JP2017103358A - 研削工具の砥面検査装置、検査方法およびプログラム - Google Patents

研削工具の砥面検査装置、検査方法およびプログラム Download PDF

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彰浩 坂口
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Shuji Matsuo
修二 松尾
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Abstract

【課題】弾性を有する研削工具に対しても砥粒の状態を定量的に評価できる砥面検査装置を提供する。
【解決手段】弾性を有する研削工具6の砥面に対し、ガラス等の透明材料からなる加圧板9を圧力を変化させながら押し付け、当該圧力ごとに研削工具6の砥面をマイクロスコープ3により撮像する。そして、この撮像により得られた圧力ごとの画像データに対し、それぞれフィルタリング処理等の画像処理を施して切れ刃候補となる砥粒の画像を抽出し、砥粒の分布や面積、砥粒の形状などのパラメータを求め、その解析結果を出力するようにしたものである。
【選択図】図5

Description

この発明は、工具基体に砥粒を散設することで砥面を形成する研削工具の砥面検査装置、検査方法およびプログラムに関する。
研削加工分野においては、研削工具として一般に無気孔砥石と有気孔砥石が使用される。このうち無気孔砥石は、例えば砥石基体の周面に砥粒を結合剤により固着させることにより砥面を形成したものとなっている。このような砥石を使用して研削加工を行う場合には、例えば円盤状をなす回転型の砥石、又は円筒状をなすカップ型の砥石を高速回転させた状態で、その砥面を被加工物としての工作物の加工面に当接させる。そして、工作物を一定の速度で移動させることにより工作物の表面を研削加工するものとなっている。
ところで、この種の研削加工では、工作物の加工面の仕上げ品質が砥石の砥面の状態によって左右される。砥面の状態は、主として切れ刃として機能する砥粒の表面部分の形状や大きさ、砥粒の突出量によって決まり、これら砥粒の状態によっては工作物の加工面に大きな研削条痕が残ってしまう。したがって、高品質の研削加工を行うには、砥面の状態つまり砥粒の形状や大きさ、突出量等を正確に把握することが重要である。
そこで従来では、例えばカメラを装着した高倍率の金属顕微鏡を用いて砥石の砥面を撮像し、この撮像された画像データに所定の画像処理を施すことで砥粒部分を他の部分と区別して表示した画像を作成して検査に供する技術が研究されている。また、砥面を撮像する際に焦点位置をステップ的に可変しながら撮像を行い、その各画像データをもとに砥粒の突出量を求める研究もなされている(例えば特許文献1を参照)。
特許第3668777号公報
一方、半導体ウェハやサファイヤ(LED用基板)等の破壊靱性特性を持つ材料を研削加工するため、微細なダイヤモンドで高弾性を有する研削砥石が開発されている。この高弾性を有する研削砥石を使用することで、材料をポリッシングレス加工することが可能となる。ところが、高弾性を有する研削砥石は研削加工時の弾性変形が大きい。このため、特許文献1に示した検査装置を用いて、研削砥石の最外周面の砥粒切れ刃の状態を計測し解析するだけでは、弾性を有する研削砥石の性能を定量的に評価することは困難である。
この発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、弾性を有する研削工具に対しても砥粒の状態を定量的に評価できるようにした研削工具の砥面検査装置、検査方法およびプログラムを提供することにある。
上記目的を達成するためにこの発明の第1の態様は、砥粒を散設した砥面が弾性を有する研削工具の上記砥面の状態を検査する砥面検査装置にあって、上記研削工具の砥面に透明材料からなる加圧部材を対向配置し、この加圧部材を上記研削工具の砥面に対し圧力値をステップ的に変化させながら押し付ける。そして、上記圧力値がステップ的に変化するごとに、上記加圧部材を透して上記研削工具の砥面を撮像し、制御装置により、上記撮像画像データに対し所定の画像処理を行って当該撮像画像データから上記砥粒を表す画像を抽出し、当該抽出された砥粒を表す画像をもとに上記砥粒の状態を解析するようにしたものである。
この発明の第2の態様は、上記砥面の撮像対象領域に対し当該砥面に対し直交する方向から第1の発光色を有する第1の照明光を照射すると共に、上記砥面の撮像対象領域に対しその斜め上方から上記第1の発光色とは異なる第2の発光色を有する第2の照明光を照射する照明装置をさらに具備し、上記制御装置は、上記撮像装置から出力された撮像画像データに対し上記第2の発光色を含む領域と含まない領域との間の信号レベル差を拡大する処理を行うようにしたものである。
この発明の第3の態様は、上記砥面の撮像対象領域に対し、当該砥面に対し直交する方向から、第1の発光色を有する第1の照明光を照射すると共に、上記砥面の撮像対象領域に対し、その斜め上方から、上記第1の発光色とは異なる第2の発光色を有する第2の照明光を照射する照明装置をさらに具備し、上記加圧部材を、上記第1の照明光を透過すると共に上記第2の照明光の透過を抑制する色透過特性を有する透光性部材により構成したものである。
この発明の第4の態様は、研削工具の砥面に対し加圧部材を、その圧力値をステップ的に変化させながら押し付ける機構として、モータのトルク値を制御することにより上記研削工具の砥面に対する上記加圧部材の押し付け圧力をステップ的に可変制御する機構と、上記モータの回転軸の回転角度を可変制御することにより上記研削工具の砥面に対する上記加圧部材の押し付け圧力をステップ的に可変制御する機構とのいずれか一方を備えるものである。
この発明の第5の態様は、上記加圧装置において、上記加圧部材と当該加圧部材を支持する部材との間に、上記研削工具の砥面に対する上記加圧部材の押圧姿勢を補正する緩衝部材または緩衝機構を介在配置したものである。
この発明の第6の態様は、上記加圧部材を、上記研削工具の砥面形状に対応する形状に形成したものである。
この発明の第7の態様は、上記制御装置が、上記研削工具の砥面と上記加圧部材との間に挟持された状態で圧力検出シートに記録された上記研削工具の砥面に対する加圧部材の圧力分布を表す画像をイメージデータとして取り込み、この取り込まれた圧力分布を表す画像をもとに、上記砥面において上記砥粒が密集する検査対象部位を抽出する。そして、上記撮像装置から出力された撮像画像データから、上記抽出された検査対象部位に対応する部分画像データを抽出し、当該抽出された部分画像データから上記砥粒を表す画像を抽出して、当該抽出された砥粒を表す画像をもとに上記砥粒の状態を解析するようにしたものである。
この発明の第1の態様によれば、弾性を有する研削工具に対しても砥面における砥粒の状態を正確に検出することが可能となり、これにより弾性を有する研削工具の性能を的確に評価することが可能となる。弾性を有する研削工具は、製作したメーカにより、或いは同一メーカのものであっても品種により弾性変形特性が異なる。しかし、本発明によれば、圧力を可変しながら砥面を撮像しその画像データから砥面の状態を解析するようにしているので、弾性変形特性の異なる各研削工具に対して、それぞれ高精度の検査を行うことができる。
