JP2017095656A - 半導電性シラン架橋樹脂成形体及び半導電性シラン架橋性樹脂組成物とそれらの製造方法、シランマスターバッチ、並びに、成形品 - Google Patents

半導電性シラン架橋樹脂成形体及び半導電性シラン架橋性樹脂組成物とそれらの製造方法、シランマスターバッチ、並びに、成形品 Download PDF

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Abstract

【課題】機械的強度、耐熱性及び外観に優れた半導電性シラン架橋樹脂成形体及びその製造方法、シランマスターバッチ、半導電性シラン架橋性樹脂組成物及びその製造方法、並びに、成形品を提供する。【解決手段】ポリオレフィン系樹脂に対して、有機過酸化物とカーボンブラックとシランカップリング剤とシラノール縮合触媒とを混合する工程において、カーボンブラック及びシランカップリング剤を下記式(I)で規定されるD値が50〜1750を満たす割合で予め混合する製造方法、これにより製造される半導電性シラン架橋性樹脂組成物及び半導電性シラン架橋樹脂成形体、シランマスターバッチ、並びに、成形品。式(I):D=Σ(A×B/C) (式中、AはカーボンブラックのBET比表面積(m2/g)を表し、Bはカーボンブラックの配合量を表し、Cはシランカップリング剤の配合量を表す。)【選択図】なし

Description

本発明は、半導電性シラン架橋樹脂成形体及び半導電性シラン架橋性樹脂組成物とそれらの製造方法、シランマスターバッチ、並びに、成形品に関する。
従来、例えば、電力ケーブル、特に高圧電力ケーブルは、一般に、絶縁体界面における電界集中の緩和や部分放電の防止を目的として、体積抵抗率として概ね10Ω・cm以下の導電性(本発明において、半導電性という)を持つ半導電層を絶縁体(絶縁層)の内部及び/又は外部に設けた構成になっている。また、電力ケーブル以外にOA機器用部材等にも、半導電性層を有するものがある。
このような半導電層は、一般に、エチレン系共重合体等のオレフィン系樹脂をベース樹脂とし、これに導電性カーボンブラックを配合することにより、半導電性が付与される。エチレン系共重合体としては、例えば、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体やエチレン−エチルアクリレート共重合体等が用いられる。また、導電性カーボンブラックとしては、ファーネスブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等が用いられる。
上記ケーブル等においては、半導電層にさらに耐熱性(ホットセット特性)を付与するため、半導電層を、架橋処理を施した架橋樹脂組成物で形成することがある。このような架橋樹脂組成物として、例えば、ポリエチレン樹脂に上記のような導電性カーボンブラックを配合し、硫黄等の架橋剤や有機過酸化物による化学架橋、電子線照射架橋を施した半導電性架橋ポリエチレン等が知られている。
しかしながら、耐熱性を付与するためには、架橋(加硫)工程を行うにあたり、加熱炉等の加硫設備を必要とする。これに加えて、十分な耐熱性を付与するためには長時間の加硫時間が必要とされ、生産性の点で課題を有していた。
これを改善するため、加水分解性シラノール化合物(シランカップリング剤)を用いたシラン架橋法、及び、シラン架橋法による半導電材料が提案されている。シラン架橋法は、一般に、有機パーオキサイドの存在下でシランカップリング剤を樹脂成分にグラフト反応させてシラングラフトポリマーを得た後に、好ましくはシラノール縮合触媒の存在下で水分と接触させることにより、シラン架橋樹脂を得る方法である。このシラン架橋法は、加硫設備等の特殊な設備を要しないことが多い。
シラン架橋法、及び、シラン架橋法による半導電材料として、例えば、特許文献1に記載の半導電性混和物、特許文献2に記載のシラン架橋半導電性樹脂組成物、及び、特許文献3に記載の半導電性組成物が挙げられる。
特開昭60−229085号公報 特開平3−60448号公報 特開平9−297792号公報
しかしながら、従来のシラン架橋法及び半導電材料においては、架橋度が十分ではなく、耐熱性の点で改善の余地があった。また、初期の機械的強度も十分に満足できるものではなかった。さらには、成形時に、成形体表面にツブ状物(ゲルブツともいう)が生じやすく、成形品の外観にも問題があった。
本発明は、上記の問題点を解決し、加硫設備を用いなくても、優れた機械的強度及び耐熱性を有するとともに、外観にも優れた半導電性シラン架橋樹脂成形体及びその製造方法を提供することを課題とする。
また、本発明は、この半導電性シラン架橋樹脂成形体を形成可能な、シランマスターバッチ、半導電性シラン架橋性樹脂組成物及びその製造方法を提供することを課題とする。
さらに、本発明は、半導電性シラン架橋樹脂成形体を含む成形品を提供することを課題とする。
本発明者らは、カーボンブラックとシランカップリング剤とを予め混合し、次いでポリオレフィン系樹脂を溶融混合する特定のシラン架橋法において、溶融混合時(シランカップリング剤のポリオレフィン系樹脂へのグラフト反応時)に、シランカップリング剤及びカーボンブラックを下記式(I)で規定されるD値が特定の値を満たす条件で併用すると、機械的強度及び耐熱性が高く、しかも優れた外観をも兼ね備えた半導電性シラン架橋樹脂成形体を製造できることを見出した。本発明者らはこれらの知見に基づきさらに研究を重ね、本発明をなすに至った。
すなわち、本発明の課題は以下の手段によって達成された。
<1>下記工程(1)、工程(2)及び工程(3)
工程(1):ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、有機過酸化物0.02〜0.6質量部と、カーボンブラックと、シランカップリング剤2〜15質量部と、シラノール縮合触媒とを混合して混合物を得る工程
工程(2):前記工程(1)で得られた混合物を成形して成形体を得る工程
工程(3):前記工程(2)で得られた成形体を水と接触させて半導電性シラン架橋樹脂成形体を得る工程
を有する半導電性シラン架橋樹脂成形体の製造方法であって、
前記工程(1)が、下記工程(a)〜工程(d)を有する、
工程(a):前記有機過酸化物と、下記式(I)で規定されるD値が50〜1750を満たす前記カーボンブラックと、前記シランカップリング剤とを混合する工程
式(I) D=Σ(A×B/C)
(式中、AはカーボンブラックのBET比表面積(m/g)を表し、Bはカーボンブラックの配合量を表し、Cはシランカップリング剤の配合量を表す。)
工程(b):前記工程(a)で得られた混合物と前記ポリオレフィン系樹脂の全部又は一部を前記有機過酸化物の分解温度以上の温度で溶融混合する工程
工程(c):前記シラノール縮合触媒とキャリア樹脂として前記ポリオレフィン系樹脂と異なる樹脂又は前記ポリオレフィン系樹脂の残部とを混合する工程
工程(d):前記工程(b)で得られた溶融混合物と、前記工程(c)で得られた混合物とを混合する工程
半導電性シラン架橋樹脂成形体の製造方法。
<2>前記カーボンブラックの配合量が、3〜90質量部である<1>に記載の半導電性シラン架橋樹脂成形体の製造方法。
<3>前記ポリオレフィン系樹脂が、ポリエチレン樹脂、酸共重合成分又は酸エステル共重合成分を有する共重合体の樹脂、スチレン系エラストマー及びエチレン−αオレフィン共重合体ゴムからなる群より選ばれた少なくとも1種である<1>又は<2>に記載の半導電性シラン架橋樹脂成形体の製造方法。
<4>前記ポリオレフィン系樹脂が、鉱物油を含有する<1>〜<3>のいずれか1項に記載の半導電性シラン架橋樹脂成形体の製造方法。
<5>前記シランカップリング剤が、ビニルトリメトキシシラン及び/又はビニルトリエトキシシランである<1>〜<4>のいずれか1項に記載の半導電性シラン架橋樹脂成形体の製造方法。
<6>ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、有機過酸化物0.02〜0.6質量部と、カーボンブラックと、シランカップリング剤2〜15質量部と、シラノール縮合触媒とを混合する工程を有する半導電性シラン架橋性樹脂組成物の製造方法であって、
前記混合する工程が、下記工程(a)〜工程(d)を有する、
工程(a):前記有機過酸化物と、下記式(I)で規定されるD値が50〜1750を満たす前記カーボンブラックと、前記シランカップリング剤とを混合する工程
式(I) D=Σ(A×B/C)
(式中、AはカーボンブラックのBET比表面積(m/g)を表し、Bはカーボンブラックの配合量を表し、Cはシランカップリング剤の配合量を表す。)
工程(b):前記工程(a)で得られた混合物と前記ポリオレフィン系樹脂の全部又は一部を前記有機過酸化物の分解温度以上の温度で溶融混合する工程
