JP2017096845A - 摩擦試験機 - Google Patents
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Abstract
【課題】2つの試料片を容易に面接触させることができる摩擦試験機を提供する。
【解決手段】摩擦試験機1は、試料台24と、制御装置4と、荷重センサー26と、トルクセンサー23とを備える。試料台24は、凹部24aが形成された載置面を有する。凹部24aは、第1試料片31に対向する。第2試料片32の載置面に、薄板状の第2試料片32が、凹部24aを覆うように載置される。摩擦試験機1は、第1試料片31を回転させつつ、第1試料片31へ向けて試料台24を移動させる。この動作により、回転する第1試料片31によって、第2試料片32が塑性変形する。制御装置4は、第2試料片32を第1試料片31に押し付ける荷重を増加させる。荷重センサー26は、第2試料片32を第1試料片31に押し付ける荷重を検出する。トルクセンサー23は、第1試料片31に作用するトルクを検出する。
【選択図】図1
【解決手段】摩擦試験機1は、試料台24と、制御装置4と、荷重センサー26と、トルクセンサー23とを備える。試料台24は、凹部24aが形成された載置面を有する。凹部24aは、第1試料片31に対向する。第2試料片32の載置面に、薄板状の第2試料片32が、凹部24aを覆うように載置される。摩擦試験機1は、第1試料片31を回転させつつ、第1試料片31へ向けて試料台24を移動させる。この動作により、回転する第1試料片31によって、第2試料片32が塑性変形する。制御装置4は、第2試料片32を第1試料片31に押し付ける荷重を増加させる。荷重センサー26は、第2試料片32を第1試料片31に押し付ける荷重を検出する。トルクセンサー23は、第1試料片31に作用するトルクを検出する。
【選択図】図1
Description
本発明は、摩擦試験機に関する。
機械には必ず相対運動を行う2面(2つの運動面)が存在する。そして、2面が相対運動する部分(摺動部)には、摩擦及び摩耗が発生する。摩擦及び摩耗が起こる要素には下記の4つがあり、摩擦及び摩耗には様々な要因が関わってくる。
<1>摺動部の材料とその組合せ(固体の材質、表面粗さ、硬さ、形状)
<2>潤滑膜(潤滑剤の物理的・化学的性質)
<3>摺動部及び潤滑膜を取り巻く環境(大気中か真空中か、ガスの種類、湿度、温度)
<4>摺動部を支える機械の剛性と作動条件(剛性や荷重、すべり速度など)
<1>摺動部の材料とその組合せ(固体の材質、表面粗さ、硬さ、形状)
<2>潤滑膜(潤滑剤の物理的・化学的性質)
<3>摺動部及び潤滑膜を取り巻く環境(大気中か真空中か、ガスの種類、湿度、温度)
<4>摺動部を支える機械の剛性と作動条件(剛性や荷重、すべり速度など)
摩擦及び摩耗により、エネルギー及び資源の損失、騒音及び振動の発生、並びに、機能、性能及び信頼性の低下などが起こる。これらの問題を避けるには、摺動部における摩耗及び摩擦に関するデータを測定し、測定したデータに基づいて摩擦及び摩耗を制御する必要がある。摩耗及び摩擦に関するデータを測定するための摩擦試験機として代表的なものに、チムケン式測定装置、曽田式四球型、及びファレックス試験機がある。
チムケン式測定装置、曽田式四球型、及びファレックス試験機は、2つの試料片(テストピース)を点接触又は線接触させて、2つの試料片を摩擦する。しかし、実際は、2つの運動面は面接触することが多い。一方、摩擦及び摩耗対策を見出すには、対象となる現象がどのような環境にあるかを分析し、それに近い条件で評価試験を行うことで、摩擦及び摩耗現象に影響を及ぼす要因を把握することが必要になる。
特許文献1には、2つの試料片を面接触させて摩擦する摩擦試験機が開示されている。具体的には、特許文献1に開示された摩擦試験機は、円柱状の第1試料片と、凹部(曲面部)が形成された第2試料片とを使用する。第2試料片の凹部は、第1試料片の側面(円柱の側面)と同等の曲率を有する。特許文献1に開示された摩擦試験機は、回転する第1試料片の側面に対して、第2試料片の凹部を面接触させて、第1試料片と第2試料片とを摩擦する。
しかしながら特許文献1に開示されているように、一方の試料片に、他方の試料片の曲面と同等の曲率を有する凹部を形成するには、高度な加工技術が必要となる。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、2つの試料片を容易に面接触させることができる摩擦試験機を提供することにある。
本発明の摩擦試験機は、第1駆動装置と、載置面と、第2駆動装置と、制御装置と、荷重センサーと、トルクセンサーとを備える。前記第1駆動装置は、第1試料片を回転させる。前記載置面は、凹部を有する。前記凹部は、前記第1試料片に対向する。前記第2駆動装置は、前記第1試料片へ向けて前記載置面を移動させて、前記凹部を覆うように前記載置面に載置された薄板状の第2試料片を、回転する前記第1試料片によって塑性変形させる。前記制御装置は、前記第2試料片を前記第1試料片に押し付ける荷重が増加するように前記第2駆動装置の動作を制御する。前記荷重センサーは、前記荷重に応じた信号を生成する。前記トルクセンサーは、前記第1試料片に作用するトルクの大きさに応じた信号を生成する。
ある実施形態において、前記摩擦試験機は、湿式潤滑剤を収容可能な収容槽を更に備える。前記載置面は前記収容槽内に配置される。前記第2駆動装置は、前記収容槽を移動させることにより、前記載置面を移動させて、前記収容槽に収容されている前記湿式潤滑剤を介して前記第1試料片と前記第2試料片とを接触させる。
