JP2017105713A - ケラチン繊維のパーマネント変形のためのオレウロペイン又はオリーブ葉抽出物の美容的使用 - Google Patents

ケラチン繊維のパーマネント変形のためのオレウロペイン又はオリーブ葉抽出物の美容的使用 Download PDF

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Abstract

【課題】従来のケラチン繊維のパーマネント変形方法によって、悪臭なく、ケラチン繊維の劣化を防止又は低減できる、ケラチン繊維のための組成物、好ましくは化粧用組成物を提供する。また、従来のケラチン繊維のパーマネント変形方法によって、悪臭なく、ケラチン繊維の劣化を防止又は低減できる、ケラチン繊維の変形のための方法、好ましくは美容処理方法を提供する。【解決手段】本発明は、ケラチン繊維を変形させる、特にカールさせるための、オレウロペイン又は少なくとも1種のオリーブ葉抽出物を含む組成物、並びにオレウロペイン又はオリーブ葉抽出物の方法及び使用に関する。本発明は、ケラチン繊維を損傷せず、還元剤の使用による悪臭なく、毛髪等のケラチン繊維の新しい変形を実施することを可能にする。【選択図】なし

Description

本発明は、毛髪等のケラチン繊維のための組成物、好ましくは化粧用組成物に関する。
毛髪を容易にスタイリングし、テクスチャライズし、とりわけ細い髪に重みを加えるために多くのヘアケア製品が現在市販されており、そのような製品として例えば、フォーム、スタイリングジェル又はヘアラッカーを挙げることができる。これらの製品は、毛髪の成形を可能にするが、シャンプーにより除去され、したがって毎日の適用が必要である。
長時間持続する毛髪の変形を達成するための最も一般的な技術は、第1の工程で、ケラチンのS-Sジスルフィド(シスチン)結合を好適な還元剤を含む組成物で開裂し(還元工程)、次いで第2の工程でこのように処理された毛髪を一般的には水で一度すすぎ、最終的に毛髪に所望の形態が付与されるように例えばカーラーを使用して前もって張力をかけた毛髪上に酸化組成物を適用することによって、前記ジスルフィド結合を再形成すること(酸化工程、また固定工程とも呼ばれる)からなる。
上記で説明されているもの等の化学的処理によって毛髪に付与される新しい形状は、フォーム、スタイリングジェル又はラッカーを使用して一時的に毛髪を再成形する通常の単純な方法よりも、比較的長時間持続し、水又はシャンプーによる洗浄操作に対して比較的強い。
上記の化学的処理のための多くの組成物及び方法が提案されている。一般に、それらは、処理したその日に良好な性能を提供する。
良好な毛髪形状変更性能を達成するために、シスチン結合を開裂させるための組成物は、高アルカリ条件下で、比較的高濃度の1つ又は複数の還元剤を含有する。例えば、一般的な還元剤の1つであるチオグリコール酸は、一般に、強いアルカリ条件下で、6から11質量%の間の量で使用される。加えて、いくつかの毛髪パーマネント変形技術は、還元剤の化学的作用を増加させるために、還元工程の間に加熱プロセスを使用する。そのため毛髪は、消費者に適用の繰返し又は処理の組合せ(例えば、パーマ及びカラーリング)の検討を思いとどまらせるほど大幅に劣化する。
加えて、従来の毛髪パーマネント変形方法で還元剤として一般に使用されるチオール系化合物は悪臭があり、このような悪臭も消費者には好ましくない。
欧州特許出願公開第0354835号 欧州特許出願公開第0368763号 欧州特許出願公開第0432000号 欧州特許出願公開第0514282号 仏国特許出願公開第2679448号 仏国特許出願公開第2814948号 仏国特許出願公開第2870119号
本発明の目的は、悪臭なく、従来のケラチン繊維のパーマネント変形方法によるケラチン繊維の劣化を防止又は低減できる、ケラチン繊維のための組成物、好ましくは化粧用組成物を提供することである。
上記の目的は、ケラチン繊維を変形させる、特にカールさせるための、オレウロペインを含む組成物によって達成され得る。
組成物中のオレウロペインの量は、組成物の総質量に対して0.001から10質量%、好ましくは0.01から7質量%、より好ましくは0.1から5質量%であってもよい。
上記の組成物のpHは、2から10、好ましくは5から9、より好ましくは8から8.5であってもよい。
上記の組成物は、少なくとも1種のpH調節剤を更に含んでもよい。
また、上記の目的は、ケラチン繊維を変形させる、特にカールさせるための、オリーブ葉抽出物を含む組成物によっても達成され得る。
組成物中の抽出物の量は、組成物の総質量に対して1から70質量%、好ましくは10から60質量%、より好ましくは20から50質量%であってもよい。
上記の抽出物は、オレウロペインを含むことが好ましい。
組成物中のオレウロペインの量は、組成物の総質量に対して0.001から10質量%、好ましくは0.01から7質量%、より好ましくは0.1から5質量%であってもよい。
上記の組成物のpHは、2から10、好ましくは5から9、より好ましくは8から8.5であってもよい。
上記の組成物は、少なくとも1種のpH調節剤を更に含んでもよい。
上記の組成物は、還元剤を一切含まないか、又は組成物の総質量に対して1質量%未満、好ましくは0.5質量%未満、より好ましくは0.1質量%未満の還元剤を含むことが好ましい。
