JP2017106645A - 冷却装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】電子デバイスに内蔵される電子部品で発生する熱をより効果的に消散させることができ、且つ、電子デバイスの小型化に寄与する冷却装置を提供とする。【解決手段】第一から第四の辺に沿って延在する第一から第四の辺縁部をそれぞれ有し、圧電素子をそれぞれ備える二つの振動板と、前記二つの振動板の第一から第三の辺縁部同士を接続するスペーサと、を備えるピエゾファンと、前記二つの振動板のうちの少なくとも一方の表面であって前記第一から第三の辺縁部の少なくとも一つに熱的に接触するように配されたヒートパイプと、を備える冷却装置。【選択図】図3
Description
本発明は冷却装置に関する。
ヒートパイプは、非常に小さな温度変化で、ある一点から他の一点に熱を輸送することができるデバイスである。ヒートパイプは密閉された中空のコンテナを有し、当該コンテナの中に作動流体が入れられている。ヒートパイプは、その一端が凝縮部として機能し他端が蒸発部として機能し、潜熱の原理に基づき作動する。ヒートパイプの蒸発部が加熱されるとヒートパイプ内の作動流体の蒸発が起こり、蒸気が凝縮部に移動し、凝縮部にて蒸気が冷やされて凝縮する。凝縮した作動流体は、毛細管現象によりヒートパイプの内壁面上に設けられたウィックを伝って蒸発部に戻る。これら蒸発及び凝縮の繰返しにより熱の輸送が実現される。
ピエゾファンは、圧電素子を備えた冷却素子である。特に、圧電素子を備えた板を二つ有し、二つの板の間に開口を残すようにスペーサが配されたバイモルフ素子は、系の共振モードを励起するようにAC電流を圧電印加に付与することにより動作する。二つの板が互いに離れるように動いた際に周囲の流体(たとえば、空気)が二つの板の間に吸い込まれ、二つの板が互いに近づくように動いた際に二つの板の間にある流体が排出されるため、圧電素子に印加されたAC電流の周波数に応じた風を発生させることができる。
グラファイトシート(グラフェン)は、原子スケールで2次元の六角形格子構造を有する炭素同素体であり、高い熱伝導性を有する。グラファイトシートは、熱源で発生した熱を周辺に消散させる熱拡散体として用いられている。
スマートフォンに代表されるような携帯電子デバイスは、限られたスペースに多数の電子部品が収容されているため、デバイス内で発生した熱の消散は、電子部品間の熱伝導および筐体外表面での自然対流に限られる。このような携帯電子デバイスにおける熱消散の問題を解消する手段として、高い熱伝導性を有するグラファイトシート又はヒートパイプが用いられている。
しかしながら、特にスマートフォンについて、現在及び将来に期待される性能を提供するためには、さらに高度な熱の消散性が求められるようになってきている。
スマートフォンに代表されるような携帯電子デバイスは、限られたスペースに多数の電子部品が収容されているため、デバイス内で発生した熱の消散は、電子部品間の熱伝導および筐体外表面での自然対流に限られる。このような携帯電子デバイスにおける熱消散の問題を解消する手段として、高い熱伝導性を有するグラファイトシート又はヒートパイプが用いられている。
しかしながら、特にスマートフォンについて、現在及び将来に期待される性能を提供するためには、さらに高度な熱の消散性が求められるようになってきている。
グラファイトシート又はヒートパイプを用いた携帯電子デバイスにおいても、熱の消散は依然として筐体外表面での自然対流に依存するため、電子部品に用いられているチップ(半導体素子)の接合部が非常に高い温度(たとえば80℃以上)のままに維持されることがある。このような高温は半導体素子が許容できないことがある。
グラファイトシートは、面内においてのみ熱伝導性が高く、それに垂直な厚さ方向における熱伝導性は比較的乏しい。汎用のグラファイトシートによる熱の消散は、たとえば、サイズが小さく且つ低出力(たとえば1W又は2W)のCPU向けには有効である。しかしながら、出力2Wを超えるCPUに対して汎用のグラファイトシートを用いると、CPUの接合部温度が90℃に達することがある。
