JP2017104003A - 高温領域抽出装置 - Google Patents
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Abstract
Description
また、特許文献2には、太陽光パネルが備えるバイパス回路とは異なる追加バイパス回路を設け、追加バイパス回路に温度センサを付加することにより、太陽光パネルが備えるバイパス回路が開放故障したことに伴う追加バイパス回路に付加された温度センサの温度上昇に基づいて、バイパス回路の開放故障の有無を検出する技術が知られている。
また、特許文献3には、太陽光パネルに充電したコンデンサを接続し、夜間に放電させることにより、放電時の電圧、及び電流の電圧―電流特性の変化からバイパス回路の開放故障の有無を検出する技術が記載されている。
また、特許文献4には、夜間に太陽光パネルに電流源回路より電流を流し、太陽光パネルの正極と、負極との電位差を測定することにより、バイパス回路の開放故障の有無を検出する技術が記載されている。
また、特許文献3、および特許文献4に記載される従来の技術では、太陽光パネルのバイパス回路の開放故障の有無を検出するに際して、夜間に検査を行うことが求められる場合があった。この場合、夜間の検査の方が昼間の検査より作業が困難であることから、これら従来の技術では、太陽光パネルが備えるバイパス回路の開放故障を検出する手間を低減することが難しい場合があった。
また、特許文献3、および特許文献4に記載される従来の技術では、太陽光パネルの故障の有無を検出することができても、故障が生じていることが検出された太陽光パネルの故障が生じている位置を検出することが難しい場合があった。
本発明は、太陽光パネルが備えるバイパス回路の故障を検出する手間を低減することができる高温領域抽出装置を提供することを目的とする。
以下、図を参照して本実施形態の高温領域抽出装置1の構成について説明する。
本実施形態の高温領域抽出装置1は、撮像部110を備える。撮像部110は、アレイARの表面の温度分布を撮像し、画像を生成する。アレイARとは、複数のストリングSTを接続した構成の名称である。ストリングSTとは、複数の太陽電池パネルを接続した構成の名称である。太陽電池パネルは、日射光等の光の照射に伴い、発電する装置である。高温領域抽出装置1は、撮像部110が生成した画像に基づいて、アレイARの故障を検出する。
まず、高温領域抽出装置1の観測対象であるアレイARについて図を参照して説明する。
まず、図を参照して太陽光発電システムSPSの構成について説明する。図1は、本実施形態の高温領域抽出装置1の観測対象である太陽光発電システムSPSの一例を示す模式図である。
図1に示す通り、太陽光発電システムSPSは、アレイARと、接続箱JBと、パワーコンディショナPCとを備える。アレイARには、複数のストリングSTが含まれる。この一例では、3つのストリングSTが架台Mに設置される場合について説明する。具体的には、ストリングST1、ストリングST2およびストリングST3が架台Mに設置される場合について説明する。
パワーコンディショナPCとは、アレイARが発電した直流電力を交流電力に変換する装置である。例えば、パワーコンディショナPCは、アレイARが発電した電力を家庭等で使用される商用100Vに変換する。つまり、アレイARが発電した電力は、パワーコンディショナPCを介して調整され、家庭等で使用される電力に変換される。
図2に示す通り、パワーコンディショナPCと、接続箱JBと、アレイARとは、配線WRを介して接続される。具体的には、パワーコンディショナPCの正極の端子である端子TPCPと、接続箱JBの正極の端子である端子TJBPとが配線WRPを介して接続される。また、パワーコンディショナPCの負極の端子である端子TPCNと、接続箱JBの負極の端子である端子TJBNとが配線WRNを介して接続される。これにより、接続箱JBにおいて集約された電力は、パワーコンディショナPCへ供給される。
