JP5877317B2 - 過電圧保護部品および過電圧保護部品用の過電圧保護材料 - Google Patents

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Description

本発明は、静電気などの過電圧から電子部品や電子回路等を保護する過電圧保護部品および過電圧保護部品用の過電圧保護材料に関する。
電子部品や電子回路を静電気などの過電圧から保護する方法として、保護したい電子部品等の入力または出力の端子とグランドとの間に過電圧保護部品を接続する方法が広く知られている。ここで、過電圧保護部品は、通常の使用状態においては絶縁体として機能し、過電圧が印加されると部品自体のインピーダンスが大幅に低下したり、部品内部で放電したりすることにより電気を通す部品である。
そのような過電圧保護部品として、一対の電極間に、通常は絶縁性を有し、過電圧が印加されるとその過電圧を通過させる過電圧保護材料を形成したものが知られている。
過電圧保護材料としては、表面に不動態層を形成した金属粒子を樹脂中に混練したものが知られている(特許文献1参照。)。
また、過電圧保護材料として、高アスペクト比の導体または半導体を結合体中にナノスケールで分散させ、さらに別の導体または半導体粒子を含む材料を用いたものも知られている(特許文献2参照。)。
また、過電圧保護材料として、絶縁材料中に1〜200nmの導電性無機材料を不連続に分散させたものも知られている(特許文献3参照。)。
近年、過電圧保護部品には、高信頼性が求められるようになってきた。具体的には、過電圧保護部品に、より高電圧が印加された場合や、過電圧が多数回繰り返して印加された場合でも、過電圧保護部品が正常に動作する高い信頼性が求められるようになってきた。これは、過電圧保護部品が用いられる電子機器やその電子機器が使用される場所、用途、使用環境などにより、求められる信頼性が高くなることに基づいている。また、本来求められるレベルよりもさらに高いレベルの信頼性を過電圧保護部品に求めることで、電子機器の過電圧に対する安全率を高くする、言い換えると余裕を多く確保する、という考えに基づいている。例えば、より高電圧を多数回繰り返し印加する信頼性試験を行なう場合がある。特に、短パルスの高電圧を連続して繰り返し印加するような試験を行なう場合もある。
短パルスの高電圧を連続して印加する試験は、実際の静電気の印加に比べると、より過酷な試験である。しかし、上記のように電子機器の過電圧に対する安全率を高くする観点から、そのような試験方法も用いられている。そして、このような試験においては、過電圧保護部品の一対の放電電極間に形成された過電圧保護部中の金属粒子などが溶融することによりショートを生じる場合がある。
特開2007−265713号公報 特表2010−515239号公報 特開2010−186742号公報
本発明の過電圧保護部品は、第1の放電電極と、第2の放電電極と、第1の放電電極と第2の放電電極との間に形成された過電圧保護部とを備える。過電圧保護部は第1の放電電極と第2の放電電極との間に所定電圧以下の電圧が印加される通常では絶縁体の性質を有し、第1の放電電極と第2の放電電極との間に所定電圧より大きな過電圧が印加される状態では導通する性質を有する。また、過電圧保護部は絶縁性を有する樹脂と絶縁性を有する無機化合物とホウ化金属化合物粉との混合物により構成される。ホウ化金属化合物粉の平均粒径は0.5μm〜3μmである。
上記構成により、過電圧保護部中の導体粉であるホウ化金属化合物粉が高融点であるので、過電圧の印加時においてもホウ化金属化合物粉が溶融し難く、これにより、過酷な試験状況においても、ショートが生じ難い。さらに、ホウ化金属化合物粉は高温において酸化しやすく導電性を失うと考えられるので、もし、ホウ化金属化合物粉が溶融するような過電圧が印加された場合であっても、ショートを生じ難い。
図1は、本発明の実施の形態における過電圧保護部品の一例を示す正面断面図である。 図2は、本発明の実施の形態における過電圧保護部品の他の例を示す正面断面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態における過電圧保護部品の一例を示す正面断面図である。
