JP2017103228A - 非水電解液二次電池用セパレータ - Google Patents

非水電解液二次電池用セパレータ Download PDF

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朋彰 大関
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Abstract

【課題】内部短絡の発生を抑制できる安全性の高い非水電解液二次電池用セパレータを提供する。【解決手段】非水電解液二次電池用セパレータは、ポリオレフィン系樹脂を主成分とする多孔質フィルムであって、エルメンドルフ引裂法にて測定される引裂強度が1.5mN/μm以上であり、かつ直角形引裂法に基づく荷重−引張伸び曲線において、荷重が、最大荷重に到達した時点から、最大荷重の25%まで減衰するまでの引張伸びの値Aが0.5mm以上であることを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、非水電解液二次電池用セパレータに関する。
非水電解液二次電池、特にリチウム二次電池は、エネルギー密度が高いのでパーソナルコンピュータ、携帯電話、携帯情報端末などに用いる電池として広く使用され、また最近では車載用の電池として開発が進められてきている。
リチウム二次電池などの非水電解液二次電池におけるセパレータとして、ポリオレフィンを主成分とする微多孔フィルムが用いられている(特許文献1)。
この微多孔フィルムは、その内部に連結した細孔を有す構造を有し、連結した細孔を介して一方の面から他方の面にイオンを含む液体が透過可能であり、正極−負極間でイオンのやり取りを行う電池用セパレータ部材として好適である。
しかしながら、近年、非水電解液二次電池の高性能化に伴い、より高い安全性を有する非水電解液二次電池が求められている。
具体的には、電池の安全性、生産性を確保するため、トラウザー引裂法(JISK 7128−1 準拠)により測定される、セパレータの引裂強度を制御することが効果的であることが知られている(特許文献2、5)。
また、フィルムの取り回し等についても、引裂強度を制御することが効果的であると知られている(特許文献3、4)。
特開2010−180341号公報(2010年8月19日公開) 特開2010−111096号公報(2010年5月20日公開) 特開2013−163763号公報(2013年8月22日公開) 国際公開第2005/028553号(2005年3月31日公開) 国際公開第2013/054884号(2013年4月18日公開)
しかしながら、トラウザー引裂法に基づく引裂強度を制御されたセパレータは、その安全性が十分に高くなく、衝撃を受けた場合、内部短絡の発生を充分に抑制できない場合がある。
上記の課題を解決するために、発明者らは、セパレータに含まれる多孔質フィルムのエルメンドルフ引裂法(JISK 7128−2 準拠)によって測定される引裂強度、および、従来、評価対象ではなかった、直角形引裂法による引裂強度測定(JIS K 7128−3 準拠)における荷重−引張伸び曲線における試料が裂け始めてからの引張伸びの大きさに注目し、上記引裂強度および引張伸びが一定の値以上の場合、当該セパレータは、内部短絡の発生を充分に抑制することができ、充分な安全性を備えることができることを発見し、本発明に想到した。
即ち、本発明は、以下の[1]〜[4]に記載の発明を含む。
[1]ポリオレフィン系樹脂を主成分とする多孔質フィルムであって、
エルメンドルフ引裂法(JIS K 7128−2準拠)にて測定される引裂強度が1.5mN/μm以上であり、かつ、
直角形引裂法による引裂強度測定(JIS K 7128−3準拠)における荷重−引張伸び曲線において、荷重が、最大荷重に到達した時点から、最大荷重の25%まで減衰するまでの引張伸びの値Aが0.5mm以上であることを特徴とする、非水電解液二次電池用セパレータ。
[2][1]に記載の非水電解液二次電池用セパレータと、多孔質層とを備えることを特徴とする非水電解液二次電池用積層セパレータ。
[3]正極と、[1]に記載の非水電解液二次電池用セパレータ、または、[2]に記載の非水電解液二次電池用積層セパレータと、負極とがこの順で配置されてなることを特徴とする、非水電解液二次電池用部材。
[4][1]に記載の非水電解液二次電池用セパレータ、または、[2]に記載の非水電解液二次電池用積層セパレータを備えることを特徴とする、非水電解液二次電池。
本発明の非水電解液二次電池用セパレータは、外部からの衝撃に対して、内部短絡の発生を抑制することができるという効果を奏する。
直角形引裂法に基づく荷重−引張伸び曲線から、最大荷重に到達した時点から、最大荷重の25%まで減衰するまでの引張伸びの値Aを算出する方法を示す模式図である。 実施例、比較例における直角形引裂法に基づく荷重−引張伸び曲線を記載した図である。 本発明の実施例における釘刺し導通試験の測定装置を示す概略の斜視図である。
[実施形態1:非水電解液二次電池用セパレータ、実施形態2:非水電解液二次電池用積層セパレータ]
本発明の実施形態1に係る発明の非水電解液二次電池用セパレータは、ポリオレフィン系樹脂を主成分とする多孔質フィルムであって、エルメンドルフ引裂法(JISK 7128−2 準拠)にて測定される引裂強度が1.5mN/μm以上であり、かつ直角形引裂法による引裂強度測定(JIS K 7128−3 準拠)における荷重−引張伸び曲線において、荷重が、最大荷重に到達した時点から、最大荷重の25%まで減衰するまでの引張伸びの値Aが0.5mm以上であることを特徴とする非水電解液二次電池用セパレータである。
また、本発明の実施形態2に係る非水電解液二次電池用積層セパレータは、本発明の実施形態1に係る発明の非水電解液二次電池用セパレータと、多孔質層とを備えることを特徴とする非水電解液二次電池用積層セパレータである。
[多孔質フィルム]
本発明における多孔質フィルムは、ポリオレフィン系樹脂を主成分とする多孔質フィルムである。また、本発明における多孔質フィルムは、微多孔膜であることが好ましい。即ち、多孔質フィルムは、その内部に連結した細孔を有する構造を有し、一方の面から他方の面に気体や液体が透過可能であるポリオレフィン系樹脂を主成分とすることが好ましい。多孔質フィルムは、1つの層から形成されるものであってもよいし、複数の層から形成されるものであってもよい。
ポリオレフィン系樹脂を主成分とする多孔質フィルムとは、多孔質フィルムにおけるポリオレフィン系樹脂成分の割合が、多孔質フィルム全体の、通常、50体積%以上であり、好ましくは90体積%以上、より好ましくは95体積%以上であることを意味する。多孔質フィルムのポリオレフィン系樹脂には、重量平均分子量が5×10〜15×10の範囲の高分子量成分が含まれていることが好ましい。多孔質フィルムのポリオレフィン系樹脂として特に重量平均分子量100万以上のポリオレフィン系樹脂が含まれることにより、多孔質フィルム、即ち、非水電解液二次電池用セパレータ全体および当該多孔質フィルムと後述する多孔質層を備える非水電解液二次電池用積層セパレータ全体の強度が高くなるためより好ましい。
ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン等を重合してなる高分子量の単独重合体(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン)または共重合体(例えば、エチレン−プロピレン共重合体)が挙げられる。多孔質フィルムは、これらのポリオレフィン系樹脂を1種類含む層、および/または、これらのポリオレフィン系樹脂の2種類以上を含む層、である。特に、過大電流が流れることをより低温で阻止(シャットダウン)することができるという面において、エチレンを主体とする高分子量のポリエチレン系樹脂が好ましい。なお、多孔質フィルムは、当該層の機能を損なわない範囲で、ポリオレフィン系樹脂以外の成分を含むことを妨げない。
多孔質フィルムの透気度は、通常、ガーレ値で30秒/100cc〜500秒/100ccの範囲であり、好ましくは、50秒/100cc〜300秒/100ccの範囲である。多孔質フィルムが、前記範囲の透気度を有すると、多孔質フィルムが非水電解液二次電池用セパレータとして、或いは後述する多孔質層を備える非水電解液二次電池用積層セパレータの部材として使用される場合に、当該セパレータ、当該積層セパレータは充分なイオン透過性を得ることができる。