以降の説明において、配線WRPと、配線WRNとを特に区別しない場合には、配線WR2と記載する。また、以降の説明において、接続箱JBの正極の端子である端子TJBPと、負極の端子である端子TJBNとを総称して電力出力端TSPと記載する。
以下、図2、図3、および図4を参照してアレイARの構成について説明する。
図2に示す通り、この一例では、アレイARが、複数のストリングSTを備える。具体的には、アレイARは、ストリングST1と、ストリングST2と、ストリングST3とを備える。以降の説明において、ストリングST1、ストリングST2、およびストリングST3を特に区別しない場合には、総称してストリングSTと記載する。
図2に示す通り、ストリングSTが発電した電力は、接続箱JBを介してパワーコンディショナPCへ供給される。
まず、図3を参照してストリングSTについて説明し、接続箱JBについては後述する。
また、この一例では、図2に示すストリングST1、ストリングST2、およびストリングST3が図3に示すストリングSTと同一の構成を有する。
以下、図4を参照してストリングSTの詳細について説明する。
また、クラスタCS3は、バイパスダイオードDp3と、複数のセルCLが直列で接続された集合セルCLS3とが並列に接続される。より具体的には、バイパスダイオードDp3のカソード側の端子TD3kと、集合セルCLS3の端子TCLS3Pとが接続される。また、バイパスダイオードDp3のアノード側の端子TD3aと、集合セルCLS3の端子TCLS3Nとが接続される。
すなわち、ストリングSTには、バイパスダイオードDpと、1つ以上のセルCLとが並列に接続されたクラスタCSが直列に複数接続される。
図2に戻り、ストリングST1の端子TST1Pと、接続箱JBの端子TJB1とは、配線WR11を介して接続される。また、ストリングST2の端子TST2Pと、接続箱JBの端子TJB2とは、配線WR12を介して接続される。また、ストリングST3の端子TST3Pと、接続箱JBの端子TJB3とは、配線WR13とを介して接続される。また、ストリングST1の端子TST1Nと、ストリングST2の端子TST2Nと、ストリングST3の端子TST3Nと、接続箱JBの端子TJBCNとは、配線WR14を介して接続される。以降の説明において、配線WR11と、配線WR12と、配線WR13と、配線WR14とを特に区別しない場合には、配線WR2と記載する。
図5は、太陽光発電システムSPSの接続箱JBの一例を示す模式図である。図5に示す通り、この一例では、接続箱JBは、出力開閉器OSWと、逆流防止用ダイオードDbと、アレイARが備えるストリングSTの数に応じたストリング開閉器SSWとを備える。
出力開閉器OSWとは、ストリングSTが発電した電力をパワーコンディショナPCへ接続するスイッチである。出力開閉器OSWが開閉されることにより、ストリングSTが発電した電力のパワーコンディショナPCへの供給が制御される。例えば、出力開閉器OSWとは、落雷やアレイARの破損に伴い、パワーコンディショナPCが破損することを防ぐブレーカーである。
また、ストリング開閉器SSW1の端子TSSW12と、ストリングST1とは、逆流防止用ダイオードDbf1を介して接続される。具体的には、ストリング開閉器SSW1の端子TSSW12と、逆流防止用ダイオードDbf1のカソード端子である端子TDbf1kとが接続される。また、逆流防止用ダイオードDbf1のアノード端子である端子TDbf1aと、接続箱JBの端子TJB1とが接続される。
以下、図6、および図7を参照してアレイARの具体的な動作について説明する。図6は、太陽光発電システムSPSの晴天時のクラスタCSの動作の一例を示す構成図である。図6に示す通り、この一例では、ストリングSTが正常に動作しており、かつストリングSTが備える各セルCLが日射光等の光の照射に伴い、電力を発電している場合の動作の一例を示す模式図である。
クラスタCSが備える集合セルCLSが発電する発電量は、日射強度により大きく左右される。この一例では、集合セルCLSには、集合セルCLSが発電するために十分な日射光が照射されている。