工程(c):前記シラノール縮合触媒とキャリア樹脂として前記ポリオレフィン系樹脂と異なる樹脂又は前記ポリオレフィン系樹脂の残部とを混合する工程
工程(d):前記工程(b)で得られた溶融混合物と、前記工程(c)で得られた混合物とを混合する工程
半導電性シラン架橋性樹脂組成物の製造方法。
<7>上記<6>に記載の半導電性シラン架橋性樹脂組成物の製造方法により製造されてなる半導電性シラン架橋性樹脂組成物。
<8>上記<1>〜<5>のいずれか1項に記載の半導電性シラン架橋樹脂成形体の製造方法により製造されてなる半導電性シラン架橋樹脂成形体。
<9>上記<8>に記載の半導電性シラン架橋樹脂成形体を含む成形品。
<10>ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、有機過酸化物0.02〜0.6質量部と、カーボンブラックと、シランカップリング剤2〜15質量部と、シラノール縮合触媒とを溶融混合してなる半導電性シラン架橋性樹脂組成物の製造に用いられるシランマスターバッチであって、
下記工程(a)及び工程(b)
工程(a):前記有機過酸化物と、下記式(I)で規定されるD値が50〜1750を満たす無機フィラーと、前記シランカップリング剤とを混合する工程
式(I) D=Σ(A×B/C)
(式中、AはカーボンブラックのBET比表面積(m/g)を表し、Bはカーボンブラックの配合量を表し、Cはシランカップリング剤の配合量を表す。)
工程(b):前記工程(a)で得られた混合物と前記ポリオレフィン系樹脂の全部又は一部を前記有機過酸化物の分解温度以上の温度で溶融混合する工程
により得られるシランマスターバッチ。
本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
本発明により、加硫設備を用いなくても、優れた機械的強度及び耐熱性を有するとともに、外観にも優れた半導電性シラン架橋樹脂成形体及びその製造方法を提供できる。また、本発明により、このような優れた特性を有する半導電性シラン架橋樹脂成形体を形成可能な、シランマスターバッチ、半導電性シラン架橋性樹脂組成物及びその製造方法を提供できる。さらには、上記の優れた特性を有する半導電性シラン架橋樹脂成形体を含む成形品を提供できる。
以下に本発明の好ましい実施の形態を詳細に説明する。
本発明の「半導電性シラン架橋樹脂成形体の製造方法」及び本発明の「半導電性シラン架橋性樹脂組成物の製造方法」は、いずれも、少なくとも下記工程(1)を行う。また、本発明の「シランマスターバッチ」は、下記工程(a)及び工程(b)により製造される。したがって、本発明の「半導電性シラン架橋樹脂成形体の製造方法」及び本発明の「半導電性シラン架橋性樹脂組成物の製造方法」(両者の共通部分の説明においては、これらを併せて、本発明の製造方法ということがある。)を、併せて、以下に説明する。また、本発明の「シランマスターバッチ」の製造方法のうち、本発明の製造方法との共通部分は、併せて、説明する。
工程(1):ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、有機過酸化物0.02〜0.6質量部と、カーボンブラックと、シランカップリング剤2〜15質量部と、シラノール縮合触媒とを混合して混合物を得る工程
工程(2):前記工程(1)で得られた混合物を成形して成形体を得る工程
工程(3):前記工程(2)で得られた成形体を水と接触させて半導電性シラン架橋樹脂成形体を得る工程
工程(1)は、下記工程(a)、工程(b)、工程(c)及び工程(d)を有する。
工程(a):有機過酸化物と、下記式(I)で規定されるD値が50〜1750を満たすカーボンブラックと、シランカップリング剤とを混合する工程
式(I) D=Σ(A×B/C)
(式中、AはカーボンブラックのBET比表面積(m/g)を表し、Bはカーボンブラックの配合量を表し、Cはシランカップリング剤の配合量を表す。)
工程(b):工程(a)で得られた混合物とポリオレフィン系樹脂の全部又は一部を有機過酸化物の分解温度以上の温度で溶融混合する工程
工程(c):シラノール縮合触媒とキャリア樹脂としてポリオレフィン系樹脂と異なる樹脂又はポリオレフィン系樹脂の残部とを混合する工程
工程(d):工程(b)で得られた溶融混合物と工程(c)で得られた混合物とを混合する工程
まず、本発明において用いる各成分について説明する。
<ポリオレフィン系樹脂>
本発明に用いるポリオレフィン系樹脂は、有機過酸化物の存在下で、シランカップリング剤の架橋基とグラフト反応可能な部位を主鎖中又はその末端に有する樹脂であればよい。グラフト反応可能な部位としては、例えば、炭素鎖の不飽和結合部位や、水素原子を有する炭素原子が挙げられる。このようなポリオレフィン系樹脂としては、特に限定されるものではなく、例えば上記電力ケーブル又はOA機器等の半導電層に用いられる樹脂等が挙げられる。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチレン−αオレフィン共重合体、酸共重合成分又は酸エステル共重合成分を有する共重合体からなる各樹脂が挙げられる。また、これら共重合体のゴムないしはエラストマー等も挙げられる。ゴムないしはエラストマーとしては、例えば、エチレン−αオレフィン共重合体ゴム、スチレン系エラストマー等が挙げられる。
この中でも、ポリエチレン樹脂、酸共重合成分又は酸エステル共重合成分を有する共重合体の樹脂、スチレン系エラストマー及びエチレン−αオレフィン共重合体ゴムからなる群より選ばれた少なくとも1種が好ましい。
ポリオレフィン系樹脂は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
ポリオレフィン系樹脂が複数の成分を含有する場合、各成分の合計が100質量%となるように、各成分の含有率が適宜に調製され、好ましくは下記範囲内から選択される。
ポリエチレン樹脂としては、特に限定されず、例えば、エチレンのみからなる単独重合体、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、超高分子量ポリエチレン(UHMW−PE)、直鎖型低密度ポリエチレン(LLDPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)の各樹脂が挙げられる。なかでも、直鎖型低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン(高圧法で重合されたものがさらに好ましい)又は高密度ポリエチレンの各樹脂が好ましい。
ポリエチレン樹脂の配合量は、特に限定されないが、ポリオレフィン系樹脂中、0〜100質量%であることが好ましく、20〜80質量%であることがより好ましい。
ポリプロピレン樹脂は、プロピレンの単独重合体、ランダムポリプロピレン等のエチレン−プロピレン共重合体及びブロックポリプロピレンの各樹脂を包含する。
ポリプロピレン樹脂の配合量は、特に限定されないが、ポリオレフィン系樹脂中、0〜50質量%であることが好ましく、0〜30質量%であることがより好ましい。
エチレン−αオレフィン共重合体の樹脂としては、ポリエチレン及びポリプロピレン以外の樹脂であれば特に限定されず、好ましくは、エチレンと炭素数3〜12のαオレフィンとの共重合体、より好ましくはエチレンと炭素数4〜12のαオレフィンとの共重合体の樹脂が挙げられる。αオレフィンの具体例としては、特に限定されず、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン等が挙げられる。エチレン−αオレフィン共重合体としては、特に限定されず、具体的には、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブチレン共重合体及びシングルサイト触媒存在下に合成されたエチレン−αオレフィン共重合体等が挙げられる。
エチレン−αオレフィン共重合体樹脂の配合量は、特に限定されないが、ポリオレフィン系樹脂中、0〜100質量%であることが好ましく、20〜80質量%であることがより好ましい。
酸共重合成分又は酸エステル共重合成分を有する共重合体の樹脂としては、特に限定されず、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸アルキル共重合体等が挙げられる。この中でも、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸ブチル共重合体の各樹脂が好ましく、さらにはカーボンブラックへの受容性及び難燃性の点から、エチレン−酢酸ビニル共重合体の樹脂が好ましい。
酸共重合成分又は酸エステル共重合成分を有する共重合体の樹脂の配合量は、特に限定されないが、ポリオレフィン系樹脂中、0〜100質量%であることが好ましく、0〜50質量%であることがより好ましい。
