JP2017096181A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数のピストンの冷却の進行度合いの差を小さくする。
【解決手段】1番気筒#1に隣接する2番気筒#2と、1番気筒用クランクピン4aと、クランクピン4aに対して180度クランク角の位相差を有する2番気筒用クランクピン4bとを備えたクランクシャフト4と、クランクピン4aに連結された1番気筒用ピストン2aと、クランクピン4bに連結された2番気筒用ピストン2bと、ピストン2aの裏面2a2およびピストン2bの裏面2b2にオイルを噴射するオイルジェット装置7とを備えた内燃機関の制御装置50において、制御装置50は、エンジン停止時に、ピストン停止位置制御部50aによってピストン2aを下死点前120度クランク角から下死点前60度クランク角の範囲内の位置に停止させた状態で、オイルジェット装置7によるオイルジェットを実行する。
【選択図】図1

Description

本発明は複数のピストンを有する内燃機関の制御装置に関する。
従来から、ピストンを有する内燃機関が知られている。この種の内燃機関の例としては、例えば特許文献1に記載されたものがある。特許文献1に記載された内燃機関では、エンジン停止中(つまり、ピストンの停止中)に、オイルポンプから吐出されたオイルが、オイルジェットから噴射されてピストンの裏側へ吹き付けられる。詳細には、特許文献1に記載された内燃機関では、エンジン停止中の燃焼室の温度上昇を抑制することによって、次回のエンジン始動時のノッキングの発生を抑制するために、エンジン停止中に、オイルがピストンの裏側へ吹き付けられて、ピストンが冷却される。
また、特許文献2には、エンジン停止後に電動オイルポンプが作動され、エンジンの各摺動部に潤滑油が供給される旨が記載されている。
特開2007−046510号公報 特開2014−105665号公報
ところで、特許文献1には、複数のピストンを有する内燃機関において、エンジン停止中にオイルジェットによって複数のピストンをどのように冷却すべきかについて記載されていない。
仮に、複数のピストンの冷却の進行度合いが異なる場合には、冷却の進行度合いが遅いピストンに合わせてピストンの裏面に対するオイルの噴射期間を設定すると、冷却の進行度合いが速いピストンの裏面に対するオイルの噴射期間が過剰になってしまい、燃費が悪化するおそれがある。一方、冷却の進行度合いが速いピストンに合わせてピストンの裏面に対するオイルの噴射期間を設定すると、冷却の進行度合いが遅いピストンの裏面に対するオイルの噴射期間が不足してしまい、冷却の進行度合いが遅いピストンに付着しているオイルが劣化するおそれがある。
前記問題点に鑑み、本発明は、複数のピストンの冷却の進行度合いの差を小さくすることができる内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
本発明によれば、第1気筒と、
前記第1気筒に隣接する第2気筒と、
第1気筒用クランクピンと、前記第1気筒用クランクピンに対して180度クランク角の位相差を有する第2気筒用クランクピンとを備えたクランクシャフトと、
第1気筒用コネクティングロッドを介して前記第1気筒用クランクピンに連結され、前記第1気筒内に配置された第1気筒用ピストンと、
第2気筒用コネクティングロッドを介して前記第2気筒用クランクピンに連結され、前記第2気筒内に配置された第2気筒用ピストンと、
前記第1気筒用ピストンの裏面および前記第2気筒用ピストンの裏面にオイルを噴射するオイルジェット装置とを具備する内燃機関の制御装置において、
前記制御装置は、前記第1気筒用ピストンおよび前記第2気筒用ピストンが停止する位置を制御するピストン停止位置制御部を有し、
さらに、前記制御装置は、エンジン停止時に、前記ピストン停止位置制御部によって、前記第1気筒用ピストンを下死点前120度クランク角から下死点前60度クランク角の範囲内の位置に停止させた状態で、前記オイルジェット装置によるオイルジェットを実行することを特徴とする内燃機関の制御装置が提供される。
つまり、本発明の内燃機関の制御装置では、ピストン停止位置制御部が第1気筒用ピストンを下死点前120度クランク角から下死点前60度クランク角の範囲内の位置に停止させることにより、第2気筒用ピストンが下死点後60度クランク角から下死点後120度クランク角の範囲内の位置に停止した状態で、オイルがオイルジェット装置から第1気筒用ピストンの裏面に噴射されると共に、オイルがオイルジェット装置から第2気筒用ピストンの裏面に噴射される。
すなわち、本発明の内燃機関の制御装置では、ピストン停止位置制御部によって、第1気筒用ピストンの裏面とオイルジェット装置との間隔と、第2気筒用ピストンの裏面とオイルジェット装置との間隔とが略等しくされた状態で、オイルがオイルジェット装置から第1気筒用ピストンの裏面および第2気筒用ピストンの裏面に噴射される。
そのため、本発明の内燃機関の制御装置では、第1気筒用ピストンの裏面とオイルジェット装置との間隔と、第2気筒用ピストンの裏面とオイルジェット装置との間隔とが異なる状態でオイルがオイルジェット装置から第1気筒用ピストンの裏面および第2気筒用ピストンの裏面に噴射される場合よりも、第1気筒用ピストンの冷却の進行度合いと第2気筒用ピストンの冷却の進行度合いとの差を小さくすることができる。
その結果、本発明の内燃機関の制御装置では、第1気筒用ピストンの裏面および第2気筒用ピストンの裏面に対するオイルの噴射期間を短縮し、かつ、第1気筒用ピストンおよび第2気筒用ピストンを十分に冷却することができる。
本発明によれば、複数のピストンの冷却の進行度合いの差を小さくすることができる。
第1の実施形態の内燃機関の制御装置が適用されたエンジンシステムを示した概略構成図である。 第1の実施形態の内燃機関の制御装置が適用されたエンジンシステムを示した概略構成図である。 上死点と下死点との中間位置に位置する1番気筒用ピストン2aの裏面2a2にオイルジェット装置7の1番気筒用ノズル7aからオイルOILが噴射される様子を示した図である。 第1の実施形態の内燃機関の制御装置のピストン冷却制御を説明するためのフローチャートである。 第1の実施形態の内燃機関の制御装置が適用された直列4気筒エンジンシステムにおいて図4のステップS103およびステップS104が実行される一例におけるピストン温度Tと時間との関係などを示したグラフである。 第2の実施形態の内燃機関の制御装置が適用されたエンジンシステムを示した概略構成図である。
以下、本発明の内燃機関の制御装置の第1の実施形態について説明する。図1および図2は第1の実施形態の内燃機関の制御装置が適用されたエンジンシステムを示した概略構成図である。
図1および図2に示す例では、第1の実施形態の内燃機関の制御装置が直列4気筒エンジンシステムに適用されており、図1中の断面部分は直列4気筒エンジンシステムの1番気筒#1(請求項1中の「第1気筒」に相当する。)に対応する部分を示しており、図2中の断面部分は直列4気筒エンジンシステムの2番気筒#2(請求項1中の「第2気筒」に相当する。)に対応する部分を示している。
図1および図2に示す例では、1番気筒#1(図1参照)と2番気筒#2(図2参照)とが隣接して配置されている。クランクシャフト4の1番気筒用クランクピン4a(請求項1中の「第1気筒用クランクピン」に相当する。)と2番気筒用クランクピン4b(請求項1中の「第2気筒用クランクピン」に相当する。)とが180度クランク角の位相差を有する。
図1に示すように、1番気筒#1内に配置された1番気筒用ピストン2a(請求項1中の「第1気筒用ピストン」に相当する。)は、1番気筒用コネクティングロッド5a(請求項1中の「第1気筒用コネクティングロッド」に相当する。)を介して1番気筒用クランクピン4aに連結されている。1番気筒用コネクティングロッド5aが、ピストンピン6aを中心に1番気筒用ピストン2aに対して回動可能に構成されている。また、1番気筒用コネクティングロッド5aが、1番気筒用クランクピン4aを中心に回動可能に構成されている。
