JP2017098960A - セルラー通信ネットワークにおける範囲測定の計算 - Google Patents

セルラー通信ネットワークにおける範囲測定の計算 Download PDF

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Abstract

【課題】セルラー通信ネットワークにおいて範囲測定を計算するための方法および装置を提供する。
【解決手段】この方法は、セルラー通信ネットワークにおけるセクタ化された基地局の第1のセルセクタと関連する第1の信号を、受信機(910)で受信するステップ(710)と、第1の信号の一部の、受信機(910)への少なくとも1つの第1の到着時間を決定するステップ(712、812)と、セクタ化された基地局の第2のセルセクタと関連する第2の信号を、受信機(910)で受信するステップ(711)と、第2の信号の一部の、受信機(910)への少なくとも1つの第2の到着時間を決定するステップ(713、813)と、少なくとも1つの第1の到着時間と少なくとも1つの第2の到着時間との組合せに基づいて、基地局と受信機(910)との間の範囲測定を計算するステップ(720、820)と、を含む。
【選択図】図7

Description

本発明は、例えば、ユーザ機器(UE)と基地局(BS)との間の範囲測定(ranging measurement)など、セルラー通信ネットワークにおいて範囲測定を計算するための方法および装置に関する。これは、UEの位置を決定することの補助に有用になり得る。本発明の諸態様は、第4世代ロングタームエボリューション(LTE)ネットワークのコンテキストにおいて適用されるときに特に有益になり得る。
ローカルな環境において利用可能であり、装置内の受信機によって検出可能な信号を監視することによって、モバイル通信装置(この技術分野では、「ユーザ機器」と称されることが多い)の位置を決定することが、知られている。これらの信号は、必ずしも位置決め機能を提供するためのものとして意図されているわけではなく、ときには、「Signals of Opportunity」(「SoOp」)と呼ばれることがある。
特に、セルラー通信ネットワークにおけるセルラー基地局によって送信される信号を、位置を計算するためのSoOpとして用いることが、知られている。基地局信号は、この観点から有益なのであるが、その理由は、それぞれの個々の基地局からの信号が比較的小さな領域上で送信されるからである。さらに、基地局信号は、比較的安定的なタイミングを有する傾向にあり、その理由は、すべてのセルラー・ネットワークにおける通信は、多かれ少なかれ、一貫したタイミング基準と周波数基準とを有することに、依存するからである。
1つの手法は、定められた基地局からの信号のある規定された部分の到着時間を、装置が測定することである。そして、この手順が、装置の位置から「可視の(visible)」他の基地局からの他の信号について、反復される。各到着時間は、装置とそれぞれの基地局との間の範囲測定を計算するのに用いられ得る。これらの範囲測定が十分に得られ、(例えば、基地局の場所に関して)いくらかの追加的な知識があれば、三辺測量によって、装置の位置を計算することが可能である。このプロセスは、衛星測位受信機が衛星測位信号を用いて自らの位置を計算するのに用いられるものと類似するが、セルラー信号は、本来、位置決めのアプリケーション向きでないという点で異なる。
基地局信号の到着時間(TOA)を範囲測定の計算に用いるのは、信号が、基地局から、直接的な視野方向の伝搬経路を経由してモバイル通信装置に到着するという仮定に依拠する。そして、位置計算の精度は、到着時間を正確に測定することに依存するのであるから、到着時間の測定の妨げとなるいかなるものも、結果的な位置推定の精度を悪化させる。マルチパス状況は、特定の問題を生じさせるが、その理由は、マルチパス状況が、到着時間の測定において、曖昧さをもたらすからである。しかし、マルチパス状況は、特に、それぞれの建物が基地局信号を反射し追加的なマルチパス成分を生じさせる可能性がある高密な都市環境において、広く、いたる所に存在している。
したがって、マルチパス影響に対するより強固な手法の必要性が存在する。
本発明は、特許請求の範囲によって規定される。
本発明の態様によれば、セルラー通信ネットワークにおいて範囲測定を計算する方法であって、
セルラー通信ネットワークにおけるセクタ化された基地局の第1のセルセクタと関連する第1の信号を、受信機で受信するステップと、
第1の信号の一部の、受信機への少なくとも1つの第1の到着時間を決定するステップと、
セクタ化された基地局の第2のセルセクタと関連する第2の信号を、受信機で受信するステップと、
第2の信号の一部の、受信機への少なくとも1つの第2の到着時間を、決定するステップと、
少なくとも1つの第1の到着時間と少なくとも1つの第2の到着時間との組合せに基づいて、基地局と受信機との間の範囲測定を計算するステップと、
を含む方法が提供される。
セクタ化された基地局とは、いくつかのセルセクタを制御するものである。基地局の周囲の領域は、方位セルセクタに論理的に分割される。セクタ化された基地局に配置されるアンテナの利得パターンは、好ましくは、セクタ間の干渉を最小化するため、これらの擬似的な非重複領域上に無線信号を放射するように、設定される。セルセクタを用いることにより、地理的領域を、セルの中心に基地局が配置され各基地局がただ1つのセルを制御する場合と比較して、(定められた個数の基地局に対して)より小さなセルに、さらに分割することが可能になる。
同じ基地局の異なるセルセクタからの複数の信号は、それらのセルセクタ間で重複しておりそれらのセルセクタ間の概念的な境界をまたぐ狭い領域である小さな領域にある受信機によって同時に受信のみされ得るということが、通常、意図されている。これはネットワークオペレータによって意図されているのであるが、というのは、モバイル装置がセルセクタ間を移動する際に、これがモバイル装置のためのハンドオーバを容易にするからである。基地局によってブロードキャストされるセルセクタ信号の指向性は、このことを確保するように、設定されている。しかし、本発明の発明者たちの観察によると、同じ基地局からの複数のセルセクタ信号は、この小さな意図された重複領域よりも広い領域において受信可能である。他のセルセクタからの信号の受信は、例えば、障害物による反射または回折や、別のセルセクタに対する信号の放射パターンにおける1つもしくは複数のサイドローブまたはバックローブに起因するなど、複雑なマルチパス伝搬状況のために、あるセルセクタの任意の場所で起こり得る。
発明者たちは、また、(同じ基地局によって制御される)異なる複数のセルセクタに対して送信される信号は、典型的に、非常に良好に同期していることを認識している。これは、多くの場合、タイミングは、基地局における単一のクロックによって決定されるからであり、結局この単一のクロックが、すべてのセクタに対して信号のタイミングを制御する。これは、タイミングにドリフトが存在する場合であっても、同じ基地局によって制御されるすべてのセクタは共にドリフトすることにより、それらの相対的なタイミングは安定した状態が維持される、ということを意味する。発明者たちは、したがって、異なる複数のセルセクタに対する信号は、実質的に同じ場所から安定した相対的タイミングで送信される、ということを認識している。発明者たちは、さらに、これらの特性は、範囲測定を確立しオプションで三辺測量によって位置を計算するために、到着時間の測定に依拠する方法の精度を改善するのに利用され得る、ということを認識している。特に、範囲測定の計算は、任意の複数の基地局によって制御される2つの任意のセルのように、それらを独立に扱うのではなく、同じ基地局の異なる複数のセルセクタ信号を一緒に考慮することによって、改善が可能である。
本方法の一実施形態によれば、範囲測定は、少なくとも1つの第1の到着時間と少なくとも1つの第2の到着時間との組合せに基づいて計算される。これは、少なくとも1つの第1の到着時間が変化するか、または、少なくとも1つの第2の到着時間が変化するか、のいずれかの場合に、範囲測定が変化し得ることを意味する。範囲測定は、したがって、少なくとも1つの第1の到着時間と少なくとも1つの第2の到着時間との両方に依存している。
到着時間が決定される各信号の一部は、その信号の周期的に反復する部分であり得る。例えば、それは、同期部分または記号であり得る。特に、セルラー通信ネットワークが第4世代ロングタームエボリューション(LTE)ネットワークである場合、この部分は、測位基準信号(PRS)またはセル特有の基準信号(CRS)であり得る。
少なくとも1つの到着時間を決定する各ステップは、チャネル伝達関数を推定するステップを含み得る。チャネル伝達関数は、周波数領域において推定され得る。チャネル伝達関数は、チャネルインパルス応答を生じさせるために、時間領域に変換され得る。少なくとも1つの到着時間は、チャネルインパルス応答におけるピーク(局所的最大値)から決定され得る。
