JP2017107904A - 熱処理方法と熱処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】低酸素濃度雰囲気における熱処理を、簡素な構成で行うことができる熱処理方法と熱処理装置を提供する。
【解決手段】熱処理方法は、基板Wを加熱する加熱工程と、基板Wを冷却する冷却工程を備えている。加熱工程では、基板Wと基板Wの上面に近接している蓋部21との間に不活性ガスを供給することにより、基板Wの上面を不活性ガスで覆う。冷却工程では、基板Wと基板Wの上面Wsに近接している蓋部21との間に不活性ガスを供給することにより、基板Wの上面を不活性ガスで覆う。
【選択図】図5
【解決手段】熱処理方法は、基板Wを加熱する加熱工程と、基板Wを冷却する冷却工程を備えている。加熱工程では、基板Wと基板Wの上面に近接している蓋部21との間に不活性ガスを供給することにより、基板Wの上面を不活性ガスで覆う。冷却工程では、基板Wと基板Wの上面Wsに近接している蓋部21との間に不活性ガスを供給することにより、基板Wの上面を不活性ガスで覆う。
【選択図】図5
Description
本発明は、半導体ウェハ、フォトマスク用のガラス基板、液晶表示用のガラス基板、光ディスク用の基板など(以下、単に基板と称する)に、低酸素濃度雰囲気で熱処理を行う熱処理方法と熱処理装置に関する。
低酸素濃度雰囲気における熱処理は、例えば、所望の特性を有する塗膜を得るために行われる。例えば、SOD(Spin-on-Dielectronics)やポリイミド等の低誘電体材料が塗布された基板を、低酸素濃度雰囲気において熱処理すると、誘電率の低い層間絶縁膜を基板上に形成できる。あるいは、誘導自己組織化材料が塗布された基板を、低酸素濃度雰囲気において熱処理すると、適切に相分離可能な誘導自己組織化材料の塗膜を基板上に形成できる。
従来、低酸素濃度雰囲気で熱処理を行う熱処理装置は、チャンバーと搬送アームとゲートバルブとヒータとガス供給部と気体排出部を備える。チャンバーは、基板を処理するための処理室と基板を通すための開口を有する。搬送アームは、処理室に基板を搬送し、処理室から基板を搬出する。搬送アームの内部には冷却配管が設けられている。冷却配管には冷却水が流れる。ゲートバルブは開口を開閉する。ゲートバルブが開口を遮蔽すると、処理室は密閉される。ヒータは処理室に設置されており、基板を加熱する。ガス供給部は処理室に不活性ガスを供給する。ガス供給部は、第1ガス供給部と第2ガス供給部とを備える。第1ガス供給部は、チャンバーの上部に設けられ、ヒータに向かって不活性ガスを吹き出す。第2ガス供給部は、チャンバーの側部に設けられ、開口に向かって不活性ガスを吹き出す。気体排出部は、処理室から気体を排出する。気体排出部は、第1気体排出部と第2気体排出部を備える。第1気体排出部は、ヒータの周囲の気体を吸い込む。第2気体排出部は、開口の近傍の気体を吸い込む。
このように構成される熱処理装置の動作は、以下の通りである。まず、搬送アームが開口を通じて基板を処理室に搬入する。続いて、ゲートバルブが開口を遮蔽し、処理室を密閉する。第1ガス供給部が不活性ガスをヒータに向けて吹き出し、第1気体排出部がヒータの周囲の気体を吸い込む。これにより、処理室は、低酸素濃度雰囲気に保たれる。加熱部は低酸素濃度雰囲気において基板を加熱する。
基板に対する加熱処理が終わると、ゲートバルブが開口を開放する。第2気体供給部が不活性ガスを開口に向けて吹き出し、開口から処理室に酸素が流入することを予防する。第2気体排出部が開口の近傍の気体を吸い込み、開口から処理室に流入してしまった酸素を速やかに処理室外に排出する。これにより、開口が開放されていても、処理室は低酸素濃度雰囲気に保たれる。この状態で、搬送アームが処理室に進入し、処理室内で基板を保持する。基板は、搬送アームに保持された状態で、冷却配管を流れる冷却水によって冷却される。
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
従来例では、処理室を低酸素濃度雰囲気に保つために、熱処理装置は多くの構成を備えている。例えば、熱処理装置は、処理室を密閉するためのゲートバルブを備えている。ガス供給部は、位置および吹き出し方向が異なる複数のガス供給部を備えている。気体排出部は、位置が異なる複数の気体排出部を備えている。
従来例では、処理室を低酸素濃度雰囲気に保つために、熱処理装置は多くの構成を備えている。例えば、熱処理装置は、処理室を密閉するためのゲートバルブを備えている。ガス供給部は、位置および吹き出し方向が異なる複数のガス供給部を備えている。気体排出部は、位置が異なる複数の気体排出部を備えている。
さらに、処理室の気密性を確保するために、熱処理装置は、チャンバーに取り付けられるシール部材やパッキン部材などを備えていることが多い。
このため、熱処理装置の構造が複雑となり、熱処理装置のコストが高価になる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、低酸素濃度雰囲気における熱処理を、簡素な構成で行うことができる熱処理方法と熱処理装置を提供することを目的とする。
本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、本発明は、熱処理方法であって、基板と基板の上面に近接している蓋部との間に不活性ガスを供給することにより、基板の上面を不活性ガスで覆った状態で、基板を加熱する加熱工程と、基板と基板の上面に近接している前記蓋部との間に不活性ガスを供給することにより、基板の上面を不活性ガスで覆った状態で、基板を冷却する冷却工程と、を備えている熱処理方法である。
すなわち、本発明は、熱処理方法であって、基板と基板の上面に近接している蓋部との間に不活性ガスを供給することにより、基板の上面を不活性ガスで覆った状態で、基板を加熱する加熱工程と、基板と基板の上面に近接している前記蓋部との間に不活性ガスを供給することにより、基板の上面を不活性ガスで覆った状態で、基板を冷却する冷却工程と、を備えている熱処理方法である。
[作用・効果]本発明に係る熱処理方法は、基板を加熱する加熱工程と基板を冷却する冷却工程を備えている。
加熱工程では、蓋部は基板の上面に近接している。ここで、「基板の上面に近接している」とは、基板の上面と接触することを含まない。加熱工程では、さらに、蓋部と基板の間に不活性ガスを供給する。これにより、基板の上面を不活性ガスで容易に覆うことができる。すなわち、酸素濃度が大気よりも低い雰囲気で基板の上面を容易に覆うことができる。以下では、「酸素濃度が大気よりも低い雰囲気」を、低酸素濃度雰囲気と呼ぶ。低酸素濃度雰囲気の一例が、不活性ガス雰囲気である。よって、基板に対する加熱処理を、低酸素濃度雰囲気下で容易に実行できる。
冷却工程では、蓋部は基板に上面に近接している。冷却工程では、さらに、蓋部と基板の間に不活性ガスが供給される。これにより、基板の上面を不活性ガスで容易に覆うことができる。よって、基板に対する冷却処理を、低酸素濃度雰囲気下で容易に実行できる。
このように、本発明に係る熱処理方法によれば、低酸素濃度雰囲気における熱処理を簡素な構成で行うことができる。なお、単に「熱処理」と記載するときは、加熱処理および冷却処理を含むものとする。
上述した発明において、前記加熱工程では、加熱部が加熱位置に位置する基板を加熱し、かつ、前記蓋部は前記加熱位置の基板に近接した位置に位置しており、前記冷却工程では、基板と前記蓋部とが互いに近接したまま、基板は前記加熱位置よりも前記加熱部から遠い非加熱位置に移動することが好ましい。加熱工程では、基板が加熱位置に位置しているので、加熱部は基板を好適に加熱できる。また、蓋部が加熱位置の基板の上面に近接しているので、基板の上面を不活性ガスで容易に覆うことができる。冷却工程は、基板が加熱位置から非加熱位置に移動する動作を含む。この動作中も蓋部と基板は互いに近接しているので、基板の上面を不活性ガスで容易に覆うことができる。よって、基板に対する冷却処理の品質を一層向上できる。
また、本発明は、熱処理方法であって、基板と基板の上方を覆う蓋部との間に不活性ガスを供給することにより、基板の上面を不活性ガスで覆った状態で、加熱部が加熱位置に位置する基板を加熱する加熱工程と、基板と前記蓋部との間に不活性ガスを供給することにより、基板の上面を不活性ガスで覆った状態で、かつ、基板と前記蓋部との間隔を略一定に保ったまま、基板が前記加熱位置よりも前記加熱部から遠い非加熱位置に移動する冷却工程と、を備える熱処理方法である。
[作用・効果]本発明に係る熱処理方法は、加熱部が基板を加熱する加熱工程と、基板が非加熱位置に移動する冷却工程を備えている。
加熱工程では、基板と蓋部の間に不活性ガスが供給される。これにより、基板の上面を不活性ガスで容易に覆うことができる。よって、基板に対する加熱処理を、低酸素濃度雰囲気下で容易に実行できる。
冷却工程では、基板と蓋部の間に不活性ガスが供給される。これにより、基板の上面を不活性ガスで容易に覆うことができる。さらに、基板と前記蓋部との間隔は略一定に保たれる。これにより、基板の上面を不活性ガスで覆った状態を容易に維持できる。よって、基板に対する冷却処理(非加熱位置への移動)を、低酸素濃度雰囲気下で容易に実行できる。
