JP2017090148A - 目標追尾装置、センサシステム、追尾システム、およびプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】全ての目標追尾装置において再追尾センサ航跡の出力頻度の上昇によりネットワークへの負荷を上げることなく、高精度な融合航跡を得ることが可能な目標追尾装置を得る。【解決手段】目標追尾装置1200Aは、再追尾処理部1221・1231で生成された再追尾センサ航跡が、他の目標追尾装置との間で共通に決められた共有条件を満たすか否かを判定する送信判定処理部1222と、共有条件を満たす再追尾センサ航跡である共有再追尾センサ航跡を他の目標追尾装置との間で送受信する通信処理部1223と、共有再追尾センサ航跡と、他の目標追尾装置から送信された共有再追尾センサ航跡である他装置センサ航跡とを融合した、共有融合航跡を生成する融合追尾処理部1224と、再追尾センサ航跡と、他装置センサ航跡とを融合した、固有融合航跡を生成する融合追尾処理部1234とを備える。【選択図】図10

Description

本発明は、目標を追尾する目標追尾装置、当該目標追尾装置を備えたセンサシステム、当該センサシステムを備えた追尾システム、および当該目標追尾装置を制御するプログラムに関する。
従来、電波、音波、赤外線、および可視光線などの光のうちのいずれかを用いたセンサにより探知した目標の情報をネットワークを通じて共有することで、それぞれのセンサやネットワークを通じて接続された機器間で、目標に関する同一の航跡を共有する追尾システムが知られている。このような追尾システムは、センサの相違およびセンサの配置の相違の少なくともいずれかによって生じる多面的なデータを目標毎に融合することにより、同一の目標(監視対象)の航跡(融合航跡)を生成する。これにより、追尾システムでは、目標の位置および動きに関する情報の精度を向上させることができる。
このような追尾システムは、例えば、空中や宇宙空間の飛翔物体の監視や観測を行なうシステムや、防空システム等における、センサ群の管制等に用いられる。これらの用途においては、それぞれの目標に関する画像情報などの詳細データの取得や、それぞれの目標に対する火器の管制等を行なうために、共有された航跡情報をもとにそれぞれの目標にセンサを割り当て、目標に関するさらに高精度の航跡情報を取得することが行なわれる。
このような追尾システムの一例として、分散型の追尾システムが知られている。分散型の追尾システムは、複数のプラットフォームに搭載された、各々が互いにネットワークを介して通信するセンサシステムを含んで構成される。なお、ここで、プラットフォームとは、センサシステムが搭載される母体となるものであり、車両、航空機、船舶等の移動体や、地上の固定サイト等を意味する。それぞれのセンサシステムは、センサと、当該センサおよびネットワークの各々に接続された目標追尾装置とを有する。
たとえば、特開2010−281782号公報(特許文献1)には、このような分散型の追尾システムとして、「センサ観測情報を集約した再追尾センサ航跡をネットワークに流すことにより、センサ観測情報を全て出力する従来方式に比べ、ネットワークに流すデータ量を低減している」ように構成された目標追尾装置が開示されている。詳しくは、特許文献1の目標追尾装置は、目標追尾装置間で共通に定められた融合航跡の精度に関する基準に対し、再追尾センサ航跡が融合航跡の精度がその基準以上となることに寄与する場合のみ、再追尾センサ航跡をネットワークに流している。なお、特許文献1の図1においては、センサから信号処理部とセンサ追尾処理部とを除いた構成が、上述した目標追尾装置に対応する。
特開2010−281782号公報
特許文献1に記載の目標追尾装置では、運用中などに構成を変えずに融合航跡を向上させるためには、航跡を生成するために使用される1つ以上のセンサの観測データをもとにした再追尾航跡の出力頻度を上げる必要がある。このため、共有された航跡情報をもとに目標にセンサを割り当て、さらに高精度の航跡情報を取得しようとする場合、割り当てられたセンサに接続する目標追尾装置では、このセンサの観測データをもとにした再追尾航跡の出力頻度を高める必要が有る。一方、特許文献1に記載の目標追尾装置では、それぞれの目標追尾装置は、再追尾航跡に関する共通の基準に従い再追尾センサ航跡の出力頻度を制御する。このため、共有された航跡情報をもとに目標にセンサを割り当て、さらに高精度の航跡情報を取得しようとすると、ネットワークに接続される全ての追尾装置からネットワークを介して送信される再追尾センサの出力頻度を上げることになり、ネットワーク負荷が上昇するという問題がある。
本願発明は、上記の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、全ての目標追尾装置において再追尾センサ航跡の出力頻度の上昇によりネットワークへの負荷を上げることなく、高精度な融合航跡を得ることが可能な目標追尾装置、当該目標追尾装置を備えたセンサシステム、当該センサシステムを備えた追尾システム、および当該目標追尾装置を制御するプログラムを提供することにある。
本発明のある局面に従うと、目標追尾装置は、センサから出力される観測値により目標を追尾するとともに、ネットワークに接続されている。目標追尾装置は、センサから出力される観測値に追尾処理を行ない、再追尾センサ航跡を生成する再追尾処理部と、再追尾センサ航跡が他の目標追尾装置との間で共通に決められた共有条件を満たすか否かを判定する判定処理部と、共有条件を満たす再追尾センサ航跡である共有再追尾センサ航跡を他の目標追尾装置との間で送受信する通信処理部と、共有再追尾センサ航跡と、他の目標追尾装置から送信された共有再追尾センサ航跡である他装置センサ航跡とを融合した、共有融合航跡を生成する共有融合追尾処理部と、再追尾センサ航跡と、他装置センサ航跡とを融合した、固有融合航跡を生成する固有融合追尾処理部とを備える。
本発明によれば、共有融合追尾処理部が共有再追尾センサ航跡を利用するのに対し、固有融合追尾処理部は、再追尾センサ航跡を利用する。また、共有再追尾センサ航跡は、共有条件を満たす再追尾センサ航跡である。すなわち、目標追尾装置は、他の目標追尾装置と同じ共有融合航跡を生成する共有融合追尾処理部に加え、高い頻度で再追尾センサ航跡により更新する精度の高い固有融合航跡を生成する固有融合追尾処理部を備える。それゆえ、本発明によれば、全ての目標追尾装置において再追尾センサ航跡の出力頻度の上昇によりネットワークへの負荷を上げることなく、高精度な融合航跡を得ることが可能となる。
実施の形態1に係る目標追尾装置、センサシステム、および追尾システムの概要を表した図である。 実施の形態1に係る追尾システムの目標追尾装置およびセンサシステムの詳細な構成を説明するための図である。 実施の形態1に係る追尾システムのセンサシステムで生成されるセンサ観測値とセンサ航跡とを説明するための図である。 実施の形態1に係る追尾システムのセンサシステムで生成されるセンサ観測値と再追尾センサ航跡とを説明するための図である。 実施の形態1に係る追尾システムのそれぞれのセンサシステムの目標追尾装置で生成される再追尾センサ航跡の例を表した図である。 融合航跡DBのデータ構造の典型例を説明するための図である。 実施の形態1に係る目標追尾装置で行われる、センサ情報を受け取り、再追尾センサ航跡を生成し、配信する処理の流れを説明するためのフローチャートである。 実施の形態1に係る目標追尾装置で行われる、再追尾センサ航跡をもとに共有融合航跡を生成する処理の流れを説明するためのフローチャートである。 実施の形態1に係る目標追尾装置のハードウェア構成を表した図である。 実施の形態2に係る目標追尾装置、センサシステム、および追尾システムの概要を表した図である。 実施の形態2に係る追尾システムの目標追尾装置およびセンサシステムの詳細な構成を説明するための図である。 実施の形態2に係る目標追尾装置で行われる、センサ情報を受け取り、再追尾センサ航跡を生成する処理の流れを説明するためのフローチャートである。 実施の形態2に係る目標追尾装置で行われる、再追尾センサ航跡をもとに固有融合航跡を生成する処理の流れを説明するためのフローチャートである。 実施の形態3に係る目標追尾装置、センサシステム、および追尾システムの概要を表した図である。 実施の形態3に係る追尾システムの目標追尾装置およびセンサシステムの詳細な構成を説明するための図である。 実施の形態3に係る目標追尾装置で行われる、センサ情報を受け取り、再追尾センサ航跡を生成し、配信する処理の流れを説明するためのフローチャートである。 実施の形態3に係る目標追尾装置で行われる、再追尾センサ航跡をもとに共有融合航跡を生成する処理の流れを説明するためのフローチャートである。 実施の形態4に係る追尾システムの目標追尾装置およびセンサシステムの詳細な構成を説明するための図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の各実施の形態に係る追尾システムについて説明する。また、以下の説明では、同一の部材には同一の参照符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
以下では、実施の形態1において、ネットワークによる遅延が大きい場合においても、各目標追尾装置が同じ融合航跡を得ることを可能とする構成について説明する。詳しくは、各目標追尾装置がネットワークを介して相関済みの再追尾センサ航跡を送受信する構成について説明する。
また、実施の形態2においては、実施の形態1の構成をベースとしつつ、追尾システムを構成する全ての目標追尾装置において再追尾センサ航跡の出力頻度を上げることなく、高精度な融合航跡を得ることが可能な構成について説明する。詳しくは、ネットワークにおけるデータ通信量を低減することが可能な構成について説明する。さらに、実施の形態3および4においては、実施の形態2の一部を変更した構成(変形例)について説明する。
[実施の形態1]
<A.システム構成>
図1は、本実施の形態に係る目標追尾装置、センサシステム、および追尾システムの概要を表した図である。図1を参照して、追尾システム1は、センサ群100と、ネットワーク900とを備える。センサ群100は、複数のセンサシステム1010を含む。複数のセンサシステム1010は、それぞれプラットフォーム1001,1002,1003上にある。なお、図1においては、センサ群100が3つのプラットフォーム上のセンサシステム1010を含む構成を例に挙げているが、センサシステム1010が搭載されるプラットフォームの数や、センサシステム1010の数は3つに限定されるものではない。また、以下では、プラットフォーム1001,1002,1003を互いに区別しないで表す場合には、単に、「プラットフォーム1000」と記載する。
各センサシステム1010は、ネットワーク900に通信可能に接続されている。これにより、各センサシステム1010は、他のセンサシステム1010と互いに通信することが可能となる。すなわち、追尾システム1の、プラットフォーム1001、1002、1003のそれぞれのセンサシステム1010は、ネットワーク900を介して互いに通信することができる。以下、図1により、1つのプラットフォームに1つのセンサシステムを備える構成の例により説明するが、センサシステム1010とプラットフォームの関係は、1対1となるものに限定されるものではない。1つのプラットフォームに2つ以上のセンサシステム1010を備えても良い。また、1つのセンサシステム1010のセンサ装置1100と目標追尾装置1200をそれぞれ別のプラットフォームに配置するように構成しても良い。
各プラットフォーム1000上のセンサシステム1010は、センサ装置1100と、目標追尾装置1200と、表示装置1300とを備える。目標追尾装置1200は、インターフェース部1210と、融合処理部1220とを含む。センサ装置1100は、インターフェース部1210に接続されている。融合処理部1220は、ネットワーク900および表示装置1300に接続されている。
センサ装置1100は、目標(監視対象)を、電波、音波、赤外線、可視光線などの光のいずれか1つまたは複数の組み合せによるセンサにより監視する。具体的には、センサ装置1100は、観測値(以下、「センサ観測値」とも称する)と、航跡(以下、「センサ航跡」とも称する)とを生成する。
目標追尾装置1200のインターフェース部1210は、その目標追尾装置1200を含むセンサシステム1010が備えるセンサ装置1100から、目標のセンサ観測値を取得する。インターフェース部1210は、取得したセンサ観測値を、融合処理部1220が扱うデータ形式に変換する。なお、インターフェース部1210の動作は、図1におけるプラットフォーム1001、プラットフォーム1002,1003のいずれのセンサシステム1010の目標追尾装置1200のインターフェース部1210であっても、同様である。
