JP2017103211A - 非水電解液二次電池用セパレータおよびその利用 - Google Patents
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Abstract
【課題】耐電圧特性に優れた非水電解液二次電池用セパレータを提供する。【解決手段】非水電解液二次電池用セパレータは、膜厚が20μm以下であり、ブロッキング試験で測定される剥離強度が0.2N以上であり、ブロッキング試験前後の突刺強度の変化率が15%以下である。ブロッキング試験は、80mm×80mmの2枚のセパレータを、100mm×100mmの治具で挟み込み、3.5kgの荷重をかけながら133℃±1℃の雰囲気下で30分静置した後、前記荷重を取り除き、室温まで冷却した後に、27mm×80mmの試験片に切り出し、当該試験片に対して100mm/minの条件で剥離強度を測定する試験である。【選択図】なし
Description
本発明は、非水電解液二次電池用セパレータおよびその利用に関する。より具体的には、本発明は、非水電解液二次電池用セパレータ、当該非水電解液二次電池用セパレータを用いた非水電解液二次電池用積層セパレータ、非水電解液二次電池用部材、および非水電解液二次電池に関する。
リチウム二次電池等の非水電解液二次電池は、現在、パーソナルコンピュータ、携帯電話、携帯情報端末等の機器に用いる電池として広く使用されている。
リチウム二次電池に代表される非水電解液二次電池は、エネルギー密度が高く、それ故に、電池の破損或いは電池を用いている機器の破損によって内部短絡又は外部短絡が生じた場合には、大電流が流れて発熱することがある。そのため、非水電解液二次電池には、一定量以上の発熱を防止することによって、高い安全性を確保することが求められている。
ところで、非水電解液二次電池において、正極と負極との間に配置されるセパレータとして、多孔質フィルムが広く使用されている。多孔質フィルムからなるセパレータは、両電極間での短絡を防ぐ機能を有しており、信頼性(安全性)に大きく寄与している。例えば、特許文献1〜3には、積層された電極間にずれが生じることを抑制し、安全性を高めるために、セパレータを構成する2枚の多孔質フィルムの表面同士を熱融着させて袋状にする技術が開示されている。
上記のようにセパレータを袋状にした場合であっても、正極と負極との間の電圧によってセパレータが部分的に劣化すると、その箇所で短絡が生じる可能性がある。
本発明は、このような問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、耐電圧特性に優れた非水電解液二次電池用セパレータ、当該非水電解液二次電池用セパレータを用いた非水電解液二次電池用積層セパレータ、非水電解液二次電池用部材、および非水電解液二次電池を提供することにある。
本発明者は、非水電解液二次電池用セパレータにおけるブロッキング試験により測定された剥離強度と、非水電解液二次電池用セパレータにおけるブロッキング試験前後の突刺強度の変化率とが、耐電圧特性に関係することに着目し、当該剥離強度および当該突刺強度の変化率を所定範囲内にすることにより、耐電圧特性に優れた非水電解液二次電池用セパレータを実現できることを見出して、本発明を完成するに至った。
なお、特許文献4には、重量平均分子量や固有粘度を規定することより突刺強度に優れたセパレータを形成することが記載されている。しかしながら、特許文献4では、突刺強度のみを評価しているだけであり、ブロッキング試験により測定された剥離強度、ブロッキング試験前後における突刺強度の変化率、および、当該剥離強度と突刺強度の変化率と耐電圧特性との関連性について、一切開示も示唆もされていない。
本発明に係る非水電解液二次電池用セパレータは、前記の問題を解決するためのものであり、ポリオレフィン系樹脂を主成分とする多孔質フィルムであって、ブロッキング試験で測定される剥離強度が0.2N以上であり、前記ブロッキング試験前の突刺強度に対する、前記ブロッキング試験後の突刺強度の変化率が15%以下であることを特徴とする。なお、前記ブロッキング試験は、80mm×80mmの2枚の前記非水電解液二次電池用セパレータを、100mm×100mmの治具で挟み込み、3.5kgの荷重をかけながら133℃±1℃の雰囲気下で30分静置した後、前記荷重を取り除き、室温まで冷却した後に、27mm×80mmの試験片に切り出し、当該試験片に対して100mm/minの条件で剥離強度を測定する試験である。
前記非水電解液二次電池用セパレータは、好ましくは膜厚が20μm以下である。
また、本発明に係る非水電解液二次電池用積層セパレータは、上記非水電解液二次電池用セパレータと、多孔質層とを備えることを特徴としている。
また、本発明に係る非水電解液二次電池用部材は、正極と、上記非水電解液二次電池用セパレータ又は上記非水電化液二次電池用積層セパレータと、負極とがこの順で配置されてなることを特徴としている。
また、本発明に係る非水電解液二次電池は、上記の非水電解液二次電池用セパレータ又は上記非水電化液二次電池用積層セパレータを含むことを特徴とする。
本発明によれば、耐電圧特性に優れた非水電解液二次電池用セパレータおよび非水電解液二次電池を実現できる効果を奏する。
本発明の一実施形態について以下に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明は、以下に説明する各構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
〔実施形態1.非水電解液二次電池用セパレータ〕
本発明に係る非水電解液二次電池用セパレータ(以下、セパレータということがある)は、ポリオレフィン系樹脂を主成分とする多孔質フィルムであり、非水電解液二次電池において正極と負極との間に配置される。
本発明に係る非水電解液二次電池用セパレータ(以下、セパレータということがある)は、ポリオレフィン系樹脂を主成分とする多孔質フィルムであり、非水電解液二次電池において正極と負極との間に配置される。
セパレータは、ポリオレフィン系樹脂を主成分とする多孔質かつ膜状の基材(ポリオレフィン系多孔質基材)であればよく、その内部に連結した細孔を有す構造を有し、一方の面から他方の面に気体や液体が透過可能であるフィルムである。
セパレータは、電池が発熱したときに溶融して、無孔化することにより、非水電解液二次電池にシャットダウン機能を付与するものである。セパレータは、1つ層からなるものであってもよいし、複数の層から形成されるものであってもよい。
セパレータの膜厚は、好ましくは20μm以下である。より好ましくは16μm以下であり、さらに好ましくは11μm以下である。また、好ましくは4μm以上であり、より好ましくは5μm以上であり、さらに好ましくは6μm以上である。すなわち、好ましくは4μm以上20μm以下である。
本発明のセパレータは、JIS K6404−14に準拠したブロッキング試験で測定された剥離強度が0.2N以上であり、0.3N以上であることが好ましく、0.35N以上であることがより好ましい。また、通常、2N以下であり、1N以下であってもよい。ここで、ブロッキング試験は、80mm×80mmの2枚のセパレータを、100mm×100mmの治具で挟み込み、3.5kgの荷重をかけながら133℃±1℃の雰囲気下で30分静置した後、荷重を取り除き、室温まで冷却した後に、27mm×80mmの試験片に切り出し、当該試験片に対して100mm/minの条件でオートグラフによって剥離強度を測定する試験である。
