JP2017105876A - 目標芯センサ装置 - Google Patents
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Abstract
Description
そこで、例えば、特許文献1に開示の目標芯センサ装置が提案されている。
この目標芯センサ装置は、移動機に搭載されたCCDカメラ(撮像手段)を備え、コークス炉が有する複数の炭化室に設置された目標芯ターゲット(以下、単にターゲットという)を、ターゲットの背後に水平配置された蛍光灯(光源)で照らしてCCDカメラで撮影し、得られた画像データを処理することで、移動機を定位置に停止させるためのものである。
このため、上記した目標芯センサ装置は、CCDカメラの視野空間をエアカーテンによって簡易密閉するエア吐出手段と、簡易密閉された視野空間を陽圧に保つように空気を吹込む空気吹込み手段とを備えている。
これにより、CCDカメラの視野空間への粉塵等の侵入を防止できると共に、ターゲットが視野空間へ出入りするに際し、ターゲットに付着した粉塵等を圧力空気によって吹払うことができ、ターゲットを清浄に保つことができる。
上記した蛍光灯は、CCDカメラ側にガラス窓が設置されたボックスに収納されており、このガラス窓へも粉塵等が付着するため、この粉塵等をガラス窓から除去する必要がある。この場合、ガラス窓への空気の吹付け流速が重要であるが、上記した構造で必要な吹付け流速を得るには大量の空気が必要であり、設備コストの上昇を招いて不経済である。
また、ターゲットに付着した粉塵等は、上記したように、ターゲットが視野空間へ出入りする際に吹払われるが、この吹払われた粉塵等が再度飛散するため、CCDカメラの検出能力が低下するという問題もある。なお、コークス炉は高温環境下にあるため、CCDカメラは例えば、ペルチェ素子を取付けたボックスに収納されて冷却される場合があるが、ボックス内の冷却能力が不足し、CCDカメラの検出能力が低下するおそれもある。
前記光源は、前記撮像手段側にガラス窓が設置された光源用ボックスに収納され、前記ガラス窓の上方位置には、下方へ向けてガスを吐出可能なスリット状の吐出口を備えたガス吹付けノズルが設けられている。
ここで、前記冷却手段は、前記撮像用ボックスの内部側と外部側の熱移動を行うペルチェ素子と、前記撮像用ボックス内に分離された冷気を送風する撮像用ボルテックスチューブを有していることが好ましい。
また、前記撮像用ボックスには配管の一端部が接続され、該配管の他端部が、前記撮像用ボックス外に位置する前記ペルチェ素子に向けられているのがよい。
更に、このガス吹付けノズルの吐出口は、スリット状になっているので、スリット状でない場合と比較して、吐出口から吐出するガスの流速を速くできるため、簡単な構成で、ガラス窓に付着した粉塵等を除去できる。
従って、簡単な構成で、コークス炉における粉塵等の影響を低減できるので、移動機を高い精度で定位置に停止させることが可能になる。
ここで、撮像用ボックスに、冷気を吸気する配管の一端部を配置し、撮像用ボックスから排気する配管の他端部を、撮像用ボックス外に位置するペルチェ素子に向ける場合、撮像用ボックスの内部の空気(外部よりも低温の空気)を、配管を介してペルチェ素子に吹付けることができる。これにより、ペルチェ素子の特性に起因して、撮像用ボックス内の冷却能力が高められる。
図1(A)、(B)、図2に示すように、本発明の一実施の形態に係る目標芯センサ装置10は、コークス炉(図示しない)に沿って移動する移動機(図示しない)に搭載され、移動機の停止位置を識別する装置であり、簡単な構成で、コークス炉における粉塵等の影響を低減して、移動機を高い精度で定位置に停止可能にするものである。以下、詳しく説明する。
このコークス炉には、移動機の走行を可能にするレールが、炉団方向に沿って複数敷設されている。なお、移動機としては、例えば、装入車、押出機、ガイド車、消火車(バケット台車)等がある。
このターゲット11は、例えば、正面視して直角四角形(ここでは、長方形)の金属製の板材で構成され、この板材に形成されたバーコード情報によって、各炭化室に予め設定された番号を特定できる。なお、バーコード情報は、例えば、板材に形成されたスリット(貫通孔)の形状や個数の組み合わせを変えることで表現できるが、光を通過させる貫通孔で構成されていれば、これに限定されるものではない。
カメラ12は、ベース架台13上に設置された撮像用ボックス14に収納されている。この撮像用ボックス14の正面側(カメラ12の撮像側(ターゲット11側))には、開口部15が形成され、この開口部15の周縁に、水平幅(水平方向の内幅)をターゲット11へ向けて徐々に拡幅させたカメラフード16が取付け固定されている。