目標追尾装置1200の融合処理部1220は、その目標追尾装置1200を含むセンサシステム1010のセンサ装置1100から出力されたデータに基づいて生成された航跡(詳しくは、相関済みの再追尾センサ航跡)を、ネットワーク900経由で他のセンサシステム1010の目標追尾装置1200に送出する。また、融合処理部1220は、その融合処理部1220を含むセンサシステム1010とは異なる他のセンサシステム1010から、ネットワーク900を介して送信されてきた航跡(詳しくは、相関済みの再追尾センサ航跡)を受信する。さらに、融合処理部1220は、その融合処理部1220を含むセンサシステム1010内で生成された航跡と、他のセンサシステム1010からネットワーク900を介して送信されてきた航跡とを融合することにより、融合航跡を生成する。図1の構成では、例えば、プラットフォーム1001上のセンサシステム1010の融合処理部1220から、プラットフォーム1002,1003上のセンサシステム1010に相関済の再追尾センサ航跡を送出する。また、プラットフォーム1001上のセンサシステム1010の融合処理部1220は、プラットフォーム1002,1003上のセンサシステム1010からネットワーク900を介して送信されてきた航跡(詳しくは、相関済みの再追尾センサ航跡)を受信する。さらに、プラットフォーム1001上にあるセンサシステム1010の融合処理部1220は、プラットフォーム1001上のセンサシステム1010で生成された航跡と、プラットフォーム1002,1003上にあるセンサシステム1010からネットワーク900を介して送信されてきた航跡とを融合することにより、融合航跡を生成する。なお、プラットフォーム1002,1003上にあるセンサシステム1010の融合処理部1220も、プラットフォーム1001上にあるセンサシステム1010の融合処理部1220と同様の処理を行なう。
以下では、後述する送信判定処理部1222における処理を明確にするため、センサ航跡と、再追尾航跡と、融合航跡の誤差とについて、以下の(i)〜(iii)において詳しく説明する。
(i)センサ航跡、再追尾センサ航跡は、目標の観測値をカルマンフィルタ等により追尾した結果、算出される。
(ii)目標の観測値には、目標の位置と位置についての誤差を表す値が含まれている。このため、観測値からカルマンフィルタ等によりセンサ航跡、再追尾センサ航跡を算出する際に、観測値の位置についての誤差を表す値をもとにセンサ航跡、再追尾センサ航跡で算出される目標位置、速度、加速度についての誤差からなる誤差ベクトル(e)も算出される。
(iii)再追尾センサ航跡には、目標位置、速度、加速度についての誤差からなる誤差ベクトル(e)も含まれている。このため、再追尾センサ航跡からカルマンフィルタ等により融合航跡を算出する際に、再追尾センサ航跡に含まれる誤差ベクトルをもとに融合航跡で算出される目標位置、速度、加速度についての誤差からなる誤差ベクトル(E)も算出される。
<B.センサシステムの詳細>
図2は、追尾システム1のプラットフォーム1001上の目標追尾装置1200およびセンサシステム1010の詳細な構成を説明するための図である。図2を参照して、プラットフォーム1001上のセンサシステム1010は、上述したように、センサ装置1100と、目標追尾装置1200と、表示装置1300とを備える。
センサ装置1100は、信号処理部1101と、センサ追尾処理部1102とを含む。目標追尾装置1200は、上述したように、インターフェース部1210と、融合処理部1220とを含む。インターフェース部1210は、座標変換処理部1211と、融合相関処理部1212とを有する。融合処理部1220は、再追尾処理部1221と、送信判定処理部1222と、通信処理部1223と、融合追尾処理部1224と、遅延部1225と、表示処理部1226と、融合航跡DB(Data Base)1227とを有する。
なお、プラットフォーム1002,1003上にあるセンサシステム1010も、プラットフォーム1001上にあるセンサシステム1010と同様の構成を有する。また、プラットフォーム1002,1003上にあるセンサシステム1010のプログラムも、プラットフォーム1001上にあるセンサシステム1010のプログラムと同様の処理を実行する。それゆえ、プラットフォーム1002,1003上にあるセンサシステム1010の詳細については繰り返さない。
(b1.センサ装置1100)
信号処理部1101は、センサによる観測結果から、目標の位置および観測誤差を算出する。信号処理部1101は、当該算出結果をセンサ観測値としてセンサ追尾処理部1102に対して出力する。
センサ追尾処理部1102は、信号処理部1101から出力されたセンサ観測値を用いて、センサ航跡を生成する。詳しくは、センサ追尾処理部1102は、センサ観測値が入力されると、当該センサ観測値と、センサ追尾処理部1102で前回生成したセンサ航跡とを用いて、センサ航跡を更新する。センサ追尾処理部1102は、センサ観測値とセンサ航跡とを、インターフェース部1210における座標変換処理部1211に送信する。
ここで、センサ装置1100から目標追尾装置1200に出力されるセンサ観測値およびセンサ航跡の概要について説明する。図3は、本実施の形態に係る追尾システムのセンサシステムで生成されるセンサ観測値とセンサ航跡とを説明するための図である。図3を参照して、黒丸の印は、センサ観測値を表している。また、矢印は、センサ航跡の概念を説明するためのものである。
センサ観測値は、目標をサンプリング周期毎にセンシングしたとき得られる値である。センサ航跡は、サンプリングが行われた時刻における、目標の識別情報(目標ID)、目標の位置、目標の速度、目標の加速度、誤差(航跡誤差)等を表したデータである。センサ装置1100では、図3の状態(A)、(B)、(C)、(D)に示すとおりセンサ観測値が順次得られるため、センサ航跡は、時刻が経過するにつれて変化することになる。
(b2.目標追尾装置1200)
再び図2を参照して、インターフェース部1210は、センサ装置1100と目標追尾装置1200とを接続するために必要な処理を実施する。
座標変換処理部1211は、センサ追尾処理部1102から、センサ装置1100におけるセンサ固有の座標系で表されているセンサ航跡とセンサ観測値とを受信する。座標変換処理部1211は、当該センサ航跡とセンサ観測値とを、目標追尾装置1200の座標系における座標値に変換する。座標変換処理部1211は、変換後のセンサ航跡とセンサ観測値とを融合相関処理部1212に対して出力する。
融合相関処理部1212は、複数の目標の各々の融合航跡のうちからセンサ観測値と相関のある融合航跡を特定した後に、センサ観測値とセンサ航跡とを当該特定された融合航跡の識別情報(以下、「相関融合航跡情報」とも称する)に関連付けて再追尾処理部1221に送信する。詳しくは、融合相関処理部1212は、入力されたセンサ航跡およびセンサ観測値と、1サンプリング分遅延させた複数の融合航跡の各々との相関を判断する。
より詳しくは、融合相関処理部1212は、センサ装置1100から入力されるセンサ観測値が、融合処理部1220で生成された融合航跡と対応付けを相関処理により行なう。融合相関処理部1212は、相関処理として、融合航跡が有する位置、速度の情報に基づいて算出されるセンサ観測値の予測値とセンサ装置1100から入力されるセンサ観測値とを比較し、両者が誤差の範囲内で一致する場合の融合航跡を、センサ観測値に対応する融合航跡とする。
より詳しくは、融合相関処理部1212は、相関のある融合航跡が特定された場合、センサ航跡およびセンサ観測値に対して、センサ航跡およびセンサ観測値に相関のある融合航跡を示す相関融合航跡情報(つまり、融合航跡の識別情報)を付加する。融合相関処理部1212は、相関融合航跡情報を付加されたセンサ航跡およびセンサ観測値を、それぞれ、相関済みのセンサ航跡(以下、「センサ航跡(相関済)」とも称する)および相関済みのセンサ観測値(以下、「センサ観測値(相関済)」とも称する)として、再追尾処理部1221に出力する。
その一方、融合相関処理部1212は、相関のある融合航跡が特定できなかった場合、当該センサ航跡およびセンサ観測値に関連する融合航跡が無いことを表す情報を含ませて、センサ航跡およびセンサ観測値を、それぞれ、センサ航跡(相関済)、センサ観測値(相関済)として、再追尾処理部1221に出力する。
再追尾処理部1221は、相関済みのセンサ観測値を利用して、再追尾センサ航跡を生成する。つまり、プラットフォーム1001上にあるセンサシステム1010では、センサ装置1100だけではなく、目標追尾装置1200の融合処理部1220においても、センサ観測値に基づきセンサ航跡が生成される。なお、再追尾センサ航跡は、センサ装置1100で生成されるセンサ航跡と同様、目標の識別情報(目標ID)、目標の位置、目標の速度、目標の加速度、誤差(航跡誤差)等を含んで構成される。
再追尾処理部1221は、相関のある融合航跡の識別情報に関連付けて、再追尾センサ航跡を送信判定処理部1222に対して出力する。なお、以下では、相関のある融合航跡の識別情報に関連付けられた再追尾センサ航跡を、「再追尾センサ航跡(相関済)」とも称する。
ここで、再追尾センサ航跡について説明する。図4は、追尾システム1のセンサシステム1010で生成されるセンサ観測値と再追尾センサ航跡とを説明するための図である。図4を参照して、黒丸の印は、図3の状態(D)と同様のセンサ観測値を表している。また、矢印は、センサ航跡の概念を説明するためのものである。
再追尾センサ航跡は、基準となる周期Tに含まれる1つ以上のセンサ観測値を利用して、当該周期毎に生成されるセンサ航跡である。図4の場合、再追尾処理部1221は、時刻ta〜tbにおける複数のセンサ観測値を利用して、時刻tbにおける再追尾センサ航跡を生成する。また、再追尾処理部1221は、時刻tb〜tcにおける複数のセンサ観測値を利用して、時刻tcにおける再追尾センサ航跡を生成する。再追尾処理部1221は、同様にして、時刻tdにおける再追尾センサ航跡と、時刻teにおける再追尾センサ航跡とを生成する。
送信判定処理部1222は、再追尾処理部1221から受信した再追尾センサ航跡(相関済)について、自身のプラットフォーム1001上にあるセンサシステム1010およびネットワーク2000を介して接続された他のプラットフォーム1002、1003上にあるセンサシステム1010の融合処理部1220で融合航跡の作成、更新に使用するために共有するか否かを判定する。送信判定処理部1222は、共有すると判定した再追尾センサ航跡(相関済)を、通信処理部1223および融合追尾処理部1224に送信し、共有しないと判定した再追尾センサ航跡(相関済)は、通信処理部1223および融合追尾処理部1224に送信しない。また、送信判定処理部1222は、共有すると判定した再追尾センサ航跡(相関済)については、値を“1”とした送信判定結果フラグを付し、共有しないと判定した再追尾センサ航跡(相関済)については、値を“0”とした送信判定結果フラグを付す。
送信判定処理部1222は、上述の再追尾センサ航跡(相関済)を自身のプラットフォーム1001上にあるセンサシステム1010およびネットワーク2000を介して接続された他のプラットフォーム1002、1003上にあるセンサシステム1010の融合処理部1220で融合航跡の作成、更新に使用するために共有するか否かの判定を、再追尾センサ航跡(相関済)と相関のある融合航跡が存在する場合は、相関のある融合航跡の誤差ベクトルEから算出される誤差ノルムEnが決められた基準を満たすか否かにより行なう。ノルムとしては、差異ベクトルの長さ(各成分の2乗和)、位置や速度などの誤差ベクトルの決められた1つの成分の値や、それらの成分の値から算出される値などが使用される。なお、送信判定処理部1222は、再追尾センサ航跡(相関済)と相関のある融合航跡が存在しない場合は、再追尾センサ航跡(相関済)を、共有するものと判定する。
再追尾センサ航跡(相関済)を共有するか否かを判断する決められた基準としては、例えば、再追尾センサ航跡(相関済)を融合航跡に融合させたときの融合航跡の誤差ベクトル(E)に許容できる最大値Th1を決めておき、融合航跡の誤差ノルムEnがTh1を超えるときは再追尾センサ航跡(相関済)を共有し、Th1以下であるときは再追尾センサ航跡(相関済)を共有しないものとすることができる。または、融合航跡の誤差として要求する最小値Th2を決めておき、融合航跡の誤差ノルムEnがTh2を超えるときは再追尾センサ航跡(相関済)を共有し、Th2以下であるときは再追尾センサ航跡(相関済)を共有しないものとすることもできる。
さらに、再追尾センサ航跡(相関済)を融合航跡に融合させたときの融合航跡の誤差ベクトル(E’)を算出し、融合させる前の融合航跡の誤差ベクトル(E)に対する誤差ベクトルの改善量である差異ベクトル(D)(D=E’−E)から算出されるノルムDnに対し、必要な改善量の基準Th3を決めておき、融合航跡の誤差ノルムEnがTh1を超えるときは再追尾センサ航跡(相関済)を共有し、融合航跡の誤差ノルムEnがTh2以下であるときは再追尾センサ航跡(相関済)を共有しないものとし、融合航跡の誤差ノルムEnがTh2を超えかつTh1以下であるときは、DnがTh3を超えるときは共有し、Th3以下であるときは共有しないように決めても良い。
