JP2017099118A - 回転電機の電機子巻線 - Google Patents

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Masashi Fujita
真史 藤田
上田 隆司
Takashi Ueda
隆司 上田
孝明 廣瀬
Takaaki Hirose
孝明 廣瀬
将史 大久保
Masafumi Okubo
将史 大久保
齋藤 武
Takeshi Saito
武 齋藤
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Abstract

【課題】 コイル片での素線間に鎖交する磁束の差による素線導体間の循環電流を低減でき、電機子巻線の損失増加及び局部過熱を抑制できるようにする。
【解決手段】 実施形態によれば、固定子鉄心に設けられた複数の巻線スロットにそれぞれ一部分が収納される複数のコイル片を備え、各コイル片を構成する複数の素線導体が捩られて転位するように形成された複数の素線導体で構成されてなる回転電機の電機子巻線において、前記固定子鉄心の側面より外側に突き出る各コイル片端部の少なくとも一部は、入射磁束量もしくは入射磁束密度の違いに応じて素線導体の転位角度が異なるように構成されている。
【選択図】図2

Description

本発明の実施形態は、回転電機の電機子巻線に関する。
回転電機の固定子は、図7に示すように構成されている。図7は、回転電機の固定子の一部、具体的には固定子の巻線スロット1個分の近傍を軸方向に見たときの構成を示す断面模式図である。回転電機の固定子は、積層鉄板からなる固定子鉄心3と電機子巻線2とを有する。固定子鉄心3には、例えば図7の上方に位置する図示しない回転子の回転軸心に沿うように延在する複数の巻線スロット10が設けられ、かつ径方向に図示しない複数の通風ダクトが設けられている。各巻線スロット10には、電機子巻線2が収納されている。
電機子巻線2は、積み重なる多数の素線導体5によりそれぞれ構成される上コイル片2cと下コイル片2dとからなり、各素線導体5は、例えば巻線スロット10内に収納された範囲において、巻線スロット10の延在方向を軸に捩られて転位するように形成され、代表的な例としては360度転位するように形成され、固定子鉄心3の両側面より外側に突き出るコイル片端部の最端部分にて短絡される。図8は素線導体5の転位の例を表す斜視図である。図8に示すように、個々の素線導体5が所定の転位ピッチで例えば列1から列2へと順次渡るように捩られることにより多重素線導体が形成される。
このような多重素線導体を有する電機子巻線2に交流電流が流れると、図7に示すように巻線スロット10を周方向に横切る漏れ磁束Mが発生し、多重素線導体の長手方向の各部分における素線導体間に電圧が誘起される。そして、ある素線導体対において、全長にわたり素線導体間の誘起電圧に非常に大きな差が生じると、閉ループ状の素線導体対に大きな循環電流、すなわち素線導体対を循環する電流が流れ、電流損失が増大するとともに素線導体内部で発生する熱も増大する。
また、回転電機の電機子巻線及び界磁巻線は、それらを構成する絶縁物の耐熱性能により厳しく温度上限が制限されており、回転電機の設計においては、これらの温度が規格値以下に保たれるように設計する必要がある。
そこで、多重素線導体の全長にわたって各素線導体間に誘起される電圧をほぼ等しくして循環電流が流れないようにするため、素線導体5を各種の方法によって転位することが行われている。
ここで、図9及び図10を参照して、特許文献1及び2に開示されている素線導体の転位について説明する。この素線導体の転位は、各素線導体を巻線スロットの延在方向に対して捩じる(具体的には各素線導体の位置を順次変更させる)ことによって実現される。捩じりの際、ある1つの素線導体が、コイル片の断面中心部の周りを円状に回転移動するものとみなし、回転移動した角度で転位の程度を表す。このときの角度を「素線転位角度」と呼ぶ。また、各素線導体が、コイル片断面において全ての位置を経て巻線スロットの反対端で出発した位置と同じ位置になる転位を、360度転位と呼ぶ。
図9は従来の回転電機を周方向に見た電機子巻線の素線転位を示す模式図である。上コイル片2cと下コイル片2dとは、固定子鉄心3の巻線スロット内に収納された範囲において、各素線導体が巻線スロットの延在方向を軸に捩られて360度転位するように形成されている。