すなわち、電圧V1は、V1=V11+V12+V13によって示される。ここで、この一例では、クラスタCS1と、クラスタCS2と、クラスタCS3とは、同一の構成を有しており、電圧V11と、電圧V12と、電圧V13とは同じ電圧である。これにより、電圧V1は、V1=V11×3によって示される。
以下、図8、および図9を参照してアレイARの具体的な動作について説明する。図8は、太陽光発電システムSPSの影が生じている時のクラスタCSの動作の一例を示す構成図である。図8に示す通り、この一例では、ストリングST1、ストリングST2、およびストリングST3が正常に動作している。また、この一例では、ストリングST2が備える各セルCLのうち、一部が日射光等の光の照射に伴い発電しており、一部が曇天、または遮蔽物等によって影が生じることにより、発電していない場合の動作の一例を示す模式図である。
また、バイパスダイオードDp2がON状態となることにより、クラスタCS2が生成する電圧V12は、バイパスダイオードDpのON電圧とほぼ同じ大きさの電圧である。つまり、電圧V12は、V12≒1Vである。
上述したように、影が生じている場合、ストリングSTが生成する電圧V1は、V1=V11+V13−V12によって示される。ここで、この一例では、クラスタCS1と、クラスタCS2と、クラスタCS3とは、同一の構成を有しており、電圧V11と、電圧V13とは同じ電圧値である。ここで、電圧V1の大きさをV1とし、電圧V11の大きさをV11とし、電圧V12の大きさをV12とした場合、V1と、V11と、V12との関係は式(1)によって示される。
以下、図10を参照してアレイARの具体的な動作について説明する。図10は、太陽光発電システムSPSのバイパスダイオードDpが開放故障しており、かつクラスタCSの影が生じている時の動作の一例を示す構成図である。
図10に示す通り、この一例では、クラスタCS2が備える各セルのうち、一部が日射光等の光の照射に伴い電力を発電しており、一部が影の影響により電力を発電していない場合の動作の一例を示す模式図である。また、この一例では、ストリングST2が備えるバイパスダイオードDp2が開放故障している。つまり、バイパスダイオードDp2の端子TD2kと、端子TD2aとが接続されておらず、開放状態である。
この一例の場合、上述したように、端子TD2kと、端子TD2aとが接続されておらず、開放状態であるため、クラスタCS3からクラスタCS2へ流入する電流I33は、集合セルCLS2へ流れる。すなわち、電流I33が抵抗である集合セルCLS2に流れることで、集合セルCLS2に含まれる各セルCLが高温になる。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、アレイARが備えるストリングSTのうち、バイパスダイオードDpが開放故障しているクラスタCSを検出する手間を低減する。
以下、図11から図19までを参照して高温領域抽出装置1の構成について説明する。図11は、本実施形態における高温領域抽出装置1の一例を示す模式図である。
図11に示す通り、直流電源PSと、各接続箱JBとは、配線WRによって接続される。また、図11に示す通り、高温領域抽出装置1は、撮像部110を備える。撮像部110は、アレイARを撮像し、第1温度画像P1と、第2温度画像P2とを生成する。第1温度画像P1とは、接続箱JBを介してアレイARに直流電源PSから電源電圧ApVが印加される前のアレイARの表面の温度分布を示す情報が撮像された画像である。また、第2温度画像P2とは、接続箱JBを介してアレイARに直流電源PSから電源電圧ApVが印加された後のアレイARの表面の温度分布を示す情報が撮像された画像である。
以下、接続箱JBを介してアレイARに直流電源PSが印加されることに伴うアレイARの表面の温度の変化について図を参照して説明する。
図12に示す通り、接続箱JBと、直流電源PSとは、配線WR2を介して接続される。具体的には、直流電源PSの負極の端子である端子TPSNと、接続箱JBの正極の端子である端子TJBPとが配線WRPを介して接続される。また、直流電源PSの正極の端子である端子TPSPと、アレイARの負極の端子である端子TJBNとが配線WRNを介して接続される。
