JP2017100334A - 記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】記録ヘッドからの液体の吐出に伴い液体収容体内の液体量が減少した場合でも、安定した水頭圧に基づき液体収容体から記録ヘッドに液体を供給することで記録品質の低下を抑制可能とした記録装置を提供する。
【解決手段】記録装置としてのプリンター11は、ノズル開口27から媒体に液体を吐出して記録を行う記録ヘッド26と、記録ヘッド26に供給する液体を収容する液体収容室52及び液体収容室52内を大気に連通させる大気連通部53を有する液体収容体50と、液体収容室52内の液体の残量変化に応じて、記録ヘッド26におけるノズル開口27の位置と液体収容室52内で大気と接触している液体の液面の位置との水頭差ΔAがノズル開口27からの正常な液体吐出を可能ならしめる一定範囲内に維持されるように、液体収容体50を鉛直方向において移動させて液体収容体の高さ位置を調整する高さ調整部としてのコイルばね60と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、媒体に記録ヘッドから液体を吐出することで記録を行う記録装置に関する。
従来から、記録装置の一種として、用紙などの媒体に対して走査するキャリッジに記録ヘッドを搭載し、その記録ヘッドのノズル開口から媒体に向けて液体(インク等)を吐出することで、媒体に画像等の記録を行うインクジェット式のプリンターが知られている。
また、こうしたプリンターのうちには、液体を収容した内部空間が大気に連通された液体収容体を備え、その液体収容体からチューブ等の液体流路を介して記録ヘッドに液体を供給するタイプのプリンターがある。そして、このようなプリンターでは、記録ヘッドにおけるノズル開口の位置と液体収容体の液体収容室内で大気と接触している液面の位置とによる液体の水頭差に基づく水頭圧を利用して、液体収容体から記録ヘッドに液体を供給していた(例えば、特許文献1参照)。
特開2012−61624号公報
ところで、従来のプリンターでは、記録ヘッドからの液体の吐出に伴い液体収容体内の液体量が減少すると、液体収容体内での液体の液面の位置が下がり、記録ヘッドにおけるノズル開口の位置との水頭差が大きくなってしまう。そして、そのように水頭差が大きくなってしまうと、水頭圧が安定しなくなり、記録ヘッドに対する液体の供給状態が不安定となる。そのため、記録ヘッドからの液体吐出による媒体に対する記録品質が低下する虞があった。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、記録ヘッドからの液体の吐出に伴い液体収容体内の液体量が減少した場合でも、安定した水頭圧に基づき液体収容体から記録ヘッドに液体を供給することで記録品質の低下を抑制可能とした記録装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決する記録装置は、ノズル開口から媒体に液体を吐出して記録を行う記録ヘッドと、前記記録ヘッドに供給する前記液体を収容する液体収容室及び前記液体収容室内を大気に連通させる大気連通部を有する液体収容体と、前記液体収容室内の前記液体の残量変化に応じて、前記記録ヘッドにおける前記ノズル開口の位置と前記液体収容体における前記液体収容室内で大気と接触している前記液体の液面の位置との水頭差が前記ノズル開口からの正常な液体吐出を可能ならしめる一定範囲内に維持されるように、前記液体収容体を鉛直方向において移動させて前記液体収容体の高さ位置を調整する高さ調整部と、を備える。
この構成によれば、高さ調整部が液体収容室内の液体の残量変化に応じて液体収容体の高さ位置を調整することにより、水頭差がノズル開口からの正常な液体吐出を可能ならしめる一定範囲内に維持される。このため、記録ヘッドからの液体の吐出に伴い液体収容体内の液体量が減少した場合でも、安定した水頭圧に基づき液体収容体から記録ヘッドに液体を供給することができ、記録品質が低下することを抑制することができる。
上記記録装置において、前記高さ調整部は、前記液体収容室内で大気と接触している前記液体の液面の位置が前記記録ヘッドにおける前記ノズル開口の位置よりも常に低い位置となるように前記液体収容体の高さ位置を調整することが好ましい。
