JP2017111746A - 視線検出装置及び視線検出方法 - Google Patents

視線検出装置及び視線検出方法 Download PDF

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【課題】被験者の視線方向を広い範囲で検出しながら、その視線方向の検出精度を保つ。【解決手段】視線検出装置は、2つのカメラ10と、カメラ10にそれぞれ取り付けられた光源13と、カメラ10のレンズの光軸から離れる位置に配置された補助光源40と、光源13及び補助光源40の点灯を制御する点灯制御部21と、カメラ10のそれぞれによって取得された眼画像を対象にして、瞳孔中心の位置及び角膜反射の位置を検出し、瞳孔中心の位置及び角膜反射の位置を基に対象者の視線方向を算出する算出部23とを備える。算出部23は、眼画像において光源13による角膜反射の位置が検出できなかった際には、眼画像において補助光源40による2つの角膜反射の位置を検出し、それらの位置を基に光源13による角膜反射の位置を推定し、推定した位置を用いて対象者の視線方向を算出する。【選択図】図4

Description

本発明は、人の画像から視線を検出する視線検出装置及び視線検出方法に関する。
近年、近赤外光源等の光源とビデオカメラを使用した視線検出装置が普及しつつある。このような視線検出装置では、「瞳孔−角膜反射法」と呼ばれる検出方法が用いられている。「瞳孔−角膜反射法」とは、ビデオカメラに対する被験者の視線方向の角度の変化によりビデオカメラで得られる画像中の瞳孔と角膜反射との位置関係が変化することを用いて、視線方向を検出する方法である。この方法では、予め座標が既知の点を被験者に見させて、画像における瞳孔と角膜反射との位置関係と視線方向の角度との関係を予め求めておいた上で、その関係を利用して視線方向が検出される。瞳孔−角膜反射法は視線検出精度が高いという利点を持つ。
一方で、瞳孔−角膜反射法は視線方向の検出が可能な角度範囲が限られる傾向がある。すなわち、従来の視線検出装置では、カメラに光源が取り付けられていることが一般的なため、被験者がカメラに向かう方向から大きく外れた方向を見た場合に、角膜反射像が出現しないため、視線方向が検出できなくなる。
上記の問題を考慮した視線検出装置としては、下記特許文献1に記載の装置が知られている。この装置では、互いに異なる位置に配置された複数の光源を備え、第1の光源が被験者を照明している間に被験者の眼を撮影した第1の画像と、第2の光源が被験者を照明している間に被験者の眼を撮影した第2の画像とを得て、第1及び第2の画像のうちのどちらかで検出された瞳孔中心及び角膜反射像との位置関係に応じて視線方向を検出する。
特許第5621456号
しかしながら、上述した従来の装置では、被験者の視線方向を広い範囲で検出しようとすると複数の光源をカメラから離して配置する必要があるが、そのように配置するとその複数の光源の照明によって検出される角膜反射の位置の間にばらつきが生じてしまう。その結果、従来の装置では、視線方向を広い範囲で検出しながら視線方向の検出精度を保つことは困難である。
本発明は、上記課題に鑑みて為されたものであり、被験者の視線方向を広い範囲で検出しながら、その視線方向の検出精度を保つことが可能な視線検出装置及び視線検出方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の一形態にかかる視線検出装置は、対象者の眼を撮像することで眼画像を取得する第1及び第2のカメラと、第1のカメラに取り付けられ、対象者の眼を照明する第1の光源と、第2のカメラに取り付けられ、対象者の眼を照明する第2の光源と、第1及び第2のカメラのレンズの光軸から離れる位置に配置され、対象者の眼を照明する少なくとも2つの第3の光源と、第1〜第3の光源の点灯を制御する点灯制御部と、第1及び第2のカメラのそれぞれによって取得された眼画像を対象にして、瞳孔中心の位置及び角膜反射の位置を検出し、瞳孔中心の位置及び角膜反射の位置を基に対象者の視線方向を算出する算出部と、を備え、算出部は、眼画像において第1又は第2の光源による角膜反射の位置が検出できなかった際には、眼画像において第3の光源による2つの角膜反射の位置を検出し、当該2つの角膜反射の位置を基に第1又は第2の光源による角膜反射の位置を推定し、推定した角膜反射の位置を用いて対象者の視線方向を算出する。
或いは、本発明の他の形態にかかる視線検出方法は、第1及び第2のカメラを用いて対象者の眼を撮像することで眼画像を取得する眼画像取得ステップと、第1のカメラに取り付けられた第1の光源と、第2のカメラに取り付けられた第2の光源とを用いて、対象者の眼を照明する照明ステップと、記第1及び第2のカメラのレンズの光軸から離れる位置に配置された少なくとも2つの第3の光源を用いて、対象者の眼を照明する補助照明ステップと、第1及び第2のカメラのそれぞれによって取得された眼画像を対象にして、瞳孔中心の位置及び角膜反射の位置を検出し、瞳孔中心の位置及び角膜反射の位置を基に対象者の視線方向を算出する算出ステップと、を備え、算出ステップでは、眼画像において第1又は第2の光源による角膜反射の位置が検出できなかった際には、眼画像において第3の光源による2つの角膜反射の位置を検出し、当該2つの角膜反射の位置を基に第1又は第2の光源による角膜反射の位置を推定し、推定した角膜反射の位置を用いて対象者の視線方向を算出する。
上記形態の視線検出装置或いは視線検出方法によれば、第1の光源が取り付けられた第1のカメラ及び第2の光源が取り付けられた第2のカメラによって、対象者の眼が照明された状態での眼画像が取得され、それぞれの眼画像における瞳孔中心の位置及び角膜反射の位置を基に対象者の視線方向が検出される。その際、第1又は第2の光源による角膜反射の位置が検出できなかった際には、第1及び第2のカメラのレンズの光軸から離れて配置された少なくとも2つの第3の光源による眼画像上の2つの角膜反射の位置が検出され、その2つ角膜反射の位置を用いて第1又は第2の光源による角膜反射の位置が推定され、それを用いて視線方向が検出される。これにより、常にカメラに近い第1又は第2の光源による角膜反射の位置が推定されて視線方向が検出されるので、被験者の視線方向を広い範囲で検出しながら、その視線方向の検出精度を保つことができる。
ここで、算出部は、第1及び第2のカメラによって取得された2つの眼画像を基に、瞳孔中心の3次元位置を算出し、第1又は2の光源の3次元位置と、第3の光源の3次元位置と、瞳孔中心の3次元位置とを用いて、眼画像における第1又は第2の光源による角膜反射の位置を推定する、こととしてもよい。この場合、第1及び第2の光源による角膜反射の位置を幾何学的に容易に推定できる。
また、算出部は、第1又は第2の光源の3次元位置と第3の光源のうちの一方の光源の3次元位置と瞳孔中心の3次元位置とを通る第1の平面と、第1又は第2の光源の3次元位置と第3の光源のうちの他方の光源の3次元位置と瞳孔中心の3次元位置とを通る第2の平面と、の位置を特定し、第1又は第2のカメラの画像面上における、第1の平面の傾きと、第2の平面の傾きとを算出し、第1又は第2のカメラによって取得された2つの眼画像上で、一方の光源による角膜反射の位置を通り第1の平面の傾きに対応する傾きを有する直線と、他方の光源による角膜反射の位置を通り第2の平面の傾きに対応する傾きを有する直線との交点を、第1又は第2の光源による角膜反射の位置として算出する、こととしてもよい。この場合には、第1及び第2の光源による角膜反射の位置を、2つの直線の交点を求めて算出することにより、幾何学的により単純かつ正しく推定できる。
また、算出部は、いったん瞳孔中心の3次元位置を用いて眼画像における第1又は第2の光源による角膜反射の位置を推定した後に、推定した角膜反射の位置を用いて対象者の視線方向を算出し、さらに、視線方向と瞳孔中心の3次元位置とを基に対象者の角膜球中心の3次元位置を算出し、角膜球中心の3次元位置を用いて眼画像における第1又は第2の光源による角膜反射の位置を推定した後に、推定した角膜反射の位置を用いて対象者の視線方向を再度算出する、こととしてもよい。この場合には、第1及び第2の光源による角膜反射の位置の推定の精度を確保することができ、その結果、視線方向の検出精度をより一層安定化することができる。
