JP2017105637A - 構造システム - Google Patents
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Abstract
【選択図】図3
Description
鉛直方向の暮らし:日常的な現実
高層ビルの数は過去30年間で3倍になった。1982年には、完成した高層ビルの総数が2091であり、1992年にはそれが3048であり、2002年にはそれが4306であったが、今年2012年に我々は7409棟の高層ビルを有する。その数は世界中で急速に増えている(Skyscrapercity,2012)。
超高層ビルは、1850年代のエレベータおよび1880年代の電気エレベータの発明に伴って生まれた。フロア高さ間で人や荷物を輸送するという概念は、革新的であり、超高層ビルの開発を推進させた。建物の高さが大きくなるにつれて、エレベータの数も増大し、エレベータを中央ロビーに凝集させるという概念が導入された。エレベータを列に並べることにより、効率が高まり、待ち時間が減少した。エレベータ速度は時とともに増したが、鉛直シャフトの内側の単一ボックスというもとの概念は同じままであった。高層ビルおよび超高層ビルでは、鉛直輸送のこの概念が多くのエレベータおよびシャフトを必要とし、また、この要求は、残りの賃貸できる/販売できる床面積の量を減少させる。この欠点は、より長い待ち/移動時間と、より高いエネルギー消費とによって悪化される。建物の高さが増大するにつれて、鉛直輸送の現在の概念を見直す必要があると思われる。
節で繋がれたケーブルカー装置(図2)は、ある距離だけ、例えば250メートルごとに離間された一連のトレインである。トレインは、「ステーション」と称される特定の階の高さで水平になり、また、これらのステーションは、例えばどれも皆250メートルの鉛直建物高さあるいは鉛直地下縦穴高さだけ離間される。トレインは、乗客が立った姿勢のままでいるにもかかわらず、ステーションでの水平位置(アライメント)から鉛直位置(アライメント)へとステーション間で移行する。トレインは、建物または地下縦穴の一方側から他方側へと曲がりながら進む軌道(トラック)上を昇降する。図2に示されるように、上に向かう軌道は、右、上、および、左に進み、また、下に向かう軌道は、左、下、および、右に進む。軌道は、建物の下端および上端で一緒に移行して、連続的なループを形成する。節で繋がれたケーブルカー装置は、全ての上りに向かうおよび下りに向かうステーションで同時に停止して、乗客を乗り降りさせるとともに、次のステーションへ向けて上下に進む。ステーション間の中間にある階は、従来のエレベータによって取り扱われる。ループ形態は、変化可能であり(図3,4,5)、建物および地下縦穴の幾何学的形態によって決まる。
節で繋がれたケーブルカー装置はトレインカーから形成される一連のトレインであり、また、トレインカーは、乗客乗車部および乗車部フレームを収容する。節で繋がれたケーブルカー装置は、トレイン配置が水平から鉛直へと移行する場合であっても乗客が立ったままであるように設計される。このことは、乗車部が乗車部フレームの内側で傾く必要があることを意味する。また、節で繋がれたケーブルカー装置は、建物および地下縦穴の上端および下端で移行のための配置を可能にするように移動する必要がある。
単一、偶数、および、奇数のループ形態のための縦回転要件および横回転要件が図9に示される。
鉛直行程上の推奨される最も速い加速度は1Gである。これは、降下加速時および上昇減速時に0G環境をもたらすとともに、降下減速時および上昇加速時に2G環境をもたらす(図10)。1Gよりも大きい加速度は、乗客または荷物を床から引き離すため、拘束を余儀なくさせる。1Gの加速および減速では、我々の例におけるステーション間の250メートルを進むために10.1秒を要し、また、トレインが178キロメートル/時の最大速度に達する。図10は、一連の上昇/下降区間における最小時間および最大速度を示す。1G環境が一部の乗客の快適レベルを超えることは明らかであり、そのため、最大使用可能加速度を決定するための調査を行う必要がある。
節で繋がれたケーブルカー装置は、ケーブルまたは何らかの他の媒体を用いて互いに接続されるトレインが一連になったものである。ケーブルは、トレイン間にまたがるとともに、アライメントがステーションでの水平から鉛直上昇/降下へと移行する場所で歯車の周囲に掛け回される(図11)。歯車は、ケーブルに接続されるとともに、システムの制動および力供給の両方を行う役目を果たす。歯車は、発電機/モータに接続され、制動中にエネルギーを得て、駆動中にシステムにエネルギーを与える。
下りに向かう積載量が上りに向かうそれよりも重い時、節で繋がれたケーブルカー装置は、トレインの制動からエネルギーを得て、発電制動を行い、エネルギーを蓄える。蓄えられたエネルギーは、その後、上りに向かう最大積載量が下りに向かうそれよりも重い時、節で繋がれたケーブルカー装置を加速するために使用される。エネルギーの捕捉および再使用は、節で繋がれたケーブルカー装置を環境に優しいものにする。例えば、昼食時間が近づくにつれて、大部分の乗客が建物の下方へ移動するため、節で繋がれたケーブルカー装置を制動するために必要なエネルギーが蓄えられて、このエネルギーが昼食後に乗客を建物の上に引き上げるために使用される。
