JP2017090328A - 風力発電機用ブレードの検査方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】風力発電機用ブレードに発生し得る不具合を効率的に検査するための風力発電機用ブレードの検査方法を提供する。
【解決手段】風力発電機用ブレード10の表面を打撃具(ハンマー)20で打撃し、打撃に対する反力による打撃具20の加速度に対応する加速度信号を、加速度検出器を用いて検出し、加速度信号を解析して、風力発電機用ブレード10の不具合の有無を判断する。
【選択図】図3

Description

本発明は、風力発電機用ブレードの検査方法に関する。
環境保護、エネルギー問題に対する意識の高まりから、再生可能エネルギーへの期待が、以前にも増して高まっている。再生可能エネルギーの中でも風力発電は有効な手段の一つであり、風力発電機の安定的な運転は、風力発電の重要なポイントである。
風力発電機を構成する部品の中で、ブレードには大きな流体力と遠心力がかかり、落雷の衝撃なども受けやすいため、ブレード構成部品の脱落等のような不具合が発生しやすい部品である。しかしながら、風力発電機の中でも大型のものはそのブレードの全長が数十メートルのスケールにおよぶため、運転に支障が生ずる不具合が発生してから修理を行うことは、関係者に多大な負担が生ずる可能性がある。また、仮にブレード構成部品の落下などの事故が発生した場合、公衆に対しても危険が生ずるおそれがある。
したがって、ブレードの不具合が現実に発覚する前に、前もって当該不具合を発見するための検査方法が期待されている。上述した様に、ブレードは大型の構造物のため、検査には効率性も求められる。
種々の構造物の健全性を診断する方法として、超音波による診断法や打撃による診断法が、従来から提示されている。これらの方法は高い技術を要するものであり、かつ、判断基準が検査者各個人の基準に委ねられる側面もある。さらに野外、高所での作業であるため、ブレードの検査に必ずしも向いているとは言えない。
特許文献1および2は、ハンマー等による打撃を構造物に加えた際に測定される打撃力波形等を用いて、当該構造物の健全性を評価する方法を開示している。客観性の高い指標を用いて客観的な健全性の診断を担保することを図っている。
特開2004−309109号公報 特開2015−81767号公報
しかしながら、風力発電機用ブレードは特許文献1および2が対象とする構造物とは構造や材質が全く異なるため、これらの文献に開示された方法を適用することは難しい。
本発明は、風力発電機用ブレードに発生し得る不具合の有無を、客観的な基準をもって効率的に検査するための風力発電機用ブレードの検査方法を提供する。
本発明は、風力発電機に使用される風力発電機用ブレードを検査するための風力発電機用ブレードの検査方法であって、風力発電機用ブレードの表面を打撃具で打撃し、打撃に対する反力による前記打撃具の加速度に対応する加速度信号を、加速度検出器を用いて検出し、前記加速度信号を解析して、当該風力発電機用ブレードの不具合の有無を判断する。
本発明によれば、風力発電機用ブレードの不具合が破損事故につながる前に、前もって当該不具合を客観的な基準をもって効率的に発見することが可能となる。
風力発電機および風力発電機用ブレードを説明する図であって、(a)は、風力発電機および風力発電機用ブレードの外観図であり、(b)は、(a)におけるB−B線に沿った風力発電機用ブレードの断面図である。 検査者が風力発電機用ブレードをハンマーで打撃し、ハンマーの加速度をコンピュータで観察する状況を示す図である。 ハンマーの跳ね返り時の加速度の時間変化のグラフであり、(a)は、風力発電機用ブレードの剛性の高い領域を打撃した際に得られる加速度の波形のグラフであり、(b)は、風力発電機用ブレードの剛性が中程度の領域を打撃した際に得られる加速度の波形のグラフであり、(c)は、風力発電機用ブレードの剛性が低い領域を打撃した際に得られる加速度の波形のグラフである。 ハンマーの跳ね返り時の加速度の波形の概念図であり、(a)は、風力発電機用ブレードの健全な領域を打撃した際に得られる加速度の波形の概念図であり、(b)は、風力発電機用ブレードの健全な領域と接着部における劣化した領域との中間的な領域を打撃した際に得られる加速度の波形の概念図であり、(c)は、風力発電機用ブレードの接着部における劣化した領域を打撃した際に得られる加速度の波形の概念図である。 