接続側のコイル片端部2b−1、反接続側のコイル片端部2b−2ともに、各コイル片端部の素線導体が短絡板13により直列に接続(短絡)されていて、上コイル片2cと下コイル片2dとが反接続側のコイル片端部2b−2において短絡板13により接続(短絡)されている。但し、図示はされていないが、実際には接続側のコイル片端部2b−1においても、上コイル片2cと下コイル片2dとが短絡板13により接続(短絡)されており、複数の巻回数による巻線が形成されている。
図9には2つの代表的な素線導体5a、5b間に鎖交する磁束16(磁束16+、16−等)が示されている。図中のシンボル(黒丸印、×印)は、ある電流が流れた瞬間に生じる磁束の向きを示し、鎖交する磁束による誘起電圧の関係を表している。黒丸印は磁束の向きが紙面に対して手前の方向であることを表し、×印は磁束の向きが紙面に対して奥行きの方向であることを表している。磁束16+と磁束16−との和は鉄心内では等しくなり、巻線スロット10内で鎖交する磁束による素線導体5a、5b間の誘起電圧が相殺されるような構成となっている。
一方、巻線スロット10外のコイル片端部2b−1、2b−2の領域には、各種のもれ磁束を含む磁束16x、16yが生ずる。すなわち、巻線スロット内では360度転位が施されているが、巻線スロット10外のコイル片端部2b−1、2b−2の領域では転位されていないので、固定子鉄心3の端部側で生ずる漏れ磁束によって不平衡電圧が発生し、素線導体5a、5b内には図中の矢印の向きに循環電流が生じる。図11はコイル片端部2b−1、2b−2に生じるもれ磁束を表す断面模式図である。コイル片端部2b−1、2b−2では、巻線の導体自身に流れる電流が作り出すもれ磁束16aと、他の巻線や回転子が作り出すもれ磁束16b(回転電機の径方向の磁束Bvと、周方向の磁束Bcとを合わせたもの)とが複雑に分布しており、これらの合成されたもれ磁束が循環電流の起因源となっている。
以上述べたように固定子鉄心3の端部側には漏れ磁束があるため、これにより巻線導体の端部の素線導体間に電圧が誘起され、素線導体内に循環電流が流れて電流損失が発生する。この損失を低減するためには、素線導体の両端部における素線導体の位置を逆転し、同一素線導体の両端部に誘起される各電圧の方向を互いに逆にしてこれらを相殺すればよい。これは素線導体を巻線スロット内で540度転位、すなわち1回転半の転位をすることで実現できる(特許文献2参照)。しかしながら、540度転位では、固定子鉄心内での転位ピッチを鉄心の端部近傍で、中央部の半分にする必要があり、鉄心長の短い回転電機においては、製造上の実現が難しい場合がある。
これらの課題があるため、非特許文献1では、図10に示すように、コイル片端部にも転位を行う「90度/360度/90度転位」の構成を採用している。この巻線においては、両方のコイル片端部で素線導体は90度転位されており、かつ、固定子鉄心の巻線スロット内において、360度転位されている。
また、特許文献3においては、素線導体内の循環電流をさらに抑制し、素線導体における温度勾配を平準化することを目的に、巻線スロット内で、360度未満の素線転位角度もしくは転位されない「空所」を設け、さらに、コイル片における素線転位角度を60度〜120度の間にする構成が示されている。
米国特許第1,144,252号明細書 米国特許第2,821,641号明細書 特開平9−182339号公報
H.Sequenz,"Herstellung der Wicklungen electrisher Maschinen" (邦訳版:三井久安、松井昌夫、松延謙次:「電機コイルの製作と保守」第3章、pp.61、開発社(1990))
上述した従来技術では、素線間の不平衡電圧による循環電流を抑制することはできるが、大規模な数値計算によれば、両端部の素線導体間に鎖交する磁束は、種々の条件によって変わる。
図12の(a)及び(b)は、数百MW級タービン発電機におけるコイル片端部への入射磁束の数値解析結果を示すグラフであり、(a)が相帯端に位置するコイル片端部(異なる相帯の境界部に面するコイル片端部)への入射磁束密度、(b)が相帯中央部のコイル片への入射磁束密度を示している。図中のBcは回転電機の周方向の入射磁束密度[T]を示し、Bv(abs)は回転電機の径方向の入射磁束密度[T]を、Biは電流が流れる方向の入射磁束密度[T]を示す。また、図12の(a)及び(b)の横軸はコイル片端部の長手方向の距離[m]を示す。2[m]の位置はコイル片端部同士が接続する部分の位置に相当し、0[m]及び4[m]の各位置はそれぞれコイル片端部の鉄心スロットに収納されない範囲の端部(鉄心の側面部)の位置に相当する。
