JP2017092441A - 静電気放電保護用組成物及びその組成物を用いた静電気放電保護素子 - Google Patents

静電気放電保護用組成物及びその組成物を用いた静電気放電保護素子 Download PDF

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【課題】本発明は、静電気放電保護用組成物及びその組成物を用いた静電気放電保護素子に関する。【解決手段】本発明は、有機シリコン、複数の金属粉末、及びシリコン成分を担持させることができる多孔性シリカ粒子を含み、シリコン成分が担持された多孔性シリカ粒子により、ペースト内における静電気放電によるダメージ(damage)を最小化して成分変化を減らすことで、静電気放電保護素子に適用時に空洞部の耐久性を向上させることができる静電気放電保護用組成物及びそれを用いた静電気放電保護素子を提供する。【選択図】図3

Description

本発明は、静電気放電保護用組成物及びその組成物を用いた静電気放電保護素子に関する。
携帯用電子製品の需要が増大し、様々な環境で用いられる電子製品の種類が増大するに伴い、これら電子製品を保護するための静電気放電保護素子(Electrostatic discharge、ESD)の必要性が高まっている。
かかる静電気放電保護素子の必要性は、電子製品が小型化、高集積化、及び高速化するに伴ってさらに増大している。
かかる静電気放電保護素子として、電子製品の特性に応じて、TVS(Transient Voltage Suppressor)ダイオード、MLV(Multilayer varistor)、及び可変電圧ポリマー(Voltage Variable polymer)などが用いられている。
上記TVS(transient voltage suppressor)ダイオードは、p型(p−type)とn型(n−type)のシリコン素子を用いてPNPジャンクション(junction)を形成し、低い電圧で静電気放電対策が作動することができ、速い対応が可能であるという特徴を有する。
上記MLV(multilayer varistor)は、半導性のZnO粒子を無機添加剤(inorganic additive)とともに焼結することで、低い電圧では絶縁を維持するが、静電気放電のような高電圧では通電される素子である。
上記可変電圧ポリマーは、ポリマーマトリックス(matrix)内に電気が通じる金属充填材を入れることで、静電気のように高い電圧でのみ通電される機能を有する。
ポリマー複合体(Polymer composite)は、1pF以下のキャパシタンスを有するため、高速化素子の適用に有利であり、製造コストが安価であるという利点がある。
しかしながら、このように有用なポリマー複合体形態の静電気放電保護素子において、耐久性が弱くなるという問題が発生しており、ユーザの製品携帯時間が増加するに伴って、静電気放電に対する耐久性の問題がさらに大きくなっている。
また、スマートフォンのケースが金属材質からなっているため、充電アダプダによる感電が発生し得るという問題が持続的に提起されている。
すなわち、充電時にアダプダを介して供給される60Hzの220Vの電圧が、回路基板から金属材質のケースと連結されて加えられると、それを人が握った時に感電が起こる恐れがある。
かかる感電の問題に対する解決手段が持続的に提案されている。
この際、静電気放電のためにTVSダイオード素子を用いると、静電気放電は防止されるものの、作動電圧が低いため逆に感電に露出するという問題が発生し得る。
また、感電と静電気放電保護の問題は、金属ケースが用いられる小型電子機器で矛盾を有することになる。
すなわち、感電を防止するためにケースと絶縁される素子を導入すると、静電気放電によりケース内部の素子が破損することになり、静電気放電保護用素子を導入すると、人が感電する恐れがあるという問題がある。
韓国登録特許第10−1392455号公報 韓国公開特許第2015−0066375号公報 韓国公開特許第2009−0104514号公報
上記の問題を解決するためには、作動電圧が感電が起こる電圧よりも十分に高く、且つ静電気放電に露出する回数が増加しても静電気放電保護用作動電圧が大きく変化してはならないという必要性が発生する。
