JP2017100365A - 表示体、偽造防止媒体、表示体付き物品及び表示体の製造方法 - Google Patents

表示体、偽造防止媒体、表示体付き物品及び表示体の製造方法 Download PDF

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美保子 大川
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Abstract

【課題】簡便な工程かつ低コストで、コレステリック液晶を使用して部分的に色調が異なる文字・画像を有する表示体、偽造防止媒体、及び表示体付き物品、およびその製造方法を提供する。
【解決手段】少なくとも基材上にコレステリック液晶層と耐熱性樹脂層とを備えてなる表示体であって、前記耐熱性樹脂層がパターン状に形成されており、前記コレステリック液晶層が、パターン状に螺旋ピッチの異なる領域が形成されている。さらに、接着層および着色層を備えている。
【選択図】図2

Description

本発明はコレステリック液晶による画像・文字を表示する表示体に関し、特に一種類のコレステリック液晶を使用して、複数の発色領域を有する表示体に関する。さらに詳しくはコレステリック液晶の螺旋ピッチ領域を一部分、短波長側及び長波長側にシフトさせることによって色味を変化させ、コントラストを明確にする方法に関する。
近年、銀行券、商品券、パスポートなどの有価証券や認証媒体は、偽造防止対策として偽造の困難な媒体の貼付を行ってきた。そこでは、目視による判定(オバート機能)または検証器を用いた判定(コバート機能)により真贋判定を行っている。
これらの偽造防止媒体として、コレステリック液晶は見る角度によって反射色が変化する色変化(オバート機能)、及び検証器(偏光子)として重ねたときに反射色が遮蔽されたことによる色変化(コバート機能)を併せ持つため、オバート機能及びコバート機能の2つの判定方法によるコレステリック液晶を用いて真贋判定する手法が提案されている。
一般に、液晶にはネマチック液晶(分子が縦方向にのみ配列したもの)、スメクチック液晶(分子が縦横両方向に配列したもの)、及びコレステリック液晶(分子が面方向に配列して多数の薄層を成し、隣接薄層間の結晶の配列方向が少しずつずれているもの)の3種類が存在する。
コレステリック液晶の発色は、コレステリック液晶分子の螺旋構造による選択反射によるものであり、反射光は円偏光である。コレステリック液晶を利用して所望の映像や画像や文字を表示する場合、鮮明かつ着色した像にするためには、コレステリック液晶の反射色を制御し、かつ、その螺旋構造を固定する必要がある。
コレステリック液晶は、コレステロール化合物に多く見られるが、そのほかにもネマチック液晶にカイラル材料を添加することや不斉炭素を導入することでもコレステリック液晶状態を得ることができる。なお、このタイプの液晶をカイラルネマチック液晶と呼ぶことがあるが、以降は単にコレステリック液晶と記す。
コレステリック液晶を用いて、基材上の所望の位置に文字や画面を所望のパターンで表示するための従来の方法は、所望の文字や画面に対応する基材上の位置にコレステリック液晶の膜を形成する方法である。この方法は、一色だけで表示する場合には、たいした困難な作業なしに達成することができる。
しかしながら、多色の表示は、色が異なる(螺旋ピッチが異なる)コレステリック液晶を色の種類に応じて準備し、所定の位置に配置することが必要である。これは、所望する文字・画像がごく単純である場合は可能であるが、文字・画像が多少複雑な場合には、かなり困難な作業になる。また、そのために大掛かりな装置や多くの材料を用意する必要がある。
コレステリック液晶は螺旋軸に沿って光の屈折率が周期的に変動するため、螺旋構造のピッチ(以下、螺旋ピッチと記載)に対応した波長の光を選択的に反射する。したがって、何らかの方法で螺旋ピッチを制御し、希望する光を反射する螺旋ピッチが得られたところで、その螺旋構造を固定化できれば、思い通りの反射色を作り出すことができる。
