JP2017102918A - ドライブレコーダ - Google Patents
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Abstract
【課題】車載バッテリ上がりを抑制し、駐車中のセキュリティ機能を充実させる。【解決手段】第1フレームレート又は第2フレームレートで車両の周囲の環境映像を撮像するカメラ11と、画像データ、年月日及び時刻データ及び音声データを符号化並びに多重化するエンコーダ13,16,20と、多重化されたデータを記録媒体51に記録するメモリドライブ22と、イグニッションスイッチがONであると検出された場合には記録媒体に記録する多重化データを第1フレームレートのデータで記録し、イグニッションスイッチがOFFであると検出された場合には第2フレームレートのデータで記録する記録制御器32と、ドライブレコーダに電力を供給する車載バッテリVBの電圧を検出する電圧検出器31とを備え、記録制御器は、イグニッションスイッチがOFFである場合に、検出された車載バッテリの電圧が所定値未満であるときは車載バッテリからの電力入力回路を遮断する。【選択図】図1
Description
本発明は、車両に搭載されるドライブレコーダに関する。
車両事故の後処理において、事故原因に対する当事者の主張が大きく食い違い、事故の解決が円滑に進行しないという問題を解消するため、当事者及び第三者が事故の状況をビデオ画像で確認できるドライブレコーダが一般車両にも普及している。
本件出願人は、駐車中においても運転中の撮影フレームレートより小さいフレームレートで撮影を継続することで、運転中の事故のみならず、車を離れた場合に発生することが少なくない車上荒らし・車両へのいたずら・車両周辺の事件などへの対策にも用いられるドライブレコーダを開発している(特許文献1)。このようなドライブレコーダを搭載しておけば、長時間車両を離れている場合に車室内の物品が盗難にあったり、車両に悪戯をされたりしても、犯人の特定や未然防止を図ることができる。
しかしながら、上記駐車中のセキュリティ機能を兼備した従来のドライブレコーダでは、車両の駐車中にドライブレコーダを比較的長時間作動させると、車載バッテリが上がるおそれがある。また、車両荒らしの犯人によってドライブレコーダも盗難されてしまうと犯人の特定ができないという問題もある。さらに、駐車中のセキュリティ機能においては低フレームレートで撮影するため、通常画像に比べると再生画像が不連続となり、犯人の特定が難しい場合もある。
本発明が解決しようとする課題は、車載バッテリ上がりを抑制し、駐車中のセキュリティ機能を充実させることである。
本発明は、車両のイグニッションスイッチがOFFである場合に、車載バッテリの電圧が所定値以上であるときは、第2フレームレートで画像データ等を記録するが、車載バッテリの電圧が所定値未満であるときは、車載バッテリからの電力入力回路を遮断し、画像データの記録を禁止する。
また本発明は、エンコーダにより多重化されたデータ又は記録媒体に記録されたデータの少なくとも一方を、電気通信回線網を介して車載コンピュータ、車外コンピュータ又は所定の携帯端末機に送信する送信器を備えることが好ましい。
また本発明は、イグニッションスイッチがOFFであって第2フレームレートで画像データ等を記録している場合に、車両に加わる衝撃が所定値より大きいときは、所定時間の間、第2フレームレートから第1フレームレートに切り換えて画像データ等を記録する。
本発明のドライブレコーダによれば、車載バッテリ上がりが抑制され、駐車中のセキュリティ機能が充実する。
本例のドライブレコーダ1は、図1に示すように、カメラ11及びマイクロホン14、A/D変換器12,15、画像エンコーダ13及び音声エンコーダ16、時計17、多重化回路20、切換スイッチ21、メモリドライブ22、ビデオメモリ23、FPS変換部25を含むデコーダ24、HDMIエンコーダ26、電圧センサ31、記録制御回路32、送信器33及びショックセンサ34を備え、これらの構成部品が一つの小型の筐体10に全て収容されている。
本例のドライブレコーダ1は、車両走行時の主として前方の状況を撮影するために、たとえば室内のルームミラーの裏面にブラケットや接着剤を用いて装着することができる。またはこれに代えて、筐体10をフロントウィンドガラスの内面にブラケットや接着剤を用いて装着してもよい。さらに室内のインストルメントパネルの上面、リヤウィンドガラス、リヤパーセルの上面などの適宜箇所にテープなどの固定手段を用いて装着することもできる。