このように、本発明に係る熱処理方法によれば、低酸素濃度雰囲気における熱処理を簡素な構成で行うことができる。
上述した発明において、基板が所定の温度未満になるまで、前記冷却工程を実行することが好ましい。基板が所定の温度未満になるまで、低酸素濃度雰囲気における基板の冷却処理を実行する。よって、基板が所定の温度以上であるときに基板が酸素と接触することを防止できる。これにより、基板に対する熱処理の品質が損なわれることを効果的に防止できる。なお、基板が所定の温度未満になった後も冷却工程を継続してもよいし、基板が所定の温度未満になったときに、冷却工程を終了してもよい。
上述した発明において、前記冷却工程の期間の少なくとも一部において、前記加熱工程のときよりも多量の不活性ガスを前記蓋部と基板との間に供給することが好ましい。基板を速やかに冷却できる。
上述した発明において、前記蓋部と基板とは、側部が開放された隙間空間を、前記蓋部と基板との間に区画しており、前記蓋部と基板との間に供給された不活性ガスは、前記隙間空間の側部から前記隙間空間の外側へ流出することが好ましい。隙間空間の上部は蓋部と接し、隙間空間の下部は基板の上面と接する。ただし、隙間空間の側部は開放されている。このように、隙間空間は、密閉(閉塞)された空間ではなく、開放された空間である。不活性ガスを蓋部と基板との間に供給すると、不活性ガスは隙間空間の側部を通じて隙間空間の外側へ流出する。これにより、隙間空間の気体が不活性ガスに置換され、基板の上面が不活性ガスで覆われる。このように、隙間空間を密閉せずに、基板の上面を不活性ガスで容易に覆うことができる。
上述した発明において、前記冷却工程では、前記蓋部の下面から前記蓋部と基板との間に不活性ガスを吹き出すことが好ましい。基板の上面を不活性ガスで容易に覆うことができる。
上述した発明において、前記冷却工程では、基板の上面に向かって不活性ガスを吹き出すことが好ましい。基板の上面を不活性ガスで容易に覆うことができる。
また、本発明は、熱処理装置であって、基板を加熱する加熱部と、基板を支持する支持部と、基板の上方を覆う蓋部と、前記加熱部と前記支持部とを相対的に移動させ、かつ、前記加熱部と前記蓋部とを相対的に移動させる移動部と、前記蓋部と基板との間に不活性ガスを供給するガス供給部と、前記移動部と前記ガス供給部とを制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記加熱部によって加熱される加熱位置と、前記加熱位置よりも前記加熱部から遠い非加熱位置とに基板を位置させ、基板が前記加熱位置に位置しているとき、前記制御部は、前記加熱位置の基板に近接した位置に前記蓋部を位置させ、かつ、前記蓋部と基板との間に不活性ガスを供給させ、基板が前記非加熱位置に位置しているとき、前記制御部は、前記非加熱位置の基板に近接した位置に前記蓋部を位置させ、かつ、前記蓋部と基板との間に不活性ガスを供給させる熱処理装置である。
[作用・効果]熱処理装置は加熱部と支持部と移動部を備えているので、基板を加熱位置と非加熱位置に位置させることができる。また、熱処理装置は支持部と蓋部と移動部を備えているので、蓋部を基板に近接した位置に位置させることができる。さらに、熱処理装置はガス供給部を備えているので、蓋部と基板との間に不活性ガスを供給させることができる。
熱処理装置は制御部を備えているので、基板が加熱位置に位置しているとき、基板に近接した位置に蓋部を位置させ、かつ、蓋部と基板との間に不活性ガスを供給させることができる。これにより、基板の上面を不活性ガスで容易に覆うことができ、基板に対する加熱処理を、低酸素濃度雰囲気下で容易に実行できる。
さらに、熱処理装置は制御部を備えているので、基板が非加熱位置に位置しているとき、基板に近接した位置に蓋部を位置させ、かつ、蓋部と基板との間に不活性ガスを供給させることができる。これにより、基板の上面を不活性ガスで容易に覆うことができ、基板に対する冷却処理を、低酸素濃度雰囲気下で容易に実行できる。
このように、本発明に係る熱処理装置によれば、低酸素濃度雰囲気における熱処理を簡素な構成で行うことができる。
上述した発明において、前記非加熱位置の基板が所定の温度以上であるとき、前記制御部は、前記非加熱位置の基板に近接した位置に前記蓋部を位置させ、かつ、前記蓋部と基板との間に不活性ガスを供給させることが好ましい。非加熱位置に位置している基板Wが所定の温度未満になるまで、非加熱位置に位置している基板の上面を不活性ガスで覆うことができる。これにより、基板が所定の温度以上であるときに基板が酸素と接触することを防止できる。よって、基板に対する熱処理の品質が損なわれることを効果的に防止できる。なお、非加熱位置の基板が所定の温度未満であるときに、制御部は、蓋部と基板との間に不活性ガスを供給させてもよいし、蓋部と基板との間に不活性ガスを供給させなくてもよい。
上述した発明において、前記制御部は、前記加熱位置から前記非加熱位置に基板を移動させ、基板が前記加熱位置から前記非加熱位置に移動するとき、前記制御部は、前記蓋部を基板に近接した位置に保ち、かつ、前記蓋部と基板との間に不活性ガスを供給させることが好ましい。熱処理装置は加熱部と支持部と移動部を備えているので、基板を加熱位置から非加熱位置に移動させることができる。熱処理装置は制御部を備えているので、基板が加熱位置から非加熱位置に移動する期間にわたって、蓋部を基板に近接した位置に保ち、かつ、蓋部と基板との間に不活性ガスを供給させることができる。これにより、基板が加熱位置から非加熱位置に移動するとき、基板の上面を不活性ガスで容易に覆うことができ、基板に対する熱処理の品質を一層向上できる。
また、本発明は、熱処理装置であって、基板を加熱する加熱部と、基板を支持する支持部と、基板の上方を覆う蓋部と、前記加熱部と前記支持部とを相対的に移動させ、かつ、前記加熱部と前記蓋部とを相対的に移動させる移動部と、前記蓋部と基板との間に不活性ガスを供給するガス供給部と、前記移動部と前記ガス供給部とを制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記加熱部によって加熱される加熱位置から、前記加熱位置よりも前記加熱部から遠い非加熱位置に基板を移動させ、基板が前記加熱位置から前記非加熱位置に移動するとき、前記制御部は、前記基板と蓋部との間隔を略一定に保ち、かつ、前記蓋部と基板との間に不活性ガスを供給させる熱処理装置である。
[作用・効果]熱処理装置は加熱部と支持部と移動部を備えているので、基板を加熱位置から非加熱位置に移動させることができる。また、熱処理装置は支持部と蓋部と移動部を備えているので、蓋部と基板との間隔を略一定に保つことができる。さらに、熱処理装置はガス供給部を備えているので、蓋部と基板との間に不活性ガスを供給させることができる。
熱処理装置は制御部を備えているので、基板が加熱位置から非加熱位置に移動するとき、基板と蓋部との間隔を略一定に保ち、かつ、前記蓋部と基板との間に不活性ガスを供給させることができる。これにより、基板の上面を不活性ガスで覆った状態を容易に維持でき、基板に対する熱処理を、低酸素濃度雰囲気下で容易に実行できる。
このように、本発明に係る熱処理装置によれば、低酸素濃度雰囲気における熱処理を簡素な構成で行うことができる。
上述した発明において、前記制御部は、基板が所定の温度以上であり、かつ、前記加熱位置にない期間の少なくとも一部において、基板が前記加熱位置に位置しているときよりも多量の不活性ガスを蓋部と基板との間に供給させることが好ましい。加熱部が加熱していない基板が所定の温度以上である場合には、基板の上面を不活性ガスで覆った状態で、基板を所定の温度未満まで速やかに冷却できる。
ここで、「基板が所定の温度以上であり、かつ、前記加熱位置にない期間」とは、基板の温度が所定の温度以上であり、かつ、基板が加熱以外の位置にある期間である。「基板が所定の温度以上であり、かつ、前記加熱位置にない期間」は、例えば、基板が所定の温度以上であり、かつ、基板が加熱位置から非加熱位置に移動している期間である。「基板が所定の温度以上であり、かつ、前記加熱位置にない期間」は、例えば、基板が所定の温度以上であり、かつ、基板が非加熱位置に位置している期間である。
上述した発明において、前記蓋部と基板とは、側方が開放された隙間空間を、前記蓋部と基板との間に区画しており、前記蓋部と基板との間に供給された不活性ガスは、前記隙間空間の側部から前記隙間空間の外側へ流出することが好ましい。隙間空間の上部は蓋部と接し、隙間空間の下部は基板の上面と接する。ただし、隙間空間の側部は開放されている。このように、隙間空間は、密閉(閉塞)された空間ではなく、開放された空間である。不活性ガスを蓋部と基板との間に供給すると、不活性ガスは隙間空間の側部を通じて隙間空間の外側へ流出する。これにより、隙間空間の気体が不活性ガスに置換され、基板の上面が不活性ガスで覆われる。このように、隙間空間を密閉せずに、基板の上面を不活性ガスで容易に覆うことができる。
