JP2017112125A - ケースの洗浄方法、および、ケースの洗浄装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 天板部と、該天板部の周縁から下方に延びるように設けられた周壁部を有し、該天板部と該周壁部から構成される空間に収容物が納められる蓋部と、前記収容物を保持する底部と、を有するケースに対し、大気中において、前記ケースの前記蓋部を、前記底部と分離した開放状態で振動させることにより、上記課題を解決する。
【選択図】 図2
Description
しかしながら、従来手法による異物除去処理では不十分であり、ケース内に残留する異物が、収容物である精密部品に付着してしまうという問題があった。
また、上記のような、液体を用いた洗浄では、洗浄後に乾燥工程が不可欠であり、この乾燥工程において新たな異物がケース内に付着し、この異物がケースから離脱して、収容物である精密部品に付着してしまうという問題があった。
まず、本発明の洗浄方法の対象となるケースについて説明する。
図1は、本発明の洗浄方法の対象となるケースの一例について示す図である。ここで、図1(a)は、収容物40を収容し、蓋部20と底部30を係合させた状態のケース10を示し、図1(b)は、蓋部20と底部30を分離した状態を示す。なお、図1(b)においては、収容物40は省略している。
蓋部20は、天板部21と、天板部21の周縁から下方(図中のZ方向と逆の方向)に延びるように設けられた周壁部22を有しており、天板部21と周壁部22から構成される空間に収容物40が納められる。
底部30は、底部本体31と、底部本体31の上に設けられた収容物保持部32を有し、収容物保持部32によって、収容物40の周縁の一部が下側及び側面側から保持される。
収容物40としては、異物の付着を嫌う製品及び部品を挙げることができ、特に、フォトマスク、マスクブランクス、インプリント用テンプレート、ガラス基板、ウェハ等の精密部品を、好適に挙げることができる。
同様に、底部30の平面形態も、収容物40の形態にもよるが、例えば、収容物40がフォトマスクやマスクブランクス、またはその製造中間品である場合は、通常、略四角形である。
例えば、不活性ガスをケース10内に充填することで、収容物40の化学的な経時変化を抑制できるからである。
次に、本発明に係るケースの洗浄方法、および、ケースの洗浄装置について説明する。
図2は、本発明に係るケースの洗浄装置の一例について示す図である。
そして、本発明に係るケースの洗浄装置は、上記の本発明に係るケースの洗浄方法に用いられる装置である。
支柱部112は、その下面(底面)側が振動機構120のステージ121に装着されており、ステージ121は、振動部122に連結されており、振動発生部123による振動部122の振動が、ステージ121、支柱部112、蓋部保持部111を介して蓋部20に与えられる。
さらに、気体が天側から地側に向かって流れる環境、または、気体が作業者に対し奥側から手前側に向かって流れる環境の下で、蓋部20を、底部30と分離した開放状態で振動させることにより、蓋部20の内部から排出された異物が、再び蓋部20の内部に付着する不具合を防ぐことができる。
また、「気体が作業者に対し奥側から手前側に向かって流れる環境」は、例えば図2に示す洗浄装置100を、クリーンブースやクリーンベンチ内に配置し、洗浄装置100の背面側に設けられたHEPAフィルターを通過した気体が、洗浄装置100の背面側から前面側、換言すれば、作業者に対して奥側から手前側に向かって流れるようにすることで、このような環境とすることができる。
ケース10の蓋部20を、底部30と分離した開放状態で振動させる工程において、または、ケース10の蓋部20を、底部30と分離した開放状態で振動させる工程の前後において、イオン化させたクリーンエアー131を、蓋部20の内部に吹き付けることにより、異物を蓋部20の内部から、より排出しやすくなるからである。
ケース10の蓋部20を、底部30と分離した開放状態で振動させる工程において、排気を行うことにより、蓋部20の内部から排出された異物が、蓋部20の内部に戻ってしまうことを、より効果的に抑制できるからである。
例えば、図3に示す洗浄装置200において、蓋部保持機構210は、蓋部20を保持する蓋部保持部211と、蓋部保持部211が設けられた支柱部212を有しており、蓋部保持部211が支柱部212の下方に設けられていることにより、蓋部20を中空に保持している。
支柱部212は、その上面側が振動機構220のステージ221の下面に装着されており、ステージ221は、その上方で振動部222に連結されており、振動発生部223による振動部222の振動が、ステージ221、支柱部212、蓋部保持部211を介して蓋部20に与えられる。
