以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。
(実施例1)
図1は、本発明の実施形態に係る表示システムのシステム構成の一例を説明する。
ネットワーク101は、イントラネットあるいはローカルエリアネットワーク(LAN)などのネットワークである。コンピューター102は、3Dプリンター104などに対する指示を行う制御ソフトウェアがインストールされているクライアントコンピューターである。コンピューター103は、外部のWebサービスに接続し、Webアプリケーションを操作可能なWebブラウザーを備える。
3Dプリンター104は、モデルデータをもとに立体物である3次元のオブジェクトを造形する制御装置の一例である。追加設備105は、3Dプリンター104での造形中または造形後に必要な処理を行う装置や設備である。造形後に必要な処理を行う装置の例としては、3Dプリンター104によって造形された造形物を洗浄する洗浄装置や、3Dプリンター104の造形台を掃除するための装置などがある。また、造形中に必要な処理を行う装置の例としては、造形中に停電が発生した場合に造形を継続させるための無停電電源装置や、3Dプリンターの設置場所の環境を整えるための空調設備などがある。また、コンピューター106は、3Dプリンター管理アプリケーション340が動作する管理装置である。
コンピューター102、103、106には、パーソナルコンピューター(PC)、タブレットコンピューター、スマートフォンなどの種別が存在する。3Dプリンター104とコンピューター102、103、106は、ネットワーク101を介して、相互に情報の送受信が可能である。なお、ネットワーク101は、無線LANなどの無線ネットワークでも構わない。また、ネットワーク101は、情報の送信・受信が可能であれば、インターネットなどのパブリックネットワークでも構わない。なお、制御ソフトウェアには、3Dプリンター104に対する指示を行う制御ソフトウェアと、追加設備105に対する指示を行う制御ソフトウェアとがあり、それぞれは異なるコンピューターにインストールされていてもよい。
図2は、コンピューター102、103、106、3Dプリンター104、追加設備105の情報処理機能のハードウェア構成例を示す図である。なお、3Dプリンター104、追加設備105においては、後述する図3に示す組み込みコンピューターの構成が、図2で示す情報処理機能のハードウェアに相当する。
ユーザーインターフェース(以下、UIと呼ぶ)201は、ディスプレイ、キーボード、マウス、タッチパネル、ボタンなどによる、情報や信号の入出力を行う。これらのハードウェアを備えないコンピューターは、リモートデスクトップやリモートシェルなどにより、他のコンピューターから接続・操作することも可能である。
ネットワークインターフェース202は、LANなどのネットワークに接続して、他のコンピューターやネットワーク機器との通信を行う。ROM204には、組み込み済みプログラム及びデータが記録されている。RAM205は一時メモリ領域である。二次記憶装置206は、HDDやフラッシュメモリなどである。CPU203は、ROM204、RAM205、二次記憶装置206などから読み込んだプログラムを実行する。以上の各部201から206は、内部バス207を介して接続されている。
3Dプリンター104に関しては、さらに、造形方式に応じたハードウェア構成を備える。造形方式に応じたハードウェア構成とは、具体的には3Dプリンター104のエンジン部である。エンジン部はCPUやROM、RAMなどの記憶装置に加え、当該CPUにより制御される造形方式に応じたハードウェアを持つ。例えば、熱溶解積層方式の場合そのハードウェアは、プリントヘッド(head、extruder)、ステージやプリントヘッドをX,Y,Z軸方向に駆動するモーター、プリントヘッドのノズルを加熱するヒーター、冷却や吸気、排気のためのファンなどである。他の造形方式としては、例えば、光造形方式、粉末燃結方式、インクジェット方式などがある。また、3Dプリンター104はステータスを検出するための複数のセンサー(不図示)などを備えている。センサーの具体例としては、プリンタヘッドの温度ステータスを検出するための温度センサーなどがある。
図3は、実施例1、2におけるシステムのソフトウェア構成およびハードウェア構成の例を示す図である。
本実施例では、3Dプリンターや追加設備の処理命令の作成、3Dプリンターや追加設備の管理、コンピューター106のWebサーバー部351へのアクセスを異なるコンピューターで行う構成で説明を行っている。しかしながら、それぞれの処理が1つのコンピューターで処理される構成をとっても良い。
まず、コンピューター102の構成について説明する。制御ソフトウェア301は、コンピューター102にインストールされて実行されるソフトウェアである。制御ソフトウェア301は、造形に係る設定や3Dプリンターで実行される制御命令を生成するための機能などを含むソフトウェアである。3Dプリンターの制御命令を生成するソフトウェアには、例えばスライサーと呼ばれるソフトウェアなどがある。