図1に示すように、本実施の形態の過電圧保護部品は、絶縁基板1と、第1の放電電極2と、第2の放電電極3と、過電圧保護部4と、中間層5と、保護層6と、裏面電極7、8と、端面電極9、10と、めっき層11、12とを備える。絶縁基板1は電気的絶縁性と耐熱性を備えた基板で、アルミナからなる。第1の放電電極2および第2の放電電極3は、絶縁基板1上に形成された電極であり、互いにその先端部で対向して形成されている。第1の放電電極2および第2の放電電極3は、導体である。第1の放電電極2および第2の放電電極3の材質は、化学的な安定性を求めるならば金が好ましく、高い導電性を求めるならば銅などが好ましく、耐熱性を求めるならばタングステンなどの高融点材料を選択することができる。本実施の形態においては、第1の放電電極2および第2の放電電極3の材質はCuNi合金を用いている。
第1の放電電極2および第2の放電電極3の製造方法は以下の通りである。まず、第1の放電電極2および第2の放電電極3を形成する位置および、この第1の放電電極2および第2の放電電極3間に、CuNi合金のペーストを印刷焼成する。その後に、レーザー光線を照射して第1の放電電極2および第2の放電電極3を分離させる。この第1の放電電極2および第2の放電電極3は、5μm〜10μmの厚みで形成される。第1の放電電極2および第2の放電電極3の厚みが薄いと、過酷な繰り返し放電試験により第1の放電電極2および第2の放電電極3のダメージが一箇所に集中しやすくなる。この場合、ダメージを受けた第1の放電電極2または第2の放電電極3の部分が溶融する恐れがある。しかし、第1の放電電極2および第2の放電電極3の厚みを厚くすることで、過酷な繰り返し放電試験によるダメージを分散することができる。その結果、第1の放電電極2および第2の放電電極3が溶融する恐れを低減することができる。また、第1の放電電極2と第2の放電電極3の距離は、6〜10μmにしている。この距離は、所謂ギャップ間距離と呼ばれるもので、短い方が放電開始電圧を下げることができる。このように、第1の放電電極2および第2の放電電極3を5μm〜10μmの厚みにすることで、第1の放電電極2および第2の放電電極3を印刷などの厚膜工法で形成することができる。
過電圧保護部4は第1の放電電極2および第2の放電電極3間に充填されるように形成されている。過電圧保護部4は、第1の放電電極2および第2の放電電極3間に所定電圧以下の電圧が印加される通常状態では絶縁体の性質を有する。また、過電圧保護部4は、第1の放電電極2および第2の放電電極3間に所定電圧より大きな過電圧が印加される状態では導通する性質を有する。ここで、上記所定電圧は、過電圧保護部4を構成する材料やその組成、あるいは、第1の放電電極2および第2の放電電極3間の距離などにより決定される電圧である。
中間層5は過電圧保護部4上に形成され、シリコーンなどの樹脂からなる。中間層5は、過電圧保護部4に過電圧が印加された時の衝撃を緩和する。
保護層6は過電圧保護部4および中間層5を覆い、過電圧保護部4および中間層5を機械的衝撃や、湿気等から保護する。
裏面電極7および裏面電極8は、第1の放電電極2および第2の放電電極3が形成された絶縁基板1の上面に対向する面、即ち絶縁基板1の裏面に形成された電極である。
端面電極9は、第1の放電電極2および裏面電極7を電気的に接続するように、絶縁基板1の上面側の端部から絶縁基板1の側面を経て絶縁基板1の裏面側の端部まで形成された電極である。同様に、端面電極10は、第2の放電電極3および裏面電極8を電気的に接続するように、絶縁基板1の上面側の端部から絶縁基板1の側面を経て絶縁基板1の裏面側の端部まで形成された電極である。
めっき層11は、端面電極9の表面にNiめっきを行い、その後にSnめっきを行うことにより、端面電極9を覆うように形成される。同様に、めっき層12は、端面電極10の表面にNiめっきを行い、その後にSnめっきを行うことにより、端面電極10を覆うように形成される。
ここで、過電圧保護部4について詳細に説明する。過電圧保護部4は絶縁性を有する樹脂と絶縁性を有する無機化合物とホウ化金属化合物粉との混合物からなる過電圧保護材料である。この樹脂としてはシリコーン樹脂を用いている。過電圧保護部4は、シリコーン樹脂中にホウ化金属化合物粉と絶縁性を有する無機化合物を分散させたものである。絶縁性を有する無機化合物としては、絶縁性と熱伝導性に優れたAl23やSiO2のような酸化物が適している。さらに高い熱伝導性が求められる場合には、無機化合物としてAlN、BN、SiC、Si34のような非酸化物を用いても良い。