また、第3の光源は、3つ以上で第1及び第2のカメラの周囲に配置されていてもよい。この場合には、視線方向が検出できる範囲を第1及び第2のカメラの周囲に広げることができる。
また、第3の光源は、第1及び第2のカメラの近傍から見て等角度間隔で第1及び第2のカメラの周囲に配置されていてもよい。この場合、視線方向が検出できる範囲を第1及び第2のカメラの周囲に効率的に広げることができる。
また、 第3の光源は、第1及び第2のカメラの近傍から見て等角度間隔で第1及び第2のカメラの周囲に配置された光源群を複数有し、点灯制御部は、複数の光源群ごとに点灯させるように制御する、こととしてもよい。この場合は、光源群毎の点灯により生じる角膜反射の位置を容易に特定でき、それらの位置を基に眼画像上の第1及び第2の光源による角膜反射の位置を容易に推定できる。その結果、広い範囲での視線方向の検出を容易に実現できる。
さらに、第3の光源は、第1及び第2のカメラの近傍からの距離が不均一となるように配置されていてもよい。この場合は、複数の第3の光源毎の点灯により生じる角膜反射の位置を容易に特定でき、それらの位置を基に眼画像上の第1及び第2の光源による角膜反射の位置を容易に推定できる。その結果、広い範囲での視線方向の検出を容易に実現できる。
また、対象者の眼を照明する光源が取り付けられたカメラを第1及び第2のカメラを含めて3組以上備えていてもよい。かかる構成を採れば、対象者において生じる眼鏡反射や対象者の睫毛等によって視線方向が検出できなくなることを防止できる。
本発明によれば、被験者の視線方向を広い範囲で検出しながら、その視線方向の検出精度を保つことができる。
実施形態に係る視線検出装置を示す斜視図である。 カメラのレンズ部分を示す平面図である。 実施形態に係る画像処理装置のハードウェア構成を示す図である。 実施形態に係る視線検出装置の機能構成を示すブロック図である。 実施形態に係る視線検出装置の動作を示すフローチャートである。 視線の検出を説明するための図である。 本実施形態にかかる算出部が特定する、角膜球中心C、2つの補助光源の3次元座標、及びカメラの光源の3次元座標との位置関係を示す図である。 本実施形態にかかるカメラによって得られる差分前瞳孔画像の画像イメージを示す図である。 本実施形態にかかる補助光源の配置状態を示す図である。 本実施形態にかかる視線検出装置によって計算される差分前瞳孔画像上の2つの直線のイメージを示す図である。 人間の眼球の構造を簡略化して示す図である。 本実施形態のカメラ10に取り付けられた光源13によって生じる角膜反射の検出状態を示す図である。 本実施形態の補助光源40によって生じる角膜反射の検出状態を示す図である。 本実施形態の視線検出装置1によって取得されたカメラ画像とその解析画像を示す図である。 変形例にかかる補助光源の配置状態を示す図である。 変形例にかかる光源の点灯タイミング、及びカメラの撮影タイミングを示すタイミングチャートである。 変形例にかかる光源の点灯タイミング、及びカメラの撮影タイミングを示すタイミングチャートである。 別の変形例にかかる補助光源の配置状態を示す図である。 別の変形例にかかる光源の点灯タイミング、及びカメラの撮影タイミングを示すタイミングチャートである。
以下、図面を参照しつつ本発明に係る視線検出装置及び視線検出方法の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
[視線検出装置の構成]
まず、図1〜4を用いて、実施形態に係る視線検出装置1の構成を説明する。視線検出装置1は、対象者の眼を撮像することで対象者の視線方向を検出するコンピュータシステムであり、この装置により、本実施形態に係る視線検出方法が実施される。対象者とは、視線方向を検出する対象となる人であり、被験者ともいうことができる。視線検出装置1および視線検出方法の利用目的は何ら限定されず、例えば、よそ見運転の検出、運転者のサイドミラーやルームミラーの安全確認動作の確認、運転者の眠気の検出、商品の興味の度合いの調査、アミューズメント装置等に利用されるコンピュータへのデータ入力、乳幼児の自閉症診断等の診断用装置などに視線検出装置1を利用することができる。
図1に模式的に示すように、視線検出装置1は、ステレオカメラとして機能する一対のカメラ(第1のカメラおよび第2のカメラ)10と画像処理装置20と補助光源(第3の光源)40とを備える。以下では、必要に応じて、一対のカメラ10を、対象者Aの左側にある左カメラ10と、対象者Aの右側にある右カメラ10とに区別する。本実施形態では、視線検出装置1は、対象者Aが見る対象であるディスプレイ装置30をさらに備えるが、視線検出装置1の利用目的は上記のように限定されないので、対象者Aの視線の先にある物はディスプレイ装置30に限定されず、例えば自動車のフロントガラスでもあり得る。したがって、ディスプレイ装置30は視線検出装置1における必須の要素ではない。それぞれのカメラ10は画像処理装置20と無線または有線により接続され、カメラ10と画像処理装置20との間で各種のデータまたは命令が送受信される。各カメラ10に対しては予めカメラ較正が行われる。
カメラ10は対象者Aの瞳孔およびその周辺を含む眼を撮影するために用いられる。一対のカメラ10は水平方向に沿って所定の間隔をおいて配され、かつ、対象者Aが眼鏡をかけているときの顔画像における反射光の写り込みを防止する目的で対象者Aの顔より低い位置に設けられる。水平方向に対するカメラ10の仰角は、瞳孔の確実な検出と対象者Aの視野範囲の妨げの回避との双方を考慮して、例えば20〜35度の範囲に設定される。個々のカメラ10に対しては予めカメラ較正が行われる。
本実施形態では、カメラ10は、インターレーススキャン方式の一つであるNTSC方式のカメラである。NTSC方式では、1秒間に30枚得られる1フレームの画像データは、奇数番目の水平画素ラインで構成される奇数フィールドと、偶数番目の水平画素ラインで構成される偶数フィールドから構成され、奇数フィールドの画像と偶数フィールドの画像とが1/60秒の間隔で交互に撮影されることで生成される。したがって、一つのフレームは、一対の奇数フィールドおよび偶数フィールドに相当する。カメラ10は、画像処理装置20からの命令に応じて対象者Aを撮像し、画像データを画像処理装置20に出力する。
カメラ10のレンズ部分を図2に模式的に示す。この図に示すように、カメラ10では、対物レンズ11が円形状の開口部12に収容され、開口部12の外側に光源(第1の光源又は第2の光源)13が取り付けられている。光源13は、対象者Aの眼に向けて照明光を照射するための機器であり、複数の発光素子13aと複数の発光素子13bとから成る。発光素子13aは、出力光の中心波長が850nmの半導体発光素子(LED)であり、開口部12の縁に沿って等間隔でリング状に配される。発光素子13bは、出力光の中心波長が940nmの半導体発光素子であり、発光素子13aの外側に等間隔でリング状に配される。したがって、カメラ10の光軸から発光素子13bまでの距離は、該光軸から発光素子13aまでの距離よりも大きい。それぞれの発光素子13a,13bは、カメラ10の光軸に沿って照明光を出射するように設けられる。なお、光源13の配置は図2に示す構成に限定されず、カメラをピンホールモデルとみなすことができれば他の配置であってもよい。光源13は、画像処理装置20からの命令に応じたタイミングで照明光を出射する。
図1に戻って、視線検出装置1には、カメラ10の光源(第1の光源)13及びカメラ10の光源(第2の光源)13の周囲に複数の補助光源40が設けられている。この補助光源40は、それぞれ、単一の半導体発光素子等の発光素子によって構成されていてもよいし、光源13と同様にリング状に配置された複数の発光素子によって構成されていてもよいし、複数の発光素子がひとかたまりで配置されていてもよい。補助光源40は、例えば近赤外波長等の予め設定された波長の出力光を出力して対象者Aの眼を照明可能な光源であり、少なくとも2つ設けられている。それぞれの補助光源40は、2つの光源13の中心からカメラ10及びカメラ10の対物レンズ11の光軸に垂直な方向に離れる位置に配置される。従って、それぞれのカメラ10の光軸から補助光源40までの距離は、該光軸からそれぞれのカメラの光源13までの距離よりも大きい。また、それぞれの補助光源40は、画像処理装置20と無線または有線により接続され、画像処理装置20からの命令に応じたタイミングで照明光を出射する。
