JP2017121249A - 飲料及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】安全で、日常的に摂取することにより、骨粗鬆症や骨折、リウマチ、関節炎などの種々の骨疾患の予防や治療に有用である新規飲料を提供することを課題とする。
【解決手段】アンジオジェニン及び/又はアンジオジェニン分解物を0.8mg/100mlを超えて150mg/100ml以下含有し、かつ、ラクトパーオキシダーゼ及び/又はラクトパーオキシダーゼ分解物をアンジオジェニン及び/又はアンジオジェニン分解物に対して質量比が0.3〜23の範囲で含有する飲料。このような飲料を摂取することにより、骨を強化することができ、特に骨粗鬆症や骨折、リウマチ、関節炎などの種々の骨疾患の予防ならびに治療に役立てることができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、新規な飲料及びその製造方法に関する。本発明の飲料は、特定の乳成分を含有することにより、骨粗鬆症や骨折、リウマチ、関節炎などの種々の骨疾患の予防や治療に有用である。
近年、世界的規模で、高齢化等に伴い、骨粗鬆症や骨折あるいは腰痛などの種々の骨に関連する疾患が増加しており、大きな社会問題となっている。これは、カルシウムの摂取不足やカルシウム吸収能力の低下、閉経後のホルモンのアンバランスなどが原因であるとされている。骨粗鬆症や骨折、腰痛などの種々の骨疾患を予防するためには、若齢期から骨芽細胞による骨形成を促進して体内の骨量をできるだけ増加させ、最大骨量や骨強度(骨密度+骨質)を高めることが有効であるとされている。なお、骨質とは、骨の微細構造や代謝回転、微小骨折、石灰化を指すものである。また、骨粗鬆症や骨折、腰痛などの種々の骨疾患を予防する方法としては、破骨細胞による骨吸収を抑制することも考えられる。骨はバランスのとれた吸収と形成を絶えず繰り返している(リモデリング)が、閉経後のホルモンバランスの変化等により、骨吸収が骨形成を上回り、これが骨粗鬆症や骨折、腰痛などの種々の骨疾患の原因となる。したがって、破骨細胞による骨吸収を抑制して骨強度を一定に保つことにより、結果的に骨を強化することが可能である。
このような現状から、骨を強化する目的で、炭酸カルシウムやリン酸カルシウム、乳酸カルシウムなどのカルシウム塩ならびに乳清カルシウムや牛骨粉、卵殻などの天然カルシウム剤を、それぞれ単独で医薬品や飲食品、飼料などに添加したものが摂取されている。又は、これらのカルシウム剤をカゼインホスホペプチドやオリゴ糖などのカルシウム吸収促進効果を有する物質と共に医薬品や飲食品、飼料などに添加したものが摂取されている。しかしながら、これらのカルシウム塩や天然カルシウム剤を飲食品に添加したものを摂取した場合のカルシウムの吸収率は50%以下であり、多くのカルシウムは吸収されずに体外に排出されてしまうといわれている。また、体内に吸収されたカルシウムであっても、その形態や同時に摂取される他の栄養成分の種類によって骨への親和性が異なるので、必ずしも骨代謝の改善や骨強化の作用を示さないこともある。その他、骨粗鬆症治療や骨強化のための医薬として、女性ホルモン製剤や活性型ビタミンD3製剤、ビタミンK2製剤、ビスフォスフォネート製剤、カルシトニン製剤などが知られており、抗RANKL抗体などの新薬開発が進められている。しかし、これらの医薬品を用いた場合、耳鳴り、頭痛、食欲不振などの副作用を伴うことがある。さらに、これらの物質は安全性及びコストなどの面から、現在のところ飲食品に添加することができない状況にある。一方、骨粗鬆症や骨折、腰痛などの種々の骨疾患の疾病の性質から、長期的に経口摂取することができ、骨形成促進的及び骨吸収抑制的に作用して骨強度を高め、その予防または治療効果が期待できるような飲食品の開発が望まれている。
特開平8−151331号公報 特開平10−7585号公報 特開2004−238320号公報 特開2005−60321号公報
本発明は、骨粗鬆症や骨折、リウマチ、関節炎などの種々の骨疾患の予防や治療に有用な飲料を提供することを課題とする。