この構成によれば、液体収容室内で大気と接触している液体の液面の位置がノズル開口の位置よりも高い位置とならないため、非印字時に記録ヘッドから液体が漏れる事態が生じにくい。
上記記録装置において、前記高さ調整部は、前記液体収容体に接続されている弾性部材であることが好ましい。
この構成によれば、弾性部材の弾性力により液体収容体の高さ位置を調整することができるため、より簡単な構成で液体収容体の高さ位置を調整することができる。
上記記録装置において、前記液体収容体は、前記液体収容室を形成する筐体を備え、前記高さ調整部は、前記筐体の上壁に接続されている引張りばねであることが好ましい。
この構成によれば、引張りばねの弾性力により液体収容体の高さ位置を調整することができるため、より簡単な構成で液体収容体の高さ位置を調整することができる。
上記記録装置において、前記高さ調整部は、前記液体収容体に接続されている接続部材と、前記接続部材に駆動力を付与する駆動源と、前記液体収容室内の液体残量に基づき、前記駆動源の駆動力を制御することにより、前記液体収容体を鉛直方向において移動させて前記液体収容体の高さ位置を調整することが好ましい。
この構成によれば、液体収容室内の液体残量に応じて駆動源の駆動力を制御することにより、液体収容体の鉛直方向の高さ位置を調整することができるため、より厳密に液体収容体の高さ位置を調整することができる。
上記記録装置において、前記液体収容体と接続され、前記液体を前記液体収容体から前記記録ヘッドに導入する液体供給チューブと、前記液体供給チューブのうちの前記液体収容体と接続されている部分の周りに形成されている空間であるチューブ移動空間とを備えることが好ましい。
液体収容体の高さ位置が変化することに伴い、液体供給チューブのうちの液体収容体と接続されている部分の高さ位置も変化する。この記録装置によれば、液体供給チューブのうちの液体収容体と接続されている部分の周りにチューブ移動空間が形成されているため、液体収容体の高さ位置が変化したときに、液体供給チューブがスムーズに移動することができる。
上記記録装置において、前記液体収容体は、前記液体収容室に前記液体を注入可能な注入口を備えることが好ましい。
この構成によれば、液体収容体内の液体残量が少なくなったときに、注入口から液体を液体収容室に継ぎ足すことができる。
第1実施形態のプリンターの概略構成を示す正断面図。 図1の状態から液体収容体の高さ位置が変更されたプリンターの概略構成を示す正断面図。 第2実施形態のプリンターの要部の概略構成を示す正断面図。 第3実施形態のプリンターの要部の概略構成を示す正断面図。
以下、記録装置の一実施形態として、液体の一例であるインク90を吐出する記録部20を備え、媒体の一例である用紙80にインク90を吐出して文字や図形などを含む画像を印刷(記録)するインクジェット式のプリンター11について説明する。
図1に示すように、本実施形態の記録装置の一例としてのプリンター11は、フロアF上に設置される記録部20、記録部20の隣りに配置されている液体供給部30、ならびに、記録部20及び液体供給部30の内部に収容されている液体供給チューブ70を備える。
記録部20は、略箱形状の筐体21を有している。筐体21のうちの液体供給部30と接する側壁21Aには、液体供給チューブ70が通過する孔21Bが形成されている。筐体21内には、液体供給チューブ70を支持するチューブ支持部材22が配置されている。筐体21内の下方位置には、図示しない搬送装置により所定の方向(図1では紙面と直交する方向)へ搬送されるターゲットの一例である用紙80を支持可能な支持部材23が配置されている。そして、筐体21内において支持部材23の上方には、キャリッジ24が用紙80に対する主走査方向(図1では左右方向)への往復移動可能に配置されている。キャリッジ24の上部にはインク90を貯留可能な液体貯留部25が搭載される一方、キャリッジ24の下部には液体を吐出する記録ヘッド26が搭載されている。
