JP2017106859A - レーダ装置における受信データの較正方法及びレーダ装置 - Google Patents

レーダ装置における受信データの較正方法及びレーダ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】広い空間を用いて較正部材を計測することなく、測定対象物で反射した電磁波の信号をS/N比を低下させることなく算出することを目的とする。
【解決手段】送信アンテナ及び受信アンテナのうち、最も配置位置の近い送信アンテナと受信アンテナの近接ペアの1つを基準ペアとし、前記基準ペアにおける前記電磁波の反射信号と、前記送信アンテナと前記受信アンテナの全ての組み合わせに対応した前記送信周波数特性及び前記受信周波数特性のそれぞれと、を含んだ較正データを、較正部材を用いて得られた較正受信データから作成する。送信アンテナ及び受信アンテナを用いて測定対象物を計測した測定受信データから、前記較正データを用いて、前記測定受信データに含まれる前記送信周波数特性及び前記受信周波数特性を除去する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、送信用アレイアンテナと受信用アレイアンテナを用いて得られる受信データの較正方法及びレーダ装置に関する。
従来より、コンクリートや木材等の非金属の構造物の内部を非破壊で検査する方法として、3次元映像化レーダ装置が用いられている。この3次元映像化レーダ装置は、複数の受信アンテナにより計測したデータをマイグレーション処理することにより、構造体の内部の3次元映像化を行う。検知できる対象は、構造物内のギャップ、空洞、金属物、導電率や誘電率が異なる領域等を含む。
3次元映像化レーダ装置の一例として、平面アンテナを用いた送信用アレイアンテナ及び受信用アレイアンテナを備えたレーダ装置が知られている(特許文献1)。
上記レーダ装置では、得られた受信データの信号処理を行って3次元画像情報を取得するが、どのような信号処理を行って受信データの較正をするかについては開示されていない。受信データの較正を行わなければ、データには送信アンテナの周波数特性及び受信アンテナの周波数特性が少なくとも含まれているので、3次元画像は不鮮明になり、構造物内のギャップ、空洞、金属物等が十分に識別できない。
特開2015−95840号公報
3次元画像を鮮明にするために、板状の較正部材を用いて送信アンテナの周波数特性及び受信アンテナの周波数特性を含まないように較正が行われている。具体的には、まず、送信用アレイアンテナと受信用アレイアンテナの前面に較正部材を配置して受信用アレイアンテナで受信した信号から較正受信データを得る。この後、送信用アレイアンテナ及び受信用アレイアンテナで測定対象物を計測して得られる計測用受信データを、上記較正受信データで割り算することにより、送信用アレイアンテナの各送信アンテナ及び受信用アレイアンテナの各受信アンテナの周波数特性、アンテナ間結合信号が除去された、測定対象物で反射した電磁波の信号を取得することができる。しかし、この時、較正受信データは、以下の問題が生じる。
較正部材の反射波をから得られる較正受信データは、電磁波の輻射減衰、送信アンテナ、受信アンテナの指向性、較正部材からの反射率の反射角特性を含み、送信用アレイアンテナ内の送信アンテナと受信用アレイアンテナ内の受信アンテナの組み合わせによって異なった値を示す関数である。しかも、この関数は理論的に求めることはできない。このため値が送信アンテナと受信アンテナの組み合わせに依存しない較正受信データを取得するには、送信アンテナと受信アンテナの組み合わせにおいて、電磁波の輻射減衰、アンテナの指向性、較正部材からの反射率の反射角特性の違いがほとんどなくなるように、送信用アレイアンテナ及び受信用アレイアンテナから較正部材までの離間距離を長くして較正用部材の計測を行う必要がある。具体的には、上記離間距離は、送信用アレイアンテナ及び受信用アレイアンテナのアレイ方向の長さの10倍程度にしなければならない。すなわち、電磁波の輻射減衰、送信アンテナ、受信アンテナの指向性、較正部材からの反射率の反射角特性が送信アンテナと受信アンテナの組み合わせに依存しない較正受信データを取得するためには、送信用アレイアンテナ、受信用アレイアンテナから遠い位置に較正部材を配置しなければならない。
すなわち、電磁波の輻射減衰、送信アンテナ、受信アンテナの指向性、較正部材からの反射率の反射角特性が送信アンテナと受信アンテナの組み合わせに依存しない較正受信データを取得するためには、広い空間が必要である他、上記離間距離を大きくするために、較正部材からの反射波が輻射減衰により大きく低下しS/N比が低下するといった問題が生じる。このため、電波暗室を利用して較正受信データを取得することことも考えられるが、電波暗室を準備しなければならず、較正が煩雑になる。
そこで、本発明は、較正のために、広い空間を用いて較正部材を計測することなく、測定対象物で反射した電磁波の信号をS/N比を低下させることなく算出することができる受信データの較正方法、及びその較正方法を用いて3次元画像を生成するレーダ装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、送信用アレイアンテナと受信用アレイアンテナを含むアンテナ装置における受信データの較正方法である。
前記送信用アレイアンテナは、電磁波を物体に向けて放射する、等間隔で複数配列した送信アンテナを含み、
前記受信用アレイアンテナは、前記物体で反射した電磁波を受信する、前記送信アンテナの配列方向に沿って前記等間隔で配列し、かつ前記受信アンテナが前記送信アンテナに対して前記等間隔の半分だけ位置ずれしている受信アンテナを含む。
