JP2017112676A - モータの巻線切替スイッチを備えたモータ用駆動制御装置、モータ、コンプレッサ、およびモータ巻線切替制御方法 - Google Patents

モータの巻線切替スイッチを備えたモータ用駆動制御装置、モータ、コンプレッサ、およびモータ巻線切替制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】耐久性および信頼性を確保しつつ、モータの効率低下およびコストを抑えることができる巻線切替モータ用駆動制御装置の提供。【解決手段】駆動制御装置10は、モータ1に備えられた巻線u,v,wに駆動電流を供給するインバータ部2と、巻線u,v,wの巻数を定める複数の端子1b,1cのいずれかを選択することにより巻線u,v,wを高ターンと低ターンとに切り替える巻線切替部3と、高ターンと低ターンとのいずれかに対応する巻線切替信号S21,S22を巻線切替部3に与える巻線切替制御部42とを備えている。巻線切替部3は、端子1b,1cにそれぞれ接続される複数の半導体スイッチを有しており、それらのスイッチは、電流に対する導通損失を示す特性が相違している。半導体スイッチは、巻線切替信号S21,S22に基づいて選択的にオンオフされる。【選択図】図1

Description

本発明は、モータの巻線を異なる巻数に切り替えるスイッチを備えたモータ用駆動制御装置、それを備えたモータおよび電動圧縮機に関する。
空調機等を構成する圧縮機を駆動する永久磁石同期モータは、モータに駆動電流を供給するインバータ部を含む駆動制御装置により駆動される。このモータは、ステータ巻線の巻数と回転数との積に比例した誘起電圧を発生するため、誘起電圧が大きい高速時には、コントローラにて誘起電圧を抑制するいわゆる弱め界磁制御が行われている。
この弱め界磁制御を行うと、誘起電圧が抑制されるため回転速度を大きくできる一方で、モータの出力トルクに寄与しない電流が流れるため、モータの効率が低下してしまう。巻数を減少させると、発生する誘起電圧および弱め界磁制御によるトルクのロスを小さくできるが、低速時に所定のトルクを得るために必要な電流が増大するので、低速時のモータの効率が低下してしまう。
上記の問題を解決するため、巻数が少ない低ターンと巻数が多い高ターンとに巻線をスイッチで切り替えることが有効である(特許文献1)。
巻線を切り替えるスイッチとしては、機械的に接点を切り替えるメカスイッチ(特許文献1)や、IGBT等の半導体素子を用いた半導体スイッチが存在している。
メカスイッチを用いる場合は、スイッチ切替時の過渡特性(サージ発生)を考慮する必要があり、半導体スイッチを用いる場合は、半導体素子の抵抗による導通損失が発生する。
そこで、特許文献2では、基本的にメカスイッチを使用しつつも、過渡時(スイッチ切替時)にだけ半導体スイッチをオンにすることによって過渡特性に対処している。
特開2008−22665号公報 特開2008−182783号公報
特許文献2のようにメカスイッチと半導体スイッチとを併用すると、スイッチの数が増えるのでコントローラが大型化する上、それらのスイッチを連係して作動させるためにシステムが複雑となるのでコストが大幅に増加する。
また、機械的な接点を有するメカスイッチを用いている限り、接点の摩耗を想定した耐久性および信頼性の確保が課題となる。
以上より、本発明は、耐久性および信頼性を確保しつつ、モータの効率低下およびコストを抑えることができる巻線切替モータ用駆動制御装置を提供することを目的とする。
本発明のモータ用駆動制御装置は、モータに備えられた巻線に駆動電流を供給するインバータ部と、巻線の巻数を定める複数の端子のいずれかを選択することにより巻線を2以上の異なる巻数に切り替える巻線切替部と、巻数のいずれかに対応する指令を巻線切替部に与える制御部と、を備える。
そして、本発明は、電流に対する導通損失を示す特性が相違しており、端子にそれぞれ接続される複数の半導体スイッチを巻線切替部が有しており、複数の半導体スイッチが、指令に基づいて選択的にオンオフされることを特徴とする。
