JP2020180563A - 風力発電システム及び風力発電装置のメンテナンス方法 - Google Patents

風力発電システム及び風力発電装置のメンテナンス方法 Download PDF

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Abstract

【課題】風力発電装置の点検作業における点検工数を削減する。【解決手段】風を受けて発電機を回転させる風力発電装置101と、風力発電装置101の状態を計測する制御用センサ102と、制御用センサ102に基づいて風力発電装置101に関する情報を演算する演算処理部104を備える。演算処理部104は、制御用センサ102が計測したデータから風力発電装置101にかかる荷重を算出する荷重算出部108と、風力発電装置101の点検箇所に関する閾値を決定する点検箇所閾値決定部109と、荷重算出部108で算出されたデータと点検箇所閾値決定部109で決定した閾値に基づいて、風力発電装置101の点検箇所を決定する点検箇所決定部110を備えた。【選択図】 図1

Description

本発明は風力発電システム及び風力発電装置のメンテナンス方法に関する。
近年、地球温暖化への対策として、風力、水力、太陽光などの再生可能なエネルギーに大きな注目が集まっている。特に風力発電は、その構成が簡単で大型化も容易であり発電コストも比較的低く安全であるなどの利点のため、世界的に導入が進んでいる。一般に風力発電装置は、複数のブレードがハブに取り付けられてロータを構成し、ブレードに風を受けて回転するロータの回転エネルギーによって発電機を駆動するようなっている。
風力発電装置は複数台設置され、時々刻々と変化する風をエネルギー源として発電を行う。したがって、実際に風力発電装置に流入する風の風速や乱れが設計条件よりも厳しい場合には、風力発電装置の負荷が増大し、構成部品の損傷やボルトの緩みなどが発生する可能性がある。そこで風力発電装置では定期的に構成部品の点検およびメンテナンスを実施するが、点検およびメンテナンス実施中の風力発電装置は発電を停止するため、発電量が減少する。特にブレードやタワーを固定するボルトは数が多いため点検に時間を要する。
また、台風や地震等が発生した場合には、必要に応じて発電を停止して点検を実施するため、その際も同様に発電量が減少する。
浮体式洋上風力発電施設の構造的な弱点箇所をモニタリングする技術として、例えば特許文献1に記載の技術がある。特許文献1では、浮体施設の稼働時の浮体運動、気象・海象条件等、浮体施設の全体挙動に係る指標を計測し、浮体施設の複数のモニタリング部位における荷重や応力をリアルタイムで推定する技術が提案されている。
また、特許文献2では、簡便な装置構成で入手可能な風速と、発電量もしくはブレードのピッチ角のデータから、予め作成しておいた風速、発電量もしくはピッチ角と、風況パラメータを関連付けるテーブルと、風況パラメータと風力発電装置に加わる疲労荷重を関連付けるテーブルを用いて、風力発電装置の構成部品の疲労荷重を推定する装置が提案されている。
特開2015−45329号公報 特開2015−117682号公報
風力発電装置の点検では、タワーやブレードの円周方向に取り付けられているボルトの破損、緩み等を点検するが必要である。タワーやブレードの円周方向に取り付けられるボルトは、その数が固定箇所一か所につき数十個の数となるため、点検作業には多くの時間を費やす。
上述した特許文献1及び2に記載の技術においては、過去に測定された疲労荷重のデータと現在の風と風車の状態データから、構造体の荷重や応力、疲労損傷を推定しているが、風力発電装置のタワーやブレードの円周方向に取り付けられたボルトにおける円周方向の荷重や疲労損傷の分布を推定することについては考慮されていなかった。
このため、特許文献1及び2に記載の技術においては、点検作業の工数削減には至らず、点検作業に多くの時間が必要であった。この結果、風力発電装置を早期に復帰することができず、発電量が低下する時間が長くなっていた。
本発明の目的は、上記課題を解決し、風力発電装置の点検作業における点検工数を削減することができる風力発電システム及び風力発電装置のメンテナンス方法を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明は、風を受けて発電機を回転させる風力発電装置と、前記風力発電装置の状態を計測するセンサと、前記センサに基づいて前記風力発電装置に関する情報を演算する演算処理部を備えた風力発電システムであって、前記センサが計測したデータから前記風力発電装置にかかる荷重を算出する荷重算出部と、前記風力発電装置の点検箇所に関する閾値を決定する点検箇所閾値決定部と、前記荷重算出部で算出されたデータと前記点検箇所閾値決定部で決定した閾値に基づいて、前記風力発電装置の点検箇所を決定する点検箇所決定部を備えたことを特徴とする。
