JP2017108758A - 生体用電気刺激デバイスと生体用電気刺激装置 - Google Patents

Abstract

【課題】顔面等の凹凸面に密着させても、刺激電極の伸縮性基材からの剥離を防止することができる生体用電気刺激デバイスを提供することを目的とする。【解決手段】本開示における生体用電気刺激デバイスは、エラストマー材料を含む伸縮性基材と、伸縮性基材上に配置される刺激電極と、刺激電極上に配置される生体適合膜と、を備え、刺激電極は、エラストマー材料と導電性材料との混合物からなる。本開示における生体用電気刺激デバイスは、顔のリフトアップを目的とした電気刺激において特に有用である。【選択図】図１

Description

本開示は、生体への電気刺激に用いられる生体用電気刺激デバイスに関する。

従来から、皮膚、皮下組織、神経、筋肉などに電気刺激を与えることで、組織を引き締めることが知られている。例えば、顔面の表情筋を電気的に刺激することにより、筋肉を引き締め、顔をリフトアップすることができる。

生体に電気刺激を与える顔面電気刺激装置は、例えば、特許文献１に開示されている。

顔面電気刺激装置は、刺激の出力を行う電気刺激装置と顔面の適正刺激部位に表面刺激電極を配置する電極装着マスクとを具備する。電極装着マスクは、表面刺激電極と電極貼付具である。表面刺激電極は、電極貼付具に貼付けられている。電極貼付具は、伸縮性を有しており、顔面の凹凸に沿って貼付けられる。

特開２００３−３３９８８４号公報

電極装着マスクは、顔面に密着するように装着される。そのため、伸縮性を有する電極貼付具は、顔面の凹凸に沿って曲がる。このとき、電極貼付具に設けられた表面刺激電極は、電極貼付部から剥離しやすいという課題があった。

本開示の生体用電気刺激デバイスは、エラストマー材料を含む伸縮性基材と、伸縮性基材上に配置される刺激電極と、刺激電極上に配置される生体適合膜と、を備える。刺激電極は、エラストマー材料と導電性材料との混合物からなる。

本開示の生体用電気刺激デバイスは、顔面等の凹凸面に密着させても、刺激電極の伸縮性基材からの剥離を防止することができるという効果を有する。

本実施の形態における生体用電気刺激デバイスを示す上面図 本実施の形態における生体用電気刺激デバイスの一部を示す断面図 本実施の形態における生体用電気刺激装置を示す模式図 本実施の形態における生体用電気刺激装置の別の例を示す模式図 本実施の形態における生体用電気刺激デバイスの別の例を示す断面図

以下では、本開示の実施の形態に係る生体用電気刺激デバイスについて、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本開示の好ましい一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置及び接続形態などは、一例であり、本開示を限定する趣旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請
求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。

また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。各図において、実質的に同一の構造については同一の符号を付しており、重複する説明は省略または簡略化している。
（実施形態）
本発明の一態様にかかる生体用電気刺激デバイスについて、図１から図５を参照して説明する。

生体用電気刺激デバイスは、例えば、美容器具として用いられる。生体用電気皮膚や筋肉に電気刺激を与える。生体用電気刺激デバイスは、顔や腕、足などの皮膚に密着して取り付けられ、皮膚や筋肉に電気的な刺激を与える。これにより、皮膚や筋肉は引き締められる。

図１は、生体用電気刺激デバイス１００を模式的に示す上面図である。図２に生体用電気刺激デバイス１００の２−２断面を模式的に示す断面図である。

生体用電気刺激デバイス１００は、伸縮性基材１１と、刺激電極１２と、生体適合膜１３とを有する。

生体用電気刺激デバイス１００は、顔に貼り付けられる。

伸縮性基材１１は、エラストマー材料を含む。エラストマー材料は、例えば、シリコン、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエーテルなどの樹脂材料である。

エラストマー材料をふくむ基材は、高い伸縮性を有する。そのため、伸縮性基材１１を用いることにより、生体用電気刺激デバイス１００は、凹凸を持つ皮膚に容易に密着する。なお、伸縮性基材１１は、絶縁体である。

また、伸縮性基材１１は、第一の孔１１１、第二の孔１１２、第三の孔１１３および第四の孔１１４を備える。

第一の孔１１１および第二の孔１１２は、生体用電気刺激デバイス１００を顔面に貼り付けたときの目の位置に配置される。第一の孔１１１および第二の孔１１２は、同じ形状である。

