JP2017110295A - 導電性ペースト - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明が解決しようとする課題は、金属ナノ粒子を用いる微細空間充填用導電性ペーストであって、焼成時において加圧及び水素雰囲気下を必要とせず、また、焼成後に体積収縮によるボイド発生がない金属ナノ粒子を用いた微細なビア又はトレンチ充填用の導電性ペーストを提供することにある。【解決手段】本発明は、金属ナノ粒子の保護剤中の分散部位にアルキル鎖等でなく、炭素数8〜200のポリエチレンオキシド構造を導入することで、金属ナノ粒子を用いた導電性ペーストを、微細なビア又はトレンチ充填のための導電性ペーストとして用いることで上記課題を解決するものである。【選択図】図1

Description

本発明は、粒径が1〜100nmの金属ナノ粒子を埋設の主剤とする多層配線板のような電子材料に設けられたビア又はトレンチの充填に用いる導電性ペーストに関する。
近年、電子機器の情報処理の高速化が進み、電子機器に搭載される基板には高密度な多層配線基板が求められている。従来、高密度多層配線基板としては、ガラスエポキシ基板の上下に感光性エポキシ樹脂からなるビルドアップ層を積み上げた多層配線基板が採用されてきた。また、多層化に伴い、異なる層間の導体配線層をビアホール導体によって接続することも行われている。このビアホール導体は多層配線基板の絶縁基板の所定の場所にドリル等でビアホールを空けた後に、ビアホールの内壁にめっきを施すのが一般的である。
さらに、ビアホールをあけた後、積層、多層化する方法が検討されている。また、必要な各層間のみを接続するインナビアホール接続も検討されている。この接続では各層間の接続をするビア配線はめっきではなく導電性ペーストによる充填で形成される。導電性ペーストとしては、金属粉末と熱硬化性樹脂の混合物から成るペーストをビアホール内に充填し、積層、多層化を行う。しかし、これらの方法は、ビア抵抗を小さくするために熱硬化性樹脂の含有量を少量としており、熱サイクル試験による樹脂の劣化により金属粒子同士の結合が弱まり、抵抗が変化するという問題があった。そこで、導電性ペーストに金属粉末とともに低融点はんだ粒子を加えることで金属粒子をはんだによって接続させ、ビアの導電率を高める方法も提案されているが、濡れ不良によりはんだ中での金属粒子の分散が十分ではなく、熱サイクル試験において電気抵抗の上昇等が問題となっている。上記問題点を解決するために、サブミクロンサイズに微粒子化した金属とはんだを組み合わせることで熱サイクル試験に耐える導電性ペーストも開発されており、インナビアホール接続の有用性が注目されている。上記のように、配線基板の細孔や、細溝を、めっきや導電性ペーストを用いて充填し、細線化する方法は知られているが、高密度化されたウエハレベルパッケージング基板では線幅6μmの溝を、微細ピッチTSVでは1μm程度の微小空間に導体を充填する方法が必要となってきた。
一方で、現在のビアホールの直径は1〜100μm程度であるが、更なる高密度多層化が要求される用途では、ビアホール径は将来的に直径40〜50μm以下になると予想されている。このサイズでは多工程を要するめっき法では歩留まりよく製造ができないため金属ナノ粒子からなる導電性ペーストが検討されている。しかしながら、金属ナノ粒子は表面が有機物層で覆われているため、焼成後の体積収縮率が大きく、インナビアホール接続に求められる高密度充填は困難であると考えられている。これまでにも、銀ナノ粒子を使用したビアフィル材が提案されているが(特許文献1)、体積収縮を低減させるために大部分の粒子がμm銀粒子であるため、50μm以下のビア充填には不向きである。また、高価な銀原料を大量に用いており、経済性に大きな難がある。そこで、銀ナノ粒子に代わり、高いコスト優位性を持つ銅ナノ粒子を用いたビアフィル材も提案されているが(特許文献2)、加圧された雰囲気で充填を行う必要がある、体積収縮を低減するために流動パラフィンを大量に残留させるため導電性に難がある等の問題があった。また、ビアホール充填以外にも、半導体ウエハ上に線幅と深さが数μm程度の溝を掘り、その溝に金属ナノ粒子ペーストを流し込み配線パターンを形成することで高い導電性と高密度化を両立する配線パターンの形成方法も検討されている。
以上のように、高密度化が強く要求されるこれからの実装技術において、50μm以下のサイズを持つホール、又は、10μm以下の溝に金属ナノ粒子を充填する技術は、その有用性が期待されながらも体積収縮が起こるために実用化の大きな妨げになっているのが実情である。
特開2011−77177号公報 特開2009−267300号公報
上述の通り、高密度化が求められる実装技術において金属ナノ粒子からなる導電性ペーストが希求されているが、銀ナノ粒子は高コストであることと体積収縮によりボイドが発生すること、銅ナノ粒子は体積収縮によるボイドの発生に加え、加圧雰囲気充填と水素雰囲気下での焼成が必要であるといった課題を抱えている。このように、金属ナノ粒子からなる導電性ペーストは実用上多くの課題を抱えているが、使用用途によっては共に有効な微細空間充填用導電性ペーストとして使用することが可能である。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、金属ナノ粒子を用いる微細空間充填用導電性ペーストであって、焼成時において加圧及び水素雰囲気下を必要とせず、また、焼成後に体積収縮によるボイド発生がない金属ナノ粒子を用いた微細なビア又はトレンチ充填用の導電性ペーストを提供することにある。
本発明者らは、上記実情を鑑み鋭意検討を行った結果、金属ナノ粒子の保護剤中の分散部位にアルキル鎖等でなく、炭素数8〜200のポリエチレンオキシド構造を導入することで、金属ナノ粒子を用いた導電性ペーストを、微細なビア又はトレンチ充填の導電性ペースト(充填材)として用いることで上記課題を解決することを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち本発明は、
「項1.炭素数8〜200のポリエチレンオキシド構造含有有機化合物(A)が複合した金属ナノ粒子(M)と、沸点150℃以上のアルコール系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒及びラクタム構造含有溶媒からなる群より選ばれる少なくとも一種の溶媒(S)とを含有することを特徴とする、ビア又はトレンチの充填に用いる導電性ペースト。
項2.前記炭素数8〜200のポリエチレンオキシド構造含有有機化合物(A)が、
下記一般式(1)で表される化合物、
下記一般式(2)で表される化合物、
下記一般式(3)で表される化合物、又は
少なくとも一つの末端に下記一般式(4)で表される構造を有し且つ側鎖に炭素数8〜200のポリエチレンオキシド構造を有する(メタ)アクリル系重合体(重合体α)と、少なくとも一つの末端に下記一般式(4)で表される構造を有し且つ側鎖に−OP(O)(OH)で表されるリン酸エステル残基を有する(メタ)アクリル系重合体(重合体β)とを含有する化合物である項1に記載の導電性ペースト。
W−(OCHCH)−O−CH−CH(OH)−CH−S−X (1)
[W−(OCHCH)−O−CH−CH(OH)−CH−S−]
(2)
[W−(OCHCH)−O−CH−CH(OH)−CH−S−R−]
(3)
〔式(1)、(2)及び(3)中のWはC〜Cのアルキル基であり、nは4〜100の繰り返し数を示す整数であって、XはC〜C12のアルキル基、アリル基、アリール基、アリールアルキル基、−R−OH、−R−NHR、又は−R−(COR(但し、RはC〜Cの飽和炭化水素基であり、Rは水素原子、C〜Cのアシル基、C〜Cのアルコキシカルボニル基、又は芳香環上にC〜Cのアルキル基又はC〜Cのアルコキシ基を置換基として有していても良いベンジルオキシカルボニル基であり、Rはヒドロキシ基、C〜Cのアルキル基又はC〜Cのアルコキシ基であり、mは1〜3の整数である。)であり、Yは硫黄原子と直接結合するものが炭素原子である2〜4価の基であって、C〜Cの飽和炭化水素基又はC〜Cの飽和炭化水素基が−O−、−S−若しくは−NHR−(RはC〜Cの飽和炭化水素基である。)で2〜3個連結した基であり、dは2〜4の整数であり、RはC〜Cのアルキルカルボニルオキシ基であり、Zは硫黄原子と直接結合するものが炭素原子である2〜6価の基であって、C〜Cの飽和炭化水素基、C〜C飽和炭化水素基が−O−、−S−若しくは−NHR−(RはC〜Cの飽和炭化水素基である。)で2〜3個連結した基、又はイソシアヌル酸−N,N’,N”−トリエチレン基であり、tは2〜6の整数である。〕
R−S− (4)