さらに、1番気筒用ピストン2aの頂面2a1と、1番気筒#1の内壁面と、シリンダヘッド(図示せず)の下面(図示せず)とによって燃焼室3aが画定されている。クーリングチャンネル2a3が、1番気筒用ピストン2aの内部に形成されている。1番気筒用ピストン2aの裏面2a2とクーリングチャンネル2a3とが、連通路2a4を介して連通されている。
図2に示すように、2番気筒#2内に配置された2番気筒用ピストン2b(請求項1中の「第2気筒用ピストン」に相当する。)は、2番気筒用コネクティングロッド5b(請求項1中の「第2気筒用コネクティングロッド」に相当する。)を介して2番気筒用クランクピン4bに連結されている。2番気筒用コネクティングロッド5bが、ピストンピン6bを中心に2番気筒用ピストン2bに対して回動可能に構成されている。また、2番気筒用コネクティングロッド5bが、2番気筒用クランクピン4bを中心に回動可能に構成されている。
さらに、2番気筒用ピストン2bの頂面2b1と、2番気筒#2の内壁面と、シリンダヘッド(図示せず)の下面(図示せず)とによって燃焼室3bが画定されている。クーリングチャンネル2b3が、2番気筒用ピストン2bの内部に形成されている。2番気筒用ピストン2bの裏面2b2とクーリングチャンネル2b3とが、連通路2b4を介して連通されている。
図1および図2に示す例では、例えば燃焼室3a内の爆発により1番気筒用ピストン2aが1番気筒#1に対して下死点の側(図1の下側)に移動すると、1番気筒用クランクピン4aが、回転中心軸線4CLを中心とする図1の破線円上を矢印で示す向きに移動し、クランクシャフト4が回転する。その結果、2番気筒用クランクピン4bが、回転中心軸線4CLを中心とする図2の破線円上を矢印で示す向きに移動し、2番気筒用ピストン2bが2番気筒#2に対して上死点の側(図2の上側)に移動する。
すなわち、図1は1番気筒用ピストン2aが下死点前90度クランク角に対応する位置(つまり、1番気筒用ピストン2aの上死点と下死点との中間位置)に位置する状態を示している。図2は2番気筒用ピストン2bが下死点後90度クランク角に対応する位置(つまり、2番気筒用ピストン2bの上死点と下死点との中間位置)に位置する状態を示している。
詳細には、図1および図2に示す例では、1番気筒用クランクピン4aが下死点前120度クランク角に対応する位置P1(図1参照)に位置する時、2番気筒用クランクピン4bが下死点後60度クランク角に対応する位置P3(図2参照)に位置する。また、1番気筒用クランクピン4aが下死点前60度クランク角に対応する位置P2(図1参照)に位置する時、2番気筒用クランクピン4bが下死点後120度クランク角に対応する位置P4(図2参照)に位置する。
第1の実施形態の内燃機関の制御装置が直列4気筒エンジンシステムに適用された図1および図2に示す例では、3番気筒#3が2番気筒#2に隣接して配置されている。つまり、3番気筒#3が、2番気筒#2を隔てて1番気筒#1の反対側に配置されている。さらに、クランクシャフト4の1番気筒用クランクピン4aと3番気筒用クランクピン(図示せず)とが180度クランク角の位相差を有する。
そのため、図1に示すように、1番気筒用ピストン2aが下死点前90度クランク角に対応する位置に位置する時、3番気筒用ピストン(図示せず)は下死点後90度クランク角に対応する位置に位置する。
第1の実施形態の内燃機関の制御装置が直列4気筒エンジンシステムに適用された図1および図2に示す例では、4番気筒#4が3番気筒#3に隣接して配置されている。つまり、4番気筒#4が、3番気筒#3を隔てて2番気筒#2の反対側に配置されている。さらに、クランクシャフト4の1番気筒用クランクピン4aと4番気筒用クランクピン(図示せず)とが0度クランク角の位相差を有する。すなわち、1番気筒用クランクピン4aと4番気筒用クランクピンとの間には、位相差が存在しない。
そのため、図1に示すように、1番気筒用ピストン2aが下死点前90度クランク角に対応する位置に位置する時、4番気筒用ピストン(図示せず)は下死点前90度クランク角に対応する位置に位置する。
さらに、図1および図2に示す例では、1番気筒用ピストン2aの裏面2a2、2番気筒用ピストン2bの裏面2b2、3番気筒用ピストン(図示せず)の裏面(図示せず)および4番気筒用ピストン(図示せず)の裏面(図示せず)にオイルOIL(図3参照)を噴射するためのオイルジェット装置7が設けられている。オイルジェット装置7には、1番気筒用ピストン2aの裏面2a2にオイルOILを噴射する1番気筒用ノズル7a(図1および図3参照)と、2番気筒用ピストン2bの裏面2b2にオイルを噴射する2番気筒用ノズル7b(図2参照)と、3番気筒用ピストンの裏面にオイルを噴射する3番気筒用ノズル(図示せず)と、4番気筒用ピストンの裏面にオイルを噴射する4番気筒用ノズル(図示せず)とが設けられている。
詳細には、図1および図2に示す例では、上死点と下死点との中間位置に位置する1番気筒用ピストン2a(図1参照)の裏面2a2(図1参照)と1番気筒用ノズル7a(図1参照)との間隔と、上死点と下死点との中間位置に位置する2番気筒用ピストン2b(図2参照)の裏面2b2(図2参照)と2番気筒用ノズル7b(図2参照)との間隔と、上死点と下死点との中間位置に位置する3番気筒用ピストンの裏面と3番気筒用ノズルとの間隔と、上死点と下死点との中間位置に位置する4番気筒用ピストンの裏面と4番気筒用ノズルとの間隔とが等しくされている。
図3は上死点と下死点との中間位置に位置する1番気筒用ピストン2aの裏面2a2にオイルジェット装置7の1番気筒用ノズル7aからオイルOILが噴射される様子を示した図である。
図1および図3に示す例では、制御装置(ECU)50のオイルジェット制御部50cからの制御信号に基づき、電動オイルポンプ8が、オイル通路9a、9b、9c1を介してオイルジェット装置7の1番気筒用ノズル7aにオイルパン10内のオイルを供給する。さらに、オイルジェット装置7の1番気筒用ノズル7aが、電動オイルポンプ8により供給されたオイルOILを1番気筒用ピストン2aの裏面2a2に噴射する。その結果、1番気筒用ピストン2aがオイルOILによって冷却される。
詳細には、図3に示す例では、オイルジェット装置7の1番気筒用ノズル7aから1番気筒用ピストン2aの裏面2a2に噴射されたオイルOILが、連通路2a4(図1参照)を介してクーリングチャンネル2a3(図1参照)の内部に到達する。その結果、1番気筒用ピストン2aがオイルOILによって効率的に冷却される。
また、第1の実施形態の内燃機関の制御装置が適用された直列4気筒エンジンシステムでは、図2に示すように、オイル通路9c2を介して供給されたオイル(図示せず)が、オイルジェット装置7の2番気筒用ノズル7bによって2番気筒用ピストン2bの裏面2b2に噴射される。その結果、2番気筒用ピストン2bがオイルによって冷却される。
詳細には、オイルジェット装置7の2番気筒用ノズル7bから2番気筒用ピストン2bの裏面2b2に噴射されたオイルが、連通路2b4を介してクーリングチャンネル2b3の内部に到達する。その結果、2番気筒用ピストン2bがオイルによって効率的に冷却される。
さらに、オイル通路9c3を介して供給されたオイル(図示せず)が、オイルジェット装置7の3番気筒用ノズル(図示せず)によって3番気筒用ピストン(図示せず)の裏面(図示せず)に噴射される。その結果、3番気筒用ピストンがオイルによって冷却される。
また、オイル通路9c4を介して供給されたオイル(図示せず)が、オイルジェット装置7の4番気筒用ノズル(図示せず)によって4番気筒用ピストン(図示せず)の裏面(図示せず)に噴射される。その結果、4番気筒用ピストンがオイルによって冷却される。
さらに、図1および図2に示す例では、制御装置(ECU)50からの制御信号に基づき、電動オイルポンプ8が、オイル通路9a、9dおよびバルブ11を介して直列4気筒エンジンシステムの他の部位(図示せず)にオイルパン10内のオイルを供給することができる。