上記のTVSダイオード、キャパシター、バリスター、ポリマー複合体形態のサプレッサーなどが、このような感電保護機能と静電気放電保護用機能をともに提供することができる。
ところで、このうちTVSダイオードは、静電気放電保護機能の作動電圧が低いため、逆に感電保護に劣り、キャパシターは、感電保護機能は有するが、静電気放電に劣る。そのため、バリスター(Varistor)やポリマー複合体形態を用いた素子が、感電と静電気放電の両方の保護機能に適する。
しかし、二つの素材は、両方とも静電気放電に持続的に露出すると、素材内部で劣化が発生し、作動電圧が低くなる結果、ショートが発生する可能性が高くなる。
そのため、静電気の印加回数が増加しても、作動電圧がある程度の範囲まで維持されなければならない。
本発明の目的は、静電気放電に持続的に露出する場合にも、素材の内部で劣化が発生して作動電圧が低くなることを防止し、これにより、静電気の印加回数が増加しても、作動電圧がある程度の範囲まで維持されるようにした静電気放電保護用組成物及びその組成物を用いた静電気放電保護素子を提供することにある。
本発明の一側面によれば、有機シリコン、複数の金属粉末、及びシリコン成分を担持させることができる多孔性シリカ粒子を含む静電気放電保護用組成物を提供する。
本発明の他の側面によれば、ベース基板と、上記ベース基板上に互いに離隔して配置される第1及び第2電極と、上記電極の一部をそれぞれ一体に覆うように上記第1及び第2電極並びに上記ベース基板上に形成されており、内部に上記第1及び第2電極の間に配置される空洞部を有する有機絶縁層と、を含み、上記空洞部は、有機シリコン、複数の金属粉末、及びシリコンが担持された複数の多孔性シリカ粒子を含む静電気放電保護素子を提供する。
本発明の一実施形態によれば、シリコン成分が担持された多孔性シリカ粒子により、ペースト内における静電気放電によるダメージ(damage)を最小化して成分変化を減らすことで、静電気放電保護素子に適用時に空洞部の耐久性を向上させることができる。
本発明の一実施形態による静電気放電保護素子を示す斜視図である。 図1のI−I線に沿って取った静電気放電保護素子の断面図である。 図2のA領域を拡大して示す模式図である。 従来の静電気放電保護素子において、空洞部の内部にダメージが発生したことを示したSEM写真である。 本発明の一実施形態による多孔性シリカ粒子を用いた静電気放電保護素子において、静電気放電ガンを用いて静電気を印加した後の空洞部のダメージを示したSEM写真である。 従来の組成からなる静電気放電保護素子において、静電気放電ガンを用いて静電気を印加した後の空洞部のダメージを示したSEM写真である。
以下では、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために誇張されることがある。
本発明の実施形態を明確に説明するために方向を定義すると、図1に示されたD1及びD2は、それぞれ長さ方向及び幅方向を示す。
以下、本発明による静電気放電保護用ペースト組成物及びそれを用いた静電気放電保護素子の実施形態を添付図面を参照して詳細に説明する。添付図面を参照して説明するにあたり、同一または対応する構成要素には同一の図面符号を付け、これについての重複説明は省略する。
図1は本発明の一実施形態による静電気放電保護素子を示す斜視図であり、図2は図1のI−I線に沿って取った静電気放電保護素子の断面図である。
図1及び図2を参照すれば、本実施形態による静電気放電保護素子100は、ベース基板110と、第1及び第2電極121、122と、有機絶縁層140と、を含む。
そして、静電気放電保護素子100は、保護層160と、第1及び第2外部電極151、152と、をさらに含むことができる。
この際、静電気放電保護素子は、印加されたセット(set)やIC部品を静電気から保護するための静電気放電サプレッサー(suppressor)部品に適用されることができ、例えば、耐久性に劣る可変電圧ポリマー複合体形態のサプレッサー(suppressor)に適用されることができる。