画像処理装置20は、カメラ10、光源13、及び補助光源40の制御と、対象者Aの視線方向の検出とを実行するコンピュータである。画像処理装置20は、据置型または携帯型のパーソナルコンピュータ(PC)により構築されてもよいし、ワークステーションにより構築されてもよいし、他の種類のコンピュータにより構築されてもよい。あるいは、画像処理装置20は複数台の任意の種類のコンピュータを組み合わせて構築されてもよい。複数台のコンピュータを用いる場合には、これらのコンピュータはインターネットやイントラネットなどの通信ネットワークを介して接続される。
画像処理装置20の一般的なハードウェア構成を図3に示す。画像処理装置20は、オペレーティングシステムやアプリケーション・プログラムなどを実行するCPU(プロセッサ)101と、ROMおよびRAMで構成される主記憶部102と、ハードディスクやフラッシュメモリなどで構成される補助記憶部103と、ネットワークカードあるいは無線通信モジュールで構成される通信制御部104と、キーボードやマウスなどの入力装置105と、ディスプレイやプリンタなどの出力装置106とを備える。
後述する画像処理装置20の各機能要素は、CPU101または主記憶部102の上に所定のソフトウェアを読み込ませ、CPU101の制御の下で通信制御部104や入力装置105、出力装置106などを動作させ、主記憶部102または補助記憶部103におけるデータの読み出しおよび書き込みを行うことで実現される。処理に必要なデータやデータベースは主記憶部102または補助記憶部103内に格納される。
図4に示すように、画像処理装置20は機能的構成要素として点灯制御部21、画像取得部22、及び算出部23を備える。点灯制御部21は、光源13及び補助光源40の点灯タイミングを制御する。画像取得部22は、カメラ10の撮影タイミングを光源13及び補助光源40の点灯タイミングに同期して制御することで、カメラ10から画像データ(眼画像のデータ)を取得する機能要素である。算出部23は、画像データから得られる視線ベクトルに基づいて視線方向を検出する機能要素である。視線とは、対象者の瞳孔中心と該対象者の注視点(対象者が見ている点)とを結ぶ線である。なお、「視線」という用語は、起点、終点、および方向の意味(概念)を含む。また、「視線ベクトル」とは、対象者の視線の方向をベクトルで表したもので、「視線方向」を表す一形態である。画像処理装置20の検出結果の視線方向の出力先は何ら限定されない。例えば、画像処理装置20は判定結果を画像、図形、またはテキストでモニタに表示してもよいし、メモリやデータベースなどの記憶装置に格納してもよいし、通信ネットワーク経由で他のコンピュータシステムに送信してもよい。
[視線検出方法]
次に、図5〜8を用いて、視線検出装置1の動作について説明するとともに、本実施形態に係る視線検出方法について説明する。
(処理の概要)
視線検出方法の概要を図5に示す。まず、点灯制御部21が光源13及び補助光源40の点灯タイミングを制御し、そのタイミングに合わせて画像取得部22がそれぞれのカメラ10から明瞳孔画像(眼画像)および暗瞳孔画像(眼画像)を取得する(ステップS11;照明ステップ、補助照明ステップ、眼画像取得ステップ)。続いて、算出部23が、それぞれのカメラ10からの明瞳孔画像及び暗瞳孔画像を対象にして、眼画像中の瞳孔中心の位置及び角膜反射の位置を検出する(ステップS12)。そして、算出部23は、眼画像中で光源13による角膜反射の位置が検出されているか否かを検出し(ステップS13)、角膜反射の位置が検出された場合には(ステップS13;YES)、検出した角膜反射の位置及び瞳孔中心の位置を用いて視線ベクトルを算出する(ステップS14)。一方、角膜反射の位置が検出されなかった場合には(ステップS13;NO)、眼画像中で補助光源40による角膜反射の位置を少なくとも2つ検出する(ステップS15)。その後、検出した2つの補助光源40による角膜反射の位置を用いて光源13による角膜反射の位置を推定する(ステップS16)。次に、推定した角膜反射の位置と瞳孔中心の位置とを用いて視線ベクトルを算出する(ステップS17、以上算出ステップ)。以上の処理は、視線検出処理の終了の指示が受け付けられるまで、繰り返し実行される(ステップS18)。
以下、各ステップの処理について詳細に説明する。
(眼画像の取得)
眼に入った光は網膜で乱反射し、反射光のうち瞳孔を通り抜けた光は強い指向性をもって光源へ戻る性質がある。カメラの開口部近くにある光源が発光した時にカメラを露光させると、網膜で反射した光の一部がその開口部に入るため、瞳孔が瞳孔周辺よりも明るく写った画像を取得することができる。この画像が明瞳孔画像である。これに対して、カメラの開口部から離れた位置にある光源が発光した時にカメラを露光させると、眼から戻ってきた光はカメラの開口部にほとんど戻らないため、瞳孔が暗く写った画像を取得することができる。この画像が暗瞳孔画像である。また、透過率が高い波長の光を眼に照射すると、網膜での光の反射が多くなるので瞳孔が明るく写り、透過率が低い波長の光を眼に照射すると、網膜での光の反射が少なくなるので瞳孔が暗く写る。
本実施形態では、透過率が高い波長の光(中心波長が850nm)を発する発光素子13aが開口部12に隣接した位置に設けられ、眼の透過率が低い波長の光(中心波長が940nm)を発する発光素子13bを開口部12から離れた位置に設けられる。点灯制御部21及び画像取得部22は、カメラ10の奇数フィールドに合わせて発光素子13aを点灯させて明瞳孔画像を撮影し、カメラ10の偶数フィールドに合わせて発光素子13bを点灯させて暗瞳孔画像を撮影する。さらに、画像取得部22は2つのカメラ10の間で作動タイミングをわずかにずらし、個々のカメラ10の露光時間はそのずらし時間以下に設定される。点灯制御部21は、各カメラ10の露光時間中に、対応する発光素子13aおよび発光素子13bを交互に発光させることで、一方のカメラ10の光源13からの光が他方のカメラ10の画像に影響を与えないようにする(クロストークが起こらないようにする)。加えて、点灯制御部21は、2つのカメラの作動タイミング中において継続的に全ての補助光源40を点灯させるように制御する。
画像取得部22は、これらの一連の制御により得られる明瞳孔画像および暗瞳孔画像を取得する。一方のカメラ10から得られる明瞳孔画像または暗瞳孔画像は第1瞳孔画像に相当し、他方のカメラ10から得られる明瞳孔画像または暗瞳孔画像は第2瞳孔画像に相当する。得られる画像データは、奇数フィールド又は偶数フィールドのみに有効画素を有しているため、画像取得部22は、隣接する有効画素の画素ラインの輝度平均をそのライン間の画素値に埋め込むことによって、明瞳孔画像または暗瞳孔画像を生成する。画像取得部22は2つのカメラ10によって得られた明瞳孔画像および暗瞳孔画像を算出部23に出力する。
(角膜反射の位置及び瞳孔中心の位置の検出)
算出部23は、画像取得部22から入力された明瞳孔画像および暗瞳孔画像のそれぞれから複数の角膜反射を検出する。具体的には、算出部23は1枚の画像に対してPタイル法による2値化とラベリングとを行い、形状や輝度平均などの情報に基づいてその画像から複数の角膜反射を選択する。このような処理により、算出部23は明瞳孔画像および暗瞳孔画像のそれぞれから、複数の角膜反射を得る。
続いて、算出部23は明瞳孔画像および暗瞳孔画像から検出された複数の角膜反射の中にカメラ10の光源13による角膜反射が存在するか否かを判定する。例えば、この判定は、角膜反射の形状又は大きさを判別したり、複数の角膜反射との位置関係を判定したりすることで行われる。判定の結果、複数の角膜反射の中に光源13によるものが存在しない場合には、算出部23は後述する角膜反射位置の推定処理を起動させる。一方で、判定の結果、光源13による角膜反射が存在する場合には、それを基に明瞳孔画像及び暗瞳孔画像中の角膜反射の位置を算出する。
さらに、算出部23は、推定又は算出された角膜反射の位置に基づいて明瞳孔画像と暗瞳孔画像との間での角膜反射の移動量を位置補正量として計算する。続いて、算出部23はそれら二つの角膜反射の位置が一致するように、前フィールド(i番目のフィールド)の画像を、次フィールド((i+1)番目のフィールド)の画像に位置補正量だけずらした上で、これら2画像から差分画像を生成する。そして、算出部23は一致させた角膜反射の画像上の座標(位置)を取得する。
