JP2017111041A - 外力分布測定システム - Google Patents

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【課題】測定部を正常に配置させ、安全且つ適切な使用を実現する。【解決手段】外力分布測定システム10は、センサシート20及びケース22を有しヒンジ部26を基準に折り畳み可能な測定部16と、センサシート20の出力を処理してユーザUの外力を測定する制御部52とを備える。測定部16のヒンジ棒36は、ヒンジ部26に設けられるセンサシート20を相対移動可能に押さえる。制御部52は、ヒンジ部26の外力に基づき、測定部16の配置状態を識別する配置状態識別部76を備える。【選択図】図4

Description

本発明は、測定対象から受ける外力を測定する外力分布測定システムに関する。
重度の病気又は長期入院等により運動機能が低下した患者には、運動機能の回復を図るためにリハビリテーション(以下、リハビリと省略する)が行われる。この際、左右の身体部(例えば、左右両足)のバランスを把握することが重要となる。そのため、リハビリでは、例えば特許文献1に開示されるような荷重分布を測定する入力インターフェイス装置(外力分布測定システム)を用いて、患者の荷重のかけ方を確認したり訓練したりすることが望まれている。
特開2012−13458号公報
ところで、外力分布測定システムは、持ち運び可能に構成されることで、リハビリ場所を制限せずに使用することができ、さらにこの場合は、携帯性や収納性の向上のため、折り畳み可能に構成されることが望ましい。
しかしながら、このように持ち運び可能に構成した場合、外力の測定時に患者が実際に乗る箇所(測定部)は、正常な姿勢で床等の設置面に配置されなければならない。仮に、測定部の配置に歪みや傾斜等の異常があると、患者の姿勢が傾いて意義のあるリハビリを行うことができない、適切な測定結果が出力されない、患者が転倒する、測定部(例えば、検出センサ)が破損する等の不都合が生じてしまう。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、測定部の配置状態を識別可能とすることで、測定部を正常に配置させ、安全且つ適切な使用を実現することができる外力分布測定システムを提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明は、複数の検出セルが配列されたセンサシート、及び前記センサシートを保持する保持体を有し、ヒンジ部を基準に前記センサシート及び前記保持体を一体に折り畳み可能な測定部と、前記複数の検出セルの出力を処理して測定対象から受ける外力を測定し、その測定結果を表示部に表示する制御部と、を備える外力分布測定システムであって、前記測定部は、前記センサシートに対して相対移動可能であり、且つ前記ヒンジ部に設けられる検出用構造部を有し、前記制御部は、前記複数の検出セルから検出される前記検出用構造部の外力に基づき、前記測定部の配置状態を識別する配置状態識別手段を備えることを特徴とする。
上記によれば、外力分布測定システムは、配置状態識別手段により、検出用構造部がセンサシートにかける外力を用いて、測定部の配置状態を簡単且つ精度よく識別することができる。すなわち、センサシートに相対移動可能に設けられる検出用構造部は、測定部が歪みや傾斜を生じて配置されてヒンジ部が傾斜すると、移動することでセンサシートにかける外力を変化させる。そのため、配置状態識別手段は、検出用構造部の外力に基づき、測定部の配置状態(正常又は異常、配置状態の種類)を容易に判別することができる。従って、外力分布測定システムは、ユーザに測定部を正常に配置させて、外力の測定を安全且つ適切に実施させることができる。
この場合、前記検出用構造部は、前記保持体とは別体の構造物であり、移動に伴い前記センサシートに外力を付与可能であることが好ましい。
このように、検出用構造部と保持体を別体に構成することで、センサシートに対する検出用構造部の相対移動をより大きく行うことができ、制御部は、測定部の配置状態をさらに精度よく識別することができる。
上記構成に加えて、前記検出用構造部は、前記ヒンジ部の延在方向に沿って延在する棒状部材であるとよい。
このように、検出用構造部が棒状部材であれば、検出用構造部の端部がセンサシートに対して外力をかけ易くなる。これにより検出用構造部の外力の検出感度がより向上する。
また、前記検出用構造部は、前記ヒンジ部の延在方向全長にわたって前記センサシートに接触していることが好ましい。
このように、検出用構造部がヒンジ部の延在方向全長にわたってセンサシートに接触していることで、ヒンジ部の延在方向両端部において、検出用構造部の端部の外力を検出することにより、センサシートの配置状態をより確実に検出することができる。
さらに、前記保持体は、前記ヒンジ部にて前記センサシートが凹部を有するように前記センサシートを収容可能な溝部を有し、前記検出用構造部は、前記測定部の展開状態で、前記凹部内に移動自在に配置されるとよい。
このように、検出用構造部が測定部の展開状態で凹部内に移動自在に配置されることで、検出用構造部の移動による外力の変化を安定的に検出することができる。
ここで、前記測定部は、前記ヒンジ部を挟んで、前記測定対象の外力を検出する第1検出面と第2検出面とを有し、前記配置状態識別手段は、前記測定部の配置状態として前記第1検出面及び前記第2検出面が水平に配置されているか否かを判別するとよい。
このように、配置状態識別手段が測定部の配置状態として第1検出面及び第2検出面が水平に配置されているか否かを判別することで、ユーザは、その判別結果に基づき測定部の配置を簡単に修正することができる。
また、前記配置状態識別手段は、前記ヒンジ部における前記検出セルが検出する外力が所定の閾値よりも大きい場合に、前記測定部の配置状態の異常を検出するとよい。
このように、検出セルが検出する外力が所定の閾値よりも大きい場合に測定部の異常を検出することで、ユーザは、測定部の配置を迅速に修正することができる。
また、前記配置状態識別手段は、前記検出用構造部から前記複数の検出セルにかかる外力に基づき前記測定部の複数種類の配置状態を識別する構成であってもよい。
これにより、ユーザは、測定部の配置状態を把握することができ、例えば、測定部と設置面の間に物体が挟まっている箇所が分かるので、測定部の位置を変える、物体を取り除く等の対応を容易にとることができる。
