JP2017090054A - 情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム - Google Patents

情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】大気の空間的分布を示す情報を取得可能とする。【解決手段】観測対象となる対象気体に吸収される波長帯域の成分を含む光による照明下において、互いに異なる仰角で撮像された第1の画像及び第2の画像を取得する取得部と、第1の画像及び第2の画像間において対応する画素ごとに、第1の画像の当該画素における波長帯域中の波長ごとの成分の強度を示す第1のスペクトルと、第2の画像の当該画素における波長帯域中の波長ごとの成分の強度を示す第2のスペクトルとの比に基づき、当該画素に対応する第1の光学的厚さを算出し、画素ごとに算出された第1の光学的厚さと、あらかじめ算出された対象気体の吸収断面積に基づく第2の光学的厚さとに基づき、当該画素に対応する対象気体のスラントカラム濃度を推定する解析部と、画素ごとに推定されたスラントカラム濃度に基づき、対象気体の濃度分布を示す情報を生成する生成部と、を備える、情報処理装置。【選択図】図1

Description

本発明は、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムに関する。
近年、工業化や都市化に伴い発生するSOxやNOxなどの大気汚染気体やCOなどの温暖化気体、及びPM2.5を含む浮遊粒子状物質(エアロゾル)など大気中の微量物質による都市域での大気汚染や地球温暖化への影響が社会問題となっている。これらの大気汚染気体やエアロゾルの量や組成は時間的・空間的に激しく変動するため、その監視が大気環境問題対策のために重要である。
大気観測の方式としては、例えば、定点での大気サンプリングによる計測が挙げられる。また、近年では、航空障害灯等の白色光を光源として大気中の略水平方向の光路を利用する差分吸収分光法(DOAS(Differential Optical Absorption Spectroscopy)法)や、天空光を光源とする多軸長光路差分吸収法(MAX−DOAS(Multi Axis. Differential Optical Absorption Spectroscopy)法)等も提案されている。例えば、特許文献1には、大気汚染物質を測定するための装置の一例が開示されている。
特開2003−83885号公報
一方で、既存の大気観測の方式では、大気汚染気体や温暖化気体について、その空間的分布を示す情報(分布データ)を取得することが困難である。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、大気汚染気体や温暖化気体の空間的分布を示す情報を取得することが可能な、新規かつ改良された情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、観測対象となる対象気体に吸収される帯域の成分を含む光が照射される環境下において、互いに異なる仰角で撮像された第1の画像及び第2の画像を取得する取得部と、前記第1の画像及び前記第2の画像間において対応する画素ごとに、前記第1の画像の当該画素における前記帯域中の波長ごとの成分の強度を示す第1のスペクトルと、前記第2の画像の当該画素における当該帯域中の波長ごとの成分の強度を示す第2のスペクトルとの比に基づき、当該画素に対応する第1の光学的厚さを算出し、前記画素ごとに算出された前記第1の光学的厚さと、あらかじめ算出された前記対象気体の吸収断面積に基づく第2の光学的厚さとに基づき、当該画素に対応する前記対象気体のスラントカラム濃度を推定する解析部と、前記画素ごとに推定された前記スラントカラム濃度に基づき、前記対象気体の濃度分布を示す情報を生成する生成部と、を備える、情報処理装置が提供される。
前記対象気体は、紫外〜近赤外の帯域中に吸収スペクトルを有する気体であってもよい。
対象気体は、波長ごとの光学的厚さの変動幅が0.01以上の気体であってもよい。
前記対象気体は、二酸化窒素であり、前記第1のスペクトル及び前記第2のスペクトルは、400〜500nmの帯域のうち少なくとも一部の帯域における波長ごとの成分の強度を示す情報を含んでもよい。
前記対象気体は、二酸化炭素であり、前記第1のスペクトル及び前記第2のスペクトルは、1550〜1600nmの帯域のうち少なくとも一部の帯域における波長ごとの成分の強度を示す情報を含んでもよい。
前記解析部は、あらかじめ算出された前記対象気体と酸素二量体とのそれぞれの前記吸収断面積に基づき、前記第2の光学的厚さを算出してもよい。
前記解析部は、前記対象気体と酸素二量体とのそれぞれの前記吸収断面積に応じた差分スラントカラム濃度の仮定値に基づく疑似透過率を算出し、当該疑似透過率に基づき前記第2の光学的厚さを算出してもよい。
前記解析部は、前記差分スラントカラム濃度の仮定値を逐次変更して、当該仮定値に応じた前記疑似透過率に基づき前記第2の光学的厚さを算出し、当該仮定値ごとの前記疑似透過率に基づき算出した前記第2の光学的厚さと、前記画素ごとに算出した前記第1の光学的厚さとを比較することで、当該第1の光学的厚さと略一致する前記第2の光学的厚さを探索し、当該第2の光学的厚さの探索結果に基づき、当該画素に対応する前記対象気体の前記スラントカラム濃度を推定してもよい。
前記光は、太陽光の散乱光であってもよい。
前記第1の画像及び前記第2の画像のそれぞれは、被写体からの光の分光結果に基づく複数の帯域それぞれの光の強度を示す情報を含んでもよい。
前記生成部は、前記対象気体の濃度分布を示す情報として第3の画像を生成してもよい。
画角内の画像を撮像する撮像部と、前記撮像部の撮像方向を切り替える光学部材と、を含み、前記撮像部は、前記光学部材により前記撮像方向が切り替えられることで、前記第1の画像及び前記第2の画像を時分割で撮像してもよい。
前記第1の画像を撮像する第1の撮像部と、前記第2の画像を撮像する第2の撮像部と、を備えてもよい。
前記取得部は、互いに異なる仰角で撮像された第1の動画像及び第2の動画像それぞれから、フレームごとに静止画像を前記第1の画像及び前記第2の画像として取得し、前記解析部は、フレームごとに取得された前記第1の画像及び前記第2の画像間において対応する画素ごとに前記第1の光学的厚さを算出し、当該第1の光学的厚さと前記第2の光学的厚さとに基づき、当該フレームにおける当該画素に対応する前記対象気体の前記スラントカラム濃度を推定し、前記生成部は、複数のフレームについて前記画素ごとに推定された前記スラントカラム濃度に基づき、前記対象気体の濃度分布の時系列に沿った変化を示す情報を生成してもよい。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、観測対象となる対象気体に吸収される帯域の成分を含む光が照射される環境下において、互いに異なる仰角で撮像された第1の画像及び第2の画像を取得することと、プロセッサが、前記第1の画像及び前記第2の画像間において対応する画素ごとに、前記第1の画像の当該画素における前記帯域中の波長ごとの成分の強度を示す第1のスペクトルと、前記第2の画像の当該画素における当該帯域中の波長ごとの成分の強度を示す第2のスペクトルとの比に基づき、当該画素に対応する第1の光学的厚さを算出することと、前記画素ごとに算出された前記第1の光学的厚さと、あらかじめ算出された前記対象気体の吸収断面積に基づく第2の光学的厚さとに基づき、当該画素に対応する前記対象気体のスラントカラム濃度を算出することと、前記画素ごとに算出された前記スラントカラム濃度に基づき、前記対象気体の濃度分布を示す情報を生成することと、を含む、情報処理方法が提供される。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、コンピュータに、観測対象となる対象気体に吸収される帯域の成分を含む光が照射される環境下において、互いに異なる仰角で撮像された第1の画像及び第2の画像を取得することと、前記第1の画像及び前記第2の画像間において対応する画素ごとに、前記第1の画像の当該画素における前記帯域中の波長ごとの成分の強度を示す第1のスペクトルと、前記第2の画像の当該画素における当該帯域中の波長ごとの成分の強度を示す第2のスペクトルとの比に基づき、当該画素に対応する第1の光学的厚さを算出することと、前記画素ごとに算出された前記第1の光学的厚さと、あらかじめ算出された前記対象気体の吸収断面積に基づく第2の光学的厚さとに基づき、当該画素に対応する前記対象気体のスラントカラム濃度を算出することと、前記画素ごとに算出された前記スラントカラム濃度に基づき、前記対象気体の濃度分布を示す情報を生成することと、を実行させる、プログラムが提供される。
