JP2017106298A - エキスパンションジョイント及びエキスパンションジョイントに用いられる渡り板の製造方法 - Google Patents

エキスパンションジョイント及びエキスパンションジョイントに用いられる渡り板の製造方法 Download PDF

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【課題】破損や脱落の危険性が少ないエキスパンションジョイントを提供する。【解決手段】建築構造物2と隣接する建築構造物との間または建築構造物2と地盤3との間に架け渡された渡り板4と、前記建築構造物2、前記隣接する建築構造物または前記地盤3のいずれかに、前記渡り板4の一方の下面と対向するように配置された支持部材7と、を備え、前記支持部材7と、前記支持部材7と対向する前記渡り板4の下面との、いずれか一方は半球状の凸部5f、5gを、他方は半球状の凹部7e、7fを備えており、前記凸部5f、5gが前記凹部7e、7f内に配置されることにより、前記渡り板4は、前記凸部5f、5g又は前記凹部7e、7fが設けられた側を支点として、反対側が上下方向に移動可能に、前記支持部材7に支持されている、エキスパンションジョイントを提供する。【選択図】図1

Description

本発明は、エキスパンションジョイント及びエキスパンションジョイントに用いられる渡り板の製造方法に関するものである。
周知のように、建築構造物は、様々な免震構造や制振構造を備えることによって、地震に対抗しうるように、設計されている。
建築構造物においては、隣接する地盤の間や、隣接する建築構造物間に変形が発生し、これらが相対的に移動するおそれがある。このため、建築構造物と地盤の間には、互いの相対移動を考慮した目地が設置されており、また隣接する建築構造物間は互いの相対移動を考慮して建てられている。
このような、建築構造物と地盤の間の目地や、隣接する建築構造物間に、地震時の変形などに追随できるようにしたエキスパンションジョイントが、広く使用されている。
特許文献1には、図15に示すような、渡り板の一端が建築構造物の通路の端部に接続され、他端が、隣接する建築構造物の通路上に載置されて、地震時に建築構造物の通路上を摺動する、カバープレート方式のエキスパンションジョイントが開示されている。図15に示されるエキスパンションジョイントにおいては、渡り板105によって、建築構造物101の通路103と、建築構造物102の通路104が接続されている。渡り板105は、固定部106と可動部107を備えている。固定部106は通路103に固定されている。
通路103の端部には、凸条の案内レール108が、通路103の幅方向に延在するように設置されている。この案内レール108に、可動部107の一端に下向きに設けられた凹溝を係合させることにより、可動部107は通路103に、通路103の幅方向に滑動可能に接続されている。
可動部107の裏面の幅方向中央部には、通路方向に延びる案内レール109が取り付けられている。また、通路104には案内レール109に係合する突子110が設置されている。
図15に示されるエキスパンションジョイントは、地震時の建物間の通路方向の変位に対しては、案内レール109と突子110によって、可動部107が通路104上を通路方向に滑動することで対応している。また、幅方向の変位に対しては、案内レール108と可動部107下面の凹溝により、可動部107が通路103に対して幅方向に滑動することで対応している。
特許第3467674号公報
例えば、建築構造物101に免震支承が設置されており、建築構造物102には免震支承が設置されていないか、他端が建築構造物102ではなく地盤である場合には、免震支承の積層ゴムの経年劣化に伴う建築構造物101の沈下により、通路103は通路104または地盤に対して下降する。特許文献1に開示されているエキスパンションジョイントにおいては、渡り板105は、このような、高さ方向、すなわち、図15において紙面垂直方向の相対移動に対しては、対応することができず、渡り板105の破損や、それに伴う脱落のおそれがある。
また、特許文献1に開示されているエキスパンションジョイントのようなカバープレート方式のエキスパンションジョイントにおいては、固定部106とは反対側の渡り板105の端部111は、建築構造物102の通路104上に載置されているため、渡り板105の端部111の厚さの分だけ、建築構造物102の通路104と渡り板105の上面とに段差が発生する。通常時における、人や車などの通行の障害とならないようにするため、この段差には勾配が設けられていることが多い。勾配の傾斜に関しては、例えば高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(バリアフリー法)では、水平方向20に対して高さ1以下と規定されている。このような法基準を満たすように、段差が小さく、ある一定長以下の長さを有する渡り板を製造しようとすると、渡り板が厚ければ、それだけ勾配部分の長さを長くする必要が生じるため、渡り板を薄くして勾配部分を短くしなければならない。このため、強度に優れたステンレスを使用して、渡り板の厚さを抑えることが多い。だが、ステンレスは高価であり、材料費が嵩む。
上記のように、渡り板にステンレスを使用した場合においては、渡り板の加工成形が容易ではないという問題もある。特に、ステンレスは切削が容易に行えないため、微妙に形状が異なる、複数種類の渡り板を製造する場合であっても、種類に応じた複数の、切断用のプレス型を製作しなければならない。このため、製造コストが嵩む。
本発明が解決しようとする課題は、破損や脱落の危険性が少なく、製作コストを低減可能な、エキスパンションジョイント及びエキスパンションジョイントに用いられる渡り板の製造方法を提供することである。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。すなわち、本発明によるエキスパンションジョイントは、建築構造物と隣接する建築構造物との間または建築構造物と地盤との間に架け渡された渡り板と、前記建築構造物、前記隣接する建築構造物または前記地盤のいずれかに、前記渡り板の一方の下面と対向するように配置された支持部材と、を備え、前記支持部材と、前記支持部材と対向する前記渡り板の下面との、いずれか一方は半球状の凸部を、他方は半球状の凹部を備えており、前記凸部が前記凹部内に配置されることにより、前記渡り板は、前記凸部又は前記凹部が設けられた側を支点として、反対側が上下方向に移動可能に、前記支持部材に支持されている。
上記のような構成によれば、渡り板と支持部材は、いずれか一方は半球状の凸部を、他方は半球状の凹部を備えており、凸部が凹部内に配置されることによって、渡り板が、凸部又は凹部が設けられた側を支点として、反対側が上下方向に移動可能に接続されているため、免震支承の積層ゴムの経年劣化による建築構造物の沈下などに起因する、建築構造物と、隣接する建築構造物または地盤との間の、上下方向の相対移動が生じた場合であっても、半球状の各凹部と半球状の各凸部の各々の表面が滑らかに摺動し、これに対応することが可能である。したがって、渡り板の破損や脱落の危険性が低減する。
また、本発明によるエキスパンションジョイントは、建築構造物と隣接する建築構造物との間または建築構造物と地盤との間に架け渡された渡り板と、前記建築構造物、前記隣接する建築構造物または前記地盤のいずれかに、前記渡り板の一方の下面と対向するように配置された支持部材と、を備え、前記支持部材と、前記支持部材と対向する前記渡り板の下面との、いずれか一方は半球状の凸部を、他方は底面から側面にかけて湾曲している凹部を備えており、前記凸部が前記凹部内に配置されることにより、前記渡り板は、前記凸部又は前記凹部が設けられた側を支点として、反対側が上下方向に移動可能に、前記支持部材に支持されている。
