JP2017095318A - ポーラスコンクリート及びその製造方法 - Google Patents

ポーラスコンクリート及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2017095318A
JP2017095318A JP2015230556A JP2015230556A JP2017095318A JP 2017095318 A JP2017095318 A JP 2017095318A JP 2015230556 A JP2015230556 A JP 2015230556A JP 2015230556 A JP2015230556 A JP 2015230556A JP 2017095318 A JP2017095318 A JP 2017095318A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mortar
porous concrete
volume
curing
water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015230556A
Other languages
English (en)
Inventor
石田 征男
Masao Ishida
征男 石田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taiheiyo Cement Corp
Original Assignee
Taiheiyo Cement Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Taiheiyo Cement Corp filed Critical Taiheiyo Cement Corp
Priority to JP2015230556A priority Critical patent/JP2017095318A/ja
Publication of JP2017095318A publication Critical patent/JP2017095318A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/91Use of waste materials as fillers for mortars or concrete

Landscapes

  • Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)

Abstract

【課題】高い圧縮強度および大きな連続空隙率を有するポーラスコンクリートを提供する。【解決手段】粗骨材と、該粗骨材に対する体積比が0.1〜0.6のモルタル硬化体とからなるポーラスコンクリートにおいて、上記モルタル硬化体が、セメント、BET比表面積が15〜25m2/gのシリカフューム、50%体積累積粒径が0.8〜5μmの無機粉末、細骨材、高性能減水剤、消泡剤及び水を含み、かつ上記セメント、上記シリカフューム及び上記無機粉末の合計量100体積%中、上記セメントの割合が55〜65体積%、上記シリカフュームの割合が5〜25体積%、上記無機粉末の割合が15〜35体積%であるモルタルの硬化体であることを特徴とするポーラスコンクリート。【選択図】なし

Description

本発明は、ポーラスコンクリート及びその製造方法に関する。
ポーラスコンクリートは、透水性や吸音性を有し、植物の植生が可能である等の特性を有することから、道路舗装、道路の側壁、河川の護岸等の種々の用途に用いられている。
ポーラスコンクリートは、透水性や吸音性の向上や大型の植物を植生することができる等の観点から、ポーラスコンクリートの体積に占める連続的な空間の割合(以下、「連続空隙率」ともいう。)の高いものが求められている。一方、連続空隙率が高くなると、強度(例えば、圧縮強度)が低くなるという問題がある。
強度と連続空隙率が高いポーラスコンクリートとして、例えば、特許文献1には、粗骨材と、該粗骨材に対する容積比が0.10〜0.80のモルタルとからなるポーラスコンクリートにおいて、該モルタルが、少なくとも、セメント、ポゾラン質微粉末、粒径2mm以下の細骨材、減水剤、及び水を含むことを特徴とするポーラスコンクリートが記載されている。
特開2001−253784号公報
上述の特許文献1に記載された実施例におけるポーラスコンクリートは、圧縮強度が26〜27MPaで、連続空隙率が25%のものである。この点、圧縮強度および連続空隙率がより高いポーラスコンクリートがあれば、好都合である。
そこで、本発明は、高い圧縮強度および連続空隙率を有するポーラスコンクリートを提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、粗骨材と、該粗骨材に対する体積比(モルタル硬化体/粗骨材の値)が0.1〜0.6のモルタル硬化体とからなるポーラスコンクリートにおいて、上記モルタル硬化体が、セメント、BET比表面積が15〜25m/gのシリカフューム、50%体積累積粒径が0.8〜5μmの無機粉末、細骨材、高性能減水剤、消泡剤及び水を含み、かつセメント、上記シリカフューム及び上記無機粉末の合計量100体積%中、セメント、上記シリカフューム、上記無機粉末の各割合が特定の数値範囲内であるモルタルの硬化体であるポーラスコンクリートによれば、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[7]を提供するものである。
[1] 粗骨材と、該粗骨材に対する体積比が0.1〜0.6のモルタル硬化体とからなるポーラスコンクリートにおいて、上記モルタル硬化体が、セメント、BET比表面積が15〜25m/gのシリカフューム、50%体積累積粒径が0.8〜5μmの無機粉末、細骨材、高性能減水剤、消泡剤及び水を含み、かつ上記セメント、上記シリカフューム及び上記無機粉末の合計量100体積%中、上記セメントの割合が55〜65体積%、上記シリカフュームの割合が5〜25体積%、上記無機粉末の割合が15〜35体積%であるモルタルの硬化体であることを特徴とするポーラスコンクリート。
[2] 上記セメントが、中庸熱ポルトランドセメント又は低熱ポルトランドセメントを構成する粒子を研磨処理してなる、角張った表面部分を丸みを帯びた形状に変形させてなる粒径20μm以上の粗粒子、及び、上記研磨処理によって生じる粒径20μm未満の微粒子を含み、50%体積累積粒径が10〜18μmで、かつブレーン比表面積が2,100〜2,900cm/gのものである前記[1]に記載のポーラスコンクリート。
[3] 上記モルタルが、金属繊維、有機繊維及び炭素繊維からなる群より選ばれる一種以上の繊維を含み、かつ上記モルタル中の上記繊維の割合が、3体積%以下である前記[1]又は[2]に記載のポーラスコンクリート。
[4] 上記細骨材の最大粒径が1.2mm以下である前記[1]〜[3]のいずれかに記載のポーラスコンクリート。
[5] 前記[1]〜[4]のいずれかに記載のポーラスコンクリートを製造するための方法であって、粗骨材と、該粗骨材に対する体積比が0.1〜0.6である上記モルタルを、粗骨材にモルタルが被覆した状態の互いに独立した粒体となるまで混練して、混練物を得る混練工程と、上記混練物を型枠内に打設し振動成形して、未硬化の成形体を得る成形工程と、上記未硬化の成形体を、10〜40℃で24時間以上、封緘養生または気中養生した後、上記型枠から脱型し、硬化した成形体を得る常温養生工程と、上記硬化した成形体について、70℃以上100℃未満で6時間以上の、蒸気養生もしくは温水養生と、100〜200℃で1時間以上のオートクレーブ養生のいずれか一方または両方を行い、加熱養生後の硬化体を得る加熱養生工程と、上記加熱養生後の硬化体を、150〜200℃で24時間以上、加熱(ただし、オートクレーブ養生による加熱を除く。)して、上記ポーラスコンクリートを得る高温加熱工程、を含むことを特徴とするポーラスコンクリートの製造方法。
[6] 上記常温養生工程と上記加熱養生工程の間に、上記硬化した成形体に吸水させる吸水工程を含む前記[5]に記載のポーラスコンクリートの製造方法。
[7] 上記振動成形が、1,000〜8,000vpmの振動数の外部振動である前記[5]又は[6]に記載のポーラスコンクリートの製造方法。
本発明のポーラスコンクリートは、高い圧縮強度および大きな連続空隙率を有する。