ある実施形態において、前記摩擦試験機は、第1温度センサーと、加熱部材と、温度コントローラーとを更に備える。前記第1温度センサーは、前記収容槽に収容されている前記湿式潤滑剤の温度に応じた信号を生成する。前記加熱部材は、前記収容槽に収容されている前記湿式潤滑剤に熱を供給する。前記温度コントローラーは、前記第1温度センサーが生成する信号に基づき、前記収容槽に収容されている前記湿式潤滑剤の温度が所定の温度で保持されるように、前記加熱部材による加熱を制御する。
ある実施形態では、前記第1試料片のうちの前記第2試料片と接触する部分、及び、前記第2試料片のうちの前記第1試料片と接触する部分のうちの少なくとも一方が、固体潤滑剤によって覆われている。
ある実施形態において、前記制御装置は、前記トルクセンサーが生成する信号に基づき、前記トルクの測定値を取得する。また、前記荷重センサーが生成する信号に基づき、前記荷重の測定値を取得する。
ある実施形態において、前記摩擦試験機は、前記トルクの測定値と、前記荷重の測定値とに基づき、焼き付き荷重を検出する演算装置を更に備える。
ある実施形態において、前記演算装置は、前記トルクの測定値から、前記トルクの微分値を算出する。また、前記トルクの微分値が閾値以上となる前記荷重の測定値を前記焼き付き荷重として検出する。
ある実施形態において、前記摩擦試験機は、前記第2試料片の温度に応じた信号を生成する第2温度センサーを更に備える。前記制御装置は、前記第2温度センサーが生成する信号に基づき、前記第2試料片の温度の測定値を取得する。
ある実施形態において、前記第2温度センサーは、前記凹部の近傍に配置される。
ある実施形態において、前記第1試料片は曲面を含み、前記凹部は前記曲面に対向する。前記第2試料片は、回転する前記曲面によって塑性変形する。
ある実施形態において、前記曲面は、球面の一部を切り取った形状をしている。また、前記曲面は、前記第1試料片の下端部の外面に形成されている。前記第1駆動装置は、前記曲面の中心まわりに前記第1試料片を回転させる。
ある実施形態において、前記第1試料片は、球体である。
本発明によれば、2つの試料片を容易に面接触させることができる。
以下、図面を参照して、本発明による摩擦試験機の実施形態を説明する。但し、本発明は以下の実施形態に限定されない。図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る摩擦試験機の構成を示す図である。第1実施形態に係る摩擦試験機1は、第1試料片31を回転させるとともに、回転する第1試料片31に対し、湿式潤滑剤33を介して第2試料片32を押し付けて、摩擦試験を行う。摩擦試験機1は、湿式潤滑剤33の耐焼き付き性の評価に使用し得る。具体的には、摩擦試験機1は、湿式潤滑剤33の焼き付き荷重を測定する。
図1は、第1実施形態に係る摩擦試験機の構成を示す図である。第1実施形態に係る摩擦試験機1は、第1試料片31を回転させるとともに、回転する第1試料片31に対し、湿式潤滑剤33を介して第2試料片32を押し付けて、摩擦試験を行う。摩擦試験機1は、湿式潤滑剤33の耐焼き付き性の評価に使用し得る。具体的には、摩擦試験機1は、湿式潤滑剤33の焼き付き荷重を測定する。
図1に示すように、摩擦試験機1は、本体部2、制御装置4、演算装置5、及び出力装置6を備える。更に、摩擦試験機1は、温度コントローラー7を備える。まず、本体部2について説明する。
本体部2は、第1駆動装置21、支持軸22、トルクセンサー23、試料台24、収容槽25、荷重センサー26、プレッシャーロッド27、及び第2駆動装置28を備える。本体部2は更に、試料片温度センサー29、潤滑剤温度センサー71、及び加熱部材72を備える。
第1駆動装置21は、例えばモーターであり、支持軸22を所定の回転速度で回転させる。好適には、第1駆動装置21は、第1試料片31と第2試料片32との相対速度が実際の摩擦条件に適合する回転速度で、支持軸22を回転させる。例えば第1駆動装置21は、支持軸22を1000rpm以下の回転速度で回転させ得る。
支持軸22は、第1軸22a、第2軸22b、及び試料片ホルダー22cを含む。トルクセンサー23は、第1軸22aと第2軸22bとの間に配置されて、第1軸22a及び第2軸22bに接続される。第1駆動装置21が駆動すると、第1軸22aが回転し、第1軸22aから第2軸22bへ、トルクセンサー23を介して動力が伝達される。その結果、第2軸22bが回転する。トルクセンサー23には、回転トルクメーターを使用し得る。回転トルクメーターにより、第1軸22aと第2軸22bとは同軸上に配置される。
支持軸22は、第1試料片31を支持して、第1試料片31を試料台24に対向させる。第1実施形態では、試料片ホルダー22cが、第2軸22bの先端側に取り付けられて、第1試料片31を保持する。試料片ホルダー22cは、例えばナットを含み得る。試料片ホルダー22cが第1試料片31を保持する構成を採用することにより、例えば支持軸そのものを交換する構成と比べて、第1試料片31の交換が容易になる。したがって、第1試料片31の材質やサイズ等の変更が容易になる。
第1試料片31は、曲面を有する。試料片ホルダー22cは、第1試料片31の曲面が試料台24に対向するように、第1試料片31を保持する。第1駆動装置21が駆動すると、支持軸22(第2軸22b)の軸心を中心として第1試料片31の曲面が回転する。
