以下、本発明の実施形態に係るパチンコ機(遊技機)の構成および各種動作などについて、図面を参照しながら説明する。
<パチンコ機の構造>
図1〜図3を用いて、遊技機の概観について説明する。図1は、本実施形態に係る遊技機であるパチンコ機における外観を示す斜視図である。図2は、本実施形態に係る遊技機であるパチンコ機の分解斜視図である。図3は、本実施形態に係る遊技機であるパチンコ機における遊技盤の正面図である。
図1および図2に示すように、遊技機1001は、ガラスドア1010、皿ユニット1011、発射装置1012、第1液晶表示装置1013、第2液晶表示装置1130および遊技盤1014が、ベースドア1015に支持された構造を有している。ベースドア1015は、裏面側に排出ユニット1016および基板ユニット1017を支持しており、本体1018の開口1181に嵌め込まれている。なお、第1液晶表示装置1013は、本発明の第1表示装置に相当する。また、第2液晶表示装置は、本発明の第2表示装置に相当する。
<ガラスドア>
ガラスドア1010は、ベースドア1015に対して開閉自在に軸支されている。このガラスドア1010は、中央に形成された開口1101を有しており、その開口1101には透過性を有する保護ガラス1019が配設されている。この保護ガラス1019は、ガラスドア1010が閉鎖された状態で遊技盤1014の前面に対面するように配設されている。ガラスドア1010には、上部にスピーカ1021が配設され、左右にランプ1022が配置されている。スピーカ1021は、例えば音声での告知や演出、エラー報知を行うためのものである。ランプ1022は、演出や告知など各種の報知を行うものである。
<皿ユニット>
皿ユニット1011は、遊技球を貯留するためのものであり、ガラスドア1010の下部においてベースドア1015に配設されている。この皿ユニット1011は、上皿1111の下方に下皿1112を一体化したユニットとして構成されている。
上皿1111は、後述する遊技領域1140に発射させる遊技球を貯留するためのものである。上皿1111には、払出口1113、操作ボタン1020が設けられている。この払出口1113は、遊技球の貸し出し、遊技球の払出し(賞球)を行うためのものであり、所定の払出条件が成立した場合には、遊技球が排出される。操作ボタン1020は、所謂「CHANCEボタン」あるいは「プッシュボタン」などと呼ばれるものであり、例えば上述する第1液晶表示装置1013において表示されるCHANCE演出(いわゆるカットイン演出や可動体の可動の有無など)を行うか否かを選択するために、あるいは大当りの期待度を報知する演出(例えば会話演出の会話内容や文字色)において期待度を報知させるときに遊技者によって操作されるものである。
下皿1112には、払出口1114が設けられている。この払出口1114は、払出口1113と同様に、遊技球の貸し出し、遊技球の払出し(賞球)を行い、所定の払出条件が成立した場合に遊技球が排出するものである。
<発射装置>
発射装置1012は、後述する遊技領域1140に、上皿1111に貯留された遊技球を発射するためのものである。この発射装置1012は、パネル体1121の表面側に発射ハンドル1122を設けたものであり、ベースドア1015の右下部に配設されている。
パネル体1121は、皿ユニット1011および発射装置1012をベースドア1015に配設するとき、皿ユニット1011の右下部と一体化されるものである。このパネル体1121の裏側には、遊技球を発射するための駆動装置(図示略)が設けられている。駆動装置としては、例えば発射ソレノイドが使用される。
<第1液晶表示装置>
第1液晶表示装置1013は、第1始動口1034および第2始動口1035への遊技球の入賞に基づく大当り抽選の結果の他、遊技に関する各種の画像、例えば演出用の識別図柄(装飾図柄)、通常状態での演出画像、大当り中の演出画像、デモ演出、および保留球数を表示するものである。第1液晶表示装置1013は遊技盤1014の後方でありベースドア1015の前方に設置される。また、第1液晶表示装置1013は、遊技盤1014の略中央付近に位置するように配設されている。
なお、第1液晶表示装置1013に代えて、または液晶表示装置1013に加えて、例えばプラズマディスプレイ、リアプロジェクションディスプレイ、CRTディスプレイ、ランプ、スピーカあるいは可動役物を単独または組み合わせて使用してもよい。
<第2液晶表示装置および液晶駆動装置>
次に、第2液晶表示装置1130および液晶駆動装置1130について説明する。図4は本発明の実施形態に係るパチンコ機に係る第2液晶表示装置および液晶駆動装置の正面図である。図5(a)は本発明の実施形態に係るパチンコ機に係る液晶表示パネルに識別情報のプリントされた裏面を遊技盤の前面側に向けた平面図、図5(b)は本発明の実施形態に係るパチンコ機に係る液晶表示パネルの演出表示用の画像表示面を遊技盤面側に向けた平面図および図5(c)は本発明の実施形態に係るパチンコ機に係る液晶表示パネルのコネクタ回りの一部分破断させた断面図である。
<第2液晶表示装置>
第2液晶表示装置1130は、図1ないし図4に示すように、第1液晶表示装置1013の上部で近接する空間に組み込まれており、分割可能な一対の液晶表示パネル1A、1Bから構成されている。液晶表示パネル1A、1Bは同一サイズのおよび同一形状の矩形であり、遊技盤1014の幅方向に長辺を有し、互いの短辺同士を近接対向させて設置されている。また、通常状態では、液晶表示パネル1A、1Bは、裏面側を遊技盤1014の前面に側に向けられている。換言すれば、装飾用の役物として機能している。すなわち、後述する液晶表示パネル1A、1Bを構成するアクティブマトリクス基板20Aの裏面に非透過性処理、例えば塗装またはステッカーによって被覆し、その表面に文字、数字、図柄などを組み合わせたロゴ、機種名などの識別情報が描かれている。本実施例では、例えば、アルファベットの「A、B、C」の文字が2枚の液晶表示パネル1A、1Bにまたがって横書きされている。このとき、液晶表示パネル1A、1Bの裏面は、遊技盤1014と略面一となっている。
なお、液晶表示パネル1A、1Bのそれぞれは、後述する副制御基板1007のサブCPU1071の指令によって作動する液晶パネル移動制御回路1077によって制御される液晶駆動装置1130によって互いに同調しながら縦軸回りに正逆転および前後移動するように構成されている。
<液晶表示パネル>
図6は、本発明の実施の形態に係る第2液晶表示装置を構成する液晶表示パネルの概略構成を示す正面図、図7は、液晶表示パネルを構成するアクティブマトリックス基板の概略構成を示す正面図および図8は、液晶表示パネルを構成するアクティブマトリックス基板のゲートドライバの構成を示す概略構成図である。なお、図6ないし図8は、説明の便宜上、液晶表示パネル1Aを90度右回りに回転させ、端子側を下向きにしている。
液晶表示パネル1A、1Bのそれぞれは、図6に示すように、アクティブマトリクス基板20A、対向基板20Bおよびこれら両基板20A、20Bに挟持された液晶層(図示略)とを有する。アクティブマトリクス基板20Aは、図6に示すように、対向基板20Bよりも大きく、アクティブマトリックス基板20Aからはみ出て外囲する額縁領域を有する。特に、液晶表示パネル1A、1B同士を近接対向させる側の額縁領域25は、他辺からはみ出た額縁領域よりも幅広くなっている。
幅広の額縁領域25は、フレキシブル基板27を接続するコネクタ29を有する。また、額縁領域25は、コネクタ29にフレキシブル基板27を接続した状態で、額縁領域25の全面を封止するカバー体31によって覆われている。このとき、カバー体31の一部と対向基板20Bとが略同じ高さになるように設定されている。
図5(a)〜図5(c)に示すように、カバー体31を側面視したとき一端側に面とりをした段部Dを有している。図5(c)に示すように、段部Dを構成する垂直な壁面にフレキシブル基板27を引き出すように、短辺に沿って細長の開口部33が形成されている。すなわち、図5(a)に示すように、液晶表示パネル1A、1Bの表示面側を遊技盤1014の奥側に向けた状態で、互いの液晶表示パネル1A、1Bのコネクタ29側の短辺同士を近接対向させたとき、カバー体31から引き出したフレキシブル基板27同士が接触しないようにクリアランスが設けられている。また、液晶表示パネル1A、1Bを遊技盤1014の内向き観音開き(180度反転)させさたとき、液晶表示パネル1A、1Bの表示演出用の画像を表示する表示面側を遊技盤1014の前面に向けたとき、図5(c)のコネクタ部分の拡大断面図に示すように、カバー体31の段部Dが、遊技盤1014に形成された表示領域側の開口端部の段部と重なり合うように構成されている。したがって、図10に示す液晶表示パネル1A、1Bの識別情報がプリントされた裏面を遊技盤1014の前面側に向けた場合に比べて、僅かに前側に表示部が移動した状態になっている。なお、カバー体31の代わりにコネクタ29およびフレキシブル基板27の一部を樹脂でモールドしてもよい。なお、液晶表示パネル1A、1Bの具体的な構造については、後述する。
<液晶駆動装置>
図9は、本発明の実施の形態に係る第2液晶表示装置を構成する液晶表示パネルおよび当該液晶表示パネルを移動させる液晶駆動装置の概略構成を示す側面図である。図10は、本発明の実施の形態に係る第2液晶表示装置を構成する液晶表示パネルおよび当該液晶表示パネルを駆動させる液晶駆動装置の概略構成を示す平面図である。
液晶駆動装置は、図9および図10に示すように、リニアガイド35、可動台37、上部ガイドレール39および回転駆動機構41などから構成されている。リニアガイド35は、下部ガイドレール43に沿って電磁誘導によってスライド移動する可動台37を備えている。下部ガイドレール43は、遊技盤1014内のフレームまたは構造体などの平面上で、遊技盤1014を正面視して手前から奥側に向けて敷設されている。したがって、可動台37は、遊技盤1014を正面視して前後に移動する。なお、リニアガイド35は、水平設置に限定されず、僅かに斜め下がり、または、僅かに斜め上がり傾斜姿勢で設置してもよい。上下斜め傾斜姿勢のいずれかで上部および下部ガイドレール39、43を敷設することにより、遊技盤1014の奥側のスペースを小さくでき、ひいては遊技機全体の厚みを薄くすることができる。なお、リニアガイド35、可動台37、下部ガイドレール43および上部ガイドレール39は、本発明の前後移動機構に相当する。また、回転駆動機構41は、本発明の回転駆動機構に相当する。
可動台37は、例えば矩形状であり、当該可動台37に回転駆動機構41が備わっている。回転駆動機構41は、可動台37に埋設されたベアリングB1を介して当該可動台37から立設され、かつ、液晶表示パネル1A、1Bの下端に連結固定された固定ブロック46に連結された回転軸47と、モータ49(例えばパルスモータ、ダイレクトモータなど)などから構成されている。すなわち、モータ49に連結された駆動プーリ51と回転軸53に装着した遊転プーリ55に無端ベルト57が巻き回されれている。回転軸47の上端側に液晶表示パネル1A、1Bが軸支されている。したがって、モータ49の正逆転駆動により、液晶表示パネル1A、1Bが回転軸53回りに正転または逆転され、液晶表示パネル1A、1Bの裏面と画像表示面とを適時に反転させて切り替え可能に構成されている。
なお、遊技盤1014の裏面側の空間に高さ方向に十分スペースを有する場合、可動台37に固定したダイレクトモータの回転軸の先端を液晶表示パネルの連結固定部に直接に接続固定し、当該液晶表示パネル1A、1Bを回転させるように構成してもよい。この場合、モータ49の回転軸の回転角をロータリーエンコーダでなどの検出器で検出し、当該検出結果に基づいて液晶表示パネル1A、1Bが、180度に反転するように構成すればよい。
下部ガイドレール43の後端には、液晶表示パネル1A、1Bの回転および前後移動に伴って、各液晶表示パネル1A、1Bに接続されて伸長するフレキシブル基板27が、互いにまたは他の構造物などと接触しないように当該フレキシブル基板27の移動を案内するガイド59が設けられている。すなわち、可動台37の後方への過剰な移動を規制するストッパ61が下部ガイドレール43の後端に設けられている。ストッパ61はブロック状であり、当該ストッパ61に立設された円柱状の縦軸63に遊転自在な複数個のガイドローラ65(本実施形態では2個)が装着されている。縦軸63は、フレキシブル基板27の幅よりも長い。また、ガイドローラ65は、フレキシブル基板27の端部が縦軸63と接触しないように、所定ピッチをおいて複数個が縦軸63に装着されている。また、ガイドローラ65は、フレキシブル基板27との接触によって静電気を生じないように、フッ素樹脂で形成またはフッ素コーティングされている。
上部ガイドレール39は、液晶表示パネル1A、1Bを挟んで、下部ガイドレール43と平行して遊技機内の上部の構造物の平坦面に敷設されている。上部ガイドレール39には、スライド移動可能な可動台67が係合されている。可動台67には、ベアリングB3が埋設されており、液晶表示パネル1A、1Bの下部で連結された回転軸47と同軸上に当該液晶表示パネル1A、1Bの上部の固定ブロック69に固定連結された回転軸71が当該ベアリングB3を介して挿入されている。したがって、下部ガイドレール43と上部ガイドレール39とによって液晶表示パネル1A、1Bを安定して回転させることができるように構成されている。
<液晶表示パネルの移動制御>
本実施形態では、図4に示すように、識別情報である例えばアルファベットの文字「A、B、C」のプリントされた液晶表示パネル1A、1Bの裏面側が遊技盤の前面側に向けられている状態を初期状態である場合を例にとって説明する。すなわち、遊技者が、遊技盤1014を正面視して識別情報が視認できる状態である。
例えば、大当たりまたは小当たりなどいずれか所定条件が成立すると、メインCPU1060か副制御回路のサブCPU1007に所定の信号およびコマンドなどを送信する。サブCPU1007は、メインCPU1060からの信号およびコマンドに基づいて、後述する液晶パネル移動制御回路(図36を参照)によって液晶表示パネル1A、1Bの反転を開始する。
図11に示すように、液晶表示パネル1A、1Bのフレキシブル基板27の接続側である短辺同士を近接対向した状態で液晶表示パネル1A、1Bを搭載した2台の可動台37が、遊技盤1014の奥側に移動を開始する。両可動台37が所定距離まで移動する。すなわち、液晶表示パネル1A、1Bのフレキシブル基板27と接続している端部と対向する他端部の一部分が、遊技盤1014の開口端部と僅かに重なり合っている。したがって、図12に示すように、液晶表示パネル1A、1Bの回転開始時に当該端部が遊技盤1014と接触しないように、液晶表示パネル1A、1Bを回転させることなくギャップGをかせぐ位置まで遊技盤1014を奥側に向けて後退移動する。
可動台37が所定位置に達すると、モータ49が同時に作動する。図12に示すように、一方のモータ49が正転する。すなわち、時計回りに回転する。他方のモータ49が逆転する。すなわち、反時計回りに回転する。したがって、一対の液晶表示パネル1A、1Bは、図13に示すように、遊技盤1014の上部で内向きに観音開きしてゆく。なお、モータ49の作動タイミングは、液晶表示パネル1A、1Bを回転させる過程で、遊技盤1014の開口端と液晶表示パネル1A、1Bの端部とが接触せず、かつ、両液晶表示パネル1A、1Bの旋回先端側の短辺の旋回軌道上に遊技盤1014と対面する保護ガラス1019が位置せずに互いが接触しない時点に設定されている。すなわち、図14および図15に示すように、両液晶表示パネル1A、1Bが保護ガラス1019に対して短辺側が垂直になるときの当該液晶表示パネル1A、1Bの旋回半径L1よりも旋回軸となる回転軸47から保護ガラス1019までの距離L2が長くなるよう可動台37の移動速度、移動距離およびモータ49の回転速度から予め回転開始のタイミングが適宜に設定されている。
また、液晶表示パネル1A、1Bが、遊技盤1014の奥側に移動するのに伴って、図36に示す副制御回路1007側のコネクタと液晶表示パネル1A、1Bのコネクタ29とにわたって接続されているフレキシブル基板27が、曲率を変えながら湾曲変形する。すなわち、液晶表示パネル1A、1Bの移動開始前に、ガイド69を介して平仮名の「く」の字または逆「く」字状に湾曲している。可動台37の後方へに移動に伴って、図12に示すように、フレキシブル基板27の曲率が大きくなり略屈曲変型する。
次に、両液晶表示パネル1A、1Bが、保護ガラス1019と垂直になった時点で可動台37の後方への移動が停止し、前方への移動に切り替わる。すなわち、液晶表示パネル1A、1Bは、表示演出用の表示面を遊技盤1014の前面に向けながら回転し、図16および図17に示すように、液晶表示パネル1A、1Bのフレキシブル基板27を接続した短辺が遊技盤1014の開口端と一部が重なり合うように近接対向し、かつ、両液晶表示パネル1A、1Bのフレキシブル基板27と接続された反対側の短辺同士を近接対向させて液晶表示パネル1A、1Bの画像表示面が面一となった時点で、回転および前方への移動が停止する。このとき、液晶表示パネル1A、1Bの識別情報のプリントされた裏面を遊技盤1014の前面側に向けた状態よりも、液晶表示パネル1A、1Bは僅かに前側に位置している。
液晶表示パネル1A、1Bの後退移動が停止した以降のフレキシブル基板27は、図14に示すように、屈曲率が最大の状態から図16に示すように曲率が小さくなる方向に開いてゆく。すなわち、フレキシブル基板27は、液晶表示パネル1A、1Bの中心側から幅方向に開きながら伸長してゆく。フレキシブル基板27は、液晶表示パネル1A、1Bの表示演出用の表示面が遊技盤1014の前面に向けられたとき、回りの構造物と接触せず、かつ、過度のテンションによって破断しないように適度のテンションが付与される長さに設定されている。
なお、液晶表示パネル1A、1Bの表示演出用の表示面を遊技盤1014の前面側に向けた状態から識別情報のプリントされた裏面側の表示面への表示に切り替えるとき、上述と同じく各液晶表示パネル1A、1Bを遊技盤1014の奥側と手前側に往復移動させながら両液晶表示パネル1A、1Bを回転させる。ただし、各液晶表示パネル1A、1Bは、それぞれの回転方向が逆転する。すなわち、正転していた液晶表示パネル1Aは逆転し、逆転していた液晶表示パネル1Bは正転する。
上述のように、遊技者にとって有利な状態である大当たりや小当たりなどの所定の条件が成立したときに、第2液晶表示装置1030の液晶表示パネル1A、1Bを、裏面側の識別情報の表示から回転させて、動画による表示演出を実行可能となるので、遊技者が遊技に飽きることなく遊技機を継続することができる。すなわち、上述の構成によれば、遊技者の興趣性の向上を図ることができる。
<液晶表示パネルの構造>
図6は、本発明の実施の形態に係る第2液晶表示装置を構成する液晶表示パネルの概略構成を示す正面図、図7は、液晶表示パネルを構成するアクティブマトリックス基板の概略構成を示す正面図および図8は、液晶表示パネルを構成するアクティブマトリックス基板のゲートドライバの構成を示す概略構成図である。なお、図6ないし図8は、説明の便宜上、液晶表示パネル1Aを90度回転させ、端子側を下向きにしている。
液晶表示パネル1Aは、図6に示すよう、ソースドライバ3、表示制御回路4および電源5を有する。また、液晶表示パネル1Aは、アクティブマトリクス基板20A、対向基板20Bおよびこれら基板に挟持された液晶層(図示略)とを有する。