ヒートパイプは、第一端と第二端との間で大きな温度差を生じることなく熱の移動を行うことができる理想的な熱移動体である。しかしながら、スマートフォンのような小型の携帯電子デバイスにおいては、非常に小さくて薄いヒートパイプが要求されるため、ヒートパイプによる熱消散は、ヒートパイプが位置している領域に限定されることがある。その結果、周囲のより広い領域に熱を消散できず、CPUの接合部温度が高い温度に維持されることがある。
特許文献1は、電子部品と、電子部品に熱的に接続されたヒートパイプと、当該ヒートパイプに熱的に接続されたヒートシンクと、当該ヒートシンクを冷却する冷却ファンと、を備えた電子機器を開示している。ヒートパイプはヒートシンクをその長手方向に貫通するように配されている。冷却ファンは、その送風口とヒートシンクとが対向するように、且つ、その送風口がヒートシンクから離間するように配置されている。
携帯電子デバイスにおいて、冷却装置として、冷却ファンとヒートシンクとを別個に搭載して且つこれらを互いに離間するように配置すると、デバイス内の空間を占める冷却装置の割合が増して、デバイスの小型化を妨げることがある。また、特許文献1に開示されているような冷却ファンは、自身のサイズが大きいため、デバイスの小型化を妨げることがある。
携帯電子デバイスにおいて、冷却装置として、冷却ファンとヒートシンクとを別個に搭載して且つこれらを互いに離間するように配置すると、デバイス内の空間を占める冷却装置の割合が増して、デバイスの小型化を妨げることがある。また、特許文献1に開示されているような冷却ファンは、自身のサイズが大きいため、デバイスの小型化を妨げることがある。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、電子デバイスに内蔵される電子部品で発生する熱をより効果的に消散させることができ、且つ、電子デバイスの小型化に寄与する冷却装置の提供を目的とする。
(1)本発明の一態様に係る冷却装置は、第一から第四の辺に沿って延在する第一から第四の辺縁部をそれぞれ有し、圧電素子をそれぞれ備える二つの振動板と、前記二つの振動板の第一から第三の辺縁部同士を接続するスペーサと、を備えるピエゾファンと、前記二つの振動板のうちの少なくとも一方の表面であって前記第一から第三の辺縁部の少なくとも一つに熱的に接触するように配されたヒートパイプと、を備える。
(2)上記(1)に記載の冷却装置であって、前記第二の辺縁部は、前記第一の辺縁部及び前記第三の辺縁部の延在する方向に略垂直に延伸し、前記ヒートパイプは、前記二つの振動板のうちの少なくとも一方の表面であって前記第二の辺縁部に熱的に接触し、前記ヒートパイプの長手方向は、前記第二の辺縁部の延在方向に実質的に平行であってもよい。
(3)上記(1)又は(2)記載の冷却装置であって、前記二つの振動板のうちの少なくとも一つは、ステンレス板と、銅板、アルミ板、及びグラファイトシートのうちの一つと、を備えてもよい。
(4)上記(1)〜(3)のいずれかに記載の冷却装置であって、前記二つの振動板のうちの少なくとも一つは、二つのステンレス板と、前記二つのステンレス板に挟まれたグラファイトシートと、を備えてもよい。
(4)上記(1)〜(3)のいずれかに記載の冷却装置であって、前記二つの振動板のうちの少なくとも一つは、二つのステンレス板と、前記二つのステンレス板に挟まれたグラファイトシートと、を備えてもよい。
上記本発明の態様によれば、電子デバイスに内蔵される電子部品で発生する熱をより効果的に消散させることができ、且つ、電子デバイスの小型化に寄与する冷却装置を提供できる。
以下、本発明の実施形態に係る冷却装置を、図面を参照して説明する。図面において、説明の便宜上、いくつかの部分が拡大され又は省略されているが、図面に表されている各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