トルクセンサー23は、回転する第1試料片31に作用するトルクの大きさに応じた信号を生成する。トルクの大きさは、第1試料片31に第2試料片32を押し付ける力(負荷荷重)によって変化する。第1実施形態では、回転する支持軸22(第2軸22b)に作用するトルクが、回転する第1試料片31に作用するトルクとして検知される。例えば、トルクセンサー23は、第1軸22aと第2軸22bとのねじれの程度に応じた信号を生成する。なお、第1軸22aと第2軸22bとは同軸上に配置されることが好ましい。第1軸22aと第2軸22bとを同軸上に配置することにより、トルクの測定精度を高めることができる。
第1実施形態において、第1試料片31は球体であり、第1試料片31(球体)の一部が試料片ホルダー22cから突出する。換言すると、試料片ホルダー22cから球面の一部(曲面の一例)が突出する。したがって、第1駆動装置21が駆動することにより、試料片ホルダー22cから突出する球面の一部(第1試料片31の曲面)が、支持軸22(第2軸22b)の軸心を中心に回転する。球体の直径は、例えば8mm以上20mm以下である。なお、第1試料片31の曲面の曲率は、一定に限定されるものではない。
第1試料片31の曲面の中心は、支持軸22(第2軸22b)の軸心上に位置することが好ましい。換言すると、第1試料片31(球体)は、第1試料片31の曲面(試料片ホルダー22cから突出する球面の一部)の中心まわりに回転することが好ましい。第1試料片31の曲面の中心が支持軸22の軸心上に位置することにより、第1試料片31に作用するトルクの測定精度を高めることができる。
試料台24は、第2試料片32が載置される載置面を有する。試料台24は、載置面が第1試料片31に対向するように収容槽25内に配置される。試料台24の載置面は、凹部24aを有する。試料台24は、第1試料片31の曲面(試料片ホルダー22cから突出する球面の一部)が凹部24aに対向するように配置される。試料台24は、無垢のステンレスを加工して作製し得る。試料台24は、例えば直方体状である。この場合、試料台24の載置面は矩形状である。試料台24が直方体状である場合、試料台24を平面視したときのサイズ(面積)、即ち、載置面のサイズは、例えば60mm×60mmであり得る。また、試料台24の高さは、例えば10mmであり得る。
第2試料片32は薄板状であり、凹部24aを覆うように試料台24の載置面に載置される。第2試料片32の厚みは、例えば1mm以下であり得る。試料台24の載置面が矩形状である場合、第2試料片32の外形は矩形状であり得る。また、直方体状の試料台24を平面視したときのサイズが60mm×60mmである場合、第2試料片32を平面視したときのサイズ(面積)は、60mm×60mmであり得る。
試料台24の凹部24aは、切削加工によって形成し得る。試料台24の凹部24aの形状は特に限定されない。例えば、凹部24aの形状は、球面の一部を切り取った形状、四角錐、又は三角錐であり得る。あるいは、凹部24aは、断面視したときの形状がV字形であり得る。また、凹部24aを平面視したときの形状は、円形、矩形、又は菱形(ダイヤモンド形)であり得る。
収容槽25は、試料台24(載置面)と、第2試料片32と、湿式潤滑剤33とを収容する。収容槽25に試料台24を収容する構成を採用することにより、例えば第1試料片31の曲面のサイズ及び形状に応じて、試料台24の凹部24aのサイズ及び形状を変更することが容易となる。
第2試料片32は、収容槽25に収容された試料台24の載置面上に載置される。収容槽25は、少なくとも第1試料片31と第2試料片32との接触部(摺動部)を湿式潤滑剤33中に浸漬可能な大きさに形成された収容凹部を有する。例えば、収容槽25は、試料台24と第2試料片32とを収容した状態で2ccの湿式潤滑剤33を収容可能な収容凹部を有する。
荷重センサー26は、収容槽25とプレッシャーロッド27との間に配置される。第2駆動装置28は、プレッシャーロッド27をその長手方向に変位させて、収容槽25を第1試料片31へ向けて移動させる。換言すると、試料台24(載置面)と第2試料片32とを第1試料片31へ向けて移動させる。第2駆動装置28は、油圧式のアクチュエータ、空圧式のアクチュエータ、又は電動式のアクチュエータであり得る。あるいは、第2駆動装置28は、モーターと、ボールねじとを含み得る。
第2駆動装置28が駆動すると、第2試料片32(載置面)、試料台24、収容槽25、及び荷重センサー26の位置がプレッシャーロッド27の長手方向に沿って変位する。その結果、回転する第1試料片31の曲面に第2試料片32が押し付けられて、第2試料片32が塑性変形する。具体的には、試料台24の凹部24aに対応する位置で、第2試料片32の一部が凹む。換言すると、第1試料片31の曲面(球面の一部)に第2試料片32の一部が面接触(密着)する。
第2試料片32の凹みの深さは、第2試料片32を第1試料片31に押し付ける荷重(以下、押し付け荷重と記載する場合がある。)、及び第2試料片32の厚みや材質等によるが、典型的には、数μm程度である。換言すると、試料台24(プレッシャーロッド27)の変位量は、数μm程度である。
試料台24の凹部24aの形状及びサイズは、第2試料片32の塑性変形を阻害しない限り、適宜に設定可能である。例えば、試料台24の凹部24aの形状及びサイズは、第1試料片31の材質、形状及びサイズや、第2試料片32の材質及び厚み等に応じて設定され得る。具体的には、第1試料片31(球体)の半径が10mmであり、第2試料片32の厚みが1mmである場合、凹部24aは、半径11mm以下の球面の一部を切り取った形状であり得る。また、凹部24aの開口面(上面)の直径は2mm以下であり得る。なお、凹部24aの中心は、支持軸22の軸心と一致することが好ましい。凹部24aの中心が支持軸22の軸心と一致することにより、湿式潤滑剤33の焼き付き荷重の測定精度を高めることが可能となる。