また、本発明の特徴とするところは、風を受けて発電機を回転させる風力発電装置と、前記風力発電装置の状態を計測するセンサと、前記センサに基づいて前記風力発電装置に関する情報を演算する演算処理部を備えた風力発電装置のメンテナンス方法であって、前記センサが計測したデータから前記風力発電装置にかかる荷重を算出するステップと、前記風力発電装置の点検箇所に関する閾値を決定するステップと、前記算出された前記荷重に関するデータと決定された前記閾値に基づいて、前記風力発電装置の点検箇所を決定するステップと、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、風力発電装置の点検作業における点検工数を削減することができる風力発電システム及び風力発電装置のメンテナンス方法を提供することができる。
本発明の第1実施例に係る風力発電システムの構成図である。 本発明の第1実施例に係る風力発電装置のメンテナンスを実施するためのブロック図である。 本発明の第1実施例に係る風力発電装置のメンテナンスの情報処理とデータの流れを示すフローチャートである。 本発明の第1実施例に係る点検箇所閾値入力部201の入力画面の一例を示す図である。 本発明の第1実施例に係る点検箇所候補の表示画面の一例を示す図である。 本発明の第2実施例に係る風力発電システムの構成図である。 本発明の第2実施例に係るブレード根元ボルト累積損傷度の円周方向分布を示す図である。 本発明の第2実施例に係るブレード根元ボルト累積損傷度の時系列データを示す図である。 本発明の第3実施例に係る荷重算出部108の処理とデータの流れを示す図である。 本発明の第4実施例に係る荷重算出部108の処理とデータの流れを示す図である。 本発明の第4実施例に係る荷重データベースの一例を示す図である。 本発明の第5実施例に係る点検データを用いた点検箇所閾値決定部109の処理とデータの流れを示す図である。 本発明の第5実施例に係る点検データベースの一例を示す図である。
以下、本発明の実施例について図面を参照し説明する。
図1は本発明の第1実施例に係る風力発電システムの構成図である。第1実施例における風力発電システムは、主にタワー、ナセル、ハブ、ブレード等を備えた風力発電装置101、制御用センサ102(センサ)、データ取得部103、演算処理部104、入出力端末105から構成されている。なお、これらは互いにインターネットやイントラネットなどネットワークを介して接続されていても良い。
風力発電装置101は、複数の円筒状部材が複数のボルトで接合されたタワーと、タワーの上部に設けられ、発電機等が収納されたナセルと、ナセルの先端部に設けられ発電機の回転軸と接続されたハブと、ハブに複数のボルトで取り付けられた複数のブレードから構成されている。風力発電装置101はブレードで風を受けて発電機を回転させるものであり、
制御用センサ102は、風力発電装置101に取り付けられ、風力発電装置101の制御に必要な風速、風向、ブレードピッチ角、ナセル方位角、ロータアジマス角、発電機回転数、発電量など風力発電装置101の種々の状態を計測する。
データ取得部103は、複数の制御用センサ102から得られて情報を取得し、演算処理部104へ送信する。
演算処理部104は、具体的には、CPU(Central Processing Unit)とCPUの演算結果を記憶するメモリやハードディスクで構成され、本システムにおける情報処理を実行する。この演算処理部104では、荷重算出部108、点検箇所閾値決定部109、点検箇所決定部110、点検箇所表示処理部111が実行される。
入出力端末105は、入力部106および出力部107で構成される。入力部106では、キーボード、マウス、タッチパネル等の種々の入力装置であり、利用者が本システムに関して情報等を入力する際に用いる。出力部107は、ディスプレイ装置等の出力デバイスであり、演算処理部104による処理の過程や結果、あるいは本システムの利用者のための対話的な処理のための画面を表示する。
荷重算出部108は、データ取得部103を介して取得した制御用センサ102の情報に基づいて、タワー、ブレード等の評価部位におけるボルト等の荷重を計算する。
点検箇所閾値決定部109は、荷重算出部108で計算されたボルト等の荷重から点検する箇所を判定するための閾値を決定する。
点検箇所決定部110は、荷重算出部108で計算された荷重と、点検箇所閾値決定部109で決定された閾値から、点検が必要なボルト等を決定する。
