JP2017089479A - 送風装置 - Google Patents

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潤 山岡
Jun Yamaoka
潤 山岡
伊藤 功治
Koji Ito
伊藤  功治
康彦 新美
Yasuhiko Niimi
康彦 新美
齋藤 隆
Takashi Saito
隆 齋藤
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Abstract

【課題】電動機のレイアウトの自由度を確保しつつ、誘導加熱によるファンの加熱の効率化を図ることが可能な送風装置を提供する。
【解決手段】ファン22と、ファン22に連結された回転軸252を有し、回転軸252を介してファン22を回転駆動する電動機25と、ファン22を誘導加熱により加熱する誘導加熱コイル51、52と、交流供給部を構成する共振回路53、電源回路54と、を備える。そして、電動機の主材を、ファンの主材よりも透磁率と電気抵抗率との積算値が小さい材料で構成する。
【選択図】図2

Description

本開示は、空気を送風する送風装置に関する。
従来、誘導加熱コイルに高周波数の交流電流を供給して、導電性を有するファンを加熱し、ファンを介して送風空気を加熱する送風機が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1には、送風機のファンとして、鉄製ファン、アルミ製ファン、表面に導電膜が設けられた樹脂製ファンを用いる例が開示されている。なお、特許文献1では、ファンを回転駆動する電動機について何ら言及されていない。
特許第5310736号
本発明者らは、電動機と誘導加熱コイルとの位置関係について検討した。この検討によれば、電動機と誘導加熱コイルとが近接する位置関係にあると、誘導加熱コイルからの電磁波により電動機が意図せずに加熱されてしまうことが判った。このことは、誘導加熱によるファンの加熱の効率化を低下させる要因となることから好ましくない。
誘導加熱コイルからの電磁波の影響を避けるために、本発明者らは、電動機を誘導加熱コイルから離れた位置に配置することも検討したが、送風機における電動機のレイアウトの自由度が著しく制限されてしまうことが判った。
本開示は、上記点を鑑みて、電動機のレイアウトの自由度を確保しつつ、誘導加熱によるファンの加熱の効率化を図ることが可能な送風装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、空気を送風する送風装置を対象としている。上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、回転することにより空気を吸い込んで吹き出すファン(22、22A、23A)と、ファンに連結された回転軸(252)を有し、回転軸を介してファンを回転駆動する電動機(25)と、ファンを誘導加熱により加熱する誘導加熱コイル(51、52、55、56、57、58)と、誘導加熱コイルに所定周波数の交流電流を供給する交流供給部(53、54)と、を備える。そして、電動機の主材を、ファンの主材よりも透磁率と電気抵抗率との積算値が小さい材料で構成している。
これによれば、電動機が不必要に加熱されることを抑えて、ファンを誘導加熱により集中して加熱することができるので、ファンの熱を空気側へ効率よく放出させることが可能となる。そして、誘導加熱コイルからの電磁波の電動機への影響を抑えられるので、電動機のレイアウトが制限されることもない。
従って、電動機のレイアウトの自由度を確保しつつ、誘導加熱によるファンの加熱の効率化を図ることが可能となる。なお、主材とは、部材を構成する材料のうち質量割合の最も大きい材料を意味している。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係の一例を示すものである。
第1実施形態の送風装置を適用した車両用空調装置の模式的な全体構成図である。 第1実施形態の送風装置の模式的な軸方向断面図である。 第1実施形態に係る送風装置のファンの分解断面図である。 第1実施形態の送風装置におけるファンの主板の上面図である。 図1のV−V断面図である。 第1実施形態に係る送風装置の作動を説明するための説明図である。 第2実施形態の送風装置の模式的な軸方向断面図である。 第3実施形態の送風装置の模式的な軸方向断面図である。 第3実施形態の送風装置の模式的な径方向断面図である。 図8の矢印Xで示す方向における誘導加熱コイルの正面図である。 第4実施形態の送風装置の模式的な斜視図である。 第4実施形態に係る送風装置の模式的な径方向断面図である。 第4実施形態に係る送風装置の模式的な軸方向断面図である。 第5実施形態に係る送風装置の模式的な径方向断面図である。 第5実施形態に係る送風装置の模式的な軸方向断面図である。