〔一般式(4)中、Rは、炭素原子数1〜18の直鎖若しくは分岐状のアルキル基、又は、水酸基、炭素原子数1〜18の直鎖アルコキシ基、炭素原子数1〜18の分岐状アルコキシ基、アラルキルオキシ基、置換フェニルオキシ基、炭素原子数1〜18の直鎖アルキルカルボニルオキシ基、炭素原子数1〜18の分岐状アルキルカルボニルオキシ基、カルボキシ基、カルボキシ基の塩、炭素原子数1〜18の直鎖アルコキシカルボニル基、炭素原子数1〜18の分岐状アルコキシカルボニル基、リン酸基、炭素原子数1〜6の直鎖アルキルリン酸基、炭素原子数1〜6の分岐状アルキルリン酸基、スルホン酸基、炭素原子数1〜6の直鎖アルキルスルホン酸基、及び炭素原子数1〜6の分岐状アルキルスルホン酸基からなる群から選ばれる少なくとも1つの官能基を有する炭素原子数1〜8の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基を表す。〕
項3.前記炭素数8〜200のポリエチレンオキシド構造含有有機化合物(A)が、
下記一般式(1)で表される化合物、
下記一般式(2)で表される化合物、又は
下記一般式(3)で表される化合物である項1に記載の導電性ペースト。
W−(OCHCH)−O−CH−CH(OH)−CH−S−X (1)
[W−(OCHCH)−O−CH−CH(OH)−CH−S−]
(2)
[W−(OCHCH)−O−CH−CH(OH)−CH−S−R−]
(3)
〔式(1)、(2)及び(3)中のWはC〜Cのアルキル基であり、nは4〜100の繰り返し数を示す整数であって、XはC〜C12のアルキル基、アリル基、アリール基、アリールアルキル基、−R−OH、−R−NHR、又は−R−(COR(但し、RはC〜Cの飽和炭化水素基であり、Rは水素原子、C〜Cのアシル基、C〜Cのアルコキシカルボニル基、又は芳香環上にC〜Cのアルキル基又はC〜Cのアルコキシ基を置換基として有していても良いベンジルオキシカルボニル基であり、Rはヒドロキシ基、C〜Cのアルキル基又はC〜Cのアルコキシ基であり、mは1〜3の整数である。)であり、Yは硫黄原子と直接結合するものが炭素原子である2〜4価の基であって、C〜Cの飽和炭化水素基又はC〜Cの飽和炭化水素基が−O−、−S−若しくは−NHR−(RはC〜Cの飽和炭化水素基である。)で2〜3個連結した基であり、dは2〜4の整数であり、RはC〜Cのアルキルカルボニルオキシ基であり、Zは硫黄原子と直接結合するものが炭素原子である2〜6価の基であって、C〜Cの飽和炭化水素基、C〜C飽和炭化水素基が−O−、−S−若しくは−NHR−(RはC〜Cの飽和炭化水素基である。)で2〜3個連結した基、又はイソシアヌル酸−N,N’,N”−トリエチレン基であり、tは2〜6の整数である。〕
項4.前記溶媒(S)が、沸点150℃以上のアルコール系溶媒及びエーテル系溶媒からなる群より選ばれる少なくとも一種の溶媒である、項1〜3のいずれか一項に記載の導電性ペースト。
項5.前記金属ナノ粒子(M)が、銀ナノ粒子、銅ナノ粒子、銀コア銅シェルナノ粒子又は銅コア銀シェルナノ粒子であることを特徴とする、項1〜4のいずれか一項に記載の導電性ペースト。
項6.前記金属ナノ粒子に複合する炭素数8〜200のポリエチレンオキシド構造含有有機化合物(A)の含有率が2〜15質量%である、項1〜5のいずれか一項に記載の導電性ペースト。
項7.
前記導電性ペーストがビア充填用であり、該ビアの直径が0.5〜10μmで、深さが0.5〜10μmである、請求項1〜6の何れか一項に記載の導電性ペースト。
項8.
前記導電性ペーストがトレンチ充填用であり、該トレンチのサイズが幅0.5〜10μm、深さ0.5〜10μmである、請求項1〜6の何れか一項に記載の導電性ペースト。
項9.項1〜6のいずれか一項に記載の導電性ペーストが焼成された導体で充填されてなるビアを有する充填物。
項10.項1〜6のいずれか一項に記載の導電性ペーストが焼成された導体で充填されてなるトレンチを有する充填物。」に関する。
本発明によれば、無加圧雰囲気条件且つ窒素雰囲気下で焼成可能であり(効果1)、焼成による体積収縮が小さく(効果2)、体積収縮に伴うボイドの発生無しに(効果3)微細空間を充填可能である。
実施例1で得られた幅1.0μm、深さ1.0μmの溝を充填したシリコンチップ断面の走査型電子顕微鏡画像である。 実施例2で得られた幅2.0μm、深さ1.0μmの溝を充填したシリコンチップ断面の走査型電子顕微鏡画像である。 実施例8で得られた幅0.5μm、深さ1.0μmの溝を充填したシリコンチップ断面の走査型電子顕微鏡画像である。 実施例8で得られた幅0.5μm、深さ1.0μmの溝を充填したシリコンチップ断面の走査型電子顕微鏡画像であり、体積収縮率を求める際に用いた面積範囲である。 比較例6で得られた幅0.5μm、深さ1.0μmの溝を充填したシリコンチップ断面の走査型電子顕微鏡画像である。 比較例6で得られた幅0.5μm、深さ1.0μmの溝を充填したシリコンチップ断面の走査型電子顕微鏡画像であり、体積収縮率を求める際に用いた面積範囲である。
次に、本発明の実施形態について詳細に説明する。
<金属ナノ粒子における金属種>
本発明の金属ナノ粒子(M)の金属種は、後述のポリエチレンオキシド構造含有有機化合物が複合可能なものであれば特に限定されるものではなく、好ましくは銅(Cu)系、銀(Ag)系が好ましい。銅系及び銀系のナノ粒子としては、銅ナノ粒子、銀ナノ粒子、銀コア銅シェルナノ粒子、銅コア銀シェルナノ粒子などが挙げられる。なかでも、低コストであり、マイグレーション耐性に優れる点から銅ナノ粒子が好ましい。
<ポリエチレンオキシド構造含有有機化合物>
本発明で用いる保護剤(炭素数8〜200のポリエチレンオキシド構造含有有機化合物)中のポリエチレンオキシド部位は、沸点が150℃以上のアルコール系溶媒など本発明で用いる特定の溶媒との親和性に優れることから、金属ナノ粒子の凝集を強く抑制でき、金属ナノ粒子の高分散を可能とする。これは即ち、金属ナノ粒子が高密度に充填されている状態であるため、加熱処理による保護剤及び溶媒の分解除去に伴うボイド発生を起こさず、無加圧雰囲気下での高密度充填を可能とする。また、本発明の保護剤を用いて合成した金属ナノ粒子は、保護剤存在量が2〜10%程度と少なく、焼成時の金属粒子同士のネッキング現象を妨げない。
本発明で用いられる炭素数8〜200のポリエチレンオキシド含有有機化合物が複合した金属ナノ粒子(有機化合物と金属ナノ粒子の複合体)の例として、特許第4784847号公報、特開2013−60637号公報又は特許第5077728号公報が挙げられ、ここに記載の方法で合成することができる。これらは、チオエーテル型(R−S−R’)化合物が金属粒子表面に対して適切な親和吸着効果と、加熱による迅速な脱離性を有することが特徴となっており、低温融着特性を示す金属ナノ粒子として開発されている。
また、ほかの例として、特開2010−209421号公報に記載のチオエーテル基を有する高分子化合物のうち、炭素数8〜200のポリエチレンオキシド部位を有する高分子化合物が複合した金属ナノ粒子、さらには、特許第4697356号公報に記載のチオエーテル基を有しリン酸エステル基を有する高分子化合物のうち、炭素数8〜200のポリエチレンオキシド部位を有する高分子化合物が複合した金属ナノ粒子などが挙げられる。これらのポリエチレンオキシド構造含有高分子化合物の製造は、これら公報に記載の方法に従い行うことができる。また、本発明においてこれらのポリエチレンオキシド構造含有のリン酸エステル型有機化合物は、チオエーテル基を有しリン酸エステル基をも有しており、これらの基を有することにより、金属ナノ粒子表面に対して適切な親和吸着効果と、加熱による迅速な脱離性を付与することができる。
これらの中でも、下記式(1)〜(3)で表されるチオエーテル型有機化合物であることが好ましい。
<チオエーテル(R−S−R’)型有機化合物>
本発明の効果を説明する一例として、下記一般式(1)〜(3)で表されるチオエーテル型有機化合物が複合した銅系及び銀系ナノ粒子について詳述する。
W−(OCHCH)−O−CH−CH(OH)−CH−S−X (1)
[W−(OCHCH)−O−CH−CH(OH)−CH−S−]
(2)
[W−(OCHCH)−O−CH−CH(OH)−CH−S−R−]
(3)
