JP2017101685A - バイメタルねじの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】必要な箇所にのみ焼入れを行うことで、ねじの各部で所望の特性が得られ、かつ、高い生産性で製造することのできるバイメタルねじおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】
バイメタルねじの頭部及び軸部となる頭部側部材11と、バイメタルねじ10の先端部となる先端側部材12とを接合してバイメタルねじ10を製造する。先端側部材12は、頭部側部材11との接合前にねじ部加工と焼入れ処理とが実施され、その全体に焼入れ処理が施される。頭部側部材11は焼入れ処理が施されることなく、先端側部材12と接合される。
【選択図】図1

Description

本発明は、バイメタルねじおよびその製造方法に関する。
近年、ユーザの様々なニーズに応えるために種々のネジが開発されており、その一つに異種金属同士を接合してなるバイメタルねじがある。バイメタルねじでは、例えば、頭部及び軸部にステンレス鋼を用い、先端部に炭素鋼を用いるなどして、耐食性とねじ込みの容易さとを両立できる。従来のバイメタルねじにおいては、ねじ部加工前のブランク製造段階で異種金属同士を例えば溶接によって接合する(特許文献1)。
特許文献1では、異種金属同士を接合してねじ部加工前のブランクを製造し、該ブランクに対してねじ部を加工する製造手順とされている。また、ねじ部を加工した後に、焼入れ処理を行っている。
特公平6−25564号公報
特許文献1のバイメタルねじでは、焼入れ処理の段階で、焼入れ炉を用いてねじ全体に加熱処理を行うと、頭部及び軸部に耐食性の高い材料(例えばオーステナイト系ステンレス鋼)を用いた場合等にその耐食性が損なわれるといった課題がある。
必要な箇所(先端のねじ部)にのみ焼入れを行うには、高周波焼入れのような部分的焼入れ処理を用いることも可能である。しかしながら、この場合には、焼入れに要する処理時間が長くなり、生産性が低下するといった課題がある。
本発明は、前記課題に鑑みてなされたものであり、必要な箇所にのみ焼入れを行うことで、ねじの各部で所望の特性が得られ、かつ、高い生産性で製造することのできるバイメタルねじおよびその製造方法を提供することを目的とする。
前記の課題を解決するために、本発明は、バイメタルねじの頭部及び軸部となる頭部側部材と、バイメタルねじの先端部となる先端側部材とが接合されてなるバイメタルねじであって、前記頭部側部材は焼入れ処理が施されておらず、前記先端側部材はその全体に焼入れ処理が施されていることを特徴としている。
前記の構成によれば、ねじの先端部となる先端側部材では、焼入れ処理に硬化されたねじ部を形成することができる。一方、ねじの頭部及び軸部となる頭部側部材では、例えば、耐食性の高いオーステナイト系ステンレス鋼を用い、焼入れ処理を施さないことで、その耐食性を損なうことはない。すなわち、バイメタルねじの必要な箇所にのみ焼入れを行うことで、ねじの各部で所望の特性が得られる。
また、先端側部材は、その全体に焼入れ処理が施されることで、頭部側部材との接合前にねじ部加工と焼入れ炉を用いた焼入れ処理とが実施可能となるため、焼入れに掛かる時間が増大することは無く、高い生産性を維持することができる。
また、前記の課題を解決するために、本発明は、バイメタルねじの頭部及び軸部となる頭部側部材と、バイメタルねじの先端部となる先端側部材とが接合されてなるバイメタルねじの製造方法であって、バイメタルねじの頭部及び軸部となる頭部側部材を製造する第1工程と、バイメタルねじの先端部となる先端側部材を製造する第2工程と、前記第1工程及び前記第2工程の後に行われ、前記頭部側部材および前記を接合してバイメタルねじを製造する第3工程とを含み、前記第2工程では、前記先端側部材におけるねじ部加工と、前記先端側部材の全体に対する焼入れ処理とが実施されることを特徴としている。
また、前記バイメタルねじの製造方法では、前記第3工程では、前記頭部側部材と前記先端側部材との接合面において該接合面の中央部のみを抵抗溶接にて接合し、前記接合面の周縁部をTIG溶接にて接合する構成とすることができる。