ペルチェ素子18は、2種類の金属の接合部に電流を流すことで、撮像用ボックス14の内部側と外部側の熱移動を行う公知のものであり、撮像用ボックス14内が低温側、かつ、撮像用ボックス14外が高温側、となるように、撮像用ボックス14の背面側(ターゲット11側とは反対側)に取付け固定されている。このペルチェ素子18の厚み方向両側(撮像用ボックス14の内部と外部)にはそれぞれ、フィン(図示しない)とファン20、フィン(図示しない)とファン21が順次配置されている。これにより、撮像用ボックス14内に冷気が、撮像用ボックス14外に暖気が、それぞれ拡散する。
このチューブ19は、冷気排出口22が撮像用ボックス14内に、暖気排出口23が撮像用ボックス14外に、それぞれ位置するように、撮像用ボックス14の背面側に取付け固定されている。これにより、撮像用ボックス14内に、分離された冷気を送風できる。
この配管24の他端部は、撮像用ボックス14外に位置するペルチェ素子18、具体的には、ペルチェ素子18に設けられたフィンに向けられている。
これにより、撮像用ボックス14外の空気よりも低温となった、撮像用ボックス14内の空気を、配管24を介してフィンに吹付けることができる。従って、ペルチェ素子18の特性、即ちペルチェ素子18の厚み方向両側に温度差を生じさせる特性により、撮像用ボックス14内の温度を更に低下させることができるため、撮像用ボックス14内の冷却能力が高められる。
直管形LEDランプ(以下、単にランプともいう)25は、水平配置された状態で光源用ボックス26に収納されている。なお、光源用ボックス26は、ベース架台13の正面側に突出した状態で取付け固定された吊持フレーム27の先部に、吊下げ状態で取付け固定されている。
また、光源用ボックス26の内面には断熱材(図示しない)が取付け固定され、しかも、光源用ボックス26に光源用ボルテックスチューブ30が設けられている。この光源用ボルテックスチューブ30は、前記した撮像用ボルテックスチューブ19と同様の構成であり、光源用ボックス30内に、分離された冷気を送風できるものである。
これにより、光源用ボックス26内の温度を低くできるため、光源用ボックス26内の温度を直管形LEDランプ25の温度仕様以下に維持でき、直管形LEDランプ25の長寿命化が図れる。
この空気供給手段33は、ファンが設けられた主配管34と、送風フード32の基部に取付け固定されたヘッダー部35を有し、主配管34とヘッダー部35が複数(ここでは、主配管34とヘッダー部35の長手方向片側に3個ずつ、合計6個)の分配用配管36で接続されている。これにより、ファンから供給された空気が、主配管34から各分配用配管36へ略均等に送られ、更にヘッダー部35を介して送風フード32へ送られる。
また、送風フード32は、その垂直幅(垂直方向(鉛直方向)の内幅)が、空気の流れに沿って徐々に狭まるテーパ状となっている。
この送風フード32の断面積は、空気の流れに沿って同一としているため、送風フード32内を流れる空気の圧損を低減できる。なお、空気の抵抗により送風フード32が変形することを防止するため、送風フード32内には2つのリブ37が設けられている。このリブは、送風フードの大きさ等に応じて、1つでもよく、また、3つ以上の複数でもよい。
このスリット状の吐出口38の隙間の内幅Sは、3mm以上10mm以下(更には、上限を7mm)にすることが好ましい。
また、ガス吹付けノズル31の先端には、下方へ向けて延びる吹付け方向制御板39が設けられている。この吹付け方向制御板39の下方への突出長さLは、10mm以上150mm以下程度である。
なお、吹付け方向制御板39は、鉛直方向に設けているが、ガス吹付けノズルに角度調整可能に取付けることもでき、また、例えば、突出長さLが異なる複数種類の吹付け方向制御板を予め用意し、必要に応じてガス吹付けノズルに取換え可能にすることもできる。
・移動機に設置された既設のファン(コンプレッサではない)を用いて、ガラス窓28に付着した粉塵等を除去可能な風速(例えば、7〜15m/秒程度)が、ガラス窓28の長手方向に渡って略均等に得られること。
・カメラフード16と光源用ボックス26のガラス窓28との間に位置するターゲット11に付着した粉塵等への影響を低減すること。
なお、ここでは、カメラフード16と光源用ボックス26のガラス窓28との距離は、250〜350mm(更には、下限が300mm)程度であり、移動機の走行の際に、その中間部辺りにターゲット11が位置するようになっている。
直管形LEDランプ25が点灯した状態で、各炭化室に設置されたターゲット11が、直管形LEDランプ25とカメラ12の間に位置することで、ランプ25からターゲット11のスリット等を通過して出てくる光を、カメラ12で撮影できる。なお、撮影された画像は、カメラ12を接続した画像データ処理手段(図示しない)により処理される。