第三の孔１１３は、生体用電気刺激デバイス１００を顔面に貼り付けたときの口の位置に配置される。第三の孔１１３は、第一の孔１１１よりも大きい。また、第三の孔１１３の中心は、第一の孔１１１の中心と第二の孔１１２の中心とで二等辺三角形を形成する位置に設けられる。

第四の孔１１４は、生体用電気刺激デバイス１００を顔面に貼り付けたときの鼻の位置に配置される。第四の孔１１４は、第一の孔１１１より大きいとともに第三の孔１１３より小さい。第四の孔１１４の中心は、第一の孔１１１の中心と第二の孔１１２の中心と第三の孔１１３の中心とで形成される二等辺三角形の内部の領域に設けられる。

なお、第一の孔１１１〜第四の孔１１４は、それぞれ設けられなくてもよい。

刺激電極１２は、外部電源からの電気刺激を皮膚または筋肉に供給する。

刺激電極１２は、伸縮性基材１１の上面に設けられる。刺激電極１２は、エラストマー材料と導電性材料との混合物である。

エラストマー材料は、例えば、シリコン、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエーテルなどの樹脂材料である。刺激電極１２に含まれるエラストマー材料は、伸縮性基材１１と同じ材料である。同じ材料を用いることにより、伸縮性基材１１と刺激電極１２との密着性は高くなる。そのため、刺激電極１２の伸縮性基材１１からの剥離は抑制される。

導電性材料は、例えば、白金、金、銀、銅などの金属材料からなる粒子である。導電性材料は、導電性の高分子でもよい。導電性材料は、ワイヤなどでもよい。

なお、刺激電極１２に含まれるエラストマー材料は、伸縮性基材１１に含まれるエラストマー材料と異なっていてもよい。エラストマー材料が含まれる刺激電極１２は、金属のみからなる電極と比較して、高い柔軟性を有する。そのため、刺激電極１２の断線を防止することができる。

刺激電極１２は、電気刺激を印加するポイントに合わせて、配置される。刺激電極１２は、例えば、額や頬、目の周りなどに設けられる。

刺激電極１２には、配線１４が接続されている。

配線１４は、伸縮性基材１１の上面に設けられる。また、配線１４は、刺激電極１２と同様に、エラストマー材料と導電性材料との混合物である。エラストマー材料を含む配線１４は、断線しにくいという効果を有する。配線１４は、接続部１５に接続される。

接続部１５は、外部装置などに接続される。接続部１５は、配線１４と同じ材料で形成される。なお、接続部１５は、配線１４の一部であってもよい。

生体適合膜１３は、刺激電極１２上に配置される。刺激電極１２は、生体適合膜１３に覆われる。生体用電気刺激デバイス１００は、生体適合膜１３を介して、皮膚と接触する。そのため、刺激電極１２は、皮膚などと直接接触しない。したがって、金属アレルギーを有する人であっても、生体用電気刺激デバイス１００を利用することができる。

生体適合膜１３は、例えば、スチレンーイソブチレンースチレン共重合体で構成される。

生体適合膜１３は、導電性を有してもよい。これにより、生体用電気刺激デバイス１００は、効率よく電気刺激を生体に対して与えることができる。

また、生体適合膜１３は、多孔質体でもよい。多孔質体とすることにより、生体用電気刺激デバイス１００は、効率よく電気刺激を生体に対して与えることができる。

さらに、生体適合膜１３は、多孔質体の空隙部に皮膚浸透性化合物を備えていてもよい。生体用電気刺激デバイス１００は、皮膚浸透性化合物を電気的に移動させることができる。これにより、皮膚浸透性化合物は、効率よく皮下へ浸透する。

皮膚浸透性化合物は、例えば、コラーゲン、ヒアルロン酸などである。

次に、生体用電気刺激デバイス１００の製造方法について説明する。

エラストマー材料を含む伸縮性基材１１を用意する。そして、伸縮性基材１１の上面に、エラストマー材料と導電性材料の混合物のペーストを刺激電極１２および配線１４のパターンで印刷する。その後、ペーストを形成した伸縮性基材１１を加熱し、伸縮性基材１１と刺激電極１２とを密着させる。最後に、刺激電極１２を覆うように、生体適合膜１３を形成する。

図３は、生体用電気刺激装置を示す模式図である。生体用電気刺激装置２００は、生体用電気刺激デバイス１００および入力装置２０１を有する。

入力装置２０１は、入力情報を元に生体用電気刺激デバイス１００に電流を出力する。生体用電気刺激デバイス１００に入力された電流は、電気刺激として皮膚や筋肉に供給される。