以上説明したように本発明によれば、大気汚染気体や温暖化気体の空間的分布を示す情報を取得することが可能な、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムが提供される。
本発明の一実施形態に係る実施形態に係る観測システムの概略的なシステム構成の一例について説明するための説明図である。 大気中での放射伝達のシミュレーション結果の一例である。 分光画像の概要について説明するための説明図である。 低仰角の方向について撮像された分光画像に基づき生成されたカラー画像の一例を示している。 低仰角の方向について撮像された分光画像中の画素におけるスペクトルの一例を示している。 高仰角の方向について撮像された分光画像に基づき生成されたカラー画像の一例を示している。 高仰角の方向について撮像された分光画像中の画素におけるスペクトルの一例を示している。 同実施形態に係る観測システムの機能構成の一例について示したブロック図である。 観測データに基づき算出される光学的厚さと、波長との関係の一例を示したグラフである。 レイリー散乱やミー散乱の影響が取り除かれた光学的厚さと、波長との関係の一例を示したグラフである。 NOの波長ごとの吸収断面積と、Oの波長ごとの吸収断面積との算出結果の一例を示したグラフである。 模擬透過率スペクトルの一例を示している。 模擬透過率に基づき算出された模擬光学的厚さのスペクトルの一例を示している。 観測値と模擬計算値との間のフィッティングの結果の一例を示している。 観測値と模擬計算値との間のフィッティングの結果の他の一例を示している。 対象気体の空間的分布を示すカラー画像情報の一例である。 変形例1に係る情報処理装置10の概要について説明するための説明図である。 二酸化炭素の観測結果の一例を示した図である。 変形例2に係る観測システムの概略的なシステム構成の一例について説明するための説明図である。 低仰角及び高仰角それぞれの方向について時系列に沿って逐次取得される分光画像の一例である。 低仰角及び高仰角それぞれの方向について時系列に沿って逐次取得される分光画像の他の一例である。 同実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成の一例を示した図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
<<1.観測システムの概要>>
まず、本発明の一実施形態に係る観測システムの概要について説明する。例えば、図1は、本実施形態に係る観測システムの概略的なシステム構成の一例について説明するための説明図である。
図1に示すように、本実施形態に係る観測システム1は、撮像装置20と、反射部21と、記憶部30と、情報処理装置10と、表示装置50とを含む。また、参照符号70は、観測環境を照明する照明光の光源を模式的に示したものである。
本実施形態に係る観測システム1は、紫外、可視、及び近赤外を含む所定の帯域中に吸収スペクトルを有し、かつ、その吸収の大きさが長光路を利用することで観測可能な程度に大きい気体を観測の対象とする。より具体的には、本実施形態に係る観測システム1は、光学的厚さの変動幅をΔτとした場合に、Δτが0.01か、もしくはそれ以上の値を示す気体を観測対象とする。このような特性を有する気体としては、例えば、二酸化窒素(NO、所謂NOx)、水蒸気(HO)、O、二酸化硫黄(SO、所謂SOx)、オゾン(O)、二酸化炭素(CO)、メタン(CH)等が挙げられ、これらの気体は、吸収スペクトルの波長帯域や当該波長の成分の吸収量が互いに異なる。
例えば、図2は、大気中での放射伝達のシミュレーション結果の一例であり、HO、NO、O(O)、及びOを対象とした、波長ごとの放射輝度のシミュレーション結果の一例を示している。なお、図2に示すシミュレーションデータは、Spectral Sciences Inc.とAFRL(Air Force Research Laboratories)が公開している、大気中での放射伝達をシミュレーションするための、MODTRAN5と呼ばれる計算機コードに基づき生成している。
図2では、720nm近傍の波長帯域での放射輝度が、HOの吸収によって周囲の波長に比べて低下していることがわかる。また、400nm〜500nmの波長帯域における放射輝度が、NOの吸収により低下している。本実施形態に係る観測システム1では、このような特性(即ち、吸収スペクトルの波長の違いや当該波長における大気成分気体の吸収量の違い)を利用することで、観測対象となる気体(以降では、「対象気体」とも称する)の空間的分布(換言すると、視線方向の違いによる濃度分布の変化のしかた)を観測可能とする。
上述したような特性から、本実施形態に係る観測システム1では、少なくとも対象気体の吸収スペクトルの波長帯域の成分を含む光が照射される環境下(換言すると、当該波長を含む光による照明下)において観測が行われる。具体的な一例として、本実施形態に係る観測システム1では、天空光(太陽光の散乱光)を照明光として用いるとよい。なお、前述したように、観測システム1では、対象気体の吸収スペクトルに基づき、当該対象気体の空間的分布を観測可能とする。そのため、天空光(太陽光の散乱光)を照明光として用いる場合には、例えば、天候が一様に晴れているか、もしくは、一様に曇っている環境での観測がより望ましい。これは、積雲等のような局所的な雲が存在すると、スペクトルの変動が激しく、わずかな時間の違いによってスペクトルが変化する可能性があり、安定した解析が困難となる場合があるためである。
本実施形態に係る観測システム1では、撮像装置20として、撮像される画像の1画素に対して、所定の帯域中の波長ごとに、光の強度を示すデータを取得することが可能な、所謂分光画像を撮像可能な装置を適用する。また、撮像装置20は、少なくとも、観測対象となる気体(即ち、対象気体)の吸収スペクトルの帯域中における波長ごとの光の強度を示すデータが取得可能なように構成されている。具体的な一例として、NOを観測対象とする場合には、撮像装置20としては、少なくとも400nm〜500nmの帯域中における波長ごとの光の強度を示すデータを取得可能な装置を適用することとなる。なお、撮像装置20としては、例えば、エバ・ジャパン株式会社社製のハイパースペクトルカメラ等を用いることができる。もちろん、本実施形態においては、分光画像を取得することが可能であれば、撮像装置20の構成は特に限定されない。
図1に示すように、本実施形態に係る観測システム1では、天空光が照射される環境下において、撮像装置20により、低仰角の方向(例えば、30度以下の仰角)と、高仰角の方向(例えば、50〜90度の仰角)とのそれぞれについて分光画像を撮像し、撮像された各分光画像を解析対象とする。ここで、低仰角の方向の分光画像とは、例えば、図1において、参照符号L1で示された光路を経て撮像装置20に到達した光の強度に基づく分光画像を示している。また、高仰角の方向の分光画像とは、図1において、参照符号L2で示された光路を経て撮像装置20に到達した光の強度に基づく分光画像を示している。なお、低仰角の方向が、観測対象となる気体(即ち、対象気体)の空間的分布を観測する方向に相当する。
例えば、図1に示す例では、撮像装置20に到達する光の光路が、反射部21により、光路L1及びL2の間で選択的に切り替えられる。反射部21は、例えば、ミラー等の光学部材により構成され、光を反射または偏光することにより、撮像装置20に到達する光の光路を切り替える。より具体的には、図1に示す例では、反射部21が、撮像装置20に到達する光の光路を、光路L1及びL2の間で、時分割で切り替えることにより、当該撮像装置20は、低仰角の方向の分光画像と、高仰角の方向の分光画像とを時分割で撮像することが可能となる。