この発明の第2の態様によれば、撮像装置により撮像された砥面の画像の色は、砥粒の頂部では第1の発光色が支配し、それ以外の部位では第1の発光色と第2の発光色が混在した色となる。このため、撮像画像データに対し第2の発光色領域の輝度を抑圧するフィルタリング処理を施すことで、砥粒の頂部が強調された画像を得ることが可能となる。
この発明の第3の態様によれば、加圧部材として、第2の発光色の透過を抑圧する色透過特性を有する部材を用いたことで、撮像装置では砥粒の頂部が強調された光学像が撮像される。このため、制御装置による砥粒抽出処理を省略または簡略化して制御装置の処理負荷を軽減することが可能となる。
この発明の第4の態様によれば、モータのトルクを制御する機構と、モータのモータ軸の回転角度を制御する機構のいずれを用いても、研削工具の砥面に対し加圧部材を、その圧力値を正確に制御しながら押し付けることができる。その際、研削工具を固定している基台と加圧部材との距離をレーザ変位計により計測し、その計測値をもとに上記モータのトルク値またはモータ軸の回転角度と研削工具の弾性変形量との関係を表すテーブルデータを校正すると、研削工具に与える弾性変形量をより一層正確に制御することが可能となる。
この発明の第5の態様によれば、加圧部材を支持する部位が水平状態になっていなくても、研削工具の砥面に対し加圧部材の圧力を均一に加えることが可能となり、これにより検査対象部位の位置によらず高精度の解析結果を得ることができる。
この発明の第6の態様によれば、加圧部材が、研削工具の砥面形状に対応する形状に形成されたことで、簡単な構成でありながら、研削工具の砥面に対し部位によらず均一の圧力を印加することが可能となる。
この発明の第7の態様によれば、圧力検出シートを用いて検出された圧力分布のイメージデータをもとに、砥粒が密集している部位が検査対象部位として抽出され、撮像装置により得られた撮像画像データから上記抽出された検査対象部位の画像データが抽出されて、この検査対象部位の画像データについて砥粒の状態の解析処理が行われる。このため、研削工具の砥面の中で検査すべき部位を短時間にかつ詳細に解析することが可能となる。
すなわちこの発明によれば、弾性を有する研削工具に対しても砥粒の状態を定量的に評価することができる研削工具の砥面検査装置、検査方法およびプログラムを提供することができる。
この発明の第1の実施形態に係る検査装置の検査対象となる研削工具の一部を拡大して示した図。 図1に示した研削工具による研削動作の一例を示す図。 図1に示した研削工具の砥面検査方法の原理を説明するための図。 図3に示した砥面検査方法により得られる画像の一例を示す図。 この発明の第1の実施形態に係る検査装置の全体構成を示す図。 図5に示した検査装置における、工具に対する加圧板の接触部位の課題を説明するための図。 図5に示した検査装置の加圧機構の構造を示す図。 図5に示した検査装置の照明ユニットの構成を示す図。 図5に示した検査装置が備える制御装置の機能構成を示すブロック図。 図5に示した検査装置による工具に対する加圧板の加圧状態を示す図。 図10に示した加圧状態において図5に示した検査装置により得られる画像の拡大図。 加圧状態において図5に示した検査装置により得られる画像の一例を示す図。 異なる2つの研削工具の圧力−変位特性を示す図。 研削工具に対し異なる圧力を加えた時の圧力センサシートによる圧力分布の計測結果の一例を示す図。 この発明の第2の実施形態に係る検査装置の加圧機構の構造を示す図。
以下、図面を参照してこの発明に係わる実施形態を説明する。
[第1の実施形態]
(原理)
この発明の第1の実施形態に係る検査装置は、工具基体に砥粒を散設することで砥面を形成する回転型の固定砥粒型研削工具(以後研削工具又は砥石と称する)を、検査対象とする。図1はこの研削工具6の砥面部分の一部を拡大して示した断面図であり、図示しない基体に対し多数の砥粒62,62,…を、弾性を有する結合剤61により固着させたものである。
上記研削工具6により工作物100を研削加工する場合は、図2に示すように研削工具6を矢印Ma方向に回転させ、工作物100をその表面を上記研削工具6の砥面に押し付けた状態で矢印Mb方向に移動させる。このとき上記研削工具6の砥面は弾性変形し、砥粒の保持力も小さく設定されている。このため、加工中に工作物100の表面に局部的に大きな応力が加わらず、また工作物100の表面に悪影響を与える前に図中Cに示すように砥粒62が段落する。すなわち、研削工具6は常にドレッシングを行って新しい研削作業面を形成しながら研削加工を行う。従って、工作物100が破壊靱性特性を持っていても、高品質の研削加工を実現できる。
この発明は、上記したように砥面に弾性を有する研削工具についても砥面の状態を定量的に評価できるようにするもので、以下のように検査を行う。すなわち、図3に示すように研削工具6の砥面に対し、ガラス等の透明部材からなる加圧板9を接触させた状態で配置する。そして、砥面に対し加圧板9を押し付け、その加圧力Pをステップ的に変化させて弾性変形量を変化させるごとに、砥面の画像を上記加圧板9を透してマイクロスコープ3により撮像し、その画像データを画像処理することで砥面の状態を評価する。
図4は、上記マイクロスコープ3により得られる画像データの一例を示すもので、(a)は加圧力が小さい状態、つまり砥面の弾性変形量が少ない状態で得られる画像データを、また(b)は加圧力を大きくした状態、つまり砥面の弾性変形量が多い状態で得られる画像データをそれぞれ示している。同図において、V62は砥粒62の画像を示し、V61aは結合剤61の加圧板9と接している部位の画像を、V61bは結合剤61の加圧板9と接していない部位の画像をそれぞれ示す。同図から明らかなように、加圧力の大小、つまり研削工具6の弾性変形量に応じて、加工に寄与する砥粒62,62,…の分布状態と、工作物100の表面に対する砥面の接触面積を求めることが可能となる。
(構成)
図5は、この発明の第1の実施形態に係る検査装置の概略構成図である。
第1の実施形態に係る検査装置は、基台1上に図示しない支柱を介してボールネジ機構2を設置している。ボールネジ機構2は、ボールネジ21に支持部材22を介してL型をなすテーブル部23を取着すると共に、上記ボールネジ21の一端部をカップリング部24を介してサーボモータからなる加圧駆動部5に接続したもので、上記テーブル部23をステップ的に上下移動させることが可能となっている。なお、上記加圧駆動部5とボールネジ機構2により加圧装置を構成する。
上記テーブル部23の下面部にはガラス等の透明材料からなる加圧板9が固定され、この加圧板9により研削工具6の砥面を下方に押圧する。また、上記支持部材22には撮像装置としてのマイクロスコープ3が取り付けられている。このマイクロスコープ3の合焦点領域は、上記加圧板9と研削工具6の砥面との接触位置を含む所定の範囲となるように設定される。さらに、上記テーブル部23の上記加圧板9の固定部位には孔部が形成されている。この孔部は、上記圧力が加えられた状態の研削工具6の砥面を、上記マイクロスコープ3により上方から撮像するために用いられる。