次に、図13を参照して、直流電源PSが接続箱JBを介してアレイARに電圧を印加した場合のストリングSTの動作について説明する。図13は、本実施形態における直流電源PSがアレイARに電圧を印加した場合のストリングSTの構成の詳細な一例を示す構成図である。
図13に示す通り、この一例では、クラスタCS1、クラスタCS2、およびクラスタCS3が備える各バイパスダイオードDpが正常に動作している。また、ストリングSTの端子TSTPと接続されるクラスタCS1の端子TCS1PからストリングSTの端子TSTNと接続されるクラスタCS3の端子TCS3Nへ直流電源PSから電源電圧ApVが印加される。具体的には、クラスタCS1の端子TCS1Pと、クラスタCS3の端子TCS3Nとでは、端子TCS3Nの方が電位が高い。
また、この一例では、クラスタCSが備える集合セルCLSには、集合セルCLSが発電するために十分な日射光が照射されている。
以下、図14を参照して、直流電源PSが接続箱JBを介してアレイARに電圧を印加した場合のストリングSTの動作について説明する。図14は、本実施形態における直流電源PSが接続箱JBを介してアレイARに電圧を印加した場合のストリングSTの構成の詳細な一例を示す構成図である。
図14に示す通り、この一例では、クラスタCS2が備えるバイパスダイオードDp2が開放故障している。つまり、バイパスダイオードDp2の端子TD2kと、端子TD2aとが接続されておらず、開放状態である。
また、この一例では、クラスタCSが備える集合セルCLSには、集合セルCLSが発電するために十分な日射光が照射されている。
ここで、以降の説明において、集合セルCLS2が消費する電力を電力PW2と記載する。この場合、集合セルCLS2に含まれる各セルCLに電圧V12が印加されるため、電力PW2の大きさをPW2とし、集合セルCLS2に印加される電圧V12の大きさをV12とした場合、PW2と、V12と、I22との関係は、式(12)によって示される。
図15に示す通り、高温領域抽出装置1は、制御部100と、撮像部110と、記憶部120とを備える。
撮像部110は、直流電源PSがストリングSTに電源電圧ApVを印可する前のアレイARを撮像し、撮像したアレイARの表面の温度分布情報を示す第1温度画像P1を生成する。また、撮像部110は、直流電源PSがストリングSTに電源電圧ApVを印可した後のアレイARを撮像し、撮像したアレイARの表面の温度分布情報を示す第2温度画像P2を生成する。撮像部110とは、例えば、赤外線カメラである。撮像部110は、生成した第1温度画像P1、および第2温度画像P2を制御部100へ供給する。以降の説明において、第1温度画像P1と、第2温度画像P2とを特に区別しない場合には、総称して温度画像Pと記載する。
この一例では、高温領域抽出装置1が温度が上昇しているか否かを抽出する検出対象の領域である検査対象領域CARが温度画像Pに撮像されるアレイAR全体である。
取得部101は、撮像部110から第1温度画像P1と、第2温度画像P2とを取得する。取得部101は、取得した第1温度画像P1と、第2温度画像P2とを差分領域抽出部102へ供給する。
この一例では、アレイARに含まれるストリングSTのうち、クラスタCS2のバイパスダイオードDp2が開放故障している。すなわち、バイパスダイオードDp2が開放故障していることに伴い、第1温度画像P1と、第2温度画像P2とでは、第2温度画像P2に示されるアレイARの表面の温度分布情報の方が高い。すなわち、図16に示す通り、差分領域抽出部102は、第1温度画像P1、および第2温度画像P2に撮像されるアレイARの全体を差分領域DARとして抽出する。
図15に戻り、差分領域抽出部102は、抽出した差分領域DARを示す情報を高温領域抽出部103へ供給する。
上述したように、この一例では、ストリングSTに含まれるクラスタCS2のバイパスダイオードDp2が開放故障している。これにより、クラスタCS1、およびクラスタCS3と比較してクラスタCS2の温度が高くなる。高温領域抽出部103は、差分領域DARが示すアレイARの領域のうち、閾値情報THより高い温度を示す領域を高温領域HARとして抽出する。すなわち、この一例では、高温領域抽出部103は、図18に示すクラスタCS2の領域を高温領域HARとして抽出する。