本発明者らは、アンジオジェニン及び/又はアンジオジェニン分解物を含有し、かつ、ラクトパーオキシダーゼ及び/又はラクトパーオキシダーゼ分解物をアンジオジェニン及び/又はアンジオジェニン分解物に対して特定の範囲の質量比で含有する飲料を摂取することによって、効果的に骨密度を高める作用が得られることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち本発明は、以下の構成からなるものである。
(1)アンジオジェニン及び/又はアンジオジェニン分解物を0.8mg/100mlを超えて150mg/100ml以下含有し、かつ、ラクトパーオキシダーゼ及び/又はラクトパーオキシダーゼ分解物をアンジオジェニン及び/又はアンジオジェニン分解物に対して質量比が0.3〜23の範囲で含有する飲料。
(2)(1)記載の飲料を200ml/日以上摂取する骨疾患の予防方法。
(3)アンジオジェニン及び/又はアンジオジェニン分解物とラクトパーオキシダーゼ及び/又はラクトパーオキシダーゼ分解物を飲料原料に添加し、殺菌する工程を含む上記(1)記載の飲料の製造方法。
(4)殺菌した飲料原料にアンジオジェニン及び/又はアンジオジェニン分解物とラクトパーオキシダーゼ及び/又はラクトパーオキシダーゼ分解物を添加する工程を含む上記(1)記載の飲料の製造方法。
本発明の飲料は、骨を強化する作用を有し、骨粗鬆症や骨折、リウマチ、関節炎などの種々の骨疾患の予防や治療に有用である。
本発明の飲料の特徴は、アンジオジェニン及び/又はアンジオジェニン分解物を特定の範囲の量で含有し、かつ、特定の範囲の質量比でアンジオジェニン及び/又はアンジオジェニン分解物とラクトパーオキシダーゼ及び/又はラクトパーオキシダーゼ分解物を含有することにある。
一般に牛乳中には、アンジオジェニン及び/又はアンジオジェニン分解物は0.2〜0.8mg/100ml程度、ラクトパーオキシダーゼ及び/又はラクトパーオキシダーゼ分解物は1.5〜6.0mg/100ml程度含まれている。
これに対し、本発明の飲料は、アンジオジェニン及び/又はアンジオジェニン分解物とラクトパーオキシダーゼ及び/又はラクトパーオキシダーゼ分解物を添加して、アンジオジェニン及び/又はアンジオジェニン分解物を0.8mg/100mlを超えて150mg/100ml以下含有し、かつ、ラクトパーオキシダーゼ及び/又はラクトパーオキシダーゼ分解物を、アンジオジェニン及び/又はアンジオジェニン分解物に対する質量比が0.3〜23の範囲で含有するものである。
本発明の飲料に含有されるアンジオジェニン及び/又はアンジオジェニン分解物やラクトパーオキシダーゼ及び/又はラクトパーオキシダーゼ分解物としては、ヒト、ウシ、水牛、ヤギ、ヒツジ等の哺乳類の乳から調製されるアンジオジェニン及び/又はアンジオジェニン分解物を含む画分、ラクトパーオキシダーゼ及び/又はラクトパーオキシダーゼ分解物を含む画分や、遺伝子工学的手法により生産されるこれらの画分、血液や臓器から精製されたアンジオジェニン及び/又はアンジオジェニン分解物、ラクトパーオキシダーゼ及び/又はラクトパーオキシダーゼ分解物等が使用可能である。また、精製され、市販されているアンジオジェニンやラクトパーオキシダーゼの試薬を用いることも可能である。
また、上述のアンジオジェニンを含む画分、アンジオジェニンの試薬やラクトパーオキシダーゼを含む画分、ラクトパーオキシダーゼの試薬等をそれぞれ1種類以上のタンパク質分解酵素で分解したアンジオジェニン分解物やラクトパーオキシダーゼ分解物を含有させることも可能である。
一方、乳、または脱脂乳や乳清などの乳由来の原料から直接、アンジオジェニン及び/又はアンジオジェニン分解物とラクトパーオキシダーゼ及び/又はラクトパーオキシダーゼ分解物を含む画分を抽出して調製したタンパク質素材を含有させることも可能である。このようなタンパク質素材は、例えば、乳又は乳原料を陽イオン交換樹脂と接触させた後、その樹脂に吸着した乳由来タンパク質を0.1〜2.0Mの塩濃度で溶出して、逆浸透膜や電気透析膜、限外濾過膜、精密濾過膜などにより脱塩、濃縮した後、必要に応じて、トリプシン、パンクレアチン、キモトリプシン、ペプシン、パパイン、カリクレイン、カテプシン、サーモライシン、V8プロテアーゼ等のタンパク質分解酵素で分子量が8,000以下となるように分解することにより調製することができる。なお、タンパク質分解酵素で分解する場合は、分子量の下限は500以上とすることが好ましい。また、このようにして得られたタンパク質素材は、凍結乾燥や噴霧乾燥などにより乾燥することも可能であり、乾燥したものを飲料に含有させてもよい。