点検箇所表示処理部111は、点検箇所決定部110で決定された点検箇所を表示するためのデータ処理を行い、入出力端末105の出力部107により出力し、本システムの利用者に提示する。
次に、風力発電機装置におけるメンテナンスの処理の流れを説明する。図2は本発明の第1実施例に係る風力発電装置のメンテナンスを実施するためのブロック図、図3は本発明の第1実施例に係る風力発電装置のメンテナンスの情報処理とデータの流れを示すフローチャートである。
まず、データ取得部103は、風車で計測されたデータを取得し、荷重算出部108にデータを送信する。
次に荷重算出部108では、取得された測定データに基づいて荷重を計算し、その結果を点検箇所決定部110へ送信する(センサが計測したデータから風力発電装置101にかかる荷重を算出するステップS301)。ここで、荷重計算に用いる計測データと荷重計算方法については、例えばひずみデータを利用する方法、風況データから物理計算する方法、予めデータベースを用意する方法等、複数のやり方があり、適宜選択すれば良い。また荷重についても、モーメント統計量、疲労損傷度、疲労等価荷重を用いるなど複数の方法があり、適宜選択すれば良い。
次に、点検箇所閾値入力部201では、本システムの利用者がボルト点検箇所を決定するための閾値を入力する。この点検箇所閾値入力部201は、図1に示すキーボード等の入力部106を利用するようにしても良い。
図4に検箇所閾値を入力する入力画面の一例を示す。図4は本発明の第1実施例に係る点検箇所閾値入力部201の入力画面の一例を示す図である。システム利用者はここで例えば荷重上位パーセント入力部401に任意の数値を入力する。例えば、ここでの入力は、上位10%のボルトを点検するということになる。または、モーメント統計量入力部402、疲労損傷度入力部403、疲労等価荷重入力部404の閾値を入力するようにしても良い。または、過去点検時のデータから自動で判定する設定としても良い(自動判定入力部405)。モーメント統計量を選択した場合は、モーメント統計量選択設定部407で、例えば平均、最大、最小、標準偏差等の統計量を選択する。また点検の対象の部位を部位選択部406で選択する。最後に実行ボタン408を実施する。
次に、点検箇所閾値決定部109では、点検箇所閾値入力部201で入力された設定を用いて、閾値を決定する(風力発電装置101の点検箇所に関する閾値を決定するステップS302)。点検箇所閾値入力部201で荷重上位パーセント、モーメント、疲労損傷度、疲労等価荷重の閾値を入力した場合はその閾値が点検箇所の閾値となる。過去点検時のデータから自動で判定を指定した場合は、過去点検時に測定したボルトのトルク等のデータから閾値を決定する。
次に、点検箇所決定部110では、荷重算出部108で計算された荷重と点検箇所閾値決定部109で決定された点検箇所閾値を比較して、複数のボルトの中から、計算された荷重が点検箇所閾値を上回るボルトを特定し、点検箇所として決定する(算出された荷重に関するデータと決定された閾値に基づいて、風力発電装置101の点検箇所を決定するステップS303)。
最後に点検箇所表示処理部111では、点検箇所が表示するためのデータ処理を行い(点検箇所の表示内容を処理するステップS304)、表示データを点検箇所表示部202の送信し、システム利用者にボルト点検箇所の候補を提示する。表示例を図5に示す。
図5は本発明の第1実施例に係る点検箇所候補の表示画面の一例を示す図である。図4においては、ブレード根元501、タワーフランジ502、503の点検箇所を示している。ブレード根元501は、ブレードの長手方向と直交する断面がほぼ円状に形成され、ブレード根元501の周囲に複数本のボルトが配置されてハブの固定されている。図5におけるブレード根元501は、ブレードの根元部分を、ブレードの長手方向から見た状態のものである。
風力発電装置101のタワーは、円筒状部材が複数本連結されて高さ方向に延びて構成されている。円筒状部材同士の接合部にはそれぞれフランジ部が設けられており、円筒状部材はフランジ部同士を対向させた状態において複数本のボルトで固定される。タワーフランジ502、503は円筒状部材の長手方向から見た状態のものである。
図5では、ブレード根元501の点検箇所として、ボルトNo.11〜15及びボルトNo.61〜65を示している。同様にタワーフランジ502ではボルトNo.41〜46及びボルトNo.84〜92、タワーフランジ503ではボルトNo.44〜52及びボルトNo.94〜100が点検箇所であることを示している。表示を終了させる場合には、終了ボタン504を押す。この表示方法は一例であり、例えば点検箇所の候補をリスト形式で表示するようにしても良い。