オイルジェット装置7(図1参照)から噴射されるオイルによって1番気筒用ピストン2a(図1参照)と、2番気筒用ピストン2b(図2参照)と、3番気筒用ピストン(図示せず)と、4番気筒用ピストン(図示せず)とが冷却されるとき、仮に、1番気筒用ピストン2aの裏面2a2(図1参照)と1番気筒用ノズル7a(図1参照)との間隔と、2番気筒用ピストン2bの裏面2b2(図2参照)と2番気筒用ノズル7b(図2参照)との間隔と、3番気筒用ピストンの裏面(図示せず)と3番気筒用ノズル(図示せず)との間隔と、4番気筒用ピストンの裏面(図示せず)と4番気筒用ノズル(図示せず)との間隔とが異なる場合には、1番気筒用ピストン2aと、2番気筒用ピストン2bと、3番気筒用ピストンと、4番気筒用ピストンとで冷却の進行度合いが異なってくる。
仮に、冷却の進行度合いが遅いピストンに合わせてピストンの裏面に対するオイルの噴射期間を設定すると、冷却の進行度合いが速いピストンの裏面に対するオイルの噴射期間が過剰になってしまい、燃費が悪化するおそれがある。
仮に、冷却の進行度合いが速いピストンに合わせてピストンの裏面に対するオイルの噴射期間を設定すると、冷却の進行度合いが遅いピストンの裏面に対するオイルの噴射期間が不足してしまい、冷却の進行度合いが遅いピストンに付着しているオイルが劣化するおそれがある。
この点に鑑み、第1の実施形態の内燃機関の制御装置では、1番気筒用ピストン2a、2番気筒用ピストン2b、3番気筒用ピストンおよび4番気筒用ピストンの冷却の進行度合いの差を小さくするためのピストン冷却制御が実行される。
図4は第1の実施形態の内燃機関の制御装置のピストン冷却制御を説明するためのフローチャートである。第1の実施形態の内燃機関の制御装置が適用された直列4気筒エンジンシステムでは、図4に示すルーチンが所定時間間隔で実行される。
図4に示すルーチンが開始されると、ステップS100において、エンジン停止要求の有無が判定される。エンジン停止要求が有るときには、ステップS101に進み、エンジン停止要求が無いときには、このルーチンを終了する。
ステップS101では、例えばシリンダブロック(図示せず)に配置された冷却水温センサ(図示せず)の出力値、過去のエンジンの運転条件などに基づき、制御装置50(図1参照)のピストン温度推定部50b(図1参照)により推定されたピストン温度(詳細には、1番気筒用ピストン2a(図1参照)、2番気筒用ピストン2b(図2参照)、3番気筒用ピストン(図示せず)および4番気筒用ピストン(図示せず)のいずれかの温度)Tが取得される。
次いで、ステップS102では、ピストン温度推定部50bにより推定されたピストン温度Tが所定値A以上であるか否かが判定される。YESのときには、1番気筒用ピストン2a、2番気筒用ピストン2b、3番気筒用ピストンおよび4番気筒用ピストンに付着しているオイル(オイルデポジット)が劣化するおそれがあると判断し、ステップS103に進む。一方、NOのときには、1番気筒用ピストン2a、2番気筒用ピストン2b、3番気筒用ピストンおよび4番気筒用ピストンに付着しているオイル(オイルデポジット)が劣化するおそれがないと判断し、ステップS105に進む。
ステップS103では、エンジン停止時に、制御装置50(図1参照)のピストン停止位置制御部50a(図1参照)によって、1番気筒用ピストン2a(図1参照)、2番気筒用ピストン2b(図2参照)、3番気筒用ピストン(図示せず)および4番気筒用ピストン(図示せず)が停止する位置を制御するピストン停止位置制御が実行される。
具体的には、第1の実施形態の内燃機関の制御装置が適用された直列4気筒エンジンシステムでは、特開2008−095655号公報の段落0029に記載されている手法と同様に、エンジン停止時の圧縮行程気筒内での燃焼を利用することにより、ピストン停止位置制御部50aが、1番気筒用ピストン2aおよび4番気筒用ピストンをクランク角が下死点前120度から下死点前60度の範囲内の位置に停止させると共に、2番気筒用ピストン2bおよび3番気筒用ピストンをクランク角が下死点後60度から下死点後120度の範囲内の位置に停止させる制御(第1停止制御)、あるいは、2番気筒用ピストン2bおよび3番気筒用ピストンをクランク角が下死点前120度から下死点前60度の範囲内の位置に停止させると共に、1番気筒用ピストン2aおよび4番気筒用ピストンをクランク角が下死点後60度から下死点後120度の範囲内の位置に停止させる制御(第2停止制御)を実行する。
ピストン停止位置制御部50aが、第1停止制御を実行するか、あるいは、第2停止制御を実行するかは、例えばクランクシャフト4(図1参照)の必要回転量などに基づいて決定される。具体的には、例えば第1停止制御を実行するためのクランクシャフト4の必要回転量が、第2停止制御を実行するためのクランクシャフト4の必要回転量よりも大きい場合には、ピストン停止位置制御部50aが第2停止制御を実行する。一方、例えば第1停止制御を実行するためのクランクシャフト4の必要回転量が、第2停止制御を実行するためのクランクシャフト4の必要回転量よりも小さい場合には、ピストン停止位置制御部50aが第1停止制御を実行する。
詳細には、ピストン停止位置制御部50a(図1参照)が第1停止制御を実行する場合には、1番気筒用クランクピン4a(図1参照)が、下死点前120度クランク角に対応する位置P1(図1参照)と下死点前60度クランク角に対応する位置P2(図1参照)との間の位置に停止し、4番気筒用クランクピン(図示せず)が、下死点前120度クランク角に対応する位置P1と下死点前60度クランク角に対応する位置P2との間の位置に停止し、2番気筒用クランクピン4b(図2参照)が、下死点後60度クランク角に対応する位置P3(図2参照)と下死点後120度クランク角に対応する位置P4(図2参照)との間の位置に停止し、3番気筒用クランクピン(図示せず)が、下死点後60度クランク角に対応する位置P3と下死点後120度クランク角に対応する位置P4との間の位置に停止した状態でエンジンが停止する。
第1停止制御が実行される場合には、1番気筒#1(図1参照)が請求項1中の「第1気筒」に相当し、2番気筒#2(図2参照)が請求項1中の「第2気筒」に相当し、1番気筒用ピストン2a(図1参照)が請求項1中の「第1気筒用ピストン」に相当し、2番気筒用ピストン2b(図2参照)が請求項1中の「第2気筒用ピストン」に相当する。
一方、ピストン停止位置制御部50a(図1参照)が第2停止制御を実行する場合には、1番気筒用クランクピン4a(図1参照)が、下死点後60度クランク角に対応する位置P3(図2参照)と下死点後120度クランク角に対応する位置P4(図2参照)との間の位置に停止し、4番気筒用クランクピン(図示せず)が、下死点後60度クランク角に対応する位置P3と下死点後120度クランク角に対応する位置P4との間の位置に停止し、2番気筒用クランクピン4b(図2参照)が、下死点前120度クランク角に対応する位置P1(図1参照)と下死点前60度クランク角に対応する位置P2(図1参照)との間の位置に停止し、3番気筒用クランクピン(図示せず)が、下死点前120度クランク角に対応する位置P1と下死点前60度クランク角に対応する位置P2との間の位置に停止した状態でエンジンが停止する。
第2停止制御が実行される場合には、2番気筒#2(図2参照)が請求項1中の「第1気筒」に相当し、1番気筒#1(図1参照)が請求項1中の「第2気筒」に相当し、2番気筒用ピストン2b(図2参照)が請求項1中の「第1気筒用ピストン」に相当し、1番気筒用ピストン2a(図1参照)が請求項1中の「第2気筒用ピストン」に相当する。
次いで、ステップS104では、制御装置50(図1参照)のオイルジェット制御部50c(図1参照)によって、1番気筒用ピストン2a(図1参照)、2番気筒用ピストン2b(図2参照)、3番気筒用ピストン(図示せず)および4番気筒用ピストン(図示せず)を均等に冷却するためのオイルジェット装置7(図1参照)によるオイルジェットが実行される。