ベース基板110は、ベース基板110上に積層される第1及び第2電極121、122並びに有機絶縁層140を支持できるように形成されたものであればよい。
図1に示したように、ベース基板110はプレート状に形成されることができる。
但し、ベース基板110の形状が図1に示したものに限定されるものではなく、四角形だけでなく、円形のプレート状などに形成されることができる。
かかるベース基板110は絶縁材料からなり、ベース基板110上に積層される第1及び第2電極121、122と絶縁されることができる。
具体的に、ベース基板110は、全体的に絶縁性を有するように絶縁材料からなることができ、必要に応じて、第1及び第2電極121、122が積層されるベース基板110の一面に絶縁膜が形成されて、第1及び第2電極121、122と絶縁されることができる。
ベース基板110またはベース基板110の一面に形成される絶縁膜は、無機絶縁材料または有機絶縁材料からなることができる。
すなわち、ベース基板110は、例えば、アルミナ、シリカなどの無機絶縁材料からなる基板であってもよく、エポキシ樹脂などの有機絶縁材料からなる基板であってもよい。
第1及び第2電極121、122はベース基板110上に互いに離隔して配置される。
第1及び第2電極121、122は、所定の離隔距離を置いてベース基板110上に互いに対向するように配置される。
この際、第1及び第2電極121、122の間に形成される離隔距離は、要求される静電気放電性能に応じて適宜選択されることができる。
図2を参照すれば、第1及び第2電極121、122は、各先端部が互いに対向するように配置されることができる。
ここで、第1及び第2電極121、122の先端部とは、ベース基板110上の内側領域に配置される第1及び第2電極121、122の一端部を意味し、ベース基板110上の外側領域に配置される第1及び第2電極121、122の他端部を後端部と定義する。
第1及び第2電極121、122の先端部は互いに対向しており、第1及び第2電極121、122の後端部は、後述する第1及び第2外部電極151、152とそれぞれ接続されるように、ベース基板110の側面と平行に配置されてベース基板110の外側に露出することができる。
本実施形態では、このように第1及び第2電極121、122の各先端部が所定距離だけ離隔しているため、第1及び第2電極121、122の両端にかかる電圧が所定値以下である場合には、電流が流れない。
しかし、所定電圧以上の電圧、すなわち、作動電圧が第1及び第2電極121、122の両端に印加される場合、第1及び第2電極121、122は離隔配置されていても電流が流れることがある。
したがって、設定される作動電圧値によって第1及び第2電極121、122の離隔距離が変更され得る。
図1を参照すれば、ベース基板110は、互いに交差形成される長さ方向D1と幅方向D2を有することができる。第1及び第2電極121、122はベース基板110の長さ方向D1において互いに離隔配置され、且つベース基板110の幅方向D2においてベース基板110の中央領域に配置されることができる。
図1に示したように、第1及び第2電極121、122は、ベース基板110の幅より狭く形成されており、ベース基板110の一部のみを覆うようにベース基板110上に配置されることができる。
有機絶縁層140は、第1及び第2電極121、122の一部をそれぞれ一体に覆うように、第1及び第2電極121、122並びにベース基板110上に積層されて形成される。
有機絶縁層140は、第1及び第2電極121、122の一部をそれぞれ一体に覆うように形成されるため、第1及び第2電極121、122の間に形成された離隔空間を含んで第1及び第2電極121、122の一部、すなわち、第1及び第2電極121、122の先端部と隣接した領域を一体に覆うことができる。
図1に示したように、有機絶縁層140は、第1及び第2電極121、122が配置されるベース基板110の一面のうち、第1及び第2電極121、122により覆われていない、ベース基板110の幅方向D2に配置されるベース基板110の残りの領域を覆うように形成されることができる。
すなわち、有機絶縁層140はベース基板110の幅と対応する幅を有することができる。
