JP2017120036A - 内燃機関冷却システム - Google Patents

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Abstract

【課題】内燃機関の冷態運転時の性能向上を図りながらも、簡素な構成にて内燃機関の暖気後の通常運転時におけるポンプ駆動効率を高める。
【解決手段】内燃機関冷却システムは、内燃機関と、前記内燃機関を冷却する冷却液を循環させる冷却液ポンプと、前記内燃機関のクランク軸から前記冷却液ポンプに動力を伝達する動力伝達機構と、を備え、前記動力伝達機構は、前記クランク軸から前記冷却液ポンプへの動力伝達を接続又は切断するクラッチ装置と、前記クラッチ装置の前記クランク軸側に位置する上流側回転体と、前記クラッチ装置の前記冷却液ポンプ側に位置する下流側回転体と、を有し、前記クラッチ装置は、ドッグクラッチと、前記ドッグクラッチを動作させるアクチュエータと、を有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、内燃機関からの動力で駆動される冷却液ポンプを用いて内燃機関が冷却される内燃機関冷却システムに関する。
乗物のエンジンには、クランク軸の回転に機械的に連動するウォーターポンプが設けられている。エンジンが始動されると、ウォーターポンプにより循環させられる冷却水がエンジンを冷却する。ところで、特許文献1には、クランク軸とウォーターポンプとの間の動力伝達経路に電磁クラッチを設け、電磁クラッチによってクランク軸からウォーターポンプへの動力伝達を切断可能とした構成が開示されている。この構成であれば、エンジン運転中において、エンジンの冷却水温度が低いときにはウォーターポンプを停止させ、エンジンの冷却水温度が高いときにはウォーターポンプを駆動させることが可能となる。
特表2011−512503号公報
しかし、特許文献1では、電磁クラッチが摩擦抵抗を利用して接続状態を保つ構成であるため、ウォーターポンプの駆動時のクランク軸からウォーターポンプへの動力伝達にはエネルギー損失が生じる。内燃機関の動作においては、冷態運転時間よりも暖気後の通常運転時間の方が長くなるため、冷態運転時の性能向上のために通常運転時の効率が下がることは避けるべきである。また、特許文献1の電磁クラッチは多くの構成部品からなるため、装置の部品点数が増大することにもなる。
そこで本発明は、内燃機関の冷態運転時の性能向上を図りながらも、簡素な構成にて内燃機関の暖気後の通常運転時におけるポンプ駆動効率を高めることを目的とする。
本発明の一態様に係る内燃機関冷却システムは、内燃機関と、前記内燃機関を冷却する冷却液を循環させる冷却液ポンプと、前記内燃機関のクランク軸から前記冷却液ポンプに動力を伝達する動力伝達機構と、を備え、前記動力伝達機構は、前記クランク軸から前記冷却液ポンプへの動力伝達を接続又は切断するクラッチ装置と、前記クラッチ装置の前記クランク軸側に位置する上流側回転体と、前記クラッチ装置の前記冷却液ポンプ側に位置する下流側回転体と、を有し、前記クラッチ装置は、ドッグクラッチと、前記ドッグクラッチを動作させるアクチュエータと、を有する。
前記構成によれば、内燃機関と冷却液ポンプとの間に設けるクラッチとしてドッグクラッチが用いられ、摩擦抵抗ではなく噛み合いによりクラッチ接続状態が保たれるので、当該接続状態におけるクランク軸から冷却液ポンプへの動力伝達効率が良くなる。よって、内燃機関の冷態運転時における性能向上(例えば、燃費向上及び触媒早期活性化)を図りながらも、内燃機関の暖気後の通常運転時における冷却液ポンプの駆動効率を高めることができる。また、内燃機関と冷却液ポンプとの間に設けるクラッチとしてドッグクラッチを用いることで、クラッチ装置の部品点数も低減できる。