また、ドライブレコーダ1の筐体10と、車両に固定したブラケットとは、筐体10を左右いずれかにスライドさせることにより着脱可能とすることが好ましく、着脱可能とすることで、自動車事故が発生した現場においてドライブレコーダ1を車両から取り外すことができるし、大画面のモニターにて撮像画像を再生したい場合にドライブレコーダ1を車両から取り外し、モニターが設置された場所にドライブレコーダ1を持ち運ぶことができる。
なお、筐体10とブラケットとの間には、ブラケットに対して筐体10が揺動可能なようにユニバーサルジョイントなどの自在継手を介装してもよい。これにより、ブラケットが、被着体であるルームミラーに固定されても、筐体10の角度を調節してカメラ11による視野を適宜の範囲に設定することができる。また、本発明の変形例として、ブラケットを省略して筐体10をルームミラーに固定し、ルームミラーを車体に対して着脱可能に構成してもよい。またはこれに代えて、筐体10をルームミラーの筐体で構成し、ルームミラーの筐体内にドライブレコーダ1の構成部品を内蔵してもよい。この場合も、ルームミラーの全体、又はドライブレコーダの構成部分を車体に対して着脱可能に構成することが望ましい。さらにルームミラー以外にも車室外のサイドドアミラーにドライブレコーダ1を固定又は着脱可能に設けてもよい。
カメラ11は、CCDカメラなどで構成され、目的とする車両の周囲の環境映像を撮像する。そして、カメラ11で撮像したアナログ画像信号は、A/D変換器12でデジタル画像信号に変換処理され、このデジタル画像信号は画像エンコーダ13で符号化される。また、マイクロホン14は、目的とする車両の周囲の環境音声を集音する。そして、マイクロホン14で集音したアナログ音声信号は、A/D変換器15でデジタル音声信号に変換処理され、このデジタル音声信号は音声エンコーダ16で符号化される。なお、必要に応じてマイクロホン14、A/D変換器15及び音声エンコーダ16を省略し、音声データのない画像データのみのデータとしてもよい。
時計17は、カメラ11の撮影年月日及び時刻を計測し、その年月日及び時刻データを画像エンコーダ13にて画像データに同期して合成する。時計17で計測した年月日及び時刻データは、再生時に画像データの一部としてディスプレイに表示される。時計17としては、CPU又はMPUに内蔵されたクロック信号を用いることができるが、その他にもGPS信号受信機で受信されたGPS信号から時刻情報を抽出して用いてもよい。
本例では、CCDカメラ11で取得される映像信号のフレームレートを27.5Hzの固定値に設定している。これは以下の理由による。すなわち、図3に示すように、LED信号機の電源は一般的に商用電源であり、商用電源は東日本では50Hz、西日本では60Hzの周波数で供給されている。LED信号機の光源は、周波数50又は60Hzの交流電源の供給を受けて点灯するが、実際には同図に示すように点灯と消灯が繰り返されている。したがって、映像信号の取り込み周波数次第では、消灯時の間隔に同期することがあり、こうして撮影画像を取り込むとLED信号機の点灯が映らず、画像データを再生したときに信号色を識別することができないことがある。
本例では、日本が50Hzと60Hzという2種類の周波数電源が供給されているという事情に鑑み、50Hzと同期する可能性がある25fpsと、60Hzと同期する可能性がある30fpsとの中間値である27.5fpsのフレームレートで撮影画像を取り込むことにしている。これにより、西日本にいても東日本にいてもどちらの信号機とも同期することのないドライブレコーダを提供することができ、事故原因の解明に重要なLED信号機の色を確実に識別することができる。
なお、27.5fpsの固定値に設定することが最も好ましいが、27.5±1fpsの範囲の値であれば同期する可能性は極めて少ないので、この範囲の他の値に設定することもできる。また、後述する汎用映像信号による再生との関係で、31.5fps以上の固定値に設定してもよい。なお、上述したような商用電源の周波数の違いによる同期を考慮することは本発明にとって必須ではない。
多重化回路20は、CCDカメラ11で取得した27.5fpsのフレームレートのデジタル映像信号とマイクロホン14で取得したデジタル音声信号とを多重化し、切換スイッチ21を介してメモリドライブ22に出力する。