上記のような構成によれば、渡り板と支持部材は、いずれか一方は半球状の凸部を、他方は底面から側面にかけて湾曲している凹部を備えており、凸部が凹部内に配置されることによって、渡り板が、凸部又は凹部が設けられた側を支点として、反対側が上下方向に移動可能に接続されているため、免震支承の積層ゴムの経年劣化による建築構造物の沈下などに起因する、建築構造物と、隣接する建築構造物または地盤との間の、上下方向の相対移動が生じた場合であっても、底面から側面にかけて湾曲している各凹部と半球状の各凸部の各々の表面が滑らかに摺動し、これに対応することが可能である。したがって、渡り板の破損や脱落の危険性が低減する。
本発明の一態様においては、前記渡り板は鋳鉄製であり、前記渡り板の下面には、前記渡り板の通路方向に延在する複数の凸条が備えられており、前記渡り板の幅方向において、前記渡り板の、最も外側に位置する前記凸条と、前記渡り板の通路方向に延在する端辺との間は、前記凸条間の渡り板の厚さよりも薄く形成された薄板部となっており、前記渡り板は、前記薄板部が、通路方向に従って幅が変化する形状を有している。
上記のような構成によれば、渡り板の下面には、渡り板の通路方向に延在する複数の、レール状の凸条が備えられており、この凸条によって渡り板の強度が高められているため、使用する材料の重量を減らすことができる。したがって、材料費を低減することが可能である。
また、渡り板の幅方向において、渡り板の、最も外側に位置する凸条と、渡り板の通路方向に延在する端辺との間は、凸条間の渡り板の厚さよりも薄く形成された薄板部となっている。薄板部は、厚さが薄いため切削が容易であり、渡り板の薄板部を切削することによって、通路方向に従って幅が変化する形状を有するように、成形加工することが容易である。したがって、一種類の金型から作成された渡り板から、異なる形状の、複数種類の渡り板を製造することができる。これにより、金型の製作コストを低減することが可能である。
また、鋳鉄は、ステンレスなどの鋼材と比べて、柔らかく加工しやすいという特性を有しているため、上記の切削による成形加工も、更に容易に行うことができる。したがって、渡り板の製造コストを低減することができる。
別の態様においては、前記渡り板は、幅方向中央部と、前記中央部から側方に離間した側部の各々に、前記凸部または凹部を有しており、前記支持部材は、前記渡り板の前記凸部または凹部に対応する位置に、前記凹部または凸部を有しており、前記側部における前記凸部表面と凹部内壁間の遊び寸法は、前記中央部における前記凸部表面と凹部内壁間の遊び寸法よりも大きい。
上記のような構成によれば、側部における凸部表面と凹部内壁間の遊び寸法は、中央部における凸部表面と凹部内壁間の遊び寸法よりも大きいため、建築構造物と、隣接する建築構造物または地盤との間において、一方が他方に対して水平斜め方向に移動したり、回転するような相対移動が発生した際には、中央部の凸部と凹部を起点として、側部の凸部と凹部の間の遊び寸法の分だけ渡り板が建築構造物に対して水平方向に回転することで、上記のような相対移動に対応することが可能である。したがって、渡り板の破損や脱落の危険性が更に低減する。
別の態様においては、前記渡り板は、本体、前記渡り板の通路方向端部に該本体に連接される先端部材、及び、前記本体と前記先端部材を接合する接合部材を備え、前記本体は、前記先端部材側の下方に、突出する接合凸部を備え、前記先端部材は、前記本体側の下方に、突出する接合凸部を備え、前記接合部材は、前記本体と前記先端部材の各々の前記接合凸部を密接状態にして接合する接合凹部を備える。
上記のような構成によれば、例えば1種類の本体に対し、長さの異なる複数の先端部材を予め用意しておくことで、例えば渡り板の長さに過不足があるような場合には、接合部材を外して先端部材を撤去し、建築構造物と、隣接する建築構造物または地盤との間の間隔に応じて適切な長さの先端部材を選択し、本体と先端部材を連接し、これらの接合凸部を接合部材の接合凹部に嵌め込むことにより、渡り板の長さを容易に変更可能である。すなわち、設計の変更や誤りなどに容易に対応可能である。
また、長さの異なる複数の種類の渡り板が必要である場合においても、上記のように本体は、1種類用意すればよい。すなわち、渡り板の体積の大きな部分を占める本体の金型を1種類用意すればよいため、長さの異なる複数の種類の渡り板を製造する場合において、金型の製作コストを低減することが可能である。
また、本発明による、建築構造物と隣接する建築構造物との間または建築構造物と地盤との間に架け渡される、エキスパンションジョイントに用いられる渡り板の製造方法においては、前記渡り板は、前記建築構造物、前記隣接する建築構造物または前記地盤のいずれかに、前記渡り板の一方の下面と対向するように配置された支持部材に接続されるものであり、前記渡り板の下面には、前記渡り板の通路方向に延在する複数の凸条が備えられており、前記渡り板の幅方向において、前記渡り板の、最も外側に位置する前記凸条と、前記渡り板の通路方向に延在する端辺との間は、前記凸条間の渡り板の厚さよりも薄く形成された薄板部となっており、鋳鉄によって、前記渡り板を鋳造すること、鋳造された前記渡り板の前記薄板部を切削して、通路方向に従って幅が変化する形状に成形すること、を含む。
上記のような構成によれば、渡り板の下面には、渡り板の通路方向に延在する複数の凸条が備えられており、この凸条によって渡り板の強度が高められているため、使用する材料の重量を減らすことができる。したがって、材料費を低減することが可能である。
また、渡り板の幅方向において、渡り板の、最も外側に位置する凸条と、渡り板の通路方向に延在する端辺との間は、凸条間の渡り板の厚さよりも薄く形成された薄板部となっている。薄板部は、厚さが薄いため切削が容易であり、渡り板の薄板部を切削することによって、通路方向に従って幅が変化する形状を有するように、成形加工することが容易である。したがって、一種類の金型から作成された渡り板から、異なる形状の、複数種類の渡り板を製造することができる。これにより、金型の製作コストを低減することが可能である。
また、鋳鉄は、ステンレスなどの鋼材と比べて、柔らかく加工しやすいという特性を有しているため、上記の切削による成形加工も、更に容易に行うことができる。したがって、渡り板の製造コストを低減することができる。
本発明によれば、破損や脱落の危険性が少ないエキスパンションジョイント、及び、低い製造コストで製作可能な、エキスパンションジョイントに用いられる渡り板の製造方法を提供することが可能となる。
本発明の実施形態として示したエキスパンションジョイントの、一部断面視した側面図である。 本発明の実施形態として示したエキスパンションジョイントにおける渡り板の、(a)上面の斜視図、(b)下面の斜視図である。 本発明の実施形態として示したエキスパンションジョイントにおける渡り板の、(a)本体の下面の斜視図、(b)先端部材の下面の斜視図である。 本発明の実施形態として示したエキスパンションジョイントにおける、連接された渡り板の、下面の斜視図である。 本発明の実施形態として示したエキスパンションジョイントにおける、渡り板の本体と先端部材の接合部の、側断面図である。 本発明の実施形態として示したエキスパンションジョイントにおける、支持部材の斜視図である。 本発明の実施形態として示したエキスパンションジョイントにおける、渡り板の設置状況を示す説明図である。 本発明の実施形態として示したエキスパンションジョイントの第1の変形例における、支持部材の斜視図である。 本発明の実施形態として示したエキスパンションジョイントの第2の変形例における、渡り板と支持部材の接続部の側断面図である。 本発明の実施形態として示したエキスパンションジョイントの第3の変形例における、渡り板の断面図である。 本発明の実施形態として示したエキスパンションジョイントの第4の変形例における、渡り板の断面図である。 本発明の実施形態として示したエキスパンションジョイントの第5の変形例における渡り板の、(a)上面の斜視図、(b)下面の斜視図である。 本発明の実施形態として示したエキスパンションジョイントの第5の変形例における渡り板の、(a)側断面図、(b)拡大した側断面図である。 本発明の実施形態として示したエキスパンションジョイントの第6の変形例における、支持部材の斜視図である。 従来のエキスパンションジョイントを示す説明図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