この方法、特に、範囲測定を計算するステップは、少なくとも1つの第1の到着時間と少なくとも1つの第2の到着時間との関係に基づいて、基地局と受信機との間に存在するマルチパス伝搬状況を識別するステップを含み得る。
マルチパス伝搬状況は、異なる経路によって基地局から受信機に到着した信号成分に対応する様々な到着時間によって特徴付けられ得る。これらの成分は、第1の信号の成分、第2の信号の成分、または両者の組合せとなり得る。
この方法は、オプションとして、範囲測定を計算するステップの前に、第1の信号と第2の信号とが同じ基地局によって送信されたことを識別するステップをさらに含む。
第1の信号と第2の信号とが同じ基地局によって送信されたことを識別するステップは、各信号に含まれるセル識別情報をデコードするステップを含み得る。
いくつかのセルラー・ネットワークでは、定められたセルセクタに対して送信された信号においてエンコードされているセル識別情報が、そのセルを制御する(そしてその信号を送信する)基地局の明示的または黙示的な指示を含み得る。したがって、第1の信号からデコードされたセル識別情報と第2の信号からデコードされたセル識別情報とを比較することにより、それらが同じ基地局によって送信されたかどうかを識別することが可能である。
オプションとして、第1の信号と第2の信号とが同じ基地局によって送信されたことを識別するステップは、デコードされたセル識別情報をセルセクタのデータベースをサーチするためのキーとして用いるステップを含むが、各セルセクタは、データベースにおいて、それを制御する基地局と関連している。これは、基地局の識別が信号自体の内部でのセル識別情報において明示的または黙示的ではない場合に適切であり得るが、その理由は、それが、信号が同じ基地局から送信されたかどうかを識別するための別の方法を提供するからである。
この方法は、オプションとして、第1の信号の一部の基地局による送信時間と、第2の信号の一部の基地局による送信時間との間の予測されるタイミング関係を決定するステップと、範囲測定を計算するステップにおいて、予測されるタイミング関係を用いて、少なくとも1つの第1の到着時間と少なくとも1つの第2の到着時間との組合せに基づいて、範囲測定を計算するステップと、を含む。
基地局におけるタイミングが比較的安定し、各セルセクタがこの安定的なタイミングに同期しているため、第1の信号の一部と第2の信号の一部との間で予測されるタイミング関係を、高い信頼性で決定することが可能となり得る。これは、範囲測定を計算するステップにおいて利用できる。
予測されるタイミング関係を決定するステップは、各信号に含まれるセル識別情報をデコードするステップを含み得る。
例えば、同じ基地局によって制御されるすべてのセルセクタが同一のタイミングを共有する場合、タイミング関係は、セル識別から黙示的に示され得るのであり、それによって、第1の信号の一部と第2の信号の一部とが、同時に、相互に同期して、送信される。そのような場合、第1の信号の一部と第2の信号の一部とが、(特に、それらの間のいかなる意図的なオフセットも存在することなく)実質的に同時間に送信され得る。
予測されるタイミング関係を決定するステップは、オプションとして、セルセクタのデータベースをサーチするためのキーとして、デコードされたセル識別情報を用いるステップを含み、各セルセクタは、データベースにおいて、各セルセクタを制御する基地局と関連しており、データベースは、さらに、同じ基地局のセルセクタ間のタイミング関係を記述するタイミング情報を含む。
データベースは、セル識別が、そのセルセクタと同じ基地局によって制御される他のセルセクタとの間のタイミング関係に関する情報にマッピングされることを可能にする。データベースは、この方法を実行するモバイル通信装置(上述された受信機は、このモバイル通信装置の一部である)に記憶され得る。あるいは、または、追加的に、データベースは、別の場所に記憶されて、モバイル通信装置によって遠隔的にアクセスされることもあり得る。例えば、データベースがリモートサーバに記憶され、この方法が、通信ネットワーク(既に言及されたセルラー通信ネットワークであり得るし、または、別のネットワークでもあり得る)経由で、そのデータベースにアクセスするステップを含むことがあり得る。
予測されるタイミング関係は、第1の信号の一部の基地局による送信時間と、第2の信号の一部の基地局による送信時間との間の時間オフセットを含み得るが、範囲測定を計算するステップは、さらに、時間オフセットのための補正を行うステップを含み得る。
時間オフセットのための補正を行うステップは、少なくとも1つの第1の到着時間もしくは少なくとも1つの第2の到着時間に時間オフセットを加算する、または、少なくとも1つの第1の到着時間もしくは少なくとも1つの第2の到着時間から時間オフセットを減算するステップを含み得る。
この方法は、好ましくは、範囲測定を用いて受信機の位置を計算するステップをさらに含む。
この位置は、例えば、少なくとも2つ、少なくとも3つ、または少なくとも4つの基地局に対する範囲測定を用いて、三辺測量によって計算され得る。
オプションとして、少なくとも1つの第1の到着時間が複数の第1の到着時間を含む場合、この方法は、複数の第1の到着時間を単一の第1の到着時間に減らすステップを含み、少なくとも1つの第2の到着時間が複数の第2の到着時間を含む場合、この方法は、複数の第2の到着時間を単一の第2の到着時間に減らすステップを含み、範囲測定を計算するステップは、単一の第1の到着時間と単一の第2の到着時間との組合せに基づく。
複数の第1の到着時間は、それぞれの複数の信号成分に対応し得る。これらの信号成分は、異なる伝搬経路によって受信機に到着した、第1の信号の一部の異なるバージョンである。これが、先に上述されたマルチパス状況である。同じことが、複数の第2の到着時間にも、適用される。
複数の到着時間を単一の到着時間に減らすステップは、複数の到着時間の中から、最先の到着時間を選択するステップを含み得る。これは、基地局から受信機までの直接的な伝搬経路が最短の経路であり、したがって、最先の到着時間が、直接的な経路に対するものである可能性が高い、という仮定に基づく。(他の到着時間は、直接経路成分の「エコー」であると仮定される。)
代わりに、または、追加的に、複数の到着時間を単一の到着時間に減らすステップは、複数の信号成分の受信された信号強度に基づいて、複数の到着時間の間で選択するステップを含み得る。
範囲測定を計算するステップは、少なくとも1つの第1の到着時間および少なくとも1つの第2の到着時間のうちで最先のものを選択するステップを含み得る。
これは、少なくとも1つの第1の到着時間と少なくとも1つの第2の到着時間とを組み合わせる有利な方法である。ここで、第1の信号と第2の信号とは同じ基地局から生じたものであるという知識が、信頼性がより低い測定を無視しつつ、(最先の到着時間であると仮定される)最も信頼性の高い測定を選ぶのに、黙示的に用いられる。
少なくとも1つの第1の到着時間が単一の第1の到着時間から構成され、少なくとも1つの第2の到着時間が単一の第2の到着時間から構成される場合、範囲測定を計算するステップは、これら2つの到着時間のうちでより早い方を選択するステップを含み得る。
オプションとして、第1の信頼値は少なくとも1つの第1の到着時間と関連し、第2の信頼値は少なくとも1つの第2の到着時間と関連し、範囲測定を計算するステップは、第1の信頼値と第2の信頼値とに基づいて、少なくとも1つの第1の到着時間と少なくとも1つの第2の到着時間とを組み合わせるステップを含む。
信頼値は、所定の到着時間の精度と相関することが見いだされる任意の測定されたまたは計算された値を含み得る。
いくつかの実施形態では、信頼値は、これらに限定されることはないが、信号対雑音比と、信号と、干渉と雑音との和との比とを含む、信号強度測定から導かれるメトリクスであり得る。到着時間が比較的高い信号強度を有する信号から決定される場合、その測定を生じさせた信号成分は直接経路信号である可能性が高く、したがって、到着時間が正確であることが予測される。
代わりに、または、追加的に、信頼値は、決定された少なくとも1つの到着時間において監視される広がり度合いを含み得る。例えば、第1の信号の一部(または、第2の信号の一部とのそれぞれに)に対して複数の到着時間が決定されているときには、広がり度合いが、最も早い到着時間を最も遅い到着時間から減算することによって計算してもよい。到着時間において比較的大きな広がりが存在する場合、不正確を示している可能性があることが予測されるが、その理由は、それらの時間の間に不一致があり、どの到着時間が直接経路であり得るかに関して比較的大きな不確定性が存在するからである。反対に、到着時間において存在する広がりが比較的小さな場合、これは、正確であることを示している可能性があるが、その理由は、到着時間がより一貫しており、直接経路に対する到着時間が見つからない場合であっても、算入される誤差がより小さいからである。したがって、到着時間における広がり具合と反比例する信頼値が、計算され得る。ただ1つの到着時間だけ存在する場合、広がり具合はゼロとなり得る。