ブロッキング試験で測定される剥離強度は、セパレータの孔の構造の緻密性に関係しており、当該緻密性が高いほど剥離強度も高くなる。そのため、ブロッキング試験で測定される剥離強度が0.2N以上である場合、セパレータの孔の構造が緻密であり、その結果、強度が高く、耐電圧特性が向上する。
さらに、上記ブロッキング試験で測定された剥離強度が0.2N以上である場合、2枚のセパレータを袋状に形成するための充分なヒートシール性を有する傾向がある。これにより、袋状のセパレータを安定して形成することができ、非水電解液二次電池の安全性を維持することができる。
下記ヒートシール試験で測定されるセパレータのヒートシール性は、7N以上であればよく、好ましくは、10N以上である。
(ヒートシール性試験)
80mm×80mmの2枚の試験サンプルを、テクノインパルス社製クリップシーラーZ−1にて一辺をシールする。シール条件は、140℃、1秒である。一辺がシールされた試験サンプルを27mm×80mmに切り出し、島津製作所製オートグラフAGS−50NXにより、100mm/minの条件で剥離強度を測定する。同一の試験サンプルにつき、3回の測定を行い、平均値をとる。
(ヒートシール性試験)
80mm×80mmの2枚の試験サンプルを、テクノインパルス社製クリップシーラーZ−1にて一辺をシールする。シール条件は、140℃、1秒である。一辺がシールされた試験サンプルを27mm×80mmに切り出し、島津製作所製オートグラフAGS−50NXにより、100mm/minの条件で剥離強度を測定する。同一の試験サンプルにつき、3回の測定を行い、平均値をとる。
また、セパレータは、前記ブロッキング試験の前後における突刺強度の変化率が15%以下であり、10%以下であることが好ましく、5%以下であることがより好ましい。また、通常、0.1%以上であり、1%以上であってもよい。ここで、突刺強度は、径1mm、先端0.5Rのピンを200mm/minで突き刺したときの最大応力(gf)により測定される。また、突刺強度の変化率は、ブロッキング試験前の突刺強度に対するブロッキング試験後の突刺強度の変化率の絶対値を示しており、100×|(ブロッキング試験後の突刺強度)−(ブロッキング試験前の突刺強度)|/(ブロッキング試験前の突刺強度)で表される。
突刺強度の変化率の大きさは、ブロッキング試験の前後で膜形状に生じた変化量に比例する。ブロッキング試験の荷重による膜形状の変化量は、セパレータの網目を構成している構造の強度に起因しており、当該構造の強度が強いほど耐電圧特性が高くなる。そのため、ブロッキング試験の前後における突刺強度の変化率が15%以下である場合、セパレータは、強固な構造を有し、非水電解液二次電池のセパレータとして充分な耐電圧特性を有することができる。
なお、セパレータの突刺強度は、2N以上が好ましく、3N以上がより好ましい。突刺強度が小さすぎると、電池組立プロセスの正負極とセパレータとの積層捲回操作や、捲回群の圧締操作、または電池に外部から圧力がかけられた場合等において、正負極活物質粒子によってセパレータが突き破られ、正負極が短絡するおそれがある。
セパレータの体積基準の空隙率は、電解液の保持量を高めると共に、過大電流が流れることをより低温で確実に阻止(シャットダウン)する機能を得ることができるように、0.2〜0.8(20〜80体積%)であることが好ましく、0.3〜0.75(30〜75体積%)であることがより好ましい。また、セパレータが有する細孔の平均径(平均細孔径)は、充分なイオン透過性を得ることができ、かつ、正極や負極への粒子の入り込みを防止することができるように、0.3μm以下であることが好ましく、0.14μm以下であることがより好ましい。
上記セパレータの平均細孔径を制御する方法としては、例えば、孔径を小さくする場合、セパレータの製膜時に無機フィラー等の開孔剤又は相分離剤の分散状態を均一化させる方法、無機フィラー開孔剤の粒径を微細化する方法、相分離剤を含んだ状態で延伸する方法、及び低い延伸倍率で延伸する方法等の方法が挙げられる。また、上記セパレータの空隙率を制御する方法としては、例えば、高空隙率のセパレータを得る場合、ポリオレフィン系樹脂に対する無機フィラー等の開孔剤又は相分離剤の量を多くする方法、相分離剤除去した後に延伸する方法、及び高い延伸倍率で延伸する方法等の方法が挙げられる。
セパレータの平均細孔径が減少すると、基材内部の細孔へ上記電解液を導入する駆動力になると推定される毛細管力が増大すると考えられる。また、平均細孔径が小さいことで、リチウム金属によるデンドライト(樹枝状晶)の生成を抑制することができる。
また、セパレータの空隙率が増大すると、上記電解液が浸透できないポリオレフィン系樹脂が存在する箇所の体積が減少すると考えられる。
セパレータにおけるポリオレフィン成分の割合は、セパレータ全体の、通常50体積%以上であり、90体積%以上であることが好ましく、95体積%以上であることがより好ましい。セパレータのポリオレフィン成分には、重量平均分子量が5×105〜15×106の高分子量成分が含まれていることが好ましい。特にセパレータのポリオレフィン成分として重量平均分子量100万以上のポリオレフィン成分が含まれることにより、セパレータ、及びセパレータと多孔質層とを備える非水電解液二次電池用積層セパレータの強度が高くなるため好ましい。
セパレータを構成するポリオレフィン系樹脂としては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセンなどを重合した高分子量の単独重合体又は共重合体を挙げることができる。セパレータは、これらのポリオレフィン系樹脂を単独にて含む層、及び/又は、これらのポリオレフィン系樹脂の2種以上を含む層、であり得る。特に、エチレンを主体とする高分子量のポリエチレンが好ましい。なお、セパレータは、当該層の機能を損なわない範囲で、ポリオレフィン以外の成分を含むことを妨げない。
セパレータの透気度は、通常、ガーレ値で30〜500秒/100ccの範囲であり、好ましくは、50〜300秒/100ccの範囲である。セパレータが、前記範囲の透気度を有すると、十分なイオン透過性を得ることができる。
セパレータの目付は、強度、膜厚、ハンドリング性及び重量、さらには、非水電解液二次電池に用いた場合の当該電池の重量エネルギー密度や体積エネルギー密度を高くできる点で、通常、4〜20g/m2であり、4〜12g/m2が好ましく、5〜10g/m2がより好ましい。
次に、セパレータの製造方法について説明する。例えば、熱可塑性樹脂に炭酸カルシウム又は可塑剤等の孔形成剤を加えてフィルム成形した後、該孔形成剤を適当な溶媒で除去する方法で得られたシートを、延伸することで、セパレータを製造すればよい。ここで、延伸時の熱固定温度を調整することで、前記のブロッキング試験で測定される剥離強度が0.2N以上であり、かつ、ブロッキング試験前後の突刺強度の変化率が15%以内であるセパレータを製造することができる。具体的には、熱固定温度を上げることで、前記のブロッキング試験で測定される剥離強度を高めることができるとともに、突刺強度の変化率を低く抑えることができる。なお、延伸時の熱固定温度は、セパレータを構成する樹脂材料に応じて適宜設定される。