本発明のバイメタルねじおよびその製造方法は、バイメタルねじの必要な箇所にのみ焼入れを行うことで、ねじの各部で所望の特性が得られる。また、先端側部材は、その全体に焼入れ処理が施されることで、頭部側部材との接合前にねじ部加工と焼入れ炉を用いた焼入れ処理とが実施可能となり、焼入れに掛かる時間が増大することは無く、高い生産性を維持することができる。
本発明の一実施形態を示すものであり、バイメタルねじの接合前の各パーツと接合後のバイメタルねじとを示す図である。 バイメタルねじ製造システムの概略構成を示す図である。 前記システムにおける頭部側部材供給部の構成を示す斜視図である。 前記システムにおける先端側部材供給部の構成を示す斜視図である。 前記システムの溶接装置における頭部側部材送りスライダの構成を示す側面図である。 前記システムの溶接装置における先端側部材送りスライダの構成を示す側面図である。 前記システムの溶接装置において、溶接時における抵抗溶接ヘッド付近の状態を示す側面図である。 前記システムの溶接装置において、バイメタルねじの溶接箇所とTIG溶接ヘッドとを示す図である。 前記システムにおける排出部の構成を示す図である。 (a)は抵抗溶接終了時点での溶接箇所の断面図であり、(b)はTIG溶接終了時点での溶接箇所の断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、バイメタルねじの接合前の各パーツと接合後のバイメタルねじとを示す図である。本実施の形態に係るバイメタルねじ10は、接合前の各パーツとして頭部側部材11および先端側部材12を用い、これらのパーツを接合することで製造される。頭部側部材11は最終的にはバイメタルねじ10の頭部及び軸部となり、先端側部材12はバイメタルねじ10の先端部となる。
頭部側部材11および先端側部材12は、互いに異なる金属材料とすることができる。例えば、頭部側部材11は耐食性の高い材料(例えばオーステナイト系ステンレス鋼)とし、先端側部材12は焼入れによって耐熱性や硬度の増す材料(例えば炭素鋼)とすることができる。
本実施の形態に係るバイメタルねじ10において、先端側部材12は、頭部側部材11との接合前に、ねじ部の加工と焼入れ処理とが施されている。これにより、先端側部材12に形成されるねじ部は焼入れ硬化され、被締結部材へのねじ込みが容易に行えるようになる。また、頭部側部材11との接合前に焼入れ処理を施すため、焼入れ炉を用いた全体焼入れを多数の先端側部材12に対して一括して施すことができる。このため、高周波焼入れのような部分的焼入れに比べ、焼入れ処理に掛かる時間が増大することも無い。
一方、頭部側部材11には焼入れ処理が施されない。このため、頭部側部材11は、不要な熱処理によって所望の特性(耐食性)が低下することが無い。
また、本発明では、頭部側部材11および先端側部材12が互いに異なる金属材料であることに限定されず、同一材料に対して焼入れの有無によって特性を異ならせるものであっても良い。例えば、頭部側部材11および先端側部材12をともに鉄(例えばSWCH材)とし、先端側部材12は焼入れによって硬化させ、頭部側部材11は焼入れせずに高い靭性を維持させるようにしてもよい。このような特性としたバイメタルねじ10は、例えば建築分野において、鋼材に断熱材を締結保持するような使用において好適である。すなわち、断熱材の厚みにあわせた軸長の大きいねじとし、かつ、頭部側部材11に高い靭性を持たせることで耐震性を与えることができる(バイメタルねじ10に掛かる応力を頭部側部材11の靭性特性によって吸収する)。
このように、本発明に係るバイメタルねじ10は、焼入れによる硬化が必要なねじ部を有する先端側部材12に対しては全体的な焼入れが施される。一方、焼入れによる加熱が行われると所望の特性が得られなくなる頭部側部材11には焼入れを施さない。尚、先端側部材12に対して施す焼入れは、焼入れ炉を用いて先端側部材12の全体に対して加熱を行う焼入れ方法であれば、材料の全体(内部まで)を硬化させる焼入れ方法であってもよく、あるいは、浸炭焼入れのように材料表面のみを硬化させる焼入れ方法であってもよい。すなわち、本発明において、先端側部材12に対して全体的な焼入れを施すとは、先端側部材12の全体を加熱する焼入れ方法を意味するのであって、先端側部材12の全体を硬化させる焼入れ方法を意味するのではない。