記録ヘッド26は、その下面が支持部材23の上面と対向した状態に配置されるとともに、その下面には支持部材23上に支持された用紙80に向けてインク90を吐出する複数(図1には破線で4つ図示)のノズル開口27が形成されている。すなわち、記録ヘッド26は、その下面がインク90を吐出するノズル開口27が形成されたノズル形成面28となり、その内部にはノズル形成面28に開口するノズル開口27に上部の液体貯留部25からインク90を供給するための液体流路(図示略)が形成されている。
液体供給部30は、略箱形状の筐体40、筐体40の内部に配置されている液体収容体50、及び、液体収容体50を鉛直方向に移動させて液体収容体50の高さ位置を調整する高さ調整部としての弾性部材の一例であるコイルばね60を備える。
筐体40の上壁40Aには軸41が取り付けられている。上壁40Aは、軸41の周りに回転することにより、図1の二点鎖線で示す開位置と図1の実線で示す閉位置との間を移動する。
筐体40には、チューブ移動空間42が形成されている。チューブ移動空間42は、液体供給チューブ70のうちの液体収容体50と接続されている部分の周りの空間である周囲空間42A、及び、筐体40のうちの記録部20の筐体21と接している側壁40Bに形成されている孔42Bの内部の空間を含む。
液体収容体50は、略箱形状の筐体51、筐体51の内部の空間である液体収容室52、及び、液体収容室52を大気に連通させる大気連通部53を備える。
筐体51の上壁51Aには、液体収容室52にインク90を注入可能な注入口51Bが形成されている。注入口51Bには、ゴム栓54が取り付けられているため、注入口51Bは密封されている。
液体収容室52は、記録ヘッド26に供給するインク90を収容している。
大気連通部53は、筐体51の上壁51Aに形成されている孔53A、及び、孔53Aに取り付けられている連通部材53Bを含む。連通部材53Bは、気体が通過可能である一方、液体が通過不可能な材料により形成されている。大気連通部53は、液体収容室52内に収容されたインク90が記録部20に供給されることに伴って、液体収容室52内が負圧になることを抑制する。液体収容室52内が負圧になると、記録部20へのインク90の供給が滞る虞があるが、大気連通部53を介して液体収容室52と大気とが連通されるため、そのような虞がなくなる。
コイルばね60は、液体収容室52内のインク90の残量変化に応じて、液体収容体50を鉛直方向において移動させて液体収容体50の高さ位置を調整する。具体的には、コイルばね60は、ノズル開口27の位置(以下では「ノズル開口位置」)と液体収容室52内で大気と接触しているインク90の液面の位置(以下では「液面位置」)との水頭差ΔAがノズル開口27からの正常な液体吐出を可能ならしめる一定範囲内に維持されるように液体収容体50の高さ位置を調整する。コイルばね60は、ノズル開口位置と液面位置との水頭差ΔAがノズル開口27からの正常な液体吐出を可能ならしめる一定範囲内に維持されるように弾性力が設定されている。コイルばね60は、液面位置がノズル開口位置よりも常に低い位置となるように液体収容体50の高さ位置を調整する。
コイルばね60の一方の端部は、筐体40の底壁40Cに接続され、他方の端部は、筐体51の底壁51Cに接続されている。
液体供給チューブ70は、可塑性を有する材料により形成されている。液体供給チューブ70は、上流側の端部が液体収容体50に接続され、下流側の端部が液体貯留部25に接続されている。液体供給チューブ70は、孔42B及び孔21Bを通過している。液体供給チューブ70は、キャリッジ24が用紙80に対する主走査方向に移動することに伴い、図1の二点鎖線で示す位置を含む範囲を移動する。
図1及び図2を参照して、本実施形態のプリンター11の作用について説明する。
図1に示すように、記録ヘッド26のノズル開口27から支持部材23上の用紙80に向けてインク90が吐出されると、その吐出により消費された量のインク90が水頭圧により、液体収容体50から液体供給チューブ70及び液体貯留部25を介して記録ヘッド26に供給される。
図2に示すように、液体収容室52内のインク90が記録ヘッド26に供給されることにより、液体収容室52内のインク90の量が減少するため、液体収容体50において底壁51Cに対する液面位置が低くなる。一方、液体収容室52内のインク90の量が減少することにより、液体収容体50の重量が減少するため、液体収容体50は、コイルばね60の弾性力により、鉛直方向の上方に移動する。コイルばね60は、ノズル開口位置と液面位置との水頭差ΔAがノズル開口27からの正常な液体吐出を可能ならしめる一定範囲内に維持されるように弾性力が設定されているため、水頭差ΔAが過度に大きくなることが抑制される。