本発明においては、エキスパンションジョイントは、建築構造物と隣接する建築構造物との間または建築構造物と地盤との間に架け渡された渡り板と、建築構造物、隣接する建築構造物または前記地盤のいずれかに、渡り板の一方の下面と対向するように配置された支持部材とを備えており、支持部材と、支持部材と対向する渡り板の下面との、いずれか一方は半球状の凸部を、他方は半球状の凹部を備えており、凸部が凹部内に配置されることにより、渡り板は、凸部又は凹部が設けられた側を支点として、反対側が上下方向に移動可能に、支持部材に支持されている。
図1は、本発明の実施形態として示したエキスパンションジョイントの、一部断面視した側面図である。図1に示される実施形態においては、渡り板4は建築構造物2と地盤3の間に架け渡されており、支持部材7は建築構造物2に配置されている。なお、上記のように、本実施形態においては、渡り板4は建築構造物2と地盤3の間に架設された例を説明するが、後述するように渡り板4は建築構造物と隣接する建築構造物間に架設されていてもよく、以下と同様な説明が可能である。
図2(a)、(b)に、それぞれ、渡り板4の上面、及び下面の斜視図を示す。渡り板4は、本体5と先端部材6とを備えており、本体5に先端部材6を接合することで形成されている。図3(a)、(b)に、それぞれ、本体5、及び先端部材6の下面の斜視図を示す。
本体5は、鋳鉄製で略長方形形状を有しており、図2、3に示される渡り板4や本体5の長さ方向Xが、図1に示される通路方向Xに一致するように設置される。本体5は、幅方向、すなわち図2、3に示される方向Yに延在する支持側側辺5a、支持側側辺5aの反対側の摺動側側辺5b、及び、長さ方向、すなわち通路方向Xに延在して、支持側側辺5aと摺動側側辺5bの両端点を接続する、2つの通路方向側辺5cによって画定されている。
渡り板4は、幅方向Yの中央部と、中央部から側方に離間した側部の各々に、凸部を有している。すなわち、本体5は、本体5の下面の、本体5の支持側側辺5a近傍で、かつ、幅方向Yの中央の部分に、半球状の中央凸部5fを備えている。また、本体5の下面の、本体5の支持側側辺5aと各通路方向側辺5cとの交差点近傍に、半球状の側辺凸部5gを備えている。中央凸部5fと、2個の側辺凸部5gの各々は、同程度の曲率半径を有している。
本体5の下面の摺動側側辺5b近傍には、複数の係合部5eを備えている。本実施形態において、各係合部5eは凹部を有し、当該凹部の一端は、摺動側側辺5bに向けて開口している。凹部の幅は、摺動側側辺5bから支持側側辺5aにむけて、大きくなるように形成されており、これにより凹部は略台形形状を成している。
本体5の下面には、渡り板4の通路方向Xに延在する複数の凸条5h、5iが備えられている。凸条5h、5iは、本体5の2つの通路方向側辺5cの各々の側において、最も外側に位置する、2本の外側凸条5iと、これら2本の外側凸条5iに挟まれた位置に存在する、内側凸条5hを有している。
渡り板4の幅方向Yにおいて、渡り板4の、最も外側に位置する凸条5iと、渡り板4の通路方向Xに延在する端辺5cとの間は、凸条5h、5i間の渡り板4の厚さよりも薄く形成された薄板部5kとなっている。すなわち、本体5の、内側凸条5h間、及び、内側凸条5hと外側凸条5iの間の部分である内側板部5jの厚さは、それぞれ、概ね同じ厚さとなっている。また、本体5の、外側凸条5iとそれに隣接する通路方向側辺5cの間の部分である薄板部5kの厚さは、内側板部5jよりも薄くなっている。
本体5の摺動側側辺5b近傍には、凸条5pが、凸条5h、5iと直交して幅方向Yに延在するように形成されている。凸条5pの頂部は、凸条5h、5iの頂部よりも突出するように形成されている。
本体5は、上記のように、基本的には略長方形形状を有しているが、本体の両端に形成されている薄板部5kを、例えばレーザーなどで切削することによって、薄板部5kが通路方向Xに従って幅が変化する形状を有するように、渡り板4を形成することも可能である。
本体5の、一方の通路方向側辺5cには、通路方向側辺5cから幅方向に突出するように、複数の連接用凸部5lが設置されている。また、他方の通路方向側辺5cの下面には、通路方向において連接用凸部5lと同じ位置に、この通路方向側辺5cから幅方向に向かって凹むように、連接用凹部5mが設置されている。連接用凸部5lの形状と、連接用凹部5mの形状は、互いに対応するように形成されている。これにより、図4に示されるように、2枚の渡り板4A、4Bが、互いの通路方向側辺5cが隣接するように並べられた際に、一方の渡り板4Aの連接用凸部5lが、他方の渡り板4Bの連接用凹部5mと嵌合して、2枚の渡り板4A、4Bを接合することが可能である。なお、上記のように薄板部5kを切削する場合には、薄板部5kを、連接用凸部5l、連接用凹部5mを避けるように、レーザーで切削するとともに、連接用凸部5lの突出代を適度に残すように、連接用凸部5l、連接用凹部5mをフライス盤などにより切削してもよい。
本体5の通路方向側辺5c近傍には、施工用ボルト孔5nが開設されている。
本体5の、中央凸部5fと、2個の側辺凸部5gの各々の間には、各凸部5f、5gに対して摺動側側辺5b側の側面に、本体5の下面から突出して幅方向Yに延びる、突出壁部5qが形成されている。
先端部材6は、図3(b)に示されるように、略長方形形状を有している。先端部材6は、後述のように本体5の摺動側側辺5bに接続される。この、本体5に接続される側の先端部材6の側辺を接続側側辺6b、接続側側辺6bとは反対側の側辺を先端側側辺6aと呼称する。先端側側辺6a、接続側側辺6bは、本体5の摺動側側辺5bと同程度の長さを有している。
先端部材6は、接続側側辺6bから、先端側側辺6aとは反対側に向かって突出する、複数の係合部6cを備えている。各係合部6cは、本体5の摺動側側辺5bと先端部材6の接続側側辺6bを隣接させたときに、本体5の係合部5eと対応する位置に、本体5の係合部5eと同じ形状、すなわち略台形形状を有するように、形成されている。
図2(b)のA−A´断面図を図5に示す。図5に示すように、本体5の係合部5e内に、先端部材6の係合部6cが嵌合されて、図示しないボルトなどによって固定されることにより、先端部材6は本体5に接合されている。先端部材6の上面及び下面には、先端側側辺6aから接続側側辺6bに向かって厚さが増大するように、勾配がつけられている。本体5は、摺動側側辺5bの厚さが、先端部材6の接続側側辺6bの厚さと同程度となるように形成されている。また、本体5の摺動側側辺5b近傍上面は、先端部材6の上面と同程度の勾配がつけられている。これにより、本体5に先端部材6が接合された時に、渡り板4は、先端部材6の先端から本体5にかけて、同じ勾配を有する連続した上面を有している。
先端部材6は、本体5より柔らかい成分の鋳鉄を使用して製造されている。鋳鉄に代えて、硬質ゴムや硬質プラスチックなどを使用して製造してもよい。
本体5と、先端部材6の各上面には、複数の突起5o、6dが形成されている。