本発明による組成物は化粧用組成物であることが好ましい。
本発明の別の目的は、悪臭なく、従来のケラチン繊維のパーマネント変形方法によるケラチン繊維の劣化を防止又は低減できる、ケラチン繊維の変形のための方法、好ましくは美容処理方法を提供することである。
上記の目的は、ケラチン繊維を変形させる、特にカールさせるための方法、好ましくは美容処理方法であって、
ケラチン繊維上へ本発明による組成物を適用する工程と、
ケラチン繊維を室温から高温に保持する工程と
を含む、方法によって達成され得る。
本発明による方法は、ケラチン繊維上へ本発明による組成物を適用する工程の前及び/又は後に、変形のために、機械的張力をケラチン繊維に付与する工程を更に含んでもよい。
本発明による方法は、ケラチン繊維上へ本発明による組成物を適用する工程の後に、及び/又はケラチン繊維を室温から高温に保持する工程の後に、ケラチン繊維をすすぐ工程を更に含んでもよい。
本発明は、ケラチン繊維を変形させる、特にカールさせるための美容処理方法における、オレウロペイン又はオリーブ葉抽出物の使用、好ましくは美容的使用にも関する。
本発明は、ケラチン繊維を変形させる、特にカールさせることにおける使用、好ましくは美容的使用のための、オレウロペイン又はオリーブ葉抽出物にも関する。
一般的なパーマネント毛髪形状変更方法は、ジスルフィド結合の不十分な再結合、並びにケラチンタンパク質の加水分解、及び高アルカリ条件下での毛髪からのケラチンタンパク質の抽出により、著しい損傷を毛髪繊維に引き起こす。特に、適用の繰返し又は酸化カラーリング等の他の化学処理との組合せは、高いレベルの毛髪損傷を引き起こす。毛髪損傷により、環境ストレスに対する毛髪形状変更効果の持続性は不十分となり、この環境ストレスは、例えば日常のシャンプー、ブラッシング、湿度、UV及びこれらに類するものからの機械的制約である。
鋭意検討の結果、発明者は、毛髪及びこれに類するもの等のケラチン繊維の新しいパーマネント変形であって、ケラチン繊維への損傷、及び還元剤、特にチオール系化合物の使用による悪臭を低減するパーマネント変形を実施することが可能であることを発見した。
発明者は、オレウロペイン又はオリーブ葉抽出物が、活性成分として、毛髪を還元/酸化せずに、良好な毛髪形状変更効果を付与できることを見出した。
このため、本発明による毛髪等のケラチン繊維を変形させるための組成物及び方法は、ケラチン繊維の変形によるケラチン繊維の劣化を防止又は低減できる。これは、本発明が、ケラチン繊維の変形の新しい原理に基づいており、ケラチン繊維のジスルフィド結合の還元-酸化に基づく従来の変形に基づいていないからである。
本発明による組成物、好ましくは化粧用組成物は、チオール系化合物等の任意の還元剤を含有する必要がない。したがって、毛髪形状変更効果を達成するための酸化工程が必要でない。これは、還元剤に由来する悪臭が存在せず、又は生成されず;還元剤のための高アルカリ条件による、又は酸化工程による、追加の毛髪劣化が生じず;本発明による化粧用組成物の単独使用により、一工程プロセスが達成され得ることを意味する。
以下では、本発明によるケラチン繊維のための組成物及びケラチン繊維の変形のための方法をそれぞれ詳細に説明する。
[組成物]
本発明による組成物、好ましくは化粧用組成物は、ケラチン繊維を変形させる又は再成形するために、好ましくはパーマネント変形させる又は再成形するために使用され、特に、ケラチン繊維をカールさせるために、好ましくはパーマネントカール又はウェーブさせるために使用される。
用語「ケラチン繊維」は、本明細書において、毛髪、まつ毛、及び眉毛等のケラチン物質から作られる繊維を意味する。ケラチン繊維が毛髪であることが好ましい。
(オレウロペイン及びオリーブ葉抽出物)
本発明によるケラチン繊維を変形させる、特にケラチン繊維をカールさせるための組成物は、オレウロペイン又はオリーブ葉抽出物を、好ましくは活性成分として含む。
用語「活性成分として」は、本明細書において、オレウロペイン又はオリーブ葉抽出物が、ケラチン繊維を変形させる、特にカールさせるように機能することを意味する。したがって、オレウロペイン又はオリーブ葉抽出物は、組成物に含まれる場合であっても、例えば、微量のオレウロペイン又はオリーブ葉抽出物であるために、ケラチン繊維を変形させる、特にカールさせるように機能できない場合、「活性成分として」は含まれない。
オレウロペインは、次の化学式によって表され得る化合物である。
Figure 2017105713
本発明によると、用語「オレウロペイン」は、オレウロペイン及びその誘導体を包含する。オレウロペインの誘導体として、エステル及び塩を挙げることができる。
エステルとして、オレウロペインのヒドロキシル基のいずれかを、C1〜C10アルキル基、例えばメチル及びエチル基、C2〜C10アルケニル基、例えばビニル基、C6〜C10アリール基、例えばフェニル基、又はC7〜C10アラルキル基、例えばベンジル基でエステル化(-OH→-OR)できる(これらの基が上記のRとして)。これらの基は、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシ基、及びC2〜C10アシル基から選ばれる少なくとも1つの基で任意選択で置換されている。