図6において図示を省略しているが、アクティブマトリクス基板20Aの下面側と対向基板20Bの上面側には、偏光板が設けられている。対向基板20Bには、ブラックマトリクス、赤(R)、緑(G)、青(B)の3色のカラーフィルタおよび共通電極(いずれも図示略)が形成されている。
液晶表示パネル1Aのアクティブマトリクス基板20Aは、ソースドライバ3と電気的に接続されている。
表示制御回路4は、液晶表示パネル1A、ソースドライバ3および電源5と電気的に接続されている。表示制御回路4は、ソースドライバ3と、アクティブマトリクス基板20Aに形成されている後述のゲートドライバ(ゲート線駆動部の一例)とに制御信号を出力する。制御信号には、液晶表示パネル1Aに画像を表示するためのリセット信号(CLR)、クロック信号(CKA,CKB)、データ信号などが含まれる。
電源5は、液晶表示パネル1A、ソースドライバ3および表示制御回路4と電気的に接続されており、各々に電源電圧信号を供給する。
<アクティブマトリクス基板の構成>
図7は、アクティブマトリクス基板20Aの概略構成を示す上面図である。
アクティブマトリクス基板20Aにおいて、X軸方向の一端から他端までゲート線13G群が一定の間隔で略平行に形成されている。
また、図7に示すように、ゲート線13G群と交差するようにソース線15S群が形成されている。ゲート線13Gとソース線15Sとで囲まれる領域が1つの画素を形成し、全面素領域が液晶表示パネル1Aの表示領域となる。
図8は、ソース線15Sの図示を省略したアクティブマトリクス基板20Aと、アクティブマトリクス基板20Aとが接続されている各部の概略構成を示す図である。
図8の例に示すように、ゲート線13Gの問、つまり、表示領域内には、ゲートドライバ11が形成されている。この例では、GL1(1)〜GL(n)の各ゲート線13Gには、4つのゲートドライバ11がそれぞれ接続されている。
アクティブマトリクス基板20Aの表示領域のうち、ソースドライバ3が設けられている辺側の額縁領域に端子部12g(第2端子部)が形成されている。端子部12gは、表示制御回路4および電源5と接続されている。端子部12gは、表示制御回路4および電源5から出力される制御信号(CKA、CKB)や電源電圧信号などの信号を受け取る。端子部12gに入力された制御信号(CKA、CKB)および電源電圧信号などの信号は、配線15L1を介して各ゲートドライバ11に供給される。
ゲートドライバ11は、供給される信号に応じて、接続されているゲート線13Gに対し、選択または非選択の状態を示す選択信号を出力するとともに、次段のゲート線13Gにセット信号を出力する。以下の説明では、1のゲート線13Gに選択信号を出力する動作を、ゲート線13Gの駆動と適宜に呼ぶ。
また、アクティブマトリクス基板20Aにおいて、ソースドライバ3が設けられている辺側の額縁領域には、ソースドライバ3と各ソース線15Sとを接続する端子部12S(第1端子部)が、形成されている。
ソースドライバ3は、表示制御回路4から入力される制御信号に応じて、各ソース線15S(図8参照)にデータ信号を出力する。
図8に示すように、本実施形態では、表示領域内において、GL(1)〜GL(n)の各ゲート線13Gに対し、複数のゲートドライバ11が接続されている。同一のゲート線13Gに接続されているゲートドライバ11は同期しており、これらゲートドライバ11から出力されるセット信号によって1本のゲート線13Gが同時に駆動される。本実施形態では、ゲートドライバ11の各々が1本のゲート線13Gを駆動する負荷が略均等となるように、略等間隔にゲート線13Gに接続されている。
<ゲートドライバの構成>
本実施形態におけるゲートドライバ11の構成について説明する。図18は、GL(nー1)とGL(nー2)のゲート線13Gとの間に配置され、GL(n−1)のゲート線13Gを駆動する1つのゲートドライバ11の等価回路の一例を示す図である。
図18に示すように、ゲートドライバ11は、スイッチング素子として薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)で構成されたTFT−A〜TFT−J、キャパシタCbst、端子111〜120およびローレベルの電源電圧信号が入力される端子群とを有する。
端子111、112は、前段のGL(n−2)のゲート線13Gを介してセット信号(S)を受け取る。なお、GL(1)のゲート線13Gに接続されているゲートドライバ11の端子111、112は、表示制御回路4から出力されるゲートスター卜パルス信号(S)を受け取る。端子113〜1115は、表示制御回路4から出力されるリセット信号(CLR)を受け取る。端子116、117は、入力されるクロック信号(CKA)を受け取る。端子118、119は、入力されるクロック信号(CKB)を受け取る。端子120は、セット信号(OUT)を後段のゲート線13Gに出力する。
クロック信号(CKA)とクロック信号(CKB)は、一水平走査期間毎に位相が反転する2相のクロック信号である(図33参照)。図18は、GL(n−1)のゲート線13Gを駆動するゲートドライバ11を例示しているがGL(n)を駆動する後段のゲートドライバ11の場合、端子116、117は、クロック信号(CKB)を受け取り、そのゲートドライバ11の端子118、1119は、クロック信号(CKA)を受け取る。つまり、ゲートドライバ11の端子116および117と端子118および119は、隣接する行のゲートドライバ11が受け取るクロック信号と逆位相のクロック信号を受け取る。
図18において、TFT−Bのソース端子、TFT−Aのドレイン端子、TFT−Cソース端子およびTFT−Fのゲート端子が接続されている配線をnetAと称する。また、TFT−Cのゲート端子と、TFT−Gのソース端子、TFT−Hのドレイン端子、TFT−Iのソース端子およびTFT−Jのソース端子が接続されている配線をnetBと称する。
TFT−Aは、2つのTFT(A1、A2)を直列に接続して構成されている。TFT−Aの各ゲート端子は端子113と接続され、A1のドレイン端子はnetAと接続され、A2のソース端子は電源電圧端子VSSに接続されている。
TFT−Bは、2つのTFT(B1、B2)直列に接続して構成されている。TFT−Bの各ゲート端子とB1のドレイン端子は端子111と接続され(ダイオード接続)、B2のソース端子はnetAに接続されている。
TFT−Cは、2つのTFT(C1、C2)を直列に接続して構成されている。TFT−Cの各ゲート端子はnetBと接続され、C1のドレイン端子はnetAと接続され、C2ソース端子は電源電圧端子VSSに接続されている。
キャパシタCbstは、一方の電極がnetAと接続され、他方の電極が端子120と接続されている。
TT−Dは、ゲート端子が端子118と接続され、ドレイン端子は端子120と接続され、ソース端子は電源電圧端子VSSに接続されている。
TFT−Eは、ゲート端子が端子114と接続され、ドレイン端子は端子120と接続され、ソース端子は電源電圧端子VSSに接続されている。
TFT−Fは、ゲート端子がnetAと接続され、ドレイン端子は端子116と接続され、ソース端子が出力端子120と接続されている。
TFT−Gは、2つのTFT(G1、G2)を直列に接続して構成されている。TFT−Gの各ゲート端子とG1のドレイン端子は端子119と接続され(ダイオード接続)、G2のソース端子はnetBに接続されている。
TFT−Hは、ゲート端子が端子117と接続され、ドレイン端子はnetBと接続され、ソース端子は電源電圧端子VSSに接続されている。
TFT−Iは、ゲート端子が端子115と接続され、ドレイン端子はnetBと接続され、ソース端子は電源電圧端子VSSに接続されている。
TFT−Jは、ゲート端子が端子112と接続され、ドレイン端子はnetBと接続され、ソース端子は電源電圧端子VSSに接続されている。
<ゲートドライバの全体レイアウト>
次に、表示領域におけるゲートドライバ11の各素子の配置について説明する。図19〜図21は、GL(n)とGL(n−1)、GL(nー1)とGL(n−2)のゲート線13Gとの間に配置されている1つのゲートドライバ11の配置例を示す図である。図19〜図21では、便宜上、GL(n)とGL(n−1)との間の画素領域211R〜217Bと、GL(nー1)とGL(nー2)との間の画素領域201R〜207Bとが分離されて記載されているが、GL(nー1)のゲート線13Gにおいて重ね合わされ、上下の画素領域は連続している。なお、画素領域を示す符号に含まれるR、G、Bは、対向基板20Bに形成されているカラーフィルタ(図示略)の色を示している。
図19〜図21に示すように、画素領域211R〜217B(以下、上段画素領域と称する)と画素領域201R〜207B(以下、下段画素領域と称する)のソース線15Sとゲート線13Gとが交差する近傍において、画像を表示するための画像表示用TFT(以下、TFT−PIXと称する)が形成されている。
また、上段画素領域と下段画素領域において、1つのゲートドライバ11を構成する素子(TFT−A〜TFT−J、キャパシタCbst)が分散して配置されている。これら画素領域のうち、クロック信号(CKA、CKB)、リセット信号(CLR)、電源電圧信号のいずれかの信号を受け取るスイッチング素子(TFT−A、C〜F、H〜J、Cbst)が配置される画素領域には、これら信号を供給するための配線15L1が形成されている。
配線15L1は、ソース線15Sと略平行となるように上段画素領域および下段画素領域にわたって形成されている。また、上段画素領域と下段画素領域において、netAおよびnetBの配線13Nが形成されている。
配線13Nは、上段画素領域および下段画素領域において、ゲート線13Gと略平行となるように、netAおよびねtBに接続される素子(TFT−A〜C、F、G〜J、Cbst)が配置される画素領域にわたって形成されている。
なお、本実施形態では、ゲートドライバ11のうち、TFT−D、TFT−F、TFT−HおよびTFT−Gのそれぞれに供給されるクロック信号が、隣接する行のゲートドライバ11のこれらTFTのそれぞれに供給されるクロック信号と逆位相となるように配置される。つまり、TFT−D、TFT−F、TFT−HおよびTFT−Gは、隣接する行のこれらTFTが形成される画素領域と水平方向にずれた画素領域に配置される。
具体的には、図19に示すように、上段画素領域のTFT―Dは、画素領域211Rと211Gに形成されているのに対し、下段画素領域のTFT−Dは、画素領域201Bと202Rとに形成されている。上段画素領域のTFT−Fは、画素領域213Gに形成されているのに対し、下段画素領域のTFT−Fは、画素領域203Rに形成されている。
また、図21に示すように、上段画素領域のTFT−Hは、画素領域215Gおよび215Bに形成されているのに対し、下段画素領域のTFT−Hは、画素領域206Rおよび206Gに形成されている。上段画素領域のTFT−Gは、画素領域216Gに形成されているのに対し、下段画素領域のTFT−Gは、画素領域205Bに形成されている。このように構成することで、上段画素領域のTFT−Dにはクロック信号(CKA)が供給され、下段画素領域のTFT−Dには、クロック信号(CKA)とは逆位相となるクロック信号(CKB)が供給される。TFT−FおよびTFT−Hについても、図19および図21に示すように、上段画素領域と下段画素領域とで逆位相のクロック信号(CKAまたはCKB)が供給される。
また、上段画素領域のTFT−BおよびTFT−Jは、GL(n−1)のゲ一卜線13Gと接続され、下段画素領域のTFT−BおよびTFT−Jは、GL(n−2)のゲート線13Gと接続されている。また、上段画素領域のTFT−DおよびTFT−Fは、GL(n)のゲート線13Gと接続され、下段画素領域のTFT−DおよびTFT−Fは、GL(n−1)のゲート線13Gと接続されている。下段画素領域に配置されたゲートドライバ11は、GL(n−2)のゲート線13Gを介してセット信号(S)を受け取り、GL(n)のゲート線13Gにセット信号(S)を出力してGL(n−1)のゲート線13Gを駆動する。上段画素領域に配置されたゲートドライバ11は、GL(n−1)のゲート線13Gを介してセット信号(S)を受け取り、GL(n+1)のゲート線13Gにセット信号(S)を出力してGL(n)のゲート線13Gを駆動する。
次に、ゲートドライバ11を構成する各素子の具体的な接続方法について説明する。図22は、図20に示したTTFT−Aが形成されている画素領域204Gおよび204Bの部分を拡大した平面図である。
TFT−AおよびTFT−H、I、Jは、2つの画素領域を用いて構成され、接続方法が共通しているため、TFT−Aを用いて説明を行う。なお、図22において、二点鎖線で示す領域BMは、対向基板20bに形成されているブラックマトリクス(図示略)によって遮光される領域(以下、遮光領域BMと称す)である。遮光領域BMは、ゲート線13G、ゲートドライバ11を構成する各素子およびソース線15Sが形成されている領域を含む。
図22に示すように、ゲート線13Gとソース線15Sとが交差する近傍には、画像表示用のTFT−PIXが形成されている。TTFT−PIXと画素電極17とはコンタク卜部CH1において接続されている。また、各画素領域には、ソース線15Sと略平行であり、ゲート線13Gと交差するように配線15L1が形成されている。画素領域204Gにおける配線15L1には電源電圧信号(VSS)が供給され、画素領域204Bにおける配線115L1にはリセット信号(CLR)が供給される。
TFT−Aのゲート端子13gは、画素領域204Bから画素領域204Gにわたって形成されている。画素領域204Gおよに204Bには、ソース線15Sおよび配線15L1と交差し、ゲート線13Gと略平行に配線13Nが形成されている。配線13Nは、上述したnetAおよびnetBの配線である。TFT−Aは、画素領域204Bのコンタク卜部CH2において配線15L1と接続され、画素領域204Gのコンタク卜部CH2において配線13Nと接続されている。また、本実施形態では、画素電極17と、TFT−Aと配線13Nおよび15L1との間にはシールド層16が形成されている。
ここで、図22におけるTFT−PIXの部分をI一I線で切断した断面図を図23に示し、コンタクト部CH1をII−II線で切断した断面図を図24に示す。また、図22におけるTFT−Aの部分をIII−III線で切断した断面図を図25に示し、コンタク卜部CH2をIV−IV線で切断した断面図26Dに示す。
図23、25および26に示すように、基板20上にゲート配線層13が形成されることにより、ゲート線13Gと、TFT−Aのゲート端子13gと、配線13Nとが形成される。図23および図25に示すように、ゲート配線層13の上層において、TFT−PIXが形成される部分とTFT−Aが形成される部分には、ゲート絶縁膜21を介して酸化物半導体からなる半導体層14が形成されている。また、半導体層14が形成された基板20上には、半導体層14の上部で離間するようにソース配線層15が形成されている。これにより、図23〜図25に示すように、ソース線15SとTFT−PIXのソースードレイン端子15SDと、TFT−Aのソースードレイン端子15sd(15sd1、15sd2を含む)と、配線15L1とが形成される。
図26に示すように、画素領域204Bのコンタク卜部CH2においては、ゲート配線層13の表面まで貫通するコンタクトホールH2がゲート絶縁膜21に形成されている。ソース配線層15(15L1)は、コンタクトホールH2においてゲート配線層13(13g)と接するようにゲート絶縁膜21上に形成されている。これにより、画素領域204Bのコンタク卜部CH2において、TFT−Aのゲート端子13gと配線15L1とが接続される。また、画素領域204Gのコンタク卜部CH2においても同様に、ソース配線層15で構成されたTFT−AのA1側のドレイン端子15sd1と、ゲート配線層13で構成された配線13Nとが接続される。これにより、TFT−Aは、netAと接続され、配線15L1を介してリセット信号(CLR)が供給される。
また、図23〜図26に示すように、ソース配線層15の上層には、ソース配線層15を覆うように保護層22と保護層23とが積層されている。保護層22は、例えばSiO2等の無機絶縁膜で構成されている。保護層23は、例えば、ポジ型の感光性樹脂膜などの有機絶縁膜で構成されている。さらに、図23〜図26に示すように、保護層23の上層にはシールド層16が形成されている。シールド層16は、例えばITOなど透明導電膜で構成されている。そして、シールド層16の上層には、例えばSiO2などの無機絶縁膜で構成されている層間絶縁層24が形成されている。層間絶縁層24の上層には、図25および図26に示すように、ITOなどの透明導電膜からなる画素電極17が形成されている。
図24に示すように、コンタク卜部CH1においては、TFT−PIXのドレイン端子15Dの上部において、層間絶縁層24とシールド層16と保護層22、23とを貫通するコンタクトホールH1が形成されている。画素電極17は、コンタクトホールH1においてドレイン端子15Dと接するように層間絶縁層24の上層に形成されている。シールド層16の形成によって、画素電極17とシールド層16との間に容量Csが形成され、容量Csによって画素電極17の電位が安定化される。
このように、TFT−Aと、TFT−Aと接続される配線13Nおよび配線15L1とが2つの画素領域にわたって形成されることにより、TFT−Aの1つの画素領域に2本の配線を形成する場合と比べて開口率の低下が抑制される。また、画素電極17とTFT−Aと配線13Nおよび配線15L1との間にシールド層16が形成されているので、TFT−Aなどと画素電極17との間の干渉が低減される。
<TFT−B>
次に、TFT−Bの接続方法について説明する。図27は、図20に示した画素領域204Rを拡大した平面図である。図8Aにおいて遮光領域BMの図示は省略されている。図27に示すように、画素領域204Rには、上述した画素領域204Gと同様に、コンタク卜部CH1においてTFT−PIXと画素電極17とが接続されている。また、ソース配線層15によって、TFT−Bのソースードレイン端子15sd(15sd1、15sd2含む)が形成されている。ゲート配線層13によって、TFT−Bのゲート端子139と、GL(n−2)のゲート線13Gおよび配線13Nが形成されている。
B1側のドレイン端子15sd1は、GL(n−2)のゲート線13Gおよび配線13Nと交差するように形成されている。コンタクト部CH3およびCH4には、上述のコンタク卜部CH2と同様にゲート配線層13とソース配線層15とを接続するためのコンタクトホールH2がゲート絶縁膜21に形成されている。
ドレイン端子15sd1は、コンタク卜部CH3において、GL(n−2)のゲート線13Gと接続され、コンタク卜部CH4において、ゲート端子139と接続されている。また、B2側のソース端子15sd2は、コンタク卜部CH2において配線13Nと接続されている。これにより、TFT−Bは、netAに接続され、GL(n−2)のゲート線13Gを介してセット信号(S)を受け取る。
<TFT−C>