少なくとも1つの第1の到着時間と少なくとも1つの第2の到着時間とは、信頼値に基づいて、多様な方法で組み合わされ得る。例えば、範囲測定を計算するステップは、少なくとも1つの第1の到着時間と少なくとも1つの第2の到着時間との平均を計算するステップを含み得る。この平均は、例えば、それぞれの信頼値に従って重み付けがなされた、重み付き平均であってもよい。
範囲測定を計算するステップは、好ましくは、第1の信頼値と第2の信頼値とを比較することにより、少なくとも1つの第1の到着時間と少なくとも1つの第2の到着時間との間で選択するステップを含む。
これは、単純ではあるが、信頼値に基づいて到着時間を組み合わせる有効な方法の1つである。
この方法は、複数の時間間隔において、第1の信号の一部と第2の信号の一部とのそれぞれに対し、少なくとも1つの第1の到着時間と少なくとも1つの第2の到着時間とを推定するステップを含んでもよく、第1の信頼値は、複数の時間間隔にわたって推定された少なくとも1つの第1の到着時間の整合性の度合いを含んでいてもよく、第2の信頼値は、複数の時間間隔にわたって推定された少なくとも1つの第2の到着時間の整合性の度合いを含んでいてもよい。
一貫性に関するこの度合いは、統計的な度合いであってもよい。この統計的な度合いは、例えば、到着時間の分散を含み得る。
また、モバイル通信装置を制御するように構成されたコンピュータプログラムコードを含むコンピュータプログラムであって、前記プログラムが前記モバイル通信装置のプロセッサ上で動作されるときに、概要として上述した方法のすべてのステップを実行するコンピュータプログラムが提供される。
コンピュータプログラムは、好ましくは、非一次的な記録媒体において具体化される。
本発明の別の態様によると、モバイル通信装置であって、
セルラー通信ネットワークにおけるセクタ化された基地局から無線信号を受信するための受信機と、
基地局とモバイル通信装置との間の範囲測定を決定するように構成されたプロセッサと、を備え、
受信機は、
セクタ化された基地局の第1のセルセクタと関連する第1の信号を受信し、
セクタ化された基地局の第2のセルセクタと関連する第2の信号を受信するように構成され、
プロセッサは、
第1の信号の一部の、受信機への少なくとも1つの第1の到着時間を決定し、
第2の信号の一部の、受信機への少なくとも1つの第2の到着時間を決定し、
少なくとも1つの第1の到着時間と少なくとも1つの第2の到着時間との組合せに基づいて、範囲測定を計算するように構成されている、モバイル通信装置が提供される。
プロセッサは、好ましくは、モバイル通信装置の位置を決定するために、受信機によって受信された信号を処理するように構成される。
モバイル通信装置は、好ましくは、第1の信号に対する第1のチャネル伝達関数と、第2の信号に対する第2のチャネル伝達関数と、を推定するためのチャネル推定器をさらに備え、プロセッサは、第1のチャネル伝達関数から少なくとも1つの第1の到着時間を決定し、第2のチャネル伝達関数から少なくとも1つの第2の到着時間を決定するように構成されている。
以下、次の添付の図面を参照して、本発明を例示により説明する。
基地局の周囲における3つのセルセクタの配置を示す概略図である。 信号の1つまたは複数の到着時間を測定するのに適したチャネルインパルス応答を示す図である。 マルチパス影響がどのようにして実際の伝搬環境で生じ得るか簡単な例を示す図である。 マルチパス影響がどのようにしてチャネルインパルス応答からの信号の到着時間の測定に干渉し得るのか示す図である。 本来、一のセルセクタに向けて送信される信号が、他のセルセクタに受信され得る様子を示す図である。 一のセルセクタ向けの信号が、マルチパス影響によって相対的により大きな影響を受けながら、隣接するセルセクタ向けの信号がマルチパス影響による影響を相対的により少なく受ける例を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る範囲測定と位置とを計算する方法を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態に係る範囲測定と位置とを計算する方法を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係るモバイル通信装置の機能ブロック図である。 一実施形態に係るモバイル通信装置のより詳細なブロック図である。
本発明の一実施形態は、セルラー測位システムにおいて用いられる信号の範囲測定の精度を改善させるための方法に関する。一般的に、実施形態は、1つの基地局が複数のセルセクタを制御可能であるすべての現在のセルラーシステムに、すなわち、少なくとも1つのセクタ化された基地局を備えたすべてのセルラー通信ネットワークに、適用可能である。図1は、イボルブド・ノードB(eNodeB)とも称されるLTE基地局10の例を示し、この場合、基地局10の周囲の領域は、3つのセルセクタ12a、12b、12cに分割される。隣接するセルセクタ間で信号を物理的に分離するため、セクタ化された基地局10に配置されるアンテナは、セクタ相互間で最小の干渉だけを生じさせるように、通常、擬似的な非重複領域上に無線信号の電力を放射するように設定される。図1では、基地局10を包囲する六方の領域が、3つのひし形の形状のセルセクタ12a、12b、12cに概念的に分割されている。各セルセクタに対する信号の放射パターンが、各セクタにおいて基地局10から出る1つのローブによって概略的に示されている。図1ではセルセクタ12a、12b、12cが重複しないように示されているが、実際には、放射パターンの間でいくらかの重複がある。実際には、セルセクタ間の境界にいくらかの重複があるのは、モバイル通信装置が一のセルセクタから他のセルセクタに移動するときのハンドオーバを可能にするために、望ましい。
従来、モバイル通信装置は、基地局10がセクタ化されているかどうかわからず、無関心である。セルセクタ12aとセルセクタ12bとの境界に位置するモバイル通信装置またはユーザ機器(UE)は、単純に2つの信号を受信するが、これらの信号は、1つの基地局の異なるセルセクタ、または、それぞれ異なる基地局によって制御される異なったセルである可能性がある。
指向的な擬似的非重複放射パターンのため、ある定められたセルセクタの信号の受信信号強度(RSS)は、UEがそのセルセクタによるサービスを受ける領域の内部で中心に配置されているときには、通常、非常に高いが、UEがその領域から離れる方向に移動するにつれて低下する。UEが、あるセルセクタによるサービスを受ける特定の領域に配置されているときには、そのセルセクタと関連する無線信号だけをセルラー通信のために用いることが意図される。
出願人による最近の実験によれば、セクタ化された基地局によって放射される信号の真の地理的な受信範囲に関して、驚くべき結果が明らかなった。実験結果によれば、同じ基地局の異なるセルセクタに送信された信号が、割り当てられたセルセクタ領域の外部と、隣接するセルセクタに割り当てられた領域の内部とにおいて検出可能であることは相対的に共通することを示している。また、実験によれば、セルラー信号が、受信範囲の割り当てられたセルセクタ領域の内部でさえ、著しい劣化による影響を受け得ることも示している。これらの状況下では、位置決めの目的でのタイミング測定は、困難で不正確になり得る。
本発明の実施形態は、同じ基地局の異なるセルセクタからの信号に関する測定をアクティブに組み合わせることによって、可能な場合はいつでも、この問題に対処することができる。一定の伝搬条件の下で、異なる信号からの情報を検出して組み合わせることにより、セルラー位置決めアルゴリズムで用いるための、より正確な範囲測定が取得され得る、ということが示され得る。
本明細書で用いられる範囲測定とは、セルラー基地局からユーザ機器までの距離の推定を意味する。典型的には、範囲測定は、擬似的な距離である。範囲測定は、距離の黙示的または明示的な推定であり得る。例えば、擬似的な距離などの範囲測定は、距離の単位、または例えば信号の飛行時間を表す時間の単位で表され得る。範囲測定は、UEと基地局との間における距離の変化がある場合、変化する。レンジ(距離)の変化とは、(変化した)距離にわたる信号の飛行時間に光速を乗算した値の変化である。範囲測定の計算は、例えば、受信された信号のコード位相または搬送波位相を測定することを含む。多くの場合に、範囲測定は、絶対的または一意的な測定ではなく、ある程度の相対性または不確定性を組み入れているのが典型的で一例えば、飛行時間は、ある信号のある部分の送信時間とその信号のその部分の受信機における到着時間との間の差として、計算され得る。しかし、受信機においては、厳密な送信時間は知られていないまたは不確定である可能性がある。したがって、飛行時間を、絶対的な意味で、正確に決定することはできない。これが、距離の推定における不確定性に変換されるが、その理由は、距離の推定は、単に、飛行時間と光速との乗算であるのが通常だからである。したがって、「範囲測定」という用語は、ある程度の不確定性も含む測定と絶対的および/または一意的な距離測定との両方を含むものと理解されるべきである。この技術分野で知られている三辺測量などの位置決めアルゴリズムは、複数の異なる基地局に対する範囲測定を組み合わせることによって、この不確定性を解決または無視することができる。