有機絶縁層140の内部には、第1及び第2電極121、122の間に配置される空洞部130が形成される。
有機絶縁層140の内部に形成される空洞部130は、第1及び第2電極121、122の間に配置されることができる。第1及び第2電極121、122に作動電圧以上の電圧が印加されると、空洞部130を介して第1及び第2電極121、122の間に電流が流れることができる。
静電気のようなパルス形態の電圧が印加されて第1及び第2電極121、122の間に電流が流れる場合、第1及び第2電極121、122を覆っている有機絶縁層140を介して電流が流れると、有機絶縁層140は、内部に流れる電流によって発生する熱により損傷する恐れがある。
第1及び第2電極121、122を覆う有機絶縁層140が上記の理由で損傷すると、繰り返し使用の耐久性が著しく低下し、要求される放電性能に応じて決定された設計値が変更され得るため、作動電圧が印加されても両電極の間に電流が流れないか、作動電圧以下の電圧値で電流が流れ得る。
本実施形態のように有機絶縁層140の内部に空洞部130が形成される場合、電流が空洞部130を介して流れることができるため、有機絶縁層140の損傷を防止することができ、素子の全体的な耐久性及び素子の作動信頼性を向上させることができる。
一方、第1及び第2電極121、122を覆う絶縁層が本実施形態のように有機絶縁材料からなる場合、無機絶縁材料で絶縁層を形成する場合に比べて誘電率が低いため電気容量(Capacitance)値が小さくなり、これにより、高速信号における干渉が小さくなって、放電性能が向上することができる。
また、製造工程の点でも、絶縁層を有機絶縁層で形成することがより低い温度で絶縁層を形成することができるため、経済的な利点も確保することができる。
図2を参照すれば、第1及び第2電極121、122は空洞部130内に露出するように配置されることができる。
第1及び第2電極121、122の先端部が空洞部130内に露出することで、第1及び第2電極121、122の間を流れる電流が、有機絶縁層140を経ずに空洞部130を介して流れることができる。
図3は図2のA領域を拡大して示す模式図である。
図3を参照すれば、空洞部130は、有機シリコン131、複数の金属粉末132、及び媒質であるシリコン成分133を担持させることができる多孔性シリカ粒子134を含む静電気保護用ペースト組成物からなる。
本実施形態の静電気保護用ペースト組成物において、金属粉末は、有機シリコン中に均一にまたは不均一に分散配置されることができる。これにより、空洞部130が補助電極としての機能を担うことができる。
この際、金属粉末は、ニッケルナノ粒子またはアルミニウム粒子であることが好ましい。
ここで、上記アルミニウム粒子は、直径D50を基準として、平均粒径3μm以下の粒子であることができる。
互いに対向する電極間の距離に対する上記アルミニウム粒子の直径が過度に大きくなると、二つの対向する電極の少なくとも一つに上記アルミニウム粒子が直接接触され得る。
かかる現象を防止するために、電極間の間隔に対する粒子の平均粒径を制限する。好ましくは、電極間の間隔に対するアルミニウム粒子の平均粒径は、1/5〜1/3の値を有することができる。
通常、電極間の間隔が約20μmであると、本実施形態におけるアルミニウム粒子の平均粒径は3μm以下になることができる。
尚、本実施形態のニッケルナノ粒子は、直径D50を基準として、平均粒径が500nm以下であることが好ましい。
上記ニッケルナノ粒子も、上記アルミニウム粒子と同様に、平均粒径が限定されることができる。ニッケルナノ粒子の場合、サイズが大きくなると、その形状が球状よりスパイク状のものが多くなるため、球状の粒子が得られる好ましいサイズとして、平均粒径が500nmに限定されるのである。
この際、金属粉末がニッケルナノ粒子である場合、空洞部は、有機シリコン20〜35重量%、ニッケルナノ粒子60〜75重量%、及び多孔性シリカ粒子5〜10重量%を含むことができる。