通信処理部1223は、送信判定処理部1222から再追尾センサ航跡(相関済)を受信した場合には、当該再追尾センサ航跡(相関済)を、融合追尾処理部1224に出力する。さらに、通信処理部1223は、ネットワーク900を介して、プラットフォーム1002,1003上のセンサシステム1010の目標追尾装置1200に、送信判定処理部1222から受信した再追尾センサ航跡(相関済)を送信する。また、通信処理部1223は、ネットワーク900を介して、プラットフォーム1002,1003上の他のセンサシステム1010の目標追尾装置1200から再追尾センサ航跡(相関済)を受信する。これにより、各プラットフォーム1000上のセンサシステム1010の目標追尾装置1200は、プラットフォーム1001上のセンサシステム1010の再追尾処理部1221から出力された再追尾センサ航跡(相関済)を共有できる。なお、通信処理部1223が融合追尾処理部1224やネットワーク900に送信する再追尾センサ航跡(相関済)は、送信判定結果フラグが“1”のもののみである。
このように、プラットフォーム1001上にあるセンサシステム1010および目標追尾装置1200は、再追尾センサ航跡による融合航跡への航跡誤差低減のための寄与が小さい場合には、再追尾センサ航跡(相関済)をネットワーク900に流さない。それゆえ、追尾システム1によれば、ネットワーク900に流すデータ量の低減と、融合航跡の追尾精度の確保とが可能とする。
なお、上記基準値Th(つまり、融合航跡に対する要求精度)の設定を変更する指令は、図示しない管理サーバからネットワーク900経由で、送信判定処理部1222に伝えられる。送信判定処理部1222は、当該指令に基づき、基準値Thの値を変更する。
融合追尾処理部1224は、プラットフォーム1001上にあるセンサシステム1010で生成された、目標の再追尾センサ航跡(相関済)と、プラットフォーム1002,1003上にあるセンサシステム1010の目標追尾装置1200から送信された当該目標の再追尾センサ航跡(相関済)とを用いて、当該目標の融合航跡の生成および更新を行なう。詳しくは、融合追尾処理部1224は、再追尾センサ航跡に関連付けられた相関融合航跡情報に基づいて当該再追尾センサ航跡に相関のある融合航跡を特定し、当該特定された融合航跡を更新する。具体的には、融合追尾処理部1224は、カルマンフィルタによる追尾を行なう。なお、カルマンフィルタによる追尾は、従来から知られているため、ここでは繰り返し説明しない。
詳しくは、融合追尾処理部1224は、複数の目標に関する融合航跡を逐次更新し、最新の融合航跡を保持するように構成されている。また、融合追尾処理部1224は、目標の融合航跡が融合航跡DB1227に登録されていないときには、新規に当該目標の融合航跡を登録する。融合追尾処理部1224は、目標の融合航跡が融合航跡DB1227に既に登録されているときには、当該目標の融合航跡を更新する。また、融合追尾処理部1224は、融合航跡を遅延部1225に対して出力する。さらに、融合追尾処理部1224は、融合航跡および再追尾センサ航跡を表示処理部1226に対して出力する。
図5は、追尾システム1のそれぞれのプラットフォーム上のセンサシステム1010の目標追尾装置1200で生成される再追尾センサ航跡の例を表す。図5の(A)は、追尾システム1が観測対象とする位置、速度の時間毎の値を示し、(B)、(C)、(D)は、それぞれ、プラットフォーム1001、1002、1003上にあるセンサシステム1010の目標追尾装置1200が、(A)で示される目標の位置、速度をもとに生成する再追尾航跡を示す。融合処理部1220は、センサ航跡をもとに生成した再追尾航跡を、それぞれ独自のタイミングでネットワークに送信する。図5の例では、プラットフォーム1001上のセンサシステム1010の融合処理部1220は、時刻t、t、tにそれぞれ再追尾航跡を送信し、プラットフォーム1002上のセンサシステム1010の融合処理部1220は、時刻t、t、t、tにそれぞれ再追尾航跡を送信し、プラットフォーム1003上のセンサシステム1010の融合処理部1220は、時刻t、t、t、tにそれぞれ再追尾航跡を送信する。
融合追尾処理部1224は、1つの目標物に関する複数のプラットフォーム上のセンサシステム1010から送信される再追尾センサ航跡から、1つの融合航跡を生成または更新する。また、融合追尾処理部1224は、典型的には、再追尾センサ航跡を受信した時刻に融合航跡を生成または更新する。例として、図5のように、プラットフォーム1001上のセンサシステム1010の融合追尾処理部1224は、時刻tにプラットフォーム1003から送信された再追尾センサ航跡により融合航跡を生成し、時刻tにプラットフォーム1002から送信された再追尾センサ航跡により融合航跡を更新し、時刻tにプラットフォーム1001自身が他のプラットフォームに送信した再追尾センサ航跡により融合航跡を更新する。以下同様に再追尾センサ航跡を受信した時刻に融合航跡を更新する。
図6は、融合航跡DB1227のデータ構造の典型例を説明するための図である。つまり、図6は、融合航跡のデータ構造を表した図である。図6を参照して、融合航跡DB1227は、複数の目標毎に区分して、融合航跡を格納している。各融合航跡は、複数の目標の各々を識別するための目標IDと、融合航跡が格納されている。各融合航跡は、生成又は更新された時刻の情報と、位置と、速度と、加速度と、誤差ベクトルとを含んで構成されている。なお、融合追尾処理部1224も、図6に示した融合航跡DB1227と同様のデータを保持している。
再び図2を参照して、遅延部1225は、融合追尾処理部1224で生成および更新された最新の融合航跡を融合相関処理部1212および送信判定処理部1222に対して出力する。結果として、融合相関処理部1212および送信判定処理部1222に送られてきた融合航跡は、融合相関処理部1212および送信判定処理部1222の出力に基づいて融合追尾処理部1224で生成されようとしている融合航跡に対して、1サンプリング周期分遅延していることになる。
表示処理部1226は、融合追尾処理部1224から出力された融合航跡および再追尾センサ航跡(相関済)を、表示装置1300に表示させる。これにより、プラットフォーム1001のオペレータは、融合航跡および再追尾センサ航跡(相関済)を視認することが可能となる。
以上のように、追尾システム1では、複数の目標追尾装置1200の各々が、ネットワーク900を介して再追尾センサ航跡(相関済)を共有できる。さらに、複数の目標追尾装置1200の各々が、共有された再追尾センサ航跡(相関済)を融合することにより、目標追尾装置1200同士で融合追尾処理の結果が同一となる。すなわち、追尾システム1では、全ての目標追尾装置1200が同一の融合航跡を共有することが可能となる。このため、目標追尾装置1200の融合処理部1220が生成する融合航跡を、共有融合航跡とも呼ぶ。
なお、相関融合航跡情報(つまり、融合航跡の識別情報)は、再追尾センサ航跡、または、センサ航跡およびセンサ観測値に関連付けられた融合航跡の情報を、再追尾センサ航跡の送信元から送信先に通知するために使用される。このため、相関融合航跡情報は、各目標追尾装置1200の間で共通の、融合航跡を指定することのできる情報を含んでいれば、どの様なものでもよい。たとえば、相関融合航跡情報は、航跡を形成する再追尾航跡(相関済)を表す番号等のID、航跡が最初に登録されたときの再追尾センサ航跡(相関済)を表す番号等のID、または、それらを基にそれぞれの融合処理部1220間で同じ規則に従い航跡の管理のために生成された番号等のIDとすることができる。また、各融合処理部1220間で融合航跡に関する情報の配信や照合等により、各融合処理部1220が同じ融合航跡を表す共通の管理情報を作り出し、当該管理情報を相関融合航跡情報に含ませてもよい。
<C.制御構造>
図7Aおよび図7Bは、追尾システム1の各プラットフォーム1001のセンサシステム1010の目標追尾装置1200で行われる処理の流れを説明するためのフローチャートである。図7Aは、目標追尾装置1200で行われる、センサ情報を受け取り、再追尾センサ航跡を生成し、配信する処理の流れを示し、図7Bは、目標追尾装置1200で行われる、再追尾センサ航跡をもとに融合航跡を生成する処理の流れを示す。図7Aに示すとおり、ステップS102において、目標追尾装置1200の座標変換処理部1211は、センサ航跡およびセンサ観測値を、センサ装置1100から受信する。ステップS104において、目標追尾装置1200の座標変換処理部1211は、センサ装置1100から出力されたセンサ航跡およびセンサ観測値に対して、座標変換を行なう。ステップS106において、目標追尾装置1200の融合相関処理部1212は、センサ航跡およびセンサ観測値に関し、既存の融合航跡との融合相関処理を実行し、センサ観測値(相関済)を生成する。
ステップS108において、目標追尾装置1200の再追尾処理部1221は、センサ観測値(相関済)を用いて、再追尾センサ航跡(相関済)を生成する。ステップS110において、目標追尾装置1200の送信判定処理部1222は、融合航跡の誤差ベクトル(E)、または融合航跡の誤差ベクトル(E)と再追尾センサ航跡を融合航跡に融合させたときの融合航跡の誤差ベクトル(E’)との差異ベクトル(D)(D=E−E’)が、決められた基準を満たすか否かを判断する。
決められた基準を満たすと判断される場合(ステップS110においてYES)、ステップS112において、送信判定処理部1222は、再追尾センサ航跡(相関済)を送信可であると判断する。また、ステップS114において、目標追尾装置1200の通信処理部1223は、送信判定処理部1222が送信可であると判断した再追尾センサ航跡(相関済)を、他のプラットフォーム(図1におけるプラットフォーム1002,1003)のセンサシステム1010に対して送信する。一方、決められた基準を満たさないと判断される場合(ステップS110においてNO)、目標追尾装置1200は、センサ情報を受け取り、再追尾センサ航跡を生成し、配信する一連の処理を終了する。
図7Bに示すとおり、ステップS122において、目標追尾装置1200は、融合追尾処理部1224が、(イ)送信判定処理部1222が、新たに送信可(共有する)と判定した再追尾センサ航跡(相関済)、(ロ)通信処理部1223が新たに他のプラットフォームのセンサシステム1010の目標追尾装置1200から受信した再追尾センサ航跡(相関済)、のいずれかを受信したかまたはいずれも受信しないかにより、処理を分岐する。いずれかの再追尾センサ航跡(相関済)を受信している場合(ステップS122においてYES)、ステップS124において、融合追尾処理部1224が、再追尾センサ航跡(相関済)を相関のある融合航跡に融合させる融合追尾処理を実行する。すなわち、目標追尾装置1200は、融合航跡の生成または更新を行なう。
また、ステップS124に続いて、ステップS126において、目標追尾装置1200の融合追尾処理部1224は、生成又は更新された融合航跡によって、融合航跡DB1227を更新する。さらに、ステップS128において、目標追尾装置1200の表示処理部1226は、融合追尾処理部1224により生成又は更新された融合航跡を、表示装置1300に表示させる。融合追尾処理部1224が、いずれの再追尾センサ航跡(相関済)も受信してない場合(ステップS122においてNO)、目標追尾装置1200は、再追尾センサ航跡をもとに融合航跡を生成する一連の処理を終了する。
なお、図7AのステップS102〜S114の各処理、および図7BのステップS122〜S128の各処理は、後述する、目標追尾装置1200のプロセッサ2100(図8参照)により実行される。
<D.ハードウェア構成>
図8は、目標追尾装置1200のハードウェア構成を表した図である。図8を参照して、目標追尾装置1200は、プロセッサ2100と、メモリ2200と、通信IF(InterFace)2300,2400,2500と、操作キー2600と、リーダライタ2700とを備えている。プロセッサ2100と、メモリ2200と、通信IF2300,2400,2500と、操作キー2600と、リーダライタ2700とは、バスによって互いに通信可能に接続されている。
メモリ2200は、典型的には、ROM(Read Only Memory)2210と、RAM(Random Access Memory)2220と、HDD(Hard Disc Drive)2230とを含んで構成される。なお、メモリ2200は、HDD2230の代わりに、あるいはHDD2230とともに、フラッシュメモリを有していてもよい。
プロセッサ2100は、メモリ2200に格納されたプログラムを実行する。ROM2210は、不揮発性の記憶媒体であり、典型的には、BIOS(Basic Input Output System)およびファームウェアを格納している。RAM2220は、各種のプログラム、プロセッサ2100によるプログラムの実行により生成されたデータ、およびユーザによって入力されたデータを一時的に格納する。HDD2230は、オペレーティングシステム2331と、アプリケーションプログラム2232と、融合航跡DB1227とを記憶している。
なお、プロセッサ2100は、典型的には、図2における、融合処理部1220に対応する。より詳しくは、プロセッサ2100がメモリ2200に格納されたプログラムを実行することにより、融合処理部1220が実現される。
通信IF2300は、センサ装置1100と通信するためのインターフェースである。通信IFは、図2におけるインターフェース部1210に対応する。なお、インターフェース部1210における処理を、プロセッサ2100により実現してもよい。通信IF2400は、ネットワーク900と通信するためのインターフェースである。通信IF2500は、表示装置1300と通信するためのインターフェースである。