上述した発明において、前記ガス供給部は、基板の上方に配置され、不活性ガスを吹き出す吹出口を備えることが好ましい。ガス吹出口は、基板よりも高い位置であって、平面視で基板と重なる位置に配置されている。よって、ガス吹出口は、基板の上面に向けて不活性ガスを好適に吹き出すことができる。これにより、基板の上面を不活性ガスで好適に覆うことができる。なお、ガス供給部は1つの吹出口を備えてもよいし、複数の吹出口を備えてもよい。
なお、本明細書は、次のような熱処理方法および熱処理装置に係る発明も開示している。
(1)上述した熱処理方法において、前記冷却工程における前記蓋部と基板との間隔は、前記加熱工程における前記蓋部と基板との間隔と略同等である熱処理方法。
前記(1)に記載の熱処理方法によれば、加熱工程と冷却工程との間で、蓋部と基板との間隔は略変動しない。よって、加熱工程から冷却工程に移行するとき、基板の上面を不活性ガスで覆った状態を容易に維持できる。
(2)上述した熱処理方法において、前記冷却工程では、基板と前記蓋部との間隔を略一定に保ったまま、基板が前記加熱位置よりも前記加熱部から遠い非加熱位置に移動する熱処理方法。
前記(2)に記載の熱処理方法によれば、基板が加熱位置から非加熱位置に移動するとき、蓋部と基板との間隔は略変動しない。よって、基板が加熱位置から非加熱位置に移動するとき、基板の上面を不活性ガスで覆った状態を容易に維持できる。
(3)上述した熱処理装置において、前記移動部は、前記加熱部に対して前記支持部および前記蓋部を一体に移動させる熱処理装置。
前記(3)に記載の熱処理装置によれば、基板を移動するとき、基板と蓋部との間隔を略一定に容易に保つことができる。
(4)上述した熱処理方法において、前記冷却工程では、基板が前記非加熱位置に移動した後、基板は非加熱位置に位置しており、かつ、前記蓋部は非加熱位置の基板に近接した位置に位置している熱処理方法。
前記(4)によれば、冷却工程では、基板が非加熱位置に位置することによって、基板を好適に冷却できる。また、基板が非加熱位置に位置しているときも、基板の上面を不活性ガスで容易に覆うことができる。
(5)上述した熱処理方法において、基板と前記蓋部との間に不活性ガスを供給することにより、基板の上面を不活性ガスで覆った状態で、かつ、基板と前記蓋部との間隔を略一定に保ったまま、基板が前記加熱位置に移動する搬入工程を備えている熱処理方法。
前記(5)に記載の熱処理方法によれば、搬入工程は、基板が加熱位置に移動する動作を含む。この動作中も、基板の上面を不活性ガスで容易に覆うことができる。これにより、基板の上面を不活性ガスで覆った状態で、加熱工程を始めることができる。よって、基板に対する加熱処理の品質を一層向上できる。
(6)上述した熱処理装置において、前記制御部は、前記加熱位置に基板を移動させ、基板が前記加熱位置に移動するとき、前記制御部は、前記蓋部を基板に近接した位置に保ち、かつ、前記蓋部と基板との間に不活性ガスを供給させる熱処理装置。
前記(6)に記載の熱処理装置によれば、前記(5)の熱処理方法を好適に実行できる。
(7)上述した熱処理方法において、前記加熱工程では、前記蓋部の下面から前記蓋部と基板との間に不活性ガスを吹き出す熱処理方法。
前記(7)に記載の熱処理方法によれば、加熱工程において、基板の上面を不活性ガスで好適に覆うことができる。
(8)上述した熱処理方法において、前記冷却工程/前記加熱工程では、基板の上方から不活性ガスを吹き出す熱処理方法。
前記(8)に記載の熱処理方法によれば、冷却工程/加熱工程において、基板の上面を不活性ガスで好適に覆うことができる。
(9)上述した熱処理方法において、前記冷却工程/前記加熱工程では、基板の上面の中央部に向かって不活性ガスを吹き出す熱処理方法。
前記(9)に記載の熱処理方法によれば、冷却工程/加熱工程において、基板の中央部から周縁部にわたる基板の上面全体を、不活性ガスで覆うことができる。
(10)上述した熱処理装置において、前記吹出口は、前記蓋部の下面に配置される熱処理装置。
前記(10)に記載の熱処理装置によれば、蓋部の下面から蓋部と基板との間に不活性ガスを好適に吹き出すことができる。
(11) 熱処理方法であって、基板と基板の上方を覆う蓋部との間に不活性ガスを供給することにより、基板の上面を不活性ガスで覆った状態で、基板を加熱する加熱工程と、基板と前記蓋部との間に不活性ガスを供給することにより、基板の上面を不活性ガスで覆った状態で、基板を冷却する冷却工程と、を備え、前記冷却工程における前記蓋部と基板との間隔は、前記加熱工程における前記蓋部と基板との間隔と略同等である熱処理方法。
前記(11)に記載の熱処理方法は、基板を加熱する加熱工程と基板を冷却する冷却工程を備えている。
加熱工程では、基板と蓋部の間に不活性ガスが供給される。これにより、基板の上面を不活性ガスで容易に覆うことができる。よって、基板に対する加熱処理を、低酸素濃度雰囲気下で容易に実行できる。
冷却工程では、基板と蓋部の間に不活性ガスが供給される。これにより、基板の上面を不活性ガスで容易に覆うことができる。よって、基板に対する冷却処理を、低酸素濃度雰囲気下で容易に実行できる。
このように、本発明に係る熱処理方法によれば、低酸素濃度雰囲気における熱処理を簡素な構成で行うことができる。
さらに、加熱工程と冷却工程との間で、蓋部と基板との間隔は略変動しない。よって、加熱工程から冷却工程に移行するとき、基板の上面を不活性ガスで覆った状態を容易に維持できる。
(12)熱処理装置であって、基板を加熱する加熱部と、基板を支持する支持部と、基板の上方を覆う蓋部と、前記加熱部と前記支持部とを相対的に移動させ、かつ、前記加熱部と前記蓋部とを相対的に移動させる移動部と、前記蓋部と基板との間に不活性ガスを供給するガス供給部と、前記移動部と前記ガス供給部とを制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記加熱部によって加熱される加熱位置と、前記加熱位置よりも前記加熱部から遠い非加熱位置とに基板を位置させ、基板が所定の温度以上であるとき、前記制御部は、前記蓋部を基板に近接した位置に位置させ、かつ、前記蓋部と基板との間に不活性ガスを供給させる熱処理装置。
前記(12)に記載の熱処理装置は、加熱部と支持部と移動部を備えているので、基板を加熱位置と位置させて基板を加熱でき、基板を非加熱位置に位置させて、基板を冷却できる。また、熱処理装置は、支持部と蓋部と移動部を備えているので、蓋部を基板に近接した位置に位置させることができる。さらに、熱処理装置は、ガス供給部を備えているので、蓋部と基板との間に不活性ガスを供給させることができる。
熱処理装置は制御部を備えているので、基板が所定の温度以上であるとき、蓋部を基板に近接した位置に位置させ、かつ、前記蓋部と基板との間に不活性ガスを供給させることができる。これにより、基板の上面を不活性ガスで容易に覆うことができる。よって、基板に対する熱処理を、低酸素濃度雰囲気下で容易に実行できる。
このように、本発明に係る熱処理装置によれば、低酸素濃度雰囲気における熱処理を簡素な構成で行うことができる。
さらに、基板が所定の温度以上であるときに基板が酸素と接触することを防止できる。これにより、基板に対する熱処理の品質が損なわれることを効果的に防止できる。なお、基板が所定の温度未満であるときには、制御部は、蓋部と基板との間に不活性ガスを供給させてもよいし、蓋部と基板との間に不活性ガスを供給させなくてもよい。
本発明に係る熱処理方法および熱処理装置によれば、低酸素濃度雰囲気における熱処理を、簡素な構成で行うことができる。
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
図1は、実施例に係る熱処理装置の垂直断面図であり、図2は、実施例に係る熱処理装置の平面図である。各図において、「X」、「Y」は互いに直交する水平方向を示し、「Z」は鉛直方向(上下方向ともいう)を示す。
図1は、実施例に係る熱処理装置の垂直断面図であり、図2は、実施例に係る熱処理装置の平面図である。各図において、「X」、「Y」は互いに直交する水平方向を示し、「Z」は鉛直方向(上下方向ともいう)を示す。
実施例1に係る熱処理装置は、低酸素濃度雰囲気において基板Wに熱処理を行う装置である。
ここで、「基板W」とは、半導体ウェハ、フォトマスク用のガラス基板、液晶表示装置用のガラス基板、プラズマディスプレイ用の基板、光ディスク用の基板、磁気ディスク用の基板、光磁気ディスク用の基板などをいう。また、低酸素濃度雰囲気は、大気よりも酸素濃度が低い雰囲気をいう。低酸素濃度雰囲気は、例えば不活性ガス雰囲気である。
熱処理装置1は、チャンバー3を備える。チャンバー3は、その内部に空間(以下、「内部空間」という)Aを有する。内部空間Aには、垂直な隔壁4が設けられている。隔壁4は、チャンバー3の内部空間Aを、加熱室A1と搬送室A2とに仕切る。
隔壁4には基板Wが通るための搬送口Bが形成されている。搬送口Bの近傍には、シャッター5が設けられている。シャッター5は、開放位置と閉じ位置との間にわたって移動可能である。図1では、開放位置にあるシャッター5を実線で示し、閉じ位置にあるシャッター5を点線で示す。シャッター5が開放位置にあるとき、搬送口Bは開放されている。他方、シャッター5が閉じ位置にあるとき、搬送口Bの一部分が遮蔽されているだけであり、搬送口Bは完全に遮蔽されない。すなわち、加熱室A1は、密閉可能な空間ではなく、常に搬送室A2に開放されている空間である。
