JP2017116342A - 放射能検出システム、及び放射能検出方法 - Google Patents

放射能検出システム、及び放射能検出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】検出した放射線が、放射能検出に影響を及ぼす高計数率状態にあることを検出する。【解決手段】放射能検出システム1において、放射線の検出によりピーク値をとった後に徐々に減衰する信号が、放射線の検出により累積的に積算された結果の積算信号が形成される。放射能検出システム1は、積算信号の信号レベルが予め定められた閾値レベルより高い状態が予め定められた所定時間継続したことを検出する信号検出部65と、信号検出部65による検出の結果を出力する検出結果出力部68と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、放射能検出システム、及び放射能検出方法に関する。
放射能検出システムは、試料から放射される放射線の放射能を、放射線検出装置が備える検出器により検出する。高計数率時の測定に、検出器にGM計数管を用いると、線量の正確な検出ができなくなる現象(窒息現象)が生じることが知られている。検出器に半導体放射線検出素子を用いると、検出器に起因する窒息現象は発生しない。
検出器に半導体放射線検出素子を用いた放射線検出装置では、増幅器が原因で測定不可能な状態が生じることが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に、上記の半導体放射線検出素子にかかる電圧の変化を検出する手段とは異なる他の検出手段により半導体放射線検出素子に流れる電流を検出し、放射線の検出状況を推定する方法が開示されている。
特開昭63−236988号公報
上記の特許文献によれば、上記の増幅器が出力する出力信号が、放射能検出に影響を及ぼすような状態にあることが検出できない場合がある。
本発明は、上記問題を解決すべくなされたもので、その目的は、検出した放射線が、放射能検出に影響を及ぼす高計数率状態にあることを検出する放射能検出システム、及び放射能検出方法を提供することにある。
上記問題を解決するために、本発明の一態様は、放射線の検出によりピーク値をとり、その後徐々に減衰する信号レベルを示す信号が、放射線の検出により累積的に積算された結果の積算信号が形成され、前記積算信号の信号レベルが予め定められた閾値レベルより高い状態が予め定められた所定時間継続したことを検出する信号検出部と、前記信号検出部による検出の結果を出力する検出結果出力部と、を備えることを特徴とする放射能検出システムである。
また、本発明の一態様は、上記の放射能検出システムにおいて、前記信号検出部は、更に、前記検出の結果により、前記検出された放射線が、前記閾値レベルに対応する計数率より高い高計数率な状態にあることを検出することを特徴とする。
また、本発明の一態様は、上記の放射能検出システムにおいて、前記放射線を検出する検出素子を含み、前記検出素子にかかる電圧を出力する検出器と、前記検出器の電圧を徐々に減衰させて積算して、前記積算信号を形成する増幅器と、前記積算信号から直流成分を除いた信号に変換し、変換後の信号から前記積算信号に含まれた波形の波高値を検出する波高値検出処理を実行する信号処理部と、を備え、前記信号検出部は、前記積算信号の信号レベルに基づいて、前記検出器によって検出された放射線が前記高計数率な状態にあることを検出し、前記検出結果出力部は、前記信号検出部による検出の結果を前記信号処理部による波高値検出処理の結果より優先して出力することを特徴とする。
また、本発明の一態様は、上記の放射能検出システムにおいて、前記信号検出部は、前記波高値検出処理の結果を得るまでの時間より短い時間で、前記積算信号の信号レベルに基づいて、前記検出器によって検出された放射線が前記高計数率な状態にあることを検出することを特徴とする。
また、本発明の一態様は、放射線の検出によりピーク値をとり、その後徐々に減衰する信号レベルを示す信号が、放射線の検出により累積的に積算されて、前記積算により積算信号が形成され、前記積算信号の信号レベルが予め定められた閾値レベルより高い状態が、予め定められた所定時間継続したことを検出し、前記検出の結果を出力する、過程を含むことを特徴とする放射能検出方法である。
本発明によれば、検出した放射線が、放射能検出に影響を及ぼす高計数率状態にあることを検出することができる。
