JP2017114578A - ジブクレーンの合吊りシステム - Google Patents

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Masayoshi Tanaka
正吉 田中
孝夫 藤井
Takao Fujii
孝夫 藤井
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【課題】合吊り時、各吊下点の地上高さを容易に精度良く把握し、吊荷の水平度を保ち得るジブクレーンの合吊りシステムを提供する。【解決手段】吊荷1をジブクレーン100,200により複数の吊下点(吊荷用フック)112,212で吊り下げて運搬するジブクレーンの合吊りシステムに関し、各吊下点(吊荷用フック)112,212の下方における吊荷1の地上高さh1,h2を監視し、複数の吊下点(吊荷用フック)112,212同士で地上高さH1,H2を調整しながら吊荷1の運搬を行うよう構成する。【選択図】図1

Description

本発明は、吊荷の複数箇所を同時に吊下支持してジブクレーンにより運搬する合吊りを行うにあたり、ジブクレーンの運転を支援するためのシステムに関する。
非常に重量のある吊荷をジブクレーンにより運搬する場合、二台以上のジブクレーンにより吊荷を複数の吊下点で吊下支持し、各ジブクレーンを同時に運転することによって吊荷を運搬する合吊りが行われることがある。尚、この合吊りは、「相吊り」という表記や、「共吊り」という別の呼び方をされることもあるが、ここでは「合吊り」と称することとする。
また、一台のジブクレーンにより一個の吊荷を複数の吊下点で吊下支持することがあり、これも場合によっては「合吊り」もしくは「相吊り」と呼称されるが、本明細書中ではこの運搬方式も「合吊り」と称するものとする。
いずれにしても、吊荷を複数の吊下点で吊下支持する場合、吊下点同士の位置関係や、各吊下点にかかる荷重等によっては、吊荷が大きく傾斜したり、振れたり、特定の吊下点ないし吊荷の特定の部分に無理な荷重がかかるといった問題が発生する虞がある。
そこで、合吊りを実施するにあたっては、運搬物の位置や水平度を監視することが必要となる。また、複数台のジブクレーンを使用する場合には、例えば運転を同調させ、走行や吊荷用フックの巻上げ下げ等の動作を同期するといったことが行われる。
従来、こうした作業は人力により実行されている。例えば、複数台のジブクレーンで吊荷を運搬する際には、吊荷の離床時や着床時、地上に配置された作業員(監視員)が吊荷の水平状態を目視により監視し、ジブクレーンの運転室の作業員(運転員)と無線機等で連絡を取り合うことでジブクレーン間でロープの巻上操作等を微調整している。あるいは、吊荷の離床時、各ジブクレーンの運転員が運転室にて各々のジブクレーンのロープ荷重を監視し、荷重の大小に応じてロープの巻上速度等を調整している。
一方、こういった作業を機械的に支援する技術も種々提案されている。この種のジブクレーンの合吊りシステムに関連する技術文献としては、例えば、下記の特許文献1〜4等がある。
特開2006−219253号公報 特開2001−106482号公報 特開2000−86151号公報 特開平5−180977号公報
しかしながら、吊荷の水平度や吊荷各所の地上からの高さを目視によりある程度以上の精度で把握することや、ロープ荷重を監視しながら運転操作を微調整することは困難で、熟練を要する。また、作業員同士が連絡を取り合って運転を微調整する方式はそれ自体、非常に面倒であり、運転操作と吊荷の状態にタイムラグも伴うために運搬の作業効率を損なう要因ともなっていた。
上記特許文献1〜4では、吊荷用フックの位置を各種装置により検出したり(特許文献1)、ジブクレーンの運転を機械的に同調あるいは連動させたり(特許文献2、3)、吊荷上でウエイトを移動させて吊荷の水平を確保する(特許文献4)等、種々の仕組みにより合吊りの運転支援を行っているが、吊荷自体の高さや水平度を機械的に検出するような装置やシステムはこれまで知られてこなかった。