螺旋ピッチを変化させるための公知技術はいくつかある。例えば、この螺旋ピッチの高い温度依存性(サーモトロピック液晶)を利用して、温度により螺旋ピッチを制御する方法、溶媒コレステリック液晶(リオトロピック・コレステリック液晶)の螺旋ピッチを溶質の濃度変化などにより変化させる方法、コレステリック液晶の螺旋軸に垂直に電界を生じさせることによりピッチを変化させる方法、さらに該コレステリック液晶中に紫外線硬化物質を添加しておいて、コレステリック液晶の螺旋ピッチを固定化させるときの紫外線の照度により螺旋ピッチを変化させる方法(特許文献1)などがある。
特許文献1では、所望の画像が多少複雑な場合には、フォトマスクを使用して照射する紫外線の光量を画像の各々の場所で変えて色(螺旋ピッチ)を変えている。
また、一種類のコレステリック液晶を使用して、螺旋ピッチが異なる領域を所望の形状で形成するためには、前記の方法で螺旋ピッチを所望値に制御した状態で、さらに、例えば特許文献1に記載されているように、重合硬化させる方法によりその螺旋ピッチを固定させなければならない。
従って、特許文献1の方法を用いて螺旋ピッチが異なるコレステリック液晶を2種類以上製作し、2色以上の表示に使用する方法は、紫外線パターン露光装置等大掛かりな装置が必要であり、生産性も低い。
また、別の方法として、螺旋ピッチが異なるコレステリック液晶を2種類以上用いて、それぞれ所望のパターンを形成し、重合させる方法がある。螺旋ピッチが異なるコレステリック液晶を所望の色数以上準備する方法としては、ネマチック液晶材料にカイラル材料を添加してコレステリック液晶にする方法を使用し、添加するカイラル材料の種類を変えたり、添加比率を変えたりする方法がある。
しかし、この方法は多くの材料を用意する必要があり、容易ではない。しかも色合の微妙な制御も困難で、往々にして目的の色よりずれてしまう場合が多い。
特開2000−226580号公報
そこで本発明の課題は、簡便な工程かつ低コストで、コレステリック液晶を使用して部分的に色調が異なる文字・画像を有する表示体、偽造防止媒体、及び表示体付き物品、およびその製造方法を提供することである。
本発明者らが鋭意検討の結果、適当な強度の光をあて半硬化状態にしたコレステリック液晶に、熱を加えると、コレステリック液晶の螺旋ピッチを短波長側にシフトさせ固定化し、結果として色調が変化することを見いだした。
さらに、部分的に耐熱性樹脂を設けて全面に熱を加えることによって、耐熱性樹脂の有無により色調の変化を制御できることを利用し、色調の異なる文字や画像を簡便に形成できることを確認した。
また、加熱の際の温度及び圧力及び接触時間が異なることによっても、螺旋ピッチのシフト量が異なり、異なる色調を簡易に形成できることも確認し、本発明に至った。
本発明の第1側面によると、少なくとも基材上にコレステリック液晶層と耐熱性樹脂層とを備えてなる表示体であって、前記耐熱性樹脂層がパターン状に形成されていることを特徴とする表示体を提供する。
本発明の第2側面によると、第1側面に記載の表示体が、接着層を備えたことを特徴とする表示体を提供する。
本発明の第3側面によると、第1側面または第2側面に記載の表示体が、着色層を備えたことを特徴とする表示体を提供する。
本発明の第4側面によると、第1側面から第3側面に記載の表示体が、前記耐熱性樹脂層に蛍光体を含むことを特徴とする表示体を提供する。
本発明の第5側面によると、第1側面から第4側面に記載の表示体に含まれる層間界面の脆弱部がコレステリック液晶と耐熱性樹脂層の間の界面であることを特徴とする表示体を提供する。
本発明の第6側面によると、第1側面から第5側面に記載の表示体を備えたことを特徴とする偽造防止媒体を提供する。
本発明の第7側面によると、第1側面から第5側面に記載の表示体を備えたことを特徴とする表示体付き物品を提供する。