なお、本実施形態に係る観測システム1においては、互いに異なる仰角の方向の分光画像を撮像できれば、その構成は、必ずしも図1に示す例には限定されない。例えば、撮像装置20を複数台設け、低仰角の方向の分光画像と、高仰角の方向の分光画像とを、それぞれ異なる撮像装置20に撮像させてもよい。なお、互いに異なる撮像装置20間では、その特性に応じて、撮像される分光画像間にずれが生じる場合が想定され得る。そのため、低仰角の方向の分光画像と、高仰角の方向の分光画像とを互いに異なる撮像装置20により撮像する場合には、撮像される各分光画像を、撮像装置20の特性に応じて校正することが望ましい。なお、校正の方法については、別途後述する。
ここで、撮像装置20により撮像される分光画像の一例について説明する。例えば、図3は、分光画像の概要について説明するための説明図である。
図3に示すように、撮像装置20により撮像される分光画像D10は、所定の帯域中の波長ごとに、当該波長の成分の強度に基づく画像D101を含む。具体的には、撮像装置20は、例えば、入射した光を分光素子等により複数の波長の成分に分光し、分光された波長ごとの成分それぞれ受光結果に基づき、当該波長の成分の強度に応じた画像D101を生成する。なお、分光画像D10に含まれる波長ごとの画像D101の数や、波長方向(λ軸方向)の分解能は、撮像装置20の特性(例えば、撮像素子の性能やチャンネル数)に応じて決定される。
このような構成から、例えば、分光画像D10に含まれる波長ごとの画像D101のうち、一部の波長に対応する画像D101を抽出して合成することで、抽出された波長の成分に基づく画像を合成することも可能となる。具体的な一例として、RGBそれぞれの成分に対応する画像D101を抽出し、抽出された画像D101を合成することで、所謂カラー画像(RGB画像)を合成することも可能である。
例えば、図4〜図7に示す例は、撮像装置20により撮像された分光画像から取得される各種データの一例を示している。なお、図4〜図7に示す例に対応する各分光画像は、NOを観測対象として、以下に示す各種条件に基づき、400nm〜740nmの帯域について取得したものである。
・測定装置(撮像装置20):エバ・ジャパン株式会社社製のSIS−H
・画像サイズ:640×480
・波長チャンネル数:1024
・波長方向の分解能:0.3nm
(ただし、線幅の狭い光源によって定めた光学分解能は1.0nm)
・観測日時:2015年2月16日 11:40 JST
・ラインレート:36 line per second
具体的には、図4は、低仰角の方向について撮像された分光画像に基づき生成されたカラー画像の一例を示している。図4に示す例では、撮像装置20が設置された位置から3.57km離れた建造物M11が画角内に収まるように、分光画像が撮像されている。なお、図4に示す例では、横方向をx方向とし、縦方向をy方向とする。
また、図5は、低仰角の方向について撮像された分光画像中の画素におけるスペクトルの一例を示している。具体的には、図5に示す例は、図4に示した画像中において参照符号P11で示された、(x,y)=(200,200)の位置の画素におけるスペクトルを示している。図5において、横軸は波長(nm)を示しており、縦軸は各画素で検出されたシグナルのカウント値(即ち、対応する波長での放射輝度の大小)を示している。なお、図5に示す例では、一部の波長において、当該波長のカウント値が低下していることがわかる。これは、NO、HO、O、及びO等により、対応する波長の成分が吸収されたものと推定される。
また、図6は、高仰角の方向について撮像された分光画像に基づき生成されたカラー画像の一例を示している。図6に示す例では、図4に示した例に対応する分光画像を撮像した位置において、仰角を57度としたうえで分光画像が撮像されている。なお、図6に示す例では、図4に示す例と同様に、横方向をx方向とし、縦方向をy方向とする。また、図6において、参照符号P21で示された画素は、図4において参照符号P11で示された画素に対応している。即ち、画素P21は、(x,y)=(200,200)の位置の画素を示している。
また、図7は、高仰角の方向について撮像された分光画像中の画素におけるスペクトルの一例を示している。具体的には、図7に示す例は、図6に示した画像中の画素P21におけるスペクトルを示している。なお、図7における縦軸及び横軸は、図5に示す例と同様である。
ここで、再度図1を参照して、本実施形態に係る観測システム1の他の構成について説明する。
記憶部30は、後述する情報処理装置10が、対象気体の分布(濃度分布)を示す情報を生成するための各種解析に用いるデータを記憶するための記憶領域である。例えば、撮像装置20は、低仰角及び高仰角のそれぞれ方向について撮像した分光画像を、記憶部30に記憶させてもよい。
表示装置50は、所謂ディスプレイ等のように、静止画像や動画像のような画像情報を出力可能に構成された出力デバイスである。
情報処理装置10は、撮像装置20により撮像された分光画像(即ち、低仰角及び高仰角それぞれの方向について撮像された分光画像)に基づき各種解析処理を実行することで、低仰角の方向の分光画像に対応する領域(即ち、低仰角の方向において画角内に収められた領域)の視線方向における対象気体の空間的分布を示す情報を生成する。なお、情報処理装置10による、対象気体の空間的分布を示す情報の生成に係る各種解析処理の詳細については、別途後述する。
なお、情報処理装置10は、生成した対象気体の空間的分布を示す情報を記憶部30に記憶させてもよい。また、情報処理装置10は、対象気体の空間的分布を示す情報を識別可能に提示した画像情報を生成し、当該画像情報を表示装置50に出力させてもよい。
以上、図1〜図7を参照して、本発明の一実施形態に係る観測システムの概要について説明した。
<<2.機能構成>>
次に、本実施形態に係る観測システム1の機能構成の一例について、特に、情報処理装置10による対象気体の空間的分布を示す情報の生成に係る処理に着目して説明する。例えば、図8は、本実施形態に係る観測システム1の機能構成の一例について示したブロック図である。なお、図8に示す、情報処理装置10、撮像装置20、記憶部30、及び表示装置50は、図1に示した、情報処理装置10、撮像装置20、記憶部30、及び表示装置50に対応している。そこで、本説明では、特に、記憶部30に記憶されるデータの一例と、情報処理装置10のより詳細な構成とに着目して説明する。
(記憶部30)
図8に示すように、記憶部30に記憶されるデータとしては、例えば、観測データ31と、校正データ33と、シミュレーションデータ35と、出力データ37とが挙げられる。
観測データ31は、観測結果として取得されたデータを示しており、例えば、撮像装置20により撮像された、低仰角の方向の分光画像と、高仰角の方向の分光画像とを含む。
校正データ33は、撮像装置20により撮像された分光画像の各画素における画素値(即ち、光の強度)を校正するためのデータである。校正データ33としては、例えば、波長校正データと、画角校正データとが挙げられる。
波長校正データは、画素間で生じるスペクトルのずれを補正するための校正データである。具体的には、分光器のスリットから回折格子を経て分光された光が検出器に到達するまでの光路のわずかなずれによって、特定の画素が記録する波長にずれが生じる。波長校正データは、この画素間で生じるスペクトルのずれを補正するための補正係数を画素ごとに記録したデータである。なお、波長校正データについては、例えば、鋭い輝線スペクトルを放出する水銀ランプや、波長のよくわかっているレーザー光(例えば、Nd:YAGレーザー、He−Neレーザー)等を、観測に用いる撮像装置20により撮像することで得られる、画素ごとのスペクトルのずれ量に基づき、事前に生成しておけばよい。また、画素ごとの感度のばらつきにより、画素間でカウント値のずれが生じる場合もある。感度校正のためには、輝度が一様とみなせるスクリーンなどの対象を準備し、これを撮像して画素ごとのカウント値の違いを調べればよい。
また、画角校正データは、撮像光学系の光学的特性により生じる画角のずれ(歪み)を校正するためのデータである。画角校正データについては、例えば、分光画像の撮像に用いられるレンズ等の撮像光学系の光学的特性に応じて事前に生成しておけばよい。なお、画角校正データの生成方法については、一般的に知られているため詳細な説明は省略する。