本発明は、斯かる実情に鑑み、合吊り時、各吊下点の地上高さを容易に精度良く把握し、吊荷の水平度を保ち得るジブクレーンの合吊りシステムを提供しようとするものである。
本発明は、吊荷をジブクレーンにより複数の吊下点で吊り下げて運搬するジブクレーンの合吊りシステムであって、前記各吊下点の下方における吊荷の地上高さを監視し、前記複数の吊下点同士で地上高さを調整しながら前記吊荷の運搬を行うよう構成したことを特徴とするジブクレーンの合吊りシステムにかかるものである。
本発明のジブクレーンの合吊りシステムにおいては、吊荷用ワイヤロープの繰り出し位置にGPS受信機である位置検出装置を備えて前記各吊下点の地上高さを把握するよう構成することができる。
本発明のジブクレーンの合吊りシステムにおいては、ジブの起伏角及び吊荷用ワイヤロープの繰り出し量に、ジブクレーンの運転条件に応じた補正値を加味することにより、前記各吊下点の地上高さを算出するよう構成することができる。
本発明のジブクレーンの合吊りシステムにおいては、吊荷の離床時、前記各吊下点に加わる荷重に基づいて前記各吊下点の地上高さの基準点を設定することが好ましい。
本発明のジブクレーンの合吊りシステムによれば、合吊り時、各吊下点の地上高さを容易に精度良く把握し、吊荷の水平度を保ち得るという優れた効果を奏し得る。
二台のジブクレーンによる合吊りの様子を示す概要図である。 本発明のジブクレーンの合吊りシステムを示すブロック図である。
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
図1、図2は本発明の実施によるジブクレーンの合吊りシステムの形態の一例を示すものであり、ここでは二台のジブクレーン100,200により一個の吊荷1を合吊りする場合を例示している。
ジブクレーン(第一のジブクレーン)100は、図1に示す如く、港湾2における岸壁3に、紙面と直交する方向へ延びるレール101を敷設し、該レール101に沿って転動自在な走行車輪102が配設された走行装置103を基台104の脚部に取り付けてなる。基台104上にはマスト105が立設され、該マスト105の上端には旋回装置106を介して旋回台107が旋回自在に配設され、該旋回台107にはジブ108が起伏自在に取り付けられると共に、前支柱と後支柱とを備えた上部フレーム109が立設されている。さらに、旋回台107には、ジブ108の起伏用ワイヤロープ110を巻上げ下げするための起伏ドラム111と、吊荷用フック112を吊り下げる吊荷用ワイヤロープ113を巻上げ下げするための巻上ドラム114とを備えている。115はジブ108の基部付近に備えられた運転室である。
ジブクレーン(第二のジブクレーン)200は、第一のジブクレーン100と略同様の構成を備えており、港湾2における岸壁3に敷設されたレール201に沿って転動自在な走行車輪202が配設された走行装置203を、基台204の脚部に取り付けてなる。基台204上に立設したマスト205の上端には旋回装置206を介して旋回台207が旋回自在に配設され、該旋回台207にはジブ208が起伏自在に取り付けられると共に上部フレーム209が立設されている。さらに、旋回台207には、ジブ208の起伏用ワイヤロープ210を巻上げ下げするための起伏ドラム211と、吊荷用フック212を吊り下げる吊荷用ワイヤロープ213を巻上げ下げするための巻上ドラム214とを備えている。215はジブ208の基部付近に備えられた運転室である。
合吊りにあたっては、第一のジブクレーン100の吊荷用フック112、及び第二のジブクレーン200の吊荷用フック212により、それぞれ吊荷1の別々の部分を吊下支持し、運搬する。すなわち、第一のジブクレーン100の吊荷用フック112の位置が第一の吊下点にあたり、第二のジブクレーン200の吊荷用フック212の位置が第二の吊下点にあたる。
ジブクレーン100,200におけるジブ108,208の起伏や吊荷用フック112,201の巻上げ下げは、図2に示す如き制御系により操作される。