前記ドッグクラッチは、前記上流側回転体又は前記下流側回転体のいずれか一方からなる第1回転体に設けられた第1クラッチ要素と、前記上流側回転体又は前記下流側回転体のいずれか他方からなる第2回転体に設けられた第2クラッチ要素と、を有し、前記第1クラッチ要素又は前記第2クラッチ要素のいずれか一方は、前記第1回転体及び前記第2回転体の軸線方向に突出するドッグを含み、前記第1クラッチ要素又は前記第2クラッチ要素のいずれか他方は、前記ドッグが係合するドッグ穴を含み、前記第2クラッチ要素は、前記第2回転体に対して前記軸線方向にスライド可能な状態で前記第2回転体と共回転するように前記第2回転体に嵌合しており、前記アクチュエータは、前記第2クラッチ要素を前記第2回転体に対して前記軸線方向にスライドさせる構成としてもよい。
前記構成によれば、第2回転体側の部材(例えば、冷却液ポンプのインペラ、又は、クランク軸側のドライブシャフト)を軸線方向に静止させたまま、簡素な構成にてドッグクラッチを動作させることができる。
前記第2クラッチ要素は、前記第2回転体の外周面にスプライン接続された筒部を含み、前記アクチュエータは、前記筒部の径方向外側に配置された電磁コイルを有し、前記筒部は、前記電磁コイルで発生する磁力が作用する磁性体を含む構成としてもよい。
前記構成によれば、第2クラッチ要素の筒部が第2回転体よりも大径になるため、第2クラッチ要素の強度が向上するとともに、電磁コイルで発生する磁力を第2クラッチ要素に作用させ易くすることができる。
冷却液ポンプが駆動開始してからエンジンの温度が実際に下がるまでにはタイムラグが生じるので、内燃機関が急激に昇温した場合には、内燃機関が一時的に過熱状態になる可能性がある。そこで、前記内燃機関冷却システムは、前記冷却液の温度を検出する第1センサと、前記第1センサとは異なり、かつ、前記内燃機関の状態又は前記内燃機関への入力を検出する第2センサと、前記第1センサで検出される冷却液温度と前記第2センサで検出される情報とに応じて前記クラッチ装置を制御するコントローラと、を更に備え、前記コントローラは、前記冷却液温度が閾値以上であると判定されると、前記クラッチ装置を接続状態にし、前記冷却液温度が閾値未満であると判定されると、前記クラッチ装置を切断状態にし、かつ、前記コントローラは、前記内燃機関の状態又は前記内燃機関への入力が所定の異常燃焼条件を満たすと判定されると、前記クラッチ装置を接続状態にする又は前記閾値を下げる構成としてもよい。
前記構成とすれば、内燃機関の状態又は内燃機関への入力が所定の異常燃焼条件を満たすときには、冷却液温度が低くても、クラッチ装置を接続状態にする又は閾値を下げることで、冷却液ポンプを早期に駆動開始させることができ、内燃機関の一時的な過熱を防止できる。よって、冷態運転時に冷却液ポンプを停止する構成としても、ノッキング等の異常燃焼を好適に抑制できる。また、内燃機関の一時的な過熱を防止できるため、通常時の閾値を低く設定しておく必要がなくなり、冷却液ポンプの非駆動期間を十分に確保できる。
本発明によれば、内燃機関の冷態運転時の性能向上を図りながらも、簡素な構成にて内燃機関の暖気後の通常運転時におけるポンプ駆動効率を高めることができる。
第1実施形態に係る内燃機関冷却システムを搭載した自動二輪車の要部側面図である。 図1に示す内燃機関冷却システムを含む駆動系統の模式図である。 図2に示す内燃機関冷却システムの動作を説明するフローチャートである。 第2実施形態に係る内燃機関冷却システムのブロック図である。 図4に示す内燃機関冷却システムの動作を説明するフローチャートである。 第3実施形態に係る内燃機関冷却システムの動作を説明するフローチャートである。 第4実施形態に係る内燃機関冷却システムの動作を説明するフローチャートである。 第5実施形態に係る内燃機関冷却システムの要部の模式図である。