多孔質フィルムの膜厚は、非水電解液二次電池用セパレータとして用いる場合は、好ましくは20μm以下、より好ましくは16μm以下、さらに好ましくは11μm以下であり、また、好ましくは4μm以上であり、より好ましくは6μm以上である。すなわち、好ましくは4μm以上、20μm以下である。また、多孔質フィルムが、当該多孔質フィルムと後述する多孔質層とを備える非水電解液二次電池用積層セパレータの部材として使用される場合には、多孔質フィルムの膜厚は、当該非水電解液二次電池用積層セパレータの積層数を勘案して適宜決定される。特に多孔質フィルムの片面(または両面)に多孔質層を形成する場合において、多孔質フィルムの膜厚は、4〜20μmであることが好ましく、6〜16μmであることがより好ましい。
多孔質フィルムを非水電解液二次電池用セパレータとして用いる場合、当該多孔質フィルムの膜厚が4μm以上であることは、電池の破損等による内部短絡を充分に防止することができるという面において好ましい。一方、多孔質フィルムの膜厚が20μm以下であることは、当該多孔質フィルムを含む非水電解二次電池用セパレータ全域におけるリチウムイオンの透過抵抗の増加を抑制し、充放電サイクルを繰り返した場合の正極の劣化、レート特性やサイクル特性の低下を防ぐことができる面、および正極および負極間の距離の増加を抑えることにより非水電解液二次電池の大型化を防ぐことができる面において好ましい。
さらに、多孔質フィルムが、当該多孔質フィルムと後述する多孔質層とを備える非水電解液二次電池用積層セパレータの部材として使用される場合には、当該多孔質フィルムの膜厚が4μm以上であることは、電池の破損等による内部短絡を充分に防止することができるという面において好ましい。一方、多孔質フィルムの膜厚が20μm以下であることは、当該多孔質フィルムを含む非水電解二次電池用セパレータ全域におけるリチウムイオンの透過抵抗の増加を抑制し、充放電サイクルを繰り返した場合の正極の劣化、レート特性やサイクル特性の低下を防ぐことができる面、および正極および負極間の距離の増加を抑えることにより非水電解液二次電池の大型化を防ぐことができる面において好ましい。
多孔質フィルムの目付は、当該多孔質フィルムを非水電解液二次電池用セパレータとして使用する場合、および、当該多孔質フィルムを多孔質フィルムと後述する多孔質層とを備える非水電解液二次電池用積層セパレータの部材として使用する場合、当該非水電解液二次電池用セパレータまたは当該非水二次電池用積層セパレータの強度、厚み、ハンドリング性および重量、さらには、当該セパレータを含む非水電解液二次電池の重量エネルギー密度や体積エネルギー密度を高くすることができる点で、通常、4g/m〜20g/mの範囲であり、4g/m〜12g/mの範囲が好ましく、5g/m〜10g/mの範囲がより好ましい。
多孔質フィルムの空隙率は、電解液の保持量を高めると共に、過大電流が流れることをより低温で確実に阻止(シャットダウン)する機能を得ることができるように、30〜60体積%であることが好ましく、35〜55体積%であることがより好ましい。
多孔質フィルムの空隙率が30体積%を下回ると、当該多孔質フィルムの抵抗が増加する傾向がある。また、多孔質フィルムの空隙率が60体積%を上回ると、当該多孔質フィルムの機械的強度が低下する傾向がある。
また、多孔質フィルムが有する細孔の孔径は、当該多孔質フィルムを非水電解液二次電池用セパレータとして、或いは非水電解液二次電池用積層セパレータの部材として用いたときに、充分なイオン透過性を得ることができ、かつ、正極や負極への粒子の入り込みを防止することができるように、0.3μm以下であることが好ましく、0.14μm以下であることがより好ましい。
また、本発明の非水電解液二次電池用積層セパレータにおいては、多孔質層が、後述の方法により、多孔質フィルム上にて形成されることが好ましい。その場合は、多孔質層を形成する前に、つまり、後述する塗工液を塗工する前に、多孔質フィルムに親水化処理を施しておくことがより好ましい。多孔質フィルムに親水化処理を施しておくことにより、塗工液の塗工性がより向上し、それゆえ、より均一な多孔質層を形成することができる。この親水化処理は、塗工液に含まれる溶媒(分散媒)に占める水の割合が高い場合に有効である。前記親水化処理としては、具体的には、例えば、酸やアルカリ等による薬剤処理、コロナ処理、プラズマ処理等の公知の処理が挙げられる。前記親水化処理のうち、比較的短時間で多孔質フィルムを親水化することができる上に、親水化が多孔質フィルムの表面近傍のみに限られ、多孔質フィルムの内部を変質しないことから、コロナ処理がより好ましい。
多孔質フィルムの製造方法は、公知の手法を用いることができ、特に限定されない。例えば、熱可塑性樹脂に炭酸カルシウムまたは可塑剤等の孔形成剤を加えてフィルム成形した後、該孔形成剤を適当な溶媒で除去する方法が挙げられる。
具体的には、例えば、多孔質フィルムが、超高分子量ポリエチレンおよび重量平均分子量1万以下の低分子量ポリオレフィンを含むポリオレフィン樹脂から形成されてなる場合には、製造コストの観点から、以下に示す工程(1)〜(4)を含む方法により製造することが好ましい。
(1)超高分子量ポリエチレン100重量部と、重量平均分子量1万以下の低分子量ポリオレフィン5重量部〜200重量部と、炭酸カルシウム等の孔形成剤100重量部〜400重量部とを混練してポリオレフィン樹脂組成物を得る工程、
(2)ポリオレフィン樹脂組成物を用いてシートを成形する工程、
(3)工程(2)で得られたシート中から孔形成剤を除去する工程、
(4)工程(3)で得られたシートを延伸する工程。
その他、上述した各特許文献に記載の方法を利用してもよい。
また、本発明における多孔質フィルムの製造方法として、具体的には、以下に示す工程(1’)〜(4’)を含む方法が挙げられる。
(1’)超高分子量ポリエチレン粉末および低分子量(例えば、重量平均分子量1000)のポリエチレンワックス、並びに、上記超高分子量ポリエチレン粉末と上記ポリエチレンワックスの合計を100重量部として、酸化防止剤0.5重量部、ステアリン酸ナトリウム1.3重量部を混合し、さらに、上述の混合物の全体積に対して36体積%となるように平均孔径0.1μmの炭酸カルシウムを加え、これらを粉末のままヘンシェルミキサーで混合した後、二軸混練機で溶融混練し、200〜300メッシュの金網を通してポリオレフィン樹脂組成物とする工程、
(2’)当該ポリオレフィン樹脂組成物を表面温度が150℃の一対のロールにて圧延し、速度比を変えたロールで引張りながら段階的に冷却し、単層シートを作製する工程、
(3’)当該シートを塩酸水溶液(塩酸4mol/L、非イオン系界面活性剤0.5重量%)に浸漬させ、上記炭酸カルシウムを除去する工程、
(4’)工程(3’)で得られたシートを延伸する工程。
また、上記製造方法において、別途、工程(2’)と同様の方法にて別の単層シートを作製し、当該別の単層シートと、工程(2’)にて作製された単層シートとを一対のロールを用いて加熱圧着し、積層シートを作製した上で、工程(2’)にて作製された単層シートの代わりに当該積層シートを用いて、工程(3’)、(4’)を実施してもよい。なお、多孔質フィルムの引裂強度および引張伸びの値Aを向上させるという観点から、工程(3’)の対象となるシートは、単層シートであることが好ましい。
なお、本発明の多孔質フィルムとしては、上述した特性を有する市販品を用いてもよい。
[エルメンドルフ引裂法による引裂強度]
本発明におけるエルメンドルフ引裂法によって測定される引裂強度(以下、エルメンドルフ引裂法による引裂強度と称する)は、「JIS K 7128−2 プラスチック−フィルムおよびシートの引裂強さ試験方法−第2部:エルメンドルフ引裂法」に基づき測定される。具体的な測定条件等は以下の通りである:
装置:デジタルエルメンドルフ引裂試験機((株)東洋精機製作所製、SA−WP型);
試料サイズ:JIS規格に基づいた長方形型の試験片形状;
条件:空振り角度:68.4°、測定数n=5;
評価に用いるサンプルは、測定時に引き裂かれる方向が測定対象である多孔質フィルムを成膜したときの流れ方向と直角(以下、TD方向という)となるように切り出す。また、当該多孔質フィルムは4枚ないし8枚重ねた状態にて測定を実施し、測定された引裂荷重の値を多孔質フィルムの枚数で除して、多孔質フィルム一枚当たりの引裂強度を算出する。その後、多孔質フィルム一枚当たりの引裂強度をフィルム一枚当たりの厚さで除することによって、多孔質フィルムの厚さ1μm当たりの引裂強度Tを算出する。
すなわち、上記引裂強度Tは、以下の式で算出される。
T=(F/d)
(式中、T:引裂強度(mN/μm)
F:引裂荷重(mN/枚)
d:フィルム厚さ(μm/枚))