第一のジブクレーン100のジブ108の起伏は、運転室115(図1参照)に備えた運転装置116のコントローラ117への入力により操作される。コントローラ117に対する入力は、操作信号117aとしてPLC(プログラマブルロジックコントローラ)等である制御装置118に入力される。起伏ドラム111(図1参照)はモータ119により減速機120を介して駆動され、モータ119はインバータ121への制御装置118からの起伏指令信号121aの入力に従って駆動される。また、モータ119の回転は回転数センサ122によって検出され、該回転数センサ122からは回転数信号122aが制御装置118に入力される。制御装置118では、モータ119の回転数から起伏用ワイヤロープ110(図1参照)の繰り出しや巻き取りを監視し、ジブ108の起伏角や起伏速度等を把握できるようになっている。
同様に、第一のジブクレーン100の吊荷用フック112の巻上げ下げは、運転装置116のコントローラ117への入力により操作される。巻上ドラム114(図1参照)はモータ123により減速機124を介して駆動され、モータ123はインバータ125への制御装置118からの巻上指令信号125aの入力により駆動される。また、モータ123の回転は回転数センサ126によって検出され、該回転数センサ126からは回転数信号126aが制御装置118に入力される。制御装置118では、モータ123の回転数から吊荷用ワイヤロープ113(図1参照)の繰り出しや巻き取りを監視し、吊荷用フック112の位置や吊荷用ワイヤロープ113の巻上げ下げの速度等を把握できるようになっている。
また、ジブ108(図1参照)の起伏は、該ジブ108の基端部に備えた角度センサ127によって監視される。角度センサ127の検出したジブ108の角度は、角度信号127aとして制御装置118に入力されるようになっている。この角度信号127aによっても、ジブ108の起伏角や起伏速度等を監視することができる。
起伏ドラム111と巻上ドラム114には、それぞれ荷重計(ロードセル)130及び131が備えられ、起伏用ワイヤロープ110及び吊荷用ワイヤロープ113の張力を検出し、荷重信号130a,131aとして制御装置118に入力するようになっている。これにより、起伏用ワイヤロープ110と吊荷用ワイヤロープ113に加えられる荷重を制御装置118において監視し、荷重が過大になった際には警報を発したり、運転を停止するなどの動作を行うようになっている。
第二のジブクレーン200のジブ208の起伏は、運転室215(図1参照)に備えた運転装置216のコントローラ217への入力により操作される。コントローラ217に対する入力は、操作信号217aとして制御装置218に入力される。起伏ドラム211(図1参照)はモータ219により減速機220を介して駆動され、モータ219はインバータ221への制御装置218からの起伏指令信号221aの入力に従って駆動される。また、モータ219の回転は回転数センサ222によって検出され、該回転数センサ222からは回転数信号222aが制御装置218に入力される。制御装置218では、モータ219の回転数から起伏用ワイヤロープ210(図1参照)の繰り出しや巻き取りを監視し、ジブ208の起伏角や起伏速度等を把握できるようになっている。
同様に、第二のジブクレーン200の吊荷用フック212の巻上げ下げは、運転装置216のコントローラ217への入力により操作される。巻上ドラム214(図1参照)はモータ223により減速機224を介して駆動され、モータ223はインバータ225への制御装置218からの巻上指令信号225aの入力により駆動される。また、モータ223の回転は回転数センサ226によって検出され、該回転数センサ226からは回転数信号226aが制御装置218に入力される。制御装置218では、モータ223の回転数から吊荷用ワイヤロープ213(図1参照)の繰り出しや巻き取りを監視し、吊荷用フック212の位置や吊荷用ワイヤロープ213の巻上げ下げの速度等を把握できるようになっている。
