JP2017106907A - 効率的な共分散行列の更新 - Google Patents

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Abstract

【課題】効率的な共分散行列の更新を提供する。【解決手段】効率的な共分散行列計算の方法が、ARAIM及びジオメトリスクリーニングを含む、特定のGNSSアプリケーションに関して開示される。本出願のシステム及び方法は、複数の共分散行列の計算を、ランク1の更新式を含む以前の手法よりもはるかに高い効率性で行えるようにする。たとえば、本出願のシステム及び方法は、有利なことに、以前の手法よりもはるかに少なく単純な算術演算を伴う。加えて、ランク1の更新式とは異なり、本出願のシステム及び方法は、所与の群のすべての衛星が除去される部分解を計算するために使用されてもよい。【選択図】図1

Description

本発明は、効率的な共分散行列の更新に関する。
[0001]一部の全地球航法衛星システム(GNSS)アプリケーションは、使用可能な測定値の縮小セットを利用する位置情報解(position solution)の評価を必要とする。そのようなアプリケーションの例は、高度受信機自律保全性監視(Advanced Receiver Autonomous Integrity Monitoring)(ARAIM)及びジオメトリスクリーニングである。計算された位置情報解の保全性は、受信機から出力される情報の正確さに置かれ得る信頼の尺度を示す。保全性監視は、主としてシステム地上監視ネットワークによってまだ識別されていない弱ジオメトリ又は衛星障害に起因する位置誤差からユーザを保護する。
[0002]ARAIMアルゴリズムの出力の1つは、保全性を境界付ける保護レベルである。RAIMアルゴリズムの解分離バージョンを使用する受信機は、複数の可能な部分解(subsolution)を評価する。各部分解は、衛星の縮小セットに基づいて位置情報解として決定される。保護レベルを計算するために、アルゴリズムは、通常は行列反転演算を必要とする、部分解共分散行列を含む、各部分解の複数の統計的特性を計算する。同様に、障害検出において利用されるしきい値を決定するために使用される分離共分散行列を取得するため、高い計算の複雑性が必要とされる。
[0003]ジオメトリスクリーニングは、位置情報解において使用されるべき衛星の最適なサブセットを選択するアルゴリズムである。これは、複数のGNSS群が動作可能であり、多数の衛星が視野内にある場合に必要となる。可視の衛星のサブセットのみを使用することで、計算上の負荷を大幅に低減することができ、サブセットが適正に選択される場合、精度及び保全性の低下はほとんど又は全く観察されないはずである。衛星サブセットを選択する最も有望な方法の1つは、部分解共分散行列に基づく。
本発明は、効率的な共分散行列の更新を提供する。
[0004]1つの例示的な実施形態において、GNSS受信機は保全性監視方法を実施するように構成されたプロセッサを備える。方法は、1つ又は複数の群に配列された複数の衛星について、GNSS受信機のメモリに格納された元のジオメトリ行列及び元の重み行列にアクセスするステップと、元のジオメトリ行列及び元の重み行列に対応する元の共分散行列を計算するステップと、第1の衛星を除去された変更済み衛星ジオメトリに対応する第1の変更済みジオメトリ行列を生成するステップとを備える。方法は、元の共分散行列、及び元のジオメトリ行列内の第1の衛星に対応するジオメトリ行列値の第1のセットに基づいて、第1のベクトルを事前計算するステップと、第1のベクトル、ジオメトリ行列値の第1のセット、及び元の重み行列内の第1の衛星に対応する第1の重み値に基づいて、第1の重み係数を事前計算するステップと、元の共分散行列、第1のベクトル、及び第1の重み係数に基づいて変更済み共分散行列の複数の要素を計算するステップとをさらに備える。