当該方法は、
測定対象物を前記物体として、前記送信用アレイアンテナによる送信と、前記受信用アレイアンテナによる受信とにより、前記送信アンテナと前記受信アンテナの全ての組み合わせに対応した測定用の受信データであって、前記送信アンテナそれぞれの周波数特性と前記受信アンテナそれぞれの周波数特性と、前記測定対象物で反射した前記電磁波の反射信号を含んだ測定受信データの群を取得するステップと、
較正部材を前記物体として、前記送信用アレイアンテナによる送信と、前記受信用アレイアンテナによる受信とにより、前記送信アンテナと前記受信アンテナの全ての組み合わせに対応した較正用の受信データであって、前記送信アンテナそれぞれの送信周波数特性と前記受信アンテナそれぞれの受信周波数特性と、前記較正部材で反射した前記電磁波の反射信号を含んだ較正受信データの群を取得するステップと、
前記較正受信データの群を用いて前記測定受信データを較正するステップと、を含み、
前記測定受信データを較正するステップは、
前記送信アンテナ及び前記受信アンテナのうち、最も配置位置の近い送信アンテナと受信アンテナの近接ペアの1つを基準ペアとし、前記基準ペアにおける前記電磁波の反射信号と、前記送信アンテナと前記受信アンテナの全ての組み合わせに対応した前記送信周波数特性及び前記受信周波数特性のそれぞれと、を含んだ較正データを、前記較正受信データから作成すること、
前記測定受信データから、前記較正データを用いて、前記測定受信データに含まれる前記送信周波数特性及び前記受信周波数特性を除去することにより、前記測定受信データを較正すること、を含む。
前記受信アンテナ及び前記送信アンテナのそれぞれを、前記受信アンテナRi(iは1以上N以下の自然数であり、Nは2以上の自然数)及び前記送信アンテナTj(jは1以上N以下の自然数)で表し、前記較正受信データをP’ijとする。このとき、前記受信アンテナRi及び前記送信アンテナTjの組み合わせにおける前記較正データP”ij は、
(a)i+1<jのとき、{P’i(i+1)・P’(i+1)(i+2)・…・P’(j-1)j}/{P’(i+1)(i+1)・P’(i+2)(i+2)・…・P’(j-1)(j-1)}であり、
(b)i+1=jあるいはi=jのとき、P’ijであり、
(c)i>jのとき、{P’jj・P’(j+1)(j+1)・…・P’ii}/{P’j(j+1)・P’(j+1)(j+2)・…・P’(i-1)i}である、ことが好ましい。
前記較正部材の、前記送信用アレイアンテナ及び前記受信用アレイアンテナから離間させて配置する離間距離は、前記送信用アレイアンテナ及び前記受信用アレイアンテナの全幅に比べて短い、ことが好ましい。
前記測定受信データ及び前記較正受信データは、前記送信アンテナの放射した電磁波を前記物体の反射を経ることなく直接前記受信アンテナで受信することにより得られるアンテナ間結合信号を除去したデータであり、
前記較正方法は、前記物体を設けることなく、前記送信用アレイアンテナの送信及び前記受信用アレイアンテナの受信を行なうことにより、前記アンテナ間結合信号を得るステップを、さらに有する、ことが好ましい。
前記較正受信データは、前記較正部材と前記送信アンテナあるいは前記受信アンテナとの間の多重反射成分を、時間領域のウィンドウ関数を用いて時間軸上で抑制するゲート処理を施したデータである、ことが好ましい。
前記較正するステップでは、前記基準ペアにおける前記送信周波数特性及び前記受信周波数特性を除去するとき、前記基準ペアの送信アンテナと前記較正部材との間の前記電磁波の伝播距離と、前記基準ペアの受信アンテナと前記較正部材との間の前記電磁波の伝播距離との合計によって生じる前記電磁波の位相遅れ成分も除去する、ことが好ましい。
本発明の他の一態様はレーダ装置である。当該レーダ装置は、
送信アンテナが等間隔で複数配列し、電磁波を物体に向けて放射する送信用アレイアンテナと、
受信アンテナが、前記送信用アレイアンテナの配列方向に沿って前記等間隔で複数配列し、かつ前記送信アンテナに対して前記等間隔の半分だけ位置ずれし、前記物体から反射した電磁波を受信する受信用アレイアンテナと、
前記複数の送信アンテナによる前記物体に向けた送信と、前記複数の受信アンテナによる受信により得られる複数の受信データを用いて前記物体に関する3次元画像データを取得する信号処理部と、
前記3次元画像データを用いて3次元画像を生成する画像表示部と、
較正部材を前記物体として、前記送信用アレイアンテナによる前記較正部材に向けた送信と、前記受信用アレイアンテナによる受信とを行なうことにより得られる、前記送信アンテナと前記受信アンテナの全ての組み合わせに対応した較正用の受信データであって、前記送信アンテナそれぞれの送信周波数特性と前記受信アンテナそれぞれの受信周波数特性と、前記電磁波の反射信号を含んだ較正受信データの群を記憶する第1記憶部と、
測定対象物を前記物体として、前記送信用アレイアンテナによる前記測定対象物に向けた送信と、前記受信用アレイアンテナによる受信とを行うことにより得られる、前記送信アンテナと前記受信アンテナの全ての組み合わせに対応した測定用の受信データであって、前記送信アンテナの周波数特性と前記受信アンテナの周波数特性と、前記電磁波の反射信号を含んだ測定受信データの群を記憶する第2記憶部と、を有し、
前記信号処理部は、
前記送信アンテナ及び前記受信アンテナのうち、最も配置位置の近い送信アンテナと受信アンテナの近接ペアの1つを基準ペアとし、前記基準ペアにおける前記電磁波の反射信号と、前記送信アンテナと前記受信アンテナの全ての組み合わせに対応した前記送信周波数特性及び前記受信周波数特性のそれぞれと、を含んだ較正データを、前記較正受信データから作成する第1部分と、