第1実施例によれば、複数本のボルトのうち、点検が必要なボルトの箇所を特定して表示するようにしているので、風力発電装置の点検作業における点検工数を削減することができる。
次に本発明の第2実施例について説明する。第2実施例では、荷重計算方法として、ひずみ計測データを用いた手法、点検箇所の判断に疲労損傷度を用いた場合の風力発電装置のメンテナンスについて説明する。なお、第1実施例と同一構成については同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図6は本発明の第2実施例に係る風力発電システムの構成図である。図6では、図1に対して、構造評価用センサ601(センサ)が追加されている。構造評価用センサ601とは、例えばブレード、タワーに設置されているひずみセンサである。ひずみセンサは、複数のボルトが締結されている部分に取付け、ひずみ量を測定する。このひずみセンサから得られたひずみデータから、疲労損傷度を計算する手法の一例を説明する。疲労損傷度の計算では、例えば取得されたひずみの時系列データを応力に変換し、ある一定期間(例えば10分)の応力の時系列データにレインフロー法を適用し、時系列データに含まれる様々な応力振幅のレンジごとの頻度を計算し、その頻度からマイナー則などを用いて、式(1)により、現在の風力発電装置の損傷度を計算する。
Figure 2020180563
ここで、Dは疲労損傷、添え字iは、応力振幅のレンジ番号nはレインフロー法でカウントされた頻度、NはS/N線図による許容繰り返し数である。
図7に計算結果を示す。図7は本発明の第2実施例に係るブレード根元ボルト累積損傷度の円周方向分布を示す図である。図7はブレードを長手方向から見たものであり、ブレード根元の周囲に、ハブに連結するための複数本のボルト701が円周状に配置されている。図7において、ボルト701の損傷度は、均一ではなく、ブレードの外周に近いほど高くなっている。
次に、図8に時系列データを示す。図8は本発明の第2実施例に係るブレード根元ボルト累積損傷度の時系列データを示す図である。時系列データは測定した箇所と同数存在する。図8では縦軸に累積損傷度、横軸に日時を示している。
ブレードは風を受けて回転するので、ブレード根元ボルトには荷重が加わり、時間の経過と共に損傷度が累積される。累積損傷度はブレードが受ける荷重の大きさによって変化する。図8ではD1〜D2にかけて累積損傷度が急激に上昇している。この原因としては、例えば台風による強風を受けたり、地震によりブレードが振られた場合がある。ブレードは強風、地震等の影響を受け、ボルトに過度な荷重が加わり、累積損傷度が急激に上昇する。
図7及び図8ではブレードの例を示しているが、タワーを構成する円筒部材の接合部についても同様である。
第2実施例では、計測されたひずみデータからブレードおよびタワーの損傷度を計算することにより、複数のボルトの中から損傷または緩みやすいボルトの箇所を推定できる。そして第2実施例によれば、推定した箇所を優先して点検およびメンテナンスすることにより、それらの工数を削減することができる。なお、ここでは疲労損傷度を評価指標として用いたが、第3実施例で説明する疲労等価荷重やモーメントや応力の統計値(平均、最大、最小、標準偏差など)を用いても良い。
次に本発明の第3実施例について説明する。第3実施例では、物理解析を用いた手法、点検箇所の判断に疲労等価荷重を用いた手法の場合における風力発電装置のメンテナンス方法について説明する。なお、第1実施例と同一構成については同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図9は本発明の第3実施例に係る荷重算出部108の処理とデータの流れを示す図である。物理解析による荷重計算では、風車制御用データである風況、風車状態データから荷重を推定する。
まず、外力推定手段901が、少なくとも風速、風向、ブレードピッチ角、ロータアジマス角、ロータ回転数もしくは発電機回転数、ナセル方位角を含む制御用センサデータから、タワーやブレードに発生する流体力や自重による力を推定する。ブレードに発生する流体力は、例えば、ブレードの断面形状等を含むブレードの空力モデルから、翼素運動量理論などを用いて推定される。また、タワーに加わる流体力は、例えば、タワーの断面形状に対応する抗力係数などを用いて計算される。
次に、変形量推定手段902が、外力推定手段901で推定された外力から、風力発電装置の構造モデルなどに基づき、風力発電装置の変形量などを推定する。例えば、式(2)のような有限要素モデルから、風力発電装置の各構成部品の変位、速度、加速度などを推定する。