さらに、気体が天側から地側に向かって流れる環境、または、気体が作業者に対し奥側から手前側に向かって流れる環境の下で、蓋部20を、底部30と分離した開放状態で振動させることにより、蓋部20の内部から排出された異物が、再び蓋部20の内部に付着する不具合を防ぐことができる。
ケース10の蓋部20を、底部30と分離した開放状態で振動させる工程において、または、ケース10の蓋部20を、底部30と分離した開放状態で振動させる工程の前後において、イオン化させたクリーンエアー231を、蓋部20の内部に吹き付けることにより、異物を蓋部20の内部から、より排出しやすくなるからである。
特に、洗浄装置200においては、振動機構220のステージ221が蓋部20の上方にあるため、蓋部20の下方には、イオン化エアーガン130の配備を阻害するものが無い点、好ましい。
ケース10の蓋部20を、底部30と分離した開放状態で振動させる工程において、排気を行うことにより、蓋部20の内部から排出された異物が、蓋部20の内部に戻ってしまうことを、より効果的に抑制できるからである。
特に、洗浄装置200においては、振動機構220のステージ221が蓋部20の上方にあるため、蓋部20の直下に排気機構を設けることができる点、好ましい。
本発明において、この加速度の範囲で洗浄された蓋部20であれば、本発明の洗浄後、収容物40を収容して蓋部20と底部30を係合して密閉したケース10を搬送した際に、通常の搬送作業の振動により、蓋部20内部に付着していた異物が離脱して、収容物40に付着してしまう事態は、原則、生じないと言えるからである。
一方、通常の作業においてケース10に与えられる加速度よりも過度に大きい加速度を、本発明の洗浄に用いる場合は、この洗浄工程においてケース10の蓋部20を破損してしまうおそれがあるため、好ましくない。
言い換えれば、本発明の洗浄方法における、ケース10の蓋部20を、底部30と分離した開放状態で振動させる工程は、液体を用いた洗浄によって、蓋部20を洗浄した後に行うことが好ましい。
液体による洗浄では除去しきれなかった異物の除去を、振動させことで除去することができ、ケースをより清浄な状態とすることができるからである。
ここで、洗浄用の液体としては、純水、温純水など、従来の手法で用いられるものであれば用いることができる。薬液を含んでいても良い。また、洗浄液には超音波をかけても良い。
蓋部20の液体による洗浄の方法としては、蓋部20を洗浄液に浸漬させる方法、または、洗浄液を高圧で吹き付ける方法、などが挙げられる。なお、底部30も同様に洗浄液にて洗浄しておいても良い。
その後、蓋部20を乾燥させる。乾燥後、洗浄液による洗浄でも除去しきれなかった異物や、乾燥時に新たに付着した異物を、ケース10の蓋部20を底部30と分離した開放状態で振動させる工程で除去する。
図1に示す構成を備えたケース10を準備し、従来と同様の手法により、温水洗浄を施し、乾燥させたケース10の蓋部20を、底部30と分離した開放状態で、図2に示す構成を備えた洗浄装置100の蓋部保持機構110に保持し、大気中において、気体が天側から地側に向かって流れる環境の下で、1.5G〜2G(14.7m/s2〜19.6m/s2)で1分間振動させた。
その後、蓋部20を洗浄装置100から外し、底部30と係合させて密閉状態とし、ケース10内の異物の計測を行った。
なお、底部30の洗浄は、従来と同様の温水洗浄及び乾燥を施したものとした。
異物の計測は、小型の計測器をケース10内に配置し、計測対象を0.5μm以上の異物とし、10分間測定した。結果を図5に示す。
実施例1における蓋部20の振動による洗浄を行わないこと以外は、実施例1と同様にして比較例1の洗浄を行い、異物の計測を行った。
より詳しくは、図1に示す構成を備えたケース10を準備し、従来と同様の手法により、温水洗浄を施し、乾燥させた蓋部20と底部30を、係合させて密閉状態とし、ケース10内の異物の計測を行った。
異物の計測は、小型の計測器をケース10内に配置し、計測対象を0.5μm以上の異物とし、10分間測定した。結果を図5に示す。
実施例1及び比較例1の異物計測の測定結果を図5に示す。ここで、図5においては、比較例1における異物の計測数を100%として、比較例1における異物の計測数に対する実施例1における異物の計測数を、百分率で示している。
図5に示すように、従来の洗浄方法のみを施した比較例1に比べ、従来の洗浄方法に加えて、本発明の洗浄方法を施した実施例1においては、67%も異物を減らすことができた。
20 蓋部
30 底部
40 収容物
21 天板部
22 周壁部
23 開口部
31 底部本体
32 収容物保持部
100、200 洗浄装置
110、210 蓋部保持機構