〔式(1)、(2)及び(3)中のWはC〜Cのアルキル基であり、nは4〜100の繰り返し数を示す整数であって、XはC〜C12のアルキル基、アリル基、アリール基、アリールアルキル基、−R−OH、−R−NHR、又は−R−(COR(但し、RはC〜Cの飽和炭化水素基であり、Rは水素原子、C〜Cのアシル基、C〜Cのアルコキシカルボニル基、又は芳香環上にC〜Cのアルキル基又はC〜Cのアルコキシ基を置換基として有していても良いベンジルオキシカルボニル基であり、Rはヒドロキシ基、C〜Cのアルキル基又はC〜Cのアルコキシ基であり、mは1〜3の整数である。)であり、Yは硫黄原子と直接結合するものが炭素原子である2〜4価の基であって、C〜Cの飽和炭化水素基又はC〜Cの飽和炭化水素基が−O−、−S−若しくは−NHR−(RはC〜Cの飽和炭化水素基である。)で2〜3個連結した基であり、dは2〜4の整数であり、RはC〜Cのアルキルカルボニルオキシ基であり、Zは硫黄原子と直接結合するものが炭素原子である2〜6価の基であって、C〜Cの飽和炭化水素基、C〜C飽和炭化水素基が−O−、−S−若しくは−NHR−(RはC〜Cの飽和炭化水素基である。)で2〜3個連結した基、又はイソシアヌル酸−N,N’,N”−トリエチレン基であり、tは2〜6の整数である。〕
前記一般式(1)〜(3)中におけるエチレンオキシド構造を繰り返し単位として有する鎖状の官能基は、溶媒親和部として機能する。このポリエチレンオキシド構造の炭素数は、8〜200のものを用いることが好適であり、炭素数8〜100のものを用いることがより好適である。
また、前記一般式(1)〜(3)中におけるエチレンオキシド構造を繰り返し単位として有する鎖状の官能基は炭素数が少ない程、金属粒子同士が融着する現象(ネッキング)を阻害しにくいため、炭素数8〜12程度のものが高い信頼性を有する充填材としてより好ましい。
一方で、前記一般式(1)〜(3)中におけるエチレンオキシド構造を繰り返し単位として有する鎖状の官能基は炭素数50〜100程度のものが分散安定性に優れ、金属ナノ粒子を高分散させ、無加圧雰囲気下での高密度充填性能を向上させる点で、より好ましい。
従って、使用場面に応じて炭素数を8〜200(前記一般式のnが4〜100である場合に相当)の範囲や、より好ましい炭素数8〜100(前記一般式のnが4〜50である場合に相当)の範囲で適宜調節することができる。
前記一般式(1)〜(3)中のWは、工業的な入手の容易さ、および保護剤として使用したときの分散安定性の点から、直鎖状または分岐状の炭素数1〜8のアルキル基であり、特に水性媒体中での安定性の観点からは炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましい。
前記一般式(1)中のXがカルボキシル基、アルコキシカルボニル基、カルボニル基、アミノ基、アミド基を部分構造として含む構造のものは、チオエーテル基と多座配位子を構成することが可能となるため、金属ナノ粒子表面への配位力が強くなるため好ましい。
前記一般式(2)中のYがエーテル(C−O−C)、チオエーテル(C−S−C)を部分構造として含む構造のもの、前記一般式(3)中のRがメチレンカルボキシ基(−CHCOO−)またはエチレンカルボキシ基(−CHCHCOO−)であって、Zがエチレン基、2−エチル−2−メチレンプロパン−1,3−ジイル基、2,2−ビスメチレンプロパン−1,3−ジイル基であるものが最も好適である。
<チオエーテル型有機化合物の製造方法>
前述のように、本発明においてチオエーテル型有機化合物は、前記一般式(1)〜(3)で表される化合物であることが好ましい。これらのチオエーテル型有機化合物を製造する方法について、以下詳述する。
チオエーテル型有機化合物を簡便に製造する方法としては、例えばグリシジル基を末端に有するポリエーテル化合物(a1)とチオール化合物(a2)とを反応させる方法が挙げられる。
前記グリシジル基を末端に有するポリエーテル化合物(a1)は、下記一般式(5)で表すことができる。
Figure 2017110295
(式中、W、R、nは前記と同じである。)
グリシジル基を末端に有するポリエーテル化合物(a1)の合成方法としては、例えば、ルイス酸存在下、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテルをエピクロロヒドリンのオキシラン環に付加開環させた後、生成するクロロヒドリン体を濃厚アルカリ中で加熱再閉環する方法、過剰のアルコラートや濃厚アルカリなどの強塩基を用いて、一段階で反応させる方法が挙げられるが、より高純度のポリエーテル化合物(a1)を得る方法としては、カリウムt−ブトキシドを用いてポリエチレングリコールモノメチルエーテルをアルコキシドとし、これとエピクロロヒドリンとを縮合させた後、加熱を継続してエポキシ環を再形成するGandourらの方法(Gandour,et al.,J.Org.Chem.,1983,48,1116.)を準用することが好ましい。
前記グリシジル基を末端に有するポリエーテル化合物(a1)の末端オキシラン環を、チオール化合物(a2)で開環させて、目的とするチオエーテル型有機化合物を得ることができる。この反応はチオール基の求核反応を利用したものであるが、この反応については様々な活性化方法が挙げられる。
例えば、ルイス酸によるエポキシドの活性化による合成が広く行なわれており、具体的には酒石酸亜鉛や、ランタニド系ルイス酸を用いることが知られている。また、ルイス塩基を用いる方法もしばしば行われている。
更に、フッ素イオンを塩基触媒として活用する方法はJames H.Clarkの総説に詳しく述べられている。Pensoらはこれをレジオセレクティビティーに優れるエポキシドの開環方法として応用しており、フッ化第四級アンモニウムを触媒とすることで穏和な条件下でチオールのエポキシドへの付加開環反応が進行することを報告している。
特に本発明で用いるチオエーテル型有機化合物が高効率で得られる点からは、フッ素イオンを塩基触媒として活用する方法が好ましい。この方法を適用することによって、グリシジル基を末端に有するポリエーテル化合物(a1)とチオール化合物(a2)の反応後、特別な精製を行わなくても、チオエーテル型有機化合物を得ることができる。
ポリエーテル化合物(a1)には様々なチオール化合物(a2)を反応させることができる。例としてアルカンチオール類、ベンゼンチオール類の他、ラジカル重合連鎖移動剤として汎用されているため入手が容易なチオグリコール、チオグリコール酸およびそのエステル類、メルカプトプロピオン酸およびそのエステル類などが挙げられる。チオリンゴ酸、チオクエン酸およびそれらのエステル類のようなメルカプトポリカルボン酸類を反応させてもよい。また、分子内に複数のチオール基を有する化合物、すなわちエタンジチオールの様なアルキレンジチオール類、トリメチロールプロパン=トリス(3−メルカプトプロピオナート)、ペンタエリスリトール=テトラキス(3−メルカプトプロピオナート)、ジペンタエリスリトール=ヘキサキス(3−メルカプトプロピオナート)なども同様に反応させ導入することが可能である。その結果得られる化合物は、分子内に複数のチオエーテル構造を持つので、銅系ナノ粒子に対し複数の領域によって親和性を発現しうる。
<ポリエチレンオキシド構造含有のリン酸エステル型有機化合物>
本発明の効果を説明する一例として、ポリエチレンオキシド構造含有のリン酸エステル型有機化合物が複合した銅系及び銀系ナノ粒子について詳述する。
本発明に用いられる化合物は、少なくとも一つの末端に下記一般式(4)で表される構造を有し且つ側鎖に炭素数8〜200のポリエチレンオキシド鎖を有する(メタ)アクリル系重合体(重合体α)と、少なくとも一つの末端に下記一般式(4)で表される構造を有し且つ側鎖に−OP(O)(OH)で表されるリン酸エステル残基を有する(メタ)アクリル系重合体(重合体β)とを含有する化合物である、
R−S− (4)
〔一般式(4)中、Rは、炭素原子数1〜18の直鎖若しくは分岐状のアルキル基、又は、水酸基、炭素原子数1〜18の直鎖アルコキシ基、炭素原子数1〜18の分岐状アルコキシ基、アラルキルオキシ基、置換フェニルオキシ基、炭素原子数1〜18の直鎖アルキルカルボニルオキシ基、炭素原子数1〜18の分岐状アルキルカルボニルオキシ基、カルボキシ基、カルボキシ基の塩、炭素原子数1〜18の直鎖アルコキシカルボニル基、炭素原子数1〜18の分岐状アルコキシカルボニル基、リン酸基、炭素原子数1〜6の直鎖アルキルリン酸基、炭素原子数1〜6の分岐状アルキルリン酸基、スルホン酸基、炭素原子数1〜6の直鎖アルキルスルホン酸基、及び炭素原子数1〜6の分岐状アルキルスルホン酸基からなる群から選ばれる少なくとも1つの官能基を有する炭素原子数1〜8の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基を表す。〕
ここで、ポリエチレンオキシド構造の好適な炭素数については、前述のチオエーテル型有機化合物の場合と同様である。
<ポリエチレンオキシド含有のリン酸エステル型有機化合物の製造方法>