本発明のモータ用駆動制御装置においては、指令に基づいて、電流に対する導通損失が最も小さい半導体スイッチはオンされ、他の半導体スイッチはオフされることが好ましい。
本発明のモータ用駆動制御装置において、巻線切替部は、複数の半導体スイッチとして、MOSFETと、IGBTと、を備えることが好ましい。
本発明における半導体スイッチとして、還流ダイオードが付属しているものを用いることもできる。
本発明のモータは、上述のモータ用駆動制御装置を備えることを特徴とする。
本発明のコンプレッサは、上述のモータと、モータにより駆動され流体を圧縮する圧縮機構と、モータおよび圧縮機構を収容するハウジングと、を備えることを特徴とする。
本発明のコンプレッサは、空気調和機を構成していることが好ましい。
また、本発明は、2以上の複数の巻数に切替可能な巻線が備えられたモータの巻線切替制御方法であって、電流に対する導通損失を示す特性が相違しており、前記巻線の巻数を定める複数の端子にそれぞれ接続される複数の半導体スイッチを選択的にオンオフすることにより、前記巻線を異なる巻数に切り替えることを特徴とする。
本発明のモータの巻線切替制御方法においては、電流に対する導通損失が最も小さい半導体スイッチをオンし、他の半導体スイッチをオフすることが好ましい。
本発明のモータ巻線切替制御方法においては、モータの検出された回転速度に適合する速度領域が与えられた半導体スイッチをオンし、他の半導体スイッチをオフすることが好ましい。
本発明における複数の半導体スイッチのうちの少なくとも一つは、パワー半導体素子として典型的に用いられる安価な半導体素子であってよい。そして、その半導体素子よりは高価であったとしても電流が小さいときの導通損失が小さい素子を他の半導体スイッチとして用いる。
そうすることにより、コストアップを最小限に留めつつ、半導体スイッチに必ず伴う導通損失を抑えることができ、弱め磁界制御および巻線切替によってもたらされる運転範囲拡大およびモータ効率担保を半導体スイッチの導通損失により減殺されることなく実現することができる。
そして、本発明では、メカスイッチを用いることなく半導体スイッチのみによって巻線切替を実現しているので、過渡特性に優れ、寿命が長く、耐久性および信頼性を十分に確保できる。
本発明の実施形態に係る巻線切替モータ用駆動制御装置を示す図である。 (a)は、第1半導体スイッチの構成を示す図である。(b)は、第2半導体スイッチの構成を示す図である。 第1半導体スイッチおよび第2半導体スイッチの電流−導通損失特性を示すグラフである。 (a)は、第1半導体スイッチの他の構成を示す図である。(b)は、第2半導体スイッチの他の構成を示す図である。 (a)および(b)は、モータの回転速度に応じて巻線を高ターンと低ターンとに切り替える制御例を示す模式図である。 図1に示す駆動制御装置を備えた電動コンプレッサを示す模式図である。 第1半導体スイッチ〜第3半導体スイッチの電流−導通損失特性を示すグラフである。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
図1に示すモータ用駆動制御装置10は、モータ1に駆動電流を供給するインバータ部2と、モータ1に備えられた巻線u,v,wを低ターンと高ターンとに切り替える巻線切替部3と、インバータ部2および巻線切替部3にそれぞれ制御信号(指令)を与えるコントローラ4とを備えている。
モータ1は、永久磁石を含むロータと、巻線u,v,wが設けられたステータとを有する永久磁石型同期モータである。
永久磁石同期モータは、永久磁石が設けられたロータの回転に伴う電磁誘導により、巻数と回転数との積に比例した誘起電圧を発生する。そのため、誘起電圧が大きい高速時には、負のd軸電流を巻線u,v,wに流すことによる減磁作用により、等価的な弱め界磁制御を行っている。この制御はコントローラ4により行われる。
巻線uの両端と、それらの間に位置する中間にはそれぞれ端子1a,1b,1cが設けられている。中間の端子1bは、巻線uにおける所定の巻数の位置に設けられている。
端子1aから中間の端子1bまでの所定の巻数のことを「低ターン」と称する。
端子1aから端子1cまでの巻数のことを「高ターン」と称する。「高ターン」は、巻線uの全長に亘る巻数である。