また、制御ソフトウェア301には、追加設備105への設定を行う機能や追加設備105での処理を実行するための制御命令を生成する機能なども含まれる。なお、3Dプリンターの制御命令を生成する機能と、追加設備の制御命令を生成する機能とが、それぞれ異なる制御ソフトウェアに含まれていてもよい。また、追加設備の制御命令を生成する機能が制御ソフトウェア301に備わっていない場合には、3Dプリンターから追加設備に対して処理が指示されてもよい。
設定情報302は、制御ソフトウェア301などで設定される造形に関する設定情報である。造形に関する設定項目には、例えば、造形に使用される3Dプリンターの機種名、プリントヘッドなどの構成部品の温度、使用するマテリアルの種類や名前、充填パターンなどが含まれる。
3Dモデルデータ303は、ユーザーが造形を所望するオブジェクトを3次元形状で表すモデルデータである。3Dモデルデータ303は、例えば3次元形状を表現するデータを保存するファイルフォーマットであるSTL(STereo Lithography)などで表されるデータである。
制御命令304は、3Dモデルデータ303などを基にして制御ソフトウェア301によって生成される制御命令である。制御命令304には、3Dプリンター104でオブジェクトを造形するための制御命令と、追加設備で後処理などを実行するための制御命令とが含まれる。3Dプリンター104の制御命令として、例えばGコード(G−code)という工作機械の命令を3Dプリンター用に拡張した形式などが用いられている。制御ソフトウェア301は、設定情報302に基づき、3Dモデルデータ303を3Dプリンター104が実行可能な制御命令(3Dプリンター)304に変換する。
なお、制御ソフトウェア301により生成される3Dプリンターの制御命令には、3Dモデルデータで表される造形部分であるオブジェクトだけでなく、造形に必要なサポート(support structures)の造形に関する情報も含まれる。
次に、コンピューター103の構成について説明する。Webブラウザー310は、Webサービスを提供するWebサーバー部351にリクエストメッセージを送信する。その後、Webブラウザー310は、Webサーバー部351から送信されるレスポンスメッセージを受信し、受信したデータに基づき画面を表示する。これにより、ユーザーは、入力した条件に合致する3Dプリンターや追加設備の製品データを閲覧することができる。
次に、3Dプリンター104の構成について説明する。組み込みコンピューター320は、3Dプリンター104に組み込まれたコンピューターである。組み込みコンピューター320は、汎用のコンピューターに比べ、必要な機能に特化し、不必要な機能・性能・部品を削って、安価なコストで製造される。なお、3Dプリンターに要求される機能・性能によっては、組み込みコンピューター320は汎用のコンピューターであっても構わない。
制御アプリケーション321は、組み込みコンピューター320上で実行されるアプリケーションである。制御アプリケーション321は、UI325とAPI(Application Programming Interface)326と、ハードウェア制御部327とを備える。
UI325は、廉価なものでは文字のみを数行表示するディスプレイとハードウェア操作ボタンの組み合わせや、高価なものではタッチパネル付きディスプレイなどがある。UI325の表示内容によって、3Dプリンターの状態を確認し、UI325を操作することによって、所望の処理を3Dプリンターに命令する。
API326は、外部のコンピューター102や106から、命令やデータの送受信を受け付ける。API326を介して、外部のコンピューター102や106から、3Dプリンター制御アプリケーション321に命令を送信し、3Dプリンター104を制御する。
ハードウェア制御部327は、UI325、API326を介して受信した命令や3Dプリンター制御アプリケーション321が発行した命令に従い、ハードウェア(不図示)を構成する各部を動作させ、造形物の出力などを実行する。3Dプリンターを構成するハードウェアは造形方式によって異なる。
前述の制御ソフトウェア301が生成した3Dプリンターの制御命令304は、ネットワーク101およびAPI326を介して、制御アプリケーション321に送られる。なお、この時、コンピューター106を経由して制御命令304が送られてもよい。また、3Dプリンター104がネットワークインターフェースを備えない場合などは、USBメモリなどの記憶装置を介して、制御命令304が制御アプリケーション321に送られてもよい。
制御アプリケーション321は、UI325あるいはAPI326からの出力命令により、制御命令304を解釈して、ハードウェア制御部327がハードウェア各部を動作させることで造形を実行する。