図1は、一実施形態に係る冷却装置20に用いられるピエゾファン10を模式的に示す平面図であり、図2は、図1のII−II線に沿う断面を模式的に示す断面図である。図3は、冷却装置20を模式的に示す平面図であり、図4は、図3のIV−IV線に沿う断面を模式的に示す断面図である。
ピエゾファン10は、二つの振動板1(第一の振動板11及び第二の振動板12)と、スペーサ3と、を備えている。
ピエゾファン10は、二つの振動板1(第一の振動板11及び第二の振動板12)と、スペーサ3と、を備えている。
二つの振動板1は、それぞれ圧電素子2を備えている。スペーサ3は、二つの振動板1の間に挟まれている。図2の例において、圧電素子2はそれぞれ第一の振動板11の外表面11e上及び第二の振動板12の外表面12e上に配され、スペーサ3は、第一の振動板11の内表面11i及び第二の振動板12の内表面12iに接している。
図1の例において、二つの振動板1は、平面視において、第一から第四の辺1a〜1dで囲まれる四角形であり、第一から第四の辺1a〜1dに沿って延在する第一から第四の辺縁部1A〜1Dをそれぞれ有している。第二の辺縁部1Bは、第一の辺縁部1A及び第三の辺縁部1Cの延在する方向に略垂直に延伸している。
第一から第四の辺縁部1A〜1Dは、第一から第四の辺(縁)を含む領域と規定してもよく、第一から第四の辺(縁)の近傍の領域と規定してもよい。なお、第一から第三の辺縁部1A〜1Cは、ピエゾファン10の駆動中に、二つの振動板1の振動動作に実質的に関与しない、スペーサ3により固定された部分である。
二つの振動板1の平面視における形状は、厳密に四角形である必要はなく、たとえば、四角形の四つの角のうちの一つ以上が切られた多角形、又は、四角形の四つの角のうちの一つ以上が丸められた形状であってもよい。
図1の例において、二つの振動板1は、平面視において、第一から第四の辺1a〜1dで囲まれる四角形であり、第一から第四の辺1a〜1dに沿って延在する第一から第四の辺縁部1A〜1Dをそれぞれ有している。第二の辺縁部1Bは、第一の辺縁部1A及び第三の辺縁部1Cの延在する方向に略垂直に延伸している。
第一から第四の辺縁部1A〜1Dは、第一から第四の辺(縁)を含む領域と規定してもよく、第一から第四の辺(縁)の近傍の領域と規定してもよい。なお、第一から第三の辺縁部1A〜1Cは、ピエゾファン10の駆動中に、二つの振動板1の振動動作に実質的に関与しない、スペーサ3により固定された部分である。
二つの振動板1の平面視における形状は、厳密に四角形である必要はなく、たとえば、四角形の四つの角のうちの一つ以上が切られた多角形、又は、四角形の四つの角のうちの一つ以上が丸められた形状であってもよい。
二つの振動板1の第一から第三の辺縁部1A〜1C同士は、スペーサ3A〜3C(3)により接続されている。図1及び図2の例において、第一の振動板11の第一から第三の辺縁部1A〜1Cと、第二の振動板12の第一から第三の辺縁部1A〜1Cとが、互いの内表面11i、12iが対向するようにスペーサ3A〜3Cにより接続されている。第一の振動板11の第四の辺縁部1Dと第二の振動板12の第四の辺縁部1Dとの間に、開口13が形成される。
振動板1の材料及び構成は、ピエゾファンとして機能する限りにおいて、特に限定されない。たとえば、1枚のステンレス板からなる振動板1を採用してもよい。また、強度及び熱伝導性の両立の観点から、ベリリウム銅又はリン青銅からなる振動板1を採用してもよい。振動板1の他の好ましい材料及び構成については、後に詳しく述べる。
スペーサ3(3A〜3C)は、第一の辺縁部1Aから第三の辺縁部1Cにかけて連続的に設けられていてもよく、断続的に設けられていてもよい。
スペーサ3の材料は、振動板1の材質等に応じて、公知の材料から適宜に選択できる。特に、スペーサ3がシリコーンゴムのような伸縮性の高い材料で形成されている場合、スペーサ3と二つの振動板1との接着性を確実に保ちつつ、スペーサ3により接続される二つの振動板1の振動動作の自由度を高めることができる。
スペーサ3の材料は、振動板1の材質等に応じて、公知の材料から適宜に選択できる。特に、スペーサ3がシリコーンゴムのような伸縮性の高い材料で形成されている場合、スペーサ3と二つの振動板1との接着性を確実に保ちつつ、スペーサ3により接続される二つの振動板1の振動動作の自由度を高めることができる。