次に、ホウ化金属化合物粉の平均粒径と、過電圧の特性との関係について説明する。特性については、静電気の抑制特性の指標の一つであるピーク電圧で評価した。試験条件は、IEC61000−4−2に定める試験方法である。試料として、平均粒径がそれぞれ0.4μm、0.5μm、1.0μm、1.5μm、2.0μm、3.0μm、5.0μmの過電圧保護部品を作成した。そして、これらの過電圧保護部品に、それぞれ接触放電にて8kVを印加し、保護回路側で検出されたピーク電圧が500Vを超えるものを抑制特性が不十分、ピーク電圧が400〜500Vのものを抑制特性が良好、ピーク電圧が400V未満のものを非常に良好と判断した。表1に試験結果を示す。なお、試験に用いたホウ化金属化合物粉はLaBであり、平均粒径の測定は、フィッシャー法(FSSS(Fisher Sub Sieve Sizer))により行った。
Figure 0005877317
この試験結果から、ホウ化金属化合物粉の平均粒径は0.5μm〜3.0μmが良いことがわかる。また、平均粒径が1μm〜2μmであると過電圧の抑制特性も非常に良好である。さらに、平均粒径が1μm〜2μmのものであると、ホウ化金属化合物粉を粉体に形成することが容易であり、印刷工法により過電圧保護部4を容易に作ることができるので、より好ましい。ホウ化金属化合物粉は融点が高く、導電性が高いという性質を備えている。なお、ホウ化金属化合物粉は、ホウ化金属化合物をボールミルまたはジェットミル等の方法で粉砕することで得ることができる。
上記のような構成の過電圧保護部品の動作について、以下、説明する。
過電圧保護部品の第1の放電電極2を保護したい電子回路の入力側に、第2の放電電極3をグランド側に電気的に接続する。過電圧が印加されない通常時は過電圧保護部4は絶縁体として機能するので、第1の放電電極2から第2の放電電極3へ電流は流れず、電気信号等は電子回路の入力側に流れる。
このような接続方法において、電子回路の入力側に静電気などの過電圧が印加された時には、第1の放電電極2の電位も上昇してグランドの電位である第2の放電電極3との間で過電圧が印加された状態になる。この時、過電圧保護部4は導体として電気を通すので、過電圧に起因する電流は、保護したい電子回路の入力側に流れず、第1の放電電極2から過電圧保護部4を通って第2の放電電極3へ流れる。これにより、電子回路を過電圧から保護することができる。電子回路を過電圧から保護するには、過電圧保護材料中のホウ化金属化合物粉の含有率は10vol%〜50vol%が好ましい。過電圧保護材料中のホウ化金属化合物粉の含有率が上記含有率よりも少ない場合は、過電圧が印加されても、過電圧に起因する電流は、第1の放電電極2から過電圧保護部4を通って第2の放電電極3へ流れにくくなる。また、過電圧保護材料中のホウ化金属化合物粉の含有率が上記含有率よりも多い場合は、過電圧が印加されない通常時でも過電圧保護部に電流が流れやすくなり絶縁抵抗が劣化しやすくなる。本実施の形態の過電圧保護部4における混合物の混合比は、ホウ化金属化合物粉としてLaB6を20vol%、絶縁性を有する無機化合物としてAl23を40vol%、絶縁樹脂としてシリコーン樹脂を40vol%とした。
ここで、過電圧が印加された時の過電圧保護部4内の状態について、より詳細に説明する。過電圧保護部4は、絶縁体であるシリコーン樹脂中にホウ化金属化合物粉を分散させたものである。ホウ化金属化合物粉は導体であるから、第1の放電電極2と第2の放電電極3間に過電圧を印加すると、ホウ化金属化合物粉を介して第1の放電電極2と第2の放電電極3間に放電が生じる。これにより第1の放電電極2から第2の放電電極3へと過電圧に起因する電流が流れる。