第1の実施形態に係る放射能検出システムを示すブロック図である。 本実施形態に係る放射線検出装置3が出力する信号の一例を示す図である。 本実施形態に係る出力パルス及び台形状のパルスの関係を示す説明図である。 本実施形態に係る高計数率状態の判定についての説明図である。 本実施形態に係る閾値レベルTHLを、図4Aとは異なる値にした場合の高計数率状態の判定についての説明図である。 本実施形態に係る放射能検出システム1の処理の一例を示すフローチャートである。 本実施形態に係る放射能検出システム1の処理の一例を示すフローチャートである。 本実施形態に係る多重波高分析装置4の表示部42に表示する画面の一例を示す説明図である。 本実施形態に係る多重波高分析装置4の表示部42に表示する画面の一例を示す説明図である。
以下、実施形態に係る放射能検出システムについて図面に基づき説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態に係る放射能検出システムを示すブロック図である。放射能検出システム1は、試料2が放射する放射線を検出する放射線検出装置3(検出装置)と、多重波高分析装置4(信号処理部)と、解析装置5と、高計数率検出装置6とを備える。高計数率検出装置6は、放射能検出システムの一例である。
放射線検出装置3は、遮蔽体31と、検出器32と、冷却部33と、プリアンプ34(増幅器)とを備える。遮蔽体31は、放射線を遮蔽(減衰)する扉と遮蔽壁とにより構成される。遮蔽体31は、扉と遮蔽壁に囲まれた内部に試料2を収容可能である。遮蔽体31には、遮蔽壁の一部に検出器32を配置するための開口部が設けられている。
検出器32は、例えば、高純度ゲルマニウム等の半導体放射線検出素子を含む。半導体放射線検出素子は、試料2から放射される放射線を検出するように設けられる。半導体放射線検出素子は、測定時に冷却部33によって冷却され、高電圧が印加される。半導体放射線検出素子では、入射した放射線のエネルギーに応じた電荷が発生し、発生した電荷に応じたパルス電流が流れる。プリアンプ34は、放射線検出素子に流れたパルス電流に対応するパルス信号を増幅し、パルス信号のパルス幅を拡大したパルス状の出力パルス(出力信号)を出力する。例えば、プリアンプ34は、積分回路と、積分回路を構成する容量に並列に設けられた抵抗とを備え、積分回路によってパルス電流のパルス幅が拡大されたパルス状の信号(出力パルス)を生成する。パルス状の信号は、検出器32による放射線の検出によりピーク値をとり、その後徐々に減衰する信号レベルを示す。プリアンプ34は、積分回路を備えていることにより、放射線の検出により、パルス状の信号が累積的に積算されて、その結果の積算信号を形成する。放射線検出装置3は、プリアンプ34が生成した出力パルスを含む積算信号を出力する。
図2は、放射線検出装置3が出力する信号の一例を示す図である。図2の横軸が時間を示し、縦軸が信号レベルを示している。図2に示す信号には、例えば、半導体放射線検出素子に放射線が入射する度に出力されるk番目の出力パルスP(k)と(k+1)番目の出力パルスP(k+1)が含まれている。以下、各出力パルスを総じて示す場合、出力パルスPという。
放射線検出装置3は、放射線を検出する都度、出力パルスPを出力する。図示する出力パルスPの起点が、放射線検出装置3が放射線を検出したタイミングに一致する。出力パルスPのピーク値は、試料2が放つ放射線のエネルギーに対応する。図示する出力パルスPの波形は、プリアンプ34の積分回路の容量の値と、それに並列に設けられた抵抗のインピーダンスとにより決定される時定数から定まる一次応答波形になる。なお、出力パルスPが出力されていない場合の信号レベルは、半導体放射線検出素子の温度に依存する基底レベルになる。この放射線検出装置3が出力する信号は、プリアンプ34が生成した出力パルスPが累積的に積算された結果の信号(積算信号)である。
多重波高分析装置4は、入力部41と、表示部42と、記憶部43と、変換部44と、波高値算出部45と、分析処理部46と、通信処理部47とを備える。多重波高分析装置4は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサを含む。波高値算出部45と、分析処理部46と、通信処理部47との一部または全部は、CPUによってプログラムを実行して実現してもよく、或いはハードウエアで実現してもよい。