スチレン系エラストマーとしては、共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物との共重合体のエラストマー、又は、それらの水素添加物等が挙げられる。スチレン系エラストマーとしては、特に限定されず、例えば、スチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレン−エチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEEPS)、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、水素化SBS、水素化SIS、水素化スチレン・ブタジエンゴム(HSBR)等の各エラストマー等が挙げられる。
スチレン系エラストマーの配合量は、特に限定されないが、ポリオレフィン系樹脂中、0〜100質量%であることが好ましく、10〜50質量%であることがより好ましい。
エチレン−αオレフィン共重合体ゴムは、エチレンとαオレフィンを含む共重合体からなるゴムであれば、特に限定されず、エチレンゴム、アクリルゴム等が挙げられ、エチレンゴムが好ましい。
エチレンゴムは、エチレン性不飽和結合を有する化合物を共重合して得られる共重合体からなるゴム(エラストマーを含む)であれば特に限定されない。より好ましくは、エチレンとαオレフィンとの共重合体、エチレンとαオレフィンとジエンとの三元共重合体からなるゴムが挙げられる。αオレフィンとしては炭素数3〜12のαオレフィンが好ましい。エチレンとαオレフィンとの共重合体からなるゴムとして、例えば、エチレン−プロピレンゴム(EPR)、エチレン−ブテンゴム(EBR)、エチレン−オクテンゴム等が挙げられる。エチレンとαオレフィンとジエンとの三元共重合体からなるゴムとしては、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、エチレン−ブテン−ジエンゴム等が挙げられる。
エチレン−αオレフィン共重合体ゴムの配合量は、特に限定されないが、ポリオレフィン系樹脂中、0〜100質量%であることが好ましく、20〜80質量%であることがより好ましい。
また、ポリオレフィン系樹脂として、上記重合体等を不飽和カルボン酸で変性してなる樹脂、例えば無水マレイン酸変性ポリエチレン等のような酸無水物及びその変性物(酸変性樹脂)、ゴム等を、使用することができる。
ポリオレフィン系樹脂としてこれらを用いる場合、ポリオレフィン系樹脂中の配合量は、2〜20質量部であることが好ましい。
ポリオレフィン系樹脂が含有しうる鉱物油としては、特に限定されないが、芳香族有機油及び非芳香族有機油が挙げられ、非芳香族有機油が好ましい。非芳香族有機油としては、ナフテンオイル及びパラフィンオイルが挙げられ、力学的強度の点から、パラフィンオイルが好ましい。
鉱物油の配合量は、特に限定されないが、ポリオレフィン系樹脂中、0〜50質量%であることが好ましく、0〜30質量%であることがより好ましい。
ポリオレフィン系樹脂は、上述の成分の他に、後述する添加剤、又は、上記樹脂成分以外の樹脂成分を含有していてもよい。
<有機過酸化物>
有機過酸化物は、少なくとも熱分解によりラジカルを発生して、触媒としてシランカップリング剤のポリオレフィン系樹脂へのグラフト反応を生起させる働きをする。
本発明に用いられる有機過酸化物としては、ラジカルを発生させるものであれば特に制限はなく、例えば、一般式:R−OO−R、R−OO−C(=O)R、RC(=O)−OO(C=O)Rで表される化合物が好ましい。ここで、R〜Rは各々独立にアルキル基、アリール基又はアシル基を表す。各化合物のR〜Rのうち、いずれもアルキル基であるもの、又は、いずれかがアルキル基で残りがアシル基であるものが好ましい。
このような有機過酸化物としては、例えば、ジクミルパーオキサイド(DCP)、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、1,3−ビス(tert−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(tert−ブチルパーオキシ)バレレート、ベンゾイルパーオキサイド、p−クロロベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、tert−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジアセチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、tert−ブチルクミルパーオキサイド等を挙げることができる。これらのうち、臭気性、着色性、スコーチ安定性の点で、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3が好ましい。
有機過酸化物の分解温度は、120〜190℃であるのが好ましく、125〜180℃であるのが特に好ましい。
本発明において、有機過酸化物の分解温度とは、単一組成の有機過酸化物を加熱したとき、ある一定の温度又は温度域でそれ自身が2種類以上の化合物に分解反応を起こす温度を意味する。具体的には、DSC法等の熱分析により、窒素ガス雰囲気下で5℃/minの昇温速度で、室温から加熱したとき、吸熱又は発熱を開始する温度をいう。
<カーボンブラック>
本発明に用いるカーボンブラックとしては、シランカップリング剤の加水分解しうる有機基と水素結合又は共有結合等により化学結合しうる部位を有し、かつ導電性のカーボンブラックであれば、特に限定されない。シランカップリング剤の加水分解しうる有機基と化学結合しうる部位としては、OH基(水酸基、含水若しくは結晶水の水分子、カルボキシ基等のOH基)、アミノ基、SH基等が挙げられる。
カーボンブラックとしては、その種類は特に限定されず、種々のものを用いることができる。例えば、ファーネスブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、サーマルブラック等が挙げられる。なかでも、ファーネスブラック、アセチレンブラック又はケッチェンブラックが好ましい。
カーボンブラックは、表面処理されていてもよいし、無処理でもよい。
カーボンブラックのBET比表面積(m/g)は、後述する式(I)で規定されるD値が下記範囲を満たす限り、特に限定されない。カーボンブラック粒子同士の凝集を抑制でき成形体の外観に優れるとともに、機械的強度を付与できる点で、カーボンブラックのBET比表面積は、10〜200m/gが好ましく、20〜130m/gがより好ましく、30〜100m/gがさらに好ましい。
カーボンブラックのBET比表面積(m/g)は、JIS Z 8830:2013の「キャリアガス法」に準拠して、吸着質として窒素ガスを用いて、測定される値である。例えば、比表面積・細孔分布測定装置「フローソーブ」(島津製作所社製)を用いて測定した値である。
カーボンブラックが粉体の場合、その平均粒径は、10〜150nmであることが好ましく、15〜100nmであることがより好ましく、20〜80nmであることがさらに好ましい。カーボンブラックの平均粒径が上記範囲内にあると、半導電性シラン架橋樹脂成形体に耐熱性を付与できる。平均粒径は、TEM、SEM等により測定したカーボンブラック100個の粒径から求められる平均値をいう。
カーボンブラックは、1種類を単独で配合してもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
<シランカップリング剤>
本発明に用いるシランカップリング剤としては、特に限定されるものではなく、従来、シラン架橋法に使用されているシランカップリング剤が挙げられる。シランカップリング剤は、例えば下記一般式(1)で表される化合物が好ましい。
Figure 2017095656
一般式(1)中、Ra11はエチレン性不飽和基を含有する基、Rb11は脂肪族炭化水素基、水素原子又はY13である。Y11、Y12及びY13は加水分解しうる有機基である。Y11、Y12及びY13は互いに同じでも異なっていてもよい。
一般式(1)中、Ra11としては、例えば、ビニル基、(メタ)アクリロイルオキシアルキレン基、p−スチリル基等を挙げることができ、好ましくはビニル基である。
b11は、好ましくは後述のY13である。脂肪族炭化水素基としては、脂肪族不飽和炭化水素基を除く炭素数1〜8の1価の脂肪族炭化水素基が挙げられる。