この場合、前記配置状態識別手段は、前記ヒンジ部又は前記ヒンジ部付近を複数の分割領域に設定して、前記複数の分割領域毎の圧力合計値から前記測定部の複数種類の配置状態を識別するとよい。
このように、配置状態識別手段は、複数の分割領域毎の圧力合計値から測定部の配置状態を識別することで、測定部の様々な配置状態を精度よく識別することができる。
そして、前記配置状態識別手段は、前記測定部の複数種類の配置状態に対応してユーザへの報知内容を設定する報知設定手段を有するとよい。
これにより、配置状態識別手段が識別した測定部の複数種類の配置状態を、ユーザに簡単に認識させることができる。
本発明によれば、外力分布測定システムは、測定部の配置状態を識別可能とすることで、測定部を正常に配置させ、安全且つ適切な使用を実現することができる。
本発明の一実施形態に係る外力分布測定システムの全体構成を示す斜視図である。 図2Aは、図1の測定装置を拡大して示す斜視図であり、図2Bは、図2Aの測定装置の折り畳み過程を示す斜視図である。 図3Aは、図2AのIIIA−IIIA線断面図であり、図3Bは、図3Aの測定装置が傾いて配置された状態の一例を示す断面図である。 図4Aは、センサシート及びヒンジ棒の配置を示す斜視図であり、図4Bは、表示部に表示する圧力画面情報の一例を示す説明図である。 図5Aは、センサシートが傾いた第1例示の斜視図であり、図5Bは、図5Aにおける圧力分布画像部の圧力検出を示す説明図であり、図5Cは、センサシートが傾いた第2例示の斜視図であり、図5Dは、図5Cにおける圧力分布画像部の圧力検出を示す説明図である。 図6Aは、センサシートが傾いた第3例示の斜視図であり、図6Bは、図6Aにおける圧力分布画像部の圧力検出を示す説明図であり、図6Cは、センサシートが傾いた第4例示の斜視図であり、図6Dは、図6Cにおける圧力分布画像部の圧力検出を示す説明図である。 端末装置における測定装置の配置状態を判別する構成を示す機能ブロック図である。 図8Aは、図7の配置状態判別部の処理内容を説明するための概念図であり、図8Bは、図8Aの処理内容に基づく配置状態の対応表である。 端末装置が測定装置の配置状態を判別する処理フローを示すフローチャートである。 図10Aは、第1変形例に係る測定装置の部分構成を示す斜視図であり、図10Bは、第2変形例に係る測定装置の部分構成を示す斜視図であり、図10Cは、第3変形例に係る測定装置の部分構成を示す斜視図である。 図11Aは、第4変形例に係る測定装置の部分構成を示す斜視図であり、図11Bは、第5変形例に係る測定装置の部分構成を示す斜視図であり、図11Cは、第6変形例に係る測定装置の部分構成を示す断面図である。
以下、本発明に係る外力分布測定システムについて好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
本実施形態に係る外力分布測定システム10は、運動機能の回復を図るリハビリ等において、患者C(被検者)の身体部の荷重バランスを認識し、また身体部の荷重(外力)のかけかたを訓練するために使用される。この外力分布測定システム10は、図1に示すように、測定装置12と、端末装置14(情報処理装置)とを含む。
理学療法士等のスタッフSは、リハビリ時に、測定装置12上に患者Cを立たせて、患者Cの両足からかかる外力を測定装置12により検出する。測定装置12は、患者Cの左右の身体部である足裏からかかる外力を平面的に得る。つまり、足圧の外力分布を検出する。
端末装置14は、測定装置12が検出した外力情報を取得し、スタッフSや患者C(以下、まとめてユーザUともいう)が確認し易い荷重値や圧力分布の画面情報に生成する。スタッフSは、端末装置14を持ってその表示を見ながら患者Cの荷重バランスを確認し、患者Cに運動を指示する等のリハビリの指導を行う。
なお、本明細書では、種々の要素から測定装置12にかけられる力を「外力」といい、測定装置12が検出した外力に基づき外力分布測定システム10内で処理する情報を「外力情報」という。種々の要素とは、患者等の測定対象者と、その他にも後述するヒンジ棒36やセンサシート20の変形等が含まれる。また本明細書では、端末装置14において外力情報から算出する圧力値の分布状態を「圧力分布(外力分布)」といい、圧力値を合算した値を「圧力合計値」、圧力値に対して圧力と荷重の関係を踏まえた換算を行った値を「荷重値」、圧力合計値に対して圧力と荷重の関係を踏まえた換算を行った値もしくは荷重値を合算した値を「荷重合計値」という。なお、外力分布測定システム10は、足圧の測定及び表示に限定されないことは勿論であり、例えば測定装置12に臀部を乗せ、臀部からかかる体圧を測定及び表示してもよい。また、外力分布測定システム10は、リハビリ時の使用に限らず、例えば、運動機能診断、健康チェック、運動トレーニング、ゲーム等のように種々の形態で利用することができる。さらに、測定装置12や端末装置14は、利用形態に応じて自由に使用可能であり、例えば、ユーザUが自身の荷重バランスを認識するため一人で使用してもよい。
以下、外力分布測定システム10の具体的な構成について説明する。外力分布測定システム10の測定装置12は、略平板状に形成された測定部16と、測定部16の一端側(前側)に設けられる機器収容部18とを有する。測定部16は、測定対象である患者Cが乗る部分であり、機器収容部18は、測定装置12を駆動する構成が収容される部分である。なお、以下の説明において、測定装置12の方向、測定装置12が検出し端末装置14が表示する圧力の画面情報は、図1に示す矢印方向に基づいて述べることもある。具体的に図1中の矢印X方向は測定装置12の前後方向であり、機器収容部18が設けられているX1側が前側であり、その反対のX2側が後側である。また図1中の矢印Y方向は測定装置12の左右幅方向であり、Y1側が左側、Y2側が右側である。
図2A及び図3Aに示すように、測定部16は、患者Cの身体部から受ける外力を直接検出するセンサシート20と、センサシート20を保持するケース22(保持体)とを備える。