続いて、算出部23は差分画像から瞳孔位置を特定する。具体的には、算出部23は、前フレームと輝度が大きく変化しないことを利用して、前フレームで検出された瞳孔の輝度平均を利用して、その平均輝度の半分の値を閾値として差分画像を2値化し、ラベリングを行う。続いて、算出部23は、瞳孔らしい面積、サイズ、面積比、正方形度、および瞳孔特徴量等の形状パラメータに基づいて、ラベルづけされた画素の連結成分の中から瞳孔を選択し、瞳孔中心の座標(位置)を算出する。
続いて、算出部23は瞳孔中心の3次元座標を求める。具体的には、算出部23はステレオ法を用いて、2つのカメラ10から取得した第1及び第2の瞳孔画像を用いて算出した瞳孔中心の座標から瞳孔中心の3次元位置を計算する。ステレオ法とは、カメラのレンズの焦点距離、画像中心、画素サイズなどの内部パラメータと、カメラの位置や姿勢等の外部パラメータとを予め計測しておき、複数台のステレオカメラで対象物を撮影したときに、画像中の点の座標を基に、内部パラメータおよび外部パラメータを用いてその点の空間上の位置を決定する方法である。具体的には、算出部23は、2台のカメラ10からの画像データを基に検出した画像座標系における瞳孔中心の座標と、3次元空間内の世界座標系における瞳孔中心の座標との関係式を、キャリブレーションデータを参照しながら取得する。次に、算出部23は、関係式から世界座標系における対象者Aの瞳孔中心の3次元座標を求める。
なお、算出部23が明瞳孔画像および暗瞳孔画像から検出された複数の角膜反射からカメラ10の光源13による角膜反射を抽出する手法としては、下記の手法が採用されてもよい。すなわち、算出部23は、2つのカメラ10によって取得された瞳孔画像を基に抽出した1組の角膜反射の位置を利用して、ステレオマッチングを行うことにより、角膜球中心の3次元位置を算出する。そして、算出した角膜球中心の3次元位置と瞳孔中心の3次元座標とを結ぶ候補ベクトルを算出する。さらに、算出部23は、算出した候補ベクトルが予め設定されたベクトル条件を満たすか否かを判定し、ベクトル条件を満たす候補ベクトルの算出に用いた1組の角膜反射の位置を、それぞれのカメラで取得された瞳孔画像における光源13による角膜反射の位置として抽出する。このベクトル条件とは、候補ベクトルと基準線との角度が閾値以下であり、かつ、候補ベクトルの長さが所定の範囲内であるという条件である。例えば、基準線としては、2台のカメラ10の間の中点と瞳孔中心とを結ぶ線が設定される。また、画面内を見ているということを条件とするならば、候補ベクトルではなく視線(視軸)を検出してから、視線と画面平面との交点(注視点)が画面上の所定範囲内にあれば、正しい瞳孔中心と角膜反射とが検出されていると判断してもよい。
(視線方向の検出)
算出部23は、瞳孔中心の3次元座標、差分画像上における瞳孔中心の位置、及び差分画像上における角膜反射の位置に基づいて視線を検出する。図6に示すように、瞳孔中心の3次元位置Pに基づいて、カメラ10の開口部12の中心を原点Oとし、その原点Oと瞳孔中心Pを結ぶ基準線OPを法線とする仮想視点平面X’−Y’を考える。この仮想視点平面X’−Y’は、カメラ10で捉えられる画像の投影面(画像面)に対応する。ここで、X’軸は、世界座標系のX−Z平面と仮想視点平面との交線に相当する。
算出部23は、画像面Sにおける角膜反射Gから瞳孔中心Pまでのベクトルrを算出し、そのベクトルrを、距離OPから求められたカメラの拡大率を用いて実寸に換算したベクトルrに変換する。このとき、各カメラ10をピンホールモデルと考え、角膜反射Gと瞳孔中心Pとが、仮想視点平面X’−Y’と平行な平面上にあると仮定する。つまり、算出部23は、仮想視点平面と平行であって瞳孔中心Pの3次元座標を含む平面上において、瞳孔中心Pと角膜反射点Gの相対座標をベクトルrとして算出し、このベクトルrは角膜反射点Gから瞳孔中心Pまでの実距離を表す。
続いて、算出部23は、対象者Aの仮想視点平面上の注視点Tに関して、直線OTの水平軸X’に対する傾きφが、ベクトルrの画像面上の水平軸Xに対する傾きφ’と等しいと仮定する。さらに、算出部23は、対象者Aの視線ベクトル、すなわち、瞳孔中心Pと注視点Tとを結ぶベクトルPTと、基準線OPとの成す角θを、ゲイン値kを含むパラメータを使った下記式(1)により計算する。
θ=f(r)=k×|r| …(1)
このような角度φ,θの計算は、瞳孔中心Pの存在する平面上のベクトルrを仮想視点平面上で拡大したものがそのまま対象者Aの注視点に対応するとみなすことにより行われる。より詳しくは、対象者Aの視線PTの基準線OPに対する角度θは、瞳孔中心と角膜反射の距離|r|との間で線形関係を有すると仮定する。
角度θと距離|r|とは線形近似できるという仮定、および二つの傾きφ,φ’が等しいという仮定を利用することで、(θ,φ)と(|r|,φ’)とを1対1に対応させることができる。このとき、算出部23は、カメラ10の開口部12の中心に設定された原点Oと、仮想視点平面上の注視点Tとを結ぶベクトルOTを次式(2)により得る。
最後に、算出部23は視線ベクトルPTと視対象平面(ディスプレイ装置30)との交点である注視点Qを次式(3)で求める。
Q=nPT+P …(3)
しかし、一般的にヒトの視軸(瞳孔中心および中心窩を通る軸)と光軸(角膜からレンズの中心へと延びる法線)との間にはずれがあり、対象者Aがカメラを注視した際にも角膜反射と瞳孔中心とは一致しない。そこで、これを補正する原点補正ベクトルrを定義し、カメラ画像から実測した角膜反射−瞳孔中心ベクトルをr’とすると、ベクトルrはr=r’−rで表されるので、式(1)は下記式(4)のように書き換えられる。
θ=k×|r’−r| …(4)
計測されたr’に対して原点補正を行うことで、(θ,φ)と(|r|,φ’)とを1対1に対応させることができ、精度の高い注視点検出を行うことができる。
(角膜反射位置の推定処理)
ここで、算出部23は、明瞳孔画像および暗瞳孔画像から検出された複数の角膜反射の中に光源13による角膜反射が存在しない場合は、次のような明瞳孔画像及び暗瞳孔画像のそれぞれ(以下、単に「差分前瞳孔画像」ともいう)について角膜反射位置の推定処理を実行する。まず、算出部23は、差分前瞳孔画像において検出された複数の角膜反射のうちから、2つの補助光源40による角膜反射を抽出する。この抽出は、角膜反射の形状又は大きさを判別したり、複数の角膜反射との位置関係を判定したりすることで行われる。そして、算出部23は、抽出した2つの角膜反射を生じさせている2つの補助光源40の3次元座標L,Lと、カメラ10の光源13の中心の3次元座標Lと、第1又は第2の瞳孔画像を用いて算出した瞳孔中心の3次元位置Pと、を特定する。3次元座標L,L,Lの3次元座標は、それぞれが既知であり、予め画像処理装置20内のデータベースに格納され、算出部23により読み出される。ここで、カメラ10の位置とそれに取り付けられている光源13の位置とは同じと近似され、瞳孔中心の3次元位置Pと角膜球中心の3次元位置とは同じであると近似される。
図7には、世界座標系における、角膜球中心Cと、2つの補助光源40の3次元座標L,Lと、カメラ10の光源13の中心の3次元座標Lとの位置関係を示し、図8には、カメラ10によって得られる差分前瞳孔画像の画像イメージを示している。
これらの図に示すように、光源13とカメラ10とが同じ位置であると近似した場合、角膜球CNの中心Cがどこに存在していても、光源13が点灯したときには、この光源13による角膜反射は3次元座標Lと角膜球中心Cとを通る直線の方向に検出される。よって、差分前画像中においては角膜球GCの輪郭の中心に光源13による角膜反射GRが必ず現れると考えられる(ここでは、差分前画像に角膜球の輪郭が現れるとして図示している)。また、上述したように2つのカメラ10に対応した差分画像を用いてステレオマッチングにより瞳孔中心の3次元座標Pが求められており、それを角膜球中心Cの位置として近似する。その結果、算出部23は、カメラ10の中心である原点Oから角膜球中心Cに向かうベクトルOCを求めることができる。