上記有機シリコンの含量が20重量%未満である場合には、粒子間の間隔が近くなりすぎて絶縁が維持されず、金属充填粒子であるニッケルナノ粒子同士の接触によりショート(short)が発生する恐れがある。また、上記有機シリコンの含量が35重量%を超える場合には、粒子間の間隔が遠くなりすぎて、静電気の印加時にも電流が通じなくなるという問題が発生する恐れがある。
これと類似する論理で、金属粉末の含量、有機シリコンの含量、及び多孔性シリカ粒子の含量が100重量%を満たすときに、有機シリコンの含量が少なくなると、ニッケルナノ粒子または多孔性シリカ粒子の含量が相対的に多くなる状況になる。
したがって、上記多孔性シリカ粒子の含量が5重量%未満である場合には、それに含有された有機シリコンの量が少なくなり、耐久性が向上しなくなる恐れがある。また、上記多孔性シリカ粒子の含量が10重量%を超える場合には、絶縁性が大きくなりすぎて、静電気の印加時に電流が通じることを妨害する要因として作用し得る。
金属粉末がアルミニウム粒子である場合、空洞部は、有機シリコン20〜35重量%、アルミニウム粒子50〜65重量%、及び多孔性シリカ粒子5〜10重量%を含むことができる。
上記アルミニウム粒子の場合も、上述のニッケルナノ粒子と同様の作用及び臨界的意義が適用されるため、重複を避けるために詳細な説明は省略する。
また、上記多孔性シリカ粒子は、有機バインダーとして選ばれた媒質であるシリコン成分を担持させることで、静電気放電衝撃に対する耐久性を向上させることができる。
通常、ポリマー複合体は、有機シリコンなどの絶縁物質中に伝導性粒子を充填させて構成する。このように製造された組成を用いて対向する二つの外部電極の間に印刷することで、サプレッサー(Suppressor)形態の素子を製作することができる。
このように製造された素子に静電気を印加すると、その内部でペースト成分が劣化を経ることになる。大部分のポリマー複合体の場合、相対的に静電気及び熱的挙動に弱いポリマー成分が劣化することになる。
すなわち、従来の空洞部は、静電気の印加時に内部に空き空間が生じ、添加した充填材の凝集現象が発生する。これにより、シリコン成分がこの凝集された空間上で次第に少なくなる傾向が見られる。
図4は従来の静電気放電保護素子において、空洞部の内部にダメージが発生したことを示したSEM写真である。図4に示したように、静電気放電回数が増加するに従って内部に空洞が生成され、それと同時に、内部成分の特定物質の成分が相対的に減少することが見られる。
すなわち、金属成分がより多く凝集され、シリコン成分が相対的に少なく分布することになることが見られる。
ポリマー形態では絶縁を維持させるものが有機シリコン成分であるが、この成分が減少するに伴って、絶縁性能が徐々に低下する。
これは、作動電圧の変化からも確認することができる。
このような破壊は、ポリマー複合体形態でのみ発生する現象ではなく、バリスター形態でも発生する現象である。
それほど、静電気放電によって放出されるエネルギーが集中的であり、且つ非常に破壊的であることが分かる。
上記バリスターの素材では、耐久性をより向上させ、静電気の印加前後における破壊を最小化するために、伝導性粒子の表面にガラス質成分をコーティングすることで、静電気の印加時にも破壊がより起こらない構造に、機能層を強化する方向が提案されている。
すなわち、無機絶縁性物質を伝導性粒子の表面にコーティングすることで、静電気の印加による衝撃にも破壊や劣化がより起こらないようにする方法が用いられている。
または、印加電極の変化を防止するために、電極にタングステンやニッケルなどの高い融点の金属をコーティングする場合もある。
しかし、未だに、このような耐久性が弱くなることに関する技術は完璧には紹介されていない。
本実施形態では、空洞部130に多孔性シリカ粒子が添加される場合、有機シリコン成分が多孔性シリカ粒子のポア(pore)内部に閉じ込められていて、静電気による衝撃が加えられるとこのポアが破壊されて有機シリコン成分が通り抜け、破壊された部分を充填する作用が起こる。
したがって、多孔性シリカ粒子により、従来の充填材の凝集によって空間上で有機シリコン成分が減少する現象が低減し、その結果、静電気放電保護用ペーストの耐久性が向上することになる。