具体的には、例えば、セパレータが、超高分子量ポリエチレン及び重量平均分子量1万以下の低分子量ポリオレフィンを含むポリオレフィン樹脂から形成されてなる場合には、以下に示すような方法により製造することが好ましい。
(1)超高分子量ポリエチレン100重量部と、重量平均分子量1万以下の低分子量ポリオレフィン5〜200重量部と、炭酸カルシウム等の孔形成剤100〜400重量部とを混練してポリオレフィン樹脂組成物を得る工程
(2)ポリオレフィン樹脂組成物を用いてシートを成形する工程
(3)工程(2)で得られたシート中から孔形成剤を除去する工程
(4)工程(3)で得られたシートを延伸してセパレータを得る工程。
(1)超高分子量ポリエチレン100重量部と、重量平均分子量1万以下の低分子量ポリオレフィン5〜200重量部と、炭酸カルシウム等の孔形成剤100〜400重量部とを混練してポリオレフィン樹脂組成物を得る工程
(2)ポリオレフィン樹脂組成物を用いてシートを成形する工程
(3)工程(2)で得られたシート中から孔形成剤を除去する工程
(4)工程(3)で得られたシートを延伸してセパレータを得る工程。
〔実施形態2.非水電解液二次電池用積層セパレータ〕
さらに、本発明の非水電解液二次電池用セパレータは、接着層や耐熱層、保護層等の公知の多孔質層を備えていてもよい。本明細書において、非水電解液二次電池用セパレータと、多孔質層とを備えるセパレータのことを非水電解液二次電池用積層セパレータ(以下、積層セパレータということがある)という。
さらに、本発明の非水電解液二次電池用セパレータは、接着層や耐熱層、保護層等の公知の多孔質層を備えていてもよい。本明細書において、非水電解液二次電池用セパレータと、多孔質層とを備えるセパレータのことを非水電解液二次電池用積層セパレータ(以下、積層セパレータということがある)という。
多孔質層は、必要に応じて、セパレータの片面または両面に積層される。多孔質層を構成する樹脂は、電池の電解液に不溶であり、また、その電池の使用範囲において電気化学的に安定であることが好ましい。セパレータの片面に多孔質層が積層される場合には、当該多孔質層は、好ましくは、非水電解液二次電池としたときの、セパレータにおける正極と対向する面に積層され、より好ましくは正極と接する面に積層される。
非水電解液二次電池の耐電圧特性は、上記のとおりポリオレフィン系樹脂を主成分とする多孔質フィルムであるセパレータの物性に影響される傾向がある。すなわち、優れた耐電圧特性を有するセパレータを備える積層セパレータは、当該セパレータと同様に優れた耐電圧特性を示す。
なお、積層セパレータに含まれるセパレータの、前記ブロッキング試験で測定される剥離強度、前記ブロッキング試験前の突刺強度、及び前記ブロッキング試験後の突刺強度等の物性は、積層セパレータから多孔質層を剥離除去してから測定すればよい。
多孔質層を構成する樹脂としては、具体的には、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチレン−プロピレン共重合体等のポリオレフィン;ポリフッ化ビニリデン(PVDF)やポリテトラフルオロエチレン等の含フッ素樹脂;フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体やエチレン−テトラフルオロエチレン共重合体等の含フッ素ゴム;芳香族ポリアミド;全芳香族ポリアミド(アラミド樹脂);スチレン−ブタジエン共重合体およびその水素化物、メタクリル酸エステル共重合体、アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレンプロピレンラバー、ポリ酢酸ビニル等のゴム類;ポリフェニレンエーテル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルアミド、ポリエステル等の融点やガラス転移温度が180℃以上の樹脂;ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、セルロースエーテル、アルギン酸ナトリウム、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリメタクリル酸等の水溶性ポリマー等が挙げられる。
また、上記芳香族ポリアミドとしては、具体的には、例えば、ポリ(パラフェニレンテレフタルアミド)、ポリ(メタフェニレンイソフタルアミド)、ポリ(パラベンズアミド)、ポリ(メタベンズアミド)、ポリ(4,4’−ベンズアニリドテレフタルアミド)、ポリ(パラフェニレン−4,4’−ビフェニレンジカルボン酸アミド)、ポリ(メタフェニレン−4,4’−ビフェニレンジカルボン酸アミド)、ポリ(パラフェニレン−2,6−ナフタレンジカルボン酸アミド)、ポリ(メタフェニレン−2,6−ナフタレンジカルボン酸アミド)、ポリ(2−クロロパラフェニレンテレフタルアミド)、パラフェニレンテレフタルアミド/2,6−ジクロロパラフェニレンテレフタルアミド共重合体、メタフェニレンテレフタルアミド/2,6−ジクロロパラフェニレンテレフタルアミド共重合体等が挙げられる。このうち、ポリ(パラフェニレンテレフタルアミド)がより好ましい。
上記樹脂のうち、含フッ素樹脂、および芳香族ポリアミドがより好ましく、含フッ素樹脂の中でも、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、フッ化ビニリデン(VDF)とヘキサフルオロプロピレン(HFP)との共重合体等のポリフッ化ビニリデン系樹脂がより好ましく、PVDFがさらに好ましい。
ポリフッ化ビニリデン系樹脂を含む多孔質層は、電極との接着性に優れており、接着層として機能する。また、芳香族ポリアミドを含む多孔質層は、耐熱性に優れており、耐熱層として機能する。
上記多孔質層は、フィラーを含んでもよい。多孔質層がフィラーを含む場合には、上記樹脂は、バインダー樹脂としての機能を有することとなる。フィラーとしては特に限定されるものではなく、有機物からなるフィラーであってもよく、無機物からなるフィラーであってもよい。
有機物からなるフィラーとしては、具体的には、例えば、スチレン、ビニルケトン、アクリロニトリル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート、アクリル酸メチル等の単量体の単独重合体或いは2種類以上の共重合体;ポリテトラフルオロエチレン、4フッ化エチレン−6フッ化プロピレン共重合体、4フッ化エチレン−エチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン等の含フッ素樹脂;メラミン樹脂;尿素樹脂;ポリエチレン;ポリプロピレン;ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸;等からなるフィラーが挙げられる。
無機物からなるフィラーとしては、具体的には、例えば、炭酸カルシウム、タルク、クレー、カオリン、シリカ、ハイドロタルサイト、珪藻土、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、窒化チタン、アルミナ(酸化アルミニウム)、窒化アルミニウム、マイカ、ゼオライト、ガラス等の無機物からなるフィラーが挙げられる。フィラーは、1種類のみを用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