センサシート20は、測定部16内で一連に連続する可撓性シートとして構成されている。このセンサシート20は、静電容量型の圧力センサ等、周知の構成を適用することができる。例えば、静電容量型の圧力センサは、導電性ゴム等により誘電層を成形し、この誘電層の上下面に長板状の電極を配線することで構成し得る。電極は、測定部16の面方向に沿って複数並べられ、且つ上面の電極と下面の電極を直交させることで、上下の電極で挟まれた部分により静電容量を保持可能な検出セル24(図2A参照)を複数構成する。このように形成されたセンサシート20は、測定部16上に載った足裏から下方向(面方向と直交する方向)に圧力がかかることで、誘電層が変形し(厚みを変え)、各検出セル24の静電容量を変化させる。従って、測定装置12は、検出セル24の静電容量を検出することで、セル自体に個別にかかる外力から外力情報(圧力値)を得ることができる。そして、端末装置14は、測定装置12からマトリクス状の各検出セル24の各外力情報を受信すると、平面的な外力の分布状態である圧力分布(マトリクス状の圧力値)と、荷重値を算出する。なお、圧力分布や荷重値の算出は、測定装置12において実施してもよい。
上記のセンサシート20は、ケース22の内部に収容固定されている。ケース22は、大きな重量がかかっても破損しない強度に構成され、また測定部16と機器収容部18を一体成形している。このケース22は、図2Bに示すように、X方向中間部にヒンジ部26を備え、ヒンジ部26を基準に前ケース部28と後ケース部30とを互いに折り畳み可能としている。前ケース部28には機器収容部18が設けられ、前ケース部28と後ケース部30は、機器収容部18を含まずに互いに対向するように折り畳まれる。測定装置12は、折り畳み状態で、測定部16のセンサシート20を保護すると共に、携帯性や収納性が向上する。
ケース22は、図2A及び図3Aに示すように、センサシート20の一方面(裏面)を支持するケース本体32と、センサシート20の他方面(表面)を覆う一対のカバー34とを備える。ケース本体32は、ケース22(前ケース部28と後ケース部30)の展開状態で、床等の設置面に配置されてセンサシート20を支える台となる。本実施形態において、ケース本体32は、ヒンジ部26、前ケース部28及び後ケース部30を一連に構成しているが、各部位毎を別部材で形成して相互に連結した構成でもよい(図11Cも参照)。
ケース本体32は、設置面の反対側において機器収容部18のハウジングを構成すると共に、カバー34を露出させる大きな開口を有する。前ケース部28と後ケース部30の折り畳み状態では、カバー34を非露出状態として硬質な部分のみを露出させた概ね箱状の外観を形成している(図2Bも参照)。
また、ケース本体32は、ヒンジ部26の形成箇所以外のカバー34の3辺を覆って、センサシート20及びカバー34を強固に固定している。なお、ケース本体32は、ヒンジ部26に隣接する箇所のセンサシート20及びカバー34を覆って固定してもよい。ケース本体32の左右両端側には、幅方向外側に向かって断面円弧を描いて徐々に肉厚が薄くなるスロープ32aが形成されている。
一対のカバー34は、前ケース部28と後ケース部30の各開口を被覆して、その下側のセンサシート20を保護する。このカバー34は、ケース本体32よりも軟質な材料により構成される。前ケース部28と後ケース部30の開口から露出される部分は、患者Cの足に直接接触して外力を受ける第1検出面34a、第2検出面34bとなっている。第1及び第2検出面34a、34bには、両足の配置をガイドするためのガイド線もしくは足形等が印字されるとよい。例えば、ガイド線は、長方形状の枠線と、枠線のY方向中央部を直交方向に延びる中心線とで構成される。これにより、患者が乗る向きや足を置く位置を判断する助けになる。
測定部16のヒンジ部26は、図2Bに示すように、前ケース部28と後ケース部30とを相対的に180°回転可能としている。ケース22の展開状態では、図3Aに示すように、基本的に、前ケース部28の第1検出面34aと後ケース部30の第2検出面34bが同じ高さで水平になるように開く。ケース22の折り畳み状態では、前ケース部28の第1検出面34aと後ケース部30の第2検出面34bが対向するように閉じる。
より詳細には、ヒンジ部26は、ケース22の展開状態で、下から順にケース本体32、センサシート20、ヒンジ棒36(検出用構造部)が積層されて構成され、さらにヒンジ棒36の抜けを規制するピン38(規制手段)を備える。また、ヒンジ部26は、ヒンジ棒36の上方に、前ケース部28のカバー34と後ケース部30のカバー34を架橋して、ヒンジ棒36を隠す覆い部材40を有する。
ケース本体32は、ヒンジ部26においてY方向に沿って延びる溝部42を有することで、前ケース部28と後ケース部30とを隔てている。つまり、溝部42の形成箇所が前ケース部28及び後ケース部30の構成部分よりも薄肉であることで、ヒンジ部26は、ケース本体32を折り畳み可能な可撓性を有している。溝部42の前ケース部28及び後ケース部30と連なる角部は、丸角に形成され、折り畳み状態でケース本体32によるセンサシート20の挟み込みを抑制する。
センサシート20は、ヒンジ部26を介してX方向に延在して、前ケース部28と後ケース部30に設けられている。このセンサシート20は、ヒンジ部26においてヒンジ棒36に押さえられ、溝部42の底面に沿って配置される。一方、前ケース部28及び後ケース部30の立ち上がり部分を構成する溝部42の側面に対し、センサシート20は、ある程度の余裕(隙間)をもって配置される。つまり、センサシート20は、連続する1枚のシートとして形成されるが、ケース本体32への取付により、図3A及び図4Aに示すように、溝部42にて下側に窪む凹部44を有している。以下、センサシート20において、前ケース部28に位置する部分を前シート部46ともいい、後ケース部30に位置する部分を後シート部48ともいい、ヒンジ部26に位置して凹部44を構成する部分をヒンジシート部50ともいう。前シート部46及び後シート部48は、カバー34により被覆されている。
ヒンジ棒36は、凹部44内に収容され、ケース本体32との間でセンサシート20(ヒンジシート部50)を挟んでいる。このヒンジ棒36は、センサシート20のY方向の幅と同程度の長さに形成されると共に、断面視で平板状を呈している。詳細には、上下面が平坦で、上下面に連なる前後方向両端の側面が円弧状に形成されている。ヒンジ棒36を構成する材料は、特に限定されるものではないが、所定の重量を持ちセンサシート20に対し摩擦力が低いものが好ましく、例えば、ステンレス鋼等の金属材料やポリアセタール等の樹脂材料を適用するとよい。
ヒンジ棒36のY方向の両端寄りには、ヒンジ棒36の上下面を貫通すると共に、溝部42と直交するX方向に長い長孔36aがそれぞれ形成されている。なお、長孔36aは、後述するヒンジ棒36の動きに応じて、平面視で円弧状を描くように形成されるとよい。各長孔36aにはピン38が貫通配置される。