Figure 2020180563
ここで、x,x’,x”はそれぞれ風力発電装置の有限要素モデルの節点変位、速度、加速度である。また、M,C,Kはそれぞれ風力発電装置の有限要素モデルの質量マトリクス、粘性マトリクス、剛性マトリクスである。Fは外力推定手段901によって推定された外力である。
次に、疲労荷重推定手段903が、変形量推定手段902により推定された、風力発電装置の変形量から、風力発電装置の各構成部品に発生している応力やモーメントを計算し、疲労等価荷重を計算する。疲労等価荷重は以下の式(3)で計算される。
Figure 2020180563
ここで、Reqは疲労等価荷重、Riは荷重レンジiにおける荷重振幅、niはRiのサイクル数、N0は対象の期間に想定する振動の数、mは対象材料のSNカーブのスロープ数である。疲労等価荷重の計算では、例えば応力の時系列データからレインフロー法を用い、時系列データに含まれる様々な応力振幅のレンジごとの頻度を計算し、その頻度から式(3)を用いて計算する。また、ここでは疲労等価荷重を評価指標として用いたが、第2実施例で説明した疲労損傷度やモーメントや応力の統計値(平均、最大、最小、標準偏差など)を用いても良い。
計算結果については、例えば第1実施例で説明した図5のように表示する。
第3実施例では、物理解析により損傷度を計算することにより、複数のボルトの中から損傷または緩みやすいボルトの箇所を推定できる。そして第3実施例によれば、推定した箇所を優先して点検およびメンテナンスすることにより、それらの工数を削減することができる。
次に本発明の第4実施例について説明する。第4実施例では、物理解析を用いた手法、点検箇所の判断に疲労等価荷重を用いた手法の場合における風力発電装置のメンテナンス方法について説明する。なお、第1実施例と同一構成については同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図10は本発明の第4実施例に係る荷重算出部108の処理とデータの流れを示す図である。荷重算出部108には、荷重データを予め作成し、記憶した荷重データベース1001と、制御用センサ102から得た風車制御用データと、荷重データベース1001に記憶されたデータに基づいて疲労荷重を推定する疲労荷重推定手段1002を備えている。荷重算出部108は、疲労荷重推定手段1002で得た情報から疲労損傷度の推定を行う。
荷重データベースの一例を図11に示す。図11は、本発明の第4実施例に係る荷重データベースの一例を示す図である。荷重データベースは例えば平均風速と乱流強度のマトリックスに対して、疲労損傷度の値が保存されている。このデータベースは計測データまたは物理解析などの方法で予め作成しておく。流れには、流体が不規則に運動している乱流が発生するため、平均風速は同等であっても、ブレードが受ける荷重が異なる。そこで、第4実施例では、平均風速に加え、乱流強度を加味した疲労損傷度の値をデータベース化した。
第4実施例では、平均風速に加え、乱流強度を加味した疲労損傷度を算出することにより、より正確に複数のボルトの中から損傷または緩みやすいボルトの箇所を推定できる。そして第4実施例によれば、推定した箇所を優先して点検およびメンテナンスすることにより、それらの工数を削減することができる。
第4実施例では、平均風速と乱流強度に対するマトリックスを示したが、他にも風向、発電量、ロータもしくは発電機回転数、ブレードピッチ角、ヨーミスアライメント等を用いても良い。また疲労損傷ではなく、疲労等価荷重やモーメント・応力の統計量を用いても良い。このような荷重データベースを参照することで、風車制御用データから荷重を推定することができる。
次に本発明の第5実施例について説明する。第5実施例では、点検箇所閾値を過去点検時のデータから自動で判定する場合における風力発電装置のメンテナンス方法について説明する。なお、第1実施例と同一構成については同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図12は本発明の第5実施例に係る点検データを用いた点検箇所閾値決定部109の処理とデータの流れを示す図である。
点検箇所閾値決定手段1202は点検データベース1201を参照して点検箇所閾値を決定する。点検データベースの一例を図13に示す。本発明の第5実施例に係る点検データベースの一例を示す図である。点検データベースは各ボルトに対して、過去に実施した点検時の、締め付けトルク、緩みのありなし、破損他の異常あり,なし、及び第1実施例〜第4実施例に基づいて実施された過去の点検時に推定した荷重(例えば損傷度)が記録されている。