本発明における多孔質フィルムにおいて、エルメンドルフ引裂法による引裂強度は、1.5mN/μm以上、好ましくは1.75mN/μm以上、より好ましくは2.0mN/μm以上である。また、好ましくは10mN/μm以下であり、より好ましくは4.0mN/μm以下である。エルメンドルフ引裂法による引裂強度(裂け方向:TD方向)が1.5mN/μm以上であることにより、当該多孔質フィルム、即ち、非水電解液二次電池用セパレータ、および、当該多孔質フィルムと、後述する多孔質層とを備える非水電解液二次電池用積層セパレータは、衝撃を受けた場合でも内部短絡が発生し難くなる。
[直角形引裂法に基づく引張伸びの値A]
本発明における直角形引裂法に基づく荷重−引張伸び曲線において、荷重が、最大荷重に到達した時点から、最大荷重の25%まで減衰するまでの引張伸びの値A(以下、直角形引裂法に基づく引張伸びの値Aと称する)は、「JISK 7128−3 プラスチック−フィルムおよびシートの引裂強さ試験方法−第3部:直角形引裂法」による引裂強度の測定に基づき作成される荷重−引張伸び曲線から算出される。
上記直角形引裂法による引裂強度の測定の具体的な測定条件は、以下の通りである:
装置:万能材料試験機(INSTRON社製、5582型);
試料サイズ:JIS規格に基づいた試験片形状;
条件:引張速度200mm/min、測定数n=5;
評価に用いるサンプルは、引き裂かれる方向がTD方向となるように切り出す。なお、直角形引裂法において、引張方向と引裂かれる方向は逆方向となるため、当該サンプルにおいては、引張方向:MD方向、引き裂かれる方向:TD方向となる。すなわち、当該サンプルは、MD方向に長い形状となる。
上述の直角形引裂法による測定の結果から荷重−引張伸び曲線を作成する。続いて、当該荷重−引張伸び曲線から、直角形引裂法に基づく引張伸びの値Aを以下に示す方法にて算出する。
当該荷重−引張伸び曲線において、最大荷重(引裂き開始時の荷重)をX(N)とする。X(N)の0.25倍の値をY(N)とする。当該曲線において、荷重がXに到達した後、Yに減衰するまでの引張伸びの値を、A(mm)とする(図1の記載を参照)。
本発明における多孔質フィルムにおいて、直角形引裂法に基づく引張伸びの値Aは、0.5mm以上、好ましくは0.75mm以上、より好ましくは1.0mm以上である。また、好ましくは10mm以下である。直角形引裂法に基づく引張伸びの値Aが0.5mm以上であることにより、当該多孔質フィルム、即ち、非水電解液二次電池用セパレータ、および、当該多孔質フィルムと、後述する多孔質層とを備える非水電解液二次電池用積層セパレータは、外部から衝撃を受けた場合でも、大きな内部短絡の急激な発生を抑制できる傾向がある。
[引裂強度、引張伸びの値Aの制御]
本発明における多孔質フィルムの引裂強度および引張伸びの値Aを向上させる方法としては、(a)当該多孔質フィルム内部の均一性を向上させること、(b)当該多孔質フィルム表面のスキン層の占める割合を小さくすること、または、(c)当該多孔質フィルムのTD方向とMD方向の結晶配向の差を小さくすること、などが挙げられる。
当該多孔質フィルム内部の均一性を向上させる方法としては、上記工程(1)、(1’)において多孔質フィルムの原料を混練して得られる混合物から金網を用いて当該混合物中の凝集物を除去する方法が挙げられる。上記凝集物を除去することにより、得られる多孔質フィルム内部の均一性が向上し、当該多孔質フィルムは、局所的に裂け難くなり、その引裂強度が向上すると考えられる。なお、上記工程(1)、(1’)にて得られるポリオレフィン樹脂組成物中の凝集物が少なくなることから、上記金網のメッシュは細かい方が好ましい。
上記工程(2)、(2’)における圧延により、得られる多孔質フィルムの表面にスキン層が生成する。上記スキン層は外部からの衝撃に対して脆いため、スキン層の占める割合が大きい場合、当該多孔質フィルムが裂けに対して弱くなり、その引裂強度は低下する。多孔質フィルムにおける上記スキン層の占める割合を小さくするための方法としては、上記工程(3)、(3’)の対象となるシートを単層シートとすることが挙げられる。
多孔質フィルムにおけるTD方向とMD方向の結晶配向の差が小さいことによって、当該多孔質フィルムは、外部からの衝撃および引張などに対する伸びが、均一となり、裂け難くなると考えられる。多孔質フィルムにおけるTD方向とMD方向の結晶配向の差を小さくする方法としては、上記工程(2)、(2’)において、厚い膜厚にて圧延することが挙げられる。薄い膜厚にて圧延すると、得られる多孔質フィルムは、MD方向への非常に強い配向を有し、TD方向への衝撃に対する強度は高いが、裂け始めると配向方向(MD方向)に一気に裂けてしまうと考えられる。言い換えると、厚い膜厚にて圧延すると圧延速度が速くなり、MD方向の結晶配向が少なくなり、TD方向とMD方向の結晶配向の差が小さくなり、得られる多孔質フィルムは、裂け始めてから一気に裂けることはなくなり、その引張伸びの値Aが向上すると考えられる。
[ピン抜け性]
本発明における多孔質フィルムは、上述したように、TD方向とMD方向の結晶配向の差が小さいことによって、引張伸びの値Aが0.5mm以上となっている。言い換えると、本発明における多孔質フィルムは、TD方向とMD方向の結晶配向のバランスが良好である。そのことに起因して、本発明における多孔質フィルムは、ピンを芯にして捲回した多孔質フィルムから当該ピンを引き抜くときの抜き易さの目安となるピン抜け性が良好である。従って、当該多孔質フィルムを含む、本発明の非水電解液二次電池用セパレータは、セパレータと正負極を重ね合わせ、ピンに捲回する工程を含む組み立て方法にて製造される円筒型、角型などの捲回型二次電池の製造に好適に利用することができる。
[多孔質層]
本発明の非水電解液二次電池用積層セパレータは、多孔質フィルムの他に多孔質層を備える。当該多孔質層は、フィラーを含むと共に、通常、樹脂を含んでなる樹脂層である。本発明に係る多孔質層は、好ましくは、多孔質フィルムの片面または両面に積層される耐熱層または接着層である。多孔質層を構成する樹脂は、電池の電解液に不溶であり、また、その電池の使用範囲において電気化学的に安定であることが好ましい。多孔質フィルムの片面に多孔質層が積層される場合には、当該多孔質層は、好ましくは、非水電解液二次電池としたときの、多孔質フィルムにおける正極と対向する面に積層され、より好ましくは、正極と接する面に積層される。
多孔質層を構成する上記樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、およびエチレン−プロピレン共重合体等のポリオレフィン;ポリフッ化ビニリデン(PVDF)やポリテトラフルオロエチレン等の含フッ素樹脂;フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体やエチレン−テトラフルオロエチレン共重合体等の含フッ素ゴム;芳香族ポリアミド;全芳香族ポリアミド(アラミド樹脂);スチレン−ブタジエン共重合体およびその水素化物、メタクリル酸エステル共重合体、アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレンプロピレンラバー、およびポリ酢酸ビニル等のゴム類;ポリフェニレンエーテル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルアミド、およびポリエステル等の融点やガラス転移温度が180℃以上の樹脂;ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、セルロースエーテル、アルギン酸ナトリウム、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、およびポリメタクリル酸等の水溶性ポリマー;等が挙げられる。
また、上記芳香族ポリアミドとしては、具体的には、例えば、ポリ(パラフェニレンテレフタルアミド)、ポリ(メタフェニレンイソフタルアミド)、ポリ(パラベンズアミド)、ポリ(メタベンズアミド)、ポリ(4,4’−ベンズアニリドテレフタルアミド)、ポリ(パラフェニレン−4,4’−ビフェニレンジカルボン酸アミド)、ポリ(メタフェニレン−4,4’−ビフェニレンジカルボン酸アミド)、ポリ(パラフェニレン−2,6−ナフタレンジカルボン酸アミド)、ポリ(メタフェニレン−2,6−ナフタレンジカルボン酸アミド)、ポリ(2−クロロパラフェニレンテレフタルアミド)、パラフェニレンテレフタルアミド/2,6−ジクロロパラフェニレンテレフタルアミド共重合体、メタフェニレンテレフタルアミド/2,6−ジクロロパラフェニレンテレフタルアミド共重合体等が挙げられる。このうち、ポリ(パラフェニレンテレフタルアミド)がより好ましい。