ピン38は、細長い棒部38aと、棒部38aの一端に連結されて長孔36aの幅よりも大径な頭部38bとを備える。そして、ピン38は、棒部38aが長孔36aを貫通してケース本体32に連結固定され、頭部38bがヒンジ棒36の上方に位置することで、ヒンジ棒36の離脱を規制すると共に、ヒンジ棒36を揺動自在に押さえる。
ヒンジ部26は、図3Bに示すように、ヒンジシート部50に対するヒンジ棒36の相対移動により、ヒンジ棒36からヒンジシート部50に外力がかけられる。この外力によりヒンジシート部50の検出セル24の誘電層が薄くなり、ヒンジ棒36が移動していない通常状態に比べて強い外力を検出する。
図2A及び図2Bに戻り、測定装置12の機器収容部18は、測定部16の折り畳み状態の厚みと一致する厚みで、前後幅が短く左右幅が長い(測定部16の左右幅に一致する)直方状の箱に形成されている。機器収容部18の内部には、センサシート20による外力検出のため、図示しない測定側制御部、バッテリ及び通信モジュールが設けられている。また、機器収容部18の外面には、測定装置12の起動のオン/オフや測定を操作する操作ボタン18aが設けられる。
測定側制御部は、図示しない演算処理部、記憶部、入出力部等を含む周知のコンピュータ(制御回路)として構成される。この測定側制御部は、センサシート20に電圧を付与して検出セル24毎の外力情報を検出し、さらに通信モジュールを動作させて検出した外力情報を外部(端末装置14)に送信する。通信モジュールとしては、無線LAN、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信規格を採用したものを適用し得る。なお、測定装置12と端末装置14は、USB又はその他の通信線等の有線接続により通信を行ってもよい。
上記の測定装置12は、ユーザUが前ケース部28と後ケース部30を展開して設置面に置いた際に、図4Aに示すように、センサシート20の前シート部46と後シート部48が歪みなく水平となることで、圧力分布及び荷重値の測定を精度よく行うことができる。しかしながら、設置面の形状や物体が下敷きになっている等の原因により、前シート部46と後シート部48が歪んだ状態となる場合がある。そのため、測定部16に患者Cが乗るとバランスを崩す、正確な圧力分布及び荷重値の測定ができない等の不都合が生じる。例えば、センサシート20は、図5A、図5C、図6A及び図6Cに示すような配置状態となり得る。
具体的には、図5Aに示すように、前シート部46又は後シート部48のうち一方(図5A中では後シート部48)に歪みが生じて、例えば後シート部48のY2側よりもY1側が高くなる可能性がある。逆に、図5Cに示すように、前シート部46又は後シート部48のうち一方(図5C中では後シート部48)に歪みが生じて、Y1側よりもY2側が高くなることもある。
また図6Aに示すように、前シート部46又は後シート部48のうち一方(図6A中では後シート部48)はY1側が高く、Y2側が低い状態となり、他方(前シート部46)はY1側が低く、Y2側が高い状態となる可能性がある。すなわち、前シート部46と後シート部48が互いに別々の方向に捻れた状態を呈する。さらに図6Cに示すように、センサシート20は、ヒンジシート部50を頂点に前シート部46と後シート部48が相互に山形に傾斜した状態となることもある。
なお、センサシート20は、上記のような形状を取り易くするため、ヒンジシート部50を前シート部46や後シート部48よりも伸び易い構造(伸展部)に形成してもよい。例えば、伸展部は、ヒンジシート部50のY方向の両辺に切り欠きを設ける、ヒンジシート部50のY方向に沿って孔部を複数設ける、ヒンジシート部50のY方向に沿って溝部を設ける(ヒンジシート部50を薄肉にする)等により構成し得る。また、センサシート20は、部分的に軟質な材料により伸展部を構成してもよい。また、ケース22は、ヒンジシート部50以外のセンサシート20が伸びないように強固に固定してもよい。さらに、伸展部の形成に応じて、ヒンジシート部50内の配線を伸縮可能な構成にするとよい。
図1に戻り、外力分布測定システム10の端末装置14は、測定装置12から受信した外力情報の表示を行う他に、測定装置12が設置面に正常に配置されたか否かを識別するように構成されている。具体的に、端末装置14は、図7に示すように、制御部52、通信モジュール54、表示部56(図1も参照)、スピーカ58を有する。
また、端末装置14は、ユーザUが容易に携帯できるものが好ましく、以下では、タブレット端末を適用した場合について説明する。タブレット端末以外の端末装置14としては、例えば、PDA等の携帯型情報端末、スマートフォンを含む携帯電話、ラップトップコンピュータ、ウェアラブルコンピュータ或いは他の情報通信機器等を適用し得る。なお、情報処理装置は、携帯可能な構成だけでなく、デスクトップコンピュータ等の載置型のものでもよい。
制御部52は、図示しない演算処理部、記憶部、入出力部等を含む周知のコンピュータ(制御回路)として構成されている。制御部52は、端末装置14の操作部(タッチパネル等)を介してユーザUにより実施が操作されると、演算処理部が記憶部の所定の外力測定プログラムを実行することで、外力の測定を行う又は測定装置12の配置状態を認識するための機能部を構築する。
通信モジュール54は、制御部52の制御下に測定装置12との間で通信回線を開き、測定装置12に制御指示を行うと共に、測定装置12から送信される外力情報を受信する。表示部56は、例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等により構成され、測定装置12の外力情報を適宜な表示形態に変換して表示する。具体的には、図4Bに示すように、圧力画面情報60として、圧力分布画像部62、荷重合計値画像部64、荷重比画像部66を表示する。
圧力分布画像部62は、表示部56の中央部において、表示枠線62aに囲われて、大きな等高線グラフ(色相のグラデーション)により圧力分布データを表示する部分である。制御部52は、各検出セル24が検出する外力情報に応じて足圧を段階的に色分け(例えば、低圧力値から高圧力値の変動に応じて、高波長の色「紫」から低波長の色「赤」に段階的に変化)する等の処理を行う。