現在のセルラーシステムは、信号品質の劣化に影響される。タイミング測定のための方法のほとんどは、通常、信号品質について厳格な要件を求めていないが、それらの方法は、一定のマルチパス状況の下では、極めて脆弱なことがあり得る。一般的な意味では、タイミング測定アルゴリズムの目的は、位置決めの目的のために、信号の一部の到着時間(TOA)を計算することである。同じ信号の複数のレプリカ(マルチパス成分)が短い時間区間で受信されるときには、各成分の到着時間の測定を正確に実行するために、受信された信号の重複するコピーを分離するのは、困難になる。正確な範囲測定を得るためには、TOAは、信号の視野方向(LOS)成分に関して、すなわち、直接経路で測定されなければならない、ことに注意すべきである。これは、ときには、間接的な経路上をUEの受信機まで移動した信号成分から分離するのが困難になる。
これは、困難な伝搬領域(例えば、大きな建物、反射器、小型および大型の障害物)と自由な伝搬領域とが、いかなるオーダープランも特定のパターンもなく、ランダムに散乱されているような多様な環境では、特に明らかである。このような条件は、ほとんどの都市型環境において、見出される。そして、上述したように、セクタ化された基地局のアンテナがセクタ相互間の干渉を最小化するように設定されている場合でさえも、あるセルセクタの中心に配置されているモバイルUEが、同じ基地局からの信号を隣接するセルセクタから顕著なRSSで検出するのは、一般的ではない。
タイミング測定は、信号の所定の部分の到着時間を計算することによって、セルラー信号において、実行され得る。信号の所定の部分を識別するために、セルラー信号のフォーマットまたは構造が、前もって知られている可能性があるか、または、これが、監視によって推論される可能性もある。基地局の位置に沿ったセルラー信号の構造に関する知見は、当業者にとってよく知られたことであるように、セルラー位置決めシステムのレンジングにおいて、よく用いられる。所定の部分とは、LTEセルラーシステムにおけるCRSまたはPRSの可能性がある。
信号の所定の部分のローカルコピーは、チャネル伝達関数の推定に用いられ、チャネル伝達関数は、次に、時間領域に変換される。次に、TOAは、信号が受信機に到着した異なる経路の個数を最初に推定する(換言すると、マルチパス成分の個数を推定する)ことによって、結果的なチャネルインパルス応答(CIR)から抽出される。各経路(それぞれの成分)は、インパルス応答におけるピークによって表されると仮定される。各ピークの時間インデックスは、関連するマルチパス成分の到着時間を表すと仮定される。
この方法は、所定のRSSしきい値(信号強度)を超えるN個のピークの間から関心対象である特定のピークを選択することによって、進む。位置決めにおいて用いるため、信号のLOS成分のTOAが計算されることを可能にするために、最も早く受信されたピークの到着時間が選択される。最も早く受信されたピークの到着時間は、次に、範囲測定を計算するのに用いられる。
図2は、CIRの一例を示しており、3つの最高ピーク(N=3)のそれぞれに円を用いて印が付されている。x軸上の目盛りには、誤ったピークが検出される場合の範囲測定に対する影響を強調するために、時間ではなく距離の単位(メートル)で印が付されている。3つの最高ピークのうちの最も早いものは、この目盛りにおけるゼロの距離オフセットに割り当てられる。当業者には明らかなように、時間と距離との間の換算係数は光速cであるが、それは、この光速が基地局からの電波が移動する速度である、という理由による。
図3は、マルチパス影響が、タイミング測定の精度を著しく劣化させ得る例を示す。基地局10によって送信される信号のLOS成分14(直接経路成分とも称される)は、基地局とモバイル通信装置UEとの間の一連の小さな障害物40によって生じる低い受信信号強度(RSS)によって特徴付けられる。例えば、モバイル通信装置UEが、障害物40の影になっている場合があり得る。同時に、信号は、例えば建物または丘陵であり得る大きな障害物30で反射される。この反射は、直接経路成分14よりもRSSが高いマルチパス成分34を生成する。出願人による実験結果によれば、この状況が、現実の伝搬環境、特に都市領域において比較的普通に生じることを示している。そのような状況では、マルチパス成分34に対応するインパルス応答におけるピークが、タイミング測定アルゴリズムに影響する可能性は高く、それにより、不正確なタイミング測定をもたらす。
図4は、直接経路の場合の到着時間に近接する到着時間を有する、強力なマルチパス成分が、どのようにしてミング測定を妨害するかを示している。Tは、直接経路信号14の到着時間である。Tは、マルチパス(反射された)成分34の到着時間である。図4の例では、上側のグラフは、2つのそれぞれの成分のチャネルインパルス応答を、別々に示している。下側のグラフは、これら2つの応答の重ね合わせを示しており、これが、モバイル通信装置UEの受信機で監視されるものである。強力なマルチパス成分が存在するために、直接経路成分14に対しては、別個のピークは検出され得ない。
到着時間の推定に関する付加的な問題は、チャネル伝達関数の評価と経路の個数(マルチパス成分の個数)の推定とが不正確であり得るという事実によって、生じる。特に、RSSが急に変動するときに、マルチパス推定器が、誤った早期のピークを生成することがあり得る。これらのピークは、直接経路によって生成されたものとして不正確に解釈され得る。
本発明の複数の実施形態は、位置推定の精度を改善させるために、セルラー通信ネットワークにおける単一の基地局からの信号に関するタイミング測定の精度を改善できる。これは、複数のセルセクタと関連する信号からの情報を組み合わせることによって、達成できる。既に上述したように、セクタ化された基地局から受信されるセルセクタ信号の間には、予測されるよりも大きな重複領域が存在する、ということが実際に見いだされている。
図5は、基地局10によって第1のセルセクタ12cに送信された信号が、第2のセルセクタ12bに配置されている受信機によって受信され得る2つのメカニズムを示している。矢印560、570、および580は、セルセクタ12bに向けられた信号が移動する信号経路を示す。矢印540および550は、セルセクタ12cに向けられた信号が移動する信号経路を示す。図5は、共にセルセクタ12bに配置された2つのモバイル通信装置UE1およびUE2を示している。UE1は、セルセクタ12b(すなわち、それが配置されているセルセクタ)に向けられている信号の直接経路成分560を検出することができ、また、隣接するセルセクタ12cに向けられている信号の直接経路成分540も検出することができる。これは、UEが隣接するセルセクタ間の境界に近接している、または、基地局10に近接しているときに、典型的である。UE2は、セルセクタ12b(すなわち、それが配置されているセルセクタ)に向けられている信号の直接経路成分570を検出することができ、また、隣接するセルセクタ12cに向けられている信号の間接成分すなわちマルチパス成分550も検出することができる。この場合、マルチパス成分は、障害物530からの反射に起因しているが、一般的には、回折もしくは反射に起因するか、または、それら両者の組合せに起因し得る。これは、隣接するセルセクタ12cが、高層の建物または丘陵など顕著な障害物を有するときに、典型的である。
本発明の一実施形態によれば、同じ基地局によって異なる複数のセルセクタに送信された複数の信号が、相互にグループ化され、これらの異なる複数の信号に対して行われた測定が比較される。この比較は、次に、範囲測定の精度、次に、位置決めの精度を改善するために用いることができる。
従来、通常のセルラー動作状態中は、隣接するセルセクタ向けの信号は、UEによって、限定された程度でのみ、モニタされる。例えば、隣接するセルセクタ向けの信号のRSSは、複数のセルセクタ間でいつハンドオーバすべきかを決めるために測定され得る。もちろん、従来、UEは、両方のセルセクタが同じ基地局によって制御されることをわかる必要はなく、それらを、セルラー通信ネットワークにおける任意の2つのセルと同じように取り扱う。