前記測定受信データから、前記較正データを用いて、前記基準ペアにおける前記送信周波数特性及び前記受信周波数特性を除去することにより、前記測定受信データを較正する第2部分と、を有する。
前記信号処理部は、前記較正部材と前記送信アンテナあるいは前記受信アンテナとの間の多重反射成分を時間軸上で抑制するように、前記較正受信データにゲート処理を施す時間領域のウィンドウ関数を備える、ことが好ましい。
前記第1部分は、前記受信アンテナ及び前記送信アンテナのそれぞれを、前記受信アンテナRi(iは1以上N以下の自然数であり、Nは2以上の自然数)及び前記送信アンテナTj(jは1以上N以下の自然数)で表し、前記較正受信データをP’ijとしたとき、前記受信アンテナRi及び前記送信アンテナTjの組み合わせにおける前記較正データP”ij を、下記(a)〜(c)に従って作成する、ことが好ましい。
(a)i+1<jのとき、P”ij ={P’i(i+1)・P’(i+1)(i+2)・…・P’(j-1)j}/{P’(i+1)(i+1)・P’(i+2)(i+2)・…・P’(j-1)(j-1)}、
(b)i+1=jあるいはi=jのとき、P”ij =P’ij
(c)i>jのとき、P”ij ={P’jj・P’(j+1)(j+1)・…・P’ii}/{P’j(j+1)・P’(j+1)(j+2)・…・P’(i-1)i}。
前記レーダ装置に対して、前記測定対象物は相対的に移動し、
前記送信アンテナの配列方向及び前記受信アンテナの配列方向は、前記測定対象物の相対的な移動方向に対して直交する方向である、ことが好ましい。
上述の受信データの較正方法及びレーダ装置によれば、広い空間を用いて較正部材を計測することなく、測定対象物で反射した電磁波の信号をS/N比を低下させることなく算出ることができる。
本実施形態のレーダ装置の一例のブロック構成図である。 本実施形態で行なう較正受信データの取得を示す図である。 本実施形態で用いる、較正部材あるいは測定対象部材である物体と、送信アンテナの送信と受信アンテナの受信を説明する図である。 (a)は、本実施形態の受信アンテナで受信した受信信号の時間波形の一例を示す図であり、(b)は、本実施形態の差分処理を行うことにより、受信信号からアンテナ間結合信号を除去した時間波形の一例を示す図である。 (a)は、本実施形態の受信アンテナで受信した、多重反射成分を含んだ受信信号の時間波形の一例を示す図であり、(b)は、本実施形態の差分処理を行うとともに、ゲート処理を行った時間波形の一例を示す図である。
図1は、本実施形態のレーダ装置の一例の構成を示す図である。
レーダ装置60は、送信用アレイアンテナ50と受信用アレイアンテナ52と高周波スイッチ58,59と、高周波回路62と、システム制御回路64と、信号処理部66と、画像表示部68と、を有する。レーダ装置60は、10MHz以上、例えば10〜20GHzの電磁波を放射するが、電磁波の周波数は、特に制限されない。
すなわち、レーダ装置60は、送信アンテナ10aが複数配列し、電磁波を物体に向けて放射する送信用アレイアンテナ50と、受信アンテナ10bが複数配列し、物体から反射した電磁波を受信する受信用アレイアンテナ52と、送信用アレイアンテナ50の複数の送信アンテナ10aによる物体に向けた送信と、受信用アレイアンテナ52の複数の受信アンテナ10bによる受信とを行なうことによって得られる複数の測定受信データを較正することにより、物体に関する3次元画像信号を取得する信号処理部66と、を含む。本実施形態の送信アンテナ10a及び受信アンテナ10bは、基板に平面的にアンテナパターンが形成された平面アンテナであるが、平面アンテナに制限されない。
送信用アレイアンテナ50及び受信用アレイアンテナ52は、測定対象物等の物体に対して平面上を移動するように構成されている。平面上を移動するとき、システム制御回路64は、送信用アレイアンテナ50及び受信用アレイアンテナ52の移動距離の単位長さ毎に、送信用アレイアンテナ50の送信アンテナ10を高周波スイッチ58により切り替えつつ、電磁波を放射するように、高周波回路62の動作を制御する。送信用アレイアンテナ50及び受信用アレイアンテナ52の移動は、送信用アレイアンテナ50及び受信用アレイアンテナ52が設けられる基板に一体的に設けられ、一定の移動距離ごとに信号を発生するエンコーダ69によって感知される。このとき、個々の送信アンテナ10aから電磁波の放射が行われる度に複数の受信アンテナ10bを順次切り替えて各受信アンテナ10bに受信させることを、高周波スイッチ59により繰り返す。
なお、送信用アレイアンテナ50から放射される電磁波は、一定の時間に、例えば10〜20GHzの範囲で高周波スイープして放射される。したがって、高周波回路62からから得られる受信信号は、周波数帯域の信号である。
このとき、送信アンテナ10aから放射された電磁波が物体で反射したときの電磁波の反射波を、複数の受信アンテナ10bで受信する。受信用マイクロ波増幅器(RFアンプ)は、送信する送信アンテナ10aと受信する受信アンテナ10bの対毎にゲインを変化させるように設定しておく。送信アンテナ10aと受信アンテナ10bの対の選択に応じてゲインを切り替える可変ゲイン増幅機能を有し、物体中の欠陥等の検査可能な深度を大きくすることもできる。