端子1bまたは端子1cが選択されることで、巻線uの巻数が定められる。
巻線uと同様に、巻線v,wの各々にも、端子1a,1b,1cが設けられている。
モータ1は、図6に示すコンプレッサ7に適用することができる。コンプレッサ7は、モータ1と、モータ1により駆動されて冷媒を圧縮する圧縮機構8と、モータ1および圧縮機構8を収容するハウジング9とを備えており、空気調和機を構成する。
インバータ部2は、u相、v相、w相の各々に対応する半導体スイッチング素子21を含んで構成されている。インバータ部2の正入力端子P(+)と、負入力端子N(−)との間には、整流回路を含む直流電源(図示しない)が接続される。
インバータ部2は、半導体スイッチング素子21のスイッチングにより生成された駆動電流を給電線u1,v1,w1を通じて巻線u,v,wに供給する。
巻線切替部3は、第1スイッチ部31と、第2スイッチ部32とを備えている。
第1スイッチ部31は、巻線u,v,wのそれぞれの一端に位置する端子1cに引出線u3,v3,w3を介して接続されている。
第2スイッチ部32は、巻線u,v,wのそれぞれの中間に位置する端子1bに引出線u2,v2,w2を介して接続されている。
第1スイッチ部31および第2スイッチ部32は、オンまたはオフに排他的に切り替えられることで、巻線u,v,wの各々の端子1b,1cのうちのいずれか一方を選択する。
第1スイッチ部31は、図2(a)に示すように、半導体スイッチSW1と、ダイオード31Dとを含んで構成されている。ダイオード31Dは、巻線u,v,wの端子1cから引き出された引出線u3,v3,w3を流れる電流を整流する。
第2スイッチ部32は、図2(b)に示すように、半導体スイッチSW2と、ダイオード32Dとを含んで構成されている。ダイオード32Dは、巻線u,v,wの端子1bから引き出された引出線u2,v2,w2を流れる電流を整流する。
第1スイッチ部31および第2スイッチ部32は、それぞれ直流電源を構成している。
第1スイッチ部31および第2スイッチ部32は、巻線u,v,wを一括して高ターンと低ターンとに切り替える。
図2(a)および(b)に示した第1スイッチ部31および第2スイッチ部32の構成は、あくまで一例である。
半導体スイッチSW1と半導体スイッチSW2は、電流に対する導通損失特性が相違する。
図3は、半導体スイッチSW1の導通損失特性(実線で示す)と、半導体スイッチSW2の導通損失特性(破線で示す)とを示している。半導体スイッチSW1の導通損失は電流の2乗に対してほぼ比例する。図3に示す半導体スイッチSW1,SW2のそれぞれの特性はあくまで一例である。
半導体スイッチSW1,SW2の各々の特性カーブは、ある電流Iで交差している。電流が電流Iに対して小さい領域EC1では、半導体スイッチSW2の導通損失よりも半導体スイッチSW1の導通損失が小さいが、電流が電流Iに対して大きい領域EC2では、逆に、半導体スイッチSW1の導通損失よりも半導体スイッチSW2の導通損失が小さい。
半導体スイッチSW1は、ここではMOSFET(metal-oxide-semiconductor field-effect transistor)である。
半導体スイッチSW2は、ここではIGBT(insulated gate bipolar transistor)である。
MOSFETとして、Siを用いた典型的なものの他、Siを用いたSJ−MOSFET(スーパージャンクション構造のMOSFET)や、SiC,GaN,Ga等を用いたワイドギャップのMOSFETを用いることもできる。
半導体スイッチSW1,SW2には、図4(a)および(b)に示すように、還流ダイオードrDが付属していてもよい。入手性や特性を考慮して、第1スイッチ部31および第2スイッチ部32を構成する適宜な電子部品を選定することができる。
第1スイッチ部31、第2スイッチ部32における還流ダイオードrDは機能しないので、還流ダイオードrDが付属していても半導体スイッチSW1,SW2の作動には影響しない。