入力部41は、各種設定及び制御のための指示を受け付けて、例えば、記憶部43に書き込む。表示部42は、各種操作を実施させるための表示、及び、入力される信号、多重波高分析処理の結果などを表示する。記憶部43は、例えば、ROM(Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)等の不揮発性の記憶装置と、RAM(Random Access Memory)、レジスタ等の揮発性の記憶装置によって実現される。記憶部43は、多重波高値分析処理をCPUなどに実行させるためのプログラムや、通信制御プログラム等のプログラムと、上記のプログラムが参照する各種情報を格納する。例えば、記憶部43は、変換部44によって変換された時系列データが格納される記憶領域を含む。
変換部44は、ACアンプ441とA/D部442とを備える。ACアンプ441は、放射線検出装置3から出力された出力パルスPから、その直流成分を除去した信号を生成する。A/D部442は、出力パルスPから直流成分が除去された信号をアナログディジタル(A/D)変換する。
波高値算出部45は、フィルタ部451と波高値検出部452とを備える。フィルタ部451は、A/D変換された波形データから台形状のパルスを生成する。例えば、フィルタ部451は、A/D変換された波形データが示すピーク値を、台形状のパルスの高さに対応させる。波高値検出部452は、フィルタ部451によって生成された台形状のパルスから、パルスの高さを、出力パルスPの波高値に応じた値に対応させる。
波高値検出部452は、台形状のパルスのパルス幅の範囲が終わるまで、当該出力パルスPの波高値検出の処理を実施する。波高値検出部452は、台形状のパルスのパルス幅の範囲を終えると、出力パルスPの波高値に応じた値と、当該出力パルスPの処理に要した時間を、当該出力パルスPを識別する情報に対応付けて、記憶部43に記憶させる。波高値算出部45は、上記のフィルタ部451と波高値検出部452により、出力パルスPから直流成分を除いた信号から、出力パルスPの瞬時変化量を波高値として検出する波高値検出処理を、出力パルスPごとに実施する。
分析処理部46は、波高値算出部45により算出された波高別に、台形状のパルスの波高が入力された回数をカウントする。分析処理部46は、台形状のパルスの波高と分析処理部46がカウントしたカウント数との関係を示すデータから、台形状のパルスの波高に対応する放射線のエネルギーとカウント数とを対応づけた放射線のスペクトルを生成し、表示部42または解析装置5等に出力する。
解析装置5は、パーソナルコンピュータ等のコンピュータで構成されている。解析装置5は、多重波高分析装置4が出力したデータを所得して、生成された放射線のスペクトルに基づいて、放射性核種の分析を行い、試料2に含まれる放射性核種の定性・定量分析を行う等の処理を行う。
図3は、出力パルス及び台形状のパルスの関係を示す説明図である。図中の横軸は時間を示し、縦軸は出力パルスP及び台形状のパルスTPの信号値を示している。図3(a)は、放射線の検出により順次出力されたk番目の出力パルスP(k)とk+1番目の出力パルスP(k+1)とを示している。図3(b)は、図3(a)に示す出力パルスPをフィルタ部451で変換した台形状のパルスTP(k)とTP(k+1)とを示す。上記のように変換された台形状のパルスの波高は放射線のエネルギーに対応する。また、台形状のパルスTP(k)の時間幅TPW(k)は、フィルタ部451が実行するフィルタ処理の特性によって予め定められている。T(k)は、台形状のパルスTP(k)の起点とTP(k+1)の起点の間隔を示す。計数率が高まり間隔T(k)が短くなると、隣接する台形状のパルス同士が繋がる場合がある。例えば、台形状のパルスTP(k)の時間幅TPW(k)の中に、台形状のパルスTP(k+1)の起点が含まれるような状態では、放射能の検出精度が低下することがある。なお、本実施形態では、デジタル信号処理により、出力パルスPを台形状のパルスTPに変換する場合を例示するが、アナログ信号処理による場合には、これに代えて、出力パルスPをガウス曲線に変換する。
図1にもどり、高計数率検出装置6について説明する。高計数率検出装置6は、入出力部61と、記憶部63と、変換部64と、信号検出部65と、検出結果出力部68とを備える。高計数率検出装置6は、例えば、CPU等のプロセッサを含む。変換部64と、信号検出部65と、検出結果出力部68との一部または全部は、CPUによってプログラムを実行して実現してもよく、或いはハードウエアで実現してもよい。変換部64と、信号検出部65と、検出結果出力部68は、アナログコンパレータとディレー回路の組み合わせで合ってもよい。