二つの圧電素子2には、図示されていない電源からAC電流が供給される。各圧電素子2は、逆圧電効果によって、供給されたAC電流の周波数に応じた振動をする。二つの振動板1が互いに離れるように動いた際に周囲の空気が開口13より二つの振動板1の間に吸い込まれ、二つの振動板1が互いに近づくように動いた際に二つの板の間にある空気が開口13より排出される。
ヒートパイプ5は、二つの振動板1のうちの少なくとも一方の表面であって、第一から第三の辺縁部1A〜1Cの少なくとも一つに熱的に接触するように配されている。図3に例示されている冷却装置20は、図1に示したピエゾファン10と、第一の振動板11の外表面上に熱的に接触するように配されたヒートパイプ5とを備えている。ヒートパイプ5の配置は、図3の例に限られない。たとえば、第一から第三の辺縁部1A〜1Cの一つにヒートパイプ5の一部が接触するように配置してもよい。また、第一から第三の辺縁部1A〜1Cの二つ又は三つにヒートパイプ5が接触するように配置してもよい。
ヒートパイプ5と振動板1との接続方法は、ヒートパイプ5のパイプの材質や振動板1の材質等に応じて、公知の方法から適宜に選択できる。この接続方法の例として、たとえば、はんだ付けや、接着剤等を用いた接着、機械カシメ等が挙げられる。図4に示されている例において、ヒートパイプ5は、はんだやエポキシのような接着部材6を介して、第一の振動板11の外表面11e上に熱的に接触している。
ヒートパイプ5と振動板1との接続方法は、ヒートパイプ5のパイプの材質や振動板1の材質等に応じて、公知の方法から適宜に選択できる。この接続方法の例として、たとえば、はんだ付けや、接着剤等を用いた接着、機械カシメ等が挙げられる。図4に示されている例において、ヒートパイプ5は、はんだやエポキシのような接着部材6を介して、第一の振動板11の外表面11e上に熱的に接触している。
図5は、冷却装置20の他の例を模式的に示す断面図である。図5の例において、第一の振動板11は、第二の振動板12の端縁(第二の辺1b)から外側に延びる延長部11xを有しており、接着部材6を介して延長部11xの外表面(11e)に熱的に接触するように配されたヒートパイプ5を備えている。
延長部11xは、一枚の振動板1の一部分であってもよく、一枚の振動板1の端部に接続された別体の板であってもよい。延長部11xは、スペーサ3Bの外側に延びているため、ピエゾファン10の駆動時における振動が少ない。また、振動板1の振動動作は、基本的にスペーサ3Bと開口13との間の領域で行われる。したがって、延長部11xの外表面(11e)上にヒートパイプ5が配されている構成では、ヒートパイプ5に対する振動板1の振動の影響を抑制でき、ヒートパイプ5から振動板1への熱伝達をより確実に行うことができる。また、ヒートパイプ5が振動板1の振動動作を阻害することを防止できる。さらに、ヒートパイプ5の第二端に接触している冷却対象100(たとえばCPU)が、ヒートパイプ5の振動により故障することを防止できる。
ヒートパイプ5は、延長部11xの内表面上(即ち、外表面11eとは反対の面上)に配されていてもよい。この場合にも、上述したのと同様の効果が得られる。
第一の振動板11と第二の振動板12とが共に延長部(11x)を有して且つ、第一の振動板11の延長部と第二の振動板12の延長部との間において、ヒートパイプ5が両方の振動板11及び12に固定されていてもよい。この場合、ヒートパイプ5に対する振動板1(11,12)の振動の影響をさらに抑制できる。また、ヒートパイプ5から両方の振動板11及び12に熱伝達が可能であるため、より高い冷却性能を得ることができる。