次に、TFT−Cの接続方法について説明する。図28は、図20に示した画素領域205Rを拡大した平面図である。図28において遮光領域BMの図示は省略されている。図28に示すように、画素領域205Rには、上述した画素領域204Gおよび204Bと同様に、コンタク卜部CH1においてTFT−PIXと画素電極17とが接続されている。また、ゲート配線層13により、TFT−Cのゲート端子139と、ゲート線13Gおよび配線13N(13Na、13Nb)とが形成されている。ソース配線層15により、TFT−Cのソースードレイン端子15sd(15sd1、15sd2含む)と配線15L1とが形成されている。コンタクト部CH2において、C1側のドレイン端子15sd1,と配線13Naは接続されている。TFT−Cは、配線13NaによりnetAと接続され、配線13NbによりnetBと接続される。また、TFT−Cは、配線15L1を介して電源電圧信号(VSS)が供給される。
<TFT−F>
次に、TFT−Fの接続方法について説明する。図29は、図19に示した画素領域203Rを拡大した平面図である。図29において遮光領域BMの図示は省略されている。図29に示すように、画素領域203Rには、画素領域204Gおよび204Bと同様に、コンタク卜部CH1においてTFT−PIXと画素電極17とが接続されている。また、ゲート配線層13により、TFT−Cゲート端子13gと、ゲート線13Gおよび配線13Nとが形成されている。ソース配線層15により、TFT−Fのソース端子15sおよびドレイン端子15dと配線15L1とが形成されている。
コンタク卜部CH5には、上述したコンタク卜部CH2と同様にゲート配線層13とソース配線層15とを接続するコンタクトホールH2が形成されている。コンタクト部CH5において、TFT−Fのソース端子15SとGL(n−1)のゲート線13Gとが接続され、TFT−Fのゲート端子はnetAと接続される。TFT−Fのドレイン端子は、配線15L1を介してクロック信号(CKA)が供給される。また、TFT−Fは、コンタク卜部CH5を介してGL(n−1)のゲート線13Gにセット信号を出力する。
<TFT−G>
次に、TFT−Gの接続方法について説明する。図30は、図21に示した画素領域205Bを拡大した平面図である。図30において遮光領域BMの図示は省略されている。図30に示すように、画素領域205Bには、画素領域204Gおよび204Bと同様に、コンタク卜部CH1においてTFT−PIXと画素電極17とが接続されている。また、ゲート配線層13により、TFT−Gのゲート端子13gと、ゲート線13Gおよび配線13Nが形成されている。ソース配線層15により、TFT−Gのソースードレイン端子15sd(15sd1、15sd2含む)と配線15L1とが形成されている。コンタク卜部CH2において、TFT−GのG2側のソース端子15sd2は配線13Nと接続されている。また、TFT−Gのゲート端子13gは、コンタク卜部CH4において、G1側のドレイン端子15sd1および配線15L1と接続されている。これにより、TFT−Gは、netBと接続され、配線15L1を介してクロック信号(CKB)が供給される。
<Cbst>
次に、キャパシタCbstの接続方法について説明する。図31は、図22に示した画素領域203Bを拡大した平面図である。図31において遮光領域BMの図示は省略されている。画素領域203Bには、上述した画素領域204Gおよび204Bと同様に、コンタク卜部CH1においてTFT−PIXと画素電極17とが接続されている。また、ゲート配線層13により、キャパシタCbstを構成する一方の電極13cと、ゲート線13Gおよび配線13Nとが形成されている。ソース配線層15により、キャパシタCbstの他方の電極15ccと、接続部15Lcと、配線15L2とが形成されている。図31に示すように、接続部15Lcは、配線13Nと略同じ幅を有し、電極15cからコンタクト部CH2まで延伸されて形成され、コンタク卜部CH2において配線13Nと接続されている。また、配線15L2は、接続部15Lcのコンタクト部CH2側の端部からコンタク卜部CH1の近傍まで延伸されて形成されている。本実施形態では、配線15L2を形成することにより、キャパシタCbstが形成される画素領域の開口率と他の画素領域との開口率を合わせるようにしている。コンタクト部CH2において、電極15cは接続部15Lcによって配線13Nと接続されている。これにより、キャパシタCbstは、netAと接続される。
<TFT−D、E>
次に、TFT−DおよびTFT−Eの接続方法について説明する。TFT−DとTFT−Eは、上述したTFT−Aと同様、隣接する2つの画素領域にわたってゲート端子13gが形成され、一方の画素領域に形成された配線15L1とゲート端子13gが接続されている。TFT−DおよびTFT−Eは、ゲート端子に供給される信号がリセット信号(CLR)であるかクロック信号(CKA)であるかの違いであるため、以下、TFT−Dの接続方法についてのみ説明する。
図32は、図19に示した画素領域201Bおよび202Rを拡大した平面図である。図32において遮光領域BMの図示は省略されている。画素領域201Bおよび202Rは、上述した画素領域204Gおよび204Bと同様、ソース配線層15により、TFT−Dのソース端子15sおよびドレイン端子15dと配線15L1とが形成されている。ドレイン端子15dは、画素領域201Bにおけるコンタク卜部CH5において、GL(n−1)のゲート線13Gと接続されている。TFT−Dは、画素領域201Bおよび202Rにおける配線15L1を介して電源電圧信号(VSS)、クロック信号(CKA)が供給され、クロック信号(CKA)がHレベルになるタイミングでコンタク卜部CH5を介してGL(n−1)のゲート線13GにLレベルの電位(VSS)を出力する。
以上が、ゲートドライバ11の構成および各素子の接続例である。なお、TFT−B〜TFT−E、TFT−F、TFT−G、キャパシタCbst、TFT−Dが形成される画素領域において説明を省略したが、TFT−Aが形成される画素領域と同様、これら画素領域についてもソース配線層15の上層に、保護層22および23、シールド層16、層間絶縁膜24、画素電極17が積層されている。
<ゲートドライバ11の動作>
次に、図18および図33を参照しながら、1つのゲートドライバ11の動作について説明する。図18は、ゲートドライバ11がゲート線13Gを走査する際のタイミングチャー卜である。図18において、t3からt4の期間がGL(n)のゲート線13Gが選択されている期間である。表示制御回路4から供給される、一水平走査期間毎に位相が反転するクロック信号(CKA)とクロック信号(CKB)とが端子116〜119を介してゲートドライバ11に入力される。また、図18では図示を省略しているが、一垂直走査期間毎に一定期間H(High)レベルとなるリセット信号(CLR)が表示制御回路4から端子113〜115を介してゲートドライバ11に入力される。リセット信号(CLR)が入力されると、netA、netB、ゲート線13GはL(Low)レベルに遷移する。
図18に示す時刻t0からt1において、Lレベルのクロック信号(CKA)が端子116、117に入力され、Hレベルのクロック信号(CKB)が端子118、119に入力される。これにより、TFT−Gがオン状態となり、TFT−Hがオフ状態となるためnetBはHレベルに充電される。また、TFT−CとTFT−Dがオン状態となり、TFT−Fがオフ状態となるためnetAはLレベルの電源電圧(VSS)で充電され、端子120からLレベルの電位が出力される。
次に、時刻t1において、クロック信号(CKA)がHレベルとなり、クロック信号(CKB)がLレベルになると、TFT−Gがオフ状態となり、TFT−Hがオン状態となるため、netBはLレベルに充電される。そして、TFT−CとTFT−Dがオフ状態となるためnetAの電位はLレベルに維持され、端子120はLレベルの電位を維持する。
時刻t2において、クロック信号(CKA)がLレベル、クロック信号(CKB)がHレベルとなり、GL(n−1)のゲート線13Gを介してセット信号(S)が端子111、112に入力される。これにより、TFT−Bがオン状態となり、netAがHレベルに充電される。また、TFT−Jがオン状態となり、TFT−Gがオン状態、TFT−Hがオフ状態となるので、netBLレベルに維持された状態となる。TFT−CとTFT−Fはオフ状態となるため、netAの電位は下がらずに維持される。この間、TFT−Dはオン状態となっているので、端子120からLレベルの電位が出力される。
時刻t3において、クロック信号(CKA)がHレベルとなり、クロック信号(CKB)がLレベルとなると、TFT−Fがオン状態となり、TFT−Dオフ状態となる。netA端子120の間にはキャパシタCbstが設けられているので、TFT−Fの端子116の電位の上昇に伴って、netAはクロック信号(CKA)のHレベルより高い電位まで充電される。この間、TFT−GとTFT−Jがオフ状態、TFT−Hがオン状態となるので、netBの電位はLレベルで維持される。TFT−Cはオフ状態であるのでnetAの電位は下がらず、クロック信号(CKA)のHレベルの電位が端子120から出力される。これにより、端子120と接続されているGL(n)のゲート線13GはHレベルに充電され、選択された状態となりGL(n+1)の端子111、112にセット信号(S)が出力される。
時刻t4において、クロック信号(CKA)がLレベルとなり、クロック信号(CKB)がHレベルになると、TFT−Gがオン状態となり、TFT−Hがオフ状態となるのでnetBはHレベルに充電される。これによりTFT−Cはオン状態となりnetAはLレベルに充電される。この間、TFT−Dがオン状態、TFT−Fがオフ状態となるため、端子120からLレベルの電位が出力され、GL(n)のゲート線13GはLレベルに充電される。
このように、ゲートドライバ11の端子120からセット信号(S)がゲ一卜線13Gに出力されることにより、そのゲート線13Gが選択された状態となる。液晶表示装置1は、各ゲート線13Gに接続されている複数のゲートドライバ11によってゲート線13Gを順次走査し、ソースドライバ3によって各ソース線15Sにデータ信号を供給することにより表示パネル2に画像を表示する。
上述した第1実施形態では、表示領域内において、1本のゲート線13Gを駆動する複数のゲートドライバ11がゲート線13Gの間に形成されている。そのため、表示パネル2の外形の幅に応じて、ゲート線13Gの長さが決められている場合でも、各々のゲート線13Gは、表示領域内のゲートドライバ11から出力されるセット信号によって順次選択される。
また、各ゲートドライバ11に対して供給されるクロック信号や電源電圧信号などの制御信号は、表示パネル2において、ソースドライバ3が設けられている1辺の側から入力される。そのため、ソースドライバ3が設けられていない他の3辺の額縁領域について狭額縁化を図ることができ、ゲートドライバ11の配置によって表示パネル2の外形のデザインが制限されず、設計の自由度を向上させることができる。
<遊技盤>
次に、遊技盤1014の構成について説明する。図3は、本実施形態に係る遊技機における遊技盤の正面図である。図34は、本実施形態に係る遊技機の遊技盤の裏面側におけるスイッチ類の配置を示す概略図である。図35は、本実施形態に係る遊技機におけるLEDユニットの正面図である。
遊技盤1014は、例えばベニヤ板などの不透光性材料により構成されている。そのため、遊技者は、遊技盤1014に形成された孔以外からは、表示領域1103を視認できない。また、この孔の部分に、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂などの透光性を有する樹脂等から構成された平板を設置することとしてもよい。
また、透光性を有さない遊技盤1014にこのような孔が形成されるのではなく、透光性を有する材料により遊技盤1014で構成してもよい。例えば、遊技盤1014の略中央付近において第1液晶表示装置1013および第2液晶表示装置1030の表示領域1103に対応する位置以外に不透光性のシートを貼り付ける。なお、透光性を有する材料は、上述したように例えばアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂などの樹脂等とすればよい。これにより、遊技者は、不透光性のシートが貼り付けられていない箇所から表示領域1103を視認することができる。
遊技盤1014は、保護ガラス1019の後方に位置するように、ベースドア1015の前方に配設されている。この遊技盤1014は、発射された遊技球が転動流下可能な遊技領域1140を有している。この遊技領域1140は、ガイドレール1031(外レール)に囲まれ、複数の遊技釘が打ち込まれたものである。
図3に示すように、遊技盤1014には、ガイドレール1031、1032、ステージ1033、第1始動口1034、第2始動口1035、通過ゲート1036、第1および第2保留表示部1037、1038、大入賞口1039、開閉扉1040、および一般入賞口1041、1042、1043、1044、およびLEDユニット1005が設けられている。
ガイドレール1031、1032は、外レール1031および内レール1032を備えている。外レール1031は、遊技領域1140を区画(画定)するために遊技領域1140を囲むように配置されている。内レール1032は、外レール1031とともに遊技球を遊技盤1014の上部に案内するためのものであり、遊技盤1014の左側において外レール1031の内側に配設されている。
ステージ1033(第2液晶表示装置の上部に設ける)は、遊技領域1140における遊技球の流下領域を振り分けるものであり、遊技盤1014の上部に設けられている。すなわち、第2液晶表示装置1030の上部に設けられている。発射装置1012によって発射された遊技球は、遊技盤1014に打ち込まれた遊技釘(図示せず)、ステージ1033などとの衝突により、その進行方向を変えながら遊技盤1014を流下する。この過程において、第1始動口1034、第2始動口1035、通過ゲート1036、大入賞口1039、あるいは一般入賞口1041〜1044に、遊技球が入賞し、入賞しなかった遊技球はアウト口1045から排出される。遊技球は、発射ハンドル1122の回動角度が小さい場合には遊技球に与えられる打ち出し力が小さいために主としてステージ1033の左側を流下する一方で、発射ハンドル1122の回転角度が大きい場合には遊技球に与えられる打ち出し力が大きいために主としてステージ1033の右側を流下する。一般に、ステージ1033の左側に遊技球を流下させる打ち方は左打ち、ステージ1033の右側に遊技球を流下させる打ち方は右打ちと呼ばれている。
第1始動口1034および第2始動口1035は、遊技球の入賞(通過)を条件に大当り抽選の契機を与えるとともに、図35に示すLEDユニットに、大当り抽選の結果を第1特別図柄表示部1052および第2特別図柄表示部1053や第1液晶表示装置1013において表示させる契機を与えるものである。
第1始動口1034は、遊技盤1014の中央やや下方位置に設けられている。第1始動口1034の後方には、図36に示すように、第1始動口スイッチ1340が配置されている。第1始動口スイッチ1340によって遊技球が検出された場合、遊技機の内部(図2の基板ユニット1017)において大当り抽選が行われるとともに、予め設定されている数の遊技球が払出口1113または払出口1114を介して上皿1111または下皿1112に払い出される。
第2始動口1035は、第1始動口1034の直下に設けられており、その後方に第2始動口スイッチ1350が配置されている。第2始動口スイッチ1350によって遊技球が検出された場合、遊技機1001の内部(図1の基板ユニット1017)において大当り抽選が行われるとともに、予め設定されている数の遊技球が払出口1113または払出口1114を介して上皿1111または下皿1112に払い出される。この第2始動口1035は、普通電動役物としての羽根部材1046によって入賞困難性が決定される。
羽根部材1046は、左右方向に回動するものであり、第2始動口1035への遊技球の入賞を可能とする開放状態と、第2始動口1035への遊技球の入賞を不可能または困難とする閉鎖状態と、を選択可能とするものである。羽根部材1046は、後述する普通図柄表示部1050において所定の図柄で停止表示(点灯・消灯の組み合わせ)されたときに、所定の時間、所定の回数だけ開放状態となり、第2始動口1035に遊技球が入りやすくなる。
例えば、普通図柄ゲームにおいて、低確率状態(通常状態)における当り確率は、例えば1/256であり、これに当選した場合に、羽根部材1046が0.3秒間、1回開放する。高確率状態(時短状態)における当り確率は、例えば255/256であり、これに当選した場合に、羽根部材1046が1.3秒間、3回開放する。また、普通図柄ゲームの1回の当り遊技に対する第2始動口1035への最大入賞カウント数は8カウントである。
なお、普通電動役物は、羽根部材1046を左右に回動させるものに限らず、例えば、舌状部材が遊技盤1014の前後に移動するもの、あるいは遊技盤1014の前後に回動して第2始動口1035を開閉する開閉扉であってもよい。
通過ゲート1036は、第2始動口1035を開放するための普通図柄抽選を行う契機を与えるものであり、遊技盤1014の左側および右側の中央位置に設けられている。この普通図柄抽選の結果は、後述する普通図柄表示部1050において表示される。後述の普通図柄表示部1050において特定の図柄が停止表示された場合には、普通図柄抽選の結果が当選であることを遊技者に把握させる演出画像が液晶表示装置1013の表示領域1103に表示されるようにしてもよい。
遊技機1001では、大当り遊技終了後に、通常状態、あるいは大当り確率が通常状態よりも高くなる確率変動状態に移行する。確率変動状態では、普通図柄抽選の当選確率が高確率状態となるため、普通電動役物としての羽根部材1046のサポートによって第2始動口1035への入賞が容易となる。この状態は、「電サポ」と呼ばれる状態であり、特別図柄ゲームの保留球が貯まりやすくなるとともに、第2始動口1035への入賞により遊技球の目減りを抑制することができる。「電サポ」状態は、次に大当りに当選するまで継続するため、遊技者は短時間で、しかも遊技球の減少が抑制された状態で大当りに当選することが可能となる。
一方、大当り遊技終了後に大当り確率が通常状態とされる場合にも、「電サポ」状態に移行する。この場合の「電サポ」状態は、所定回数分(例えば100回分)の大当り抽選の結果を、特別図柄表示部1052、1053において表示するまで継続する。このような有限回数の「電サポ」状態は、「時短状態」と呼ばれている。
第1および第2保留表示部1037、1038は、後述する第1または第2特別図柄表示部1052、1053が変動表示しているときに、第1または第2始動口スイッチ1340、1350によって遊技球が検出された場合、第1または第2特別図柄表示部1052、1053において変動表示中の第1または第2特別図柄が停止表示されるまで、第1または第2始動口1034、1035への遊技球の入球に基づく第1または第2特別図柄の変動表示の実行(開始)が保留される。変動表示していた第1または第2特別図柄が停止表示された場合には、保留されていた第1または第2特別図柄の変動表示が開始される。ここで、第1および第2特別図柄の変動表示の優先順位は、本実施形態では、第2特別図柄のほうが第1特別図柄よりも高い。なお、第1および第2始動口1034、1035への入賞順にしたがって、対応する第1および第2特別図柄を順次変動表示させるようにしてもよい。