入力装置２０１は、刺激電極１２に電流を供給する電源部２０２と供給する電流の大きさ、周波数または時間を制御する制御部２０３とを有する。

入力装置２０１は、生体用電気刺激デバイス１００の接続部１５と有線で接続されている。入力装置２０１は、携帯端末などでもよい。

電源部２０２は、例えば、電池や商用電源である。

制御部２０３は、電気刺激の大きさ、周波数または時間などの入力情報を制御する。入力情報は、美容や治療など、目的に応じて決定される。また、入力情報は、使用者が決定してもよい。

なお、図４に示すように、入力装置２０１と生体用電気刺激デバイス１００は、無線で接続されていてもよい。入力装置２０１は、例えば、携帯端末である。生体用電気刺激デバイス１００の接続部１５には、電源部２０２および受信機２０４が接続される。また、入力装置２０１は、制御部２０３および送信機２０５を備える。このとき、入力情報は、無線により生体用電気刺激デバイス１００に伝達される。

以上、説明したように、生体用電気刺激デバイス１００は、伸縮性基材１１と刺激電極１２との剥離を防止することができる。そのため、生体用電気刺激デバイス１００は、効率よく、皮膚や筋肉に電気刺激を与えることができる。

尚、上記実施形態は、以下のように変更してもよい。
（変形例１）
図５は、本実施の形態における生体用電気刺激デバイス１００の変形例を示す断面図である。

刺激電極１２および配線１４は、伸縮性基材１１に埋設している。そして、刺激電極１２および配線１４の上面の端部は、伸縮性基材１１で覆われている。つまり、刺激電極１２および生体適合膜１３との間には、伸縮性基材１１の一部が設けられる。

刺激電極１２の上面には、生体適合膜１３が配置されている。したがって、刺激電極１２の上面には、伸縮性基材１１および生体適合膜１３が形成されている。

このような構成とすることにより、生体用電気刺激デバイス１００は、さらに伸縮性基材１１と刺激電極１２との剥離を抑制することができる。

以上、一つまたは複数の態様に係る生体用電気刺激デバイスについて、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、この実施の形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、一つまたは複数の態様の範囲内に含まれてもよい。

本開示は、顔のリフトアップを目的とした電気刺激において特に有用である。

１１ 伸縮性基材
１２ 刺激電極
１３ 生体適合膜
１４ 配線
１５ 接続部
１００ 生体用電気刺激デバイス
１１１ 第一の孔
１１２ 第二の孔
１１３ 第三の孔
１１４ 第四の孔
２００ 生体用電気刺激装置
２０１ 入力装置
２０２ 電源部
２０３ 制御部
２０４ 受信機
２０５ 送信機

Claims (8)

1. エラストマー材料を含む伸縮性基材と、
   前記伸縮性基材上に配置される刺激電極と、
   前記刺激電極上に配置される生体適合膜と、を備え、
   前記刺激電極は、前記エラストマー材料と導電性材料との混合物からなる、
   生体用電気刺激デバイス。
2. 前記刺激電極は前記伸縮性基材に埋設され、
   前記刺激電極および前記生体適合膜との間には、前記伸縮性基材の一部が設けられる、
   請求項１に記載の生体用電気刺激デバイス。
3. 前記生体適合膜は、多孔質体である、
   請求項１に記載の生体用電気刺激デバイス。
4. 前記生体適合膜は、皮膚浸透性化合物を含む、
   請求項３に記載の生体用電気刺激デバイス。
5. 前記生体適合膜は、導電性を有する、
   請求項１に記載の生体用電気刺激デバイス。
6. 前記伸縮性基材は、第一の孔、第二の孔、第三の孔と、を備え、
   前記第一の孔および前記第二の孔は同じ形状であり、
   前記第三の孔は、前記第一の孔よりも大きく、
   前記第三の孔は、前記第一の孔と前記第二の孔とで二等辺三角形を形成する位置に設けられる、
   請求項１に記載の生体用電気刺激デバイス。
7. 前記伸縮性基材は、第四の孔と、をさらに備え、
   前記第四の孔は、前記第一の孔より大きいとともに前記第三の孔より小さく、
   前記第四の孔は、前記第一の孔と前記第二の孔と前記第三の孔とで形成さえる前記二等辺三角形の内部の領域に設けられる、
   請求項６に記載の生体用電気刺激デバイス。
8. 請求項１に記載の生体用電気刺激デバイスと、
   前記生体用電気刺激デバイスに接続される入力装置と、を備える、
   生体用電気刺激装置。