撮像部110は、直流電源PSがアレイARに電源電圧ApVを印加する前のアレイARを撮像し、第1温度画像P1を生成する(ステップS100)。撮像部110は、第1温度画像P1を取得部101へ供給する(ステップS110)。また、撮像部110は、直流電源PSがアレイARに電源電圧ApVを印加した後のアレイARを撮像し、第2温度画像P2を生成する(ステップS120)。撮像部110は、生成した第2温度画像P2を取得部101へ供給する(ステップS130)。
撮像部110は、バイパスダイオードDpと、1つ以上のセルCLとが並列に接続されたクラスタCSが直列に複数接続されたアレイARを撮像して、アレイARの表面の温度分布情報を示す温度画像Pを生成する。撮像部110は、生成した温度画像Pを制御部100へ供給する。
制御部100は、取得部101と、差分領域抽出部102と、高温領域抽出部103とをその機能部として備える。取得部101は、アレイARの特定の箇所である検査対象領域CARの、接続箱JBの電力出力端TSPに電源電圧ApVが印加されることに伴う温度変化を示す複数の画像であって、互いに異なる時刻において撮像部110が撮像した第1温度画像P1と、第2温度画像P2とを取得する。取得部101は、取得した第1温度画像P1と、第2温度画像P2とを差分領域抽出部102へ供給する。
高温領域抽出部103は、アレイARの検査対象領域CARに含まれる差分領域DARのうち、閾値情報THに基づいて高温領域HARを抽出する。
従来の技術では、クラスタCSが備えるバイパスダイオードDpが開放故障することに伴い、接続箱JBが備える逆流防止用ダイオードDbfの電流値の上昇、または逆流防止用ダイオードDbf自体の温度の上昇を検出することにより、アレイARの故障をストリングST毎に検出していた。
検査対象領域CARを面的に検出することにより、アレイARの故障領域を、ストリングST等の回路毎ではなく、検査対象領域CARに含まれる高温領域HARとして面的に抽出することができる。
つまり、本実施形態の高温領域抽出装置1によれば、温度画像Pに基づいて高温領域HARを面的に抽出することにより、バイパスダイオードDpの開放故障を検出するに際して、従来の技術で必要であった、逆流防止用ダイオードDbfの電流値、または温度を検出するセンサを設置する手間を低減することができる。
つまり、本実施形態の高温領域抽出装置1は、温度画像Pに基づいて高温領域HARを抽出することにより、バイパスダイオードDpの開放故障を検出するに際して、接続箱JBの回路と、アレイARの位置の対応を示す情報を用いる手間を低減することができる。
すなわち、本実施形態の高温領域抽出装置1によれば、バイパスダイオードDpの開放故障を検出する手間を低減することができる。
すなわち、第1温度画像P1が、電源電圧ApVが印加されることに伴う、アレイARの温度の上昇が少ないアレイARが撮像された温度画像Pであれば、アレイARの電力出力端TSPに電源電圧ApVが印加される回数が複数回であってもよい。
本実施形態の高温領域抽出装置1は、クラスタCSが備える各セルに対して日射光等の光の照射の有無にかかわらず、バイパスダイオードDpが故障していることに伴い、アレイARの表面が温度上昇している領域を検出することができる。つまり、高温領域抽出装置1は、高温領域抽出装置1が備えるクラスタCSの一部が影の影響により、電力を発電していない場合であっても、バイパスダイオードDpが開放故障してアレイARの表面が温度上昇している領域を検出することができる。
以下、図20を参照して、直流電源PSが接続箱JBを介してアレイARに電圧を印加した場合のストリングSTの動作について説明する。図20は、本実施形態におけるアレイARに直流電源PSが電圧を印加した場合の影が生じている時のストリングSTの構成の詳細な一例を示す構成図である。
