、第1の補正値を出力しない。そのため、ET部12から出力された電源電圧は、増幅器15の電源端子に供給される。Idqドリフトが発生していない場合に、増幅器15の電源端子に供給される電源電圧Vdは、増幅器15の出力電力Poutに対して、例えば曲線70のように変化する。
また、Idqドリフトが発生している場合、補正電圧出力部35は、変動量測定部33によって測定された変動量に対応する補正テーブルを特定する。そして、補正電圧出力部35は、増幅器15に入力される送信信号の電力に対応する第1の補正値を特定し、特定した第1の補正値に対応する補正電圧を出力する。変動量測定部33によって測定された変動量が大きいほど、変動量に対応する補正電圧は大きくなる。ET部12から出力された電源電圧は、結合部36によって、補正電圧出力部35から出力された補正電圧が加算されて増幅器15の電源端子に供給される。これにより、増幅器15の電源端子に供給される電源電圧Vdは、変動量測定部33によって測定された変動量の大きさに応じて、例えば曲線71〜73に示すような変化となるように制御される。
dqドリフトが発生している場合、増幅器15の電源端子に供給される電源電圧Vdは、例えば図10の曲線71〜73に示すように、増幅器15の出力電力Poutが低いほど高くなるように制御される。図10に示した例では、Idqドリフトが大きい場合、例えば曲線71に示すように補正電圧出力部35から出力される補正電圧は大きくなり、Idqドリフトが小さい場合、例えば曲線73に示すように、補正電圧出力部35から出力される補正電圧は小さくなる。
これにより、増幅器15の出力電力Poutが低いほど、増幅器15のゲインが高くなるように制御される。従って、Idqドリフトが発生している増幅器15において、電源電圧が補正された場合の増幅器15を図示すると、例えば図11のようになる。図11は、Idqドリフトが発生している増幅器15において電源電圧が補正された場合の増幅器15のゲイン特性の一例を示す図である。補正電圧出力部35から出力された補正電圧によって増幅器15の電源電圧が補正されることにより、増幅器15のゲインは、例えば図11の曲線62に示すように、増幅器15の出力電力Poutが低い領域において上昇する。これにより、Idqドリフトが発生している場合の増幅器15のゲインの変動が抑制され、増幅器15の入出力特性が改善する。そのため、結果として増幅器15によって増幅された信号に含まれる歪が減少し、増幅器15のIdqドリフトに伴う送信信号の歪を改善することができる。
<運用開始前の無線装置10の動作>
図12は、運用開始前における無線装置10の動作の一例を示すフローチャートである。無線装置10は、無線装置10の運用開始前に、例えば無線装置10の管理者等から補正処理の実行を指示された場合に、本フローチャートに示す動作を開始する。なお、運用開始前とは、例えば、無線装置10の起動時や、メンテナンス等により無線装置10の運用が一時停止されている期間等である。
まず、特定部32は、信号生成部31、変動量測定部33、および補正電圧出力部35に、補正処理の実行を指示する。信号生成部31は、特定部32からの指示に応じて、インパルス信号を生成し、生成したインパルス信号を乗算器41へ出力する(S100)。信号生成部31によって生成されたインパルス信号は、DAC13およびアップコンバータ14を介して増幅器15に入力される。そして、増幅器15によってインパルス信号が増幅された信号は、カプラ16およびダウンコンバータ19を介してADC20から出力される。
変動量測定部33は、ADC20から出力された信号を参照して、増幅器15がインパルス信号を増幅したタイミングの前後における増幅器15の出力信号の振幅の差分を、Idqドリフトに伴う出力信号の変動量として測定する(S101)。そして、変動量測定部33は、測定した変動量を、補正電圧出力部35へ出力する。