信号処理部66は、送信用アレイアンテナ50及び受信用アレイアンテナ52による電磁波の送受信によって得られる受信データを較正して、測定対象物内部の3次元画像データを作成する。信号処理部66は、例えばコンピュータにより構成され、記憶部に記憶されているプログラムを呼び出して起動することにより、信号処理部66の機能を発揮することができる。すなわち、信号処理部66は、ソフトウェアモジュールで構成することができる。作成された3次元画像データを用いて、測定対象物の画像が画像表示部68にて表示される。
ここで、本実施形態の信号処理部66で行う受信データの較正方法を具体的に説明する。
本実施形態の較正方法は、コンクリートや木材等の非金属の測定対象物に電磁波を照射して、そのとき測定対象物で反射した電磁波の反射波を受信することにより測定受信データを取得するとともに、非金属の較正部材に電磁波を放射して、そのとき較正部材で反射した反射波を受信することにより較正受信データを取得する。取得した測定受信データ及び較正受信データは、信号処理部66に設けられた記憶部66aに記憶される。
図2は、較正部材80に対して、図1に示すレーダ装置60を用いて電磁波の送受信をすることにより較正受信データを取得する様子を示す図である。図2に示すように、送信用アレイアンテナ50は、電磁波を較正部材80等の物体に放射する、等間隔で複数配列した送信アンテナ10aを含む。受信用アレイアンテナ52は、物体で反射した電磁波を受信する、送信アンテナ10aの配列方向に沿って等間隔で配列し、かつ送信アンテナ10aに対して等間隔の半分だけ位置ずれしている受信アンテナ10bを含む。そして、送信用アレイアンテナ50及び受信用アレイアンテナ52のアンテナの配列方向は、較正部材80の長手方向に沿った方向である。図2では、わかりやすくするために、送信用アレイアンテナ50と受信用アレイアンテナ52のみを示している。
なお、較正部材80を計測対象とする場合、送信用アレイアンテナ59及び受信用アレイアンテナ52を含むレーダ装置60と較正部材80は相対的に静止しているが、測定対象物を計測対象とする場合、レーダ装置60に対して、測定対象物は相対的に移動し、送信アンテナの配列方向及び受信アンテナの配列方向は、測定対象物の相対的な移動方向に対して直交する方向であることが好ましい。
図3は、較正部材80あるいは測定対象部材である物体82と、送信アンテナ10aの送信と受信アンテナ10bの受信を説明する図である。図3では、送信アンテナ10aを4つ、受信アンテナ10bを4つ備える構成であるが、送信アンテナ10a及び受信アンテナ10bの数は限定されない。送信アンテナ10aは、図中の左側から順にT1、T2、T3、T4と表し、受信アンテナ10bは、図中の左側から順にR1、R2、R3、R4と表している。このとき、受信アンテナRi(i=1〜4の自然数)が、送信アンテナTj(j=1〜4の自然数)から放射した電磁波を受信する受信信号Xij(k)は、以下のように表される。
(受信信号Xij(k))=(受信アンテナRiの周波数特性)×[高周波スイッチ(受信用)の周波数特性]×(アンテナ間結合信号+物体の反射信号)×[高周波回路62内の周波数特性]×[高周波スイッチ(送信用)の周波数特性]×(送信アンテナTjの周波数特性)で表される。受信信号Xij(k)は、具体的には、下記式(1)で表される。アンテナ間結合信号とは、送信アンテナ10aから放射された電磁波が物体で反射することなく、受信アンテナ10bで直接受信される信号をいう。
Figure 2017106859
本実施形態では、式(1)に示すように、高周波回路62から周波数領域の受信信号が出力される。本明細書では、周波数領域の受信信号を波数kの関数として表している。
受信信号Xij(k)は、式(1)に示すように、各送受信アンテナの個別の特性を含んでいるため、受信信号Xij(k)に送信アンテナ、受信アンテナの組み合わせ毎のばらつきが生じる。また、送信アンテナと受信アンテナ間で直接送受される不要な直接波も含んでいる。
本実施形態の較正方法は、受信信号から反射信号r(k)・eikLijを求める方法である。
すなわち、本明細書でいう較正とは、受信信号Xij(k)から送信アンテナの周波数特性、受信アンテナの周波数特性、高周波スイッチ(送信用、受信用)の周波数特性、高周波回路62内の周波数特性、及びアンテナ間結合信号を除去し、測定対象物の反射信号を算出することをいう。
ここで、較正部材80を用いて得られる受信信号Pij(k)は、下記式(2)で表される。
Figure 2017106859
ここで、rcalij(k)は、較正部材80からの反射信号の強度であり、Lcalijは、送信アンテナから較正部材80を経て受信アンテナまでの電磁波の伝播距離であり、送信アンテナと較正部材80との間の伝播距離と較正部材80と受信する受信アンテナとの間の伝播距離の合計である。
一方、物体82を用いずに、送信アンテナ10aによる送信と受信アンテナ10bによる受信により得られる受信信号Qij(k)は、下記式(3)で表される。
Figure 2017106859
Figure 2017106859
Figure 2017106859
Figure 2017106859
上記式(4)の最終行の式において、規格化定数Uij(k)は、rcalij(k)の逆数であり、rcalij(k)は、送信アンテナTjと受信アンテナRiとの組み合わせによって定まるものであり、rcalij(k)は、電磁波の輻射減衰、送信アンテナ、受信アンテナの指向性、較正部材からの反射率の反射角特性を含む関数である。この関数は理論的に求めることはできない。このため、従来は、送信アンテナTjと受信アンテナRiとの組み合わせにおいて、電磁波の輻射減衰、アンテナの指向性、較正部材80からの反射率の反射角特性の違いがほとんどなくなるように、送信用アレイアンテナ及び受信用アレイアンテナから較正部材80までの離間距離を長くして較正部材80の計測を行う必要があった。このため、較正部材80からの反射波が輻射減衰により大きく低下しS/N比が低下していた。