一般式(4)で表される構造を分子中に有する高分子化合物を得るために使用するチオール化合物(Q)は、一般に連鎖移動剤として使用されるチオール化合物を使用することができる。具体的には、チオグリコール、2−メルカプトプロパノール、3−メルカプトプロパノール、8−メルカプトオクタノール、2,3−ジヒドロキシプロパンチオール、2−メトキシエタンチオール、2−エトキシエタンチオール、2−ヘキシルオキシエタンチオール、2−(2−エチルヘキシルオキシ)エタンチオール、2−ベンジルオキシエタンチオール、2−(4−メトキシベンジルオキシ)エタンチオール、2−フェニルオキシエタンチオール、2−(4−メトキシフェニルオキシ)エタンチオール、2−(2,4−ジメトキシフェニルオキシ)エタンチオール、6−(4−ヒドロキシメチルフェニルオキシ)ヘキサンチオール、2−アセトキシエタンチオール、2−ヘプタノイルオキシエタンチオール、2−オクタノイルオキシエタンチオール、2−オクタデカノイルオキシエタンチオール、2−イソブチリルオキシエタンチオール、2−ピバロイルオキシエタンチオール、チオグリコール酸、β−メルカプトプロピオン酸、7−メルカプトオクタン酸、2−メルカプトプロピオン酸、2−メルカプトコハク酸、およびこれらカルボン酸の無機塩、アンモニウム塩および有機アミンの塩、チオグリコール酸メチル、チオグリコール酸エチル、チオグリコール酸オクチル、β−メルカプトプロピオン酸エチル、β−メルカプトプロピオン酸オクチル、β−メルカプトプロピオン酸ドデシル、β−メルカプトプロピオン酸−2−(メトキシエチル)、β−メルカプトプロピオン酸−2−(メトキシエトキシエトキシ)、β−メルカプトプロピオン酸−2−(4−メトキシブトキシ)、チオグリコール酸−2−エチルヘキシル、β−メルカプトプロピオン酸−2−エチルヘキシル、β−メルカプトプロピオン酸−3−メトキシブトキシ、2−メルカプトエチルホスファート、2−メルカプトエチルホスフィン酸、2−メルカプトプロピルホスファート、2−メルカプトプロピルホスフィン酸、ω−メルカプトエトキシエチルホスファート、ω−メルカプトプロピルオキシプロピルホスファート、2−メルカプトエチルジメチルホスファート、2−メルカプトエチルホスフィン酸ジメチル、2−メルカプトエチルジエチルホスファート、2−メルカプトプロピルジエチルホスファート、2−メルカプトエチルジイソプロピルホスファート、2−メルカプトエチルジイソブチルホスファート、2−メルカプトエチルサルファート、2−メルカプトエチルスルホン酸、2−メルカプトプロピルスルホン酸、2−メルカプトエチルメチルサルファート、メチル 2−メルカプトエチルスルホナート、2−メルカプトエチルエチルサルファート、エチル 2−メルカプトエチルスルホナート、メチル 2−メルカプトプロピルスルホナート、エチル 2−メルカプトプロピルスルホナート、等があげられる。中でもチオグリコール、2,3−ジヒドロキシプロパンチオール、チオグリコール酸、β―メルカプトプロピオン酸、β―メルカプトプロピオン酸エチル、β―メルカプトプロピオン酸2−エチルヘキシルが、反応性、入手容易さおよび薄膜化した時の面平滑性の点から好ましく、β―メルカプトプロピオン酸メチルが最も好ましい。
前記チオール化合物(Q)と反応させる重合性化合物としては、特に限定はなく公知の重合性化合物を使用することができる。具体的には、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル化合物、ビニルアルコールエステル化合物、スチレン化合物、アリルアルコール化合物、アリルアミン化合物などである。
本発明の金属ナノ粒子用保護剤は、金属との親和性を有する官能基を有する重合性化合物を適宜選択することで、使用する金属種や所望する物性に応じた保護剤を設計することが可能であり、特徴である。具体的には、金属に対しやや強い吸着能を有するカルボキシ基、リン酸基、スルホン酸基、または、複素芳香族基(例えばイミダゾール基)、中程度の相互作用を示し分散媒の液性によって吸着能が変化するアミノ基(例、ジメチルアミノエチル基、ジメチルアミノプロピル基)、および金属表面との相互作用が前者と比べ小さいヒドロキシ基(ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基)、芳香族基(たとえばベンジル基)を有する重合性化合物を使用することで、金属ナノ粒子用保護剤に自在に該官能基を付与することが可能であり、またこれらの比率を自在に変更することが可能なため、その吸着性も自在に変更することができる。
例えば、重合性化合物として、ポリアルキレングリコールメタクリレート等のポリエチレンオキシド鎖を有する重合性化合物を使用することで、前記一般式(4)で表される構造を分子中に有する高分子化合物にポリエチレンオキシド鎖を組み込むことができる。
また同様に、重合性化合物として、(メタ)アクリル酸等を使用することでカルボキシ基を、メタクリル酸ジメチルアミノエチル等を使用することでアミノ基を、メタクリロイルオキシエチルホスフェート等を使用することでリン酸基を、ヒドロキシエチルメタクリレート等を使用することでヒドロキシ基を、スルホン酸基を有する修飾(メタ)アクリル酸エステルを重合性化合物として用いるスルホン酸基を、ヘテロ芳香族ビニル化合物を用いることでヘテロ芳香族基を導入することが出来る。このようにして、前記一般式(4)で表される構造を分子中に有する高分子化合物にアミノ基、カルボキシ基、イミダゾール基、リン酸基、スルホン酸基等を組み込むことができる。
これらの重合性化合物の具体的な例としては、2−ジメチルアミノエチルメタクリレート、ビニルイミダゾール、2−メタクリロイルオキシエチルホスフェート、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸が挙げられる。
本発明の金属ナノ粒子用保護剤の重合方法は通常のラジカル重合法でよく、チオール化合物および重合性化合物を適当な溶剤に溶解し、重合開始剤として過カルボン酸エステル等を加え加熱すればよい。
<炭素数8〜200のポリエチレンオキシド構造含有有機化合物が複合した金属ナノ粒子の合成>
本発明の効果を説明する一例として、本発明で使用する炭素数8〜200のポリエチレンオキシド構造含有有機化合物が複合した金属ナノ粒子の製造方法は、チオエーテル型有機化合物の存在下で、2価の銅イオン化合物又は1価の銀イオン化合物を溶媒と混合する工程と、銅イオン又は銀イオンを還元する工程とを有することを特徴とするものである。
2価の銅イオン化合物としては、一般的に入手可能な銅化合物が利用可能であり、硫酸塩、硝酸塩、カルボン酸塩、炭酸塩、塩化物、アセチルアセトナート錯体等が利用できる。0価の銅ナノ粒子との複合体を得る場合には2価の化合物から出発しても1価の化合物から製造してもよく、水分や結晶水を有していても差し支えない。具体的には、結晶水を除いて表現すれば、CuSO、Cu(NO、Cu(OAc)、Cu(CHCHCOO)、Cu(HCOO)、CuCO、CuCl、CuO、CCuOなどが挙げられる。さらに、上記塩類を加熱したり、塩基性雰囲気に曝したりすることにより得られる塩基性塩、たとえばCu(OAc)・CuO、Cu(OAc)・2CuO、CuCl(OH)等は最も好適に用いることができる。これら塩基性塩は、反応系内で調製してもよいし、反応系外で別途調製したものを使用してもよい。また、アンモニアやアミン化合物を加えて錯体形成し、溶解度を確保してから還元に用いる一般的な方法も適用可能である。
1価の銀イオン化合物としては、一般的に入手可能な銀化合物が利用可能であり、硝酸銀、酸化銀、酢酸銀、フッ化銀、銀アセチルアセトナート、安息香酸銀、炭酸銀、クエン酸銀、銀ヘキサフルオロフォスフェート、乳酸銀、亜硝酸銀、ペンタフルオロプロピオン酸銀等が挙げられ、取り扱い容易性、工業的入手容易性の観点から、硝酸銀または酸化銀を用いることが好ましい。
これらの銅又は銀イオン化合物を、予めチオエーテル型有機化合物を溶解又は分散した媒体に溶解、または混合する。このとき用いることができる媒体としては、使用する有機化合物の構造にもよるが、水、エタノール、アセトン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリンおよびそれらの混合物が好適に用いられ、水−エチレングリコール混合物は特に好ましい。
チオエーテル型有機化合物の、各種媒体中における濃度としては、引き続き行なう還元反応の制御が容易になる点から、0.3〜10質量%の範囲に調整することが好ましい。
上記で調整した媒体中に、前記銅又は銀イオン化合物を、一括又は分割して添加し、混合する。溶解しにくい媒体を使用する場合には、予め少量の良溶媒に溶解させておいてから、媒体中に添加する方法であっても良い。