エラー情報323は、3Dプリンター104内で、3Dプリンター104に固有の定義に従い特定の状態や障害が検出された場合に、3Dプリンター104の定義に従ってその内容や通知方法などの出力管理が行われるエラーを示す情報である。なお、3Dプリンター104がエラーを出力するのではなく、後述するデバイス情報324に含まれるステータス情報などをもとにコンピューター106で動作する管理アプリケーションによって3Dプリンター104のエラーが検出されてもよい。
デバイス情報324は、3Dプリンター104の識別情報やステータス情報などを含む3Dプリンター104のデバイス情報である。デバイス情報324には、3Dプリンターの稼働状態や稼働率を判断するための情報が含まれる。稼働状態を判断するための情報とは、3Dプリンターのステータス(稼働中、準備中、待機中、スリープ中、エラー中など)やステータスログの情報などである。稼働率を判断するための情報とは、ステータスログや、電源オンされている時間、稼働中の時間、エラー(障害)発生中の時間を含む履歴情報などである。
デバイス情報324として、IPP(Internet Printing Protocol)で定義された多機種の3Dプリンターで共通のプロトコルで取得可能な情報を例に挙げて説明する。IPPは、汎用的な通信プロトコル上で動作する印刷(造形)データの送受信や造形装置の監視等を行うためのプロトコルである。また、同等の情報取得の定義がある他のプロトコルでも代用できる。また、本発明は、IPPに加えそのほかのプロトコルで定義されるデバイス情報も併用することも可能であり、デバイス情報324にはそれらプロトコルで定義される情報が含まれてもよい。これにより、例えば、機種によりサポートしていないIPPで定義されている情報や、IPPで未定義のステータス情報についても3Dプリンター管理アプリケーション340による分析の対象とすることが可能となる。
本実施例では、デバイス情報324は、管理アプリケーション340により、3Dプリンター104から取得される。しかしながら、デバイス情報324は必ずしも3Dプリンター104から取得されなくてもよく、例えば、デバイス情報324はコンピューター102から取得されてもよい。
次に、追加設備105の構成について説明する。組み込みコンピューター330は、追加設備105に組み込まれたコンピューターである。組み込みコンピューター330は、汎用のコンピューターに比べ、必要な機能に特化し、不必要な機能・性能・部品を削って、安価なコストで製造される。なお、追加設備に要求される機能・性能によっては、組み込みコンピューター330は汎用のコンピューターであっても構わない。
制御アプリケーション331は、組み込みコンピューター330上で実行されるアプリケーションである。制御アプリケーション331は、UI335とAPI(Application Programming Interface)336と、ハードウェア制御部337とを備える。追加設備105には、UI335やAPI336が存在しない場合もある。廉価な追加設備などの場合、ユーザーが電源を切り替える作業を行って追加設備を起動させる。もちろん、3Dプリンター104のようにUI325あるいはAPI326からの処理命令により、制御命令304を解釈して、ハードウェア制御部327がハードウェア各部を動作させ処理を行ってもよい。
デバイス情報332は、追加設備105の識別情報や稼働情報などを含むデバイス情報である。デバイス情報は取得できればどのようなプロトコルであってもよい。デバイス情報332には、追加設備の稼働状態や稼働率を特定可能な情報が含まれる。たとえば、稼働状態を特定可能な情報とは、例えば、追加設備のステータス(稼働中、準備中、待機中、スリープ中、エラー中など)やステータスログの情報などである。稼働率を特定可能な情報とは、電源オンされている時間や、稼働中の時間や、障害発生中の時間や、利用回数などである。
本実施例では、デバイス情報332は、管理アプリケーション340により、追加設備105から取得される。しかしながら、デバイス情報332は必ずしも追加設備105から取得されなくてもよく、例えば、デバイス情報332はコンピューター102から取得されてもよい。
次に、コンピューター106の構成について説明する。コンピューター106は、管理アプリケーション340と、表示アプリケーション350と、データベース360を備える。本実施例では、管理アプリケーション340、表示アプリケーション350、およびデータベース360が1つのコンピューターに備わる構成として説明を行うが、それらが各々異なるコンピューターに配置される構成であっても本発明を適用可能である。
管理アプリケーション340は、3Dプリンター104や追加設備105からデバイス情報やエラー情報などを取得して、それらを管理するアプリケーションであり、コンピューター106上で実行される。
管理アプリケーション340は、データ取得部341、データ管理部343、およびデータ送信部345を備える。
データ取得部341は、3Dプリンター104や追加設備105からデバイス情報やエラー情報などを取得するインターフェースを備える。データ取得部341は、定期的にまたは予め定められたスケジュールに従って、3Dプリンター104や追加設備105から各種情報を取得する。なお、3Dプリンター104や追加設備105のデバイス情報としてユーザーによってコンピューターの画面UIから入力された情報を、管理アプリケーション340が取得してもよい。