以下、図面を参照して実施形態を説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る内燃機関冷却システム20を搭載した自動二輪車1の要部側面図である。図1に示すように、自動二輪車1は、エンジンE(内燃機関)の動力を利用してエンジンEを水冷する内燃機関冷却システム20を備える。自動二輪車1は、車体フレーム2と、車体フレーム2に搭載されたエンジンEと、を備える。車体フレーム2は、ステアリングシャフトを回動自在に支持するヘッドパイプ部2aと、ヘッドパイプ部2aから後方に延びるメインフレーム部2bと、メインフレーム部2bの後端から下方に延びるピボットフレーム部2cと、メインフレーム部2b及びピボットフレーム部2cから後方に延びるリヤフレーム部2dと、を有する。メインフレーム部2bの下方には、メインフレーム部2b及びピボットフレーム部2cに支持された状態でエンジンEが配置されている。
エンジンEは、燃焼によってピストン(図示せず)が押し下げられることで回転するクランク軸3を有する。クランク軸3が収容されるクランクケース4の後部にはミッションケース5が一体化され、ミッションケース5の内部には歯車式の変速機6(図2参照)が収容されている。変速機6は、入力軸7(図2参照)及び出力軸8を有する。出力軸8の左端部は、ミッションケース5の外部に突出し、出力軸8の回転動力はチェーン9を介して後輪に伝達される。クランクケース4には、エンジンE及び変速機6にオイルを潤滑させるオイルポンプ(図示せず)が取り付けられている。クランクケース4の下部には、オイルを溜めるオイルパン11が取り付けられている。クランクケース4の前部には、オイルを浄化するオイルフィルタ12が取り付けられている。
エンジンEは、そのシリンダブロック及びシリンダヘッドに冷却流路(図示せず)が形成られている。メインフレーム部2bの前部から垂下するハンガーブラケット2eには、ラジエータ13が支持されている。ラジエータ13は、走行風が通過するように前面を前方に向けて配置されている。クランクケース4の左側部には、冷却水(冷却液)を循環させるウォーターポンプ14(冷却液ポンプ)が取り付けられている。ウォーターポンプ14は、第1ホース15によってラジエータ13から導かれた冷却水を第2ホース16によってエンジンEの冷却流路へと圧送する。エンジンEの冷却流路を流出した昇温した冷却水は、第3ホース17によってラジエータ13に導かれる。このように、エンジンEの冷却流路、ラジエータ13、ウォーターポンプ14及び第1〜第3ホース15〜17によって、エンジンEを冷却する循環流路が形成されている。
図2は、図1に示す内燃機関冷却システム20を含む駆動系統の模式図である。図2に示すように、エンジンEのクランク軸3の右端部には、ギヤ21が設けられている。そのギヤ21には、変速機6の入力軸7に回転自在に外嵌されたクラッチギヤ22が噛合している。入力軸7の端部にはクラッチギヤ22と対向する摩擦式のメインクラッチ23が固定されている。即ち、メインクラッチ23がクラッチギヤ22と接続された状態で、入力軸7がクランク軸3と連動して回転する。入力軸7には、ギヤ19を介してオイルポンプ(図示せず)が接続され、入力軸7の回転に連動してオイルポンプが駆動される。入力軸7には歯車列24を介して出力軸8が変速可能に結合されている。出力軸8の左端部には駆動スプロケット25が設けられ、後輪10の車軸10aには従動スプロケット26が設けられ、駆動スプロケット25と従動スプロケット26との間にチェーン9が巻き掛けられている。
内燃機関冷却システム20は、エンジンEと、ウォーターポンプ14と、動力伝達機構27と、バッテリ28と、水温センサ29と、コントローラ30(ECU)と、を備える。動力伝達機構27は、エンジンEのクランク軸3からウォーターポンプ14に動力を伝達する。動力伝達機構27は、偏心錘33が設けられ且つクランク軸3からの回転動力が一対のギヤ31,32を介して伝達されるバランサ軸34と、バランサ軸34からウォーターポンプ14への動力伝達を接続又は切断する電磁クラッチ35(クラッチ装置)と、電磁クラッチ35に接続されてウォーターポンプ14に回転動力を入力するポンプ軸36と、を備える。即ち、バランサ軸34が、電磁クラッチ35のクランク軸3側に位置する上流側回転体に相当し、ポンプ軸36が、電磁クラッチ35のウォーターポンプ14側に位置する下流側回転体に相当する。