第1の放電電極2と第2の放電電極3間に放電が生じた際には、その放電が生じた部分には相当の熱が発生するので、過電圧保護部4内の導体粉も熱によるダメージを受ける可能性がある。しかし、過電圧保護部4の導体粉として、高融点のホウ化金属化合物粉を用いているので、放電の際の熱で、導体粉が溶融するリスクを低減することができる。これにより、第1の放電電極2から第2の放電電極3に流れる放電電流を低減でき、過酷な試験においてのショートの発生リスクを低減することができる。また、ホウ化金属化合物粉は高温で酸化し、導電性を失い易いと考えられる。したがって、もし、ホウ化金属化合物粉が溶融するような過電圧が印加されてもショートの発生を防止できる。
また、ホウ化金属化合物粉として、TiB2(二ホウ化チタン)を用いると、さらに信頼性を向上させることができる。TiB2は、融点が3000℃前後と高く、常温では化学的に安定して酸化しにくいが、高温では酸化により導通性が損なわれるという特性が顕著である。従って、TiB2が溶融する程度の高温になっているときは、TiB2は酸化し、導電性を失う。このため、仮に過電圧保護部4中にあるTiB2粉が溶融して隣接するTiB2粉と接触しても、融けたTiB2粉が酸化してTiO2とB23が生成する。これにより、過電圧保護部4は絶縁化されていると考えられるため、ショートは生じにくくなる。
なお、ホウ化金属化合物粉として、Tiと同じチタン族であるZrとの化合物であるZrB2を用いても良い。ZrB2はTiB2よりも融点が高いため、ショートの発生をより効果的に防止することができる。さらに、ホウ化金属化合物粉として、TiB2粉とZrB2粉の混合粉を用いてもよい。
また、ホウ化金属化合物粉として、LaB6を用いても良い。LaB6を用いた場合、TiB2に比べて金属原子当りのホウ素数が多く、酸化したときに絶縁性のB23がより多く生成されるため、さらにショートの発生を抑えることができる。また、ホウ化金属化合物粉として、TiB2、ZrB2、LaB6の少なくとも一種類を含有しても良い。
以上のように、本発明の過電圧保護部品は、過酷な繰り返し試験によっても過電圧保護部4中の導体であるホウ化金属化合物粉が溶融しにくく、また溶融する際には或いは溶融しなくとも高温において酸化することにより絶縁体になるので、ショートが生じ難い。
また、過電圧保護部4の材料である過電圧保護材料は、上記のように過電圧保護部品として用いられることで、過電圧保護部品のショート発生を防止することができ、有用である。
次に、ホウ化金属化合物粉に、それぞれTiB、ZrB、LaBを用いた場合と、ホウ化金属化合物粉の代わりにAl粉を用いた場合の4種類の過電圧保護部品の特性について説明する。
試験条件は、IEC−61000−4−2に基づいて行い、気中放電で、印過電圧および印加回数を、+15kVで10回、−15kVで10回づつ繰り返しとした。その後、絶縁抵抗値を測定し、この絶縁抵抗値が1MΩ未満のものをショートしたものとして評価した。試験結果を表2に示す。
Figure 0005877317
この試験結果は下記の通りである。
Al粉を用いた過電圧保護部品は、20個中8個がショートした。20個中の絶縁抵抗値が最小のものは、1Ωであった。
TiB粉を用いた過電圧保護部品は、20個中ショートしたものがなかった。20個中の絶縁抵抗値が最小のものは、33MΩであった。
ZrB粉を用いた過電圧保護部品は、20個中ショートしたものがなかった。20個中の絶縁抵抗値が最小のものは、70MΩであった。
LaB粉を用いた過電圧保護部品は、20個中ショートしたものがなかった。20個中の絶縁抵抗値が最小のものは、150MΩであった。
この試験結果が示すように、ホウ化金属化合物粉を用いることでショートが生じ難くなり、さらにLaBを用いた場合には絶縁抵抗が非常に高いと言う格別な特性が得られる。なお、この試験に用いたホウ化金属化合物分またはAl粉の平均粒径は、いずれの過電圧保護素子においても1〜2μmである。
なお、ホウ化金属化合物粉の平均粒径は、小さすぎるとその熱容量も小さいため、放電時の高エネルギーによって高温になりやすい。ホウ化金属化合物粉は、高温で酸化することにより絶縁体となるので、再び静電気が通過することができなくなる。これにより、過電圧による電荷は、他のホウ化金属化合物粉を通過する経路をとることになるが、そのホウ化金属化合物粉も高温により酸化し易いので、この経路もその後は通過することができなくなる。この繰り返しにより、過電圧の放電経路が遠回りになってしまい、放電特性が変化する可能性がある。