本発明では、上述したアンジオジェニン及び/又はアンジオジェニン分解物、ラクトパーオキシダーゼ及び/又はラクトパーオキシダーゼ分解物、これらを含むタンパク質素材等を飲料原料に添加し、アンジオジェニン及び/又はアンジオジェニン分解物を0.8mg/100mlを超えて150mg/100ml以下含有させ、かつ、ラクトパーオキシダーゼ及び/又はラクトパーオキシダーゼ分解物を、アンジオジェニン及び/又はアンジオジェニン分解物に対する質量比が0.3〜23の範囲で含有させる。
後の試験例で示すが、上述のようにアンジオジェニン及び/又はアンジオジェニン分解物、ラクトパーオキシダーゼ及び/又はラクトパーオキシダーゼ分解物を含有させることにより、各々の成分を単独で摂取するよりも効果的に骨強化作用を得ることができる。
本発明の飲料は、アンジオジェニン及び/又はアンジオジェニン分解物、ラクトパーオキシダーゼ及び/又はラクトパーオキシダーゼ分解物を特定量で含有させること以外は特に制限はなく、一般的な方法に従って製造すればよい。例えば、乳原料等の飲料原料に、アンジオジェニン及び/又はアンジオジェニン分解物を特定量の範囲となるように配合し、かつ、ラクトパーオキシダーゼ及び/又はラクトパーオキシダーゼ分解物を、アンジオジェニン及び/又はアンジオジェニン分解物に対し特定の範囲の質量比となるように添加して調製する。なお、乳原料等の飲料原料には、牛乳や脱脂濃縮乳、脱脂粉乳、ホエイ、バター、クリーム、発酵乳、乳製品乳酸菌飲料、乳酸菌飲料等に加え、これらを必要に応じて混合した乳飲料、加工乳、成分調整乳、低脂肪牛乳、無脂肪牛乳等が含まれる。
乳原料等の飲料原料に添加する場合、アンジオジェニン及び/又はアンジオジェニン分解物やラクトパーオキシダーゼ及び/又はラクトパーオキシダーゼ分解物は、未殺菌の飲料原料に添加しても、殺菌した飲料原料に添加しても良い。未殺菌の飲料原料に添加する場合には、添加後殺菌を行う。殺菌は加熱殺菌により行うことが好ましい。例えば、飲料原料そのもの、または、アンジオジェニン及び/又はアンジオジェニン分解物やラクトパーオキシダーゼ及び/又はラクトパーオキシダーゼ分解物を添加した飲料原料を70℃に加温し、ホモゲナイザーで15MPaの圧力で均質化し、130℃で2秒間殺菌して5℃に冷却することにより調製すればよい。アンジオジェニン及び/又はアンジオジェニン分解物やラクトパーオキシダーゼ及び/又はラクトパーオキシダーゼ分解物を飲料原料に添加した後に加熱殺菌する場合には、130℃で2秒間以下とすることが好ましい。
なお、本発明の飲料には、アンジオジェニン及び/又はアンジオジェニン分解物やラクトパーオキシダーゼ及び/又はラクトパーオキシダーゼ分解物以外に、上述した飲料原料のほか、糖類や脂質、タンパク質、ビタミン類、ミネラル類、フレーバー等、飲食品に通常使用する原材料等も配合することが可能であり、他の骨強化作用を示す成分、例えばカルシウムやビタミンD、ビタミンK、イソフラボン等を配合することも可能である。
本発明の飲料は、後述する実験動物での試験において、体重1kgあたり200ml以上経口摂取させることにより、骨を強化することができる。この実験動物における摂取量は、血中薬物濃度において、成人一人あたりの摂取量に該当することから(中島 光好 (1993) 「第8巻 薬効評価」 廣川書店 2−18頁)、通常、成人一人一日あたり、本発明の飲料を200ml以上摂取することにより骨を強化することができ、骨粗鬆症や骨折、リウマチ、関節炎などの種々の骨疾患の予防や治療の効果が特に期待できる。
以下に、参考例、実施例及び試験例を示し、本発明についてより詳細に説明するが、これらは例示するのみであり、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。