次に、補正電圧出力部35は、記憶部34内の第1のテーブルを参照して、変動量測定部33から出力された変動量が含まれる変動量の範囲を特定する。そして、補正電圧出力部35は、第1のテーブルを参照して、特定した変動量の範囲に対応付けられている補正テーブルを特定する(S102)。そして、補正電圧出力部35は、特定した補正テーブルを用いて、増幅器15の電源電圧を補正する補正動作を開始する(S103)。具体的には、補正電圧出力部35は、補正テーブルと、ENV生成部11から出力されたエンベロープ信号とに基づいて、第1の補正値を特定し、特定した第1の補正値に対応する補正電圧を出力する。結合部36は、補正電圧出力部35から出力された補正電圧に基づいて、ET部12によって制御された電源電圧を補正し、補正後の電源電圧を、増幅器15の電源端子に供給する。
このように、無線装置10は、運用開始前に、増幅器15の電源電圧の補正を開始する。これにより、運用開始直後から、増幅器15のIdqドリフトに伴う送信信号の歪を改善することができる。
<運用中の無線装置10の動作>
図13は、運用開始後における実施例1の無線装置10の動作の一例を示すフローチャートである。無線装置10は、例えば送信動作を開始することにより、本フローチャートに示す動作を開始する。
まず、補正電圧出力部35は、補正テーブルを前回特定してから第1の時間が経過したか否かを判定する(S200)。第1の時間が経過していない場合(S200:No)、補正電圧出力部35は、再びステップS200に示した処理を実行する。第1の時間が経過した場合(S200:Yes)、特定部32は、送信停止期間が発生したか否かを判定する(S201)。
送信停止期間が発生した場合(S201:Yes)、特定部32は、補正処理の実行を信号生成部31、変動量測定部33、および補正電圧出力部35に指示する。信号生成部31、変動量測定部33、および補正電圧出力部35は、補正テーブル特定処理を実行し(S210)、補正電圧出力部35は、再びステップS200に示した処理を実行する。
ステップS210における補正テーブル特定処理では、信号生成部31は、特定部32からの指示に応じて、インパルス信号を生成し、生成したインパルス信号を乗算器41へ出力する。そして、変動量測定部33は、ADC20から出力された信号に基づいて、Idqドリフトに伴う増幅器15の出力信号の変動量を測定する。そして、補正電圧出力部35は、記憶部34内の第1のテーブルを参照して、変動量測定部33によって測定された変動量に対応する補正テーブルを特定する。そして、補正電圧出力部35は、特定した補正テーブルと、ENV生成部11から出力されたエンベロープ信号とに基づいて、第1の補正値を特定し、特定した第1の補正値に対応する補正電圧により、増幅器15の電源電圧を補正する補正動作を継続する。
送信停止期間が発生していない場合(S201:No)、補正電圧出力部35は、補正テーブルを前回特定してから第2の時間が経過したか否かを判定する(S202)。第2の時間が経過していない場合(S202:No)、特定部32は、再びステップS201に示した処理を実行する。
第2の時間が経過した場合(S202:Yes)、補正電圧出力部35は、ENV生成部11から出力されたエンベロープ信号に基づいて逐次特定した増幅器15への入力電力Pinが所定の閾値Pth1以上であるか否かを判定する(S203)。入力電力Pinが所定の閾値Pth1未満である場合(S203:No)、特定部32は、送信停止期間が発生したか否かを判定する(S205)。
送信停止期間が発生した場合(S205:Yes)、特定部32は、補正処理の実行を信号生成部31、変動量測定部33、および補正電圧出力部35に指示する。信号生成部31、変動量測定部33、および補正電圧出力部35は、ステップS210に示した処理を実行する。一方、送信停止期間が発生していない場合(S205:No)、補正電圧出力部35は、再びステップS203に示した処理を実行する。
入力電力Pinが所定の閾値Pth1以上となった場合(S203:Yes)、補正電圧出力部35は、記憶部34内の第2のテーブル345を参照する。そして、補正電圧出力部35は、ENV生成部11から出力されたエンベロープ信号に基づいて逐次特定した増幅器15への入力電力Pinが含まれる電力の範囲に対応付けられている第2の補正値を特定する。そして、補正電圧出力部35は、第2の補正値を用いて、増幅器15の電源電圧を補正する(S204)。具体的には、補正電圧出力部35は、第2の補正値に基づいて第1の補正値を補正し、補正後の値に対応する補正電圧を結合部36へ出力する。結合部36は、ET部12から出力された電源電圧を、補正電圧出力部35から出力された補正電圧で補正して増幅器15の電源端子に供給する。