荷重合計値画像部64は、各検出セル24が検出した外力情報を合算して数値を表示する部分である。制御部52は、左右の身体部の圧力分布を分けて処理するため、前シート部46及び後シート部48の荷重合計値を別々に算出する。そして、圧力画面情報60では、圧力分布画像部62の左方且つ下側に左側の身体部の荷重合計値を表示し、圧力分布画像部62の右方且つ下側に右側の身体部の荷重合計値を表示し、圧力分布画像部62の上方且つ左右中央に合算した全荷重合計値を表示する。
荷重比画像部66は、左荷重合計値と右荷重合計値を合計した値に対して左荷重合計値が占める割合(左荷重比)、及び右荷重合計値が占める割合(右荷重比)を表示する部分である。左荷重比は、圧力分布画像部62の左方且つ左側の荷重合計値の上方に配置され、右荷重比は、圧力分布画像部62の右方且つ右側の荷重合計値の上方に配置される。左荷重比と右荷重比は、棒グラフと数値で表示される。
図7に戻り、制御部52は、上記の圧力画面情報60を生成するため、外力情報取得部70、データ処理部72及び画面生成部74を有する。また、制御部52は、測定装置12の配置状態を認識する機能部として配置状態識別部76(配置状態識別手段)を備える。
外力情報取得部70は、測定装置12から送信されるセンサシート20の各検出セル24の各外力情報を全て受信して、端末装置14内の記憶部に一時的に記憶する等の処理を行う。また、外力情報取得部70は外力情報を所定タイミング毎に取得してデータの更新を行う。なお、測定装置12及び端末装置14は、状況に応じてセンサシート20の所定位置の外力情報を選択的に送受信する構成でもよい。例えば、測定開始前は測定装置12の配置状態を識別するためヒンジシート部50の外力情報のみを送受信し、測定時には前シート部46及び後シート部48の外力情報のみを送受信する構成としてもよい。
データ処理部72は、外力情報取得部70が取得した各外力情報を適宜補正して、外力情報毎に2次元的な座標を有する圧力値(つまり平面状の圧力分布状態)を生成する。また、データ処理部72は、各圧力値から左(後ケース部30)側の左荷重合計値と、右(前ケース部28)側の右荷重合計値と、全ての荷重である全荷重合計値とを算出する。さらに、データ処理部72は、左荷重合計値、右荷重合計値、全荷重合計値に基づき、左荷重比と右荷重比を算出する。
画面生成部74は、データ処理部72が算出した荷重値、荷重合計値、荷重比から、上述した圧力分布画像部62、荷重合計値画像部64、荷重比画像部66を有する圧力画面情報60を生成する。この際、画面生成部74は、荷重合計値や荷重比の表示分解能を自動的且つ段階的に調整し、表示数値を粗くして(丸めて)表示させる。
また、配置状態識別部76は、測定装置12が設置面に載置されて、患者Cの圧力分布の測定を実施する前に動作し、測定装置12の配置状態の正常又は異常を報知する。この配置状態識別部76は、ヒンジ部圧力抽出部78、配置状態判別部80及び報知設定部82を有する。
ヒンジ部圧力抽出部78は、データ処理部72が算出した圧力値のうち、ヒンジ部26が設けられている箇所及びその周辺部の圧力値を抽出する。つまり、配置状態識別部76は、2次元的な圧力分布画像部62の幅方向中央部の圧力値により測定装置12の配置状態を識別する。
ここで、測定装置12の配置状態の識別の原理について説明する。測定装置12のヒンジ部26には、上述したようにヒンジ棒36が設けられ、センサシート20のX方向中央部にはヒンジ棒36の外力がかかっている。そして、測定装置12は、図4Aに示すように、センサシート20が設置面に水平に配置された場合、ヒンジ棒36がX方向中央部においてY方向に延在した状態を維持してセンサシート20に均等的な外力をかける。そのため、図4B中の圧力分布画像部62に示すように、圧力分布画像部62の中央部においてヒンジ棒36(図4B中の点線参照)の外力がほとんど検出されない。
一方、図5Aに示すように、センサシート20は、測定装置12の配置状態によっては、後シート部48のY2側よりもY1側が高くなる可能性がある。この場合は、ヒンジ棒36のY1側が前シート部46側に傾いて前ケース部28との間でセンサシート20を挟み込み、センサシート20に外力をかけることになる(図3Bも参照)。そのため図5Bに示すように、制御部52は、ヒンジシート部50内の上(Y1)側且つ前シート部46寄りにヒンジ棒36の大きな外力を検出する。逆に、前シート部46のY1側が高くなる場合は、ヒンジシート部50内の上側且つ後シート部48寄りに大きな外力を検出する。
また、図5Cに示すように、センサシート20は、測定装置12の配置状態により、後シート部48のY1側よりもY2側が高くなる可能性もある。この場合は、ヒンジ棒36のY2側が前シート部46側に傾いてセンサシート20に外力をかけることになる。そのため、図5Dに示すように、制御部52は、ヒンジシート部50内の下(Y2)側且つ前シート部46寄りにヒンジ棒36の大きな外力を検出する。逆に、前シート部46のY2側が高くなる場合は、ヒンジシート部50内の下側且つ後シート部48寄りに大きな外力を検出する。
さらに、図6Aに示すように、センサシート20は、測定装置12の配置状態によっては、後シート部48のY1側が高く、Y2側が低い状態となり、前シート部46のY1側が低く、Y2側が高い状態となる可能性もある。この場合、ヒンジ棒36は、Y1側が前シート部46寄りに傾き、Y2側が後シート部48寄りに傾く。つまり、ヒンジ棒36はY方向中央部を基点に回転する。そのため、図6Bに示すように、制御部52は、上(Y1)側且つ前シート部46寄りと、下(Y2)側且つ後シート部48寄りとに大きな外力を検出する。なお、センサシート20が逆に捻れた場合は、上(Y1)側且つ後シート部48寄りと、下(Y2)側且つ前シート部46寄りとに大きな外力を検出する。
或いは、図6Cに示すように、センサシート20は、ヒンジ部26を頂点に前シート部46と後シート部48が相互に山形に傾斜した状態となる可能性もある。この場合、ヒンジ棒36に傾きは生じないものの、センサシート20がX方向に延びてヒンジ棒36に押しつけられる。そのため、制御部52は、図4Bに示すヒンジ棒36の正常状態の外力よりも大きな外力を、図6Dに示すようにヒンジ棒36の接触部分(Y方向)に沿って検出する。
図7に戻り、配置状態判別部80は、ヒンジ部圧力抽出部78が抽出したヒンジ部26の圧力値に基づき測定装置12の配置状態の正常又は異常を判別する。例えば、配置状態判別部80は、ヒンジ棒36がヒンジシート部50にかける圧力値から荷重合計値を算出し、この荷重合計値と予め保有している閾値とを比較する。そして、閾値以下の場合には、測定装置12の配置状態が正常であることを判別し、閾値よりも大きい場合には、測定装置12の配置状態が異常であることを判別する。上述したようにヒンジ棒36の外力が大きければ、センサシート20に歪みや傾斜が生じていることになるからである。