リーダライタ2700は、メモリカード700に記憶された情報を読み取る処理、およびメモリカード700に情報を書き込む処理を実行する。
メモリ2200に格納されるプログラム等のソフトウェアは、メモリカード、その他の記憶媒体に格納されて、プログラムプロダクトとして流通している場合もある。あるいは、ソフトウェアは、いわゆるインターネットに接続されている情報提供事業者によってダウンロード可能なプログラムプロダクトとして提供される場合もある。このようなソフトウェアは、リーダライタ、その他の読取装置によりその記憶媒体から読み取られて、あるいは、インターフェースを介してダウンロードされた後、RAM2220に一旦格納される。そのソフトウェアは、プロセッサ2100によってRAM2220から読み出され、さらにHDD2230に実行可能なプログラムの形式で格納される。プロセッサ2100は、そのプログラムを実行する。
同図に示される目標追尾装置1200を構成する各構成要素は、一般的なものである。したがって、本発明の本質的な部分は、メモリ2200、メモリカード、その他の記憶媒体に格納されたソフトウェア、あるいはネットワークを介してダウンロード可能なソフトウェアであるともいえる。
なお、記録媒体は、DVD(Digital Versatile Disc)−ROM、CD(Compact Disc)−ROM、FD(Flexible Disk)、ハードディスクに限られない。たとえば、磁気テープ、カセットテープ、光ディスク(MO(Magnetic Optical Disc)/MD(Mini Disc))、光カード、マスクROM、EPROM(Electronically Programmable Read-Only Memory)、EEPROM(Electronically Erasable Programmable Read-Only Memory)、フラッシュROMなどの半導体メモリ等の固定的にプログラムを担持する媒体でもよい。また、記録媒体は、当該プログラム等をコンピュータが読取可能な一時的でない媒体であって、搬送波等の一時的な媒体を含まない。
さらに、ここでいうプログラムとは、プロセッサ2100により直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム形式のプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
なお、実施の形態2,3で説明する目標追尾装置1200A,1200Bのハードウェア構成も、目標追尾装置1200と同様であるため、実施の形態2,3では、目標追尾装置1200A,1200Bのハードウェア構成を繰り返し説明しない。
<E.小括>
(1)以上のように、目標追尾装置1200は、(i)センサ装置1100から順次出力される目標のセンサ観測値を用いて、当該目標の再追尾センサ航跡を繰り返し生成する再追尾処理部1221と、(ii)当該生成された再追尾センサ航跡と、他の目標追尾装置1200から受信した当該目標の再追尾センサ航跡とを用いて、当該目標の融合航跡の生成および更新を行なう融合追尾処理部1224と、(iii)当該融合航跡を表示装置1300に表示させる表示処理部1226とを備える。融合追尾処理部1224は、上記目標を含む複数の目標の各々の融合航跡の生成と更新とを行なう。
目標追尾装置1200は、(iv)上記複数の目標の各々の融合航跡のうちからセンサ観測値と相関のある融合航跡を特定した後に、センサ観測値を当該特定された融合航跡の識別情報に関連付けて再追尾処理部1221に送信する融合相関処理部1212と、(v)センサ観測値を利用して再追尾処理部1221で生成された再追尾センサ航跡をセンサ観測値に関連付けられた識別情報に関連付けて他の目標追尾装置1200に送信する処理と、他の目標追尾装置1200から目標の再追尾センサ航跡を受信する処理とを行なう通信処理部1223とをさらに備える。
他の目標追尾装置1200から受信した上記目標の再追尾センサ航跡には、当該記目標の融合航跡を識別するための識別情報が関連付けられている。融合追尾処理部1224は、各々が同一の識別情報に関連付けられた、上記生成された再追尾センサ航跡と、上記他の目標追尾装置1200から取得した再追尾センサ航跡とを用いて、融合航跡を更新する。
上記の構成によれば、目標追尾装置1200は、他の目標追尾装置1200から、センサ観測値に関連付けられた識別情報(すなわち、融合航跡の識別情報)に関連付けられた再追尾センサ航跡(すなわち、再追尾センサ航跡(相関済))を受信することができる。また、目標追尾装置1200は、当該他の目標追尾装置に対して、目標追尾装置1200が生成した再追尾センサ航跡(相関済)を送信することができる。
このように、目標追尾装置1200によれば、他の目標追尾装置1200との間で、再追尾センサ航跡(相関済)を共有できる。したがって、複数の目標追尾装置1200の各々が、共有された再追尾センサ航跡(相関済)を融合することにより、目標追尾装置1200同士で融合追尾処理の結果が同一となる。それゆえ、追尾システム1を構成する全ての目標追尾装置1200は、同一の融合航跡を共有することが可能となる。
(2)目標追尾装置1200は、更新前の融合航跡の誤差ベクトル(E)と、再追尾センサ航跡を更新前の融合航跡に融合させたときの更新前の融合航跡の誤差ベクトル(E’)との差異ベクトル(D)が、基準値Th以上であるか否かを判定する送信判定処理部1222をさらに備える。通信処理部1223は、上記差異ベクトル(D)が基準値Th以上であると判定されたことを条件に、融合航跡の識別情報に関連付けられた再追尾センサ航跡(すなわち、再追尾センサ航跡(相関済))を、他の目標追尾装置1200に送信する。
上記の構成によれば、目標追尾装置1200は、全ての再追尾センサ航跡(相関済)を、他の目標追尾装置1200に送信する必要がなくなる。したがって、目標追尾装置1200によれば、全ての再追尾センサ航跡(相関済)がネットワーク900に流れる構成に比べて、ネットワーク900に流れるデータ量を低減することができる。
[実施の形態2]
<F.システム構成>
図9は、本実施の形態に係る目標追尾装置、センサシステム、および追尾システムの概要を表した図である。図9を参照して、追尾システム1Aは、センサ群100Aと、ネットワーク900とを備える。センサ群100Aは、プラットフォーム1001上のセンサシステム1010Aと、複数のプラットフォーム1002,1003それぞれの上のセンサシステム1010とを含む。
追尾システム1Aは、プラットフォーム1001上に、センサシステム1010の代わりにセンサシステム1010Aを含む点において、実施の形態1の追尾システム1とは異なる。以下、実施の形態1に係る追尾システム1との相違点に着目して、追尾システム1Aの説明を行なう。なお、図9においては、センサ群100Aが3つのプラットフォーム上にあるセンサシステム1010、1010Aを含む構成を例に挙げているが、プラットフォームの数や、センサシステム1010、1010Aの数は3つに限定されるものではない。
プラットフォーム1001上のセンサシステム1010A,およびプラットフォーム1002,1003上のセンサシステム1010は、ネットワーク900に通信可能に接続されている。これにより、プラットフォーム1000上のセンサシステム1010Aおよびプラットフォーム1002,1003上のセンサシステム1010は、互いに通信することが可能となる。
プラットフォーム1001上のセンサシステム1010Aは、プラットフォーム1002,1003上のセンサシステム1010に比べて、高精度な融合航跡を必要とする。センサシステム1010Aは、センサ装置1100と、目標追尾装置1200Aと、表示装置1300とを備える。目標追尾装置1200Aは、インターフェース部1210Aと、複数の融合処理部1220,1230と、対応付け処理部1240とを含む。融合処理部1220,1230は、それぞれがネットワーク900および表示装置1300に接続されている。
目標追尾装置1200Aの融合処理部1230は、目標追尾装置1200Aの融合処理部1220と同様に、プラットフォーム1002,1003それぞれのセンサシステム1010の目標追尾装置1200からネットワーク900を介して送信されてきた航跡(詳しくは、相関済みの再追尾センサ航跡)を受信する。さらに、融合処理部1230は、センサ装置1100から出力されたデータに基づいて生成された航跡と、プラットフォーム1002,1003のそれぞれのセンサシステム1010の目標追尾装置1200からネットワーク900を介して送信されてきた航跡とを融合することにより、融合航跡を生成する。
ただし、融合処理部1230は、融合処理部1220とは異なり、センサシステム1010Aのセンサ装置1100から出力されたデータに基づいて生成された航跡(詳しくは、相関済みの再追尾センサ航跡)をネットワーク900経由でプラットフォーム1002,1003に送信しない。このように、融合処理部1230は、相関済みの再追尾センサ航跡をネットワークに送信しない点において、相関済みの再追尾センサ航跡をネットワークに送信する融合処理部1220とは異なる。この違いにより、融合処理部1230が生成する融合航跡は、センサシステム1010Aに固有の融合航跡となる。このため、融合処理部1230が生成する融合航跡を、固有融合航跡とも呼ぶ。
センサシステム1010Aの融合処理部1230は、融合処理部1220より精度の高い融合航跡を得ることを意図している。このため、センサシステム1010Aのセンサ装置1100は、他のプラットフォーム1002,1003上にあるセンサシステム1010のセンサ装置1100よりも精度が高い場合を想定する。
<G.センサシステムの詳細>
図10は、追尾システム1Aのプラットフォーム1001上の目標追尾装置およびセンサシステムの詳細な構成を説明するための図である。図10を参照して、プラットフォーム1001上のセンサシステム1010Aは、上述したように、センサ装置1100と、目標追尾装置1200Aと、表示装置1300とを備える。
目標追尾装置1200Aは、上述したように、インターフェース部1210Aと、融合処理部1220,1230と、対応付け処理部1240とを有する。インターフェース部1210Aは、座標変換処理部1211Aと、融合相関処理部1212とを含む。融合処理部1230は、再追尾処理部1231と、通信処理部1233と、融合追尾処理部1234と、遅延部1235と、表示処理部1236と、融合航跡DB1237と、融合相関処理部1239とを有する。
融合処理部1230は、送信判定処理部1222を有していない点と、融合相関処理部1239を有している点とにおいて、融合処理部1220とは異なる。詳しくは後述するが、プラットフォーム1001Aでは、融合処理部1230によって、融合処理部1220によって得られる融合航跡よりも精度の高い融合航跡を得ることができる。つまり、融合処理部1230は、融合処理部1220よりも高精度の融合航跡を生成する。
(g1.インターフェース部1210A)
インターフェース部1210Aの座標変換処理部1211Aは、センサ追尾処理部1102から、センサ装置1100におけるセンサ固有の座標系で表されているセンサ航跡とセンサ観測値とを受信する。座標変換処理部1211Aは、当該センサ航跡とセンサ観測値を、目標追尾装置1200の座標系における座標値に変換する。
座標変換処理部1211Aは、変換後のセンサ航跡とセンサ観測値とを、融合相関処理部1212と、融合処理部1230の再追尾処理部1231とに対して出力する。つまり、座標変換処理部1211Aは、変換後のセンサ航跡とセンサ観測値とを再追尾処理部1231に出力する点において、座標変換処理部1211とは異なる。
(g2.融合処理部1230)
再追尾処理部1231は、再追尾処理部1221と同様に、相関済みのセンサ観測値を利用して、再追尾センサ航跡を生成する。ただし、生成された再追尾センサ航跡は、融合航跡との相関はとられていない。再追尾処理部1231は、再追尾センサ航跡を、融合相関処理部1239に対して出力する。
通信処理部1233は、ネットワーク900を介して、プラットフォーム1002,1003上にあるセンサシステム1010の目標追尾装置1200から再追尾センサ航跡(相関済)を受信する。通信処理部1233は、受信した再追尾センサ航跡(相関済)を融合相関処理部1239に出力する。
融合相関処理部1239は、複数の目標の各々の融合航跡のうちからセンサ観測値と相関のある融合航跡を特定した後に、センサ観測値とセンサ航跡とを当該特定された融合航跡の識別情報に関連付けて融合追尾処理部1234に出力する。詳しくは、融合相関処理部1239は、再追尾処理部1231から出力された再追尾センサ航跡と、1サンプリング分遅延させた複数の融合航跡の各々との相関を判断する。
より詳しくは、融合相関処理部1239は、再追尾処理部1231および通信処理部1233から入力される再追尾航跡観測値が、融合追尾処理部1234で生成された融合航跡と対応付けを相関処理により行なう。融合相関処理部1239は、相関処理では、再追尾センサ航跡と融合航跡とを比較し、一致の度合いの高いものどうしを対応付ける。一致の度合いとして、例えば再追尾センサ航跡と融合航跡との航跡どうしの相関係数を算出し、相関係数が決められた閾値以上となる場合の融合航跡を、再追尾センサ航跡に対応する融合航跡とする。