ここで、特別図柄の変動表示の実行が保留される回数には上限が設定されている。本実施形態においては、第1始動口1034および第2始動口1035への入球による第1および第2特別図柄の変動表示の保留数は、それぞれ最大で4個としている。したがって、第1および第2特別図柄の双方、すなわち第1始動口1034および第2始動口1035への入賞保留数は、合計で最大8個となる。第1特別図柄に対する第1特別図柄ゲームが4回分保留されている場合には、変動中の第1特別図柄に対応する特別図柄ゲームの情報が、メインRAM1062(図10参照)の第1特別図柄始動記憶領域(0)に始動記憶として記憶され、保留されている4回分の特別図柄ゲームの情報は、第1特別図柄始動記憶領域(1)〜第1特別図柄始動記憶領域(4)に始動記憶として記憶される。第2特別図柄ゲームについても同様に、4回分保留されている場合には、変動中の第2特別図柄に対応する第2特別図柄ゲームの情報が、メインRAM1062(図36参照)の第2特別図柄始動記憶領域(0)に始動記憶として記憶され、保留されている4回分の第2特別図柄ゲームの情報は、第2特別図柄始動記憶領域(1)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)に始動記憶として記憶される。
なお、第1および第2保留表示部1037、1038に代えて、あるいは第1および第2保留表示部1037、1038に加えて、第1液晶表示装置1013において、第1始動口1034への入賞の保留、および第2始動口1035への入賞の保留を表示するようにしてもよい。
大入賞口1039は、遊技者に有利な遊技状態である特別遊技状態(大当り遊技状態または小当り遊技状態)のときに開放される部分であり、第1始動口1034の直下に設けられている。この大入賞口1039には、カウントスイッチ1390(図35参照)が設けられている。このカウントスイッチ1390は、大入賞口1039への遊技球の入賞数をカウントするためのものであり、遊技球の入賞が確認されると、予め設定されている数の遊技球が払出口1113または払出口1114を介して上皿1111または下皿1112に払い出される。
開閉扉1040は、大入賞口1039を開放状態あるいは閉鎖状態に制御するものであり、大入賞口1039を覆うように配置されている。すなわち、開閉扉1040は、大入賞口1039に遊技球の入賞が可能な開放状態、および、遊技球の入賞が不可能または困難な閉鎖状態、に変化するように駆動される。開閉扉1040による大入賞口1039の開閉駆動は、後述する第1特別図柄表示部1052または第2特別図柄表示部1053において特別図柄が特定の停止表示態様となって、大当り遊技状態または小当り遊技状態に移行された場合に行われる。
ここで、大当り遊技状態には、通常状態よりも遊技球を獲得できる状態(出玉あり大当り遊技状態)と、実質的に遊技球を獲得できない状態(出玉なし大当り遊技状態)とが含まれる。本実施形態では、出玉なし大当り遊技状態の終了後は、大当り当選確率が通常状態よりも高い確率変動状態に移行する。このような出玉なし大当り遊技状態の終了後に確率変動遊技状態に移行させる大当り遊技状態を、突然確率変動という。この突然確率変動は、「突然確変」あるいは「突確」とも呼ばれる。
また、小当り遊技状態は、開閉扉1040は開放するものの、開閉扉1040の開閉速度が速く、実質的に遊技球を獲得できない状態である。小当りにおける開閉扉1040の開閉動作は、上述の出玉なし大当り遊技状態における開閉扉1040の開閉動作と同一または類似することとしてもよい。これにより、遊技者は、開閉扉1040の開閉動作を確認しただけでは、どちらの当りが成立したか区別することは困難である。
開閉扉1040による大入賞口1039の開放状態は、カウントスイッチ1390(図36参照)によるカウント値(遊技球の通過数)が所定個数(例えば7個)となるか、あるいは開放時間が所定時間(例えば約25秒または0.1秒)を経過するまで維持される。一方、遊技球の通過数が所定数となった場合、または開閉扉1040の開放時間が所定時間となった場合には、開閉扉1040は大入賞口1039を閉鎖するように駆動される。
大当り遊技状態では、大入賞口1039の開放状態と閉鎖状態が繰り返される。本実施形態での大当り遊技状態は、大入賞口1039の開放状態が15回または2回に設定されている。大当り遊技状態において、大入賞口1039が開放状態とされている遊技状態は「ラウンドゲーム」といい、大入賞口1039が開放状態から閉鎖状態にされてから次に大入賞口1039が開放状態とされるまでの大入賞口1039の閉鎖状態を「ラウンド間ゲーム」あるいは「インターバル」という。
ラウンドゲームは、1ラウンド、2ラウンド等のラウンド数として計数される。例えば、ラウンドゲームの1回目を第1ラウンド(1R)、2回目を第2ラウンド(2R)と呼称する場合がある。本実施形態では、大当り遊技状態での大入賞口1039の開放回数は15回または2回であるが、開放回数が15回の大当りを「15R大当り」、開放回数が2回の大当りを「2R大当り」と呼ぶこともできる。
「15R大当り」は、各ラウンドにおける大入賞口1039の最大開放時間が比較的長い時間、例えば約25秒に設定されている。そのため、「15R大当り」となった場合には、遊技者は多くの遊技球を獲得することができる。
一方、「2R大当り」は、各ラウンドにおける大入賞口1039の開放時間を15R大当りよりも短い時間、例えば0.1秒程度に設定され、実質的に遊技球の獲得が困難とされている。すなわち、「2R大当り」は、「15R大当り」に比べて、大入賞口1039の最大合計開放時間が短く設定されている。この場合、開閉扉1040による大入賞口1039の開閉制御を小当り状態と同一または類似とし、遊技者に「2R大当り」と「小当り」の区別が困難となるようにしてもよい。
また、「2R大当り」は、各ラウンドにおける大入賞口1039の開放時間を「15R大当り」と同程度の時間に設定し、大入賞口1039の開放状態での遊技球の入賞を容易として一定数の遊技球を獲得可能なように構成してもよい。また、「2R大当り」として、一定数の遊技球が獲得できる「第1の2R大当り」と遊技球を実質的に獲得できない「第2の2R大当り」とを併用してもよい。
なお、大入賞口1039の開放回数は15R大当り(第1の15R大当り)と同じであるが、大入賞口1039の開放時間が短く実質的に遊技球を獲得できない15R大当り(第2の15R大当り)を設け、第2の15R大当りにおける大入賞口1039の開放制御と同一または類似する小当りを設けて、第2の15R大当りおよび小当りの何れかが成立したかが大入賞口1039の開放態様からでは、判別困難または判別不可能としてもよい。また、第2の15R大当り後は、第2の15R大当り前の遊技状態に関わらず、確変状態に移行してもよいし、通常状態に移行してもよい。
一般入賞口1041〜1044は、遊技球の入賞を条件に規定個数の遊技球を払い出させる役物である。これらの一般入賞口1041〜1044は、装飾部材を配置することにより遊技盤1014の左下部および右下部にそれぞれ2個ずつ形成されている。一般入賞口1041〜1044に遊技球が入賞したときには、予め設定されている数の遊技球が払出口1113または払出口1114を介して上皿1111または下皿1112に払い出される。
また、図34に示すように、上述した第1始動口1034、第2始動口1035、大入賞口1039、一般入賞口1041〜1044の後方には、それぞれ、第1始動口スイッチ1340、第2始動口スイッチ1350、一般入賞口スイッチ1410、1420、1430、1440が配設され、通過ゲート1036の内部には通過ゲートスイッチ1360が配設され、それぞれの入球または通過が検知される。また、開閉扉1040および羽根部材1046の後方には、それぞれ、大入賞口ソレノイド1400および普通電動役物ソレノイド1460が配設され、それぞれの可動部材の駆動が行われる。
図35に示すように、LEDユニット1005は、普通図柄表示部1050、普通図柄用保留表示部1051、第1特別図柄表示部1052、第2特別図柄表示部1053、第1特別図柄用保留表示部1054、および第2特別図柄用保留表示部1055を有している。
普通図柄表示部1050は、普通電動役物(羽根部材1046(図3および図34参照))を駆動して第2始動口1035を開放するか否かを決定する「普通図柄ゲーム」に対する抽選結果を表示するものであり、2つのLEDランプ1501、1502を含んでいる。LEDランプ1501、1502は、交互に点灯・消灯を繰り返すことによって普通図柄として変動表示された後、停止表示される。羽根部材1046(図3および図34参照)は、普通図柄表示部50におけるLEDランプ1501、1502の点灯・消灯の組み合わせが所定の態様となったときに、羽根部材1046(図3および図34参照)を所定のパターンで開閉駆動して、第2始動口1035の入球困難性の選択を行う。
普通図柄用保留表示部1051は、2つのLEDランプ1511、1512の点灯、消灯または点滅によって保留されている普通図柄の変動表示の実行可能回数を表示するものである。LEDランプ1511、1512による保留表示は、例えば保留数が「1」の場合にはLEDランプ1511が点灯し、LEDランプ1512が消灯する。保留数が「2」の場合にはLEDランプ1511およびLEDランプ1512ともに点灯し、保留数が「3」の場合にはLEDランプ1511が点滅し、LEDランプ1512が点灯し、保留数が「4」の場合にはLEDランプ1511およびLEDランプ1512ともに点滅する。
第1および第2特別図柄表示部1052、1053は、「特別図柄ゲーム」に対する大当り抽選の結果を示すものであり、それぞれ8個のLEDランプ1520、1530を含んでいる。第1特別図柄表示部1052は、第1始動口1034への始動入賞を契機として変動表示を行うとともに、第1始動口1034への入賞に基づく大当り抽選結果を表示するものである。第2特別図柄表示部1053は、第2始動口1035への始動入賞を契機として変動表示を行うとともに、第2始動口1035への入賞に基づく大当り抽選結果を表示するものである。第1および第2特別図柄表示部1052、1053の変動表示は、各LEDランプ1520、1530が個別に点灯・消灯を繰り返すことにより行われる。大当り抽選の結果は、第1および第2特別図柄表示部1052、1053の8つのLEDランプ1520、1530の点灯・消灯によって形成される表示パターン(特別図柄)によって表示される。例えば、第1および第2特別図柄表示部1052、1053のそれぞれを構成する8つのLEDランプ1520、1530のいずれか一方においてすべてが点灯した場合に「15R確変大当り」、8つのLEDランプ1520、1530のいずれか一方において上部3つが点灯し、残りのランプが消灯した場合に「15R通常大当り」、8つのLEDランプ1520、1530のいずれか一方において下部3つが点灯し、残りのランプが消灯した場合に「突然確変大当り」、8つのLEDランプ1520、1530のいずれか一方において中部2つが点灯し、残りのランプが消灯した場合に「小当り」、8つのLEDランプ1520、1530のいずれか一方において最上部1つが点灯し、残りのランプが消灯した場合に「ハズレ」の表示パターンとすることができる。第1および第2特別図柄表示部1052、1053は、大当り抽選結果を表示するものであるため、遊技者は8つのLEDランプ1520、1530の表示パターンによって突然確変(例えば下部3つのランプが点灯)と小当り(中部2つのランプが点灯)とを判別することができる。なお、8つのLEDランプ1520、1530の点灯・消灯の組み合わせと、それに対応する大当り抽選の結果は、これらの例には限定されず、種々に変更可能である。
また、ラウンドランプを設け、15R大当りが発生した場合には15R用のラウンドランプが点灯し、2R大当りが発生した場合には2R用のラウンドランプが点灯することとし、どのラウンドの大当りが発生したかわかるようにしてもよい。
大当り抽選に当選した場合には、特別図柄が特定の停止表示態様に停止表示された後、通常遊技状態から遊技者に有利な状態である当り遊技状態(特別遊技状態)に遊技状態が移行させられる。この当り遊技状態となった場合には、上述のように開閉扉1040(図3および図34参照)が駆動制御され、大入賞口1039(図3および図34参照)が開放状態とされて遊技球が受け入れ可能な状態となる。一方、大当り当選しなかった場合(小当りを除く)には、特別図柄として、ハズレ図柄が停止表示されて遊技状態が維持される。また、小当りに当選した場合には、小当りに対応する表示パターンに特別図柄が停止表示され、所定のパターンで開閉扉1040が駆動される。
第1液晶表示装置1013の表示領域1103では、第1特別図柄表示部1052および第2特別図柄表示部1053において表示される特別図柄と関連する演出画像が表示される。例えば、第1特別図柄表示部1052および第2特別図柄表示部1053で表示される特別図柄の変動表示中においては、特定の場合を除いて、液晶表示装置1013の表示領域1103において、数字からなる識別図柄(装飾図柄)、例えば、「0」、「1」、「2」・・・「9」のような数字が3列変動表示される。一方、第1特別図柄表示部1052(図35参照)および第2特別図柄表示部1053(図35参照)において変動表示されていた特別図柄が停止表示されるとともに、液晶表示装置1013の表示領域1103でも装飾図柄が停止表示される。
また、第1特別図柄表示部1052および第2特別図柄表示部1053において、変動、停止された特別図柄が特定の停止表示態様の場合には、当りであることを遊技者に把握させる演出画像が液晶表示装置1013の表示領域1103において表示される。具体的には、第1特別図柄表示部1052および第2特別図柄表示部1053のいずれか一方において特別図柄が、例えば、多くの出球が獲得可能な大当りに対応する特定の表示態様で停止表示された場合には、第1液晶表示装置1013の表示領域1103において表示される演出用の識別図柄の組合せが特定の表示態様(例えば、複数の図柄列のそれぞれに同一の図柄がすべて揃った状態で停止表示される態様)となり、さらに、大当り用の演出画像が液晶表示装置1013の表示領域1103において表示される。なお、出球を得ることが困難な当り(小当り)の場合は、当りであることを遊技者に把握させる演出画像を、液晶表示装置1013の表示領域1103において表示しなくてもよい。
第1液晶表示装置1013の表示領域1103における演出画像の表示に合わせて、第2液晶表示装置を作動させることにより、より複雑で興趣の高い演出を行うことができる。これにより、遊技者は演出を楽しむことができ、飽きずに遊技を継続することとなる。また、視覚効果の高い演出を行うことができるので、遊技者の興趣を高めることができる。
<パチンコ機の電気的構成>
パチンコ機の電気的構成について図を用いて説明する。
図36は、本実施形態に係る遊技機における制御回路を示すブロック図である。図36に示すように、遊技機1001は、遊技の制御を行う主制御回路1006と、遊技の進行に応じた演出の制御を行う副制御回路1007と、を備えている。
主制御回路1006は、メインCPU1060、メインROM1061(読み出し専用メモリ)、メインRAM1062(読み書き可能メモリ)、初期リセット回路1063、I/Oポート1064、コマンド出カポート1065、およびバックアップコンデンサ1066を備えているとともに、各種の装置や各種のスイッチと接続されている。
メインCPU1060は、メインROM1061およびメインRAM1062と接続されており、メインROM1061に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。
メインROM1061は、メインCPU1060により遊技機1001の動作を制御するためのプログラム、例えば、図39〜図44に示す処理をメインCPU1060に実行させるためのプログラムの他、各種のテーブルが記憶されている。
メインRAM1062は、メインCPU1060の一時記憶領域として、種々のフラグおよび変数の値を記憶する機能を有する。メインCPU1060の一時記憶領域としては、メインRAM1062に代えて、他の読み書き可能な記憶媒体を用いることもできる。
初期リセット回路1063は、電源投入時においてリセット信号を生成するものであり、メインCPU1060に接続されている。
I/Oポート1064は、各種のデバイスからの入力信号をメインCPU1060に送信し、メインCPU1060からの出力信号を各種のデバイスに送信するものである。
コマンド出カポート1065は、メインCPU1060からのコマンドを副制御回路1007に送信するものである。
バックアップコンデンサ1066は、電断時において、例えば、メインRAM1062に対して速やかに電源を供給することにより、メインRAM1062に記憶されている各種データを保持することに用いられる。
主制御回路1006に接続される各種の装置としては、LEDユニット1005の他、ソレノイド1400、1460、外部端子板1080が含まれる。
図35に示すように、LEDユニット1005は、上述のように普通図柄ゲームにおける普通図柄の可変表示を行う普通図柄表示部1050、普通図柄用保留表示部1051、特別図柄ゲームにおける特別図柄の可変表示を行う第1特別図柄表示部1052および第2特別図柄表示部1053、第1特別図柄用保留表示部1054、第2特別図柄用保留表示部1055を含んでいる。
ソレノイド1400、1460には、開閉扉1040を駆動させて大入賞口1039を開放状態または閉鎖状態とする大入賞口ソレノイド1400、および普通電動役物としての羽根部材1046を開閉とする電動役物ソレノイド1460が含まれる。
外部端子板1080は、ホール係員を呼び出す機能や当り回数を表示するといった機能を有する図示しない呼出装置、あるいはホール全体の遊技機1001を管理するホールコンピュータ等の外部機器1090にデータ送信するためのものである。
主制御回路1006に接続される各種のスイッチとしては、第1始動口スイッチ1340、第2始動口スイッチ1350、通過ゲートスイッチ1360、カウントスイッチ1390、一般入賞口スイッチ1410、1420、1430、1440、およびバックアップクリアスイッチ1081が含まれる。第1始動口スイッチ1340および第2始動口スイッチ1350は、第1および第2始動口1034、1035を遊技球が入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路1006に供給するものである。通過ゲートスイッチ1360は、通過ゲート1036を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路1006に供給するものである。カウントスイッチ1390は、大入賞口1039の所定領域を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路1006に供給するものである。一般入賞口スイッチ1410、1420、1430、1440は、一般入賞口1041、1042、1043、1044を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路6に供給するものである。バッククリアスイッチ1081は、電断時等におけるバックアップデータを遊技場の管理者の操作に応じてクリアするものである。