コントローラ4(図1)は、インバータ部2に駆動信号S1を与える駆動制御部41と、巻線切替部3の第1スイッチ部31および第2スイッチ部32に巻線切替信号S21,S22を与える巻線切替制御部42とを備えている。
駆動制御部41は、PWM(pulse width modulation)制御によりパルス波の幅を変調させることで駆動信号S1を生成し、インバータ部2へと入力する。パルス信号である駆動信号S1に従ってインバータ部2の半導体スイッチング素子21がオンオフにスイッチングされることで、駆動信号S1のデューティ比に応じた波形の駆動電流が生成されて巻線u,v,wへと供給される。駆動信号S1のデューティ比に応じてモータ1が可変速度で回転される。
巻線切替制御部42は、第1スイッチ部31および第2スイッチ部32を選択的にオンオフする巻線切替信号S21,S22を半導体スイッチSW1および半導体スイッチSW2にそれぞれ与える。
巻線切替信号S21がオンで巻線切替信号S22がオフのとき、第1スイッチ部31の半導体スイッチSW1(図2(a))がオンで第2スイッチ部32の半導体スイッチSW2(図2(b))がオフとなる。このとき、巻線u,v,wが高ターンに切り替えられる。
巻線切替信号S21がオフで巻線切替信号S22がオンのとき、第1スイッチ部31の半導体スイッチSW1(図2(a))がオフで第2スイッチ部32の半導体スイッチSW2(図2(b))がオンとなる。このとき、巻線u,v,wが低ターンに切り替えられる。
次に、巻線切替制御部42および巻線切替部3により巻線u,v,wを高ターンと低ターンとに切り替える制御の一例について説明する。
ここでは、モータ1の回転速度に応じて巻線u,v,wの切り替えを行う。
空気調和機用途のコンプレッサ7に適用される巻線切替モータ1は、以下の特徴を有する。
・コンプレッサ7の低速運転時に高ターンに切り替えると、モータ1が所定のトルクを得るために必要な電流が小さい。
・コンプレッサ7の高速運転時に低ターンに切り替えると、モータ1が所定のトルクを得るために必要な電流が大きい。
上記の特徴と、図3に示す電流−導通損失の特性を考慮し、モータ1の効率が良くなるように、半導体スイッチSW1,SW2の各々に速度領域を与える。つまり、図3より、半導体スイッチSW1,SW2において相対的に電流が小さいときの効率が良い(損失が小さい)半導体スイッチSW1には、小さい電流に対応する低速領域Vを与え、相対的に電流が大きいときの効率が良い(損失が小さい)半導体スイッチSW2には、大きい電流に対応する高速領域Vを与える。
半導体スイッチSW1は、与えられた低速領域Vにおいてオンされ、このとき他の半導体スイッチSW2はオフされる。
半導体スイッチSW2は、与えられた高速領域Vにおいてオンされ、このとき他の半導体スイッチSW1はオフされる。
速度領域V,Vは、閾値の速度Vにより定めることができる。
図3では、半導体スイッチSW1,SW2の導通損失特性が交わる電流Iに対応する速度Vで速度領域Vおよび速度領域Vを区分しているが、その限りではない。速度Vは、解析や試験により、使用温度や運転条件等も考慮して適宜に定めることができる。
また、半導体スイッチSW1,SW2の周囲温度を検出し、検出された温度に基づいて閾値の速度Vを補正することができる。
図5を参照し、低速時および高速時における制御例を説明する。
巻線切替制御部42は、検出されたモータ1の回転数に適合する速度領域に応じて、高ターンまたは低ターンを示す巻線切替信号S21,S22を半導体スイッチSW1,SW2に与える。
巻線切替制御部42は、駆動制御部41におけるフィードバック制御に用いられる回転数を参照することができる。
図5(a)に示すように低速時(低速領域V)は、巻線切替制御部42から与えられる巻線切替信号S21により半導体スイッチSW1をオンし、巻線切替信号S22により半導体スイッチSW2をオフする。そうすることで巻線u,v,wを高ターンに切り替える。このとき、上述したモータ1の特徴より、巻線u,v,wを流れる電流が小さいので、巻線u,v,wの端子1cに接続された半導体スイッチSW1を流れる電流も小さい。図3の特性より、電流が小さいときには半導体スイッチSW1の導通損失が半導体スイッチSW2よりも小さい。