上記フィラーのうち、無機物からなるフィラーが好適であり、シリカ、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、アルミナ、マイカ、ゼオライト等の無機酸化物からなるフィラーがより好ましく、シリカ、酸化マグネシウム、酸化チタン、およびアルミナからなる群から選択される少なくとも1種のフィラーがさらに好ましく、アルミナが特に好ましい。アルミナには、α−アルミナ、β−アルミナ、γ−アルミナ、θ−アルミナ等の多くの結晶形が存在するが、何れも好適に使用することができる。この中でも、熱的安定性および化学的安定性が特に高いため、α−アルミナが最も好ましい。
フィラーの形状は、原料である有機物または無機物の製造方法や、多孔質層を形成するための塗工液を作製するときのフィラーの分散条件等によって変化し、球形、長円形、短形、瓢箪形等の形状、或いは特定の形状を有さない不定形等、何れの形状であってもよい。
多孔質層がフィラーを含んでいる場合において、フィラーの含有量は、多孔質層の1〜99体積%であることが好ましく、5〜95体積%であることがより好ましい。フィラーの含有量を上記範囲とすることにより、フィラー同士の接触によって形成される空隙が、樹脂等によって閉塞されることが少なくなり、充分なイオン透過性を得ることができると共に、単位面積当たりの目付を適切な値にすることができる。
本発明においては、通常、上記樹脂を溶媒に溶解させると共に、上記フィラーを分散させることにより、多孔質層を形成するための塗工液を作製する。
上記溶媒(分散媒)は、多孔質フィルムに悪影響を及ぼさず、上記樹脂を均一かつ安定に溶解し、上記フィラーを均一かつ安定に分散させることができればよく、特に限定されるものではない。上記溶媒(分散媒)としては、具体的には、例えば、水;メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、t−ブチルアルコール等の低級アルコール;アセトン、トルエン、キシレン、ヘキサン、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド;等が挙げられる。上記溶媒(分散媒)は、1種類のみを用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
塗工液は、所望の多孔質層を得るのに必要な樹脂固形分(樹脂濃度)やフィラー量等の条件を満足することができれば、どのような方法で形成されてもよい。塗工液の形成方法としては、具体的には、例えば、機械攪拌法、超音波分散法、高圧分散法、メディア分散法等が挙げられる。
また、例えば、スリーワンモーター、ホモジナイザー、メディア型分散機、圧力式分散機等の従来公知の分散機を使用してフィラーを溶媒(分散媒)に分散させてもよい。さらに、樹脂を溶解若しくは膨潤させた液、或いは樹脂の乳化液を、所望の平均粒子径を有するフィラーを得るための湿式粉砕時に、湿式粉砕装置内に供給し、フィラーの湿式粉砕と同時に塗工液を調製することもできる。つまり、フィラーの湿式粉砕と塗工液の調製とを一つの工程で同時に行ってもよい。
また、上記塗工液は、本発明の目的を損なわない範囲で、上記樹脂およびフィラー以外の成分として、分散剤や可塑剤、界面活性剤、pH調整剤等の添加剤を含んでいてもよい。尚、添加剤の添加量は、本発明の目的を損なわない範囲であればよい。
塗工液のセパレータへの塗布方法、つまり、必要に応じて親水化処理が施されたセパレータの表面への多孔質層の形成方法は、特に制限されるものではない。セパレータの両面に多孔質層を積層する場合においては、セパレータの一方の面に多孔質層を形成した後、他方の面に多孔質層を形成する逐次積層方法や、セパレータの両面に多孔質層を同時に形成する同時積層方法を適用することができる。
多孔質層の形成方法としては、例えば、塗工液をセパレータの表面に直接塗布した後、溶媒(分散媒)を除去する方法;塗工液を適当な支持体に塗布し、溶媒(分散媒)を除去して多孔質層を形成した後、この多孔質層とセパレータとを圧着させ、次いで支持体を剥がす方法;塗工液を適当な支持体に塗布した後、塗布面に多孔質フィルムを圧着させ、次いで支持体を剥がした後に溶媒(分散媒)を除去する方法;および、塗工液中にセパレータを浸漬し、ディップコーティングを行った後に溶媒(分散媒)を除去する方法;等が挙げられる。
多孔質層の厚さは、塗工後の湿潤状態(ウェット)の塗工膜の厚さ、樹脂と微粒子との重量比、塗工液の固形分濃度(樹脂濃度と微粒子濃度との和)等を調節することによって制御することができる。尚、支持体として、例えば、樹脂製のフィルム、金属製のベルト、またはドラム等を用いることができる。
上記塗工液をセパレータまたは支持体に塗布する方法は、必要な目付や塗工面積を実現し得る方法であればよく、特に制限されるものではない。塗工液の塗布方法としては、従来公知の方法を採用することができる。このような方法として、具体的には、例えば、グラビアコーター法、小径グラビアコーター法、リバースロールコーター法、トランスファロールコーター法、キスコーター法、ディップコーター法、ナイフコーター法、エアドクターブレードコーター法、ブレードコーター法、ロッドコーター法、スクイズコーター法、キャストコーター法、バーコーター法、ダイコーター法、スクリーン印刷法、およびスプレー塗布法等が挙げられる。
溶媒(分散媒)の除去方法は、乾燥による方法が一般的である。乾燥方法としては、自然乾燥、送風乾燥、加熱乾燥、および減圧乾燥等が挙げられるが、溶媒(分散媒)を充分に除去することができるのであれば如何なる方法でもよい。上記乾燥には、通常の乾燥装置を用いることができる。
また、塗工液に含まれる溶媒(分散媒)を他の溶媒に置換してから乾燥を行ってもよい。溶媒(分散媒)を他の溶媒に置換してから除去する方法としては、例えば、塗工液に含まれる溶媒(分散媒)に溶解し、かつ、塗工液に含まれる樹脂を溶解しない他の溶媒(以下、溶媒X)を使用し、塗工液が塗布されて塗膜が形成されたセパレータまたは支持体を上記溶媒Xに浸漬し、セパレータ上または支持体上の塗膜中の溶媒(分散媒)を溶媒Xで置換した後に、溶媒Xを蒸発させる方法が挙げられる。この方法によれば、塗工液から溶媒(分散媒)を効率よく除去することができる。
尚、セパレータまたは支持体に形成された塗工液の塗膜から溶媒(分散媒)或いは溶媒Xを除去するために加熱を行う場合には、多孔質フィルムの細孔が収縮して透気度が低下することを回避するために、セパレータの透気度が低下しない温度、具体的には、10〜120℃、より好ましくは20〜80℃で行うことが望ましい。
上述した方法により形成される上記多孔質層の膜厚は、セパレータを基材として用い、セパレータの片面または両面に多孔質層を積層して積層セパレータを形成する場合においては、0.5〜15μm(片面当たり)であることが好ましく、2〜10μm(片面当たり)であることがより好ましい。