データ管理部343は、管理対象の3Dプリンターの情報や、データ取得部341によって取得された管理対象装置のエラー情報323やデバイス情報324を管理する。データ管理部343は、管理対象の追加設備の情報や、データ取得部341によって取得された管理対象の追加設備のデバイス情報332が格納される。さらに、データ管理部343は、予めユーザー登録済みのユーザーの識別情報と、該ユーザーが保有する3Dプリンターの情報と追加設備の情報とを管理する。
データ送信部345は、要求に応じて3Dプリンターの情報を送信する。例えば、データ送信部345は、特定の3Dプリンターの情報を受け取った場合は指定された3Dプリンターの情報を返却し、そうでない場合は管理対象の3Dプリンターのリストを返却する。さらに、データ送信部345は、要求に応じて追加設備の情報を送信する。例えば、データ送信部345は、特定の追加設備の情報を受け取った場合は、指定された追加設備の情報を返却し、そうでない場合は管理対象の追加設備のリストを返却する。
表示アプリケーション350は、Webブラウザー310などからの要求に応じて3Dプリンターの情報をUI画面に表示するアプリケーションであり、コンピューター106上で実行される。表示アプリケーション350は、Webサーバー部351、絞り込み実行部352、製品データAPI353、および管理対象装置API355を備える。
Webサーバー部351は、Webサーバーとして動作し、後述する図4で示す3Dプリンター情報の表示画面400などのWebページを提供する。図4で示す3Dプリンター情報の表示画面400では、3Dプリンターの情報が表示される。Webサーバー部351は、クライアントであるWebブラウザー310からリクエストメッセージを受け付け、リクエストメッセージに従って、処理を実行する、HTTPサービスとしての機能を有する。具体的には、Webサーバー部351は、リクエストメッセージとしてURLを受け付け、URLを解析し、リクエストに従って該当のWebアプリケーションをリクエストとともに呼び出す。ここで、リクエストメッセージは、具体的にはHTTPのリクエストメッセージであり、URLに紐づいたWebブラウザーからのパラメータの値を含むことができる。
絞り込み実行部352は、絞り込み条件設定部420で設定された条件またはプログラムで動的に作られた絞り込み条件に応じて3Dプリンターの絞り込み処理を行い、条件を満たす3Dプリンターの情報をWebブラウザー310に返却する。
製品データAPI353は、データベース360の製品データ361から3Dプリンターや追加設備の情報を取得する。
管理対象装置API355は、管理アプリケーション340のデータ送信部345を呼び出し、管理アプリケーション340のデータ管理部343で管理されている3Dプリンターや追加設備の情報を取得するインターフェースを備える。
データベース360では、3Dプリンター104および追加設備105の製品データ361が管理される。なお、それぞれの製品データは、本実施例では図示しないWebブラウザーにより提供される画面UIから管理者が更新できてもよい。製品データ361は、3Dプリンターおよび追加設備の詳細情報である。
図4は、コンピューター106が提供する3Dプリンター情報の表示画面UIの一例を示す図である。表示画面400は、コンピューター106が備えるWebサーバー部351に対して、コンピューター103のWebブラウザー310からアクセスすることで閲覧可能となる。
表示画面400は、コンピューター106が保持するデータの一覧を表示するリスト表示部410と一覧表示されている3Dプリンターの中から必要な3Dプリンターを絞り込むための絞り込み条件設定部420から構成される。
リスト表示部410には、データベース360に登録されている3Dプリンターの一覧が表示される。絞り込み条件設定部420に絞り込み条件が入力されている場合、設定された絞り込み条件に合致する3Dプリンターがリスト表示部410に表示される。なお、リスト表示部410の表示方法は、常に全ての3Dプリンターを表示し絞り込み条件に合致しない3Dプリンターをグレーアウトするとしてもよい。
絞り込み条件設定部420は、リスト表示部410に表示される3Dプリンターを絞り込むための絞り込み条件をユーザーに指定させるためのフィールドである。絞り込み条件には以下の項目が存在し、ユーザーはこのうち1以上の条件を指定する。絞り込み条件の入力方法には、テキストボックスを用意して自由入力できるようにしてもいいし、チェックボックスやドロップダウンを用意してユーザーが選択できてもよい。
メーカー:3Dプリンターのメーカー名。
用途:3Dプリンターにより造形されるオブジェクトの使用用途による分類。例えば、「デザイン確認」「設計・機能評価」「治具・型・生産設備」などがあげられる。