ウォーターポンプ14は、ポンプ軸36に連結されたインペラ14aを有する。ウォーターポンプ14を含む循環流路には、冷却水の温度を検出する水温センサ29が設けられている。コントローラ30は、水温センサ29で検出される水温Tに応じて電磁クラッチ35を制御する。電磁クラッチ35は、ドッグクラッチ37と、ドッグクラッチ37を動作させる電磁アクチュエータ38と、電磁アクチュエータ38への通電又は非通電を切り替えるリレー39と、を有する。ドッグクラッチ37は、バランサ軸34に設けられた第1クラッチ要素41と、ポンプ軸36に設けられた第2クラッチ要素42と、を有する。第1クラッチ要素41は、バランサ軸34及びポンプ軸36の軸線方向Xに開口した複数の孔である複数のドッグ穴41aを有し、バランサ軸34に固定されている。第2クラッチ要素42は、軸線方向Xに突出してドッグ穴41aに係合可能な複数の突起である複数のドッグ42aを有する。
第1クラッチ要素41は、バランサ軸34に固定されている。第2クラッチ要素42は、ポンプ軸36に対して軸線方向Xにスライド可能な状態でポンプ軸36と共回転するようにポンプ軸36に嵌合している。具体的には、ポンプ軸36の外周面には、スプライン溝が形成されている。第2クラッチ要素42は、内周面にスプライン溝が形成された筒部42bと、筒部42bの第1クラッチ要素41側の開口を閉鎖する端板部42cとを有し、筒部42bがポンプ軸36の外周面にスプライン接続されている。ドッグ42aは、端板部42cから突出している。第2クラッチ要素42は、少なくとも筒部42bに磁性体を含んでいる。第2クラッチ要素42とポンプ軸36との間には、筒部42b内においてバネ43が介設されている。バネ43は、軸線方向Xにおいて第2クラッチ要素42が第1クラッチ要素41に近づく側にスライドするように第2クラッチ要素42を付勢する。
電磁アクチュエータ38は、第2クラッチ要素42の筒部42bの径方向外側に配置された電磁コイル44を有する。電磁コイル44には、リレー39を介してバッテリ28が接続されている。リレー39は、自動二輪車1の電源がOFFになるとリレー39の接点が開かれるよう構成されている。電磁コイル44が励磁されると、その磁力が磁性体を含む筒部42bに作用することで、軸線方向Xにおいて第2クラッチ要素42が第1クラッチ要素41から離れる側にスライドするよう駆動され、ドッグ42aが第1クラッチ要素41のドッグ穴41aから離脱する。即ち、電磁アクチュエータ38は、第2クラッチ要素42をプランジャーとして機能させるソレノイドである。電磁コイル44が非通電状態のときは、バネ43の付勢力により、第2クラッチ要素42のドッグ42aが第1クラッチ要素41のドッグ穴41aに係合される。
図3は、図2に示す内燃機関冷却システム20の動作を説明するフローチャートである。図2及び3に示すように、先ず、運転者が自動二輪車1の電源をONにすると、コントローラ30に給電されて、コントローラ30において冷却水温度が利用可能となるように水温センサ29が起動される(ステップS1)。次いで、コントローラ30は、水温センサ29により検出された水温Tが閾値Ta(例えば、50℃)以上であるか否かを判定する(ステップS2)。コントローラ30は、水温Tが閾値Ta以上であると判定すると、リレー39を切断状態にすることでドッグクラッチ37を接続状態にする(ステップS3)。他方、コントローラ30は、水温Tが閾値Ta未満であると判定すると、リレー39を接続状態にすることでドッグクラッチ37を切断状態にする(ステップS4)。ステップS3又はステップS4の後は、ステップS2に戻る。