さらに、ホウ化金属化合物粉はその表面に絶縁性の酸化膜が形成されるが、ホウ化金属化合物粉の平均粒径が小さいと表面に形成された酸化膜の影響によってホウ化金属化合物粉自体の電気抵抗値が上昇する。そのために、過電圧保護部4の静電気の抑制特性が悪化、言い換えるとピーク電圧値を上げてしまう。
一方、ホウ化金属化合物粉の平均粒径が大きくなると第1の放電電極2および第2の放電電極3間を放電する際に通過するホウ化金属化合物粉の数が少なくなる。このために、過電圧保護部4中のホウ化金属化合物粉が占める体積割合を一定にすると、ホウ化金属化合物粉同士の距離が長くなり、静電気の抑制特性を悪化させてしまう。
なお、過電圧保護部品としては、図1の構成に限定されるものではなく、別の構成であってもよい。図2は、本実施の形態における過電圧保護部品の他の例を示す正面断面図である。図2に示す構成要素で、図1に示す構成要素と同じ機能の構成要素には同じ符号を付している。図2の過電圧保護部品が図1の過電圧保護部品と相違する点は、第1の放電電極2と第2の放電電極3とがそれぞれの先端部で互いに対向するのではなく、それぞれの面方向で互いに対向している点と、図2の過電圧保護部品には中間層5が存在していない点である。
図2の構成のような過電圧保護部品であっても、図1の構成のような過電圧保護部品と同様の効果を奏する。
なお、上記の実施の形態では、過電圧保護部は絶縁樹脂と絶縁性を有する無機化合物とホウ化金属化合物粉とを混合したものを用いているが、絶縁性を有するセラミックまたはガラス内にホウ化金属化合物粉が分散されたものを用いたものであっても良い。このようにすることにより、さらに耐熱性を向上させることができる。この場合も絶縁樹脂を用いた場合と同様に、ホウ化金属化合物粉にはTiB2、ZrB2、LaB6の少なくとも一種類を用いることが望ましい。
本発明にかかる過電圧保護部品および過電圧保護部品用の過電圧保護材料は、電子部品や電子回路を静電気などの過電圧から保護することができ、産業上有用である。
1 絶縁基板
2 第1の放電電極
3 第2の放電電極
4 過電圧保護部
5 中間層
6 保護層
7,8 裏面電極
9,10 端面電極
11,12 めっき層

Claims (7)

  1. 第1の放電電極と、
    第2の放電電極と、
    前記第1の放電電極と前記第2の放電電極との間に形成された過電圧保護部とを備え、
    前記過電圧保護部は前記第1の放電電極と前記第2の放電電極との間に所定電圧以下の電圧が印加される通常状態では絶縁体の性質を有し、前記第1の放電電極と前記第2の放電電極との間に前記所定電圧より大きな過電圧が印加される状態では導通する性質を有するものであり、
    前記過電圧保護部は絶縁性を有する樹脂と絶縁性を有する無機化合物とホウ化金属化合物粉との混合物により構成され、
    前記ホウ化金属化合物粉の平均粒径は0.5μm〜3μmであり、
    前記ホウ化金属化合物粉はLaB6を含有し、
    前記過電圧保護部中のホウ化金属化合物粉の含有率を10vol%〜50vol%とした過電圧保護部品。
  2. 前記第1の放電電極と前記第2の放電電極は、ともにCuNi合金からなり、その厚みは5μm〜10μmである請求項1記載の過電圧保護部品。
  3. 前記樹脂はシリコーン系樹脂である請求項1に記載の過電圧保護部品。
  4. 前記過電圧保護部において、前記無機化合物と前記ホウ化金属化合物粉が前記樹脂中に分散している請求項1に記載の過電圧保護部品。
  5. 絶縁性を有する樹脂と、絶縁性を有する無機化合物と、平均粒径が0.5μm〜3μmであるホウ化金属化合物粉との混合物であり、所定電圧以下の電圧が印加される通常状態では絶縁性を有し、前記所定電圧より大きな過電圧が印加される状態では導通する性質を有し、
    前記ホウ化金属化合物粉はLaB6を含有し、
    前記ホウ化金属化合物粉の含有率を10vol%〜50vol%とした過電圧保護部品用の過電圧保護材料。
  6. 前記樹脂はシリコーン系樹脂である請求項5に記載の過電圧保護材料。
  7. 前記無機化合物と前記ホウ化金属化合物粉が前記樹脂中に分散している請求項5に記載の過電圧保護材料。
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