具体的には、制御装置50のオイルジェット制御部50cによって電動オイルポンプ8(図1参照)が所定期間作動される。その結果、オイルジェット装置7の1番気筒用ノズル7a(図1参照)から1番気筒用ピストン2a(図1参照)の裏面2a2(図1参照)にオイルOIL(図3参照)が噴射され、オイルジェット装置7の2番気筒用ノズル7b(図2参照)から2番気筒用ピストン2b(図2参照)の裏面2b2(図2参照)にオイルが噴射され、オイルジェット装置7の3番気筒用ノズル(図示せず)から3番気筒用ピストン(図示せず)の裏面(図示せず)にオイルが噴射され、オイルジェット装置7の4番気筒用ノズル(図示せず)から4番気筒用ピストン(図示せず)の裏面(図示せず)にオイルが噴射される。それにより、1番気筒用ピストン2a、2番気筒用ピストン2b、3番気筒用ピストンおよび4番気筒用ピストンが均等に冷却される。
電動オイルポンプ8(図1参照)の作動期間は、事前評価などに基づき、1番気筒用ピストン2a(図1参照)、2番気筒用ピストン2b(図2参照)、3番気筒用ピストン(図示せず)および4番気筒用ピストン(図示せず)を冷却するために必要な期間に設定される。また、電動オイルポンプ8が発生する油圧の大きさは、事前評価などに基づき、1番気筒用ピストン2a、2番気筒用ピストン2b、3番気筒用ピストンおよび4番気筒用ピストンを冷却するために必要な油圧の大きさに設定される。事前評価には、例えば1番気筒用ピストン2a、2番気筒用ピストン2b、3番気筒用ピストンおよび4番気筒用ピストンの温度、オイルパン10(図1参照)内の油温などが用いられる。
詳細には、1番気筒用ピストン2a、2番気筒用ピストン2b、3番気筒用ピストンおよび4番気筒用ピストンの温度が所定値A(図4参照)より小さい値まで低下するように、電動オイルポンプ8の作動期間および油圧の大きさが設定される。
図1〜図3に示す例では、ステップS104において1番気筒用ピストン2a(図1参照)の裏面2a2(図1参照)、2番気筒用ピストン2b(図2参照)の裏面2b2(図2参照)、3番気筒用ピストン(図示せず)の裏面(図示せず)および4番気筒用ピストン(図示せず)の裏面(図示せず)にオイルが噴射される時(つまり、エンジン停止時)に、バルブ11(図1参照)が閉弁されており、オイルパン10(図1参照)内のオイルは、オイル通路9d(図1参照)およびバルブ11を介してエンジンシステムの他の部位(図示せず)に供給されない。そのため、第1の実施形態の内燃機関の制御装置が適用された直列4気筒エンジンシステムでは、オイルパン10内のオイルがエンジンシステムの他の部位に供給される場合よりも高圧のオイルを1番気筒用ピストン2aの裏面2a2、2番気筒用ピストン2bの裏面2b2、3番気筒用ピストンの裏面および4番気筒用ピストンの裏面に噴射することができ、1番気筒用ピストン2a、2番気筒用ピストン2b、3番気筒用ピストンおよび4番気筒用ピストンを効果的に冷却することができる。一方、エンジン運転時には、バルブ11が開弁されており、オイルパン10内のオイルがエンジンシステムの他の部位にも供給される。
ステップS105では、1番気筒用ピストン2a(図1参照)の裏面2a2(図1参照)と1番気筒用ノズル7a(図1参照)との間隔と、2番気筒用ピストン2b(図2参照)の裏面2b2(図2参照)と2番気筒用ノズル7b(図2参照)との間隔と、3番気筒用ピストン(図示せず)の裏面(図示せず)と3番気筒用ノズル(図示せず)との間隔と、4番気筒用ピストン(図示せず)の裏面(図示せず)と4番気筒用ノズル(図示せず)との間隔とが略等しくなるように、1番気筒用ピストン2a、2番気筒用ピストン2b、3番気筒用ピストンおよび4番気筒用ピストンを停止させるピストン停止位置制御(ステップS103)は実行されず、エンジンを停止させるための通常の停止制御が実行される。
換言すれば、第1の実施形態の内燃機関の制御装置では、ピストン停止位置制御部50a(図1参照)が1番気筒用ピストン2a(図1参照)および4番気筒用ピストン(図示せず)を下死点前120度クランク角から下死点前60度クランク角の範囲内の位置に停止させることにより、2番気筒用ピストン2b(図2参照)および3番気筒用ピストン(図示せず)が下死点後60度クランク角から下死点後120度クランク角の範囲内の位置に停止した状態、あるいは、ピストン停止位置制御部50aが2番気筒用ピストン2bおよび3番気筒用ピストンを下死点前120度クランク角から下死点前60度クランク角の範囲内の位置に停止させることにより、1番気筒用ピストン2aおよび4番気筒用ピストンが下死点後60度クランク角から下死点後120度クランク角の範囲内の位置に停止した状態で、オイルがオイルジェット装置7(図1および図2参照)から1番気筒用ピストン2aの裏面2a2(図1参照)、2番気筒用ピストン2bの裏面2b2(図2参照)、3番気筒用ピストンの裏面(図示せず)および4番気筒用ピストンの裏面(図示せず)に噴射される。
すなわち、第1の実施形態の内燃機関の制御装置では、ピストン停止位置制御部50aによって、1番気筒用ピストン2aの裏面2a2とオイルジェット装置7の1番気筒用ノズル7a(図1参照)との間隔と、2番気筒用ピストン2bの裏面2b2とオイルジェット装置7の2番気筒用ノズル7b(図2参照)との間隔と、3番気筒用ピストンの裏面とオイルジェット装置7の3番気筒用ノズル(図示せず)との間隔と、4番気筒用ピストンの裏面とオイルジェット装置7の4番気筒用ノズル(図示せず)との間隔とが略等しくされた状態で、オイルがオイルジェット装置7から1番気筒用ピストン2aの裏面2a2、2番気筒用ピストン2bの裏面2b2、3番気筒用ピストンの裏面および4番気筒用ピストンの裏面に噴射される。
そのため、第1の実施形態の内燃機関の制御装置では、1番気筒用ピストン2aの裏面2a2とオイルジェット装置7の1番気筒用ノズル7aとの間隔と、2番気筒用ピストン2bの裏面2b2とオイルジェット装置7の2番気筒用ノズル7bとの間隔と、3番気筒用ピストンの裏面とオイルジェット装置7の3番気筒用ノズルとの間隔と、4番気筒用ピストンの裏面とオイルジェット装置7の4番気筒用ノズルとの間隔とが異なる状態でオイルがオイルジェット装置7から1番気筒用ピストン2aの裏面2a2、2番気筒用ピストン2bの裏面2b2、3番気筒用ピストンの裏面および4番気筒用ピストンの裏面に噴射される場合よりも、1番気筒用ピストン2aの冷却の進行度合いと2番気筒用ピストン2bの冷却の進行度合いと3番気筒用ピストンの冷却の進行度合いと4番気筒用ピストンの冷却の進行度合いとの差を小さくすることができる。
その結果、第1の実施形態の内燃機関の制御装置では、1番気筒用ピストン2aの裏面2a2、2番気筒用ピストン2bの裏面2b2、3番気筒用ピストンの裏面および4番気筒用ピストンの裏面に対するオイルの噴射期間を短縮し、かつ、1番気筒用ピストン2a、2番気筒用ピストン2b、3番気筒用ピストンおよび4番気筒用ピストンを十分に冷却することができる。
図5(A)は第1の実施形態の内燃機関の制御装置が適用された直列4気筒エンジンシステムにおいて図4のステップS103およびステップS104が実行される一例におけるピストン温度Tと時間との関係を示したグラフである。図5(B)は第1の実施形態の内燃機関の制御装置が適用された直列4気筒エンジンシステムにおいて図4のステップS103およびステップS104が実行されず、ステップS105が実行される一例におけるピストン温度Tと時間との関係を示したグラフである。
図5(A)に示す例では、時間t1に、エンジン停止要求が出され、ステップS100(図4参照)においてYESと判定され、ステップS101(図4参照)においてピストン温度Tが取得され、ステップS102(図4参照)においてピストン温度Tが所定値A以上であると判定され、ステップS103(図4参照)が実行される。
その結果、時間t2に、1番気筒用ピストン2a(図1参照)、2番気筒用ピストン2b(図2参照)、3番気筒用ピストン(図示せず)および4番気筒用ピストン(図示せず)が停止する。詳細には、1番気筒用ピストン2aの裏面2a2(図1参照)と1番気筒用ノズル7a(図1参照)との間隔と、2番気筒用ピストン2bの裏面2b2(図2参照)と2番気筒用ノズル7b(図2参照)との間隔と、3番気筒用ピストンの裏面(図示せず)と3番気筒用ノズル(図示せず)との間隔と、4番気筒用ピストンの裏面(図示せず)と4番気筒用ノズル(図示せず)との間隔とが略等しくなった状態で、1番気筒用ピストン2a、2番気筒用ピストン2b、3番気筒用ピストンおよび4番気筒用ピストンが停止する。