入出力部61は、各種設定及び制御のための指示を受け付けて、例えば、記憶部63に書き込む。入出力部61は、各種操作を実施させるための表示、及び、入力される信号、多重波高分析処理の状態などを表示する。記憶部63は、例えば、ROM、EEPROM、HDD等の不揮発性の記憶装置と、RAM、レジスタ等の揮発性の記憶装置によって実現される。記憶部63は、高計数率検出処理を実行するためのプログラム等のプログラムと、上記のプログラムが参照する各種情報を格納する。
変換部64は、DCアンプ641とA/D部642とを備える。DCアンプ641は、放射線検出装置3から出力された出力パルスPを線形に増幅した信号を生成する。例えば、放射線検出装置3から高計数率検出装置6までの配線は、放射線検出装置3から高計数率検出装置6までの配線の途中から分岐される。このように分岐することにより、高計数率検出装置6は、放射線検出装置3と同じ出力パルスPを、DCアンプ641の入力信号とする。A/D部642は、出力パルスPを線形に増幅した信号をA/D変換する。
信号検出部65は、変換部64によってA/D変換された波形データのフィルタ処理と、フィルタ処理後の信号レベルの判定処理とを実施する。例えば、信号検出部65は、変換部64によってA/D変換された波形データから所定の周波数以下の信号を抽出するフィルタ処理を実施して、記憶部63に格納されている閾値レベルに基づいて、フィルタ処理後の信号レベルを判定する。
検出結果出力部68は、信号検出部65により判定された結果を出力する。例えば、検出結果出力部68は、ブザー、スピーカー、圧電素子などの図示しない振動体を含み、信号検出部65が高計数率状態を検出したことを示す音響または振動を、その振動体から出力する。或いは、検出結果出力部68は、LED、LCDなどの図示しない表示部を含み、信号検出部65が高計数率状態を検出したことを示す表示を、上記の表示部に表示する。
(高計数率状態の判定)
図4Aは、高計数率状態の判定についての説明図である。図中の横軸は時間を示し、縦軸は各信号の信号値を示している。
図4A(a)は、高計数率状態において検出器32が出力する信号の一例を示す。例えば、同図は、#1から#9までの放射線が順次検出され、その検出時刻と検出したエネルギーの関係を示す。放射線が検出される間隔と検出値は、試料2が放つ線量に依存する。高計数率の場合には、順次検出される放射線の間隔は狭くなる。参考に、前述の図2と同じ時間スケールで、放射線検出装置3が出力する出力パルスPの波形を、検出時刻に対応付けて二点鎖線で表示する。出力パルスPが重なる場合には、放射線検出装置3が出力する信号は、孤立した出力パルスPの形と異なるものになる。
図4A(b)は、高計数率状態に放射線検出装置3が出力する信号(出力パルス)を示し、図4A(c)に、高計数率な状態が継続していることを検出した検出結果を示す。
図4A(b)に示す初期段階では、放射線検出装置3は、放射線の検出が無い場合には0ボルト又はベースラインを出力する。
時刻t1において、放射線検出装置3は、信号レベルが基底レベルになっている段階で#1の放射線が検出されると、その放射線に対応する出力パルスP(1)を出力する。出力パルスP(1)の信号レベル(出力信号レベル)は、放射線の検出によりピーク値を示し、その後に一次応答波形に従って、その信号レベルが徐々に減衰する。例えば、出力パルスP(1)の時刻t1の時点の波高値は、数10mVから数100mV程度の場合が多くみられる。
放射線検出装置3は、出力パルスPの信号レベル(以下、出力信号レベルという。)が基底レベルに戻るまでの間に、時刻t2において、次の#2の放射線を検出する。出力信号レベルが基底レベルに戻っていないことにより、放射線検出装置3は、出力パルスP(2)の波高値分を、出力パルスP(1)の信号レベルに積算して出力し、さらに出力信号レベルが上昇する。この段階で、出力パルスP(1)の波形は、累積的に積算されたことにより、当初の出力パルスP(1)の波形と異なる波形、すなわち出力パルスP(1)と出力パルスP(2)を累積的に積算した結果の波形になる。
#2以降、例えば、時刻t3から時刻t9のそれぞれにおいて、#3から#9の放射線を検出した場合も上記の#2の放射線を検出した場合と同様に、出力パルスP(3)からP(9)が出力され、各出力パルスP(N)の波高値分を、出力中の出力パルスP(N−1)の信号レベルに積算して、出力信号レベルがさらに上昇することが繰り返される。上記の場合、Nは、3以上の自然数である。