また、ジブ208(図1参照)の起伏は、該ジブ208の基端部に備えた角度センサ227によって監視される。角度センサ227の検出したジブ208の起伏角は、角度信号227aとして制御装置218に入力されるようになっている。この角度信号227aによっても、ジブ208の起伏角や起伏速度等を監視することができる。
起伏ドラム211と巻上ドラム214には、それぞれ荷重計(ロードセル)230及び231が備えられ、起伏用ワイヤロープ210及び吊荷用ワイヤロープ213の張力を検出し、荷重信号230a,231aとして制御装置218に入力するようになっている。これにより、起伏用ワイヤロープ210と吊荷用ワイヤロープ213に加えられる荷重を制御装置218において監視し、荷重が過大になった際には警報を発したり、運転を停止するなどの動作を行うようになっている。
その他、ジブクレーン100,200の運転装置116,216及び制御装置118,218は、走行装置103,203(図1参照)や旋回装置106,206(図1参照)等、各部の操作や監視を行うようになっているが、ここでは詳細な図示は省略している。
そして、本実施例のジブクレーン100,200の場合、ジブ108,208の先端部(図1参照)に各々備えた位置検出装置128,228により、吊荷用ワイヤロープ113,213の繰り出し位置にあたるジブ108,208の先端部の地上高さが検出できるようになっている。位置検出装置128,228は、例えばGPS受信機であり、ジブ108,208の先端部の位置を高い精度によりリアルタイムで検出するようになっている。位置検出装置128,228の検出した位置情報は、それぞれ位置信号128a,228aとして制御装置118,218に入力される。
ジブ108,208の起伏角や速度、作業半径、ジブ108,208先端部の地上高さ、吊荷用フック112,212の位置や吊荷用ワイヤロープ113,213の巻上げ下げの速度、起伏用ワイヤロープ110,210や吊荷用ワイヤロープ113,213への荷重、その他ジブクレーン100,200の運転に必要な各種の情報は、制御装置118,218からの表示信号118a,218aに従い、運転装置116,216の表示部129,229にそれぞれ表示されるようになっている。
また、ジブクレーン100,200は、制御装置118,218にそれぞれ通信部132,232を備えており、該通信部132,232を介して互いに運転状態その他の情報をやり取りし、必要に応じて互いの表示部129,229に表示したり、制御装置118,218間で運転を同調させたりすることができるようになっている。尚、この通信部132,232の他に、例えば外部に図示しない管制機器を備え、該管制機器と各通信部132,232との間で通信を行うようにしても良い。
次に、上記した本実施例の作動を説明する。
本実施例のジブクレーン100,200では、ジブ108,208の先端部(図1参照)に取り付けた位置検出装置128,228(図2参照)からの位置信号128a,228aに基づき、吊荷1の第一のジブクレーン100の吊荷用フック112の地上高さH1、及び第二のジブクレーン200の吊荷用フック212の地上高さH2を検出できるようになっている(図1参照)。
第一のジブクレーン100では、位置検出装置128からの位置信号128a(図2参照)により、吊荷用ワイヤロープ113の繰り出し位置にあたるジブ108の先端部の地上高さを検出することができる(図1参照)。また、巻上ドラム114のモータ123に取り付けた回転数センサ126からの回転数信号126a(図2参照)を監視することにより、起伏用ワイヤロープ110の繰り出し長さを検知し、ジブ108の先端部から吊荷用フック112までの距離を算出することができる(図1参照)。そして、吊荷用フック112の地上高さH1は、ジブ108の先端部の地上高さと、ジブ108先端部から吊荷用フック112までの距離の差として求めることができる。
同様に、第二のジブクレーン200の吊荷用フック212の地上高さH2も、ジブ208の先端部の地上高さ、及びジブ208の先端部から吊荷用フック212までの距離に基づいて求めることができる。