また、配置状態判別部80は、ヒンジ部圧力抽出部78が抽出したヒンジ部26及びヒンジ部26付近の圧力値に基づき、ヒンジ棒36の姿勢を推定することが可能であり、測定装置12の配置状態を詳細に識別することもできる。例えば、配置状態判別部80は、配置状態の判別において、図8Aに示すように圧力分布画像部62の幅方向中央部付近に、複数(図8A中では16個)の分割領域SAをマトリクス状に設定する。その後、分割領域SA毎に圧力値の合計(以下、分割領域SAに符号A1〜A16を割り振り、分割圧力合計値A1〜A16という)を算出し、これら分割圧力合計値A1〜A16を比較及び演算する。そして図8Bに示す対応表を参照して測定装置12の配置状態を判別する。
具体的には、画像の中心側においてY1側の分割領域SAを足した分割圧力合計値(A5+A9)が、他の隣り合う分割領域SA同士を足した分割圧力合計値(A6+A10、A7+A11、A8+A12)よりも大きい場合は、Y1側が高い状態を判別する。また、Y2側の分割領域SAを足した分割圧力合計値(A8+A12)が、他の隣り合う分割領域SA同士を足した分割圧力合計値(A5+A9、A6+A10、A7+A11)よりも大きい場合は、Y2側が高い状態を判別する。さらに、Y1側の分割圧力合計値(A5+A9)とY2側の分割圧力合計値(A8+A12)が共に、他の隣り合う分割領域SA同士を足した分割圧力合計値(A6+A10、A7+A11)よりも大きい場合は、測定装置12がねじれていると判別する。或いは、画像の中心側の分割領域SAとこれよりも外側の分割領域SAを引いた分割圧力合計値(A5−A1、A6−A2、A7−A3、A9−A13、A10−A14、A11−A15)と、画像の中心側の分割領域SA同士を引いた分割圧力合計値(A5−A6、A6−A7、A7−A8、A9−A10、A10−A11、A11−A12)よりもそれぞれ大きければ、測定装置12が山形に開いている状態と判別する。
さらに、配置状態判別部80は、ヒンジ棒36が前シート部46と後シート部48のどちらに寄っているのかを、分割圧力合計値A5と分割圧力合計値A9を比較する、又は分割圧力合計値A8と分割圧力合計値A12を比較することで判別することができる。そして、配置状態判別部80は、判別した測定装置12の配置状態を報知設定部82に出力する。
報知設定部82は、配置状態判別部80の判別結果に基づき、測定装置12の配置状態の報知内容(報知データ)を設定する。例えば、報知設定部82は、ヒンジシート部50の荷重合計値と閾値の比較に基づき、配置状態の正常又は異常の報知データ(表示情報)を記憶部から読み出し、その表示情報を端末装置14の表示部56に表示させる。表示例としては、配置状態が正常の場合に特別な表示を行わず、配置状態が異常の場合に測定装置12の再配置を促すエラーメッセージを表示すること等があげられる。
また、報知設定部82は、図8A及び図8Bに示すような方法により配置状態の種類を判別した場合、測定装置12がどのように配置されているかの報知内容を設定して表示してもよい。或いは、報知設定部82は、表示部56の圧力画面情報60(圧力分布画像部62)に検出した圧力値をそのまま表示してもよい。なお、報知設定部82は、配置状態判別部80の判別結果に基づき、スピーカ58から音声又は音により適宜の報知を行ってもよい。要するに、ユーザUに実際に報知を行う手段は、特に限定されるものではない。
本実施形態に係る外力分布測定システム10は、基本的には以上のように構成されるものであり、以下、その作用効果について図9を参照し、測定装置12の配置状態を判別する処理フローに基づき説明する。
ユーザUは、外力分布測定システム10の準備において、測定装置12の収容場所から折り畳んだ状態の測定装置12を取り出し、リハビリ室等の適宜の箇所に載置する。その後は、測定装置12の電源(操作ボタン18a)をON操作して駆動を開始させる。またユーザUは、所持する端末装置14の電源をON操作して、さらに所定のプログラムを起動すると共に、測定装置12との間で通信可能状態を構築する。
外力分布測定システム10は、所定のプログラムによって動作を開始し、まず測定装置12が測定部16のケース22(前ケース部28と後ケース部30)の開閉状態を検出し、端末装置14はその検出結果を取得する(ステップS1)。端末装置14の制御部52は、ケース22の開閉状態を判別し(ステップS2)、測定装置12が折り畳み状態であればステップS3に進み、「測定装置を開いて下さい」等のメッセージを表示部56に表示して、ステップS1に戻る。そして、外力分布測定システム10は、ケース22が展開状態となるまで上記のフローを繰り返す。ユーザUは、前ケース部28と後ケース部30を相互に開くことで、ケース22を展開状態とする。
ステップS2において、測定装置12が展開状態であることを判別すると、制御部52は、「初期化中」等のメッセージを表示部56に表示し(ステップS4)、この表示中に測定装置12の配置状態を判別する処理を行う。まず制御部52は、外力情報取得部70により測定装置12のセンサシート20から外力情報を取得し(ステップS5)、データ処理部72においてセンサシート20の各圧力値、及び各部位の荷重合計値を算出する(ステップS6)。
その後、制御部52は、前シート部46及び後シート部48の荷重合計値が、所定の基準値以下か否か(ユーザUが第1及び第2検出面34a、34bに乗っていないか、乗っているか)を判別する(ステップS7)。そして、測定装置12にユーザUが乗っている場合には、「初期化中は本体に乗らないで下さい」等のメッセージを表示部56に表示して、ステップS5に戻る(ステップS8)。
ステップS7において、荷重合計値が所定の基準値以下を判別すると、配置状態識別部76のヒンジ部圧力抽出部78は、ヒンジシート部50の圧力値及び荷重合計値を抽出する(ステップS9)。そして、配置状態識別部76の配置状態判別部80は、ヒンジ棒36の圧力値に基づき測定装置12の配置状態(すなわち第1検出面34a及び第2検出面34bが水平に配置されているか否か)を判別する(ステップS10)。例えば、配置状態判別部80は、上述したようにヒンジシート部50の荷重合計値と閾値を比較して、荷重合計値が閾値よりも大きい場合にステップS11に進み、荷重合計値が閾値以下の場合にステップS12に進む。ステップS11において、報知設定部82は、測定装置12の配置状態の異常の結果を受けて、「測定装置を平らな場所に置き直して下さい」等のメッセージを表示部56に表示して、ステップS5に戻る。