荷重センサー26は、押し付け荷重(負荷荷重)に応じた信号を生成する。荷重センサー26は、例えばロードセルである。なお、プレッシャーロッド27の軸心は、支持軸22の軸心と一致することが好ましい。プレッシャーロッド27の軸心が支持軸22の軸心と一致することにより、湿式潤滑剤33の焼き付き荷重の測定精度を高めることが可能となる。
試料片温度センサー29は、第2試料片32の温度に応じた信号を生成する。第1実施形態において、試料片温度センサー29は、収容槽25の壁部(収容凹部を区画する壁部)に設けた孔を介して、試料台24に設けた孔に挿入される。より詳しくは、試料片温度センサー29の温度感知部が、凹部24aの近傍に配置される。具体的には、試料片温度センサー29の温度感知部は、凹部24aから8mm以内の範囲に位置し得る。好適には、第1試料片31の曲面(試料片ホルダー22cから突出する球面の一部)の回転中心軸上に、試料片温度センサー29の温度感知部を位置させる。例えば、試料片温度センサー29の温度感知部は、凹部24aの最深部の直下に位置し得る。第1試料片31の曲面の回転中心軸上に試料片温度センサー29の温度感知部が位置することにより、第2試料片32の温度測定の精度を高めることが可能となる。なお、試料片温度センサー29は、例えば熱電対又はサーミスターである。
潤滑剤温度センサー71は、収容槽25(収容凹部)に収容された湿式潤滑剤33の温度に応じた信号を生成する。加熱部材72は、収容槽25に収容された湿式潤滑剤33に熱を供給する。第1実施形態において、加熱部材72は、収容槽25に設けた孔に挿入されて、収容槽25を加熱する。その結果、湿式潤滑剤33に熱が供給される。潤滑剤温度センサー71は、例えば熱電対又はサーミスターである。また加熱部材72は、例えばセラミックヒーターである。
続いて、制御装置4について説明する。制御装置4は、例えばコンピューターを含み得る。換言すると、制御装置4は、CPU(Central Processing Unit)又はMPU(Micro Processing Unit)のようなプロセッサーを含み得る。なお、制御装置4は、ノイマン型の動作モデルを採用したコンピューターを含んでもよいし、ステートマシンを動作モデルとするコンピューター(所謂プログラマブルコントローラー)を含んでもよい。あるいは、制御装置4は、ノイマン型の動作モデルを採用したコンピューター、及びステートマシンを動作モデルとするコンピューターの両方を含み得る。
制御装置4は、第1駆動装置21の駆動回路、及び第2駆動装置28の駆動回路を含む。制御装置4は、第1駆動装置21及び第2駆動装置28の動作を制御する。詳しくは、制御装置4は、第1試料片31が所定の回転速度で回転するように第1駆動装置21の動作を制御する。また、連続的又は段階的に押し付け荷重が増加するように第2駆動装置28の動作を制御する。なお、押し付け荷重の増加率は一定であることが好ましい。押し付け荷重の増加率が一定であることにより、湿式潤滑剤33の焼き付き荷重の測定精度を高めることができる。
制御装置4は、トルクセンサー23が生成する信号に基づき、第1試料片31に作用するトルクの測定値を取得する。また制御装置4は、荷重センサー26が生成する信号に基づき、押し付け荷重の測定値を取得する。例えば、制御装置4は、押し付け荷重に対応する圧力の値を取得し得る。制御装置4は更に、試料片温度センサー29が生成する信号に基づき、第2試料片32の温度の測定値を取得する。例えば制御装置4は、A/D変換回路を含み得る。制御装置4がA/D変換回路を含む場合、制御装置4は、トルクセンサー23が生成する信号(アナログ信号)をデジタル化して、第1試料片31に作用するトルクの測定値を取得する。同様に、荷重センサー26が生成する信号(アナログ信号)をデジタル化して、押し付け荷重の測定値を取得する。また、試料片温度センサー29が生成する信号(アナログ信号)をデジタル化して、第2試料片32の温度の測定値を取得する。
制御装置4が取得したトルクの測定値(トルクデータ)、押し付け荷重の測定値(荷重データ)、及び第2試料片32の温度の測定値(温度データ)は、演算装置5に入力される。制御装置4は、トルクデータ、荷重データ、及び温度データをCSV(Comma−Separated Values)出力してもよい。例えば、制御装置4は、トルクの測定値、押し付け荷重の測定値、及び温度の測定値を取得するための制御盤と、CSV出力を実行するためのノート型パーソナルコンピューターとを含み得る。なお、CSV出力を実行するためのプログラムは、例えばVisual Basic(登録商標)を用いて作成し得る。
トルクデータ、荷重データ、及び温度データを演算装置5に入力するための媒体は、特に限定されない。例えば、トルクデータ、荷重データ、及び温度データを演算装置5に入力するための媒体として、CD(コンパクトディスク)やDVDのような記録媒体、USBメモリのような記憶装置、及びケーブルを使用し得る。同様に、制御盤からノート型パーソナルコンピューターへ各測定値を入力するための媒体として、CDやDVDのような記録媒体、USBメモリのような記憶装置、及びケーブルを使用し得る。