素材:3Dプリンターでの造形に利用可能な造形材の素材による分類。例えば、「樹脂」「ゴム」「石膏」「金属」などの種類があげられる。
材料特性:3Dプリンターが利用可能な材料が持つ特性による分類。例えば、「耐熱性」「耐久性」「耐衝撃性」「透明」などがあげられる。
積層ピッチ:3Dプリンターが選択可能な積層ピッチ。
造形方式:3Dプリンターの造形方式の分類。例えば、「熱融解積層法」「光造形方式」「粉末燃結方式」「インクジェット方式」などがあげられる。
造形サイズ:3Dプリンターで造形可能なオブジェクトの大きさ。
造形速度:3Dプリンターが造形物を造形する速度の情報。例えば、ヘッドスピードの情報などがあげられる。
騒音レベル:3Dプリンターが造形時に発する音の大きさ(dB)の情報。
サポート材:造形物を作成するときのサポート材の要否の情報。または、水溶性のサポート材の利用可否の情報。
中空構造製作可否:中空構造の造形物の作成可否の情報。
ヘッド数:3Dプリンターのプリンタヘッド数。
カラー:単色・2色・カラーの情報。または、色(透明、白、青、赤など)を選択して指定された色の造形物が造形可能かどうかの情報。
価格:3Dプリンターの購入価格。
設置場所の環境:3Dプリンターを設置する際に必要となる設置場所の環境に関する情報。ここで指定された条件を基に、設置場所の環境を整えるための追加設備として、例えば、空調設備や、振動を除去する又は低減させるための設備などがある。
設置場所の面積:3Dプリンターを設置して利用するために必要な場所の面積に関する情報。
本実施例では、「メーカー」「用途」「素材」「積層ピッチ」「造形サイズ」「価格」「設置面積」の条件を入力可能とした絞り込み条件を図4で例示する。なお、設置場所の面積については、3Dプリンターや追加設備の利用に必要な空間に関する情報としてもよい。その場合、面積だけでなく高さの情報が含まれることとなる。
なお、追加設備に関する条件を指定して、3Dプリンターの絞り込みを行ってもよい。追加設備に関する条件には、例えば、洗浄や硬化など追加設備の行う処理の種類や、追加設備の機種などがある。また、絞り込み条件の項目はユーザーが自身で選択可能であっても良いし、タブを利用して絞り込みの特徴に応じて複数パターン用意するなどしてよい。例えば、メーカーや造形方式毎にそれぞれの特徴に応じた絞り込み項目を用意してもよい。
図5は、本実施例における3Dプリンターおよび追加設備の製品データ361を管理するためのテーブルの一例である。図5では、図4で示した3Dプリンター表示画面で絞り込みを行うために必要な情報を示す。製品データ361には、設定可能な絞り込み条件に応じて、図5では不図示の項目が追加されても良い。図5で示すテーブルの情報を用いて、後述する図4の表示画面UIが提供される。
まず、図5(a)を用いて、3Dプリンターの製品データ361を管理するためのテーブルについて説明する。
Name501は、3Dプリンター名である。3Dプリンター名で3Dプリンターを一意に特定できる。3Dプリンター名が一意にならない場合は、別途IDのカラムを用意してもよい。Maker502は、3Dプリンターのメーカー名である。造形方式503は、3Dプリンターの造形方式の種別を表す情報である。用途504は、3Dプリンターにより造形されるオブジェクトの使用用途を示す情報である。積層ピッチ505は、3Dプリンターが印刷可能な積層ピッチの情報である。最大造形サイズ506は、3Dプリンターが造形可能な最大サイズの情報である。価格507は、3Dプリンターの価格である。本体サイズ508は、3Dプリンターのサイズである。必須の追加設備509は、3Dプリンターを導入する際に必要となる追加設備のType522の情報である。推奨の追加設備510は、3Dプリンターを導入する際に一緒に購入することを推奨される追加設備のType522の情報である。推奨設置面積511は、3Dプリンターを導入する際に推奨される場所の面積の情報である。これは、メンテナンス等でカバーなどの開閉が必要な3Dプリンターは、開閉で必要な面積を考慮した情報である。また、推奨設置面積511は、追加設備の設置についても考慮された面積を示す情報である。
次に、図5(b)を用いて、追加設備の製品データ361を管理するためのテーブルについて説明する。
Name521は、追加設備名である。追加設備名で追加設備を一意に特定できる。付帯装置名が一意にならない場合は、別途IDのカラムを用意してもよい。Type522は、追加設備の種類を表す情報である。例えば、「洗浄装置」「超音波洗浄装置」「硬化装置」「無停電電源」などがある。価格523は、追加設備の価格である。処理可能サイズ524は、追加設備が処理可能なサイズである。3Dプリンターで造形した造形物の後処理を行う追加設備には、処理可能サイズ524の値が設定される。本体サイズ525は、追加設備のサイズである。
図6は、絞り込み実行部352による処理の流れを示すフローチャートである。本実施例ではコンピューター106がWebブラウザー310からのリクエストをもとに絞り込み処理を行っているが、Webサーバー部351から絞り込み処理に必要な情報をWebブラウザー310に送信し、ブラウザー側で動的に絞り込みを行ってもよい。