ハンマーの加速度をフーリエ変換して得られるスペクトルの概念図であり、(a)は、風力発電機用ブレードの健全な領域を打撃した際に得られる加速度のフーリエ変換後のスペクトルの概念図であり、(b)は、風力発電機用ブレードの健全な領域と接着部における劣化した領域との中間的な領域を打撃した際に得られる加速度のフーリエ変換後のスペクトルの概念図であり、(c)は、風力発電機用ブレードの接着部における劣化した領域を打撃した際に得られる加速度のフーリエ変換後のスペクトルの概念図である。 風力発電機用ブレードの異なる二つのサンプルについて、幅方向において変化する機械インピーダンスを示すグラフである。 風力発電機用ブレードの先端から異なる三つの位置を示す図である。 異なる二つのサンプルについて、図7における各位置での機械インピーダンスのグラフであり、(a)は、位置αでの機械インピーダンスのグラフであり、(b)は、位置βでの機械インピーダンスのグラフであり、(c)は、位置γでの機械インピーダンスのグラフである。
以下、図面を用いて、本発明に係る風力発電機用ブレードの検査方法の具体的な実施の形態について説明する。
図1(a)は風力発電機1の外観図である、本例の風力発電機1では、3枚の風力発電機用ブレード(以下、「ブレード」という)10が中心のハブ2に設けられている。ハブ2はタワー4の上端において、風向きの方向に回転可能に支持されているナセルの内部に設けられた図示せぬ発電機に接続されている。
図1(b)は、図1(a)におけるB−B線に沿ったブレード10の断面図である。ブレード10はその外殻を構成するブレードシェル11と、骨組みを構成するスパー12を含む。一般的にブレードシェル11、スパー12は、GFRP(Glass Fiber Reinforced Plastics;ガラス繊維強化プラスチック)、CFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics;炭素繊維強化プラスチック)等の如き、強度の高いFRP(Fiber Reinforced Plastics;繊維強化プラスチック)により構成されている。そして、ブレードシェル11とスパー12は、所定の接着剤等を用いて接着部13で接続されている。
ハブ2とともに回転するブレード10には大きな流体力および遠心力がかかり、落雷の衝撃なども受けやすいため、ブレード10には不具合が発生しやすい。特にブレードシェル11とスパー12を接続する接着部13には負荷により破壊が生じやすく、スパー12からブレードシェル11が剥離するおそれもある。
本発明は、ブレード10の不具合が現実に発覚する前に、前もって当該不具合を発見するための検査方法を提示するものである。
検査法として、従来から存在する超音波による診断法や打撃による診断法を採用することも考えられるが、診断画像の判定や打撃の加え方等に高い技術を要するものであり、かつ、診断基準が検査者各個人の基準に委ねられる。したがって、不具合の有無の判定において、必ずしも客観性が保たれているとは言い難い。
そこで、本発明は、図2に示すように、ハンマー等による打撃を構造物に加えた際に測定される各種の値を用いて、ブレード10を検査する検査方法を適用する。図2は、検査者がブレード10の表面を、打撃具を構成するハンマー20で打撃し、ハンマー20にケーブル30を介して接続されたコンピュータ40で観察する状況を示す図である。ハンマー20には加速度検出器(加速度計)が内蔵されているが、一般のハンマーに加速度検出器を取り付けて構成したものを用いることもでき、特にその構成は限定されない。
このとき、例えば、図3に示すようなハンマー20の打撃時の跳ね返り時の加速度のグラフが得られ(横軸が打撃直後からの経過時間t、縦軸が加速度a(t))、コンピュータ40の表示画面に表示される。この加速度は、ハンマー20の打撃を加えたブレード10の領域の挙動を反映したものであり、打撃による当該領域の振動の反力がハンマー20に与えられる。すなわち、ブレード10の当該領域の振動の加速度が、ハンマー20の加速度になって現れる。
図3(a)は、スパー12の真上の領域など、剛性の高い領域を打撃した際に得られる波形を示し、鋭くとがった形状を呈する。図3(b)は、ブレードシェル11とスパー12の境界領域など、剛性が中程度の領域を打撃した際に得られる波形を示し、中程度にとがった形状を呈する。図3(c)は、ブレードシェル11の裏側に何も存在しない領域や、接着部13における接着不良の如き不具合が存在する領域のように、剛性が低い領域を打撃した際に得られる波形を示し、なだらかな形状を呈する。尚、図で示す波形は、ハンマー20の加速度に対応して、加速度検出器が電気信号として検出する加速度信号である。