図12の(a)及び(b)に示すように、下コイル片への入射磁束密度に比べて、上コイル片への入射磁束密度が高い値で分布している。また、図12の(a)と(b)を比較すると、(a)に示す相帯端の方が、(b)に示す相帯中央部に比べて入射磁束密度が高くなっている。
図12の(c)は相帯内のコイル片ごとの上コイル片への入射磁束量を示している。図中、Φc(abs)は上記Bcに対応する磁束を示し、Φv(abs)は上記Bvに対応する磁束を示す。また、Φi(abs)は電流が流れる方向の磁束を示す。コイル片番号1〜12のうち、コイル片番号1、12は、それぞれ相帯端に位置するコイル片に相当する。図12の(c)のグラフから、相帯端に近いほど入射磁束量が大きいことがわかる。
図13は、従来の回転電機の電機子巻線の1相分を示す展開模式図である。接続側、反接続側では、巻線ピッチの違いや、鉄心を支持固定するための構造の違いにより、コイル片端部2b−1、2b−2におけるコイル片端部の長さをそれぞれL1、L2とすると、L1とL2が異なる場合がある。図13では接続側のコイル片端部2b−1の巻線ピッチP1の方が、反接続側のコイル片端部2b−2の巻線ピッチP2よりも1スロットピッチ分だけ小さいため、コイル片端部の長さが短くなっている。接続の方法によっては、接続側と反接続側の巻線ピッチの差は1より大きい場合もあり、その分、各コイル片端部の長さが異なり、入射磁束密度に差異が生じる。また、同じ側のコイル片端部の中でも、巻線ピッチを変える場合もあり、その場合にも各コイル片端部の長さによって、入射磁束密度に差異が生じる。
このように、コイル片の配置や回転電機の構造によって、入射磁束量が異なると、それによる循環電流、循環電流損にも差が生じ、すなわち、コイル片の温度上昇にも差が生じることになる。
コイル片の温度上昇が、局所的に大きくなると、それに伴って絶縁の耐熱性能も備える必要があるため、回転電機全体での大型化、長期信頼性低下を招くことになるため、コイル片の温度上昇を平準化する必要がある。
本発明が解決しようとする課題は、コイル片での素線間に鎖交する磁束の差による素線導体間の循環電流を低減でき、電機子巻線の損失増加及び局部過熱を抑制することのできる回転電機の電機子巻線を提供することにある。
実施形態によれば、固定子鉄心に設けられた複数の巻線スロットにそれぞれ一部分が収納される複数のコイル片を備え、各コイル片を構成する複数の素線導体が捩られて転位するように形成された複数の素線導体で構成されてなる回転電機の電機子巻線において、前記固定子鉄心の側面より外側に突き出る各コイル片端部の少なくとも一部は、入射磁束量もしくは入射磁束密度の違いに応じて素線導体の転位角度が異なるように構成されている。
本発明によれば、コイル片での素線間に鎖交する磁束の差による素線導体間の循環電流を低減でき、電機子巻線の損失増加及び局部過熱を抑制することができる。
第1の実施形態の回転電機の電機子巻線の1相分を示す展開模式図。 同実施形態の回転電機の電機子巻線の素線転位を示す模式図。 素線転位角度と循環電流損失の関係を示すグラフ。 第2の実施形態の回転電機の電機子巻線の1相分を示す展開模式図。 同実施形態の回転電機の電機子巻線の素線転位を示す模式図。 第3の実施形態の回転電機の電機子巻線の素線転位を示す模式図。 電機子巻線の巻線スロット内におけるもれ磁束を示す断面模式図。 素線導体の転位の例を示す斜視図。 従来の回転電機の電機子巻線の素線転位を示す模式図。 従来の回転電機の電機子巻線の素線転位を示す模式図。 コイル片端部に生じるもれ磁束を示す断面模式図。 コイル片端部への入射磁束の数値解析結果を示すグラフ。 従来の回転電機の電機子巻線の1相分を示す展開模式図。
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
最初に、図1乃至図3を参照して、第1の実施形態について説明する。
図1は第1の実施形態における回転電機の電機子巻線の1相分を示す展開模式図である。なお、前述した図7乃至図13と共通する要素には、同一の符号を付している。
図1に示す回転電機の電機子巻線は、積層鉄板からなる電機子鉄心3に設けられた複数の巻線スロット10に2層で納められている。具体的には、各相の電機子巻線2は、複数の巻線スロット10にそれぞれ一部分が収納される上コイル片2cと下コイル片2dとを備える。上コイル片2cは、巻線スロット10内の開口部側に納められ、下コイル片2dは、巻線スロット10内の底側に納められている。