さらに、時間t2にステップS104が実行され、1番気筒用ピストン2aの裏面2a2、2番気筒用ピストン2bの裏面2b2、3番気筒用ピストンの裏面および4番気筒用ピストンの裏面に対するオイルの噴射が開始される。その結果、ピストン温度Tが、低下し始め、所定値Aよりも小さくなる。
次いで、時間t3に、1番気筒用ピストン2aの裏面2a2、2番気筒用ピストン2bの裏面2b2、3番気筒用ピストンの裏面および4番気筒用ピストンの裏面に対するオイルの噴射が停止される。
図5(B)に示す例では、時間t11にエンジン停止要求が出され、ステップS100(図4参照)においてYESと判定され、ステップS101(図4参照)においてピストン温度Tが取得され、ステップS102(図4参照)においてピストン温度Tが所定値A未満であると判定され、ステップS105(図4参照)が実行される。
その結果、時間t12に、1番気筒用ピストン2a(図1参照)、2番気筒用ピストン2b(図2参照)、3番気筒用ピストン(図示せず)および4番気筒用ピストン(図示せず)が停止する。
図5(B)に示す例では、ステップS103(図4参照)が実行されないため、1番気筒用ピストン2a、2番気筒用ピストン2b、3番気筒用ピストンおよび4番気筒用ピストンが停止する時間t12に、1番気筒用ピストン2aの裏面2a2(図1参照)と1番気筒用ノズル7a(図1参照)との間隔、および、4番気筒用ピストンの裏面と4番気筒用ノズル(図示せず)との間隔と、2番気筒用ピストン2bの裏面2b2(図2参照)と2番気筒用ノズル7b(図2参照)との間隔、および、3番気筒用ピストンの裏面と3番気筒用ノズル(図示せず)との間隔とが、略等しいとは限らない。
また、図5(B)に示す例では、時間t11に、ステップS102においてピストン温度Tが所定値A未満であると判定され、1番気筒用ピストン2a、2番気筒用ピストン2b、3番気筒用ピストンおよび4番気筒用ピストンに付着しているオイル(オイルデポジット)が劣化するおそれがないと判断されるため、ステップS104(図4参照)が実行されない。
第1の実施形態の内燃機関の制御装置が適用された直列4気筒エンジンシステムにおいて、クランク角が下死点前120度から下死点前60度の範囲内の位置、あるいは、クランク角が下死点後60度から下死点後120度の範囲内の位置に1番気筒用ピストン2a(図1参照)、2番気筒用ピストン2b(図2参照)、3番気筒用ピストン(図示せず)および4番気筒用ピストン(図示せず)を停止させた状態で、オイルジェット(図4のステップS104)が実行される理由について説明する。
1番気筒用ピストン2a、2番気筒用ピストン2b、3番気筒用ピストンおよび4番気筒用ピストンを上死点と下死点との中間位置に停止させた状態でオイルジェットを実行する場合には、1番気筒用ノズル7a(図1参照)と1番気筒用ピストン2aの裏面2a2(図1参照)との間隔と、2番気筒用ノズル7b(図2参照)と2番気筒用ピストン2bの裏面2b2(図2参照)との間隔と、3番気筒用ノズル(図示せず)と3番気筒用ピストンの裏面(図示せず)との間隔と、4番気筒用ノズル(図示せず)と4番気筒用ピストンの裏面(図示せず)との間隔とが等しくなるため、1番気筒用ピストン2a、2番気筒用ピストン2b、3番気筒用ピストンおよび4番気筒用ピストンを均等に冷却することができる。
一方、例えばクランク角が下死点前120度の位置に1番気筒用ピストン2aおよび4番気筒用ピストンが停止しており、かつ、クランク角が下死点後60度の位置に2番気筒用ピストン2bおよび3番気筒用ピストンが停止している場合には、1番気筒用ピストン2a、2番気筒用ピストン2b、3番気筒用ピストンおよび4番気筒用ピストンが上死点と下死点との中間位置に停止している場合と比較して、1番気筒用ノズル7aと1番気筒用ピストン2aの裏面2a2との間隔と、2番気筒用ノズル7bと2番気筒用ピストン2bの裏面2b2との間隔と、3番気筒用ノズルと3番気筒用ピストンの裏面との間隔と、4番気筒用ノズルと4番気筒用ピストンの裏面との間隔とがばらつくものの、そのばらつき量は、1番気筒用ピストン2aのストローク(1番気筒用ピストン2aの上死点と下死点との間隔)の50%以下になる。
つまり、クランク角センサ(図示せず)の出力値に基づいて1番気筒用ピストン2a、2番気筒用ピストン2b、3番気筒用ピストンおよび4番気筒用ピストンの停止位置を正確に制御することにより、1番気筒用ピストン2a、2番気筒用ピストン2b、3番気筒用ピストンおよび4番気筒用ピストンを上死点と下死点との中間位置に正確に停止させた状態でオイルジェットを実行しなくても、クランク角が下死点前120度から下死点前60度の範囲内の位置、あるいは、クランク角が下死点後60度から下死点後120度の範囲内の位置に1番気筒用ピストン2a、2番気筒用ピストン2b、3番気筒用ピストンおよび4番気筒用ピストンを停止させた状態でオイルジェットを実行すれば、1番気筒用ピストン2a、2番気筒用ピストン2b、3番気筒用ピストンおよび4番気筒用ピストンを十分に均等に冷却することができる。
従って、第1の実施形態の内燃機関の制御装置が適用された直列4気筒エンジンシステムでは、1番気筒用ピストン2a、2番気筒用ピストン2b、3番気筒用ピストンおよび4番気筒用ピストンを上死点と下死点との中間位置に正確に停止させた状態でオイルジェットが実行されるのではなく、クランク角が下死点前120度から下死点前60度の範囲内の位置、あるいは、クランク角が下死点後60度から下死点後120度の範囲内の位置に1番気筒用ピストン2a、2番気筒用ピストン2b、3番気筒用ピストンおよび4番気筒用ピストンを停止させた状態でオイルジェットが実行される。
詳細には、例えば1番気筒用ピストン2aの裏面2a2等は、エンジン運転中、ステップS104とは異なる、例えば機械式オイルポンプ(図示せず)などによるオイルジェットの実行によって冷却されている。エンジンが停止すると、例えば機械式オイルポンプ(図示せず)などによるオイルジェットが停止するため、1番気筒用ピストン2aの裏面2a2等の温度は、頂面2a1等の温度と同程度まで上昇してくる。そのため、第1の実施形態の内燃機関の制御装置が適用された直列4気筒エンジンシステムでは、1番気筒用ピストン2a等に付着しているオイル(オイルデポジット)が劣化するおそれがあるとステップS102において判断したときに、ステップS104におけるオイルジェットが実行され、1番気筒用ピストン2a等が冷却される。
図4に示す例では、ピストン温度推定部50bにより推定されたピストン温度Tが所定値A未満のときに、ステップS104におけるオイルジェットが実行されないが、他の例では、例えば図5(B)に示す例のように、ステップS104におけるオイルジェットが実行されないためにピストン温度Tが所定値A以上になってしまうことを回避するために、エンジン停止毎に、ステップS103におけるピストン停止位置制御およびステップS104におけるオイルジェットを実行してもよい。
図1〜図3に示す例では、第1の実施形態の内燃機関の制御装置がディーゼルエンジンシステムに適用されているが、他の例では、第1の実施形態の内燃機関の制御装置をガソリンエンジンシステムに適用することもできる。
また、第1の実施形態の内燃機関の制御装置が適用された図1に示す例では、クランク角が下死点前120度から下死点前60度の範囲内の位置に1番気筒用ピストン2aを停止させるために、エンジン停止時の圧縮行程気筒内での燃焼が利用されているが、第1の実施形態の内燃機関の制御装置が適用された他の例では、代わりに、特開2008−095655号公報の段落0027に記載されている手法と同様に、スタータモータ(図示せず)を利用することにより、クランク角が下死点前120度から下死点前60度の範囲内の位置に1番気筒用ピストン2aを停止させることもできる。
あるいは、第1の実施形態の内燃機関の制御装置が適用された他の例では、代わりに、特開2014−040794号公報の段落0025に記載されている手法と同様に、モータジェネレータ(図示せず)を利用することにより、クランク角が下死点前120度から下死点前60度の範囲内の位置に1番気筒用ピストン2aを停止させることもできる。
