JP2017099837A - 金属線を直接縫い付けた電極形成方法及びその構造 - Google Patents

Abstract

【課題】 従前は電極を被貼付者に如何に密着させるかの粘着性向上の視点の技術開示が多く、電極形成そのものに注視していない。また布に金属線を織り込んだ生地も提案されているが洗濯等により金属線と布糸が乖離する欠点があり生地自体も高価である。【解決手段】 本発明では電極を形成するに導電性のある金属細線をミシンをもちいて直接素材に等に縫い方を選定して縫い付ける事により必要な所に必要な大きさ・形状の電極を形成させ得るので、医学的情報を十二分に取得できるうえ安価に形成できる。また長期にわたり安定した電極の機能を維持することを可能としたことにある。【選択図】図２

Description

本発明は、ミシン縫いが可能な素材に金属線を用いてミシンで糸のように前記素材に縫い付けて電極を形成する方法及び電極構造である。

従来、生体医学用電極として電極板、電極板とコードと電気的に接続する方法、当該電極板と皮膚との導電性を良好にするために導電性クリーム又は導電性粘着剤から構成されたものが用いられてきた。
中でも皮膚との密着性を高めるために導電性のシートを付加するもの（特許文献１）導電性粘着剤やゲルと電極部の密着性を向上させるための電極用パットを用いたり（特許文献２）、粘着性パットを使い捨てにして都度使用の密着性を高めたり（特許文献３）、電極の被験者又は患者、要介護者等（以下「被貼付者」という）の動きに連動するように電極部を伸張させる等の構造（特許文献４）のほか布織り時に金属線を一緒に織り込んだ生地を裁断して電極及び導線として使用していた。

特開平０５−０７０５５２号 公開公報 特開２０１４−００８１６６号 公開公報 特開２０１０−２４６７６５１号 公開公報 特開２００５−１３７４５６号 公開公報

しかしながら従来の構造では、何れもが電極の被貼付者への密着度を向上させるための方法や構造が主体であり、被貼付者の違和感や装着感の向上にはほど遠いものであったことは否めない。
本願発明による方法及び構造においては、これらの問題を根本的に解決し、被貼付者が日常の衣服を纏うような感覚で目的とする電極を装着でき、かつ、被験者の医学的な各種情報を従来同様以上に取得できる電極を形成する方法及びは電極構造としたことにある。

本発明は、従来の技術・構造が有するこのような課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、電極、及び導線としての導電性のある金属線を直接布に縫い付ける事により日常生活の動静や洗濯等により剥がれや生地の劣化を防ぎ、伸縮性を持たせ得るために電極形成場所に制約がないことに加え、必要な所に必要な寸法を縫い付けるので一切の無駄がなく、コスト的にも従来方法に比して優位である。また長期にわたり安定した電極および導線の機能を維持させることを可能としたことにある。

上記目的を解決する第一の解決手段として、ミシン縫い可能な素材に、金属細線を用いてミシン縫いし、自在な形状の電極を形成することを特徴とする電極形成方法であり、通常のミシン糸に代えて金属線を直接糸として用いてミシンを使って布地に直接縫い付けることにある。

第二の解決手段は、ミシン縫いが、直線本縫い、直線環縫い、かがり縫い、ジグザク縫いであることを特徴とする請求項１に記載の電極形成方法であり、ミシンの運針の種類により用途に合わせて縫い目の構造、即ち縫い方を自在に変えて電極を多用な形状に形成させることにある。

第三の解決手段としては、ミシン縫い可能な素材に、金属細線を用いて自在な形状に電極を形成することを特徴とする前記第一の解決手段及び第二の解決手段の方法で形成した電極構造であり、前記方法によって、必要とする被貼付者からの信号を医学的情報として得るための構造がミシン目による電極が形成されていることにある。

本願発明は、その構造及び機能構成から、本願発明の電極形成方法によると、衣服等の如何なる部位においても自在かつ安定した電極構造を形成でき、被貼付者又は被験者の生態医学的情報を容易に得ることが出来る。また、電極形成部位を選ばず、電極の大小や自在な形状の形成も容易であり、伸張度の大きい素材にも自在にかつ有用な電極構造を形成でき、有効な情報を得るための電極構造とすることが出来るのである。

以下、本発明の実施の形態を図１〜図２に基づいて説明する。
本発明の実施例として、各種ミシンを用いて金属線を直接縫い付けた電極４を猫背矯正ベルト１に形成させることを説明する。