図2は、バイメタルねじ製造システム(以下、本システムと称する)1の概略構成を示す図であり、本システムを上から見た場合の各機能部の配置を示している。本システム1は、各機能部として、頭部側部材供給部2、先端側部材供給部3、ロボットアーム4、溶接装置5、および排出部6を具備して構成される。
以下、各機能部についてより詳細に説明する。
頭部側部材供給部2は、頭部側部材フィーダ部21、頭部側部材給送レール22、およびターンテーブル部23からなる。頭部側部材フィーダ部21は多数の頭部側部材11をストックしており、頭部側部材給送レール22は頭部側部材フィーダ部21から頭部側部材11を1つずつ分離給送する。このとき、頭部側部材給送レール22で給送される頭部側部材11は、頭部11a(図1参照)を上側、軸部11b(図1参照)を下側とした鉛直姿勢で給送される。ターンテーブル部23は、頭部側部材給送レール22から給送された頭部側部材11をロボットアーム4がつかみ易い状態で保持する。
図3に示すように、ターンテーブル部23は、中心軸回りに回転可能な円盤状のテーブル23Aと、テーブル23Aの周囲に配置されるガード23Bとからなる。テーブル23Aの周囲には、頭部側部材給送レール22から給送される頭部側部材11を保持するための、複数(ここでは3個)の切欠き231が設けられている。切欠き231は、上からみてテーブル23Aの外周側が開放されたU字形状を有しており、その幅は、頭部側部材11の頭部11aの径より小さく、軸部11bの径より大きい。このため、各切欠き231では、頭部側部材11の頭部11aを上にして吊下げた状態で保持することができる。
頭部側部材給送レール22から給送される頭部側部材11は、図3中の位置Pにて切欠き231にて保持され、テーブル23Aが時計方向(図中の矢印方向)に回転することによって位置Qに運ばれる。ガード23Bは、位置Pから位置Qへの移動の間に頭部側部材11が落下することを防止する。
位置Qに運ばれた頭部側部材11は、ロボットアーム4で掴んで切欠き231から横方向(ターンテーブル部23の外周方向)に引き抜くことが可能である。このため、位置Qにおいては、切欠き231は、ガード23Bではなく2枚の弾性板232によって頭部側部材11の落下が防止されるようになっている。弾性板232は、頭部側部材11の落下を防止できるが、ロボットアーム4による頭部側部材11の引き抜きは阻害しない。
先端側部材供給部3は、先端側部材フィーダ部31および先端側部材給送レール32からなる。先端側部材フィーダ部31は多数の先端側部材12をストックしており、先端側部材給送レール32は先端側部材フィーダ部31から先端側部材12を1つずつ分離給送する。
図4に示すように、先端側部材給送レール32は、該レールに形成された溝部(例えばV溝)321に沿って先端側部材12を給送するようになっている。このとき、先端側部
材給送レール32で給送される先端側部材12は、先端側部材12の長手軸と溝部321の長手方向とが平行となる水平姿勢で給送される。尚、先端側部材給送レール32上では、先端側部材12の向きが揃えられる。図4では、先端側部材12の先端部を給送方向の下流側、頭部側部材11との結合端部を給送方向の上流側に向けているが、この向きは逆であっても良い。
溝部321は、先端側部材12の給送方向下流側が突き当たりとなっており、先頭の先端側部材12は溝部321の下流側先端に突き当たって停止する。また、先頭の先端側部材12の下方における先端側部材給送レール32の一部は、上下に移動可能な可動ブロック322となっている。先頭の先端側部材12が溝部321の先端に突き当たった状態で可動ブロック322が下方に移動すると、先頭の先端側部材12は、軸方向の前後両端のみが溝部321によって支持され、軸部中央付近は浮いた状態となる。この状態で、ロボットアーム4が先頭の先端側部材12を掴んで持ち運ぶことが可能となる。こうして、先頭の先端側部材12がロボットアーム4によって持ち運ばれると、可動ブロック322が元の位置まで上昇し、次の先端側部材12が溝部321の先端に突き当たるまで移動する。