つまり、導通損失特性の異なる複数の半導体スイッチSW1,SW2のうち、電流が小さい低速時に効率のよい半導体スイッチSW1が選択される。そのため、仮に半導体スイッチSW1,SW2の導通損失特性が同じである場合と比べて、半導体スイッチSW1,SW2の損失の差Δ(図3)の分だけ、モータ1の効率がよいことになる。
そして、図5(b)に示すように高速時(高速領域V)は、巻線切替制御部42から与えられる巻線切替信号S21により半導体スイッチSW1をオフし、巻線切替信号S22により半導体スイッチSW2をオンする。そうすることで巻線u,v,wを低ターンに切り替える。このとき、上述したモータ1の特徴より、巻線u,v,wを流れる電流が大きいので、巻線u,v,wの端子1bに接続された半導体スイッチSW2を流れる電流も大きい。図3の特性より、電流が大きいときには半導体スイッチSW2の導通損失が半導体スイッチSW1よりも小さい。
つまり、高速時には、半導体スイッチSW1,SW2のうち効率のよい半導体スイッチSW2が選択される。
以上で説明した本実施形態によれば、機械的な接点を有するメカスイッチを用いることなく、半導体スイッチSW1,SW2のみによって巻線切替を実現している。そのため、メカスイッチを用いる場合とは違ってスイッチ切替時に過大な電流が発生せず、メカスイッチに比べて高速にスイッチが切り替わるので、過渡特性に優れる。また、メカスイッチでは接点の摩耗が次第に進行するのに対して、半導体スイッチSW1,SW2はそれに比べて経時劣化が少ないので、寿命が長く、耐久性および信頼性を十分に確保できる。
もし、半導体スイッチと良導体から形成されるメカスイッチとを組み合わせて使用し、スイッチ切替時にだけ半導体スイッチをオンにするとすれば、過渡特性には対処できるとしても、メカスイッチの接点の摩耗を考慮する必要があり、しかもシステムが複雑となるので大幅にコストアップする。
それに対して、本実施形態では、パワー半導体素子として典型的に用いられるIGBTと、IGBTよりは高価であったとしても電流が小さいときの導通損失が小さいMOSFETとを半導体スイッチSW1,SW2として用いることにより、コストアップを最小限に留めつつ、半導体スイッチに必ず伴う導通損失を抑えている。そのため、永久磁石同期モータ1における弱め磁界制御および巻線切替によってもたらされる運転範囲拡大およびモータ効率担保を半導体スイッチの導通損失により減殺されることなく実現することができる。
その上、空気調和機用のコンプレッサに適用されるモータ1にあっては、JIS C9612に基づく空調機の評価指標である通年エネルギー消費効率(Annual Energy Consumption:APF)の観点から、電流−導通損失特性の異なる半導体スイッチSW1,SW2を使用する意義が大きい。APFは、所定の冷房期間及び所定の暖房期間を通じて室内側空気から除去する熱量及び室内側空気に加える熱量の総和と、同期間内に消費する電力量の総和との比を示しており、運転頻度が高い低速度域運転に重み付けして算出されるためである。つまり、巻線切替に必要となる半導体スイッチSW1,SW2の一つとして、若干のコストを掛けて導通損失特性が良好なものを使用し、運転効率を確保する意義が十分にある。
上記以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更することが可能である。
本発明において、3つ以上の半導体スイッチを用いることもできる。
例えば、モータの巻線u,v,wが3段階の巻数(低ターン、中ターン、高ターン)に切替可能に構成されている場合は、低、中、高ターンの各端子にそれぞれ対応する3つの半導体スイッチを使用するとよい。
図7に、3つの半導体スイッチSW1,SW2,SW3の電流−導通損失特性を示す。SW1の特性を実線で示し、SW2の特性を破線で示し、SW3の特性を一点鎖線で示している。
この場合は、電流領域EC1では半導体スイッチSW1をオンし、他の半導体スイッチSW2,SW3をオフする。電流領域EC2では半導体スイッチSW2をオンし、他の半導体スイッチSW1,SW3をオフする。そして、電流領域EC3では半導体スイッチSW3をオンし、他の半導体スイッチSW1,SW2をオフする。