本発明の第8側面によると、少なくとも基材上にコレステリック液晶層を形成する工程と、パターン状の耐熱性樹脂層をパターン状に形成する工程を備え、さらに全面に熱圧を加えることにより前記コレステリック液晶層に螺旋ピッチの異なる領域を形成する工程とを備えることを特徴とする表示体の製造方法を提供する。
本発明によって、大掛かりな装置や複数のコレステリック液晶を用いることなく、1種類のコレステリック液晶を用いて、所望の領域に対してコレステリック液晶の螺旋ピッチを簡便に変化させた表示体、偽造防止媒体、表示体付き物品及びその製造方法を提供することができる。
本発明に関わる表示体の一実施形態を示す図である。(a)は表示体の層構成を示す断面図であり、(b)は表示体に形成した文字パターンを示す平面図である。 本発明に関わる表示体の一実施形態を示す。(a)は表示体を熱圧により被貼付体へ転写するときの層構成を示す断面図である。(b)は表示体に形成した文字パターンを示す平面図である。
以下、本発明に係る表示体、偽造防止媒体及び表示体の製造方法についての実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。なお本発明はこれらの実施形態にのみ限定されるものでなく、同様な技術を有する場合も含まれる。
図1は本発明における表示体の一実施形態を示す図である。図1に示した表示体10は、基材1の一方の面にコレステリック液晶層2を設けた後、耐熱性樹脂層3をパターン状に設けている。耐熱性樹脂層3のパターンを形成する方法は特に限定しないが、例えば印刷法が用いられる。図1(b)は耐熱性樹脂層3に形成された「123」のパターンが観察されている状態を示す。
さらにコレステリック液晶層2と耐熱性樹脂層3の全面を覆うように、着色層4を積層し、接着剤層5を具備している。
図2は、図1の表示体10を用い、予め加熱しておいたプレス版7にて熱圧をかけて被貼付体6に貼付した様子を示した図である。熱圧工程により、第一領域2aと第二領域2bのようなコレステリック液晶層2の螺旋ピッチが異なる領域が得られる。
このように螺旋ピッチが異なる領域が得られる理由は、第一領域2aと第二領域2bの部分は耐熱性樹脂3の有無が異なっており、耐熱性樹脂層3がある部分(第一領域2a)は耐熱性があるためコレステリック液晶層2が熱の影響を受けにくく、逆に、耐熱性樹脂層3がない部分(第二領域2b)はコレステリック液晶層2が熱の影響を受けやすくなっているためである。
以下は、個々の構成物について詳述する。
<基材>
本発明に用いることのできる基材1は、不透明なものでも透明なものでもよい。例えば、延伸加工により作製されたプラスチックフィルムを用いることができる。延伸フィルムには伸ばし方により、1軸延伸、2軸延伸フィルムがある。これらには、セロハン、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリオレフィン(PO)、エチレンビニールアルコール(EVOH)、ポリビニールアルコール(PVA)、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン、アクリル樹脂、トリアセチルセルロース(TAC)フィルムなどが挙げられる。
本発明の螺旋ピッチが異なる領域を有するコレステリック液晶表示体とは、例えば、第一領域2aの部分が、正面から徐々に傾けて表示体を見たとき、赤色から緑色へ色味が変化する領域であり、第二領域2bは緑色から青色に変化する領域などが具備された表示体である。つまり、反射波長が610−750nmの赤色から500−560nmの緑色に色味がシフトする領域(第一領域2a)と反射波長500−560nmの緑色から435nm−480nmの青色に色味がシフトする領域(第二領域2b)が具備された表示体である。
一般に、液晶にはネマチック液晶(分子が縦方向にのみ配列したもの)、スメクチック液晶(分子が縦横両方向に配列したもの)、及びコレステリック液晶(分子が面方向に配列して多数の薄層を成し、隣接薄層間の結晶の配列方向が少しずつずれているもの)の3種類が存在するが、本発明で使用する液晶はコレステリック液晶である。コレステリック液晶では分子軸に垂直な方向に螺旋周期構造を持ち、その螺旋構造のピッチが光と相互関係を構築している。その結果、コレステリック液晶は螺旋ピッチに対応した波長の光を選択的に反射するのである。したがって、何らかの方法で螺旋ピッチを制御し、希望する光を反射する螺旋ピッチが得られたところで、その螺旋構造を固定化できれば、思い通りの反射色を作り出すことができる。