S601において、製品データAPI353が呼び出されて、表示候補となる3Dプリンターの製品データ一覧が取得される。
S602において、S601で取得された3Dプリンターの製品データを絞り込む為の絞り込み条件が取得される。絞り込み条件は、絞り込み条件設定部420で設定された条件である。
S603において、管理対象装置API355が呼び出されて、管理アプリケーション340で管理している3Dプリンターの情報が取得される。
S604からS606では、指定された条件に該当する絞り込み項目ごとに、製品一覧から条件に合致する製品を絞り込むための処理が行われる。S605において、前述のS601で取得した3Dプリンターの製品データとS602で取得した絞り込み条件とS603で取得した管理対象の3Dプリンターの情報を用いて、3Dプリンターの絞り込み処理が実行される。絞り込み処理は、S601で取得した3Dプリンターの製品データに対して絞り込み項目ごとに行われる。指定された全ての項目についての処理が終了するとS607に処理が進められる。
本実施例では、後述の図7のフローチャートにて設置面積の絞り込み処理を例に挙げ詳しく説明する。本実施例ではS601で取得した3Dプリンターの製品データに対して絞り込み項目ごとに絞り込みを行っているが、絞り込み条件を満たすようなSQLを作成して、直接データベース360から情報を取得する構成であってもよい。
S607において、Webサーバー部351は絞り込みされた結果の3Dプリンターの情報を含む画面情報を生成しWebブラウザーへ出力する。
図7では、S605の絞り込み処理について設置面積の絞り込み処理を具体例に挙げて説明する。図7は設置面積の絞り込み処理の流れの例を示すフローチャートである。S701からS708では、S601で取得された3Dプリンター一覧の3Dプリンター全てに対して処理が実行される。
S702において、取得した3Dプリンターの情報に推奨設置面積511の情報が登録されている場合はS706に進み、推奨設置面積511の情報が登録されていない場合は推奨設置面積の値を算出する為にS703へ進む。
S703において、取得した3Dプリンターの情報に必須の追加設備509の情報が登録されている場合はS704へ進み製品データAPI353より当該追加設備の情報を取得する。必須の追加設備509の情報が登録されていない場合はS704へ進む。
S704において、追加設備の製品データ一覧が取得される。
S705において、当該3Dプリンターの本体サイズ508とS704で追加設備の製品データを取得した場合は追加設備の本体サイズ525の情報をもとに推奨設置面積の計算が行われる。具体的には、3Dプリンターおよび追加設備の利用に必要となる場所の面積が合計される。また、ここで、算出された推奨設置面積は、メンテナンス等でカバーなどの開閉が必要な3Dプリンターは、開閉で必要なスペースを考慮した情報である。具体的には、カバーなどの開閉ができるだけの所定面積を加算するなどの方法で算出される。
S706において、3Dプリンターの情報の推奨設置面積511またはS705にて算出された推奨設置面積と、絞り込み条件で設定された設置面積が比較される。比較された結果、推奨設置面積が絞り込み条件での設定値を超える場合はS707へ進み3Dプリンターの表示候補から当該3Dプリンターが削除される。推奨設置面積が絞り込み条件での設定値を超えない場合は次の処理へ進められる。
なお、推奨設置面積の算出は本実施例では図示しない設定画面を用いて、3Dプリンターの製品データの推奨設置面積511の情報の有無にかかわらず実行するように設定できてもよい。また、本実施例では3Dプリンター104および必須の追加設備509を設置面積の算出対象としたが、3Dプリンター104のみとしたり、さらに推奨の追加設備510も算出対象に含めたりするなどの選択ができてもよい。
さらに、図7では、設置面積による絞り込み処理の流れを示したが、この他にも購入価格による絞り込み処理などが行われてもよい。3Dプリンターの購入価格と追加設備の購入価格の合計が、ユーザーにより指定された購入価格の条件を満たすか否かが判断される。
図8は、3Dプリンター情報の表示画面400のリスト表示部410に表示される特定の3Dプリンターを選択したときに表示される3Dプリンター詳細画面800の一例である。選択された3Dプリンター104に関連する追加設備105の情報が表示されることを特徴とする。ここで、使用が必須の追加設備と、推奨の追加設備とは区別して表示される。
本実施例では、3Dプリンター情報の表示画面400のリスト表示部410に表示される3Dプリンターが選択されると3Dプリンター詳細画面800に遷移するとしたが、別の方法で情報が表示されてもよい。例えば、リスト表示部410の3Dプリンターにカーソルを合わせた時に追加設備の情報がツールチップに表示されるなどでも良い。
必須の追加設備810は、選択された3Dプリンターを導入する際に必須となる追加設備を表示するスペースである。本実施例では、該当する追加設備のスペック情報811や画像812を表示する。必須の追加設備がない場合、必須の追加設備810は存在しなくてもよい。