続いて、演算装置5、及び出力装置6について説明する。演算装置5は、トルクデータと、荷重データとに基づき、湿式潤滑剤33の焼き付き荷重を検出(測定)する。演算装置5は、例えばコンピューターを含み得る。換言すると、演算装置5は、CPU又はMPUのようなプロセッサーを含み得る。例えば、演算装置5は、パーソナルコンピューターである。
第1実施形態において、演算装置5は、第1試料片31に作用するトルクの測定値(トルクデータ)から、トルクの変化の勾配(変化率)を算出する。換言すると、トルクの微分値を算出する。更に、演算装置5は、トルクの微分値が閾値以上となるときの押し付け荷重の測定値を、湿式潤滑剤33の焼き付き荷重として検出する。閾値は演算装置5に予め設定されている。具体的には、閾値は、使用する第1試料片31及び第2試料片32の材質や、支持軸22の回転速度等に応じて予め設定する。また、演算装置5は、第2試料片32の温度データに基づいて、焼き付き発生時の第2試料片32の温度を検出する。
焼き付きは、温度上昇に伴う油膜破断などに起因して摩擦面が良好な潤滑状態を維持できなくなり、摩擦係数が急速に増大することによって発生する。したがって、焼き付きが発生するとき、第1試料片31に作用するトルクが急激に上昇する。よって、トルクの微分値に基づいて、焼き付きの発生を検知することができる。また、トルクの測定値と、押し付け荷重の測定値との対応関係から、焼き付き発生時の押し付け荷重(焼き付き荷重)を検出(測定)することができる。
演算装置5は、焼き付き荷重を示す画像、及び焼き付き発生時の第2試料片32の温度を示す画像を出力装置6から出力させる。出力装置6は、例えばディスプレイ又はプリンターを含む。出力装置6がディスプレイを含む場合、演算装置5は、ディスプレイに画像を表示させるための画像データを生成する。出力装置6がプリンターを含む場合、演算装置5は、記録紙のような被記録媒体に画像を印字させるための画像データを生成する。
続いて、温度コントローラー7について説明する。温度コントローラー7は、潤滑剤温度センサー71が生成する信号に基づき、湿式潤滑剤33の温度が所定の温度で保持されるように、加熱部材72による加熱を制御する。例えば温度コントローラー7は、加熱部材72へ供給する電力を調整して、加熱部材72による加熱を制御する。湿式潤滑剤33の温度を一定の温度に維持することにより、恒温状態での摩擦試験が可能になる。また、湿式潤滑剤33の温度を調節することにより、様々な温度環境下で摩擦試験を行うことが可能となる。よって、湿式潤滑剤33の温度と焼き付き荷重との関係を示すことが可能となる。
続いて、摩擦試験機1を用いた摩擦試験について説明する。摩擦試験機1を用いて摩擦試験を行う場合、まず、実際の摩擦条件に合わせて、第1試料片31及び第2試料片32の材質を選定する。第1試料片31の材質には、セラミックス、真鍮、及びステンレス等を使用し得る。したがって、第1試料片31として、セラミックボール、真鍮ボール、及び高炭素クロム鋼球(例えばJISで規格化されているSUJ2製の鋼球)等を使用し得る。また、第2試料片32の材質は、純銅、真鍮、ステンレス、及び鉄等のうちから選定し得る。更に、第1試料片31及び第2試料片32の材質や押し付け荷重等の条件から、第1試料片31の直径や第2試料片32の厚み等を選定する。
次に、第1試料片31を試料片ホルダー22cに保持させる。また、実際に使用する湿式潤滑剤33を収容槽25に注入した後、第2試料片32を試料台24の載置面に載置する。
なお、実際の運動面の少なくとも一方が固体潤滑剤(例えば、ダイヤモンドライクカーボン膜)で覆われている場合には、固体潤滑剤を使用する。具体的には、実際の条件に合わせて、第1試料片31のうちの第2試料片32と接触する部分、及び、第2試料片32のうちの第1試料片31と接触する部分のうちの少なくとも一方を、固体潤滑剤によって覆うことが好ましい。
次に、ユーザーが制御装置4に、第1駆動装置21及び第2駆動装置28の動作開始(摩擦試験の開始)を指示する。その指示に応じて、第1駆動装置21及び第2駆動装置28が駆動を開始する。その結果、第1試料片31が所定の回転速度で回転する一方で、収容槽25及び試料台24(載置面)が上昇して、回転する第1試料片31に湿式潤滑剤33を介して第2試料片32が接触する。制御装置4は、荷重センサー26の出力から、第1試料片31と第2試料片32との接触を検知すると、第2駆動装置28の動作を一旦停止させる。例えば、制御装置4は、荷重センサー26の出力から、数gの押し付け荷重を取得すると、第2駆動装置28の動作を一旦停止させる。
その後、制御装置4は、第2駆動装置28の動作を再開させる。これにより、摩擦試験が行われる。具体的には、回転する第1試料片31に第2試料片32が押し付けられる。詳しくは、第1試料片31と第2試料片32とが接触した時の押し付け荷重(以下、押し付け荷重の初期値と記載する。)を基準に、徐々に押し付け荷重(負荷荷重)が増加する。その結果、回転接触する第1試料片31と第2試料片32との間の押し付け荷重及びトルクが連続的に測定される。例えば、制御装置4は、押し付け荷重の初期値から5kgステップで段階的に押し付け荷重が増加するように第2駆動装置28の動作を制御する。なお、湿式潤滑剤33の温度を恒温状態にして摩擦試験を行う場合には、温度コントローラー7によって湿式潤滑剤33の温度を所定の温度に調節した後に、第1駆動装置21及び第2駆動装置28の動作を開始させる。
その後、ユーザーが制御装置4に、第1駆動装置21及び第2駆動装置28の動作を停止させる指令(摩擦試験の終了の指令)を与えて、摩擦試験が終了する。摩擦試験に要する時間は、第1試料片31及び第2試料片32の材質や、湿式潤滑剤33の種類等によるが、典型的には5分以内である。