以上に説明した構成によれば、エンジンEとウォーターポンプ14との間の電磁クラッチ35にドッグクラッチ37が用いられ、摩擦抵抗ではなく噛み合いにより電磁クラッチ35の接続状態が保たれるので、クランク軸3からウォーターポンプ14への動力伝達効率が良くなる。よって、エンジンEの冷態運転時における性能向上(例えば、燃費向上及び触媒早期活性化)を図りながらも、エンジンEの暖気後の通常運転時におけるウォーターポンプ14の駆動効率を高めることができる。また、電磁クラッチ35にドッグクラッチ37を用いることで、電磁クラッチ35の部品点数も低減できる。
また、電磁コイル44が励磁されたときには、第2クラッチ要素42がポンプ軸36に対して軸線方向Xにスライドするので、ポンプ軸36を軸線方向Xに静止させたまま電磁クラッチ35を動作させることができる。よって、簡素な構成でありながら、電磁クラッチ35の動作状態にかかわらず、ウォーターポンプ14のインペラ14aの軸線方向Xの位置を容易に固定できる。また、第2クラッチ要素42の磁性体を含む筒部42bが、ポンプ軸36の外周面にスプライン接続されてポンプ軸36よりも大径になるため、第2クラッチ要素42の強度が向上するとともに、電磁コイル44で発生する磁力を筒部42bに作用させ易くすることができる。
(第2実施形態)
図4は、第2実施形態に係る内燃機関冷却システム120のブロック図である。なお、第1実施形態と共通する構成については同一符号を付して説明を省略する。図4に示すように、第2実施形態の内燃機関冷却システム120では、コントローラ130に、水温センサ29(第1センサ)の他にも、エンジンEの状態(例えば、エンジンの振動)又はエンジンEへの入力(例えば、スロットル開度、吸気圧、吸気温度及び大気圧)を検出する第2センサが接続されている。具体的には、コントローラ130には、ノックセンサ101、スロットル開度センサ102、吸気圧センサ103、吸気温センサ104及び大気圧センサ105が第2センサとして接続されている。
ノックセンサ101は、エンジンEに取り付けられ、エンジンEの所定以上の振動を圧電素子にて検知することで、ノッキングの発生を検出する。スロットル開度センサ102は、エンジンEに接続されたスロットル装置(図示せず)に取り付けられ、スロットル弁の開度を検出する。吸気圧センサ103は、前記スロットル装置に取り付けられ、スロットル弁の下流側を流れる吸気の圧力を検出する。吸気温センサ104は、前記スロットル装置(図示せず)に取り付けられ、スロットル弁の上流側を流れる吸気の温度を検出する。大気圧センサ105は、外気に露出した状態で配置され、大気圧を検出する。コントローラ130は、水温センサ29で検出される冷却液温度に応じて電磁クラッチ35を制御するだけでなく、ノックセンサ101、スロットル開度センサ102、吸気圧センサ103のうち少なくとも1つのセンサ、及び/又は、吸気温センサ104及び大気圧センサ105の一組のセンサで検出される情報に応じても電磁クラッチ35を制御する。
図5は、図4に示す内燃機関冷却システム120の動作を説明するフローチャートである。なお、図5において、ステップS1〜S4は第1実施形態と同様であるため詳細な説明を省略する。図4及び5に示すように、コントローラ130は、ステップS2において、水温Tが閾値Ta未満であると判定すると、ノックセンサ101、スロットル開度センサ102及び吸気圧センサ103のうち少なくとも1つセンサからの情報に基づいて、所定の異常燃焼条件が成立しているか否かを判定する(ステップS11)。例えば、コントローラ130は、ノックセンサ101によりノッキングの発生が検出されたとき、又は、スロットル開度センサ102によりスロットル開度が所定値以上の開度増加率で急に増加したと検出されたとき、又は、吸気圧センサ103により吸気圧が所定値以上であると検出されたときの何れかのときに、ノッキングが発生した又はノッキングは発生し易い異常燃焼条件が成立したと判定する。或いは、コントローラ130は、吸気温センサ104により吸気温が所定温度以上の高温であると検出され、かつ、大気圧センサ105により大気圧が所定圧以上の高大気圧であると検出されたときに、プレイグニッションが発生した又はプレイグニッションが発生し易い異常燃焼条件が成立したと判定する。