ローターの回転軸に対して垂直な方向に切断した断面を部分的に含む、高速気流撹拌装置の一例の正面図である。
本発明のポーラスコンクリートは、粗骨材と、該粗骨材に対する体積比が0.1〜0.6のモルタル硬化体とからなり、該モルタル硬化体が、セメント、BET比表面積が15〜25m/gのシリカフューム(以下、「シリカフューム」と略すことがある。)、50%体積累積粒径が0.8〜5μmの無機粉末(以下、「無機粉末」と略すことがある。)、細骨材、高性能減水剤、消泡剤及び水を含み、かつセメント、上記シリカフューム及び上記無機粉末の合計量100体積%中、セメントの割合が55〜65体積%、上記シリカフュームの割合が5〜25体積%、上記無機粉末の割合が15〜35体積%であるモルタルの硬化体であるものである。
粗骨材としては、川砂利、山砂利、陸砂利、砕石、人工粗骨材(例えば、スラグ粗骨材や、フライアッシュ等を焼成してなる焼成粗骨材)、再生粗骨材またはこれらの混合物等が挙げられる。
本発明においては、連続空隙率を高くするために、使用する粗骨材はできるだけその粒径範囲を小さくすることが好ましい。例えば、粒径範囲が2.5〜5mmである粗骨材、粒径範囲が5〜13mmである粗骨材、粒径範囲が10〜20mmである粗骨材等が好適である。
ここで、粒径範囲とは、粗骨材の最大粒径から最小粒径までの範囲をいう。また、「最大粒径」とは、粗骨材全体の90質量%以上が通るふるいのうち、最小寸法のふるいの呼び寸法で示される粗骨材の粒径をいう。「最小粒径」とは、粗骨材の中の最も粒径が小さいものから粒径が大きなものに向かって累積していった場合において、粗骨材全体の15質量%に達したときの粗骨材の粒径をいう。
粗骨材に対するモルタル硬化体の体積比(モルタル硬化体/粗骨材の体積比)は、0.1〜0.6、好ましくは0.2〜0.58、より好ましくは0.3〜0.56である。該体積比が0.1未満の場合、ポーラスコンクリートの圧縮強度が小さくなる。該体積比が0.6を超えると、ポーラスコンクリートの連続空隙率が小さくなる。
次に、本発明で用いられるモルタルについて詳細に説明する。
セメントの種類は、特に限定されるものではなく、例えば、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント等の各種ポルトランドセメントを使用することができる。
中でも、モルタルの作業性等を向上させる観点から、中庸熱ポルトランドセメント又は低熱ポルトランドセメントを使用することが好ましい。
また、モルタルの作業性等を向上させ、かつポーラスコンクリートの圧縮強度を高くする観点から、セメントとして、中庸熱ポルトランドセメント又は低熱ポルトランドセメントを構成する粒子を研磨処理してなる、角張った表面部分を丸みを帯びた形状に変形させてなる粒径20μm以上の粗粒子、及び、上記研磨処理によって生じる粒径20μm未満の微粒子を含み、50%体積累積粒径が10〜18μmで、かつブレーン比表面積が2,100〜2,900cm/gであるセメント(以下、「セメントの研磨処理物」ともいう。)を使用することがより好ましい。
上記粗粒子の粒径の上限は、特に限定されるものではないが、研磨処理されるセメントの一般的な粒径を考慮すると、通常200μm以下であり、ポーラスコンクリートの圧縮強度を高くする観点から、好ましくは100μm以下である。
上記微粒子の粒径の下限は、特に限定されるものではないが、モルタルの作業性の向上の観点から、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは0.5μm以上である。
セメントの研磨処理物に関し、50%体積累積粒径は、好ましくは10〜18μm、より好ましくは12〜16μmであり、ブレーン比表面積は、好ましくは2,100〜2,900cm/g、より好ましくは2,200〜2,700cm/gである。
上記50%体積累積粒径が10μm以上であれば、モルタルの作業性が向上する。上記50%体積累積粒径が18μm以下であれば、ポーラスコンクリートの圧縮強度がより高くなる。
上記ブレーン比表面積が2,100cm/g以上であれば、ポーラスコンクリートの圧縮強度がより高くなる。上記ブレーン比表面積が2,900cm/g以下であれば、モルタルの作業性が向上する。
上記研磨処理は、セメント(中庸熱ポルトランドセメント又は低熱ポルトランドセメント)を構成する粒子を研磨することが可能な公知の研磨処理装置を用いればよい。研磨処理装置としては、市販の高速気流撹拌装置(例えば、奈良機械製作所社製、商品名「ハイブリタイザーNHS−3型」)等が挙げられる。
以下、高速気流撹拌装置について、図1を参照しながら詳しく説明する。
原料であるセメントは、高速気流撹拌装置10の上部の投入口14から、開閉弁18を開いた状態で投入される。投入後、開閉弁18を閉じる。
投入されたセメントは、循環回路13の途中に設けられた開口部から循環回路13内に入り、その後、循環回路13の出口13bから、被処理物を収容する空間である衝突室17内に入る。
原料を投入後、固定体であるステーター16の内部に配設されているローター(回転体)11を高速回転させることで、ローター11及びローター11に固着されたブレード12によって高速気流が発生し、衝突室17内のセメントが撹拌される。撹拌中、セメントを構成する粒子は、衝突室17内に設けられた、循環回路13の入口13aから、循環回路13内に入り、衝突室17の中央部分に設けられた、循環回路13の出口13bから、再び衝突室17内に投入されることで循環する。
なお、図1中、点線で示す矢印は、粒子(セメントを構成する粒子、並びに、研磨処理によって生じた粗粒子および微粒子を含む。)の流れを示す。
撹拌によって、セメントを構成する粒子が衝突室17の内壁面、ローター11及びブレード12と衝突すること、並びに、セメントを構成する粒子同士が衝突することにより、セメントを構成する粒子が研磨されて、該粒子表面の角張った部分が丸みを帯びた形状に変化した粗粒子(粒径が20μm以上である粒子)、及び、微粒子(粒径が20μm未満である粒子)が生じる。
ローター11の回転速度は、好ましくは3,000〜4,200rpm、より好ましくは3,500〜4,000rpmである。該回転速度が3,000rpm以上であれば、モルタルの作業性が向上する。該回転速度が4,200rpmを超える場合、モルタルの作業性の向上効果が頭打ちとなる。また、高速気流撹拌装置の性能上、回転速度が4,200rpmを超えることは、困難である。
研磨処理の時間は、好ましくは10〜60分間、より好ましくは20〜50分間、さらに好ましくは20〜40分間、特に好ましくは20〜30分間である。該時間が10分間以上であれば、モルタルの作業性が向上する。該時間が60分間を超える場合、モルタルの作業性の向上効果が頭打ちとなる。
得られた研磨処理物(粗粒子と微粒子の混合物)は、排出弁19を開くことによって、排出口15から排出される。
シリカフュームのBET比表面積は、15〜25m/g、好ましくは17〜23m/g、特に好ましくは18〜22m/gである。該比表面積が15m/g未満の場合、ポーラスコンクリートの圧縮強度が低下する。該比表面積が25m/gを超える場合、モルタルの作業性が低下する。
50%体積累積粒径が0.8〜5μmの無機粉末としては、例えば、石英粉末(珪石粉末)、火山灰、及びフライアッシュ(分級または粉砕したもの)、スラグ粉末、石灰石粉末、長石類粉末、ムライト類粉末、アルミナ粉末、シリカゾル、炭化物粉末、窒化物粉末等が挙げられる。
これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
中でも、モルタルの作業性を向上させ、ポーラスコンクリートの圧縮強度を高くする観点から、石英粉末またはフライアッシュを使用することが好ましい。
なお、本明細書中、50%体積累積粒径が0.8〜5μmの無機粉末には、セメントは含まれないものとする。
無機粉末の50%体積累積粒径は、0.8〜5μm、好ましくは1〜4μm、より好ましくは1.1〜3.5μm、特に好ましくは1.2μm以上、3μm未満である。該粒径が0.8μm未満の場合、モルタルの作業性が低下する。該粒径が5μmを超える場合、ポーラスコンクリートの圧縮強度が低下する。
無機粉末の50%体積累積粒径は、市販の粒度分布測定装置(例えば、日機装社製、製品名「マイクロトラックHRA モデル9320−X100」)を用いて求めることができる。