塩として、オレウロペインのヒドロキシル基のいずれかが、アニオンの形態であってもよく、カチオンと塩を形成してもよい。塩は金属塩であってもよく、好ましくは、アルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩であってもよく、より好ましくは、ナトリウム若しくはカリウム塩、又はカルシウム塩であってもよい。塩はアンモニウム塩であってもよい。
本発明による組成物は、オレウロペイン自体を含んでもよく、又はオレウロペインと少なくとも1種のオレウロペインの誘導体、例えば少なくとも1種の上記で説明したオレウロペインのエステル及び/若しくは塩との組合せを含んでもよく、又は少なくとも2種のオレウロペインの誘導体を含んでもよい。
本発明による組成物中のオレウロペインの量は、ケラチン繊維を変形させる、特にカールさせるように機能できる限り、限定されない。例えば、本発明による組成物中のオレウロペインの量は、組成物の総質量に対して、0.001から10質量%、好ましくは0.01から7質量%、より好ましくは0.1から5質量%であってよい。
オリーブ葉抽出物は、オリーブ葉{オリーブ(Olea europaea)}からの抽出物であってもよい。
オリーブ葉抽出物は、オリーブ葉を任意の抽出媒体、例えば水性抽出媒体又は非水性媒体で抽出することによって調製できる。水性抽出媒体の使用が好ましい。
水性抽出媒体は、水を含んでもよい。必要に応じて、水性抽出媒体は、少なくとも1種の親水性有機溶媒、例えばエタノールを含んでもよい。
非水性抽出媒体は、油、例えばエステル油、特にトリグリセリド、例えば植物又は動物系油を含んでもよい。
オリーブ葉抽出物として、商業製品を使用できる。例えば、オリーブ葉抽出物の水性溶液、例えばHallstar社(旧B&T Company社)によって市販されているEUROL BTを、オリーブ葉抽出物として使用してもよい。
本発明による組成物中のオリーブ葉抽出物の量は、ケラチン繊維を変形させる、特にカールさせるように機能できる限り、限定されない。例えば、本発明による組成物中のオリーブ葉抽出物の量は、組成物の総質量に対して、1から70質量%、好ましくは10から60質量%、より好ましくは20から50質量%であってよい。
オリーブ葉抽出物は、オレウロペインを含むことが好ましい。この場合も同様に、本発明による組成物中のオレウロペインの量は限定されない。例えば、本発明による組成物中のオレウロペインの量は、組成物の総質量に対して、0.001から10質量%、好ましくは0.01から7質量%、より好ましくは0.1から5質量%であってよい。
(pH)
本発明による組成物のpHは、限定されない。例えば、本発明による組成物のpHは、2から10、好ましくは5から9、より好ましくは8から8.5とすることができる。組成物のpHは、8.5以下であることが好ましい。
本発明による組成物は、少なくとも1種のpH調節剤を更に含んでもよい。2種以上の異なるpH調節剤を使用してもよい。
pH調節剤として、単独で又は組合せで、任意の数の酸性剤又はアルカリ剤を挙げることができる。
酸性剤として、化粧料中で一般に使用される任意の無機酸又は有機酸を挙げることができ、例えばクエン酸、乳酸、リン酸又は塩酸(HCl)を挙げることができる。HClが好ましい。
アルカリ剤として、化粧料中で一般に使用される任意の無機塩基性剤又は有機塩基性剤を挙げることができ、例えばアンモニア;アルカノールアミン、例えばモノ、ジ及びトリエタノールアミン、イソプロパノールアミン;水酸化ナトリウム及び水酸化カリウム;尿素、グアニジン及びそれらの誘導体;塩基性アミノ酸、例えばリジン又はアルギニン;並びに以下の構造:
Figure 2017105713
(式中、Rは、ヒドロキシル又はC1〜C4アルキル基により任意選択で置換されたプロピレン等のアルキレンを表し、R3、R4、R5及びR6は独立して、水素原子、アルキル基又はC1〜C4ヒドロキシアルキル基を表す)に記載されているもの等のジアミン(これは、1,3-プロパンジアミン及びその誘導体により例示することができる)を挙げることができる。アルギニン及びモノエタノールアミンが好ましい。
本発明による組成物におけるpH調節剤の量は、限定するものではないが、組成物の総質量に対して、0.001から15質量%、好ましくは0.01から10質量%、より好ましくは0.1から5質量%であってもよい。
(還元剤)
本発明による組成物は還元剤を含んでもよいが、しかしながら、本発明による組成物が、減じられた量の還元剤を含むこと、好ましくは還元剤を含まないことが好ましい。
還元剤は、酸化還元化学反応において、電子を別の化学種に与える化合物である。言い換えると、還元剤は、ケラチンのS-Sジスルフィド結合を開裂できる化合物である。還元剤は、チオール還元剤又は非チオール還元剤であってよい。
用語「チオール還元剤」は、本明細書において、少なくとも1つのチオール基を有する還元剤を意味する。チオール還元剤は、好ましくは、チオグリコール酸及びその誘導体、特にそのエステル(モノチオグリコール酸グリセロール又はモノチオグリコール酸グリコール等);ジチオグリコール酸及びその誘導体、特に、そのエステル(例えばジチオグリコール酸グリセロール又はジチオグリコール酸グリコール等);チオ乳酸及びその誘導体、特にそのエステル(モノチオ乳酸グリセロール等);3-メルカプトプロピオン酸及びその誘導体、特にそのエステル(3-メルカプトプロピオン酸グリセロール及び3-メルカプトプロピオン酸エチレングリコール等);システアミン及びその誘導体、特にそのC1〜4アシル誘導体(N-アセチルシステアミン及びN-プロピオニルシステアミン等);チオグリセロール、例えばモノチオグリセロール及びその誘導体、特にエステル;システイン及びその誘導体、特にエステル(N-アセチルシステイン、N-アルカノイルシステイン及びシステインアルキルエステル等);還元体のグルタチオン;メルカプトコハク酸;並びにこれらの塩からなる群から選ばれてよい。