11、Y12及びY13は、加水分解しうる有機基であり、例えば、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基が挙げられ、アルコキシ基が好ましい。加水分解しうる有機基としては、例えば、メトキシ、エトキシ、ブトキシ、アシルオキシ等を挙げることができる。なかでも、反応性の点から、メトキシ又はエトキシが好ましい。
上記シランカップリング剤としては、好ましくは加水分解速度の速いシランカップリング剤、より好ましくはRb11がY13であり、かつY11、Y12及びY13が互いに同じであるシランカップリング剤である。具体的には、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、ビニルジメトキシエトキシシラン、ビニルジメトキシブトキシシラン、ビニルジエトキシブトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン等のオルガノシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等のエチレン性不飽和基を末端に有するシランカップリング剤等を挙げることができる。これらのシランカップリング剤は単独又は2種以上併用してもよい。このような架橋性のシランカップリング剤の中でも、末端にビニル基とアルコキシ基を有するシランカップリング剤がさらに好ましく、ビニルトリメトキシシラン及びビニルトリエトキシシランの少なくとも1種が特に好ましい。
シランカップリング剤は、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよく、また、そのままで用いても、溶媒等で希釈して用いてもよい。
<シラノール縮合触媒>
シラノール縮合触媒は、ポリオレフィン系樹脂にグラフトしたシランカップリング剤を水分の存在下で縮合反応させる働きがある。このシラノール縮合触媒の働きに基づき、シランカップリング剤を介して、樹脂成分同士が架橋される。その結果、優れた耐熱性を有する半導電性シラン架橋樹脂成形体が得られる。
シラノール縮合触媒としては、特に限定されず、例えば、有機スズ化合物、金属石けん、白金化合物等が挙げられる。一般的なシラノール縮合触媒としては、例えば、ジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズジラウレート、ジブチルスズジオクチエート、ジブチルスズジアセテート、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸鉛、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ナトリウム、ナフテン酸鉛、硫酸鉛、硫酸亜鉛、有機白金化合物等が用いられる。
<キャリア樹脂>
本発明に用いるキャリア樹脂としては、特に限定されず、上記ポリオレフィン系樹脂と同様のものを用いることができる。好ましくは、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂である。キャリア樹脂は、エチレンゴム、スチレン系エラストマー等の樹脂成分やオイルを含んでいてもよい。
<添加剤>
半導電性シラン架橋樹脂成形体及び半導電性シラン架橋性樹脂組成物は、電線、電気ケーブル、電気コード、自動車用部材、OA機器、建築部材、雑貨、シート、発泡体、チューブ、パイプにおいて、一般的に使用されている各種の添加剤を、目的とする効果を損なわない範囲で適宜配合してもよい。このような添加剤としては、例えば、架橋助剤、酸化防止剤、滑剤、金属不活性剤、難燃(助)剤や他の樹脂等が挙げられる。
架橋助剤は、有機過酸化物の存在下において樹脂成分との間に部分架橋構造を形成する化合物をいう。例えば、多官能性化合物等が挙げられる。
酸化防止剤としては、特に限定されないが、例えば、アミン酸化防止剤、フェノール酸化防止剤又はイオウ酸化防止剤等が挙げられる。酸化防止剤は、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、好ましくは0.01〜2質量部、さらに好ましくは0.05〜1質量部で加えることができる。
滑剤としては、炭化水素、シロキサン、脂肪酸、脂肪酸アミド、エステル、アルコール、金属石けん等の各滑剤が挙げられる。
次に、本発明の製造方法を具体的に説明する。
本発明の製造方法において、工程(1)は、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、有機過酸化物0.02〜0.6質量部と、カーボンブラックと、シランカップリング剤2〜15質量部と、シラノール縮合触媒とを混合する工程である。これにより、混合物として半導電性シラン架橋性樹脂組成物が得られる。
工程(1)において、ポリオレフィン系樹脂の配合量は、特に限定されないが、工程(1)で得られる半導電性シラン架橋性樹脂組成物中の含有率が50質量%以上となる量であることが好ましく、70質量%以上となる量であることが好ましい。
工程(1)で使用されるポリオレフィン系樹脂は、工程(b)において「全量(100質量部)用いる態様」と、「その一部を用いる態様」とを含む。
工程(b)において、ポリオレフィン系樹脂の一部を用いる場合、ポリオレフィン系樹脂の残部を工程(c)においてキャリア樹脂として用いることができる。
本発明において、「ポリオレフィン系樹脂の一部」とは、ポリオレフィン系樹脂のうち工程(1)で使用する樹脂の一部をいう。この一部には、ポリオレフィン系樹脂そのものの一部(ポリオレフィン系樹脂と同一組成を有する)、ポリオレフィン系樹脂を構成する樹脂成分の一部(例えば、特定の樹脂成分の全量未満)、及び、ポリオレフィン系樹脂を構成する一部の樹脂成分(例えば、複数の樹脂成分のうちの特定の樹脂成分全量)を包含する。
また、「ポリオレフィン系樹脂の残部」とは、ポリオレフィン系樹脂のうち工程(b)で使用する一部を除いた残りのポリオレフィン系樹脂をいう。この残部には、ポリオレフィン系樹脂そのものの残部(ポリオレフィン系樹脂と同一組成を有する)、ポリオレフィン系樹脂を構成する樹脂成分の残部、及び、ポリオレフィン系樹脂を構成する残りの樹脂成分を包含する。
工程(b)でポリオレフィン系樹脂の一部を配合する場合、工程(1)におけるポリオレフィン系樹脂の配合量100質量部は、工程(b)及び工程(c)で混合されるポリオレフィン系樹脂の合計量である。工程(b)及び工程(c)の両工程で用いたポリオレフィン系樹脂の合計量(100質量部)が各成分の配合量の基準となる。
ここで、工程(b)でポリオレフィン系樹脂の一部を用いる場合、ポリオレフィン系樹脂は、工程(b)において、好ましくは50〜99質量%、より好ましくは60〜98.5質量%が配合され、工程(c)において、好ましくは1〜50質量%、より好ましくは1.5〜40質量%が配合される。
工程(1)において、有機過酸化物の配合量は、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、0.02〜0.6質量部であり、0.04〜0.4質量部が好ましい。有機過酸化物をこの範囲内にすることにより、副反応である樹脂成分同士の架橋反応が進むこともなく、ブツも発生することなく、押出性に優れたシラングラフトポリマーを調製することができる。
本発明において、カーボンブラックの配合量は、下記式(I)で規定されるD値が50〜1750を満たす限り、特に限定されない。例えば、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、3〜90質量部が好ましく、5〜70質量部であることがさらに好ましく、8〜50質量部であることが特に好ましい。カーボンブラックの配合量が上記範囲内にあると、半導電性シラン架橋樹脂成形体に、優れた、耐熱性、外観及び機械的強度を付与できる。また、シランカップリング剤が揮発や成形材料の発泡を抑えることができ、生産性又は製造性にも優れる。さらに、半導電性シラン架橋樹脂成形体に、優れた機械特性(破断時伸び)を付与できる。
シランカップリング剤の配合量は、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、2〜15質量部である。シランカップリング剤の配合量が2質量部未満であると、架橋反応が十分に進行せず、半導電性シラン架橋性樹脂組成物や半導電性シラン架橋樹脂成形体に所望の耐燃性や機械的強度を付与できないことがある。一方、15質量部を超えると、成形体にブツや焼けが生じて外観が低下することがある。また、溶融混練が困難になることがあり、また押出成形の際に所望の形状に成形できないことがある。シランカップリング剤の配合量は、3.5〜15質量部が好ましく、4質量部を超え15質量部以下がより好ましく、4質量部を超え12質量部以下がさらに好ましい。