[参考例1]
(アンジオジェニン画分の調製1)
陽イオン交換樹脂であるスルホン化キトパール(富士紡績社製)30kgを充填したカラムを脱イオン水で十分に洗浄した後、このカラムに未殺菌脱脂乳1,000L(pH6.7)を通液した。次に、このカラムを脱イオン水で十分洗浄した後、0.1〜2.0Mの塩化ナトリウムの直線濃度勾配で溶出した。そして、アンジオジェニンを含有する溶出画分をS−Sepharose陽イオン交換クロマトグラフィー(アマシャムバイオサイエンス社製)で分画し、得られたアンジオジェニン含有画分を90℃で10分間加熱処理し、遠心分離することにより沈澱を除去した。さらに、このアンジオジェニン含有画分をSuperose12ゲル濾過クロマトグラフィーで処理した。この溶出液を逆浸透膜により脱塩した後、凍結乾燥してアンジオジェニンの純度が90%のアンジオジェニン画分16.5gを得た。これら一連の処理を30回繰り返した。
[参考例2]
(アンジオジェニン画分の調製2)
ヘパリンアフィニティセファロース(GEヘルスケア社製)10kgを充填したカラムを脱イオン水で十分に洗浄した後、このカラムに未殺菌脱脂乳500L(pH6.7)を通液した。次に、このカラムを0.5Mの塩化ナトリウム溶液で十分洗浄した後、1.5Mの塩化ナトリウム溶液で溶出した。そして、この溶出液を逆浸透膜により脱塩した後、凍結乾燥してアンジオジェニンの純度が5%のアンジオジェニン画分18gを得た。これら一連の処理を50回繰り返した。
[参考例3]
(ラクトパーオキシダーゼ画分の調製)
陽イオン交換樹脂であるスルホン化キトパール(富士紡績社製)600gを充填したカラム(直径5cm×高さ30cm)を脱イオン水で十分に洗浄した後、このカラムに未殺菌脱脂乳360L(pH6.7)を流速25ml/minで通液した。通液後、カラムを脱イオン水で十分洗浄し、2.0 Mの塩化ナトリウムを含む0.02M炭酸緩衝液(pH7.0)で溶出した。そしてラクトパーオキシダーゼを含有する溶出画分をS−SepharoseFFカラム(アマシャムバイオサイエンス社製)に吸着させ、脱イオン水で十分洗浄し、10mMのリン酸緩衝液(pH7.0)で平衡化した後、0〜2.0Mの塩化ナトリウムのリニアグラジエントで吸着した画分を溶出し、ラクトパーオキシダーゼを含む画分を回収した。そしてその画分をHiLoad 16/60 Superdex75pg(アマシャムバイオサイエンス社製)を用いたゲル濾過クロマトグラフィーで処理した。この溶出液を逆浸透膜により脱塩した後、凍結乾燥してラクトパーオキシダーゼの純度が90%のラクトパーオキシダーゼ画分27gを得た。これら一連の処理を25回繰り返した。
(飲料に含まれるアンジオジェニン及びラクトパーオキシダーゼの測定)
飲料に含まれるアンジオジェニンやアンジオジェニン分解物ならびにラクトパーオキシダーゼやラクトパーオキシダーゼ分解物の測定は、特開2008−164511号公報の方法を改変して実施した。即ち、超純水5mlに飲料106μlを加え、これに1/1,000量のギ酸を添加し、試料溶液とした。この溶液10μlをドライアップした後、8M尿素および1mMトリス(カルボキシエチル)フォスフィン(TCEP)を含む0.1M重炭酸アンモニウム20μlに溶解し、56℃で30分間加温した。室温に戻した後、100mMヨードアセトアミド溶液5μlを添加して、遮光下で30分反応させた。これに、54μlの超純水を添加後、0.1μg/mlトリプシン10μlおよび0.1μg/mlリシルエンドペプチダーゼ10μlを添加して、37℃で16時間反応させた。その後、3μlのギ酸を添加して、反応を停止し、測定試料用ペプチド溶液とした。各試料溶液を10fmol/μlの内部標準ペプチド溶液(含0.1%ギ酸、0.02%トリフルオロ酢酸(TFA)、2%アセトニトリル)で6倍に希釈し、希釈した溶液2.5μlをLC/MS/MSにて分析を行った。