節で繋がれたケーブルカー装置を更に説明するために、試作建物が示される。建物は、40メートル×45メートルの平面寸法および620メートルの高さを有するとともに、約120階を有する。この形態は、短方向で1/15.5の縦横係数を有し、長方向で1/13.8の縦横係数を有する。建物は、節で繋がれたケーブルカー装置の4つのステーションを有しており、1つのステーションは地上高さにあり、1つのステーションは高度168メートルにあり、1つのステーションは高度353メートルにあり、1つのステーションは高度538メートルにある(図12)。
節で繋がれたケーブルカー装置のためのステーションは、壁中心線−壁中心線で10メートル幅を有し、3階分の深さを有する(図13)。乗客は真ん中の階からトレインに出入りする。そこから、乗客はエスカレータにアクセスでき、エスカレータは、上へ昇る従来のエレベータにアクセスするべく乗客を1つ上の階へと移動させ、あるいは、下へ降りる従来のエレベータにアクセスするべく乗客を1つ下の階へと移動させる。上側の階または下側の階にはステーションに亘ってドアが存在し、これらのドアは、建物の反対側へのアクセスができるようにする。歯車および発電機/モータはステーションの内側に収容されるであろう。
節で繋がれたケーブルカー装置は、高くて細い超高層ビルおよび高強度コンクリートにうまく適合される効率的な構造システムに適する。中心コアで一般的であるなら、超構造体として節で繋がれたケーブルカー装置を収容する鉛直通路を使用することは道理にかなう。鉛直の支柱は、壁中心線−壁中心線で6メートル幅であり、10メートル長さである。これは、8.5メートル×4.5メートルの内側空き寸法(1.5メートル厚壁)を与えるとともに、3.5メートル×3.5メートルのトレイン断面に適合する。また、張り出し材として一般的ならば、超構造体として水平ステーションを使用することは道理にかなう。鉛直チューブと水平チューブとの組み合わせは管状のメガフレームを形成する。構造的な性能のため、メガクロスチューブがステーション間の中間の高度と建物の上端とに配置される。これらの中間クロスチューブは、高度78メートル、264メートル、449メートル、および、615メートルにある。同じ構造システムが鉛直方向で使用され、また、対称性が3−D管状メガフレームをもたらす(図12)。床荷重の全てがステーション高さおよび張り出し材の高さで対角的に4つの鉛直支柱へ伝えられる。
鉛直輸送の計画は、図15に記載されるように、3つのループと4つのステーションとを有する節で繋がれたケーブルカー装置の1つと、ステーション間で走行する従来のエレベータとの組み合わせである。乗客は、移動のための3つの選択肢を有する。乗客は、節で繋がれたケーブルカー装置に乗って1つのステーションまで行き、従来のエレベータを利用して上まで昇ること、節で繋がれたケーブルカー装置に乗って1つのステーションまで行き、従来のエレベータを利用して下へ降りること、あるいは従来のエレベータに乗ることができる。3つ目の選択肢は、1つのエレベータ走行から他のエレベータ走行への乗り換えを必要とする場合がある。これらの複数の移動選択肢は、乗客の流れの量を増大させるとともに混雑を減らすことが予想される。
管状のメガフレームは、荷重のほぼ全てが建物の外面に設定される4つの鉛直支柱によって支持されるため、効率的な構造である。
中心コアの除去は、高くて細い超高層ビルに今まで組み込まれてこなかった新規な面白い計画の可能性をもたらす。床板が開放されているため、コンサートホール、会議室、劇場、および、スイミングプールを建物の本体に組み入れることが可能である。
垂直方向の暮らしは、都会生活では日常的な現実であり、また、今後も日常的な現実となり続け、したがって、高くて細い超高層ビルのための効率的で持続可能な解決策が必要とされる。節で繋がれたケーブルカー装置および管状のメガフレームの目的は、効率性および環境に優しい特性を向上させるとともに、高くて細い超高層ビルの開発を補助することである。節で繋がれたケーブルカー装置および管状のメガフレームは、
・従来のエレベータの数を減少させる。
・従来のエレベータシャフトの数を減少させる。
・乗客輸送のスピードを増大させる。
・荷物輸送のスピードを増大させる。
・エネルギーを得ることおよびエネルギーの再使用により鉛直輸送エネルギーコストを低減し、環境に優しい。
・待ち時間およびサイクル時間を減少させる。
・高層ビルの賃貸可能/販売可能なスペースの比率を増大させる。
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Claims (1)
- 鉛直輸送は人の暮らしの現実であり、したがって、高層ビル、地下採掘作業、および、地下の地下鉄の駅における鉛直輸送のための効率的で環境に優しい解決策が必要とされる。節で繋がれたケーブルカー装置は、
従来のエレベータの数を減少させる。
従来のエレベータシャフトの数を減少させる。
乗客輸送のスピードを増大させる。
荷物輸送のスピードを増大させる。
エネルギーを得ることおよびエネルギーの再使用により鉛直輸送エネルギーコストを低減し、環境に優しい。
待ち時間およびサイクル時間を減少させる。
高層ビルの賃貸可能/販売可能なスペースの比率を増大させる。
速度、大きな乗客量/荷物量、および、リサイクル可能なエネルギーに光をあてることにより、節で繋がれたケーブルカー装置が将来の手段となる。次世代のエレベータシステムが一段階進歩する時である。
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