本実施形態のプリンター11によれば、次のような効果を得ることができる。
(1)コイルばね60が液体収容室52内のインク90の残量変化に応じて液体収容体50の高さ位置を調整することにより、水頭差ΔAがノズル開口27からの正常な液体吐出を可能ならしめる一定範囲内に維持される。このため、記録ヘッド26からのインク90の吐出に伴い液体収容体50内のインク90の量が減少した場合でも、安定した水頭圧に基づき液体収容体50から記録ヘッド26にインク90を供給することができ、記録品質が低下することを抑制できる。
(2)コイルばね60は、液面位置がノズル開口位置よりも常に低い位置となるように液体収容体50の高さ位置を調整するため、液面位置は、ノズル開口位置よりも高い位置とならない。このため、非印字時に記録ヘッド26からインク90が漏れる事態が生じにくい。
(3)コイルばね60の弾性力により液体収容体50の高さ位置を調整することができるため、より簡単な構成で液体収容体50の高さ位置を調整することができる。
(4)液体収容体50の高さ位置が変化することに伴い、液体供給チューブ70のうちの液体収容体50と接続されている部分の高さ位置も変化する。プリンター11は、液体供給チューブ70のうちの液体収容体50と接続されている部分の周りにチューブ移動空間42が形成されているため、液体収容体50の高さ位置が変化したときに、液体供給チューブ70がスムーズに移動することができる。
(5)液体収容体50は、注入口51Bを備えるため、液体収容体50のインク90の残量が少なくなったときに、注入口51Bからインク90を液体収容室52に継ぎ足すことができる。
(第2実施形態)
図3を参照して、第2実施形態のプリンター11について説明する。なお、本実施形態のプリンター11では、液体供給部30の筐体40の構成、及び、高さ調整部の構成のみが第1実施形態と異なり、その他の構成は第1実施形態とほぼ同様である。そのため、以下では第1実施形態と相違する構成について主に説明し、その他の構成については同一符号を付すことにして、重複した説明を省略する。
図3に示すように、本実施形態の液体供給部30の筐体40は、側壁40Bに軸241が取り付けられている。側壁40Bは、軸241の周りに回転することにより、図3の二点鎖線で示す開位置と図3の実線で示す閉位置との間を移動する。
また、本実施形態のプリンター11は、液体収容体50を鉛直方向に移動させて液体収容体50の高さ位置を調整する高さ調整部としての弾性部材の一例である引張りばね260を備える。
引張りばね260は、液体収容室52内のインク90の残量変化に応じて、液体収容体50を鉛直方向において移動させて液体収容体50の高さ位置を調整する。具体的には、引張りばね260は、ノズル開口位置と液面位置との水頭差ΔA(図1参照)がノズル開口27からの正常な液体吐出を可能ならしめる一定範囲内に維持されるように、液体収容体50の高さ位置を調整する。引張りばね260は、ノズル開口位置と液面位置との水頭差ΔAがノズル開口27からの正常な液体吐出を可能ならしめる一定範囲内に維持されるように弾性力が設定されている。引張りばね260は、液面位置がノズル開口位置よりも常に低い位置となるように液体収容体50の高さ位置を調整する。
引張りばね260の一方の端部は、筐体40の上壁40Aに接続され、他方の端部は、筐体51の上壁51Aに取り付けられているフック261に接続されている。
図1及び図3を参照して、本実施形態のプリンター11の作用について説明する。
液体収容室52内のインク90が記録ヘッド26に供給されることにより、液体収容室52内のインク90の量が減少するため、液体収容体50において底壁51Cに対する液面位置が低くなる。一方、液体収容室52内のインク90の量が減少することにより、液体収容体50の重量が減少するため、液体収容体50は引張りばね260の弾性力により、鉛直方向の上方に移動する。引張りばね260は、ノズル開口位置と液面位置との水頭差ΔAがノズル開口27からの正常な液体吐出を可能ならしめる一定範囲内に維持されるように弾性力が設定されているため、水頭差ΔAが過度に大きくなることが抑制される。