本実施形態では、Uij(k)の代わりに、送信アンテナTjと受信アンテナRiとの組み合わせに依存しない規格化定数であって、送信アンテナTjの周波数特性を含んだ送信周波数特性係数Aj(k)及び受信アンテナRiの周波数特性を含んだ受信周波数特性係数Bi(k)を受信データXij(k)から除去する規格化定数U(k)を用いて、測定対象物で反射した反射信号を求めることができる。
本実施形態の較正方法では、送信アンテナTj(j=1〜Nの自然数)の送信周波数特性係数をAjとし、受信アンテナRi(i=1〜Nの自然数)の受信周波数特性係数をBiとして記載する。Nは、送信アンテナ10aの総数であり、また受信アンテナ10bの総数である。本実施形態の較正方法においても、較正部材80が有る場合の受信信号Pij(k)と較正部材80が無い場合の受信信号Qij(k)の計測を行った後、受信信号Pij(k)と受信信号Qij(k)の差処理を行って較正受信データP’ij(k)を得た後、この較正受信データP’ij(k)を用いて、較正行列の作成を行う。この後、実際の測定対象物における受信信号Xij(k)の計測を行い、受信信号Xij(k)と受信信号Qij(k)の差処理を行って測定受信データX’ij(k)を得た後、この測定受信データX’ij(k)を較正行列を用いて処理をする。
まず、下記式(5)に示すように、φijを定めると、較正部材80によって得られる較正受信データP’ij(以降、P’ij(k)をP’ijとも記載する)は、下記式(6)で表される。
Figure 2017106859
Figure 2017106859
この時、送信アンテナ10aと受信アンテナ10bのレイアウトから決まる電磁波の伝搬の対称性から下記式(7)の関係を得ることができる。
Figure 2017106859
式(7)で式(6)を書き換えると式(6)は下記式(8)のように表すことができる。
Figure 2017106859
式(8)から対角要素及びその対角要素に隣接した赤い線で囲んだ要素を用いて、下記式(9)の計算を行ない、計算結果を行列要素とする較正行列(式(10))を作成することができる。この較正行列の各要素が較正データP”ijである。例として、較正データP”ijのいくつかの算出方法を式(11)式に示す。式(11)に示すように、較正受信データP’ijを用いて演算することにより較正データP”ijを算出することができる。式(10)に示されるように、較正データP”ijは、Φ1に、送信周波数特性Ajと、受信周波数特性Biとを掛け算した結果である。
Figure 2017106859
Figure 2017106859
Figure 2017106859
式(10)に示す較正データP”ijを用いれば、下記式(12)の計算によって測定受信データX’ijの較正をすることができる。すなわち、本較正方法では、式(12)の最初の行の右辺に示すように、この右辺の分子の測定受信データX’ij(=Bi×rijikLij×Aj)を、同じi,jに対応する較正データBi×Φ1×Ajで割り算することにより、BiとAjが除去され、その結果、分母に一定の値であるΦ1のみが残る。これにより、測定受信データX’ijが較正される。
Figure 2017106859
式(12)中の規格化定数U(k)は、1/rcal11(k)で、i、jによって変化しない値である。
測定受信データX’ijから、較正データP”ijを用いて、測定受信データX’ijに含まれる送信周波数特性Ai及び受信周波数特性Bjを除去することにより、送信アンテナTiと受信アンテナRjの全ての組み合わせに対応した電磁波の反射信号を算出することができる。式(12)の第1行目の右辺では、φ11(=Φ1)には、送信アンテナT1から較正部材80を経由して受信アンテナR1までの電磁波の伝播距離のぶんだけ、位相が遅れているので、この位相遅れ成分を除去するために、式(12)にeikLcal11を掛け算する。
したがって、信号処理部66では、測定受信データ及び較正受信データを取得した後、以下の処理(A)、(B)を、較正方法として行う。
(A)送信アンテナTj及び受信アンテナRiのうち、最も配置位置の近い送信アンテナと受信アンテナの近接ペアの1つを基準ペアとし((本実施形態では送信アンテナT1と受信アンテナR1)、基準ペアにおける電磁波の反射信号Φ1と、送信アンテナと受信アンテナの全ての組み合わせに対応した送信周波数特性Aj及び受信周波数特性Biのそれぞれと、を含んだ較正データP”ijを、較正受信データP’ijから算出する。
(B)測定受信データX’ijから、算出した較正データP”ijを用いて、測定受信データX’ijに含まれる送信周波数特性Aj及び受信周波数特性Biを除去することにより、送信アンテナTjと受信アンテナRiの全ての組み合わせに対応した電磁波の反射信号を算出する。
したがって、信号処理部66は、上記(A)の処理を行う第1部分66b及び(B)の処理を行う第2部分66cを備える。信号処理部66は、測定受信データX’ijの較正結果を用いて、画像表示するための3次元画像データを作成する。