図20に示す通り、この一例では、クラスタCS2が備える各セルのうち、一部が日射光等の光の照射に伴い電力を発電しており、一部が影の影響により、電力を発電していない場合の動作の一例を示す模式図である。また、この一例ではクラスタCS2が備えるバイパスダイオードDp2が開放故障している。つまり、バイパスダイオードDp2の端子TD2kと、端子TD2aとが接続されておらず、開放状態である。
この一例の場合、上述したように、端子TD2kと、端子TD2aとが接続されておらず、開放状態であるため、クラスタCS3からクラスタCS2へ流入する電流I33は、集合セルCLS2へ流れる。すなわち、電流I33が抵抗である集合セルCLS2に流れることで、集合セルCLS2に含まれる各セルCLが高温になる。
この一例の場合、上述したように、端子TD2kと、端子TD2aとが接続されておらず、開放状態であるため、クラスタCS3からクラスタCS2へ流入する電流I33は、集合セルCLS2へ流れる。すなわち、電流I33が抵抗である集合セルCLS2に流れることで、集合セルCLS2に含まれる各セルCLが高温になる。
すなわち、第2温度画像P2は、電源電圧ApVが印加されることに伴うアレイARの温度の上昇の経過があるアレイARが撮像された温度画像Pであれば、アレイARの電力出力端TSPに電源電圧ApVが印加される回数が複数回であってもよい。
これにより、本実施形態の高温領域抽出装置1は、2つのクラスタCSの温度画像Pを撮像する。したがって、本実施形態の高温領域抽出装置1は、アレイARの電力出力端TSPに電源電圧ApVが印加されることに伴う2つのクラスタCSの温度の変化を比較することができる。つまり、本実施形態の高温領域抽出装置1は、少なくとも2つのクラスタCSが撮像されていれば、温度の変化を比較することにより、バイパスダイオードDpの開放故障の有無を検出することができる。すなわち、本実施形態の高温領域抽出装置1は、多数のアレイARが撮像された画像であっても、少なくとも2つのクラスタCSが検出できる温度画像Pであれば、バイパスダイオードDpの開放故障の有無を検出することができる。
つまり、本実施形態の高温領域抽出装置1によれば、バイパスダイオードDpの開放故障を検出する手間を低減することができる。
以下、実施形態に係る変形例について説明する。
上述した実施形態では、差分領域抽出部102は、撮像部110が撮像し、生成する温度画像Pに基づいて、差分領域DARを抽出する場合について説明した。変形例では、差分領域抽出部102は、温度画像Pの二値化画像に基づいて、差分領域DARを抽出する場合について説明する。
なお、上述した実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
以下、図21〜図23を参照し、差分領域抽出部102が二値化画像に基づいて、差分領域DARを抽出する詳細について説明する。
図21は、変形例の差分領域DARの一例を示す第1の画像である。
図21(a)は、アレイARに直流電源PSが印加される前に撮像した第1温度画像P1と、アレイARに直流電源PSが印加されてから30秒が経過した後の第2温度画像P2とに基づいて生成された二値化画像PB1の一例を示す画像G1である。図21(b)は、アレイARに直流電源PSが印加されてから30秒が経過した後の第2温度画像P2の一例を示す画像G2である。
この一例では、図21(b)、図22(b)及び図23(b)に示される領域FD99がアレイARの故障している領域を示す場合について説明する。
図21(a)に示す通り、差分領域抽出部102は、第1温度画像P1及び第2温度画像P2に基づいて、二値化画像PB1を生成し、領域FD99に対応する領域である領域FD1を差分領域DARとして抽出する。
高温領域抽出装置1は、二値化画像PBに基づいて差分領域DARを抽出する場合、直流電源PSをアレイARに印加してから短時間(この一例では、30秒)であっても、アレイARの故障に対応する領域を差分領域DARとして抽出することができる。
図22は、変形例の差分領域DARの一例を示す第2の画像である。