具体的には、粒度分布測定装置を用いて、累積粒度曲線を作成し、該累積粒度曲線から50%体積累積粒径を求めることができる。この際、試料を分散させる溶媒であるエタノール20cmに対して、試料0.06gを添加し、90秒間、超音波分散装置(例えば、日本精機製作所社製、製品名「US300」)を用いて超音波分散したものを測定する。
無機粉末の最大粒径は、ポーラスコンクリートの圧縮強度をより高くする観点から、好ましくは15μm以下、より好ましくは14μm以下、特に好ましくは13μm以下である。
無機粉末の95%体積累積粒径は、ポーラスコンクリートの圧縮強度をより高くする観点から、好ましくは8μm以下、より好ましくは7μm以下、特に好ましくは6μm以下である。
無機粉末としては、SiOを主成分とするもの(例えば、石英粉末)が好ましい。無機粉末中のSiOの含有率が、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、特に好ましくは70質量%以上であれば、ポーラスコンクリートの圧縮強度がより高くなる。
モルタルにおいて、セメント、シリカフューム及び無機粉末の合計量100体積%中、セメントの割合は55〜65体積%、好ましくは57〜63体積%である。該割合が55体積%未満の場合、ポーラスコンクリートの圧縮強度が低下する。該割合が65体積%を超える場合、モルタルの作業性が低下する。
セメント、シリカフューム及び無機粉末の合計量100体積%中、シリカフュームの割合は5〜25体積%、好ましくは7〜23体積%である。該割合が5体積%未満の場合、ポーラスコンクリートの圧縮強度が低下する。該割合が25体積%を超える場合、モルタルの作業性が低下する。
セメント、シリカフューム及び無機粉末の合計量100体積%中、無機粉末の割合は15〜35体積%、好ましくは17〜33体積%である。該割合が15体積%未満の場合、ポーラスコンクリートの圧縮強度が低下する。該割合が35体積%を超える場合、モルタルの作業性が低下する。
細骨材としては、川砂、陸砂、海砂、砕砂、珪砂、人工細骨材(例えば、スラグ細骨材や、フライアッシュ等を焼成してなる焼成細骨材)、再生細骨材またはこれらの混合物等が挙げられる。
本発明においては、ポーラスコンクリートの圧縮強度をより高くする観点から、細骨材の最大粒径は、好ましくは1.2mm以下、より好ましくは1.1mm以下、特に好ましくは1.0mm以下である。
細骨材の粒度分布は、モルタルの作業性を向上させ、ポーラスコンクリートの圧縮強度を高くする観点から、0.6mm以下の粒径の細骨材の割合が、95質量%以上、0.3mm以下の粒径の細骨材の割合が、40〜50質量%、及び、0.15mm以下の粒径の細骨材の割合が、6質量%以下であることが好ましい。
モルタル中の細骨材の割合は、好ましくは25〜40体積%、より好ましくは30〜37体積%、特に好ましくは32〜36体積%である。該割合が25体積%以上であれば、モルタルの発熱量が小さくなり、かつ、ポーラスコンクリートの収縮量が小さくなる。該割合が40体積%以下であれば、ポーラスコンクリートの圧縮強度がより高くなる。
高性能減水剤としては、ナフタレンスルホン酸系、メラミン系、ポリカルボン酸系等の高性能減水剤を使用することができる。中でも、モルタルの作業性を向上させ、ポーラスコンクリートの圧縮強度を高くする観点から、ポリカルボン酸系の高性能減水剤が好ましい。
高性能減水剤の配合量は、セメント、シリカフューム及び無機粉末の合計量100質量部に対して、固形分換算で、好ましくは0.2〜1.5質量部であり、より好ましくは0.4〜1.2質量部である。該量が0.2質量部以上であれば、減水性能が向上し、モルタルの作業性が向上する。該量が1.5質量部以下であれば、ポーラスコンクリートの圧縮強度がより高くなる。
消泡剤としては、市販品を使用することができる。
消泡剤の配合量は、セメント、シリカフューム及び無機粉末の合計量100質量部に対して、好ましくは0.001〜0.1質量部、より好ましくは0.01〜0.07質量部、特に好ましくは0.01〜0.05質量部である。該量が0.001質量部以上であれば、ポーラスコンクリートの圧縮強度がより高くなる。該量が0.1質量部を超えると、ポーラスコンクリートの圧縮強度の向上効果が頭打ちとなる。
モルタルは、ポーラスコンクリートの曲げ強度や破壊エネルギー等を向上させる観点から、金属繊維、有機繊維及び炭素繊維からなる群より選ばれる一種以上の繊維を含んでもよい。モルタル中の繊維の割合は、好ましくは3体積%以下、より好ましくは0.3〜2.5体積%、特に好ましくは0.5〜2.3体積%である。該割合が3体積%以下であれば、モルタルの流動性や作業性を低下させることなく、ポーラスコンクリートの曲げ強度や破壊エネルギー等を向上させることができる。
金属繊維としては、鋼繊維、ステンレス繊維、アモルファス繊維等が挙げられる。中でも、鋼繊維は、強度に優れており、また、コストや入手のし易さの観点から好適である。
金属繊維の寸法は、モルタル中における金属繊維の材料分離の防止や、ポーラスコンクリートの曲げ強度の向上の観点から、直径が0.01〜1.0mm、長さが2〜30mmであることが好ましく、直径が0.05〜0.5mm、長さが5〜25mmであることがより好ましい。また、金属繊維のアスペクト比(繊維長/繊維直径)は、好ましくは20〜200、より好ましくは40〜150である。
さらに、金属繊維の形状は、直線状よりも、何らかの物理的付着力を付与する形状(例えば、螺旋状や波形)であることが好ましい。螺旋状等の形状であれば、金属繊維とマトリックスとが、引き抜けながら応力を担保するため、ポーラスコンクリートの曲げ強度が向上する。
有機繊維としては、後述する本発明のポーラスコンクリートの製造方法における加熱に耐えうるものであればよく、例えば、アラミド繊維、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維、ポリエチレン繊維、ポリアリート繊維、ポリプロピレン繊維等が挙げられる。
炭素繊維としては、PAN系炭素繊維やピッチ系炭素繊維が挙げられる。
有機繊維及び炭素繊維の寸法は、モルタル中におけるこれらの繊維の材料分離の防止や、ポーラスコンクリートの破壊エネルギーの向上の観点から、直径が0.005〜1.0mm、長さ2〜30mmであることが好ましく、直径が0.01〜0.5mm、長さが5〜25mmであることがより好ましい。また、有機繊維及び炭素繊維のアスペクト比(繊維長/繊維直径)は、好ましくは20〜200、より好ましくは30〜150である。
水としては、水道水等を使用することができる。
水の配合量は、セメント、シリカフューム及び無機粉末の合計量100質量部に対して、好ましくは10〜20質量部、より好ましくは11〜18質量部、特に好ましくは14〜16質量部である。該量が10質量部以上であれば、モルタルの作業性が向上する。該量が20質量部以下であれば、ポーラスコンクリートの圧縮強度がより高くなる。
上記モルタルの硬化前のフロー値は、「JIS R 5201(セメントの物理試験方法)11.フロー試験」に記載される方法において15回の落下運動を行わないで測定した値(以下、「0打ちフロー値」ともいう。)として、好ましくは200mm以上、より好ましくは210mm以上、特に好ましくは220mm以上である。該フロー値が200mm以上であれば、ポーラスコンクリートを製造する際の作業性を向上させることができる。
また、上記モルタルを硬化してなるモルタル硬化体の圧縮強度は、好ましくは330N/mm以上、より好ましくは350N/mm以上、さらに好ましくは370N/mm以上、特に好ましくは400N/mm以上である。
また、上記モルタル硬化体は耐摩耗性に優れている。例えば、「ASTM C779」に準拠して測定した、60分経過後の上記硬化体のすりへり深さは、好ましくは0.5mm以下、より好ましくは0.4mm以下、特に好ましくは0.3mm以下である。
また、上記硬化体は、遮水性、凍結融解抵抗性、及び遮塩性(例えば、硬化体に塩化物イオンや硫酸イオン等が浸透しにくいこと)に優れている。
また、上記硬化体は、寸法安定性に優れている。例えば、「JIS A 1129−2:2010(モルタル及びコンクリートの長さ変化測定方法−第2部:コンタクトゲージ方法)」に準拠して測定した、40×40×160mmの供試体を6カ月間保存した場合における上記硬化体の収縮ひずみは、好ましくは10×10−6以下、より好ましくは8×10−6以下、特に好ましくは6×10−6以下である。