[0005]GNSS受信機は、アンテナと、RFフロント−エンドと、ベースバンド処理モジュールと、複数のインターフェイスとをさらに備えることができる。GNSS受信機は、ハードウェア抽象化レイヤと、複数のドライバと、リアルタイムオペレーティングシステムとをさらに備えることができる。複数の衛星は、少なくとも2つの群に配列されてもよい。保全性監視方法は、変更済みジオメトリ行列を生成するステップと、ベクトルを事前計算するステップと、重み係数を事前計算するステップと、順に追加の衛星を除去された、複数の変更済み衛星ジオメトリの変更済み共分散行列の複数の要素を計算するステップとを反復して繰り返すステップをさらに備えることができる。変更済み共分散行列の複数の要素を計算するステップは、変更済み共分散行列の値のサブセットのみを計算し、次いで値の計算されたサブセットを、変更済み共分散行列内のそれぞれの対称相対位置に反映するステップとを備えることができる。変更済み共分散行列の複数の要素を計算するステップは、変更済み共分散行列の左上3×3部分行列の対角値のみを計算するステップを備えることができる。
[0006]もう1つの例示的な実施形態において、GNSS保全性監視方法は、1つ又は複数の群に配列された複数の衛星について、GNSS受信機のメモリに格納された元のジオメトリ行列及び元の重み行列にアクセスするステップと、元のジオメトリ行列及び元の重み行列に対応する元の共分散行列を計算するステップと、第1の衛星を除去された変更済み衛星ジオメトリに対応する第1の変更済みジオメトリ行列を生成するステップとを備える。方法は、元の共分散行列、及び元のジオメトリ行列内の第1の衛星に対応するジオメトリ行列値の第1のセットに基づいて、第1のベクトルを事前計算するステップと、第1のベクトル、ジオメトリ行列値の第1のセット、及び元の重み行列内の第1の衛星に対応する第1の重み値に基づいて、第1の重み係数を事前計算するステップと、元の共分散行列、第1のベクトル、及び第1の重み係数に基づいて変更済み共分散行列の複数の要素を計算するステップとをさらに備える。
[0007]GNSS保全性監視方法は、高度受信機自律保全性監視(ARAIM)プロセスに関連して実施されてもよい。複数の衛星は、少なくとも2つの群に配列されてもよい。保全性監視方法は、変更済みジオメトリ行列を生成するステップと、ベクトルを事前計算するステップと、重み係数を事前計算するステップと、順に追加の衛星を除去された、複数の変更済み衛星ジオメトリの変更済み共分散行列の複数の要素を計算するステップとを反復して繰り返すステップをさらに備えることができる。変更済み共分散行列の複数の要素を計算するステップは、変更済み共分散行列の値のサブセットのみを計算し、次いで値の計算されたサブセットを、変更済み共分散行列内のそれぞれの対称相対位置に反映するステップとを備えることができる。変更済み共分散行列の複数の要素を計算するステップは、変更済み共分散行列の左上3×3部分行列の対角値のみを計算するステップを備えることができる。第1のベクトルを事前計算するステップは、以下の式を使用して、第1のベクトルVを事前計算するステップを備えることができる。
Figure 2017106907
、ここで
G=元のジオメトリ行列、
W=元の重み行列、
A=元の共分散行列=(GWG)−1、及び
Figure 2017106907
=Gの第i行値。
[0008]もう1つの例示的な実施形態において、GNSSプロセッサは、ハードウェア抽象化レイヤと、複数のドライバと、リアルタイムオペレーティングシステムと、保全性監視方法を実施するように構成されたGNSSアプリケーションモジュールとを備える。方法は、1つ又は複数の群に配列された複数の衛星について、GNSS受信機のメモリに格納された元のジオメトリ行列及び元の重み行列にアクセスするステップと、元のジオメトリ行列及び元の重み行列に対応する元の共分散行列を計算するステップと、第1の衛星を除去された変更済み衛星ジオメトリに対応する第1の変更済みジオメトリ行列を生成するステップとを備える。方法は、元の共分散行列、及び元のジオメトリ行列内の第1の衛星に対応するジオメトリ行列値の第1のセットに基づいて、第1のベクトルを事前計算するステップと、第1のベクトル、ジオメトリ行列値の第1のセット、及び元の重み行列内の第1の衛星に対応する第1の重み値に基づいて、第1の重み係数を事前計算するステップと、元の共分散行列、第1のベクトル、及び第1の重み係数に基づいて変更済み共分散行列の複数の要素を計算するステップとをさらに備える。