本発明の一実施形態によれば、UEにおけるセルラー無線は、これが通常のセルラーネットワーキングプロトコルによって要求されないときであっても、見ることができるすべてのセルラー信号からの信号を走査しモニタするように、構成され、制御され、またはプログラムされている。そのような構成、制御、またはプログラミングは、セルラー位置決めの技術分野における当業者の能力の範囲に属する。セルラー信号の存在を求めてモニタし、次いで、それらのタイミングを測定するステップは、連続的または周期的に行うことができ、または、例えば、ソフトウェアアプリケーションからの、もしくは、モバイル通信装置のオペレーティングシステムからの特定のリクエストによって、トリガすることができる。
本発明のいくつかの実施形態によれば、単一の基地局からの信号の直接経路成分のTOA測定の精度を改善できる方法が提供される。より正確な範囲測定を生成するために、より正確なTOA測定を用いることができる。したがって、この方法は、モバイル通信装置またはユーザ機器(UE)の位置を計算するために範囲測定(例えば、擬似的な距離)を用いる任意のポジショニングエンジンに、直接的に適用可能である。範囲測定は、基地局からモバイル通信装置に送信された無線信号の飛行時間(ToF)に基づき得る。ToFは、通常、信号の既知の部分の直接経路成分の測定されたTOAの関数として計算されるから、計算された擬似的な距離の精度は、TOA測定の精度に依存する。
UEが動作しているセルセクタは、「動作セルセクタ」と称される。いくつかの状況では、基地局によって動作セルセクタに送信された信号は、マルチパスによって混乱を受けるが、同じ基地局によって隣接するセルセクタに送信された信号は混乱を受けない。図6は、隣接するセルセクタ12cに向けられた信号660、670がセルセクタ12bにサービスを行う信号680、690よりもよい信号特性によって特徴付けられており、結果的に、隣接するセルセクタ信号から、より正確なタイミング測定を生じさせる例を示している。動作セルセクタ12bは、UE1の位置において動作セルセクタ向けのセルラー信号の反射と劣化とを生じさせる、複数の障害物630、640を含む。これは、図3および図4を参照して説明した状況に類似しており、動作セルセクタ12b向けの受信信号は、時間的間隔が近接し得る複数の重複するレプリカの結果である。この状況では、タイミング測定アルゴリズムが、信号の直接経路成分と関連する相関ピークを識別できない可能性があり、結果的に、不正確なTOA測定が生じる。対照的に、この例における(同じ基地局10の)隣接するセルセクタ12cは、信号が反射しにくいオープンスペースである領域650によって特徴付けられる。結果として、モバイル通信装置UE1の受信機は、隣接するセルセクタ12cに向けられた信号の直接経路成分670を受信する。これは、セルセクタ12bにサービスを行う信号よりも低いRSSによって特徴付けられ得るが、どのようなマルチパスに起因する混乱にも影響されないという利点を有する。特に、この例においては、セルセクタ信号の指向性により、隣接するセルセクタ12cに向けられて障害物630によって反射され得る信号の成分は、TOA測定を混乱させるにはあまりに弱い。
両信号は、同じ基地局10によって(したがって、実質的に同じ位置から)送信される。同じ基地局10から送信されるために、両信号には、それらの送信時間について、一貫性のある関係を示すことが予測される。本発明の一実施形態によれば、同じ基地局からのセルセクタ信号のTOAは、最初に相互に比較され、次いで、この比較は、直接経路成分の到着時間の計算に役立てるために用いられる。
図7は、本発明の第1の実施形態に係る、範囲測定を計算してUEの位置を計算する方法を示す。図9は、UEの機能ブロック図である。UEは、セルラー通信ネットワークにおいて基地局から無線信号を受信するための受信機910と、基地局とUEとの間の範囲測定を決定するように構成されたプロセッサ930とを備える。UEは、また、到着時間を決定するときに用いられるそれぞれの受信された信号に対するチャネル伝達関数を推定するためのチャネル推定器920も、備える。
ステップ710では、受信機910が、セルラー通信ネットワークにおけるセクタ化された基地局の第1のセルセクタと関連する第1の信号を受信する。ステップ712では、プロセッサ930が、第1の信号の一部の第1の到着時間を決定する。プロセッサは、既に上述した方法で、チャネル推定器920によって推定されたチャネル伝達関数を用いて、到着時間を決定する。
ステップ711では、受信機910が、セクタ化された基地局の第2のセルセクタと関連する第2の信号を受信する。そして、ステップ713では、プロセッサ930が、第2の信号の一部の第2の到着時間を決定する。これは、第1の信号と同じ方法で、行われる。
ステップ714では、UEが、第1の信号と第2の信号とが同じ基地局によって送信されたことを識別する。この実施形態では、このステップは、各信号に含まれるセル識別情報をデコードするステップを含む。セル識別情報は、信号のソースを識別するために用いることができる。これについては、後で、詳述する。
ステップ716では、プロセッサ930が、第1の信号の一部の、基地局による送信時間と、第2の信号の一部の、基地局による送信時間との間の時間オフセットを決定する。到着時間を決定するために用いられる各信号の一部は、例えば、PRSであり得る。この場合、時間オフセットは、第1の信号におけるPRSの送信時間と第2の信号におけるPRSの送信時間との間の時間差であり得る。
ステップ718では、プロセッサ930は、時間オフセットを補正するために、ステップ712および713において決定された到着時間を調整する。
ステップ720では、プロセッサ930は、少なくとも1つの第1の到着時間と少なくとも1つの第2の到着時間との組合せに基づいて、範囲測定を計算する。この実施形態では、範囲測定は、擬似的な距離である。最後に、ステップ722において、プロセッサ930は、UEの位置を計算するために、(他の基地局に対する範囲測定と共に)この範囲測定を用いる。
簡単のために、上述の説明では、同じ基地局からの2つのセルセクタ信号が、受信機910によって受信されると仮定している。しかし、同じ基地局から受信され得る任意の個数のセルセクタ信号に、同じ手法を拡張してもよい。
図7の実施形態では、2つの信号のそれぞれに対して単一の到着時間を決定することが仮定している。(図2を参照して既に上述したように)複数の到着時間に対応する複数のピークがCIRに存在する場合、これらの複数の到着時間は、範囲測定の計算の前に、単一の到着時間に減らされる。これは、先に述べた方法で最先のピークを選択することによって行うことができる。そして、範囲測定の計算720は、各セルセクタ信号に対して決定された単一の到着時間に基づく。
第1の信号に対する単一の到着時間と、第2の信号に対する単一の到着時間とは、範囲測定を計算するために、ステップ720において組み合わせられる。TOA測定が相互に比較され、直接経路の推定に関して優れている方のTOAが、選択される。図7の実施形態では、プロセッサは、第1の到着時間および第2の到着時間のうち、先行する方を選ぶ。2つよりも多い信号が存在する場合、プロセッサは、同じ基地局によって送信されたすべての受信された信号のうち、最先のTOAを選ぶ。この理由は、直接経路が、基地局から受信機までの最短のルートであるからである。最短のルート(すなわち、直接経路)に従う信号成分は、(TOAが、基地局からの送信時間における任意のタイミングオフセットに対し、適切に補正された後での)すべての検出されたTOAのうちの最小のTOAによって特徴付けられると仮定される。
位置計算722は、三辺測量など、範囲測定から位置を計算するための任意の適切な方法に基づき得る。
図7の方法の実際の実施形態では、UEの受信機910は、すべての可視的な基地局からの信号をサーチするようにプログラムまたは設定されている。このサーチ(例えば、周波数、コード、または時間に関するサーチ)が実行される方法は、用いられているセルラー技術に応じて変動することになる。様々なセルラー通信信号を検出するための適切なサーチ方法は、この技術分野において知られている。
(どの基地局から信号が来たのかとは無関係に)すべての可視的な信号に対するタイミング測定を計算して、次に、個別的な範囲測定を別々に計算するのではなく、この実施形態では、同じ基地局の異なる複数のセルセクタからの信号が識別され、相互にグループ化されるステップ714を含む。ステップ716および718では、同じ基地局の異なる複数のセルセクタに向けられる信号の間での送信時間のオフセットが決定され、すべてのタイミング測定が直接的に相互に比較可能となるように、タイミング測定が調整される。用いられているセルラーシステムに応じて、タイミング測定を取得するのに適切なセルラー信号の一部が、異なる時間に、基地局から送信され得る。例えば、LTEセルラーシステムの場合、タイミング測定のために特に適切なLTE信号の2つの部分である、CRSとPRSとが存在する。セルラー受信機の特定の実装に応じて、タイミング測定は、排他的にCRS上で、または、排他的にPRS上で、または、両者の組合せ上で、実行できる。同じ基地局の異なる複数のセルセクタからのCRSは、常に、OFDMフレームの同じタイムスロット上で送信されるが、PRSは、いくつかの隣接するタイムスロット上で受信され得る。したがって、異なる複数のセルセクタからの信号のタイミング測定は、異なる複数のタイムスロット上で実行されることがあり得る(しかし、依然として、時間的には相互に非常に近接している)。これらの時間オフセットの存在もまた、受信機の特定の実装に依存する。