さらに、上記硬化体は、大きな曲げ強度を有する。例えば、上記硬化体が繊維を含む場合、「土木学会基準 JSCE−G 552−2010(鋼繊維補強コンクリートの曲げ強度および曲げタフネス試験方法)」に準拠して測定した、上記硬化体の曲げ強度は、好ましくは20N/mm以上、より好ましくは30N/mm以上、特に好ましくは35N/mm以上である。
以下、本発明のポーラスコンクリートの製造方法について詳しく説明する。
本発明のポーラスコンクリートの製造方法の一例は、粗骨材と、該粗骨材に対する体積比が0.1〜0.6である上述したモルタルを、粗骨材にモルタルが被覆した状態の互いに独立した粒体となるまで混練して、混練物を得る混練工程と、上記混練物を型枠内に打設し振動成形して、未硬化の成形体を得る成形工程と、上記未硬化の成形体を、10〜40℃で24時間以上、封緘養生または気中養生した後、上記型枠から脱型し、硬化した成形体を得る常温養生工程と、上記硬化した成形体について、70℃以上100℃未満で6時間以上の、蒸気養生もしくは温水養生と、100〜200℃で1時間以上のオートクレーブ養生のいずれか一方または両方を行い、加熱養生後の硬化体を得る加熱養生工程と、上記加熱養生後の硬化体を、150〜200℃で24時間以上、加熱(ただし、オートクレーブ養生による加熱を除く。)して、上記ポーラスコンクリートを得る高温加熱工程、を含むものである。
[混練工程]
本工程は、粗骨材と、該粗骨材に対する体積比が0.1〜0.6である上記モルタルを、粗骨材にモルタルが被覆した状態の互いに独立した粒体となるまで混練して、混練物を得る工程である。
粗骨材に対するモルタルの体積比(モルタル/粗骨材の体積比)は、0.1〜0.6、好ましくは0.2〜0.58、より好ましくは0.3〜0.56である。該体積比が0.1未満の場合、ポーラスコンクリートの圧縮強度が小さくなる。該体積比が0.6を超えると、ポーラスコンクリートの連続空隙率が小さくなる。
混練方法としては、特に限定されるものではないが、混練時間の短縮等の観点から、まずモルタルを混練し、混練後のモルタルに粗骨材を添加して、粗骨材にモルタルが被覆した状態の互いに独立した粒体となるまで混練する方法、が好ましい。
混練に用いる装置も特に限定されるものではなく、オムニミキサ、パン型ミキサ、二軸練りミキサ、傾胴ミキサ等の慣用のミキサを使用することができる。
なお、本工程における未硬化のモルタルは、モルタル中の気泡を低減又は除去したものであってもよい。モルタル中の気泡を低減又は除去することで、ポーラスコンクリートの圧縮強度をより高くすることができる。
モルタル中の気泡を低減又は除去する方法としては、(1)モルタルの混練を減圧下で行う方法、(2)粗骨材を添加する前に、混練後のモルタルを減圧して脱泡させる方法、等が挙げられる。
[成形工程]
本工程は、上記混練物を型枠内に打設し振動成形して、未硬化の成形体を得る工程である。本工程において、打設(成形)方法は特に限定されるものではない。
上記振動成形は、1,000〜8,000vpm、好ましくは3,000〜7,000vpmの振動数の外部振動で行うことが好ましい。振動数が上記範囲内であれば、ポーラスコンクリートの圧縮強度と連続空隙率をより高くすることができる。
外部振動は、テーブルバイブレーターや型枠に取り付け可能な振動機等を使用することができる。振動時間は、通常、2〜20秒間である。なお、振動成形時に1〜100kPaの圧力を加えることは、差し支えない。加圧には、油圧式あるいは空気圧式の加圧装置等を使用することができる。
[常温養生工程]
本工程は、未硬化の成形体を、10〜40℃(好ましくは15〜30℃)で24時間以上(好ましくは24〜72時間、より好ましくは24〜48時間)、封緘養生または気中養生した後、型枠から脱型し、硬化した成形体を得る工程である。
養生温度が10℃以上であれば、養生時間をより短くすることができる。養生温度が40℃以下であれば、ポーラスコンクリートの圧縮強度をより高くすることができる。
養生時間が24時間以上であれば、脱型の際に、硬化した成形体に欠けや割れ等の欠陥が生じにくくなる。
なお、本工程において、硬化した成形体が、好ましくは3N/mm以上、より好ましくは5N/mm以上の圧縮強度を発現した時に、硬化した成形体を型枠から脱型することが好ましい。該圧縮強度が3N/mm以上であれば、脱型の際に、硬化した成形体に欠けや割れ等の欠陥が生じにくくなる。
[加熱養生工程]
本工程は、前工程で得られた硬化した成形体について、70℃以上100℃未満(好ましくは75〜95℃、より好ましくは80〜92℃)で6時間以上の、蒸気養生もしくは温水養生と、100〜200℃(好ましくは160〜190℃)で1時間以上のオートクレーブ養生のいずれか一方または両方を行い、加熱養生後の硬化体を得る工程である。
本工程において、蒸気養生または温水養生のみを行う場合、その養生時間は、好ましくは24時間以上、より好ましくは24〜96時間、特に好ましくは36〜72時間である。オートクレーブ養生のみを行う場合、その養生時間は、好ましくは8〜60時間、より好ましくは12〜48時間である。蒸気養生もしくは温水養生と、オートクレーブ養生の両方を行う場合(例えば、蒸気養生を行った後、さらにオートクレーブ養生を行う場合)、蒸気養生もしくは温水養生における養生時間は、好ましくは6〜72時間、より好ましくは12〜48時間であり、オートクレーブ養生における養生時間は、好ましくは1〜24時間、より好ましくは4〜18時間である。
本工程において、養生温度が前記範囲内であれば、養生時間を短くすることができ、また、ポーラスコンクリートの圧縮強度が高くなる。
また、本工程において、養生時間が前記範囲内であれば、ポーラスコンクリートの圧縮強度が高くなる。
[高温加熱工程]
本工程は、加熱養生後の硬化体を、150〜200℃(好ましくは170〜190℃)で24時間以上(好ましくは24〜72時間、より好ましくは36〜48時間)、加熱(ただし、オートクレーブ養生による加熱を除く。)して、ポーラスコンクリートを得る工程である。
本工程における加熱は、通常、乾燥雰囲気下(換言すると、水や水蒸気を人為的に供給しない状態)で行われる。
加熱温度が150℃以上であれば、加熱時間をより短くすることができる。加熱温度が200℃以下であれば、ポーラスコンクリートの圧縮強度がより高くなる。
加熱時間が24時間以上であれば、ポーラスコンクリートの圧縮強度がより高くなる。
[吸水工程]
常温養生工程と加熱養生工程の間に、常温養生工程において得られた硬化した成形体に吸水させる吸水工程を含んでもよい。
硬化した成形体に吸水させる方法としては、該成形体を水中に浸漬させる方法が挙げられる。また、該成形体を水中に浸漬させる方法において、短時間で吸水量を増やし、ポーラスコンクリートの圧縮強度を高くする観点から、(1)該成形体を、減圧下の水の中に浸漬させる方法、(2)該成形体を、沸騰している水の中に浸漬させた後、該成形体を浸漬させたまま、水温を40℃以下に低下させる方法、(3)該成形体を、沸騰している水の中に浸漬させた後、該成形体を沸騰している水から取り出して、次いで、40℃以下の水に浸漬させる方法、(4)該成形体を、加圧下の水の中に浸漬させる方法、又は(5)該成形体への水の浸透性を向上させる薬剤を溶解させた水溶液の中に、該成形体を浸漬させる方法、が好ましい。
上記成形体を、減圧下の水の中に浸漬させる方法としては、真空ポンプや大型の減圧容器等の設備を利用する方法が挙げられる。
上記成形体を、沸騰している水の中に浸漬させる方法としては、高温高圧容器や熱温水水槽等の設備を利用する方法が挙げられる。
硬化した成形体を、減圧下の水または沸騰している水の中に浸漬させる時間は、吸水率を高くする観点から、好ましくは3分間以上、より好ましくは8分間以上、特に好ましくは20分間以上である。該時間の上限は特に限定されるものではないが、ポーラスコンクリートの圧縮強度をより高くする観点から、好ましくは60分間、より好ましくは45分間である。
吸水工程における吸水率は、ポーラスコンクリートを構成するモルタルが硬化してなるφ50×100mmの成形体100体積%に対する水の割合として、好ましくは0.2体積%以上、より好ましくは0.3〜2.0体積%、特に好ましくは0.35〜1.7体積%である。
吸水率が0.2体積%以上であれば、ポーラスコンクリートの圧縮強度をより高くすることができる。