主制御回路1006にはさらに、払出・発射制御回路1082が接続されている。払出・発射制御回路1082は、払出装置1083および発射装置1012を制御するものであり、払出装置1083、発射装置1012およびカードユニット1084が接続されている。カードユニット1084は、遊技者の操作によって、カードユニット1084に遊技球の貸し出しを要求する信号を出力する球貸し操作パネル1085との間で送受信可能である。払出・発射制御回路1082は、主制御回路1006から供給される賞球制御コマンド、カードユニット1084から供給される貸し球制御信号を受け取り、払出装置1083に対して所定の信号を送信することにより、払出装置1083に遊技球を払い出させる。払出・発射制御回路1082はさらに、発射装置1012の発射ハンドル1122が遊技者によって握持され、かつ、時計回り方向へ回動操作されたときには、その回動角度に応じて発射ソレノイドに電力を供給し、遊技球を発射させる制御を行う。
副制御回路1007は、コマンド出力ポート1065およびコマンド入力ポート1070を介して主制御回路1006に接続されており、主制御回路1006からコマンドが供給されるように構成されている。この副制御回路1007は、主制御回路1006から供給される各種のコマンドに応じて、各種の制御を行うものであり、サブCPU1071、プログラムROM1072、ワークRAM1073、表示制御回路1074、音声制御回路1075、ランプ制御回路1076および液晶パネル移動制御回路1077を備えている。なお、液晶パネル移動制御回路1077は、本発明の駆動制御部に相当する。
サブCPU1071は、プログラムROM1072に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。特に、サブCPU1071は、主制御回路1006から供給される各種のコマンドに従って、副制御回路1007の制御を行う。
プログラムROM1072には、サブCPU1071により遊技機1001の遊技演出を制御するためのプログラムや各種のテーブルが記憶されている。プログラムや各種のテーブルは、プログラムROM1072に代えて、あるいはプログラムROM1072に加えて、コンピュータにおいて読み取り可能な他の記憶媒体に記録されたものを使用することができる。この場合の記憶媒体としては、例えばハードディスク装置、CD−ROM、DVD−ROM、ROMカートリッジを使用することができる。また、上述のプログラムやテーブルは、電源投入後に遊技機1001の外部のサーバからダウンロードし、ワークRAM1073に記録するようにしてもよい。
ワークRAM1073は、サブCPU1071の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶するものである。サブCPU1071の一時記憶領域としては、ワークRAM1073に代えて、あるいはワークRAM1073に加えて、他の読み書き可能な記憶媒体を使用することができる。
表示制御回路1074はサブCPU1071から供給されるデータに応じて、第1液晶表示装置1013および第2液晶表示装置1030における表示制御を行うためのものである。表示制御回路1074は、例えば、画像データプロセッサ(VDP)、各種の画像データを生成するためのデータが記憶されている画像データROM、画像データをバッファするフレームバッファ、画像データを画像信号として変換するD/Aコンバータ等から構成されている。表示制御回路1074は、サブCPU1071から供給される画像表示命令に応じて、第1液晶表示装置1013および第2液晶表示装置1030に表示させるための画像データを一時的にフレームバッファに格納する。画像データとしては、例えば装飾図柄画像データ、背景画像データ、各種演出用画像データが含まれる。
表示制御回路1074はさらに、所定のタイミングで、フレームバッファに格納された画像データをD/Aコンバータに供給する。D/Aコンバータは、画像データを画像信号として変換し、所定のタイミングでこの画像信号を第1液晶表示装置1013および第2液晶表示装置1030に供給する。第1および第2液晶表示装置1013、1030は、D/Aコンバータからの画像信号に基づいて画像が表示される。
音声制御回路1075は、スピーカ1021から発生させる音声に関する制御を行うためのものであり、例えば音声に関する制御を行う音源IC、各種の音声データを記憶する音声データROM、音声信号を増幅するための増幅器(AMP)を含んでいる。音源ICは、スピーカ1021から発生させる音声の制御を行うものである。音源ICは、サブCPU1071から供給される音声発生命令に応じて、音声データROMに記憶されている複数の音声データから一つの音声データを選択することができる。音源ICはさらに、選択された音声データを音声データROMから読み出し、音声データを所定の音声信号に変換し、その音声信号をAMPに供給することもできる。AMPは、音声信号を増幅させ、スピーカ1021から音声を発生させる。
ランプ制御回路1076は、装飾ランプ等を含むランプ1022の制御を行うためのものであり、ランプ制御信号を供給するためのドライブ回路、複数種類のランプ装飾パターンが記憶されている装飾データROM等から構成されている。
液晶パネル移動制御回路1077は、液晶表示パネル1A、1Bシを前後移動および回転動作の制御並びに当該動作のタイミングの制御を行うためのものである。液晶パネル移動制御回路1077は、駆動用のモータに駆動信号を供給するためのドライブ回路を有している。
副制御回路1007はさらに、操作ボタン1020の操作に応じて所定の信号を出力する操作ボタンスイッチ1201に接続されている。副制御回路1007は、操作ボタンスイッチ1201から出力される信号に基づいて、例えば表示制御回路1074、音声制御回路1075、およびランプ制御回路1076を制御してチャンス演出を行う。
本実施形態では、図36に示すように、主制御回路1006から副制御回路1007に信号を供給できるが、副制御回路1007から主制御回路1006に対して信号を供給できないように構成されている。しかし、副制御回路1007から主制御回路1006に対して信号を送信できるような構成としてもよい。
<遊技機の特別図柄決定テーブル>
図37は、本実施形態に係る遊技機の特別図柄決定テーブルを示す図である。特別図柄決定テーブルに関するデータは、第1特別図柄および第2特別図柄の別を問わず共通化されたテーブルとして、メインROM1061に記憶されている。
特別図柄ゲームにおいて、低確率状態(通常状態)における大当り確率は、第1始動口1034および第2始動口1035のいずれの始動入賞の場合であっても共通に1/150、高確率状態(確変状態)における大当り確率は、第1始動口1034および第2始動口1035のいずれの入賞の場合であっても共通に1/15である。すなわち、0〜149の150個の乱数値のうち、低確率状態(通常状態)では1個(乱数値5)が大当りとされ、高確率状態(確変状態)では10個(乱数値5〜14)が大当りとされる。小当り確率は、第1始動口1034および第2始動口1035のいずれの始動入賞の場合であっても共通に1/150(乱数値100が当り)である。特別図柄ゲームにおいて大当りまたは小当りに当選した場合、主制御回路1006において大当り図柄決定用乱数値の抽選が0〜3の数値範囲で行われる。
図37に示すように、第1始動口1034への入賞(第1特別図柄)および第2始動口1035への入賞(第2特別図柄)のいずれの場合でも、大当り図柄決定用乱数値が「0」の場合が15R通常大当り、「1」の場合が15R確変大当り、「2」および「3」の場合が2R確変大当り(突然確変)とされており、低確率状態(通常状態)および高確率状態の別を問わず、確変当選確率は75%である。第1始動口1034への入賞(第1特別図柄)および第2始動口1035への入賞(第2特別図柄)のいずれの大当りでも、15R確変大当りおよび2R確変大当り(突然確変)の場合には、次回大当りまで時短に突入または継続する。一方、15R通常大当りの場合には時短が100回である。すなわち、第1始動口1034の入賞および第2始動口1035への入賞での大当りの振り分けでは、15R通常大当り(時短100回)が25%、15R確変大当り(次回大当りまで時短)が25%、突然確変(次回大当りまで時短)が50%となっている。
図37に示すように、第1始動口1034への入賞(第1特別図柄)および第2始動口1035への入賞(第2特別図柄)のいずれの場合でも、低確率状態(通常状態)および高確率状態の別を問わず、0〜149の150個の乱数値のうち1個(乱数値100)が小当りとされている。したがって、小当り確率は1/150である。特別図柄ゲームにおいて小当りに当選した場合には、大当り時と同様に大当り図柄決定用乱数値が0〜3の数値範囲で抽選される。ただし、小当りの場合には、大当り図柄決定用乱数値の値に関係なく、小当り終了後には小当り当選前の遊技状態に戻る。すなわち、小当り当選前が通常状態であれば、小当り終了後に通常状態に戻って大当り抽選が行われ、小当り当選前が高確率状態であれば、小当り終了後に高確率に戻って大当り抽選が行われる。また、小当り当選前が非時短状態で無ければ小当り終了後に非時短状態に戻り、小当り当選前が時短状態で有れば小当り終了後に時短状態に戻る。
大当り図柄決定用乱数値は、所定の大当り図柄および図柄指定コマンドに対応付けられている。
大当り図柄または小当り図柄は、その数値が当りの種類に対応しており、変動パターンを決定する際(図38参照)に参照されるものである。大当り図柄において、15R通常大当りは「0」、15R確変大当りは「1」、2R確変大当り(突然確変)は「2」に対応しており、小当り図柄において、小当りは「3」に対応している。また、これら0〜3のそれぞれに、第1および第2特別図柄表示部1052、1053のそれぞれを構成する8つのLEDランプ1520、1530の点灯パターンが対応している。例えば「1」が決定された場合は、第1および第2特別図柄表示部1052、1053のそれぞれを構成する8つのLEDランプ1520、1530のいずれか一方においてすべてが点灯する。また、例えば「0」が決定された場合は、8つのLEDランプ1520、1530のいずれか一方において上部3つが点灯し、残りのランプが消灯する。また、例えば「2」が決定された場合は、8つのLEDランプ1520、1530のいずれか一方において下部3つが点灯し、残りのランプが消灯する。また、例えば「3」が決定された場合は、8つのLEDランプ1520、1530のいずれか一方において中部2つが点灯し、残りのランプが消灯する。
図柄指定コマンドは、そのコマンドが当りの種類に対応している。図柄指定コマンドは、15R通常大当りでは「z0」、15R確変大当りでは「z1」、2R確変大当り(突然確変)では「z2」、小当りでは「z3」とされる。なお、ハズレの場合には図柄指定コマンドは一律に「z4」とされる。
<遊技機の変動パターンテーブル>
図38は、本実施形態に係る遊技機の変動パターンテーブルを示す図である。変動パターンテーブルは、変動パターンを決定するためのテーブルである。変動パターンテーブルは、第1特別図柄および第2特別図柄の別、あるいは通常遊技状態および確変状態の別を問わず共通化されたテーブルとして、メインROM1061に記憶されている。
変動パターンテーブルでは、大当り図柄または小当り図柄と演出条件選択用乱数値とに基づいて変動パターンを決定することができる。なお、大当り図柄および小当り図柄は、先に説明した通り図11に示す特別図柄決定テーブルにおいて当りの種類に応じて決定され、演出条件用乱数値は、主制御回路1006における抽選によって、0〜9の数値範囲から決定される。変動パターンが決定された場合、変動パターンに応じた変動パターン指定コマンドが決定される。この変動パターン指定コマンドは、主制御回路1006から副制御回路1007に送信され、この変動パターン指定コマンドを受信した副制御回路1007のワークRAM1073(図36参照)に記憶されており、演出データを決定する際に利用される。
図38に示すように、大当り図柄が「0」である15R確変大当りおよび大当り図柄が「1」である15R通常大当りの場合、演出条件選択用乱数値が0〜4のときに変動時間が5sの変動パターン(1)および変動パターン指定コマンド「h0」が決定される。そして、演出条件選択用乱数値が5〜9のときに変動時間が10sの変動パターン(2)および変動パターン指定コマンド「h1」が決定される。
また、大当り図柄が「2」である2R確変大当り(突然確変)の場合には、変動時間が5sの変動パターン(3)および変動パターン指定コマンド「h2」が決定される。
また、小当り図柄が「3」である小当りの場合は、演出条件選択用乱数値に関係なく、変動時間が5sである変動パターン(4)および変動パターン指定コマンド「h3」が決定される。
また、ハズレの場合には、演出条件選択用乱数値が0〜4のときに変動時間が5sの変動パターン(5)および変動パターン指定コマンド「h4」が決定される。そして、演出条件選択用乱数値が5〜9のときに変動時間が10sの変動パターン(6)および変動パターン指定コマンド「h5」が決定される。
なお、プログラムROM1072には、変動パターン指定コマンドおよび演出決定用乱数値に基づいて演出内容を決定するための演出決定テーブル(図示せず)が記憶されている。この演出決定テーブルでは、変動パターン指定コマンドと演出決定用乱数値とに基づいて、特別図柄の変動表示に伴う演出を実行するための演出データを決定することができる。
演出データとしては、大当り演出、突然確変演出、小当り演出、およびハズレ演出に対応する演出データを含んでいる。大当り演出は、例えば液晶表示装置1013において表示される数字などの装飾図柄がすべて同じ図柄で揃う演出である。この場合、例えば装飾図柄が数字で1〜9の数字であるときには、揃った数字が奇数のときに15R確変大当り、偶数のときに15R通常大当りとなる。突然確変大当り演出および小当り演出は共通化されている。突然確変大当り演出および小当り演出は、表示領域1103において、例えば左右の装飾図柄が同一であるリーチ状態において中図柄に「当」の文字が表示(例えば「7当7」)される演出である。ハズレ演出は、装飾図柄が揃わない演出(突然確変大当り演出および小当り演出を除く)である。
上述したように、決定された演出データに応じて第1液晶表示装置1013が動画による表示演出を表示するが、このような動画による表示演出に加えて、第2液晶表示装置1030を駆動させて液晶表示パネル1A、1Bを移動させながら回転させ、反転表示された画像表示面に動画による表示演出を行えばよい。
<遊技機のメイン処理>
主制御回路1006(メインCPU1060)によって行われるメイン処理について図39を参照して説明する。図39は、本実施形態に係る遊技機の主制御回路によって行われるメイン処理のフローチャートである。
図39に示すように、メインCPU1060は、まず初期化処理を行う(S2001)。この処理において、メインCPU1060は、バックアップ復帰処理、初期化設定処理等を行う。
初期化処理の後、メインCPU1060は、乱数値更新処理を行う(S2002)。この処理において、メインCPU1060は、初期値乱数値カウンタ、演出条件選択用乱数値カウンタ等の更新を行う。
乱数値更新処理の後、メインCPU1060は、タイマ更新処理を行う(S2003)。この処理において、メインCPU1060は、メインCPU1060とサブCPU1071との同期をとるためのタイマ、大入賞口1039の開放時間タイマ等、各種タイマの更新を行う。
タイマ更新処理の後、メインCPU1060は、特別図柄に対する制御を行う(S2004)。この処理において、メインCPU1060は、第1始動口スイッチ1340、第2始動口スイッチ1350からの検知信号に応じて、大当り判定用乱数値と大当り図柄決定用乱数値を抽出し、メインROM1061に記憶される当り判定テーブルを参照し、特別図柄抽選(大当りまたは小当り)に当選したか否かを判定し、判定の結果をメインRAM1062に記憶する処理を行う。
特別図柄制御処理の後、メインCPU1060は、普通図柄に対する制御を行う(S2005)。この処理において、メインCPU1060は、通過ゲートスイッチ1360からの検知信号に応じて、乱数値を抽出し、メインROM1061に記憶される普通図柄当選テーブルを参照し、普通図柄抽選に当選したか否かを判定し、判定の結果をメインRAM1062に記憶する処理を行う。
なお、普通図柄抽選に当選した場合は、普通電動役物(羽根部材1046(図3および図34参照))が開放状態となって、第2始動口1035に遊技球が入球しやすくなる。
普通図柄制御処理の後、メインCPU1060は、図柄表示装置制御処理を行う(S2006)。この処理において、メインCPU1060は、ステップS2004、ステップS2005でメインRAM1062に記憶された特別図柄制御処理の結果および普通図柄制御処理の結果に応じて、第1特別図柄表示部1052または第2特別図柄表示部1053、および普通図柄表示部1050を駆動するための制御信号をメインRAM1062に記憶する処理を行う。メインCPU1060は、制御信号を第1特別図柄表示部1052または第2特別図柄表示部1053に制御信号を送信する。第1特別図柄表示部1052または第2特別図柄表示部1053は、受信した制御信号に基づき特別図柄を変動表示および停止表示する。普通図柄表示部1050は受信した制御信号に基づき普通図柄を変動表示および停止表示する。
図柄表示装置制御処理の後、メインCPU1060は、遊技情報出力処理を行う(S2007)。この処理において、メインCPU1060は、外部機器1090(例えばホールコンピュータや呼出装置)へ遊技情報を出力する。
遊技情報出力処理の後、メインCPU1060は、ポート出力処理を行う(S2008)。この処理において、メインCPU1060は、大入賞口1039(開閉扉1040)や第2始動口1035(羽根部材1046)を駆動制御するための信号を出力する。
ポート出力処理の後、メインCPU1060は、コマンド出力処理を行う(S2009)。この処理において、メインCPU1060は、副制御回路1007(サブCPU1071)に対して各種コマンドを送信する。
コマンド出力処理の後、メインCPU1060は、払出処理を行う(S2010)。この処理において、メインCPU1060は、大入賞口1039、第1始動口1034、第2始動口1035、一般入賞口1041〜1044に遊技球が入賞したか否かのチェックを行い、入賞があった場合、それぞれに対応する払出要求コマンドを払出・発射制御回路1082に送信する。この処理が終了した場合には、メインCPU1060は、ステップS2002に処理を移し、ステップS2002〜ステップS2010の処理を繰り返す。
<遊技機のシステムタイマ割込処理>
主制御回路1006(メインCPU1060)は、メイン処理を実行している状態であっても、メイン処理を中断させ、システムタイマ割込処理を実行する場合がある。メインCPU1060によって行われるシステムタイマ割込処理について図40を参照して説明する。図40は、本実施形態に係る遊技機のシステムタイマ割込処理のフローチャートである。
メインCPU1060は、レジスタ退避処理を行う(S2011)。この処理において、メインCPU1060は、レジスタに記憶されている実行中のプログラムを退避させる。
レジスタ退避処理の後、メインCPU1060は、乱数値更新処理を行う(S2012)。この処理において、メインCPU1060は、大当り判定用乱数値カウンタ、大当り図柄決定用乱数値カウンタ等の更新を行う。
乱数値更新処理の後、メインCPU1060は、スイッチ入力処理を行う(S2013)。この処理において、メインCPU1060は、第1および第2始動口スイッチ1340、1350、一般入賞口スイッチ1410、1420、1430、1440等への信号の入力の有無を判定する。