ただし、図4A(a)に示すような高計数率状態にある場合には、出力パルスPの信号レベルは、時間の経過とともに上昇してゆき、出力パルスPを出力可能な信号レベルの上限値ULに達する。それ以降、試料2から放射される放射線が大きく減少することが無ければ、放射線検出装置3は、上限値UL(固定値)を出力し続ける。例えば、上限値ULは、数Vから10V程度の固定値である。このような状況になると、放射線検出装置3が出力する信号には、前述の出力パルスPが観測されなくなり、直流成分のみの信号になる。なお、後段の多重波高分析装置4は、このように飽和した信号から出力パルスPを検出することができなくなる。図4A(b)に示す場合では、多重波高分析装置4は、出力パルスP(6)以降の波形が検出できない。
そこで、高計数率検出装置6は、下記の方法で、高計数率状態を検出する。例えば、高計数率検出装置6は、上限値ULを基準に決定された閾値レベルTHLを示す情報を記憶部63に格納する。例えば、閾値レベルTHLとして、上限値UL近傍で、上限値ULより小さな値が設定される。上限値ULを10Vとした場合であれば、その範囲の90%を目安として9Vにする。このような値に、閾値レベルTHLを予め定めておくことにより、信号検出部65は、出力信号レベルの値から、閾値レベルTHLに対応する計数率より高い高計数率状態にあることを検出する。
なお、時刻t2の段階で、高計数率検出装置6は、高計数率状態にあることを検出して、同状態の検出を示す出力を行うようにしてもよい。図4Bは、閾値レベルTHLを、図4Aとは異なる値にした場合の高計数率状態の判定についての説明図である。図4Bの各図は、図4Aの各図に対応する。高計数率検出装置6は、閾値レベルTHLを、上限値ULに対して所定の範囲で調整可能にして、例えば、上記の所定の範囲を10%から90%の間の任意の値に決定する。図4B(b)に、閾値レベルTHLを、調整範囲の下限値近傍にした場合を例示する。高計数率状態には、図4B(a)に示すように、検出されたエネルギーの平均が比較的低くても、検出頻度が高い場合が含まれる。図4Bに示すような高計数率状態になると、多重波高分析装置4における検出結果に、ピークの歪やピークシフトが発生する場合が生じ得る。このような高計数率状態を検出するためには、上記のとおり、閾値レベルTHLを、上限値ULよりも十分に低い値にすることにより、早期の段階で高計数率状態の発生を検出することができる。上記のように閾値レベルTHLを、上限値ULよりも十分に低い値にすることにより、ピークの歪やピークシフトが発生するような状態を速やかに検出することが可能になる。
或いは、例えば、信号検出部65は、上記の高計数率を示す状態が、所定時間TWほど継続することを検出するようにしてもよい。信号検出部65は、高計数率を示す状態の継続を検出するための所定時間TWとして、出力パルスP(1)のパルス幅より長い時間を対応付ける。例えば、信号検出部65は、所定時間TWを、予め決定される任意の値にする。
図4Aに示す場合には、信号検出部65は、閾値レベルTHLを基準にして、高計数率な状態にあることを時刻t6に再び検出し、その状態が所定時間TW継続したことを時刻t10に検出する。信号検出部65は、このような所定時間TWを設定することで、検出すべき高計数率な状態が継続していることを検出し、図4A(c)に示すように、時刻t10以降に注意喚起を示す信号を出力する。図4Bに示す場合には、信号検出部65は、閾値レベルTHLを基準にして、高計数率な状態にあることを時刻t2に検出し、図4B(c)に示すように、その状態が所定時間TW継続したことを時刻t10に検出する。
所定量を超える頻度のパルス信号が検出器32から出力されたことにより、高計数率検出装置6は、プリアンプ34が出力する出力信号レベルが、閾値レベルTHLに対する計数率より高い高計数率状態側に超えていることを検出する。これにより、信号検出部65は、上記の検出の結果である放射線検出装置3から供給された出力信号レベルから、放射線検出装置3(検出器32)によって検出された放射線が高計数率な状態にあることを検出する。
上記実施形態の放射能検出システム1によれば、放射線の検出によりピーク値をとった後に徐々に減衰する信号が、放射線の検出により累積的に積算された結果の積算信号が形成され、前記積算信号の信号レベルが予め定められた閾値レベルより高い状態が予め定められた所定時間継続したことを検出する信号検出部65と、信号検出部65による検出の結果を出力する検出結果出力部68と、を備えることにより、検出した放射線が、放射能検出に影響を及ぼす高計数率状態にあることを検出できる。