本実施形態のプリンター11によれば、上記した第1実施形態における(1)、(2)、(4)、及び、(5)に準じた効果に加えて、以下の効果が得られる。
(6)引張りばね260の弾性力により液体収容体50の高さ位置を調整することができるため、より簡単な構成で液体収容体50の高さ位置を調整することができる。
(第3実施形態)
図4を参照して、第3実施形態のプリンター11について説明する。なお、本実施形態のプリンター11では、高さ調整部の構成のみが第1実施形態と異なり、その他の構成は第1実施形態とほぼ同様である。そのため、以下では第1実施形態と相違する構成について主に説明し、その他の構成については同一符号を付すことにして、重複した説明を省略する。
図4に示すように、本実施形態の高さ調整部360は、液体収容体50の筐体51の側壁51Dに接続されている接続部材としてのラック361、及び、ラック361と噛み合っているピニオン362を備える。高さ調整部360は、さらに、ラック361に駆動力を付与する駆動源としての電気モーター363、及び、電気モーター363の出力を制御する制御装置364を備える。
ラック361は、液体収容体50の高さ方向に沿って延びている。ピニオン362は、減速機(図示略)を介して電気モーター363の出力軸363Aと連結されている。
制御装置364は、記録部20と電気的に接続され、記録ヘッド26のノズル開口27から吐出されたインク90の量に関する情報(以下では「吐出量情報」)が入力される。制御装置364は、吐出量情報に基づき、液体収容体50内の液体残量、及び、液体収容体50内の液面位置を算出し、ノズル開口位置と液面位置との水頭差ΔAがノズル開口27からの正常な液体吐出を可能ならしめる一定範囲内に維持されるように電気モーター363の出力を制御する。
図1及び図4を参照して、本実施形態のプリンター11の作用について説明する。
液体収容室52内のインク90が記録ヘッド26に供給されることにより、液体収容室52内のインク90の量が減少するため、液体収容体50において底壁51Cに対する液面位置が低くなる。制御装置364は、吐出量情報に基づき、液体収容体50内の液面位置を算出し、ノズル開口位置と液面位置との水頭差ΔAがノズル開口27からの正常な液体吐出を可能ならしめる一定範囲内となるような液体収容体50の高さ方向におけるラック361の位置を算出する。制御装置364は、算出したラック361の位置に基づき、電気モーター363の出力、及び、ピニオン362の必要な回転量を制御して、液体収容体50を鉛直方向に移動させて液体収容体50の高さ位置を調整する。
本実施形態のプリンター11によれば、上記した第1実施形態における(1)、(2)、(4)、及び、(5)に準じた効果に加えて、以下の効果が得られる。
(7)液体収容室52内のインク90の残量に応じてピニオン362の回転量を制御してラック361の移動量を調整することにより、より厳密に液体収容体50の高さ位置を調整することができる。
なお、上記各実施形態は、以下のような別の実施形態に変更してもよい。
・第1実施形態又は第3実施形態において、筐体40は軸41を備えず、例えば、上壁40Aの全体が着脱可能である構成としてもよい。
・第2実施形態において、筐体40は軸241を備えず、例えば、側壁40Bの全体が着脱可能である構成としてもよい。
・第1実施形態又は第2実施形態において、筐体40の内部に液体収容体50の鉛直方向の移動をガイドする板状のガイド部材を配置してもよい。
・第3実施形態において、高さ調整部360は、液体収容体50の筐体51に接続されている接続部材としてのナット、及び、ナットに挿入されているねじを含む送りねじ機構であってもよい。又は、高さ調整部360は、ナットの内部にボールが配置されているボールねじ機構であってもよい。さらには、例えば液体収容体50の筐体51に伸縮動作するピストンロッドの一端が接続部材として接続されたシリンダ機構であってもよい。
・第1実施形態〜第3実施形態において、記録部20を液体供給部30と間隔をあけて配置してもよい。