支持部材7は、図6に示されるように、略矩形形状の底板7aと、底板7aの側辺に垂直に立設された側板7bを備えている。底板7aと側板7bは、渡り板4の幅と同程度の長さを有している。後述のように、支持部材7は、その幅方向X1が図1に示される通路方向Xと、長さ方向Y1が通路の幅方向と、それぞれ一致するように設置される。底板7aの上面の、長さ方向Y1の中央の部分に、略直方体形状の中央台座7cが設置されている。また、底板7aの上面の、長さ方向Y1の両端辺近傍にそれぞれ、略直方体形状の側辺台座7dが形成されている。
中央台座7cの上面には、渡り板4の中央凸部5fに対応する位置に、中央凸部5fと同程度の曲率半径を有する半球状の中央凹部7eが形成されている。また、各側辺台座7dの上面には、渡り板4の側辺凸部5gに対応する位置に、側辺凸部5gと同程度の曲率半径を有する半球状の側辺凹部7fが形成されている。
支持部材7の各台座7c、7dの、側板7bとは反対側の側面には、各台座7c、7dの上面から突出して長さ方向Y1に延びる、突出壁部7hが形成されている。後述のように、支持部材7の中央凹部7eと2つの側辺凹部7fの中には、図2に示される、渡り板4の中央凸部5f及び2つの側辺凸部5gが、それぞれ格納されるように、支持部材7と渡り板4は配置される。このとき、支持部材7の側板7bと突出壁部7hの間に、渡り板4の本体5の突出壁部5qが位置するように、突出壁部7hは形成されている。
支持部材7の底板7aには、複数の孔7gが開設されている。
支持部材7は、図1に示されるように、建築構造物2の通路上面2aと外側壁面2bの交差する端辺に設けられた段部2c上に、図6に示される支持部材7の幅方向X1が建築構造物2の内外を接続する通路の方向Xと一致するように設置されている。支持部材7は、底板7aが下に、側板7bが建築構造物2側に、それぞれ位置するように設置されている。支持部材7は、底板7aや側板7bと、それぞれが面する段部2cの壁面との間に間隙を設けるように、図示しないボルトや鉄筋などを孔7gに挿通させることによって、建築構造物2に固定されている。この間隙には、モルタル8などが充填されている。
支持部材7の高さ位置は、後述のように支持部材7上に渡り板4を設置した場合に、渡り板4の上面と通路上面2aが同じ高さになるように、調整されている。
渡り板4は、図2に示される渡り板4の支持側側辺5aと、図6に示される支持部材7の長さ方向Y1が平行になるように、渡り板4の支持側側辺5aが支持部材7の底板7aの上方に位置するように、設置されている。これにより、渡り板4によって建築構造物2の内外の通路が連続するようになっている。
上記のように、図6に示される、支持部材7の中央凹部7eと2つの側辺凹部7fは、図2に示される、渡り板4の中央凸部5f及び2つの側辺凸部5gと対応する位置に設置されており、中央凹部7eと、2つの側辺凹部7fの各壁面の曲率半径は、中央凸部5f及び2つの側辺凸部5gの曲率半径と同程度の大きさを有している。渡り板4の中央凸部5fは支持部材7の中央凹部7e内に、2つの側辺凸部5gは対応する側辺凹部7f内に、それぞれ配置されている。渡り板4の中央凸部5f及び各側辺凸部5gの先端は、対応する中央凹部7e、側辺凹部7fの底面に接触し、この接触点において、支持部材7は渡り板4を支持している。
図1に示されるように、渡り板4の、本体5の摺動側側辺5b近傍、及び摺動側側辺5bに接合された先端部材6は、地盤3上に載置されている。
地盤3の、渡り板4の本体5や先端部材6が載置されて主に接触する部分には、穴部3cが形成されている。穴部3cの底面3bは、地盤上面3aよりも低く掘り下げられた場所に位置している。底面3bは、地盤上面3aと平行になるように形成されている。
底面3b上には、支持鋼材10が設置されている。支持鋼材10は、棒鋼が、例えば曲げ加工などによって成形されたものである。支持鋼材10は、直線形状を成す中央部10a、中央部10aに垂直に、かつ互いに平行になるように、中央部10aの両端点に接続する、2本の側部10b、及び、各側部10bに垂直に、かつ中央部10aと平行になるように、各側部10bの端点に接続する端部10cを備えている。
複数の支持鋼材10が、各々が、底面3bに端部10cが接して、側部10bが底面3bと垂直になるように、底面3b上に固定されている。側部10bは、穴部3cの深さと同等の長さを有している。これにより、各中央部10aは、地盤上面3aと略同等の高さに位置している。複数の支持鋼材10は、各々の中央部10aが通路方向Xと平行になるように、通路方向Xと直交する幅方向に一列に並んで設置されている。
複数の支持鋼材10の中央部10aの上面には、図示しない鋼板が溶接され、この鋼板に接着剤よって、ステンレス製の鋼板11が固定されている。この鋼板11が、渡り板4の本体5や先端部材6が接触して特に荷重がかかる場所に位置するように、複数の支持鋼材10と鋼板11は設置されている。また、鋼板11は、高い頻度で発生する中小規模の地震時において、後述するように渡り板4が建築構造物2と共に地盤3に対して相対移動した際に、渡り板4と地盤3との接触点が鋼板11内に納まるような大きさを有している。
地盤3の底面3b上には、コンクリート12が、支持鋼材10を埋設して鋼板11の下面に接触するように打設されている。これにより、地盤上面3a、鋼板11の上面、及びコンクリート12の上面によって、一つの平面が形成されている。地盤上面3aと、鋼板11の上面との間に露出しているコンクリート12は、表面が平滑になるように仕上げられている。
次に、図2に示される渡り板4を製造する方法について説明する。建築構造物2と隣接する建築構造物との間または建築構造物と地盤との間に架け渡される渡り板4は、建築構造物2、隣接する建築構造物または地盤3のいずれかに、渡り板4の一方の下面と対向するように配置された支持部材7に接続されるものであり、渡り板4の下面には、渡り板4の通路方向Xに延在する複数の凸条5h、5iが備えられており、渡り板4の幅方向において、渡り板4の、最も外側に位置する凸条5iと、渡り板4の通路方向に延在する端辺5cとの間は、凸条5h、5i間の渡り板4の厚さよりも薄く形成された薄板部5kとなっており、渡り板4の製造方法は、鋳鉄によって、渡り板4を鋳造すること、鋳造された渡り板4の薄板部5kを切削して、通路方向Xに従って幅が変化する形状に成形すること、を含んでいる。
まず、渡り板4の本体5を製作するための金型を作製する。
次に、鋳鉄によって、渡り板4を鋳造する。すなわち、上記の金型によって本体5を鋳造し、本体5の係合部5eと、別途製作した先端部材6の係合部6cを互いに嵌合させて、図示しないボルトなどによって固着させることにより、先端部材6を本体5に接合する。
最後に、設置する建築構造物2や地盤3の外壁形状、通路の方向などを考慮して、必要に応じて、鋳造された渡り板4の薄板部5k、及び先端部材6の側部を、レーザーなどを使用して切削し、所望の、例えば通路方向に従って幅が変化する形状に成形する。
次に、上記のエキスパンションジョイントの作用、効果について説明する。
建築構造物2に免震支承が設置されている場合には、免震支承の積層ゴムの経年劣化により、建築構造物2が沈下する。これに伴い、支持部材7の高さ位置、すなわち図1に示されるZ方向における位置が低下する。渡り板4の支持側側辺5aにおいては、中央凸部5fは対応する支持部材7の中央凹部7e内に、2つの側辺凸部5gは対応する側辺凹部7f内に、それぞれ配置されており、各凸部、凹部は半球状を成している。そのため、支持部材7の、すなわち中央凹部7e、側辺凹部7fの高さ位置が低下しても、半球状の各凹部と半球状の各凸部の各々の表面が滑らかに摺動し、渡り板4は、凹部7e、7fの底面と凸部5f、5gの先端における、各接触点を基点として、渡り板4に垂直な方向、この場合は上方向に回転する。
地震が発生し、建築構造物2と地盤3との間に、高さ方向Zの相対移動が発生した場合においても、上記と同様に渡り板4が、凹部7e、7fの底面と凸部5f、5gの先端における、各接触点を基点として、渡り板4に垂直な方向に回転する。