このように、本実施形態の較正方法では、較正受信データP’ijから作成される較正データP”ijを用いることにより、式(12)の最下行の式に示されるように、i,jに依存しない(送信アンテナ及び受信アンテナの組み合わせに依存しない)規格化定数U(k)を得ることができる。このため、従来のように、広い空間内で、送信アレイアンテナ及び受信アレイアンテナと較正部材80との間の離間距離を長くして較正部材を計測することにより較正受信データP’ijを得ることが必要なく、送信アレイアンテナ及び受信アレイアンテナと較正部材80との間の離間距離を短くして較正部材80を用いて較正受信データP’ijを得ることができる。このため、測定対象物で反射した電磁波の信号をS/N比を低下させることなく算出ることができる。
本実施形態の較正方法では、較正部材80の、送信用アレイアンテナ50及び受信用アレイアンテナ52から離間させて配置する離間距離Zcal(図2参照)は、送信用アレイアンテナ50及び受信用アレイアンテナ52の全幅Sant(図2参照)に比べて短い、ことが好ましい。離間距離Zcalは、全幅Santの50%以下であることがより好ましい。
この場合、基準ペアを送信アンテナT1及び受信アンテナR1としたとき、受信アンテナRi及び送信アンテナTjの組み合わせにおける較正データP’’ijは、較正受信データをP’ijとしたとき、
(a)i+1<jのとき、P’ij={P’i(i+1)・P’(i+1)(i+2)・…・P’(j-1)j}/{P’(i+1)(i+1)・P’(i+2)(i+2)・…・P’(j-1)(j-1)}であり、
(b)i+1=jあるいはi=jのとき、P’ij=P’ijであり、
(c)i>jのとき、P’ij={P’jj・P’(j+1)(j+1)・…・P’ii}/{P’j(j+1)・P’(j+1)(j+2)・…・P’(i-1)i}である、ことが好ましい。
上述の本実施形態の較正方法では、式(9)に示すように、iとjの差が小さくなる程、較正行列の要素(較正データ)を求めるために行なう掛け算の処理回数は少なくなる。このため、本実施形態の較正方法では、送信アンテナTiと受信アンテナRjが互いに近くにある組み合わせの要素ほど、処理の回数によって蓄積されるノイズ成分は少なくなり、かつ、信号強度は大きくなる。このため、較正結果を画像化する場合、信号強度の大きな部分にノイズ成分が含まれにくくすることができ、この点から、本実施形態の較正方法は好ましい。
本実施形態の較正方法では、測定受信データ及び較正受信データは、送信アンテナ10aの放射した電磁波を物体の反射を経ることなく直接受信アンテナ10bで受信することにより得られるアンテナ間結合信号を、受信用アレイアンテナから得られる受信信号から除去したデータであるが、必ずしも、アンテナ間結合信号を除去しなくてもよい。しかし、精度の高い較正を行なう点から、測定受信データ及び較正受信データは、アンテナ間結合信号を、受信用アレイアンテナから得られる受信信号から除去したデータであることが好ましい。したがって、本実施形態の較正方法では、測定対象物あるいは較正部材等の物体を設けることなく、送信用アレイアンテナ50の送信及び受信用アレイアンテナ52の受信を行なうことにより、アンテナ間結合信号を得るステップを含むことが好ましい。
図4(a)は、ある受信アンテナ10bで受信した受信信号の時間波形の一例を示す図であり、図4(b)は、上述した式(1)から式(3)を差し引く差分処理を行うことにより、受信信号からアンテナ間結合信号を除去した時間波形の一例を示す図である。
図4(a)に示すように、送信周波数特性及び受信周波数特性を含んだアンテナ間結合信号は、送信周波数特性及び受信周波数特性を含んだ反射信号に比べて信号強度が大きいので、送信周波数特性及び受信周波数特性を含んだ反射信号のS/N比は低い。このため、送信周波数特性及び受信周波数特性を含んだアンテナ間結合信号を除去する差分処理を行うことで、送信周波数特性及び受信周波数特性を含んだ反射信号を強調することができる。
また、較正受信データは、較正部材80と送信アンテナ10aあるいは受信アンテナ10bとの間の多重反射成分を、時間領域のウィンドウ関数を用いて時間軸上で抑制するゲート処理を施したデータであることが好ましい。これにより、多重反射成分が較正受信データ内に含まれることを抑制できるので、精度の高い較正、さらには、測定対象物の画像化を行うことができる。
図5(a)は、ある受信アンテナ10bで受信した、多重反射成分を含んだ受信信号の時間波形の一例を示す図であり、図5(b)は、上述した式(1)から式(3)を差し引く差分処理を行うとともに、ゲート処理を行った時間波形の一例を示す図である。ゲート処理では、多重反射成分を含む時間波形をウィンドウ関数の各値と反射信号の値を乗算して、多重反射成分を除去する。受信信号内の、較正部材80で1回反射した反射信号の発生位置は、較正部材80を経由した送信アンテナ10aから受信アンテナ10bまでの伝送経路の距離によって略特定でき、較正部材80で電磁波が2回反射する多重反射成分の発生位置も略特定できるので、較正部材80で1回反射した反射信号の発生位置において値が最大となり、多重反射成分の発生位置において値が略0になる時間領域のウィンドウ関数を作成することができる。ウィンドウ関数の形状は特に制限はないが、例えば、較正部材80で1回反射した反射信号の発生位置で値が最大となり、多重反射成分の発生位置で略0になる正弦波形を用いることができる。図5(b)に示す例では、sin波形の自乗関数をウィンドウ関数として用いて反射信号を強調し、多重反射成分を除去することができる。