第1の実施形態の内燃機関の制御装置が適用された図1に示す例では、オイルパン10内のオイルが、電動オイルポンプ8によって、オイル通路9a、9dおよびバルブ11を介してエンジンシステムの他の部位(図示せず)に供給されるが、第1の実施形態の内燃機関の制御装置が適用された他の例では、代わりに、機械式オイルポンプ(図示せず)がメインオイルポンプとしてオイル通路9a(図1参照)上に配置されており、オイル通路9aと並列に配置された他のオイル通路(図示せず)上に配置された電動オイルポンプ(図示せず)が、サブオイルポンプとして用いられる。
また、第1の実施形態の内燃機関の制御装置が適用された図1に示す例では、オイル通路9d上にバルブ11が配置されているが、第1の実施形態の内燃機関の制御装置が適用された他の例では、オイル通路9d上にバルブが配置されていない。
さらに、第1の実施形態の内燃機関の制御装置が適用された他の例では、オイル通路9b上に逆止弁(図示せず)が配置されており、サブオイルポンプとしての電動オイルポンプが配置されたオイル通路上に他の逆止弁(図示せず)が配置されている。
第1の実施形態の内燃機関の制御装置が適用された他の例では、エンジン運転中に機械式オイルポンプが用いられ、エンジン停止中に電動オイルポンプが用いられる。
詳細には、第1の実施形態の内燃機関の制御装置が適用された他の例では、オイルジェット(図4のステップS104)の実行時に、制御装置(ECU)50(図1参照)のオイルジェット制御部50c(図1参照)からの制御信号に基づき、電動オイルポンプがオイルパン10(図1参照)内のオイルをオイルジェット装置7(図1参照)に供給する。さらに、オイルジェット装置7が、電動オイルポンプにより供給されたオイルを1番気筒用ピストン2a(図1参照)の裏面2a2(図1参照)、2番気筒用ピストン2b(図2参照)の裏面2b2(図2参照)、3番気筒用ピストンの裏面および4番気筒用ピストンの裏面に噴射する。
第1の実施形態の内燃機関の制御装置が適用された図1に示す例では、オイルジェット(図4のステップS104)の実行時に、バルブ11が閉弁されているため、オイルパン10内のオイルは、オイル通路9dおよびバルブ11を介してエンジンシステムの他の部位(図示せず)に供給されない。
一方、第1の実施形態の内燃機関の制御装置が適用された他の例では、電動オイルポンプが作動するオイルジェット(図4のステップS104)の実行時に、逆止弁が閉弁するため、オイルパン10内のオイルは、オイル通路9dを介してエンジンシステムの他の部位に供給されない。
第1の実施形態の内燃機関の制御装置が適用された図1に示す例では、電動オイルポンプ8が設けられているが、第1の実施形態の内燃機関の制御装置が適用されたさらに他の例では、電動オイルポンプ8の代わりに、機械式オイルポンプ(図示せず)が設けられている。
詳細には、第1の実施形態の内燃機関の制御装置が適用されたさらに他の例では、エンジン運転中に、機械式オイルポンプが発生した油圧が、バルブ(図示せず)を介してアキュムレータ(図示せず)に蓄えられる。また、エンジン停止後のオイルジェット(図4のステップS104)の実行時には、エンジン運転中にアキュムレータに蓄えられた油圧がバルブを介して放出され、オイル通路9b(図1参照)を介してオイルジェット装置7(図1参照)にオイルが供給される。さらに、オイルジェット装置7が、アキュムレータから供給されたオイルを1番気筒用ピストン2a(図1参照)の裏面2a2(図1参照)、2番気筒用ピストン2b(図2参照)の裏面2b2(図2参照)、3番気筒用ピストンの裏面および4番気筒用ピストンの裏面に噴射する。
第1の実施形態の内燃機関の制御装置が適用されたさらに他の例では、1番気筒用ピストン2a、2番気筒用ピストン2b、3番気筒用ピストンおよび4番気筒用ピストンの冷却に必要な油圧、油量が事前の評価等で予め求められ、冷却に適したアキュムレータが用いられる。詳細には、エンジン運転中に、機械式オイルポンプが発生した油圧がアキュムレータに蓄えられ、さらに、エンジン運転中であって、アキュムレータへの蓄圧の完了後には、アキュムレータに蓄えられた油圧が保持される。
以下、本発明の内燃機関の制御装置の第2の実施形態について説明する。
第2の実施形態の内燃機関の制御装置が適用されたエンジンシステムは、後述する点を除き、上述した第1の実施形態の内燃機関の制御装置が適用されたエンジンシステムとほぼ同様に構成されている。従って、第2の実施形態の内燃機関の制御装置が適用されたエンジンシステムによれば、後述する点を除き、上述した第1の実施形態の内燃機関の制御装置が適用されたエンジンシステムとほぼ同様の効果を奏することができる。
図6は第2の実施形態の内燃機関の制御装置が適用されたエンジンシステムを示した概略構成図である。
図1および図6に示す例では、第2の実施形態の内燃機関の制御装置が水平対向4気筒エンジンシステムに適用されている。図1中の断面部分は水平対向4気筒エンジンシステムの1番気筒#1(請求項1中の「第1気筒」に相当する。)に対応する部分を示しており、図6中の断面部分は水平対向4気筒エンジンシステムの3番気筒#3(請求項1中の「第2気筒」に相当する。)に対応する部分を示している。
第2の実施形態の内燃機関の制御装置が水平対向4気筒エンジンシステムに適用された図1および図6に示す例では、1番気筒#1(図1参照)と3番気筒#3(図6参照)とが隣接して配置されている。クランクシャフト4の1番気筒用クランクピン4a(請求項1中の「第1気筒用クランクピン」に相当する。)と3番気筒用クランクピン4c(請求項1中の「第2気筒用クランクピン」に相当する。)とが180度クランク角の位相差を有する。
図1に示すように、1番気筒#1内に配置された1番気筒用ピストン2a(請求項1中の「第1気筒用ピストン」に相当する。)は、1番気筒用コネクティングロッド5a(請求項1中の「第1気筒用コネクティングロッド」に相当する。)を介して1番気筒用クランクピン4aに連結されている。1番気筒用コネクティングロッド5aが、ピストンピン6aを中心に1番気筒用ピストン2aに対して回動可能に構成されている。また、1番気筒用コネクティングロッド5aが、1番気筒用クランクピン4aを中心に回動可能に構成されている。
さらに、1番気筒用ピストン2aの頂面2a1と、1番気筒#1の内壁面と、シリンダヘッド(図示せず)の下面(図示せず)とによって燃焼室3aが画定されている。クーリングチャンネル2a3が、1番気筒用ピストン2aの内部に形成されている。1番気筒用ピストン2aの裏面2a2とクーリングチャンネル2a3とが、連通路2a4を介して連通されている。
図6に示すように、3番気筒#3内に配置された3番気筒用ピストン2c(請求項1中の「第2気筒用ピストン」に相当する。)は、3番気筒用コネクティングロッド5c(請求項1中の「第2気筒用コネクティングロッド」に相当する。)を介して3番気筒用クランクピン4cに連結されている。3番気筒用コネクティングロッド5cが、ピストンピン6cを中心に3番気筒用ピストン2cに対して回動可能に構成されている。また、3番気筒用コネクティングロッド5cが、3番気筒用クランクピン4cを中心に回動可能に構成されている。
さらに、3番気筒用ピストン2cの頂面2c1と、3番気筒#3の内壁面と、シリンダヘッド(図示せず)の下面(図示せず)とによって燃焼室3cが画定されている。クーリングチャンネル2c3が、3番気筒用ピストン2cの内部に形成されている。3番気筒用ピストン2cの裏面2c2とクーリングチャンネル2c3とが、連通路2c4を介して連通されている。
第2の実施形態の内燃機関の制御装置が水平対向4気筒エンジンシステムに適用された図1および図6に示す例では、例えば燃焼室3a内の爆発により1番気筒用ピストン2aが1番気筒#1に対して下死点の側(図1の下側)に移動すると、1番気筒用クランクピン4aが、回転中心軸線4CLを中心とする図1の破線円上を矢印で示す向きに移動し、クランクシャフト4が回転する。その結果、3番気筒用クランクピン4cが、回転中心軸線4CLを中心とする図6の破線円上を矢印で示す向きに移動し、3番気筒用ピストン2cが3番気筒#3に対して上死点の側(図6の上側)に移動する。