上記の塩として、例えば、アンモニウム塩、第一級、第二級又は第三級アミン塩、アルカリ金属塩、及びアルカリ土類金属塩を挙げることができる。第一級、第二級又は第三級アミンとして、例えば、それぞれ、モノエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン又はトリエタノールアミンを挙げることができる。
本発明のための化粧用組成物中で使用してもよいチオール還元剤の他の好適な例には、糖N-メルカプトアルキルアミド[N-(メルカプト-2-エチル)グルコンアミド、β-メルカプトプロピオン酸、及びそれらの誘導体等];チオリンゴ酸;パンテテイン;N-(メルカプトアルキル)ω-ヒドロキシアルキルアミド(欧州特許出願公開第0354835号に記載されているもの等)及びN-モノ-又はN,N-ジアルキルメルカプト4-ブチルアミド(欧州特許出願公開第0368763号に記載されているもの等);アミノメルカプトアルキルアミド(欧州特許出願公開第0432000号に記載されているもの等)及びアルキルアミノメルカプトアルキルアミド(欧州特許出願公開第0514282号に記載されているもの等);(2/3)ヒドロキシ-2プロピルチオグリコレート;並びに仏国特許出願公開第2679448号に記載されているヒドロキシ-2メチル-1エチルチオグリコレート系混合物(67/33)が挙げられるが、これらに限定されない。
チオール系還元剤は、次の化学式(VIII)によって表される化合物であってもよい:
Figure 2017105713
(式中、
Xは、-O-、-S-、-NH-及び-NR1-からなる群から選択される構造であり;
R1は、1から6個の炭素原子のアルキル基であり;
R2は、水素原子又は1から6個の炭素原子のアルキル基であり;
Yは、酸素原子又は硫黄原子であり;
Rは、任意選択でメルカプト基を有する二価の有機残基である)。
Xは、パーマ溶液の調製の点から、好ましくは、-O-、-NH-、-NCH3-又は-S-であり、この場合、化合物がパーマ水性溶液中で比較的高い溶解性を示す。
Yは、酸素原子又は硫黄原子であり、工業上の利用可能性及び取扱い特性の点から、より好ましくは酸素原子である。
R2は、水素原子、メチル基、エチル基又はプロピル基であってもよく、好ましくは水素原子、メチル基又はエチル基である。
Rは、任意選択でメルカプト(-SH)基を有する二価の有機残基である。Rは、二価の有機残基である限り特に限定されず、アルキレン基であってもよい。アルキレン基の主鎖は、2から6個の炭素原子を有してもよい。二価の有機残基は、分枝又は側鎖を有してもよい。側鎖の例は、アルキル基及びアルケニル基を含む。
Rがメルカプト基で置換される場合、1つ又は複数のメルカプト基が存在してもよい。
用語「非チオール還元剤」は、本明細書において、チオール基を含まない還元剤を意味する。非チオール還元剤は、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、スルフィネート、ホスフィン、糖、レダクトン及び水素化物からなる群から選ぶことができる。非チオール還元剤は、亜硫酸アンモニウム及び亜硫酸水素アンモニウム、並びに金属の亜硫酸塩及び亜硫酸水素塩、より好ましくはアルカリ金属又はアルカリ土類金属の亜硫酸塩及び亜硫酸水素塩、より好ましくは亜硫酸ナトリウム及び亜硫酸水素ナトリウムから選択することができる。
スルフィネートとしては、スルフィン酸塩及びベンゼンスルフィン酸塩、例えばそれらのナトリウム塩を挙げることができる。仏国特許出願公開第2814948号に記載されているスルフィン酸誘導体も使用できる。好ましいスルフィネート化合物は、2-ヒドロキシ-2-スルフィナト酢酸二ナトリウム塩である。
ホスフィンとして、仏国特許出願公開第2870119号に記載されているモノホスフィン及びジホスフィンを挙げることができる。本発明の特定の一実施形態によれば、ホスフィンは、下記の式(IX):
Figure 2017105713
{式中、
Lは、共有結合、又は酸素原子、硫黄原子、窒素原子及びケイ素原子から選ばれる1個若しくは複数のヘテロ原子を任意選択で含む二価の炭化水素系基を表すリンカーであり;
mは、0又は1に等しい整数であり;
qは、1又は2に等しい整数であり;
pは、0又は1に等しい整数であり;
R31、R32及びR33は、同一であっても異なっていてもよく、
水素原子;
ハロゲン原子;
ヒドロキシル基;
カルボキシル基;
一価の炭化水素系基(硫黄原子、酸素原子、窒素原子、リン原子及びケイ素原子から選ばれる1個又は複数のヘテロ原子を任意選択で含み、
ハロゲン原子、
ヒドロキシル基、
アルコキシ基、
ハロアルキル基、
アミノ基、
カルボキシル基、
アルコキシカルボニル基、
アミド基、
アルキルアミノカルボニル基、
アシルアミノ基、
モノ又はジ(アルキル)アミノ基、
モノ又はジ(ヒドロキシアルキル)アミノ基、