基台1上にはレーザ変位計4が配置されている。レーザ変位計4は、基台に対する上記テーブル部23の上下位置を計測するために用いられる。なお、テーブル部23の下面にはレーザ反射面が形成されている。このレーザ反射面は、上記レーザ変位計4から出射されたレーザを効率良く反射する。
ところで、第1の実施形態に係る検査装置は、上記研削工具6の砥面に対する加圧板9の加圧部に次のような構造を採用している。すなわち、加圧板9や研削工具6の砥面の水平度によっては、例えば図6に示すように加圧板9と研削工具6の砥面との間の平行度を保持できず、これが研削工具6の砥面に対する加圧板9の押し付け力を不均一なものにしてしまう。
そこで、図7に示すようにテーブル部23と加圧板9との間に、例えばシリコンゴム等のリング状の弾性部材26を介在配置する。そして、この弾性部材26により上記加圧板9と研削工具6の砥面との間の不平行による押し付け力のばらつきを吸収して、研削工具6の砥面に対し部位によらず均一な圧力が加わるようにしている。
またこのような緩衝機構を採用すると、機構の弾性変形や、ピント穴とのかみ合いによる機械的ながたつきが発生するため、テーブル部23の位置をレーザ変位計4で計測しようすると、圧力変化に対する研削工具6のみの弾性変形量を正確に計測することができない。そこで、上記のような緩衝機構を採用した場合には、加圧板9にレーザ反射板25を固定し、このレーザ反射板25の位置をレーザ変位計4により計測する。このようにすると、上記した弾性変形やがたつきが発生しても、圧力を加えたときの研削工具6の弾性変形量を正確に計測し管理することが可能となる。
なお、機械的なスペースが確保できるのであれば、レーザ変位計4を加圧板9の直下に設置し、加圧板9の位置をレーザ変位計4により直接計測するようにしてもよい。但し、この場合には加圧板9の裏面側にレーザ反射シートを貼付する必要がある。
また第1の実施形態に係る検査装置は、上記研削工具6の砥面を照明するために照明ユニットを備えている。図8はその構成を示す図である。同図に示すように、照明ユニットは、テーブル部23上に配置された第1の照明光源31と、研削工具6の砥面の斜め上方に配置された複数の第2の照明光源33,33と、ハーフミラー32とを備えている。
第1の照明光源31は例えば白色LED(Light Emitting Diode)を用いたもので、白色光を上記ハーフミラー32により反射させて研削工具6の砥面に対し垂直落射光として照射する。第2の照明光源33,33は例えば赤色LEDを用いたもので、研削工具6の砥面に対し赤色光を斜め上方から照射する。なお、第2の照明光源33,33は、赤色LEDに限らず、青色LED等の白色以外の有色光を発光するものであれば如何なるものを用いてもよい。
また第1の実施形態に係る検査装置は、制御装置10と、この制御装置10に対し制御コマンド等を入力するための入力デバイス7と、制御装置10から出力された検査結果を表すデータ等を表示又は印刷出力するための出力デバイス8とを備えている。なお、入力デバイス7には、圧力センサシートの画像をイメージデータとして読み込むスキャナが含まれる。
制御装置10は、例えばパーソナル・コンピュータからなり、以下のように構成される。図9はその機能構成を示すブロック図である。
すなわち、制御装置10は入出力インタフェースユニット11と、制御ユニット12と、記憶ユニット13とを備えている。入出力インタフェースユニット11は、マイクロスコープ3、レーザ変位計4および加圧駆動部5との間で、制御信号、計測信号および画像データの入出力を行うと共に、入力デバイス7および出力デバイス8との間で入力データ及び出力データの入出力を行う。
記憶ユニット13は、記憶媒体として例えばハードディスクやNAND型フラッシュメモリ等の随時書込み読出しが可能な不揮発性メモリを用いたもので、第1の実施形態を実施するために必要な記憶領域として、圧力分布画像記憶部130と、撮像画像記憶部131と、砥粒抽出結果記憶部132と、解析結果記憶部133を備えている。
制御ユニット12は中央処理ユニット(Central Processing Unit;CPU)を有し、第1の実施形態を実施する上で必要な制御機能として、圧力分布画像読込制御部120と、加圧駆動制御部121と、撮像制御部122と、砥粒抽出処理部123と、砥粒解析処理部124と、検査データ出力制御部125を備えている。
圧力分布画像読込制御部120は、圧力センサシートに記録された圧力分布画像を入力デバイス7のスキャナからイメージデータとして取り込み、圧力分布画像記憶部130に記憶させる処理を行う。
加圧駆動制御部121は、加圧駆動部5を制御することによりボールネジ機構2を介して加圧板9を垂直方向にステップ的に移動させ、これにより研削工具6の砥面に対し加える圧力を可変設定する処理を行う。
撮像制御部122は、上記加圧駆動制御部121により研削工具6の砥面に対する加圧板9の圧力がステップ的に可変設定されるごとに、マイクロスコープ3により撮像された研削工具6の砥面の画像データを取り込んで上記撮像画像記憶部131に記憶させる処理を行う。
砥粒抽出処理部123は、研削工具6の砥面にステップ的に可変しながら加えられた複数の圧力の各々について、上記圧力分布画像記憶部130に記憶された圧力分布画像データと、上記撮像画像記憶部131に記憶された撮像画像データとに基づいて、砥面の検査対象部位から砥粒62の切れ刃候補となる画像データを抽出するために、以下の処理を行う。
(1) 上記圧力分布画像記憶部130から、圧力センサシートにより得られた圧力分布画像データを読み込み、この圧力分布画像データに対し所定のフィルタリング処理を行うことで、単位領域ごとの接触面積と圧力分布を求める。そして、その結果をもとに、上記圧力が加えられた砥面から検査対象部位を特定する処理。なお、上記求められた接触面積および圧力分布を表すデータは、解析結果記憶部133に格納する。
(2) 上記撮像画像記憶部131から、上記特定された検査対象部位に対応する撮像画像データを読み込み、この読み込んだ撮像画像データに対し、予め用意された複数種類のフィルタリング処理を実施し、このフィルタリング処理後の画像データについて予め設定したしきい値に従い二値化処理を行うことにより、上記画像データから砥粒62の切れ刃候補となる画像データを抽出する処理。
(3) 上記抽出された砥粒62の切れ刃候補となる画像データに対しラベリング処理を行った後、上記解析結果記憶部133に記憶させる処理。
なお、上記フィルタリング処理には、先に述べた第2の照明光源33の照明光色(赤色)を利用した色フィルタリング処理と、平滑化フィルタリング処理と、縮小処理と、Logフィルタリング処理と、最大値フィルタリング処理と、最小値フィルタリング処理が含まれる。
砥粒解析処理部124は、研削工具6の砥面に加えられた複数の圧力の各々について、上記砥粒抽出結果記憶部132から各砥粒切れ刃候補の画像データを読込み、この読込んだ砥粒切れ刃候補の画像データをもとに当該候補ごとに以下の解析パラメータを求める処理を実行する。
(1) 各砥粒切れ刃候補について、その重心の座標を算出する処理。
(2) 各砥粒切れ刃候補について、凸多角形近似及び円形度を算出する処理。
(3) 各砥粒切れ刃候補について、内部欠損及び外部欠損を検出する処理。
(4) 面積及び欠損度を算出する処理。