なお、レーダ装置60の高周波回路62では、受信信号は周波数領域のデータとして出力されるので、受信信号に基づいて得られる較正受信データも周波数領域のデータである。このため信号処理部66は、周波数領域の較正受信データにフーリエ変換を行って時間領域上の時間波形に変換する。このとき、変換した時間波形には、負の周波数に対応する時間波形成分が含まれているので、信号処理部66は、この時間波形成分を除去する。具体的には、信号処理部66は、時間波形の総データ数の半分以降の、負の周波数に対応する時間波形のデータを強制的に0にする。このとき、信号処理部66は、上述したウィンドウ関数を用いたゲート処理を行う。ゲート処理後、逆フーリエ変換を行って周波数領域の較正受信データに戻す。こうして、波数kを関数とする較正受信データを得ることができる。
一方、測定受信データのもとの信号である受信信号も、レーダ装置60の高周波回路62から、周波数領域のデータとして出力されるので、受信信号に基づいて得られる測定受信データも周波数領域のデータである。このため信号処理部66は、測定受信データにフーリエ変換を行って時間領域上の時間波形に変換する。この時間波形の総データ数の半分以降の、負の周波数に対応する時間波形のデータを強制的に0にして、負の周波数を除去する。このとき、信号処理部66は、較正受信データと異なり、ウィンドウ関数を用いたゲート処理は行わない。この後、信号処理部66は、測定受信データに逆フーリエ変換を行って周波数領域の較正受信データに戻す。こうして、波数kを関数とする測定受信データを得ることができる。すなわち、測定受信データでは、多重反射成分を含めて較正される。較正受信データにおいて、多重反射成分を除去するのは、較正受信データは、測定受信データを較正するために用いるデータであるので、較正受信データに含まれる多重反射成分が、較正時、余分なノイズとして較正結果に影響を与えることを抑制するためである。
本実施形態の較正方法では、上述したように、測定受信データを較正するとき、基準ペアの送信アンテナから較正部材を経て受信アンテナまでの電磁波の伝播距離によって生じる電磁波の位相遅れ成分を除去することが、精度の高い較正を行なう点で好ましい。
以上、本発明のレーダ装置における受信データの較正方法及びレーダ装置について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態及び実施例に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
10a 送信アンテナ
10b 受信アンテナ
50 送信用アンテナアレイ
52 受信用アンテナアレイ
58,59 高周波スイッチ
60 レーダ装置
62 高周波回路
64 システム制御回路
66 信号処理部
66a 記憶部
66b 第1部分
66c 第2部分
66d 第3部分
66e 第4部分
66f 第5部分
68 画像表示部
69 エンコーダ

Claims (10)

  1. 送信用アレイアンテナと受信用アレイアンテナを含むアンテナ装置における受信データの較正方法であって、
    前記送信用アレイアンテナは、電磁波を物体に向けて放射する、等間隔で複数配列した送信アンテナを含み、
    前記受信用アレイアンテナは、前記物体で反射した電磁波を受信する、前記送信アンテナの配列方向に沿って前記等間隔で配列し、かつ前記受信アンテナが前記送信アンテナに対して前記等間隔の半分だけ位置ずれしている受信アンテナを含み、
    測定対象物を前記物体として、前記送信用アレイアンテナによる送信と、前記受信用アレイアンテナによる受信とにより、前記送信アンテナと前記受信アンテナの全ての組み合わせに対応した測定用の受信データであって、前記送信アンテナそれぞれの周波数特性と前記受信アンテナそれぞれの周波数特性と、前記測定対象物で反射した前記電磁波の反射信号を含んだ測定受信データの群を取得するステップと、
    較正部材を前記物体として、前記送信用アレイアンテナによる送信と、前記受信用アレイアンテナによる受信とにより、前記送信アンテナと前記受信アンテナの全ての組み合わせに対応した較正用の受信データであって、前記送信アンテナそれぞれの送信周波数特性と前記受信アンテナそれぞれの受信周波数特性と、前記較正部材で反射した前記電磁波の反射信号を含んだ較正受信データの群を取得するステップと、
    前記較正受信データの群を用いて前記測定受信データを較正するステップと、を含み、
    前記測定受信データを較正するステップは、
    前記送信アンテナ及び前記受信アンテナのうち、最も配置位置の近い送信アンテナと受信アンテナの近接ペアの1つを基準ペアとし、前記基準ペアにおける前記電磁波の反射信号と、前記送信アンテナと前記受信アンテナの全ての組み合わせに対応した前記送信周波数特性及び前記受信周波数特性のそれぞれと、を含んだ較正データを、前記較正受信データから作成すること、
    前記測定受信データから、前記較正データを用いて、前記測定受信データに含まれる前記送信周波数特性及び前記受信周波数特性を除去することにより、前記測定受信データを較正すること、を含む、ことを特徴とする受信データの較正方法。
  2. 前記受信アンテナ及び前記送信アンテナのそれぞれを、前記受信アンテナRi(iは1以上N以下の自然数であり、Nは2以上の自然数)及び前記送信アンテナTj(jは1以上N以下の自然数)で表し、前記較正受信データをP’ijとしたとき、前記受信アンテナRi及び前記送信アンテナTjの組み合わせにおける前記較正データは、
    (a)i+1<jのとき、{P’i(i+1)・P’(i+1)(i+2)・…・P’(j-1)j}/{P’(i+1)(i+1)・P’(i+2)(i+2)・…・P’(j-1)(j-1)}であり、
    (b)i+1=jあるいはi=jのとき、P’ijであり、
    (c)i>jのとき、{P’jj・P’(j+1)(j+1)・…・P’ii}/{P’j(j+1)・P’(j+1)(j+2)・…・P’(i-1)i}である、