摩擦試験によって得られた各種の測定データは、演算装置5に入力される。演算装置5は、ユーザーからの指示により、焼き付き荷重を検出(測定)するとともに、焼き付き発生時の第2試料片32の温度を検出(測定)する。また、演算装置5は、ユーザーからの指示により、焼き付き荷重を示す画像、及び焼き付き発生時の第2試料片32の温度を示す画像を出力装置6に出力させる。
図2は、第1試料片31に作用するトルクと押し付け荷重との典型的な関係を示す線図(グラフ)である。詳しくは、図2は、第1試料片31に作用するトルクの変化と、押し付け荷重の変化との関係を示す。図2において、縦軸はトルクの測定値[N・m]を示し、横軸は押し付け荷重の測定値[N/mm2]を示す。図2に示すように、焼き付きが発生すると、第1試料片31に作用するトルクが急激に変化する。詳しくは、トルクの微分値(トルクの上昇傾き)が大きくなる。第1実施形態では、トルクの微分値が予め設定した閾値以上となったときの押し付け荷重が、焼き付き荷重として検出される。
以上説明した第1実施形態によれば、第2試料片32を塑性変形させて、第1試料片31と第2試料片32とを面接触させることができる。よって、第1試料片31と第2試料片32とを容易に面接触(密着)させることができる。
また、第1試料片31と第2試料片32とを面接触させることにより、押し付け荷重に増加に応じて、第1試料片31に作用するトルクが増加する。換言すると、第1試料片31と第2試料片32とを面接触させることにより、第1試料片31に作用するトルクと焼き付き荷重との関係を得ることができる。よって、第1試料片31に作用するトルクから、焼き付き荷重を測定することが可能となる。
更に、第1実施形態によれば、第2試料片32の温度を測定することにより、焼き付き発生時の摺動部の温度を検出することができる。したがって、焼き付き荷重と、焼き付き発生時の摺動部の温度との関係を得ることができる。
また、第1実施形態に係る摩擦試験機1は、第1駆動装置21の動作を制御することにより、第1試料片31の回転速度を調節することができる。よって、摩擦面の相対速度の条件を様々に変更して、耐焼き付き性の評価を行うことができる。
また、第1実施形態に係る摩擦試験機1は、加熱部材72による加熱を制御することにより、湿式潤滑剤33の温度を調節することができる。よって、幅広い温度範囲(例えば600℃以下の範囲)で耐焼き付き性の評価を行うことができる。
また、第1実施形態に係る摩擦試験機1は、第2駆動装置28の動作を制御することにより、押し付け荷重(負荷圧力)を調節することができる。よって、負荷圧力(負荷荷重)を高めることにより、短時間(例えば、5分)での耐焼き付き性の評価が可能となる。
更に、第1実施形態に係る摩擦試験機1は、収容槽25に湿式潤滑剤33を収容していない状態で摩擦試験を行うこともできる。したがって、様々な環境下(油中、大気中、高温、高負荷荷重)で耐焼き付き性の評価を行うことができる。
なお、第1実施形態では、試料台24が収容槽25に収容される構成について説明したが、試料台24と収容槽25とは一体であり得る。この場合、収容槽25の収容凹部の底面が載置面となる。また、収容槽25の収容凹部の底面に凹部24aが形成される。
また、第1実施形態では、第1試料片31が球体である場合を例に説明したが、第1試料片31は、球体に限定されるものではない。例えば、第1試料片31は、球体の一部の形状を有し得る。換言すると、第1試料片31の下端部の外面のみが、球面の一部を切り取った形状であり得る。具体的には、第1試料片31は、半球又は1/3球であり得る。
[第2実施形態]
続いて図3〜図6を参照して、第2実施形態について説明する。但し、第1実施形態と異なる事項を主に説明し、第1実施形態と重複する説明は適宜割愛する。第2実施形態は、収容槽25の構成が第1実施形態と異なる。
続いて図3〜図6を参照して、第2実施形態について説明する。但し、第1実施形態と異なる事項を主に説明し、第1実施形態と重複する説明は適宜割愛する。第2実施形態は、収容槽25の構成が第1実施形態と異なる。
図3は、第2実施形態に係る収容槽25を示す側面図である。図3に示すように、収容槽25は、収容部251と、土台252と、ネジ253とを含む。収容部251は、ネジ253によって土台252に固定される。
図4(a)は、第2実施形態に係る試料台24を示す平面図であり、図4(b)は、第2実施形態に係る試料台24を示す断面図である。詳しくは、図4(b)は、図4(a)のIVB−IVB線に沿った断面を示している。図4(a)及び図4(b)に示すように、試料台24は直方体状である。よって、試料台24の載置面24bは矩形状である。また、凹部24aは、球面の一部を切り取った形状である。
図5(a)は、第2実施形態に係る収容槽25の収容部251を示す平面図であり、図5(b)は、第2実施形態に係る収容槽25の収容部251を示す断面図である。詳しくは、図5(b)は、図5(a)のVB−VB線に沿った断面を示している。図5(a)及び図5(b)に示すように、収容部251は、収容凹部251aと、ネジ孔251bとを有する。
収容凹部251aは、図4(a)及び図4(b)を参照して説明した試料台24を収容する。試料台24が直方体状である場合、収容凹部251aは、試料台24の厚みよりも深さが深い直方体状である。収容凹部251aを平面視したときの形状及びサイズは、試料台24の載置面24bの形状及びサイズと略一致するか、又は一致する。ネジ孔251bには、図3を参照して説明したネジ253が挿通される。