なお、ステップS10において、配置状態判別部80は、例えば、図8Aに示す複数の分割領域SAを使用して、測定装置12の配置状態の種類を詳細に判別してもよい。この場合ステップS11において、報知設定部82は、配置状態の種類の判別結果に基づき種々の報知を行うとよい。例えば、報知設定部82は、図8Bに示すような配置状態のメッセージを複数種類保有し、配置状態の種類に応じて適切なメッセージを選択し報知することができる。また、報知設定部82は、算出した圧力値を圧力分布画像部62にそのまま又は強調して表示してもよい。
一方、ステップS10において、配置状態判別部80が測定装置12の配置状態の正常を判別すると、ステップS12に進み、「測定準備が完了しました」等のメッセージを表示部56に表示する。そして、外力分布測定システム10は、測定装置12の配置状態を識別する処理フローを終了して、ユーザUの足圧の圧力分布を測定する処理フローに移行する。
以上のように、本実施形態に係る外力分布測定システム10は、ヒンジ棒36がヒンジシート部50にかける外力を用いて、測定部16の配置状態を簡単且つ精度よく識別することができる。すなわち、センサシート20に相対移動可能に設けられるヒンジ棒36は、測定部16が歪みや傾斜を生じて配置されてヒンジ部26が傾斜すると、移動することでセンサシート20にかける外力を変化させる。そのため、配置状態識別部76は、ヒンジ棒36の圧力値に基づき測定部16の配置状態(正常又は異常、配置状態の種類)を容易に判別できる。従って、外力分布測定システム10は、ユーザUに測定部16を正常に配置させ、圧力分布及び荷重値の測定を安全且つ適切に実施させることができる。
この場合、ヒンジ棒36とケース本体32が別体であることで、センサシート20に対するヒンジ棒36の相対移動をより大きく行うことができ、端末装置14は、測定部16の配置状態をさらに精度よく識別することができる。これに加えて、ヒンジ棒36が棒状部材であれば、ヒンジ棒36の端部がセンサシート20に対して外力をかけ易くなる。また、ヒンジ棒36がヒンジ部26の延在方向全長にわたってセンサシート20に接触していれば、ヒンジ部26の延在方向両端部において、ヒンジ棒36の端部の外力をより確実に検出することができる。
また、測定装置12は、ヒンジ部26にピン38を備えることで、ヒンジ棒36の離脱を防いで、装置の持ち運びや収納、測定等を良好に行うことができる。さらに、ヒンジ棒36が測定部16の展開状態でセンサシート20の凹部44内に移動自在であることで、測定装置12の配置状態の異常によりヒンジ部26が傾いた状態では、ヒンジ棒36が溝部42の側面との間でセンサシート20を挟み込む(図3B参照)。そのため、外力分布測定システム10は、ヒンジ棒36の移動による外力の変化を安定的に検出することができる。
そして、配置状態識別部76は、ヒンジシート部50の圧力値(荷重合計値)が所定の閾値よりも大きい場合に、測定部16の異常を検出することで、測定部16の配置状態を迅速に判別することができる。また、配置状態識別部76が測定部16の複数種類の配置状態を識別することで、ユーザUは、測定部16の配置状態を把握することができる。よって例えば、測定部16と設置面の間に物体が挟まっている箇所が分かるので、測定部16の位置を変える、物体を取り除く等の対応を容易にとることができる。この際、配置状態識別部76は、複数の分割領域SA毎の分割圧力合計値A1〜A16により測定部16の配置状態を識別することで、測定部16の様々な配置状態を精度よく識別可能となる。
なお、外力分布測定システム10は、上述した構成に限定されず種々の変形例をとり得る。例えば、測定装置12と端末装置14は一体化していてもよく、表示部56が測定装置12に設けられていてもよい。また、端末装置14は表示機能のみを有し、上記の制御部52(配置状態識別部76)は測定装置12に設けられてもよい。ヒンジ部26は、覆い部材40を備えずヒンジ棒36を露出した構成でもよい。この場合、例えば、ヒンジシート部50上に印を設けることで、ヒンジ棒36がずれる、センサシート20が伸びる等すると印が視認される。これにより測定装置12の配置状態の異常を知らせることもできる。或いは、印は、ケース本体32やカバー34等に覆われたセンサシート20に設けられ、センサシート20が伸びた際に視認される構成でもよい。以下、外力分布測定システム10の測定装置12の他の変形例の幾つかを、図を参照して説明する。
図10Aに示す第1変形例に係る測定装置12Aは、ヒンジ棒84のY方向中央部の1箇所において、ヒンジ棒84の離脱を規制するピン38を設けている点で、測定装置12とは異なる。このピン38は、ヒンジ棒84を適度に押さえて、ヒンジ棒84の姿勢及び位置を変動自在としている。そのため、ヒンジ棒84は、測定装置12Aの配置状態に応じてヒンジシート部50にかける外力を変化させ、端末装置14は、測定装置12Aの配置状態を良好に判別することができる。なお、ヒンジ棒84は、センサシート20上を移動できればその形状は限定されず、図10A中に示すようにセンサシート20のY方向長さよりも短くてもよく、逆にセンサシート20のY方向長さより長くてもよい。
図10Bに示す第2変形例に係る測定装置12Bは、ヒンジ棒36の離脱を規制するピン38を3箇所に設けている点で、測定装置12、12Aと異なる。要するに、ヒンジ棒36の離脱を規制する規制手段は、設置数や設置位置等について特に限定されるものではなく、例えば4以上の箇所で押さえる構成でもよい。
図10Cに示す第3変形例に係る測定装置12Cは、ヒンジ棒36の離脱を規制する構成として、ヒンジ部26を覆う覆い部材86を適用した点で、測定装置12、12A、12Bと異なる。この場合、覆い部材86は、例えばゴム等の伸縮可能な材料により構成されることが好ましく、これによりヒンジ棒36の離脱を簡単に規制しつつ、ヒンジ棒36の可動性を得ることができる。また、覆い部材86は、図10Cに示すようにヒンジ棒36の上方全面を覆うだけでなく、上方の一部分を覆うだけでもよい。なお、図10C中では、カバー34を省略しているが、カバー34と覆い部材86が一連に形成されていてもよい。