図22(a)は、アレイARに直流電源PSが印加される前に撮像した第1温度画像P1と、アレイARに直流電源PSが印加されてから60秒が経過した後の第2温度画像P2とに基づいて生成された二値化画像PB2の一例を示す画像G3である。図22(b)は、アレイARに直流電源PSが印加されてから60秒が経過した後の第2温度画像P2の一例を示す画像G4である。
図22(a)に示す通り、差分領域抽出部102は、第1温度画像P1及び第2温度画像P2に基づいて、二値化画像PB2を生成し、領域FD99に対応する領域である領域FD2を差分領域DARとして抽出する。
図23は、変形例の差分領域DARの一例を示す第3の画像である。
図23(a)は、アレイARに直流電源PSが印加される前に撮像した第1温度画像P1と、アレイARに直流電源PSが印加されてから120秒が経過した後の第2温度画像P2とに基づいて生成された二値化画像PB3の一例を示す画像G5である。図23(b)は、アレイARに直流電源PSが印加されてから120秒が経過した後の第2温度画像P2の一例を示す画像G6である。
図23(a)に示す通り、差分領域抽出部102は、第1温度画像P1及び第2温度画像P2に基づいて、二値化画像PB2を生成し、領域FD99に対応する領域である領域FD3を差分領域DARとして抽出する。
変形例では、高温領域抽出部103は、差分領域抽出部102から取得した差分領域DARを高温領域HARとして抽出する。
ここで、変形例の高温領域抽出装置1の二値化画像PBでは、所定の閾値よりも高い温度の画素が「255」によって示され、所定の閾値よりも低い温度の画素が「1」によって示される。これにより、同じ撮像範囲の温度画像Pと、二値化画像PBとでは、二値化画像PBの方が画像の情報量が少ない。高温領域抽出装置1は、画像の情報量が少ない二値化画像PBに基づいて差分領域DARを抽出する場合には、温度画像Pに基づいて差分領域DARを抽出する場合と比較して処理にかかる負荷を低減することができる。
これにより、変形例の高温領域抽出装置1は、高温領域HARを抽出するために要する時間を低減することができる。
これにより、変形例の高温領域抽出装置1は、二値化画像PBに基づいて高温領域HARを抽出する場合には、温度画像Pに基づいて高温領域HARを抽出する場合と比較して高温領域抽出装置1を小型化することができる。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
Claims (3)
- ダイオードと、1つ以上のセルとが並列に接続されたクラスタが直列に複数接続された太陽電池パネルを撮像して、前記太陽電池パネルの表面の温度分布情報を示す温度画像を生成する撮像部と、
前記太陽電池パネルの特定の箇所である検査対象領域の、前記太陽電池パネルの電力出力端に電源電圧が印加されることに伴う温度変化を示す複数の画像であって、互いに異なる時刻において前記撮像部が撮像した第1温度画像と、第2温度画像とを取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記第1温度画像と、前記第2温度画像とに示される温度分布情報の差に基づいて、前記太陽電池パネルの前記検査対象領域のうち、高温領域を抽出する高温領域抽出部と
を備えることを特徴とする高温領域抽出装置。 - 前記第1温度画像は、
前記太陽電池パネルの前記電力出力端に前記電源電圧が印加される前、または印加された直後の画像であり、
前記第2温度画像は、
前記太陽電池パネルの前記電力出力端に前記電源電圧が印加中、または所定の時間印加された後の画像であって、
前記取得部は、
前記第2温度画像が撮像された時刻より以前に前記第1温度画像を取得する
ことを特徴とする請求項1に記載の高温領域抽出装置。 - 前記撮像部は、
前記太陽電池パネルのうち、少なくとも2つのクラスタを撮像し、前記温度画像を生成する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の高温領域抽出装置。
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