第5実施例によれば、過去に実施した点検データベースを参照することにより、推定損傷度に対して実際にボルトの緩みや破損等が発生しているかどうかを把握することができ、この情報からより適切な点検箇所閾値を設定することができる。
101…風力発電装置、102…制御用センサ、103…データ取得部、104…演算処理部、105…入出力端末、106…入力部、107…出力部、108…荷重算出部、109…点検箇所閾値決定部、110…点検箇所決定部、111…点検箇所表示処理部、201…点検箇所閾値入力部、202…点検箇所表示部、401…荷重上位パーセント入力部、402…モーメント統計量入力部、403…疲労損傷度入力部、404…疲労等価荷重入力部、405…自動判定入力部、406…部位選択部、407…モーメント統計量選択設定部、408…実行ボタン、501…ブレード根元、502,503…タワーフランジ、504…終了ボタン、601…構造評価用センサ、701…ボルト、901…外力推定手段、902…変形量推定手段、903…疲労荷重推定手段、1001…荷重データベース、1002…疲労荷重推定手段、1201…点検データベース、1202…点検箇所閾値決定手段

Claims (10)

  1. 風を受けて発電機を回転させる風力発電装置と、前記風力発電装置の状態を計測するセンサと、前記センサに基づいて前記風力発電装置に関する情報を演算する演算処理部を備えた風力発電システムであって、
    前記センサが計測したデータから前記風力発電装置にかかる荷重を算出する荷重算出部と、前記風力発電装置の点検箇所に関する閾値を決定する点検箇所閾値決定部と、前記荷重算出部で算出されたデータと前記点検箇所閾値決定部で決定した閾値に基づいて、前記風力発電装置の点検箇所を決定する点検箇所決定部を備えたことを特徴とする風力発電システム。
  2. 請求項1において、
    前記風力発電装置は、複数の円筒状部材が接合されたタワーと、前記タワーの上部に設けられ、発電機が収納されたナセルと、前記ナセルの先端部に設けられ前記発電機の回転軸と接続されたハブと、前記ハブに複数のボルトで取り付けられた複数のブレードから構成され、
    前記風力発電装置の点検箇所は、前記ブレードを前記ハブに取り付ける複数のボルトであることを特徴とする風力発電システム。
  3. 請求項1において、
    前記風力発電装置は、複数の円筒状部材が複数のボルトで接合されたタワーと、前記タワーの上部に設けられ、発電機が収納されたナセルと、前記ナセルの先端部に設けられ前記発電機の回転軸と接続されたハブと、前記ハブに取り付けられた複数のブレードから構成され、
    前記風力発電装置の点検箇所は、前記複数の円筒状部材を接合する複数のボルトであることを特徴とする風力発電システム。
  4. 請求項1乃至3の何れか1項において、
    前記センサは、構造評価用センサであることを特徴とする風力発電システム。
  5. 請求項4において、
    前記構造評価用センサは、ひずみセンサであることを特徴とする風力発電システム。
  6. 請求項1乃至3の何れか1項において、
    前記荷重算出部は、前記センサから得られた計測データと物理解析により荷重を算出することを特徴とする風力発電システム。
  7. 請求項1乃至3の何れか1項において、
    前記荷重算出部は、荷重データを記憶した荷重データベースを備え、前記荷重データベースに記憶されたデータと前記センサから得たデータとに基づいて疲労荷重を推定することを特徴とする風力発電システム。
  8. 請求項1乃至3の何れか1項において、
    前記点検箇所決定部は、疲労損傷度、疲労等価荷重、モーメント統計量、荷重上位パーセントの何れかにより点検箇所を決定することを特徴とする風力発電システム。
  9. 請求項1乃至3の何れか1項において、
    前記点検箇所決定部は、過去点検時のデータから自動で決定することを特徴とする風力発電システム。
  10. 風を受けて発電機を回転させる風力発電装置と、前記風力発電装置の状態を計測するセンサと、前記センサに基づいて前記風力発電装置に関する情報を演算する演算処理部を備えた風力発電装置のメンテナンス方法であって、
    前記センサが計測したデータから前記風力発電装置にかかる荷重を算出するステップと、前記風力発電装置の点検箇所に関する閾値を決定するステップと、前記算出された前記荷重に関するデータと決定された前記閾値に基づいて、前記風力発電装置の点検箇所を決定するステップとを備えたことを特徴とする風力発電装置のメンテナンス方法。
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