より詳しくは、融合相関処理部1239は、相関のある融合航跡が特定された場合、再追尾センサ航跡に対して、当該再追尾センサ航跡に相関のある融合航跡を示す相関融合航跡情報(融合航跡の識別情報)を付加する。融合相関処理部1239は、相関融合航跡情報を付加された再追尾センサ航跡を、相関済みの再追尾センサ航跡(つまり、再追尾センサ航跡(相関済))として、融合追尾処理部1234に出力する。さらに、融合相関処理部1239は、通信処理部1233から出力された再追尾センサ航跡(相関済)についても、融合追尾処理部1234に出力する。
融合追尾処理部1234は、プラットフォーム1001上のセンサシステム1010Aで生成された、目標の再追尾センサ航跡(相関済)と、プラットフォーム1002,1003上のセンサシステム1010の目標追尾装置1200から送信された当該目標の再追尾センサ航跡(相関済)とを用いて、当該目標の融合航跡の生成および更新を行なう。詳しくは、融合追尾処理部1234は、融合追尾処理部1224と同様に、再追尾センサ航跡に関連付けられた相関融合航跡情報に基づいて当該再追尾センサ航跡に相関のある融合航跡を特定し、当該特定された融合航跡を更新する。具体的には、融合追尾処理部1234は、カルマンフィルタによる追尾を行なう。
融合追尾処理部1234は、融合追尾処理部1224と同様に、複数の目標に関する融合航跡を逐次更新し、最新の融合航跡を保持するように構成されている。また、融合追尾処理部1234は、目標の融合航跡が融合航跡DB1237に登録されていないときには、新規に当該目標の融合航跡を登録する。融合追尾処理部1234は、目標の融合航跡が融合航跡DB1237に既に登録されているときには、当該目標の融合航跡を更新する。また、融合追尾処理部1234は、融合航跡を遅延部1235に対して出力する。さらに、融合追尾処理部1234は、融合航跡および再追尾センサ航跡を表示処理部1236に対して出力する。
遅延部1225は、融合追尾処理部1234で生成および更新された最新の融合航跡を融合相関処理部1239に対して出力する。結果として、融合相関処理部1239に送られてきた融合航跡は、融合相関処理部1239の出力に基づいて融合追尾処理部1234で生成されようとしている融合航跡に対して、1サンプリング周期分遅延していることになる。
表示処理部1236は、融合追尾処理部1234から出力された融合航跡および再追尾センサ航跡(相関済)を、表示装置1300に表示させる。これにより、プラットフォーム1001のオペレータは、融合航跡および再追尾センサ航跡(相関済)を視認することが可能となる。
(g3.対応付け処理部1240)
融合処理部1220,1230によって、「共有された航跡情報をもとにそれぞれの目標にセンサを割り当て、目標に関するさらに高精度の航跡情報を取得する」などの運用を行なうために、目標追尾装置1200Aでは、融合処理部1220,1230でそれぞれ独立に生成された融合航跡どうしの対応関係を明確にする処理を行なう必要がある。目標追尾装置1200Aでは、当該処理の記載を、対応付け処理部1240が実行する。詳しくは、対応付け処理部1240は、たとえば、次の(i)〜(iii)のいずれかの処理を実行する。
(i)融合追尾処理部1234が生成する融合航跡と融合追尾処理部1224が生成する融合航跡とのそれぞれについて、過去に行なわれた融合航跡の更新に同じ再追尾センサ航跡が使用されているか否かを調べ、同じ再追尾センサ航跡が使用されている融合航跡同士を、対応する融合航跡とする。
(ii)融合追尾処理部1234が生成する融合航跡と融合追尾処理部1224が生成する融合航跡との相関係数を算出し、算出した相関係数が決められた閾値以上の値となる融合航跡同士を、対応する融合航跡とする。
(iii)融合追尾処理部1234が生成する融合航跡と融合追尾処理部1224が生成する融合航跡とを表示装置1300上に同時に表示して比較し、表示をもとに操作者から入力された判断結果により決められる融合航跡同士を、対応する融合航跡とする。
(g4.利点)
以上のように、追尾システム1Aでは、実施の形態1に係る追尾システム1と同様に、複数の目標追尾装置1200の各々が、ネットワーク900を介して再追尾センサ航跡(相関済)を共有できる。さらに、複数の目標追尾装置1200の各々が、共有された再追尾センサ航跡(相関済)を融合することにより、目標追尾装置1200同士で融合追尾処理の結果が同一となる。すなわち、追尾システム1Aでは、全ての目標追尾装置1200が同一の融合航跡を共有することが可能となる。
さらに、追尾システム1Aのセンサシステム1010Aにおいては、融合処理部1230は、送信判定処理部1222を有していないため、実施の形態1で説明した送信判定処理が行われない。それゆえ、センサシステム1010Aの目標追尾装置1200Aが有する融合処理部1230は、融合相関処理部1239から出力された全ての再追尾センサ航跡(相関済)を利用して、融合航跡を生成および更新する。したがって、融合処理部1230では、融合処理部1220よりも精度の高い融合航跡を得ることができる。すなわち、追尾システム1Aでは、全ての目標追尾装置1200A,1200において再追尾センサ航跡(相関済)の出力頻度を上げることなく、目標追尾装置1200Aは、他の目標追尾装置1200よりも高精度の融合航跡を得ることができる。
また、融合処理部1230で生成された再追尾センサ航跡(相関済)は、ネットワーク900を介して、他のセンサシステム1010に送信されない。それゆえ、センサシステム1010Aの目標追尾装置1200Aによれば、目標追尾装置1200Aにおいて他のセンサシステム1010よりも高精度な融合航跡が必要とされる場合であっても、ネットワーク900におけるデータ通信量を低減することが可能となる。
特に、センサシステム1010Aのセンサ装置1100は、他のプラットフォーム1002,1003のセンサシステム1010のセンサ装置1100よりも精度が高い場合において、高精度な融合航跡を必要とされるときには、融合処理部1230による融合航跡で要求が満たされる。このため、再追尾センサ航跡の出力頻度を上げて融合処理部1220の融合航跡の精度を向上させる必要がなくなる。それゆえ、このような構成の追尾システム1Aでは、通信負荷の軽減が可能となる。
<H.制御構造>
図11Aおよび図11Bは、追尾システム1Aのプラットフォーム1001のセンサシステム1010Aの目標追尾装置1200Aで行われる処理の流れを説明するためのフローチャートである。詳しくは、図11Aおよび図11Bは、インターフェース部1210Aと融合処理部1230とで行われる処理を説明するためのフローチャートである。図11Aは、目標追尾装置1200Aのインターフェース部1210Aと融合処理部1230とで行われる、センサ情報を受け取り、再追尾センサ航跡を生成する処理の流れを示し、図11Bは、目標追尾装置1200Aの融合処理部1230で行われる、再追尾センサ航跡をもとに共有融合航跡を生成する処理の流れを示す。なお、融合処理部1220で行われる処理は、図7Aおよび図7Bに基づいて説明したので、ここでは繰り返し説明はしない。
図11Aに示すとおり、ステップS202において、目標追尾装置1200Aの座標変換処理部1211Aは、センサ航跡およびセンサ観測値を、センサ装置1100から受信する。ステップS204において、目標追尾装置1200Aの座標変換処理部1211Aは、センサ装置1100から出力されたセンサ航跡およびセンサ観測値に対して、座標変換を行なう。ステップS206において、目標追尾装置1200Aの再追尾処理部1231は、センサ観測値を用いて、再追尾センサ航跡を生成する。
図11Bに示すとおり、ステップS222において、目標追尾装置1200Aは、融合追尾処理部1239が、(イ)再追尾処理部1231が新たに生成した再追尾センサ航跡、(ロ)通信処理部1233が新たに他のプラットフォームのセンサシステム1010の目標追尾装置1200から受信した再追尾センサ航跡(相関済)、のいずれかを受信したかまたはいずれも受信しないかにより、処理を分岐する。上記の再追尾センサ航跡または再追尾センサ航跡(相関済)のいずれかを受信している場合(ステップS222においてYES)、ステップS224において、融合相関処理部1239が、受信した再追尾センサ航跡または再追尾センサ航跡(相関済)と、融合航跡(固有融合航跡)との相関処理を行う。ステップS224に続いて、ステップS226において、融合追尾処理部1224は、融合相関処理部1239が相関処理を行った再追尾センサ航跡または再追尾センサ航跡(相関済)を、相関のある融合航跡(固有融合航跡)と融合させる。すなわち、目標追尾装置1200Aは、固有融合航跡の生成または更新を行なう。さらに、ステップS228において、目標追尾装置1200Aの融合追尾処理部1234は、生成又は更新された融合航跡によって、融合航跡DB1227を更新する。また、ステップS230において、目標追尾装置1200Aの表示処理部1236は、融合追尾処理部1234により生成又は更新された融合航跡を、表示装置1300に表示させる。
融合相関処理部1239が、再追尾センサ航跡、再追尾センサ航跡(相関済)のいずれも受信してない場合(ステップS222においてNO)、目標追尾装置1200Aは、再追尾センサ航跡をもとに融合航跡を生成する一連の処理を終了する。
なお、図11AのステップS202〜S206の各処理、および図7BのステップS222〜S230の各処理は、目標追尾装置1200Aのプロセッサ2100(図8参照)により実行される。
<I.小括>
以下では、再追尾センサ航跡に関して、送信判定フラグが「1」のもの、他の目標追尾装置から受信したものを、それぞれ、「共有再追尾航跡」、「他装置センサ航跡」とも称する。また、実施の形態1で述べた「決められた基準」を、「共有条件」とも称する。
(1)以上のように、目標追尾装置1200Aは、センサ装置1100から出力される観測値により目標を追尾するとともに、ネットワーク900に接続されている。目標追尾装置1200Aは、(i)センサ装置1100から出力される観測値に追尾処理を行ない、再追尾センサ航跡を生成する再追尾処理部1221・1231と、(ii)再追尾センサ航跡が他の目標追尾装置との間で共通に決められた共有条件を満たすか否かを判定する送信判定処理部(判定処理部)1222と、(iii)共有条件を満たす再追尾センサ航跡である共有再追尾センサ航跡を他の目標追尾装置との間で送受信する通信処理部1223と、(iv)共有再追尾センサ航跡と、他の目標追尾装置から送信された共有再追尾センサ航跡である他装置センサ航跡とを融合した、共有融合航跡を生成する融合追尾処理部(共有融合追尾処理部)1224と、(v)再追尾センサ航跡と、他の目標追尾装置から送信された共有再追尾センサ航跡である他装置センサ航跡とを融合した、固有融合航跡を生成する融合追尾処理部(固有融合追尾処理部)1234と、を備える。
上記の構成によれば、融合追尾処理部1224が共有再追尾センサ航跡を利用するのに対し、融合追尾処理部1234は、再追尾センサ航跡を利用する。また、共有再追尾センサ航跡は、共有条件を満たす再追尾センサ航跡である。すなわち、目標追尾装置1200Aは、他の目標追尾装置と同じ共有融合航跡を生成する融合追尾処理部1224に加え、高い頻度で再追尾センサ航跡により更新する精度の高い融合航跡を生成する融合追尾処理部1234を備える。それゆえ、目標追尾装置1200Aによれば、全ての目標追尾装置において再追尾センサ航跡の出力頻度の上昇によりネットワーク900への負荷を上げることなく、高精度な融合航跡を得ることが可能となる。
(2)目標追尾装置1200Aは、(i)センサ装置1100から出力される観測値と共有融合航跡から予測される観測値の予測値とを比較し、観測値に対して対応付けられる共有融合航跡の情報または対応付けられる共有融合航跡が存在しない情報である共有融合航跡対応付情報を生成する融合相関処理部(共有融合相関処理部)1212と、(ii)再追尾センサ航跡および他装置センサ航跡のそれぞれと固有融合航跡とを比較し、再追尾センサ航跡および他装置センサ航跡のそれぞれに対して、対応付けられる固有融合航跡の情報または対応付けられる固有融合航跡が存在しない情報である固有融合航跡対応付情報を生成する融合相関処理部(固有融合相関処理部)1239と、(iii)共有融合航跡と固有融合航跡とを対応付ける対応付け処理部1240と、をさらに備える。
再追尾処理部1221は、共有融合航跡対応付情報を含んで再追尾センサ航跡を生成する。融合追尾処理部(共有融合追尾処理部)1224は、共有再追尾センサ航跡および他装置センサ航跡のそれぞれに対して、共有融合航跡対応付情報で対応付けられる共有融合航跡を更新し、共有融合航跡対応付情報で対応付けられる共有融合航跡が存在しない場合には、新たに共有融合航跡を作成する。融合追尾処理部(固有融合追尾処理部)1234は、再追尾センサ航跡および他装置センサ航跡のそれぞれに対して、固有融合航跡対応付情報で対応付けられる固有融合航跡を更新し、固有融合航跡対応付情報で対応付けられる固有融合航跡が存在しない再追尾センサ航跡の場合には、新たに固有融合航跡を作成する。
以上のように、目標追尾装置1200Aは、融合相関処理部1212と融合相関処理部1239でそれぞれ独立して行なった相関結果により共有融合航跡と固有融合航跡とをそれぞれ更新し、対応付け処理部1240により共有融合航跡と固有融合航跡との間の対応付けを行なう。したがって、目標追尾装置1200Aを備える追尾システム1Aによれば、1つの目標追尾装置で行なった相関の結果をもとに全ての目標追尾装置の共有融合航跡を更新することができる。