次に、ステップ716においてタイミングオフセットを決定する一例の方法について、説明する。本発明の範囲は、この方法に限定されはないことを注意しておく。この方法によれば、プロセッサ930は、各信号に含まれるセル識別情報をデコードすることによって、予測されるタイミング関係を決定する。特に、予測されるタイミング関係を決定するステップ716は、セルセクタのデータベース940をサーチするためのキーとして、このデコードされたセル識別情報を用いるステップを含む。セルセクタ・データベース940は、各セルセクタと、各セルセクタを制御する基地局と、同じ基地局の他のセルセクタに対するそのセルセクタのタイミングオフセットとの記録を含む。図1の例を用いると、データベース940は、セルセクタ12a、12b、および12cがすべて同じ基地局10によって制御されることを記録している。1つのセルセクタ12aが、基準として任意に選ばれ、t=0というタイミングオフセットを割り当てられることがあり得る。第2のセルセクタ12bは、基準のセルセクタ12aと比較して、+3μsのタイミングオフセットを有し得る。第3のセルセクタ12cは、基準のセルセクタ12aと比較して、−2μsのタイミングオフセットを有し得る。データベース940は、この情報を全て記録する。UEは、各受信信号に対するセル識別情報をデコードするときには、送信機(基地局)における信号の相対的タイミングを決定するために、データベース940を調べる。
データベース940は、ネットワークオペレータによって提供され得る。あるいは、データベース940は、第三者によって提供され得る。
一例では、データベース940は、多くの異なるモバイル通信装置(タイミング測定を「クラウドソーシングすること」)によって寄与された監視(すなわち、タイミング測定)を用いて、構築され得る。
例えば、UEの受信機が両方のセクタから明らかに直接経路信号を検出することが可能であり、各信号に対する一意的な到着時間を決定できるときには、2つのセルセクタ間のタイミングオフセットが、よい信号状態にあるモバイル通信装置(UE)によって測定され得る。そして、このタイミングオフセットとは、単に、これらの2つの一意的な到着時間の差である。よい信号状態は、例えば、UEが2つのセルセクタ間の重複(ハンドオーバ)領域にあるときに、取得され得る。一般的に、タイミングオフセットに関する監視を寄与するUEは、同じ基地局の2つのセルセクタを監視したということをわかる必要がなく、単に、各信号に対するセル識別情報と共に、タイミングオフセット測定を、中央データベース940に提出することができる。中央データベースは、(セル識別情報に基づき、および/または、ネットワークオペレータによって提供されるデータを用いて)それらの信号が、同じ基地局の2つのセルセクタに対するものであると判断し、次に、それに従い、タイミングオフセットをデータベースに入力することができる。しかし、オプションとして、UE自体が、それらの信号は同じ基地局からであることをわかる場合があり得る。これにより、UEは、リモート・データベースと通信する必要なく、(ローカルに、そのUEに記憶され得る)それ自体のデータベースを構築することが可能になる。
クラウドソーシングの代わりに、もしくは、個々のUE自体がデータベースを構築する代わりに(または、これらの手法に加えて)、専用の測定機器を用いて、データベースを計画された方法で構築されてもよい。
データベース940は、集中的に記憶してもよい。この場合、それは、セルラー通信ネットワーク経由で、UEによってアクセスされてもよい。あるいは、データベース940の少なくとも一部が、範囲測定の計算に用いるために、UEに搭載された不揮発性メモリに記憶されてもよい。
図8は、本発明の第2の実施形態に係る、範囲測定を計算してUEの位置を計算する方法を示している。図7の方法と同一のステップには、同じ符号を付与し、再度説明しない。
既に上述したように、CIRから到着時間を決定すると、(真のLOSピークよりも早い)誤った早いピークを生成し、不正確なTOA測定をもたらすことがあり得る。第2の実施形態によれば、これが、統計的手法を用いて、異常値を検出して排除することにより、対処される。それぞれの時点で別々にTOAを推定する代わりに、受信機において信号が可視的である時間区間を通じて全体でタイミング測定がトラッキングされる。このトラッキングフェーズにより、統計的メトリックス(例えば、トラッキングされる各信号のTOAの分散など)の推定が可能になり、それが、TOAの選択と範囲測定の計算とを最適化するのに用いることができる。
図8の方法は、到着時間が決定される方法が、図7の第1の実施形態と異なる。(第1の実施形態のように)単一の時間間隔における第1の信号の一部の第1の到着時間を決定する代わりに、ステップ812において、プロセッサ930は、一連の区間にわたって、第1の到着時間を推定する。例えば、PRSが第1のセルセクタ信号において反復されるたびに、プロセッサが到着時間を推定する。これが、一連の到着時間を生じさせる。プロセッサ930は、次に、ステップ822で、第1の信号の到着時間が変動する程度を評価する。一例では、プロセッサ930は、一連の中で、連続的な対をなす到着時間の差を計算し、これらの差の分散を計算する。プロセッサ930は、第2の信号に対しても、ステップ813および823で、同じ計算を実行する。
一般的に、連続的な到着時間の差を計算することは本質的ではない、ということに注意すべきである。他の例では、プロセッサ930は、代わりに、各到着時間と、その信号部分のその例に対する相対的な予測到着時間との差を、その信号部分の各例に対する相対的な送信時間(例えば、相互に関連するPRSの各例のそれぞれの送信時間)の知識に基づいて、計算できる。これにより、プロセッサは、信号部分の各例は各送信の間に基地局において経過する既知の相対時間で異なる時点において送信されるという知識を用いて、一連の区間(例えば、フレームまたはタイムスロット)にわたる到着時間の統計的広がりを推定することが可能になる。換言すると、各区間に対する送信時間は、例えば、各区間に対する飛行時間と一連の区間にわたるその分散とを計算するための基準値として、用いられる。
TOAと関連する分散が大きい場合、それは、TOAが時間経過に伴う一貫性を有していないことを意味し、これは、そのTOAにおける信頼性レベルが低いことを示す。一方、分散が小さい場合、それは、TOAが時間経過に伴う一貫性を有する(変動しない)ことを意味し、これは、そのTOAにおける信頼性レベルが高いことを示す。この例によれば、プロセッサ930は、ステップ820aで、第1の信号に対する分散と第2の信号に対する分散とを比較する。それは、次に、ステップ820bにおいて、分散が小さい方の信号を選び、その信号に対するTOAを用いて、範囲測定を計算する。
以上説明した方法および装置は、LTEセルラー通信ネットワークのコンテキストにおいて、適用できる。次には、そのような実装の例示的な実施形態が説明される。しかし、当業者であれば理解するように、本発明の範囲は、LTEに限定されない。
UEは、信号と、同じ基地局(eNodeB)の異なるセルセクタとを区別することができる。異なる複数のセルセクタからのLTE信号は、それらのセルIDによって区別可能であり得る。LTEの場合、NID−1(0...167)として示される168個のセルIDグループにグループ分けされた504個の異なる物理セル識別子が存在しており、グループごとに、NID−2(0,1,2)として示される3つの識別子がある。多くのLTEネットワークでは、1つのグループの識別子が、同じイボルブド・ノードB(eNodeB)すなわち基地局コントローラによって制御されるセルに割り当てられる(そして、したがって、同じアンテナ・サイトに存在すると仮定され得る)。ある定められたセルに対する物理セルIDは、NID−CELL=3*(NID−1)+(NID−2)という式によって、定められる。
各信号の直接経路の到着時間は、EKATアルゴリズムを用いることによって、個別的に評価され、統計的にトラッキングできるが、その詳細は、Driusso et al.(Marco Driusso、Fulvio Babich、Fabian Knutti、Mischa Sabathy、and Chris Marshall)、「Estimation and Tracking of LTE Signals Time of Arrival in a Mobile Multipath Environment」、in Proceedings of the 9th International Symposium on Image and Signal Processing and Analysis(ISPA 2015)、Zagreb、Croatia、September 7−9、2015において、見つけることができる。