本発明においては、カーボンブラックのBET比表面積A及び配合量B並びにシランカップリング剤の配合量Cは、上記範囲内で、下記式(I)で規定されるD値が50〜1750の範囲内となるように、選択される。すなわち、カーボンブラック及びシランカップリング剤を、下記D値が50〜1750の範囲内となる組み合わせで、用いる。
式(I):D=Σ(A×B/C)
式中、AはカーボンブラックのBET比表面積(m/g)を表し、Bはカーボンブラックの配合量を表し、Cはシランカップリング剤の配合量を表す。Σ(A×B/C)は、A×B/Cの合計量を表す。したがって、複数のカーボンブラックを用いる場合、各カーボンブラックについての、BET比表面積Aと配合量Bとの積をシランカップリング剤の配合量Cで除した値の合計量とする。
カーボンブラックの配合量B及びシランカップリング剤の配合量Cは、工程(1)における、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対する割合(質量部)である。
本発明において、上記式(I)で規定されるD値は、工程(a)において用いるカーボンブラック全体とシランカップリング剤との関係を規定している。工程(a)において、シランカップリング剤は、程度の差があるものの、各カーボンブラックに結合又は吸着するため、シランカップリング剤の結合又は吸着はカーボンブラック全体の表面積に関係する。したがって、本発明においては、シランマスターバッチ中で形成される、シランカップリング剤が結合又は吸着するカーボンブラック全体の特性を上記式(I)で規定されるD値により、規定する。
本発明において、式(I)で規定されるD値が50〜1750の範囲内になると、外観、機械的強度及び耐熱性を兼ね備えた半導電性シラン架橋樹脂成形体を製造できる。
その作用のメカニズムはまだ定かではないが次のように推定される。
工程(1)において、ポリオレフィン系樹脂は、有機過酸化物の存在下、カーボンブラック及びシランカップリング剤と共に有機過酸化物の分解温度以上で加熱混練される。これにより、有機過酸化物が分解してラジカルを発生して、ポリオレフィン系樹脂に対してシランカップリング剤によるグラフト反応が起こる。また、このときの加熱により、部分的には、シランカップリング剤とカーボンブラックの表面での水酸基等の基との共有結合による化学結合の形成反応も促進される。
すなわち、本発明の製造方法においては、ポリオレフィン系樹脂との混練り前及び/又は混練り時に、カーボンブラック及びシランカップリング剤を用いる。これにより、シランカップリング剤は、加水分解しうる有機基でカーボンブラックと結合して、保持される。又は、加水分解しうる有機基がカーボンブラックと結合することなく、カーボンブラックの穴や表面に物理的及び化学的に吸着して、保持される。このように、カーボンブラックに対して強い結合で結びつくシランカップリング剤(その理由は、例えば、カーボンブラック表面の水酸基等との化学結合の形成が考えられる)と、弱い結合で結びつくシランカップリング剤(その理由は、例えば、水素結合による相互作用、イオン、部分電荷若しくは双極子間での相互作用、化学的又は物理的な吸着による作用等が考えられる)を形成できる。
この状態で、有機過酸化物を加えてポリオレフィン系樹脂と混練りを行うと、カーボンブラックとの結合状態が異なるシランカップリング剤がそれぞれポリオレフィン系樹脂にグラフト反応したシラン架橋性樹脂が形成される。
上述の混練りにより、シランカップリング剤のうちカーボンブラックと強い結合を有するシランカップリング剤は、カーボンブラックとの結合が保持され、かつ、架橋基であるエチレン性不飽和基等がポリオレフィン系樹脂のグラフト反応可能な部位とグラフト反応する。特に、1つのカーボンブラック粒子の表面に複数のシランカップリング剤が強い結合を介して存在した場合、このカーボンブラック粒子を介してポリオレフィン系樹脂が複数結合する。これらの反応又は結合により、このカーボンブラックを介した架橋ネットワークが広がる。
式(I)で規定されるD値は、表面に結合しうるシランカップリング剤の配合量に対するカーボンブラックの表面積を表す。D値、すなわち、シランカップリング剤を結合可能なカーボンブラックの表面積Aが大きくなると、一定量のカーボンブラック粒子の表面積が大きいのでカーボンブラック粒子の単位表面積当たり、より多くのシランカップリング剤を結合できる。したがって、カーボンブラックの配合量を低減したとしても、カーボンブラックに結合するシランカップリング剤の量を維持できる。これにより、カーボンブラックでの架橋ネットワークが維持され、半導電性シラン架橋樹脂成形体に上記優れた特性を発揮させることができる。
しかし、D値が小さくなりすぎて50未満になると、シランカップリング剤に対するカーボンブラックの表面積が小さくなり、シランカップリング剤がカーボンブラックに結合しにくくなる(結合量が低減する)。したがって、溶融混練中にシランカップリング剤が揮発してしまったり、副反応を生じてしまったりする。これにより、得られる半導電性シラン架橋樹脂成形体は、耐熱性が劣り、場合によっては外観や機械的強度が劣るものとなることがある。また、半導電性シラン架橋樹脂成形体を製造しにくくなることがある。
一方、D値が大きくなりすぎて1750を超えると、シランカップリング剤に対するカーボンブラックの表面積が大きくなり、カーボンブラックに対してシランカップリング剤が強い結合で結合してしまう。したがって、カーボンブラックに対して弱い結合で結合しているシランカップリング剤をほとんど形成できなくなる。このときは、シラングラフト反応が生じにくくなり、耐熱性が維持できず、又は、架橋剤によってポリマー鎖同士が結合してしまう。その結果、得られる半導電性シラン架橋樹脂成形体は、耐熱性、場合によっては外観又は機械特性(特に機械的強度)が劣るものとなることがある。
式(I)で規定されるD値は、特に半導電性に加えて、耐熱性、機械的特性(機械的強度、破断時伸び)に優れるものとなる点で、70〜1500であることが好ましく、80〜1200であることがより好ましく、90〜1000である特に好ましい。
式(I)で規定されるD値は、カーボンブラックのBET比表面積A若しくは配合量B、又は、シランカップリング剤の配合量Cにより、適宜に調整できる。
工程(1)において、シラノール縮合触媒の配合量は、特に限定されず、例えば、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、0.01〜1質量部であることが好ましく、0.03〜0.6質量部であることがより好ましく、0.05〜0.5質量部であることがさらに好ましい。シラノール縮合触媒の配合量が上記範囲内にあると、架橋反応が十分に進行し、耐熱性(特に高温耐熱性)、変形性に優れたものとなる。また、シランカップリング剤同士の反応が抑えられ、ゲル化やブツ、シランカップリング剤の揮発により発泡を抑えることができる。
工程(1)においては、上記成分の他に用いることができる他の樹脂や上記添加物の配合量は、本発明の目的を損なわない範囲で、適宜に設定される。
工程(1)においては、架橋助剤を実質的に混合しないのが好ましい。ここで、実質的に混合しないとは、有機過酸化物の存在下において樹脂成分との間に部分架橋反応を生起しない程度の混合量で混合してもよいことを意味する。この混合量は適宜に設定できる。上記の意味で、不可避的に含有又は混合されることを除外するものではない。
工程(1)は、下記工程(a)〜工程(d)を有する。工程(1)がこれらの工程を有すると、各成分を均一に溶融混合でき、所期の効果を得ることができる。
工程(a):有機過酸化物と、下記式(I)で規定されるD値が50〜1750を満たすカーボンブラックと、シランカップリング剤とを混合する工程
式(I) D=Σ(A×B/C)
(式中、AはカーボンブラックのBET比表面積(m/g)を表し、Bはカーボンブラックの配合量を表し、Cはシランカップリング剤の配合量を表す。)
工程(b):工程(a)で得られた混合物とポリオレフィン系樹脂の全部又は一部を有機過酸化物の分解温度以上の温度で溶融混合する工程
工程(c):シラノール縮合触媒とキャリア樹脂として前記ポリオレフィン系樹脂と異なる樹脂又は前記ポリオレフィン系樹脂の残部とを混合をする工程
工程(d):工程(b)で得られた溶融混合物と、工程(c)で得られた混合物とを、ポリオレフィン系樹脂の溶融温度以上の温度で溶融混合する工程
工程(a)においては、有機過酸化物と、上記カーボンブラックと、シランカップリング剤と、所望により他の樹脂等とを、上記含有量で、混合する。混合は、これら成分を混合できる処理であればよく、有機過酸化物の分解温度未満の温度、例えば、室温(25℃)でのブレンドが挙げられる。
工程(a)において、上記温度が保持されている限り、ポリオレフィン系樹脂が存在していてもよい。