(5) 砥面の回転方向に対するすくい角側の稜線形状を検出する処理。
そして砥粒解析処理部124は、上記求められた各解析パラメータのデータを上記解析結果記憶部133に記憶させる。
さらに砥粒解析処理部124は、上記解析結果をもとに、研削工具6の検査対象部位における砥粒62の分布状態を三次元的に表した三次元マップを生成する処理も行う。
三次元マップ生成処理は、上記解析結果記憶部133から、各砥粒切れ刃候補の重心の座標と、凸多角形近似の面積のデータを読込み、この読込んだ解析パラメータをもとに研削工具6の検査対象部位における砥粒62の分布状態を三次元的に表した三次元マップを生成し、この生成した三次元マップデータを上記解析結果記憶部133に記憶させる処理である。
検査データ出力制御部125は、入力デバイス7により検査データの出力指示が入力されたことを認識した場合に、上記解析結果記憶部133から加圧板9に対する砥面の接触面積と圧力分布を表すデータ、三次元マップデータを読み出し、これらのデータを入出力インタフェースユニット11を介して出力デバイス8へ出力する処理を行う。
出力デバイス8は、ディスプレイ、プリンタ又は外部記憶装置等を備え、上記制御装置10から出力された砥面の圧力分布と接触面積、三次元マップデータを表示、印刷或いは記憶する。なお、上記出力デバイス8とは別に制御装置10内又は装置外に通信インタフェースユニットを追加することで、上記各データを通信ネットワークを介して他の情報処理装置等に送信することも可能である。
(動作)
次に、以上のように構成された検査装置の動作を、制御装置10の制御手順に従い説明する。
(1)検査装置の事前調整
第1の実施形態では、研削工具6の砥面に対する加圧板9の押し付け力(圧力)を、加圧駆動部(サーボモータ)5のトルクにより管理する。このため、装置の組み立て終了後に、加圧駆動部5のトルクと加圧板9による押し付け力との関係を圧力センサ等を用いて測定する。またそれと共に、レーザ変位計4を用いて、研削工具6を固定している基台と上記加圧板9との間の距離を計測する。そして、上記圧力の測定値とレーザ変位計4による距離の計測値に基づいて、研削工具6に所望の押し付け力を加える、つまり研削工具6に所望の弾性変形量を与えるための加圧駆動部5のトルク値を校正し、校正されたトルク値と押し付け力との対応関係を表すテーブルデータを作成して制御装置10の記憶ユニット13に格納する。
(2)圧力センサシートを用いた圧力分布および接触状態の測定
検査者は、検査対象の研削工具6を任意の砥面部位を上に向けた状態で基台1上の所定の位置にセットする。そして、セットした研削工具6の砥面と加圧板9との間に1枚目の圧力センサシート(図示省略)を配置し、入力デバイス7から圧力分布測定開始指示を入力する。
制御ユニット12は、上記圧力分布測定開始指示の入力を検出すると、加圧駆動制御部121の制御の下、加圧駆動部5を制御して研削工具6の砥面に対し加圧板9を下降させ、予め設定したトルクで押し付ける。このときトルク値は事前に校正されているので、研削工具6の砥面には加圧板9により所望の圧力が加えられる。例えば、研削工具6の砥面に30Nの圧力が加わるようにトルク値が選ばれる。そして、この圧力値を一定時間加えた後、加圧駆動部5を制御して加圧板9を上昇させ、上記圧力を解放させる。検査者は上記1枚目の圧力センサシートを取り外す。
続いて検査者は、研削工具6の砥面と加圧板9との間に2枚目の圧力センサシートを配置し、入力デバイス7から圧力分布測定開始指示を入力する。制御ユニット12は、上記圧力分布測定開始指示の入力を検出すると、加圧駆動制御部121の制御の下、加圧駆動部5を制御して研削工具6の砥面に対し加圧板9を再び下降させ、上記1枚目の圧力センサシートの場合より大きい圧力、例えば100Nの圧力を加える。検査者は、上記圧力の解放後に2枚目の圧力センサシートを取り外す。
上記1枚目および2枚目の各圧力センサシートには、それぞれ30Nおよび100Nの圧力を加えたことで、例えば図14(a),(b)に示すように圧力分布と接触の状態を表すパターンが記録される。
検査者は、上記異なる圧力が印加された2枚の圧力センサシートを、入力デバイス7のスキャナにセットして読み取り指示を入力する。制御ユニット12は、圧力分布画像読込制御部120の制御の下、上記スキャナを動作させ、当該スキャナにより読み取られた上記各圧力センサシートに記録された圧力検出パターンの画像データを読み込む。そして、当該画像データを、上記印加した圧力値と関連付けて圧力分布画像記憶部130に格納する。
(3)研削工具6の砥面の撮像処理
上記圧力センサシートを用いた圧力分布画像データの読み込み処理が終了すると、検査者は次に入力デバイス7から検査開始指示を入力する。制御ユニット12は、上記検査開始指示の入力を検出すると、加圧駆動制御部121の制御の下、上記圧力センサシートを用いた場合と同様に加圧駆動部5を制御し、研削工具6の砥面に対し加圧板9を下降させて予め設定したトルク値で押し付ける。このときのトルク値は、例えば上記研削工具6の砥面に30Nの圧力が加わる値に設定される。またそれと共に、このときの研削工具6の砥面の弾性変形量(変位)を、レーザ変位計4を用いて測定する。
次に制御ユニット12は、撮像制御部122の制御の下、マイクロスコープ3を動作させる。そして、上記30Nの圧力の印加により弾性変形した研削工具6の砥面の画像を上記透明な加圧板9を透して撮像し、撮像された砥面の画像データを撮像画像記憶部131に格納する。
制御ユニット12は、続いて加圧駆動部5を再び制御し、研削工具6の砥面に対し100Nの圧力が加わるように加圧板9を押し付ける。またそれと共に、このときの研削工具6の砥面の弾性変形量(変位)を、レーザ変位計4を用いて測定する。そして、この100Nの圧力が加えられた状態で、研削工具6の砥面の画像をマイクロスコープ3により撮像し、その撮像画像データを取り込んで圧力値と関連付けて撮像画像記憶部131に格納する。
図10は、研削工具6の砥面に対し任意の圧力値で加圧板9を押し付けたときの状態を模式的に示す図、図11はこの状態で得られるであろう撮像画像データの例を示すものである。図10に示すように、上記圧力の付与により研削工具6の砥面は弾性変形し、砥粒62の頂部と結合剤の凸部61aは加圧板9に接触するが、結合剤の凹部61bは加圧板9に接触していない状態となり、このときの接触の状態を表す画像データが得られる。
なお、以上の説明では、研削工具6の砥面に対し30Nおよび100Nの2段階の圧力を加え、それぞれ弾性変形した状態の画像データを取得する場合を例示したが、さらに小刻みに圧力を変化させ、それぞれの画像データを取得するようにしてもよい。
ところで、上記撮像に際し、研削工具6の砥面は、図8に示したように第1の照明光源31とハーフミラー32により白色光が垂直落射光として照明され、同時に第2の照明光源33により斜め上方から赤色光が照明される。このため、鏡面状態となっている砥粒62の頂部では、白色光が強く反射されてマイクロスコープ3に入射するが、赤色光はその大部分が第2の照明光源33に対し反対側の斜め上方に反射されるためマイクロスコープ3には入射しない。これに対し結合剤61の面では、その凹凸により赤色光が乱反射してその一部が白色照明の反射光と共にマイクロスコープ3に入射する。但し、結合剤の凸部61aは、加圧板9の押し付けにより平坦化されているため赤色光の乱反射は少なくなり、これにより結合剤の凹部61bに比べマイクロスコープ3への赤色光の入射は少なくなる。