[0009]GNSS受信機に設置されてもよい。複数の衛星は、少なくとも2つの群に配列されてもよい。保全性監視方法は、変更済みジオメトリ行列を生成するステップと、ベクトルを事前計算するステップと、重み係数を事前計算するステップと、順に追加の衛星を除去された、複数の変更済み衛星ジオメトリの変更済み共分散行列の複数の要素を計算するステップとを反復して繰り返すステップをさらに備えることができる。変更済み共分散行列の複数の要素を計算するステップは、変更済み共分散行列の値のサブセットのみを計算し、次いで値の計算されたサブセットを、変更済み共分散行列内のそれぞれの対称相対位置に反映するステップとを備えることができる。変更済み共分散行列の複数の要素を計算するステップは、変更済み共分散行列の左上3×3部分行列の対角値のみを計算するステップを備えることができる。
[0010]図面が例示的な実施形態を示すに過ぎず、したがって範囲を限定するものと見なされるべきではないことを理解すれば、例示的な実施形態は、添付の図面を使用することでさらに具体的かつ詳細に説明されるであろう。
[0011]効率的な共分散行列更新の方法を実施する例示的なGNSSシステムを示すブロック図である。 [0012]図2Aは、図1のGNSSシステムに関連付けられたさまざまな例示的な行列を示す図である。図2Bは、図1のGNSSシステムに関連付けられたさまざまな例示的な行列を示す図である。図2Cは、図1のGNSSシステムに関連付けられたさまざまな例示的な行列を示す図である。図2Dは、図1のGNSSシステムに関連付けられたさまざまな例示的な行列を示す図である。 [0013]本出願による共分散行列更新の方法の操作を示す流れ図である。 [0014]更新済み行列
Figure 2017106907
の簡略バージョンを示す図であり、行列の対称的性質により、計算される必要のある要素のみを示す。
[0015]図3の共分散行列更新の方法の1つの特定の例の段階的な結果を示す図である。 図3の共分散行列更新の方法の1つの特定の例の段階的な結果を示す図である。 図3の共分散行列更新の方法の1つの特定の例の段階的な結果を示す図である。 図3の共分散行列更新の方法の1つの特定の例の段階的な結果を示す図である。 図3の共分散行列更新の方法の1つの特定の例の段階的な結果を示す図である。 図3の共分散行列更新の方法の1つの特定の例の段階的な結果を示す図である。 図3の共分散行列更新の方法の1つの特定の例の段階的な結果を示す図である。 図3の共分散行列更新の方法の1つの特定の例の段階的な結果を示す図である。 図3の共分散行列更新の方法の1つの特定の例の段階的な結果を示す図である。 図3の共分散行列更新の方法の1つの特定の例の段階的な結果を示す図である。
[0016]慣例に従って、さまざまな説明される特徴は、縮尺どおりには描かれないが、例示的な実施形態に関連する固有の特徴を強調するように描かれる。
[0017]本出願は、部分解及び分離共分散行列を決定するために必要とされる計算の数を有利に減少させる、効率的な共分散行列更新の方法を実施するためのシステムを説明する。
[0018]図1は、効率的な共分散行列更新の方法を実施する例示的なGNSSシステム100を示すブロック図である。説明される例において、GNSSシステム100は、適切なGNSS受信機115と通信し、各々複数の衛星110を備える、複数の衛星群105を備える。GNSS受信機115は、アンテナ120と、RFフロント−エンドモジュール125と、ベースバンド処理モジュール130と、複数の適切なインターフェイス135とを備える。GNSS受信機115は、ハードウェア抽象化レイヤ145を有するプロセッサ140と、1つ又は複数のドライバ150、リアルタイムオペレーティングシステム(RTOS)155と、保全性監視アルゴリズム165を実行するように構成されたGNSSアプリケーションモジュール160とをさらに備える。動作中、GNSSシステムアプリケーションモジュール160は、従来のGNSSシステムよりもはるかに高い効率性で共分散行列の計算を実施することができる。