推奨の追加設備820は、選択された3Dプリンターを導入する際に導入可能である追加設備を表示するスペースである。本実施例では、該当する追加設備のスペック情報821や画像822を表示する。推奨の追加設備がない場合、推奨の追加設備820は存在しなくてもよい。
図9は、3Dプリンター詳細画面800の必須の追加設備810、推奨の追加設備
820を表示する処理の流れを示すフローチャートである。Webサーバー部351が、Webブラウザー310からのリクエストを受け取り、レスポンスを返すまでのフローである。
S901において、製品データAPI353が呼び出され、追加設備の製品データ一覧を取得する。
S902において、追加設備のリストが作成される。追加設備のリストは、表示する追加設備の情報を格納する為のリストであってコンピューター106のRAM205に保持される。
S903において、選択された3Dプリンターの情報から必須の追加設備509が取得され、値が存在する場合はS904に進む。値が存在しない場合は、S905へ進む。
S904において、S901で取得した追加設備の製品データから条件に合致する追加設備が検索され、S902で用意したリストに追加される。検索は、3Dプリンターの必須の追加設備509とType522が合致し、かつ当該3Dプリンターの最大造形サイズ506が追加設備の処理可能サイズ524より小さい条件にあてはまる追加設備をリストに追加する。
S905において、選択された3Dプリンターの情報から推奨の追加設備509が取得され、値が存在する場合はS906に進む。値が存在しない場合は、S907へ進む。
S906において、S901で取得した追加設備の製品データから条件に合致する追加設備が検索され、S902で用意したリストに追加される。ここでは、3Dプリンターの推奨の追加設備509とType522が合致し、かつ当該3Dプリンターの最大造形サイズ506が追加設備の処理可能サイズ524より小さい条件にあてはまる追加設備がリストに追加される。
S907において、Webサーバー部351は追加設備のリストを基に画面情報を生成しWebブラウザーに送信する。
本実施例では、ユーザーにより指定された条件を基に、3Dプリンターの造形中または造形後に必要な処理を行う追加設備を含めて、条件に合致する3Dプリンターを提示した。特に、3Dプリンターなどを設置して利用するために必要な場所の面積や、使用が必須の追加設備の情報を提示した。これにより、追加設備を考慮して、ユーザーが指定した条件を満たす制御装置の情報を提示することができる。
(実施例2)
実施例1では、追加設備を踏まえた絞り込みや3Dプリンター詳細画面800の表示を行った。しかしながら、既に3Dプリンターを導入している環境において、3Dプリンターや追加設備の買い替えや追加購入を行うようなケースがある。そのような場合にユーザーは導入済みの製品の製品仕様と見比べ、さらにこれまでの使用状況を鑑みて自ら製品を選定しなければならないため非常に手間と時間がかかってしまう。
実施例2では、ユーザーが保有する3Dプリンターや追加設備を考慮して3Dプリンター情報の表示画面400や3Dプリンター詳細画面800の表示を行う。実施例2では、ユーザーが必要とする3Dプリンターや追加設備をユーザーが容易に選ぶことができる。実施例2では、実施例1と異なる点を中心に説明する。
図10は、図8で例示した3Dプリンター詳細画面800の必須の追加設備810、推奨の追加設備820を表示する処理の流れを示すフローチャートである。本実施例では、ユーザーが既に保有する追加設備の情報を考慮して、必須の追加設備810、推奨の追加設備820に表示する情報を動的に決定する。ここでは、図9と異なる部分のみ説明する。
S1001〜S1005では、S902で用意したリストに追加された追加設備の数だけ処理が繰り返される。
S1002において、管理対象装置API355が呼び出され、Name521をKeyに管理対象である追加設備のデバイス情報332を取得する。この際には、3Dプリンターの情報の表示画面400を介して条件指定を行ったユーザーの識別情報に合致する追加設備の情報の取得が行われることになる。
S1003において、S1002で取得された追加設備の情報に関して、当該追加設備をユーザーが保有しているか否かが判断される。当該追加設備をユーザーが保有している場合には、S1004に処理が進められる。一方、当該追加設備をユーザーが保有していない場合には、S1005に処理が進められる。
S1004において、当該追加設備がリストから削除される。
なお、S1003の処理の代わりに、または、S1003の処理に加えて、当該追加設備が置き換えの対象となるか否かを判断するためのS1003とは異なる処理が実行されてもよい。例えば、デバイス情報332に含まれる稼働情報を用いて、当該追加設備の稼働率が一定以上である場合に、その追加設備をリストから削除してもよい。
リストに載っている追加設備すべてについて処理が終了すると、S1001〜S1005の処理を終了し、S907に処理を進める。