したがって、マイクロスコープ3により撮像された研削工具6の砥面の画像データの色は、砥粒62の頂部では白色が支配し、結合剤の凸部61aでは白色が支配的ではあるが赤色と混在した色となり、結合剤の凹部61bでは赤色が多く混在した色となる。
(4)砥粒抽出処理
上記撮像処理が終了すると制御ユニット12は、次に砥粒抽出処理部123を起動し、この砥粒抽出処理部123の制御の下で、上記圧力分布画像記憶部130に記憶された圧力分布画像データと、上記撮像画像記憶部131に記憶された撮像画像データをもとに、検索対象部位にあって研削に関与する砥粒62の候補となる画像を抽出するための処理を以下のように実行する。
(4−1)検査対象部位の抽出
制御ユニット12は、研削工具6の砥面に加えた圧力値(30N、100N)ごとに、先ず圧力分布画像記憶部130から対応する圧力分布画像データを読み込み、この圧力分布画像データに対し所定のフィルタリング処理を行うことで、部位ごとの接触面積と圧力分布を求める。そして、その結果をもとに、例えば圧力分布の密度又は接触面積がしきい値以上の部位を検査対象部位として抽出する。
この処理により、加圧板9により上記30N、100Nの圧力が加えられている砥面の領域中から、例えば砥粒62が密集している部位を検査対象部位として抽出することができる。例えば、図12に示すような砥面の撮像画像データから、砥粒62が密集する部位を検査対象部位として抽出することができる。なお、上記接触面積および圧力分布を表すデータは、解析結果記憶部133に格納される。
(4−2)平滑化及び色フィルタリング処理
制御ユニット12は、次に、上記圧力値(30N、100N)ごとに抽出された検査対象部位に対応する撮像画像データを撮像画像記憶部131から読み出し、この読み出された撮像画像データに対し先ず平滑化処理を行う。平滑化処理は、画像の輝度値を平らに滑らかにする処理であり、画像中のノイズを除去するために行われる。
また、この平滑化処理に先立ち砥粒抽出処理部123は、撮像画像データに対しその色に着目したフィルタリング処理を実行する。すなわち、先に述べたように研削工具6の砥面は、第1の照明光源31による白色の垂直落射光と、第2の照明光源33による斜め上方からの赤色光により照明され、これにより撮像画像データの色は砥粒62の頂部では白色が支配し、結合剤の凸部61aでは白色が支配的ではあるが赤色と混在した色となり、結合剤の凹部61bでは赤色が多く混在した色となっている。そこで、砥粒抽出処理部123は、撮像画像データに対し赤色領域の輝度を抑圧するフィルタリング処理を施す。これにより、結合剤の凹部61bに対し砥粒62の頂部および結合剤の凸部61aが強調された画像を抽出することができる。
(4−3)縮小処理
次に砥粒抽出処理部123は、上記平滑化及び色フィルタリング処理後の撮像画像データに対し、検出誤差に影響がでない程度に画素を減らす処理を行う。この処理はそれ以降の画像処理に対する制御ユニット12のデータ処理量を減らして処理時間を短縮するためのものである。なお、制御ユニット12のCPUの処理能力が十分に高ければ、必ずしも実行しなくてもよい。
(4−4)Logフィルタ
続いて砥粒抽出処理部123は、上記縮小処理後の撮像画像データに対し、砥粒62のエッジを検出するための処理を行う。このエッジ検出処理にはLogフィルタが使用される。Logフィルタは、ガウシアンフィルタとラプラシアンフィルタを組み合わせたもので、ガウシアンフィルタにより平滑化した後、ラプラシアンフィルタにより2次微分と同様の処理を行い、これにより値が+から−に変化するゼロ交差点をエッジとして検出する。そして、このLogフィルタにより処理された後の画像データを制御ユニット12内のメモリに一旦保存する。
(4−5)最大値フィルタ処理及び最小値フィルタ処理
次に砥粒抽出処理部123は、上記Logフィルタにより処理された後の画像データに対し、砥粒62部分の範囲を強調するための処理を行う。第1の実施形態で検査対象とする研削工具6は、結合剤61上に砥粒62を独立して突設させているため、その画像は結合剤61に相当する黒い画素領域内に砥粒62に相当する白い画素領域が存在するものとなる。そこで、この黒い画素領域の範囲を最大値フィルタ及び最小値フィルタにより強調する。そして、この最大値フィルタ及び最小値フィルタにより処理された後の画像データを制御ユニット12内のメモリに一旦保存する。
(4−6)砥粒切れ刃候補の絞り込み及び抽出処理
続いて砥粒抽出処理部123は、上記Logフィルタ処理後の画像データと、上記最大値フィルタ及び最小値フィルタによりフィルタリング処理された後の画像データを読み出し、これらの画像データをもとに砥粒切れ刃候補の絞り込みおよび抽出処理を以下のように行う。
すなわち、先ず上記Logフィルタ処理後の画像データから絶対値が0以上の画素のみを抽出する。これにより砥粒切れ刃候補が絞り込まれる。そして、次に上記最大値フィルタ及び最小値フィルタにより処理された後の画像データとLogフィルタ処理後の画像データとの差分を計算し、この差分画像を予め設定された第1のしきい値と比較して、輝度が第1のしきい値以上の部位を抽出する。これにより原画像データから砥粒切れ刃の候補となる画像を絞り込むことができる。
(4−7)抽出された砥粒切れ刃候補の保存
砥粒抽出処理部123は、上記絞り込まれた砥粒切れ刃候補の画像の各々に対しラベリング処理を行い、このラベリング処理により発行された砥粒識別番号に関連付けて上記絞り込まれた砥粒切れ刃候補の画像データを、砥粒抽出結果記憶部132に一旦記憶させる。
(4−8)砥粒切れ刃候補の抽出
砥粒抽出処理部123は、最後に、上記絞り込まれた砥粒切れ刃候補の画像がマイクロスコープ3の合焦点領域内に存在するか否かを判断するために、上記絞り込まれた砥粒切れ刃候補の画像について輪郭抽出処理を行う。そして、この輪郭抽出処理により抽出された輪郭の円形度を求め、この円形度が予め設定された第2のしきい値以上であるか否かを判定する。また、上記抽出された輪郭の形状を予め記憶されている砥粒の基本形状と比較することにより輪郭一致度を求め、この輪郭一致度を第3のしきい値と比較して、輪郭一致度が第3のしきい値以上となる砥粒切れ刃候補の画像を最終的に砥粒切れ刃候補の画像として抽出する。そして、この抽出された砥粒切れ刃候補の画像データを砥粒抽出結果記憶部132に記憶させる。
なお、マイクロスコープ3の合焦点領域内に存在すると判定された砥粒切れ刃候補には、次の3種類がある。
(1) 砥粒の最外面の全面が研削に関与するもの。すなわち、砥粒の頂部全体が切れ刃として機能するもの。
(2) 砥粒の最外面の一部が研削に関与するもの。すなわち、砥粒の頂部の一部のみが切れ刃として機能するもの。
(3) 砥粒の最外面の全面が研削に関与しないもの。すなわち、砥粒の頂部全体が切れ刃として機能しないもの。
以上の砥粒抽出処理により、研削工具6の検査対象部位に対し加えられた圧力値が変化するごとに、つまり研削工具6の弾性変形量が変化するごとに、その時々の砥粒切れ刃候補の画像を抽出することが可能となる。
(5)砥粒解析処理