切換スイッチ21は、多重化回路20にて多重化された画像・音声データをメモリドライブ22に出力する周波数を切り換えるスイッチであり、車両のイグニッションスイッチVKに連動して、27.5fpsのフレームレートに相当する第1周波数と、1fpsのフレームレートに相当する第3周波数とに切り換える。すなわち、イグニッションスイッチVKがONすると27.5fpsのフレームレートに相当する第1周波数に切り換わり、イグニッションスイッチVKがOFFすると1fpsのフレームレートに相当する第3周波数に切り換わる。これにより、乗車して走行する際は自動的にLED信号機の点滅周波数の影響を受けない状態で前方映像を記録することができる一方で、エンジンを停止すると自動的に1fpsのフレームレートに切り換わって長時間撮影記録が可能となり、車上荒らし対策のセキュリティシステムとして機能する。なお、エンジンが停止した場合のフレームレートは1fpsにのみ限定されず、ユーザの設定により選定することができる。この点については後述する。
本例のドライブレコーダ1の電源端子28は、イグニッションスイッチVKを介して第1接続回路C1により車両のバッテリVBに接続され、イグニッションスイッチVKがONするとドライブレコーダ1の電源端子28にバッテリVBからの電力が供給される。これに対して、イグニッションスイッチVKがOFFすると第1接続回路C1を介する電力供給は遮断するが、イグニッションスイッチVKのOFFに連動して第2接続回路C2の開閉スイッチSWがONとなり、第2接続回路C2を介して電源端子28にバッテリVBからの電力が供給される。これにより、イグニッションスイッチVKをOFFにしてもドライブレコーダ1に電力が供給されるので車上荒らし対策などのセキュリティシステムとして機能させることができる。
ただし、エンジンが停止するとオルタネータ(発電機)も停止するので、ドライブレコーダ1に供給される電力源はバッテリVBのみとなるが、バッテリVBが上がるとエンジンスタータモータを作動することができない。このため、電圧センサ31及び記録制御回路32が設けられている。そして、イグニッションスイッチVKのOFFに連動して第2接続回路C2の開閉スイッチSWをONする際に、予めバッテリVBの電圧を検出し、車上荒らし対策などの長時間撮影記録に対応できる状態であるかどうかを判断し、対応できない場合には長時間撮影記録を禁止する。この詳細については後述する。また、記録制御回路32は、ユーザのニーズに応じてエンジン停止時に記録するフレームレートを設定する入力部を有する。この入力部からの入力により、1fpsとするか、これより大きい又は小さいフレームレートとするか、又は0fps、すなわち記録しないかを設定することができる。
メモリドライブ22は、SDカード媒体51などの汎用携帯型記録媒体に多重化された映像・音声データを記録する。そして、SDカード媒体51の記録容量が一杯になってから最新の映像・音声データを記録する場合には、時間的に最古の映像・音声データは消去され、エンドレスにたえず最新の映像・音声データを記録するようにメモリドライブ22により制御される。この場合に、記録のタイミングは任意の長さで設定することができる。
デコーダ24は、ドライブレコーダ1の出力端子27を、HDMI(登録商標)などのデジタル映像信号に対応したHDディスプレイに接続し、当該ディスプレイにてSDカード媒体51に記録したフレームレートが27.5fpsの映像・音声データを視聴する場合に機能する。すなわち、フレームレートが27.5fpsで記録された映像・音声データをSDカード媒体51からビデオメモリ23に読み出し、当該ビデオメモリ23からデコーダ24に対して、25fps又は30fpsに対応する周波数で出力する。たとえば、日本やアメリカなどのNTSC規格の国々のフレームレートは30fps、ヨーロッパなどPAL規格の国々のフレームレートは25fpsであるから、NTSC規格のフレームレートは30fps、PAL規格のフレームレートは25fpsであるから、NTSC規格に対応した再生装置で再生する場合にはビデオメモリ23からデコーダ24に対して30fpsに相当する周波数で映像・音声データを出力する。デコーダの例は、HDMI(登録商標)による出力の例を示したが、従来の標準解像度の汎用映像信号NTSC(National Television System Committee)やPAL(Phase Alternating Line)などの映像信号にも変換することができる。この場合、本来記録されている高解像度の映像信号から、標準解像度の信号に変換する必要があるので、本来の映像品質は得られない。また、フレーム周波数変換されるのは映像信号だけであり音声は時間処理の必要が無いので再生音の音質の劣化や時間のずれの発生がない。