図11Aに示す第4変形例に係る測定装置12Dは、ヒンジ棒88を丸棒に形成した点で測定装置12、12A〜12Cと異なる。このようにヒンジ棒88を丸棒とすることで、ケース本体32の溝部42及びヒンジシート部50(凹部44)を小さな幅とすることができ、測定装置12Dを薄く折り畳むことが可能となる。また、測定装置12Dは、ヒンジ棒88を凹部44内で移動自在とし、このヒンジ棒88の離脱を規制する規制手段として、Y方向両端部に一対の架橋部90を設けている。例えば、架橋部90は、ケース本体32に一体成形されるとよい。
図11Bに示す第5変形例に係る測定装置12Eは、ヒンジ部26において、ケース本体32からセンサシート20のY方向外側から内側に向かって突出した押さえ棒部92によりセンサシート20を押さえる点で、測定装置12、12A〜12Dと異なる。すなわち、測定装置12Eは、配置状態に異常がある場合に、ケース本体32が捻れ等の変形を起こすことで、押さえ棒部92自体の姿勢がセンサシート20と相対的に変動して、押さえ棒部92がヒンジシート部50にかける外力が変化する。このように、ケース本体32に検出用構造部が固定されていても、ヒンジシート部50の外力が変化するので、測定装置12Eの配置状態を判別することができる。
要するに、測定装置12のヒンジシート部50に外力を付与する検出用構造部は、その形状や配置状態について特に限定されず、種々の構成を適用することができる。例えば、検出用構造部は、センサシート20の凹部44の幅方向に沿って、軸方向に短いヒンジ棒36を複数設けた構成としてもよい。
図11Cに示す第6変形例に係る測定装置12Fは、前ケース部28と後ケース部30をケース本体32に別々に形成し、その外側にケース本体32を覆う化粧壁94を設けた点で、測定装置12、12A〜12Eと異なる。この場合、化粧壁94は、前ケース部28に固着される前壁94aと、後ケース部30に固着される後壁94bと、ヒンジ部26を覆うヒンジ壁94cとを屈曲可能に連結して、ヒンジ壁94c上にセンサシート20及び丸棒状のヒンジ棒88を設けている。測定装置12Fは、前壁94aとヒンジ壁94cの連結点、及びヒンジ壁94cと後壁94bの連結点を基点に折り畳まれることで、特にヒンジ部26(センサシート20、ヒンジ棒88)の潰れを抑制して、折り畳み部分を綺麗に構成することができる。
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改変が可能なことは言うまでもない。
10…外力分布測定システム 12、12A〜12F…測定装置
14…端末装置 16…測定部
20…センサシート 22…ケース
24…検出セル 26…ヒンジ部
32…ケース本体 36、84、88…ヒンジ棒
38…ピン 40、86…覆い部材
44…凹部 46…前シート部
48…後シート部 50…ヒンジシート部
52…制御部 56…表示部
76…配置状態識別部 82…報知設定部
90…架橋部 92…押さえ棒部

Claims (10)

  1. 複数の検出セルが配列されたセンサシート、及び前記センサシートを保持する保持体を有し、ヒンジ部を基準に前記センサシート及び前記保持体を一体に折り畳み可能な測定部と、
    前記複数の検出セルの出力を処理して測定対象から受ける外力を測定し、その測定結果を表示部に表示する制御部と、を備える外力分布測定システムであって、
    前記測定部は、前記センサシートに対して相対移動可能であり、且つ前記ヒンジ部に設けられる検出用構造部を有し、
    前記制御部は、前記複数の検出セルから検出される前記検出用構造部の外力に基づき、前記測定部の配置状態を識別する配置状態識別手段を備える
    ことを特徴とする外力分布測定システム。
  2. 請求項1記載の外力分布測定システムにおいて、
    前記検出用構造部は、前記保持体とは別体の構造物であり、移動に伴い前記センサシートに外力を付与可能である
    ことを特徴とする外力分布測定システム。
  3. 請求項2記載の外力分布測定システムにおいて、
    前記検出用構造部は、前記ヒンジ部の延在方向に沿って延在する棒状部材である
    ことを特徴とする外力分布測定システム。
  4. 請求項3記載の外力分布測定システムにおいて、
    前記検出用構造部は、前記ヒンジ部の延在方向全長にわたって前記センサシートに接触している
    ことを特徴とする外力分布測定システム。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の外力分布測定システムにおいて、
    前記保持体は、前記ヒンジ部にて前記センサシートが凹部を有するように前記センサシートを収容可能な溝部を有し、
    前記検出用構造部は、前記測定部の展開状態で、前記凹部内に移動自在に配置される
    ことを特徴とする外力分布測定システム。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の外力分布測定システムにおいて、
    前記測定部は、前記ヒンジ部を挟んで、前記測定対象の外力を検出する第1検出面と第2検出面とを有し、
    前記配置状態識別手段は、前記測定部の配置状態として前記第1検出面及び前記第2検出面が水平に配置されているか否かを判別する
    ことを特徴とする外力分布測定システム。
  7. 請求項6記載の外力分布測定システムにおいて、
    前記配置状態識別手段は、前記ヒンジ部における前記検出セルが検出する外力が所定の閾値よりも大きい場合に、前記測定部の配置状態の異常を検出する
    ことを特徴とする外力分布測定システム。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の外力分布測定システムにおいて、
    前記配置状態識別手段は、前記検出用構造部から前記複数の検出セルにかかる外力に基づき前記測定部の複数種類の配置状態を識別する
    ことを特徴とする外力分布測定システム。
  9. 請求項8記載の外力分布測定システムにおいて、
    前記配置状態識別手段は、前記ヒンジ部又は前記ヒンジ部付近を複数の分割領域に設定して、前記複数の分割領域毎の圧力合計値から前記測定部の複数種類の配置状態を識別する
    ことを特徴とする外力分布測定システム。
  10. 請求項8又は9記載の外力分布測定システムにおいて、
    前記配置状態識別手段は、前記測定部の複数種類の配置状態に対応してユーザへの報知内容を設定する報知設定手段を有する
    ことを特徴とする外力分布測定システム。
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