地震時に、建築構造物と地盤との間において、一方が他方に対して水平斜め方向に移動したり、回転するような相対移動が発生した場合においては、渡り板4は建築構造物2には支持部材7を介して接続されているため、渡り板4は建築構造物2と共に地盤3に対して相対移動する。このとき、本体5の摺動側側辺5b近傍、及び摺動側側辺5bに接合された先端部材6は、地盤3上に載置されているのみであり、地盤3には接続されていない。また、地盤3上の、本体5の摺動側側辺5b近傍、及び摺動側側辺5bに接合された先端部材6が載置される場所には、摩擦抵抗を少なくするために鋼板11が設置されている。更に、鋼板11に接触する本体5の下面には、凸条5pが形成されているため、本体5と鋼板11との接触面積が小さい。以上の理由により、渡り板4は、地盤3に対して容易に摺動して相対移動することが可能である。
地震力が大きく、渡り板4の相対移動が大きい場合においては、渡り板4が建築構造物2と共に相対移動した結果、本体5の地盤3との主たる接触部位である凸条5pが、鋼板11の外にはみ出る可能性がある。この場合においても、鋼板11の外周は、表面が平滑になるように仕上げられたコンクリート12となっているため、渡り板4は地盤3に対して容易に摺動する。
すなわち、本実施形態に示されるエキスパンションジョイントにおいては、免震支承の積層ゴムの経年劣化による建築構造物2の沈下などに起因する、建築構造物2と地盤3との間の、高さ方向Zの相対移動や、地震に起因する、建築構造物2と地盤3の一方が他方に対して水平斜め方向に移動したり、回転するような相対移動が生じた場合であっても、これに対応することが可能である。したがって、渡り板4の破損や脱落の危険性が低減する。
支持部材7の側板7bと突出壁部7hの間に、渡り板4の本体5の突出壁部5qが位置しており、渡り板4が脱落しようとした場合においては、本体5の突出壁部5qが支持部材7の突出壁部7hに当接する。これにより、渡り板4の脱落の危険性を更に低減することが可能となる。
また、渡り板4の下面には、渡り板4の通路方向Xに延在する複数の凸条5h、5iが備えられており、この凸条5h、5iによって渡り板4の強度が高められているため、使用する材料の重量を減らし、なおかつ、ステンレスなどの高価な鋼材ではなく、安価な鋳鉄を使用して、渡り板4を製造することができる。したがって、材料費を低減することが可能である。
また、図2に示されるように、渡り板4の幅方向Yにおいて、渡り板4の外側凸条5iと、渡り板4の通路方向Xに延在する通路方向側辺5cとの間は、内側凸条5h間の渡り板4の厚さよりも薄く形成された薄板部5kとなっている。薄板部5kは、厚さが薄いため切削が容易であり、渡り板4の薄板部5k及び先端部材6を切削することによって、通路方向Xに従って幅が変化する形状を有するように、成形加工することが容易である。例えば、図7は、複数の連接した渡り板4C、4Dによって接続された、建築構造物2と地盤3の平面図である。
図7の例においては、建築構造物2の境界は、円弧形状の境界2dと直線形状の境界2eを含んでおり、これらが連続した形状となっている。また、地盤3の境界は、建築構造物2の境界と対応した、円弧形状の境界3dと直線形状の境界3eを含み、これらが連続した形状となっている。
ここで、建築構造物2と地盤3は、複数の台形形状の渡り板4Cと、複数の矩形形状の渡り板4Dを連接させることによって、接続されている。建築構造物2と地盤3の、円弧形状の境界2d、3d間は、互いに連接された台形形状の渡り板4Cによって接続されている。また、建築構造物2と地盤3の、直線形状の境界2e、3e間は、互いに連接された矩形形状の渡り板4Dによって接続されている。
このように、複数の形状の渡り板4C、4Dを使用することで、様々な外形形状の建築構造物2や地盤3を接続することが可能であるが、本実施形態においては、上記のように、渡り板4の薄板部5kを切削することにより、図2に示される通路方向Xに従って幅が変化する形状を有するように、成形加工することが容易に可能であるため、一種類の金型から作成された、基本形状を有する渡り板4Dから、異なる形状の、複数種類の渡り板4Cを製造することができる。これにより、金型の製作コストを低減することができる。
また、渡り板4の、本体5と先端部材6の各上面には、図5に示されるように複数の突起5o、6dが形成されており、これらが滑り止めとして作用する。したがって、滑りにくく歩きやすい渡り板4を提供することができる。
また、鋳鉄は柔らかく加工しやすいという特性を有しているため、上記の薄板部5kの切削による成形加工を非常に容易に行うことができる。したがって、渡り板の製造コストも低減することができる。
また、渡り板4は、本体5に先端部材6が嵌合され、これらがボルトで締結されることによって接合されているため、本体5から先端部材6を容易に取り外すことができる。すなわち、主に鋼材11などと接触することにより劣化しやすい先端部材6を交換することが可能である。これにより、エキスパンションジョイントの維持が容易になる。
また、渡り板4と支持部材7は、渡り板4の下面の、図2に示される幅方向Yの全面にわたって、支持部材7が渡り板4を支持する構造にはなっておらず、中央凸部5fと中央凹部7e、及び側辺凸部5gと側辺凹部7fの、3か所の限られた場所において、支持部材7が渡り板4を支持している。このため、支持部材7の側板7bの内側面と、渡り板4の支持側側辺5aとの間の隙間から、支持部材7の底板7aの上部方向へ水などの液体が侵入したとしても、支持部材7の凹部7e、7fが形成された、図6に示される台座7c、7d間の間隙から、液体を側板7bの反対側へ逃がすことが可能となる。これにより、液体の排出が容易となり、エキスパンションジョイントの腐食を防ぐことができる。
次に、図8を用いて、上記実施形態として示したエキスパンションジョイントの第1の変形例を説明する。本第1の変形例と、上記実施形態として示したエキスパンションジョイントとの差異は、支持部材20の形状が異なることである。
図8に示される支持部材20においては、側辺台座20dの上面に形成された側辺凹部20fの曲率半径が、中央台座20cの上面に形成された中央凹部20eの曲率半径よりも大きくなっている。図2に示される渡り板4の、中央凸部5fと、2つの側辺凸部5gの各々は、同程度の曲率半径を有しているため、中央凸部5fが中央凹部20e内に、側辺凸部5gが側辺凹部20f内に、それぞれ配置された際には、側辺凸部5g表面と側辺凹部20f内壁間の遊び寸法、すなわち間隔は、中央凸部5f表面と中央凹部20e内壁間の遊び寸法よりも大きくなっている。
このため、建築構造物2と地盤3の間に、一方が他方に対して水平斜め方向に移動したり、回転するような相対移動が発生した際には、上記の実施形態において示したような、渡り板4が地盤3に対して容易に摺動して相対移動するという効果に加えて、更に、中央凸部5fと中央凹部20eを起点として、側辺凸部5gと側辺凹部20fの間の遊び寸法の分だけ、渡り板4が建築構造物2に対して水平方向に回転することで、上記のような相対移動に対応することが可能である。したがって、渡り板4の破損や脱落の危険性が更に低減する。
本第1の変形例が、上記の実施形態と同様な効果を奏することは、いうまでもない。
次に、図9を用いて、上記実施形態として示したエキスパンションジョイントの第2の変形例を説明する。本第2の変形例と、上記実施形態として示したエキスパンションジョイントとの差異は、渡り板31と支持部材32との間に、シール33が設置されていることである。