混合するチオエーテル型有機化合物と銅又は銀イオン化合物との使用割合としては、反応媒体中でのチオエーテル型有機化合物の保護能力に応じて適宜選択することが好ましいが、通常、銅又は銀イオン化合物1molあたりに、チオエーテル型有機化合物として1mmol〜30mmol(分子量2000のポリマーを用いる場合、2〜60g程度)の範囲で調製し、特に15〜30mmolの範囲で用いることが好ましい。ここで、ポリエチレンオキシド構造含有のリン酸エステル型有機化合物を用いても同様に行うことができ、銅又は銀イオン化合物1molあたりの有機化合物の使用量も前期と同様である。
引き続き、銅又は銀イオンの還元を、各種還元剤を用いて行なう。還元剤としては、ヒドラジン化合物、ヒドロキシルアミンおよびその誘導体、金属水素化物、ホスフィン酸塩類、アルデヒド類、エンジオール類、ヒドロキシケトン類など、氷冷温から80℃以下の温度で銅又は銀の還元反応を進行させることができる化合物であることが、沈殿物形成の少ない複合体を与えるため、好適である。
銅イオンの還元において、具体的にはヒドラジン水和物、非対称ジメチルヒドラジン、ヒドロキシルアミン水溶液、水素化ホウ素ナトリウムなどの強力な還元剤が好適である。これらは、銅化合物を0価まで還元する能力を有するので、2価および1価の銅化合物を還元銅とし、有機化合物とナノ銅粒子との複合体を製造する場合に適している。
還元反応に適する条件は、原料として用いる銅化合物、還元剤の種類、錯化の有無、媒体、チオエーテル型有機化合物の種類によって様々である。例えば、水系で酢酸銅(II)を水素化ホウ素ナトリウムで還元する場合には、氷冷程度の温度でも0価のナノ銅粒子が調製できる。一方、ヒドラジンを用いる場合には、室温では反応は遅く、60℃程度に加熱してはじめて円滑な還元反応が起こり、エチレングリコール/水系で酢酸銅を還元する場合には、60℃で2時間程度の反応時間を要する。このようにして還元反応が終了すると、有機化合物と銅系ナノ粒子との複合体を含む反応混合物が得られる。
このように調製した銅ナノ粒子は保護剤の効果により、水分を完全に除去して乾燥体粉末とした後に、再び溶媒を添加しても乾燥前の状態と同じように高分散させることが可能である。
また、チオエーテル型有機化合物と前記媒体、および銅イオン化合物の混合液中にナノ銀を添加した混合液をあらかじめ調整し、次いで還元剤を添加して銅イオンを前記方法で還元させると、ナノ銀表面を銅が被覆した、銀コア銅シェルナノ粒子を得ることができる。
また、逆にチオエーテル型有機化合物と前記媒体、および銀イオン化合物の混合液中にナノ銅を添加した混合液をあらかじめ調整し、次いで還元剤を添加して銀イオンを前記方法で還元させると、ナノ銅表面を銀が被覆した、銅コア銀シェルナノ粒子を得ることができる。
<分散液の製造方法>
還元反応後は、必要に応じて金属化合物残渣、還元試薬残渣、余剰のポリエチレンオキシド構造含有有機化合物等を除く工程が設けられる。複合体の精製には、再沈殿、遠心沈降または限外濾過が適用可能であり、得られた複合体を含む反応混合物を洗浄溶媒、例えば水、エタノール、アセトンおよびこれらの混合物によって洗浄することで、前述の不純物を洗い流すことができる。
<ビア又はトレンチ充填用導電性ペースト>
本発明のビア又はトレンチ充填用導電性ペースト(以下、本発明の導電性ペーストと表記する場合がある)は、炭素数8〜200のポリエチレンオキシド含有有機化合物(A)が複合した金属ナノ粒子(M)と、溶媒と、を含有する導電性ペーストである。上述のように、金属ナノ粒子−有機化合物複合体(有機化合物で複合化された金属ナノ粒子であり、本明細書における表記(M)に相当)は、水分散体として得られるが、精製の最終段階において、複合体に洗浄用溶媒を加える代わりに、充填用のペーストとして使い易い溶媒を加え、あるいは、媒体交換することにより、本発明の導電性ペーストとしての適性を付与することができる。
本発明の導電性ペースト中に含まれる金属濃度が高いほど高密度な充填を行うことができるが、一方で、ペーストを塗布、ディスペンサー、マスク印刷、スクリーン印刷等により充填空間へ供給する必要があるので、充填用のペーストとしての特性が好適となるように、後述する溶媒(S)が必要である。また、さらに添加剤を加えたりすることで、材料中に含有する金属濃度を調整したりする必要がある。従って、印刷方式に見合った粘度範囲で最大の金属濃度となるようにペーストの金属濃度を調節する。一般的には50〜95%程度が、充填空間への供給がし易い点で好適である。
本発明の導電性ペーストは、200〜1000nm程度の粒子径を持つ金属ナノ粒子をさらに添加して使用することもできる。
本発明の導電性ペーストは、フラックス成分を加えることで、より一層の還元力を持たせて使用することもできる。
このように調製した導電性ペーストは、密閉容器中で保存すれば、調製濃度によらず1か月〜3か月程度は安定である。
本発明の技術分野において実用上充分といわれる水準は、後述のシリコン製モールド充填試験において、画像から80%以上の充填を確認できるものである。本発明の導電性ペーストは、80%以上の充填を達成し、好ましくは90%以上の充填を実現する。また、後述の薄膜観察装置による乾燥状態の導電性ペースト膜の焼成後体積収縮率は、実用上、10%以内であることが求められ、5%以内であることが好ましい。
<溶媒(S)>
本発明で用いることができる溶媒(S)としては、沸点150℃以上のアルコール系溶媒、沸点150℃以上のエーテル系溶媒、沸点150℃以上のエステル系溶媒、沸点150℃以上のラクタム構造含有溶媒などを好適に用いることができる。
ここで、沸点150℃以上のアルコール系溶媒は、具体的には、ヘキシルアルコール、ヘプチルアルコール、オクチルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、テルピネオールなどの一価アルコール型や、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオールなどの二価アルコール型や、プロパントリオール、ブタントリオール、ペンタントリオール、ヘキサントリオール、ヘプタントリオールなどの三価アルコール型、プロパンテトラオール、ブタンテトラオール、ペンタンテトラオール、ヘキサンテトラオール、ヘプタンテトラオール、ペンタンペンタオール、ヘキサンペンタオールなどの多価アルコール型のものが挙げられる。また、ベンゼントリオール、ビフェニルペンタオール、ベンゼンペンタオール、シクロヘキサンヘキサオールなどの環状型の構造を有するアルコール化合物を用いることも可能である。それ以外にもクエン酸、アスコルビン酸等のアルコール基を有する化合物を用いてもよい。また、エーテル構造を含むアルコール誘導体である、プロピレングリコールモノメチルエーテル、3−メトキシブタノール、プロピレングリコール−n−プロピルエーテル、プロピレングリコール−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコール−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコール−n−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコール−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等を用いてもよい。
ここで、沸点150℃以上のエーテル系溶媒は、具体的には、分子量200〜400までのポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどが挙げられる。
ここで、沸点150℃以上のエステル系溶媒は、具体的には、シクロヘキサノールアセテート、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、ジプロピレングリコールメチル−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、1,4−ブタンジオールジアセテート、1,3−ブチレングリコールジアセテート、1,6−ヘキサンジオールジアセテート、環状構造を持つクラウンエーテル類などが挙げられる。
ここで、沸点150℃以上のラクタム構造含有溶媒は、具体的には、β−ラクタム、ε−カプロラクタム、σ−ラクタム、N−メチル−2−ピロリドン、ピログルタミン酸、ピラセタム、ペニシリンなどのβ−ラクタム系化合物などが挙げられる。
なかでも、分解・揮発時の熱還元作用の観点から、沸点150℃以上のアルコール系溶媒、沸点150℃以上のエーテル系溶媒を用いることが好ましい。
なかでも、より好ましくは、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオールなどの二級アルコール型の沸点150℃以上のアルコール系溶媒、沸点150℃以上のエーテル系溶媒が好ましい。