次いで、上記混合物とポリオレフィン系樹脂の全部又は一部とを、バンバリーミキサー等の混合機を用いて、加熱しながら溶融混練(溶融混合ともいう)する(工程(b))。この工程では、ポリオレフィン系樹脂は、有機過酸化物の存在下、カーボンブラック及びシランカップリング剤と、有機過酸化物の分解温度以上で、加熱混練される。これにより、溶融混合物としてシランマスターバッチ(シランMBともいう)が得られる。
混練温度は、有機過酸化物の分解温度以上の温度、好ましくは150〜230℃である。この混練温度では、上記成分が溶融し、有機過酸化物が分解、作用して必要なシラングラフト反応が進行する。混練時間等の混練条件は適宜設定することができる。
混練方法としては、ゴム、プラスチック等で通常用いられる方法であればよい。混練装置としては、例えば、一軸押出機、二軸押出機、ロール、バンバリーミキサー又は各種のニーダー等が用いられる。
本発明においては、上記混合物の調製工程(工程(a))は、上記溶融混練工程(工程(b))と別工程とすることなく、有機過酸化物、上記カーボンブラック、シランカップリング剤及びポリオレフィン系樹脂等を一緒に混合して、溶融混合物を調製することができる。例えば、工程(a)は、混練り機等で溶融混合する工程(b)と併せて一工程で行うことができる。具体的には、混練り工程の初期で工程(a)に用いる各成分をブレンドすることができる。
工程(a)及び工程(b)のいずれにおいても、シラノール縮合触媒を実質的に混合せずに上述の各成分を混合することが好ましい。これにより、シランカップリング剤の縮合反応を抑えることができる。実質的に混合しないとは上記の通りである。
工程(b)で調製されるシランマスターバッチは、シランカップリング剤がポリオレフィン系樹脂にグラフトしたシラン架橋性樹脂(シラングラフトポリマー)を含有している。
本発明においては、上記工程(a)及び(b)とは別に、シラノール縮合触媒とキャリア樹脂を混合する(工程(c))。これにより、架橋促進マスターバッチ(架橋促進MBともいう)が得られる。この混合は、均一に混合できる処理であればよく、例えばキャリア樹脂の溶融下で行う混合(溶融混合)が挙げられる。
キャリア樹脂は、工程(b)でポリオレフィン系樹脂の一部を用いる場合には、ポリオレフィン系樹脂の残部を用いることができる。この場合の配合量は上記の通りである。
一方、工程(b)でポリオレフィン系樹脂の全部を用いる場合、これとは別の樹脂を工程(c)で用いることができる。別の樹脂は、特に限定されず、種々の樹脂が挙げられる。この場合、別の樹脂の配合量は、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、好ましくは1〜50質量部であり、より好ましくは3〜30質量部である。
シラノール縮合触媒の配合量は、上記した通りであり、キャリア樹脂の配合量に応じて、適宜に決定される。
本発明の製造方法において、次いで、工程(b)で得られた溶融混合物(シランMB)と、工程(c)で得られた混合物(架橋促進MB)とを加熱しながら溶融混合する(工程(d))。これにより、溶融混合物として半導電性シラン架橋性樹脂組成物を得る。
混合温度は、ポリオレフィン系樹脂又はキャリア樹脂の溶融温度以上の温度であればよく、150〜230℃が好ましい。
溶融混合は、例えば工程(b)の溶融混合と同様に行うことができる。
工程(1)は、工程(a)〜(d)を同時又は連続して行うことができる。
得られる半導電性シラン架橋性樹脂組成物は、架橋方法の異なるシラン架橋性樹脂を含有する。シラン架橋性樹脂は、カーボンブラックと結合又は吸着したシランカップリング剤がポリオレフィン系樹脂にグラフトした架橋性樹脂と、カーボンブラックと結合又は吸着していないシランカップリング剤がポリオレフィン系樹脂にグラフト化した架橋性樹脂とを少なくとも含む。また、シラン架橋性樹脂は、カーボンブラックが結合又は吸着したシランカップリング剤と、カーボンブラックが結合又は吸着していないシランカップリング剤とを有していてもよい。
半導電性シラン架橋性樹脂組成物は、シランカップリング剤がシラノール縮合していない未架橋体である。実際的には、工程(d)の溶融混合下では一部架橋(部分架橋)は避けられないが、得られる半導電性シラン架橋性樹脂組成物について、少なくとも工程(2)での成形における成形性が保持されたものとする。
本発明の半導電性シラン架橋樹脂成形体の製造方法は、次いで、工程(2)及び工程(3)を行う。すなわち、本発明の半導電性シラン架橋樹脂成形体の製造方法において、得られた混合物を成形して成形体を得る工程(2)を行う。この工程(2)は、混合物を成形できればよく、本発明の成形品の形態に応じて、適宜の成形方法及び成形条件が選択される。成形方法は、押出機を用いた押出成形、射出成形機を用いた射出成形、その他の成形機を用いた成形が挙げられる。
この工程(2)は、工程(d)と同時に又は連続して、行うことができる。すなわち、工程(d)の溶融混合の一実施態様として、溶融成形の際、例えば押出成形の際に、又は、その直前に、各成形材料を溶融混合する態様が挙げられる。例えば、絶縁電線等を製造する場合、シランマスターバッチと架橋促進マスターバッチとの成形材料を例えば被覆装置内で溶融混合し、次いで、例えば導体等の外周面に押出被覆して所望の形状に成形する一連の工程を採用できる。
工程(2)で得られる成形体は、半導電性シラン架橋性樹脂組成物と同様に、一部架橋は避けられないが、工程(2)で成形可能な成形性を保持する部分架橋状態にある。
本発明の半導電性シラン架橋樹脂成形体の製造方法においては、工程(2)で得られた成形体を水と接触させる工程(3)を行う。これにより、シランカップリング剤がシラノール縮合して、架橋した半導電性シラン架橋樹脂成形体を得ることができる。
工程(3)は、得られた成形体を、湿熱処理、温水処理、常温水への浸漬又は常温等で放置することにより、ポリオレフィン系樹脂にグラフトしたシランカップリング剤を水分で加水分解して、架橋(縮合反応)を促進することができる。接触時間等の接触条件は適宜設定することができる。
このようにして、本発明の半導電性シラン架橋樹脂成形体が製造される。この半導電性シラン架橋樹脂成形体は、後述するように、シラン架橋性樹脂がシロキサン結合を介して縮合したシラン架橋樹脂を含んでいる。このシラン架橋樹脂成形体の一形態は、シラン架橋樹脂とカーボンブラックとを含有する。ここで、カーボンブラックはシラン架橋樹脂のシランカップリング剤に結合していてもよい。したがって、このシラン架橋樹脂は、1又は2以上のポリオレフィン系樹脂がシランカップリング剤によりカーボンブラックに結合又は吸着して、カーボンブラック及びシランカップリング剤を介して結合(架橋)した架橋樹脂と、上記シラン架橋性樹脂のシランカップリング剤が互いにシラノール縮合反応することにより、シランカップリング剤を介して架橋した架橋樹脂とを少なくとも含む。また、シラン架橋樹脂は、カーボンブラック及びシランカップリング剤を介した結合(架橋)と、シランカップリング剤を介した架橋とが混在していてもよい。
本発明の製造方法における反応機構等の詳細についてはまだ定かではないが、以下のように考えられる。
すなわち、ポリオレフィン系樹脂との混練り前及び/又は混練り時に、カーボンブラックに対してシランカップリング剤を混合することにより、混練り時のシランカップリング剤の揮発を抑えることができる。そのため、半導電性シラン架橋樹脂成形体の耐熱性及び外観の低下を防止できる。加えて、カーボンブラックに対して強い水素結合で結びつくシランカップリング剤と、弱い結合で結びつくシランカップリング剤を形成することができる。
このような表面処理がなされたカーボンブラックを、有機過酸化物の存在下で、ポリオレフィン系樹脂と共に、その融点以上の温度で混練りを行うと、表面処理されたカーボンブラックは、カーボンブラックと強い結合をしているシランカップリング剤を介してポリオレフィン系樹脂、及び表面処理されたカーボンブラック同士との間に結合を作り出すことができる(反応k)。
一方、カーボンブラックと弱い結合をしているシランカップリング剤は、カーボンブラックから離脱してポリオレフィン系樹脂とグラフト反応により結合する(反応m)。この(反応m)によりポリオレフィン系樹脂にグラフトしたシランカップリング剤は、その後、シラノール縮合触媒と混合され、水分と接触することにより縮合反応が生じ、シロキサン結合による架橋が生じる(反応n)。
このようにカーボンブラックに対して強い結合で結合したシランカップリング剤は、主に高い機械的強度、さらには耐摩耗性、耐外傷性、補強性に寄与する。また、カーボンブラックに対して弱い結合で結合したシランカップリング剤は、主に架橋度の向上に寄与する。
したがって、これらの結合を制御することにより、架橋度や機械的強度、さらには摩耗性、耐外傷性、補強性を制御することができる。