シミュレーションデータ35は、対象気体の波長ごとの吸収断面積として、既知の情報を使用することで算出される、当該対象気体の波長ごとの特性を示したデータである。なお、後述する情報処理装置10は、取得された観測データ31と、算出されたシミュレーションデータ35とに基づき、対象気体の空間的分布を示す情報を生成することとなる。なお、シミュレーションデータ35の詳細や、当該シミュレーションデータ35の算出方法の詳細については別途後述する。
出力データ37は、後述する情報処理装置10が生成したデータに相当する。出力データ37としては、例えば、観測データ31とシミュレーションデータ35とに基づき生成された、対象気体の空間的分布を示す情報が挙げられる。また、対象気体の空間的分布をユーザに対して識別可能に提示するための情報(例えば、画像情報)が、出力データ37として記憶されていてもよい。
(情報処理装置10)
情報処理装置10は、解析部11と、出力制御部13とを含む。
解析部11は、観測データ31と、シミュレーションデータ35とに基づき、対象気体の空間的分布を示す情報を生成するための構成である。以下に、解析部11のより詳細な動作の一例について、NOを対象気体とした場合(即ち、NOの空間的分布を示す情報を生成する場合)を例に説明する。
まず、解析部11は、記憶部30に観測データ31として記憶された、低仰角及び高仰角それぞれの方向の分光画像を読み出し、読み出した分光画像間の対応する画素ごとに、当該分光画像間におけるスペクトルの比を算出する。例えば、低仰角の方向に対応する分光画像の各画素におけるスペクトル(即ち、放射輝度値の波長依存性を表す関数)をI(λ)とし、高仰角の方向に対応する分光画像の各画素におけるスペクトルをI(λ)とする。この場合には、解析部11は、低仰角及び高仰角それぞれの方向の分光画像間の対応する画素ごとに、I(λ)/I(λ)を算出することとなる。このように、低仰角及び高仰角それぞれの方向の分光画像間で比を算出することにより、通常は方向にあまり依存しないと考えられる上空の情報を消去、低仰角、即ち、地上付近の方向によるスラントカラム濃度(詳細は後述する)を定量的に抽出することが可能となる。
なお、図5に示したスペクトルは、低仰角の方向に対応する分光画像における画素ごとのスペクトルI(λ)の一例に相当する。また、図7に示したスペクトルは、高仰角の方向に対応する分光画像における画素ごとのスペクトルI(λ)の一例に相当する。なお、以降の説明では、I(λ)を、単に「低仰角に対応する対応するスペクトル」とも称する。同様に、I(λ)を、単に「高仰角に対応する対応するスペクトル」とも称する。
次いで、解析部11は、低仰角の方向に対応する分光画像における画素ごとのスペクトルI(λ)に対して、記憶部30に記憶された校正データ33に基づき、波長校正及び画角校正等の校正処理を施す。そして、解析部11は、校正処理が施されたI(λ)に基づく画素ごとのI(λ)/I(λ)の算出結果を基に、各画素について5×5の領域の移動平均を算出する。なお、以降の処理においては、算出された移動平均が、対応する画素におけるI(λ)/I(λ)の値を示すものとして説明する。
次いで、解析部11は、画素ごとに算出されたI(λ)/I(λ)を入力として、以下に(式1)として示されたランバート・ビアの法則に基づき、当該画素に対応する光学的厚さτ(λ)を算出する。
例えば、以下に示す(式2)は、(式1)として示したランバート・ビアの法則に基づく、画素ごとの光学的厚さτ(λ)の算出式の一例を示している。なお、(式2)において、logは自然対数を意味している。
ここで、図5に示した低仰角に対応するスペクトルと、図7に示した高仰角に対応するスペクトルとを基に、上記に示した(式2)に基づき算出される光学的厚さをτobs(λ)とすると、波長λと光学的厚さτobs(λ)との関係は、図9に示すグラフで表される。図9は、観測データに基づき算出される光学的厚さτobs(λ)と、波長λとの関係の一例を示したグラフである。図9において、横軸は波長λ(nm)を示し、縦軸は光学的厚さを示している。
次いで、解析部11は、波長に関して緩やかに変化する成分を3次程度の多項式p(λ)を用いて表し、I(λ)/I(λ)に基づき算出した光学的厚さτ(λ)から当該p(λ)を差し引く。これにより、光学的厚さτ(λ)から、レイリー散乱(窒素、酸素など大気分子による散乱)及びミー散乱(エアロゾルによる散乱)等の影響が取り除かれる。ここで、前述した光学的厚さτobs(λ)から多項式p(λ)を差し引いた結果をτ’obs(λ)とした場合には、光学的厚さτ’obs(λ)は、以下に(式3)として示す計算式で表される。
また、波長λと光学的厚さτ’obs(λ)との関係は、図10に示すグラフで表される。図10は、レイリー散乱やミー散乱の影響が取り除かれた光学的厚さτ’obs(λ)と、波長λとの関係の一例を示したグラフである。図10において、横軸は波長λ(nm)を示し、縦軸は光学的厚さを示している。
なお、(式3)として示された処理は、波長に関して緩やかに変化する、所謂「直流的」な成分を差し引く処理に相当し、フーリエ変換を用いて「低周波除去」を行った場合においても同様の結果となる。なお、多項式の次数を上げることは、より高い周波数成分まで除去することに対応する。
次いで、解析部11は、シミュレーションデータ35を生成する。具体的には、まず解析部11は、観測時の気温に応じて、観測対象となる気体(即ち、対象気体)を含め、解析の対象とする気体の波長ごとの吸収断面積を、既知の情報に基づき算出する。なお、以降の説明では、気体gの波長λにおける吸収断面積をσ(λ)と表す場合がある。ここで、波長400〜500nmの帯域では、NO及びO以外の分子の吸収は少ないため、解析部11は、NO及びOについて波長ごとの吸収断面積σ(λ)を算出する。なお、観測時の気温に応じた、NO及びOの波長ごとの吸収断面積σ(λ)については、例えば、ハーバードスミソニアンセンターのWebサイトで公開されているHITRAN(an acronym for High Resolution Transmission)データベースを利用することで算出することが可能である。なお、解析の対象とする気体(例えば、NO及びO)の波長ごとの吸収断面積σ(λ)を算出する場合における波長分解能は、各気体の吸収線の波長分解能に比べて十分に細かくする。
例えば、図11は、NOの波長ごとの吸収断面積σNO2(λ)と、Oの波長ごとの吸収断面積σO4(λ)との算出結果の一例を示したグラフである。図11において、横軸は波長λ(nm)を示し、縦軸は、NO及びOの波長ごとの吸収断面積を示している。
なお、吸収断面積の温度依存性が比較的大きくない気体を解析対象とする場合には、吸収断面積σ(λ)の算出条件として設定する気温は、必ずしも観測時の気温と一致していなくてもよい。具体的な一例として、通常の環境下においては、NO及びOはともに、吸収断面積の温度依存性が比較的大きくはない。そのため、例えば、NOについては、294Kに対応する吸収断面積を用い、Oについては、296Kの吸収断面積を用いたとしても、誤差は大きくないものと考えらえる。
次いで、解析部11は、解析の対象とする気体(即ち、NO及びO)について、差分スラントカラム濃度ΔSCD(g=NO,O)と、透過率T(ΔSCD,λ)とを対応付けるルックアップテーブルを生成する。
具体的には、解析部11は、差分スラントカラム濃度ΔSCDを、例えば、適当な初期値(アプリオリ値)に対して、10−2,10−1.9,…,101.9,10を乗じた値として算出する。また、解析部11は、各ΔSCDについて、対応する透過率T(ΔSCD,λ)を、以下に(式4)として示す計算式に基づき算出する。
次いで、解析部11は、各ΔSCDについて算出した透過率T(ΔSCD,λ)の波長分解能を、観測データ31の取得元である撮像装置20の波長分解能にあわせて調整する。なお、波長分解能の調整が施された透過率を、T’(ΔSCD,λ)とした場合に、透過率T’(ΔSCD,λ)は、以下に(式5)として示す計算式に基づき算出される。
なお、上記に示した(式5)において、係数μは、撮像装置20の性能に応じて決定される値である。具体的な一例として、撮像装置20の波長分解能が1.0nmの場合には、μ=1.0となる。
次いで、解析部11は、生成したルックアップテーブルに基づき、模擬透過率スペクトルを計算する。具体的には、解析部11は、差分スラントカラム濃度ΔSCD(g=NO,O)の値を仮定し、ルックアップテーブルとスプライン補間とを用いて、透過率T’(ΔSCD,λ)を算出する。そして、解析部11は、以下に(式6)として示した計算式に基づき、模擬透過率Tsim(λ)を算出する。
