JP6857432B1 - 風力発電設備のブレードの非接触検査方法 - Google Patents
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Abstract
Description
この方法はロープアクセスに比べれば作業者の負担を軽減でき検査時間を短くできる。
しかし、あくまでも人の代わりに無人飛行機をブレードに接触させて検査を実施するものであり、無人飛行機をブレード上に配置しなければならないのでそのために検査開始までにある程度の時間を要するし、無人飛行機の操作という作業者の負担が発生する。
例えば、特許文献2には、ブレード内部に外気よりも高温(例えば70〜120度)や低温の流体を空気熱デバイスから供給してブレードを加熱または冷却して、ブレード内部と外部の温度差に起因してブレード表面に発生する温度分布を測定し、その温度分布に基づいて損傷を把握する技術が開示されている。
しかも、多くの風力発電設備を有する集合型風力発電所では、各風力発電設備に空気発生デバイスを設けなければならず、莫大な設備費用が必要になる。そして、各風力発電設備が大型化すれば、それに伴って空気発生デバイスも大型化しなければならなくなり、風力発電設備自体の建設費用や改修費用も莫大になる。
まず、本実施形態の風力発電設備のブレードの非接触検査方法(以下では単にブレードの非接触検査方法という場合がある)によって検査される風力発電設備WのブレードBの一例を説明する。
また、抗力側部材PBおよび揚力側部材SBは必ずしもFRP製のものに限られず、複数枚のシートや板状の部材が積層された積層材料であって、後述する方法で抗力側部材PBと揚力側部材SBとの間に温度差が生じた場合に、その損傷部位と正常部位との間に損傷を検査可能な温度差(0.5〜2℃程度)を生じさせる材料であればよい。
つぎに、本実施形態のブレードの非接触検査方法を説明する。
本実施形態のブレードの非接触検査方法では、ブレードBの抗力側部材PBの外面PFや、揚力側部材SBの外面SFの温度を測定して、ブレードBの抗力側部材PBや揚力側部材SBの損傷の有無を検出する。
なお、以下では、ブレードBの抗力側部材PBの損傷を検出する場合を代表として説明する。
解析器ADは、温度測定器TCが測定したデータに基づいて、ブレードBの温度分布画像を作成できるものである。例えば、赤外線カメラのデータを温度分布画像(図2(B)参照)を作成するアプリケーションがインストールされたパーソナルコンピュータを解析器ADとして使用することができる。
なお、温度測定器TCによって測定されたデータは、記憶媒体等に記憶させておき、検査の実施後、別に用意された解析器によって解析してもよい。
ここで、ブレードBに損傷がない場合、抗力側部材PBにおいて同じ構造かつ近接した位置ではほぼ同じ温度になる一方、抗力側部材PBにおいて損傷が生じている部分では周囲との間に温度差が生じる。例えば、FRPの亀裂や剥離などが生じている場合には、その部分は周囲との間に厚さや構造(例えば空隙ができるなど)に差が生じる。すると、損傷している部分はその近傍の同じ構造の部分に比べて、抗力側部材PBの厚さが薄くなるため、周囲との間に温度差が生じる。具体的には、損傷している部分は、周囲に比べて温度が高くなる(図2(B)a参照)。
また、抗力側部材PBの内面PIおよび揚力側部材SBの内面SIには、連結部材CBの固定プレートPが固定されている。抗力側部材PB等と固定プレートPの素材とが異なる場合もあるが、実質的には、固定プレートPが固定されている部分は、抗力側部材PB等の厚さが厚くなった状態になっているとみなせる。
具体的には、基準画像において固定プレートPが設けられている位置と、検査画像において周囲に比べて高温となっている領域と、が一致すれば、接着剤adは正常な状態であると判断することができる。
一方、基準画像の固定プレートPが設けられている位置に、検査画像において周囲とほぼ同等の温度になっている領域があれば、その領域は、接着剤adの劣化により剥離が生じている可能性があると判断することができる。
また、本実施形態のブレードの非接触検査方法では、ブレードBにおいて検査する表面(上記例で抗力側部材PBの表面PF)には直射日光が照射されない条件としている。しかし、周囲からの反射光(間接光)が検査する表面に照射されると、このような間接光の影響で、測定される温度が変化する可能性がある。
また、温度分布画像上のラインL1、L2に沿った温度変化を図7に示す。
つぎに、直射日光が無い状態での撮影が有効であることを確認した。
一方、直射日光が照射されている部分(図8(B))では汚れの部分(白丸で囲った部分)が直射日光の影響で高温となっており、ブレードの構造が温度分布からでは確認できないことが分かる。
また、撮影方向を変えることによって反射光の影響を除去してブレードの構造を把握できることを確認した。
しかし、図9(A)、(B)の温度分布画像において、フレーム部分は両温度分布画像で明確に表れており、しかもその位置が一致していることが確認できる。
T タワー
N ナセル
B ブレード
PB 抗力側部材
PI 抗力側部材の内面
PF 抗力側部材の表面
SB 揚力側部材
SI 揚力側部材の内面
SF 揚力側部材の表面
CB 連結部材
M 本体部
P 固定プレート
Ph 中空な空間
LE リーディングエッジ
TE トレーリングエッジ
ad 接着剤
Claims (6)
- 風力発電設備のブレードの損傷を非接触で検査する方法であって、
ブレードが、
抗力側部材と揚力側部材とを有し、両者の間に中空空間が形成され、中空空間内に抗力側部材と揚力側部材とを連結する連結部材を備えたものであり、
連結部材と抗力側部材の内面および/または揚力側部材の内面とが接着剤により接着されており、
抗力側部材の外面および/または揚力側部材を加熱した状態で抗力側部材の外面および/または揚力側部材の外面の温度を非接触で測定し、
抗力側部材の外面および/または揚力側部材の外面において、接着剤が設けられている個所と対応する位置における外面の温度に基づいて、接着剤の劣化を判断する
ことを特徴とする風力発電設備のブレードの非接触検査方法。 - 抗力側部材の外面および/または揚力側部材の外面に直射日光が照射してされる状態でとして抗力側部材の外面および/または揚力側部材を加熱する
ことを特徴とする請求項1記載の風力発電設備のブレードの非接触検査方法。 - ブレードの位置を変更して、抗力側部材の外面および/または揚力側部材の外面の温度を非接触で複数回測定する
ことを特徴とする請求項1または2記載の風力発電設備のブレードの非接触検査方法。 - 抗力側部材の外面および/または揚力側部材の外面を測定する角度を変更して、抗力側部材の外面および/または揚力側部材の外面の温度を測定する装置の位置を変更して複数回測定する
ことを特徴とする請求項1、2または3記載の風力発電設備のブレードの非接触検査方法。 - 抗力側部材および/または揚力側部材が、複数のシートおよび/または複数の板材が積層された積層材料で形成されている
ことを特徴とする請求項1、2、3または4記載の風力発電設備のブレードの非接触検査方法。 - 前記積層材料が、繊維強化プラスチックである
ことを特徴とする請求項5記載の風力発電設備のブレードの非接触検査方法。
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