続いて、算出部23は、光源13の3次元座標L(原点O)と一方の補助光源40の3次元座標Lと角膜球中心Cとを通る平面LCLの世界座標芸における位置と、光源13の3次元座標L(原点O)と他方の補助光源40の3次元座標Lと角膜球中心Cとを通る平面LCLの世界座標系における位置とを、平面の式を求めることで特定する。平面LCLと平面LCLとは、ともに3次元空間内で角膜球中心Cを通るため、これらの平面LCL,LCLの仮想視点平面X’−Y’に沿った断面が、それぞれ、差分前画像上における2つの直線SL,SLに相当する。角膜球GNを球と近似するとこれらの2本の直線SL,SLは、角膜球GNの中心を通る直線となり、両直線SL,SLの交点が角膜球の中心となると理解される。差分前画像中の角膜球GCの中心は、角膜球中心を画像平面上に投影したものであり、カメラ10の光源13による角膜反射の位置GRに一致する。さらに、それぞれの直線SL,SLは、差分前画像上で補助光源40による角膜反射の位置GR,GRをそれぞれ通ると理解される。
上記の性質を使用して、算出部23は、求めた2つの平面の式を利用して、差分前画像中の2本の直線SL,SLの位置を求めて、それらの2本の直線SL,SLの交点を求めることにより、差分前画像中の光源13よる角膜反射の位置GRを推定する。すなわち、図7において、仮想視点平面X’−Y’の法線のうち原点Oを通る法線は角膜球中心Cを通る。従って、角膜球が移動すると仮想視点平面X’−Y’も原点Oを中心に向きが変わることになる。算出部23は、補助光源40の3次元座標L,Lのそれぞれと角膜球中心Cとを通る2つの直線と、仮想視点平面X’−Y’との交点を計算し、それらの交点の3次元座標L’,L’とする。さらに、算出部23は、求めた交点の3次元座標L’,L’を仮想視点平面X’−Y’上の座標に変換し、仮想視点平面X’−Y’上におけるX’軸に対する2つの直線(交線)OL’,OL’の傾き角ε,εを計算する。
ここで、カメラ10はカメラ較正が行われているので、カメラ10の位置及び方向(外部カメラ較正値)と、焦点距離、画像中心座標等の内部カメラ較正値とが予め既知となっている。従って、算出部23は、カメラ較正値を用いて世界座標系からカメラ座標系への変換を行った後にさらに画像座標系への変換を行うことで、世界座標系におけるX’軸の位置を、画像座標系における水平軸ALの位置(図8)に変換する。続いて、算出部23は、差分前画像上において角膜反射の位置GRを通り水平軸ALに対して傾き角εの直線の式を求め、同様にして、差分前画像上において角膜反射の位置GRを通り水平軸ALに対して傾き角εの直線の式を求める。その後、算出部23は、求めた2つの直線の交点を求めることで、その交点を、角膜球中心の位置とするとともに光源13による角膜反射の位置GRと推定する。
さらに、算出部23は、推定した明瞳孔画像及び暗瞳孔画像上での光源13による角膜反射の位置GRを利用して、上述した視線方向の検出方法を用いて視線ベクトルPTを算出する。この視線ベクトルPTは角膜球中心Cと瞳孔中心Pとを通るベクトルとなる。上記角膜反射位置の推定処理では、瞳孔中心の3次元位置Pを角膜球中心の3次元位置Cに近似して計算していたが、実際はカメラ10から見た時は瞳孔中心の位置Pと角膜球中心の位置Cとは角度的にずれて観察される。このずれが傾き角ε,εに誤差を生じさせる。そこで、算出部23は、視線ベクトルPTを計算した後に、次のような処理を行って角膜反射位置の推定処理を再度繰り返してもよい。
すなわち、算出部23は、求めた視線ベクトルPTを、瞳孔中心と角膜球中心を通る眼球の光軸の方向ベクトルvとして用い、下記式(5);
x=p+tv …(5)
によって眼球の光軸上の点xを表現する。上記式(5)中、ベクトルpは瞳孔中心の3次元位置を表す位置ベクトルを表し、tは正値又は負値を有するスカラー量である未定定数を表す。そして、算出部23は、対象者Aがカメラ10の方向を向いたときに瞳孔中心と角膜球中心の間の距離(相対距離)を計測することができるので、その距離を基にスカラー量tを決定し、そのスカラー量tを上記式(5)に適用することで、真の角膜球中心の位置Cを算出する。上記相対距離の計測方法は、「遠隔注視点検出装置における真の瞳孔-角膜反射ペアーの決定法とその有効性,第20回画像センシングシンポジウム(SSII2014),IS2-33,8 pages(2014年6月)」に記載の方法が用いられる。最後に、算出部23は、算出した真の角膜球中心の位置Cを用いて、角膜反射位置の推定処理、及び視線方向の検出処理を繰り返すことにより、視線ベクトルを再度算出する。ここで、瞳孔中心の位置ベクトルpを利用して求めた光軸の方向ベクトルvは多少誤差を持つが、tが正確であるので点xの位置に大きく影響しない。そのため、新たに求まった真の角膜球中心の位置を基に計算された傾き角ε,εを利用して求められた視線方向は、格段に正確な値になり、瞳孔中心の位置Pをそのまま用いて計算された値に比較してより正確な値となる。
(補助光源の配置の実施例)
次に、視線検出装置1における補助光源40の配置の実施例について説明する。図9は、対象者A側から見た補助光源40の配置状態を示す図である。同図に示すように、補助光源40は、4つの補助光源40a,40b,40c,40dによって構成され、これらの補助光源40a,40b,40c,40dは、2つのカメラ10の光源13の周囲に配置されている。具体的には、2つの光源13の中心から補助光源40a,40b,40c,40dまでの距離が不均一になるように配置されている。より詳細には、補助光源40aは、補助光源40bよりも水平方向に光源13側に寄って配置され、補助光源40cよりも垂直方向に光源13側に寄って配置されている。また、補助光源40dは、補助光源40bよりも垂直方向に下側に配置され、補助光源40cよりも水平方向に光源13から離れるように配置されている。このような配置により、算出部23による差分前画像中の角膜反射がどの補助光源40によるものかの判定が容易となる。すなわち、差分前画像中で検出された2つの角膜反射において2つの角膜反射を結ぶ線が水平線に対して反時計回りに傾いている場合にはその2つの角膜反射が補助光源40a,40cによるものと判定可能となり、2つの角膜反射を結ぶ線が水平線に対して時計回りに傾いている場合にはその2つの角膜反射が補助光源40b,40dによるものと判定可能となる。さらに、差分前画像中で検出された2つの角膜反射において2つの角膜反射を結ぶ線が垂直線に対して時計回りに傾いている場合にはその2つの角膜反射が補助光源40a,40bによるものと判定可能となり、2つの角膜反射を結ぶ線が垂直線に対して反時計回りに傾いている場合にはその2つの角膜反射が補助光源40c,40dによるものと判定可能となる。また、このように補助光源40を配置することにより、検出可能な対象者Aの視線範囲を上下左右に広くすることができる。ただし、補助光源40は少なくとも3つで構成されていればよく、4つの補助光源40a,40b,40c,40dのうちの1つは省略されていてもよい。
なお、視線検出装置1における光源13に対する補助光源40の位置は、光源13を中心にした複数の補助光源40の位置の角度間隔が直角に近いことが好ましい。角度間隔が極端に小さかったり、角度間隔が極端に大きかったりすると、算出部23による角膜反射位置の推定処理において、算出される2つの直線SL,SLの間の傾きε−εの絶対値が、極端に小さくなったり大きくなったりすることとなる。その結果、推定される角膜反射の位置の1次元方向の誤差が大きくなってしまう(図10(a),10(b))。これに対して、本実施形態によれば、補助光源40の位置の角度間隔が直角に近いので、算出される2つの直線SL,SLの間の傾きε−εの絶対値が、直角に近い値となり、推定される角膜反射の位置の誤差を2次元的に小さくすることができる(図10(c))。また、視線検出装置1の算出部23は、角膜反射位置の推定処理において、差分前画像において検出された2以上の角膜反射から2つの角膜反射を抽出する際に、その2つの角膜反射の位置から算出される傾きε−εの絶対値が直角に近くなるように2つの角膜反射を抽出することも好ましい。このようにしても、推定される角膜反射の位置の誤差を2次元的に小さくすることができる。