N-アリール-N-アルキルアミノ基、
非置換か、又はハロゲン原子、ヒドロキシル基、アルコキシ基及びモノ若しくはジ(アルキル)アミノ基から選ばれる1つ又は複数の基で置換された芳香環又は芳香族複素環、
シアノ基
スルホン酸基、スルフィン酸基、ホスホン酸基又はカルボン酸基等の、水中でのホスフィンの溶解性を増進させる基、
置換又は非置換、芳香族又は非芳香族の複素環基;
置換又は非置換のアリール基;
置換又は非置換のアリールアルキル基;
アリールアルキルオキシ基;
置換又は非置換、芳香族又は非芳香族の複素環基;
シリル基
から選ばれる1つ又は複数の基で任意選択で置換されている)を表し、
q=1であるとき、m=0、且つp=1であり;
q=2であるとき、m=1、且つp=0又は1であり、この場合、
p=0であるとき、リンカーLは、リン原子に結合しており;
p=1であるとき、リンカーLは、R31基、R32基及びR33基のうちの1つと結合していることが理解される}
の化合物及びその酸付加塩から選んでもよい。
前述の定義すべてにおいて、基が置換されているとき、置換基は、ハロ、ヒドロキシル、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、アミノ、モノ又はジアルキルアミノ、モノ又はジヒドロキシアルキルアミノ及びカルボキシルから選ばれる。例えば、p-メトキシフェニル基は、置換されたアリール基である。
R31基、R32基及びR33基が同時に水素原子を表さなくてもよい。
任意選択で、R31基、R32基及びR33基のうち少なくとも1つは、炭化水素系基として、任意選択で置換されたアルキル基を表す。
例えば、R31、R32及びR33は、水素原子;アルキル基;1つ又は複数のアルキル基で任意選択で置換されたシクロアルキル基;アルコキシ基;アルコキシアルキル基;ハロアルキル基;シアノアルキル基;ヒドロキシアルキル基;カルボキシアルキル基;ハロゲン原子;ヒドロキシル基;カルボキシル基;アルケニル基;モノ又はジアルキルアミノ基;N-アリール-N-アルキルアミノアルキル基;アルキル基、アルコキシ基、モノ又はジアルキルアミノ基、モノ又はジアルキルアミノアルキル基、ハロアルキル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、ハロゲン原子、及びモノ又はジアルキルアミノアルキル基で置換されたアリール基から選ばれる1つ又は複数の基で任意選択で置換されたアリール基;アリールアルキル基;アリールアルキルオキシ基;ピロリジノ基;フリル基;モルホリノ基;チエニル基;ピリジル基;トリアルキルシリル基;並びにピロリジノ基、フリル基、モルホリノ基又はチエニル基で置換されたアルキル基から選ばれる。
例として、R31、R32及びR33は、水素原子;メチル基;エチル基;プロピル基;イソプロピル基;n-ブチル基;イソブチル基;tert-ブチル基;オクチル基;シクロヘキシル基;シクロペンチル基;メトキシ基;エトキシ基;メトキシプロピル基;クロロエチル基;シアノエチル基;ヒドロキシメチル基;ヒドロキシプロピル基;カルボキシエチル基;塩素原子;ヒドロキシル基;カルボキシル基;トリフルオロメチル基;クロロメチル基;アリル基;ビニル基;ジメチルアミノ基;ジエチルアミノ基;ジ(イソプロピル)アミノ基;フェニル基;o-トリル基;m-トリル基;p-トリル基;ジメチルフェニル基;トリメチルフェニル基;o-メトキシフェニル基;m-メトキシフェニル基;p-メトキシフェニル基;ジメトキシフェニル基;トリメトキシフェニル基;o-(ジメチルアミノ)フェニル基;m-(ジメチルアミノ)フェニル基;p-(ジメチルアミノ)フェニル基;ジ(tert-ブチル)フェニル基;トリ(tert-ブチル)フェニル基;トリフルオロメチルフェニル基;ビス(トリフルオロメチル)フェニル基;o-フルオロフェニル基;m-フルオロフェニル基;p-フルオロフェニル基;o-クロロフェニル基;m-クロロフェニル基;p-クロロフェニル基;o-ヒドロキシフェニル基;m-ヒドロキシフェニル基;p-ヒドロキシフェニル基;4-(ジエチルアミノメチル)フェニル基;3,5-ジメチル-4-メトキシフェニル基;2-メチルビフェニル基;ベンジル基;ベンジルオキシ基;ナフチル基;モルホリノ基;モルホリノメチル基;ピロリジノ基;フリル基;ピリジル基;チエニル基;トリメチルシリル基;2-(4-ジエチルアミノメチルフェニル)フェニル基;5-メチル-2-イソプロピルシクロヘキシル基;N-メチル-N-フェニルアミノメチル基;及びカルボキシフェニル基から選ぶことができる。
非チオール系還元剤は、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩及びホスフィンから選んでもよい。
硫黄含有還元剤は、2-メルカプト-4-ブタノリド、グルタチオン、チオグリコール酸、3-メルカプトプロピオン酸、チオ乳酸、L-システイン、システアミン、チオグリセロール、L-システインメチルエステル、L-システインエチルエステル、メルカプトコハク酸、モノチオグリコール酸グリセロール、N-アセチル-L-システイン及びこれらの混合物からなる群から選択されてもよい。
好ましい実施形態では、本発明による組成物は、組成物の総質量に対して、1質量%未満、例えば、0.5質量%未満、又は0.1質量%未満、又は0.01質量%未満の還元剤を含んでもよい。