例えば、図12は、模擬透過率スペクトルの一例を示している。図12において、横軸は波長(nm)を示し、縦軸は透過率を示している。
次いで、解析部11は、算出した模擬透過率Tsim(λ)の対数をとって符号を反転することで、模擬光学的厚さτsim(λ)を算出する。即ち、模擬光学的厚さτsim(λ)は、以下に(式7)として示す計算式に基づき算出される。
また、解析部11は、算出した模擬光学的厚さτsim(λ)から、波長に関して緩やかに変化する成分q(λ)を差し引くことで、模擬光学的厚さτ’sim(λ)を算出する。即ち、模擬光学的厚さτ’sim(λ)は、以下に(式8)として示す計算式に基づき算出される。
なお、模擬光学的厚さτsim(λ)自体には、空気分子やエアロゾルの散乱による影響が含まれていない。しかしながら、前述した(式3)に基づき算出される光学的厚さτ’obs(λ)では、NOやOの吸収自体に含まれる直流的な成分が差し引かれているため、模擬光学的厚さτsim(λ)についても同様に直流的な成分q(λ)を差し引くことで、模擬光学的厚さτ’sim(λ)を算出している。
例えば、図13は、模擬透過率に基づき算出された模擬光学的厚さのスペクトルの一例を示している。図13において、横軸は波長(nm)を示し、縦軸は光学的厚さを示している。なお、図13に示す例では、模擬光学的厚さτsim(λ)と、直流的な成分が差し引かれた模擬光学的厚さτ’sim(λ)とのそれぞれについてグラフを示している。
次いで、解析部11は、前述した(式3)に基づき算出した光学的厚さτ’obs(λ)(以降では、「観測値」とも称する)と、前述した(式6)に基づき算出した模擬光学的厚さτ’sim(λ)(以降では、「模擬計算値」とも称する)とを比較する。このとき、解析部11は、観測値τ’obs(λ)と模擬計算値τ’sim(λ)とにずれがある場合(例えば、すれ量が閾値を超える場合)には、差分スラントカラム濃度ΔSCD(g=NO,O)の仮定値を変えて、模擬計算値τ’sim(λ)を算出し直す。このように、解析部11は、模擬計算値τ’sim(λ)の算出と、算出した模擬計算値τ’sim(λ)と観測値τ’obs(λ)との比較とを繰り返すことで、観測値τ’obs(λ)と略一致する模擬計算値τ’sim(λ)を探索し特定する。なお、模擬計算値τ’sim(λ)が、前述したシミュレーションデータ35の一例に相当する。また、前述した差分スラントカラム濃度ΔSCD(g=NO,O)と、透過率T(ΔSCD,λ)とを対応付けるルックアップテーブルが、シミュレーションデータ35として記憶されていてもよい。
そして、解析部11は、特定した模擬計算値τ’sim(λ)の算出元となる差分スラントカラム濃度ΔSCD(g=NO,O)の仮定値を、対応する画素における差分スラントカラム濃度ΔSCD(g=NO,O)の最適値として特定する。具体的な一例として、図4に示した画像中の画素P11に対応する解析においては、差分スラントカラム濃度ΔSCD(g=NO)=2.6×1017molec/cm、差分スラントカラム濃度ΔSCD(g=O)=8.4×1043molec/cmとなった。
例えば、図14は、観測値τ’obs(λ)と、模擬計算値τ’sim(λ)(換言すると、シミュレーション値)との間のフィッティングの結果の一例を示している。具体的には、図14に示す例は、図10に示したような、撮像装置20により撮像された分光画像の解析結果に基づく観測値τ’obs(λ)と、図13に示した模擬計算値τ’sim(λ)(換言すると、シミュレーション値)との間のフィッティングの結果の一例を示している。なお、図14における横軸及び縦軸は、図10及び図13と同様である。また、図14に示す例は、NO及びOの双方の寄与を考慮した場合におけるフィッティングの一例を示している。図14に示す例では、「Data」として示したグラフが観測値τ’obs(λ)に対応しており、「Simulation」として示したグラフが模擬計算値τ’sim(λ)に対応している。
また、図15は、観測値τ’obs(λ)と、模擬計算値τ’sim(λ)との間のフィッティングの結果の他の一例を示している。なお、図15に示す例は、Oの寄与を考慮せずに、NOの寄与のみを考慮した場合のフィッティングの一例を示している。また、図15に示す例において、縦軸及び横軸と、観測値τ’obs(λ)及び模擬計算値τ’sim(λ)と各グラフとの間の対応関係とは、図14に示す例と同様である。
なお、460〜490nmの波長帯域におけるフィッティングにおいては、Oの寄与は、NOの寄与に比べて小さい。しかしながら、図14と図15とを比較するとわかるように、Oの寄与を無視した場合には、観測値τ’obs(λ)と模擬計算値τ’sim(λ)との間のずれが大きくなる。このことから、460〜490nmの帯域においてNOの解析を行う場合においては、Oの寄与を考慮することがより望ましいことがわかる。
一方で、NOの直接的な排出源が存在する場合には、差分スラントカラム濃度ΔSCD(g=NO)の値は、NOの排出量と相関をもつ値となる。そのため、当該排出源に比較的近い位置を対象とした観測では、Oの寄与を考慮した場合の効果は前述した例に比べてより低いことが予想される。以上を踏まえると、画角内にNOの排出源が存在しない場合(換言すると、一般的な大気汚染の場合)には、ΔSCD(g=NO)の値は、NOによる大気汚染の程度と直接的な相関をもつことになる。一方、ΔSCD(g=O)の値は、大気中の酸素分子(O2)がほぼ均一に分布していること、及びそのうちの一定の割合が酸素二量体(O)となること、から視線方向の光が大気中を透過してきた実効的な光路長と相関をもつ量となる。
解析部11は、上記に説明した一連の処理を、対象気体の空間的分布を観測する対象となる分光画像(例えば、低仰角の方向の分光画像)の各画素に対して実行することで、各画素における差分スラントカラム濃度ΔSCD(g=NO)を算出する。なお、解析部11は、画素ごとに算出した差分スラントカラム濃度ΔSCD(g=NO)を示す情報を、記憶部30に出力データ37として記憶させてもよい。また、解析部11は、画素ごとに算出した差分スラントカラム濃度ΔSCD(g=NO)を示す情報を、後述する出力制御部13に出力してもよい。なお、各画素について算出された差分スラントカラム濃度ΔSCD(g=NO)を示す情報が、対象気体(この場合には、NO)の空間的分布を示す情報の一例に相当する。
出力制御部13は、解析部11による解析結果に基づき、対象気体の空間的分布が識別可能に提示された出力情報を生成し、当該出力情報を表示装置50等の出力デバイスを介してユーザに提示する。
具体的な一例として、出力制御部13は、各画素について算出された差分スラントカラム濃度ΔSCD(g=NO)を示す情報を、記憶部30から読み出す。また、他の一例として、出力制御部13は、各画素について算出された差分スラントカラム濃度ΔSCD(g=NO)を示す情報を、解析部11から直接取得してもよい。次いで、出力制御部13は、画素ごとに、当該画素に対応する各画素について算出された差分スラントカラム濃度ΔSCD(g=NO)を示す情報の値に応じて、当該画素における画素値(例えば、RGBの値等)を割り当てる。このような処理により、出力制御部13は、対象気体の空間的分布を示す画像情報を生成する。例えば、図16は、対象気体の空間的分布を示す画像情報の一例である。図16に示す例は、図4及び図5に示した例対応する低仰角の方向の分光画像と、図6及び図7に示した例に対応する高仰角の方向の分光画像とを解析対象とした場合の一例を示している。
そして、出力制御部13は、生成した画像情報を表示装置50に表示させることで、当該表示装置50を介して当該画像情報をユーザに提示する。これにより、ユーザは、例えば、対象気体の空間的分布(換言すると、対象気体の濃度分布)を、提示された画像中の色の情報に基づき認識することが可能となる。また、出力制御部13は、生成した画像情報を、記憶部30に出力データ37として記憶させてもよい。
なお、上記に情報処理装置10の機能として説明した一連の処理はあくまで一例であり、必ずしも上記に説明した処理のみには限定されず、例えば、付加的な処理を追加されてもよい。具体的な一例として、図4に示した例では、撮像装置20から建造物M11までの距離を別途算出することが可能である。そのため、例えば、光路長(即ち、距離)に依存する光学的厚さの算出値を、他の方法により取得した距離の情報に基づき補正してもよい。また、上記に説明した一連の処理の流れが、対象気体の空間的分布を示す情報の生成に係る情報処理方法の一例に相当する。