熱処理装置1は、基板Wを加熱する加熱部11を備えている。加熱部11は、加熱室A1に設置されている。加熱部11は、チャンバー3に固定されている。加熱部11は、水平な円盤形状を有する。加熱部11は、平坦な上面11sを有する。上面11sは、基板Wよりも大きい円形を有する。加熱部11は、加熱位置に位置する基板Wを加熱する。加熱位置は、例えば、加熱部11(上面11s)と接触する位置である。図1では、加熱位置にある基板Wを実線で示す。
加熱部11の具体的な構成例を説明する。加熱部11は、プレート12と温調部13を備える。温調部13は、例えばプレート12の内部に設置されている。温調部13は、プレート12の温度を調整する。温調部13は、例えばヒータである。プレート12の上面は、加熱部11の上面11sに相当する。
加熱部11は、複数(例えば3つ)の貫通孔Cを有する。各貫通孔Cは、加熱部5を上下方向Zに貫通するように形成されている。
熱処理装置1は、基板Wを支持する複数の支持ピン15を備えている。支持ピン15は各貫通孔Cに1つずつ挿入されている。各支持ピン15の上端が基板Wの裏面と接触することによって、複数の支持ピン15は加熱部11の上方で基板Wを支持する。基板Wは略水平姿勢で支持される。支持ピン15は、本発明における支持部の例である。
熱処理装置1は、加熱部11と複数の支持ピン15を相対的に移動させる移動部17を備えている。移動部17は、加熱室A1に設置されている。
より詳しくは、移動部17は、専ら複数の支持ピン15を昇降する支持ピン用昇降機構18を備えている。支持ピン用昇降機構18は、加熱部11の下方において、各支持ピン11の下部と連結しており、各支持ピン15を支持している。そして、支持ピン用昇降機構18は、複数の支持ピン15を上下方向Zに移動させる。これにより、支持ピン15は、加熱部11に対して昇降する。支持ピン用昇降機構18は、例えば、エアシリンダである。
移動部17が支持ピン15を昇降させると、支持ピン15に支持されている基板Wも加熱部11に対して昇降する。これにより、基板Wは、加熱位置と非加熱位置との間にわたって上下動する。非加熱位置は、加熱位置よりも加熱部11から遠い(離れている)位置である。非加熱位置は、加熱部11が加熱しない位置である。非加熱位置は、例えば、加熱位置の上方の位置である。図1では、非加熱位置Pbにある基板Wを点線で示す。
熱処理装置1は、基板Wの上方を覆う蓋部21を備えている。蓋部21は、加熱室A1に設置されている。蓋部21は、加熱部11の上方に設けられている。蓋部21は、複数の支持ピン15の上方に設けられている。蓋部21は、支持ピン15に支持された基板Wの上方を覆う。なお、蓋部21は、基板Wの側方を覆わない。
蓋部21は、略水平な下面21sを有する。下面21sは、平面視で基板Wよりも大きい円形を有する。下面21sは、支持ピン15に支持された基板Wの上面Wsと向かい合う。
本明細書では、蓋部21と基板Wとの間の空間を、「隙間空間G」と呼ぶ(図1参照)。隙間空間Gは、蓋部21と基板Wとによって区画される。隙間空間Gの上部は蓋部21の下面21sと接触し、隙間空間Gの下部は基板Wの上面Wsと接触する。隙間空間Gの側部は、開放されている。
移動部17は、さらに、加熱部11と蓋部21を相対的に移動させる。
より詳しくは、移動部17は、専ら蓋部21を昇降する蓋部用昇降機構19を備えている。蓋部用昇降機構19は、蓋部21の側部または上部と連結しており、蓋部21を支持している。そして、蓋部用昇降機構19は、蓋部21を上下方向Zに移動させる。これにより、蓋部21は、加熱部11に対して昇降する。蓋部用昇降機構19は、例えば、エアシリンダである。
支持ピン用昇降機構18と蓋部用昇降機構19とは互いに独立して動作する。移動部17は、蓋部21と支持ピン15を個別に移動させることができ、蓋部21と支持ピン15の相対的な位置関係を保ったまま、蓋部21と支持ピン15を一体に移動させることもできる。
熱処理装置1は、蓋部21と基板Wとの間に不活性ガスを供給するガス供給部22を備えている。不活性ガスは例えば窒素ガスである。
ガス供給部22は、不活性ガスを吹き出すガス吹出部23を備えている。ガス吹出部23の流路は、蓋部21の内部に設けられる。ガス吹出部23は、蓋部21の下面21sに配置される吹出口23aを有する。ガス吹出部23は、蓋部21の下面21sから不活性ガスを吹き出す。ガス吹出部23は、下方に向かって不活性ガスを吹き出す。ガス吹出部23の吹出口23aは、例えば、下面21sの中央部に配置されている。ガス吹出部23の吹出口23aは、例えば、支持ピン15に支持された基板Wの上面Wsの中央部と向かい合う位置に配置されている。ガス吹出部23の流路は、吹出口23aに向かって拡大しており、不活性ガスを広角に吹き出す。
ガス供給部22は、ガス配管25と流量調整弁27を備えている。ガス配管25の一端は、ガス吹出部23に接続されている。ガス配管25上には、流量調整弁27が設けられている。流量調整弁27は、ガス配管25を流れる不活性ガスの流量(すなわち、ガス供給部22の供給量)を調整する。ガス配管25の他端は、ガス供給源29に接続されている。ガス供給源29は、不活性ガスを圧送する。流量調整弁27とガス供給源29は、チャンバー3の外部に設置されている。ガス供給源29は、例えば、熱処理装置1が設置されるクリーンルームのユーティリティ設備である。
熱処理装置1は、基板Wを保持し、支持ピン15との間で基板Wを受け渡す保持アーム31を備えている。保持アーム31は、いわゆるローカル搬送機構である。保持アーム31は、搬送室A2に設けられ、加熱室A1に進入可能である。保持アーム31は、基板Wを水平姿勢で保持する。保持アーム31は、支持ピン15と接触することを防止するための切り欠きD1、D2を有する。
熱処理装置1は、保持アーム31を加熱室A1に進退させる駆動機構35を備えている。駆動機構35は、搬送室A2に設置されている。駆動機構35は、保持アーム31を水平な1方向(例えば、Y方向)に前後動させる。駆動機構35が保持アーム31を前進させると、保持アーム31は搬送口Bを通じて加熱室A1に進入する。駆動機構35が保持アーム31を後退させると、保持アーム31は加熱室A1から退出する。
駆動機構35の具体的な構成例を説明する。駆動機構35は、駆動プーリ35aと、従動プーリ35bと、モータ35cと、ベルト35dと、アーム支持部35eとを備えている。駆動プーリ35aと従動プーリ35bとは、水平な1方向(例えばY方向)に並ぶように配置されている。駆動プーリ35aにはモータ35cが連結されている。従動プーリ35bは、回転自在に設置されている。ベルト35dは、駆動プーリ35aと従動プーリ35bに巻き回されている。アーム支持部35eの一端はベルト35dに連結されている。
アーム支持部35eの他端は保持アーム31に連結されている。そして、モータ35cが駆動プーリ35aを正逆方向に回転させると、ベルト35dに連結されたアーム支持部35eが保持アーム31をY方向に往復移動させる。
アーム支持部35eの他端は保持アーム31に連結されている。そして、モータ35cが駆動プーリ35aを正逆方向に回転させると、ベルト35dに連結されたアーム支持部35eが保持アーム31をY方向に往復移動させる。
図3は、熱処理装置1の制御ブロックである。基板処理装置1は、制御部37を備える。制御部37は、シャッター5と温調部13と移動部17(支持ピン用昇降機構18と蓋部用昇降機構19)と流量調整弁27と駆動機構35とを制御する。制御部37による制御は、予め設定されている処理レシピに基づいて実行される。
制御部37は、各種処理を実行する中央演算処理装置(CPU)、演算処理の作業領域となるRAM(Random-Access Memory)、固定ディスク等の記憶媒体等によって実現されている。記憶媒体には、処理レシピや、基板Wを識別するための情報など各種情報を記憶されている。
次に、熱処理装置1の動作例を説明する。図4は、熱処理装置1の動作の手順を示すフローチャートである。図5(A)−5(I)は、熱処理装置1の動作を説明するための加熱室A1の断面図である。以下の動作例において、各部材は、制御部37による制御に従って動作する。
<ステップS1> 搬入工程(図5(A)−5(F))
搬入工程では、基板Wを加熱位置に移動させる。以下、より詳しく説明する。
搬入工程では、基板Wを加熱位置に移動させる。以下、より詳しく説明する。
まず、シャッター5が開放位置に移動する。続いて、駆動機構35が基板Wを保持する保持アーム31を前進させる。保持アーム31は基板Wを加熱室A1に搬入する(図5(A)参照)。
図5(B)を参照する。支持ピン用昇降機構18が支持ピン15を上昇させる。支持ピン15の上端は、保持アーム31の切り欠きD1、D2を通過して、保持アーム31よりも高い位置まで上昇する。これにより、支持ピン15が保持アーム31から基板Wを受け取り、基板Wを支持する。