上記樹脂のうち、ポリオレフィン、含フッ素樹脂、芳香族ポリアミド、および水溶性ポリマーがより好ましい。中でも、多孔質層が非水電解液二次電池の正極に対向して配置される場合には、含フッ素樹脂が特に好ましい。含フッ素樹脂を適用した場合は、非水電解液二次電池作動時の酸性劣化による、非水電解液二次電池のレート特性や抵抗特性(液抵抗)等の各種性能を維持し易い。水溶性ポリマーは、多孔質層を形成するときの溶媒として水を用いることができるため、プロセスや環境負荷の観点からより好ましく、セルロースエーテル、アルギン酸ナトリウムがさらに好ましく、セルロースエーテルが特に好ましい。
セルロースエーテルとしては、具体的には、例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、カルボキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、シアンエチルセルロース、オキシエチルセルロース等が挙げられ、長時間にわたる使用における劣化が少なく、化学的な安定性に優れているCMCおよびHECがより好ましく、CMCが特に好ましい。
上記多孔質層は、フィラーを含んでいることがより好ましい。したがって、多孔質層がフィラーを含む場合には、上記樹脂は、バインダー樹脂としての機能を有することとなる。フィラーとしては特に限定されるものではなく、有機物からなるフィラーであってもよく、無機物からなるフィラーであってもよい。
有機物からなるフィラーとしては、具体的には、例えば、スチレン、ビニルケトン、アクリロニトリル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート、アクリル酸メチル等の単量体の単独重合体或いは2種類以上の共重合体;ポリテトラフルオロエチレン、4フッ化エチレン−6フッ化プロピレン共重合体、4フッ化エチレン−エチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン等の含フッ素樹脂;メラミン樹脂;尿素樹脂;ポリエチレン;ポリプロピレン;ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸;等からなるフィラーが挙げられる。
無機物からなるフィラーとしては、具体的には、例えば、炭酸カルシウム、タルク、クレー、カオリン、シリカ、ハイドロタルサイト、珪藻土、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、ベーマイト、水酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、窒化チタン、アルミナ(酸化アルミニウム)、窒化アルミニウム、マイカ、ゼオライト、ガラス等の無機物からなるフィラーが挙げられる。フィラーは、1種類のみを用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
上記フィラーのうち、無機物からなるフィラーが好適であり、シリカ、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、アルミナ、マイカ、ゼオライト、水酸化アルミニウム、ベーマイト等の無機酸化物からなるフィラーがより好ましく、シリカ、酸化マグネシウム、酸化チタン、水酸化アルミニウム、ベーマイトおよびアルミナからなる群から選択される少なくとも1種のフィラーがさらに好ましく、アルミナが特に好ましい。アルミナには、α−アルミナ、β−アルミナ、γ−アルミナ、θ−アルミナ等の多くの結晶形が存在するが、何れも好適に使用することができる。この中でも、熱的安定性および化学的安定性が特に高いため、α−アルミナが最も好ましい。
フィラーの形状は、原料である有機物または無機物の製造方法や、多孔質層を形成するための塗工液を作製するときのフィラーの分散条件等によって変化し、球形、長円形、短形、瓢箪形等の形状、或いは特定の形状を有さない不定形等、何れの形状であってもよい。
多孔質層がフィラーを含んでいる場合において、フィラーの含有量は、多孔質層の1〜99体積%であることが好ましく、5〜95体積%であることがより好ましい。フィラーの含有量を上記範囲とすることにより、フィラー同士の接触によって形成される空隙が、樹脂等によって閉塞されることが少なくなり、充分なイオン透過性を得ることができると共に、単位面積当たりの目付を適切な値にすることができる。
本発明においては、通常、上記樹脂を溶媒に溶解させると共に、上記フィラーを分散させることにより、多孔質層を形成するための塗工液を作製する。
上記溶媒(分散媒)は、多孔質フィルムに悪影響を及ぼさず、上記樹脂を均一かつ安定に溶解し、上記フィラーを均一かつ安定に分散させることができればよく、特に限定されるものではない。上記溶媒(分散媒)としては、具体的には、例えば、水;メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、t−ブチルアルコール等の低級アルコール;アセトン、トルエン、キシレン、ヘキサン、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド;等が挙げられる。上記溶媒(分散媒)は、1種類のみを用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
塗工液は、所望の多孔質層を得るのに必要な樹脂固形分(樹脂濃度)やフィラー量等の条件を満足することができれば、どのような方法で形成されてもよい。塗工液の形成方法としては、具体的には、例えば、機械攪拌法、超音波分散法、高圧分散法、メディア分散法等が挙げられる。
また、例えば、スリーワンモーター、ホモジナイザー、メディア型分散機、圧力式分散機等の従来公知の分散機を使用してフィラーを溶媒(分散媒)に分散させてもよい。
また、上記塗工液は、本発明の目的を損なわない範囲で、上記樹脂およびフィラー以外の成分として、分散剤や可塑剤、界面活性剤、pH調整剤等の添加剤を含んでいてもよい。尚、添加剤の添加量は、本発明の目的を損なわない範囲であればよい。
塗工液のセパレータへの塗布方法、つまり、必要に応じて親水化処理が施されたセパレータの表面への多孔質層の形成方法は、特に制限されるものではない。セパレータの両面に多孔質層を積層する場合においては、セパレータの一方の面に多孔質層を形成した後、他方の面に多孔質層を形成する逐次積層方法や、セパレータの両面に多孔質層を同時に形成する同時積層方法を適用することができる。
多孔質層の形成方法としては、例えば、塗工液をセパレータの表面に直接塗布した後、溶媒(分散媒)を除去する方法;塗工液を適当な支持体に塗布し、溶媒(分散媒)を除去して多孔質層を形成した後、この多孔質層とセパレータとを圧着させ、次いで支持体を剥がす方法;塗工液を適当な支持体に塗布した後、塗布面に多孔質フィルムを圧着させ、次いで支持体を剥がした後に溶媒(分散媒)を除去する方法;および、塗工液中にセパレータを浸漬し、ディップコーティングを行った後に溶媒(分散媒)を除去する方法;等が挙げられる。
多孔質層の厚さは、塗工後の湿潤状態(ウェット)の塗工膜の厚さ、樹脂とフィラーとの重量比、塗工液の固形分濃度(樹脂濃度とフィラー濃度との和)等を調節することによって制御することができる。尚、支持体として、例えば、樹脂製のフィルム、金属製のベルト、またはドラム等を用いることができる。
上記塗工液をセパレータまたは支持体に塗布する方法は、必要な目付や塗工面積を実現し得る方法であればよく、特に制限されるものではない。塗工液の塗布方法としては、従来公知の方法を採用することができる。このような方法として、具体的には、例えば、グラビアコーター法、小径グラビアコーター法、リバースロールコーター法、トランスファロールコーター法、キスコーター法、ディップコーター法、ナイフコーター法、エアドクターブレードコーター法、ブレードコーター法、ロッドコーター法、スクイズコーター法、キャストコーター法、バーコーター法、ダイコーター法、スクリーン印刷法、およびスプレー塗布法等が挙げられる。
溶媒(分散媒)の除去方法は、乾燥による方法が一般的である。乾燥方法としては、自然乾燥、送風乾燥、加熱乾燥、および減圧乾燥等が挙げられるが、溶媒(分散媒)を充分に除去することができるのであれば如何なる方法でもよい。上記乾燥には、通常の乾燥装置を用いることができる。
また、塗工液に含まれる溶媒(分散媒)を他の溶媒に置換してから乾燥を行ってもよい。溶媒(分散媒)を他の溶媒に置換してから除去する方法としては、例えば、塗工液に含まれる溶媒(分散媒)に溶解し、かつ、塗工液に含まれる樹脂を溶解しない他の溶媒(以下、溶媒X)を使用し、塗工液が塗布されて塗膜が形成されたセパレータまたは支持体を上記溶媒Xに浸漬し、セパレータ上または支持体上の塗膜中の溶媒(分散媒)を溶媒Xで置換した後に、溶媒Xを蒸発させる方法が挙げられる。この方法によれば、塗工液から溶媒(分散媒)を効率よく除去することができる。