[0019]図2A及び図2Bはそれぞれ、GNSSシステム100のジオメトリ行列G及び重み行列Wを示す。図2Aに示されるように、ジオメトリ行列Gは、GNSS受信機115と通信している衛星110の数に対応するm行、及びn列を有し、ここでn=3+Cであり、CはGNSS受信機115と通信している衛星群105の数に対応する。図2Bに示されるように、重み行列Wは、mの行及び列を有し、対角線に沿った重み値以外がすべてゼロ値である正方行列である。前述のように、mはGNSS受信機115と通信している衛星110の数と等しい。
[0020]図2Cは、共分散行列Aを示し、これはA=(GWG)−1として計算されてもよい。図2Cに示されるように、共分散行列Aは、n×nの次元の正方行列であり、ここでn=3+Cであり、CはGNSS受信機115と通信している衛星群105の数に対応する。一般に、共分散行列Aは、3つの関心対象要素、つまり3つの位置軸(東、北、上)に沿った差異を表す、左上3×3部分行列の対角線を含む。残りの行及び列は、衛星群105の時間変数の差異を表すが、これらは保全性計算には概して重要ではない。
[0021]上記で説明されるように、ARAIM及びジオメトリスクリーニングのような一部のGNSSアプリケーションは、複数の共分散行列計算を伴い、そのような計算の各々は、変更済みジオメトリ行列を持つ異なる部分解に対応する。たとえば、所与のGNSSアプリケーションは、第iの衛星を除去された変更済み共分散行列を計算するステップ伴うことができる。この例において、変更済み共分散行列を計算するプロセスは、図2Dに示されるように、変更済みジオメトリ行列
Figure 2017106907
を定義することによって開始する。概して、変更済みジオメトリ行列の各要素g’ijは、第i行の値がゼロに設定されていることを除いて、元のジオメトリ行列gijと同じである。
[0022]従来のGNSSシステムにおいて、次いで、変更済み共分散行列
Figure 2017106907
は、次の式
Figure 2017106907
を使用して計算されてもよい。この従来のプロセスは、逆行列の計算が後に続く、2つの行列乗算を必要とする。次いで、プロセスは、順に追加の衛星110を除去された、各々一意の共分散行列
Figure 2017106907
を伴う、複数の部分解を計算するために反復して繰り返される。そのようなプロセスは、特にGNSSシステム100が多数の衛星110を有する場合には、計算的に要求が厳しい。
[0023]共分散行列を計算するプロセスを簡略化することをめざして、長年にわたり多くの手法が開発されてきた。1つのそのような手法は、ランク1の更新式、つまりシャーマン−モリソンの公式であり、これはよく知られている。例を示すために、ランク1の更新式は、次の定義を適用することによって実施されてもよい。
G=衛星ジオメトリ行列、
W=Gに対応する重み行列、
A=(GWG)−1=完全解の共分散行列、
Figure 2017106907
=Gの第i行の値(gはn×1ベクトル)、
Figure 2017106907
=第i行をゼロに設定されたG、
Figure 2017106907
=第i行をゼロに設定されたW、
Figure 2017106907
=第iの衛星を除去された部分解の共分散行列
S=AGW、
Figure 2017106907
、及び
Figure 2017106907
=分離共分散行列。
[0024]よく知られているランク1の更新式によれば、次の式は、上記の変数の間の関係を説明するために使用され得る。
Figure 2017106907
[0025]式(1)は、その計算が第iの衛星を除去された部分解の共分散行列
Figure 2017106907
、及び実際にその部分解の分離共分散行列
Figure 2017106907
である分数を出力するという利点を有する。その結果、式(1)は、所与の部分解のすべての統計的特性を説明する。加えて、ランク1の更新式は、反復して繰り返されてもよく、インデックスがセット
Figure 2017106907
に含まれる衛星を除去された
Figure 2017106907
をもたらす。