延長部11xは、一枚の振動板1の一部分であってもよく、一枚の振動板1の端部に接続された別体の板であってもよい。延長部11xは、スペーサ3Bの外側に延びているため、ピエゾファン10の駆動時における振動が少ない。また、振動板1の振動動作は、基本的にスペーサ3Bと開口13との間の領域で行われる。したがって、延長部11xの外表面(11e)上にヒートパイプ5が配されている構成では、ヒートパイプ5に対する振動板1の振動の影響を抑制でき、ヒートパイプ5から振動板1への熱伝達をより確実に行うことができる。また、ヒートパイプ5が振動板1の振動動作を阻害することを防止できる。さらに、ヒートパイプ5の第二端に接触している冷却対象100(たとえばCPU)が、ヒートパイプ5の振動により故障することを防止できる。
ヒートパイプ5は、延長部11xの内表面上(即ち、外表面11eとは反対の面上)に配されていてもよい。この場合にも、上述したのと同様の効果が得られる。
第一の振動板11と第二の振動板12とが共に延長部(11x)を有して且つ、第一の振動板11の延長部と第二の振動板12の延長部との間において、ヒートパイプ5が両方の振動板11及び12に固定されていてもよい。この場合、ヒートパイプ5に対する振動板1(11,12)の振動の影響をさらに抑制できる。また、ヒートパイプ5から両方の振動板11及び12に熱伝達が可能であるため、より高い冷却性能を得ることができる。
ヒートパイプ5は、密閉された中空のコンテナを有し、コンテナの中に作動流体が入れられている。コンテナの材料は、作動流体の種類や使用温度等の条件によって、公知の金属材料から適宜に選択することができる。特に、銅やアルミなどの熱伝導率の高い金属材料を用いる場合、高い熱輸送性および高い熱拡散性が得られる。
コンテナの内壁面上には、コンテナの長手方向に沿ってウィックが設けられている。ウィックの材料の一例として、金属極細線ファイバー、金属メッシュ、及び金属粉末の焼結体が挙げられる。気相の作動流体はウィックの内側の空間を流通可能である。一方、液相の作動流体は、毛細管現象によりウィックを伝って移動可能である。
ヒートパイプ5の第一端において作動流体が凝縮し、第二端において作動流体が蒸発する場合、第一端において得られた液相の作動流体がウィックを伝って第二端に移動し、第二端において得られた気相の作動流体は、ウィック内側の空間を通って第一端に移動する。このように、ヒートパイプ5は、作動流体の液相/気相間の相転移を繰り返し利用して、第二端(蒸発部)で回収した熱を第一端(凝縮部)に繰り返し輸送することができる。
コンテナの内壁面上には、コンテナの長手方向に沿ってウィックが設けられている。ウィックの材料の一例として、金属極細線ファイバー、金属メッシュ、及び金属粉末の焼結体が挙げられる。気相の作動流体はウィックの内側の空間を流通可能である。一方、液相の作動流体は、毛細管現象によりウィックを伝って移動可能である。
ヒートパイプ5の第一端において作動流体が凝縮し、第二端において作動流体が蒸発する場合、第一端において得られた液相の作動流体がウィックを伝って第二端に移動し、第二端において得られた気相の作動流体は、ウィック内側の空間を通って第一端に移動する。このように、ヒートパイプ5は、作動流体の液相/気相間の相転移を繰り返し利用して、第二端(蒸発部)で回収した熱を第一端(凝縮部)に繰り返し輸送することができる。
図3の例において、ヒートパイプ5の第一端はピエゾファン10に熱的に接触しており、ヒートパイプ5の第二端は、冷却対象100に熱的に接触している。ヒートパイプ5は、作動流体の液相/気相間の相転移を繰り返し利用して、第二端で回収した熱を第一端に繰り返し輸送することができる。
なお、冷却対象100は、たとえばCPUであり、より具体的には、CPUに熱的に接触している冷却板(例えば銅板)であるが、これに限られない。熱を発生する部品であれば冷却対象100となりうる。また、冷却対象100のサイズ(面積)や数に応じて、第一の振動板11の外表面11e上に熱的に接触するように配されたヒートパイプ5と、第二の振動板12の外表面12e上に熱的に接触するように配されたヒートパイプ5と、を備える冷却装置20を採用してもよい。
なお、冷却対象100は、たとえばCPUであり、より具体的には、CPUに熱的に接触している冷却板(例えば銅板)であるが、これに限られない。熱を発生する部品であれば冷却対象100となりうる。また、冷却対象100のサイズ(面積)や数に応じて、第一の振動板11の外表面11e上に熱的に接触するように配されたヒートパイプ5と、第二の振動板12の外表面12e上に熱的に接触するように配されたヒートパイプ5と、を備える冷却装置20を採用してもよい。