デコーダ24に入力されたビデオメモリ23からの映像・音声データは、30fpsに相当する周波数で出力されているものの、映像データとしては27.5fpsのデータである。したがってこの画像データは、30fpsの画像データに対して1秒間に2.5フレームだけ画像データが不足する。これを2秒間に換算すると5フレーム不足することになり、2秒間にデコーダ24にて取得される画像データ55フレームのうち11フレーム毎に1フレームずつ不足することになる。したがって、11フレーム毎に1フレームの画像データを追加すれば(取得される画像データの11フレーム目と12フレーム目との間に1フレーム追加すれば)、得られる画像データはNTSC規格のフレームレートに対応した画像データとなる。この様子を図4に示す。
このため、デコーダ24のFPS変換部25は、実質的に27.5fpsの画像データの11フレーム毎に、1フレームの画像データを追加する処理を実行し、これを再生用画像データとして出力端子27を介してディスプレイに出力する。追加される1フレームの画像データは、再生時に円滑な映像が再生されるように直前に取得した1フレームの画像データを複写したものとすることが望ましい。ただし、直前の画像データにのみ限定されず、円滑な再生映像が許容される範囲内において取得された画像データの中から選択してもよい。または再生映像に影響が少ないグレー色等の標準画像データを用意しておき、これを11フレーム毎に追加してもよい。こうした複写画像または標準画像の追加処理は11フレーム毎に実行されるが、この画像処理は単純な処理であるため、短時間かつ簡単な処理回路で実行することができる。
ちなみに、SDカード媒体51に記録されている画像データが27.5fpsの場合は上述したとおり11フレーム毎に1フレームの画像データを追加すればよいが、画像データが27fpsの場合は1秒間に3フレーム不足するので、9(=27÷3)フレーム毎に1フレームの画像データを追加する。同様に、画像データが28fpsの場合は14フレーム毎に1フレーム、画像データが28.5fpsの場合は19フレーム毎の画像データをそれぞれ追加する。これを一般化すると、画像データのフレームレートをx、NTSC規格のフレームレートを30fpsとすると、1秒間における不足フレームは30−xであるから、x/(30−x)=N(Nは自然数),25<x<30を満足するxであればよい。
なお、LED信号機の点灯周波数(50,60Hz)と同期しないフレームレートとして30fpsより大きい値があるが、たとえば31.5fps以上の範囲のフレームレートで画像データを取得し、取得した画像データをNTSC規格に対応した30fpsのフレーム数までフレームを削除してもよい。たとえば、31.5fpsの画像データを30fpsの画像データに変換するには、1秒間に1.5フレーム(2秒間に3フレーム)の画像データを削除する。
このように画像データの一部を削除することによりフレームレートが異なる画像データとする利点は、画像処理の負荷が小さくなることである。ただし、処理前の画像データの削除割合が大きすぎると再生時に映像の円滑性が損なわれたり、肝心の場面の映像が再生できなかったりするので、31.5fpsから最大でも35fpsとすることが望ましい。そして、複数のフレームを削除する場合は、削除する範囲の中から万遍なくフレームを抽出して削除することが望ましい。たとえば上述した31.5fpsの画像データを30fpsの画像データに変換する場合は、2秒間に3フレームを削除する処理となるから、2秒間の63フレーム(=31.5fps×2秒)のうち連続した3フレームではなく21フレーム毎に1フレームの画像データを削除することが望ましい。これにより、円滑な再生映像が得られるとともに不用意に重要な場面の映像を削除してしまうおそれもない。
送信器33は、多重化回路20により多重化された映像・音声データをリアルタイムで外部サーバ41、車両コントローラ(VCU)42又は所定の携帯端末機(たとえばドライバのスマートフォン)へ出力し、これら外部サーバ41、車両コントローラ(VCU)42又は所定の携帯端末機のメモリに記録する。またはこれに代えて、SDカード媒体51に記録された多重化映像・音声データをリアルタイム又は所定のタイミングで外部サーバ41、車両コントローラ(VCU)42又は所定の携帯端末機(たとえばドライバのスマートフォン)へ出力し、これら外部サーバ41、車両コントローラ(VCU)42又は所定の携帯端末機のメモリに記録する。送信器33から外部サーバ41又は車両コントローラ42への通信媒体は無線又は有線のいずれでもよい。通常、外部サーバ41や所定の携帯端末機に対してはインターネット回線網、WiFi(登録商標)、SIMカードによる電話回線などの無線通信を用いることが好ましく、車両コントローラに対しては有線又はWiFi(登録商標),Bluetooth(登録商標)などの短距離無線通信を用いることが好ましい。