多孔質層の膜厚が1μm以上(片面においては0.5μm以上)であることが、当該多孔質層を備える非水電解液二次電池用積層セパレータにおいて、電池の破損等による内部短絡を充分に防止することができ、また、多孔質層における電解液の保持量を維持できるという面において好ましい。一方、多孔質層の膜厚が両面の合計で30μm以下(片面においては15μm以下)であることが、当該多孔質層を備える非水電解液二次電池用積層セパレータ全域におけるリチウムイオン等のイオンの透過抵抗の増加を抑制し、充放電サイクルを繰り返した場合の正極の劣化、レート特性やサイクル特性の低下を防ぐことができる面、並びに、正極および負極間の距離の増加を抑えることにより非水電解液二次電池の大型化を防ぐことができる面において好ましい。
多孔質層の物性に関する下記説明においては、多孔質フィルムの両面に多孔質層が積層される場合には、非水電解液二次電池としたときの、多孔質フィルムにおける正極と対向する面に積層された多孔質層の物性を少なくとも指す。
多孔質層の単位面積当たりの目付(片面当たり)は、非水電解液二次電池用積層セパレータの強度、膜厚、重量、およびハンドリング性を考慮して適宜決定すればよいものの、非水電解液二次電池用積層セパレータを部材として含む非水電解液二次電池の重量エネルギー密度や体積エネルギー密度を高くすることができるように、通常、1〜20g/m2であることが好ましく、4〜10g/m2であることがより好ましい。多孔質層の目付が上記範囲内であることが、当該多孔質層を備える非水電解液二次電池用積層セパレータを部材とする非水電解液二次電池の重量エネルギー密度や体積エネルギー密度を高くすることができ、当該電池の重量が軽くなるため好ましい。
多孔質層の空隙率は、当該多孔質層を備える非水電解液二次電池用積層セパレータが充分なイオン透過性を得ることができるという面において、20〜90体積%であることが好ましく、30〜70体積%であることがより好ましい。また、多孔質層が有する細孔の孔径は、当該多孔質層を備える非水電解液二次電池用積層セパレータが充分なイオン透過性を得ることができるという面において、1μm以下であることが好ましく、0.5μm以下であることがより好ましい。
上記積層セパレータの透気度は、ガーレ値で30〜1000 sec/100mLであることが好ましく、50〜800 sec/100mLであることがより好ましい。積層セパレータが上記透気度を有することにより、上記積層セパレータを非水電解液二次電池用の部材として使用した場合に、充分なイオン透過性を得ることができる。
透気度が上記範囲を超える場合には、積層セパレータの空隙率が高いために積層セパレータの積層構造が粗になっていることを意味し、結果としてセパレータの強度が低下して、特に高温での形状安定性が不充分になるおそれがある。一方、透気度が上記範囲未満の場合には、上記積層セパレータを非水電解液二次電池用の部材として使用した場合に、充分なイオン透過性を得ることができず、非水電解液二次電池の電池特性を低下させることがある。
〔実施形態3.非水電解液二次電池用部材、実施形態4.非水電解液二次電池〕
本発明の実施形態3に係る非水電解液二次電池用部材は、正極、本発明の実施形態1に係る非水電解液二次電池用セパレータまたは本発明の実施形態2に係る非水電解液二次電池用積層セパレータ、および負極がこの順で配置されてなる非水電解液二次電池用部材である。また、本発明の実施形態4に係る非水電解液二次電池は、本発明の実施形態1に係る非水電解液二次電池用セパレータまたは本発明の実施形態2に係る非水電解液二次電池用積層セパレータを備える。以下、非水電解液二次電池用部材として、リチウムイオン二次電池用部材を例に挙げ、非水電解液二次電池として、リチウムイオン二次電池を例に挙げて説明する。尚、上記非水電解液二次電池用セパレータ、上記非水電解液二次電池用積層セパレータ以外の非水電解液二次電池用部材、非水電解液二次電池の構成要素は、下記説明の構成要素に限定されるものではない。
本発明の実施形態3に係る非水電解液二次電池用部材は、正極、本発明の実施形態1に係る非水電解液二次電池用セパレータまたは本発明の実施形態2に係る非水電解液二次電池用積層セパレータ、および負極がこの順で配置されてなる非水電解液二次電池用部材である。また、本発明の実施形態4に係る非水電解液二次電池は、本発明の実施形態1に係る非水電解液二次電池用セパレータまたは本発明の実施形態2に係る非水電解液二次電池用積層セパレータを備える。以下、非水電解液二次電池用部材として、リチウムイオン二次電池用部材を例に挙げ、非水電解液二次電池として、リチウムイオン二次電池を例に挙げて説明する。尚、上記非水電解液二次電池用セパレータ、上記非水電解液二次電池用積層セパレータ以外の非水電解液二次電池用部材、非水電解液二次電池の構成要素は、下記説明の構成要素に限定されるものではない。
本発明に係る非水電解液二次電池においては、例えばリチウム塩を有機溶媒に溶解してなる非水電解液を用いることができる。リチウム塩としては、例えば、LiClO4、LiPF6、LiAsF6、LiSbF6、LiBF4、LiCF3SO3、LiN(CF3SO2)2、LiC(CF3SO2)3、Li2B10Cl10、低級脂肪族カルボン酸リチウム塩、LiAlCl4等が挙げられる。上記リチウム塩は、1種類のみを用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。上記リチウム塩のうち、LiPF6、LiAsF6、LiSbF6、LiBF4、LiCF3SO3、LiN(CF3SO2)2、およびLiC(CF3SO2)3からなる群から選択される少なくとも1種のフッ素含有リチウム塩がより好ましい。
非水電解液を構成する有機溶媒としては、具体的には、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、4−トリフルオロメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、1,2−ジ(メトキシカルボニルオキシ)エタン等のカーボネート類;1,2−ジメトキシエタン、1,3−ジメトキシプロパン、ペンタフルオロプロピルメチルエーテル、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルジフルオロメチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等のエーテル類;ギ酸メチル、酢酸メチル、γ−ブチロラクトン等のエステル類;アセトニトリル、ブチロニトリル等のニトリル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類;3−メチル−2−オキサゾリドン等のカーバメート類;スルホラン、ジメチルスルホキシド、1,3−プロパンサルトン等の含硫黄化合物;並びに、上記有機溶媒にフッ素基が導入されてなる含フッ素有機溶媒;等が挙げられる。上記有機溶媒は、1種類のみを用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。上記有機溶媒のうち、カーボネート類がより好ましく、環状カーボネートと非環状カーボネートとの混合溶媒、または、環状カーボネートとエーテル類との混合溶媒がさらに好ましい。環状カーボネートと非環状カーボネートとの混合溶媒としては、作動温度範囲が広く、かつ、負極活物質として天然黒鉛や人造黒鉛等の黒鉛材料を用いた場合においても難分解性を示すことから、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネートおよびエチルメチルカーボネートを含む混合溶媒がさらに好ましい。