すなわち、図6は3番気筒用ピストン2cが下死点後90度クランク角に対応する位置(つまり、3番気筒用ピストン2cの上死点と下死点との中間位置)に位置する状態を示している。
詳細には、第2の実施形態の内燃機関の制御装置が水平対向4気筒エンジンシステムに適用された図1および図6に示す例では、1番気筒用クランクピン4aが下死点前120度クランク角に対応する位置P1(図1参照)に位置する時、3番気筒用クランクピン4cが下死点後60度クランク角に対応する位置P3(図6参照)に位置する。また、1番気筒用クランクピン4aが下死点前60度クランク角に対応する位置P2(図1参照)に位置する時、3番気筒用クランクピン4cが下死点後120度クランク角に対応する位置P4(図6参照)に位置する。
さらに、第2の実施形態の内燃機関の制御装置が水平対向4気筒エンジンシステムに適用された図1および図6に示す例では、1番気筒用ピストン2aの裏面2a2および3番気筒用ピストン2cの裏面2c2にオイルOIL(図3参照)を噴射するためのオイルジェット装置7が設けられている。オイルジェット装置7には、1番気筒用ピストン2aの裏面2a2にオイルOILを噴射する1番気筒用ノズル7a(図1および図3参照)と、3番気筒用ピストン2cの裏面2c2にオイルを噴射する3番気筒用ノズル7c(図6参照)とが設けられている。
詳細には、第2の実施形態の内燃機関の制御装置が水平対向4気筒エンジンシステムに適用された図1および図6に示す例では、上死点と下死点との中間位置に位置する1番気筒用ピストン2a(図1参照)の裏面2a2(図1参照)と1番気筒用ノズル7a(図1参照)との間隔と、上死点と下死点との中間位置に位置する3番気筒用ピストン2c(図6参照)の裏面2c2(図6参照)と3番気筒用ノズル7c(図6参照)との間隔とが等しくされている。
第2の実施形態の内燃機関の制御装置が適用された水平対向4気筒エンジンシステムでは、図6に示すように、オイル通路9c3を介して供給されたオイル(図示せず)が、オイルジェット装置7の3番気筒用ノズル7cによって3番気筒用ピストン2cの裏面2c2に噴射される。その結果、3番気筒用ピストン2cがオイルによって冷却される。
詳細には、オイルジェット装置7の3番気筒用ノズル7cから3番気筒用ピストン2cの裏面2c2に噴射されたオイルが、連通路2c4を介してクーリングチャンネル2c3の内部に到達する。その結果、3番気筒用ピストン2cがオイルによって効率的に冷却される。
オイルジェット装置7(図1参照)から噴射されるオイルによって1番気筒用ピストン2a(図1参照)と、3番気筒用ピストン2c(図6参照)とが冷却されるとき、仮に、1番気筒用ピストン2aの裏面2a2(図1参照)と1番気筒用ノズル7a(図1参照)との間隔と、3番気筒用ピストン2cの裏面2c2(図6参照)と3番気筒用ノズル7c(図6参照)との間隔とが異なる場合には、1番気筒用ピストン2aと、3番気筒用ピストン2cとで冷却の進行度合いが異なってくる。
仮に、冷却の進行度合いが遅いピストンに合わせてピストンの裏面に対するオイルの噴射期間を設定すると、冷却の進行度合いが速いピストンの裏面に対するオイルの噴射期間が過剰になってしまい、燃費が悪化するおそれがある。
仮に、冷却の進行度合いが速いピストンに合わせてピストンの裏面に対するオイルの噴射期間を設定すると、冷却の進行度合いが遅いピストンの裏面に対するオイルの噴射期間が不足してしまい、冷却の進行度合いが遅いピストンに付着しているオイルが劣化するおそれがある。
この点に鑑み、第2の実施形態の内燃機関の制御装置では、1番気筒用ピストン2aおよび3番気筒用ピストン2cの冷却の進行度合いの差を小さくするために、図4に示すピストン冷却制御が実行される。
第2の実施形態の内燃機関の制御装置が適用された水平対向4気筒エンジンシステムでは、ステップS103(図4参照)において、エンジン停止時に、制御装置50(図1参照)のピストン停止位置制御部50a(図1参照)によって、1番気筒用ピストン2a(図1参照)および3番気筒用ピストン2c(図6参照)が停止する位置を制御するピストン停止位置制御が実行される。
具体的には、第2の実施形態の内燃機関の制御装置が適用された水平対向4気筒エンジンシステムでは、特開2008−095655号公報の段落0029に記載されている手法と同様に、エンジン停止時の圧縮行程気筒内での燃焼を利用することにより、ピストン停止位置制御部50aが、1番気筒用ピストン2aをクランク角が下死点前120度から下死点前60度の範囲内の位置に停止させると共に、3番気筒用ピストン2cをクランク角が下死点後60度から下死点後120度の範囲内の位置に停止させる制御(第1停止制御)、あるいは、3番気筒用ピストン2cをクランク角が下死点前120度から下死点前60度の範囲内の位置に停止させると共に、1番気筒用ピストン2aをクランク角が下死点後60度から下死点後120度の範囲内の位置に停止させる制御(第2停止制御)を実行する。
詳細には、ピストン停止位置制御部50a(図1参照)が第1停止制御を実行する場合には、1番気筒用クランクピン4a(図1参照)が、下死点前120度クランク角に対応する位置P1(図1参照)と下死点前60度クランク角に対応する位置P2(図1参照)との間の位置に停止し、3番気筒用クランクピン4c(図6参照)が、下死点後60度クランク角に対応する位置P3(図6参照)と下死点後120度クランク角に対応する位置P4(図6参照)との間の位置に停止した状態でエンジンが停止する。
第1停止制御が実行される場合には、1番気筒#1(図1参照)が請求項1中の「第1気筒」に相当し、3番気筒#3(図6参照)が請求項1中の「第2気筒」に相当し、1番気筒用ピストン2a(図1参照)が請求項1中の「第1気筒用ピストン」に相当し、3番気筒用ピストン2c(図6参照)が請求項1中の「第2気筒用ピストン」に相当する。
一方、ピストン停止位置制御部50a(図1参照)が第2停止制御を実行する場合には、1番気筒用クランクピン4a(図1参照)が、下死点後60度クランク角に対応する位置P3(図6参照)と下死点後120度クランク角に対応する位置P4(図6参照)との間の位置に停止し、3番気筒用クランクピン4c(図6参照)が、下死点前120度クランク角に対応する位置P1(図1参照)と下死点前60度クランク角に対応する位置P2(図1参照)との間の位置に停止した状態でエンジンが停止する。
第2停止制御が実行される場合には、3番気筒#3(図6参照)が請求項1中の「第1気筒」に相当し、1番気筒#1(図1参照)が請求項1中の「第2気筒」に相当し、3番気筒用ピストン2c(図6参照)が請求項1中の「第1気筒用ピストン」に相当し、1番気筒用ピストン2a(図1参照)が請求項1中の「第2気筒用ピストン」に相当する。
次いで、ステップS104(図4参照)では、制御装置50(図1参照)のオイルジェット制御部50c(図1参照)によって、1番気筒用ピストン2a(図1参照)および3番気筒用ピストン2c(図6参照)を均等に冷却するためのオイルジェット装置7(図1参照)によるオイルジェットが実行される。
具体的には、制御装置50のオイルジェット制御部50cによって電動オイルポンプ8(図1参照)が所定期間作動される。その結果、オイルジェット装置7の1番気筒用ノズル7a(図1参照)から1番気筒用ピストン2a(図1参照)の裏面2a2(図1参照)にオイルOIL(図3参照)が噴射され、オイルジェット装置7の3番気筒用ノズル7c(図6参照)から3番気筒用ピストン2c(図6参照)の裏面2c2(図6参照)にオイルが噴射される。それにより、1番気筒用ピストン2aおよび3番気筒用ピストン2cが均等に冷却される。
換言すれば、第2の実施形態の内燃機関の制御装置では、ピストン停止位置制御部50a(図1参照)が1番気筒用ピストン2a(図1参照)を下死点前120度クランク角から下死点前60度クランク角の範囲内の位置に停止させることにより、3番気筒用ピストン2c(図6参照)が下死点後60度クランク角から下死点後120度クランク角の範囲内の位置に停止した状態、あるいは、ピストン停止位置制御部50aが3番気筒用ピストン2cを下死点前120度クランク角から下死点前60度クランク角の範囲内の位置に停止させることにより、1番気筒用ピストン2aが下死点後60度クランク角から下死点後120度クランク角の範囲内の位置に停止した状態で、オイルがオイルジェット装置7(図1および図6参照)から1番気筒用ピストン2aの裏面2a2(図1参照)および3番気筒用ピストン2cの裏面2c2(図6参照)に噴射される。