次に、補正電圧出力部35は、第2の補正値を用いて増幅器15の電源電圧を補正してから第3の時間が経過したか否かを判定する(S206)。第3の時間が経過した場合(S206:Yes)、補正電圧出力部35は、第2の補正値を用いた増幅器15の電源電圧の補正を停止し(S207)、再びステップS203に示した処理を実行する。
一方、第3の時間が経過していない場合(S206:No)、特定部32は、送信停止期間が発生したか否かを判定する(S208)。送信停止期間が発生した場合(S208:Yes)、特定部32は、補正処理の実行を信号生成部31、変動量測定部33、および補正電圧出力部35に指示する。補正電圧出力部35は、第2の補正値を用いた増幅器15の電源電圧の補正を停止する(S209)。そして、信号生成部31、変動量測定部33、および補正電圧出力部35は、ステップS210に示した処理を実行する。一方、送信停止期間が発生していない場合(S208:No)、補正電圧出力部35は、再びステップS206に示した処理を実行する。
このように、無線装置10は、運用中においても、補正テーブルを前回特定してから第1の時間が経過するたびに送信停止期間を特定し、特定した送信停止期間において補正テーブルを特定する処理を再度実行する。これにより、無線装置10は、増幅器15の温度変化や経時変化等に伴うIdqドリフトの変化に追従して、増幅器15のゲインの変動を抑制することができる。また、無線装置10は、運用中において、補正テーブルを前回特定してから第2の時間が経過しても送信停止期間が発生しない場合に、増幅器15への入力電力Pinに基づく第2の補正値により、増幅器15の電源電圧をさらに補正する。これにより、無線装置10は、送信停止期間が発生しない場合であっても、増幅器15の温度変化や経時変化等に伴うIdqドリフトの変化に追従して、無線装置10のゲインの変動を抑制することができる。
<実施例1の効果>
上記説明から明らかなように、本実施例において、無線装置10は、増幅器15が送信信号を増幅していない期間に増幅器15に入力される所定信号を生成する。また、無線装置10は、増幅器15によって所定信号が増幅された後の増幅器15の出力信号に基づいて、増幅器15のIdqドリフトに伴う出力信号の変動量を測定する。また、無線装置10は、増幅器15に入力される送信信号の包絡線成分に基づいて制御される増幅器15の電源電圧を、測定された変動量に基づいて補正する。これにより、無線装置10は、増幅器のIdqドリフトに伴う送信信号の歪を改善することができる。特に、無線装置10は、増幅器15が送信信号を増幅していない期間に、増幅器15の電源電圧の補正を開始するため、増幅器15が送信信号の増幅を開始した段階から、増幅器15のIdqドリフトに伴う送信信号の歪を改善することができる。
また、本実施例において、所定信号は、所定電力のインパルス信号である。また、本実施例の無線装置10は、増幅器15が送信信号を増幅していない期間において、増幅器15がインパルス信号を増幅する前に増幅器15から出力された信号の振幅と、増幅器15がインパルス信号を増幅してから所定時間が経過した時点で増幅器15から出力された信号の振幅との差分を、変動量として測定する。無線装置10は、所定信号として、インパルス信号を用いることにより、変動量を測定する際に送信信号の帯域内に送信される信号の電力を低く抑えることができる。これにより、無線装置10は、変動量を測定する際に送信信号の帯域内に送信される信号による他の無線装置の通信への影響を抑えることができる。