<コレステリック液晶層>
本発明で用いるコレステリック液晶層2は、コレステリック構造を有するあるいは温度条件などでコレステリック構造となる化合物が用いられるが、特に限定されるものではなく公知のコレステリック液晶材料が使用可能である。
例えば、コレステリック液晶形成性化合物としては従来公知のヒドロキシアルキルセルロースのアシル誘導体類、コレステリック液晶層2形成性ポリペプチド類、コレステリック液晶層2形成性の芳香族ポリエステル類、ポリカーボネート類、芳香族ポリエステルイミド類、芳香族ポリアミド類などの主鎖型高分子液晶形成性化合物又はポリ(メタ)アクリレート系、ポリマロネート系、ポリシロキサン系等の側鎖型高分子液晶形成性化合物が使用される。
ヒドロキシアルキルセルロースのアシル誘導体に使用されるヒドロキシアルキルセルロースとしては、例えばヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシブチル化ヒドロキシプロピルセルロースのアシル誘導体等が用いられる。剛直なセルロース分子主鎖部分に対し側鎖にフレキシブルな分子鎖を導入することが必要であり、側鎖の長さ、フレキシビリティや剛直性等を制御するために種々のアシル誘導体が使用される。例えば、炭素数凡そ1〜30の脂肪族、脂環族、芳香族カルボン酸のエステル類が好ましい。
例を挙げると、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、2−メチル酪酸、トリメチル酢酸、カプロン酸、ヘプタン酸、カプリル酸、ノナン酸、カプリン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸等の飽和カルボン酸のエステル類、シクロヘキサンカルボン酸、シクロヘキシル酢酸、シクロヘキサンプロピオン酸、シクロヘキサン酪酸等の脂環族カルボン酸のエステル類、安息香酸、フェニル酢酸、3−フェニルプロピオン酸、5−フェニル吉草酸、4−フェニル酪酸等の芳香族カルボン酸のエステル類、及びアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸のエステル類が好ましい。
また、エステル化の程度により性質、挙動が異なり、従って化合物の設計として完全エステル化物及び部分エステル化物が使用される。また、不飽和カルボン酸のエステル類は液晶化合物と併用されるエネルギー線硬化性化合物と共に硬化(重合)反応を起こすことができる。従って架橋を目的として飽和カルボン酸の一部、例えば0.1〜20%を不飽和カルボン酸に置き換えて使用することも有効な方法である。
好ましいものとしては、ヒドロキシプロピルセルロースの酢酸エステル、ヒドロキシプロピルセルロースのプロピオン酸エステル、ヒドロキシブチル化ヒドロキシプロピルセルロースの酢酸エステル、ヒドロキシブチル化ヒドロキシプロピルセルロースのプロピオン酸エステル、ヒドロキシブチルセルロースの酢酸エステル、ヒドロキシブチルセルロースのプロピオン酸エステル、ヒドロキシプロピルセルロースのアクリル酸エステル、ヒドロキシプロピルセルロースのメタクリル酸エステル、ヒドロキシブチル化ヒドロキシプロピルセルロースのアクリル酸エステル、ヒドロキシブチル化ヒドロキシプロピルセルロースのメタクリル酸エステル、ヒドロキシブチルセルロースのアクリル酸エステル、ヒドロキシブチルセルロースのメタクリル酸エステル等の完全エステル化物及び部分エステル化物、ヒドロキシプロピルセルロースの酢酸エステル−メタクリル酸エステル、ヒドロキシプロピルセルロースのプロピオン酸エステル−メタクリル酸エステル、ヒドロキシブチル化ヒドロキシプロピルセルロースのプロピオン酸エステル−メタクリル酸エステル、ヒドロキシブチルセルロースのプロピオン酸エステル−メタクリル酸エステル等が挙げられる。