なかでも、さらに好ましくは、エチレングリコール、ジエチレングリコール、分子量200〜400までのポリエチレングリコールが好ましい。
使用量は金属に対し5〜50%の範囲であれば使用可能であり、5〜15%の範囲がより好ましい。
<充填>
本発明において、本発明の導電性ペーストで充填すべき部材(被充填物)としては、金属(合金、金属間化合物も含む。)のほか、セラミック、プラスチック、これらの複合材料等を例示できるが、本発明では特にセラミック(シリコンチップ含む)又はプラスチックが好ましい。ここで言う被充填物は、ビア又はトレンチのような微細空間を有するものであり、これを充填するために本発明の導電性ペーストを使用することができる。本発明においては、上述のようなナノ粒子を用いることから、半導体を貫通するビアホール(スルーサブストレートビア:TSV)を充填するような場合に採用されうる、直径0.5〜10μmの微小空間への充填にも適用可能である。
該微細空間がビアであれば、直径0.5〜10μmであり、深さが0.5〜10μmであるものを指す。また、該微細空間がトレンチであれば、幅0.5〜10μmであり、深さが0.5〜10μmであるものを指す。本発明では、特に金属ナノ粒子を使用する点から、ビアは直径0.5〜2.0μm、深さが0.5〜2.0μm、トレンチは幅0.5〜2.0μm、深さが0.5〜2.0μmのものが好ましい。ここで「ビア」は、基板に設けた貫通又は非貫通の穴のことを示す。
本発明の導電性ペーストを、被充填物が有するビア又はトレンチに塗布し、そのまま(無加圧で)、あるいは僅かに加圧した雰囲気下で銅系ナノ粒子又は銀ナノ粒子が融着する温度まで加熱し、充填体(充填物と表記する場合もある)を作製することができる。このとき、水素を含むフォーミングガス下、窒素雰囲気下又はギ酸を通過させて含ませたギ酸含有窒素の雰囲気下のいずれでも行うことができるが、取扱い性の観点から窒素雰囲気下で行うことが好ましい。このように、従来から希求されながらも困難であった窒素雰囲気下における焼成であっても、十分な性能を発揮できる点が、本発明の構成がもたらす効果である。
ここで言う僅かに加圧とは、1.1気圧〜5気圧の範囲(1100hPa〜5000hPa)の範囲を指す。
また、塗布を0.9〜0.01気圧(900hPa〜1hPa)の減圧雰囲気下で行い、不活性ガス等により常圧に戻すことで、ガスによりペーストをビア及びトレンチ部位に押し込むこともできる。
焼成温度は150〜350℃の範囲であれば融着可能であり、焼成時間は1〜60分間の範囲あれば十分な性能を発揮するが、作業を短時間にする点から5〜15分間の焼成が好ましい。本発明の導電性ペーストを使用すれば、このような短時間焼成においても十分な性能を発揮することができる。
また、必要に応じて、低温で溶媒を揮発させる仮焼成を行ってから、150〜350℃の範囲で本焼成を行う等の、温度プロファイルを用いて焼成を行うこともできる。
ビアへの導体ペーストの充填は、任意の方法で行なうことができるものであり、例えばスクリーン印刷、ディスペンサー充填、プレス注入などによって行なうことができる。
ビアに導体ペーストを充填し、これを乾燥した後に焼成することによって、焼成により形成される導体が穴に充填された、導体充填基板を製造することができる。
以下、本発明を実施例により説明する。特に断りのない限り「%」は質量基準である。
(合成例1)
<炭素数8〜200のポリエチレンオキシド構造含有有機化合物(A)(チオエーテル型有機化合物)が複合した銅ナノ粒子の合成>
酢酸銅(II)一水和物(3.00g、15.0mmol)、エチル 3−(3−(メトキシ(ポリエトキシ)エトキシ)−2−ヒドロキシプロピルスルファニル)プロピオナート〔ポリエチレングリコールメチルグリシジルエーテル(ポリエチレングリコール鎖の分子量2000(炭素数91))への3−メルカプトプロピオン酸エチルの付加化合物、下記式〕(0.451g)
Figure 2017110295
、およびエチレングリコール(10mL)からなる混合物に、窒素を50mL/分の流量で吹き込みながら加熱し、125℃で2時間通気攪拌して脱気した。この混合物を室温に戻し、ヒドラジン水和物(1.50g、30.0mmol)を水7mLで希釈した溶液を、シリンジポンプを用いてゆっくり滴下した。約1/4量を2時間かけてゆっくり滴下し、ここで一旦滴下を停止し、2時間攪拌して発泡が沈静化するのを確認した後、残量を更に1時間かけて滴下した。得られた褐色の溶液を60℃に昇温して、さらに2時間攪拌し、還元反応を終結させた。
<水分散液の調製>
つづいて、この反応混合物をダイセン・メンブレン・システムズ社製の中空糸型限外濾過膜モジュール(HIT−1−FUS1582、145cm、分画分子量15万)中に循環させ、滲出する濾液と同量の0.1%ヒドラジン水和物水溶液を加えながら、限外濾過モジュールからの濾液が約500mLとなるまで循環させて精製した。0.1%ヒドラジン水和物水溶液の供給を止め、そのまま限外濾過法により濃縮すると、2.85gのチオエーテル含有有機化合物(A)と銅ナノ粒子との複合体の水分散液(a)が得られた。水分散液(a)中の不揮発物含量は16%、TG−DTA測定(SIIナノテクノロジー社製 TG/DTA 6200)による重量減少より、得られた銅ナノ粒子には3%のポリエチレンオキシド構造含有有機物が存在していることを確認した。
<導電性ペーストの調製>
上記の水分散液(a)5mLをそれぞれ50mL三口フラスコに封入し、ウォーターバスを用いて40℃に加温を行いながら、減圧下、窒素を5ml/minの流速で流すことで、水を完全に除去し、銅ナノ粒子複合体乾燥粉末1.0gを得た。次に得られた乾燥粉末にアルゴンガス置換したグローブバッグ内で、30分間窒素バブリングしたエチレングリコールを0.11g添加した後、乳鉢で10分間混合することで不揮発分90%の銅ナノ粒子ペースト(a−1)を得た。
(試験例1)
<幅1.0μm及び2.0μm、深さ1.0μmのシリコン製モールドへの銅ナノ粒子ペースト(a−1)充填における体積収縮評価>
合成例1において得られた銅ナノ粒子ペースト(a−1)を幅1.0μm、深さ1.0μm(実施例1)及び、幅2.0μm、深さ1.0μm(実施例2)(L/S(ライン/スペース)=1/1)の2種類の溝が掘られたシリコンチップ上に金属ヘラを用いて塗布した。その後、窒素雰囲気下、250℃で無加圧雰囲気下焼成を行った。焼成は43℃/minで昇温を行い、それぞれの温度で10分間保持した後、自然冷却を行うことで、シリコンチップ充填体(充填試験片)を得た。
上記実施例1及び2の充填試験片を切断し、クロスセクションポリッシャー(日本電子株式会社製 SM−09020CP)を用いて切断面を研磨することで露出させ、走査型電子顕微鏡(日本電子株式会社製 FE−SEM(電界放出型走査電子顕微鏡)JSM−7100F)で観察することで充填性能を評価した。
上記充填性能評価の結果、実施例1(幅1.0μm、深さ1.0μm)、実施例2(幅2.0μm、深さ1.0μm)のどちらのシリコンチップ上の溝にも大きなボイドの発生は無く、高密度に銅ナノ粒子が充填されていることが確認できた。図1及び図2に示す走査型電子顕微鏡画像においても、体積収縮によるクラックや、チップの凹構造の壁面との剥離は見られなかった。
(試験例2)
<薄膜観察装置による銅ナノ粒子ペースト(a−1)の体積収縮率試験>
銅ナノ粒子ペースト(a−1)の焼成前後の体積収縮率は、銅ナノ粒子ペースト(a−1)をガラススライド上に幅5×5mm、厚さ10μmの塗膜をスキージにより作製し、120℃で10分間加熱を行い、銅ナノ粒子ペースト中の有機溶媒を除去する乾燥を行った後、乾燥膜の焼成前の膜厚と、それぞれ10分間、150℃(実施例3)、200℃(実施例4)、250℃(実施例5)、300℃(実施例6)、350℃(実施例7)で焼成した後の膜厚を、薄膜観察装置(レーザー顕微鏡:VK−8700(株式会社キーエンス社製))を用いて測定し、下記式から求めた。
体積収縮率(%)=[(焼成後乾燥膜厚−焼成前膜厚)/焼成前膜厚]×100
上記評価から、溶媒を除いた状態での体積収縮率が評価できる。焼成は43℃/minで昇温を行い、10分間保持した後、自然冷却を行った。
実施例3〜7の評価結果を以下に示す。