[実施の形態3]
<J.システム構成>
図12は、本実施の形態に係る目標追尾装置、センサシステム、および追尾システムの概要を表した図である。図12を参照して、追尾システム1Bは、センサ群100Bと、ネットワーク900とを備える。センサ群100Bは、プラットフォーム1001上にあるセンサシステム1010Bと,複数のプラットフォーム1002,1003それぞれの上のセンサシステム1010Cとを含む。
追尾システム1Bは、プラットフォーム1001上において、センサシステム1010Aを含み、プラットフォーム1002および1003上において、センサシステム1010の代わりにセンサシステム1010Cを含む点において、実施の形態2の追尾システム1Aとは異なる。以下、実施の形態2に係る追尾システム1Aとの相違点に着目して、本実施の形態に係る追尾システム1Bの説明を行なう。なお、図12においては、センサ群100Bが3つのプラットフォーム上にあるセンサシステム1010B、1010Cを含む構成を例に挙げているが、プラットフォームの数や、センサシステム1010B、1010Cの数は3つに限定されるものではない。
各プラットフォーム1001上のセンサシステム1010B,および各プラットフォーム1002,1003上のセンサシステム1010Cは、ネットワーク900に通信可能に接続されている。これにより、センサシステム1010Bおよび各プラットフォーム1002,1003上のセンサシステム1010Cは、互いに通信することが可能となる。
プラットフォーム1001上のセンサシステム1010Bは、実施の形態2で説明したセンサシステム1010Aと同様に、プラットフォーム1002,1003上にあるセンサシステム1010Cに比べて、高精度な融合航跡を必要とする装置である。センサシステム1010Bは、センサ装置1100と、目標追尾装置1200Bと、表示装置1300とを備える。目標追尾装置1200Bは、インターフェース部1210Bと、複数の融合処理部1220B,1230Bと、対応付け処理部1240とを含む。融合処理部1220B,1230Bは、ネットワーク900および表示装置1300に接続されている。これに対して、センサシステム1010Cは、センサ装置1100と、目標追尾装置1200Cと、表示装置1300とを備える。目標追尾装置1200Bは、インターフェース部1210Cと、融合処理部1220Bとを含む。センサシステム1010Bの目標追尾装置1200Bが備えるインターフェース部1210Bに対し、センサシステム1010Cの目標追尾装置1200Cが備えるインターフェース部1210B座標変換後のセンサ航跡を融合処理部1220Bに送信することのみが異なる。つまり、目標追尾装置1200Bは、目標追尾装置1200Cに融合処理部1230Bと対応付け処理部1240を加えたものに同等である。このため、追尾システム1Bの細部の構成については、目標追尾装置1200Bおよび目標追尾装置1200Bを有するセンサシステム1010Bについて説明し、目標追尾装置1200C、センサシステム1010Cについては、説明を省略する。
目標追尾装置1200Bは、インターフェース部1210Bと融合処理部1220B、1230Bとを備える点において、インターフェース部1210Aと融合処理部1220,1230とを備える実施の形態2に係る目標追尾装置1200A(図9参照)とは異なる。
目標追尾装置1200Bの融合処理部1220Bは、プラットフォーム1001上にあるセンサシステム1010Bが有するセンサ装置1100から出力されたデータに基づいて生成された航跡(詳しくは、再追尾センサ航跡)をネットワーク900経由でプラットフォーム1002,1003に送出する。また、融合処理部1220Bは、目標追尾装置1200の融合処理部1220と同様に、プラットフォーム1002,1003のそれぞれにあるセンサシステム1010の融合処理部1220からネットワーク900を介して送信されてきた航跡(詳しくは、再追尾センサ航跡)を受信する。さらに、融合処理部1220Bは、プラットフォーム1001上にあるセンサシステム1010Bが有するセンサ装置1100から出力されたデータに基づいて生成された航跡と、プラットフォーム1002,1003のそれぞれにあるセンサシステム1010の融合処理部1220からネットワーク900を介して送信されてきた航跡とを融合することにより、融合航跡を生成する。
目標追尾装置1200Bの融合処理部1230Bは、ネットワーク900から、相関処理が行われていない再追尾センサ航跡を受信する点で、再追尾センサ航跡(相関済)を受信する実施の形態2の融合処理部1230とは異なる。
<K.センサシステムの詳細>
図13は、追尾システム1Bのプラットフォーム1001上の目標追尾装置1200Bおよびセンサシステム1010Bの詳細な構成を説明するための図である。図13を参照して、センサシステム1010Bは、上述したように、センサ装置1100と、目標追尾装置1200Bと、表示装置1300とを備える。
目標追尾装置1200Bは、上述したように、インターフェース部1210Bと、融合処理部1220B,1230と、対応付け処理部1240とを含む。インターフェース部1210Bは、座標変換処理部1211Bを有する。融合処理部1220Bは、再追尾処理部1221Bと、送信判定処理部1222Bと、通信処理部1233Bと、融合追尾処理部1224と、遅延部1225と、表示処理部1226と、融合航跡DB1227と、融合相関処理部1229とを有する。
インターフェース部1210Bは、融合相関処理部1212を有していない点において、実施の形態2におけるインターフェース部1210A(図10参照)とは異なる。融合処理部1220Bは、融合相関処理部1239Bを有している点において、実施の形態2における融合処理部1220(図10参照)とは異なる。
(k1.インターフェース部1210B)
インターフェース部1210Bの座標変換処理部1211Bは、センサ追尾処理部1102から、センサ装置1100におけるセンサ固有の座標系で表されているセンサ航跡とセンサ観測値とを受信する。座標変換処理部1211Bは、当該センサ航跡とセンサ観測値を、目標追尾装置1200Bの座標系における座標値に変換する。
座標変換処理部1211Bは、変換後のセンサ航跡とセンサ観測値とを、融合処理部1220Bの再追尾処理部1221と、融合処理部1230Bの再追尾処理部1231とに対して出力する。
(k2.融合処理部1230B)
融合処理部1230Bの通信処理部1233Bは、上述したように、ネットワーク900を介して、プラットフォーム1002,1003それぞれのセンサシステム1010Cの目標追尾装置1200Cから再追尾センサ航跡を受信する。通信処理部1233Bは、受信した再追尾センサ航跡を融合相関処理部1239Bに出力する。
融合相関処理部1239Bは、複数の目標の各々の融合航跡のうちからセンサ観測値と相関のある融合航跡を特定した後に、センサ観測値とセンサ航跡とを当該特定された融合航跡の識別情報に関連付けて融合追尾処理部1234に出力する。詳しくは、融合相関処理部1239Bは、再追尾処理部1231から出力された再追尾センサ航跡と、1サンプリング分遅延させた複数の融合航跡の各々との相関を判断する。さらに、融合相関処理部1239Bは、通信処理部1233Bから出力された再追尾センサ航跡についても、再追尾処理部1231から出力された再追尾センサ航跡と同様に相関をとる。
なお、融合処理部1230Bにおける、通信処理部1233Bと融合相関処理部1239Bと以外の各部の処理は、既に説明したため、ここでは繰り返さない。
(k3.融合処理部1220B)
融合処理部1220Bの再追尾処理部1221Bは、再追尾処理部1221と同様に、センサ観測値を利用して、再追尾センサ航跡を生成する。ただし、生成された再追尾センサ航跡は、融合航跡との相関処理は行われていない。再追尾処理部1221Bは、当該生成された再追尾センサ航跡を、送信判定処理部1222Bに対して出力する。
融合追尾処理部1224は、新規に融合航跡を登録する場合、再追尾センサ航跡をもとに再追尾センサ航跡(相関済)に含まれる位置、速度、加速度それぞれの誤差を各要素とする誤差ベクトル(e)から、融合航跡の位置、速度、加速度それぞれの誤差を各要素とする誤差ベクトル(E)を算出する。また、融合追尾処理部1224は、融合航跡を再追尾センサ航跡で更新する場合、更新される前の融合航跡の誤差ベクトル(E)と再追尾センサ航跡の誤差ベクトル(e)とから融合航跡の誤差ベクトル(E)を算出して更新する。融合航跡毎に、融合航跡を生成する際に使用した再追尾センサ航跡(相関済)の識別番号を融合航跡DB1227に記憶する。
送信判定処理部1222Bは、新たな再追尾センサ航跡が入力されると、融合航跡DB1227から、この再追尾センサ航跡と同じ識別番号の再追尾センサ航跡により更新された融合航跡の情報を取得する。入力された再追尾センサ航跡と同じ識別番号の再追尾センサ航跡により更新された融合航跡が存在する場合と存在しない場合で、それぞれ次のように判定を行なう。
(i)同じ識別番号の再追尾センサ航跡により更新された融合航跡が存在する場合は、送信判定処理部1222Bは、この融合航跡の誤差ベクトルEまたは、誤差ベクトル(E)とこの融合航跡を再追尾センサ航跡で更新すると仮定した場合の更新後の誤差ベクトル(E’)との差異ベクトルD(=E−E’)が決められた基準を満たすか否かにより判定する。決められた基準は、実施の形態1、2の送信判定処理部1222と同様である。
(ii)同じ識別番号の再追尾センサ航跡により更新された融合航跡が存在しない場合は、送信判定処理部1222Bは、この融合航跡を、再追尾センサ航跡を送信可(すなわち再追尾航跡を目標追尾装置間で共有する)と判定する。
通信処理部1223Bは、ネットワーク900を介して、プラットフォーム1002,1003の目標追尾装置1200から再追尾センサ航跡を受信する。また、通信処理部1233Bは、ネットワーク900を介して、プラットフォーム1002,1003それぞれのセンサシステム1010Cの目標追尾装置1200Cに対して再追尾センサ航跡を送信する。さらに、通信処理部1233Bは、受信した再追尾センサ航跡を融合相関処理部1229に出力する。このように、通信処理部1223Bは、相関処理が行われていない再追尾センサ航跡の送受信および出力を行なう点において、実施の形態2の通信処理部1223(図10参照)とは異なる。
融合相関処理部1229は、複数の目標の各々の融合航跡のうちからセンサ観測値と相関のある融合航跡を特定した後に、センサ観測値とセンサ航跡とを当該特定された融合航跡の識別情報に関連付けて融合追尾処理部1224に出力する。詳しくは、融合相関処理部1229は、通信処理部1223Bから出力された再追尾センサ航跡と、1サンプリング分遅延させた複数の融合航跡の各々との相関を判断する。
より詳しくは、融合相関処理部1229は、相関のある融合航跡が特定された場合、再追尾センサ航跡に対して、当該再追尾センサ航跡に相関のある融合航跡を示す相関融合航跡情報(融合航跡の識別情報)を付加する。融合相関処理部1229は、相関融合航跡情報を付加された再追尾センサ航跡を、相関済みの再追尾センサ航跡(つまり、再追尾センサ航跡(相関済))として、融合追尾処理部1224に出力する。さらに、融合相関処理部1229は、通信処理部1233Bから出力された再追尾センサ航跡についても、当該再追尾センサ航跡に相関のある融合航跡を示す相関融合航跡情報(融合航跡の識別情報)を付加して、相関済みの再追尾センサ航跡(つまり、再追尾センサ航跡(相関済))として、融合追尾処理部1224に出力する。
なお、遅延部1225、表示処理部1226における各処理は、既に説明したため、ここでは繰り返さない。
(k4.対応付け処理部1240)
融合処理部1220B,1230Bによって、「共有された航跡情報をもとにそれぞれの目標にセンサを割り当て、目標に関するさらに高精度の航跡情報を取得する」などの運用を行なうために、目標追尾装置1200Bでは、融合処理部1220B,1230Bでそれぞれ独立に生成された融合航跡どうしの対応関係を明確にする処理を行なう必要がある。目標追尾装置1200Bでは、当該処理の記載を、対応付け処理部1240が実行する。詳しくは、対応付け処理部1240は、たとえば、上述した処理(i)〜(iii)のいずれかを実行する(実施の形態2における「(g3.対応付け処理部1240)」の欄の記載を参照)。
(k5.利点)
本実施の形態にかかる追尾システム1Bは、実施の形態2に係る追尾システム1Aと同様の効果を奏する。
<L.制御構造>
図14Aおよび図14Bは、追尾システム1Bのプラットフォーム1001のセンサシステム1010Bの目標追尾装置1200Bで行われる処理の流れを説明するためのフローチャートである。詳しくは、図14Aおよび図14Bは、インターフェース部1210Bと融合処理部1220Bとで行われる処理を説明するためのフローチャートである。図14Aは、目標追尾装置1200Bで行われる、センサ情報を受け取り、再追尾センサ航跡を生成し、配信する処理の流れを示し、図14Bは、目標追尾装置1200Bで行われる、再追尾センサ航跡をもとに融合航跡を生成する処理の流れを示す。