また、走行中の映像・音声データはSDカード媒体51に逐次記録されるので、車両を停車させた場合のタイミングで、まとめて外部サーバ41、車両コントローラ42又は所定の携帯端末機へ送信し、これらのメモリに記録するのが好ましい。これに対して、駐車中のセキュリティ機能を用いた映像・音声データは、多重化回路20からリアルタイムで外部サーバ41、車両コントローラ42又は所定の携帯端末機へ出力し、これら外部サーバ41、車両コントローラ(VCU)42又は所定の携帯端末機のメモリに記録するのが好ましい。SDカード媒体51に記録された映像・音声データを、あるタイミングでまとめて送信すると、その前にドライブレコーダ1そのものが盗難されてしまうと犯人の特定ができないからである。また、駐車中の映像・音声データをドライバのスマートフォンにリアルタイムで送信することにより、ドライバは自車両から離れたところで自車両の周囲の状況を把握することができる。たとえば、駐車違反の取締車両が近づいてきたことがスマートフォンで解れば、すぐに自車両に戻ることができる。
ショックセンサ34は、車両に加わる衝撃を検出するセンサであり、検出された衝撃が予め設定された所定値より大きい場合に、所定時間の間(たとえば5〜10分間)、SDカード媒体51に記録する多重化データを、それまでの1fpsから27.5fpsに切り換え、このフレームレートのデータで記録する。
次に動作を説明する。図2は、上述したドライブレコーダ1の動作を示すフローチャートである。同図において、ステップST1では、ドライブレコーダ1の電源端子28にバッテリVBが接続されて電力が供給されているか否かを判断する。電力が供給されている場合はステップST2へ進み、イグニッションスイッチVKがONされているか否かを判断し、ONされている場合はステップST3へ進み、OFFの場合はステップST6へ進む。
イグニッションスイッチVKがONされたステップST3では、切換スイッチ21を27.5fps側に切り換えたのち、ステップST4にてCCDカメラ11により車両周囲の映像を撮像するとともにマイクロホン14で車両周囲の音声を集音し、ステップST5にて取得した画像データ及び音声データに上述した多重化信号処理等を施してSDカード媒体51に順次記録し、ステップST1で電力供給が遮断されるか、ステップST2にてイグニッションスイッチVKがOFFするまでこれを繰り返す。この場合に、多重化回路20により多重化された映像・音声データをリアルタイムで外部サーバ41、車両コントローラ(VCU)42又は所定の携帯端末機へ出力し、これら外部サーバ41、車両コントローラ(VCU)42又は所定の携帯端末機のメモリに記録する。またはこれに代えて、SDカード媒体51に記録された多重化映像・音声データをリアルタイム又は所定のタイミングで外部サーバ41、車両コントローラ(VCU)42又は所定の携帯端末機へ出力し、これら外部サーバ41、車両コントローラ(VCU)42又は所定の携帯端末機のメモリに記録する。
そして、ステップST2にてイグニッションスイッチVKがOFFになるとステップST6へ進み、15分タイマーをONし、ステップST7において15分の経過を待つ。この15分とは、車種によってはイグニッションスイッチVKをOFFした後でもエンジン冷却水温度が高いとラヂエータファンを作動してエンジン冷却水を冷却する場合があり、そのときにはバッテリVBからの電力によりラヂエータファンを作動する。バッテリVBの電圧は充放電中には安定しないため、こうしたラヂエータファンなどが停止してバッテリVBが無負荷になるのを待つための時間である。したがって、15分という数値には特に限定されず、たとえば5〜15分など、その車種に応じて設定すればよい。なお、電圧センサ31に加えて電流センサを設け、バッテリVBに流れる電流値がゼロになった場合のバッテリVBの電圧(つまり開放電圧)を電圧センサ31で検出してもよい。ステップST7において15分が経過したらステップST8へ進み、電圧センサ31によりバッテリVBの電圧を測定し、記録制御回路32へ出力する。このとき、検出された電圧値に応じて、そのバッテリVBの定格電圧が12Vであるか24Vであるかも判別する。