尚、本実施例では、ジブ108,208の先端部に位置検出装置128,228を備えてジブ108,208の先端部の地上高さを検出するようにしているが、ジブ108,208の先端部の地上高さを求めるにあたっては、必ずしも位置検出装置128,228を備える必要はない。例えば、ジブ108,208先端部のおおよその位置はジブ108,208の長さと起伏角から単純な計算により概算することができ、さらに起伏用ワイヤロープ110,210の繰り出し長さから吊荷用フック112,212のおおよその地上高さも決まる。そして、ここに吊荷用ワイヤロープ113,213に加わる荷重によるジブクレーン100,200全体の撓み角、さらにジブ108,208の撓みによる先端部の位置ずれ等、ジブクレーン100,200の運転条件に応じた補正値を加味すれば、ジブ108,208先端部の地上高さを高い精度で算出することができる。吊荷用ワイヤロープ113,213への荷重や作業半径、起伏角等の条件に応じたジブクレーン100,200全体の撓み角やジブ108,208の撓み量等による補正値は、予め制御装置118,218に入力されたマップから読み出すようにすれば良い。
ジブクレーン100,200での合吊りによる吊荷1の運搬にあたっては、まず、第一のジブクレーン100と第二のジブクレーン200との間で、吊下点にあたる吊荷用フック112,212の地上高さH1,H2の基準点を合わせる必要がある。この基準点とは、例えば、吊荷1の運搬において、各吊下点(吊荷用フック)112,212の下方における吊荷1の下面の地上高さh1,h2(図1参照)がゼロになる吊荷用フック112,212の地上高さ(原点高さ)である。
基準点の設定は、吊荷1の離床時に行う。これは、各ジブクレーン100,200の大きさや物性といった特性が互いに異なる場合があること、及び、吊荷1から各吊下点(吊荷用フック)112,212を介しジブ108,208にかかる荷重が異なる場合があることによるものである。
すなわち、同じ吊荷1を吊り上げる場合であっても、吊荷1の形状や構造、重心の位置や吊荷1に対する各吊下点(吊荷用フック)112,212の位置によっては、合吊りの際、各吊下点(吊荷用フック)112,212に対して等しい荷重がかかるわけではない。また、仮に吊荷1の吊下げ時には各吊下点(吊荷用フック)112,212に等しい荷重がかかる場合であっても、吊荷1の離床時、ジブクレーン100,200の特性の違いによって吊荷1の水平度等に影響が出ることがある。例えば、ジブ108とジブ208との間で剛性が異なるとした場合、第一のジブクレーン100の巻上ドラム114と、第二のジブクレーン200の巻上ドラム214とを同時に動作させて吊荷用ワイヤロープ113,213に等しく張力をかけようとすると、一方のジブ108は剛性が相対的に高いために撓みが比較的小さく、第一の吊下点(吊荷用フック)112の下方においては吊荷1は早々に持ち上がるが、他方のジブ208は剛性が相対的に低いために撓みが比較的大きく、第一の吊下点(吊荷用フック)112の下方が持ち上がった段階でも第二の吊下点(吊荷用フック)212の下方においては吊荷1の下面は未だ接地しているといったことが起こり得る。勿論、そのまま巻上ドラム114,214の巻上げ動作を続ければ、いずれは吊荷1の全体が離床するが、吊荷1は傾いた状態で持ち上がることになり、運搬中や着床の際等に支障が生じかねない。
そこで、吊下点(吊荷用フック)112,212の地上高さH1,H2(図1参照)の基準を離床のタイミングで合わせることで、吊荷1の水平度を保ちながら運搬できるようにする。具体的には、例えば、合吊りの開始にあたり、地上に吊荷1の状態を監視する作業員(監視員)を配置しておき、ジブクレーン100,200の巻上ドラム114,214を同時に動作させて吊荷用ワイヤロープ113,213に張力をかけていく。吊荷1の一方の側(例えば、第一の吊下点(吊荷用フック)112の下方における下面)が離床した段階で、地上の監視員が無線等の連絡手段により第一のジブクレーン100の運転室115の作業員(運転員)に合図をし、第一のジブクレーン100の巻上ドラム114を停止させる。第二のジブクレーン200の巻上ドラム214は、吊荷用ワイヤロープ213の巻き込み動作を継続する。そして、吊荷1の他方の側(第二の吊下点(吊荷用フック)212の下方における下面)が離床したタイミングで、監視員が両ジブクレーン100,200の作業員(運転員)に合図を送り、各運転員は、その時点における吊下点(吊荷用フック)112,212の地上高さH1,H2を原点高さとして設定する。