以上説明した視線検出装置1、及びそれを用いた視線検出方法によれば、カメラ10によってカメラ10に取り付けられた光源13の角膜反射が観測できない場合であっても、カメラ10の周囲に設けられた補助光源40によって生じる角膜反射の位置を基に、カメラ10に近い光源13による角膜反射の位置が推定されて視線方向が検出されるので、対象者Aの視線方向を広い範囲で検出しながら、その視線方向の検出精度を保つことができる。すなわち、視線検出に用いる角膜反射を生じさせる光源の位置とカメラ10の位置とが対象者Aから見て角度的に大きくずれている場合には、ベクトルrから角度θを求める式の誤差が大きくなってしまう。その理由は、カメラ10に対して光源の位置をずらすと角膜反射の位置もずれるが、そのずれ量が角膜球の曲率半径に依存するため、曲率半径が明らかにされなければ式の精度が得られないためである。その上、角膜球は角膜の周辺部(白目に近い部分)では球からずれた形状を有するため、角度θの精度が悪化する。これに対して、本実施形態では、視線検出に用いる角膜反射を生じさせる光源の位置とカメラ10の位置とほぼ一致しているため、角度θを精度よく求めることができる。また、上述した角膜反射位置の推定処理を採用することで、光源13による角膜反射の位置を2つの直線の交点を求めて算出することにより、光源13による角膜反射の位置を幾何学的に単純かつ正しく推定できる。つまり、複数の角膜反射間の距離を利用して角膜反射の位置を推定する手法に比較すると、2つの直線の交点を求める手法のほうが、推定の精度が安定しやすい。さらに、視線検出装置1は2台のカメラ10のみを有しており、光源を増やすだけでカメラの台数は増やす必要が無いので、簡易な構成で高精度の視線方向の検出が実現できる。
また、視線検出装置1の算出部23は、いったん瞳孔中心の3次元位置を用いて求めた対象者Aの視線方向を基に、真の角膜球中心の3次元位置を算出し、それを用いて光源13による角膜反射の位置を推定した後に、推定した角膜反射の位置を用いて対象者Aの視線方向を再度算出する。これにより、光源13による角膜反射の位置の推定の精度を確保することができ、その結果、視線方向の検出精度をより一層安定化することができる。
さらに、視線検出装置1においては補助光源40が光源13の周囲に配置されているので、視線方向が検出できる範囲をカメラ10の上下左右の周囲に広げることができる。
ここで、対象者Aの視線方向の変化に応じた本実施形態の効果を、具体的に説明する。
図11は人間の眼球の構造を簡略化して示している。眼球EBの前面は白色の結膜に覆われ、その前面の中心部から透明な角膜CNが突出している。角膜CNがほぼ球状とみなされるために、角膜球とも言われる。眼球EBはその中心CEBを中心にして眼窩の中で回転する。この眼球EBにはその対称性から光学軸(光軸)VAが存在する。光学軸と視線はおよそ一致する。瞳孔は光量を調整するための虹彩IRによって遮られていない光が透過する部分であり、その瞳孔の中心が瞳孔中心Pである。
図12には、本実施形態のカメラ10に取り付けられた光源13によって生じる角膜反射の検出状態を示しており、図12(a)〜(c)のそれぞれにおいて、下方に対象者Aの眼球とカメラ10及び光源13との位置関係を示しており、上方にはカメラ10によって取得された差分前画像のイメージを示している。また、図13には、本実施形態の補助光源40によって生じる角膜反射の検出状態を示しており、図13(a)〜(c)のそれぞれにおいて、下方に対象者Aの眼球とカメラ10及び補助光源40との位置関係を示しており、上方にはカメラ10によって取得された差分前画像のイメージを示している。
図12(a)に示すように、対象者Aがカメラ10及び光源13の方向を見ている場合には、眼球EBの光軸VAがちょうどカメラ10及び光源13の方向に向き、このとき得られる画像においては、角膜反射GRの位置は瞳孔像GPの中心の位置に一致する。これに対して、図12(b)に示すように、対象者Aがカメラ10の右側に外れた方向を見ている場合には、画像上での瞳孔像GPの中心が角膜反射GRよりも右側にずれるとともに、瞳孔像GPの形状が楕円となる。図12(c)に示すように、対象者Aがカメラ10の右側にさらに大きく外れた方向を見ている場合には、角膜反射像が検出できなくなり角膜反射像よりも大きめの白目反射GR10が現れる。この白目反射GR10と瞳孔中心との位置関係から光軸を検出する方法では、検出精度が確保できない。このように、カメラ10と光源13とが一体化された位置関係のとき、カメラ10から角度的に離れた方向を対象者Aが見ていると、角膜反射の代わりに白目反射しか現れなかったり、角膜反射も白目反射も現れないことが多々ある。また、カメラ10から見て上まつ毛が瞳孔や角膜反射に被さってしまうことを避けるために、ディスプレイ装置30の下方にカメラ10が配置されている。その結果、ディスプレイ装置30の画面サイズを大きくした場合に、対象者Aがディスプレイ装置30の上部を見たときカメラ10から角度的に大きく離れた位置を見ることになるので、注視点が検出できなくなったり、高精度な注視点検出ができなくなることがある。
図13(a)に示すように、カメラ10の位置からずらして設置された補助光源40が点灯しているときには、対象者Aがカメラ10の方向を見ている場合に得られる画像においては、補助光源40による角膜反射GRが観測され、その位置は瞳孔像GPの中心の位置からわずかにずれて検出される。図13(b)に示すように、対象者Aがカメラ10の右側に大きく外れた方向を見ている場合でも、画像上での白目反射は観測されず、角膜反射GRが観測される。本実施形態では、カメラ10からずらして配置された補助光源40によって生じる角膜反射像を利用して光軸を決定することにより、視線検出が可能な角度範囲を拡張することができる。ただし、図13(c)に示すように、対象者Aがカメラ10の左側に外れる方向を見たときには、画像上で白目反射GR11が観測されてしまっている。本実施形態では、カメラ10を上下左右に取り囲む位置に4つの補助光源40が設けられているので視線検出が可能な角度範囲を上下左右に拡張することができる。さらに、本実施形態によれば、眼鏡をかけた対象者Aがディスプレイ装置30の画面の上部方向を見た時に眼鏡反射が瞳孔や角膜反射に重なることで視線検出ができなくなることを防止できる。
本実施形態にかかる視線検出装置1による視線ベクトルの検出例について述べる。図14において、(a)は、対象者Aが上方向を見た時のカメラ画像とその解析画像を、(b)は、対象者Aが左方向を見た時のカメラ画像とその解析画像を、(c)は、対象者Aが右方向を見た時のカメラ画像とその解析画像を、それぞれ示している。図14(a)に示すように、対象者Aが上方向を見た際には、2つの補助光源40a,40cによる角膜反射が瞳孔の左右端に映っており、カメラ10に取り付けた光源13の角膜反射が映っていないことがわかる。解析画像における小さな正方形の中心が推定された光源13による角膜反射の位置を示しており、光源13による角膜反射の位置が正しく推定できている。また、左下の画像中の矢印は、検出された視線方向を示している。本来、白目反射が映っていてもよいのであるが、下まぶたに隠れているため映っていない。図14(b)に示すように、対象者Aが左方向を見た際には、補助光源40a,40bによる2つの角膜反射が映っている。カメラ10の光源13による角膜反射、及び残りの補助光源40による角膜反射は写っていないが、白目反射が映っている。図14(c)に示すように、対象者Aが右方向を見た際には、補助光源40c,40dによる2つの角膜反射が映っているが、他の光源による角膜反射、及び残りの補助光源40による角膜反射は写っていない。図14(b),(c)の両方の場合とも、光源13による角膜反射の位置が表示されており、視線も検出されている。さらに、どの画像においても、2個の角膜反射が映っていて、それらの間隔が離れているために、それぞれの角膜反射の中心座標を容易かつ正確に検出できる。このことは、互いの補助光源40の位置をさらに近づけることができることを意味している。これらの結果から、カメラ10に取り付けた光源13による角膜反射が検出できないような大きな視線角度θにおいても、カメラ10から離れた補助光源40を使用することで視線が検出できることがわかる。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。上記実施形態の補助光源40の配置は他の配置に変更されてもよい。