第2実施形態では、図3を参照して説明した土台252に収容部251を固定する際に、試料台24の凹部24aの中心が支持軸22の軸心上に位置するように収容部251の位置を調整する。図6(a)及び図6(b)は、収容部251の位置調整を実行する際の摩擦試験機1を示す図である。
収容部251の位置調整を行う際には、まず、ネジ253によって、収容部251を土台252に仮止めする。即ち、収容部251が土台252上である程度動くことが可能な程度に、ネジ253を弱く締め付ける。
その後、第1試料片31を回転させつつ、収容槽25を押し上げて、例えば1kg程度の荷重で試料台24の凹部24aに第1試料片31を接触させる。その結果、試料台24の凹部24aの中心が支持軸22の軸心上に位置するようになる。
試料台24の凹部24aに第1試料片31を接触させた後、第1試料片31の回転、及び収容槽25の上昇を停止させる。次いで、ネジ253によって、収容部251を土台252に固定する。即ち、ネジ253を固く締め付ける。
以上説明した第2実施形態によれば、容易に試料台24の凹部24aの中心を支持軸22の軸心上に位置させることができる。
[第3実施形態]
続いて図7を参照して、第3実施形態について説明する。但し、第1実施形態及び第2実施形態と異なる事項を主に説明し、第1実施形態及び第2実施形態と重複する説明は適宜割愛する。第3実施形態は、第1試料片31が第1実施形態及び第2実施形態と異なる。
続いて図7を参照して、第3実施形態について説明する。但し、第1実施形態及び第2実施形態と異なる事項を主に説明し、第1実施形態及び第2実施形態と重複する説明は適宜割愛する。第3実施形態は、第1試料片31が第1実施形態及び第2実施形態と異なる。
図7は、第3実施形態に係る第1試料片31を示す図である。図7に示すように、第3実施形態では、第1試料片31は軸状部材(棒状部材)である。第1試料片31は、図1を参照して説明した第2軸22bと同様にトルクセンサー23と接続している。また、第1試料片31の先端面311は曲面である。例えば、第1試料片31の先端面311は、球面の一部を切り取った形状であり得る。
以上説明した第3実施形態によれば、第1実施形態と同様に、第1試料片31に作用するトルクから、焼き付き荷重を測定することが可能となる。
以上、本発明による実施形態について図面を参照しながら説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。
例えば、本発明による実施形態では、第1試料片31の曲面が球面の一部を切り取った形状である場合を例に説明したが、第1試料片31の曲面は、球面の一部を切り取った形状に限定されるものではない。例えば、第1試料片31は、円柱状又は円盤状であり得る。この場合、第1試料片31の側面(外周面)が曲面となる。したがって、試料台24(第2試料片32)を移動させる方向は、支持軸22の軸心に垂直な方向となる。
図8は、第1試料片31の他例を示す図である。図8に示すように、第1試料片31が円盤状である場合、円盤の側面(外周面)が、第1試料片31の曲面である。この場合、支持軸22の軸心方向は、試料台24(第2試料片32)を移動させる方向(矢印Dで示す方向)に直交させる。
また、本発明による実施形態では、湿式潤滑剤33の耐焼き付き性を評価する場合を例に説明したが、摩擦試験機1は、湿式潤滑剤33の耐焼き付き性の評価にのみ使用されるものではない。例えば摩擦試験機1は、固体潤滑剤の焼き付き性の評価にも使用し得る。固体潤滑剤の焼き付き性を評価する際には、実際の条件に合わせて、第1試料片31のうちの第2試料片32と接触する部分、及び、第2試料片32のうちの第1試料片31と接触する部分のうちの少なくとも一方を固体潤滑剤によって覆う。また、収容槽25を空にして摩擦試験を行う。なお、摩擦試験機1を固体潤滑剤の焼き付き性の評価にのみ使用する場合は、収容槽25は省略され得る。
また、本発明による実施形態では、演算装置5が焼き付き荷重を検出(測定)し、出力装置6が、焼き付き荷重を示す画像を出力する場合を例に説明したが、本発明はこれに限定されない。演算装置5は、第1試料片31に作用するトルクの測定値と、押し付け荷重の測定値と、第2試料片32の温度の測定値とを示す画像を出力装置6に出力させてもよい。例えば、演算装置5は、トルクの測定値と、押し付け荷重の測定値と、第2試料片32の温度の測定値との関係を示すグラフの画像を、出力装置6に出力させ得る。
また、本発明による実施形態では、湿式潤滑剤33の温度を一定の温度に維持可能な構成を例に説明したが、本発明はこれに限定されない。湿式潤滑剤33の温度を一定の温度に維持する必要がない場合は、温度コントローラー7、潤滑剤温度センサー71、及び加熱部材72は省略され得る。
また、本発明による実施形態では、第2試料片32の温度を測定可能な構成を例に説明したが、本発明はこれに限定されない。第2試料片32の温度の測定を必要としない場合、試料片温度センサー29は省略され得る。また、制御装置4における第2試料片32の温度の測定値を取得する機能や、演算装置5における第2試料片32の温度を示す画像を生成する機能を省略し得る。
また、本発明による実施形態では、収容槽25に湿式潤滑剤33を収容する構成を例に説明したが、第1試料片31と第2試料片32との摺動部に、例えばポンプにより湿式潤滑剤を供給してもよい。
本発明は、潤滑剤の耐焼き付き性の評価に有用である。
1 摩擦試験機
2 本体部
4 制御装置