また、本実施例において、無線装置10は、変動量毎に、増幅器15に入力される送信信号の包絡線成分と第1の補正値とが対応付けられた補正テーブルを記憶する記憶部34を有する。無線装置10は、測定された変動量に対応する補正テーブルを記憶部34内で特定し、特定した補正テーブルに基づいて、増幅器15に入力される送信信号の包絡線成分に対応する第1の補正値を特定する。そして、無線装置10は、特定した第1の補正値を用いて、増幅器15に入力される送信信号の包絡線成分に基づいて制御される増幅器15の電源電圧を補正する。これにより、無線装置10は、増幅器15に入力される送信信号の包絡線成分に基づいて制御される増幅器15の電源電圧に対して高速な補正が可能となる。
また、本実施例において、無線装置10は、補正テーブルを前回特定してから第1の時間が経過した後に、増幅器15が送信信号を増幅していない期間である送信停止期間を特定する。そして、無線装置10は、送信停止期間において、所定信号を生成し、増幅器15によって所定信号が増幅された後の増幅器15の出力信号に基づいて変動量を測定し、変動量に基づいて補正テーブルを特定する。これにより、無線装置10は、運用開始後においても、増幅器15の温度変化や経時変化等に伴うIdqドリフトの変化に追従して、増幅器15のゲインの変動を抑制することができる。
また、本実施例において、無線装置10は、補正テーブルを前回特定してから第1の時間よりも長い第2の時間、送信停止期間が特定されなかった場合、増幅器15に入力される送信信号の包絡線成分が所定の閾値以上となったか否かを判定する。そして、無線装置10は、該包絡線成分が所定の閾値以上となった場合に、該包絡線成分に基づいて制御される増幅器15の電源電圧を、第2の補正値を用いてさらに補正する。これにより、無線装置10は、運用開始後に、補正テーブルを前回特定してから第2の時間が経過しても送信停止期間が発生しない場合であっても、無線装置10のゲインの変動を抑制することができる。
また、本実施例において、第2の補正値は、増幅器15に入力される送信信号の包絡線成分と、所定の閾値との差に応じた値である。これにより、無線装置10は、増幅器15に入力される送信信号の大きさに応じて、Idqドリフトに伴う増幅器15のゲインの変動を精度よく抑制することができる。
実施例2における無線装置10は、送信信号の周波数帯域外の漏洩電力の大きさに応じて、補正処理部30の動作を制御する点が、実施例1における無線装置10とは異なる。
図14は、実施例2における無線装置10の一例を示すブロック図である。無線装置10は、ENV生成部11、ET部12、DAC13、アップコンバータ14、増幅器15、カプラ16、アンテナ17、発振器18、ダウンコンバータ19、ADC20、制御部21、漏洩電力測定部22、補正処理部30、および歪補償部40を有する。なお、以下に説明する点を除き、図14において、図1と同じ符号を付したブロックは、図1におけるブロックと同一または同様の機能を有するため説明を省略する。
漏洩電力測定部22は、送信期間において、ADC20から出力された信号に基づいて、送信信号の周波数帯域外の漏洩電力を測定する。図15は、漏洩電力測定部22によって測定される帯域外の漏洩電力の一例を説明する図である。漏洩電力測定部22は、例えば図15に示すように、送信信号帯域外の信号の電力であって、送信信号帯域の近傍の周波数f1の電力を、漏洩電力PACLRとして測定する。
制御部21は、送信期間において、漏洩電力測定部22によって測定された漏洩電力PACLRが所定の閾値Ptha以上であるか否かを判定する。漏洩電力PACLRが所定の閾値Ptha以上である場合、制御部21は、補正処理部30の動作を継続させる。一方、漏洩電力PACLRが所定の閾値Ptha未満である場合、制御部21は、補正処理部30の動作を停止させる。これにより、信号生成部31、変動量測定部33、補正電圧出力部35、および結合部36が停止する。なお、結合部36が停止した場合、ET部12によって制御された電源電圧は、補正されることなく増幅器15の電源端子に供給される。