ステップST9において、記録制御回路32は、予め設定されている電圧閾値、すなわち定格12VのバッテリVBの場合は11.8V,定格24VのバッテリVBの場合は23.7V以上であるかどうかを判断する。定格12Vのバッテリの過放電電圧は10.5V,定格24Vのバッテリの過放電電圧は21Vであるから、ステップST9において設定する閾値電圧をそれぞれ11.8V,23.7Vとする。ただし、この具体的な閾値は本発明を限定するものではなく、バッテリ上がりをより確実に防止するために11.8V,23.7Vを超える閾値を設定してもよいし、セキュリティ機能を優先するために10.5V〜11.8Vの間、21V〜23.7Vの間の値を閾値としてもよい。
ステップST9において、検出されたバッテリVBの電圧が11.8V又は23.7V以上である場合にはステップST10へ進み、切換スイッチ21を1fps側(実際にはユーザにより設定されたフレームレート)へ切り換えるとともに、たとえば3時間のタイマーをONしたのち、ステップST11にて車両周囲の映像を撮像するとともにマイクロホン14で車両周囲の音声を集音し、ステップST12にて取得した画像データ及び音声データに上述した多重化信号処理等を施してSDカード媒体51に順次記録し、ステップST10でONされた3時間のタイマーがカウントアップするまでこれを繰り返す。なお、この長時間録画の場合に音声データの取得を省略し、画像データのみとしてもよい。また、上述した3時間というセキュリティモードの継続時間を、ユーザが設定可能に構成してもよい。この場合に、多重化回路20により多重化された映像・音声データ又はSDカード媒体51に記録された多重化映像・音声データのいずれか一方を、リアルタイムで外部サーバ41、又は車両コントローラ(VCU)42又は所定の携帯端末機へ出力し、これら外部サーバ41、又は車両コントローラ(VCU)42又は所定の携帯端末機のメモリに記録する。
ステップST13においては、1fpsのフレームレートで画像データ等を記録中に、ショックセンサ34により検出された衝撃(たとえば加速度などの物理量)が予め設定された閾値を超えたかどうかを判断する。この判断は、その車両に対して何者かが悪戯などの目的で強制的にドアを開けたり、窓ガラスを割ったりする場合の衝撃を想定したものである。ショックセンサ34により検出された衝撃が閾値を超えた場合にはステップST14へ進み、切換スイッチ21を27.5fpsに切り換えるとともに、たとえば5〜10分程度のタイマーをONする。そして、このタイマーがカウントアップするまで27.5fpsのフレームレートで撮影し、記録する。タイマーがカウントアップしたら切換スイッチ21を再び操作し、1fpsのフレームレートでの撮影に戻す。このフレームレートを変更した場合にも、多重化回路20により多重化された映像・音声データ又はSDカード媒体51に記録された多重化映像・音声データのいずれか一方を、リアルタイムで外部サーバ41、又は車両コントローラ(VCU)42又は所定の携帯端末機へ出力し続け、これら外部サーバ41、又は車両コントローラ(VCU)42又は所定の携帯端末機のメモリに記録し続ける。
ステップST9において、検出されたバッテリVBの電圧が11V又は22V未満である場合にはステップST15へ進み、記録制御回路32は開閉スイッチSWを開き(OFF)、バッテリVBからドライブレコーダ1へ供給される電力を遮断する。この場合には、1fpsによるセキュリティモードは動作させず、バッテリ上がりの防止を優先する。
以上のとおり、本例のドライブレコーダ1によれば、図2のステップST8及びST9の処理を実行することで、セキュリティモードの動作が原因となるバッテリ上がりを防止することができる。
また本例のドライブレコーダ1は、画像エンコーダ13及び音声エンコーダ16並びに多重化回路20により多重化されたデータを、電気通信回線網などを介して外部サーバ41、車両コントローラ42又は所定の携帯端末機に送信するか、又は、SDカード媒体51に記録されたデータを、電気通信回線網などを介して外部サーバ41、車両コントローラ42又は所定の携帯端末機に送信するので、ドライブレコーダ1そのものが盗難されても、撮像した画像データは保護される。
また、本例のドライブレコーダ1によれば、図2のステップST13及びST14の処理を実行することで、アキシデントの映像品質が向上するので犯人等の特定が容易となる。