コレステリック液晶形成性化合物としては従来公知の低分子量及び中分子量のコレステリック液晶形成性化合物も単独もしくは上記した高分子量のコレステリック液晶形成性化合物と併用して使用される。
液晶形成性化合物に添加されるエネルギー線硬化性化合物としては特に制限は無く、従来公知のエネルギー線硬化性化合物が使用されるが、特に分子中に2個ないしそれ以上のエネルギー線硬化性基を有する単量体、オリゴマー及び/又はポリマーを含有することが好ましい。ラジカル系光重合性単量体として従来公知の、例えば、トリメチロールプパントリ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の多官能性単量体、ポリウレタンポリ(メタ)アクリレート、ポリエーテルポリ(メタ)アクリレート、エポキシ樹脂ポリ(メタ)アクリレート、アクリルポリオールポリ(メタ)アクリレート等の多官能性オリゴマー類が好ましい。
一官能性の単量体としては、アルキル(C1〜C18)(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、アルキレン(C2〜C4)グリコール(メタ)アクリレート、アルコキシ(C1〜C10)アルキル(C2〜C4)(メタ)アクリレート、ポリアルキレン(C2〜C4)グリコール(メタ)アクリレート、アルコキシ(C1〜C10)ポリアルキレン(C2〜C4)グリコール(メタ)アクリレート等である。カチオン系光重合性単量体として従来公知の芳香族エポキシ化合物、脂環式エポキシ化合物、グリシジルエステル系化合物が挙げられる。
また、コレステリック液晶層2に使用するエネルギー線硬化反応を起こすための重合開始剤等は、照射するエネルギー線により適切な特性の公知の重合開始剤が必要に応じて使用される。例えば、光重合開始剤としては従来公知のものが使用される。ラジカル光重合開始剤として、α−ヒドロキシアセトフェノン系、α−アミノアセトフェノン系等のアセトフェノン系、ベンゾインエーテル系、ベンジルケタール系、α−ジカルボニル系、α−アシルオキシムエステル系等公知のものが使用され、具体的にはα−アミノアセトフェノン、アセトフェノンジエチルケタール、ベンジルジメチルケタール、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチルフェニルプロパノン、ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、イソプロピルチオキサントン、ベンゾフェノンとN−メチルジエタノールアミンとの併用等が挙げられる。
カチオン系光重合開始剤としては従来公知のもの単独のほか、増感剤や過酸化物との併用も好ましい。例えば、アリルヨードニウム塩−α−ヒドロキシアセトフェノン系、トリアリルスルホニウム塩系、メタロセン化合物−パーオキサイド併用系、メタロセン化合物−チオキサントン併用系、メタロセン化合物−アント螺旋併用系等である。
コレステリック液晶形成性化合物とエネルギー線重合性化合物との組成物の調製に際して、配合量は特に限定されないが、例えば、コレステリック液晶形成性化合物:40〜98重量部、エネルギー線重合性化合物:60〜2重量部、重合開始剤:0〜10重量部の配合比であり、好ましくは、コレステリック液晶形成性化合物:55〜95重量部、エネルギー線重合性化合物:45〜5重量部、重合開始剤:0〜5重量部の配合比である。
必要に応じて溶解助剤として両者の良溶媒を使用することができる。さらに必要に応じて従来公知の種々の添加剤を含むことができる。
また、コレステリック液晶層2を基材に塗布した後に、螺旋ピッチを固定させるためには、急速に冷却しガラス化する方法もしくは、溶液を乾燥し固化する方法、エネルギー照射することにより固定化する方法があるが、配向手段や固定手段は公知の手段を適宜選択し利用可能である。また、その特性を得るためのコレステリック液晶層2の厚みは、0.5μm〜20μm程度設けることが好ましい。ただし、このとき用意するコレステリック液晶は1種類でよく、複数用意する必要はない。