ここで、補正処理部30は、ET部12によって制御されている増幅器15の電源電圧を、補正電圧により上昇させることで、Idqドリフトにより低下した増幅器15のゲインを上昇させる。これにより、Idqドリフトに伴う増幅器15のゲインの変動が抑制され、増幅器15によって増幅された送信信号の歪が抑制される。しかし、増幅器15の電源電圧を上昇させると、増幅器15の効率が多少悪化する場合がある。そのため、送信信号の歪が少ない場合には、補正処理部30の動作を停止させる。これにより、増幅器15の電源電圧が、ET部12の制御により調整されるため、増幅器15の効率低下が抑制される。
<運用中の無線装置10の動作>
図16は、運用開始後における実施例2の無線装置10の動作の一例を示すフローチャートである。なお、以下に説明する点を除き、図16において、図13と同じ符号を付した処理は、図13における処理と同一または同様の処理であるため説明を省略する。また、運用開始前における実施例2の無線装置10の動作は、図12に示した実施例1の無線装置10の動作と同様であるため、説明を省略する。
まず、漏洩電力測定部22は、ADC20から出力された信号に基づいて、送信信号の周波数帯域外の漏洩電力PACLRを測定する(S220)。そして、制御部21は、漏洩電力測定部22によって測定された漏洩電力PACLRが所定の閾値Ptha以上であるか否かを判定する(S221)。
漏洩電力測定部22によって測定された漏洩電力PACLRが所定の閾値Ptha未満である場合(S221:No)、制御部21は、補正処理部30を停止させ(S222)、漏洩電力測定部22は、再びステップS220に示した処理を実行する。一方、漏洩電力測定部22によって測定された漏洩電力PACLRが所定の閾値Ptha以上である場合(S221:Yes)、制御部21は、補正処理部30を起動し(S223)、特定部32は、ステップS200に示した処理を実行する。
上記説明から明らかなように、本実施例において、無線装置10は、送信信号が増幅器15によって増幅された信号において、送信信号の周波数帯域外の漏洩電力を測定する。そして、無線装置10は、測定された漏洩電力が所定値以上である場合、信号生成部31、変動量測定部33、および補正電圧出力部35を含む補正処理部30を動作させる。一方、測定された漏洩電力が所定値未満である場合、補正処理部30を停止させる。送信信号の歪が少ない場合に補正処理部30の動作を停止させることにより、無線装置10は、増幅器15の効率低下を抑制することができる。
<ハードウェア>
図17は、無線装置10のハードウェアの一例を示す図である。無線装置10は、例えば図17に示すように、メモリ100、プロセッサ101、無線回路102、およびアンテナ17を有する。
無線回路102は、例えば、DAC13、アップコンバータ14、増幅器15、カプラ16、アンテナ17、発振器18、ダウンコンバータ19、およびADC20の機能を実現する。プロセッサ101は、例えば、ENV生成部11、ET部12、補正処理部30、および歪補償部40の機能を実現する。メモリ100には、プロセッサ101が、ENV生成部11、ET部12、補正処理部30、および歪補償部40の機能を実現するためのプログラムなどの各種プログラムが格納される。そして、プロセッサ101は、メモリ100から読み出したプログラムを実行し、無線回路102等と協働することにより無線装置10の機能を実現する。
<その他>
なお、開示の技術は、上記した実施例に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で数々の変形が可能である。
例えば、上記した実施例において、無線装置10は、送信停止期間において、増幅器15の出力信号に基づいて測定された変動量に基づいて増幅器15の電源電圧を補正したが、開示の技術はこれに限られない。例えば、無線装置10は、送信停止期間において、増幅器15の出力信号に基づいて測定された変動量に基づいて増幅器15のゲート電圧を補正してもよい。これにより、無線装置10は、Idqドリフトに伴う増幅器15のゲインの変動を抑制することができる。
10 無線装置
11 ENV生成部
12 ET部
13 DAC
14 アップコンバータ
15 増幅器
16 カプラ
17 アンテナ
18 発振器
19 ダウンコンバータ
20 ADC
30 補正処理部
31 信号生成部
32 特定部
33 変動量測定部
34 記憶部
35 補正電圧出力部