別の好ましい実施形態では、本発明による組成物は、還元剤を一切含まない。
(添加剤)
本発明による組成物はまた、1種又は複数の添加剤も含むことができる。本発明による組成物中の添加剤の量は限定されないが、組成物の総質量に対して0.1から10質量%とすることができる。添加剤は、揮発性又は不揮発性の、直鎖状又は環状の、アミノシリコーン以外のシリコーン、アニオン性、非イオン性又は両性のポリマー、ペプチド及びその誘導体、タンパク質加水分解物、アミノ酸及びその誘導体、カルボン酸、アミン、脂肪アルコール、カチオン性ポリマー、合成又は天然のワックス、膨潤剤及び浸透剤、並びに他の活性化合物、例えばアニオン性、カチオン性、両性又は双性イオン性の界面活性剤、オキシアルキレン化脂肪アルコール以外の非イオン性界面活性剤、抜け毛防止剤、抗フケ剤、会合型又は非会合型の天然又は合成増粘剤、懸濁化剤、金属イオン封鎖剤、不透明化剤、染料、日焼け止め剤、フィラー、ビタミン又はプロビタミン、ミネラル、植物油又は合成油、並びに香料、保存剤、安定化剤、並びにそれらの混合物からなる群から選択することができる。
本発明による組成物のためのビヒクルは、好ましくは、水からなる水性媒体であり、有利には、化粧品として許容される1種又は数種の有機溶媒を含有してもよく、そのような有機溶媒としては、特に、液体アルコール(エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコール及びフェニルエチルアルコール等)、又はポリオール若しくはポリオールエーテル(エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル及びエチレングリコールモノブチルエーテル等)、プロピレングリコール又はそのエーテル(プロピレングリコールモノメチルエーテル等)、ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、並びにジエチレングリコールアルキルエーテル(ジエチレングリコールモノエチルエーテル又はジエチレングリコールモノブチルエーテル等)が挙げられる。水は、組成物の総質量に対して10から90質量%の濃度で存在してもよい。したがって、有機溶媒は、本発明による組成物中に、組成物の総質量に対して0.1から20質量%、好ましくは1から10質量%の濃度で存在してよい。
本発明の組成物は、ローション、増粘化されている若しくは増粘化されていないジェル、フォーム、又はクリーム等の任意の形態で存在することができる。
[方法]
本発明による方法、好ましくは美容処理方法は、ケラチン繊維を変形させる又は再成形するために、好ましくはパーマネント変形させる又は再成形するために使用され、特に、ケラチン繊維をカール又はウェーブさせるために、好ましくはパーマネントカール又はウェーブさせるために使用される。
本発明によるケラチン繊維を変形させる、特にカールさせるための方法は、少なくとも
ケラチン繊維上へ、上に説明した本発明による組成物を適用する工程と、
ケラチン繊維を室温又はそれより高い温度(すなわち高温)に保持する工程と
を含む。
本発明の毛髪等のケラチン繊維を変形させる、特にカールさせるための方法によれば、ケラチン繊維に、ケラチン繊維のパーマネント変形のために典型的に使用される機械的張力をかけてもよい。
変形のために、機械的張力をケラチン繊維に付与する工程は、ケラチン繊維上へ本発明による組成物を適用する工程の前及び/又は後に実施されてもよい。
本発明によるケラチン繊維のためのパーマネント変形方法は、ケラチン繊維に機械的張力を加える場合、次のように実施することができる。
まず、ケラチン繊維に、変形のために機械的張力をかける。機械的張力は、意図した形状にケラチン繊維を変形させる任意の手段により、ケラチン繊維に加えることができる。例えば、機械的張力は、カーラー、ローラー、クリップ、プレート及びアイロンからなる群から選択される少なくとも1つの再成形手段又は機械的張力付与手段により付与されてもよい。ケラチン繊維をカーラーの周りに巻き付ける場合、この巻上げは、ケラチン繊維の全長に対して、又は例えばケラチン繊維の半分の長さに対して実施されてよい。例えば所望の髪型形状及びカール量によっては、巻上げは、多少太い束で実施してもよい。
次に、本発明による組成物をケラチン繊維上へ適用する。本発明による組成物の適用は、ブラシ及び櫛等の任意の手段によって実施することができる。機械的張力を加えておいたケラチン繊維を、本発明による組成物で処理することが好ましい。
最後に、ケラチン繊維を、室温又はそれより高い温度で維持する。ケラチン繊維が高温で維持されると、熱エネルギーがケラチン繊維に適用されることによってケラチン繊維が加熱される。
室温は、本明細書において、20から30℃を意味し、典型的には25℃である。高温は、それが室温より高い温度であれば限定されない。一実施形態では、高温は、35から200℃、好ましくは40から150℃、より好ましくは45から100℃とすることができる。
ケラチン繊維を加熱して高温で維持する時間は限定されないが、好ましくは1秒から2時間、より好ましくは1分から1時間である。
ケラチン繊維を加熱して高温で維持する手段は、限定されない。1つ又は複数の加熱手段を使用してもよい。加熱手段又は加熱器は、熱風、熱蒸気、高周波誘導加熱、マイクロ波加熱、赤外線照射、超音波、レーザー及びフラッシュランプ照射からなる群から選択することができる。