正極としては、通常、正極活物質、導電材および結着剤を含む正極合剤を正極集電体上に担持したシート状の正極を用いる。
上記正極活物質としては、例えば、リチウムイオンをドープ・脱ドープ可能な材料が挙げられる。当該材料としては、具体的には、例えば、V、Mn、Fe、Co、Ni等の遷移金属を少なくとも1種類含んでいるリチウム複合酸化物が挙げられる。上記リチウム複合酸化物のうち、平均放電電位が高いことから、ニッケル酸リチウム、コバルト酸リチウム等のα−NaFeO2型構造を有するリチウム複合酸化物、リチウムマンガンスピネル等のスピネル型構造を有するリチウム複合酸化物がより好ましい。当該リチウム複合酸化物は、種々の金属元素を含んでいてもよく、複合ニッケル酸リチウムがさらに好ましい。さらに、Ti、Zr、Ce、Y、V、Cr、Mn、Fe、Co、Cu、Ag、Mg、Al、Ga、InおよびSnからなる群から選択される少なくとも1種の金属元素のモル数とニッケル酸リチウム中のNiのモル数との和に対して、上記少なくとも1種の金属元素の割合が0.1〜20モル%となるように当該金属元素を含む複合ニッケル酸リチウムを用いると、高容量での使用におけるサイクル特性に優れるので特に好ましい。中でもAlまたはMnを含み、かつ、Ni比率が85%以上、さらに好ましくは90%以上である活物質が、当該活物質を含む正極を備える非水電解液二次電池の高容量での使用におけるサイクル特性に優れることから、特に好ましい。
上記導電材としては、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、コークス類、カーボンブラック、熱分解炭素類、炭素繊維、有機高分子化合物焼成体等の炭素質材料等が挙げられる。上記導電材は、1種類のみを用いてもよく、例えば人造黒鉛とカーボンブラックとを混合して用いる等、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
上記結着剤としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデンの共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレンの共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテルの共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレンの共重合体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレンの共重合体、熱可塑性ポリイミド、ポリエチレン、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂が挙げられる。尚、結着剤は、増粘剤としての機能も有している。
正極合剤を得る方法としては、例えば、正極活物質、導電材および結着剤を正極集電体上で加圧して正極合剤を得る方法;適当な有機溶剤を用いて正極活物質、導電材および結着剤をペースト状にして正極合剤を得る方法;等が挙げられる。
上記正極集電体としては、例えば、Al、Ni、ステンレス等の導電体が挙げられ、薄膜に加工し易く、安価であることから、Alがより好ましい。
シート状の正極の製造方法、即ち、正極集電体に正極合剤を担持させる方法としては、例えば、正極合剤となる正極活物質、導電材および結着剤を正極集電体上で加圧成型する方法;適当な有機溶剤を用いて正極活物質、導電材および結着剤をペースト状にして正極合剤を得た後、当該正極合剤を正極集電体に塗工し、乾燥して得られたシート状の正極合剤を加圧して正極集電体に固着する方法;等が挙げられる。
負極としては、通常、負極活物質を含む負極合剤を負極集電体上に担持したシート状の負極を用いる。
上記負極活物質としては、例えば、リチウムイオンをドープ・脱ドープ可能な材料、リチウム金属またはリチウム合金等が挙げられる。当該材料としては、具体的には、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、コークス類、カーボンブラック、熱分解炭素類、炭素繊維、有機高分子化合物焼成体等の炭素質材料;正極よりも低い電位でリチウムイオンのドープ・脱ドープを行う酸化物、硫化物等のカルコゲン化合物;アルカリ金属と合金化するアルミニウム(Al)、鉛(Pb)、錫(Sn)、ビスマス(Bi)、シリコン(Si)などの金属、アルカリ金属を格子間に挿入可能な立方晶系の金属間化合物(AlSb、Mg2Si、NiSi2)、リチウム窒素化合物(Li3-xMxN(M:遷移金属))等を用いることができる。上記負極活物質のうち、電位平坦性が高く、また平均放電電位が低いために正極と組み合わせた場合に大きなエネルギー密度が得られることから、天然黒鉛、人造黒鉛等の黒鉛材料を主成分とする炭素質材料がより好ましく、黒鉛とシリコンの混合物であって、そのCに対するSiの比率が5%以上のものがより好ましく、10%以上である負極活物質がさらに好ましい。
負極合剤を得る方法としては、例えば、負極活物質を負極集電体上で加圧して負極合剤を得る方法;適当な有機溶剤を用いて負極活物質をペースト状にして負極合剤を得る方法;等が挙げられる。
上記負極集電体としては、例えば、Cu、Ni、ステンレス等が挙げられ、特にリチウムイオン二次電池においてはリチウムと合金を作り難く、かつ薄膜に加工し易いことから、Cuがより好ましい。
シート状の負極の製造方法、即ち、負極集電体に負極合剤を担持させる方法としては、例えば、負極合剤となる負極活物質を負極集電体上で加圧成型する方法;適当な有機溶剤を用いて負極活物質をペースト状にして負極合剤を得た後、当該負極合剤を負極集電体に塗工し、乾燥して得られたシート状の負極合剤を加圧して負極集電体に固着する方法;等が挙げられる。
上記正極と、非水電解液二次電池用セパレータ又は非水電解液二次電池用積層セパレータと、負極とをこの順で配置して本発明に係る非水電解液二次電池用部材を形成した後、非水電解液二次電池の筐体となる容器に当該非水電解液二次電池用部材を入れ、次いで、当該容器内を非水電解液で満たした後、減圧しつつ密閉することにより、本発明に係る非水電解液二次電池を製造することができる。非水電解液二次電池の形状は、特に限定されるものではなく、薄板(ペーパー)型、円盤型、円筒型、直方体等の角柱型等のどのような形状であってもよい。尚、非水電解液二次電池の製造方法は、特に限定されるものではなく、従来公知の製造方法を採用することができる。
<各種物性の測定方法>
以下の実施例および比較例に係るセパレータの各種物性を、以下の方法で測定した。
以下の実施例および比較例に係るセパレータの各種物性を、以下の方法で測定した。
(1)膜厚
JIS K7130に準拠して、ミツトヨ製VL−50Aにて測定を行った。
JIS K7130に準拠して、ミツトヨ製VL−50Aにて測定を行った。
(2)ブロッキング試験