本例のドライブレコーダ1は、上述したようにHDMI(登録商標)などのデジタル映像信号に対応したHDディスプレイに接続し、SDカード媒体51に記録した映像・音声データを視聴するほか、SDカード媒体51をパーソナルコンピュータのSDドライブに入れて、パーソナルコンピュータにインストールした再生ソフトウェアで視聴することもできる。
1…ドライブレコーダ
10…筐体
11…CCDカメラ
12…A/D変換器
13…画像エンコーダ
14…マイクロホン
15…A/D変換器
16…音声エンコーダ
17…時計
20…多重化回路
21…切換スイッチ
22…メモリドライブ
23…ビデオメモリ
24…デコーダ
25…FPS変換部
26…HDMIエンコーダ
27…出力端子
28…電源端子
31…電圧センサ
32…記録制御回路
33…送信器
34…ショックセンサ
41…外部サーバ
42…車両コントローラVCU
51…SDカード
VB…車両バッテリ
VK…イグニッションスイッチ
C1…第1接続回路
C2…第2接続回路
SW…開閉スイッチ
10…筐体
11…CCDカメラ
12…A/D変換器
13…画像エンコーダ
14…マイクロホン
15…A/D変換器
16…音声エンコーダ
17…時計
20…多重化回路
21…切換スイッチ
22…メモリドライブ
23…ビデオメモリ
24…デコーダ
25…FPS変換部
26…HDMIエンコーダ
27…出力端子
28…電源端子
31…電圧センサ
32…記録制御回路
33…送信器
34…ショックセンサ
41…外部サーバ
42…車両コントローラVCU
51…SDカード
VB…車両バッテリ
VK…イグニッションスイッチ
C1…第1接続回路
C2…第2接続回路
SW…開閉スイッチ
Claims (7)
- 車両に搭載され、前記車両の周囲の映像と音声とを記録するドライブレコーダであって、
第1フレームレート又は当該第1フレームレートより小さい第2フレームレートで前記車両の周囲の環境映像を撮像するカメラと、
前記カメラで撮像したときの年月日及び時刻を取得する時刻取得器と、
前記カメラにより撮像された第1フレームレートの画像データ及び前記時刻取得器により取得された年月日及び時刻データを符号化並びに多重化するエンコーダと、
前記多重化されたデータを記録媒体に記録するメモリドライブと、
前記車両のイグニッションスイッチのON/OFFを検出する検出器と、
前記車両のイグニッションスイッチがONであると検出された場合には、前記記録媒体に記録する多重化データを前記第1フレームレートのデータで記録し、前記車両のイグニッションスイッチがOFFであると検出された場合には、前記第2フレームレートのデータで記録する記録制御器と、
前記ドライブレコーダに電力を供給する車載バッテリの電圧を検出する電圧検出器と、を備え、
前記記録制御器は、前記車両のイグニッションスイッチがOFFである場合に、前記検出された車載バッテリの電圧が所定値未満であるときは、前記車載バッテリからの電力入力回路を遮断するドライブレコーダ。 - 前記記録制御器は、前記車両のイグニッションスイッチがOFFになってから少なくとも10分経過後に、前記車載バッテリの電圧の検出値を取得する請求項1に記載のドライブレコーダ。
- 前記記録制御器は、前記第2フレームレートの数値(0を含む)を設定する入力部を含む請求項1又は2に記載のドライブレコーダ。
- 前記エンコーダにより多重化されたデータ又は前記記録媒体に記録されたデータの少なくとも一方を、電気通信回線網を介して、車載コンピュータ、車外コンピュータ又は所定の携帯端末機に送信する送信器をさらに備える請求項1〜3のいずれか一項に記載のドライブレコーダ。
- 前記送信器は、前記エンコーダにより多重化されたデータ又は前記記録媒体に記録されたデータの少なくとも一方を、駐車中においては、リアルタイムで送信する請求項4に記載のドライブレコーダ。
- 前記送信器は、前記エンコーダにより多重化されたデータ又は前記記録媒体に記録されたデータの少なくとも一方を、走行中においては、リアルタイム又は所定のタイミングでまとめて送信する請求項5に記載のドライブレコーダ。
- 前記車両のイグニッションスイッチがOFFである場合に、前記車両に加わる衝撃を検出する衝撃検出器をさらに備え、
前記記録制御器は、前記検出された衝撃が所定値より大きい場合に、所定時間の間、前記記録媒体に記録する多重化データを前記第1フレームレートのデータで記録する請求項1〜6のいずれか一項に記載のドライブレコーダ。
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