尚、セパレータまたは支持体に形成された塗工液の塗膜から溶媒(分散媒)或いは溶媒Xを除去するために加熱を行う場合には、多孔質フィルムの細孔が収縮して透気度が低下することを回避するために、セパレータの透気度が低下しない温度、具体的には、10〜120℃、より好ましくは20〜80℃で行うことが望ましい。
上述した方法により形成される上記多孔質層の膜厚は、セパレータを基材として用い、セパレータの片面または両面に多孔質層を積層して積層セパレータを形成する場合においては、0.5〜15μm(片面当たり)であることが好ましく、2〜10μm(片面当たり)であることがより好ましい。
多孔質層の膜厚が1μm以上(片面においては0.5μm以上)であることが、当該多孔質層を備える非水電解液二次電池用積層セパレータにおいて、電池の破損等による内部短絡を充分に防止することができ、また、多孔質層における電解液の保持量を維持できるという面において好ましい。一方、多孔質層の膜厚が両面の合計で30μm以下(片面においては15μm以下)であることが、当該多孔質層を備える非水電解液二次電池用積層セパレータ全域におけるリチウムイオン等のイオンの透過抵抗の増加を抑制し、充放電サイクルを繰り返した場合の正極の劣化、レート特性やサイクル特性の低下を防ぐことができる面、並びに、正極および負極間の距離の増加を抑えることにより非水電解液二次電池の大型化を防ぐことができる面において好ましい。
多孔質層の物性に関する下記説明においては、多孔質フィルムの両面に多孔質層が積層される場合には、非水電解液二次電池としたときの、多孔質フィルムにおける正極と対向する面に積層された多孔質層の物性を少なくとも指す。
多孔質層の単位面積当たりの目付(片面当たり)は、非水電解液二次電池用積層セパレータの強度、膜厚、重量、およびハンドリング性を考慮して適宜決定すればよいものの、非水電解液二次電池用積層セパレータを部材として含む非水電解液二次電池の重量エネルギー密度や体積エネルギー密度を高くすることができるように、通常、1〜20g/mであることが好ましく、4〜10g/mであることがより好ましい。多孔質層の目付が上記範囲内であることが、当該多孔質層を備える非水電解液二次電池用積層セパレータを部材とする非水電解液二次電池の重量エネルギー密度や体積エネルギー密度を高くすることができ、当該電池の重量が軽くなるため好ましい。
多孔質層の空隙率は、当該多孔質層を備える非水電解液二次電池用積層セパレータが充分なイオン透過性を得ることができるという面において、20〜90体積%であることが好ましく、30〜70体積%であることがより好ましい。また、多孔質層が有する細孔の孔径は、当該多孔質層を備える非水電解液二次電池用積層セパレータが充分なイオン透過性を得ることができるという面において、1μm以下であることが好ましく、0.5μm以下であることがより好ましい。
上記積層セパレータの透気度は、ガーレ値で30〜1000 sec/100mLであることが好ましく、50〜800 sec/100mLであることがより好ましい。積層セパレータが上記透気度を有することにより、上記積層セパレータを非水電解液二次電池用の部材として使用した場合に、充分なイオン透過性を得ることができる。
透気度が上記範囲を超える(具体的には、1000 sec/100mLより大きい)場合には、上記積層セパレータを非水電解液二次電池用の部材として使用した場合に、充分なイオン透過性を得ることができず、当該積層セパレータを含む非水電解液二次電池の電池特性を低下させることがある。一方、透気度が上記範囲未満(具体的には、30 sec/100mL未満)の場合には、積層セパレータの空隙率が高いために積層セパレータの積層構造が粗になっていることを意味し、結果として積層セパレータの強度が低下して、特に高温下における積層セパレータの形状の安定性が不充分になるおそれがある。
[実施形態3:非水電解液二次電池用部材、実施形態4:非水電解液二次電池]
本発明の実施形態3に係る非水電解液二次電池用部材は、正極、本発明の実施形態1に係る非水電解液二次電池用セパレータまたは本発明の実施形態2に係る非水電解液二次電池用積層セパレータ、および負極がこの順で配置されてなる非水電解液二次電池用部材である。また、本発明の実施形態4に係る非水電解液二次電池は、本発明の実施形態1に係る非水電解液二次電池用セパレータまたは本発明の実施形態2に係る非水電解液二次電池用積層セパレータを備える。以下、非水電解液二次電池用部材として、リチウムイオン二次電池用部材を例に挙げ、非水電解液二次電池として、リチウムイオン二次電池を例に挙げて説明する。尚、上記非水電解液二次電池用セパレータ、上記非水電解液二次電池用積層セパレータ以外の非水電解液二次電池用部材、非水電解液二次電池の構成要素は、下記説明の構成要素に限定されるものではない。
本発明に係る非水電解液二次電池においては、例えばリチウム塩を有機溶媒に溶解してなる非水電解液を用いることができる。リチウム塩としては、例えば、LiClO、LiPF、LiAsF、LiSbF、LiBF、LiCFSO、LiN(CFSO、LiC(CFSO、Li10Cl10、低級脂肪族カルボン酸リチウム塩、LiAlCl等が挙げられる。上記リチウム塩は、1種類のみを用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。上記リチウム塩のうち、LiPF、LiAsF、LiSbF、LiBF、LiCFSO、LiN(CFSO、およびLiC(CFSOからなる群から選択される少なくとも1種のフッ素含有リチウム塩がより好ましい。
非水電解液を構成する有機溶媒としては、具体的には、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、4−トリフルオロメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、1,2−ジ(メトキシカルボニルオキシ)エタン等のカーボネート類;1,2−ジメトキシエタン、1,3−ジメトキシプロパン、ペンタフルオロプロピルメチルエーテル、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルジフルオロメチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等のエーテル類;ギ酸メチル、酢酸メチル、γ−ブチロラクトン等のエステル類;アセトニトリル、ブチロニトリル等のニトリル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類;3−メチル−2−オキサゾリドン等のカーバメート類;スルホラン、ジメチルスルホキシド、1,3−プロパンサルトン等の含硫黄化合物;並びに、上記有機溶媒にフッ素基が導入されてなる含フッ素有機溶媒;等が挙げられる。上記有機溶媒は、1種類のみを用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。上記有機溶媒のうち、カーボネート類がより好ましく、環状カーボネートと非環状カーボネートとの混合溶媒、または、環状カーボネートとエーテル類との混合溶媒がさらに好ましい。環状カーボネートと非環状カーボネートとの混合溶媒としては、作動温度範囲が広く、かつ、負極活物質として天然黒鉛や人造黒鉛等の黒鉛材料を用いた場合においても難分解性を示すことから、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネートおよびエチルメチルカーボネートを含む混合溶媒がさらに好ましい。
正極としては、通常、正極活物質、導電材および結着剤を含む正極合剤を正極集電体上に担持したシート状の正極を用いる。
上記正極活物質としては、例えば、リチウムイオンをドープ・脱ドープ可能な材料が挙げられる。当該材料としては、具体的には、例えば、V、Mn、Fe、Co、Ni等の遷移金属を少なくとも1種類含んでいるリチウム複合酸化物が挙げられる。上記リチウム複合酸化物のうち、平均放電電位が高いことから、ニッケル酸リチウム、コバルト酸リチウム等のα−NaFeO型構造を有するリチウム複合酸化物、リチウムマンガンスピネル等のスピネル型構造を有するリチウム複合酸化物がより好ましい。当該リチウム複合酸化物は、種々の金属元素を含んでいてもよく、複合ニッケル酸リチウムがさらに好ましい。さらに、Ti、Zr、Ce、Y、V、Cr、Mn、Fe、Co、Cu、Ag、Mg、Al、Ga、InおよびSnからなる群から選択される少なくとも1種の金属元素のモル数とニッケル酸リチウム中のNiのモル数との和に対して、上記少なくとも1種の金属元素の割合が0.1〜20モル%となるように当該金属元素を含む複合ニッケル酸リチウムを用いると、高容量での使用におけるサイクル特性に優れるので特に好ましい。また、中でもAlまたはMnを含み、かつ、Ni比率が85%以上、さらに好ましくは90%以上である活物質が、当該活物質を含む正極を備える非水電解液二次電池の高容量での使用におけるサイクル特性に優れることから、特に好ましい。