上記砥粒抽出処理が終了すると、制御ユニット12は次に砥粒解析処理部124を起動し、この砥粒解析処理部124の制御の下で、上記抽出された各砥粒切れ刃候補に対し以下のように砥粒解析処理を実行する。
(5−1)砥粒切れ刃候補の重心の算出
すなわち、砥粒解析処理部124は、先ず各砥粒切れ刃候補の画像の重心をX、Y、Zの各軸について計算し、この計算された重心の値を研削工具6の砥面全域における当該砥粒切れ刃候補の位置を表す座標情報として、解析結果記憶部133に記憶させる。
(5−2)砥粒切れ刃候補の凸多角形近似及び円形度の算出
砥粒解析処理部124は、次に各砥粒切れ刃候補の画像の各々についてその突出部(角)を直線で結ぶいわゆる凸多角形近似を行う。またそれと共に、上記各砥粒切れ刃候補の画像の円形度を算出する。円形度は、砥粒切れ刃候補の形状がどれだけ円に近いかを表す形状の解析パラメータであり、砥粒切れ刃候補の面積をS、周囲長をLとしたとき、
円形度=4πS/L2
として計算できる。
そして砥粒解析処理部124は、上記凸多角形近似された画像データ及び上記円形度の算出データを解析結果記憶部133に記憶させる。
(5−3)内部欠損及び外部欠損の検出
砥粒解析処理部124は、続いて上記凸多角形近似された画像から砥粒62の頂部の内部欠損及び外部欠損を検出する処理を行う。内部欠損は、凸多角形近似された画像内で正反射していない領域として検出される。外部欠損は、上記凸多角形近似された画像の辺に隣接した正反射していない領域として検出される。そして、この内部欠損及び外部欠損の検出データは、解析結果記憶部133に記憶される。
(5−4)面積及び欠損度の算出
砥粒解析処理部124は、続いて上記凸多角形近似された画像の面積St と、この凸多角形近似された画像の面積Stから上記内部欠損及び外部欠損の面積を差し引いた面積Sj を算出する。また、この面積の算出結果から欠損度を算出する。欠損度は、
欠損度=1−(Sj /St )
として算出される。そして、この算出された各面積Sj 、St 及び欠損度は、解析結果記憶部133に記憶される。
ところで、上記面積St 及びSj は、砥粒切れ刃候補抽出処理において抽出されたすべての砥粒切れ刃候補について算出される。しかし、この算出対象となった砥粒切れ刃候補には、先に(4−8)において述べたように、砥粒62の最外面の全面が研削に関与するもの(1) ばかりでなく、砥粒62の最外面の一部のみが研削に関与するもの(2) や、砥粒の最外面が研削にまったく関与しないもの(3) も含まれる。このため、砥粒切れ刃候補によっては、上記面積Sj は研削に関与する切れ刃の面積を正確に表したものとはなっていない。
そこで第1の実施形態では、当初解析対象とした各砥粒切れ刃候補の中から、研削に関与する切れ刃部分を有する砥粒切れ刃候補を抽出し直し、さらにこの再抽出した砥粒切れ刃候補の各々について、切れ刃部分の実際の大きさに応じて面積Sj を計算し直すようにしている。
この砥粒切れ刃候補の再抽出処理と面積Sj の再計算処理は、砥粒切れ刃候補の最外面における画像の輝度又は白色度に基づいて以下のように行う。すなわち、砥粒切れ刃候補の最外面における画像の輝度又は白色度は、最外面に面していない部位に比べて高くなる。そこで、最外面における画像の輝度又は白色度と、最外面に面していない部位の画像の輝度又は白色度との間にしきい値を設定し、画像の輝度又は白色度がこのしきい値以上の砥粒切れ刃候補を再抽出する。さらに、この再抽出された砥粒切れ刃候補の画像について、上記しきい値以上の輝度又は白色度を有する部位の外形の面積を上記凸多角形近似等の手法で算出すると共に、この凸多角形近似された画像内の内部欠損及び外部欠損部分をその輝度又は白色度に応じて検出してその面積を算出する。そして、上記凸多角形近似により算出された面積から、上記内部欠損及び外部欠損部分の面積を差し引くことにより、実際に研削に関与する切れ刃部分の面積Sj ′を算出し直す。この再計算された砥粒切れ刃候補の切れ刃部分の面積Sj ′も解析結果記憶部133に記憶される。
(5−5)すくい角側の稜線形状の検出
砥粒解析処理部124は、続いて上記凸多角形近似された画像と、事前に検査用パラメータとして設定された研削工具6の回転方向の情報とをもとに、砥面の回転方向に対する上記砥粒切れ刃候補のすくい角側の稜線形状を検出する。そして、この検出された砥粒切れ刃候補のすくい角側の稜線形状を表す画像データを解析結果記憶部133に記憶する。
なお、上記すくい角側の稜線形状は、上記面積St を算出する際に使用した凸多角形近似された画像ではなく、上記最外面における画像の輝度又は白色度をもとに再抽出された砥粒切れ刃候補の画像をもとに検出するようにしてもよい。このようにすると、実際に研削に関与する切れ刃部分のすくい角側の稜線形状を検出することが可能となる。
(6)検査対象部位の三次元マップの生成
上記砥粒解析処理によりすべての砥粒切れ刃候補についての解析処理が終了すると、制御ユニット12は以下のように検査対象部位の三次元マップを生成する。すなわち、先ず上記解析結果記憶部133から各砥粒切れ刃候補の重心の座標と、当該砥粒切れ刃候補の凸多角形近似された画像の面積St と、上記砥粒切れ刃候補のうち研削に関与する切れ刃部分が検出された砥粒切れ刃候補の切れ刃部分の面積Sj ′を表す解析パラメータを読込む。そして、この読込んだ解析パラメータをもとに研削工具6の検査対象部位における砥粒62の分布状態を三次元的に表した三次元マップを生成する。この生成された三次元マップデータは解析結果記憶部133に記憶される。
三次元マップは、例えば研削に関与する切れ刃部分が検出された砥粒切れ刃候補を表すマークを、その重心の位置座標に応じて砥面を表す画像上に表示し、かつ当該砥粒切れ刃候補ごとに研削に対する関与度を求めて、この関与度の違いを異なる色で上記各マークに重ねて表示するようにしたものである。
関与度は、上記凸多角形近似された画像の面積St に対する、実際に研削に関与する切れ刃部分の面積Sj ′の割合として求めることができる。例えば、切れ刃部分の面積Sj ′が凸多角形近似された画像の面積Stの30%以上であるか、30%未満であるか、0%であるかを示す3段階で表され、それぞれ異なる色、例えば赤、緑、白が割り当てられる。
このような三次元マップデータを生成することで、研削工具6の検査対象部位において砥粒62の分布状態と各砥粒62の研削への関与の度合いを一目で容易に把握することが可能となる。例えば、マークが表示されていない場所は砥粒切れ刃候補が抽出できなかったり、また抽出できても研削に関与する切れ刃を持たない砥粒が存在する場所であり、砥粒が大きく欠損したか或いは砥粒62自体が脱落した場所であると推測できる。また、マークの色によってその砥粒62の研削に対する関与の度合いを一目で把握することが可能となる。
なお、以上述べた例では、関与度を30%以上、30%未満及び0%の3段階に色を異ならせて表示する場合を例示したが、4段階以上に色を異ならせて表示するようにしてもよく、また色以外にマークの形状や大きさ、表示濃度を異ならせるようにしてもよい。
(作用効果)