基板Wは、非加熱位置Pbに位置している。図5(B)等では、便宜上、非加熱位置Pbにある基板Wに、符号「W(Pb)」を付す。基板Wの上方には蓋部21が位置している。すなわち、蓋部21は、基板Wよりも高い位置であって、平面視で基板Wと重なる位置に位置している。さらに、蓋部21は基板Wに近接した位置に位置している。すなわち、蓋部21は基板Wの上面Wsに近接している。
図5(C)を参照する。駆動機構35が保持アーム31を後退させる。保持アーム31は、加熱室A1から退避する。その後、シャッター5が閉じ位置に移動し、開口Bの一部を遮蔽する。
図5(D)を参照する。流量調整弁27が開き、ガス供給部22が蓋部21と基板Wと間に不活性ガスを供給する。図5(D)等は、点線で不活性ガスの流れを模式的に示す。
不活性ガスは、蓋部21の下面21sの中央部から吹き出される。不活性ガスは、基板Wの上面Wsの中央部に向かって吹き出される。不活性ガスは、基板Wと蓋部21との間を、放射状に広がる。不活性ガスは、基板Wの中央部から基板Wの周縁部の全周に向かって基板Wの上面Wsに沿って進む。そして、不活性ガスは、基板Wの周縁部の外方へ流出する。これにより、基板Wの上面Wsは、不活性ガスによって覆われる。すなわち、基板Wの上面Wsは、低酸素濃度雰囲気によって覆われる。
隙間空間Gは、不活性ガスでパージされる。具体的には、蓋部21と基板Wとの間に供給された不活性ガスは、隙間空間Gの側部から隙間空間Gの外側に流出する。これにより、隙間空間G内に存在した酸素等は、不活性ガスによって隙間空間Gの外側へ押し出され、隙間空間Gから除去される。その結果、隙間空間Gに不活性ガス雰囲気(低酸素濃度雰囲気)が形成される。
搬入工程では、基板Wの上面Wsを不活性ガスで覆った状態で、以下に説明する動作をさらに行う。
図5(E)を参照する。支持ピン用昇降機構18は支持ピン15を下降させる。基板Wは非加熱位置Pbから下降する。基板Wが下降するとき、蓋部用昇降機構19は蓋部21を下降させ、蓋部21と基板Wとの間隔を略一定に保つ。基板Wが下降するとき、蓋部21と基板Wは互いに近接したままである。よって、基板Wの上面Wsを不活性ガスで覆った状態を容易に維持できる。
図5(F)を参照する。支持ピン15の上端の高さ位置が加熱部11の上面11sと同等以下になるまで、支持ピン15が下降する。これにより、基板Wは加熱位置Paに到達する。すなわち、基板Wは加熱部11上に載置される。図5(F)等では、便宜上、加熱位置Paにある基板Wに、符号「W(Pa)」を付す。なお、基板Wが加熱位置Paにあるとき、支持ピン15は基板Wを支持してもよいし、基板Wを支持しなくてもよい。
基板Wが加熱位置Paに到達したとき、搬入工程が終了する。
<ステップS2> 加熱工程(図5(F))
加熱工程は、搬入工程の終了と同時に始まる。加熱工程では基板Wを加熱する。加熱工程は、蓋部21と基板Wと間に不活性ガスを供給することにより、基板Wの上面Wsを不活性ガスで覆った状態で実行される。以下、より詳しく説明する。
加熱工程は、搬入工程の終了と同時に始まる。加熱工程では基板Wを加熱する。加熱工程は、蓋部21と基板Wと間に不活性ガスを供給することにより、基板Wの上面Wsを不活性ガスで覆った状態で実行される。以下、より詳しく説明する。
図5(F)を参照する。加熱部11は、加熱位置Paにある基板Wを加熱する。加熱工程における加熱温度は、例えば、350度である。蓋部21は基板Wに近接した位置に位置しており、ガス供給部22は蓋部21と基板Wと間に不活性ガスを供給している。蓋部21と基板Wの間における不活性ガスの振る舞い、および、隙間空間Gにおける不活性ガスの振る舞いは、上述した通りである。基板Wの上面Wsは不活性ガスで覆われており、基板Wは低酸素濃度雰囲気において加熱処理される。このような状態を所定の時間にわたって維持する。所定の時間が経過すると、加熱工程は終了する。
<ステップS3> 冷却工程(図5(G)−5(I))
加熱工程が終了した後、冷却工程が始まる。冷却工程では基板Wを冷却する。冷却工程も、蓋部21と基板Wと間に不活性ガスを供給することにより、基板Wの上面Wsを不活性ガスで覆った状態で実行される。以下、より詳しく説明する。
加熱工程が終了した後、冷却工程が始まる。冷却工程では基板Wを冷却する。冷却工程も、蓋部21と基板Wと間に不活性ガスを供給することにより、基板Wの上面Wsを不活性ガスで覆った状態で実行される。以下、より詳しく説明する。
図5(G)を参照する。基板Wは加熱位置Paに位置しており、蓋部21は基板Wに近接した位置に位置している。流量調整弁27の開度が増大し、ガス供給部22は、加熱工程のときよりも多量の不活性ガスを蓋部21と基板Wとの間に供給する。基板Wの上方(隙間空間G)を流れる不活性ガスの量が増加し、基板Wの上方(隙間空間G)を流れる不活性ガスの速度が増大する。不活性ガスは、基板Wの上面Wsを覆うとともに、基板Wから熱を奪う。不活性ガスの供給量が多いほど、基板Wの放熱量は大きくなる。
冷却工程では、加熱工程のときよりも多量の不活性ガスを蓋部21と基板Wとの間に供給した状態で、以下に説明する動作をさらに行う。
図5(H)を参照する。支持ピン用昇降機構18は支持ピン15を上昇させる。基板Wは加熱位置Paから上昇する。基板Wが上昇するとき、蓋部用昇降機構19は蓋部21を上昇させ、蓋部21と基板Wとの間隔を略一定に保つ。基板Wが上昇するとき、蓋部21と基板Wは互いに近接したままである。よって、基板Wの上面Wsを不活性ガスで覆った状態を容易に維持できる。
図5(I)を参照する。基板Wが非加熱位置Pbに到達すると、基板Wは非加熱位置Pbで静止する。蓋部21は非加熱位置Pbの基板Wに近接した位置で静止する。基板Wが非加熱位置Pbに位置しているので、基板Wは、加熱部11によって実質的に加熱されない。よって、基板Wの温度は一層速やかに低下する。
図5(I)に示す状態を、基板Wが所定の温度未満になるまで、維持する。所定の温度は、例えば、酸素ガスが基板Wに触れても、熱処理の品質が実質的に損なわれない温度である。所定の温度は、加熱工程における加熱温度よりも低い。所定の温度は、例えば、250度である。
本実施例では、基板Wの温度が所定の温度以下になるのに要する冷却時間を、実験やシミュレーション等によって予め特定し、特定された冷却時間を処理レシピに予め設定している。そして、処理レシピに設定された冷却時間が経過するまで、図5(I)に示す状態を維持する。
冷却時間が経過すると、流量調整弁27が閉じ、ガス供給部22は不活性ガスの供給を停止する。これにより、冷却工程は終了する。
冷却時間が経過すると、流量調整弁27が閉じ、ガス供給部22は不活性ガスの供給を停止する。これにより、冷却工程は終了する。
<ステップS4> 搬出工程(図示省略)
冷却工程が終了した後、搬出工程が始まる。搬出工程では、基板Wを加熱室A1から搬出する。
冷却工程が終了した後、搬出工程が始まる。搬出工程では、基板Wを加熱室A1から搬出する。
具体的には、シャッター5が開放位置に移動する。続いて、駆動機構35が保持アーム31を加熱室A1に進入させる。支持ピン用昇降機構18が支持ピン15を下降させる。続いて、支持ピン15の上端が保持アーム31よりも低い位置まで下降することにより、支持ピン15が保持アーム31に基板Wを渡す。
その後、駆動機構35が保持アーム31を加熱室A1から退出させる。これにより、保持アーム31に保持された基板Wが、加熱室A1から搬出される。
上述した動作例において、蓋部21と基板Wとの間隔(より厳密に言えば、蓋部21の下面21sと基板Wの上面Wsとの距離)は、基板Wの直径に比べて十分に小さいことが好ましい。基板Wの上面Wsを不活性ガスによって容易に覆うことができるからである。蓋部21と基板Wとの間隔は、例えば0mmより大きく、数ミリ以下であることが好ましい。蓋部21と基板Wとの間隔は、例えば0mmより大きく、2mm以下であることが好ましい。さらに、蓋部21と基板Wとの間隔は、例えば0mmより大きく、1mm以下であることが好ましい。
さらに、蓋部21と基板Wと間に不活性ガスを供給している間、蓋部21と基板Wとの間隔の変動は小さいことが好ましい。基板Wの上面Wsを不活性ガスで覆った状態を容易に維持できるからである。例えば、基板Wが非加熱位置Pbに位置しているときの蓋部21と基板Wとの間隔は、基板Wが加熱位置Paに位置しているときの蓋部21と基板Wとの間隔と略同じであることが好ましい。例えば、基板Wが加熱位置Paから非加熱位置Pbに移動しているときの蓋部21と基板Wとの間隔は、基板Wが加熱位置Paに位置しているときの蓋部21と基板Wとの間隔と略同じであることが好ましい。
ここで、上述した動作例における、基板Wの位置と不活性ガスの流量と基板Wの温度の時間的な変化を改めて説明する。
図6は、基板Wの位置と不活性ガスの供給量と基板Wの温度の変化を模式的に例示するタイミングチャートである。図6は、便宜上、基板Wの位置について、加熱位置Paと非加熱位置Pbの間にある基板Wの位置のみを示す。例えば、搬送室A2における基板Wの位置については図示を省略する。不活性ガスの流量とは、蓋部21と基板Wとの間に供給される不活性ガスの単位時間当たりの量である。基板Wの温度に関して、加熱工程における加熱温度を「TH」とし、冷却工程の目標温度である所定の温度を「TL」とする。図6は、基板Wの温度を示す曲線を簡略化して示す。