ロボットアーム4は、アームベース41上に1本のメインアームを搭載し、メインアームの先端に2つのサブアームを有するものを使用している。これにより、一方のサブアームでターンテーブル部23から頭部側部材11を、他方のサブアームで先端側部材給送レール32から先端側部材12を一つずつ掴んで溶接装置5の所定の位置に移動させることができる。ロボットアーム4は、産業ロボットとして製造・販売されている公知のロボットアームを使用可能であるため、図2では、アームベース41とロボット運動範囲のみを図示し、上述したメインアームおよびサブアームの図示は省略している。尚、本システム1では、ロボットアーム4として、FANUC社製のロボットアーム(LR Mate 200ic)を用いている。
溶接装置5は、溶接機51、頭部側部材送りスライダ52、および先端側部材送りスライダ53からなる。溶接機51は、頭部側部材11および先端側部材12に対して溶接を行うものであり、本システム1では大阪電研社製の溶接機を用いている。頭部側部材送りスライダ52は、ロボットアーム4によって搬送された頭部側部材11を所定の位置で受け取り、これを保持した状態で溶接位置まで移動させる。先端側部材送りスライダ53は、ロボットアーム4によって搬送された先端側部材12を所定の位置で受け取り、これを保持した状態で溶接位置まで移動させる。
図5に示すように、頭部側部材送りスライダ52は、移動体52Aと電動スライダ52Bとからなる。移動体52Aは、本体521に3つの保持板522,523,524をネジ等で締結して構成されている。電動スライダ52Bは、移動体52Aを待機位置と溶接位置との間で水平方向に移動させるための駆動手段である。尚、図5は、移動体52Aが待機位置にある状態を示している。また、溶接位置とは、頭部側部材11と先端側部材12とが溶接機51によって溶接接合されるときの移動体52Aの位置である(図7参照)。
保持板522,523,524は、本体521の上面から上方に立設した箇所を有しており、その立設箇所は溶接位置に近い側から保持板522,523,524の順となっている。保持板522,523の前記立設箇所の上端にはV溝522a,523aが形成されており、V溝522a,523aに頭部側部材11が載置されることによって、頭部側部材11が水平姿勢(頭部側部材11の軸が水平方向と平行となる姿勢)で保持される。すなわち、ロボットアーム4は、頭部側部材供給部2から搬送した頭部側部材11を、待機位置にある移動体52AのV溝522a,523a上に載置する。また、このとき、頭部側部材11の頭部11aが溶接位置から遠い側とされる。
図6に示すように、先端側部材送りスライダ53は、ガイドレール53Aと移動体53Bと電動スライダ53Cとからなる。ガイドレール53Aは、上面にV溝53Aaが形成されており、V溝53Aa上に載置された先端側部材12を溶接位置まで導くためガイド部材である。先端側部材12は、頭部側部材11との接合側を溶接位置に近い側としてV溝53Aa上に載置される。すなわち、ロボットアーム4は、先端側部材供給部3から搬送した先端側部材12を、ガイドレール53AのV溝53Aaの所定の位置および向きに載置する。移動体53Bは、V溝53Aaに載置された先端側部材12を溶接位置まで移動させる。電動スライダ53Cは、移動体53Bを待機位置と溶接位置との間で水平方向に移動させるための駆動手段である。尚、図6は、移動体53Bが待機位置にあり、先端側部材12がロボットアーム4によってV溝53Aaに載置された直後の状態を示している。
移動体53Bは、本体531と押し出し棒532とバネ533とケース534とを有している。押し出し棒532は、その長手軸がV溝53Aaの長手方向と平行となるように配置され、その一端でV溝53Aaに載置された先端側部材12を溶接位置まで押し出して移動させる。バネ533は、押し出し棒532の他端側に配置され、押し出し棒532に対して溶接位置方向への付勢力を与える。ケース534は、押し出し棒532の他端とバネ533とを内部に保持している。
溶接機51は、抵抗溶接のための抵抗溶接ヘッド(抵抗溶接手段)511と、TIG(Tungsten Inert Gas)溶接のためのTIG溶接ヘッド(TIG溶接手段)512(図8参照)とを備えている。図7は、溶接時における抵抗溶接ヘッド511付近の状態を示している。
抵抗溶接ヘッド511は、4つの電極511a〜511dを有しており、溶接時には、これら4つの電極511a〜511dの中央に接合箇所(図1参照)が配置されるようにする。このため、頭部側部材送りスライダ52では、移動体52Aが待機位置から溶接位置まで移動し、頭部側部材11を溶接位置まで移動させる。このとき、図7に示すように、頭部側部材11は、頭部11aが保持板524に当接することによって位置決めされる。