以上、図8〜図16を参照して、本実施形態に係る観測システム1の機能構成の一例について、特に、情報処理装置10による対象気体の空間的分布を示す情報の生成に係る処理に着目して説明した。
<<3.変形例>>
次に、本実施形態の変形例について説明する。
<3.1.変形例1:COを対象気体とする場合の一例>
まず、変形例1として、NO以外の他の気体を対象気体とする場合の例として、二酸化炭素(CO)を対象気体とした場合の一例について説明する。例えば、図17は、変形例1に係る情報処理装置10の概要について説明するための説明図であり、COの吸収断面積の波長特性の一例を示している。図17において、横軸は波長(nm)を示しており、縦軸は吸収断面積(a.u.)を示している。なお、図17においては、COの吸収断面積の周波数特性に加えて、参考として、水蒸気(HO)と、HOの同位体であるHDOとの吸収断面積の周波数特性をあわせて提示している。
図17に示すように、COは、1565nm〜1585nmの帯域において吸収断面積の値がより高くなる(換言すると、吸収スペクトルを有する)ことがわかる。そのため、前述した実施形態に係る観測システム1において、撮像装置20として、例えば、1550nm〜1600nmの帯域中における波長ごとの光の強度を示すデータを取得可能な装置を適用することで、COの空間的分布を観測することが可能となる。特に、COの赤外吸収(振動回転遷移)では、図17に示すように、回転状態の異なる個々の吸収線を分離して観測することが可能である。
例えば、図18は、二酸化炭素(CO)の観測結果の一例を示した図であり、COを対象気体とした場合において、低仰角の方向について撮像された分光画像中の画素におけるスペクトルの一例を示している。図18において、横軸は波長(nm)を示しており、縦軸は各画素で検出されたシグナルのカウント値(即ち、対応する成分の強度)を示している。なお、COを対象気体とした場合における、当該COの空間的分布を示す情報の算出方法については、前述したNOを対象気体とした場合と同様のため詳細な説明は省略する。
以上、変形例1として、図17及び図18を参照して、NO以外の他の気体を対象気体とする場合の例として、二酸化炭素(CO)を対象気体とした場合の一例について説明した。
なお、前述したように、水蒸気(HO)、O、二酸化硫黄(SO、所謂SOx)、オゾン(O)、メタン(CH)等も対象気体とすることが可能である。より具体的な一例として、水蒸気(HO)を対象気体とする場合には、波長720nmの吸収帯を利用すればよい。また、Oを対象気体とする場合には、波長760nmの吸収帯を利用すればよい。また、二酸化硫黄(SO)を対象気体とする場合には、波長290nm〜320nmの吸収帯を利用すればよい。また、オゾン(O)を対象気体とする場合には、波長280nm〜320nmの吸収帯を利用すればよい。また、メタン(CH)を対象気体とする場合には、波長1620nm〜1720nmの吸収帯を利用すればよい。なお、対象気体として選択した気体に対応する吸収スペクトルに応じて、波長ごとの光の強度を示すデータを取得する帯域を決定し、撮像装置20(厳密には、イメージセンサ)として当該帯域のデータを取得可能な装置を適用すればよい。
<3.2.変形例2:対象気体の空間的分布の時系列に沿った変化の観測>
次に、変形例2として、対象気体の空間的分布の時系列に沿った変化を観測する方法の一例について説明する。
例えば、図19は、変形例2に係る観測システム1’の概略的なシステム構成の一例について説明するための説明図である。図19に示す観測システム1’では、低仰角及び高仰角それぞれの方向の分光画像を、互いに異なる撮像装置20a及び20bにより個別に撮像する点で、図1に示した観測システム1と異なる。具体的には、図19に示す例では、撮像装置20aは、光路L1を経て到達する光の強度に基づく分光画像を撮像する。また、撮像装置20bは、光路L2を経て到達する光の強度に基づく分光画像を撮像する。なお、以降の説明では、撮像装置20a及び20bを特に区別しない場合には、単に「撮像装置20」と称する場合がある。
また、変形例2に係る観測システム1’では、撮像装置20a及び20bのそれぞれは、所定のフレームレートで時系列に沿って分光画像を逐次撮像する。これにより、低仰角及び高仰角それぞれの方向について、各分光画像をフレームとした動画像が撮像されることとなる。例えば、図20は、図19に示した観測システム1’に基づき、低仰角及び高仰角それぞれの方向について時系列に沿って逐次取得される分光画像の一例を示している。図20において、参照符号D11〜D15は、低仰角の方向について時系列に沿って逐次取得された分光画像の一例を示している。また、参照符号D21〜D25は、高仰角の方向について時系列に沿って逐次取得された分光画像の一例を示している。
図20に示す例では、低仰角の方向の分光画像D11と、高仰角の方向の分光画像D21とのそれぞれは、時間tに撮像された分光画像を示している。同様に、低仰角の方向の分光画像D12〜D15と、高仰角の方向の分光画像D22〜D25とのそれぞれは、時間t〜tに撮像された分光画像を示している。
変形例2に係る観測システム1’では、情報処理装置10は、例えば、撮像された時間が略一致する低仰角及び高仰角それぞれの方向の分光画像を、同一フレームの分光画像とみなす。具体的な一例として、図20に示す例では、情報処理装置10は、時間tに撮像された、低仰角の方向の分光画像D11と、高仰角の方向の分光画像D21とを、同一フレームの分光画像とみなしてもよい。同様に、情報処理装置10は、時間tに撮像された、低仰角の方向の分光画像D13と、高仰角の方向の分光画像D23とを、同一フレームの分光画像とみなしてもよい。
そして、情報処理装置10は、当該同一フレームの分光画像とみなした、低仰角及び高仰角それぞれの方向の分光画像を解析の対象として、上述した実施形態と同様の方法に基づき、対象気体の空間的分布を示す情報を算出する。なお、このとき情報処理装置10は、各分光画像を、撮像元となる撮像装置20の特性に応じた校正データに基づき校正することがより望ましい。
以上のようにして、情報処理装置10は、対象気体の空間的分布を示す情報を、時系列に沿ってフレームごとに算出する。例えば、図20に示す例の場合には、時間t〜tのそれぞれについて、対象気体の空間的分布を示す情報が算出されることとなる。このような構成に基づき、例えば、フレームごとに算出された対象気体の空間的分布を示す情報それぞれについて、図16に示すような画像情報を生成することで、対象気体の空間的分布の時系列に沿った変化を動画像として視覚化することも可能となる。
なお、図19に示す例において、高仰角の方向については、2次元画像を撮像可能な撮像装置20bに替えて、1次元計測の携帯型分光計を適用してもよい。このような携帯型分光計としては、例えば、英弘精機株式会社製のMS−720等が挙げられる。この場合には、撮像装置20aにより撮像された分光画像の各画素におけるスペクトルI(λ)と、1次元計測の携帯型分光計の計測結果として取得されるスペクトルI(λ)との比に基づき、当該画素における光学的厚さτobs(λ)を算出すればよい。
また、図19及び図20を参照して説明した例では、低仰角及び高仰角のそれぞれの方向の分光画像を、互いに異なる撮像装置20a及び20bにより撮像しているが、必ずしも同構成には限定されない。具体的な一例として、図1に示すように、1つの撮像装置20により、低仰角及び高仰角のそれぞれの方向の分光画像を時分割で撮像してもよい。
例えば、図21は、低仰角及び高仰角それぞれの方向について時系列に沿って逐次取得される分光画像の他の一例として、低仰角及び高仰角のそれぞれの方向の分光画像を時分割で撮像する場合の一例について示している。図21に示す例では、撮像装置20は、時間t、t、及びtにおいて、低仰角の方向の分光画像D11、D13、及びD15を撮像し、時間t及びtにおいては、低仰角の方向の分光画像D22及びD24を撮像している。