ペプチドの分離は、HPLCシステムを用いてグラジェント溶出した。すなわち、カラム5μlペプチドトラップつきMAGIC C18 0.2mmID×50mmを用い、流速は2μl/minでMAGIC2002のHPLCシステムを用いて行った。HPLCの溶媒には、A溶液:2%アセトニトリル−0.05%ギ酸とB溶液:90%アセトニトリル−0.05%ギ酸を用いた。溶出条件は、B溶液を2%から65%まで20分間かけてグラジェント溶出させた。
ラクトパーオキシダーゼの測定対象イオンは、ペアレントイオンがNH2−IHGFDLAAINLQR−COOHでm/z 734.4、MS/MSターゲットイオンがNH−IHGFDLA−COOHでm/z 754.4、アンジオジェニンの測定対象イオンは、ペアレントイオンがNH−YIHFLTQHYDAK−COOHでm/z 768.8、MS/MSターゲットイオンがNH2−FLTQHYDAK−COOHでm/z 1122.8で測定した。内部標準ペプチドは、ペアレントイオンがNH2−ETTVFENLPEK−COOH(但し、Pの炭素はC13、窒素はN15で標識)でm/z 656.9であり、MS/MSのターゲットイオンは、NH2−FENLPEK−COOH(但し、Pの炭素はC13、窒素はN15で標識)でm/z 882.4で行った。MSにはLCQ Advantageを用いた。得られたクロマトグラムから各タンパク質のピーク面積を求め、内部標準ペプチドとの比から濃度を求めた。
[実施例1]
牛乳200mlに参考例1のアンジオジェニン画分330mgと参考例3のラクトパーオキシダーゼ画分90mgを混合し、130℃で2秒間、加熱殺菌した後、10℃まで冷却し、飲料(実施例品1)を得た。得られた飲料には、アンジオジェニン及び/又はアンジオジェニン分解物が150mg/100ml含まれており、アンジオジェニン及び/又はアンジオジェニン分解物に対するラクトパーオキシダーゼ及び/又はラクトパーオキシダーゼ分解物の質量比は0.3であった。
[実施例2]
牛乳200mlに参考例2のアンジオジェニン画分24mgと参考例3のラクトパーオキシダーゼ画分30mgを混合し、130℃で2秒間、加熱殺菌した後、10℃まで冷却し、飲料(実施例品2)を得た。得られた飲料には、アンジオジ ェニン及び/又はアンジオジェニン分解物が0.81mg/100ml含まれており、アンジオジェニン及び/又はアンジオジェニン分解物に対するラクトパーオキシダーゼ及び/又はラクトパーオキシダーゼ分解物の質量比は23であった。
[実施例3]
牛乳200mlに参考例1のアンジオジェニン画分24mgと参考例3のラクトパーオキシダーゼ画分30mgを混合し、130℃で2秒間、加熱殺菌した後、10℃まで冷却し、飲料(実施例品3)を得た。得られた飲料には、アンジオジェニン及び/又はアンジオジェニン分解物が11mg/100ml含まれており、アンジオジェニン及び/又はアンジオジェニン分解物に対するラクトパーオキシダーゼ及び/又はラクトパーオキシダーゼ分解物の質量比は1.7であった。
[比較例1]
牛乳200mlに参考例2のアンジオジェニン画分20mgと参考例3のラクトパーオキシダーゼ画分34mgを混合し、130℃で2秒間、加熱殺菌した後、10℃まで冷却し、飲料(比較例品1)を得た。得られた飲料には、アンジオジェニン及び/又はアンジオジェニン分解物が0.7mg/100ml含まれており、アンジオジェニン及び/又はアンジオジェニン分解物に対するラクトパーオキシダーゼ及び/又はラクトパーオキシダーゼ分解物の質量比は29であった。
[比較例2]
牛乳200mlに参考例1のアンジオジェニン画分360mgと参考例3のラクトパーオキシダーゼ画分60mgを混合し、130℃で2秒間、加熱殺菌した後、10℃まで冷却し、飲料(比較例品2)を得た。得られた飲料には、アンジオジェニン及び/又はアンジオジェニン分解物が162mg/100ml含まれており、アンジオジェニン及び/又はアンジオジェニン分解物に対するラクトパーオキシダーゼ及び/又はラクトパーオキシダーゼ分解物の質量比は0.19であった。
[試験例1]