すなわち、加速度の波形は、ブレード10におけるハンマー20の打撃を加えた領域の構造的な特徴に依拠する。このような加速度の波形形状の違いを検査者が目視することにより、ブレード10における対象領域の状態を判定することも可能である。ただし、より客観性を高めるため、加速度の波形から、以下のような計算を行い、計算結果を用いてブレードの検査を行うことが可能である。以下、ブレード10の不具合の有無を評価するための四つの具体的な評価方法を紹介する。
1つ目の評価方法は、ハンマー20の加速度に基づき機械インピーダンスを計算する方法である。上述したハンマー20の跳ね返り時の加速度がa(t)、ハンマー20の質量がMの場合、ハンマー20が押し返される力(反力)F(t)は、F(t)=Ma(t)となる。Mは定数であるため、F(t)はa(t)と同じ波形形状を有する。tは打撃直後からの経過時間である。
次に、ハンマー20の打撃時の初速度Vは以下の式(1)で表される。初速度Vは加速度a(t)の積分値に該当する。
Figure 2017090328
次に、機械インピーダンスZは、以下の式(2)で求められる。F(t)の最大値(加速度a(t)のピークに対応)がFmaxのとき、機械インピーダンスZは、最大Fmaxを初速度V0で除することにより得られる。機械インピーダンスZは電気回路におけるインピーダンスに類似する概念であり、電気回路における電圧が力に対応し、電流が速度に対応する。
Figure 2017090328
コンピュータ40は、上述した計算を含む加速度信号の解析を行うことが可能である。得られた機械インピーダンスZの値に基づき、コンピュータ40が最終的にブレード10の不具合の有無を判定したメッセージを出してもよいし、検査者が最終的に不具合の有無を判定してもよい。
上述の式で求められた機械インピーダンスZの値により、ブレード10の不具合の有無を客観的に評価する検査方法が可能となる。すなわち、機械インピーダンスZはハンマー20の初速度に依拠しないため、個人の操作に依拠したハンマー20の打撃力とは無関係に、ブレード10を客観的に評価することが可能となる。そして、機械インピーダンスZが大きい場合、加速度の波形は鋭くとがった形状をとり、剛性が高い、健全な状態にあると判定できる。一方、機械インピーダンスZが小さい場合、加速度の波形のピークは小さくなり、剛性が低いと判定されるため、接着部13の劣化等の不具合があるものと推定することができる。
2つ目の評価方法は、加速度の波形のピークの形状を用いる方法である。図4は加速度の波形の概念図であり(横軸が打撃直後からの経過時間t、縦軸が加速度a(t))、ピークが現れている。図4(a)において、tは加速度のピークの始まり(打撃の時)の時刻、tは最初に発生するピークの最大値の時刻、tはtの後の最初の極小値の時刻である。このとき時刻tにおける加速度の1回微分、2回微分は、それぞれ式(3)、(4)のようになる。
Figure 2017090328
Figure 2017090328
また、時刻tにおける加速度の1階微分、2階微分は、それぞれ式(5)、(6)のようになる。
Figure 2017090328
Figure 2017090328
図4(a)においてピークの形状に注目すると、時刻tにおいてピークの極大値を通り、当該ピークを前半部と後半部に(左右に)分ける線Lを中心として、線対称の形状になっており、時刻tから時刻tまでの時間と、時刻tから時刻tまでの時間は、ほぼ等しくなっており、下記の式(7)が成立する。Tはピークの対称性を示す指標であり、Tの値が1に近いほど線Lを中心とした線対称の対称性が高い。
Figure 2017090328
図4(a)のような形状の場合、ブレード10は健全と推定される。一方、図4(b)のピークの場合、時刻tから時刻tまでの時間より、時刻tから時刻tまでの時間がやや長くなっており、下記の式(8)が成立する。
Figure 2017090328
図4(b)のような形状の場合(例えば、T=2〜5の場合)、ブレード10は不具合の可能性ありと推定される。一方、図4(c)のピークの場合(例えば、Tが10以上またはTが0.5以下)、時刻tから時刻tまでの時間より、時刻tから時刻tまでの時間がはるかに長くなっている。また、図4(c)のグラフは実質的に図3(c)のグラフに等しい。図3(c)は剛性の低い領域での打撃時のグラフに対応するが、このような領域では、周期の長い振動と、周期の短い振動の双方が混在する。周期の長い振動は図4(c)のグラフで示されるが、周期の短い振動は図3(c)のR部分に対応し、この場合、時刻tから時刻tまでの時間より、時刻tから時刻tまでの時間が長くなる場合がある。この場合、下記の式(9)が成立する。(9)の式において、1番目の式が図4(c)のグラフに対応し、2番目の式が図3(c)のR部分のグラフに対応する。