上述の冷却装置20によれば、ヒートパイプ5の第二端は熱を発生する冷却対象100に熱的に接触可能であり、蒸発部として機能し得る。一方、ヒートパイプ5の第一端は、ピエゾファン10の端縁部に熱的に接触するように配されているため、ピエゾファン10の二つの振動板1に熱伝導するので直接的に冷却され、凝縮部として機能し得る。したがって、冷却対象100で発生した熱をヒートパイプ5の第二端で回収し、回収された熱を第一端まで輸送し、輸送された熱を振動板1に伝導することにより振動板1内に熱が拡散する。そして、ピエゾファン10の開口13から送り込まれる風により振動板1に拡散した熱をアクティブに消散させることができる。
ピエゾファン10は、特許文献1に記載されているような通常の冷却ファンと比較して全体のサイズが小さいため、コンパクトな冷却装置20を提供できる。ヒートパイプ5の第一端がピエゾファン10の二つの振動板1のうちの少なくとも一方の表面に熱的に接触するように配されているため、振動板1がヒートシンクの役目も兼ね備えている。このため、ヒートシンク等の他の部材を必要とすることなく、よりコンパクトな冷却装置20を提供することができる。
また、ヒートパイプ5は、第一から第三の辺縁部の少なくとも一つに熱的に接触するように配されているため、二つの振動板1の振動動作を妨げることなく、ヒートパイプ5の第一端を冷却することができる。
ピエゾファン10は、特許文献1に記載されているような通常の冷却ファンと比較して全体のサイズが小さいため、コンパクトな冷却装置20を提供できる。ヒートパイプ5の第一端がピエゾファン10の二つの振動板1のうちの少なくとも一方の表面に熱的に接触するように配されているため、振動板1がヒートシンクの役目も兼ね備えている。このため、ヒートシンク等の他の部材を必要とすることなく、よりコンパクトな冷却装置20を提供することができる。
また、ヒートパイプ5は、第一から第三の辺縁部の少なくとも一つに熱的に接触するように配されているため、二つの振動板1の振動動作を妨げることなく、ヒートパイプ5の第一端を冷却することができる。
ヒートパイプ5は、図3に示すように、その長手方向が第二の辺縁部1Bの延伸方向に平行になるように、第二の辺縁部1Bに配されてもよい。第一から第四の辺縁部1A〜1Dのうち、第二の辺縁部1Bは、ピエゾファン10の駆動時における振動板1の振動を受けにくい。したがって、二つの振動板1の振動動作を阻害することなく、ヒートパイプ5から二つの振動板1への熱伝達をより確実に行うことができる。
図6〜7は、振動板1の構成例及び振動板1とヒートパイプ5との接続を示す断面図である。二枚の振動板1の少なくとも一つは、ステンレス板15と、熱拡散板16と、を備えていてもよい。ピエゾファン10の繰り返し振動に対する耐久性の観点において、振動板1は、少なくともステンレス板を含むことが好ましい。
熱拡散板16は、ステンレス板15よりも熱伝導性の高い板であればよい。熱拡散板16の例として、銅板、アルミ板、及びグラファイトシートが挙げられる。冷却装置20において振動板1がステンレス板15および熱拡散板16を備える場合、ピエゾファン10の繰り返し振動に対する高い耐久性を実現できるとともに、ピエゾファン10の開口13から送り込まれる風を利用しながら、ヒートパイプ5の第一端に輸送された熱をより効率的に消散させることができる。
なお、ステンレス板15と熱拡散板16との接合は、熱拡散板16の材質に応じて、接着剤等を用いた接着などの公知の方法から適宜に選択できる。また、ピエゾファン10において、熱拡散板16は、外側に配されていてもよく、内側に配されていてもよい。熱拡散板16の配置及び材質に応じて、適宜に図6又は図7のような振動板1及びヒートパイプ5間の接続を採用すればよい。