JIS K6404−14に準拠して、以下の方法によりブロッキング試験を行った。セパレータから80mm×80mmの試験サンプルを2枚切り出した後、当該2枚の試験サンプルを、100mm×100mm、厚み3mmの2枚のガラス基板に挟み、3.5kgの荷重をかけ、133℃±1℃の雰囲気下で30分静置した。そして、荷重を取り除いてから室温まで放冷後、試験サンプルを27mm×80mmに切り出し、島津製作所製オートグラフAGS−50NXにより、100mm/minの条件で剥離強度を測定した。なお、同一の試験サンプルにつき、3回の測定を行い、平均値をとった。
JIS K6404−14に準拠して、以下の方法によりブロッキング試験を行った。セパレータから80mm×80mmの試験サンプルを2枚切り出した後、当該2枚の試験サンプルを、100mm×100mm、厚み3mmの2枚のガラス基板に挟み、3.5kgの荷重をかけ、133℃±1℃の雰囲気下で30分静置した。そして、荷重を取り除いてから室温まで放冷後、試験サンプルを27mm×80mmに切り出し、島津製作所製オートグラフAGS−50NXにより、100mm/minの条件で剥離強度を測定した。なお、同一の試験サンプルにつき、3回の測定を行い、平均値をとった。
(3)突刺強度
セパレータを直径12mmのワッシャで固定し、ピンを200mm/minで突き刺したときの最大応力(gf)を該セパレータの突刺強度とした。ピンは、ピン径1mm、先端0.5Rのものを使用した。そして、上記ブロッキング試験前の1枚のセパレータについて測定した突刺強度に対する、ブロッキング試験後の1枚のセパレータについて測定した突刺強度の変化率(=100×|(ブロッキング試験後の突刺強度)−(ブロッキング試験前の突刺強度)|/(ブロッキング試験前の突刺強度))を算出した。
セパレータを直径12mmのワッシャで固定し、ピンを200mm/minで突き刺したときの最大応力(gf)を該セパレータの突刺強度とした。ピンは、ピン径1mm、先端0.5Rのものを使用した。そして、上記ブロッキング試験前の1枚のセパレータについて測定した突刺強度に対する、ブロッキング試験後の1枚のセパレータについて測定した突刺強度の変化率(=100×|(ブロッキング試験後の突刺強度)−(ブロッキング試験前の突刺強度)|/(ブロッキング試験前の突刺強度))を算出した。
(4)ヒートシール性
セパレータから80mm×80mmの試験サンプルを2枚切り出した後、当該2枚の試験サンプルを重ね合わせ、テクノインパルス社製クリップシーラーZ−1にて一辺をシールした。シール条件は、140℃、1秒である。一辺がシールされた試験サンプルを27mm×80mmに切り出し、島津製作所製オートグラフAGS−50NXにより、100mm/minの条件で剥離強度を測定した。なお、同一の試験サンプルにつき、3回の測定を行い、平均値をとった。
セパレータから80mm×80mmの試験サンプルを2枚切り出した後、当該2枚の試験サンプルを重ね合わせ、テクノインパルス社製クリップシーラーZ−1にて一辺をシールした。シール条件は、140℃、1秒である。一辺がシールされた試験サンプルを27mm×80mmに切り出し、島津製作所製オートグラフAGS−50NXにより、100mm/minの条件で剥離強度を測定した。なお、同一の試験サンプルにつき、3回の測定を行い、平均値をとった。
(5)耐電圧試験
セパレータから130mm×130mmの測定用サンプルを切り出し、菊水電子工業株式会社製の耐電圧試験機TOS−9201を用いて耐電圧試験を実施した。耐電圧試験条件は、以下の通りである。
(a)上部円柱電極(直径25mm)と下部円柱電極(直径75mm)との間に、測定用サンプルを負極で挟んだ積層体を配置し、3.8kgの荷重をかけた。
(b)電極間において、昇電圧速度40V/sにて800Vまで昇電圧した後、その電圧(800V)を60秒間維持した。
(c)デジタルスチルカメラを用いて、(b)に記載の耐電圧試験の後の積層体を写真撮影した。
(d)(c)にて撮影された写真データについて、アメリカ国立衛生研究所(NIH:National Institute of Health)が発行する画像解析のフリーソフトIMAGEJを用いて、撮影された写真データを2値化(白黒化)し、黒で表示された箇所を耐電圧不良箇所(欠損領域)としてカウントした。
(e)上記(a)〜(d)に記載の方法を10回繰り返し、その10回の平均値を耐電圧試験の欠損箇所の個数とした。
セパレータから130mm×130mmの測定用サンプルを切り出し、菊水電子工業株式会社製の耐電圧試験機TOS−9201を用いて耐電圧試験を実施した。耐電圧試験条件は、以下の通りである。
(a)上部円柱電極(直径25mm)と下部円柱電極(直径75mm)との間に、測定用サンプルを負極で挟んだ積層体を配置し、3.8kgの荷重をかけた。
(b)電極間において、昇電圧速度40V/sにて800Vまで昇電圧した後、その電圧(800V)を60秒間維持した。
(c)デジタルスチルカメラを用いて、(b)に記載の耐電圧試験の後の積層体を写真撮影した。
(d)(c)にて撮影された写真データについて、アメリカ国立衛生研究所(NIH:National Institute of Health)が発行する画像解析のフリーソフトIMAGEJを用いて、撮影された写真データを2値化(白黒化)し、黒で表示された箇所を耐電圧不良箇所(欠損領域)としてカウントした。
(e)上記(a)〜(d)に記載の方法を10回繰り返し、その10回の平均値を耐電圧試験の欠損箇所の個数とした。
<セパレータの作製>
以下のように、非水電解液二次電池に用いられる、実施例1〜3および比較例1に係るセパレータを作製した。
以下のように、非水電解液二次電池に用いられる、実施例1〜3および比較例1に係るセパレータを作製した。
(実施例1)
超高分子量ポリエチレン粉末(GUR2024、ティコナ社製)を68重量%、重量平均分子量1000のポリエチレンワックス(FNP−0115、日本精鑞社製)32重量%、この超高分子量ポリエチレンとポリエチレンワックスの合計を100重量部として、フェノール系酸化防止剤1:0.4重量%、リン系酸化防止剤2:0.1重量%、ステアリン酸ナトリウム:1.3重量%を加え、更に全体積に対して38体積%となるように平均孔径0.1μmの炭酸カルシウム(丸尾カルシウム社製)を加え、これらを粉末のままヘンシェルミキサーで混合した後、二軸混練機で溶融混練してポリオレフィン樹脂組成物とした。該ポリオレフィン樹脂組成物を表面温度が150℃一対のロールにて圧延し、シートを作成した。このシートを塩酸水溶液(塩酸4mol/L、非イオン系界面活性剤0.5重量%)に浸漬させることで炭酸カルシウムを除去し、続いて株式会社市金工業社製の一軸延伸型テンター式延伸機を用いて、熱固定領域の温度を126℃に設定して原料ポリオレフィンシートを105℃で6.2倍に延伸し、実施例1のセパレータを得た。得られたセパレータのヒートシール性は12.3Nであった。