本発明のポーラスコンクリートを構成するモルタル硬化体は、極めて高い圧縮強度を有するため、従来のポーラスコンクリートよりも、圧縮強度および連続空隙率を高くすることができる。その結果、透水性および吸音性の向上や、より大型の植物を植生できる等の効果が得られ、様々な用途に使用することができる。
例えば、本発明のポーラスコンクリートからなる車道等の舗装は、雨水を一時的に貯水することができ、かつ、雨水を路面から地中に浸透させることができることから、ゲリラ豪雨時等における水害の発生を低減することができる。
従って、本発明のポーラスコンクリートは、快適生活環境の創造に貢献しうるものである。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[A.モルタル1〜12、及びモルタルaの製造および評価]
[使用材料]
モルタル1〜12、及びモルタルaの使用材料は、以下に示すとおりである。
(1)セメント:低熱ポルトランドセメント(太平洋セメント社製)
(2)シリカフュームA:BET比表面積20m/g
(3)シリカフュームB:BET比表面積17m/g
(4)無機粉末A:珪石粉末、50%体積累積粒径2μm、最大粒径12μm、95%体積累積粒径5.8μm
(5)無機粉末B:珪石粉末、50%体積累積粒径7μm、最大粒径67μm、95%体積累積粒径27μm
(6)骨材A1(細骨材):珪砂(最大粒径1.0mm、0.6mm以下の粒径のもの:98質量%、0.3mm以下の粒径のもの:45質量%、0.15mm以下の粒径のもの:3質量%)
(7)ポリカルボン酸系高性能減水剤:固形分量27.4質量%、フローリック社製、商品名「フローリックSF500U」
(8)消泡剤:BASFジャパン社製、商品名「マスターエア404」
(9)水:水道水
(10)金属繊維:鋼繊維(直径:0.2mm、長さ:15mm)
[モルタル1]
セメント、シリカフュームA及び無機粉末Aを、粉体原料(セメント、シリカフューム及び無機粉末)の合計量100体積%中、セメント等の各割合が表2に示す割合となるように混合した。得られた混合物と、モルタル中の骨材A1の割合が表2に示す割合となる量の骨材A1を、オムニミキサに投入して、15秒間空練りを行った。
次いで、水、ポリカルボン酸系高性能減水剤、及び消泡剤を、表2に示す量でオムニミキサに投入して、2分間混練した。
混練後、オムニミキサ内の側壁に付着した混練物を掻き落とし、さらに4分間混練を行って、モルタル1(混練物)を得た。
混練後のモルタル1のフロー値を、「JIS R 5201(セメントの物理試験方法)11.フロー試験」に記載される方法において、15回の落下運動を行わないで測定した。なお、本明細書中、該フロー値を「0打ちフロー値」という。
得られたモルタル1を、φ50×100mmの円筒形の型枠に打設して、未硬化の成形体を得た。打設後、未硬化の成形体について、20℃で48時間、封緘養生を行い、次いで、脱型して、硬化した成形体を得た。脱型時の圧縮強度は50N/mmであった。
この成形体を、表3に示す時間、減圧したデシケーター内で水に浸漬した(表3中、「減圧下」と示す。)。なお、減圧は、アズワン社製の「アスピレーター(AS−01)」を使用して行った。浸漬前後の成形体の質量を測定し、得られた測定値から、吸水率を算出した。
浸漬後、この成形体を90℃で48時間蒸気養生を行い、次いで、20℃まで降温した後、180℃で48時間加熱を行った。
加熱後の成形体(モルタル硬化体)の圧縮強度を、「JIS A 1108(コンクリートの圧縮強度試験方法)」に準じて測定した。
また、上記モルタル硬化体(加熱後の成形体)と同様にして、30×30×6cmの供試体を製造し、「ASTM C779」に準拠して、60分経過後のすりへり深さを測定した。
0打ちフロー値、吸水率、圧縮強度、およびすりへり深さの各値を表3に示す。なお、後述のモルタル1〜12、モルタルaにおける0打ちフロー値、吸水率、圧縮強度、およびすりへり深さの各値も表3に示す。
[モルタル2]
粉体原料100質量部当たりの水の配合量を、13質量部から15質量部に変更した以外は、モルタル1と同様にして、モルタル2及びモルタル硬化体(加熱後の成形体)を得た。
モルタル1と同様にして、モルタル2の0打ちフロー値の測定等を行った。なお、脱型時の圧縮強度は45N/mmであった。
[モルタル3]
脱型後の成形体を、減圧したデシケーター内で水に浸漬する代わりに、沸騰している水(沸騰水)に、表3に示す時間浸漬した後、該成形体を水に浸漬させたまま、水温が25℃となるまで冷却した以外は、モルタル1と同様にして、モルタル3及びモルタル硬化体(加熱後の成形体)を得た。
モルタル1と同様にして、吸水率の算出、及び、モルタル硬化体の圧縮強度の測定を行った。
[モルタル4]
脱型後の成形体を、減圧したデシケーター内で水に浸漬する代わりに、モルタル3と同様に沸騰水への浸漬等を行った以外は、モルタル2と同様にして、モルタル4及びモルタル硬化体(加熱後の成形体)を得た。
モルタル1と同様にして、吸水率の算出、及び、モルタル硬化体の圧縮強度の測定を行った。
[モルタル5]
シリカフュームAの配合割合を10体積%から20体積%に変更し、かつ、無機粉末Aの配合割合を30体積%から20体積%に変更した以外は、モルタル1と同様にして、モルタル5及びモルタル硬化体(加熱後の成形体)を得た。
モルタル1と同様にして、0打ちフロー値の測定等を行った。なお、脱型時の圧縮強度は50N/mmであった。
また、上記モルタル硬化体と同様にして、40×40×160mmの供試体を製造し、「JIS A 1129−2:2010 モルタル及びコンクリートの長さ変化測定方法−第2部:コンタクトゲージ方法」に準拠して、6か月保存した場合における収縮ひずみを測定した。
また、得られたモルタル硬化体の透水係数を、「地盤工学会基準 JGS 0311−2009(土の透水試験方法)」の変水位透水試験方法に準じて測定した。その結果、水の浸透は認められず、透水係数は「0」であった。
また、得られたモルタル硬化体を人工海水に6カ月間浸漬した。なお、人工海水は表1に示す各試薬を、表1に示す量で蒸留水に溶解することで調製した。浸漬後、モルタル硬化体中の塩化物イオンの濃度を、EPMA(日本電子社製)を用いて測定し、塩化物イオンの拡散係数(表3中、「拡散係数」と示す。)を算出した。
さらに、得られたモルタル硬化体に対して、「JIS A 1148(コンクリートの凍結溶解試験方法)」に準拠して測定した値を用いて、「ASTM C666 75」の耐久性指数(300サイクル)を算出した。
なお、耐久性指数は、最大値が100であり、最大値に近いほど凍結融解抵抗性に優れていることを示す。
以上の結果を表3に示す。なお、後述のモルタルにおける収縮ひずみ、透水係数、拡散係数および耐久性指数も表3に示す。
Figure 2017095318
[モルタル6]
脱型後の成形体を、減圧したデシケーター内で水に浸漬する代わりに、モルタル3と同様に沸騰水への浸漬等を行った以外は、モルタル5と同様にして、モルタル6及びモルタル硬化体(加熱後の成形体)を得た。
モルタル1と同様にして、吸水率の算出、及び、モルタル硬化体の圧縮強度の測定を行った。
[モルタル7]
シリカフュームAの配合割合を10体積%から20体積%に変更し、かつ、無機粉末Aの配合割合を30体積%から20体積%に変更した以外は、モルタル2と同様にして、モルタル7及びモルタル硬化体(加熱後の成形体)を得た。
モルタル1と同様にして、0打ちフロー値の測定等を行った。なお、脱型時の圧縮強度は45N/mmであった。
[モルタル8]
脱型後の成形体を、減圧したデシケーター内で水に浸漬する代わりに、モルタル3と同様にして沸騰水への浸漬等を行った以外は、モルタル7と同様にして、モルタル8及びモルタル硬化体(加熱後の成形体)を得た。
モルタル1と同様にして、吸水率の算出、及び、モルタル硬化体の圧縮強度及びすりへり深さの測定を行った。
また、モルタル5と同様にして、収縮ひずみ及び透水係数の測定、並びに、塩化物イオンの拡散係数及び耐久性指数の算出を行った。
[モルタル9]
セメント、シリカフュームA及び無機粉末Aを、粉体原料(セメント、シリカフューム及び無機粉末)の合計量100体積%中、セメント等の各割合が表2に示す割合となるように混合した。得られた混合物と、モルタル中の骨材A1の割合が表2に示す割合となる量の骨材A1を、オムニミキサに投入して、15秒間空練りを行った。