上記導電材としては、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、コークス類、カーボンブラック、熱分解炭素類、炭素繊維、有機高分子化合物焼成体等の炭素質材料等が挙げられる。上記導電材は、1種類のみを用いてもよく、例えば人造黒鉛とカーボンブラックとを混合して用いる等、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
上記結着剤としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデンの共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレンの共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテルの共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレンの共重合体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレンの共重合体、熱可塑性ポリイミド、ポリエチレン、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂が挙げられる。尚、結着剤は、増粘剤としての機能も有している。
正極合剤を得る方法としては、例えば、正極活物質、導電材および結着剤を正極集電体上で加圧して正極合剤を得る方法;適当な有機溶剤を用いて正極活物質、導電材および結着剤をペースト状にして正極合剤を得る方法;等が挙げられる。
上記正極集電体としては、例えば、Al、Ni、ステンレス等の導電体が挙げられ、薄膜に加工し易く、安価であることから、Alがより好ましい。
シート状の正極の製造方法、即ち、正極集電体に正極合剤を担持させる方法としては、例えば、正極合剤となる正極活物質、導電材および結着剤を正極集電体上で加圧成型する方法;適当な有機溶剤を用いて正極活物質、導電材および結着剤をペースト状にして正極合剤を得た後、当該正極合剤を正極集電体に塗工し、乾燥して得られたシート状の正極合剤を加圧して正極集電体に固着する方法;等が挙げられる。
負極としては、通常、負極活物質を含む負極合剤を負極集電体上に担持したシート状の負極を用いる。
上記負極活物質としては、例えば、リチウムイオンをドープ・脱ドープ可能な材料、リチウム金属またはリチウム合金等が挙げられる。当該材料としては、具体的には、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、コークス類、カーボンブラック、熱分解炭素類、炭素繊維、有機高分子化合物焼成体等の炭素質材料;正極よりも低い電位でリチウムイオンのドープ・脱ドープを行う酸化物、硫化物等のカルコゲン化合物;アルカリ金属と合金化するアルミニウム(Al)、鉛(Pb)、錫(Sn)、ビスマス(Bi)、シリコン(Si)などの金属、アルカリ金属を格子間に挿入可能な立方晶系の金属間化合物(AlSb、MgSi、NiSi)、リチウム窒素化合物(Li-xMN(M:遷移金属))等を用いることができる。上記負極活物質のうち、電位平坦性が高く、また平均放電電位が低いために正極と組み合わせた場合に大きなエネルギー密度が得られることから、天然黒鉛、人造黒鉛等の黒鉛材料を主成分とする炭素質材料がより好ましく、黒鉛とシリコンの混合物であって、その黒鉛における炭素(C)に対するSiの比率が5%以上のものがより好ましく、10%以上である負極活物質がさらに好ましい。
負極合剤を得る方法としては、例えば、負極活物質を負極集電体上で加圧して負極合剤を得る方法;適当な有機溶剤を用いて負極活物質をペースト状にして負極合剤を得る方法;等が挙げられる。
上記負極集電体としては、例えば、Cu、Ni、ステンレス等が挙げられ、特にリチウムイオン二次電池においてはリチウムと合金を作り難く、かつ薄膜に加工し易いことから、Cuがより好ましい。
シート状の負極の製造方法、即ち、負極集電体に負極合剤を担持させる方法としては、例えば、負極合剤となる負極活物質を負極集電体上で加圧成型する方法;適当な有機溶剤を用いて負極活物質をペースト状にして負極合剤を得た後、当該負極合剤を負極集電体に塗工し、乾燥して得られたシート状の負極合剤を加圧して負極集電体に固着する方法;等が挙げられる。
上記正極と、本発明の実施形態1に係る非水電解液二次電池用セパレータまたは本発明の実施形態2に係る非水電解液二次電池用積層セパレータと、負極とをこの順で配置して本発明に係る非水電解液二次電池用部材を形成した後、非水電解液二次電池の筐体となる容器に当該非水電解液二次電池用部材を入れ、次いで、当該容器内を非水電解液で満たした後、減圧しつつ密閉することにより、本発明に係る非水電解液二次電池を製造することができる。非水電解液二次電池の形状は、特に限定されるものではなく、薄板(ペーパー)型、円盤型、円筒型、直方体等の角柱型等のどのような形状であってもよい。尚、非水電解液二次電池の製造方法は、特に限定されるものではなく、従来公知の製造方法を採用することができる。
本発明に係る非水電解液二次電池は、ポリオレフィンを含み、エルメンドルフ引裂法(JISK 7128−2 準拠)にて測定される引裂強度が1.5mN/μm以上であり、かつ直角形引裂法による引裂強度測定(JIS K 7128−3 準拠)における荷重−引張伸び曲線において、荷重が、最大荷重に到達した時点から、最大荷重の25%まで減衰するまでの引張伸びの値Aが0.5mm以上である多孔質フィルムを非水電解液二次電池用セパレータとして備えるか、或いは、当該多孔質フィルムと上述の多孔質層とを備える非水電解液二次電池用積層セパレータを備えており、外部からの衝撃に対して、内部短絡が発生し難く、かつ、大きな内部短絡の急激な発生が抑制されており、高い安全性を備える。また、同様に、本発明の非水電解液二次電池用部材は、高い安全性を備える非水電解液二次電池の製造に好適に使用できる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
[物性値の測定方法]
以下の実施例1、2および比較例1、2にて製造された非水電解液二次電池用セパレータ(多孔質フィルム)について、以下に示す方法を用いてその物性を測定した。
(a)エルメンドルフ引裂法による引裂強度
「JIS K 7128−2 プラスチック−フィルムおよびシートの引裂強さ試験方法−第2部:エルメンドルフ引裂法」に基づき、多孔質フィルムの引裂強度を測定した。使用した測定装置および測定条件は、以下の通りであった:
装置:デジタルエルメンドルフ引裂試験機((株)東洋精機製作所製、SA−WP型);
試料サイズ:JIS規格に基づいた長方形型の試験片形状;
条件:空振り角度:68.4°、測定数n=5;
評価に用いたサンプルは、測定時に引き裂かれる方向が測定対象である多孔質フィルムを成膜したときの流れ方向と直角(以下、TD方向という)となるように切り出す。また、当該多孔質フィルムは4枚ないし8枚重ねた状態にて測定を実施し、測定された引裂荷重の値を多孔質フィルムの枚数で除して、多孔質フィルム一枚当たりの引裂強度を算出した。その後、多孔質フィルム一枚当たりの引裂強度をフィルム一枚当たりの厚さで除することによって、多孔質フィルムの厚さ1μm当たりの引裂強度Tを算出した。
具体的には、以下の式に従い、引裂強度Tを測定した。
T=(F/d)
(式中、T:引裂強度(mN/μm)、
F:引裂荷重(mN/枚)、
d:フィルム厚さ(μm/枚))
5回測定して得られた5点の引裂強度の平均値を真の引裂強度とした(ただし、平均値から±50%以上乖離しているデータは除いて計算した)。
(b)直角形法に基づく引張伸びの値A
「JIS K 7128−3 プラスチック−フィルムおよびシートの引裂強さ試験方法−第3部:直角形引裂法」に基づき多孔質フィルムの引裂強度を測定し、荷重−引張伸び曲線を作成した。その後、上記荷重−引張伸び曲線から引張伸びの値Aを算出した。直角形引裂法に基づく引裂強度の測定において、使用した測定装置および測定条件は以下の通りである:
装置:万能材料試験機(INSTRON社製、5582型);
試料サイズ:JIS規格に基づいた試験片形状;
条件:引張速度200mm/min、測定数n=5(ただし、平均値から±50%以上乖離しているデータが測定された回数は除く);