時間経過に伴うセルセクタのドリフトを調査した。セルセクタ信号は、同じ基地局によって生成されるので、共通の周波数基準およびクロックによって定められた同じ設定部分であることが多く、したがって、近接して同期されている。同じ基地局の2つの異なるセルセクタに送られた同期メッセージ間の相対的タイミングには、最小の分散だけしか存在しない。基地局におけるタイミングがドリフトするときでさえ、それらのセルセクタ間の相対的タイミングは、十分に制御された状態が維持される。
セルセクタは、基地局の機器設定の結果として、タイミングオフセットを有してもよい。これは、初期の較正フェーズでは、ある時間区間にわたって測定できるか、または、位置と時間のオフセットに関する共同の推定によって、較正できる。
図10は、本発明の一実施形態に係るモバイル通信装置(UE)のより詳細なブロック図である。UEは、基地局との間でセルラー無線信号を送信および受信するためのアンテナ1010を備えている。アンテナ1010は、同じアンテナを送信と受信とに用いられることを可能にするデュプレクサ1020に連結されている。デュプレクサ1020は、アンテナ1010を介して受信される信号を、RFフィルタ1022に送る。フィルタ1022の出力は、増幅器1024の入力に連結され、増幅器1024は、フィルタリングされた信号を増幅する。増幅器1024で増幅された信号は、直交ミキサ1026の入力に連結される。ここで、信号は、それを直交局部発振器信号とミキシングすることによって、ダウンコンバートされる。これらは、直交分相器1034を介して、局部発振器(LO)1031から生成される。ミキサ1026の出力は、中間的な周波数の同相(I)および直交(Q)信号か、または、LO信号が搬送波周波数の場合、ベースバンドIおよびQ信号で、構成される。IおよびQ信号は、それぞれの増幅器1028aおよび1028bによって増幅され、次いで、それぞれのフィルタ1029aおよび1029bによってフィルタリングされた後で、それぞれのアナログ・デジタル・コンバータ(ADC)1040aおよび1040bによってデジタル化される。デジタル化された受信信号は、第1のプロセッサ1060および第2のプロセッサ1070による処理のために、ストレージ1050に記憶される。
アンテナ1010からADC1040への受信チェーン(ダウンリンク)におけるすべてのコンポーネントが、図9の機能ブロック図に示されていた受信機910を構成する、ことに注意すべきである。プロセッサ1060は、図9におけるチャネル推定器920の機能を実行する。それは、また、プロセッサブロック930の機能のうちのいくつかも実行する。プロセッサ1070が、プロセッサブロック930の残りの機能を実行する。より詳細には、プロセッサ1060が、到着時間を決定するステップ712および713を実行し、プロセッサ1070が、複数の到着時間を組み合わせることによって範囲測定を計算するステップ720を実行する。プロセッサ1070は、また、位置を計算するステップ722も実行する。
万全を期すために、図9は、また、送信チェーン(アップリンク)のためのコンポーネントも示しているが、これらは、すなわち、プロセッサ1080、ストレージ1051、デジタル・アナログ・コンバータ(DAC)1041aおよび1041b、フィルタ1033aおよび1033b、局部発振器1030、直交分相器1032、直交ミキサ1027、フィルタ1025、および増幅器1023である。しかし、これらは、従来のコンポーネントであり得るので、ここでは、これ以上説明の必要がない。
以上説明した実施形態では、各信号に対して、単一の到着時間が決定された。これらの単一の到着時間は、次に、範囲測定を計算するために、同じ基地局から生じた複数のセルセクタ信号に対して、組み合わせられた。しかし、いくつかの別の実施形態では、範囲測定を計算するために組み合わせる前に、各セルセクタ信号に対するチャネルインパルス応答(CIR)を、単一の到着時間に減らすことは必要ない。例えば、図2の例を参照すると、各到着時間がCIRにおけるピークに対応するように、複数の異なる到着時間が、各信号に対して、決定されることが可能である。この場合、範囲測定を計算するために情報を組み合わせるときに、すべての到着時間を維持しておくのが好ましいことがあり得る。到着時間と範囲測定とが常に最先の到着時間を識別することに基づいて得られる(図7の実施形態に関して、上述したように)場合、他のそれよりも遅い到着時間が、(単一の到着時間を決定する)第1の段階または(範囲測定を計算する)第2の段階で捨てられるかどうかは、違いがない。しかし、図8におけるように、時間経過に伴うTOA測定の一貫性など、他の情報を考慮する実施形態では、各信号に対して複数の到着時間を維持することは、有益な場合があり得る。例えば、図8を参照すると、各到着時間(すなわち、CIRにおける各ピーク)は、時間経過と共にトラッキングされ得るのであって、相対的タイミングの分散が、各信号の各ピークに対して計算される。そして、範囲測定は、すべての信号に対するすべての到着時間のうちで最低の分散を有する到着時間に基づき得る。
以上説明されたすべての実施形態において、各到着時間と範囲測定とは、例えば、最先の到着時間を選択する、または、最低の関連する分散を有する到着時間を選択するなど、いくつかの離散的な可能性の間で選択することによって、決定される。これらは、簡単な例であるが、本発明の範囲は、それらに限定されない。例えば、いくつかの実施形態において、TOA測定は、平均到着時間を計算し、その平均到着時間を用いて範囲測定を計算することによって、組み合わされ得る。これは、例えば、セルセクタ12bに向けられた信号とセルセクタ12cに向けられた信号との両方の直接経路成分を受信する、図5におけるUE1によって経験される状況において、適切であり得る。そのような状況では、平均(または、他の平均値)を取得することで、結果的に、より正確な範囲測定が生じ得る。
以上説明した実施形態では、到着時間は、例えば、周波数領域におけるチャネル伝達関数(CTF)を時間領域におけるチャネルインパルス応答(CIR)に変換することによって、時間領域において決定される。しかし、当業者であれば知っているように、これは本質的ではなく、周波数領域において直接的に実行される解析によって、少なくとも1つの到着時間を決定することも可能である。
上述した実施形態は、本発明を限定するのではなく例証しており、そして、当業者であれば、添付の特許請求の範囲から離れずに多くの代替実施形態を設定することができる、ということが注意されるべきである。特許請求の範囲では、カッコ中に配置されたいかなる符号も、その請求項を限定するものとして解釈されてはならない。「含む、備える(comprising)」という単語は、請求項においてリスト化されているもの以外の構成要素またはステップの存在を排除しない。ある構成要素の前に置かれる「a」または「an」という単語は、その構成要素が複数個存在することを排除しない。本発明の実施形態は、いくつかの別々の構成要素を含むハードウェアによって実装され得る。いくつかの手段を列挙している装置の請求項では、これらの手段のうちのいくつかが、1つの同じハードウェアによって実現されることがあり得る。いくつかの度合いが相互に異なる従属請求項に記載されているという事実があるとしても、それだけで、これらの度合いの組合せが有利に用いられることはあり得ないということを示してはいない。さらに、添付の特許請求の範囲において、「A、B、およびCのうちの少なくとも1つ」を含むリストは、(Aおよび/もしくはB)ならびに/またはCとして、解釈されるべきである。
さらに、一般的に、様々な実施形態が、ハードウェアもしくは専用回路、ソフトウェア、ロジックまたはそれらの任意の組合せとして、実装され得る。例えば、いくつかの態様がハードウェアで実装され得るのに対して、他方では、他の態様が、これらは限定的な例ではないが、コントローラ、マイクロプロセッサもしくはそれ以外の計算装置によって実行され得るファームウェアまたはソフトウェアとして実装され得る。本明細書で説明されている様々な態様は、ブロック図、フローチャートとして、または、それ以外の図的記述を用いて説明され得るが、本明細書で説明されているこれらのブロック、装置、システム、技法または方法は、非限定的な例として、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、専用回路もしくはロジック、汎用ハードウェアもしくはコントローラもしくは他の計算装置、またはこれらの何らかの組合せとして、実装され得るということが、十分に理解されるはずである。