再成形手段又は機械的張力付与手段は、少なくとも1つの加熱器を備えることができる。
必要に応じて、機械的張力をケラチン繊維に加える前に、本発明による組成物をケラチン繊維上へ適用してもよい。
必要に応じ、機械的張力をケラチン繊維に加える前及び/又は後に、本発明による組成物をケラチン繊維上へ適用する前及び/又は後に、並びにケラチン繊維を室温からそれより高い温度(高温)に維持する前及び/又は後に、一定の長さの時間にわたり、ケラチン繊維をそのままの状態で放置することが可能である。
本発明によるケラチン繊維のパーマネント変形方法は、ケラチン繊維上へ本発明による組成物を適用する工程の後に、及び/又はケラチン繊維を室温から高温の温度に保持する工程の後に、ケラチン繊維をすすぐ工程を更に含んでもよい。すすぎ工程は、水、例えば水道水を使用することにより実施されてもよい。
本発明による方法は、ケラチン繊維中のジスルフィド結合を還元しないため、ケラチン繊維を酸化させる工程を含んでいなくてもよい。好ましくは、本発明による方法は、ケラチン繊維を酸化させる工程を含まない。
したがって、本発明による方法は、酸化プロセス、典型的には、過酸化水素等の酸化剤による酸化による、ケラチン繊維の劣化を防止又は低減できる。更に、本発明による方法に要する時間は、酸化工程を必要とする従来の方法に要する時間より短くすることができる。
本発明による方法に要する合計時間は、数分間から2時間、好ましくは5分から1時間、より好ましくは10から30分間であり得る。
本発明による、毛髪等のケラチン繊維のパーマネント変形のための方法の一実施形態は、ケラチン繊維、特に毛髪を再成形又はパーマネント変形させるための方法であって、
a)ケラチン繊維のカールを形成するために、少なくとも1つの再成形手段又は機械的張力付与手段上にケラチン繊維を巻き上げることにより、ケラチン繊維に機械的張力をかける工程と、
b)本発明による組成物をケラチン繊維上へ適用する工程と、
c)ケラチン繊維をすすぐ任意選択による工程と、
d)ケラチン繊維を室温から高温(例えば50℃から250℃の間)の温度で加熱する工程と、
e)ケラチン繊維をすすぐ任意選択による工程と
を含む、方法であってもよい。
本発明による、毛髪等のケラチン繊維のパーマネント変形のための方法の別の実施形態は、ケラチン繊維、特に毛髪を再成形又はパーマネント変形させるための方法であって、
a)本発明による組成物をケラチン繊維上へ適用する工程と、
b)ケラチン繊維をすすぐ任意選択による工程と、
c)ケラチン繊維のカールを形成するために、少なくとも1つの再成形手段若しくは機械的張力付与手段上にケラチン繊維を巻き上げることにより、又はケラチン繊維を真っ直ぐにするために、少なくとも1つの再成形手段若しくは機械的張力付与手段によってケラチン繊維をプレスすることにより、ケラチン繊維に機械的張力をかけ、その後又はその間に、ケラチン繊維を室温から高温(例えば50℃から250℃の間)の温度で加熱する工程と、
d)ケラチン繊維をすすぐ任意選択による工程と
を含む、方法であってもよい。
本発明によれば、ケラチン繊維の温度が、個体の頭の上で(ケラチン繊維が毛髪である場合)±2又は3℃の変動で一定に保持されることが好ましい。こうして、髪型は毛髪の全体にわたり均一且つ均質になり、より優れた髪型を得ることができる。
[美容的使用]
本発明は、ケラチン繊維を変形させる、特にカールさせるための方法における、オレウロペイン又はオリーブ葉抽出物の使用、好ましくは美容的使用にも関する。本発明は、ケラチン繊維を変形させる、特にカールさせることにおける使用、好ましくは美容的使用のための、オレウロペイン又はオリーブ葉抽出物にも関する。
オレウロペイン及びオリーブ葉抽出物は、上に説明した通りである。
留意すべきこととして、用語「変形(させること)」は、本明細書において、カール又はウェーブさせることに加え、真っ直ぐにすることも包含する。
本発明を、実施例によって、より詳細に説明することにする。しかしながら、これら実施例が本発明の範囲を限定するものとは解釈すべきでない。以下の実施例は、本発明の技術分野での非限定的な例示として提示されるものである。
(実施例1〜3及び比較例1)
(実施例1)
組成物の質量に対する濃度0.35質量%でオレウロペインを含み、適量のNaOHでpHが8.5に調節された水性溶液100μlを、室温で、20本の毛髪繊維からなり、予め1.2cmのパーマローラーに巻いた日本人の毛髪見本(hair swatch)のサンプル上へ適用し、50℃で30分間放置した。その後、サンプルをパーマローラーから取り外し、水道水ですすぎ、室温で乾燥させた。
処理されたサンプルはカールした。サンプルのカール形成度は、表1に示される通りであった。
(実施例2)
組成物の質量に対する濃度0.35質量%でオレウロペインを含み、pHが7.0に調節された水性溶液を使用したことを除き、実施例1による方法を繰り返した。
処理されたサンプルはカールした。サンプルのカール形成度は、表1に示される通りであった。
(実施例3)
組成物の質量に対する濃度0.35質量%でオレウロペインを含み、適量のHClでpHが2.0に調節された水性溶液を使用したことを除き、実施例1による方法を繰り返した。
処理されたサンプルはカールした。サンプルのカール形成度は、表1に示される通りであった。