このとき、ガス吹付けノズル31(吐出口38)からは、ガラス窓28の表面に対し空気の吹付けが常時行われているため、ガラス窓28に付着した粉塵等を除去できる(ガラス窓28への粉塵等の付着も抑制できる)。また、ターゲット11への影響を極力低減できるため、ターゲット11に付着した粉塵等の飛散を抑制、更には防止できる。
従って、カメラ12の検出能力を、従来よりも向上できる。
まず、制御手段(図示しない)により、予め設定したプログラムに基づいて、移動機を自動走行させる。
これにより、移動機の走行の際に、各炭化室に設置されたターゲット11が、直管形LEDランプ25とカメラ12の間を通過する。また、直管形LEDランプ25は点灯した状態であるため、ランプ25からターゲット11のスリット等を通過して出てくる光は、ターゲット11がランプ25とカメラ12の間に位置した際に、カメラ12で撮影される。
従って、カメラ12の検出能力が高められる。
なお、停止させる炭化室は、ターゲット11に形成されたバーコード情報に基づいて識別する。また、停止させる炭化室に対する移動機の位置決めは、ターゲット11の幅方向両端(エッジ)の位置で決定する。
ここでは、実施例として、前記した目標芯センサ装置10を用いた(図1(A)、(B)、図2参照)。なお、ガス吹付けノズル31のスリット状の吐出口38の隙間の内幅Sを5mmとし、吐出口38の幅方向(移動機の走行方向)の内幅を1200mmとした。
一方、比較例として、従来の目標芯センサ装置を用いた。この目標芯センサ装置は、上記したガス吹付けノズル31とは異なる複数のガス供給ダクトを用い、カメラフードと光源用ボックスのガラス窓との間に形成される空間内に空気を吹込んで、陽圧状態とするものである。なお、空気の吹込み幅(移動機の走行方向の幅)は1000mm程度である。
図3に示すように、実施例の装置では、風速10(m/秒)程度の空気を、吐出口38の幅方向に渡って略均等に吐出できた。一方、比較例の装置では、空気の風速が5(m/秒)程度であった(既設エアパージ)。
従って、本発明の目標芯センサ装置を用いることで、簡単な構成で、ガラス窓に付着する粉塵を除去できるため、コークス炉における粉塵等の影響を低減して、移動機を高い精度で定位置に停止させることができる。
前記実施の形態においては、光源として直管形LEDランプを使用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、蛍光灯を使用することもできる。なお、使用する照明器具や設置温度環境に応じて、前記した断熱材や光源用ボルテックスチューブを用いなくてもよい。
Claims (7)
- 複数の炭化室を備えたコークス炉に沿って移動する移動機に搭載され、該移動機の走行方向とは交差する方向に間隔を有して対向配置された光源と撮像手段を有し、前記各炭化室に対応する位置に設置されたターゲットを、前記移動機の走行の際に前記光源と前記撮像手段の間に位置させて該撮像手段で撮影し、前記移動機の停止位置を識別する目標芯センサ装置において、
前記光源は、前記撮像手段側にガラス窓が設置された光源用ボックスに収納され、前記ガラス窓の上方位置には、下方へ向けてガスを吐出可能なスリット状の吐出口を備えたガス吹付けノズルが設けられていることを特徴とする目標芯センサ装置。 - 請求項1記載の目標芯センサ装置において、前記ガス吹付けノズルの先端には、下方へ向けて延びる吹付け方向制御板が設けられていることを特徴とする目標芯センサ装置。
- 請求項1又は2記載の目標芯センサ装置において、前記スリット状の吐出口の隙間の内幅は3mm以上10mm以下であることを特徴とする目標芯センサ装置。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の目標芯センサ装置において、前記撮像手段は撮像用ボックスに収納され、該撮像用ボックスには冷却手段が設けられていることを特徴とする目標芯センサ装置。
- 請求項4記載の目標芯センサ装置において、前記冷却手段は、前記撮像用ボックスの内部側と外部側の熱移動を行うペルチェ素子と、前記撮像用ボックス内に分離された冷気を送風する撮像用ボルテックスチューブを有していることを特徴とする目標芯センサ装置。
- 請求項5記載の目標芯センサ装置において、前記撮像用ボックスには配管の一端部が接続され、該配管の他端部が、前記撮像用ボックス外に位置する前記ペルチェ素子に向けられていることを特徴とする目標芯センサ装置。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の目標芯センサ装置において、前記光源は水平配置された直管形LEDランプで構成され、前記光源用ボックスには、断熱材が設けられていると共に、前記光源用ボックス内に分離された冷気を送風する光源用ボルテックスチューブが設けられていることを特徴とする目標芯センサ装置。
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