図9は、渡り板31と支持部材32の接合部の側断面図である。渡り板31の、支持側側辺31aには、渡り板31の、通路方向Xに直交する幅方向に延在する溝部31bが形成されている。また、支持部材32の側板32a内側面の、渡り板31が支持部材32上に設置された際に溝部31bの位置する高さと同程度の高さ位置には、渡り板31と同様に、支持部材32の、通路方向Xに直交する方向に延在する、溝部32bが形成されている。渡り板31の溝部31bと、支持部材32の溝部32b間に、棒状の水膨潤ゴムシール33が、各溝部31b、32bの延在する方向に延在して、溝部31b、32bを埋めるように設置されている。
水膨潤ゴムシール33によって、支持部材32の側板32aの内側面と、渡り板31の支持側側辺31aの間の隙間からの、水などの液体の侵入を防ぐことができる。したがって、エキスパンションジョイントの腐食を、更に容易に、防ぐことができる。なお、水膨潤ゴムシール33は高い柔軟性を有しているため、渡り板31の、凸部を支点とした上下方向への回転運動を妨げない。
本第2の変形例が、上記の実施形態と同様な効果を奏することは、いうまでもない。
次に、図10を用いて、上記実施形態として示したエキスパンションジョイントの第3の変形例を説明する。本第3の変形例と、上記実施形態として示したエキスパンションジョイントとの差異は、渡り板41の上には、アスファルトなどの舗装43が設置されていることと、渡り板41は、本体42の下面ではなく、上面に、凸条42aを有していることである。
図10は、渡り板41の、通路方向に直交する幅方向の断面図である。渡り板41は鋳鉄で製造されているため、渡り板41の上部の仕上げを鋳鉄以外の材質により仕上げしたい場合、例えば地盤上の舗装された道路から渡り板41の上部まで連続した外観にするように仕上げたい場合においては、渡り板41の上に何らかの舗装43を施すことがある。このような場合において、凸条42aを渡り板41の上面に位置するように製造し、舗装43を、凸条42aを埋設し、かつ、道路上の舗装と表面が連続するように設置することで、舗装43の厚さを含めた、渡り板全体の厚さを薄くすることが可能である。したがって、渡り板41が一定以下の勾配を有する必要がある場合などに、渡り板41の長さを短くし、材料費を低減することが可能となる。
本第3の変形例が、上記の実施形態と同様な効果を奏することは、いうまでもない。
次に、図11を用いて、上記実施形態として示したエキスパンションジョイントの第4の変形例を説明する。本第4の変形例と、上記実施形態として示したエキスパンションジョイントとの差異は、渡り板51の2つの薄板部51a、51bの高さ位置が異なることである。
図11(a)は、渡り板51の、通路方向に直交する幅方向断面図である。渡り板51は、幅方向の一側辺に第1薄板部51aを、他の側辺に第2薄板部51bを、それぞれ備えている。図11(b)は、図11(a)のB矢視部分の拡大図であり、第1薄板部51aを示すものである。また、図11(c)は、図11(a)のC矢視部分の拡大図であり、第2薄板部51bを示すものである。
図11(c)に示されるように、第2薄板部51bの上面は、渡り板51の上面51cと同一の高さとなるよう、上面51cと同一平面内に位置している。これに対し、図11(b)に示されるように、第1薄板部51aの上面は、上面51cから、第2薄板部51bの厚さだけ低くなるように形成されている。
このような構成を有する複数の渡り板51を、幅方向に隣接して設置する場合には、渡り板51は、図11(c)に示されるように、渡り板51の第2薄板部51bの下に、隣接する渡り板51の第1薄板部51aが位置するように、薄板部51a、51bが互いに重ねられて配置されている。渡り板51と、隣接する渡り板51の各々の上面51cは、連続して、一枚の平面となっている。
このような構成を有することにより、渡り板51間に段差を発生させずに渡り板51の薄板部51a、51b同士を重ねあわせることが可能となる。これにより、渡り板51間で相対移動が発生した場合においても、渡り板51間に隙間が発生しなくなるため、物品の落下を防止することが可能であると共に、視覚的な連続性の保持が可能となる。
本第4の変形例が、上記の実施形態と同様な効果を奏することは、いうまでもない。
次に、図12、図13を用いて、上記実施形態として示したエキスパンションジョイントの第5の変形例を説明する。本第5の変形例におけるエキスパンションジョイントは、上記実施形態として示したエキスパンションジョイントに対し、渡り板の本体と先端部材との接合構造が異なっている。
図12(a)は、本第5の変形例における渡り板64の上面側斜視図、図12(b)は下面側斜視図である。図13(a)は、図12(a)のD−D断面図であり、図13(b)は、図13(a)のE矢視部分の拡大図である。本第5の変形例においては、渡り板64は、本体65、渡り板64の通路方向X端部に本体65に連接される先端部材66、及び、本体65と先端部材66を接合する接合部材69を備えている。
本体65は、上記実施形態における本体5と同様に、支持側側辺65a、摺動側側辺65b、及び、2つの通路方向側辺65cによって画定され、本体65の下面の、支持側側辺65a近傍に、半球状の中央凸部65fと、2個の側辺凸部65gを備えている。本体65の、上記実施形態における本体5との最も大きな相違点は、図13(b)に示されるように、本体65は、先端部材66側、すなわち摺動側側辺65b側の下方に、突出する接合凸部65sを備えていることである。
本体65の下面65rは、摺動側側辺65bの近傍においては先端部材側下面65vとして、下面65rよりも高い位置に形成されている。下面65rと先端部材側下面65vは、略垂直に形成された内側側面65wにより接続されている。接合凸部65sは、先端部材側下面65vの摺動側側辺65b側に、先端部材側下面65vから下方に突出するように形成されている。
接合凸部65sの下面である接合凸部下面65tは、下面65rと先端部材側下面65vの間の高さに位置するように形成されている。接合凸部下面65tは、その支持側側辺65a側の端辺において、断面視上、接続側側辺66bに向けて上斜め方向に鋭角に屈曲し、これにより、接合凸部斜面65uが形成されている。接合凸部斜面65uは、その上端において、先端部材側下面65vに接続されている。
先端部材66は、図12(a)に示されるように、上記実施形態における先端部材6と同様に、接続側側辺66bと先端側側辺66aを備えて略長方形形状に形成されている。先端部材66の、上記実施形態における先端部材6との最も大きな相違点は、図13(b)に示されるように、先端部材66は、本体65側、すなわち接続側側辺66b側の下方に、突出する接合凸部66sを備えていることである。
先端部材66の下面66rは、接続側側辺66bの近傍においては本体側下面66vとして、下面66rよりも高い位置に形成されている。下面66rと本体側下面66vは、略垂直に形成された内側側面66wにより接続されている。接合凸部66sは、本体側下面66vの接続側側辺66b側に、本体側下面66vから下方に突出するように形成されている。
接合凸部66sの下面である接合凸部下面66tは、下面66rと本体側下面66vの間の高さに位置するように形成されている。図13(b)に示されるように、本体65と先端部材66は、互いの上面の高さ位置を揃えて接合されるが、このときに、先端部材66の接合凸部下面66tが本体65の接合凸部下面65tと同じ高さに位置して、接合凸部下面65t、66t同士が連続した一平面内に納まるように、接合凸部下面66tの高さ位置は調整されている。接合凸部下面66tは、その先端側側辺66a側の端辺において、断面視上、接続側側辺66bに向けて上斜め方向に鋭角に屈曲し、これにより、接合凸部斜面66uが形成されている。接合凸部斜面66uは、その上端において、本体側下面66vに接続されている。