評価に用いたサンプルは、引き裂かれる方向がTD方向となるように切り出した。すなわち、当該サンプルは、MD方向に長い形状となるように切り出した。
上記測定の結果に基づき作成した該荷重−引張伸び曲線から、荷重が最大荷重に到達してから、最大荷重の25%まで減衰するまでの引張伸びの値A(mm)を、以下に示す方法にて算出した。
荷重−引張伸び曲線を作成し、最大荷重(引裂き開始時の荷重)をX(N)とする。X(N)の0.25倍の値をY(N)とする。XがYまで減衰するまでの引張伸びの値を、A(mm)とした(図1の記載を参照)。5回測定して得られた5点のA(mm)の平均値をA(mm)とした(ただし、平均値から±50%以上乖離しているデータは除いて計算した)。
(c)絶縁破壊時の試験力測定
以下に示す釘刺し導通試験の測定装置を用いた簡易釘刺し導通試験により、絶縁破壊時の試験力を測定した。なお、釘刺し導通試験において、多孔質フィルムは、実施例、比較例にて得られた多孔質フィルムを5mm×5mmの大きさに裁断した物をセパレータとして使用した。
先ず、釘刺し導通試験の測定装置を、図3を参照しながら以下に説明する。
図3に示すように、釘刺し導通試験の測定装置、つまり、セパレータの絶縁破壊時の試験力を測定する測定装置は、測定対象となるセパレータ(多孔質フィルム)を載置する載置台としてのSUS板(SUS304;厚さ1mm)、JISA 5508で規定されるN50の釘を保持し、保持した釘を一定の速度で上下動させる駆動部(図示しない)、釘とSUS板との間の直流抵抗を測定する抵抗測定器、並びに、セパレータの厚さ方向の変形量および変形に要した力を測定する材料試験機(図示しない)にて構成されている。上記SUS板の大きさは、少なくともセパレータの大きさよりも大きく、具体的には、15.5mmφであった。また、上記駆動部は、SUS板の上方に配され、SUS板の表面に対してその先端が垂直となるように釘を保持し、垂直に上下動させるようになっている。抵抗測定器としては、市販品である「デジタル・マルチメータ7461P(株式会社エーディーシー製)」を用いた。また、材料試験機も、市販品である「小型卓上試験機 EZTest EZ−L(島津製作所製)」を用いた。
上記測定装置を用いたセパレータ(多孔質フィルム)の絶縁破壊時の試験力の測定方法を、以下に説明する。
先ず、釘を、ドリルチャック式の固定治具を用いて材料試験機の駆動部のクロスヘッドに内蔵されたロードセルに固定する。また、材料試験機の下部の治具取付面に固定台を載置し、当該固定台上のSUS板の上に非水電解液二次電池の負極となる負極シートを載置し、当該負極シートの上にセパレータを載置する。セパレータの厚さ方向の変形量は、材料試験機のクロスヘッドのストロークで測定し、変形に要した力は、釘が固定されたロードセルにて測定する。そして、釘と抵抗測定器、および、SUS板と抵抗測定器を、電気的に接続する。尚、電気的な接続は、電気コードおよびワニ口クリップを用いて行った。
なお、上記測定で用いる負極シートは、次の(i)〜(iii)の工程からなる方法にて作製した物を使用した:
(i)負極活物質である黒鉛粉末98重量部に、増粘剤および結着剤であるカルボキシメチルセルロースの水溶液100重量部(カルボキシメチルセルロースの濃度;1重量%)、およびスチレン・ブタジエンゴムの水性エマルジョン2重量部(スチレン・ブタジエンゴムの濃度;50重量%)を加えて混合した後に、さらに水22重量部を加えて、固形分濃度が45重量%のスラリーを作製する工程;
(ii)工程(i)にて得られたスラリーを、負極集電体である厚さ20μmの圧延銅箔の一部に、坪量が140g/mとなるように塗布して乾燥させた後、プレス機により厚さ120μmに圧延する工程(負極活物質層の厚さは100μm);
(iii)工程(ii)にて得られた圧延銅箔を、負極活物質層が形成された部分の大きさが7mm×7mmとなるように裁断することにより、釘刺し導通試験用の負極シートを作製する工程。
次に、駆動部を駆動させて釘を降下させ、その先端をセパレータの表面(最表層)に接触させて停止させる(測定準備完了)。そして、針の先端がセパレータの表面に接触している状態を、セパレータの厚さ方向の変位「0」とした。
測定準備完了後、駆動部を駆動させ、50μm/分の降下速度で釘の降下を開始させると同時に、材料試験機でセパレータの厚さ方向の変形量および変形に要した力を測定すると共に、抵抗測定器で釘とSUS板との間の直流抵抗を測定する。測定開始後、上記直流抵抗が最初に10,000Ω以下となった時点を絶縁破壊点とした。そして、上記絶縁破壊点でのセパレータの厚さ方向の変形量から絶縁破壊時の測定力である試験力(単位:N)を求めた。さらに、上記試験力をセパレータの膜厚で除して、絶縁破壊時の試験力(N/μm)を算出した。
尚、上述の方法にて算出された絶縁破壊時の試験力(N/μm)が大きい値であること、具体的には0.12N/μm以上であることは、セパレータが外部からの異物もしくは変形に伴う局所的な衝撃が加えられたとき、その絶縁性が維持されることを意味する。前記の理由から、セパレータを非水電解液二次電池用として用いたときに、電池の破損等による内部短絡の急激な発生を防止できること、即ち、当該非水電解液二次電池用セパレータ(多孔質フィルム)が高い安全性を備えることを示す。
(d)ピン抜け評価試験
実施例および比較例における非水電解液二次電池用セパレータ(多孔質フィルム)をTD方向62mm×MD方向30cmに切断して、300gの重りをつけてステンレス定規(シンワ株式会社 品番:13131)に5回巻き付けた。このとき、セパレータのTDとステンレス定規の長手方向とが平行になるようにして巻いた。続いて、約8cm/秒の速度にて、当該ステンレス定規を引き抜き、セパレータの幅をノギスで測定した。当該ステンレス定規を引き抜く前と引き抜いた後における、5巻した部分のセパレータのTD方向の幅をノギスで測定し、その変化量(mm)を計算した。当該変化量は、ステンレス定規とセパレータとの摩擦力によって、セパレータの巻始めの部分がステンレス定規の引き抜き方向に動き、セパレータが螺旋状に変形したときの引き抜き方向への伸び量を示している。
また、ステンレス定規を引き抜くときの抜け易さについても感度を確認した。具体的には、抵抗を感じることなくスムーズに引き抜けた場合を「○」、わずかな抵抗を感じた場合を「△」、抵抗があり、引き抜き難い感覚があった場合を「×」とした。なお、ステンレス定規は長手方向の一端に曲げつまみが形成されており、当該曲げつまみが形成されている側に引き抜くものとする。
尚、上述の方法にて算出されたセパレータが伸びた量は、0.2mm未満であることが好ましく、0.15mm以下であることがより好ましく、0.1mm以下であることがさらに好ましい。ピン抜け性が悪い場合、電池製造時にピンを抜くとき、基材とピンの間に力が集中し、セパレータが破損するおそれがある。また、セパレータが伸びた量が大きい場合、電池製造時に電極とセパレータの位置がずれてしまい、製造に支障をきたすおそれがある。
[実施例1]
超高分子量ポリエチレン粉末(GUR4032、ティコナ社製)を68.5重量%、重量平均分子量1000のポリエチレンワックス(FNP−0115、日本精鑞社製)31.5重量%、この超高分子量ポリエチレンとポリエチレンワックスの合計を100重量部として、酸化防止剤(Irg1010、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)0.4重量%、別の酸化防止剤(P168、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)0.1重量%、ステアリン酸ナトリウム1.3重量%を加え、更に全体積に対して36体積%となるように平均孔径0.1μmの炭酸カルシウム(丸尾カルシウム社製)を加え、これらを粉末のままヘンシェルミキサーで混合した後、二軸混練機で溶融混練し、300メッシュの金網を通してポリオレフィン樹脂組成物とした。該ポリオレフィン樹脂組成物を表面温度が150℃の一対のロールにて圧延し、速度比を変えたロールで引張りながら段階的に冷却し、ドロー比(巻取りロール速度/圧延ロール速度)1.4倍の単層シートを作製した。
上記単層シートを塩酸水溶液(塩酸4mol/L、非イオン系界面活性剤0.5重量%)に浸漬させることで炭酸カルシウムを除去し、続いて100℃で7.0倍に延伸して多孔質フィルム(1)を得た。なお、上述した原料、製造条件等を表1に示す。
続いて、多孔質フィルム(1)を対象として、上述の(a)〜(d)の測定を行い、その物性を測定した。測定結果を表2に示す。
[実施例2]