熱拡散板16を外側に配されたピエゾファン10において、熱拡散板16にその厚さ方向に貫通する孔を設け、その孔から露出したステンレス板15の表面(15e)上に圧電素子2を固定してもよい。この場合、振動板1の主体である内側のステンレス板15に圧電素子2で生じた力が直接的にかつ確実に伝達されるので、より信頼性の高いピエゾファン10を実現できる。
なお、ステンレス板15と熱拡散板16との接合は、熱拡散板16の材質に応じて、接着剤等を用いた接着などの公知の方法から適宜に選択できる。また、ピエゾファン10において、熱拡散板16は、外側に配されていてもよく、内側に配されていてもよい。熱拡散板16の配置及び材質に応じて、適宜に図6又は図7のような振動板1及びヒートパイプ5間の接続を採用すればよい。
熱拡散板16を外側に配されたピエゾファン10において、熱拡散板16にその厚さ方向に貫通する孔を設け、その孔から露出したステンレス板15の表面(15e)上に圧電素子2を固定してもよい。この場合、振動板1の主体である内側のステンレス板15に圧電素子2で生じた力が直接的にかつ確実に伝達されるので、より信頼性の高いピエゾファン10を実現できる。
熱拡散板16としてグラファイトシートを用いる場合、図6に示すように、ステンレス板15の一部が露出するように熱拡散板16を配し、露出したステンレス板15の表面15e上に、接着部材6を介してヒートパイプ5を固定してもよい。この場合、金属製のヒートパイプ5がステンレス板5に接続されるため、ヒートパイプ5と振動板1との間で高い接合性を得ることができる。
図7に示すように、ステンレス板15の一方の面を完全に覆うように熱拡散板16を配し、ステンレス板15の他方の面15f上に接着部材6を介してヒートパイプ5を固定してもよい。熱拡散板16として銅板またはアルミ板を用いる場合、ヒートパイプ5及び振動板1間においてより高い熱伝導性を得るために、接着部材6を介して銅板またはアルミ板の表面上にヒートパイプ5を固定してもよい。
図7に示すように、ステンレス板15の一方の面を完全に覆うように熱拡散板16を配し、ステンレス板15の他方の面15f上に接着部材6を介してヒートパイプ5を固定してもよい。熱拡散板16として銅板またはアルミ板を用いる場合、ヒートパイプ5及び振動板1間においてより高い熱伝導性を得るために、接着部材6を介して銅板またはアルミ板の表面上にヒートパイプ5を固定してもよい。
熱拡散板16として銅板を用いる場合、強度が高く、面内及び面外への熱消散性のより高い振動板1を得ることができる。この場合、ピエゾファン10の開口13から送り込まれる風を利用しながら、ヒートパイプ5の第一端に輸送された熱をより効率的に振動板1の面内及び面外に消散させることができる。また、熱拡散板16がアルミ板である場合、さらに振動板1の軽量化を実現できる。
グラファイトシートは、特にグラファイトシート面内の熱拡散性が高く軽量である。したがって、熱拡散板16としてグラファイトシートを用いる場合、ピエゾファン10の開口13から送り込まれる風を利用しながら、ヒートパイプ5の第一端に輸送された熱を、特に振動板1の面内に効率的に消散させることができる。さらに、冷却装置20全体としての軽量化を実現できる。
二つの振動板1は、二つのステンレス板15と、二つのステンレス板15に挟まれた熱拡散板16と、を備えていてもよい。二つのステンレス板15と熱拡散板16との接合は、熱拡散板16の材質に応じて接着剤等を用いた接着などの公知の方法から適宜に選択できる。
図8は、振動板1の他の構成例を示す断面図である。図8に例示される振動板1は、二つのステンレス板15と熱拡散板16とを含んでいる。強度の高い二つのステンレス板15の間に熱拡散板16が挟まれた振動板1は、より高い耐久性と高い熱拡散性とを有する。また、熱膨張係数の差異による振動板1の反りをより確実に防止できる。
図8の例においても、上述の通り、熱拡散板16として、銅板、アルミ板、又はグラファイトシートを採用することもできる。熱拡散板16としてグラファイトシートを用いる場合、グラファイトシートの高い面内熱拡散性と軽量のために、ピエゾファン10の開口13から送り込まれる風を利用しながら、ヒートパイプ5の第一端に輸送された熱を、特に振動板1の面内に効率的に消散させることができ、さらに、冷却装置20全体としての軽量化を実現できる。