(比較例1)
実施例1で使用したオレウロペイン水性溶液の代わりに水を使用したことを除き、実施例1による方法を繰り返した。
処理されたサンプルを対照として使用した。
Figure 2017105713
表1は、オレウロペインを含む実施例1〜3の組成物が、オレウロペインを含まない比較例1より良好なカール形成効果をもたらし得ることを示す。また、表1は、オレウロペインを含み、pHが8.5の実施例1の組成物が、オレウロペインを含まない比較例1より極めて良好なカール形成効果をもたらし得ることを示す。
(実施例4及び比較例2)
濃度45質量%のオリーブ葉抽出物(Hallstar社によって市販されているEurol BT:この製品は、抽出物の質量に対する濃度7質量%でオレウロペインを含む)を含み、HClでpHが2.6に調節された水性溶液50gを、室温で、予め毛髪繊維を1.7cmのパーマローラーに巻いた日本人の毛髪のかつらのサンプルの半分に適用した(実施例4)。上記の水性溶液は、溶液の質量に対して3.15質量%のオレウロペインを含んでいた。
オリーブ葉抽出物を含まない、HClでpHが2.6に調節された水性溶液50gを、室温で、予め毛髪繊維を1.7cmのパーマローラーに巻いた日本人の毛髪のかつらのサンプルの残りの半分に(対照として)適用した(比較例2)。
サンプルを50℃で30分間放置した。その後、毛髪繊維をパーマローラーから取り外し、水道水ですすぎ、室温で乾燥させた。
処理されたサンプルはカールした。サンプルの各半分のカール形成度は、表2に示される通りであった。
Figure 2017105713
表2は、オリーブ葉抽出物を含む実施例4の組成物が、オリーブ葉抽出物を含まない比較例2より良好なカール形成効果をもたらし得ることを示す。
処理されたサンプルを3回シャンプーした。実施例4に従って処理されたサンプルの半分は、比較例2に従って処理されたサンプルの残りの半分より多くのカールを保持し、まとまっており、毛髪のボリュームを有していた。

Claims (15)

  1. ケラチン繊維を変形させる、特にカールさせるための、オレウロペインを含む組成物。
  2. 組成物中のオレウロペインの量が、組成物の総質量に対して0.001から10質量%、好ましくは0.01から7質量%、より好ましくは0.1から5質量%である、請求項1に記載の組成物。
  3. ケラチン繊維を変形させる、特にカールさせるための、オリーブ葉抽出物を含む組成物。
  4. 組成物中の前記抽出物の量が、組成物の総質量に対して1から70質量%、好ましくは10から60質量%、より好ましくは20から50質量%である、請求項3に記載の組成物。
  5. 前記抽出物がオレウロペインを含む、請求項3又は4に記載の組成物。
  6. 組成物中のオレウロペインの量が、組成物の総質量に対して0.001から10質量%、好ましくは0.01から7質量%、より好ましくは0.1から5質量%である、請求項5に記載の組成物。
  7. 組成物のpHが、2から10、好ましくは5から9、より好ましくは8から8.5である、請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物。
  8. 少なくとも1種のpH調節剤を更に含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の組成物。
  9. 還元剤を一切含まないか、又は組成物の総質量に対して1質量%未満、好ましくは0.5質量%未満、より好ましくは0.1質量%未満の還元剤を含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の組成物。
  10. 化粧用組成物である、請求項1から9のいずれか一項に記載の組成物。
  11. ケラチン繊維を変形させる、特にカールさせるための方法、好ましくは美容処理方法であって、
    前記ケラチン繊維上へ、請求項1から10のいずれか一項に記載の組成物を適用する工程と、
    前記ケラチン繊維を室温から高温に保持する工程と
    を含む、方法。
  12. 前記ケラチン繊維上へ、請求項1から10のいずれか一項に記載の組成物を適用する工程の前及び/又は後に、変形のために、機械的張力を前記ケラチン繊維に付与する工程を更に含む、請求項11に記載の方法。
  13. 前記ケラチン繊維上へ、請求項1から10のいずれか一項に記載の組成物を適用する工程の後に、及び/又は前記ケラチン繊維を室温から高温に保持する工程の後に、前記ケラチン繊維をすすぐ工程を更に含む、請求項11又は12に記載の方法。
  14. ケラチン繊維を変形させる、特にカールさせるための方法における、オレウロペイン又はオリーブ葉抽出物の使用、好ましくは美容的使用。
  15. ケラチン繊維を変形させる、特にカールさせることにおける使用、好ましくは美容的使用のための、オレウロペイン又はオリーブ葉抽出物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN112512500A (zh) * 2018-04-30 2021-03-16 蒙特洛埃德尔有限公司 用于缓解空气污染对皮肤的多重影响的含有类黄酮的植物提取物组合物

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