超高分子量ポリエチレン粉末(GUR4032、ティコナ社製)を70.0重量%、重量平均分子量1000のポリエチレンワックス(FNP−0115、日本精鑞社製)30.0重量%、この超高分子量ポリエチレンとポリエチレンワックスの合計を100重量部として、酸化防止剤(Irg1010、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)0.4重量%、別の酸化防止剤(P168、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)0.1重量%、ステアリン酸ナトリウム1.3重量%を加え、更に全体積に対して36体積%となるように平均孔径0.1μmの炭酸カルシウム(丸尾カルシウム社製)を加え、これらを粉末のままヘンシェルミキサーで混合した後、二軸混練機で溶融混練し、200メッシュの金網を通してポリオレフィン樹脂組成物とした。該ポリオレフィン樹脂組成物を表面温度が150℃の一対のロールにて圧延し、速度比を変えたロールで引張りながら段階的に冷却し、ドロー比(巻取りロール速度/圧延ロール速度)1.4倍の膜厚約41μmの単層シートを作製した。次に、同様にして、ドロー比1.2倍の膜厚約68μmの単層シートを作製した。得られた前記単層シート同士を、表面温度が150℃の一対のロールで圧着し、積層シートを作製した。
上記積層シートを塩酸水溶液(塩酸4mol/L、非イオン系界面活性剤0.5重量%)に浸漬させることで炭酸カルシウムを除去し、続いて105℃で6.2倍に延伸して多孔質フィルム(2)を得た。なお、上述した原料、製造条件等を表1に示す。
続いて、多孔質フィルム(2)を対象として、上述の(a)〜(d)の測定を行い、その物性を測定した。測定結果を表2に示す。
[比較例1]
超高分子量ポリエチレン粉末(GUR4032、ティコナ社製)を70.0重量%、重量平均分子量1000のポリエチレンワックス(FNP−0115、日本精鑞社製)30.0重量%、この超高分子量ポリエチレンとポリエチレンワックスの合計を100重量部として、酸化防止剤(Irg1010、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)0.4重量%、別の酸化防止剤(P168、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)0.1重量%、ステアリン酸ナトリウム1.3重量%を加え、更に全体積に対して36体積%となるように平均孔径0.1μmの炭酸カルシウム(丸尾カルシウム社製)を加え、これらを粉末のままヘンシェルミキサーで混合した後、二軸混練機で溶融混練し、200メッシュの金網を通してポリオレフィン樹脂組成物とした。該ポリオレフィン樹脂組成物を表面温度が150℃の一対のロールにて圧延し、速度比を変えたロールで引張りながら段階的に冷却し、ドロー比(巻取りロール速度/圧延ロール速度)1.4倍の膜厚約29μmのシートを作成した。次に、同様にして、ドロー比1.2倍の膜厚約50μmの単層シートを作製した。得られた前記単層シート同士を、表面温度が150℃の一対のロールで圧着し、積層シートを作製した。
上記積層シートを塩酸水溶液(塩酸4mol/L、非イオン系界面活性剤0.5重量%)に浸漬させることで炭酸カルシウムを除去し、続いて105℃で6.2倍に延伸して多孔質フィルム(3)を得た。なお、上述した原料、製造条件等を表1に示す。
続いて、多孔質フィルム(3)を対象として、上述の(a)〜(d)の測定を行い、その物性を測定した。測定結果を表2に示す。
[比較例2]
市販品の多孔質フィルム(ポリオレフィンセパレータ、膜厚25.4μm)を多孔質フィルム(4)とした。続いて、多孔質フィルム(4)を対象として、上述の(a)〜(d)の測定を行い、その物性を測定した。測定結果を表2に示す。
Figure 2017103228
Figure 2017103228
上の表2における絶縁破壊時の試験力の「○×」評価では、上記試験力が0.12N/μm以上である場合を「○」とし、0.12N/μm未満である場合を「×」とした。また、ピン抜け性評価の「○×」評価において、ステンレス定規の引き抜き前後におけるセパレータの幅の差が0.1mm以下である場合を「○」とし、0.1mmを超え、かつ、0.2mm未満である場合を「△」とし、0.2mm以上である場合を「×」とした。
[結論]
表2から、実施例1、2における、エルメンドルフ引裂法に基づく引裂強度が1.5mN/μm以上であり、かつ、引張伸びの値Aが0.5mm以上である多孔質フィルムである本発明に係る非水電解液二次電池用セパレータは、絶縁破壊時の試験力が0.12N/μm以上であり、一方、上記引裂強度および引張伸びの値Aが小さい、比較例における多孔質フィルムである非水電解液二次電池用セパレータは、絶縁破壊時の試験力が0.12N/μm未満であることが分かった。以上のことから、本発明に係る非水電解液二次電池用セパレータは、電池の破損等による内部短絡の急激な発生を防止できること、即ち、高い安全性を備えることが示された。
また、実施例1、2、比較例1の順にてエルメンドルフ引裂法に基づく引裂強度が低下していることが分かった。実施例1と実施例2の比較から、実施例2にて作製された非水電解液二次電池用セパレータ(多孔質フィルム)は、積層シートを延伸したフィルムであり、実施例1にて作製された多孔質フィルムは単層シートを延伸したフィルムであることから、積層シートを延伸したフィルムは、単層シートを延伸したフィルムよりもスキン層が占める割合が大きく、僅かに裂け易さが上がっていると考えられる。また、比較例1にて作製された非水電解液二次電池用セパレータ(多孔質フィルム)は、実施例2における単層シートよりも薄い単層シートからなる積層シートを延伸したフィルムであることから、さらにスキン層が占める割合が多くなり、その結果、MD方向とTD方向の結晶配向のバランスが悪化し、さらに裂け易くなっていると考えられる。
比較例2にて得られた非水電解液二次電池用セパレータ(多孔質フィルム)は、TD方向のエルメンドルフ引裂法に基づく引裂強度が大きい一方、引張伸びの値Aが小さい。実施例と比較例2との比較から、MD方向へ強い配向を有している多孔質フィルムは、TD方向への衝撃に対する強度は高いが、MD方向への配向が強く、MD方向とTD方向の結晶配向のバランスが悪いため、裂け始めると配向方向に一気に裂けてしまうと考えられる。
実施例1、2と、比較例1、2におけるピン抜け性評価の結果から、実施例1、2における非水電解液二次電池用セパレータ(多孔質フィルム)は、比較例1、2にて作製された非水電解液二次電池用セパレータ(多孔質フィルム)よりもピン抜け性が優れていることが分かった。これは、実施例にて作製された多孔質フィルムは、MD方向とTD方向の結晶配向のバランスがより良好であるため、非水電解液二次電池用セパレータとピンとの間の滑り性がより大きくなり、ピン抜け性がより優れていると考えられる。以上のことから、実施例1、2にて製造される本発明の非水電解液二次電池用セパレータは、セパレータと正負極を重ね合わせ、ピンに捲回する工程を含む組み立て方法にて製造される円筒型、角型などの捲回型二次電池の製造に好適に利用することができることが分かった。
本発明の非水電解液二次電池用セパレータおよび非水電解液二次電池用積層セパレータは、外部からの衝撃に対して、内部短絡が発生し難く、かつ、大きな内部短絡の急激な発生が抑制された、安全性の高い非水電解液二次電池の製造に利用することができる。
1 SUS板
2 釘
3 抵抗測定器
4 負極シート
10 多孔質フィルム

Claims (4)

  1. ポリオレフィン系樹脂を主成分とする多孔質フィルムであって、
    エルメンドルフ引裂法(JIS K 7128−2準拠)にて測定される引裂強度が1.5mN/μm以上であり、かつ、
    直角形引裂法による引裂強度測定(JIS K 7128−3準拠)における荷重−引張伸び曲線において、荷重が、最大荷重に到達した時点から、最大荷重の25%まで減衰するまでの引張伸びの値Aが0.5mm以上であることを特徴とする、非水電解液二次電池用セパレータ。
  2. 請求項1に記載の非水電解液二次電池用セパレータと、多孔質層とを備えることを特徴とする非水電解液二次電池用積層セパレータ。
  3. 正極と、請求項1に記載の非水電解液二次電池用セパレータ、または、請求項2に記載の非水電解液二次電池用積層セパレータと、負極とがこの順で配置されてなることを特徴とする、非水電解液二次電池用部材。
  4. 請求項1に記載の非水電解液二次電池用セパレータ、または、請求項2に記載の非水電解液二次電池用積層セパレータを備えることを特徴とする、非水電解液二次電池。
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