さらに、エネルギー線照射により固定化されるコレステリック液晶材料に添加されるエネルギー線硬化性材料及び光重合開始剤は、特に制限はなく、従来公知の材料を用いることができる。この配合比は特に限定されない。
コレステリック液晶層2の螺旋ピッチを所望の値に制御するためには、コレステリック液晶層表面の結合重合反応において、未反応の2重結合を残しておくと良い。
ここで、未反応の2重結合の割合を示すものとして、C=Cの残存2重結合率を用いることが出来る。残存2重結合率とは、〔C=C結合に基づく吸収(波数:810cm−1)のスペクトル強度〕÷〔液晶分子中の芳香環に基づく吸収(波数:1500cm−1付近)のスペクトル強度〕で定義される。
窒素雰囲気下で重合させる場合、酸素濃度が低すぎると十分に反応してしまうので、窒素雰囲気中の酸素濃度は0.5%以上とすると良い。また、液晶分子中の硬化前の残存2重結合率に対して硬化後の残存2重結合率が50%以上95%以下であると良い。望ましくは、70%〜90%であると良い。
残存2重結合率が低く硬化が進み過ぎた状態では、後述のようにコレステリック液晶層2の螺旋ピッチを加熱工程で変化させることが難しくなる一方、残存2重結合率が高く極端な未硬化状態では、表面のべたつき等により、取り扱い上の不都合が生じ、さらに加熱工程の際にコレステリック液晶層2の構造が破壊される可能性があるからである。
コレステリック液晶分子を重合させる条件としては、空気中で紫外線を照射しても良いし、窒素雰囲気下で紫外線を照射しても良い。液晶材料に応じて、紫外線の照射量で残存2重結合率を調整すると良い。未反応の2重結合が残存していることによりコレステリック液晶層2の硬化が不十分となる。硬化が不十分であるコレステリック液晶層2は耐熱性等が低下しており、熱をかけることによって、コレステリック液晶層2の分子構造が変化し、結果として螺旋ピッチが変化した状態で固定化される。
上記には、コレステリック液晶を塗膜として固定化する方法を記述したが、前述のコレステリック液晶性化合物をマイクロカプセル化してインキ化したものを塗布してもいい。この場合、コレステリック液晶を固定化した場合、熱圧工程後は不可逆だが、熱圧工程後に可逆とすることができる。
<耐熱性樹脂層>
耐熱性樹脂層3には、耐熱性の高いものが使用され、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、紫外線あるいは電子線硬化性樹脂のいずれであってもよく、公知の材料が使用可能である。好ましくは耐熱性の高い熱硬化性樹脂や電子硬化性樹脂あるいは熱可塑性樹脂の中でも耐熱性の高い、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、環状ポリオレフィン共重合体、変性ノルボルネン系樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、ニトロセルロース樹脂等の使用が望ましいが、これ以外でも接着剤層5よりも耐熱性の高い材料であり、熱を加えた際に溶融しないものであれば適宜選択して使用可能である。
耐熱性樹脂層3は、公知のグラビア印刷法、オフセット印刷法、スクリーン印刷法などの印刷方法などを用いてパターンで印刷される。
耐熱性樹脂層3に添加する蛍光体として次のものが使用できる。紫外線用蛍光体としては、例えば、Ca253Cl:Eu2+,CaWO4,ZnO:Zn2SiO4:Mn,Y22S:Eu,ZnS:Ag,YVO4:Eu,Y33:Eu,Gd22S:Tb,La22S:Tb,Y3l512:Ce等が挙げられる。