上記の検出の結果により、信号検出部65は、検出された放射線が、閾値レベルTHLに対応する計数率より高い状態(高計数率な状態)にあることを検出する。
(第1の実施形態の変形例)
第1の実施形態の変形例の信号検出部65は、閾値レベルTHLの決定の仕方が第1の実施形態と異なる。以下、この点について説明する。
閾値レベルTHLは、検出器32から出力された単位時間当たりのパルス信号Pの個数より、単位時間当たりの個数が所定数少ない出力パルスPが放射線検出装置3から出力されるような状態、または、放射線検出装置3から固定値の信号が出力されるような状態を検出できるように決定される。信号検出部65は、このように決定された閾値レベルTHLを基準にして、放射線検出装置3から供給されている信号を検出することにより、出力信号レベルの値から、閾値レベルTHLに対応する計数率より高い高計数率状態にあることを検出するようにしてもよい。
上記のとおり第1の実施形態の変形例によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることに加えて、多重波高分析装置4の検出範囲に対応する高計数率状態を検出することができる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態の放射能検出システム1は、多重波高分析装置4において、高計数率検出装置6の検出結果を表示する。以下、この点について説明する。
本実施形態の検出結果出力部68は、信号検出部65が高計数率状態を検出したことを、多重波高分析装置4に通知して、多重波高分析装置4の信号処理部45による波高値検出処理の結果より優先して出力させる。多重波高分析装置4の分析処理部46は、その通知を取得した場合、信号処理部45による波高値検出処理の結果より優先して、高計数率状態を示す表示を表示部42に表示する。
図5と図6は、本実施形態に係る放射能検出システム1の処理の一例を示すフローチャートである。
図1に示すように、放射線検出装置3の検出器32が検出素子にかかる電圧を出力し、プリアンプ34が、検出素子の端子電圧として検出した電圧を増幅して生成した出力パルスPについて、放射線の検出により累積的に積算して出力信号(積算信号)を形成する。多重波高分析装置4の変換部44は、放射線検出装置3から出力された出力信号から、直流成分を除いた信号に変換し、変換後の信号から台形状のパルスに変換して(S41)、台形状のパルスの波高値を算出する(S42)。変換部44は、予め定めた所定の期間が終了したか否かを判定し(S43)、所定の期間が終了するまでS41からの出力パルスPの取得の処理を継続する。一方、予め定めた所定の期間が終了した場合、分析処理部46は分析処理を実施し、その分析結果を表示して(S44)、図5に示す手順の処理を終える。
なお、多重波高分析装置4は、上記の処理の途中で、高計数率検出装置6から通知を受けた場合、割り込み処理を実施する。例えば、多重波高分析装置4は、高計数率検出装置6から通知を受けた場合には、その通知の内容に応じた表示を表示部42に表示する。
これと並行して、図6に示すように、高計数率検出装置6は、放射線検出装置3の検出器32が検出状態にある場合、放射線の計数率を検出する以下の処理を実施する。信号検出部65は、放射線検出装置3の出力信号レベル(積算信号の信号レベル)を検出する(S61)。信号検出部65は、放射線が高計数率な状態にあるか否かを判定する(S62)。放射線が高計数率な状態にあることを検出した場合、検出結果出力部68は、放射線検出装置3による波高値検出処理の結果の出力より優先して、信号検出部65による検出の結果を出力する(S63)。これにより、高計数率検出装置6は、ユーザに注意を喚起させて、図示する手順の処理を終える。一方、放射線が高計数率な状態にあることを検出しなかった場合、高計数率検出装置6は、図6に示す手順の処理を終える。
なお、上記の処理において、放射線検出装置3による波高値検出処理の結果の出力より優先して、信号検出部65による検出の結果を出力させる場合、例えば、放射線検出装置3は、高計数率検出装置6からの通知を受け付けて、他の処理の実行中に、注意喚起を表示部42に表示する。
図7と図8は、本実施形態に係る多重波高分析装置4の表示部42に表示する画面の一例を示す説明図である。