    請求項1に記載の較正方法。
  3. 前記較正部材の、前記送信用アレイアンテナ及び前記受信用アレイアンテナから離間させて配置する離間距離は、前記送信用アレイアンテナ及び前記受信用アレイアンテナの全幅に比べて短い、請求項1または2に記載の較正方法。
  4. 前記測定受信データ及び前記較正受信データは、前記送信アンテナの放射した電磁波を前記物体の反射を経ることなく直接前記受信アンテナで受信することにより得られるアンテナ間結合信号を除去したデータであり、
    前記物体を設けることなく、前記送信用アレイアンテナの送信及び前記受信用アレイアンテナの受信を行なうことにより、前記アンテナ間結合信号を得るステップを、さらに有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の較正方法。
  5. 前記較正受信データは、前記較正部材と前記送信アンテナあるいは前記受信アンテナとの間の多重反射成分を、時間領域のウィンドウ関数を用いて時間軸上で抑制するゲート処理を施したデータである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の較正方法。
  6. 前記較正するステップでは、前記基準ペアにおける前記送信周波数特性及び前記受信周波数特性を除去するとき、前記基準ペアの送信アンテナと前記較正部材との間の前記電磁波の伝播距離と、前記基準ペアの受信アンテナと前記較正部材との間の前記電磁波の伝播距離との合計によって生じる前記電磁波の位相遅れ成分も除去する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の較正方法。
  7. 送信アンテナが等間隔で複数配列し、電磁波を物体に向けて放射する送信用アレイアンテナと、
    受信アンテナが、前記送信用アレイアンテナの配列方向に沿って前記等間隔で複数配列し、かつ前記送信アンテナに対して前記等間隔の半分だけ位置ずれし、前記物体から反射した電磁波を受信する受信用アレイアンテナと、
    前記複数の送信アンテナによる前記物体に向けた送信と、前記複数の受信アンテナによる受信により得られる複数の受信データを用いて前記物体に関する3次元画像データを取得する信号処理部と、
    前記3次元画像データを用いて3次元画像を生成する画像表示部と、
    較正部材を前記物体として、前記送信用アレイアンテナによる前記較正部材に向けた送信と、前記受信用アレイアンテナによる受信とを行なうことにより得られる、前記送信アンテナと前記受信アンテナの全ての組み合わせに対応した較正用の受信データであって、前記送信アンテナそれぞれの送信周波数特性と前記受信アンテナそれぞれの受信周波数特性と、前記電磁波の反射信号を含んだ較正受信データの群を記憶する第1記憶部と、
    測定対象物を前記物体として、前記送信用アレイアンテナによる前記測定対象物に向けた送信と、前記受信用アレイアンテナによる受信とを行うことにより得られる、前記送信アンテナと前記受信アンテナの全ての組み合わせに対応した測定用の受信データであって、前記送信アンテナの周波数特性と前記受信アンテナの周波数特性と、前記電磁波の反射信号を含んだ測定受信データの群を記憶する第2記憶部と、を有し、
    前記信号処理部は、
    前記送信アンテナ及び前記受信アンテナのうち、最も配置位置の近い送信アンテナと受信アンテナの近接ペアの1つを基準ペアとし、前記基準ペアにおける前記電磁波の反射信号と、前記送信アンテナと前記受信アンテナの全ての組み合わせに対応した前記送信周波数特性及び前記受信周波数特性のそれぞれと、を含んだ較正データを、前記較正受信データから作成する第1部分と、
    前記測定受信データから、前記較正データを用いて、前記基準ペアにおける前記送信周波数特性及び前記受信周波数特性を除去することにより、前記測定受信データを較正する第2部分と、を有することを特徴とするレーダ装置。
  8. 前記信号処理部は、前記較正部材と前記送信アンテナあるいは前記受信アンテナとの間の多重反射成分を時間軸上で抑制するように、前記較正受信データにゲート処理を施す時間領域のウィンドウ関数を備える、請求項7に記載のレーダ装置。
  9. 前記第1部分は、前記受信アンテナ及び前記送信アンテナのそれぞれを、前記受信アンテナRi(iは1以上N以下の自然数であり、Nは2以上の自然数)及び前記送信アンテナTj(jは1以上N以下の自然数)で表し、前記較正受信データをP’ijとしたとき、前記受信アンテナRi及び前記送信アンテナTjの組み合わせにおける前記較正データP”ijを、下記(a)〜(c)に従がって作成する、請求項7または8に記載のレーダ装置。
    (a)i+1<jのとき、P”ij ={P’i(i+1)・P’(i+1)(i+2)・…・P’(j-1)j}/{P’(i+1)(i+1)・P’(i+2)(i+2)・…・P’(j-1)(j-1)}、
    (b)i+1=jあるいはi=jのとき、P”ij =P’ij
    (c)i>jのとき、P”ij ={P’jj・P’(j+1)(j+1)・…・P’ii}/{P’j(j+1)・P’(j+1)(j+2)・…・P’(i-1)i}。
  10. 前記レーダ装置に対して、前記測定対象物は相対的に移動し、
    前記送信アンテナの配列方向及び前記受信アンテナの配列方向は、前記測定対象物の相対的な移動方向に対して直交する方向である、請求項7〜9のいずれか1項に記載のレーダ装置。
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