スイッチ入力処理の後、メインCPU1060は、レジスタ復帰処理を行う(S2014)。この処理において、メインCPU1060は、退避させたプログラムをレジスタに復帰させる。この処理が終了した場合、本ルーチンを終了する。
<遊技機の特別図柄制御処理>
図39のステップS2004において実行されるサブルーチン(特別図柄制御処理)について図41を用いて説明する。図41は、本実施形態に係る遊技機の特別図柄処理のフローチャートである。図41において、ステップS2022からステップS2029の側方に描いた数値は、それらのステップに対応する特別図柄制御状態フラグを示し、メインRAM1062における特別図柄制御状態フラグとして機能する記憶領域に記憶されている。メインCPU1060は、メインRAM1062に記憶されている特別図柄制御状態フラグの数値に応じて、その数値に対する1つのステップが実行され、特別図柄ゲームが進行することになる。また、メインCPU1060は、特別図柄制御状態フラグの値に基づいて、各ステップにおける各種の処理を実行するか否かを判定する。この特別図柄制御状態フラグは、特別図柄ゲームの遊技の状態を示すものであり、ステップS2022からステップS2029における処理のいずれかを実行可能にするものである。それに加えて、メインCPU1060は、各ステップに対して設定された待ち時間タイマなどに応じて決定される所定のタイミングで各ステップにおける処理を実行する。なお、この所定のタイミングに至る前においては、各ステップにおける処理を実行することなく終了することになり、他のサブルーチンを実行することになる。もちろん、所定の周期で図40に示すシステムタイマ割込処理も実行する。
特別図柄制御処理においては、メインCPU1060は、特別図柄制御状態フラグをロードする処理を実行する(S2021)。この処理が終了した場合には、ステップS2022からステップS2029に処理を移す。
メインCPU1060は、特別図柄記憶チェック処理を実行する(S2022)。この処理の詳細については後述する。
特別図柄記憶チェック処理の後、メインCPU1060は、特別図柄変動時間管理処理を実行する(S2023)。この処理において、メインCPU1060は、特別図柄制御状態フラグが特別図柄変動時間管理を示す値(01H)であり、先の特別図柄変動において、所定の変動時間が経過した場合(特別図柄変動が変動停止した場合)に、特別図柄表示時間管理を示す値(02H)を特別図柄制御状態フラグにセットし、確定後待ち時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、確定後待ち時間が経過した後、ステップS2024の処理を実行するように設定する。
特別図柄変動時間管理処理の後、メインCPU1060は、特別図柄表示時間管理処理を実行する(S2024)。メインCPU1060は、特別図柄制御状態フラグが特別図柄表示時間管理を示す値(02H)であり、確定後待ち時間が経過した場合に、当り(大当りまたは小当り)か否かを判定する。メインCPU1060は、当りである場合に、当り開始インターバル管理を示す値(03H)を特別図柄制御状態フラグにセットし、当り開始インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、当り開始インターバルに対応する時間が経過した後、ステップS2025の処理を実行するように設定する。一方、メインCPU1060は、当りではない場合に、特別図柄ゲーム終了を示す値(07H)をセットする。すなわち、当りではない場合にはメインCPU1060は、ステップS2029の処理を実行するように設定する。
特別図柄表示時間管理処理の後、メインCPU1060は、当り開始インターバル管理処理を実行する(S2025)。この処理において、メインCPU1060は、特別図柄制御状態フラグが当り開始インターバル管理を示す値(03H)であり、その当り開始インターバルに対応する時間が経過した場合に、メインROM1061から読み出された大入賞口1039を開放させるためのデータをメインRAM1062に記憶する。メインCPU1060はメインRAM1062に記憶された大入賞口1039を開放させるためのデータを読み出し、大入賞口1039を開放させる旨の信号を、大入賞口ソレノイド1400に供給する。このように、メインCPU1060などは、大入賞口1039の開閉制御を行う。つまり、所定の有利な遊技状態(大入賞口1039の開放状態と閉鎖状態が繰り返される遊技状態)が提供されるラウンドゲームを、15回または2回繰り返し行う大当り遊技、または大入賞口1039を2回開放させる小当り遊技が実行されることになる。
さらに、メインCPU1060は、大入賞口開放中を示す値(04H)を特別図柄制御状態フラグにセットするとともに、開放上限時間(例えば約25秒)を大入賞口開放時間タイマにセットする。すなわち、メインCPU1060は、ステップS2027の処理を実行するように設定する。
当り開始インターバル管理処理の後、メインCPU1060は、大入賞口再開放前待ち時間管理処理を実行する(S2026)。この処理において、メインCPU1060は、制御状態フラグが大入賞口再開放前待ち時間管理を示す値(05H)であり、ラウンド間インターバルに対応する時間が経過した場合に、大入賞口開放回数カウンタを“1”増加するように記憶更新する。メインCPU1060は、大入賞口開放中を示す値(04H)を特別図柄制御状態フラグにセットする。メインCPU1060は、開放上限時間(例えば約25秒または0.1秒)を大入賞口開放時間タイマにセットする。すなわち、メインCPU1060は、ステップS2027の処理を実行するように設定する。
大入賞口再開放前待ち時間管理処理の後、メインCPU1060は、大入賞口開放中処理を実行する(S2027)。メインCPU1060は、特別図柄制御状態フラグが大入賞口開放中を示す値(04H)である場合に、大入賞口入賞カウンタが所定値(例えば“7”)以上であるという条件、開放上限時間を経過した(大入賞口開放時間タイマが「0」である)という条件のいずれかを満たすか否かを判定する。メインCPU1060は、いずれかの条件を満たした場合に、大入賞口1039を閉鎖させるために、メインRAM1062に位置付けられた変数を更新する。そして、大入賞口開放回数カウンタが大入賞口開放回数最大値以上である(最終ラウンドである)という条件を満たすか否かを判定する。メインCPU1060は、最終ラウンドであると判定した場合に、当り終了インターバルを示す値(06H)を特別図柄制御状態フラグにセットする一方、最終ラウンドでない場合に、大入賞口再開放前待ち時間管理を示す値(05H)を特別図柄制御状態フラグにセットする。
大入賞口開放中処理の後、メインCPU1060は、当り終了インターバル処理を実行する(S2028)。この処理において、メインCPU1060は、特別図柄制御状態フラグが当り終了インターバルを示す値(06H)であり、当り終了インターバルに対応する時間が経過した場合に、特別図柄ゲーム終了を示す値(07H)を特別図柄制御状態フラグにセットする。すなわち、メインCPU1060は、ステップS2029の処理を実行するように設定する。
当り終了インターバル処理の後、メインCPU1060は、特別図柄ゲーム終了処理を実行する(S2029)。この処理において、メインCPU1060は、特別図柄制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了を示す値(07H)である場合に、特別図柄記憶チェックを示す値(00H)をセットする。すなわち、メインCPU1060は、ステップS2022の処理を実行するように設定する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
前述したように、特別図柄制御状態フラグをセットすることにより、特別図柄ゲームが実行されることとなる。具体的には、メインCPU1060は、遊技状態が、大当りまたは小当り遊技状態ではない場合において、当り判定の結果がハズレであるときには、制御状態フラグを“00H”、“01H”、“02H”、“07H”と順にセットすることにより、図41に示すステップS2022、ステップS2023、ステップS2024、ステップS2029の処理を所定のタイミングで実行することとなる。また、メインCPU1060は、遊技状態が大当りまたは小当り遊技状態ではない場合において、当り判定の結果が大当りまたは小当りであるときには、特別図柄制御状態フラグを“00H”、“01H”、“02H”、“03H”と順にセットすることにより、図41に示すステップS2022、ステップS2023、ステップS2024、ステップS2025の処理を所定のタイミングで実行し、大当りまたは小当り遊技状態への制御を実行することになる。さらには、メインCPU1060は、大当りまたは小当り遊技状態への制御が実行された場合には、制御状態フラグを“04H”、“05H”と順にセットすることにより、図41に示すステップS2027、ステップS2026の処理を所定のタイミングで実行し、大当りまたは小当り遊技を実行することとなる。なお、大当りまたは小当り遊技の終了条件が成立した場合には、“04H”、“06H”、“07H”と順にセットすることにより、図41に示すステップS2026、ステップS2028からステップS2029の処理を所定のタイミングで実行し、大当りまたは小当り遊技を終了することになる。
<遊技機の特別図柄記憶チェック処理>
図41のステップS2022において実行されるサブルーチン(特別図柄記憶チェック処理)について図を用いて説明する。図42は、本実施形態に係る遊技機の特別図柄記憶チェック処理のフローチャートである。
メインCPU1060は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値(00H)であるか否かの判定を行う(S2031)。メインCPU1060は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値であると判別した場合には、ステップS2032に処理を移す。一方、メインCPU1060は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値であるとは判定しなかった場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS2032において、始動記憶の有無を判定する処理を行う。この処理において、メインCPU1060は、特別図柄ゲームの始動記憶がないと判定した場合、すなわち第1特別図柄始動記憶領域(0)〜第1特別図柄始動記憶領域(4)または第2特別図柄始動記憶領域(0)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)にデータが記憶されていない場合には、ステップS2033に処理を移す。一方、メインCPU1060は、始動記憶があると判定した場合には、第1および第2特別図柄の少なくともいずれかに対応する始動記憶が存在するため、ステップS2034に処理を移す。
ステップS2033において、デモ表示処理を行う。この処理において、メインCPU1060は、メインRAM1062にデモ表示許可値をセットする処理を行う。さらに特別図柄ゲームの始動記憶(大当り判定用乱数値が記憶されている第1特別図柄始動記憶領域または第2特別図柄始動記憶領域)の個数が「0」である状態が所定時間(例えば、25秒)維持された場合、デモ表示許可値として、デモ表示の実行を許可する値をセットする。そして、メインCPU1060は、デモ表示許可値が所定値であった場合に、デモ表示コマンドデータをセットする処理を行う。このように記憶されたデモ表示コマンドデータは、主制御回路1006のメインCPU1060から副制御回路1007のサブCPU1071にデモ表示コマンドとして供給される。これによって、副制御回路1007において、デモ表示が液晶表示装置1013おいて実行されることとなる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS2034において、第2特別図柄に対応する始動記憶の個数が「0」であるか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU1060は、第2特別図柄始動記憶領域(0)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)のデータの有無を判別し、第2特別図柄に対応する始動記憶の個数が「0」である、すなわち第2特別図柄始動記憶領域(0)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)にデータが記憶されていないと判定した場合には、ステップS2036に処理を移す。第2特別図柄に対応する始動記憶の個数が「0」でない、すなわち第2特別図柄始動記憶領域(0)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)にデータが記憶されていると判定した場合には、ステップS2035に処理を移す。
ステップS2035において、メインCPU1060は、変動状態番号として第2特別図柄の変動であることを示す値(02H)をメインRAM1062の所定領域にセットする処理を実行する。ここで、第2特別図柄始動記憶領域(0)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)にデータが記憶されている判定された場合、少なくとも第2特別図柄に対応する始動記憶が存在するが、S2032では始動記憶の確認しか行われていないために、第1特別図柄に対応する始動記憶については存在する場合と存在しない場合がある。すなわち、第1特別図柄に対応する始動記憶と第2特別図柄に対応する始動記憶とが共に存在することがあるが、S2035は第2特別図柄に対応する始動記憶の処理を優先して行う(第2始動口1035への入賞(電サポ入賞)による大当りの抽選を優先して行う)ことを意味している。この処理が終了した場合には、ステップS2036に処理を移す。
ステップS2036において、メインCPU1060は、変動状態番号として第1特別図柄の変動であることを示す値(01H)をメインRAM1062の所定領域にセットする処理を実行する。すなわち、始動記憶が存在し、かつ第2特別図柄に対応する始動記憶が存在しないために、メインCPU1060は第1特別図柄に対応する始動記憶のみが存在すると判断できる。そのため、メインCPU1060は、第1特別図柄の変動であることを示す変動状態番号(01H)をメインRAM1062の所定領域にセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS2037に処理を移す。
ステップS2037において、メインCPU1060は、特別図柄制御状態フラグとして特別図柄変動時間管理を示す値(01H)をセットする処理を実行する。この処理が終了した場合には、ステップS2038に処理を移す。
ステップS2038において、特別図柄記憶転送処理を実行する。この処理において、メインCPU1060は、変動表示させる特別図柄が第1特別図柄の場合には、第1特別図柄始動記憶領域(1)〜第1特別図柄始動記憶領域(4)のデータのそれぞれを、第1特別図柄始動記憶領域(0)〜第1特別図柄始動記憶領域(3)にシフト(記憶)する処理を実行し、変動表示させる特別図柄が第2特別図柄の場合には、第2特別図柄始動記憶領域(1)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)のデータのそれぞれを、第2特別図柄始動記憶領域(0)〜第2特別図柄始動記憶領域(3)にシフト(記憶)する処理を実行する。この処理が終了した場合には、ステップS2039に処理を移す。
ステップS2039において、大当り判定処理を実行する。この処理において、メインCPU1060は、高確率フラグを読み出し、読み出した高確率フラグに基づいて、大当りとなる判定値(大当り判定値)の数が異なる複数の当り判定テーブルから1つの当り判定テーブルを選択する。すなわち、高確率フラグが所定の値である場合には、大当り判定値の数が多い高確率用の当り判定テーブルが参照され、高確率フラグが所定の値でない場合には、大当り判定値が少ない通常用の当り判定テーブルが参照される。このように、遊技状態フラグが所定の値である場合、つまり遊技状態が高確率状態(確率変動状態)である場合には、大当り遊技状態に移行する確率は、通常時よりも向上することとなる。
そして、メインCPU1060は、始動入賞時に抽出され、第1特別図柄始動記憶領域(0)と第2特別図柄始動記憶領域(0)において先にセットされた特別図柄始動記憶領域の大当り判定用乱数値と、選択された当り判定テーブルとを参照する。そして、メインCPU1060は、大当り判定用乱数値と大当り判定値が一致している場合には、すなわち通常状態では大当り判定用乱数値が「5」であれば大当りと判定し、高確状態では大当り判定用乱数値が「5〜14」であれば大当りと判定する。つまり、メインCPU1060は、遊技者に有利な大当り遊技状態とするか否かの判定を行うこととなる。この処理が終了した場合には、ステップS2040に処理を移す。
ステップS2040において、小当り判定処理を実行する。この小当り判定処理は、ステップS2039における大当り判定処理において、大当り判定ではなかった場合に実行される。この処理において、メインCPU1060は、第1特別図柄始動記憶領域(0)と第2特別図柄始動記憶領域(0)において先にセットされた特別図柄始動記憶領域の大当り判定用乱数値と、予め設定されている小当りの判定値が一致しているか否かを判定し、大当り判定用乱数値と小当り判定値が一致している場合には、小当りであると判定する。一致していない場合にはハズレであると判定する。
特別図柄始動記憶領域に記憶されている大当り判定用乱数値と照合する当り判定テーブルは、第1特別図柄および第2特別図柄に共通するテーブルである。本実施形態では、このように1種類のテーブルのみを記憶していることとしたが、始動領域毎に異なるテーブルを記憶していてもよいし、さらに、通常用と高確率用(確率変動状態用)とで異なるテーブルを記憶していてもよい。
本実施形態では、通常遊技の第1始動口1034への入賞による小当り確率は、第2始動口1035への入賞による小当り確率と同じに設定されているが、第1始動口1034への入賞と第2始動口1035への入賞とで、小当り確率が異なったものに設定してもよい。
このように、ステップS2039およびS2040の処理によって、特別図柄ゲームの結果として大当り、小当り、ハズレのいずれかが決定される。この処理が終了した場合には、ステップS2041に処理を移す。
メインCPU1060は、特別図柄決定処理を実行する(S2041)。この処理において、メインCPU1060は、当り判定の結果が大当りの場合には、大当り図柄を決定し、当り判定の結果が小当りの場合には、小当り図柄を決定し、大当りでも小当りでもない場合、すなわちハズレの場合には、ハズレ図柄を決定する処理を行う。なお、メインCPU1060は、特別図柄決定テーブルを用いて、大当り判定処理または小当り判定処理における判定結果と、大当り図柄決定用乱数値とに基づいて、特別図柄を決定している。この処理が終了した場合には、ステップS2042に処理を移す。