・上記各実施形態において、記録装置としてのプリンター11は、インク以外の他の流体(液体や、機能材料の粒子が液体に分散又は混合されてなる液状体、ゲルのような流状体、流体として流して吐出できる固体を含む)を吐出したり噴射したりして記録を行う流体吐出装置であってもよい。例えば、液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ及び面発光ディスプレイの製造などに用いられる電極材や色材(画素材料)などの材料を分散又は溶解のかたちで含む液状体を吐出して印刷を行う液状体吐出装置であってもよい。また、ゲル(例えば物理ゲル)などの流状体を吐出する流状体吐出装置、トナーなどの粉体(粉粒体)を例とする固体を吐出する粉粒体吐出装置(例えばトナージェット式印刷装置)であってもよい。そして、これらのうちいずれか一種の流体吐出装置に本発明を適用することができる。なお、本明細書において「流体」とは、気体のみからなる流体を含まない概念であり、流体には、例えば液体(無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)等を含む)、液状体、流状体、粉粒体(粒体、粉体を含む)などが含まれる。
11:プリンター(記録装置)、26:記録ヘッド、27:ノズル開口、42チューブ移動空間、50:液体収容体、52:液体収容室、53:大気連通部、60:コイルばね(高さ調整部、弾性部材)、70:液体供給チューブ、80:用紙(媒体)、90:インク(液体)、260:引張りばね(高さ調整部)、360:高さ調整部、361:ラック(接続部材)、363:電気モーター(駆動源)、364:制御装置。

Claims (7)

  1. ノズル開口から媒体に液体を吐出して記録を行う記録ヘッドと、
    前記記録ヘッドに供給する前記液体を収容する液体収容室及び前記液体収容室内を大気に連通させる大気連通部を有する液体収容体と、
    前記液体収容室内の前記液体の残量変化に応じて、前記記録ヘッドにおける前記ノズル開口の位置と前記液体収容体における前記液体収容室内で大気と接触している前記液体の液面の位置との水頭差が前記ノズル開口からの正常な液体吐出を可能ならしめる一定範囲内に維持されるように、前記液体収容体を鉛直方向において移動させて前記液体収容体の高さ位置を調整する高さ調整部と、
    を備えることを特徴とする記録装置。
  2. 前記高さ調整部は、前記液体収容室内で大気と接触している前記液体の液面の位置が前記記録ヘッドにおける前記ノズル開口の位置よりも常に低い位置となるように前記液体収容体の高さ位置を調整することを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  3. 前記高さ調整部は、前記液体収容体に接続されている弾性部材であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の記録装置。
  4. 前記液体収容体は、前記液体収容室を形成する筐体を備え、
    前記高さ調整部は、前記筐体の上壁に接続されている引張りばねであることを特徴とする請求項1〜請求項3のうち何れか一項に記載の記録装置。
  5. 前記高さ調整部は、前記液体収容体に接続されている接続部材と、
    前記接続部材に駆動力を付与する駆動源と、
    前記液体収容室内の液体残量に基づき、前記駆動源の駆動力を制御することにより、前記液体収容体を鉛直方向において移動させて前記液体収容体の高さ位置を調整する制御装置とを備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の記録装置。
  6. 前記液体収容体と接続され、前記液体を前記液体収容体から前記記録ヘッドに導入する液体供給チューブと、
    前記液体供給チューブのうちの前記液体収容体と接続されている部分の周りに形成されている空間であるチューブ移動空間とを備えることを特徴とする請求項1〜請求項5のうち何れか一項に記載の記録装置。
  7. 前記液体収容体は、前記液体収容室に前記液体を注入可能な注入口を備えることを特徴とする請求項1〜請求項6のうち何れか一項に記載の記録装置。
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