したがって、図5及び図6に示したように、本実施形態の場合、従来の組成からなる静電気放電保護素子に比べて、空洞部内部のダメージ(damage)が生じても、その領域が著しく狭いことを確認することができる。
一方、有機絶縁層140は、エポキシ、ポリウレタン、及びシリコンの少なくとも何れか一つを含む材質からなることができる。
すなわち、有機絶縁層140はポリマー樹脂などの有機絶縁材料からなることができ、このような材料は、無機絶縁材料に比べて誘電率が低いため、高速信号における干渉が小さくて、全体的に高い放電性能を維持することができる。
さらに、図1及び図2を参照すれば、本実施形態による静電気放電保護素子100は、保護層160と、第1及び第2外部電極151、152と、をさらに含むことができる。
保護層160は、第1及び第2電極121、122、有機絶縁層140、及びベース基板110を覆うように、第1及び第2電極121、122、有機絶縁層140、及びベース基板110上に積層されて形成されることができる。
この際、保護層160は、エポキシ樹脂を含む材質からなり、ベース基板110と同様に第1及び第2電極121、122と電気的に絶縁されることができる。
かかる保護層160は、有機絶縁層140により覆われていないベース基板110の残りの領域、第1及び第2電極121、122、及び絶縁層140の上面及び側面を一体に覆うことができる。
ベース基板110は一対の電極121、122及び有機絶縁層140を支持する機能を担うことができ、保護層160は、ベース基板110の上面、第1及び第2電極121、122、及び有機絶縁層140を全て覆って、それぞれの構成を同時に保護することができる。
第1及び第2外部電極151、152は、第1及び第2電極121、122の後端部とそれぞれ電気的に連結されており、ベース基板110と保護層160の側面を覆うように配置される。
したがって、第1及び第2外部電極151、152に電源が印加されることができ、これは、第1及び第2外部電極151、152とそれぞれ電気的に連結され、且つベース基板110上に配置された第1及び第2電極121、122に伝達されることができる。
以下、本発明の実施例と比較例により静電気保護用ペースト組成物を製造し、そのペースト組成物の耐久性を比較する。
実施例1は、ペースト組成物の金属粉末が金属ニッケルナノ粒子であるものであって、ニッケルナノ粒子(300nm)9g、多孔性シリカ粒子1g、有機シリコン(信越化学工業株式会社製、KE1842)3gを混合して撹拌を施したものである。
この混合物を3ロールミル(Roll−mill)を用いて分散させた。この際、3ロールミル(EXAKT、80E)では、ロールの間の距離を10μmとして4回通過(pass)させた後、さらにロールの間の距離を5μmとして2回通過させ、このようなロールミルの後、自公転(Revolution 900、Rotation 700、time 1min)混合により分散を終了した後、ペースト組成物の粘度及び膜密度を測定した。
そして、テストクーポン(間隔50μm、幅150μm)に実施例1のペースト組成物を受動で印刷した後、100℃で10分間乾燥した直後に、175℃で1時間30分間熱硬化を行った。
熱硬化の後に試料を室温に冷やした後、マルチメータを用いて抵抗を測定した。この測定された抵抗から、印刷されたペースト組成物が絶縁されているかを確認した。
その後、ESDガンを用いて8kVのlevel 4(IEC6100−4−2)で静電気を印加し、漏洩電流(leakage current)を5V DCで測定することで、静電気保護用ペースト組成物の耐久性を確認した。
実施例2は、ペースト組成物の金属粉末がアルミニウム粒子であるものであって、アルミニウム粒子(D50、3μm)9g、多孔性シリカ粒子1g、有機シリコン(信越化学工業株式会社製、KE1842)3gを混合して撹拌を施したものである。この混合物を用いて、実施例1と同様の方法でペースト組成物を製造し、評価を行った。
比較例は、ペースト組成物において多孔性シリカ粒子を除いたものであって、ニッケルナノ粒子(300nm)10gと有機シリコン(信越化学工業株式会社製、KE1842)3gを混合して撹拌を施したものである。この混合物を用いて、実施例1と同様の方法でペースト組成物を製造し、評価を行った。