メインCPU1060は、特別図柄変動パターン決定処理を実行する(S2042)。この処理において、メインCPU1060は、ステップS2041の処理において決定された特別図柄と、ステップS2039の処理において決定された当り判定の結果に基づいて、特別図柄変動パターンを決定するための変動パターン決定テーブル(図38参照)を選択する。そして、メインCPU1060は、演出条件選択用乱数値カウンタから抽出した演出条件選択用乱数値と選択した変動パターン決定テーブルとに基づいて、変動パターンを決定し、メインRAM1062の所定領域に記憶する。メインCPU1060は、このような変動パターンを示すデータに基づいて、第1特別図柄表示部1052または第2特別図柄表示部1053における特別図柄の変動表示態様を決定する。
このように記憶された変動パターンを示すデータは、第1特別図柄表示部1052または第2特別図柄表示部1053に供給される。これによって、第1特別図柄表示部1052または第2特別図柄表示部1053に、特別図柄が決定した変動パターンで変動表示することとなる。また、このように記憶された変動パターンを示すデータは、主制御回路1006のメインCPU1060から副制御回路1007のサブCPU1071に特図変動パターン指定コマンドとして供給される。副制御回路1007のサブCPU1071は、受信した特図変動パターン指定コマンドに応じた演出表示を実行することとなる。この処理が終了した場合には、ステップS2043に処理を移す。
メインCPU1060は、特別図柄変動時間設定処理を行う(S2043)。この処理において、メインCPU1060は、決定した特別図柄変動パターンに対応する変動時間を待ち時間タイマにセットする処理を実行する。この処理が終了した場合には、ステップS2044に処理を移す。
そして、メインCPU1060は、今回の変動表示に用いられた記憶領域(0)の値をクリアする処理を実行する(S2044)。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
<遊技機のスイッチ入力処理>
図40のステップS2013において実行されるサブルーチン(スイッチ入力処理)について図を用いて説明する。図43は、本実施形態に係る遊技機に係るスイッチ入力処理のフローチャートである。
まず、賞球関連スイッチチェック処理が行われる(S2051)。この処理において、メインCPU1060は、カウントスイッチ1390、一般入賞口スイッチ1410、1420、1430、1440、第1始動口スイッチ1340および第2始動口スイッチ1350の入力があったか否かを判定する。言い換えればこれらのスイッチが、遊技球を検知したか否かを判定する。そして、メインCPU1060は、カウントスイッチ1390の入力があったと判定した場合には大入賞口賞球カウンタの値に1加算する処理を行う。また、メインCPU1060は、一般入賞口スイッチ1410、1420、1430、1440の入力があったと判定した揚合には一般入賞口賞球カウンタの値に1加算する処理を行う。また、メインCPU1060は、第1始動口スイッチ1340、第2始動口スイッチ1350の入力があったと判定した場合には始動口賞球カウンタの値に1加算する処理を行う。
次に、特別図柄関連スイッチチェック処理が行われる(S2052)。特別図柄関連スイッチチェック処理については後述する。
次に、普通図柄関連スイッチチェック処理が行われる(S2053)。この処理において、メインCPU1060は、通過ゲートスイッチ1360の入力があったか否か、つまり遊技球を検知したか否かを判定し、入力があったと判定した場合には、保留個数が上限(例えば4個)であるか否かを判定し、上限であると判定した場合には本サブルーチンを終了する。上限であると判定しなかった場合には、普通図柄ゲームの当り判定用乱数値カウンタから当り判定用乱数値を抽出し、さらに、当り図柄決定用乱数値カウンタから当り図柄決定用乱数値を抽出し、メインRAM1062の普通図柄記憶領域に格納する処理を行う。
次に、異常関連スイッチチェック処理が行われる(S2054)。この処理において、メインCPU1060は、異常関連スイッチに異常があったか否か、例えばガラスドア1010の開閉スイッチが開放してガラスドア1010が開放されていることが検知されたか否かを判定する。異常が検知された場合には異常を報知するための処理を行い、異常が検知されない場合にはそのままとする。異常関連スイッチチェック処理が終了した場合には、本サブルーチンにおける処理を終了する。
<遊技機の特別図柄関連スイッチチェック処理>
図43に示すステップS2052の特別図柄関連スイッチチェック処理について、図を用いて説明する。図44は、本実施形態に係る遊技機の特別図柄関連スイッチチェック処理のフローチャートである。
ステップS2061において、第1始動口1034への始動入賞が検出されたか否かを判断する処理を行う。この処理において、メインCPU1060は、第1始動口スイッチ1340の入力があった否かを判定する。第1始動口スイッチ1340の入力があったと判定した場合には、ステップS2062に処理を移し、第1始動口スイッチ1340の入力があったと判定しない場合には、ステップS2067に処理を移す。
ステップS2062において、第1特別図柄の始動記憶が4以上であるか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU1060は、第1特別図柄の始動記憶、すなわち保留個数が4以上であるか否かを判定する。保留個数が4以上であると判定した場合には、本サブルーチンを終了し、保留個数が4以上でないと判定した場合には、ステップS2063に処理を移す。
ステップS2063において、第1特別図柄の始動記憶に1加算する処理を行う。この処理において、メインCPU1060は、メインRAM1062に記憶されている第1特別図柄の保留個数の値に1加算する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS2064に処理を移す。
ステップS2064において、各種乱数値取得処理を行う。この処理において、メインCPU1060は、大当り判定用乱数値カウンタから特別図柄ゲームの大当り判定用乱数値の抽出(特別図柄抽選)を行い、さらに、大当り図柄決定用乱数値カウンタから大当り図柄決定用乱数値を抽出し、演出条件判定用乱数値カウンタから演出条件判定用乱数値を抽出して、メインRAM1062の第1特別図柄始動記憶領域に格納する処理を行う。本実施形態においては、第1特別図柄始動記憶領域は、第1特別図柄始動記憶領域(0)〜第1特別図柄始動記憶領域(4)まであって、第1特別図柄始動記憶領域(0)に記憶された大当り判定用乱数値に基づく判定結果が特別図柄によって導出表示され、特別図柄の変動中に始動入賞したことによって取得した各種の乱数値は、第1特別図柄始動記憶領域(1)〜第1特別図柄始動記憶領域(4)に順に記憶される。この処理が終了した場合、ステップS2065に処理を移す。メインCPU1060は、遊技球が始動領域を通過したことを条件に、通常遊技状態よりも遊技者が多量の遊技球を獲得可能な15R大当り遊技状態、15R大当り遊技状態に比較して少量の遊技球を獲得可能な2R大当り遊技状態、実質的に遊技球を獲得できない小当り遊技状態に移行させるか否かの抽選を行う。メインCPU1060は当り抽選手段の一例である。
ステップS2065において、第1特別図柄変動状態データをセットする処理を行う。この処理において、メインCPU1060は、メインRAM1062の所定領域に第1特別図柄変動状態データをセットする処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS2066に処理を移す。
ステップS2066において、メインCPU1060は、始動口入賞コマンドをメインRAM1062の所定領域にセットする。始動口入賞コマンドは、主制御回路1006のメインCPU1060から副制御回路1007のサブCPU1071に供給されることにより、副制御回路1007が、始動口に入賞があったことや当り抽選結果の当否を認識する。始動口入賞コマンドのデータには、入賞演出、例えば演出表示される保留球の表示態様を変更するといった演出を実行させるデータが含まれている。これにより、変動実行前の始動記憶情報に基づいて演出を実行するといった、いわゆる「先読演出」が可能となる。この処理が終了した場合、本サブルーチンを終了する。
ステップS2067において、第2始動口1035への始動入賞が検出されたか否かを判断する処理を行う。この処理において、メインCPU1060は、第2始動口スイッチ1350の入力があった否かを判定する。第2始動口スイッチ1350の入力があったと判定した場合には、ステップS2068に処理を移し、第2始動口スイッチ1350の入力があったと判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS2068において、第2特別図柄の始動記憶が4以上であるか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU1060は、第2特別図柄の始動記憶、すなわち保留個数が4以上であるか否かを判定する。保留個数が4以上であると判定した場合には本サブルーチンを終了し、保留個数が4以上でないと判定した場合にはステップS2069に処理を移す。
ステップS2069において、第2特別図柄の始動記憶に1加算する処理を行う。この処理において、メインCPU1060は、メインRAM1062に記憶されている第2特別図柄の保留個数の値に1加算する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS2070に処理を移す。
ステップS2070において、各種乱数値の取得処理を行う。この処理において、メインCPU1060は、大当り判定用乱数値カウンタから特別図柄ゲームの大当り判定用乱数値の抽出(いわゆる、特別図柄抽選)を行い、さらに、大当り図柄決定用乱数値カウンタから大当り図柄決定用乱数値とを抽出し、演出条件判定用乱数値カウンタから演出条件判定用乱数値を抽出して、メインRAM1062の第2特別図柄始動記憶領域に格納する処理を行う。本実施形態においては、第2特別図柄始動記憶領域は、第2特別図柄始動記憶領域(0)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)まであって、第2特別図柄始動記憶領域(0)に記憶された大当り判定用乱数値に基づく判定結果が、特別図柄によって導出表示され、特別図柄の変動中に始動入賞したことによって取得した各種乱数値は、第2特別図柄始動記憶領域(1)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)に順に記憶される。この処理が終了した場合、ステップS2071に処理を移す。メインCPU1060は、遊技球が始動領域を通過したことを条件に、通常遊技状態よりも遊技者が多量の遊技球を獲得可能な15R大当り遊技状態、15R大当り遊技状態に比較して少量の遊技球を獲得可能な2R大当り遊技状態、実質的に遊技球を獲得できない小当り遊技状態に移行させるか否かの抽選を行う。メインCPU1060は当り抽選手段の一例である。
ステップS2071において、第2特別図柄変動状態データをセットする処理を行う。この処理において、メインCPU1060は、メインRAM1062の所定領域に第2特別図柄変動状態データをセットする処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS2072に処理を移す。
なお、第1特別図柄変動状態データおよび第2特別図柄変動状態データは、第1特別図柄始動記憶領域(0)〜第1特別図柄始動記憶領域(4)および第2特別図柄始動記憶領域(0)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)に記憶された始動記憶において、変動表示させる順番を決定するためのデータである。
ステップS2072において、メインCPU1060は、始動口入賞コマンドをメインRAM1062の所定領域にセットする。始動口入賞コマンドは、主制御回路1006のメインCPU1060から副制御回路1007のサブCPU1071に供給されることにより、副制御回路1007が、始動口に入賞があったことや当り抽選結果の当否を認識するようになる。始動口入賞コマンドのデータには、入賞演出、例えば演出表示される保留球の表示態様を変更するといった演出を実行させるデータが含まれている。これにより、変動実行前の始動記憶情報に基づいて演出を実行するといった、いわゆる「先読演出」が可能となる。この処理が終了した場合は、本サブルーチンを終了する。
なお、本実施形態において、主制御回路1006のメインRAM1062にセットされた各種コマンドは、図13のステップS2009において副制御回路1007に供給されているが、主制御回路1006の各処理において副制御回路1007に供給されてもよい。
<遊技機のサブ制御メイン処理>
図を用いて、サブ制御メイン処理を説明する。図45は、本実施形態に係る遊技機の副制御回路によって行われるメイン処理のフローチャートである。
副制御回路1007(サブCPU1071)は、主制御回路1006からの各種コマンドを受信して、表示処理などの様々な処理を行う。本実施形態に係る副制御回路1007の制御処理を以下に説明する。
まず、電源投入に応じて初期化処理が行われる(S2081)。この処理により、サブCPU1071は初期化設定される。
次に、乱数値更新処理が行われる(S2082)。この処理において、サブCPU1071は、ワークRAM1073に記憶される乱数値(演出決定用乱数値、大当り演出決定用乱数値、および停止図柄決定用乱数値等)を更新する処理を行う。
次に、コマンド解析処理が行われる(S2083)。この処理において、サブCPU1071は、主制御回路1006から受信し、ワークRAM1073の受信バッファに格納されたコマンドを解析する処理を行う。この処理については後述する。この処理が終了した場合には、ステップS2084に処理を移す。
次に、表示制御処理が行われる(S2084)。この処理において、サブCPU1071は、液晶表示装置1013において表示を行うためのデータを表示制御回路1074に送信する。表示制御回路1074において、VDP(図示せず)は、サブCPU1071からの演出画像を表示するためのデータに基づいて、背景画像データ、演出用画像データなど、各種の画像データを画像データROMから読み出し、重ね合わせて、液晶表示装置1013の表示領域1103上に表示させる。この処理が終了した場合には、ステップS2085に処理を移す。
次に、音・ランプ等制御処理が行われる(S2085)。この処理において、サブCPU1071は、スピーカ1021から発生させる音の制御を行う音声制御処理、各種のランプ1022等の発光制御を行うランプ制御処理を実行する。この処理が終了した場合には、ステップS2086に処理を移す。
次に、第2液晶表示装置の制御処理が行われる(S2086)。この処理において、サブCPU1071は、液晶パネル移動制御回路1077を介してリニアガイド35およびモータ49などの動作を制御する。具体的には、この処理が終了した場合には、再度、乱数値更新処理(ステップS2082)に処理を移し、ステップS2082〜ステップS2086を繰り返す。
<遊技機のコマンド受信割込処理>
図45に示すサブメイン処理を実行している状態であっても、コマンド受信割込処理を実行する場合がある。図46を用いて、コマンド受信割込処理について以下に説明する。図46は、本実施形態に係る遊技機のコマンド受信割込処理のフローチャートである。
まず、レジスタを退避させる処理が行われる(S2091)。この処理において、サブCPU1071は、各レジスタ(記憶領域)に記憶される実行中のプログラムにおいて使用されていた値を退避させる処理を行う。
次に、受信コマンドをバッファに格納する処理が行われる(S2092)。
次に、レジスタを復帰させる処理が行われる(S2093)。この処理において、サブCPU1071は、ステップS2091で退避した値を各レジスタに復帰させる処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
<遊技機のタイマ割込処理>
図45に示すサブメイン処理を実行している状態であっても、サブメイン処理を中断させ、タイマ割込処理を実行する場合がある。図47を用いて、タイマ割込処理について以下に説明する。図27は、本実施形態に係る遊技機に係るタイマ割込処理のフローチャートである。
まず、レジスタを退避させる処理が行われる(S2101)。この処理において、サブCPU1071は、各レジスタ(記憶領域)に記憶される実行中のプログラムにおいて使用されていた値を退避させる処理を行う。
次に、タイマ更新処理が行われる(S2102)。この処理において、サブCPU1071は、ワークRAM1073に記憶されるタイマを更新する処理を行う。具体的には、装飾図柄の変動に伴う演出等のタイマを更新する処理を行う。
次に、操作ボタン入力検出処理が行われる(S2103)。この処理において、サブCPU1071は、操作ボタン1020の操作による操作ボタンスイッチ1201の入力の有無を検出する処理を行う。なお、この操作ボタン入力検出処理をタイマ割込処理において実行しているが、他の割り込みでもよい。
次に、レジスタを復帰させる処理が行われる(S2104)。この処理において、サブCPU1071は、ステップS2101で退避した値を各レジスタに復帰させる処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
<遊技機のコマンド解析処理>
図45のステップS2083において実行されるサブルーチン(コマンド解析処理)について図を用いて説明する。図48は、本実施形態に係る遊技機のコマンド解析処理のフローチャートである。
ステップS2111において、コマンドを受信したか否かを判定する処理が行われる。この処理において、サブCPU1071は、受信コマンドありと判定した場合には、ステップS2112に処理を移し、サブCPU1071が受信コマンドありと判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS2112において、受信したコマンドデータの読み出し処理が行われる。この処理において、サブCPU1071は、受信バッファに格納されているコマンドを読み出す。この処理が終了した場合には、ステップS2113に処理を移す。
ステップS2113において、受信コマンドが変動パターン指定コマンドであるか否かを判定する処理が行われる。この処理において、受信コマンドが変動パターン指定コマンドであると判定した場合には、ステップS2114に処理を移し、受信コマンドが変動パターン指定コマンドであると判定しない場合には、ステップS2115に処理を移す。
ステップS2114において、サブCPU1071は、演出パターン決定処理を行う。この処理において、サブCPU1071は、副制御回路1007のプログラムROM1072に記憶された演出決定テーブルに従って、予め定められた複数の演出パターンの中から、変動パターン指定コマンドおよび演出決定用乱数値に基づいて演出パターン(演出データ)の決定を行う。演出決定用乱数値は、副制御回路1007において0〜9の乱数値から決定される。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS2115において、受信コマンドが図柄指定コマンドであるか否かを判定する処理が行われる。この処理において、受信コマンドが図柄指定コマンドであると判定した場合には、ステップS2116に処理を移し、受信コマンドが図柄指定コマンドであると判定しない場合には、ステップS2117に処理を移す。