以上詳述したように第1の実施形態では、弾性を有する研削工具6の砥面に対し、ガラス等の透明材料からなる加圧板9を圧力を変化させながら押し付け、当該圧力ごとに研削工具6の砥面をマイクロスコープ3により撮像する。そして、この撮像により得られた圧力ごとの画像データに対し、それぞれフィルタリング処理等の画像処理を施して切れ刃候補となる砥粒62の画像を抽出し、当該砥粒62の分布や面積、砥粒62の形状などのパラメータを求め、その解析結果を出力するようにしている。
したがって、弾性を有する研削工具6に対しても砥面における砥粒の状態を正確に検出することが可能となり、これにより弾性を有する研削工具6の性能を的確に評価することが可能となる。弾性を有する研削工具6は、例えば図13に示すように、製作したメーカにより、或いは同一メーカのものであっても品種により弾性変形特性が異なる。本実施形態であれば、圧力を可変しながら砥面を撮像しその画像データから砥面の状態を解析するようにしているので、弾性変形特性の異なる各研削工具に対して、それぞれ高精度の検査を行うことができる。
また第1の実施形態では、上記研削工具6と加圧板9との間に圧力センサシートを挟むことで、研削工具6の砥面に対し加圧板9により加えられる圧力分布と接触面積を検出し、この検出された圧力分布と接触面積をもとに上記圧力が加わった砥面領域から検出対象とすべき部位を抽出する。そして、上記マイクロスコープ3により撮像された画像データから上記抽出された検査対象部位に対応する画像を選択し、当該画像について上記した切れ刃候補の砥粒62の抽出処理や当該砥粒62の分布や面積、砥粒62の形状などのパラメータの解析処理を行うようにしている。
一般に、マイクロスコープ3により得られる画像データを用いると高分解能の解析処理が可能であるが、砥面全体をくまなく検査するには長い処理時間が必要となる。一方、圧力センサシートは、検出可能な圧力分布の分解能の最小値、つまり画像処理により識別可能な物理的な領域の大きさが0.15mm2 程度であり、砥粒を個々に高精度に解析することは困難であるものの、広い検査領域について短時間に圧力分布と接触面積を検出可能である。
第1の実施形態では、上記したように圧力センサシートを用いて砥面の広い領域の圧力分布と接触面積を求め、その結果をもとに例えば砥粒62が密集している部位を検査対象部位として抽出し、マイクロスコープ3により得られた画像データから上記抽出された検査対象部位の画像データを取り出して詳細に解析するようにしている。このため、砥面の中で検査すべき部位を短時間にかつ詳細に解析することが可能となる。
さらに第1の実施形態では、マイクロスコープ3により砥面を撮像する際に、その検査対象領域に対し第1の照明光源31により白色光を垂直落射光として照明すると同時に、第2の照明光源33により斜め上方から赤色光を照明する。そして、この状態で得られた画像データに対し、赤色領域の輝度を抑圧するフィルタリング処理を施すようにしている。したがって、マイクロスコープ3により撮像された砥面の画像の色は、砥粒62の頂部では白色が支配し、結合剤61面では白色と赤色が混在した色となる。このため、画像データに対し赤色領域の輝度を抑圧するフィルタリング処理を施すことで、結合剤61面に対し砥粒62の頂部が強調された画像を得ることが可能となる。
またさらに第1の実施形態では、加圧板9と当該加圧板9を支持するテーブル部23との間に弾性部材26を介在配置し、この弾性部材26により、研削工具6の砥面に対し加圧板9が均一に当接するようにしている。このため、テーブル部23が水平状態になっていなくても、研削工具6の砥面に対し加圧板9の圧力を均一に加えることが可能となり、これにより検査対象部位の位置によらず高精度の解析結果を得ることができる。
[第2の実施形態]
この発明の第2の実施形態は、研削工具6の砥面に対し加圧板9を均一に当接させるための構造として、テーブル部23に対し加圧板9を回動可能に保持する構造を採用したものである。
図15(a)はその構成を示す分解斜視図、(b)は組み立て後の構成を示す平面図である。この回動保持構造は、円板状に形成された加圧板9と、当該加圧板9収容可能なように加圧板9の外径より大径に形成された内部リング部92と、当該内部リング部92を収容可能なように内部リング部92の外径より大径に形成された外周リング部93とを備えている。加圧板9の外周面および内部リング部92の内周面の互いに対向する位置には、180度の角度を隔てて一対の穴が設けられている。そして、これらの穴には第1のピン91aが挿入され、この第1のピン91aを軸として内部リング部92に対し加圧板9が回動自在に支持される。
また、内部リング部92の外周面および外周リング部93の内周面の互いに対向する位置には、180度の角度を隔てかつ上記第1のピン91aに対し90度の角度を隔てて一対の穴が設けられている。そして、これらの穴には第2のピン91bが挿入され、この第2のピン91bを軸として内部リング部92が外周リング部93に対し回動自在に支持される。
このような構造であるから、テーブル部23が水平状態になっていなくても、上記外周リング部93に対する内部リング部92の回動と、内部リング部92に対する加圧板9の回動により、上記テーブル部23の傾きは吸収され、これにより研削工具6の砥面に対し加圧板9の圧力を均一に加えることが可能となる。従って、検査対象部位の位置によらず高精度の解析結果を得ることができる。
[その他の実施形態]
第1の実施形態では、加圧板9を平板としたが、研削工具6の砥面の周面形状(曲率)に対応して湾曲させた形状としてもよい。このようにすると、回転型の研削工具6について、その砥面の広い領域に対し均一の圧力を印加することが可能となる。
また、第1の実施形態では加圧板9による加圧制御を、加圧駆動部5のトルク値を可変制御するものとした。しかしそれに限らず、加圧駆動部5の回転軸の回転角度を制御することにより加圧板9の上下方向の位置を可変し、これにより研削工具6に与える弾性変形量をステップ的に可変制御するようにしてもよい。但し、上記加圧板9の上下方向の位置の変化量には、研削工具6に与える弾性変形量以外にボールネジ機構2や加圧板9を含む機構自体の機械的な弾性変形量も含まれる。そのため、研削工具6を固定している基台と加圧板9との距離をレーザ変位計4により計測し、その計測値をもとに上記回転軸の回転角と研削工具6に与える弾性変形量との関係を表すテーブルデータを校正する。このようにすれば、加圧駆動部5の回転軸の回転角度を制御することにより、研削工具6に与える弾性変形量を正確に制御することができる。
さらに第1の実施形態では、検査対象の工具として回転型の研削工具6を適用した場合を例にとって説明したが、円板の平面部を砥面とするカップ型の研削工具に対しても同様に検査することが可能であり、砥面が弾性変形するタイプであれば研削工具の形状は問わない。
さらに第1の実施形態では、研削工具6を固定した状態で、加圧駆動部5とボールネジ機構2により構成される加圧装置により加圧板9を研削工具6の砥面に押し付けるようにした。しかしこれに限らず、加圧板9を固定し、研削工具6を加圧装置により上記加圧板9に押し付けるように構成してもよい。
さらに第1の実施形態では、加圧板9として透明なガラスを使用したが、加圧板9を第2の照明光源33が発する赤色光と同等の色で着色された透光性材料により構成し、これにより砥面の結合剤による反射光を加圧板でフィルタリングするようにしてもよい。このようにすると、砥粒抽出処理におけるフィルタリング処理を不要にすることが可能となる。