例えば、複数の補助光源40が2つのカメラ10の近傍を中心として等角度間隔で2つのカメラ10の周囲に配置されてもよい。図15(a)に示す変形例においては、8個の補助光源40〜40が、2つのカメラ10の間の中点CCを中心とした円上に約45度の等角度間隔で放射状に配置されている。8個の補助光源40〜40のうち、約90度の角度間隔で配置された4個の補助光源40,40,40,40とで一方の光源群が構成され、約90度の角度間隔で配置された4個の補助光源40,40,40,40とで他方の光源群が構成される。これらの2つの光源群はそれぞれ異なるタイミングで点灯可能とされる。これらの補助光源40〜40は、暗瞳孔画像を生じさせるための光源としても機能する。従って、カメラ10に取り付けられる光源13は明瞳孔画像を生じさせることができればよいため、発光素子13a(図2)のみを有する単波長の1重リング光源であってもよい。
このような変形例においては、対象者Aが補助光源40の方向を見た時、カメラ10と瞳孔中心とを結ぶ直線と視線ベクトルとのなす角が大きい場合には、カメラ10の画像には補助光源40,40,40による角膜反射のみが映る。しかし、このとき、補助光源40は眼鏡反射を生じやすく、その眼鏡反射が瞳孔や角膜反射に重なる場合がある。このような場合は、補助光源40,40のみで視線検出が可能なのであれば、補助光源40は補助光源40,40と同時に点灯させるべきではない。また、別の状況として、対象者Aが補助光源40の方向を見た時には、補助光源40,40,40による角膜反射のみが映る。このような場合は、補助光源40による眼鏡反射が障害になる一方で、補助光源40,40による角膜反射によって視線検出が可能となる。さらに、別の状況として、対象者Aが補助光源40と補助光源40との間のおよそ中間の方向を見たとすると、カメラ10の方向に対する視線ベクトルの角度の大きさにもよるが、一般には、補助光源40〜40による角膜反射のみが映る。この場合には、補助光源40,40と補助光源40,40とが別のタイミングで点灯していれば、補助光源40又は補助光源40による眼鏡反射が瞳孔や角膜反射の検出を妨害しても、補助光源40,40による2つの角膜反射、もしくは補助光源40,40による2つの角膜反射のいずれかを用いて視線検出が可能となる。
また、図15(b)に示す変形例では、図15(a)に示す変形例に比較して、補助光源40〜40のうちの一部の光源群40,40,40,40について、中心CCからの距離が不均一となるように配置されている。このように配置することで、算出部23が画像中で角膜反射を検出した際に、その角膜反射がどの補助光源40によるものなのかの判定が容易となる。具体的には、図15(b)の配置においては、対象者Aが補助光源40の近くの方向を見ているときには、補助光源40,40による角膜反射を視線検出に利用し、対象者Aが補助光源40の近くの方向を見ているときには、補助光源40,40による角膜反射を視線検出に利用することになる。一般に、カメラの画像中の瞳孔中心位置と、画像中に現れる2個の角膜反射の位置との関係はほとんど変化しないので、何らかの判定情報が無ければ対象者Aが補助光源40の方向を見ているのか補助光源40の方向を見ているのかは判別できない。この変形例の配置によれば、補助光源40の配置の角度間隔は変えずに中心CCからの距離だけが変えられているので、補助光源40と補助光源40とを結ぶ線の傾きと補助光源40と補助光源40とを結ぶ線の傾きとが異なることになる。同様に、補助光源40と補助光源40とを結ぶ線の傾きと補助光源40と補助光源40とを結ぶ線の傾きとが異なることになる。従って、検出した2個の角膜反射を結ぶ角度を利用することで、どの補助光源40による角膜反射かを判定可能となる。
図16には、図15(a),(b)に示す構成を有する変形例において、点灯制御部21によって制御される光源の点灯タイミング、及び画像取得部22によって制御されるカメラ10の撮影タイミングを示している。図16において、(a)は、カメラ10による画像取得のタイミングを、(b)は、光源13の点灯タイミングを、(c)は、補助光源40のうちの一方の光源群の点灯タイミングを、(d)は、補助光源40のうちの他方の光源群の点灯タイミングを、それぞれ示している。本変形例においては、取得フレーム間隔が非常に短い(例えば、0.5μ秒)の高速度カメラをカメラ10として用いる。また、本変形例では、基本的に2台のカメラ10が使用されるが、説明の簡単化のため1台のカメラ10を対象にした発光制御と画像取得制御の方法について説明する。図16に示すように、連続した時間T〜Tの5つのタイミングにおいて、「暗瞳孔画像1」、「無照明画像1」、「明瞳孔画像」、「無照明画像2」、「暗瞳孔画像2」の順に5枚の画像が取得される。そして、算出部23は、特許第5145555号に記載された公知の手法を用いて、最初の3枚の画像を画像処理することによって、瞳孔中心と複数の角膜反射の中心座標を取得する。同様に、算出部23は、最後の3枚の画像を画像処理することによって、瞳孔中心と複数の角膜反射の中心座標を取得する。算出部23は、各3組の画像を用いて視線が検出できれば、それらの平均に関する情報を検出結果として出力し、眼鏡反射等の問題でどちらか一方の3枚の画像からしか視線が検出できない場合はその視線に関する情報を出力する。
図17には、図15(a),(b)に示す構成を有する変形例において、点灯制御部21によって制御される光源の点灯タイミング、及び画像取得部22によって制御されるカメラ10の撮影タイミングを示している。図17において、(a)は、一方のカメラ10による画像取得のタイミングを、(b)は、他方のカメラ10による画像取得のタイミングを、(c)は、一方のカメラ10に取り付けられた光源13の点灯タイミングを、(d)は、他方のカメラ10に取り付けられた光源13の点灯タイミングを、(e)は、補助光源40のうちの一方の光源群の点灯タイミングを、(f)は、補助光源40のうちの他方の光源群の点灯タイミングを、それぞれ示している。この場合は、2つのカメラ10を用いて画像を取得する例が示されている。図17に示す例では、一方のカメラ10では、連続した時間T〜Tの6つのタイミングのうちの1つのタイミングTでは、画像を取得しないか、取得しても算出部23で使用されないように制御される。一方のカメラ10は、タイミングT〜Tの間で、「暗瞳孔画像1」、「無照明画像」、「明瞳孔画像」、「無照明画像」、「暗瞳孔画像2」の順で画像を取得する。他方のカメラ10では、連続した時間T〜Tの6つのタイミングのうちの1つのタイミングTでは、画像を取得しないか、取得しても算出部23で使用されないように制御される。他方のカメラ10は、タイミングT〜Tの間で、「暗瞳孔画像1」、「無照明画像」、「明瞳孔画像」、「無照明画像」、「暗瞳孔画像2」の順で画像を取得する。
これまで述べてきた実施形態においては、角膜球中心とカメラ10とを結ぶ線を基準として、対象者Aの視線方向と頭部方向はほぼ同じ方向に変化することを前提としていた。しかしながら、車を運転中のドライバーの視線方向と頭部方向とは必ずしもそのような関係を持たない状況が容易に予測できる。また、ドライバーを対象とした視線検出以外も含んだ汎用性の高い視線検出を実現するためには、対象者Aの視線方向と頭部方向にはずれがあることを前提とする必要がある。また、対象者Aによっては瞳孔にまつ毛がかかりやすい場合が想定される。そのような場合、まつ毛の影響により、不規則に異なる補助光源40による角膜反射が検出できない場合がある。これらのことを考慮すると、上記実施形態及び変形例における互いに約90度の角度間隔で配置された補助光源40の組み合わせ(光源群)は、可能な限り多いことが好ましい。
図18には、光源群を4組有する変形例における補助光源40の配置例を示している。同図に示す変形例は、互いに約90度の角度間隔で配置された4つの補助光源4011によって構成された第1の光源群と、互いに約90度の角度間隔で配置された4つの補助光源4012によって構成された第2の光源群と、互いに約90度の角度間隔で配置された4つの補助光源4013によって構成された第3の光源群と、互いに約90度の角度間隔で配置された4つの補助光源4014によって構成された第4の光源群とを含んでいる。