以上により、図7に示す特性に基づいて、電流に対する導通損失が最も小さい半導体スイッチが選択されることとなる。
本発明における複数の半導体スイッチとしては、電流−導通特性が相違しており、その中で最も導通損失が小さいものが電流に応じて入れ替わる限りにおいて、任意の構成のものを用いることができる。
また、本発明は、駆動電流として単相交流が巻線に供給されるモータにも適用することができる。
1 モータ
1b,1c 端子
2 インバータ部
3 巻線切替部
4 コントローラ
7 コンプレッサ
8 圧縮機構
9 ハウジング
10 駆動制御装置
21 半導体スイッチング素子
31 第1スイッチ部
31D ダイオード
32 第2スイッチ部
32D ダイオード
41 駆動制御部
42 巻線切替制御部(制御部)
EC1 小電流領域
EC2 大電流領域
電流
rD 還流ダイオード
S1 駆動信号
S21,S22 巻線切替信号
SW1,SW2 半導体スイッチ
u,v,w 巻線
u1,v1,w1 給電線
u2,v2,w2 引出線
u3,v3,w3 引出線
高速領域
低速領域

Claims (10)

  1. モータに備えられた巻線に駆動電流を供給するインバータ部と、
    前記巻線の巻数を定める複数の端子のいずれかを選択することにより前記巻線を2以上の異なる巻数に切り替える巻線切替部と、
    前記巻数のいずれかに対応する指令を前記巻線切替部に与える制御部と、を備え、
    前記巻線切替部は、
    電流に対する導通損失を示す特性が相違しており、前記端子にそれぞれ接続される複数の半導体スイッチを有し、
    前記複数の半導体スイッチは、
    前記指令に基づいて選択的にオンオフされる、
    ことを特徴とするモータ用駆動制御装置。
  2. 前記指令に基づいて、
    電流に対する導通損失が最も小さい前記半導体スイッチはオンされ、他の前記半導体スイッチはオフされる、
    ことを特徴とする請求項1に記載のモータ用駆動制御装置。
  3. 前記巻線切替部は、
    前記複数の半導体スイッチとして、
    MOSFETと、IGBTと、を備える、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のモータ用駆動制御装置。
  4. 前記半導体スイッチには、
    還流ダイオードが付属している、
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のモータ用駆動制御装置。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載のモータ用駆動制御装置を備える、
    ことを特徴とするモータ。
  6. 請求項5に記載されたモータと、
    前記モータにより駆動され流体を圧縮する圧縮機構と、
    前記モータおよび前記圧縮機構を収容するハウジングと、を備える、
    ことを特徴とするコンプレッサ。
  7. 前記コンプレッサは、空気調和機を構成する、
    ことを特徴とする請求項6に記載のコンプレッサ。
  8. 2以上の複数の巻数に切替可能な巻線が備えられたモータの巻線切替制御方法であって、
    電流に対する導通損失を示す特性が相違しており、前記巻線の巻数を定める複数の端子にそれぞれ接続される複数の半導体スイッチを選択的にオンオフすることにより、前記巻線を異なる巻数に切り替える、
    ことを特徴とするモータ巻線切替制御方法。
  9. 電流に対する導通損失が最も小さい前記半導体スイッチをオンし、他の前記半導体スイッチをオフする、
    ことを特徴とする請求項8に記載のモータ巻線切替制御方法。
  10. 前記モータの検出された回転速度に適合する速度領域が与えられた前記半導体スイッチをオンし、他の前記半導体スイッチをオフする、
    ことを特徴とする請求項8または9に記載のモータ巻線切替制御方法。
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