また、先端側部材送りスライダ53では、移動体53Bが待機位置から溶接位置まで移動し、先端側部材12が押し出し棒532によって押され、溶接位置まで移動する。先端側部材12は、頭部側部材11との当接によって位置決めされる。この時、先端側部材12には、押し出し棒532を介してバネ533の付勢力が作用する。バネ533の付勢力は、頭部側部材11と先端側部材12との溶接箇所における接触圧となる。
4つの電極511a〜511dのうち、下部電極511cおよび511dは不動であるが、上部電極511aおよび511bは上下方向に移動可能である。上部電極511aおよび511bは、溶接時以外は上方に退避しており、頭部側部材11および先端側部材12が溶接位置に配置されると下降する。これにより、溶接時には、上部電極511aおよび511bは、下部電極511cおよび511dとともに頭部側部材11および先端側部材12を挟み込む。
より具体的には、頭部側部材側電極となる電極511aおよび511cが頭部側部材11を挟み、先端側部材側電極となる電極511bおよび511dが先端側部材12を挟む。そして、頭部側部材11と先端側部材12との溶接箇所に軸方向に沿った電流を流すことで抵抗溶接を行う。溶接箇所となる頭部側部材11と先端側部材12との接触面は前記電流に対して高抵抗となるため、この箇所でジュール熱が発生し、頭部側部材11と先端側部材12とが溶融接合される。
本システム1によるバイメタルねじ10の製造工程では、抵抗溶接に続いてTIG溶接が行われる。TIG溶接には、TIG溶接ヘッド512が使用される。本システム1では、図8に示すように、TIG溶接ヘッド512(図7では不図示)が頭部側部材11および先端側部材12の溶接箇所の周囲に円周方向に沿って略等間隔で3個配置されている。すなわち、TIG溶接は、溶接箇所の円周方向に沿った3箇所で施される。
各TIG溶接ヘッド512は、その先端にタングステン電極512aを有しており、タングステン電極512aと母材(すなわち、頭部側部材11および先端側部材12)との間にアークを発生させてアーク熱で母材を溶融させて溶接する。また、タングステン電極512aの周囲は、不活性ガス(ここではアルゴン)を放出するためのノズル512bとなっており、前記溶接は不活性ガス雰囲気中で行われる。
溶接(抵抗溶接およびTIG溶接)が完了すると、上部電極511aおよび511bが退避位置に上昇し、頭部側部材送りスライダ52の移動体52Aと先端側部材送りスライダ53の移動体53Bとは待機位置に戻される。この時、頭部側部材11と先端側部材12とが接合されてなるバイメタルねじ10は、頭部側部材11の頭部11aが保持板523のV溝523aに引っ掛かることにより、移動体52Aと共に移動する。
バイメタルねじ10が頭部側部材送りスライダ52の移動体52Aと共に待機位置まで戻されると、完成品として排出部6によって本システム1の外部に排出される。排出部6は、図1および図9に示すように、プッシャ61と排出シュート62とからなる。プッシャ61は、待機位置にあるバイメタルねじ10に対して、バイメタルねじ10の軸方向と直交する方向に水平移動可能である。また、プッシャ61の移動方向先端(バイメタルねじ10側)には傾斜面61aが形成されている。このため、プッシャ61がバイメタルねじ10に向かって移動すると、移動体52Aの保持板522,523によって保持されているバイメタルねじ10は、傾斜面61aに沿って持ち上げられ、プッシャ61と反端側に押し出される。
バイメタルねじ10の押し出される側の下方には、排出シュート62が配置されている。プッシャ61によって押し出されたバイメタルねじ10は、排出シュート62上に落下し、排出シュート62上を滑り落ちて本システム1の外部に排出される。
本システム1では、溶接を抵抗溶接とTIG溶接との二段階工程とすることで、溶接箇所においてバリの発生しないバイメタルねじ10を製造することができる。先工程である抵抗溶接では、接合面全体の溶接は行わず、接合面の中央部のみを溶接する。図10(a)は、抵抗溶接終了時点での溶接箇所の断面図であり、抵抗溶接による接合領域を斜線ハッチングで示している。そして、後工程であるTIG溶接によって接合面の周縁部を溶接する。図10(b)は、TIG溶接終了時点での溶接箇所の断面図であり、TIG溶接による接合領域を網点ハッチングで示している。