図14Aに示すとおり、ステップS302において、目標追尾装置1200Bの座標変換処理部1211Bは、センサ航跡およびセンサ観測値を、センサ装置1100から受信する。ステップS304において、目標追尾装置1200Bの座標変換処理部1211Bは、センサ装置1100から出力されたセンサ航跡およびセンサ観測値に対して、座標変換を行なう。ステップS306において、目標追尾装置1200Bの再追尾処理部1221Bは、センサ観測値を用いて、再追尾センサ航跡を生成する。
ステップS308において、目標追尾装置1200Bの送信判定処理部1222Bは、融合航跡の誤差ベクトル(E)、または融合航跡の誤差ベクトル(E)と再追尾センサ航跡を融合航跡に融合させたときの融合航跡の誤差ベクトル(E’)との差異ベクトル(D)(D=E−E’)が、決められた基準を満たすか否かを判断する。
決められた基準を満たすと判断された場合(ステップS308においてYES)、ステップS310において、送信判定処理部1222Bは、再追尾センサ航跡(相関済)を送信可であると判断する。また、ステップS312において、目標追尾装置1200Bの通信処理部1223Bは、送信判定処理部1222Bが送信可であると判定した再追尾センサ航跡を、他のプラットフォーム1002,1003のセンサシステム1010Cに対して送信する。一方、決められた基準を満たさないと判断された場合(ステップS308においてNO)、目標追尾装置1200Bは、センサ情報を受け取り、再追尾センサ航跡を生成し、配信する一連の処理を終了する。
図14Bを参照して、ステップS322において、目標追尾装置1200Bは、融合相関処理部1229が、(イ)送信判定処理部1222Bが、新たに送信可(共有する)と判定した再追尾センサ航跡、(ロ)通信処理部1223Bが新たに他のプラットフォームのセンサシステム1010Cの目標追尾装置1200Cから受信した再追尾センサ航跡のいずれかを受信したかまたはいずれも受信しないかにより、処理を分岐する。いずれかの再追尾センサ航跡を受信している場合(ステップS322においてYES)、ステップS324において、融合相関処理部1229が、受信した再追尾センサ航跡と、融合航跡(共有融合航跡)との相関処理を行う。さらに、ステップS326において、融合追尾処理部1224が、融合相関処理部1229が相関処理を行った再追尾センサ航跡を、相関のある融合航跡に融合させる融合追尾処理を実行する。すなわち、目標追尾装置1200は、融合航跡の生成または更新を行なう。
また、ステップS326に続いて、ステップS328において、目標追尾装置1200Bの融合追尾処理部1224は、生成又は更新された融合航跡によって、融合航跡DB1227を更新する。さらに、ステップS330において、目標追尾装置1200Bの表示処理部1226は、融合追尾処理部1224により生成又は更新された融合航跡を、表示装置1300に表示させる。
融合相関処理部1229が、いずれの再追尾センサ航跡も受信してない場合(ステップS322においてNO)、目標追尾装置1200Bは、再追尾センサ航跡をもとに融合航跡を生成する一連の処理を終了する。
なお、図14AのステップS302〜S312の各処理、および図14BのステップS324〜S330の各処理は、目標追尾装置1200Bのプロセッサ2100(図8参照)により実行される。
<M.小括>
以上のように、目標追尾装置1200Bは、(i)共有再追尾センサ航跡および他装置センサ航跡のそれぞれと共有融合航跡とを比較し、共有再追尾センサ航跡および他装置センサ航跡のそれぞれに対して、対応付けられる共有融合航跡の情報または対応付けられる共有融合航跡が存在しない情報である共有融合航跡対応付情報を生成する融合相関処理部(共有融合相関処理部)1229と、(ii)再追尾センサ航跡および他装置センサ航跡のそれぞれと固有融合航跡とを比較し、再追尾センサ航跡および他装置センサ航跡のそれぞれに対して、対応付けられる前記固有融合航跡の情報または対応付けられる固有融合航跡が存在しない情報である固有融合航跡対応付情報を生成する融合相関処理部(固有融合相関処理部)1239Bと、(iii)共有融合航跡と固有融合航跡とを対応付ける対応付け処理部1240とをさらに備える。
融合追尾処理部(共有融合追尾処理部)1224は、共有再追尾センサ航跡および他装置センサ航跡のそれぞれに対して、共有融合航跡対応付情報で対応付けられる共有融合航跡を更新し、共有融合航跡対応付情報で対応付けられる共有融合航跡が存在しない場合には、新たに共有融合航跡を作成する。融合追尾処理部(固有融合追尾処理部)1234は、再追尾センサ航跡および他装置センサ航跡のそれぞれに対して、固有融合航跡対応付情報で対応付けられる固有融合航跡を更新し、固有融合航跡対応付情報で対応付けられる固有融合航跡が存在しない再追尾センサ航跡の場合には、新たに固有融合航跡を作成する。
以上のように、目標追尾装置1200Aは、融合相関処理部1212と融合相関処理部1239Bでそれぞれ独立して行なった相関結果により共有融合航跡と固有融合航跡とをそれぞれ更新し、対応付け処理部1240により共有融合航跡と固有融合航跡との間の対応付けを行なう。したがって、目標追尾装置1200Bを備える追尾システム1Bによれば、それぞれの目標追尾装置で相関を行ない、その結果に基づき融合航跡を更新することができる。
[実施の形態4]
本実施の形態では、実施の形態2のセンサシステム1010A(図10参照)の変形例であるセンサシステム1010Dについて説明する。すなわち、センサシステム1010Dは、追尾システム1Aにおいて、センサシステム1010Aの代わりに利用される。
<N.プラットフォームの詳細>
図15は、センサシステム1010Dの詳細な構成を説明するための図である。図15を参照して、センサシステム1010Dは、センサ装置1100と、目標追尾装置1200Dと、表示装置1300とを備える。つまり、センサシステム1010Dは、プラットフォーム1001上に目標追尾装置1200Dを備える点において、目標追尾装置1200Aを備えるセンサシステム1010Aとは異なる。
目標追尾装置1200Dは、インターフェース部1210Bと、融合処理部1220C、1230と、対応付け処理部1240とを有する。つまり、目標追尾装置1200Dは、インターフェース部1210Bおよび融合処理部1220Cを備える点において、インターフェース部1210Aおよび融合処理部1220を備える目標追尾装置1200Aとは異なる。
また、インターフェース部1210Bは、融合相関処理部1212を有していない点において、実施の形態2におけるインターフェース部1210A(図10参照)とは異なる。融合処理部1220Cは、融合相関処理部1229Cを有している点において、実施の形態2における融合処理部1220(図10参照)とは異なる。
(n1.インターフェース部1210B)
インターフェース部1210Bの座標変換処理部1211Bは、センサ追尾処理部1102から、センサ装置1100におけるセンサ固有の座標系で表されているセンサ航跡とセンサ観測値とを受信する。座標変換処理部1211Bは、当該センサ航跡とセンサ観測値とを、目標追尾装置1200Dの座標系における座標値に変換する。
座標変換処理部1211Bは、変換後のセンサ航跡とセンサ観測値とを、融合処理部1220Cの再追尾処理部1221Bと、融合処理部1230の再追尾処理部1231とに対して出力する。
(n2.融合処理部1220C)
融合処理部1220Cは、再追尾処理部1221Bと、融合相関処理部1229Cと、送信判定処理部1222と、通信処理部1223と、融合追尾処理部1224と、遅延部1225と、表示処理部1226と、融合航跡DB(Data Base)1227とを有する。
融合処理部1220Cは、共有融合相関処理部1229Cと再追尾処理部1221Bとの配置が、実施の形態2の配置(図10参照)とは異なる。詳しくは、融合相関処理部1220Dは、再追尾処理部1221Bと送信判定処理部1222との間に融合相関処理部1229Cを有する。なお、遅延部1225は、融合航跡を、融合相関処理部1229Cと送信判定処理部1222とに送信する。
つまり、実施の形態2の構成では、再追尾センサ航跡(相関済)を生成するために、融合相関処理部1221で相関処理を行なった結果に対して再追尾処理を行なうのに比べ、本実施の形態の構成では、再追尾処理部1221Bで再追尾処理を行なった結果の再追尾センサ航跡に融合相関処理部1229Cにより融合相関処理を行なう。
<O.小括>
以上のように、目標追尾装置1200Dは、(i)再追尾センサ航跡と共有融合航跡とを比較し、再追尾センサ航跡に対して対応付けられる共有融合航跡の情報または対応付けられる共有融合航跡が存在しない情報である共有融合航跡対応付情報を生成する融合相関処理部(共有融合相関処理部)1229Cと、(ii)再追尾センサ航跡および他装置センサ航跡のそれぞれと固有融合航跡とを比較し、再追尾センサ航跡および他装置センサ航跡のそれぞれに対して、対応付けられる固有融合航跡の情報または対応付けられる固有融合航跡が存在しない情報である固有融合航跡対応付情報を生成する融合相関処理部(固有融合相関処理部)1239と、(iii)共有融合航跡と固有融合航跡とを対応付ける対応付け処理部1240と、をさらに備える。
通信処理部1223は、共有条件を満たし共有融合航跡対応付情報を含む再追尾センサ航跡である共有再追尾センサ航跡を他の前記目標追尾装置との間で送受信する。融合追尾処理部(共有融合追尾処理部)1224は、共有再追尾センサ航跡および他装置センサ航跡のそれぞれに対して、共有融合航跡対応付情報で対応付けられる共有融合航跡を更新し、共有融合航跡対応付情報で対応付けられる共有融合航跡が存在しない場合には、新たに共有融合航跡を作成する。融合追尾処理部(固有融合追尾処理部)1234は、再追尾センサ航跡および他装置センサ航跡のそれぞれに対して、固有融合航跡対応付情報で対応付けられる固有融合航跡を更新し、固有融合航跡対応付情報で対応付けられる固有融合航跡が存在しない再追尾センサ航跡の場合には、新たに固有融合航跡を作成する。
以上のように、目標追尾装置1200Dは、融合相関処理部1229Cと融合相関処理部1239でそれぞれ独立して行なった相関結果により共有融合航跡と固有融合航跡とをそれぞれ更新し、対応付け処理部1240により共有融合航跡と固有融合航跡との間の対応付けを行なう。したがって、目標追尾装置1200Dを備える追尾システム1Aによれば、実施の形態2と同様に、1つの目標追尾装置で行なった相関の結果をもとに全ての目標追尾装置の共有融合航跡を更新することができる。
今回開示された実施の形態は例示であって、上記内容のみに制限されるものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1,1A,1B 追尾システム、100,100A,100B センサ群、700 メモリカード、900 ネットワーク、1001,1002,1003 プラットフォーム、1010,1010A,1010B,1010C,1010D センサシステム、1100 センサ装置、1101 信号処理部、1102 センサ追尾処理部、1200,1200A,1200B,1200C,1200D 目標追尾装置、1210,1210A,1210B,1210C インターフェース部、1211,1211A,1211B 座標変換処理部、1212,1229,1229C,1239,1239B 融合相関処理部、1220,1220B,1220C,1230,1230B 融合処理部、1221,1221B,1231 再追尾処理部、1222,1222B 送信判定処理部、1223,1223B,1233,1233B 通信処理部、1224,1234 融合追尾処理部、1225,1235 遅延部、1226,1236 表示処理部、1240 対応付け処理部、1300 表示装置、2100 プロセッサ、2200 メモリ、2210 ROM、2220 RAM、2300,2400,2500 通信IF、1227,1237 融合航跡DB。

Claims (12)

  1. センサから出力される観測値により目標を追尾する、ネットワークに接続された目標追尾装置であって、
    前記センサから出力される前記観測値に追尾処理を行ない、再追尾センサ航跡を生成する再追尾処理部と、
    前記再追尾センサ航跡が他の前記目標追尾装置との間で共通に決められた共有条件を満たすか否かを判定する判定処理部と、
    前記共有条件を満たす前記再追尾センサ航跡である共有再追尾センサ航跡を他の前記目標追尾装置との間で送受信する通信処理部と、
    前記共有再追尾センサ航跡と、他の前記目標追尾装置から送信された前記共有再追尾センサ航跡である他装置センサ航跡とを融合した、共有融合航跡を生成する共有融合追尾処理部と、
    前記再追尾センサ航跡と、前記他装置センサ航跡とを融合した、固有融合航跡を生成する固有融合追尾処理部と、を備えた、目標追尾装置。
  2. 前記センサから出力される前記観測値と前記共有融合航跡から予測される前記観測値の予測値とを比較し、前記観測値に対応付けられる前記共有融合航跡の情報または対応付けられる前記共有融合航跡が存在しない情報である共有融合航跡対応付情報を生成する共有融合相関処理部と、
    前記再追尾センサ航跡および前記他装置センサ航跡のそれぞれと前記固有融合航跡とを比較し、前記再追尾センサ航跡および前記他装置センサ航跡のそれぞれに対応付けられる前記固有融合航跡の情報または対応付けられる前記固有融合航跡が存在しない情報である固有融合航跡対応付情報を生成する固有融合相関処理部と、