その他、加圧駆動部、撮像部および照明部の構成、制御装置が実行する砥粒抽出処理、砥粒解析処理、検査データ出力処理の手順と処理内容等についても、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施可能である。
要するにこの発明は、上記各実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記各実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
1…基台、2…ボールネジ機構、3…マイクロスコープ、4…レーザ変位計、5…加圧駆動部(サーボモータ)、6…研削工具(砥石)、7…入力デバイス、8…出力デバイス、9…加圧板(ガラス板)、10…制御装置、11…入出力インタフェースユニット、12…制御ユニット、13…記憶ユニット、21…ボールネジ、22…支持部材、23…テーブル部、24…カップリング部、25…レーザ反射板、26…弾性部材、31…第1の照明光源、32…ハーフミラー、33…第2の照明光源、61…結合剤、61a…結合剤の凸部、61b…結合剤の凹部、62、62′…砥粒、91…ピン、92…内部リング部、93…外周リング部(固定部)、121…加圧駆動制御部、122…撮像制御部、123…砥粒抽出処理部、124…砥粒解析処理部、125…検査データ出力制御部、131…撮像画像記憶部、132…砥粒抽出結果記憶部、133…解析結果記憶部。

Claims (10)

  1. 砥粒を散設した砥面が弾性を有する研削工具の前記砥面の状態を検査する砥面検査装置であって、
    前記研削工具の砥面に対向配置される、透明材料からなる加圧部材と、
    前記研削工具および前記加圧部材の少なくとも一方を支持し、前記研削工具の砥面に対し前記加圧部材を、その圧力値をステップ的に変化させながら押し付ける加圧装置と、
    前記圧力値がステップ的に変化するごとに、前記加圧部材を透して前記研削工具の砥面を撮像し、その撮像画像データを出力する撮像装置と、
    前記撮像装置から出力された撮像画像データを受け取り、当該撮像画像データに対し所定の画像処理を行って当該撮像画像データから前記砥粒を表す画像を抽出し、当該抽出された砥粒を表す画像をもとに前記砥粒の状態を解析する制御装置と
    を具備することを特徴とする砥面検査装置。
  2. 前記砥面の撮像対象領域に対し、当該砥面に対し直交する方向から、第1の発光色を有する第1の照明光を照射すると共に、前記砥面の撮像対象領域に対し、その斜め上方から、前記第1の発光色とは異なる第2の発光色を有する第2の照明光を照射する照明装置を、さらに具備し、
    前記制御装置は、前記撮像装置から出力された撮像画像データに対し、前記第2の発光色を含む領域と含まない領域との間の信号レベル差を拡大する処理を行う手段を有することを特徴とする請求項1に記載の砥面検査装置。
  3. 前記砥面の撮像対象領域に対し、当該砥面に対し直交する方向から、第1の発光色を有する第1の照明光を照射すると共に、前記砥面の撮像対象領域に対し、その斜め上方から前記第1の発光色とは異なる第2の発光色を有する第2の照明光を照射する照明装置を、さらに具備し、
    前記加圧部材は、前記第1の照明光を透過すると共に前記第2の照明光の透過を抑制する色透過特性を有する透光性部材からなることを特徴とする請求項1に記載の砥面検査装置。
  4. 前記加圧装置は、前記研削工具の砥面に対し前記加圧部材を、その圧力値をステップ的に変化させながら押し付ける機構として、モータのトルク値を制御することにより前記研削工具の砥面に対する前記加圧部材の押し付け圧力をステップ的に可変制御する機構と、前記モータの回転軸の回転角度を可変制御することにより前記研削工具の砥面に対する前記加圧部材の押し付け圧力をステップ的に可変制御する機構とのいずれか一方を備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の砥面検査装置。
  5. 前記加圧装置は、前記加圧部材と当該加圧部材を支持する部材との間に、前記研削工具の砥面に対する前記加圧部材の押圧姿勢を補正する緩衝部材または緩衝機構を介在配置してなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の砥面検査装置。
  6. 前記加圧部材は、前記研削工具の砥面の形状に対応する形状に形成されたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の砥面検査装置。
  7. 前記制御装置は、
    前記研削工具の砥面と前記加圧部材との間に挟持された状態で圧力検出シートに記録された前記研削工具の砥面に対する加圧部材の圧力分布を表す画像をイメージデータとして取り込む手段と、
    前記取り込まれた圧力分布を表す画像をもとに、前記砥面において前記砥粒が所定の密度以上で密集する検査対象部位を抽出する手段と、
    前記撮像装置から出力された撮像画像データから、前記抽出された検査対象部位に対応する部分画像データを抽出する手段と、
    前記抽出された部分画像データから前記砥粒を表す画像を抽出し、当該抽出された砥粒を表す画像をもとに前記砥粒の状態を解析する手段と
    を備えることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の砥面検査装置。
  8. 砥粒を散設した砥面が弾性を有する研削工具の前記砥面の状態を検査する砥面検査方法であって、
    加圧装置により、透明材料からなる加圧部材を、前記研削工具の砥面に対し圧力値をステップ的に変化させながら押し付ける工程と、
    撮像装置により、前記圧力値がステップ的に変化するごとに前記加圧部材を透して前記研削工具の砥面を撮像し、その撮像画像データを得る工程と、
    制御装置により、前記撮像画像データに対し所定の画像処理を行って当該撮像画像データから前記砥粒を表す画像を抽出し、当該抽出された砥粒を表す画像をもとに前記砥粒の状態を解析する工程と
    を具備することを特徴とする砥面検査方法。
  9. 前記制御装置が、
    前記研削工具の砥面と前記加圧部材との間に挟持された状態で圧力検出シートに記録された前記研削工具の砥面に対する加圧部材の圧力分布を表す画像をイメージデータとして取り込む工程と、
    前記取り込まれた圧力分布を表す画像をもとに、前記砥面において前記砥粒が所定の密度以上密集する検査対象部位を抽出する工程と、
    前記撮像装置から出力された撮像画像データから、前記抽出された検査対象部位に対応する部分画像データを抽出する工程と、
    前記抽出された部分画像データから前記砥粒を表す画像を抽出し、当該抽出された砥粒を表す画像をもとに前記砥粒の状態を解析する工程と
    を備えることを特徴とする請求項8に記載の砥面検査方法。
  10. 請求項7記載の砥面検査装置の制御装置が備える各手段による処理を、前記制御装置が有するプロセッサに実行させるプログラム。
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