[0026]概して、式(1)に示されるように、ランク1の更新式は、因子で除算された更新行列を伴う元の行列を合計することを伴う。この式は、有利なことに、上記で説明されるように、従来のGNSSシステムにおいて通常は必要とされる逆行列計算ステップを除去する。実際に、ランク1の更新式は、従来の逆行列計算ステップを、計算的に要求が少ないわずかな追加の乗算ステップと置き換える。
[0027]これらの利点にもかかわらず、ランク1の更新式は、GNSSアプリケーションにおいて複数の共分散行列を計算するために使用される場合、特定の望ましくない非効率性を呈する。たとえば、ランク1の更新式は、
Figure 2017106907
が単一の群に属するすべての衛星を含む場合に不明確になる。元の反転公式は、ジオメトリ行列からすべてゼロの列を除去して、非特異性が確保されるようにする必要がある。ランク1の更新式において、所与の群の最後の衛星を除去するステップは、式(1)の右辺の分数が、ハードウェア計算能力の限界により不明確になるので問題を生じる。加えて、ランク1の更新式は、更新されるべき行列が常に対称であることを利用することができない。
[0028]本出願において説明されるプロセスは、この対称性を利用して、ランク1の更新式及びその他の既存の手法よりもはるかに高い効率性で
Figure 2017106907
を計算する。たとえば、本出願のプロセスは、有利なことに、以前の手法よりもはるかに少なく単純な算術演算を伴う。加えて、ランク1の更新式とは異なり、本出願のプロセスは、所与の群のすべての衛星が除去される部分解を確実に計算するために使用されてもよい。
[0029]本出願のプロセスは、以下の定義を確立することによって実施されてもよい。
Figure 2017106907
C=AB (3)
D=CA (4)
[0030]これらの定義を適用することで、式(1)の右辺の分数の分子は、以下のように簡略化されてもよい。
Figure 2017106907
加えて、以下の関係が表されてもよい。
uv=gii (6)
Figure 2017106907
ここで、gは、gの第uの要素である。適切な代数簡約を通じて、duvは以下のように表されてもよい。
Figure 2017106907
[0031]式(8)内のSは、Aの第v列とgの内積として計算されてもよく、Sは、Aの第u行と
Figure 2017106907
の内積として計算されてもよい。さらに、Aは対称であるため、a1v=av1及びSはまた、Aの第v行と
Figure 2017106907
に沿った内積であり、ゆえにS=Sである。したがって、内積の事前計算は、有利なことに、n×1の次元を有するベクトルvを計算することによって単一ステップにおいて、
Figure 2017106907
又は以下のように、完了され得る。
Figure 2017106907
Aの行又は列に沿ってそのような内積を事前計算した後、Dの要素は、有利なことに、わずか2つの乗算により決定されてもよい。
[0032]以下の定義もまた、確立されてもよい。
Figure 2017106907
x’=wii/x (11)
これらの定義を考慮すると、xは、式(1)の右辺の分数の分母に対応する。したがって、式(1)は以下のように書き換えられてもよい。
Figure 2017106907
加えて、式(12)は以下のように書き換えられてもよい。
Figure 2017106907
[0033]式(9)のベクトルvは、式(8)に関して上記で説明されるすべての事前計算された内積を含む。したがって、
Figure 2017106907
の個々の要素は、以下の式を使用して計算されてもよい。
a’rs=ars+x’・v (14)
[0034]図3は、本出願による共分散行列更新の方法300の操作を示す流れ図である。第1のステップ305において、ベクトルvは、上記の式(9)に示されるように所与のベクトルgについて事前計算される。次のステップ310において、重み係数xは、上記の式(10)に示されるように事前計算される。次のステップ315において、重み係数x’は、上記の式(11)に示されるように事前計算される。次のステップ320において、更新済み行列
Figure 2017106907