各電機子巻線2は、それぞれのコイル片端部の最端部分にて短絡板13により直列に接続(短絡)されている。反接続側のコイル片端部2b−2においては、上コイル片2cと下コイル片2dのそれぞれのコイル片端部2f同士が短絡板13を通じて接続される。また、接続側のコイル片端部2b−1においは、巻線口出し部12に接続されるコイル片端部2eを除き、上コイル片2cと下コイル片2dのそれぞれのコイル片端部2e同士が短絡板13を通じて接続される。
接続側のコイル片端部2b−1の巻線ピッチP1は、反接続側のコイル片端部2b−2の巻線ピッチP2によりも1スロットピッチ分だけ小さくなっており、反接続側のコイル片端部2b−2の長さL2の方が、接続側のコイル片端部2b−1の長さL1よりも長くなっている。
図2は同実施形態における回転電機を周方向に見た電機子巻線2の素線転位を示す模式図である。
上コイル片2cと下コイル片2dとは、固定子鉄心3の巻線スロット内に収納された範囲において、各素線導体が巻線スロットの延在方向を軸に捩られて360度転位するように形成されている。すなわち、素線転位角度を360度としている。
また、接続側のコイル片端部2b−1においては、コイル片端部2eの素線転位角度を90度としている。一方、反接続側のコイル片端部2b−2においては、コイル片端部2fの素線転位角度を135度としている。すなわち、反接続側のコイル片端部2b−2における素線転位角度が、接続側のコイル片端部2b−1における素線転位角度よりも大きくなるように構成している。
図2には、2つの代表的な素線導体5a、5b間に鎖交する磁束16(磁束16+、16−等)が示されている。図中のシンボル(黒丸印、×印)は、ある電流が流れた瞬間に生じる磁束の向きを示し、鎖交する磁束による誘起電圧の関係を表している。黒丸印は磁束の向きが紙面に対して手前の方向であることを表し、×印は磁束の向きが紙面に対して奥行きの方向であることを表している。磁束16+と磁束16−との和は鉄心内では等しくなり、巻線スロット10内で鎖交する磁束による素線導体5a、5b間の誘起電圧が相殺される。コイル片端部2b−1、2b−2の領域においても磁束16+や磁束16−は生じる。
図3は、コイル片端部での素線転位角度と循環電流損失の関係を示すグラフである。
このグラフは、素線導体間に鎖交する磁束量が同じである場合における、素線転位角度に対する循環電流損失を、回転電機の径方向の磁束Bv、周方向の磁束Bcごとにプロットしたものである。横軸が素線転位角度[度]を示し、縦軸が循環電流損失[PU]を示す。
上記グラフによれば、例えば従来の端部転位角度90度から、さらに本実施形態のように135度まで、転位角度を増加させた場合、同一磁束量に対する循環電流損失は半分程度に減少することがわかる。この損失低減の程度は、回転電機の設計条件や運転条件によって異なるため、最適な転位角度を求める際には、個々の条件において数値解析によって求めることが望ましいが、一般に、図3のグラフに示される傾向は条件が変わっても概ね同様となると考えられるため、転位角度の差は、30度〜60度の範囲とすることが望ましい。
このように、第1の実施形態によれば、コイル片端部の長さが長く、入射磁束量の大きい反接続側のコイル片端部2b−2における素線転位角度を、コイル片端部2b−1における素線転位角度よりも大きくすることにより、反接続側のコイル片端部2b−2における循環電流損失を低減することができ、温度上昇を平準化でき、より信頼性の高い回転電機の電機子巻線並びに回転電機を得ることができる。
なお、損失低減の観点からは、全てのコイル片端部での素線転位角度を大きくすることで、全体の損失発生を抑えることができるが、転位角度を大きくする場合には、転位ピッチが小さくなるため、素線の加工の面で難しく、素線に施した絶縁を損傷する可能性も大きくなる。したがって、素線転位角度を大きくするコイル片はなるべく少なくすることが望ましいため、本実施形態のように、特に必要とされるコイル片においてのみ、転位角度を大きくすることが、電機子巻線及び回転電機の信頼性を高めることになる。
また、本実施形態のように、コイル片端部の長さが長い部分の転位角度を大きくする場合は、長さの差の分だけ転位角度を大きくすれば、転位ピッチを一定に保つことも可能になるため、電機子巻線の製造面からも、より信頼性を高めた構成であるといえる。
なお、本実施形態は図示した構成に限らず、回転電機の設計条件により、コイル片端部の転位角度に適切な差を設ければ、転位角度の絶対値としては、選択の自由度があることはもちろんのことである。