本実施例では、管理対象の追加設備をユーザーが保有していない場合に、その追加設備の情報を提示した。これにより、ユーザーは、購入する追加設備を選びやすくなる。
(実施例3)
実施例2では、ユーザーの保有する追加設備については、その追加設備の情報を提示しないようにした。本実施例では、ユーザーの保有する3Dプリンターや追加設備について、それらの稼働率が一定以上である場合に、それらの情報を提示するようにする。
図11は、3Dプリンター情報の表示画面400を表示する流れを示すフローチャートである。Webサーバー部351が、Webブラウザー310からのリクエストを受け取りリクエストに応じたレスポンスを返すまでのフローである。
S1101において、製品データAPI353が呼び出され、3Dプリンターの製品データの一覧が取得される。
S1102において、管理対象装置API355が呼び出され、管理アプリケーション340で管理されている3Dプリンターのデバイス情報324が取得される。
S1103において、S1102で管理対象の3Dプリンターの情報を取得できた場合にはS1104へ処理が進められる。管理対象の3Dプリンターが存在しない場合はS1112へ進む。
S1104において、3Dプリンターのリプレイス候補の3Dプリンターの情報を格納する空のリストが作成される。このリストは、コンピューター106のRAM205に保持される。
S1105において、S1102で取得した管理対象の3Dプリンターの情報に関して、これらの3Dプリンターのうち稼働率が閾値を超えるか3Dプリンターが存在するかどうかが判断される。稼働率が閾値を超える3Dプリンターについては、S1106で当該3Dプリンターの情報がS1104で作成したリストに追加される。稼働率が閾値を超える3Dプリンターが存在しない場合は、S1107へ処理が進められる。
本実施例では、3Dプリンターから取得する3Dプリンターのデバイス情報324に含まれるステータスを用いて稼働率が計算される。例えば稼働率は、ステータスが稼働中である時間を総時間で割ることで求めることができる。ここで総時間とは、24時間としてもよいし3Dプリンターが起動している時間であってもよい。稼働時間の算出方法は監視システムで統一されたものを利用してもよいし、ユーザー毎に設定できてもよい。
S1107において、S1102で取得した管理している3Dプリンターのうち一定期間のうちにエラーが一定の回数以上発生するプリンターが存在する場合はS1108へ進み当該3Dプリンターの情報がリストに追加される。一定期間のうちに特定の回数エラーが発生するプリンターが存在しない場合はS1109へ処理が進められる。
なお、S1105、S1107で用いられる閾値と期間、回数などの値はあらかじめプログラムで定められていてもいいし、図示しない設定画面を用意してユーザーが設定できてもよい。
S1109において、リストに3Dプリンターの情報が入っている場合はS1110へ進み、リストが空である場合はS1112へ進む。
S1110において、リストに追加されたデバイス情報から絞り込み項目それぞれの情報を取得し絞り込み条件が作成される。
S1111において、S1110で作成された絞り込み条件を基に絞り込み実行部352で、S1101で取得した3Dプリンターの一覧に対して絞り込み処理が実行される。
S1112において、3Dプリンター情報の表示画面400のリスト表示部410で3Dプリンターの一覧を表示するための画面情報を生成し、Webブラウザーへ出力する。ここで3Dプリンターの一覧とは、S1101で取得し管理3Dプリンターの状況に応じて絞り込みされた3Dプリンターのリストである。
本実施例では、リプレイスの対象として3Dプリンターの情報を表示するか否かを判断する際に、3Dプリンターの稼働率を利用した。なお、追加設備についても、稼働率を利用して絞り込みの判断を行ってもよい。これにより、ユーザーは、買い替えの対象となる3Dプリンターを把握することができ、購入する3Dプリンターを選びやすくなる。
(他の実施例)
本発明は、上述した実施1、実施例2および実施例3を適宜組み合わせることにより構成された装置あるいはシステムやその方法も含まれるものとする。
ここで、本発明は、上述した実施形態の機能を実現する1つ以上のソフトウェア(プログラム)を実行する主体となる装置あるいはシステムである。また、その装置あるいはシステムで実行される上述した実施形態を実現するための方法も本発明の1つである。また、そのプログラムは、ネットワークまたは各種記憶媒体を介してシステムあるいは装置に供給され、そのシステムあるいは装置の1つ以上のコンピューター(CPUやMPU等)によりそのプログラムが読み出され、実行される。つまり、本発明の1つとして、さらにそのプログラム自体、あるいは当該プログラムを格納したコンピューターにより読み取り可能な各種記憶媒体も含むものとする。また、上述した実施形態の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても、本発明は実現可能である。