実施例品1〜3および比較例品1、2の骨強化作用を動物実験により調べた。実験には5週齢のC3H/HeJ系雄マウスを用いた。1週間の予備飼育の後、マウスを10匹ずつ6群に分け、実施例品1〜3と比較例品1、2をマウス体重1kgあたり、それぞれ1日当り200mlになるよう1日2回ゾンデで経口投与して2週間飼育した。また、実施例品1〜3および比較例品1、2を投与しないものを対照群とした。投与終了後(2週目)に、マウスの右脛骨の骨密度をマイクロCT((株)リガク製)により測定した。これらの結果を表1に示した。表1に示したように、実施例品1〜3を2週間経口投与した群では、対照群または比較例品1、2を投与した群に比較して、骨密度が有意に上昇した。
Figure 2017121249
[参考例4]
陽イオン交換樹脂のスルホン化キトパール(富士紡績社製)400gを充填したカラム(直径4cm×高さ30cm)を脱イオン水で十分洗浄した後、このカラムに未殺菌脱脂乳(pH6.7)40Lを流速25ml/minで通液した。通液後、このカラムを脱イオン水で十分洗浄し、0.78Mの塩化ナトリウムを含む0.02M炭酸緩衝液(pH7.0)で樹脂に吸着したタンパク質を溶出した。そして、この溶出液を逆浸透膜により脱塩した後、凍結乾燥して粉末状のタンパク質素材18gを得た(参考例品4)。
[参考例5]
参考例品4のタンパク質素材4gを水800mlに溶解し、最終濃度が0.03重量%となるようタンパク質分解酵素であるトリプシン(シグマ社製)を加え、37℃で8時間酵素処理した。そして、90℃で5分間加熱処理して酵素を失活させた後、凍結乾燥して粉末状のタンパク質素材3.0gを得た(参考例品5)。
[実施例4]
殺菌した牛乳200mlに参考例品4を40mg混合して飲料(実施例品4)を得た。得られた飲料には、アンジオジェニン及び/又はアンジオジェニン分解物が1.2mg/100ml含まれており、アンジオジェニン及び/又はアンジオジェニン分解物に対するラクトパーオキシダーゼ及び/又はラクトパーオキシダーゼ分解物の質量比は7.5であった。
[実施例5]
殺菌した牛乳200mlに参考例品5を40mg混合して飲料(実施例品5)を得た。得られた飲料には、アンジオジェニン及び/又はアンジオジェニン分解物が1.15mg/100ml含まれており、アンジオジェニン及び/又はアンジオジェニン分解物に対するラクトパーオキシダーゼ及び/又はラクトパーオキシダーゼ分解物の質量比は7.4であった。
[比較例3]
殺菌した牛乳200mlに参考例品4を15mgと参考例3のラクトパーオキシダーゼ画分25mgを混合して飲料(比較例品3)を得た。得られた飲料には、アンジオジェニン及び/又はアンジオジェニン分解物が0.7mg/100ml含まれており、アンジオジェニン及び/又はアンジオジェニン分解物に対するラクトパーオキシダーゼ及び/又はラクトパーオキシダーゼ分解物の質量比は25.4であった。
[試験例2]
実施例品4、5および比較例品3の骨強化作用について動物実験により調べた。実験には51週齢のSD系雌ラット40匹を用いた。ラットを8匹ずつ5群に分け、4群は卵巣摘出手術を施し、残りの1群は疑似手術を施した。4週間の回復期間を設け、卵巣摘出手術を施したラットに実施例品4、5および比較例品3をラット体重1kgあたり、それぞれ1日当り200mlになるよう1日6回ゾンデで経口投与して16週間飼育した。実施例品4、5および比較例品3を投与しないものを対照群とした。また、4週間の回復期間の後、疑似手術を施したラットも対照群と同様に16週間飼育した。投与終了後(16週目)に、ラットの右大腿骨の骨密度をマイクロCT((株)リガク製)により測定した。その結果を表2に示す。表2に示したように、実施例品4、5を16週間経口投与した群では、対照群または比較例品3を投与した群に比べ、骨密度が有意に上昇し、その値は疑似手術群に近いレベルであった。
Figure 2017121249

Claims (1)

  1. アンジオジェニン及び/又はアンジオジェニン分解物を0.8mg/100mlを超えて150mg/100ml以下含有し、かつ、ラクトパーオキシダーゼ及び/又はラクトパーオキシダーゼ分解物をアンジオジェニン及び/又はアンジオジェニン分解物に対して質量比が0.3〜23の範囲で含有する飲料。
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