本発明においては、カーボンブラックのBET比表面積A及びその配合量B、並びに、シランカップリング剤の配合量Cを、上記式(I)で規定されるD値が50〜1750を満たす特定の範囲に調整する。これによって、反応k、反応m及び反応nが互いに相俟って、半導電性シラン架橋樹脂成形体及び半導電性シラン架橋性樹脂組成物に、高い耐熱性に加えて、優れた機械的強度及び外観を付与し、さらには、機械特性(破断時伸び)、耐摩耗性、耐外傷性をも付与することができる。
本発明の製造方法は、半導電性部材(半導電層)を有する製品(半製品、部品も含む。)の製造、さらには耐熱性や機械的強度が求められる製品、EPゴム製品の代替製品の製造等に適用することができる。したがって、本発明の成形品は、このような製品とされる。このとき、成形品は、半導電性シラン架橋樹脂成形体を含む成形品であってもよく、半導電性シラン架橋樹脂成形体のみからなる成形品でもよい。
本発明の成形品として、例えば、電界緩和のための半導電層を備えた電線又はケーブル、半導電架橋PEテープのみならず、コピー機やレーザープリンター等のOA機器用半導電ゴムロール、帯電防止材など、半導電性を生かした様々な製品が挙げられる。さらには、耐候性の必要とされるゴムモールド材(例えば、自動車用グラスランチャンネル、ウェザーストリップ、ゴムホース、ワイパーブレードゴム、防振ゴム)など、圧縮永久歪み特性も必要とされ、従来加硫工程を経ていたEPゴム製品の代替製品等も挙げられる。
本発明の成形品が、電線、ケーブルなど押出成形品である場合、押出し被覆装置内で成形材料を溶融混練しながら、導体を被覆成形し、チューブ状に押出成形し、又は、棒状やシート状に押出成形することができる(工程(d)及び工程(2))。
また、各種部品等に射出成形する場合、成形材料を射出成形機に導入し、射出成形することにより、得ることができる。
これらの成形体を、常温等での放置や湿熱放置、温水処理等水分と接触させて架橋をさせることにより、高い耐熱性を付与することが可能となる。
これらの成形品(半導電性シラン架橋樹脂成形体)の厚さは、用途等に応じて適宜設定されるので、一義的に規定できないが、一般に0.1〜50mm程度である。
以下、本発明を実施例に基づき、さらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
なお、表1及び表2において、各例における配合に関する数値は特に断らない限り質量部を表す。
実施例1〜16及び比較例1〜5について、下記成分を用いて、それぞれの諸元を表1及び表2に示す条件に設定して実施し、後述する評価をした。
表1及び表2中に示す各化合物の詳細を以下に示す。
<ポリオレフィン系樹脂>
(1)「EPDM」(商品名:ノーデル4725P、ダウ・ケミカル社製)、ムーニー粘度ML(1+4)125℃:25、エチレン含有量:70質量%、ジエン量:4.9質量%
(2)「HP−LDPE」(商品名:ノバテックHE−30、日本ポリエチレン社製)、密度:0.921g/cm、MFR(190℃、21.2N):0.3g/10分
(3)「LLDPE」(商品名:DFDJ−7540、NUC社製)、直鎖型低密度ポリエチレン、密度:0.922g/cm、MFR(190℃、21.2N):0.6g/10分
(4)「HDPE」(商品名:ハイゼックス5305E、プライムポリマー社製)、密度:0.951g/cm、MFR(190℃、21.2N):0.8g/10分
(5)「EVA」(商品名:エバフレックスEV360、三井デュポンポリケミカル社製)、エチレン−酢酸ビニル共重合体の樹脂、MFR(190℃、21.2N):2g/10分、VA含有量:25質量%
(6)「EEA」(商品名:NUC−6510、NUC社製)、エチレン−アクリル酸エチル共重合体の樹脂、MFR(190℃、21.2N):0.5g/10分、EA含有量:23質量%
(7)「SEPS」(商品名:セプトン4077、クラレ社製)、SEPS、スチレン含有量30質量%
(8)「プロセスオイル」(商品名:ダイアナプロセスオイルPW90、出光興産社製)、パラフィンオイル
<カーボンブラック>
(1)「カーボンブラック1」(商品名:旭カーボン#70、旭カーボン社製)、(ファーネスブラック、BET比表面積:77m/g、平均粒子径:28nm
(2)「カーボンブラック2」(商品名:旭カーボン#50、旭カーボン社製)、(ファーネスブラック、BET比表面積:23m/g、平均粒子径:80nm
(3)「カーボンブラック3」(商品名:旭カーボン#78、旭カーボン社製)、(ファーネスブラック、BET比表面積:124m/g、平均粒子径:22nm
<シランカップリング剤>
「シランカップリング剤」(商品名:KBM1003、信越化学工業社製)、ビニルトリメトキシシラン
<有機過酸化物>
「有機過酸化物」(商品名:パーヘキサ25B、日本油脂社製)、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、分解温度179.8℃
<シラノール縮合触媒>
「シラノール縮合触媒」(商品名:アデカスタブOT−1、ADEKA社製)、ジオクチルスズジラウリレート
(実施例1〜16及び比較例1〜4)
各例において、ポリオレフィン系樹脂(樹脂成分)の一部(ポリオレフィン系樹脂の全量に対して95質量%)を工程(a)で用い、ポリオレフィン系樹脂の残部(5質量%)を工程(b)でキャリア樹脂として用いた。
カーボンブラックと、シランカップリング剤と、有機過酸化物とを、表1及び表2に示す質量比で、室温(25℃)下において1分間混合(ドライブレンド)した。
得られた混合物とポリオレフィン系樹脂の一部(95質量部)とを、2Lバンバリーミキサー(日本ロール社製)を用いて、有機過酸化物の分解温度以上の温度(185℃)において5分間にわたり溶融混合した。その後、材料排出温度200℃で排出し、ペレット化してシランMBを得た。得られたシランMBは、ポリオレフィン系樹脂にシランカップリング剤がグラフトしたシラン架橋性樹脂を含有している。
表1及び表2には、各成分の配合量に加えて、上記式(I)で規定されるD値等を示した。
また、ポリオレフィン系樹脂の残部(5質量部)とシラノール縮合触媒0.1質量部とを150℃でバンバリーミキサー(日本ロール社製)にて溶融混合し、材料排出温度180℃で排出して、架橋促進MBを得た。
次いで、シランMBと架橋促進MBを電線被覆用押出成形機(L/D(スクリュー有効長Lと直径Dとの比)が25で、スクリュー直径が25mmφ)の直上で、25℃で約1分間にわたりドライブレンドして、ドライブレンド物を得た。
ここで、シランMBと架橋促進MBとの混合比は各例において、シランMBのポリオレフィン系樹脂が95質量%で、架橋促進MBのキャリア樹脂が5質量%となる割合(表1及び表2に記載の質量割合と同じ)とした。
−電線の製造−
得られたドライブレンド物を、上記電線被覆用押出成形機に投入して、下記押出温度条件により、0.8mmφの導体(軟銅線)の外周に仕上がり外径1.2mmφとなるように、線速10m/分で、押出被覆して、電線前駆体を製造した。
押出温度条件は、電線被覆用押出成形機のシリンダー部分における温度制御をフィーダー側からダイス側に向けて3ゾーンC1、C2、C3に分け、C1ゾーンを150℃、C2ゾーンを170℃、C3ゾーンを190℃に設定し、さらにダイス温度(成形温度)を200℃に設定した。
上記押出成形において、ドライブレンド物を電線被覆用押出成形機内で押出成形前に溶融混合することにより、シラン架橋性樹脂組成物を調製した。このシラン架橋性ゴム組成物は、上記シラン架橋性樹脂と、表1に示す含有量のカーボンブラック及び上記配合量のシラノール縮合触媒を含有している。
このようにして得られた電線前駆体を、温度25℃、湿度50±10%RH環境に24時間放置することにより、水と接触させて、電線を製造した。この電線は、ポリオレフィン系樹脂がシランカップリング剤等により架橋したシラン架橋樹脂と表1に示す含有量のカーボンブラックとを含有する半導電性シラン架橋樹脂成形体を被覆材として有している。
(比較例5)
表2に示す質量比で、カーボンブラックと、シランカップリング剤と、有機過酸化物と、ポリオレフィン系樹脂の一部(95質量部)とを、2Lバンバリーミキサー(日本ロール社製)を用いて、有機過酸化物の分解温度以上の温度(185℃)において5分間にわたり、溶融混合した。その後、材料排出温度200℃で排出し、ペレット化してシランMBを得た。このシランMBを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電線を製造した。
製造した絶縁電線について下記評価をし、その結果を表1及び表2に示した。
<押出外観試験>
押出外観試験は、製造した電線の外観を観察して評価した。
電線の外観が良好だったものを「A」、外観に製品として問題があるほどブツが発生していたものを「D」とした。評価「A」が本試験の合格である。