36 結合部
40 歪補償部
41 乗算器
42 アドレス生成部
43 LUT
44 更新部
45 遅延部
46 減算器
47 遅延部

Claims (7)

  1. 入力された送信信号を増幅する増幅器と、
    前記増幅器に入力される前記送信信号の包絡線成分に基づいて前記増幅器の電源電圧を制御する電圧制御部と、
    前記増幅器が前記送信信号を増幅していない期間に前記増幅器に入力される所定信号を生成する生成部と、
    前記増幅器によって前記所定信号が増幅された後の前記増幅器の出力信号に基づいて、前記増幅器のIdqドリフトに伴う出力信号の変動量を測定する変動量測定部と、
    前記変動量測定部によって測定された前記変動量に基づいて、前記電圧制御部によって制御される前記電源電圧を補正する補正部と
    を有することを特徴とする無線装置。
  2. 前記所定信号は、所定電力のインパルス信号であり、
    前記変動量測定部は、
    前記増幅器が前記送信信号を増幅していない期間において、前記増幅器が前記インパルス信号を増幅する前に前記増幅器から出力された信号の振幅と、前記増幅器が前記インパルス信号を増幅してから所定時間が経過した時点で前記増幅器から出力された信号の振幅との差分を、前記変動量として測定することを特徴とする請求項1に記載の無線装置。
  3. 前記変動量の範囲毎に、前記増幅器に入力される前記送信信号の包絡線成分と第1の補正値とが対応付けられた補正テーブルを記憶する記憶部を有し、
    前記補正部は、
    前記変動量測定部によって測定された前記変動量が含まれる範囲に対応する前記補正テーブルを前記記憶部内で特定し、特定した前記補正テーブルに基づいて、前記増幅器に入力される前記送信信号の包絡線成分に対応する第1の補正値を特定し、特定した第1の補正値を用いて、前記電圧制御部によって制御される前記電源電圧を補正することを特徴とする請求項1または2に記載の無線装置。
  4. 前記無線装置の運用開始後において、前記補正部が前記補正テーブルを前回特定してから第1の時間が経過した後に、前記増幅器が前記送信信号を増幅していない期間である送信停止期間を特定する特定部を有し、
    前記生成部は、前記送信停止期間において、前記所定信号を生成し、
    前記変動量測定部は、前記送信停止期間において、前記増幅器によって前記所定信号が増幅された後の前記増幅器の出力信号に基づいて前記変動量を測定し、
    前記補正部は、前記送信停止期間において、前記変動量に基づいて前記補正テーブルを特定することを特徴とする請求項3に記載の無線装置。
  5. 前記補正部は、
    前記補正テーブルを前回特定してから前記第1の時間よりも長い第2の時間、前記特定部によって前記送信停止期間が特定されなかった場合、前記増幅器に入力される前記送信信号の包絡線成分が所定の閾値以上となったか否かを判定し、前記包絡線成分が所定の閾値以上となった場合に、前記電圧制御部によって制御される前記電源電圧を、第2の補正値を用いてさらに補正することを特徴とする請求項4に記載の無線装置。
  6. 前記第2の補正値は、前記包絡線成分と前記閾値との差に応じた値であることを特徴とする請求項5に記載の無線装置。
  7. 前記送信信号が前記増幅器によって増幅された信号において、前記送信信号の周波数帯域外の漏洩電力を測定する漏洩電力測定部と、
    前記漏洩電力測定部によって測定された前記漏洩電力が所定値以上である場合、前記生成部、前記変動量測定部、および前記補正部を動作させ、前記漏洩電力測定部によって測定された前記漏洩電力が所定値未満である場合、前記生成部、前記変動量測定部、および前記補正部を停止させる制御部と
    を有することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の無線装置。
JP2016001085A 2016-01-06 2016-01-06 無線装置 Pending JP2017123539A (ja)

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