この場合には、情報処理装置10は、撮像された時間が時間軸上において互いに近傍に位置する、低仰角の方向の分光画像と高仰角の方向の分光画像とを、同一フレームの分光画像とみなして、当該フレームに対応する対象気体の空間的分布を示す情報を算出してもよい。具体的な一例として、図21に示す例では、情報処理装置10は、時間tに対応する低仰角の方向の分光画像D11と、時間tに対応する高仰角の方向の分光画像D22とを、同一フレームの分光画像とみなしてもよい。
なお、この場合においては、低仰角の方向の分光画像と高仰角の方向の分光画像との間で、撮像時間にずれが生じ、当該撮像時間のずれにより、算出される対象気体の空間的分布を示す情報に誤差が生じる場合もある。しかしながら、分光画像の撮像間隔において、分光画像が撮像される画角内における対象気体の空間的な分布の変化量が小さい場合(換言すると、画角内において対象気体の空間的な分布が変化する速度に対して分光画像の撮像間隔が十分に速い場合)には、当該誤差を無視することも可能である。
また、他の一例として、情報処理装置10は、撮像された複数の分光画像に基づき、他の分光画像を補間してもよい。例えば、図21に示す例では、時間tに対応する低仰角の方向の分光画像D12が撮像されないこととなる。このとき情報処理装置10は、例えば、時間軸上において時間tに隣接する時間t及びtに対応する低仰角の方向の分光画像D11及びD13に基づく補間処理により、当該時間tに対応する低仰角の方向の分光画像12を生成してもよい。これは、低仰角の方向の分光画像D14や、高仰角の方向の分光画像D21、D23、及びD25についても同様である。このような処理により、図19及び図20を参照して説明した例と同様に、時間t〜tのそれぞれに対応する対象気体の空間的な分布を示す情報を算出することも可能である。
以上、変形例2として、図19〜図21を参照して、対象気体の空間的分布の時系列に沿った変化を観測する方法の一例について説明する
<<4.ハードウェア構成>>
次に、図22を参照して、本開示の一実施形態に係る情報処理装置10のハードウェア構成の一例について説明する。図22は、本開示の一実施形態に係る情報処理装置10のハードウェア構成の一例を示した図である。
図22に示すように、本実施形態に係る情報処理装置10は、プロセッサ901と、メモリ903と、ストレージ905と、操作デバイス907と、報知デバイス909と、撮像デバイス913と、バス917とを含む。また、情報処理装置10は、通信デバイス911を含んでもよい。
プロセッサ901は、例えばCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)又はSoC(System on Chip)であってよく、情報処理装置10の様々な処理を実行する。プロセッサ901は、例えば、各種演算処理を実行するための電子回路により構成することが可能である。なお、前述した解析部11及び出力制御部13は、プロセッサ901により実現され得る。
メモリ903は、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)を含み、プロセッサ901により実行されるプログラム及びデータを記憶する。ストレージ905は、半導体メモリ又はハードディスクなどの記憶媒体を含み得る。例えば、前述した記憶部30は、メモリ903及びストレージ905の少なくともいずれか、もしくは、双方の組み合わせにより実現され得る。
操作デバイス907は、ユーザが所望の操作を行うための入力信号を生成する機能を有する。操作デバイス907は、例えば、タッチパネルとして構成され得る。また、他の一例として、操作デバイス907は、例えばボタン、スイッチ、及びキーボードなどユーザが情報を入力するための入力部と、ユーザによる入力に基づいて入力信号を生成し、プロセッサ901に供給する入力制御回路などから構成されてよい。
報知デバイス909は、出力デバイスの一例であり、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)装置、有機EL(OLED:Organic Light Emitting Diode)ディスプレイなどのデバイスであってよい。この場合には、報知デバイス909は、画面を表示することにより、ユーザに対して所定の情報を報知することができる。例えば、前述した表示装置50は、報知デバイス909により実現され得る。
また、報知デバイス909は、スピーカ等のように、所定の音響信号を出力することで、所定の情報をユーザに報知するデバイスであってもよい。
なお、上記に示した報知デバイス909の例はあくまで一例であり、ユーザに対して所定の情報を報知可能であれば、報知デバイス909の態様は特に限定されない。具体的な一例として、報知デバイス909は、LED(Light Emitting Diode)のように、点灯又は点滅のパターンにより、所定の情報をユーザに報知するデバイスであってもよい。
通信デバイス911は、情報処理装置10が備える通信手段であり、ネットワークを介して外部装置と通信する。通信デバイス911は、有線または無線用の通信インタフェースである。通信デバイス911を、無線通信インタフェースとして構成する場合には、当該通信デバイス911は、通信アンテナ、RF(Radio Frequency)回路、ベースバンドプロセッサなどを含んでもよい。
通信デバイス911は、外部装置から受信した信号に各種の信号処理を行う機能を有し、受信したアナログ信号から生成したデジタル信号をプロセッサ901に供給することが可能である。
撮像デバイス913は、CMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)イメージセンサやCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ等の、被写体を撮像し、撮像画像のデジタルデータを得る撮像素子を含む。即ち、撮像デバイス913は、プロセッサ901の制御に従い、レンズ等の光学系を介して静止画像又は動画像を撮影する機能を有する。撮像デバイス913は、撮像した画像をメモリ903やストレージ905に記憶させてもよい。例えば、前述した撮像装置20は、撮像デバイス913により実現され得る。
バス917は、プロセッサ901、メモリ903、ストレージ905、操作デバイス907、報知デバイス909、通信デバイス911、及び撮像デバイス913を相互に接続する。バス917は、複数の種類のバスを含んでもよい。
また、コンピュータに内蔵されるプロセッサ、メモリ、及びストレージなどのハードウェアを、上記した情報処理装置10が有する構成と同等の機能を発揮させるためのプログラムも作成可能である。また、当該プログラムを記録した、コンピュータに読み取り可能な記憶媒体も提供され得る。
<<5.むすび>>
以上、説明したように、本実施形態に係る観測システム1では、観測対象となる対象気体に吸収される帯域の成分を含む光(例えば、天空光)が照射される環境下において、低仰角及び高仰角のそれぞれの方向について分光画像を撮像する。次いで、情報処理装置10は、低仰角及び高仰角それぞれの方向に対応する分光画像間において、画素ごとに、帯域中の波長ごとの成分の強度を示すスペクトル間の比率に基づき、光学的厚さτ’obs(λ)を算出する。また、情報処理装置10は、観測時の気温に対応する対象気体の吸収断面積の値に基づき、模擬光学的厚さτ’sim(λ)を算出する。そして、情報処理装置10は、画素ごとに算出した光学的厚さτ’obs(λ)と、模擬光学的厚さτ’sim(λ)との間でフィッティングを行うことで、対象気体の差分スラントカラム濃度ΔSCDを画素ごとに算出する。
以上のような構成により、本実施形態に係る情報処理装置10は、対象気体の空間的分布を示す情報(即ち、各画素について算出された差分スラントカラム濃度ΔSCDを示す情報)を算出することが可能となる。また、本実施形態に係る情報処理装置10は、以上のようにして算出された情報に基づき、対象気体の空間的分布が識別可能に提示された出力情報(例えば、図16に示すような画像情報)を生成し、ユーザに提示することも可能となる。
なお、参考として、日本国の環境省では、二酸化窒素(NO)に係る環境基準(平成8年に改正された環境基準)を以下の通り規定している。
1 二酸化窒素に係る環境基準は、次のとおりとする。
1時間値の1日平均値が0.04ppmから0.06ppmまでのゾーン内又はそれ以下であること。