猫背矯正ベルト１にかがり縫いミシンをもちいてかがり縫いの手法を用いて電極４を形成する手順を以下に示す。
図１の（１）で、猫背矯正ベルト１の表面図であり、猫背矯正ベルト１と猫背矯正ベルト１のベルト裏面３に連通した構造の信号取り出し接続具５により構成される。
（２）は猫背矯正ベルト１の裏面図であり、猫背矯正ベルト１とかがり縫いで形成された電極４と猫背矯正ベルト１のベルト表面２に連通した構造の信号取り出し接続具５により構成される。
表糸は普通の縫い糸を用いるが、電極４を形成するには金属細線を用い、かがり縫いを施している。その際、電極４の形状を単なる直線に限定せず目的とする生体医学信号情報を得やすいように自在に形成させることが肝要である。
なお、信号取り出し接続具５の他端部位は補強のために閂止め縫い６を施すことが最良であり、端部の補強、仕上がりの美観上好ましい構造を形成できる。また閂止め縫い６の代わりに接着芯等を貼り付けてもよい。

本願発明においては、電極とするために用いるには高い導電性を有することが前提となっており、そのためには金属細線を用いるのが最良である。
前記電極に用いる金属細線は、多少の伸張性能を有し、かつその径が０．１０〜０．３ｍｍが適しており、該当する線材としては銅線、ステンレス線が有用である。
なお、本願発明では金属細線としているが、金属アレルギーの被験者対象や、生体医学情報以外の情報取得のための電極を形成する環境においては金属細線に限定せず、導電性を有するグラスファイバー線材等を含め、本願目的を達成可能な線材を全て本願発明に包摂するものとする。

前記電極構造においては、かがり縫いとしているが、本縫いミシン、本縫い二本針ミシン、環縫いミシン、しつけ縫いミシン等を活用して自在な形状に縫い目構造を形成することが可能であり、平二本張りミシン、ロックミシン、ジグザグ縫いミシン等を活用してより自在な形状に縫い目構造を形成することが可能である。

また、本願発明において、ミシン縫い可能な素材として布状の素材を例示しているが、布は勿論、天然皮、合成皮革、不織布に代表される樹脂製の用材など、あらゆるミシン縫いが可能な素材は全て本願発明に包摂するものとする。

図２は、本願実施例の猫背矯正ベルト１の被験者装着時の斜視図である。
電極４は猫背矯正ベルト１のベルト裏側３に形成されており、しかも点的な電極４ではなく線的な電極４を形成することで、被験者の体表面側に金属細線で形成された電極４が密着しているので、体の動きにも電極４全体が乖離しないために常に連続した生体医学情報を取得することが可能であり、しかも被験者は電極４に対して全く違和感を抱くこと事態も存在しないので、常に正確な情報を得ることが出来る。

本願発明の実施例は猫背矯正ベルト１を対象としているが、通常の衣服や介護用の衣、足下の情報を得るには靴下であったり、腹の部位の情報を得るには腹巻きであったり、頭部の情報を得るには帽子状の用具であったり、顔面の場合はマスク形状であったりと、目的に応じて通常使用する衣類や用具に当該電極４を形成させることで、被験者にとって違和感なく適用できる利点を有している。

本願発明においては、直線縫いによる電極４形成は勿論、かがり縫い、ジグザグ縫いの電極形成方法によると、横振りで縫うため電極形成において、電極部位をかなり広く形成でき、より電極構造が安定し、ニット生地の如く生地の伸張が大きい素材にも電極を形成でき、被貼付者の生体医学的情報をより正確かつ詳細・容易に得ることが出来る特徴を有している。

産業上の利用可能領域として生体医学は勿論、介護、スポーツ分野等の広い分野においても、導電性のある金属細線を用いて下着やベルトに各種ミシンで当該電極４を縫い付け形成させることにより、心拍数や血圧、呼吸量などを測定する機器の情報取得用電極として使用して各種変換器とを併用して各種のモニタリングを行わせることが可能であり、また機械、自動車関係においも各部品の電極として利用が可能である。

本発明の金属細線を直接縫い付けた電極形成方法及びその構造における猫背矯正ベルトであり、（１）はその表面図、（２）はその裏面図である。 本発明の金属線を直接縫い付けた電極形成方法及びその構造における猫背矯正ベルト装着時の斜視図である。

１ 猫背矯正ベルト
２ ベルト表面
３ ベルト裏面
４ 電極
５ 信号取り出し接続具
６ 補強閂止め縫い

Claims (3)

1. ミシン縫い可能な素材に、金属細線を用いてミシン縫いし、自在な形状の電極を形成することを特徴とする電極形成方法。
2. ミシン縫いが、直線本縫い、直線環縫い、かがり縫い、ジグザク縫いであることを特徴とする請求項１に記載の電極形成方法。
3. ミシン縫い可能な素材に、金属細線を用いて自在な形状に電極を形成することを特徴とする請求項１又は請求項２に記載の方法で形成した電極構造。

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