コントローラ130は、ステップS11において、異常燃焼条件が成立していないと判定すると、電磁クラッチ35のドッグクラッチを切断状態にする(ステップS4)。他方、コントローラ130は、ステップS11において、異常燃焼条件が成立したと判定すると、電磁クラッチ35のドッグクラッチを接続状態にする(ステップS3)。即ち、コントローラ130は、異常燃焼条件が成立した場合には、水温Tが閾値Ta未満であると判定されても、冷却液温度にかかわらず電磁クラッチ35を接続状態にする。
即ち、ウォーターポンプ14が駆動開始してからエンジンEの温度が実際に下がるまでにはタイムラグが生じるので、エンジンEが異常燃焼状態になって急激に昇温した場合には、エンジンEが一時的に過熱状態になる可能性がある。そこで、水温Tが低くても、エンジンEの動作が高トルク側に遷移するときには、電磁クラッチ35を接続状態にすることで、ウォーターポンプ14を早期に駆動開始させることができ、エンジンEの一時的な過熱を防止できる。よって、冷態運転時にウォーターポンプ14を停止する構成としても、ノッキング及びプレイグニッション等の異常燃焼を好適に抑制できる。また、エンジンEの一時的な過熱を防止できるため、閾値Taを低く設定しておく必要がなくなり、ウォーターポンプ14の非駆動期間を十分に確保できる。なお、他の構成は前述した第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
(第3実施形態)
図6は、第3実施形態に係る内燃機関冷却システムの動作を説明するフローチャートである。なお、図6において、ステップS1〜S4は第1実施形態と同様であるため詳細な説明を省略する。図6に示すように、コントローラは、ステップS3又はS4の後において、ノックセンサ101、スロットル開度センサ102及び吸気圧センサ103のうち少なくとも1つセンサ、及び/又は、吸気温センサ104及び大気圧センサ105の一組のセンサからの情報に基づいて、所定の異常燃焼条件が成立しているか否かを判定する(ステップS21)。このステップS21の判定内容は、第2実施形態のステップS11と同様である。
コントローラは、ステップS21において、異常燃焼条件が成立していないと判定すると、閾値Taを初期値である標準値(例えば、50℃)に設定する(ステップS23)。他方、コントローラは、ステップS21において、異常燃焼条件が成立したと判定すると、閾値Taを標準値よりも下げる(ステップS22)。一例として、ステップS22では、閾値Taが40℃以下25℃以上の値に設定される。即ち、異常燃焼条件が成立した場合には、水温Tが低くても電磁クラッチ35が接続状態になり易くなるように閾値Taが変更される。なお、ステップS22で変更される閾値Taは、例えば、センサ値と閾値Taとの関係を予め定められたテーブルを参照して決定される。
これにより、エンジンEが異常燃焼状態になって急激に昇温した場合には、ウォーターポンプ14を早期に駆動開始させることができ、エンジンEの一時的な過熱を防止できる。よって、冷態運転時にウォーターポンプ14を停止する構成としても、ノッキング等を好適に抑制できる。また、エンジンEの一時的な過熱を防止できるため、異常燃焼条件が成立していない状態では閾値Taを低くしておく必要がなくなり、ウォーターポンプ14の非駆動期間を十分に確保できる。なお、他の構成は前述した第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
(第4実施形態)