焼成温度150℃(実施例3)の焼成前乾燥膜厚は8.96μmで、焼成後膜厚は8.78μmであり、体積収縮率は2.1%であった。焼成温度200℃(実施例4)の焼成前乾燥膜厚は8.88μmで、焼成後膜厚は8.60μmであり、体積収縮率は3.2%であった。焼成温度250℃(実施例5)の焼成前乾燥膜厚は9.12μmで、焼成後膜厚は8.80μmであり、体積収縮率は3.5%であった。焼成温度300℃(実施例6)の焼成前乾燥膜厚は9.02μmで、焼成後膜厚は8.67μmであり、体積収縮率は3.9%であった。焼成温度350℃(実施例7)の焼成前乾燥膜厚は8.91μmで、焼成後膜厚は8.50μmであり、体積収縮率は4.6%であった。評価の結果、ポリエチレンオキシド構造含有有機化合物(A)を分散剤として用いて合成した銅ナノ粒子ペースト(a−1)の乾燥膜の体積収縮率は350℃焼成においても5%以下であった。このことは、体積収縮を起こさないビアやトレンチのような基板に設けられた微細空間の充填材として、該銅ナノ粒子ペースト(a−1)が適していることを示している。
(試験例3)
<深さ1μm、線幅0.5μmのシリコン製モールドへ余剰分がない状態で銅ナノ粒子ペースト(a−1)を充填したときの体積収縮率評価>
上記合成例1において得られた銅ナノ粒子ペースト(a−1)を、深さ1μm、線幅0.5μmのシリコン製モールド(L/S(線幅/線間隔)=1:1)に金属ヘラを用いてスキージ充填した。その後、余剰分の銅ナノ粒子ペーストを除去するために、キムワイプ(日本製紙クレシア社製 ワイパーS200)を用いて、銅ナノ粒子ペースト(a−1)が充填されたシリコン製モールド上を数回拭払した。その後、窒素雰囲気下、250℃、無加圧条件下で焼成を行った。焼成は43℃/minで昇温を行い、10分間保持した後、自然冷却を行うことで、銅ナノ粒子充填シリコンモールド(実施例8)を得た。
得られた銅ナノ粒子充填シリコンモールドを切断し、クロスセクションポリッシャー研磨した後、白金スパッタ処理を行った断面のSEM観察結果を図3に示す。実験の結果、シリコン製モールドのライン部分に余剰の銅ナノ粒子は見られず、全て拭払できていることを確認した。また焼結体部分には体積収縮によるクラックは見られず、モールドの凹構造の壁面との剥離も見られなかった。
次に、上記実施例8で得られたシリコン製モールド溝中の銅ナノ粒子ペーストの体積収縮率をSEM画像から評価した(図4)。体積収縮率は、シリコン製モールド溝の全体面積(Xa)中の銅ナノ粒子で充填された面積(Ya)の割合から、下記式で求めた。
体積収縮率(%)=(1−銅ナノ粒子充填面積(Ya)/全体面積(Xa))×100
評価の結果、(Ya)は0.388μm、(Xa)は0.424μmで、体積収縮率は8.5%と小さい値であった。このことは、ポリエチレンオキシド構造含有有機化合物(A)を分散剤として用いて合成した銅ナノ粒子ペースト(a−1)が実用上においても、1μm程度の微小空間の充填に適していることを示している。
(比較合成例1)
<低分子分散剤であるオクチルアミン(C19N)(B)と銅ナノ粒子との複合体の合成>
硝酸銅5.6g、保護剤としてオクチルアミン9.2g、リノール酸2.1gをトリメチルペンタン1リットルに加え、攪拌混合し溶解した。この混合溶液に、0.01モル/リットルの水素化ホウ素ナトリウムを含むプロパノール溶液1リットルを1時間かけて滴下し銅を還元した。さらに、3時間攪拌して黒色の液体を得た。得られた黒色の液体をエバポレーターによって濃縮した後、これにメタノール2リットルを加えて褐色の沈殿物を生成させた後、吸引ろ過により沈殿物を回収した。生成した沈殿物をトリメチルペンタンに再分散させ、ろ過した後、乾燥させて、銅ナノ粒子(b)を黒色の固体として得た。得られた銅ナノ粒子を透過型電子顕微鏡(TEM)により観察すると、得られた銅ナノ粒子の一次粒子径は6nmであった。次に、TG−DTA測定による重量減少より、得られた銅ナノ粒子には15%のオクチルアミンが存在していることを確認した。
次に、得られた銅ナノ粒子乾燥粉末1.0gにアルゴンガス置換したグローブバッグ内で、30分間窒素バブリングしたテルピネオール(和光純薬工業製)を0.11g添加した後、乳鉢で10分間混合することで不揮発分90%の銅ナノ粒子ペースト(b−1)を得た。
(比較試験例1)
<薄膜観察装置による銅ナノ粒子ペースト(b−1)の体積収縮率試験>
比較合成例1で得られた銅ナノ粒子ペースト(b−1)を用いる以外は試験例1と同様にして、ガラススライド上に塗膜を作製し、120℃で10分間加熱を行い、銅ナノ粒子ペースト中(b−1)の有機溶媒を除去する乾燥を行った後、乾燥膜の焼成前の膜厚と、それぞれ10分間、150℃(比較例1)、200℃(比較例2)、250℃(比較例3)、300℃(比較例4)、350℃(比較例5)で焼成した後の体積収縮率を評価した。焼成は43℃/minで昇温を行い、10分間保持した後、自然冷却を行った。
比較例1〜5の評価結果を以下に示す。
焼成温度150℃(比較例1)の焼成前乾燥膜厚は8.12μmで、焼成後膜厚は4.43μmであり、体積収縮率は45.4%であった。焼成温度200℃(比較例2)の焼成前乾燥膜厚は8.23μmで、焼成後膜厚は3.87μmであり、体積収縮率は53.0%であった。焼成温度250℃(比較例3)の焼成前乾燥膜厚は8.01μmで、焼成後膜厚は3.67μmであり、体積収縮率は54.2%であった。焼成温度300℃(比較例4)の焼成前乾燥膜厚は8.11μmで、焼成後膜厚は3.54μmであり、体積収縮率は56.4%であった。焼成温度350℃(比較例5)の焼成前乾燥膜厚は8.19μmで、焼成後膜厚は3.53μmであり、体積収縮率は56.9%であった。評価の結果、オクチルアミン(B)を分散剤として用いて合成した銅ナノ粒子ペースト(b−1)の乾燥膜は150℃焼成においても45%以上と大きい体積収縮率を示した。これは、オクチルアミンの沸点が176℃と低いため、焼成によりオクチルアミンが揮発し、乾燥膜が体積収縮を起こしていることを示している。
(比較試験例2)
<深さ1μm、線幅0.5μmのシリコン製モールドへ余剰分がない状態で銅ナノ粒子ペースト(b−1)を充填したときの体積収縮率評価>
上記合成例2において得られた銅ナノ粒子ペースト(b−1)を用いた以外は、上記試験例3と同じ手法により、銅ナノ粒子充填シリコンモールド(比較例6)を得た。焼成は窒素雰囲気下、250℃、無加圧条件下で焼成を行った。焼成は43℃/minで昇温を行い、10分間保持した後、自然冷却を行った。
SEM観察結果を図5に示す。銅ナノ粒子ペースト(a−1)を用いた実施例6とは異なり、大きく体積収縮が起こっている。これは、分散剤であるオクチルアミンが焼成により揮発したためである。
次に、上記比較例6で得られたシリコン製モールド溝中の銅ナノ粒子ペースト(b−1)の体積収縮率を上記試験例3同様、シリコン製モールド溝の全体面積(Xb)中の銅ナノ粒子で充填された面積(Yb)の割合から求めた(図6)。
体積収縮率(%)=(1−銅ナノ粒子充填面積(Yb)/全体面積(Xb))×100
評価の結果、(Yb)は0.127μm、(Xb)は0.503μmで、体積収縮率は74.8%と大きい値であった。このことは、実用上において、低分子保護剤を用いた銅ナノ粒子ペースト(b−1)が微小空間の充填に適していないことを示している。
(比較合成例2)
<高分子分散剤であるポリビニルピロリドン(C)と銅ナノ粒子との複合体の合成>
3000mLガラス製四つ口フラスコをオイルバスに設置した。そこへ、窒素を50mL/分の流量で吹き込みながら、水酸化銅(Cu(OH))(和光純薬工業社製)(10g、0.1mol)を濃度0.5mol/Lのアンモニア水2500mLに溶解させ、さらに0.5mol/Lの酢酸アンモニアを添加してpHを10に調整し、銅アンミン錯体を含む溶液とした。次にこの溶液にポリビニルピロリドン(分子量10,000、和光純薬工業社製)25gを添加して攪拌溶解させた後、ヒドラジン一水和物(和光純薬工業)5gを添加し、60℃まで加温し2時間還元反応を行うことで一次粒子径が69nmの銅ナノ粒子水分散体を得た。
つづいて、この銅ナノ粒子水分散体をダイセン・メンブレン・システムズ社製の中空糸型限外濾過膜モジュール(HIT−1−FUS1582、145cm、分画分子量15万)中に循環させ、滲出する濾液と同量の0.1%ヒドラジン水和物水溶液を加えながら、限外濾過モジュールからの濾液が約6000mLとなるまで循環させて精製した。0.1%ヒドラジン水和物水溶液の供給を止め、そのまま限外濾過法により濃縮し、不揮発物含有量が32.1%の銅ナノ粒子水分散体30gを得た。
つづいて、得られた銅ナノ粒子水分散体30gを100mL三口フラスコに封入し、ウォーターバスを用いて40℃に加温を行いながら、減圧下、窒素を5ml/minの流速で流すことで、水を完全に除去することで、ポリビニルピロリドン被覆銅ナノ粒子乾燥粉末(c)9.2gを得た。TG−DTA測定による重量減少より、得られた銅ナノ粒子には4.2%のポリビニルピロリドンが存在していることを確認した。
次に、得られた乾燥粉末にアルゴンガス置換したグローブバッグ内で、30分間窒素バブリングしたエチレングリコールを1.0g添加した後、乳鉢で10分間混合することで不揮発分90%の銅ナノ粒子ペースト(c−1)を得た。