5 演算装置
21 第1駆動装置
22 支持軸
23 トルクセンサー
24 試料台
24a 凹部
25 収容槽
26 荷重センサー
28 第2駆動装置
31 第1試料片
32 第2試料片
33 湿式潤滑剤
2 本体部
4 制御装置
5 演算装置
21 第1駆動装置
22 支持軸
23 トルクセンサー
24 試料台
24a 凹部
25 収容槽
26 荷重センサー
28 第2駆動装置
31 第1試料片
32 第2試料片
33 湿式潤滑剤
Claims (12)
- 第1試料片を回転させる第1駆動装置と、
前記第1試料片に対向する凹部を有する載置面と、
前記第1試料片へ向けて前記載置面を移動させて、前記凹部を覆うように前記載置面に載置された薄板状の第2試料片を、回転する前記第1試料片によって塑性変形させる第2駆動装置と、
前記第2試料片を前記第1試料片に押し付ける荷重が増加するように前記第2駆動装置の動作を制御する制御装置と、
前記荷重に応じた信号を生成する荷重センサーと、
前記第1試料片に作用するトルクの大きさに応じた信号を生成するトルクセンサーと
を備える、摩擦試験機。 - 湿式潤滑剤を収容可能な収容槽を更に備え、
前記載置面は前記収容槽内に配置され、
前記第2駆動装置は、前記収容槽を移動させることにより、前記載置面を移動させて、前記収容槽に収容されている前記湿式潤滑剤を介して前記第1試料片と前記第2試料片とを接触させる、請求項1に記載の摩擦試験機。 - 前記収容槽に収容されている前記湿式潤滑剤の温度に応じた信号を生成する第1温度センサーと、
前記収容槽に収容されている前記湿式潤滑剤に熱を供給する加熱部材と、
前記第1温度センサーが生成する信号に基づき、前記収容槽に収容されている前記湿式潤滑剤の温度が所定の温度で保持されるように、前記加熱部材による加熱を制御する温度コントローラーと
を更に備える、請求項2に記載の摩擦試験機。 - 前記第1試料片のうちの前記第2試料片と接触する部分、及び、前記第2試料片のうちの前記第1試料片と接触する部分のうちの少なくとも一方が、固体潤滑剤によって覆われている、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の摩擦試験機。
- 前記制御装置は、
前記トルクセンサーが生成する信号に基づき、前記トルクの測定値を取得し、
前記荷重センサーが生成する信号に基づき、前記荷重の測定値を取得する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の摩擦試験機。 - 前記トルクの測定値と、前記荷重の測定値とに基づき、焼き付き荷重を検出する演算装置を更に備える、請求項5に記載の摩擦試験機。
- 前記演算装置は、
前記トルクの測定値から、前記トルクの微分値を算出し、
前記トルクの微分値が閾値以上となる前記荷重の測定値を前記焼き付き荷重として検出する、請求項6に記載の摩擦試験機。 - 前記第2試料片の温度に応じた信号を生成する第2温度センサーを更に備え、
前記制御装置は、前記第2温度センサーが生成する信号に基づき、前記第2試料片の温度の測定値を取得する、請求項5から請求項7のいずれか1項に記載の摩擦試験機。 - 前記第2温度センサーは、前記凹部の近傍に配置される、請求項8に記載の摩擦試験機。
- 前記第1試料片は曲面を含み、
前記凹部は前記曲面に対向し、
前記第2試料片は、回転する前記曲面によって塑性変形する、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の摩擦試験機。 - 前記曲面は球面の一部を切り取った形状であり、前記第1試料片の下端部の外面に形成されており、
前記第1駆動装置は、前記曲面の中心まわりに前記第1試料片を回転させる、請求項10に記載の摩擦試験機。 - 前記第1試料片は、球体である、請求項11に記載の摩擦試験機。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2015230812A JP2017096845A (ja) | 2015-11-26 | 2015-11-26 | 摩擦試験機 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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CN109556983A (zh) * | 2019-01-22 | 2019-04-02 | 四川大学 | 一种盘盘摩擦副摩擦磨损试验台 |
US10914673B2 (en) | 2018-07-31 | 2021-02-09 | Covestro Llc | Device and methods for torque measurement of friction via pulsed interference contact |
US20220187141A1 (en) * | 2020-12-16 | 2022-06-16 | Southwest Research Institute | Device and method to measure temperature during tribological examination of materials |
-
2015
- 2015-11-26 JP JP2015230812A patent/JP2017096845A/ja active Pending
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