図8は、振動板1の他の構成例を示す断面図である。図8に例示される振動板1は、二つのステンレス板15と熱拡散板16とを含んでいる。強度の高い二つのステンレス板15の間に熱拡散板16が挟まれた振動板1は、より高い耐久性と高い熱拡散性とを有する。また、熱膨張係数の差異による振動板1の反りをより確実に防止できる。
図8の例においても、上述の通り、熱拡散板16として、銅板、アルミ板、又はグラファイトシートを採用することもできる。熱拡散板16としてグラファイトシートを用いる場合、グラファイトシートの高い面内熱拡散性と軽量のために、ピエゾファン10の開口13から送り込まれる風を利用しながら、ヒートパイプ5の第一端に輸送された熱を、特に振動板1の面内に効率的に消散させることができ、さらに、冷却装置20全体としての軽量化を実現できる。
なお、二つの振動板11及び12の構成が互いに異なっていてもよい。たとえば、振動板11がステンレス板15及び銅板を備え、振動板12がステンレス板15及びグラファイトシートを備えていてもよい。二つの振動板11及び12の構成について、冷却装置20に要求される特性に応じ、その他の組合せも可能である。
以上、本発明の好ましい実施形態を記載し説明してきたが、これらは本発明の例示的なものであり、限定するものとして考慮されるべきではないことを理解すべきである。追加、省略、置換、およびその他の変更は、本発明の範囲から逸脱することなく行うことができる。従って、本発明は、前述の説明によって限定されていると見なされるべきではなく、特許請求の範囲によって制限されている。
1,11,12…振動板、1a…第一の辺、1b…第二の辺、1c…第三の辺、1d…第四の辺、1A…第一の辺縁部、1B…第二の辺縁部、1C…第三の辺縁部、1D…第四の辺縁部、2…圧電素子、3…スペーサ、5…ヒートパイプ、10…ピエゾファン、15…ステンレス板、16…熱拡散板
Claims (4)
- 第一から第四の辺に沿って延在する第一から第四の辺縁部をそれぞれ有し、圧電素子をそれぞれ備える二つの振動板と、前記二つの振動板の第一から第三の辺縁部同士を接続するスペーサと、を備えるピエゾファンと、
前記二つの振動板のうちの少なくとも一方の表面であって、前記第一から第三の辺縁部の少なくとも一つに熱的に接触するように配されたヒートパイプと、
を備える冷却装置。 - 前記第二の辺縁部は、前記第一の辺縁部及び前記第三の辺縁部の延在する方向に略垂直に延伸し、
前記ヒートパイプは、前記二つの振動板のうちの少なくとも一方の表面であって前記第二の辺縁部に熱的に接触し、
前記ヒートパイプの長手方向は、前記第二の辺縁部の延在方向に実質的に平行である、請求項1に記載の冷却装置。 - 前記二つの振動板のうちの少なくとも一つは、ステンレス板と、銅板、アルミ板、及びグラファイトシートのうちの少なくとも一つと、を備える、請求項1又は2に記載の冷却装置。
- 前記二つの振動板のうちの少なくとも一つは、二つのステンレス板と、前記二つのステンレス板に挟まれたグラファイトシートと、を備える、請求項1〜3のいずれか一項に記載の冷却装置。
Priority Applications (1)
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JP2019148373A (ja) * | 2018-02-27 | 2019-09-05 | 古河電気工業株式会社 | 冷却装置 |
-
2015
- 2015-12-07 JP JP2015238666A patent/JP2017106645A/ja active Pending
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JP6998794B2 (ja) | 2018-02-27 | 2022-01-18 | 古河電気工業株式会社 | 冷却装置 |
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