超高分子量ポリエチレン粉末(GUR2024、ティコナ社製)を68重量%、重量平均分子量1000のポリエチレンワックス(FNP−0115、日本精鑞社製)32重量%、この超高分子量ポリエチレンとポリエチレンワックスの合計を100重量部として、フェノール系酸化防止剤1:0.4重量%、リン系酸化防止剤2:0.1重量%、ステアリン酸ナトリウム:1.3重量%を加え、更に全体積に対して38体積%となるように平均孔径0.1μmの炭酸カルシウム(丸尾カルシウム社製)を加え、これらを粉末のままヘンシェルミキサーで混合した後、二軸混練機で溶融混練してポリオレフィン樹脂組成物とした。該ポリオレフィン樹脂組成物を表面温度が150℃一対のロールにて圧延し、シートを作成した。このシートを塩酸水溶液(塩酸4mol/L、非イオン系界面活性剤0.5重量%)に浸漬させることで炭酸カルシウムを除去し、続いて株式会社市金工業社製の一軸延伸型テンター式延伸機を用いて、熱固定領域の温度を126℃に設定して原料ポリオレフィンシートを105℃で6.2倍に延伸し、実施例1のセパレータを得た。得られたセパレータのヒートシール性は12.3Nであった。
(実施例2)
超高分子量ポリエチレン粉末として、ティコナ社製のGUR4012を75重量%、ポリエチレンワックスとして、三井化学社製のハイワックス110Pを25重量%、熱固定領域の温度を115℃に設定した以外は実施例1と同様にして、セパレータを得た。得られたセパレータのヒートシール性は10.2Nであった。
超高分子量ポリエチレン粉末として、ティコナ社製のGUR4012を75重量%、ポリエチレンワックスとして、三井化学社製のハイワックス110Pを25重量%、熱固定領域の温度を115℃に設定した以外は実施例1と同様にして、セパレータを得た。得られたセパレータのヒートシール性は10.2Nであった。
(実施例3)
超高分子量ポリエチレン粉末として、ティコナ社製のGUR4032を70重量%、ポリエチレンワックスを30重量%、熱固定領域の温度を120℃に設定した以外は実施例1と同様にして、セパレータを得た。得られたセパレータのヒートシール性は7.0Nであった。
超高分子量ポリエチレン粉末として、ティコナ社製のGUR4032を70重量%、ポリエチレンワックスを30重量%、熱固定領域の温度を120℃に設定した以外は実施例1と同様にして、セパレータを得た。得られたセパレータのヒートシール性は7.0Nであった。
(比較例1)
超高分子量ポリエチレン粉末として、ティコナ社製のGUR4032を70重量%、ポリエチレンワックスを30重量%、熱固定領域の温度を115℃に設定した以外は実施例1と同様にして、セパレータを得た。得られたセパレータのヒートシール性は7.4Nであった。
超高分子量ポリエチレン粉末として、ティコナ社製のGUR4032を70重量%、ポリエチレンワックスを30重量%、熱固定領域の温度を115℃に設定した以外は実施例1と同様にして、セパレータを得た。得られたセパレータのヒートシール性は7.4Nであった。
<各種物性の測定結果>
実施例1〜3および比較例1のセパレータについて、膜厚、ブロッキング試験(剥離強度)、目付、ブロッキング試験前後の突刺強度の変化率、ヒートシール性、耐電圧試験の測定結果を表1に示す。なお、表1の耐電圧試験の測定結果において、◎は欠損箇所が10個未満、○は欠損箇所が10個以上30個未満、×は欠損箇所が30個以上を示している。また、実施例1,2,3および比較例1のセパレータのいずれにおいても、ブロッキング試験前の突刺強度は2N以上を示した。
実施例1〜3および比較例1のセパレータについて、膜厚、ブロッキング試験(剥離強度)、目付、ブロッキング試験前後の突刺強度の変化率、ヒートシール性、耐電圧試験の測定結果を表1に示す。なお、表1の耐電圧試験の測定結果において、◎は欠損箇所が10個未満、○は欠損箇所が10個以上30個未満、×は欠損箇所が30個以上を示している。また、実施例1,2,3および比較例1のセパレータのいずれにおいても、ブロッキング試験前の突刺強度は2N以上を示した。
表1に示されるように、実施例1,2,3および比較例1は、5.5〜7.4g/m2と同程度の目付を有しているものの、ブロッキング試験における剥離強度およびブロッキング試験前後の突刺強度の変化率で異なる値をとった。
耐電圧特性は、一般にセパレータの膜厚に関係し、膜厚が小さくなるほど低下するところ、最も膜厚の小さい実施例1の耐電圧特性が高く、膜厚が同程度である実施例2,3および比較例1の中では実施例2の耐電圧特性が高いことが確認された。これは、比較例1、実施例3,2,1の順でブロッキング試験前後の突刺強度の変化率が小さくなること、および実施例1,2,3においてブロッキング試験で測定される剥離強度が0.2N以上であること、と関係しており、当該突刺強度の変化率と、当該剥離強度と、耐電圧特性とが相関しているためである。表1から、突刺強度の変化率が15%以下であり、且つ、ブロッキング試験で測定される剥離強度が0.2N以上であるときに、膜厚が20μm以下のセパレータであっても、欠損箇所の個数を30個未満に抑えることができることがわかった。
また、ブロッキング試験で測定された剥離強度とヒートシール性とが相関していることがわかる。ヒートシール性の評価試験で測定された剥離強度が10N以上である実施例1および実施例2では、ヒートシール性の測定中も剥離することなく、セパレータ同士が融着していた。一方、ヒートシール性の評価試験で測定された剥離強度が10N未満である比較例1および実施例3では、容易に剥離することはないが、ヒートシール性の測定中にセパレータ同士が剥離してしまった。
以上のように、ブロッキング試験で測定された剥離強度が0.2N以上であり、かつ、ブロッキング試験前後の突刺強度の変化率が15%以下である実施例1,2,3は、膜厚20μm以下であっても耐電圧試験における欠損箇所の個数が少ないことが確認できた。特に、ブロッキング試験前後の突刺強度の変化率が5%以下である実施例1では、耐電圧試験における欠損箇所が10個未満であり、耐電圧特性に非常に優れることが確認できた。
Claims (5)
- ポリオレフィン系樹脂を主成分とする多孔質フィルムであって、
ブロッキング試験で測定される剥離強度が0.2N以上であり、
前記ブロッキング試験前の突刺強度に対する、前記ブロッキング試験後の突刺強度の変化率が15%以下であることを特徴とする非水電解液二次電池用セパレータ。
前記ブロッキング試験は、80mm×80mmの2枚の前記非水電解液二次電池用セパレータを、100mm×100mmの治具で挟み込み、3.5kgの荷重をかけながら133℃±1℃の雰囲気下で30分静置した後、前記荷重を取り除き、室温まで冷却した後に、27mm×80mmの試験片に切り出し、当該試験片に対して100mm/minの条件で剥離強度を測定する試験である。 - 膜厚が20μm以下である請求項1に記載の非水電解液二次電池用セパレータ。
- 請求項1又は2に記載の非水電解液二次電池用セパレータと、多孔質層とを備えることを特徴とする非水電解液二次電池用積層セパレータ。
- 正極と、請求項1もしくは2に記載の非水電解液二次電池用セパレータ、又は、請求項3に記載の非水電解液二次電池用積層セパレータと、負極とがこの順で配置されてなることを特徴とする、非水電解液二次電池用部材。
- 請求項1もしくは2に記載の非水電解液二次電池用セパレータ、又は、請求項3に記載の非水電解液二次電池用積層セパレータを備えることを特徴とする、非水電解液二次電池。
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- 2016-09-02 JP JP2016171906A patent/JP2017103211A/ja active Pending
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