図7は、第4実施形態に係る内燃機関冷却システムの動作を説明するフローチャートである。なお、図7において、ステップS1〜S4は第1実施形態と同様であるため詳細な説明を省略する。図7に示すように、運転者が自動二輪車の電源をONにすると、水温センサ29が起動されるのに並行して(ステップS1)、電磁クラッチ35のドッグクラッチが切断状態にされる(ステップS31)。即ち、自動二輪車の電源がONされると、冷却水温度にかかわらず即座に電磁クラッチ35のドッグクラッチが切断状態にされる。その後、ステップS2に進む。
これにより、運転者が自動二輪車の電源のON操作に続いて直ぐにエンジンEを始動操作したときにも、エンジン始動中に電磁クラッチ35が動作することが防がれる。よって、運転者の電源ON後のエンジン始動時期によらず、エンジン始動時のエンジン回転数の変動を抑制でき、運転者に与えるエンジン始動のフィーリングを常に良好に保つことができる。なお、他の構成は前述した第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
(第5実施形態)
図8は、第5実施形態に係る内燃機関冷却システムの要部の模式図である。図8に示すように、第5実施形態の内燃機関冷却システムの電磁クラッチ135では、ドッグクラッチ137の構成が第1実施形態と異なる。ドッグクラッチ137の第1クラッチ要素41は、第1実施形態と同じである。ウォーターポンプ14のインペラ14aに接続されたポンプ軸136は、その軸線方向Xにドッグクラッチ137に向けて開口した凹部136aを有する。凹部136aの内周面にはスプライン溝が形成されている。
ドッグクラッチ137の第2クラッチ要素142は、外周面にスプライン溝が形成された軸部142bと、軸部142bにフランジ状に固定された端板部142cとを有し、軸部142bが凹部136aの内周面にスプライン接続されている。第2クラッチ要素142は、端板部142cから軸線方向に突出した複数のドッグ142aを有する。第2クラッチ要素142は、少なくとも軸部142bに磁性体を含んでいる。第2クラッチ要素142とポンプ軸136との間には、バネ43が介設されている。バネ43は、軸線方向Xにおいて第2クラッチ要素142が第1クラッチ要素41に近づく側にスライドするように第2クラッチ要素142を付勢する。
電磁アクチュエータ38の電磁コイル44は、第2クラッチ要素142の軸部142bの径方向外側に配置されている。電磁コイル44が励磁されると、その磁力が磁性体を含む軸部142bに作用することで、軸線方向Xにおいて第2クラッチ要素142が第1クラッチ要素41から離れる側にスライドするように駆動され、ドッグ142aがドッグ穴41aから離脱する。電磁コイル44が非通電状態のときは、バネ43の付勢力により、第2クラッチ要素142のドッグ142aが第1クラッチ要素41のドッグ穴41aに係合する。なお、他の構成は前述した第1実施形態と同様であるため説明を省略する。
なお、本発明は前述した各実施形態に限定されるものではなく、その構成を変更、追加、又は削除することができる。例えば、前記した実施形態では、ドッグ穴41aをバランサ軸34側の第1クラッチ要素41に設け、ドッグ42a,142aをポンプ軸36,136側の第2クラッチ要素42,142に設けたが、その逆でもよい。即ち、ドッグ穴をバランサ軸側の第1クラッチ要素に設け、ドッグをポンプ軸側の第2クラッチ要素に設けてもよい。また、前記した実施形態では、第1クラッチ要素41をバランサ軸34に固定し、第2クラッチ要素42,142をポンプ軸36,136にスプライン接続したが、その逆でもよい。即ち、第1クラッチ要素をバランサ軸にスプライン接続し、第2クラッチ要素をポンプ軸に固定してもよい。