Figure 2017090328
図4(c)のような形状の場合、剛性が低いことがわかるため、ブレード10は不具合ありと判断される。このように、加速度の波形のピークの対称性の程度に基づき、ブレードの不具合の有無を検査することが可能である。式(7)が成立する場合は対称性が高く、式(9)が成立する場合は対称性が低い。式(8)が成立する場合は、その対称性は式(7)が成立する場合と式(9)が成立する場合の中間である。
コンピュータ40は、上述した計算を含む加速度信号の解析を行うことが可能である。式(7)〜(9)のうち、得られた結果に基づき、コンピュータ40が最終的にブレード10の不具合の有無を判定したメッセージを出してもよいし、検査者が最終的に不具合の有無を判定してもよい。
3つ目の評価方法は、ハンマー20の加速度のフーリエ変換を用いる方法である。図5は、ハンマー20の加速度a(t)をフーリエ変換して得られる値A(f)が示すスペクトルの概念図である。グラフにおいて、横軸は打撃した領域における振動の周波数f、縦軸が加速度a(t)をフーリエ変換して得られる値A(f)である。打撃により、打撃領域は振動するが、その振動は複数の周波数成分の集まりであり、本スペクトルによりどの周波数成分が支配的なのかが理解できる。
ハンマー20により剛性の高い領域を打撃した際は、当該領域の振動の振幅、すなわちハンマー20の振幅波形は単一のピークを持ち、その周期は小さくなるので、スペクトルにおいてピークが現れる周波数は大きくなると考えられる。一方、ハンマー20により剛性の小さい領域を打撃した際は、当該領域の振動の振幅、すなわちハンマー20の振幅波形はなだらかな形状となり、その周期は大きくなるので、スペクトルにおいてピークが現れる周波数は小さくなると考えられる。
図5(a)は、ブレード10の健全な領域を打撃した際に得られるフーリエ変換後の値A(f)のスペクトルの概念図であり、剛性が大きいため、ピークが現れる周波数はある程度の大きさを持っている。図5(b)は、ブレード10の健全な領域と接着部における劣化した領域との中間的な領域を打撃した際に得られるフーリエ変換後のスペクトルの概念図である。図5(a)に比べて、剛性が小さいため、ピークが現れる周波数は小さくなっている。図5(c)は、ブレードの接着部における劣化した領域を打撃した際に得られるフーリエ変換後のスペクトルの概念図である。図3(c)、図4(c)で説明した様に、劣化した領域では剛性が低く、周期の長い振動(周波数が低い)と、周期の短い振動(周波数が高い)の双方が混在するため、各振動に対応して複数のピークが出現する。図5(c)におけるAのピークが周期の長い振動に対応し、Bのピークが周期の短い振動に対応する。
このように、加速度をフーリエ変換して得られる値のスペクトルにおけるピークの周波数(場合によってはピークの数も考慮し)に基づき、ブレード10の不具合の有無を検査することが可能である。
コンピュータ40は、上述した計算を含む加速度信号の解析を行うことが可能である。得られたピークの周波数(場合によってはピークの数も考慮し)に基づき、コンピュータ40が最終的にブレード10の不具合の有無を判定したメッセージを出してもよいし、検査者が最終的に不具合の有無を判定してもよい。
また、不具合のない健全部分についての加速度の振幅値の波形を予め標準波形として取得し、図3、図4に示した検査対象箇所の加速度信号の波形と、標準波形とを比較して、検査対象箇所における不具合の有無を検査することが可能である。これはいわゆるパターンマッチングの一種である。また、加速度をフーリエ変換して得られるスペクトル信号の波形について標準波形を用意し、この標準波形と図5に示した検査対象のスペクトルとを比較することにより、検査を行ってもよい。ここでの判定には、例えばニューラルネットワークの如き数学モデルを用いることができ、コンピュータ40にインストールされたアプリケーションが当該モデルを実行する。
次に、ブレード10の幅方向において異なる複数の位置(領域)に対応した、1つ目の評価方法の機械インピーダンスZの挙動を調べた。図6は、2種類の異なるブレードのサンプルA、Bに関して、ブレードの幅方向における機械インピーダンスZの変化を示すグラフである。グラフにおいて、横軸はブレードの幅方向の位置を表し(0mm〜900mm)、縦軸は幅方向の位置に対応した領域で得られた加速度a(t)から求められた機械インピーダンスZである。グラフの横軸の目盛りとグラフの下のブレード10の幅方向の位置はおおむね一致している。