地上に監視員を配置しない場合は、例えば次のような方法で地上高さH1,H2の基準点の設定を行うことができる。合吊りにより吊荷1の水平を保って運搬する場合、運搬中(図1中に仮想線で示す状態)においては、移動や揺れに伴う加速度を別にすれば、第一の吊下点(吊荷用フック)112を介して吊荷用ワイヤロープ113に加わる荷重F1は略一定であり、また、第二の吊下点(吊荷用フック)212を介して吊荷用ワイヤロープ213に加わる荷重F2も略一定である。
吊荷1の離床の際には、吊荷1は図1中に実線で示す状態にあるが、このとき、巻上ドラム114の動作により、第一の吊下点(吊荷用フック)112から吊荷用ワイヤロープ113に加わる荷重がゼロから徐々に大きくなっていき、これに伴いジブ108の撓みも大きくなっていく。そして、前記荷重がF1の大きさになった時点で、第一の吊下点(吊荷用フック)112の下方において吊荷1の下面が離床する。このとき、ジブ108ないしジブクレーン100の撓みは最も大きくなる。同様に、巻上ドラム214の動作により、第二の吊下点(吊荷用フック)212から吊荷用ワイヤロープ213に加わる荷重がゼロから徐々に大きくなっていき、これに伴ってジブ208の撓みも大きくなっていく。前記荷重がF2の大きさになった時点で、第二の吊下点(吊荷用フック)212の下方において吊荷1の下面が離床する。このとき、ジブ208ないしジブクレーン200の撓みは最も大きくなる。
ここで、運搬中に第一、第二の吊下点(吊荷用フック)112,212から吊荷用ワイヤロープ113,213に加わる荷重F1,F2は、吊荷1の形状や構造、重心の位置や吊荷1に対する吊下点(吊荷用フック)112,212の位置により、それぞれ事前にほぼ正確に予測することができる。そこで、運搬中に吊荷用ワイヤロープ113,213に加わると予想される荷重F1,F2を予め制御装置118,218に入力しておき、吊荷1の離床にあたり、例えば、吊荷用ワイヤロープ113への荷重がF1の大きさに達した時点でその時の第一の吊下点(吊荷用フック)112の地上高さH1を原点高さとし、また、吊荷用ワイヤロープ213への荷重がF2の大きさに達した時点でその時の第二の吊下点(吊荷用フック)212の地上高さH2を原点高さとして設定すれば良い。
あるいは、地上高さH1,H2の原点高さを設定するタイミングは、例えば、吊荷用ワイヤロープ113,213への荷重がF1,F2のそれぞれ80[%]に達した時点等としても良い。地上高さH1,H2の原点高さを設定した時点から、吊荷用ワイヤロープ113又は213への荷重がF1又はF2の大きさに達するまでの撓み量の上昇値が十分に小さければ、その後の運搬を特に支障なく実行することができる。
このように、吊荷用ワイヤロープ113,213への荷重に基づいて地上高さH1,H2の基準点を設定する方式によれば、地上に監視員を配置しなくても、運転室115,215から吊荷用ワイヤロープ113,213への荷重を監視し、地上高さH1,H2の基準点を適切に設定することが可能である。また、吊荷用ワイヤロープ113,213への荷重に応じて、地上高さH1,H2の基準点を自動的に設定するよう、制御装置118,218を事前に設定しておくこともできる。
地上高さH1,H2の基準点を設定し、吊荷1の全体が離床したら、前記基準点(原点高さ)に基づいた吊下点(吊荷用フック)112,212の地上高さH1,H2をリアルタイムで監視しつつ、ジブ108,208の起伏や吊荷用ワイヤロープ113,213の巻上げ下げ、旋回台107,207の旋回や走行装置103,203の走行といった運転操作を実行する。尚、本実施例の場合、原点高さとの差として得られる地上高さH1,H2の数値は、各吊下点(吊荷用フック)112,212の下方における吊荷1の下面の、離床時を基準とした地上高さh1,h2に等しい。運搬中、この地上高さH1,H2の値は、運転装置116,216の表示部129,229に表示される。