の個々の要素は、上記の式(14)に示されるように、順に計算される。
[0035]有利なことに、ベクトルv及び重み係数x’が事前計算されてしまうと、更新済み行列の各要素、a’rsは、わずか2つの乗算により計算されてもよい。更新済み行列
Figure 2017106907
もまた対称であるので、各要素は個々に計算される必要はない。正確に言えば、要素a’rsは、s≧rである場合に限り計算され、次いで計算された要素は、更新済み行列
Figure 2017106907
内のそれらのそれぞれ対称相対位置に反映され、これは第iの衛星を除去された部分解の共分散行列に対応する。図4は、更新済み行列
Figure 2017106907
の簡略バージョンを示す図であり、行列の対称的性質により、計算される必要のある要素のみを示す。方法300は、さらに多くの衛星を除去された追加の部分解に対して、順に、反復して繰り返されてもよい。
[0036]所与の共分散行列の各要素は、わずか2つの乗算により計算され得るので、本出願の方法300は、ランク1の更新式及びその他の既存の手法よりもはるかに高い効率性で共分散行列を計算することができる。加えて、所与の群の最後の衛星が除去される場合、所与の群の時間変数に対応するインデックスr、sは省略されてもよい。したがって、群の除去は最も広義の予想される障害モードであるので、最後のステップでは、3つの要素、つまり左上3×3部分行列の対角線を計算する必要があるのみである。その結果、本出願の方法300は、ランク1の更新式により生じる結果と同じ不明確な結果をもたらすことはない。
[0037]例
[0038]図5A〜図5Jは、上記で説明される方法300の1つの固有の例の段階的な結果を示す図である。この特定の例において、図5Aは、2つの群からの16の衛星を含む固有の衛星ジオメトリの値を取り込まれたジオメトリ行列Gを示す。図5Aに示されるように、ジオメトリ行列Gは、16の行(各衛星ごとに1つ)及び5つの列(x、y、z座標について3つ、及び2つの群の時間変数についてさらに2つ)を含む。
[0039]図5Bは、ジオメトリ行列Gに対応する値を取り込まれた重み行列Wを示す。図5Bに示されるように、重み行列Wは、16の行及び16の列を含み、対角線沿い以外はすべてゼロ値である。図5Cは、完全解に対応する共分散行列Aを示す。システムは2つの群を有するので、共分散行列Aは5×5平方行列である、ただし関心対象要素は左上3×3部分行列に位置する。
[0040]図5に示される例において、共分散行列は、第3の衛星を除去された部分解について計算される。したがって、図5Dは、第3行値がゼロに設定された、変更済みジオメトリ行列Gを示し、図5Eは、元のジオメトリ行列Gの第3行からの値を含むベクトルgを示す。
[0041]図5Fは、上記で説明されるステップ305の結果を示し、ここでベクトルvは、第3の衛星を除去された部分解について事前計算される。図5G及び図5Hは、上記で説明されるステップ310及び315の結果を示し、ここで重み係数x及びx’はそれぞれ、同じ部分解について事前計算される。
[0042]図5Iは、上記で説明されるステップ320の結果を示し、ここで変更済み共分散行列Aの1つの固有の要素a’24が計算される。図5Jは、計算された値が適切な行列位置に配置された、変更済み共分散行列Aを示す。この特定の例において、図5Jに示されるように、変更済み共分散行列Aが対称であるので、要素a’24の計算された値は、2つの行列位置に配置される。ステップ320は、残りの要素a’rsを計算して、計算された値を変更済み共分散行列Aに取り込むために必要に応じて繰り返されてもよい。
[0043]上記で示されているように、本出願において説明される方法は、以前の手法よりもはるかに高い効率性で共分散行列を計算することができる。一般に、アルゴリズムの計算コストは、加算A、乗算M、及び除算Dという算術演算において測定される。これらの演算の相対コストはプロセッサによって異なる場合もあるが、加算Aは一般に、乗算Mよりも少ないプロセッサ命令を消費すると考えられており、乗算Mは、除算Dよりもはるかに少ないプロセッサ命令を使用すると考えられている。一般的な法則として、さまざまなアルゴリズムの計算コストを比較する目的で、A=M、及びD=2Mである。これらの「交換レート」を使用することで、本出願において説明される方法は、一般的なGNSSアプリケーションにおける計算コストを、概して約35%から約41%の範囲内の量まで低減するのに十分な効率性を呈することが見出された。