(比較試験例3)
<薄膜観察装置による銅ナノ粒子ペースト(c−1)の体積収縮率試験>
比較合成例2で得られた銅ナノ粒子ペースト(c−1)を用いる以外は試験例1と同様にして、ガラススライド上に塗膜を作製し、120℃で10分間加熱を行い、銅ナノ粒子ペースト中(c−1)の有機溶媒を除去する乾燥を行った後、乾燥膜の焼成前の膜厚と、それぞれ10分間、150℃(比較例7)、200℃(比較例8)、250℃(比較例9)、300℃(比較例10)、350℃(比較例11)で焼成した後の体積収縮率を評価した。焼成は43℃/minで昇温を行い、10分間保持した後、自然冷却を行った。
比較例7〜11の評価結果を以下に示す。
焼成温度150℃(比較例7)の焼成前乾燥膜厚は8.67μmで、焼成後膜厚は7.73μmであり、体積収縮率は10.8%であった。焼成温度200℃(比較例8)の焼成前乾燥膜厚は8.71μmで、焼成後膜厚は7.65μmであり、体積収縮率は12.2%であった。焼成温度250℃(比較例9)の焼成前乾燥膜厚は8.60μmで、焼成後膜厚は7.41μmであり、体積収縮率は13.8%であった。焼成温度300℃(比較例10)の焼成前乾燥膜厚は8.69μmで、焼成後膜厚は7.4μmであり、体積収縮率は14.9%であった。焼成温度350℃(比較例11)の焼成前乾燥膜厚は8.66μmで、焼成後膜厚は7.21μmであり、体積収縮率は16.7%であった。評価の結果、ポリビニルピロリドン(C)を分散剤として用いて合成した銅ナノ粒子ペースト(c−1)の乾燥膜は150℃焼成においても10%以上の体積収縮率を示し、実用面では不十分な性能であった。
本発明の充填用ペーストは、充填後は、充填部がバルク銅に近い融点と放熱性、電気伝導性を有することを利用し、半導体チップ上のパターン製造、ペースト圧入による電極成型など、とりわけ微細なパターニングを施された溝、又は、穴の充填に好適に利用可能である。また、加熱を繰り返しても充填部が再溶融しないので、リフロー温度の制約なしに二次・三次の実装ができ、実装手順の拡大にも寄与できる。

Claims (8)

  1. 炭素数8〜200のポリエチレンオキシド構造含有有機化合物(A)が複合した金属ナノ粒子(M)と、沸点150℃以上のアルコール系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒及びラクタム構造含有溶媒からなる群より選ばれる少なくとも一種の溶媒(S)とを含有することを特徴とする、ビア又はトレンチの充填に用いる導電性ペースト。
  2. 前記炭素数8〜200のポリエチレンオキシド構造含有有機化合物(A)が、
    下記一般式(1)で表される化合物、
    下記一般式(2)で表される化合物、
    下記一般式(3)で表される化合物、又は
    少なくとも一つの末端に下記一般式(4)で表される構造を有し且つ側鎖に炭素数8〜200のポリエチレンオキシド構造を有する(メタ)アクリル系重合体(重合体α)と、少なくとも一つの末端に下記一般式(4)で表される構造を有し且つ側鎖に−OP(O)(OH)で表されるリン酸エステル残基を有する(メタ)アクリル系重合体(重合体β)とを含有する化合物である請求項1に記載の導電性ペースト。
    W−(OCHCH)−O−CH−CH(OH)−CH−S−X (1)
    [W−(OCHCH)−O−CH−CH(OH)−CH−S−]Y (2)
    [W−(OCHCH)−O−CH−CH(OH)−CH−S−R−]Z (3)
    〔一般式(1)、(2)及び(3)中のWはC〜Cのアルキル基であり、nは4〜100の繰り返し数を示す整数であって、XはC〜C12のアルキル基、アリル基、アリール基、アリールアルキル基、−R−OH、−R−NHR、又は−R−(COR(但し、RはC〜Cの飽和炭化水素基であり、Rは水素原子、C〜Cのアシル基、C〜Cのアルコキシカルボニル基、又は芳香環上にC〜Cのアルキル基又はC〜Cのアルコキシ基を置換基として有していても良いベンジルオキシカルボニル基であり、Rはヒドロキシ基、C〜Cのアルキル基又はC〜Cのアルコキシ基であり、mは1〜3の整数である。)であり、Yは硫黄原子と直接結合するものが炭素原子である2〜4価の基であって、C〜Cの飽和炭化水素基又はC〜Cの飽和炭化水素基が−O−、−S−若しくは−NHR−(RはC〜Cの飽和炭化水素基である。)で2〜3個連結した基であり、dは2〜4の整数であり、RはC〜Cのアルキルカルボニルオキシ基であり、Zは硫黄原子と直接結合するものが炭素原子である2〜6価の基であって、C〜Cの飽和炭化水素基、C〜C飽和炭化水素基が−O−、−S−若しくは−NHR−(RはC〜Cの飽和炭化水素基である。)で2〜3個連結した基、又はイソシアヌル酸−N,N’,N”−トリエチレン基であり、tは2〜6の整数である。〕
    R−S− (4)
    〔一般式(4)中、Rは、炭素原子数1〜18の直鎖若しくは分岐状のアルキル基、又は、水酸基、炭素原子数1〜18の直鎖アルコキシ基、炭素原子数1〜18の分岐状アルコキシ基、アラルキルオキシ基、置換フェニルオキシ基、炭素原子数1〜18の直鎖アルキルカルボニルオキシ基、炭素原子数1〜18の分岐状アルキルカルボニルオキシ基、カルボキシ基、カルボキシ基の塩、炭素原子数1〜18の直鎖アルコキシカルボニル基、炭素原子数1〜18の分岐状アルコキシカルボニル基、リン酸基、炭素原子数1〜6の直鎖アルキルリン酸基、炭素原子数1〜6の分岐状アルキルリン酸基、スルホン酸基、炭素原子数1〜6の直鎖アルキルスルホン酸基、及び炭素原子数1〜6の分岐状アルキルスルホン酸基からなる群から選ばれる少なくとも1つの官能基を有する炭素原子数1〜8の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基を表す。〕
  3. 前記炭素数8〜200のポリエチレンオキシド構造含有有機化合物(A)が、
    下記一般式(1)で表される化合物、
    下記一般式(2)で表される化合物、又は
    下記一般式(3)で表される化合物である請求項1に記載の導電性ペースト。
    W−(OCHCH)−O−CH−CH(OH)−CH−S−X (1)
    [W−(OCHCH)−O−CH−CH(OH)−CH−S−]Y (2)
    [W−(OCHCH)−O−CH−CH(OH)−CH−S−R−]Z (3)
    〔式(1)、(2)及び(3)中のWはC〜Cのアルキル基であり、nは4〜100の繰り返し数を示す整数であって、XはC〜C12のアルキル基、アリル基、アリール基、アリールアルキル基、−R−OH、−R−NHR、又は−R−(COR(但し、RはC〜Cの飽和炭化水素基であり、Rは水素原子、C〜Cのアシル基、C〜Cのアルコキシカルボニル基、又は芳香環上にC〜Cのアルキル基又はC〜Cのアルコキシ基を置換基として有していても良いベンジルオキシカルボニル基であり、Rはヒドロキシ基、C〜Cのアルキル基又はC〜Cのアルコキシ基であり、mは1〜3の整数である。)であり、Yは硫黄原子と直接結合するものが炭素原子である2〜4価の基であって、C〜Cの飽和炭化水素基又はC〜Cの飽和炭化水素基が−O−、−S−若しくは−NHR−(RはC〜Cの飽和炭化水素基である。)で2〜3個連結した基であり、dは2〜4の整数であり、RはC〜Cのアルキルカルボニルオキシ基であり、Zは硫黄原子と直接結合するものが炭素原子である2〜6価の基であって、C〜Cの飽和炭化水素基、C〜C飽和炭化水素基が−O−、−S−若しくは−NHR−(RはC〜Cの飽和炭化水素基である。)で2〜3個連結した基、又はイソシアヌル酸−N,N’,N”−トリエチレン基であり、tは2〜6の整数である。〕
  4. 前記溶媒(S)が、沸点150℃以上のアルコール系溶媒及びエーテル系溶媒からなる群より選ばれる少なくとも一種の溶媒である、請求項1に記載の導電性ペースト。
  5. 前記金属ナノ粒子(M)が、銀ナノ粒子、銅ナノ粒子、銀コア銅シェルナノ粒子又は銅コア銀シェルナノ粒子であることを特徴とする、請求項1に記載の導電性ペースト。
  6. 前記金属ナノ粒子に複合する炭素数8〜200のポリエチレンオキシド構造含有有機化合物(A)の含有率が2〜15質量%である、請求項1に記載のビア又はトレンチ充填用導電性ペースト。
  7. 前記導電性ペーストがビア充填用であり、該ビアの直径が0.5〜10μmで、深さが0.5〜10μmである、請求項1〜6の何れか一項に記載の導電性ペースト。
  8. 前記導電性ペーストがトレンチ充填用であり、該トレンチのサイズが幅0.5〜10μm、深さ0.5〜10μmである、請求項1〜6の何れか一項に記載の導電性ペースト。
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