可視蛍光体としては、例えばYF3:YB,Er,ZnS:CuCo等、赤外線用としては、例えば、LiNd0.9Yb0.1412,LiBi0.2Nd0.7Yb0.1412,Nd0・9Yb0.1Nd5(MoO44,NaNb0.3Yb0.1412,Nd0.8Yb0.2Na5(W044,Nd0.8Yb0.2Na5(Mo0.5WO0.54,Ce0.05Gd0.05Nd0.75Yb0.25Na5(W0.7Mo0.344,Nd0.3Yb0.1Al3(BO34,Nd0.9Yb0.1Al2.7Cr0.3(BO34,Nd0.454,Nd0.8Yb0.23(PO42等から選択できる。
耐熱性樹脂層3に添加する蛍光体としては検出波長、分散性、発光強度、安全性などを考慮して適宜選択する。例えば、2〜15重量%、好ましくは3〜5重量%の範囲で分散されるのが好ましい組成の一例である。これにより、ブラックランプ(紫外線)又は赤外線(780nm以上)の照射下において発光を見ることが可能となる。
また、コレステリック液晶との密着が弱い耐熱性樹脂層を用いることにより、表示体を貼付後にはがして貼り直そうとした際に、その痕跡を残すことが出来る。
<着色層>
着色層4は、コレステリック液晶の視認性を向上させるために設けられる。黒色インキあるいは黒色に近い色インキを用いることが好ましいが、デザインや視認性を考慮し黄色、赤色等適宜選択し、印刷することも可能である。
<接着層>
接着層5には、接する層を冒すものでなければ、一般的な粘着材料を用いて形成することが出来る。例えば塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル系ポリアミド、アクリル系、ブチルゴム系、天然ゴム系、シリコン系、ポリイソブチル系の粘着剤を単独で用い、もしくはアルキルメタクリレート、ビニルエステル、アクリルニトリル、スチレン、ビニルモノマーなどの凝集成分、不飽和カルボン酸、ヒドロキシ基含有モノマー、アクリルニトリルなどに代表される改質成分や重合開始剤、可塑剤、硬化剤、硬化促進剤、酸化防止剤などの添加剤を必要に応じて添加したものを用いることが出来る。
接着層の形成には公知のグラビア印刷法、オフセット印刷法、スクリーン印刷法などの印刷方法やバーコート法、グラビア法、ロールコート法などの塗布方法などを用いることが出来る。
<被貼付体>
被貼付体6には、基材1と同様に、不透明なものでも透明なものでもよく、例えば、1軸延伸フィルムや2軸延伸フィルム、無延伸フィルム、紙等を用いることができる。表示体に着色層を設けない場合は、コレステリック液晶をより効果的に表示するために、被貼付体上に予め着色層を設けるか、光を吸収する色素を含む被貼付体を用いることができる。
<熱圧工程>
熱圧工程としては、あらかじめ加熱しておいた平版やロールで加圧しながら加熱しても良い。また、加熱工程は、温度の違いでも、圧力の違いでも、接触時間の違いでも螺旋ピッチの変化の差を付けられるので、加熱工程の温度、圧力、接触時間で所望の色調になるように調整を行うとよい。
図2(a)に示されるように、加熱をすることにより、コレステリック液晶層2は分子構造が変化し、結果として螺旋ピッチが大きく変化し第二領域2bが得られる。しかし、耐熱性樹脂層3が設けられている部分は、コレステリック液晶層2の分子構造への熱の影響は少ないため、螺旋ピッチの変化が少なく、第一領域2aが得られる。その結果、耐熱性樹脂層3の有無により、螺旋ピッチの異なるコレステリック液晶を得ることができる。第一領域2aと第二領域2bを得るのと同時に、接着剤層5が溶融され、被貼付体6に転写されることになる。
さらに、貼付された表示体を剥がそうとすると、コレステリック液晶層2と耐熱性樹脂層3間で剥離する。これら2層の密着性は脆弱であり、層間界面にシリコーン樹脂、フッ素樹脂等を添加して密着性を低下させている。さらに脆弱部を部分的に柄として形成することもでき、貼り替えの偽造での痕跡を残せる。
その後、耐熱性樹脂層に蛍光体が添加されている場合、貼りなおした場合に第一領域2aと第二領域2bと耐熱性樹脂層3の位置が合っていないことが、ブラックライトを当てることにより観察される。