ステップS2116において、サブCPU1071は、図柄指定コマンドに基づいて停止図柄を決定する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS2117において、サブCPU1071は、受信したその他のコマンドに対応した処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
<第2液晶表示装置による演出>
遊技機1001における第2液晶表示装置1030の演出について説明する。
例えば、大当り遊技中に、確変大当りが確定したことを示す演出である確変昇格演出や大入賞口1039の開放回数が増加したことを示す演出であるラウンド昇格演出として、第2液晶表示装置1030の液晶表示パネル1A、1Bを回転させて180度の反転をさせ、裏面側のデザインロゴの表示から画像表示する表示面を遊技盤1014の前面側に向ける。一方、大当り遊技中に確変昇格またはラウンド昇格が確定していない場合は、液晶表示パネル1A、1Bを回転させないこととすればよい。ここで、確変昇格演出とは、確変遊技状態に移行するか否かを報知していない状態での大当り遊技中において、大当り遊技の終了後に確変遊技状態へと移行する旨を示す演出である。また、ラウンド昇格演出とは、大当り遊技中において、予め決定された上限ラウンド数よりも少ない上限ラウンド数の大当り遊技が実行されているように見せた後、実際の上限ラウンド数に対応する大当り遊技を実行する旨を示すことで、あたかも大当り遊技中の実行ラウンド数が増えた(ラウンド数が昇格した)かのように遊技者に見せる演出である。
また、他の演出の例として、大当りに当選したか否かを示すための第1液晶表示装置1013における識別図柄の停止表示がなされる前の変動表示の際に第2液晶表示装置1030の液晶表示パネルを回転させて、画像表示面を遊技盤1014の表面側に向けて画像演出を実行させてもよい。例えば、図48に示すように、液晶表示パネル1A、1Bの一方にキャラクタの画像を表示させ、他方に「チャンス」の文字を表示する。その後、第1液晶表示装置1013に変動表示されていた識別図柄は、大当りに当選したことを示す図柄の配置で停止表示するか、または、大当り抽選の結果、大当り当選しなかった場合には、第1液晶表示装置1013に変動表示されていた識別図柄は、大当りに当選しなかったことを示す図柄の配置で停止表示する。
また、本発明は、上記実施形態に限定されず、以下のような実施形態をも開示している。
(1)上記実施形態では、一対の矩形状の液晶表示パネル1A、1Bを利用した場合について説明したが、液晶表示パネルは、例えば正方形、少なくとも一辺に円弧状の辺を有する非矩形および鼓形状などの液晶表示パネルなどであってもよい。ここでは、例えば円弧状の辺を有する液晶表示パネルを利用した場合を例にとって説明する。なお、上記実施形態と同一構成については、同一符号を付すにとどめ、異なる構成について詳述する。
本実実施形態では、図49に示すように、矩形の液晶表示パネルの一方の短辺側の角部に丸みを持たせた略円弧状の一辺を有する1対の液晶表示パネル10A、10Bを例にとって説明する。
図49は、本発明の他の実施形態に係る第2液晶表示装置および液晶駆動装置の正面図である。図50は、本発明の他の実施の形態に係る第2液晶表示装置を構成する液晶表示パネルの概略構成を示す正面図である。図51は、液晶表示パネルを構成するアクティブマトリックス基板の概略構成を示す正面図である。図52は、液晶表示パネルを構成するアクティブマトリックス基板のゲートドライバの構成を示す概略構成図である。図53は、第2液晶表示装置を構成する液晶表示パネルおよび当該液晶表示パネルを移動させる液晶駆動駆装置の概略構成を示す平面図である。
第2液晶表示装置1130は、上記実施形態と同様に、図49に示すように、分割可能な一対の液晶表示パネル11A、11Bから構成されている。液晶表示パネル11A、11Bは、線対称に同一サイズのおよび同一形状の一辺に円弧状の辺を有する略半円形状であり、円弧の辺を有する一端を遊技盤1014の幅方向の外向きにし、平坦な短辺同士を近接対向させるように設置されている。液晶表示パネル11A、11Bを構成するアクティブマトリクス基板20の裏面に非透過性処理、例えば塗装またはステッカーによって被覆し、その表面に文字、数字、図柄などを組み合わせたロゴ、機種名などの識別情報が記載されている。本実施形態では、アルファベットの「A、B、C」の文字が2枚の液晶表示パネル1A、1Bにまたがって横書きされている。このとき、液晶表示パネル10A、10Bの裏面は、遊技盤1040と略面一となっている。
なお、液晶表示パネル10A、10Bのそれぞれは、後述する副制御基板1007のサブCPU1071の指令によって作動する液晶パネル移動制御回路1177によって制御される液晶駆動装置1130によって互いに同調しながら横軸75回りに正逆転および前後移動するように構成されている。
<液晶表示パネル>
液晶表示パネル10A、10Bのそれぞれは、図50および図51に示すように、アクティブマトリクス基板20A、対向基板20Bおよびこれら両基板20A、20Bに挟持された液晶層(図示略)とを有する。アクティブマトリクス基板20Aは、図50に示すように、対向基板20Bよりも大きく、アクティブマトリックス基板20Aからはみ出て外囲する額縁領域を有する。本実施形態では、液晶表示パネル1A、1Bの長辺側に一方の額縁領域25Aが、他辺からはみ出た額縁領域よりも幅広くなっている。
幅広の額縁領域25Aは、フレキシブル基板27を接続するコネクタ29を有し、当該コネクタ部分は額縁領域25Aの全面を封止するカバー体31によって覆われている。このとき、カバー体31の一部と対向基板20Bとが略同じ高さになるように設定されている。
本実施形態では、幅広の額縁領域25Aを紙面下側に設けている構成であったが、上辺に設けた構成であってもよい。この場合、液晶表示パネル10A、10Bの回転方向が逆になる。すなわち、液晶表示パネル10A、10Bと接続されたフレキシブル基板27が、遊技盤面側に露出しないよう奥向きに押し込まれるように液晶表示パネル10A、10Bを回転させるように構成すればよい。
<液晶駆動装置>
液晶駆動装置は、図49および図53に示すように、液晶表示パネル10A、10Bの円弧側の短辺に連結されている。すなわち、液晶駆動装置は、上記実施形態と異なり液晶表示パネル10A、10Bの円弧状の短辺側のみを支持して当該液晶表示パネル10A、10Bを遊技盤1014の開口領域内を前後移動する。したがって、ガイドレール77が、液晶表示パネル10A、10Bの円弧状の短辺側で遊技盤1014の前面から奥側に向けて遊技機内の構造物に敷設されている。したがって、液晶駆動装置のガイドレール77の設置位置以外のリニアガイド35、可動台37および回転駆動機構41などの構成は、上記実施形態と同じである。換言すれば、図53に示すように、上記実施形態の液晶駆動装置を液晶表示パネル10A、10Bを近接対向させる内向きに90度回転させて設置した状態である。なお、リニアガイド35は、水平設置に限定されず、僅かに斜め下がり、または、僅かに斜め上がり傾斜姿勢で設置してもよい。上下斜め傾斜姿勢のいずれかでガイドレール77を敷設することにより、遊技盤1014の奥側のスペースを小さくでき、ひいては遊技機全体の厚みを薄くすることができる。
なお、遊技盤1014の裏面側の空間に高さ方向に十分スペースを有する場合、上記実施形態と同様に、可動台37に固定したダイレクトモータの回転軸の先端を液晶表示パネル10A、10Bの固定ブロック46に直接に接続固定し、当該液晶表示パネル10A、10Bを回転させるように構成してもよい。この場合、モータ49の回転軸の回転角をロータリーエンコーダでなどの検出器で検出し、当該検出結果に基づいて液晶表示パネル10A、10Bが、180度に反転するように構成すればよい。
<液晶表示パネルの構造>
液晶表示パネル10A、10Bは、円弧状の辺が反対である以外は、同一構成なので、図50では液晶表示パネル10Aを例にとって説明する。
液晶表示パネル10Aは、図50に示すよう、ソースドライバ3、表示制御回路4および電源5を液晶表示パネル10Aの長辺の一端側、すなわち幅広の額縁領域25A側に有する。また、液晶表示パネル10Aは、アクティブマトリクス基板20A、対向基板20Bおよびこれら基板に挟持された液晶層(図示略)とを有する。
図50において図示を省略しているが、アクティブマトリクス基板20Aの下面側と対向基板20Bの上面側には、偏光板が設けられている。対向基板20Bには、ブラックマトリクス、赤(R)、緑(G)、青(B)の3色のカラーフィルタおよび共通電極(いずれも図示略)が形成されている。
液晶表示パネル10Aのアクティブマトリクス基板20Aは、ソースドライバ3と電気的に接続されている。
表示制御回路4は、液晶表示パネル10A、ソースドライバ3および電源5と電気的に接続されている。表示制御回路4は、ソースドライバ3と、アクティブマトリクス基板20Aに形成されている後述のゲートドライバ(ゲート線駆動部の一例)とに制御信号を出力する。制御信号には、液晶表示パネル1Aに画像を表示するためのリセット信号(CLR)、クロック信号(CKA,CKB)、データ信号などが含まれる。
電源5は、液晶表示パネル10A、ソースドライバ3および表示制御回路4と電気的に接続されており、各々に電源電圧信号を供給する。
<アクティブマトリクス基板の構成>
図51に示すように、アクティブマトリクス基板20Aは、X軸正方向の上下の端部は、円弧状に形成されている。また、アクティブマトリクス基板20Aにおいて、X軸方向の一端から他端まで引いたゲート線13G群が一定の間隔で略平行に形成されている。特に、ゲート線13G群のうち、円弧状の部分に形成された一部のゲート線13Ga群は、アクティブマトリクス基板20AにおけるX軸方向の幅の最大長Imaxより短く、他のゲート線13Gb群は、最大長Imaxと略同じ長さに形成されている。
また、図51に示すように、ゲート線13G群と交差するようにソース線15S群が形成されている。ゲート線13Gとソース線15Sとで囲まれる領域が1つの画素を形成し、全面素領域が液晶表示パネル1Aの表示領域となる。
図52の例に示すように、ゲート線13Gの問、つまり、表示領域内には、ゲートドライバ11が形成されている。この例では、GL1(1)〜GL(n)の各ゲート線13Gには、4つのゲートドライバ11がそれぞれ接続されている。ただし、本実施形態では、紙面上側の円弧状の部分のGL(n)のゲート線13Gには2つのゲートドライバ11がそれぞれ接続されている。すなわち、表示領域が幅方向に狭くなっているので、形状に合わせて他のゲート線13G群よりもゲートドライバ11が少なくなっている。
アクティブマトリクス基板20Aの表示領域のうち、ソースドライバ3が設けられている辺側の額縁領域に端子部12g(第2端子部)が形成されている。端子部12gは、表示制御回路4および電源5と接続されている。端子部12gは、表示制御回路4および電源5から出力される制御信号(CKA、CKB)や電源電圧信号などの信号を受け取る。端子部12gに入力された制御信号(CKA、CKB)および電源電圧信号などの信号は、配線15L1を介して各ゲートドライバ11に供給される。
ゲートドライバ11は、供給される信号に応じて、接続されているゲート線13Gに対し、選択または非選択の状態を示す選択信号を出力するとともに、次段のゲート線13Gにセット信号を出力する。以下の説明では、1のゲート線13Gに選択信号を出力する動作を、ゲート線13Gの駆動と適宜に呼ぶ。
また、アクティブマトリクス基板20Aにおいて、ソースドライバ3が設けられている辺側の額縁領域には、ソースドライバ3と各ソース線15Sとを接続する端子部12S(第1端子部)が、形成されている。
ソースドライバ3は、表示制御回路4から入力される制御信号に応じて、各ソース線15S(図52参照)にデータ信号を出力する。
図52に示すように、本実施形態では、表示領域内において、GL(1)〜GL(n)の各ゲート線13Gに対し、複数のゲートドライバ11が接続されている。同一のゲート線13Gに接続されているゲートドライバ11は同期しており、これらゲートドライバ11から出力されるセット信号によって1本のゲート線13Gが同時に駆動される。本実施形態では、ゲートドライバ11の各々が1本のゲート線13Gを駆動する負荷が略均等となるように、略等間隔にゲート線13Gに接続されている。
したがって、本実施形態では、アクティブマトリックス基板10Aの形状が非矩形であるので、当該非矩形形状に合わせてゲートドライバの個数が相違するのみで、その他の構成は、上記実施形態と同じである。
<液晶表示パネルの移動制御>
本実施形態でも、図49に示すように、識別情報である例えばアルファベットの文字「A、B、C」がプリントされた液晶表示パネル10A、10Bの裏面側が遊技盤1014の前面側に向けられている状態が初期状態である場合を例にとって説明する。すなわち、遊技者が、遊技盤1014を正面視して識別情報が視認できる状態である。
例えば、大当たりまたは小当たりなどいずれか所定条件が成立すると、メインCPU1060か副制御回路のサブCPU1007に所定の信号およびコマンドなどを送信する。サブCPU1007は、メインCPU1060からの信号およびコマンドに基づいて、後述する液晶パネル移動制御回路(図36を参照)によって液晶表示パネル10A、10Bの反転を開始する。
図49および図54に示すように、液晶表示パネル10A、10Bの平坦な短辺同士を近接対向させた状態で液晶表示パネル10A、10Bを搭載した2台の可動台37が、遊技盤1014の奥側に移動を開始する。両可動台37が所定距離まで移動する。可動台37が所定位置に達すると、モータ49が同時に作動する。一方のモータ49が正転する。すなわち、時計回りに回転する。他方のモータ49が逆転する。すなわち、反時計回りに回転する。したがって、一対の液晶表示パネル10A、10Bは、図55に示すように、短辺同士を近接対向させた状態で横軸75回りに遊技盤1014の奥側にフレキシブル基板27を押し込むように回転してゆく。なお、モータ49の作動タイミングは、液晶表示パネル10A、10Bを回転させる過程で、液晶表示パネル10A、10Bの長辺端部の旋回軌道上に、遊技盤1014と対面する保護ガラス1019が位置しない、つまり接触しないように設定されている。液晶表示パネル10A、10Bが保護ガラス1019と接触しない位置に達した時点に設定されている。すなわち、図56に示すように、両液晶表示パネル10A、10Bの長辺側が保護ガラス1019に対して垂直になるときの当該液晶表示パネル110A、10Bの旋回半径L1よりも旋回軸となる回転軸47から保護ガラス1019までの距離L2が長くなるよう可動台37の移動速度、移動距離およびモータ49の回転速度から予め回転開始のタイミングが適宜に設定されている。
また、液晶表示パネル10A、10Bが、遊技盤1014の奥側に移動するのに伴って、図36に示す副制御回路1007側のコネクタと液晶表示パネル1A、1Bのコネクタ29とにわたって接続されているフレキシブル基板27が、上下に曲率を変えながら湾曲変形する。ただし、上記実施形態に比べて液晶表示パネル10A、10Bより旋回半径が小さいので、フレキシブル基板27の取り回しが比較的容易となっている。
次に、両液晶表示パネル1A、1Bが、保護ガラス1019と垂直になった時点で可動台37の後方への移動が停止し、前方への移動に切り替わる。すなわち、液晶表示パネル10A、10Bは、表示演出用の表示面を遊技盤1014の前面に向けながら回転してゆく。液晶表示パネル10A、10Bが180度回転すると、図57に示すように、液晶表示パネル10A、10Bのフレキシブル基板27の接続した長辺が上下に入れ替わる。液晶表示パネル10A、10Bの画像表示面が面一となった時点で、回転がおよび前方への移動が停止する。したがって、フレキシブル基板27は、液晶表示パネル10A、10Bの前面側に露出することはない。
なお、フレキシブル基板27は、液晶表示パネル10A、10Bの回転の前後で適度のテンションが付与される長さに設定されている。
次に、液晶表示パネル10A、10Bの表示演出用の表示面を遊技盤1014の前面側に向けた状態から識別情報のプリントされた裏面側の表示面への表示に切り替えるとき、上述と同じく各液晶パネル10A、10Bを遊技盤1014の奥側と手前側に往復移動させながら両液晶表示パネル10A、10Bを横軸75回りに回転させる。ただし、各液晶表示パネル10A、10Bは、それぞれの回転方向が逆転する。すなわち、正転していた液晶表示パネル1Aは逆転し、逆転していた液晶表示パネル1Bは正転する。
(2)上記各実施形態では、1対の2枚の液晶表示パネル1A、1B、10A、10Bを回転させる構成であったが、液晶表示パネルの枚数は2枚に限定されず2枚以上の構成であってもよい。例えば、上記各実施形態の1対の液晶表示パネル1A、1Bまたは10A、10Bの各間に、矩形、正方形または非矩形の第3の液晶表示パネルを挟んだ構成が可能である。具体的には、図58および図59に示すように構成すればよい。
図58に示す実施形態の場合、液晶表示パネル1A、1Bの間に第3の液晶表示パネル1Cを配備する。液晶表示パネル1Cは、液晶表示パネル1A、1Bと同様に、リニアガイド35の可動台37に設けた回転駆動機構41によって回転軸回りに正転または逆転駆動させるように構成する。は、縦軸芯回りに正転または逆転させながら前後移動する構成にすればよい。
図59に示す実施形態の場合、液晶表示パネル10A、10Bの間に第3の液晶表示パネル10Cを配備する。液晶表示パネル10Cは、液晶表示パネル10A、10Bの横軸75回りに回転させているが、液晶表示パネル10Cは縦の回転軸47回りに正転または逆転駆動させる。すなわち、図4および図58の構成と同様に、リニアガイド35と回転駆動機構41によって液晶表示パネル10Cを回転および前後移動する構成にすればよい。
図58および図59に示す実施形態によれば、液晶表示パネルの回転による演出および3画面にを利用した表示演出が可能となるので、演出のバリエーションをより多く実現できる、したがって、遊技者が遊技に飽きることなく、遊技を継続することができる。
(3)上記各実施形態では、液晶表示パネル1A、1B、10A、10Bの前後移動にリニアガイド35を利用していたが、液晶表示パネルを前後移動可能な構成であれば特に限定されない。例えば、可動台37にボール軸を係合し、当該ボール軸を連結したモータによって、当該ボール軸に沿って可動台37を前後移動させるように構成してもよい。あるいは、ラックとピニオン、エアシリンダのようなアクチュエータまたはエアシリンダと連結したリンク機構を利用して構成してもよい。
(4)上記各実施形態では、液晶表示パネル1A、1B、10A、10Bを同時に回転させていたが、大当たりまたは小当たりによって、一方の液晶表示パネルだけを回転させたり、回転のタイミングをずらして表示演出の見え方を変化させたりしてもよい。すなわち、液晶表示パネルの回転は、適宜に設定変更が可能である。
(5)上記各実施形態では、パチンコ機を例にとって説明したが、パチスロ機において上記第2表示装置を備えた構成を適用することもできる。例えば、メカニカルリールまたはリールとして機能する液晶表示装置の上部に当該構成を備えればよい。また、当該構成において、パチスロ機の筐体から第2表示装置がはみ出さないように、筐体の開口に設けた保護ガラスより奥側、かつ、回転する液晶パネルが当該保護ガラスと接触しないように液晶パネルを表示位置と当該表示位置より奥側の位置との間で往復移動させるように構成する。