次いで、水、ポリカルボン酸系高性能減水剤、及び消泡剤を、表2に示す量でオムニミキサに投入して、2分間混練を行った後、オムニミキサ内の側壁に付着した混練物を掻き落とし、さらに4分間混練を行った。その後、モルタル中の金属繊維の割合が表2に示す割合となる量の金属繊維を、オムニミキサに投入して、さらに2分間混練を行った。
得られたモルタル9について、モルタル1と同様にして、0打ちフロー値を測定した。
また、得られたモルタルを材料として用いて、モルタル1と同様の方法で、モルタル硬化体(成形体)を得た。
得られたモルタル硬化体(成形体)について、モルタル1と同様にして、吸水率及び圧縮強度を測定した。
さらに、得られたモルタル硬化体の曲げ強度を、「土木学会基準 JSCE−G 552−2010(鋼繊維補強コンクリートの曲げ強度および曲げタフネス試験方法)」に準じて測定した。
[モルタル10]
脱型後の成形体を、減圧したデシケーター内で水に浸漬する代わりに、モルタル3と同様に沸騰水への浸漬等を行った以外は、モルタル9と同様にして、モルタル10及びその硬化体を得た。
モルタル10及びその硬化体について、実施例9と同様にして、各種物性を測定した。
また、モルタル5と同様にして、透水係数の測定、塩化物イオンの拡散係数及び耐久性指数の算出を行った。
[モルタル11]
粉体原料100質量部当たりの水の配合量を、13質量部から11質量部に変更し、骨材A1の配合量を35.5体積%から30.0体積%に変更し、高性能減水剤の配合量を0.69質量部から0.76質量部に変更し、かつ、成形体を水に浸漬しなかった以外は、モルタル1と同様にして、モルタル11及びモルタル硬化体を得た。
モルタル1と同様にして、モルタルの0打ちフロー値の測定等を行った。なお、脱型時の圧縮強度は54N/mmであった。
[モルタル12]
脱型後の成形体を、沸騰している水(沸騰水)に、表3に示す時間浸漬した後、該成形体を水に浸漬させたまま、水温が25℃となるまで冷却した以外は、モルタル11と同様にして、モルタル12及びモルタル硬化体を得た。
モルタル1と同様にして、吸水率の算出、及び、モルタル硬化体の圧縮強度等の測定を行った。
また、モルタル5と同様にして、透水係数の測定、塩化物イオンの拡散係数及び耐久性指数の算出を行った。
[モルタルa]
セメント、シリカフュームB及び無機粉末Bを、粉体原料(セメント、シリカフューム及び無機粉末)の合計量100体積%中、セメント等の各割合が表2に示す割合となるように混合した。得られた混合物と、モルタル中の骨材A1の割合が表2に示す割合となる量の細骨材を、オムニミキサに投入して、15秒間空練りを行った。
次いで、水、ポリカルボン酸系高性能減水剤、及び消泡剤を、表2に示す量でオムニミキサに投入して、2分間混練した。
混練後、オムニミキサ内の側壁に付着した混練物を掻き落とし、さらに4分間混練を行って、モルタルa(混練物)を得た
得られた混練物を材料として用いて、モルタル1と同様にして、モルタル硬化体を得た。
得られた混練物(モルタルa)及びその硬化体について、モルタル1と同様にして、各種物性を測定した。
Figure 2017095318
Figure 2017095318
[B.モルタル13〜22、モルタルb〜dの製造および評価]
[使用材料]
モルタル13〜22及び比モルタルb〜dにおける使用材料は、以下に示すとおりである。
(1)中庸熱ポルトランドセメント:太平洋セメント社製
(2)低熱ポルトランドセメント:太平洋セメント社製
(3)シリカフュームC:BET比表面積14m/g
(4)シリカフュームD:BET比表面積20m/g
(5)無機粉末:珪石粉末、50%体積累積粒径2μm、最大粒径12μm、95%体積累積粒径5.8μm(モルタル1〜12で用いた無機粉末Aと同じもの)
(6)骨材A1(細骨材):珪砂、最大粒径1.0mm、0.6mm以下の粒径のもの:98質量%、0.3mm以下の粒径のもの:45質量%、0.15mm以下の粒径のもの:3質量%(モルタル1〜12で用いた骨材A1と同じもの)
(7)骨材A2(細骨材):掛川産山砂
(8)ポリカルボン酸系高性能減水剤:固形分量27.4質量%;フローリック社製、商品名「フローリックSF500U」
(9)消泡剤:BASFジャパン社製、商品名「マスターエア404」
(10)水:上水道水
(11)金属繊維:鋼繊維(直径:0.2mm、長さ:15mm)
[中庸熱ポルトランドセメント及び低熱ポルトランドセメントの各研磨処理物の製造]
中庸熱ポルトランドセメント又は低熱ポルトランドセメントを、高速気流撹拌装置(奈良機械製作所社製、商品名「ハイブリタイザーNHS−3型」)を用いて、回転速度4,000rpmの条件で、30分間研磨処理した。なお、研磨処理において、中庸熱ポルトランドセメント又は低熱ポルトランドセメントの仕込み量は、1バッチあたり800gとした。中庸熱ポルトランドセメント又は低熱ポルトランドセメント、及び、中庸熱ポルトランドセメント又は低熱ポルトランドセメントの研磨処理物の、50%体積累積粒径及びブレーン比表面積を測定した。結果を表4に示す。
また、走査型電子顕微鏡を用いて、研磨処理物の二次電子像を観察したところ、研磨処理物の粗粒子(粒径20μm以上の粒子)は、中庸熱ポルトランドセメント又は低熱ポルトランドセメントの粒子(研磨処理前のもの)と比べて、角張った表面部分が少なく、表面部分が丸みを帯びた形状に変形していた。また、粗粒子と粗粒子の間の空隙には、微粒子(粒径20μm未満の粒子)が存在している様子が見られた。
Figure 2017095318
[モルタル13]
低熱ポルトランドセメントの研磨処理物、シリカフュームD、無機粉末、及び骨材A1を、低熱ポルトランドセメントの研磨処理物等の各割合が表5に示す割合となるように、オムニミキサに投入して、15秒間空練りを行った。
次いで、水、ポリカルボン酸系高性能減水剤、及び消泡剤を、表5に示す量でオムニミキサに投入して、2分間混練した。なお、消泡剤の添加量は、粉体原料100質量部に対して0.02質量部とした。
混練後、オムニミキサの側面に付着した混練物を掻き落とし、さらに4分間混練を行い、モルタル13を得た。
混練後のモルタル13のフロー値を、「JIS R 5201(セメントの物理試験方法)11.フロー試験」に記載される方法において、15回の落下運動を行わないで測定した。
また、混練後のモルタル13を、φ50×100mmの円筒形の型枠に打設して、未硬化の成形体を得た。打設後、未硬化の成形体について、20℃で72時間静置した。次いで、脱型して、硬化した成形体を得た。該成形体の脱型時の圧縮強度は52N/mmであった。
さらに、上記成形体を90℃で48時間蒸気養生を行い、次いで、20℃になるまで降温させた後、さらに、乾燥炉を用いて180℃で48時間加熱した。
加熱後の成形体(モルタル硬化体)の圧縮強度を、「JIS A 1108(コンクリートの圧縮強度試験方法)」に準じて測定した。なお、圧縮強度は、島津製作所社製の100t万能試験機(油圧式)を使用して測定した。
[モルタル14]
低熱ポルトランドセメントの研磨処理物の代わりに中庸熱ポルトランドセメントの研磨処理物を使用した以外は、モルタル13と同様にして、モルタル14及びモルタル硬化体(加熱後の成形体)を得た。該成形体の脱型時の圧縮強度は55N/mmであった。
モルタル13と同様にして、モルタルのフロー値(0打ち)等を測定した。
[モルタル15]
粉体原料100質量部当たりの水の量を、12質量部から15質量部に変更した以外は、モルタル14と同様にして、モルタル15及びモルタル硬化体(加熱後の成形体)を得た。該成形体の脱型時の圧縮強度は50N/mmであった。
モルタル13と同様にして、モルタルのフロー値(0打ち)等を測定した。
[モルタル16]
脱型後の成形体を、沸騰している水(沸騰水)に30分間浸漬した後、該成形体を水に浸漬させたまま水温が25℃となるまで冷却した(表6中「沸騰水」と示す。)後に蒸気養生を行った以外は、モルタル13と同様にして、モルタル16及びモルタル硬化体(加熱後の成形体)を得た。
モルタル13と同様にして、モルタルのフロー値(0打ち)等を測定した。なお、硬化体の圧縮強度は、測定装置の測定限界(511N/mm)を超えていた。
また、浸漬前後の成形体の質量を測定し、得られた測定値から、吸水率を算出した。
さらに、モルタル5と同様にして、すりへり深さ及び透水係数の測定、並びに、塩化物イオンの拡散係数及び耐久性指数の算出を行った。
[モルタル17]