2 1の環境基準は、二酸化窒素による大気の汚染の状況を的確に把握することができると認められる場所において、ザルツマン試薬を用いる吸光光度法又はオゾンを用いる化学発光法により測定した場合における測定値によるものとする。
3 1の環境基準は、工業専用地域、車道その他一般公衆が通常生活していない地域又は場所については、適用しない。
ここで、図4及び図16に示した例において、撮像装置20から建造物M11までの距離が3.6kmであり、画角内の当該建造物M11近傍におけるNOのSCD値(即ち、差分スラントカラム濃度)が2×1017molec/cmであるものと仮定する。このとき、NOの平均濃度に相当する量は、<n(l)>=5.6×1011molec./cmとなり、気温を10℃と仮定すると混合比は0.022ppmと計算される。この値は、上記に示した環境基準よりも、より低い値となっている。即ち、本実施形態に係る観測システム1に依れば、平均的な汚染レベル以下であってもNOの濃度情報を得ることが可能である。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1 観測システム
10 情報処理装置
11 解析部
12 分光画像
13 出力制御部
20、20a、20b 撮像装置
21 反射部
30 記憶部
50 表示装置

Claims (16)

  1. 観測対象となる対象気体に吸収される波長帯域の成分を含む光が照射される環境下において、互いに異なる仰角で撮像された第1の画像及び第2の画像を取得する取得部と、
    前記第1の画像及び前記第2の画像間において対応する画素ごとに、前記第1の画像の当該画素における前記波長帯域中の波長ごとの成分の強度を示す第1のスペクトルと、前記第2の画像の当該画素における当該波長帯域中の波長ごとの成分の強度を示す第2のスペクトルとの比に基づき、当該画素に対応する第1の光学的厚さを算出し、
    前記画素ごとに算出された前記第1の光学的厚さと、あらかじめ算出された前記対象気体の吸収断面積に基づく第2の光学的厚さとに基づき、当該画素に対応する前記対象気体のスラントカラム濃度を推定する
    解析部と、
    前記画素ごとに推定された前記スラントカラム濃度に基づき、前記対象気体の濃度分布を示す情報を生成する生成部と、
    を備える、情報処理装置。
  2. 前記対象気体は、紫外、可視、近赤外の波長帯域中に吸収スペクトルを有する気体である、請求項1に記載の情報処理装置。
  3. 前記対象気体は、波長ごとの光学的厚さの変動幅が0.01以上の気体である、請求項2に記載の情報処理装置。
  4. 前記対象気体は、二酸化窒素であり、
    前記第1のスペクトル及び前記第2のスペクトルは、400〜500nmの波長帯域のうち少なくとも一部の波長帯域における波長ごとの成分の強度を示す情報を含む、
    請求項2または3に記載の情報処理装置。
  5. 前記対象気体は、二酸化炭素であり、
    前記第1のスペクトル及び前記第2のスペクトルは、1550〜1600nmの波長帯域のうち少なくとも一部の波長帯域における波長ごとの成分の強度を示す情報を含む、
    請求項2または3に記載の情報処理装置。
  6. 前記解析部は、あらかじめ算出された前記対象気体と酸素二量体とのそれぞれの前記吸収断面積に基づき、前記第2の光学的厚さを算出する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
  7. 前記解析部は、前記対象気体と酸素二量体とのそれぞれの前記吸収断面積に応じた差分スラントカラム濃度の仮定値に基づく疑似透過率を算出し、当該疑似透過率に基づき前記第2の光学的厚さを算出する、請求項6に記載の情報処理装置。
  8. 前記解析部は、
    前記差分スラントカラム濃度の仮定値を逐次変更して、当該仮定値に応じた前記疑似透過率に基づき前記第2の光学的厚さを算出し、
    当該仮定値ごとの前記疑似透過率に基づき算出した前記第2の光学的厚さと、前記画素ごとに算出した前記第1の光学的厚さとを比較することで、当該第1の光学的厚さと略一致する前記第2の光学的厚さを探索し、
    当該第2の光学的厚さの探索結果に基づき、当該画素に対応する前記対象気体の前記スラントカラム濃度を推定する、
    請求項7に記載の情報処理装置。
  9. 前記光は、太陽光の散乱光である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の情報処理装置。
  10. 前記第1の画像及び前記第2の画像のそれぞれは、被写体からの光の分光結果に基づく複数の波長帯域それぞれの光の強度を示す情報を含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の情報処理装置。
  11. 前記生成部は、前記対象気体の濃度分布を示す情報として第3の画像を生成する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の情報処理装置。
  12. 画角内の画像を撮像する撮像部と、
    前記撮像部の撮像方向を切り替える光学部材と、
    を含み、
    前記撮像部は、前記光学部材により前記撮像方向が切り替えられることで、前記第1の画像及び前記第2の画像を時分割で撮像する、
    請求項1〜11のいずれか一項に記載の情報処理装置。
  13. 前記第1の画像を撮像する第1の撮像部と、
    前記第2の画像を撮像する第2の撮像部と、
    を備える、請求項1〜11のいずれか一項に記載の情報処理装置。
  14. 前記取得部は、互いに異なる仰角で撮像された第1の動画像及び第2の動画像それぞれから、フレームごとに静止画像を前記第1の画像及び前記第2の画像として取得し、
    前記解析部は、フレームごとに取得された前記第1の画像及び前記第2の画像間において対応する画素ごとに前記第1の光学的厚さを算出し、当該第1の光学的厚さと前記第2の光学的厚さとに基づき、当該フレームにおける当該画素に対応する前記対象気体の前記スラントカラム濃度を推定し、
    前記生成部は、複数のフレームについて前記画素ごとに推定された前記スラントカラム濃度に基づき、前記対象気体の濃度分布の時系列に沿った変化を示す情報を生成する、
    請求項1〜13のいずれか一項に記載の情報処理装置。
  15. 観測対象となる対象気体に吸収される波長帯域の成分を含む光が照射される環境下において、互いに異なる仰角で撮像された第1の画像及び第2の画像を取得することと、
    プロセッサが、
    前記第1の画像及び前記第2の画像間において対応する画素ごとに、前記第1の画像の当該画素における前記波長帯域中の波長ごとの成分の強度を示す第1のスペクトルと、前記第2の画像の当該画素における当該波長帯域中の波長ごとの成分の強度を示す第2のスペクトルとの比に基づき、当該画素に対応する第1の光学的厚さを算出することと、
    前記画素ごとに算出された前記第1の光学的厚さと、あらかじめ算出された前記対象気体の吸収断面積に基づく第2の光学的厚さとに基づき、当該画素に対応する前記対象気体のスラントカラム濃度を算出することと、
    前記画素ごとに算出された前記スラントカラム濃度に基づき、前記対象気体の濃度分布を示す情報を生成することと、
    を含む、情報処理方法。
  16. コンピュータに、
    観測対象となる対象気体に吸収される波長帯域の成分を含む光が照射される環境下において、互いに異なる仰角で撮像された第1の画像及び第2の画像を取得することと、
    前記第1の画像及び前記第2の画像間において対応する画素ごとに、前記第1の画像の当該画素における前記波長帯域中の波長ごとの成分の強度を示す第1のスペクトルと、前記第2の画像の当該画素における当該波長帯域中の波長ごとの成分の強度を示す第2のスペクトルとの比に基づき、当該画素に対応する第1の光学的厚さを算出することと、
    前記画素ごとに算出された前記第1の光学的厚さと、あらかじめ算出された前記対象気体の吸収断面積に基づく第2の光学的厚さとに基づき、当該画素に対応する前記対象気体のスラントカラム濃度を算出することと、
    前記画素ごとに算出された前記スラントカラム濃度に基づき、前記対象気体の濃度分布を示す情報を生成することと、
    を実行させる、プログラム。
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