上記のように実施例1及び2と比較例によるペースト組成物を製造し、評価を行った結果、実施例1及び2は、ESD耐久性が1000回を達成したが、比較例は、200回付近で漏洩電流が増加することを確認することができた。
ここで、漏洩電流が増加するということは、有機絶縁層140に電流が流れるという意味である。すなわち、静電気が印加された後に絶縁が安定して維持されず、5V DC電圧で電流が持続的に流れることになるが、この場合に連結された端子が電池部分であると、充電された電気エネルギーの漏れが発生し、5Vで作動するIC回路の場合には、信号の減衰をもたらす。
したがって、静電気が印加された直後にも絶縁が維持されて漏洩電流が小さくなり、SET製品の性能に異常がないといえる。上記実施例1及び2の場合、かかる信頼性を満たすことができる。
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、当技術分野の通常の知識を有する者には明らかである。
100 静電気放電保護素子
110 ベース基板
121、122 第1及び第2電極
130 空洞部
131 有機シリコン
132 金属粉末
133 シリコン成分
134 多孔性シリカ粒子
140 絶縁層
151、152 第1及び第2外部電極
160 保護層

Claims (14)

  1. 有機シリコン、複数の金属粉末、及びシリコン成分を担持させることができる多孔性シリカ粒子を含む、静電気放電保護用組成物。
  2. 前記複数の金属粉末がニッケルナノ粒子である、請求項1に記載の静電気放電保護用組成物。
  3. 前記有機シリコン20〜35重量%、前記ニッケルナノ粒子60〜75重量%、及び前記多孔性シリカ粒子5〜10重量%を含む、請求項2に記載の静電気放電保護用組成物。
  4. 前記複数の金属粉末がアルミニウム粒子である、請求項1に記載の静電気放電保護用組成物。
  5. 前記有機シリコン20〜35重量%、前記アルミニウム粒子50〜65重量%、及び前記多孔性シリカ粒子5〜10重量%を含む、請求項4に記載の静電気放電保護用組成物。
  6. ベース基板と、
    前記ベース基板上に互いに離隔して配置される第1及び第2電極と、
    前記電極の一部をそれぞれ一体に覆うように前記第1及び第2電極ならびに前記ベース基板上に形成されており、内部に前記第1及び第2電極の間に配置される空洞部を有する有機絶縁層と、を含み、
    前記空洞部は、有機シリコン、複数の金属粉末、及びシリコンが担持された複数の多孔性シリカ粒子を含む、静電気放電保護素子。
  7. 前記空洞部の金属粉末がニッケルナノ粒子である、請求項6に記載の静電気放電保護素子。
  8. 前記空洞部は、前記有機シリコン20〜35重量%、前記ニッケルナノ粒子60〜75重量%、及び前記多孔性シリカ粒子5〜10重量%を含む、請求項7に記載の静電気放電保護素子。
  9. 前記空洞部の金属粉末がアルミニウム粒子である、請求項6に記載の静電気放電保護素子。
  10. 前記空洞部は、前記有機シリコン20〜35重量%、前記アルミニウム粒子50〜65重量%、及び前記多孔性シリカ粒子5〜10重量%を含む、請求項9に記載の静電気放電保護素子。
  11. 前記第1及び第2電極が前記空洞部内に露出するように配置される、請求項6から10のいずれか一項に記載の静電気放電保護素子。
  12. 前記有機絶縁層は、エポキシ、ポリウレタン、及びシリコンの少なくとも何れか一つを含む、請求項6から11のいずれか一項に記載の静電気放電保護素子。
  13. 前記電極、前記有機絶縁層、及び前記ベース基板を覆うように、前記第1及び第2電極、前記有機絶縁層、及び前記ベース基板上に形成される保護層をさらに含む、請求項6から12のいずれか一項に記載の静電気放電保護素子。
  14. 前記第1及び第2電極とそれぞれ電気的に連結され、前記ベース基板と前記保護層の側面を覆うように配置される第1及び第2外部電極をさらに含む、請求項13に記載の静電気放電保護素子。
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