また、本実施形態では、各コイル片端部の端から端にわたって素線を転位させる例を示したが、部分的に転位をしていない箇所もしくは転位角度を変えている箇所があってもよい。例えば、コイル片端部2fの素線転位角度を一律にしている(例えば135度にしている)のではなく、コイル片端部2fの鉄心側から途中までの範囲で、素線転位角度を0にしている、もしくは素線転位角度を変えている(例えば90度にしている)ものがあってもよい。
(第2の実施形態)
図4は第2の実施形態における回転電機の電機子巻線の1相分を示す展開模式図であり、図5は第2の実施形態における回転電機を周方向に見た電機子巻線2の素線転位を示す模式図である。なお、図1,図2と共通する要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
本実施形態では、図4に示されるように、コイル片端部2b−1、2b−2のそれぞれにおいて、相帯端に位置するコイル片端部(異なる相帯の境界部に面するコイル片端部)2fにおける素線転位角度が、相帯中央部のコイル片端部(境界部に面していないコイル片端部)2eにおける素線転位角度よりも大きくなるように構成している。
コイル片端部2eにおける素線転位は、前述の図10に示したものと同様であり、その素線転位角度は例えば90度である。これに対し、コイル片端部2fにおける素線転位は、図5に示すようになっており、その素線転位角度は例えば120度である。
このように、第2の実施形態によれば、相帯端に位置するコイル片端部2fにおける素線転位角度を、相帯中央部のコイル片端部2eにおける素線転位角度よりも大きくすることにより、入射磁束量の大きい相帯端に位置するコイル片端部における循環電流損失を低減することができ、電機子巻線における温度上昇を平準化でき、より信頼性の高い回転電機の電機子巻線並びに回転電機を得ることができる。
なお、本実施形態では、素線転位角度を大きくするコイル片端部を、相帯端側から1本ずつとしているが、入射磁束量の差によっては、その本数は必ずしも1つずつでなくてもよく、相帯端側から相帯中央部にかけて素線転位角度を徐々に変える等、その本数や変化の度合いに自由度があることはもちろんのことである。
また、本実施形態では、各コイル片端部の端から端にわたって素線を転位させる例を示したが、部分的に転位をしていない箇所もしくは転位角度を変えている箇所があってもよい。例えば、コイル片端部2fの素線転位角度を一律にしている(例えば120度にしている)のではなく、コイル片端部2fの鉄心側から途中までの範囲で、素線転位角度を0にしている、もしくは素線転位角度を変えている(例えば90度にしている)ものがあってもよい。
(第3の実施形態)
図6は第3の実施形態における回転電機を周方向に見た電機子巻線2の素線転位を示す模式図である。なお、図2及び図5と共通する要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
本実施形態では、図6に示されるように、コイル片端部2b−1、2b−2のそれぞれにおいて、上コイル片2cのコイル片端部2e−1における素線転位角度が、下コイル片2dのコイル片端部2e−2よりも大きくなるように構成している。
下コイル片2dのコイル片端部2e−2における素線転位は、前述の図10に示したものと同様であり、その素線転位角度は例えば90度である。これに対し、上コイル片2cのコイル片端部2e−1における素線転位は、図6に示すようになっており、その素線転位角度は例えば120度である。
損失低減の程度は、回転電機の設計条件や運転条件によって異なるため、最適な転位角度を求める際には、個々の条件において数値解析によって求めることが望ましいが、一般に、図3のグラフに示される傾向は条件が変わっても概ね同様となると考えられ、また、上コイル片2cと下コイル片2dの入射磁束量の差は、図12に示すような相帯の位置の差より大きいと考えられるため、転位角度の差は、30度〜120度の範囲とすることが望ましい。
このように、第3の実施形態によれば、上コイル片2cのコイル片端部2e−1における素線転位角度を、下コイル片2dのコイル片端部2e−2よりも大きくすることにより、入射磁束密度が高いコイル片端部2e−1における循環電流損失を低減することができ、電機子巻線における温度上昇を平準化でき、より信頼性の高い回転電機の電機子巻線並びに回転電機を得ることができる。