また、冷却液には水を用いたが、水以外の液体を用いてもよい。ドッグクラッチは電磁アクチュエータを用いて駆動したが、他の種類のアクチュエータ(例えば、油圧アクチュエータ)を用いて駆動してもよい。また、内燃機関冷却システムが適用されるものとして自動二輪車を例示したが、他の乗物(例えば、PWC)や装置でもよい。また、前記した各実施形態は互いに任意に組み合わせてもよく、例えば1つの実施形態中の一部の構成又は方法を他の実施形態に適用してもよく、実施形態中の一部の構成は、その実施形態中の他の構成から分離して任意に抽出可能である。
3 クランク軸
14 ウォーターポンプ
20,120 内燃機関冷却システム
27 動力伝達機構
29 水温センサ(第1センサ)
30,130 コントローラ
34 バランサ軸(上流側回転体)
35,135 電磁クラッチ(クラッチ装置)
36,136 ポンプ軸(下流側回転体)
37,137 ドッグクラッチ
38 電磁アクチュエータ
41 第1クラッチ要素
41a ドッグ穴
42,142 第2クラッチ要素
42a,142a ドッグ
42b 筒部
101 ノックセンサ(第2センサ)
102 スロットル開度センサ(第2センサ)
103 吸気圧センサ(第2センサ)
E エンジン(内燃機関)

Claims (4)

  1. 内燃機関と、
    前記内燃機関を冷却する冷却液を循環させる冷却液ポンプと、
    前記内燃機関のクランク軸から前記冷却液ポンプに動力を伝達する動力伝達機構と、を備え、
    前記動力伝達機構は、前記クランク軸から前記冷却液ポンプへの動力伝達を接続又は切断するクラッチ装置と、前記クラッチ装置の前記クランク軸側に位置する上流側回転体と、前記クラッチ装置の前記冷却液ポンプ側に位置する下流側回転体と、を有し、
    前記クラッチ装置は、ドッグクラッチと、前記ドッグクラッチを動作させるアクチュエータと、を有する、内燃機関冷却システム。
  2. 前記ドッグクラッチは、前記上流側回転体又は前記下流側回転体のいずれか一方からなる第1回転体に設けられた第1クラッチ要素と、前記上流側回転体又は前記下流側回転体のいずれか他方からなる第2回転体に設けられた第2クラッチ要素と、を有し、
    前記第1クラッチ要素又は前記第2クラッチ要素のいずれか一方は、前記第1回転体及び前記第2回転体の軸線方向に突出するドッグを含み、
    前記第1クラッチ要素又は前記第2クラッチ要素のいずれか他方は、前記ドッグが係合するドッグ穴を含み、
    前記第2クラッチ要素は、前記第2回転体に対して前記軸線方向にスライド可能な状態で前記第2回転体と共回転するように前記第2回転体に嵌合しており、
    前記アクチュエータは、前記第2クラッチ要素を前記第2回転体に対して前記軸線方向にスライドさせる、請求項1に記載の内燃機関冷却システム。
  3. 前記第2クラッチ要素は、前記第2回転体の外周面にスプライン接続された筒部を含み、
    前記アクチュエータは、前記筒部の径方向外側に配置された電磁コイルを有し、
    前記筒部は、前記電磁コイルで発生する磁力が作用する磁性体を含む、請求項2に記載の内燃機関冷却システム。
  4. 前記冷却液の温度を検出する第1センサと、
    前記第1センサとは異なり、かつ、前記内燃機関の状態又は前記内燃機関への入力を検出する第2センサと、
    前記第1センサで検出される冷却液温度と前記第2センサで検出される情報とに応じて前記クラッチ装置を制御するコントローラと、を更に備え、
    前記コントローラは、前記冷却液温度が閾値以上であると判定されると、前記クラッチ装置を接続状態にし、前記冷却液温度が閾値未満であると判定されると、前記クラッチ装置を切断状態にし、かつ、
    前記コントローラは、前記内燃機関の状態又は前記内燃機関への入力が所定の異常燃焼条件を満たすと判定されると、前記クラッチ装置を接続状態にする又は前記閾値を下げる、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の内燃機関冷却システム。
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