画面100は、領域101から領域105に分割され、それぞれの領域に各種情報が表示される。例えば、領域101には、表示状態を切り換えるための操作ボタンなどの各種情報が表示される。領域102には、横軸をエネルギー、縦軸を度数にして、検出結果の一部の範囲の度数分布が表示される。領域103には、横軸をエネルギー、縦軸を度数にして、検出結果の全範囲の度数分布が表示される。領域104には、検出状況が数値で表示される。領域105には、システムの状態が表示される。
図7に示すように、放射線検出装置3は、領域101の各種表示に対応する操作を受け付けて、放射線検出処理を実行して、放射線が検出されると遂次その検出に同期して検出結果を示す表示が更新される。
図8に、画面100の中央部に新たな表示領域106が設けられた画面を示す。放射線検出装置3は、高計数率検出装置6からの高計数率な状態を検出したことを示す通知を受け付ける。その結果、放射線検出装置3は、表示を切り替えて、ユーザに注意を喚起する表示を実施する。
上記実施形態の放射能検出システム1によれば、第1の実施形態における効果を奏することに加え、下記の効果を奏する。信号検出部65は、変換部44による波高値検出処理の結果を得るまでの時間より短い時間で、放射線検出装置3の出力信号レベルから、放射線検出装置3によって検出された放射線が高計数率な状態にあることを検出することにより、波高値検出処理の結果が算出されるまでの時間に、放射線検出装置3が検出した放射線が高計数率を示す状況にあることを検出することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の放射能検出システム1は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
1 放射能検出システム、2 試料、3 放射線検出装置(検出装置)、4 多重波高分析装置(信号処理部)、5 解析装置、6 高計数率検出装置、32 検出器、34 プリアンプ(増幅器)、64 変換部、65 信号検出部、68 検出結果出力部

Claims (5)

  1. 放射線の検出によりピーク値をとった後に徐々に減衰する信号が、放射線の検出により累積的に積算された結果の積算信号が形成され、
    前記積算信号の信号レベルが予め定められた閾値レベルより高い状態が予め定められた所定時間継続したことを検出する信号検出部と、
    前記信号検出部による検出の結果を出力する検出結果出力部と、
    を備えることを特徴とする放射能検出システム。
  2. 前記信号検出部は、更に、
    前記検出の結果により、前記検出された放射線が、前記閾値レベルに対応する計数率より高い高計数率な状態にあることを検出する
    ことを特徴とする請求項1に記載の放射能検出システム。
  3. 前記放射線を検出する検出素子を含み、前記検出素子にかかる電圧を出力する検出器と、
    前記検出器の電圧を徐々に減衰させて積算して、前記積算信号を形成する増幅器と、
    前記積算信号から直流成分を除いた信号に変換し、変換後の信号から前記積算信号に含まれた波形の波高値を検出する波高値検出処理を実行する信号処理部と、
    を備え、
    前記信号検出部は、
    前記積算信号の信号レベルに基づいて、前記検出器によって検出された放射線が前記高計数率な状態にあることを検出し、
    前記検出結果出力部は、
    前記信号検出部による検出の結果を前記信号処理部による波高値検出処理の結果より優先して出力する
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の放射能検出システム。
  4. 前記信号検出部は、
    前記波高値検出処理の結果を得るまでの時間より短い時間で、前記積算信号の信号レベルに基づいて、前記検出器によって検出された放射線が前記高計数率な状態にあることを検出する
    ことを特徴とする請求項3に記載の放射能検出システム。
  5. 放射線の検出によりピーク値をとった後に徐々に減衰する信号が、放射線の検出により累積的に積算された結果の積算信号が形成され、
    前記積算信号の信号レベルが予め定められた閾値レベルより高い状態が、予め定められた所定時間継続したことを検出し、
    前記検出の結果を出力する、
    過程を含むことを特徴とする放射能検出方法。
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