搬入工程の期間は時刻t0から時刻t3までである。加熱工程の期間は時刻t3から時刻t4までである。冷却工程の期間は時刻t4から時刻t6までである。搬出工程の期間は時刻t6から時刻t8までである。
基板Wの位置は次のように変化する。搬入行程では、時刻t1において、基板Wが非加熱位置Pbに位置する。時刻t1は、支持ピン15が保持アーム31から基板Wを受け取るタイミングである。そして、時刻t2−t3の期間に、基板Wが加熱位置Paに移動する。加熱工程では、基板Wは加熱位置Paに位置している。冷却工程では、時刻t4−t5の期間において基板Wが非加熱位置Pbに移動し、時刻t5−t6の期間において基板Wは非加熱位置Pbに位置している。搬出工程では、時刻t7まで、基板Wは非加熱位置Pbに位置する。その後、基板Wは、支持ピン15から保持アーム31に渡され、搬送室A2に搬送される。
不活性ガスを供給する期間は、時刻t2から時刻t6の期間であり、それ以外の期間では不活性ガスを供給しない。時刻t2は、非加熱位置Pbから加熱位置Paへ基板Wが移動し始めるタイミングである。すなわち、不活性ガスの供給と基板Wの下降は同時に始まる。時刻t6は、冷却工程が終了するタイミングである。このように、加熱工程および冷却工程の期間(すなわち、時刻t3−t6の期間)は、不活性ガスを供給する期間に含まれている。また、基板Wの温度が所定の温度以上である期間は時刻taから時刻tbまでであり、この期間も、不活性ガスを供給する期間に含まれている。
搬入工程の期間の一部と加熱工程の期間では不活性ガスを流量QLで供給する。冷却工程の期間では流量QLよりも大きい流量QHで不活性ガスを供給する。流量QLから流量QHに増大するタイミングは、冷却工程を開始するタイミングと同じである。量QLから流量QHに増大するタイミングは、加熱位置Paから非加熱位置Pbに基板Wが移動し始めるタイミングと同じである。
このように本実施例に係る熱処理方法によれば、基板Wを加熱する加熱工程と基板Wを冷却する冷却工程とを備えている。
加熱工程では、蓋部21と基板Wとの間に不活性ガスを供給する。これにより、基板Wの上面Wsを不活性ガスで容易に覆うことができる。よって、基板Wが酸素と触れることなく、基板Wを加熱できる。すなわち、低酸素濃度雰囲気における加熱処理を好適に実行できる。
冷却工程では、蓋部21と基板Wとの間に不活性ガスを供給する。これにより、基板Wの上面Wsを不活性ガスで容易に覆うことができる。よって、基板Wが酸素と触れることなく、基板Wを冷却できる。すなわち、低酸素濃度雰囲気における冷却処理を好適に実行できる。
このように、本実施例によれば、低酸素濃度雰囲気における熱処理(加熱処理と冷却処理を含む)を行うことができる。例えば、基板Wの上面Wsに各種低誘電体材料や誘導自己組織化材料が塗布された基板Wを低酸素濃度雰囲気で熱処理を行うことにより、基板W上に所望の特性を有する塗膜を形成できる。
さらに、本実施例によれば、簡素な構成で、低酸素濃度雰囲気における熱処理を行うことができる。例えば、基板Wの周囲を密閉する構成を備えているか否かに関わらず、基板Wの上面Wsを不活性ガスで容易に覆うことができ、低酸素濃度雰囲気で基板Wに熱処理を行うことができる。
基板Wと蓋部21とが開放された隙間空間Gを区画し、蓋部21と基板Wとの間に供給された不活性ガスは、隙間空間Gから隙間空間Gの外側へ流出する。これにより、隙間空間Gから酸素を好適に除去でき、隙間空間Gの気体を不活性ガスに容易に置換でき、隙間空間Gを不活性ガス雰囲気に容易に保つことができる。このように、隙間空間Gを密閉することなく、基板Wの上方を低酸素濃度雰囲気に容易に保つことができる。
加熱工程では、基板Wが加熱位置Paに位置しているので、加熱部11は基板Wを好適に加熱できる。加熱工程では、蓋部21は基板Wの上面Wsに近接しているので、基板Wの上面Wsを不活性ガスで容易に覆うことができる。
冷却工程では、基板Wと蓋部21とが互いに近接したまま、基板Wが非加熱位置Pbに移動するので、基板Wの上面Wsを不活性ガスで覆った状態を容易に維持できる。
冷却工程では、基板Wと蓋部21との間隔を略一定に保ったまま、基板Wが非加熱位置Pbに移動するので、基板Wの上面Wsを不活性ガスで覆った状態を容易に維持できる。
冷却工程では、基板Wが非加熱位置Pbに位置しているので、基板Wを効果的に冷却できる。冷却工程では、蓋部12は基板Wの上面Wsに近接しているので、基板Wの上面Wsを不活性ガスで容易に覆うことができる。
冷却工程における蓋部21と基板Wとの間隔は、加熱工程における蓋部21と基板Wとの間隔と略同等である。よって、加熱工程から冷却工程に移行するとき、基板Wの上面Wsを不活性ガスで覆った状態を容易に維持できる。
基板が所定の温度TL未満になるまで、冷却工程を実行するので、基板Wが所定の温度TL以上であるときに基板Wが酸素と接触することを防止できる。これにより、基板Wに対する熱処理の品質が損なわれることを効果的に防止できる。例えば、基板W上の塗膜の特性が損なわれることを効果的に防止できる。
冷却工程では、加熱工程のときよりも多量の不活性ガスを蓋部21と基板Wとの間に供給するので、基板Wの放熱を促進でき、基板を速やかに冷却できる。
熱処理方法は、基板Wが加熱位置Paに移動する搬入工程を備えている。基板Wが加熱位置Paに移動するとき、基板Wと蓋部21との間に不活性ガスを供給することにより、基板Wの上面Wsを不活性ガスで覆う。よって、基板Wの上面Wsを不活性ガスで覆った状態で、加熱工程を始めることができる。
搬入工程において基板Wが加熱位置Paに移動するとき、基板Wと蓋部21との間隔を略一定に保つので、基板Wの上面Wsを不活性ガスで覆った状態を容易に維持できる。
搬入工程において基板Wが加熱位置Paに移動するとき、基板Wと蓋部21とが互いに近接したままであるので、基板Wの上面Wsを不活性ガスで覆った状態を容易に維持できる。
加熱工程では、蓋部21の下面21sから蓋部21と基板Wとの間に不活性ガスを吹き出す。同様に、冷却工程では、蓋部21の下面21sから蓋部21と基板Wとの間に不活性ガスを吹き出す。これによれば、基板Wの上方から不活性ガスを吹き出すことができ、基板Wの上面Wsを不活性ガスで好適に覆うことができる。
加熱工程では、基板Wの上面Wsに向かって不活性ガスを吹き出す。同様に、冷却工程では、基板Wの上面Wsに向かって不活性ガスを吹き出す。これにより、基板Wの上面Wsを不活性ガスで一層容易に覆うことができる。
加熱工程では、基板Wの上面Wsの中央部に向かって不活性ガスを吹き出す。同様に、冷却工程では、基板Wの上面Wsの中央部に向かって不活性ガスを吹き出す。これにより、基板Wの中央部から周縁部にわたる基板Wの上面Ws全体を、不活性ガスで覆うことができる。
加熱工程では、不活性ガスを広角に吹き出す。同様に、冷却工程では、不活性ガスを広角に吹き出す。これにより、基板Wの上面Ws全体を不活性ガスで一層容易に覆うことができる。
本実施例に係る熱処理装置1は、加熱部11と支持ピン15と移動部17と蓋部21とガス供給部22と制御部37とを備えているので、上述した熱処理方法を好適に実行できる。
具体的には、熱処理装置1は、加熱部11と支持ピン15と移動部17(支持ピン用昇降機構18)を備えているので、基板Wを加熱位置Paと非加熱位置Pbに位置させることができ、基板Wを加熱位置Paと非加熱位置Pbとの間で移動させることができる。熱処理装置1は、支持ピン15と蓋部21と移動部17(蓋部用昇降機構19)を備えているので、蓋部21と基板Wとを近接させることができ、蓋部21と基板Wとが互いに近接したまま蓋部21と基板Wを移動させることができ、蓋部21と基板Wとの間隔を略一定に保ったまま、蓋部21と基板Wを移動させることができる。熱処理装置1は、ガス供給部23を備えているので、蓋部21と基板Wの間に不活性ガスを供給させることができる。
さらに、熱処理装置1は、移動部17とガス供給部22を統括的に制御する制御部37を備えているので、低酸素濃度雰囲気において基板Wに熱処理を行うことができる。
具体的には、制御部37は、基板Wを加熱位置Paに位置させ、加熱位置Paの基板Wに近接した位置に蓋部21を位置させ、蓋部21と基板Wとの間に不活性ガスを供給させる。これにより、基板Wの上面Wsを不活性ガスで覆った状態で基板Wに加熱処理を行うことができる。
制御部37は、基板Wを非加熱位置Pbに位置させ、非加熱位置Pbの基板Wに近接した位置に蓋部21を位置させ、不活性ガスを蓋部21と基板Wとの間に供給させる。これにより、基板Wの上面Wsを不活性ガスで覆った状態で基板Wに冷却処理を行うことができる。
制御部37は、蓋部21を基板Wに近接した位置に保ち、かつ、蓋部21と基板Wとの間に不活性ガスを供給させた状態で、基板を加熱位置Paから非加熱位置Pbに移動させる。これにより、基板が加熱位置Paから非加熱位置Pbに移動するとき、基板Wの上面Wsを不活性ガスで容易に覆うことができる。
制御部37は、蓋部21と基板Wとの間隔を略一定に保ち、かつ、蓋部21と基板Wとの間に不活性ガスを供給させた状態で、基板を加熱位置Paから非加熱位置Pbに移動させる。これにより、基板が加熱位置Paから非加熱位置Pbに移動するとき、基板Wの上面Wsを不活性ガスで容易に覆うことができる。