<引張特性(機械特性)>
得られた電線から導体を引き抜いた管状片を用いて、JIS C 3005に基づき、引張試験を行った。測定条件は、測定温度25℃、標点間距離20mm、引張速度200mm/分で引張強度を計測し、引張強度(機械的強度ともいう。MPa)及び破断時伸び(%)を測定した。
引張強度は5MPa以上である場合が本試験の合格である。破断時伸びは、参考試験であり、本試験において300%以上である場合を合格とする。
<ホットセット(200℃)>
ホットセットはIEC60811−2−1(JIS C 3660−2−1)に基づき実施した。得られた電線から導体を引き抜いた管状片に、標点間距離50mmの印を付けた後、管状片の一端に下記荷重をぶら下げた状態で、200℃の環境下に15分放置した。
15分経過しても管状片が破断せず、標点間距離の伸び率が100%以下であり、かつ荷重除去後の標点間距離の永久伸び率が25%以下であるものを、各加重における合格とした。
ぶら下げた荷重が20N/cm以上であっても合格したものを「A」、合格した最大荷重値が10N/cm以上20N/cm未満の範囲であったものを「B」とした。一方、合格した最大荷重値が10N/cm未満であった(15分以内に管状片が破断し、又は、上記伸び率を満たさなかった)もの(本試験の不合格)を「D」とした。
<体積固有抵抗(体積抵抗率)の測定>
各実施例及び比較例で製造したドライブレンド物を170℃で10分のプレス成形で厚さ1mmのシートサンプルを得た。そのシートをJIS K 6271に準拠し、500Vを電極間に印加し、1分後の体積抵抗率を測定した。
Figure 2017095656
Figure 2017095656
表1及び表2の結果から以下のことが分かる。
実施例1〜16により、いずれも、優れた、外観、機械的強度及び耐熱性を兼ね備えた半導電性シラン架橋樹脂成形体からなる被覆(半導電層)を有する絶縁電線を、製造性(生産性)よく、製造できた。これらの半導電層は破断時伸びにも優れていた。また、上記式(I)で規定されるD値が上記好ましい範囲内となるようにカーボンブラックとシランカップリング剤とを併用すると、半導電性シラン架橋樹脂成形体の外観及び機械的強度を損なうことなく、耐熱性をさらに向上できた。さらに、実施例1〜16により、優れた、外観、機械的強度及び耐熱性を兼ね備えた半導電性シラン架橋樹脂成形体を製造可能な、半導電性シラン架橋性樹脂組成物及びシランマスターバッチを調製できた。
これに対して、上記式(I)で規定されるD値が小さすぎる比較例1は、機械的強度及び耐熱性が不合格であった。また、D値が大きすぎる比較例2は耐熱性、さらには破断時伸びも不合格であった。さらに、シランカップリング剤の配合量が少なすぎる比較例3は機械的強度及び耐熱性が不合格であった。シランカップリング剤の配合量が多く、D値が小さすぎる比較例4は外観が不合格であった。比較例5では、カーボンブラックとシランカップリング剤とを予め混合することなく、ポリオレフィン系樹脂と溶融混合して、シランMBを調製した。しかし、架橋度が十分ではなく、耐熱性及び機械的強度が不合格であった。これは、シランカップリング剤が混合中に揮発したためと推定される。

Claims (10)

  1. 下記工程(1)、工程(2)及び工程(3)
    工程(1):ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、有機過酸化物0.02〜0.6質量部と、カーボンブラックと、シランカップリング剤2〜15質量部と、シラノール縮合触媒とを混合して混合物を得る工程
    工程(2):前記工程(1)で得られた混合物を成形して成形体を得る工程
    工程(3):前記工程(2)で得られた成形体を水と接触させて半導電性シラン架橋樹脂成形体を得る工程
    を有する半導電性シラン架橋樹脂成形体の製造方法であって、
    前記工程(1)が、下記工程(a)〜工程(d)を有する、
    工程(a):前記有機過酸化物と、下記式(I)で規定されるD値が50〜1750を満たす前記カーボンブラックと、前記シランカップリング剤とを混合する工程
    式(I) D=Σ(A×B/C)
    (式中、AはカーボンブラックのBET比表面積(m/g)を表し、Bはカーボンブラックの配合量を表し、Cはシランカップリング剤の配合量を表す。)
    工程(b):前記工程(a)で得られた混合物と前記ポリオレフィン系樹脂の全部又は一部を前記有機過酸化物の分解温度以上の温度で溶融混合する工程
    工程(c):前記シラノール縮合触媒とキャリア樹脂として前記ポリオレフィン系樹脂と異なる樹脂又は前記ポリオレフィン系樹脂の残部とを混合する工程
    工程(d):前記工程(b)で得られた溶融混合物と、前記工程(c)で得られた混合物とを混合する工程
    半導電性シラン架橋樹脂成形体の製造方法。
  2. 前記カーボンブラックの配合量が、3〜90質量部である請求項1に記載の半導電性シラン架橋樹脂成形体の製造方法。
  3. 前記ポリオレフィン系樹脂が、ポリエチレン樹脂、酸共重合成分又は酸エステル共重合成分を有する共重合体の樹脂、スチレン系エラストマー及びエチレン−αオレフィン共重合体ゴムからなる群より選ばれた少なくとも1種である請求項1又は2に記載の半導電性シラン架橋樹脂成形体の製造方法。
  4. 前記ポリオレフィン系樹脂が、鉱物油を含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導電性シラン架橋樹脂成形体の製造方法。
  5. 前記シランカップリング剤が、ビニルトリメトキシシラン及び/又はビニルトリエトキシシランである請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導電性シラン架橋樹脂成形体の製造方法。
  6. ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、有機過酸化物0.02〜0.6質量部と、カーボンブラックと、シランカップリング剤2〜15質量部と、シラノール縮合触媒とを混合する工程を有する半導電性シラン架橋性樹脂組成物の製造方法であって、
    前記混合する工程が、下記工程(a)〜工程(d)を有する、
    工程(a):前記有機過酸化物と、下記式(I)で規定されるD値が50〜1750を満たす前記カーボンブラックと、前記シランカップリング剤とを混合する工程
    式(I) D=Σ(A×B/C)
    (式中、AはカーボンブラックのBET比表面積(m/g)を表し、Bはカーボンブラックの配合量を表し、Cはシランカップリング剤の配合量を表す。)
    工程(b):前記工程(a)で得られた混合物と前記ポリオレフィン系樹脂の全部又は一部を前記有機過酸化物の分解温度以上の温度で溶融混合する工程
    工程(c):前記シラノール縮合触媒とキャリア樹脂として前記ポリオレフィン系樹脂と異なる樹脂又は前記ポリオレフィン系樹脂の残部とを混合する工程
    工程(d):前記工程(b)で得られた溶融混合物と、前記工程(c)で得られた混合物とを混合する工程
    半導電性シラン架橋性樹脂組成物の製造方法。
  7. 請求項6に記載の半導電性シラン架橋性樹脂組成物の製造方法により製造されてなる半導電性シラン架橋性樹脂組成物。
  8. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の半導電性シラン架橋樹脂成形体の製造方法により製造されてなる半導電性シラン架橋樹脂成形体。
  9. 請求項8に記載の半導電性シラン架橋樹脂成形体を含む成形品。
  10. ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して、有機過酸化物0.02〜0.6質量部と、カーボンブラックと、シランカップリング剤2〜15質量部と、シラノール縮合触媒とを溶融混合してなる半導電性シラン架橋性樹脂組成物の製造に用いられるシランマスターバッチであって、
    下記工程(a)及び工程(b)
    工程(a):前記有機過酸化物と、下記式(I)で規定されるD値が50〜1750を満たす無機フィラーと、前記シランカップリング剤とを混合する工程
    式(I) D=Σ(A×B/C)
    (式中、AはカーボンブラックのBET比表面積(m/g)を表し、Bはカーボンブラックの配合量を表し、Cはシランカップリング剤の配合量を表す。)
    工程(b):前記工程(a)で得られた混合物と前記ポリオレフィン系樹脂の全部又は一部を前記有機過酸化物の分解温度以上の温度で溶融混合する工程
    により得られるシランマスターバッチ。
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