上記では、接着剤塗布後に熱圧工程を行っているが、耐熱性樹脂層3を印刷後に熱圧工程を行い、第一領域2aと第二領域2bを得てもよい。その熱圧工程後に、再度紫外線照射を行い再硬化させ固定化を行ってもよい。その後、着色層4および接着層5を設けて被貼付体に貼付を行うこともできる。
以下、本発明の実施例について説明する。
2軸延伸ポリエステルフィルムのルミラー25T60上(東レ社製)を基材1とし、メルク社製のコレステリック液晶をマイクログラビアで塗工後、UVを50mJ/cm2照射し、螺旋ピッチの固定化を行った。コレステリック液晶層2の厚みは6μmとした。このときのコレステリック液晶層2は、正面から徐々に傾けて表示体を見たとき、赤色から緑色へ色味が変化するように螺旋ピッチを調整した。
固定化したコレステリック液晶層2の上にパターンで蛍光体を3%含有したポリオレフィン樹脂を図1(b)のように「123」となるように1μmの厚みで印刷を行った。さらに、スミインキを1.5μmの厚みで塩化ビニルと酢酸ビニルの共重合体の樹脂をインキ化しマイクログラビアにて塗布し、着色層4とした。さらに、アクリル樹脂を接着層5としマイクログラビアにて全面に設けた。
その後、180度に加熱したプレス版7を用いて、表示体に基材1越しに加圧して、紙に貼り付けたところ、図2(b)のように、第一領域2aおよび第二領域2bが得られ、第一領域2aの部分が、正面から徐々に傾けて表示体を見たとき、赤色から緑色へ色味が変化する領域となり、第二領域2bは緑色から青色に変化する領域となった。
さらに、貼付した表示体を剥がそうとしたところ、コレステリック液晶層と耐熱性樹脂層間で剥離した。耐熱性樹脂層は透明のため、コレステリック液晶層と耐熱性樹脂層間で剥離したことは目視では確認できず、あたかも「123」と表示されたコレステリック液晶層のみが剥離したように見える。その後、コレステリック液晶を貼りなおしたところ、目視では元に戻せたように見えたが、ブラックライトの下で観察したところ、第一領域2aおよび第二領域2bと蛍光発光する部分がずれているので貼り直したことが確認できた。
これにより、貼り直しによる偽造が行われた場合でも目視で貼り直したことが確認できるので、本発明の偽造防止媒体が偽造防止効果を有することが確認できた。
本発明は、有価証券やパスポートのような真贋判定が要求されるような用途に用いることができる。例えば、有価証券やパスポートなどといった被判定物の基材そのものに本シートを用いたり、本シートをシールや転写シートにして被判定物に貼付することで、傾けることにより色調変化を確認することによって判定を行うことができる。ただし、用途としてはこれに限るものではない。
1 基材
2 コレステリック液晶層
2a 第一領域
2b 第二領域(第一領域とは螺旋ピッチの異なる領域)
3 耐熱性樹脂層
4 着色層
5 接着層
6 被貼付体
10 表示体

Claims (8)

  1. 少なくとも基材上にコレステリック液晶層と耐熱性樹脂層とを備えてなる表示体であって、前記耐熱性樹脂層がパターン状に形成されていることを特徴とする表示体。
  2. 請求項1に記載の表示体が、接着層を備えたことを特徴とする表示体。
  3. 請求項1または2に記載の表示体が、着色層を備えたことを特徴とする表示体。
  4. 請求項1から3に記載の表示体が、前記耐熱性樹脂層に蛍光体を含むことを特徴とする表示体。
  5. 請求項1から4に記載の表示体に含まれる層間界面の脆弱部がコレステリック液晶と耐熱性樹脂層の間の界面であることを特徴とする表示体。
  6. 請求項1から5に記載の表示体を備えたことを特徴とする偽造防止媒体。
  7. 請求項1から5に記載の表示体を備えたことを特徴とする表示体付き物品。
  8. 少なくとも基材上にコレステリック液晶層を形成する工程と、パターン状の耐熱性樹脂層をパターン状に形成する工程を備え、
    さらに全面に熱圧を加えることにより前記コレステリック液晶層に螺旋ピッチの異なる領域を形成する工程を備えることを特徴とする表示体の製造方法。
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