なお、本実施形態では、各コイル片端部の端から端にわたって素線を転位させる例を示したが、部分的に転位をしていない箇所もしくは転位角度を変えている箇所があってもよい。例えば、コイル片端部2e−1の素線転位角度を一律にしている(例えば120度にしている)のではなく、コイル片端部2e−1の鉄心側から途中までの範囲で、素線転位角度を0にしている、もしくは素線転位角度を変えている(例えば90度にしている)ものがあってもよい。
以上詳述したように、実施形態によれば、コイル片での素線間に鎖交する磁束の差による素線導体間の循環電流を低減でき、電機子巻線の損失増加及び局部過熱を抑制することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…回転子、2…電機子巻線、2b−1,2b−2,2e,2e−1,2e−2,2f…コイル片端部、2c…上コイル片、2d…下コイル片、3…固定子鉄心、5,5a,5b…素線導体、6…抜板鉄板、10…巻線スロット、12…口出し部、13…短絡板、16…鎖交磁束。

Claims (9)

  1. 固定子鉄心に設けられた複数の巻線スロットにそれぞれ一部分が収納される複数のコイル片を備え、各コイル片を構成する複数の素線導体が捩られて転位するように形成された複数の素線導体で構成されてなる回転電機の電機子巻線において、
    前記固定子鉄心の側面より外側に突き出る各コイル片端部の少なくとも一部は、入射磁束量もしくは入射磁束密度の違いに応じて素線導体の転位角度が異なるように構成されていることを特徴とする回転電機の電機子巻線。
  2. 請求項1に記載の回転電機の電機子巻線において、
    前記固定子鉄心の一方の側面より外側に突き出るコイル片端部における素線導体の転位角度が、前記固定子鉄心の他方の側面より外側に突き出るコイル片端部における素線導体の転位角度よりも大きい
    ことを特徴とする回転電機の電機子巻線。
  3. 請求項1に記載の回転電機の電機子巻線において、
    前記固定子鉄心の両側面より外側に突き出る各コイル片端部のうち、長い方のコイル片端部における素線導体の転位角度が、短い方のコイル片端部における素線導体の転位角度よりも大きい
    ことを特徴とする回転電機の電機子巻線。
  4. 請求項1に記載の回転電機の電機子巻線において、
    前記固定子鉄心の一方の側面より外側に突き出るコイル片端部における素線導体の転位角度が、前記固定子鉄心の他方の側面より外側に突き出るコイル片端部における素線導体の転位角度よりも、30度〜60度大きい
    ことを特徴とする回転電機の電機子巻線。
  5. 請求項1に記載の回転電機の電機子巻線において、
    前記固定子鉄心の両側面より外側に突き出る各コイル片端部のうち、異なる相帯の境界部に面するコイル片端部における素線導体の転位角度が、前記境界部に面していないコイル片端部における素線導体の転位角度よりも大きい
    ことを特徴とする回転電機の電機子巻線。
  6. 請求項1に記載の回転電機の電機子巻線において、
    前記固定子鉄心の両側面より外側に突き出る各コイル片端部のうち、異なる相帯の境界部に面するコイル片端部における素線導体の転位角度が、前記境界部に面していないコイル片端部における素線導体の転位角度よりも、30度〜60度大きい
    ことを特徴とする回転電機の電機子巻線。
  7. 請求項1に記載の回転電機の電機子巻線において、
    前記固定子鉄心の両側面より外側に突き出る各コイル片端部のうち、前記巻線スロットの開口部側に納められたコイル片端部における素線導体の転位角度は、前記巻線スロットの底側に納められたコイル片端部における素線導体の転位角度よりも大きい
    ことを特徴とする回転電機の電機子巻線。
  8. 請求項1に記載の回転電機の電機子巻線において、
    前記固定子鉄心の両側面より外側に突き出る各コイル片端部のうち、前記巻線スロットの開口部側に納められたコイル片のコイル片端部における素線導体の転位角度は、前記巻線スロットの底側に納められたコイル片のコイル片端部における素線導体の転位角度よりも、30度〜120度大きい
    ことを特徴とする回転電機の電機子巻線。
  9. 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の電機子巻線を備えたことを特徴とする回転電機。
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