脱型後の成形体を、減圧したデシケーター内で30分間水に浸漬した(表6中、「減圧下」と示す。)後に蒸気養生を行った以外は、モルタル13と同様にして、モルタル17及びモルタル硬化体(加熱後の成形体)を得た。
モルタル13と同様にして、モルタルのフロー値(0打ち)等を測定した。なお、硬化体の圧縮強度は、測定装置の測定限界(511N/mm)を超えていた。
[モルタル18]
シリカフュームDの配合割合を10体積%から20体積%に変更し、かつ、無機粉末の配合割合を30体積%から20体積%に変更した以外は、モルタル13と同様にして、モルタル18及びモルタル硬化体(加熱後の成形体)を得た。該成形体の脱型時の圧縮強度は51N/mmであった。
モルタル13と同様にして、モルタルのフロー値(0打ち)等を測定した。
[モルタル19]
脱型後の成形体を、減圧したデシケーター内で30分間水に浸漬した後に蒸気養生を行った以外は、モルタル18と同様にして、モルタル19及びモルタル硬化体(加熱後の成形体)を得た。
モルタル13と同様にして、モルタルのフロー値(0打ち)等を測定した。なお、硬化体の圧縮強度は、測定装置の測定限界(511N/mm)を超えていた。
また、上記モルタル硬化体と同様にして40×40×160mmの供試体を製造し、「JIS A 1129−2:2010 モルタル及びコンクリートの長さ変化測定方法−第2部:コンタクトゲージ方法」に準拠して、6か月保存した場合における収縮ひずみを測定した。
[モルタル20]
脱型後の成形体を、減圧したデシケーター内で30分間水に浸漬した後に蒸気養生を行った以外は、モルタル15と同様にして、モルタル20及びモルタル硬化体(加熱後の成形体)を得た。
モルタル13と同様にして、モルタルのフロー値(0打ち)等を測定した。
[モルタル21]
低熱ポルトランドセメントの研磨処理物、シリカフュームD、無機粉末、及び骨材A1を、低熱ポルトランドセメントの研磨処理物等の各割合が表5に示す割合となるように、オムニミキサに投入して、15秒間空練りを行った。
次いで、水、ポリカルボン酸系高性能減水剤、及び消泡剤を、表5に示す量でオムニミキサに投入して、2分間混練した。なお、消泡剤の添加量は、粉体原料100質量部に対して0.02質量部とした。
混練後、オムニミキサの側面に付着した混練物を掻き落とし、さらに4分間混練を行った。その後、モルタル中の金属繊維の割合が表5に示す割合となる量の金属繊維を、オムニミキサに投入して、さらに2分間混練を行い、モルタル21を得た。
得られたモルタル21について、モルタル13と同様にして0打ちフロー値を測定した。
また、得られたモルタル21を材料として用いて、モルタル16と同様の方法で、モルタル硬化体(成形体)を得た。
得られたモルタル硬化体(成形体)について、モルタル16と同様にして、吸水率及び圧縮強度を測定した。なお、硬化体の圧縮強度は、測定装置の測定限界(511N/mm)を超えていた。
また、得られたモルタル硬化体の曲げ強度を、「土木学会基準 JSCE−G 552−2010(鋼繊維補強コンクリートの曲げ強度および曲げタフネス試験方法)」に準じて測定した。
[モルタル22]
脱型後の成形体を、沸騰している水に30分間浸漬する代わりに、減圧したデシケーター内で30分間水に浸漬した後に蒸気養生を行った以外は、モルタル21と同様にして、モルタル22及びモルタル硬化体(加熱後の成形体)を得た。
モルタル22及びモルタル硬化体(加熱後の成形体)について、モルタル21と同様にして、各種物性を測定した。なお、硬化体の圧縮強度は、測定装置の測定限界(511N/mm)を超えていた。
[モルタルb]
中庸熱ポルトランドセメントの研磨処理物、シリカフュームC、骨材A2、高性能減水剤、水を、表5に示す割合となるように、一括してホバートミキサに投入した後、低速で12分間混練して、モルタルbを調製した以外は、モルタル13と同様にして、モルタルの硬化体を得た。モルタル13と同様にして、モルタルのフロー値(0打ち)等を測定した。
[モルタルc]
中庸熱ポルトランドセメントの研磨処理物と、骨材A2と、高性能減水剤と、水を、表5に示す割合となるように、一括してホバートミキサに投入して、モルタルcを調製しようとしたが、混練することができなかった。
[モルタルd]
中庸熱ポルトランドセメントと、シリカフュームCと、骨材A2と、高性能減水剤と、水を、表5に示す配合で一括してホバートミキサに投入して、モルタルdを調製しようとしたが、混練することができなかった。
以上の結果を表6に示す。
Figure 2017095318
Figure 2017095318
[C.実施例1〜5、比較例1〜3]
[使用材料]
(1)粗骨材A:青梅産砕石6号(粒径範囲5〜13mm)
(2)粗骨材B:青梅産砕石5号(粒径範囲13〜20mm)
[実施例1]
上述のモルタル4と粗骨材Aを二軸ミキサに投入して、粗骨材にモルタルが被覆した状態の互いに独立した粒体となるまで混練した。なお、粗骨材とモルタルの体積比(モルタル/粗骨材の体積比)は0.55とした。
得られた混練物を、100×60×20cmの型枠に投入し、テーブルバイブレーターを用いて振動成形(振動数6000vpm×8秒)を行った。成形後、20℃で48時間封緘養生を行い、脱型して、硬化した成形体を得た。
上記成形体を、30分間沸騰している水(沸騰水)に浸漬した後、該成形体を水に浸漬させたまま、水温が25℃となるまで冷却した。
冷却後、この成形体を90℃で48時間蒸気養生を行い、次いで、20℃まで降温した後、180℃で48時間加熱を行い、ポーラスコンクリートを製造した。
上記ポーラスコンクリートを切断して、φ10×20cmの供試体を3本作製し、「JIS A 1108(コンクリートの圧縮強度試験方法)」に準じて、圧縮強度を測定した。また、上記ポーラスコンクリートを切断して、φ15×20cmの供試体を3本作製し、日本コンクリート工学協会の「エココンクリート研究委員会報告書 JCI−SP02 ポーラスコンクリートの空隙率試験方法(案)」に準じて、連続空隙率を測定した。
[実施例2]
モルタル4の代わりに上述のモルタル12を使用し、振動成形の時間を13秒とし、沸騰水への浸漬時間を35分間とした以外は、実施例1と同様にしてポーラスコンクリートを製造し、実施例1と同様にして圧縮強度および連続空隙率を測定した。
[実施例3]
粗骨材Aとモルタルの体積比を0.42にした以外は、実施例1と同様にしてポーラスコンクリートを製造し、その圧縮強度および連続空隙率を測定した。
[実施例4]
上述のモルタル12を使用し、粗骨材Aとモルタルの体積比を0.40にした以外は、実施例2と同様にしてポーラスコンクリートを製造し、その圧縮強度および連続空隙率を測定した。
[実施例5]
上述のモルタル12を使用し、粗骨材Aの代わりに粗骨材Bを使用し、粗骨材とモルタルの体積比を0.37にした以外は、実施例2と同様にしてポーラスコンクリートを製造し、その圧縮強度および連続空隙率を測定した。
[比較例1]
モルタル4の代わりに上述のモルタルaを使用し、沸騰水への浸漬および180℃での加熱を行わなかったこと以外は、実施例1と同様にしてポーラスコンクリートを製造し、その圧縮強度および連続空隙率を測定した。
[比較例2]
モルタル4の代わりに上述のモルタルaを使用し、沸騰水への浸漬を行わなかった以外は、実施例1と同様にしてポーラスコンクリートを製造し、その圧縮強度および連続空隙率を測定した。
[比較例3]
モルタル12の代わりに上述のモルタルaを使用し、沸騰水への浸漬および180℃での加熱を行わなかったこと以外は、実施例5と同様にしてポーラスコンクリートを製造し、その圧縮強度および連続空隙率を測定した。
結果を表7に示す。
Figure 2017095318
表7から、粗骨材Aを使用し、かつ、モルタル/細骨材比が0.55である、本発明のポーラスコンクリート(実施例1〜2)は、粗骨材Aを使用し、かつ、モルタル/細骨材比が0.55である、比較例1〜2のポーラスコンクリートと比べて、圧縮強度が高く、かつ、連続空隙率が同等であることがわかる。また、粗骨材Aを使用し、かつ、モルタル/細骨材比が0.40〜0.42である、本発明のポーラスコンクリート(実施例3〜4)は、粗骨材Aを使用し、かつ、モルタル/細骨材比が0.55である、比較例1〜2のポーラスコンクリートと比べて、高い連続空隙率を得ているとともに、圧縮強度についても同等の値を確保していることがわかる。