すなわち、第2の実施形態の内燃機関の制御装置では、ピストン停止位置制御部50aによって、1番気筒用ピストン2aの裏面2a2とオイルジェット装置7の1番気筒用ノズル7a(図1参照)との間隔と、3番気筒用ピストン2cの裏面2c2とオイルジェット装置7の3番気筒用ノズル7c(図6参照)との間隔とが略等しくされた状態で、オイルがオイルジェット装置7から1番気筒用ピストン2aの裏面2a2および3番気筒用ピストン2cの裏面2c2に噴射される。
そのため、第2の実施形態の内燃機関の制御装置では、1番気筒用ピストン2aの裏面2a2とオイルジェット装置7の1番気筒用ノズル7aとの間隔と、3番気筒用ピストン2cの裏面2c2とオイルジェット装置7の3番気筒用ノズル7cとの間隔とが異なる状態でオイルがオイルジェット装置7から1番気筒用ピストン2aの裏面2a2および3番気筒用ピストン2cの裏面2c2に噴射される場合よりも、1番気筒用ピストン2aの冷却の進行度合いと3番気筒用ピストン2cの冷却の進行度合いとの差を小さくすることができる。
その結果、第2の実施形態の内燃機関の制御装置では、1番気筒用ピストン2aの裏面2a2および3番気筒用ピストン2cの裏面2c2に対するオイルの噴射期間を短縮し、かつ、1番気筒用ピストン2aおよび3番気筒用ピストン2cを十分に冷却することができる。
第2の実施形態の内燃機関の制御装置が適用された図1および図6に示す例では、クランク角が下死点前120度から下死点前60度の範囲内の位置に1番気筒用ピストン2aを停止させるために、エンジン停止時の圧縮行程気筒内での燃焼が利用されているが、第2の実施形態の内燃機関の制御装置が適用された他の例では、代わりに、特開2008−095655号公報の段落0027に記載されている手法と同様に、スタータモータ(図示せず)を利用することにより、クランク角が下死点前120度から下死点前60度の範囲内の位置に1番気筒用ピストン2aを停止させることもできる。
あるいは、第2の実施形態の内燃機関の制御装置が適用された他の例では、代わりに、特開2014−040794号公報の段落0025に記載されている手法と同様に、モータジェネレータ(図示せず)を利用することにより、クランク角が下死点前120度から下死点前60度の範囲内の位置に1番気筒用ピストン2aを停止させることもできる。
以下、本発明の内燃機関の制御装置の第3の実施形態について説明する。
第3の実施形態の内燃機関の制御装置が適用されたエンジンシステムは、後述する点を除き、上述した第1の実施形態の内燃機関の制御装置が適用されたエンジンシステムとほぼ同様に構成されている。従って、第3の実施形態の内燃機関の制御装置が適用されたエンジンシステムによれば、後述する点を除き、上述した第1の実施形態の内燃機関の制御装置が適用されたエンジンシステムとほぼ同様の効果を奏することができる。
第3の実施形態の内燃機関の制御装置は、1番気筒#1(図1参照)と2番気筒#2(図2参照)とが隣接して配置されており、クランクシャフト4(図1参照)の1番気筒用クランクピン4a(図1参照)と2番気筒用クランクピン4b(図1参照)とが180度クランク角の位相差を有する直列2気筒エンジンシステムに適用されている。
つまり、第3の実施形態の内燃機関の制御装置が適用された直列2気筒エンジンシステムでは、図1および図2に示す構成要素のうち、オイル通路9c3、9c4(図1参照)、3番気筒#3(図1参照)および4番気筒#4(図1参照)が存在しない。
第3の実施形態の内燃機関の制御装置では、ピストン停止位置制御部50a(図1参照)が1番気筒用ピストン2a(図1参照)を下死点前120度クランク角から下死点前60度クランク角の範囲内の位置に停止させることにより、2番気筒用ピストン2b(図2参照)が下死点後60度クランク角から下死点後120度クランク角の範囲内の位置に停止した状態、あるいは、ピストン停止位置制御部50aが2番気筒用ピストン2bを下死点前120度クランク角から下死点前60度クランク角の範囲内の位置に停止させることにより、1番気筒用ピストン2aが下死点後60度クランク角から下死点後120度クランク角の範囲内の位置に停止した状態で、オイルがオイルジェット装置7(図1および図2参照)から1番気筒用ピストン2aの裏面2a2(図1参照)および2番気筒用ピストン2bの裏面2b2(図2参照)に噴射される。
すなわち、第3の実施形態の内燃機関の制御装置では、ピストン停止位置制御部50aによって、1番気筒用ピストン2aの裏面2a2とオイルジェット装置7の1番気筒用ノズル7a(図1参照)との間隔と、2番気筒用ピストン2bの裏面2b2とオイルジェット装置7の2番気筒用ノズル7b(図2参照)との間隔とが略等しくされた状態で、オイルがオイルジェット装置7から1番気筒用ピストン2aの裏面2a2および2番気筒用ピストン2bの裏面2b2に噴射される。
そのため、第3の実施形態の内燃機関の制御装置では、1番気筒用ピストン2aの裏面2a2とオイルジェット装置7の1番気筒用ノズル7aとの間隔と、2番気筒用ピストン2bの裏面2b2とオイルジェット装置7の2番気筒用ノズル7bとの間隔とが異なる状態でオイルがオイルジェット装置7から1番気筒用ピストン2aの裏面2a2および2番気筒用ピストン2bの裏面2b2に噴射される場合よりも、1番気筒用ピストン2aの冷却の進行度合いと2番気筒用ピストン2bの冷却の進行度合いとの差を小さくすることができる。
その結果、第3の実施形態の内燃機関の制御装置では、1番気筒用ピストン2aの裏面2a2および2番気筒用ピストン2bの裏面2b2に対するオイルの噴射期間を短縮し、かつ、1番気筒用ピストン2aおよび2番気筒用ピストン2bを十分に冷却することができる。
第4の実施形態では、上述した第1から第3の実施形態および各例を適宜組み合わせることもできる。
2a、2b、2c ピストン
2a1、2b1、2c1 頂面
2a2、2b2、2c2 裏面
2a3、2b3、2c3 クーリングチャンネル
2a4、2b4、2c4 連通路
3a、3b、3c 燃焼室
4 クランクシャフト
4a、4b、4c クランクピン
4CL 回転中心軸線
5a、5b、5c コネクティングロッド
6a、6b、6c ピストンピン
7 オイルジェット装置
7a、7b、7c ノズル
8 電動オイルポンプ
9a、9b、9c1、9c2、9c3、9c4、9d オイル通路
10 オイルパン
11 バルブ
50 制御装置
50a ピストン停止位置制御部
50b ピストン温度推定部
50c オイルジェット制御部

Claims (1)

  1. 第1気筒と、
    前記第1気筒に隣接する第2気筒と、
    第1気筒用クランクピンと、前記第1気筒用クランクピンに対して180度クランク角の位相差を有する第2気筒用クランクピンとを備えたクランクシャフトと、
    第1気筒用コネクティングロッドを介して前記第1気筒用クランクピンに連結され、前記第1気筒内に配置された第1気筒用ピストンと、
    第2気筒用コネクティングロッドを介して前記第2気筒用クランクピンに連結され、前記第2気筒内に配置された第2気筒用ピストンと、
    前記第1気筒用ピストンの裏面および前記第2気筒用ピストンの裏面にオイルを噴射するオイルジェット装置とを具備する内燃機関の制御装置において、
    前記制御装置は、前記第1気筒用ピストンおよび前記第2気筒用ピストンが停止する位置を制御するピストン停止位置制御部を有し、
    さらに、前記制御装置は、エンジン停止時に、前記ピストン停止位置制御部によって、前記第1気筒用ピストンを下死点前120度クランク角から下死点前60度クランク角の範囲内の位置に停止させた状態で、前記オイルジェット装置によるオイルジェットを実行することを特徴とする内燃機関の制御装置。
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