制御部37は、蓋部21を基板Wに近接した位置に保ち、かつ、蓋部21と基板Wとの間に不活性ガスを供給させた状態で、基板を加熱位置Paに移動させる。これにより、基板Wが加熱位置Paに移動するとき、基板Wの上面Wsを不活性ガスで容易に覆うことができる。
非加熱位置Pbの基板Wが所定の温度TL以上であるとき(すなわち、時刻t5ーtbの期間)、制御部37は、非加熱位置Pbの基板Wに近接した位置に蓋部21を位置させ、かつ、前蓋部21と基板Wとの間に不活性ガスを供給させる。これにより、非加熱位置Pbの基板Wが所定の温度未満になるまで基板Wが酸素と接触することを防止でき、基板に対する熱処理の品質が損なわれることを効果的に防止できる。
基板Wが所定の温度TL以上であるとき(すなわち、時刻taーtbの期間)、制御部37は、蓋部21を基板Wに近接した位置に位置させ、かつ、蓋部21と基板Wとの間に不活性ガスを供給させる。これにより、基板Wが所定の温度TL以上であるときに基板Wが酸素と接触することを防止でき、基板Wに対する熱処理の品質が損なわれることを確実に防止できる。
基板Wが所定の温度TL以上であり、かつ、加熱位置Paにないとき(すなわち、時刻t4−tbの期間)、制御部37は、基板Wが加熱位置Paに位置しているときよりも多量の不活性ガスを蓋部21と基板Wとの間に供給させる。これにより、加熱部11によって加熱されていない基板Wが所定の温度TL以上である場合には、基板Wの上面Wsを不活性ガスで覆った状態で、基板Wを所定の温度TL未満まで速やかに冷却できる。
以上のとおり、本実施例に係る熱処理装置1によれば、基板Wの周囲を密閉する構成を備えているか否かに関わらず、低酸素濃度雰囲気において基板Wに熱処理を行うことができる。基板Wの周囲を密閉する構成は、例えば、搬送口Bを完全に遮蔽する構成や、加熱室A1または内部空間Aを密閉する構成や、貫通孔Cを封止する構成などである。基板Wの周囲を密閉する構成は、例えば、シール部材やパッキン部材である。すなわち、本実施例によれば、熱処理装置1の構造を簡素化できる。
ガス供給部22は、蓋部21の下面21sに配置され、不活性ガスを吹き出す吹出口23aを備えている。これによれば、吹出口23aを基板Wの上方に好適に設置できる。よって、蓋部21と基板Wの間に、基板Wの上方から不活性ガスを吹き出すことができ、基板Wの上面Wsを不活性ガスで一層容易に覆うことができる。
本発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
(1)上述した実施例に係る熱処理装置1において、さらに、基板Wの周囲を密閉する構成を備えていてもよい。本変形実施例によっても、低酸素濃度雰囲気において基板Wに熱処理を行うことができる。
(2)上述した実施例において、冷却工程を終了するタイミングを適宜に変更してもよい。例えば、基板Wが所定の温度TL未満となった時(すなわち、時刻tb)に、冷却工程を終了してもよい。例えば、基板Wが所定の温度TL未満となった時(すなわち、時刻tb)に、制御部37は不活性ガスの供給を停止させてもよい。
(3)上述した実施例において、比較的に大きい流量QHで不活性ガスを供給する期間を適宜に変更してもよい。例えば、冷却工程の期間の一部のみにおいて、加熱工程のときよりも多量の不活性ガスを供給してもよい。例えば、基板Wが非加熱位置Pbに到達したときから冷却工程が終了するまでの期間(すなわち、時刻t5−t6の期間)において、加熱工程のときよりも多量の不活性ガスを供給してもよい。例えば、制御部37は、基板Wが所定の温度TL以上であり、かつ、加熱位置Paにない期間の少なくとも一部において、基板Wが加熱位置Paに位置しているときよりも多量の不活性ガスを蓋部21と基板Wとの間に供給させてもよい。
(4)上述した実施例において、冷却工程における不活性ガスの供給量(流量)は加熱工程における不活性ガスの供給量よりも大きかったが、これに限られない。すなわち、冷却工程における不活性ガスの供給量が、加熱工程における不活性ガスの供給量と同等以下であってもよい。
(5)上述した実施例では、冷却工程の間、不活性ガスの供給量は一定であったが、これに限られない。冷却工程の期間において、不活性ガスの供給量を変化させてもよい。同様に、上述した実施例では、加熱工程の間、不活性ガスの供給量は一定であったが、これに限られない。加熱工程の期間において、不活性ガスの供給量を変化させてもよい。
(6)上述した実施例において、搬入工程における不活性ガスの供給期間を適宜に変更してもよい。例えば、搬入工程の全期間(すなわち、時刻t0−t3の期間)にわたって、不活性ガスを供給してもよい。例えば、基板Wが移動を開始する前に、不活性ガスの供給を開始してもよい。例えば、搬入工程の全期間(すなわち、時刻t0−t3の期間)にわたって、不活性ガスを供給しなくてもよい。
(7)上述した実施例では、搬出工程において不活性ガスを供給しなかったが、これに限られない。すなわち、搬出工程の少なくとも一部の期間において、不活性ガスを供給してもよい。
(8)上述した実施例では、ガス供給部22は1つの吹出口23aを備えていたが、これに限られない。すなわち、ガス供給部22は複数の吹出口23aを備えていてもよい。本変形実施例によれば、基板Wの上面Wsの全体を不活性ガスで一層容易に覆うことができる。
(9)上述した実施例では、吹出口23aは蓋部21の下面21sと同じ高さ位置に配置されていたが、これに限られない。すなわち、吹出口23aの高さ位置は、蓋部21の下面21sと異っていてもよい。
(10)上述した実施例において、ガス吹出部23は、蓋部21とは別個の部材であってもよい。例えば、ガス吹出部23は、蓋部21に取り付けられるノズルであってもよい。あるいは、蓋部21が、ガス吹出部23を構成してもよいし、画定してもよい。例えば、蓋部21の内部に形成される孔部や、蓋部21の下面に形成される開口によって、ガス供給部23を構成してもよい。
(11)上述した実施例では、移動部17は、専ら支持ピン15を昇降させる支持ピン用昇降機構18と、専ら蓋部21を昇降させる蓋部用昇降機構19と、を備えていたが、これに限られない。
図7(A)、7(B)を参照する。例えば、移動部17は、専ら加熱部11のみを昇降させる加熱部用昇降機構41を含んでもよい。加熱部用昇降機構41が加熱部11を上昇させることによって、支持ピン15および蓋部21を加熱部11に対して相対的に下降させることができる。これにより、蓋部21と基板Wとの間隔(距離)を保ったままで、基板Wを加熱位置Paに移動させることができる(図7(A)参照)。また、加熱部用昇降機構41が加熱部11を下降させることによって、支持ピン15および蓋部21を加熱部11に対して相対的に上昇させることができる。これにより、蓋部21と基板Wとの間隔(距離)を保ったままで、基板Wを非加熱位置Pbに移動させることができる(図7(B)参照)。
図7(A)、7(B)に示す移動部17は、さらに、実施例で説明した支持ピン用昇降機構18及び/または蓋部用昇降機構19を備えていてもよい。
図8(A)、8(B)を参照する。例えば、移動部17は、支持ピン15と蓋部21を一体に昇降させる共通昇降機構43を含んでもよい。共通昇降機構43が支持ピン15と蓋部21を一体に上昇させることによって、支持ピン15および蓋部21を加熱部11に対して相対的に上昇させることができる。これにより、蓋部21と基板Wとの間隔(距離)を保ったままで、基板Wを加熱位置Paに移動させることができる(図8(A)参照)。また、加共通昇降機構43が支持ピン15と蓋部21を一体に下降させることによって、支持ピン15および蓋部21を加熱部11に対して相対的に下降させることができる。これにより、蓋部21と基板Wとの間隔(距離)を保ったままで、基板Wを非加熱位置Pbに移動させることができる(図8(B)参照)。
図8(A)、図8(B)に示す移動部17は、さらに、図7(A)、7(B)に示す加熱部用昇降機構41を備えていてもよい。
図9を参照する。例えば、移動部17は、支持ピン15と蓋部21と蓋部用昇降機構45と共通昇降機構47を備えてもよい。蓋部用昇降機構45は、専ら蓋部21のみを昇降させる。共通昇降機構47は、支持ピン15と蓋部21と蓋部用昇降機構45を一体に昇降させる。このように構成される移動部17によれば、共通昇降機構47が支持ピン15と蓋部21を一体に昇降させることによって、支持ピン15および蓋部21を加熱部11に対して相対的に昇降させることができる。また、蓋部用昇降機構45が蓋部21を昇降させることによって、蓋部21を支持ピン15および加熱部11に対して相対的に昇降させることができる。
図9に示す移動部17は、蓋部用昇降機構45に代わりに、専ら支持ピン15のみを昇降させる支持ピン用昇降機構を備えてもよい。この場合、共通昇降機構47は、支持ピン15と蓋部21と支持ピン用昇降機構を一体に昇降させる。あるいは、図9に示す移動部17は、さらに、専ら支持ピン15のみを昇降させる支持ピン用昇降機構を備えてもよい。この場合、共通昇降機構47は、支持ピン15と蓋部21と蓋部用昇降機構45と支持ピン用昇降機構を一体に昇降させる。