    前記共有融合航跡と前記固有融合航跡とを対応付ける対応付け処理部と、をさらに備え、
    前記再追尾処理部は、前記共有融合航跡対応付情報を含んで前記再追尾センサ航跡を生成し、
    前記共有融合追尾処理部は、前記共有再追尾センサ航跡および前記他装置センサ航跡のそれぞれに前記共有融合航跡対応付情報で対応付けられる前記共有融合航跡を更新し、前記共有融合航跡対応付情報で対応付けられる前記共有融合航跡が存在しない場合には、新たに前記共有融合航跡を作成し、
    前記固有融合追尾処理部は、前記再追尾センサ航跡および前記他装置センサ航跡のそれぞれに前記固有融合航跡対応付情報で対応付けられる前記固有融合航跡を更新し、前記固有融合航跡対応付情報で対応付けられる前記固有融合航跡が存在しない前記再追尾センサ航跡の場合には、新たに前記固有融合航跡を作成する、請求項1に記載の目標追尾装置。
  3. 前記再追尾センサ航跡と前記共有融合航跡とを比較し、前記再追尾センサ航跡に対応付けられる前記共有融合航跡の情報または対応付けられる前記共有融合航跡が存在しない情報である共有融合航跡対応付情報を生成する共有融合相関処理部と、
    前記再追尾センサ航跡および前記他装置センサ航跡のそれぞれと前記固有融合航跡とを比較し、前記再追尾センサ航跡および前記他装置センサ航跡のそれぞれに対応付けられる前記固有融合航跡の情報または対応付けられる前記固有融合航跡が存在しない情報である固有融合航跡対応付情報を生成する固有融合相関処理部と、
    前記共有融合航跡と前記固有融合航跡とを対応付ける対応付け処理部と、をさらに備え、
    前記通信処理部は、前記共有条件を満たし前記共有融合航跡対応付情報を含む前記再追尾センサ航跡である前記共有再追尾センサ航跡を他の前記目標追尾装置との間で送受信し、
    前記共有融合追尾処理部は、前記共有再追尾センサ航跡および前記他装置センサ航跡のそれぞれに前記共有融合航跡対応付情報で対応付けられる前記共有融合航跡を更新し、前記共有融合航跡対応付情報で対応付けられる前記共有融合航跡が存在しない場合には、新たに前記共有融合航跡を作成し、
    前記固有融合追尾処理部は、前記再追尾センサ航跡および前記他装置センサ航跡のそれぞれに前記固有融合航跡対応付情報で対応付けられる前記固有融合航跡を更新し、前記固有融合航跡対応付情報で対応付けられる前記固有融合航跡が存在しない前記再追尾センサ航跡の場合には、新たに前記固有融合航跡を作成する、請求項1に記載の目標追尾装置。
  4. 前記共有再追尾センサ航跡および前記他装置センサ航跡のそれぞれと前記共有融合航跡とを比較し、前記共有再追尾センサ航跡および前記他装置センサ航跡のそれぞれに対応付けられる前記共有融合航跡の情報または対応付けられる前記共有融合航跡が存在しない情報である共有融合航跡対応付情報を生成する共有融合相関処理部と、
    前記再追尾センサ航跡および前記他装置センサ航跡のそれぞれと前記固有融合航跡とを比較し、前記再追尾センサ航跡および前記他装置センサ航跡のそれぞれに対応付けられる前記固有融合航跡の情報または対応付けられる前記固有融合航跡が存在しない情報である固有融合航跡対応付情報を生成する固有融合相関処理部と、
    前記共有融合航跡と前記固有融合航跡とを対応付ける対応付け処理部と、をさらに備え、
    前記共有融合追尾処理部は、前記共有再追尾センサ航跡および前記他装置センサ航跡のそれぞれに前記共有融合航跡対応付情報で対応付けられる前記共有融合航跡を更新し、前記共有融合航跡対応付情報で対応付けられる前記共有融合航跡が存在しない場合には、新たに前記共有融合航跡を作成し、
    前記固有融合追尾処理部は、前記再追尾センサ航跡および前記他装置センサ航跡のそれぞれに前記固有融合航跡対応付情報で対応付けられる前記固有融合航跡を更新し、前記固有融合航跡対応付情報で対応付けられる前記固有融合航跡が存在しない前記再追尾センサ航跡の場合には、新たに前記固有融合航跡を作成する、請求項1に記載の目標追尾装置。
  5. センサから出力される観測値をもとに生成された再追尾センサ航跡および他の目標追尾装置で生成された前記再追尾センサ航跡を融合した目標の融合航跡を生成する、ネットワークに接続された目標追尾装置であって、
    前記センサから出力される前記観測値と前記融合航跡から予測される前記観測値の予測値とを比較し、前記観測値に対応付けられる前記融合航跡の情報または対応付けられる前記融合航跡が存在しない情報である融合航跡対応付情報を生成し、前記融合航跡対応付情報を含む前記観測値である融合航跡対応観測値を生成する融合相関処理部と、
    前記融合航跡対応観測値に追尾処理を行い、前記融合航跡対応付情報を含む再追尾センサ航跡を生成する再追尾処理部と、
    前記再追尾センサ航跡が他の前記目標追尾装置との間で共通に決められた共有条件を満たすか否かを判定する判定処理部と、
    前記共有条件を満たす前記再追尾センサ航跡である共有再追尾センサ航跡を他の前記目標追尾装置との間で送受信する通信処理部と、
    他の前記目標追尾装置から送信された前記共有再追尾センサ航跡である他装置センサ航跡および前記共有再追尾センサ航跡のそれぞれに前記融合航跡対応付情報で対応付けられる前記融合航跡を更新し、前記融合航跡対応付情報で対応付けられる前記融合航跡が存在しない場合には、新たに前記融合航跡を作成する融合追尾処理部と、を備えた、目標追尾装置。
  6. 前記共有条件は、前記共有融合航跡の誤差、または前記共有融合航跡の誤差と前記再追尾センサ航跡を共有融合航跡に融合させたときの共有融合航跡の誤差との差異が、予め定められた閾値以上であることである、請求項1から5のいずれか1項に記載の目標追尾装置。
  7. センサと、前記センサから出力される観測値をもとに目標を追尾する、ネットワークに接続された目標追尾装置とを備えたセンサシステムであって、
    前記センサは、前記目標追尾装置に対して、前記目標の観測値を順次出力し、
    前記目標追尾装置は、
    前記センサから出力される前記観測値に追尾処理を行ない、再追尾センサ航跡を生成する再追尾処理部と、
    前記再追尾センサ航跡が他の前記目標追尾装置との間で共通に決められた共有条件を満たすか否かを判定する判定処理部と、
    前記共有条件を満たす前記再追尾センサ航跡である共有再追尾センサ航跡を他の前記目標追尾装置との間で送受信する通信処理部と、
    前記共有再追尾センサ航跡と、他の前記目標追尾装置から送信された前記共有再追尾センサ航跡である他装置センサ航跡とを融合した、共有融合航跡を生成する共有融合追尾処理部と、
    前記再追尾センサ航跡と、前記他装置センサ航跡とを融合した、固有融合航跡を生成する固有融合追尾処理部と、を含む、センサシステム。
  8. センサと、前記センサから出力される観測値をもとに生成された再追尾センサ航跡および他の目標追尾装置で生成された前記再追尾センサ航跡を融合した融合航跡を生成する、ネットワークに接続された目標追尾装置とを備えるセンサシステムであって、
    前記目標を観測し、前記観測値を出力する前記センサと、
    前記センサから出力される前記観測値と前記融合航跡から予測される前記観測値の予測値とを比較し、前記観測値に対応付けられる前記融合航跡の情報または対応付けられる前記融合航跡が存在しない情報である融合航跡対応付情報を生成し、前記融合航跡対応付情報を含む前記観測値である融合航跡対応付観測値を生成する融合相関処理部、
    前記融合航跡対応付観測値に追尾処理を行い、前記融合航跡対応付情報を含む再追尾センサ航跡を生成する再追尾処理部、
    前記再追尾センサ航跡が他の前記目標追尾装置との間で共通に決められた共有条件を満たすか否かを判定する判定処理部、
    前記共有条件を満たす前記再追尾センサ航跡である共有再追尾センサ航跡を他の前記目標追尾装置との間で送受信する通信処理部、および、
    他の前記目標追尾装置から送信された前記共有再追尾センサ航跡である他装置センサ航跡および前記共有再追尾センサ航跡のそれぞれに前記融合航跡対応付情報で対応付けられる前記融合航跡を更新し、前記融合航跡対応付情報で対応付けられる前記融合航跡が存在しない場合には、新たに前記融合航跡を作成する融合追尾処理部、を含む目標追尾装置と、を備えた、センサシステム。
  9. センサから出力される観測値をもとに目標を追尾する、ネットワークに接続された複数の目標追尾装置を備える追尾システムであって、
    前記複数の目標追尾装置の各々は、
    前記センサから出力される前記観測値に追尾処理を行ない、再追尾センサ航跡を生成する再追尾処理部と、
    前記再追尾センサ航跡が他の前記目標追尾装置との間で共通に決められた共有条件を満たすか否かを判定する判定処理部と、
    前記共有条件を満たす前記再追尾センサ航跡である共有再追尾センサ航跡を他の前記目標追尾装置との間で送受信する通信処理部と、
    前記共有再追尾センサ航跡と、他の前記目標追尾装置から送信された前記共有再追尾センサ航跡である他装置センサ航跡とを融合した、共有融合航跡を生成する共有融合追尾処理部と、
    前記再追尾センサ航跡と、前記他装置センサ航跡とを融合した、固有融合航跡を生成する固有融合追尾処理部と、を含む、追尾システム。
  10. それぞれがセンサから出力される観測値をもとに生成された再追尾センサ航跡および他の目標追尾装置で生成された前記再追尾センサ航跡を融合した融合航跡を生成する、ネットワークに接続された複数の目標追尾装置を備える追尾システムであって、
    前記複数の目標追尾装置の各々は、
    前記センサから出力される前記観測値と前記融合航跡から予測される前記観測値の予測値とを比較し、前記観測値に対応付けられる前記融合航跡の情報または対応付けられる前記融合航跡が存在しない情報である融合航跡対応付情報を生成し、前記融合航跡対応付情報を含む前記観測値である融合航跡対応付観測値を生成する融合相関処理部と、
    前記融合航跡対応付観測値に追尾処理を行い、前記融合航跡対応付情報を含む再追尾センサ航跡を生成する再追尾処理部と、
    前記再追尾センサ航跡が他の前記目標追尾装置との間で共通に決められた共有条件を満たすか否かを判定する判定処理部と、
    前記共有条件を満たす前記再追尾センサ航跡である共有再追尾センサ航跡を他の前記目標追尾装置との間で送受信する通信処理部と、
    他の前記目標追尾装置から送信された前記共有再追尾センサ航跡である他装置センサ航跡および前記共有再追尾センサ航跡のそれぞれに前記融合航跡対応付情報で対応付けられる前記融合航跡を更新し、前記融合航跡対応付情報で対応付けられる前記融合航跡が存在しない場合には、新たに前記融合航跡を作成する融合追尾処理部と、を含む、追尾システム。
  11. センサから出力される観測値をもとに目標を追尾する、ネットワークに接続された目標追尾装置を制御するためのプログラムであって、
    前記センサから出力される前記観測値に追尾処理を行ない、再追尾センサ航跡を生成するステップと、
    前記再追尾センサ航跡が他の前記目標追尾装置との間で共通に決められた共有条件を満たすか否かを判定するステップと、
    前記共有条件を満たす前記再追尾センサ航跡である共有再追尾センサ航跡を他の前記目標追尾装置との間で送受信するステップと、
    前記共有再追尾センサ航跡と、他の前記目標追尾装置から送信された前記共有再追尾センサ航跡である他装置センサ航跡とを融合した、共有融合航跡を生成するステップと、
    前記再追尾センサ航跡と、前記他装置センサ航跡とを融合した、固有融合航跡を生成するステップとを、前記目標追尾装置のプロセッサに実行させる、プログラム。
  12. センサから出力される観測値から生成される再追尾センサ航跡および他の目標追尾装置で生成された前記再追尾センサ航跡を融合した融合航跡を生成する、ネットワークに接続された目標追尾装置を制御するためのプログラムであって、
    前記センサから出力される前記観測値と前記融合航跡から予測される前記観測値の予測値とを比較し、前記観測値に対応付けられる前記融合航跡の情報または対応付けられる前記融合航跡が存在しない情報である融合航跡対応付情報を生成し、前記融合航跡対応付情報を含む前記観測値である融合航跡対応付観測値を生成するステップと、
    前記融合航跡対応付観測値に追尾処理を行い、前記融合航跡対応付情報を含む再追尾センサ航跡を生成するステップと、
    前記再追尾センサ航跡が他の前記目標追尾装置との間で共通に決められた共有条件を満たすか否かを判定するステップと、
    前記共有条件を満たす前記再追尾センサ航跡である共有再追尾センサ航跡を他の前記目標追尾装置との間で送受信するステップと、
    他の前記目標追尾装置から送信された前記共有再追尾センサ航跡である他装置センサ航跡および前記共有再追尾センサ航跡のそれぞれに前記融合航跡対応付情報で対応付けられる前記融合航跡を更新し、前記融合航跡対応付情報で対応付けられる前記融合航跡が存在しない場合には、新たに前記融合航跡を作成するステップとを、前記目標追尾装置のプロセッサに実行させる、プログラム。
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