このように、抵抗溶接による接合領域とTIG溶接による接合領域とで、接合面の全体が溶接される。尚、抵抗溶接による接合領域は接合面全体に対する面積比で70〜80%とすることが好ましく、TIG溶接による接合領域は抵抗溶接領域に少し溶け込ませるように周縁部から面積比で30〜40%(面積比)とすることが好ましい。
従来のバイメタルねじ製造工程(実際には、ねじ部加工前のブランク製造工程)では、頭部側部材と先端側部材との溶接に抵抗溶接のみが使用されていたが、抵抗溶接では接合面に圧力を加えながら溶接が行われる。このため、抵抗溶接時に接合面全体を溶融させると、溶融した金属が前記圧力によって円周方向にはみだしてバリとなる。これに対し、本システム1では、抵抗溶接時に接合面全体を溶融させることなく、中央部のみを溶融させて接合する。このため、前記圧力によって円周方向にはみだす溶融金属は殆ど無い。
抵抗溶接で接合面の中央部のみを溶接するには、溶接時間(すなわち、電流の通電時間)を適切に制御することが必要である。適切な溶接時間は、溶接箇所の径、母材材料、および加圧力等の種々の条件に応じて変化するが、これらの各条件に応じた溶接時間は、予め実験等によって求めることが可能である。
TIG溶接では、溶融した金属は自動的に内部に埋め込まれるため、バリの無い綺麗な仕上がり面が得られる。尚、TIG溶接のみによって頭部側部材と先端側部材との溶接を行った場合には、接合面の周縁部は接合できるものの中央部が十分に接合できず、接合箇所における十分な強度が得られない。
以上のように、本システム1を用いた溶接接合では、先工程である抵抗溶接で接合面の中央部のみを溶接し、後工程であるTIG溶接によって接合面の周縁部を溶接する。これにより、製造されるバイメタルねじ10において接合箇所でのバリが発生せず、ねじ部加工前にバリを除去するための二次加工が不要となり、製造工程数及び製造コストを低減することができる。さらに、接合箇所では、中央部から周縁部まで良好な溶融接合が行われるため、十分な強度が確保できる。
本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、上述の実施例はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
1 バイメタルねじ製造システム
2 頭部側部材供給部
3 先端側部材供給部
4 ロボットアーム
5 溶接装置
6 排出部
10 バイメタルねじ
11 頭部側部材
12 先端側部材
21 頭部側部材フィーダ部
22 頭部側部材給送レール
23 ターンテーブル部
31 先端側部材フィーダ部
32 先端側部材給送レール
51 溶接機
52 頭部側部材送りスライダ
53 先端側部材送りスライダ
511 抵抗溶接ヘッド
512 TIG溶接ヘッド

Claims (3)

  1. バイメタルねじの頭部及び軸部となる頭部側部材と、バイメタルねじの先端部となる先端側部材とが接合されてなるバイメタルねじであって、
    前記頭部側部材は焼入れによる熱処理が施されておらず、前記先端側部材はその全体に焼入れによる熱処理が施されていることを特徴とするバイメタルねじ。
  2. バイメタルねじの頭部及び軸部となる頭部側部材と、バイメタルねじの先端部となる先端側部材とが接合されてなるバイメタルねじの製造方法であって、
    バイメタルねじの頭部及び軸部となる頭部側部材を製造する第1工程と、
    バイメタルねじの先端部となる先端側部材を製造する第2工程と、
    前記第1工程及び前記第2工程の後に行われ、前記頭部側部材および前記を接合してバイメタルねじを製造する第3工程とを含み、
    前記第2工程では、前記先端側部材におけるねじ部加工と、前記先端側部材の全体に対する焼入れ処理とが実施されることを特徴とするバイメタルねじの製造方法。
  3. 請求項2に記載のバイメタルねじの製造方法であって、
    前記第3工程では、前記頭部側部材と前記先端側部材との接合面において該接合面の中央部のみを抵抗溶接にて接合し、前記接合面の周縁部をTIG溶接にて接合することを特徴とするバイメタルねじの製造方法。
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