接合部材69は、鋳鉄製で略矩形形状をなしており、上面に、渡り板64の幅方向Yに沿って延在する接合凹部を備えている。より詳細には、接合凹部69sは、図13(b)に示されるように、その底面69tが、接合部材69の上面69vよりも下方に位置するように、かつ、接合凹部69sの両側面間の長さ方向Xにおける距離が、上方に向かうに従い漸次小さくなるように形成されている。これにより、接合凹部69sの両側面は、表面が斜め下方向を向くような斜面69uとなっている。
図13(b)に示されるように、本体65と先端部材66は、本体65の摺動側側辺65bと先端部材66の接続側側辺66bを対向させて接触させ、互いの上面の高さ位置を揃えて設けられている。上記のように、本体65と先端部材66の接合凸部下面65t、66t同士が連続した一平面内に納まるように、接合凸部下面66tの高さ位置は調整されているため、接合凸部65s、66sにより、接合凸部下面65t、66tを下面とし、接合凸部斜面65u、66uを2つの側面とした、先端部材側下面65v、本体側下面66vより下方に突出する1つの凸部が形成されている。接合部材69は、接合凹部69sに、本体65と先端部材66の各々の接合凸部65s、66sを密接状態にして、1つの凸部とされたものを嵌合させることにより、本体65と先端部材66を接合している。
より詳細には、本体65と先端部材66の各々の接合凸部下面65t、66tと接合部材69の底面69tが、接合凸部斜面65u、66uと2つの斜面69uの各々が、先端部材側下面65v、本体側下面66vと2つの上面69vの各々が、互いに密接するように設けられている。本体65と先端部材66の各々の内側側面65w、66wは、接合部材69の2つの側面69wの各々と、わずかな距離を置いて対向するように設けられている。このように本体65、先端部材66、及び接合部材69を接合させたときに、本体65の下面65rと先端部材66の下面66rが、接合部材69の下面69rを介して略連続するように、接合部材69の下面69rは形成されている。
接合部材69の2つの上面69vは、渡り板64の長さ方向Xにおいて、一定以上の長さを備えるように形成されている。
本体65と先端部材66は、2つの接合部材69によって接合されている。より詳細には、図13(b)に示されるように本体65と先端部材66を接触させたうえで、渡り板64の幅方向Yにおける本体65と先端部材66の両側の、接合凸部65s、66sと接合凹部69sとが嵌合する高さ位置に、接合部材69を位置づけて、接合部材69の各々を本体65と先端部材66の内側方向へ向けて摺動させ、図12(b)に示される位置まで移動させる。これにより、本体65と先端部材66は接合されている。
本第5の変形例が、上記の実施形態と同様な効果を奏することは、いうまでもない。
特に、本第5の変形例の渡り板64においては、例えば1種類の本体65に対し、長さの異なる複数の先端部材66を予め用意しておくことで、例えば渡り板64の長さに過不足があるような場合には、接合部材69を外して先端部材66を撤去し、建築構造物と、隣接する建築構造物または地盤との間の間隔に応じて適切な長さの先端部材66を選択し、本体65と先端部材66を連接し、これらの接合凸部65s、66sを接合部材69の接合凹部69sに嵌め込むことにより、渡り板64の長さを容易に変更可能である。すなわち、設計の変更や誤りなどに容易に対応可能である。
また、長さの異なる複数の種類の渡り板64が必要である場合においても、上記のように本体65は、1種類用意すればよい。すなわち、渡り板64の体積の大きな部分を占める本体65の金型を1種類用意すればよいため、長さの異なる複数の種類の渡り板64を製造する場合において、金型の製作コストを低減することが可能である。
また、接合凸部65s、66sが密接されて形成された凸部は、下方に向かうに伴い渡り板64の長さ方向Xにおける幅が漸次大きくなるように形成され、接合部材69の接合凹部69sはこれに嵌合する形状を成している。これにより、接合部材69は本体65、先端部材66に強固に固定されていると同時に、本体65と先端部材66の接合部分に上方から大きな荷重が作用した場合であっても、凸部の接合凸部斜面65u、66uから接合部材69の斜面69uへと荷重を伝達させることができるため、この荷重を十分に支持することが可能である。更に、一定以上の長さを備えた接合部材69の2つの上面69vが、下方から本体65の先端部材側下面65vと先端部材66の本体側下面66vを支持している。これらの効果が相乗し、接合部材69を取り外して本体65と先端部材66を容易に分離可能な構造としながらも、強固な渡り板64が実現可能である。
なお、本体65においては、図12(a)に示されるように、連接用凸部65lは、上記実施形態における本体5の連接用凸部5lとは異なり、渡り板64の長さ方向Xに長く延在する形状を成しており、連接用凹部65mも、連接用凸部65lと対応するように、長さ方向Xに長く延在するように形成されている。このような形状であっても、図4に示されるように、2枚の本体65を連接して接合可能であることは言うまでもない。
次に、図14を用いて、上記実施形態として示したエキスパンションジョイントの第6の変形例を説明する。本第6の変形例におけるエキスパンションジョイントは、上記実施形態として示したエキスパンションジョイントに対し、支持部材の形状が異なっている。
図14は、本第6の変形例における渡り板の、支持部材77の斜視図である。支持部材77は、上記実施形態における支持部材7と同様に、底板77aと側板77bを備えており、側板77bから離れた位置に、側板77bと略平行に、突出壁部77hが設けられている。支持部材77は、上記実施形態における支持部材7と同様に、中央凹部77eと、2つの側辺凹部77fを備えているが、これらの形状が支持部材7とは異なっている。
中央凹部77eは、底板77aの上面を底面とし、側板77bと突出壁部77hの互いに対向する表面を両側面として形成されており、該両側面は、底板77aの上面から略垂直に立ち上がるように設けられている。中央凹部77eは、長さ方向Y1の両側においては、壁によって遮られておらず、外部に向けて開放されている。
側辺凹部(凹部)77fは、支持部材77の長さ方向Y1の両端辺近傍に形成されている。側辺凹部77fは、中央凹部77eと同様に、底板77aの上面を底面77jとし、側板77bと突出壁部77hの互いに対向する表面を両側面として形成されている。2つの側辺凹部77fの各々は、長さ方向Y1における外側においては、壁が設けられておらず、外方に向けて開放されている。また、2つの側辺凹部77fの各々は、長さ方向Y1における内側においては、幅方向X1に延在するように設けられた仕切板77mによって閉じられている。
側辺凹部77fは、底面77jから突出壁部77h側の側面77kにかけて湾曲している。すなわち、側辺凹部77fにおいては、底面77jと、突出壁部77h側の側面77kとの間に、底面77jと側面77kが滑らかに連続するような湾曲面77lが形成されている。中央凹部77eにおいても、側辺凹部77fと同様に、底面77jから突出壁部77h側の側面にかけて湾曲しており、底面77jと、突出壁部77h側の側面との間に、底面77jと側面が滑らかに連続するような図示されない湾曲面77lが形成されている。
上記のような支持部材77に対し、例えば図3(a)に示されるような本体5を備える渡り板が設置される場合においては、中央凹部77e内に、本体5の中央凸部5fが格納され、側辺凹部77fの各々に、本体5の側辺凸部5gの各々が格納される。
本第6の変形例が、上記の実施形態と同様な効果を奏することは、いうまでもない。
特に、本第6の変形例の支持部材77においては、建築構造物と、隣接する建築構造物または地盤との間の、上下方向の相対移動が生じ、凸部が設けられた側を支点として、渡り板の反対側が上下方向に移動した場合に、互いに接触する表面間、特に中央凹部77eの図示されない湾曲面、側辺凹部77fの湾曲面77lと、渡り板本体の半球状の各凸部の表面間が滑らかに摺動するため、相対移動に容易に対応することが可能である。したがって、渡り板の破損や脱落の危険性が更に低減する。