図19には、図18に示す構成を有する変形例において、点灯制御部21によって制御される光源の点灯タイミング、及び画像取得部22によって制御されるカメラの撮影タイミングを示している。図19において、(a)は、一方のカメラ10による画像取得のタイミングを、(b)は、他方のカメラ10による画像取得のタイミングを、(c)は、一方のカメラ10に取り付けられた光源13の点灯タイミングを、(d)は、他方のカメラ10に取り付けられた光源13の点灯タイミングを、(e)は、補助光源40のうちの第1の光源群の点灯タイミングを、(f)は、補助光源40のうちの第2の光源群の点灯タイミングを、(e)は、補助光源40のうちの第3の光源群の点灯タイミングを、(f)は、補助光源40のうちの第4の光源群の点灯タイミングを、それぞれ示している。このように、各カメラ10で1度明瞳孔画像を取得する間に第1〜第4の光源群を全て点灯させるのではなく、第1及び第2の光源群と、第3及び第4の光源群とを時間的に分けて点灯させてもよい。これにより、視線が検出する間隔が不均一にはなるが、角膜反射と瞳孔中心の検出の時間差が小さいまま維持されるので、対象者Aの頭部の動きによる検出誤差の低下の影響を受けにくい。
上述した実施形態においては、対象者Aが眼鏡を装着していると、光源からの光が眼鏡のレンズの表面で反射し、カメラ画像中に眼鏡反射像が生じる場合がある。一般的にレンズの曲率半径は角膜に比較して大きいので、その結果、眼鏡反射は画像中において角膜反射に比べて大きく映る。また、角膜反射を確実に検出できるように光源の発光強度を上げると、眼鏡反射像は画像中において飽和しやすい。その結果、画像中で眼鏡反射が瞳孔や角膜反射に重なってしまい、それらの位置の検出が困難となる。このような問題を解決するためには、カメラ10と光源13の組み合わせを3組以上備えることも好ましい。このような構成を備えれば、最低1つのカメラ10の画像中で眼鏡反射が瞳孔や角膜反射に重なることを防ぐことができ、視線検出ができないという問題を回避することができる。
また、上記実施形態では、算出部23が、瞳孔中心の3次元位置Pを角膜球中心の3次元位置Cに近似して、瞳孔中心の3次元位置Pを用いて視線ベクトルPTを算出した後に、視線ベクトルPTを用いて角膜反射位置の推定処理を再度繰り返していた。このような処理に代えて、算出部23は、2つのカメラ10によって取得された瞳孔画像を対象にして、瞳孔中心の3次元位置Pを用いて角膜反射位置の推定処理を実行して2つのカメラ10の画像上の光源13による角膜反射の位置を推定し、推定した2つの角膜反射の位置をステレオマッチングすることで、角膜球中心の3次元位置Cを算出してもよい。さらに、算出部23は、算出した角膜球中心の3次元位置Cを用いて角膜反射位置の推定処理を再度繰り返して視線ベクトルを算出してもよい。
A…対象者、C…角膜球中心、P…瞳孔中心、PT…視線ベクトル、40,40〜40,40a〜40b,4011〜4014…補助光源、1…視線検出装置、10,10,10,13光源、20…画像処理装置、21…点灯制御部、22…画像取得部、23…算出部。

Claims (10)

  1. 対象者の眼を撮像することで眼画像を取得する第1及び第2のカメラと、
    前記第1のカメラに取り付けられ、前記対象者の眼を照明する第1の光源と、
    前記第2のカメラに取り付けられ、前記対象者の眼を照明する第2の光源と、
    前記第1及び第2のカメラのレンズの光軸から離れる位置に配置され、前記対象者の眼を照明する少なくとも2つの第3の光源と、
    前記第1〜第3の光源の点灯を制御する点灯制御部と、
    前記第1及び第2のカメラのそれぞれによって取得された前記眼画像を対象にして、瞳孔中心の位置及び角膜反射の位置を検出し、前記瞳孔中心の位置及び前記角膜反射の位置を基に前記対象者の視線方向を算出する算出部と、を備え、
    前記算出部は、前記眼画像において前記第1又は第2の光源による角膜反射の位置が検出できなかった際には、前記眼画像において前記第3の光源による2つの角膜反射の位置を検出し、当該2つの角膜反射の位置を基に前記第1又は第2の光源による角膜反射の位置を推定し、推定した前記角膜反射の位置を用いて前記対象者の視線方向を算出する、
    視線検出装置。
  2. 前記算出部は、前記第1及び第2のカメラによって取得された2つの前記眼画像を基に、前記瞳孔中心の3次元位置を算出し、
    前記第1又は2の光源の3次元位置と、第3の光源の3次元位置と、前記瞳孔中心の3次元位置とを用いて、前記眼画像における第1又は第2の光源による角膜反射の位置を推定する、
    請求項1記載の視線検出装置。
  3. 前記算出部は、前記第1又は前記第2の光源の3次元位置と第3の光源のうちの一方の光源の3次元位置と前記瞳孔中心の3次元位置とを通る第1の平面と、前記第1又は前記第2の光源の3次元位置と第3の光源のうちの他方の光源の3次元位置と前記瞳孔中心の3次元位置とを通る第2の平面と、の位置を特定し、
    前記第1又は第2のカメラの画像面上における、前記第1の平面の傾きと、前記第2の平面の傾きとを算出し、
    前記第1又は第2のカメラによって取得された2つの前記眼画像上で、前記一方の光源による角膜反射の位置を通り前記第1の平面の傾きに対応する傾きを有する直線と、前記他方の光源による角膜反射の位置を通り前記第2の平面の傾きに対応する傾きを有する直線との交点を、第1又は第2の光源による角膜反射の位置として算出する、
    請求項1又は2記載の視線検出装置。
  4. 前記算出部は、いったん前記瞳孔中心の3次元位置を用いて前記眼画像における第1又は第2の光源による角膜反射の位置を推定した後に、推定した前記角膜反射の位置を用いて前記対象者の視線方向を算出し、
    さらに、前記視線方向と前記瞳孔中心の3次元位置とを基に前記対象者の角膜球中心の3次元位置を算出し、前記角膜球中心の3次元位置を用いて前記眼画像における第1又は第2の光源による角膜反射の位置を推定した後に、推定した前記角膜反射の位置を用いて前記対象者の視線方向を再度算出する、
    請求項2記載の視線検出装置。
  5. 前記第3の光源は、3つ以上で前記第1及び第2のカメラの周囲に配置されている、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の視線検出装置。
  6. 前記第3の光源は、第1及び第2のカメラの近傍から見て等角度間隔で前記第1及び第2のカメラの周囲に配置されている、
    請求項5記載の視線検出装置。
  7. 前記第3の光源は、第1及び第2のカメラの近傍から見て等角度間隔で前記第1及び第2のカメラの周囲に配置された光源群を複数有し、
    前記点灯制御部は、前記複数の光源群ごとに点灯させるように制御する、
    請求項6記載の視線検出装置。
  8. 前記第3の光源は、前記第1及び第2のカメラの近傍からの距離が不均一となるように配置されている、
    請求項6記載の視線検出装置。
  9. 前記対象者の眼を照明する光源が取り付けられたカメラを前記第1及び第2のカメラを含めて3組以上備える、
    請求項1〜8のいずれか1項に記載の視線検出装置。
  10. 第1及び第2のカメラを用いて対象者の眼を撮像することで眼画像を取得する眼画像取得ステップと、
    前記第1のカメラに取り付けられた第1の光源と、前記第2のカメラに取り付けられた第2の光源とを用いて、前記対象者の眼を照明する照明ステップと、
    記第1及び第2のカメラのレンズの光軸から離れる位置に配置された少なくとも2つの第3の光源を用いて、前記対象者の眼を照明する補助照明ステップと、
    前記第1及び第2のカメラのそれぞれによって取得された前記眼画像を対象にして、瞳孔中心の位置及び角膜反射の位置を検出し、前記瞳孔中心の位置及び前記角膜反射の位置を基に前記対象者の視線方向を算出する算出ステップと、を備え、
    前記算出ステップでは、前記眼画像において前記第1又は第2の光源による角膜反射の位置が検出できなかった際には、前記眼画像において前記第3の光源による2つの角膜反射の位置を検出し、当該2つの角膜反射の位置を基に前記第1又は第2の光源による角膜反射の位置を推定し、推定した前記角膜反射の位置を用いて前記対象者の視線方向を算出する、
    視線検出方法。
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