この際、第一のジブクレーン100の表示部129に第一の吊下点(吊荷用フック)112の地上高さH1が表示され、第二のジブクレーン200の表示部229に第二の吊下点(吊荷用フック)212の地上高さH2が表示されるのは勿論、第一のジブクレーン100の表示部129にも第二の吊下点(吊荷用フック)212の地上高さH2が表示され、第二のジブクレーン200の表示部229にも第一の吊下点(吊荷用フック)112の地上高さH1が表示される。あるいは、例えば、第一のジブクレーン100の表示部129には地上高さH1の数値と共に地上高さH2の地上高さH1との差が表示され、第二のジブクレーン200の表示部229には地上高さH2の数値と共に地上高さH1の地上高さH2との差が表示されるようにしても良い。いずれにしても、各ジブクレーンの運転員が担当する吊下点の地上高さが可視化されることに加え、他の吊下点の地上高さも把握することができるので、作業員同士の間で無線機等によりやりとりをするような必要がない。したがって、合吊りによる運搬の作業効率を大幅に高めることができる。
吊下点(吊荷用フック)112,212の地上高さH1,H2は、運搬の終了すなわち吊荷1の着床まで、ジブクレーン100,200の表示部129,229にリアルタイムで表示され続ける。運転室115,215の運転員は、これらの表示を随時参照しながら起伏ドラム111,211や巻上ドラム114,214の運転を行う。具体的には、起伏用ワイヤロープ110,210や吊荷用ワイヤロープ113,213の繰り出し量や繰り出し速度等の操作により、吊下点(吊荷用フック)112,212同士で高さを調整して吊荷1の水平度を保ちながら、吊荷1の運搬を実行する。あるいは、ジブクレーン100,200の制御装置118,218同士が吊下点(吊荷用フック)112,212の高さ合わせを互いに自動で実行するよう、制御装置118,218を構成しても良い。
以上のように、上記本実施例によれば、合吊り時、各吊下点の地上高さを容易に精度良く把握し、吊荷の水平度を保ち得る。
尚、本発明のジブクレーンの合吊りシステムは、上述の実施例にのみ限定されるものではなく、例えば、複数のジブクレーンによる合吊りだけでなく、一台のジブクレーンにより複数の吊下点で吊荷を運搬する方式の合吊りにも適用し得ること等、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
1 吊荷
100 ジブクレーン
108 ジブ
112 吊下点(吊荷用フック、第一の吊下点)
113 吊荷用ワイヤロープ
128 位置検出装置
200 ジブクレーン
208 ジブ
212 吊下点(吊荷用フック、第二の吊下点)
213 吊荷用ワイヤロープ
228 位置検出装置
H1 地上高さ
H2 地上高さ
h1 地上高さ
h2 地上高さ

Claims (4)

  1. 吊荷をジブクレーンにより複数の吊下点で吊り下げて運搬するジブクレーンの合吊りシステムであって、前記各吊下点の下方における吊荷の地上高さを監視し、前記複数の吊下点同士で地上高さを調整しながら前記吊荷の運搬を行うよう構成したことを特徴とするジブクレーンの合吊りシステム。
  2. 吊荷用ワイヤロープの繰り出し位置にGPS受信機である位置検出装置を備えて前記各吊下点の地上高さを把握するよう構成した、請求項1に記載のジブクレーンの合吊りシステム。
  3. ジブの起伏角及び吊荷用ワイヤロープの繰り出し量に、ジブクレーンの運転条件に応じた補正値を加味することにより、前記各吊下点の地上高さを算出するよう構成した、請求項1に記載のジブクレーンの合吊りシステム。
  4. 吊荷の離床時、前記各吊下点に加わる荷重に基づいて前記各吊下点の地上高さの基準点を設定するよう構成した、請求項1〜3のいずれか一項に記載のジブクレーンの合吊りシステム。
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