[0044]これらの計算の効率性は、有利なことに、設計者が、従来の解決策に必要とされるものよりも単純で安価なプロセッサ及びその他のハードウェアを使用して、ARAIM及びジオメトリスクリーニングを含む望ましいGNSSアプリケーションを実施することができるようにする。したがって、本出願において説明されるシステム及び方法を実施することにより、GNSSシステムは、全体的なシステムパフォーマンスを低下させることなく、低減されたコストで設計されてもよい。
100 GNSSシステム
105 衛星群、群
110 衛星
115 GNSS受信機
120 アンテナ
125 RFフロント−エンドモジュール
130 ベースバンド処理モジュール
135 インターフェイス
140 プロセッサ
145 ハードウェア抽象化レイヤ
150 ドライバ
155 リアルタイムオペレーティングシステム(RTOS)
160 GNSSアプリケーションモジュール
165 保全性監視アルゴリズム

Claims (3)

  1. 保全性監視方法を実施するように構成されたプロセッサ140を備えるGNSS受信機115であって、
    1つ又は複数の群105に配列された複数の衛星110について、前記GNSS受信機115のメモリに格納された元のジオメトリ行列G及び元の重み行列Wにアクセスするステップと、
    前記元のジオメトリ行列G及び前記元の重み行列Wに対応する元の共分散行列Aを計算するステップと、
    第1の衛星を除去された変更済み衛星ジオメトリに対応する第1の変更済みジオメトリ行列
    Figure 2017106907
    を生成するステップと、
    前記元の共分散行列A、及び前記元のジオメトリ行列G内の前記第1の衛星に対応するジオメトリ行列値gの第1のセットに基づいて、第1のベクトルvを事前計算するステップと、
    前記第1のベクトルv、ジオメトリ行列値gの前記第1のセット、及び前記元の重み行列W内の前記第1の衛星に対応する第1の重み値wiiに基づいて、第1の重み係数x’を事前計算するステップと、
    前記元の共分散行列A、前記第1のベクトルv、及び前記第1の重み係数x’に基づいて変更済み共分散行列
    Figure 2017106907
    の複数の要素a’rsを計算するステップとを備えるGNSS受信機115。
  2. 1つ又は複数の群105に配列された複数の衛星110について、GNSS受信機115のメモリに格納された元のジオメトリ行列G及び元の重み行列Wにアクセスするステップと、
    前記元のジオメトリ行列G及び前記元の重み行列Wに対応する元の共分散行列Aを計算するステップと、
    第1の衛星を除去された変更済み衛星ジオメトリに対応する第1の変更済みジオメトリ行列
    Figure 2017106907
    を生成するステップと、
    前記元の共分散行列A、及び前記元のジオメトリ行列G内の前記第1の衛星に対応するジオメトリ行列値gの第1のセットに基づいて、第1のベクトルvを事前計算するステップと、
    前記第1のベクトルvi、ジオメトリ行列値gの前記第1のセット、及び前記元の重み行列W内の前記第1の衛星に対応する第1の重み値wiiに基づいて、第1の重み係数x’を事前計算するステップと、
    前記元の共分散行列A、前記第1のベクトルv、及び前記第1の重み係数x’に基づいて変更済み共分散行列
    Figure 2017106907
    の複数の要素a’rsを計算するステップとを備えるGNSS保全性監視方法。
  3. 前記GNSS保全性監視方法は、高度受信機自律保全性監視(ARAIM)プロセスに関連して実施される請求項2に記載のGNSS保全性監視方法。
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