また、粗骨材Bを使用し、かつ、モルタル/細骨材比が0.37である、本発明のポーラスコンクリート(実施例5)は、粗骨材Bを使用し、かつ、モルタル/細骨材比が0.55である比較例3のポーラスコンクリートと比べて、高い連続空隙率を得ているとともに、圧縮強度についても、より高い値を得ていることがわかる。
10 高速気流撹拌装置
11 ローター
12 ブレード
13 循環回路
13a 循環回路の入口
13b 循環回路の出口
14 投入口
15 排出口
16 ステーター
17 衝突室
18 開閉弁
19 排出弁

Claims (7)

  1. 粗骨材と、該粗骨材に対する体積比が0.1〜0.6のモルタル硬化体とからなるポーラスコンクリートにおいて、
    上記モルタル硬化体が、セメント、BET比表面積が15〜25m/gのシリカフューム、50%体積累積粒径が0.8〜5μmの無機粉末、細骨材、高性能減水剤、消泡剤及び水を含み、かつ上記セメント、上記シリカフューム及び上記無機粉末の合計量100体積%中、上記セメントの割合が55〜65体積%、上記シリカフュームの割合が5〜25体積%、上記無機粉末の割合が15〜35体積%であるモルタルの硬化体であることを特徴とするポーラスコンクリート。
  2. 上記セメントが、中庸熱ポルトランドセメント又は低熱ポルトランドセメントを構成する粒子を研磨処理してなる、角張った表面部分を丸みを帯びた形状に変形させてなる粒径20μm以上の粗粒子、及び、上記研磨処理によって生じる粒径20μm未満の微粒子を含み、50%体積累積粒径が10〜18μmで、かつブレーン比表面積が2,100〜2,900cm/gのものである請求項1に記載のポーラスコンクリート。
  3. 上記モルタルが、金属繊維、有機繊維及び炭素繊維からなる群より選ばれる一種以上の繊維を含み、かつ上記モルタル中の上記繊維の割合が、3体積%以下である請求項1又は2に記載のポーラスコンクリート。
  4. 上記細骨材の最大粒径が1.2mm以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載のポーラスコンクリート。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のポーラスコンクリートを製造するための方法であって、
    粗骨材と、該粗骨材に対する体積比が0.1〜0.6である上記モルタルを、粗骨材にモルタルが被覆した状態の互いに独立した粒体となるまで混練して、混練物を得る混練工程と、
    上記混練物を型枠内に打設し振動成形して、未硬化の成形体を得る成形工程と、
    上記未硬化の成形体を、10〜40℃で24時間以上、封緘養生または気中養生した後、上記型枠から脱型し、硬化した成形体を得る常温養生工程と、
    上記硬化した成形体について、70℃以上100℃未満で6時間以上の、蒸気養生もしくは温水養生と、100〜200℃で1時間以上のオートクレーブ養生のいずれか一方または両方を行い、加熱養生後の硬化体を得る加熱養生工程と、
    上記加熱養生後の硬化体を、150〜200℃で24時間以上、加熱(ただし、オートクレーブ養生による加熱を除く。)して、上記ポーラスコンクリートを得る高温加熱工程、
    を含むことを特徴とするポーラスコンクリートの製造方法。
  6. 上記常温養生工程と上記加熱養生工程の間に、上記硬化した成形体に吸水させる吸水工程を含む請求項5に記載のポーラスコンクリートの製造方法。
  7. 上記振動成形が、1,000〜8,000vpmの振動数の外部振動である請求項5又は6に記載のポーラスコンクリートの製造方法。
JP2015230556A 2015-11-26 2015-11-26 ポーラスコンクリート及びその製造方法 Pending JP2017095318A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015230556A JP2017095318A (ja) 2015-11-26 2015-11-26 ポーラスコンクリート及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015230556A JP2017095318A (ja) 2015-11-26 2015-11-26 ポーラスコンクリート及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017095318A true JP2017095318A (ja) 2017-06-01

Family

ID=58803526

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015230556A Pending JP2017095318A (ja) 2015-11-26 2015-11-26 ポーラスコンクリート及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2017095318A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019026546A (ja) * 2017-07-28 2019-02-21 住友大阪セメント株式会社 ポーラスコンクリート
CN114455890A (zh) * 2021-12-31 2022-05-10 山东汉博昱洲新材料有限公司 一种矿化赤泥骨料透水砖及其制备方法
CN116768571A (zh) * 2023-06-26 2023-09-19 广州市兴耀混凝土有限公司 一种高强路面混凝土及其制备方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019026546A (ja) * 2017-07-28 2019-02-21 住友大阪セメント株式会社 ポーラスコンクリート
CN114455890A (zh) * 2021-12-31 2022-05-10 山东汉博昱洲新材料有限公司 一种矿化赤泥骨料透水砖及其制备方法
CN116768571A (zh) * 2023-06-26 2023-09-19 广州市兴耀混凝土有限公司 一种高强路面混凝土及其制备方法
CN116768571B (zh) * 2023-06-26 2024-04-09 广州市兴耀混凝土有限公司 一种高强路面混凝土及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5940207B1 (ja) セメント組成物を用いたセメント質硬化体の製造方法
RU2695727C2 (ru) Цементная композиция и способ получения отвержденного цементного изделия с использованием этой композиции
JP6619215B2 (ja) 橋梁ウェブ部材及びその製造方法
JP2017095318A (ja) ポーラスコンクリート及びその製造方法
JP2017095920A (ja) トンネル用セグメント及びその製造方法
JP2017100888A (ja) 化粧平板及びその製造方法
JP6612599B2 (ja) プレストレスト水硬性硬化体の製造方法
JP6633897B2 (ja) 機械部品の製造方法
JP6495102B2 (ja) 耐震壁ブロック及びその製造方法
JP6713347B2 (ja) セメント板及びその製造方法
JP6646908B2 (ja) 高速度交通システム構造物用コンクリート部材、及びその製造方法
JP2017226596A (ja) 防爆用パネル及びその製造方法
JP6516567B2 (ja) 定盤及びその製造方法
JP2017096012A (ja) 矢板及びその製造方法
JP6465751B2 (ja) 支圧板及びその製造方法
JP2017101389A (ja) コンクリート舗装版、及びその製造方法
JP2017100887A (ja) 壁高欄及びその製造方法
JP6548958B2 (ja) 地中埋設物用防護板及びその製造方法
JP2017101406A (ja) 遮音壁及びその製造方法
JP6474688B2 (ja) 埋設型枠用ボード
JP2017096008A (ja) スペーサー及びその製造方法
JP2017095914A (ja) 杭及びその製造方法
JP2017095328A (ja) 布基礎及びその製造方法
JP6619157B2 (ja) 埋設型枠用ボードの製造方法
JP2017100902A (ja) バルコニー及びその製造方法