また、中央凹部77eの長さ方向Y1における両側には壁が設けられていない。側辺凹部77fにおいても、長さ方向Y1における外側には壁が設けられておらず、内側に仕切板77mが設けられているのみである。すなわち、支持部材77に対して渡り板を設置する場合には、渡り板の本体の設置位置を支持部材77の長さ方向Y1において制限するのは、仕切板77mのみである。これにより、支持部材77や、支持部材77に設置される渡り板の本体の製造時において、これら一方または双方の寸法に多少誤差が生じた場合であっても、支持部材77の上に渡り板の本体を設置可能となる。したがって、製造時の要求寸法精度を緩和できるため、支持部材77及び渡り板の本体の製造が容易となる。
また、上記のように中央凹部77eの長さ方向Y1における両側には壁が設けられておらず、側辺凹部77fにおいても、長さ方向Y1における外側には壁が設けられていない構造であるため、各凹部77e、77fへの滞水を防ぐことが可能である。これにより、エキスパンションジョイントの腐食を防ぐことができる。
また、支持部材77は、中央凹部77eや側辺凹部77fが部分的に壁が設けられていない構造となってはいるが、側辺凹部77fの内側には仕切板77mが設けられているため、支持部材77の長さ方向Y1に向けての渡り板の本体の移動を十分に防止することができる。すなわち、上記のような製造の容易性、耐水の防止を実現できるとともに、効果的に、渡り板の脱落を防止することが可能となる。
なお、本発明のエキスパンションジョイント及びエキスパンションジョイントに用いられる渡り板の製造方法は、図面を参照して説明した上述の実施形態及び各変形例に限定されるものではなく、その技術的範囲において他の様々な変形例が考えられる。
例えば、上述の実施形態及び各変形例においては、支持部材7が設置された建築構造物2に対向して、建築構造物2に対して渡り板がかけられる対象は、地盤3であったが、建築構造物2と、隣接する建築構造物間に、渡り板がかけられるように構成されていてもよい。この場合、渡り板は、建築構造物間を連絡する渡り廊下などでありうる。
また、上述の実施形態及び各変形例においては、支持部材7は建築構造物2に設置されていたが、これに代えて、地盤3に設置されていてもよい。
また、上述の実施形態及び各変形例においては、渡り板の下面に凸部が、支持部材に凹部が形成されて、凹部内に凸部が配置されるようにして、渡り板が支持部材上に設置されていたが、凸部と凹部は逆であってもよい。すなわち、渡り板の下面に凹部が、支持部材に凸部が形成されて、凸部の上に凹部が覆い被さるようにして、渡り板が支持部材上に設置されていてもよい。このような構成によれば、凹部が、その底面が上向きではなく、下向きに配置されるため、凹部内に水などの液体が溜まることがなく、したがって腐食を更に防止することが可能となる。
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりすることが可能である。
2 建築構造物
3 隣接する建築構造物または地盤
4 渡り板
5 本体
5f 中央凸部(凸部)
5g 側辺凸部(凸部)
5h、5i 凸条
5k 薄板部
6 先端部材
7 支持部材
7e 中央凹部(凹部)
7f 側辺凹部(凹部)
8 モルタル
10 支持鋼材
11 鋼板
12 コンクリート
20 支持部材
20e 中央凹部(凹部)
20f 側辺凹部(凹部)
31 渡り板
32 支持部材
33 水膨潤ゴムシール
41 渡り板
42 本体
42a 凸条
43 舗装
51 渡り板
51a、51b 薄板部
64 渡り板
65 本体
65s 接合凸部
66 先端部材
66s 接合凸部
69 接合部材
69s 接合凹部
77 支持部材
77e 中央凹部
77f 側辺凹部(凹部)
77j 底面
77k 側面
X 通路方向

Claims (6)

  1. 建築構造物と隣接する建築構造物との間または建築構造物と地盤との間に架け渡された渡り板と、
    前記建築構造物、前記隣接する建築構造物または前記地盤のいずれかに、前記渡り板の一方の下面と対向するように配置された支持部材と、
    を備え、
    前記支持部材と、前記支持部材と対向する前記渡り板の下面との、いずれか一方は半球状の凸部を、他方は半球状の凹部を備えており、
    前記凸部が前記凹部内に配置されることにより、前記渡り板は、前記凸部又は前記凹部が設けられた側を支点として、反対側が上下方向に移動可能に、前記支持部材に支持されている、エキスパンションジョイント。
  2. 建築構造物と隣接する建築構造物との間または建築構造物と地盤との間に架け渡された渡り板と、
    前記建築構造物、前記隣接する建築構造物または前記地盤のいずれかに、前記渡り板の一方の下面と対向するように配置された支持部材と、
    を備え、
    前記支持部材と、前記支持部材と対向する前記渡り板の下面との、いずれか一方は半球状の凸部を、他方は底面から側面にかけて湾曲している凹部を備えており、
    前記凸部が前記凹部内に配置されることにより、前記渡り板は、前記凸部又は前記凹部が設けられた側を支点として、反対側が上下方向に移動可能に、前記支持部材に支持されている、エキスパンションジョイント。
  3. 前記渡り板は鋳鉄製であり、
    前記渡り板の下面には、前記渡り板の通路方向に延在する複数の凸条が備えられており、
    前記渡り板の幅方向において、前記渡り板の、最も外側に位置する前記凸条と、前記渡り板の通路方向に延在する端辺との間は、前記凸条間の渡り板の厚さよりも薄く形成された薄板部となっており、
    前記渡り板は、前記薄板部が、通路方向に従って幅が変化する形状を有している、請求項1または2に記載のエキスパンションジョイント。
  4. 前記渡り板は、幅方向中央部と、前記中央部から側方に離間した側部の各々に、前記凸部または凹部を有しており、
    前記支持部材は、前記渡り板の前記凸部または凹部に対応する位置に、前記凹部または凸部を有しており、
    前記側部における前記凸部表面と凹部内壁間の遊び寸法は、前記中央部における前記凸部表面と凹部内壁間の遊び寸法よりも大きい、請求項1から3のいずれか一項に記載のエキスパンションジョイント。
  5. 前記渡り板は、本体、前記渡り板の通路方向端部に該本体に連接される先端部材、及び、前記本体と前記先端部材を接合する接合部材を備え、
    前記本体は、前記先端部材側の下方に、突出する接合凸部を備え、
    前記先端部材は、前記本体側の下方に、突出する接合凸部を備え、
    前記接合部材は、前記本体と前記先端部材の各々の前記接合凸部を密接状態にして接合する接合凹部を備える、請求項1から4のいずれか一項に記載のエキスパンションジョイント。
  6. 建築構造物と隣接する建築構造物との間または建築構造物と地盤との間に架け渡される、エキスパンションジョイントに用いられる渡り板の製造方法であって、
    前記渡り板は、前記建築構造物、前記隣接する建築構造物または前記地盤のいずれかに、前記渡り板の一方の下面と対向するように配置された支持部材に接続されるものであり、
    前記渡り板の下面には、前記渡り板の通路方向に延在する複数の凸条が備えられており、
    前記渡り板の幅方向において、前記渡り板の、最も外側に位置する前記凸条と、前記渡り板の通路方向に延在する端辺との間は、前記凸条間の渡り板の厚さよりも薄く形成された薄板部となっており、
    鋳鉄によって、前記渡り板を鋳造すること、
    鋳造された前記渡り板の前記薄板部を切削して、通路方向に従って幅が変化する形状に成形すること、
    を含む、エキスパンションジョイントに用いられる渡り板の製造方法。
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