111、211 蓋部保持部
112、212 支柱部
120、220 振動機構
121、221 ステージ
122、222 振動部
123、223 振動発生部
130、230 イオン化エアーガン
131、231 クリーンエアー
Claims (10)
- ケースの洗浄方法であって、
前記ケースは、
天板部と、該天板部の周縁から下方に延びるように設けられた周壁部を有し、該天板部と該周壁部から構成される空間に収容物が納められる蓋部と、
前記収容物を保持する底部と、
を有しており、
前記洗浄方法は、
大気中において、気体が天側から地側に向かって流れる環境、または、気体が作業者に対し奥側から手前側に向かって流れる環境の下で、
前記蓋部の前記天板部を天側に配し、前記天板部と前記周壁部から構成される空間の開口部を地面側に配し、
前記ケースの前記蓋部を、前記底部と分離した開放状態で振動させる工程を有することを特徴とする、ケースの洗浄方法。 - 前記ケースの前記蓋部を、前記底部と分離した開放状態で振動させる工程において、排気を行うことを特徴とする、請求項1に記載のケースの洗浄方法。
- 前記ケースの前記蓋部を前記底部と分離した開放状態で振動させる工程の前に、前記蓋部を液体により洗浄する工程を有することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のケースの洗浄方法。
- 前記ケースの前記蓋部を、前記底部と分離した開放状態で振動させる工程において、
または、前記ケースの前記蓋部を、前記底部と分離した開放状態で振動させる工程の前後において、
イオン化させたクリーンエアーを、前記蓋部の内部に吹き付けることを特徴とする、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のケースの洗浄方法。 - 前記ケースの前記蓋部を、前記底部と分離した開放状態で振動させる工程において、前記蓋部を、9.8m/s2以上49m/s2以下の加速度で振動させることを特徴とする、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のケースの洗浄方法。
- 前記収容物が、フォトマスク、マスクブランクス、インプリント用テンプレート、ガラス基板、ウェハのいずれかであることを特徴とする、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のケースの洗浄方法。
- 前記ケースの蓋部及び底部には、標準機械的インターフェースSMIF(Standard Mechanical Interface)機構が組み込まれていることを特徴とする、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のケースの洗浄方法。
- ケースの洗浄装置であって、
前記ケースは、
天板部と、該天板部の周縁から下方に延びるように設けられた周壁部を有し、該天板部と該周壁部から構成される空間に収容物を納める蓋部と、
前記収容物を保持する底部と、
を有しており、
前記洗浄装置は、
前記蓋部を保持する蓋部保持機構と、
前記蓋部保持機構が装着された振動機構を、
備えており、
大気中において、
前記蓋部保持機構により、前記底部と分離した開放状態の前記蓋部を保持し、前記振動機構による振動を前記蓋部に与えることを特徴とする、ケースの洗浄装置。 - 排気機構を、さらに備えることを特徴とする、請求項8に記載のケースの洗浄装置。
- イオン化エアーガンを、さらに備えることを特徴とする、請求項8または請求項9に記載のケースの洗浄装置。
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JP2015242777A JP6601200B2 (ja) | 2015-12-14 | 2015-12-14 | ケースの洗浄方法、および、ケースの洗浄装置 |
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JP2018201932A (ja) * | 2017-06-07 | 2018-12-27 | サミー株式会社 | 遊技機 |
JP2019063069A (ja) * | 2017-09-29 | 2019-04-25 | サミー株式会社 | 遊技機 |
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- 2015-12-14 JP JP2015242777A patent/JP6601200B2/ja active Active
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