(12)上述した実施例において、非加熱位置Pbを適宜に変更してもよい。例えば、上述した実施例では、非加熱位置Pbは加熱部11の上方であったが、これに限られない。例えば、非加熱位置Pbは、加熱部11の上方から外れた位置であってもよい。上述した実施例では、基板Wが非加熱位置Pbにあるとき、基板Wは平面視で加熱部11と重なっていたが、これに限られない。基板Wが非加熱位置Pbにあるとき、基板Wは平面視で加熱部11と重ならなくてもよい。
(13)上述した実施例において、移動部17(支持ピン用昇降機構18)が基板Wを移動させる方向は、上下方向Zであったが、これに限られない。すなわち、移動部17(支持ピン用昇降機構18)は、上下方向Zと異なる方向に基板Wを移動させてもよい。
(14)上述した実施例において、移動部17(蓋部用昇降機構18)が蓋部21を移動させる方向は、上下方向Zであったが、これに限られない。すなわち、移動部17(蓋部用昇降機構19)は、上下方向Zと異なる方向に蓋部21を移動させてもよい。
(15)上述した実施例において、加熱位置Paとして、加熱部11と接触する位置を例示したが、これに限られない。すなわち、加熱位置Paは、加熱部11と接触しない位置であってもよい。例えば、加熱位置Paは加熱部11に近い位置であってもよい。例えば、加熱位置Paは加熱部11の上面11sに近い位置であってもよい。
例えば、加熱部11は、プレート12の上面から隆起し、基板Wを支持する複数の凸部を備えてもよい。凸部は、例えば、プロキシミティボールと呼ばれる。凸部の高さは、例えば0.1mmである。この場合、基板Wが複数の凸部に支持される位置が、加熱位置Paである。基板Wが加熱位置Paに位置しているとき、基板Wが複数の凸部と点接触するのみであり、基板Wの下面の大部分が加熱部11から離れている。
(16)上述した実施例において、基板Wを加熱室A1から搬出した後、基板Wをさらに冷却してもよい。例えば、熱処理装置1は、保持アーム31に保持された基板Wを冷却する冷却部を備えてもよい。冷却部は、例えば、保持アーム31の内部または下部に取り付けられる冷媒配管である。冷媒配管には、冷媒(例えば冷却水)が流れる。本変形実施例によれば、基板Wを十分に低い温度まで冷却できる。
(17)上述した実施例および上記(1)から(16)で説明した各変形実施例については、さらに各構成を他の変形実施例の構成に置換または組み合わせるなどして適宜に変更してもよい。
1 …基板処理装置
11 …加熱部
15 …支持ピン(支持部)
21 …蓋部
21s …蓋部の下面
17 …移動部
18 …支持ピン用昇降機構(移動部)
19 …蓋部用昇降機構(移動部)
22 …ガス供給部
23 …ガス吹出部
23a …吹出口
27 …流量調整弁
37 …制御部
43、47 …共通昇降機構(移動部)
45 …蓋部用昇降機構(移動部)
G …隙間空間
Pa …加熱位置
Pb …非加熱位置
W …基板
Ws …基板の上面
11 …加熱部
15 …支持ピン(支持部)
21 …蓋部
21s …蓋部の下面
17 …移動部
18 …支持ピン用昇降機構(移動部)
19 …蓋部用昇降機構(移動部)
22 …ガス供給部
23 …ガス吹出部
23a …吹出口
27 …流量調整弁
37 …制御部
43、47 …共通昇降機構(移動部)
45 …蓋部用昇降機構(移動部)
G …隙間空間
Pa …加熱位置
Pb …非加熱位置
W …基板
Ws …基板の上面
Claims (15)
- 熱処理方法であって、
基板と基板の上面に近接している蓋部との間に不活性ガスを供給することにより、基板の上面を不活性ガスで覆った状態で、基板を加熱する加熱工程と、
基板と基板の上面に近接している前記蓋部との間に不活性ガスを供給することにより、基板の上面を不活性ガスで覆った状態で、基板を冷却する冷却工程と、
を備えている熱処理方法。 - 請求項1に記載の熱処理方法において、
前記加熱工程では、加熱部が加熱位置に位置する基板を加熱し、かつ、前記蓋部は前記加熱位置の基板に近接した位置に位置しており、
前記冷却工程では、基板と前記蓋部とが互いに近接したまま、基板は前記加熱位置よりも前記加熱部から遠い非加熱位置に移動する熱処理方法。 - 熱処理方法であって、
基板と基板の上方を覆う蓋部との間に不活性ガスを供給することにより、基板の上面を不活性ガスで覆った状態で、加熱部が加熱位置に位置する基板を加熱する加熱工程と、
基板と前記蓋部との間に不活性ガスを供給することにより、基板の上面を不活性ガスで覆った状態で、かつ、基板と前記蓋部との間隔を略一定に保ったまま、基板が前記加熱位置よりも前記加熱部から遠い非加熱位置に移動する冷却工程と、
を備える熱処理方法。 - 請求項1から3のいずれかに記載の熱処理方法において、
基板が所定の温度未満になるまで、前記冷却工程を実行する熱処理方法。 - 請求項1から4のいずれかに記載の熱処理方法において、
前記冷却工程の期間の少なくとも一部において、前記加熱工程のときよりも多量の不活性ガスを前記蓋部と基板との間に供給する熱処理方法。 - 請求項1から5のいずれかに記載の熱処理方法において、
前記蓋部と基板とは、側部が開放された隙間空間を、前記蓋部と基板との間に区画しており、
前記蓋部と基板との間に供給された不活性ガスは、前記隙間空間の側部から前記隙間空間の外側へ流出する熱処理方法。 - 請求項1から6のいずれかに記載の熱処理方法において、
前記冷却工程では、前記蓋部の下面から前記蓋部と基板との間に不活性ガスを吹き出す熱処理方法。 - 請求項1から7のいずれかに記載の熱処理方法において、
前記冷却工程では、基板の上面に向かって不活性ガスを吹き出す熱処理方法。 - 熱処理装置であって、
基板を加熱する加熱部と、
基板を支持する支持部と、
基板の上方を覆う蓋部と、
前記加熱部と前記支持部とを相対的に移動させ、かつ、前記加熱部と前記蓋部とを相対的に移動させる移動部と、
前記蓋部と基板との間に不活性ガスを供給するガス供給部と、
前記移動部と前記ガス供給部とを制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記加熱部によって加熱される加熱位置と、前記加熱位置よりも前記加熱部から遠い非加熱位置とに基板を位置させ、
基板が前記加熱位置に位置しているとき、前記制御部は、前記加熱位置の基板に近接した位置に前記蓋部を位置させ、かつ、前記蓋部と基板との間に不活性ガスを供給させ、
基板が前記非加熱位置に位置しているとき、前記制御部は、前記非加熱位置の基板に近接した位置に前記蓋部を位置させ、かつ、前記蓋部と基板との間に不活性ガスを供給させる熱処理装置。 - 請求項9に記載の熱処理装置において、
前記非加熱位置の基板が所定の温度以上であるとき、前記制御部は、前記非加熱位置の基板に近接した位置に前記蓋部を位置させ、かつ、前記蓋部と基板との間に不活性ガスを供給させる熱処理装置。 - 請求項9または10に記載の熱処理装置において、
前記制御部は、前記加熱位置から前記非加熱位置に基板を移動させ、
基板が前記加熱位置から前記非加熱位置に移動するとき、前記制御部は、前記蓋部を基板に近接した位置に保ち、かつ、前記蓋部と基板との間に不活性ガスを供給させる熱処理装置。 - 熱処理装置であって、
基板を加熱する加熱部と、
基板を支持する支持部と、
基板の上方を覆う蓋部と、
前記加熱部と前記支持部とを相対的に移動させ、かつ、前記加熱部と前記蓋部とを相対的に移動させる移動部と、
前記蓋部と基板との間に不活性ガスを供給するガス供給部と、
前記移動部と前記ガス供給部とを制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記加熱部によって加熱される加熱位置から、前記加熱位置よりも前記加熱部から遠い非加熱位置に基板を移動させ、
基板が前記加熱位置から前記非加熱位置に移動するとき、前記制御部は、前記基板と蓋部との間隔を略一定に保ち、かつ、前記蓋部と基板との間に不活性ガスを供給させる
熱処理装置。 - 請求項9から12のいずれかに記載の熱処理装置において、
前記制御部は、基板が所定の温度以上であり、かつ、前記加熱位置にない期間の少なくとも一部において、基板が前記加熱位置に位置しているときよりも多量の不活性ガスを蓋部と基板との間に供給させる熱処理装置。 - 請求項9から13のいずれかに記載の熱処理装置において、
前記蓋部と基板とは、側方が開放された隙間空間を、前記蓋部と基板との間に区画しており、
前記蓋部と基板との間に供給された不活性ガスは、前記隙間空間の側部から前記隙間空間の外側へ流出する熱処理装置。 - 請求項9から14のいずれかに記載の熱処理装置において、
前記ガス供給部は、基板の上方に配置され、不活性ガスを吹き出すガス吹出口を備える熱処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015238414A JP2017107904A (ja) | 2015-12-07 | 2015-12-07 | 熱処理方法と熱処理装置 |
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