ブレードの幅方向のおおよそ中央部の領域では、サンプルAの機械インピーダンスZは、サンプルBに比べて変動が大きい。特に、500mm付近では、サンプルAの機械インピーダンスは極端に小さくなっている(点P参照)。一方、ブレードの幅方向の両端部の領域では、両サンプルの機械インピーダンスZに関する挙動は類似している。このことから、サンプルAの幅方向の中央部で、ブレードシェル11とスパー12が剥離し始めていると推定することができる。
次に、ブレード10の長さ方向において異なる複数の位置(領域)に対応した、機械インピーダンスZの挙動を調べた。図7は、ブレード10の先端から異なる三つの位置α、β、γを示す図である。図8(a)は、2種類の異なるブレードのサンプルA、Bに関して、図7の位置αにおける機械インピーダンスZの変化を示すグラフである。図8(b)は、2種類の異なるブレードのサンプルA、Bに関して、図7のβ位置における機械インピーダンスZの変化を示すグラフである。図8(c)は、2種類の異なるブレードのサンプルA、Bに関して、図7のγ位置における機械インピーダンスZの変化を示すグラフである。
図8(a)、(c)に示すように、二つのサンプルは長さ方向のα位置、γ位置では、似たような機械インピーダンスZの挙動を示している。一方、図8(b)に示すように、長さ方向のβ位置において、幅方向の600mm付近の位置では、サンプルAの機械インピーダンスZは、サンプルBの機械インピーダンスZに比べて極端に小さい(Sで示す)。このことから、サンプルAの幅方向600mm付近の領域で、ブレードシェル11とスパー12が剥離し始めていると推定することができる。
尚、不具合は接着部13に発生しやすいが、本発明が対象とする検出可能な不具合は接着部13に発生するもののみならず、ブレード10の全体に渡って発生し得る不具合を含む。
以上述べたように、本発明の検査方法によれば、風力発電機用ブレードの不具合が現実に発覚する前に、前もって当該不具合を客観的な基準をもって効率的に発見することが可能となる。
尚、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
本発明によれば、風力発電機用ブレードに発生し得る不具合を効率的に検査するための風力発電機用ブレードの検査方法が提供される。
1 風力発電機
2 ハブ
4 タワー
10 ブレード(風力発電機用ブレード)
11 ブレードシェル
12 スパー
13 接着部
20 ハンマー(打撃具)
30 ケーブル
40 コンピュータ
特開2004−144586号公報 特開2015−81767号公報

Claims (7)

  1. 風力発電機に使用される風力発電機用ブレードを検査するための風力発電機用ブレードの検査方法であって、
    風力発電機用ブレードの表面を打撃具で打撃し、
    打撃に対する反力による前記打撃具の加速度に対応する加速度信号を、加速度検出器を用いて検出し、
    前記加速度信号を解析して、当該風力発電機用ブレードの不具合の有無を判断する、
    風力発電機用ブレードの検査方法。
  2. 請求項1に記載の風力発電機用ブレードの検査方法であって、
    前記加速度信号から機械インピーダンスを算出し、当該機械インピーダンスの値に基づき前記風力発電機用ブレードの不具合の有無を判断する、風力発電機用ブレードの検査方法。
  3. 請求項1に記載の風力発電機用ブレードの検査方法であって、
    前記加速度信号のピークの対称性を求め、当該対称性に基づき前記風力発電機用ブレードの不具合の有無を判断する、風力発電機用ブレードの検査方法。
  4. 請求項1に記載の風力発電機用ブレードの検査方法であって、
    前記加速度信号をフーリエ変換して得られるスペクトルに基づき、前記風力発電機用ブレードの不具合の有無を判断する、風力発電機用ブレードの検査方法。
  5. 請求項1に記載の風力発電機用ブレードの検査方法であって、
    前記加速度信号の波形を予め準備した標準波形と比較することにより、前記風力発電機用ブレードの不具合の有無を判断する、風力発電機用ブレードの検査方法。
  6. 請求項1に記載の風力発電機用ブレードの検査方法であって、
    前記風力発電機用ブレードの幅方向における複数の位置において、前記加速度信号を検出する、風力発電機用ブレードの検査方法。
  7. 請求項1に記載の風力発電機用ブレードの検査方法であって、
    前記風力発電機用ブレードの長さ方向における複数の位置において、前記加速度信号を検出する、風力発電機用ブレードの検査方法。
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