本明細書で説明されている実施形態は、プロセッサエンティティにおけるような装置のデータプロセッサによって実行可能なコンピュータソフトウェアによって、またはハードウェアによって、またはソフトウェアとハードウェアとの組合せによって、実装され得る。さらに、この点に関し、図面にあるような論理フローのどのブロックも、プログラムステップ、相互接続された論理回路、ブロックおよび機能、または、プログラムステップと論理回路、ブロックおよび機能との組合せ、を表現し得る、ということが注意されるべきである。ソフトウェアは、メモリチップなどの物理媒体に、または、プロセッサ、ハードディスクもしくはフロッピディスクなどの磁気媒体、ならびに例えばDVDおよびそのデータバリアントやCDなどの光媒体の内部に実装されるメモリブロックなどに、記憶され得る。
ストレージ/メモリは、ローカルな技術環境に適切な任意のタイプでかまわないのであって、半導体ベースのメモリ・装置、磁気メモリ・装置およびシステム、光メモリ・装置およびシステム、固定メモリおよび取り外し可能メモリなど、任意の適切なデータ・ストレージ技術を用いて、実装され得る。データプロセッサは、ローカルな技術環境に適切な任意のタイプでかまわないのであって、非限定的な例として、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向き集積回路(ASIC)、ゲート・レベル回路、およびプロセッサ・ベースのマルチコア・プロセッサ・アーキテクチャのうちの1つまたは複数を含み得る。

Claims (16)

  1. セルラー通信ネットワークにおいて範囲測定を計算する方法であって、
    前記セルラー通信ネットワークにおけるセクタ化された基地局の第1のセルセクタと関連する第1の信号を、受信機(910)で受信するステップ(710)と、
    前記第1の信号の一部の、前記受信機(910)への少なくとも1つの第1の到着時間を決定するステップ(712、812)と、
    前記セクタ化された基地局の第2のセルセクタと関連する第2の信号を、前記受信機(910)で受信するステップ(711)と、
    前記第2の信号の一部の前記受信機(910)への少なくとも1つの第2の到着時間を決定するステップ(713、813)と、
    前記少なくとも1つの第1の到着時間と前記少なくとも1つの第2の到着時間との組合せに基づいて、前記基地局と前記受信機(910)との間の範囲測定を計算するステップ(720、820)と、
    を含む方法。
  2. 前記範囲測定を計算するステップの前に、前記第1の信号と前記第2の信号とが同じ基地局によって送信されたことを識別するステップ(714)をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記第1の信号と前記第2の信号とが同じ基地局によって送信されたことを識別するステップ(714)は、各信号に含まれるセル識別情報をデコードするステップを含む、請求項2に記載の方法。
  4. 前記第1の信号の前記一部の前記基地局による送信時間と、前記第2の信号の前記一部の前記基地局による送信時間との間で予測されるタイミング関係を決定するステップ(716)と、
    前記範囲測定を計算するステップ(720、820)において、前記予測されるタイミング関係を用いて、前記少なくとも1つの第1の到着時間と前記少なくとも1つの第2の到着時間との組合せに基づいて、前記範囲測定を計算するステップと、
    を含む、請求項1から請求項3のいずれかに記載の方法。
  5. 前記予測されるタイミング関係を決定するステップ(716)は、各信号に含まれるセル識別情報をデコードするステップを含む、請求項4に記載の方法。
  6. 前記予測されるタイミング関係を決定するステップ(716)は、セルセクタのデータベース(940)をサーチするためのキーとして、前記デコードされたセル識別情報を用いるステップを含み、
    各セルセクタは、前記データベースにおいて、各セルセクタを制御する前記基地局と関連し、前記データベースは、さらに、前記同じ基地局のセルセクタ間のタイミング関係を記述するタイミング情報を含む、請求項5に記載の方法。
  7. 前記予測されるタイミング関係は、前記第1の信号の前記一部の前記基地局による前記送信時間と、前記第2の信号の前記一部の前記基地局による前記送信時間との間の時間オフセットを含み、
    前記範囲測定を計算するステップは、さらに、前記時間オフセットを補正するステップ(718)を含む、請求項4から請求項6のいずれかに記載の方法。
  8. 前記範囲測定を用いて前記受信機の位置を計算するステップ(722)をさらに含む、請求項1から請求項7のいずれかに記載の方法。
  9. 前記少なくとも1つの第1の到着時間が複数の第1の到着時間を含む場合、前記方法は、前記複数の第1の到着時間を単一の第1の到着時間に減らすステップを含み、
    前記少なくとも1つの第2の到着時間が複数の第2の到着時間を含む場合、前記方法は、前記複数の第2の到着時間を単一の第2の到着時間に減らすステップを含み、
    前記範囲測定を計算するステップ(720、820)は、前記単一の第1の到着時間と前記単一の第2の到着時間との組合せに基づく、請求項1から請求項8のいずれかに記載の方法。
  10. 前記範囲測定を計算するステップ(720)は、前記少なくとも1つの第1の到着時間および前記少なくとも1つの第2の到着時間のうちで最先のものを選択するステップを含む、請求項1から請求項9のいずれかに記載の方法。
  11. 第1の信頼値が、前記少なくとも1つの第1の到着時間と関連し、
    第2の信頼値が、前記少なくとも1つの第2の到着時間と関連し、
    前記範囲測定を計算するステップ(820)は、前記第1の信頼値と前記第2の信頼値とに基づいて、前記少なくとも1つの第1の到着時間と前記少なくとも1つの第2の到着時間とを組み合わせるステップを含む、請求項1から請求項9のいずれかに記載の方法。
  12. 前記範囲測定を計算するステップ(820)は、前記第1の信頼値と前記第2の信頼値とを比較する(820a)ことにより、前記少なくとも1つの第1の到着時間および前記少なくとも1つの第2の到着時間の中で選択するステップを含む、請求項11に記載の方法。
  13. 前記方法は、複数の時間間隔において、前記第1の信号の複数の部分と前記第2の信号の複数の部分とのそれぞれに対し、前記少なくとも1つの第1の到着時間と前記少なくとも1つの第2の到着時間とを推定するステップ(812、813)を含み、
    前記第1の信頼値は、前記複数の時間間隔にわたって前記推定された少なくとも1つの第1の到着時間の整合性の度合いを含み、
    前記第2の信頼値は、前記複数の時間間隔にわたって前記推定された少なくとも1つの第2の到着時間の整合性の度合いを含む、請求項11または請求項12に記載の方法。
  14. モバイル通信装置を制御するように構成されたコンピュータプログラムコードを含むコンピュータプログラムであって、前記プログラムが前記モバイル通信装置のプロセッサ上で動作されるときに、請求項1から請求項13のいずれかに記載のすべてのステップを実行する、コンピュータプログラム。
  15. モバイル通信装置であって、
    セルラー通信ネットワークにおけるセクタ化された基地局から無線信号を受信するための受信機(910)と、
    前記基地局と前記モバイル通信装置との間の範囲測定を決定するように構成された少なくとも1つのプロセッサ(930)と、を備え、
    前記受信機(910)は、
    前記セクタ化された基地局の第1のセルセクタと関連する第1の信号を受信し(710)、
    前記セクタ化された基地局の第2のセルセクタと関連する第2の信号を受信する(711)ように構成され、
    前記少なくとも1つのプロセッサ(930)は、
    前記第1の信号の一部の、前記受信機(910)への少なくとも1つの第1の到着時間を決定し(712、812)、
    前記第2の信号の一部の、前記受信機(910)への少なくとも1つの第2の到着時間を決定し(713、813)、
    前記少なくとも1つの第1の到着時間と前記少なくとも1つの第2の到着時間との組合せに基づいて、前記範囲測定を計算する(720、820)ように構成されている、モバイル通信装置。
  16. 前記第1の信号に対する第1のチャネル伝達関数と、前記第2の信号に対する第2のチャネル伝達関数と、を推定するためのチャネル推定器(920)をさらに備え、
    前記少なくとも1つのプロセッサ(930)は、前記第1のチャネル伝達関数から前記少なくとも1つの第1の到着時間を決定し、前記第2のチャネル伝達関数から前記少なくとも1つの第2の到着時間を決定するように構成されている、請求項15に記載のモバイル通信装置。
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