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の各実施形態において、先行する実施形態で説明した事項と同一もしくは均等である部分には、同一の参照符号を付し、その説明を省略する場合がある。また、各実施形態において、構成要素の一部だけを説明している場合、構成要素の他の部分に関しては、先行する実施形態において説明した構成要素を適用することができる。
(第1実施形態)
本実施形態では、送風装置2を図1に示す車両用空調装置1に適用した例について説明する。図1に示す車両用空調装置1は、車室内の空調を行う装置である。車両用空調装置1は、空調ユニット10、および送風装置2を備える。
まず、空調ユニット10について説明する。空調ユニット10は、車室内の計器盤(インストルメントパネル)の下方部に配置されている。空調ユニット10は、その外殻を形成する空調ケース11の内部に、蒸発器13、ヒータコア14が収容されたものである。
空調ケース11は、車室内へ送風する送風空気の通風路を構成する。本実施形態の空調ケース11は、ある程度の弾性を有し、強度的にも優れた樹脂(例えば、ポリプロピレン)により成形されている。
空調ケース11の空気流れ最上流側には、車室外空気(外気)と車室内空気(内気)とを切替導入する内外気切替箱12が配置されている。内外気切替箱12には、外気を導入する外気導入口121、および内気を導入する内気導入口122が形成されている。さらに、内外気切替箱12の内部には、各導入口121、122の開口面積を調整して、外気の導入量と内気の導入量との割合を変化させる内外気切替ドア123が配置されている。内外気切替ドア123は、外気導入口121と内気導入口122との間に回動自在に配置されている。内外気切替ドア123は、図示しないアクチュエータにより駆動される。
内外気切替箱12の空気流れ下流側には、車室内への送風空気を冷却する冷却部を構成する蒸発器13が配置されている。蒸発器13は、内部を流通する冷媒が蒸発する際の吸熱作用により、送風空気を冷却する熱交換器である。蒸発器13は、図示しない圧縮機、放熱器、減圧機構と共に蒸気圧縮式の冷凍サイクルを構成する。
蒸発器13の空気流れ下流側には、蒸発器13で冷却された空気をヒータコア14側へ流す温風通路16、および蒸発器13で冷却された空気を、ヒータコア14を迂回して流す冷風バイパス通路17が形成されている。
ヒータコア14は、図示しないエンジンの冷却水を熱源として、送風空気を加熱する熱交換器である。本実施形態では、ヒータコア14が送風空気を加熱する加熱部を構成する。
蒸発器13とヒータコア14との間には、エアミックスドア18が回動自在に配置されている。エアミックスドア18は、図示しないアクチュエータにより駆動されて、温風通路16を流通させる空気と冷風バイパス通路17を流通させる空気との割合を調整して、車室内へ送風する送風空気の温度を調整する部材である。
温風通路16、および冷風バイパス通路17の空気流れ下流側には、送風装置2を構成する送風機20が配置されている。送風機20は、空調ケース11の内部に車室内へ吹き出す空気流を発生させる機器である。送風装置2の詳細については後述する。
送風機20の空気吐出側には、空調用ダクト19が接続されている。空調用ダクト19は、車室内に開口して車室内へ空気を吹き出す図示しない吹出部へ送風空気を導く部材である。吹出部としては、図示しないが、乗員の上半身側に空気を吹き出すフェイス吹出口、乗員の下半身側に空気を吹き出すフット吹出口、車両前面の窓ガラスに向けて空気を吹き出すデフロスタ吹出口が設けられている。また、空調用ダクト19には、各吹出口からの空気の吹出モードを設定する図示しないモード切替ドアが設けられている。モード切替ドアは、図示しないアクチュエータにより駆動する。
続いて、送風装置2について説明する。送風装置2は、送風機20、送電回路50、制御回路100を備える。送風機20は、送風ケース21、送風ケース21に収容されたファン22、ファン22を駆動する電動機25等で構成されている。
送風ケース21は、空調ケース11の一部を構成している。本実施形態の送風ケース21は、ある程度の弾性を有し、強度的にも優れた樹脂(例えば、ポリプロピレン)により成形されている。
送風ケース21には、電動機25における回転軸252の軸方向一端側に開口する吸込口211、および吸込口211を介して吸い込んだ空気を吐出する吐出口213が形成されている。本実施形態の送風ケース21は、スクロール状の空気流路を形成するスクロールケースで構成されている。
ファン22は、吸込口211を介して温風通路16および冷風バイパス通路17の空気流れ下流側の空気を吸い込み、吐出口213から吐出する。本実施形態のファン22は、回転軸252の軸方向に沿って吸い込んだ空気を回転軸252の径方向外側に向けて吹き出す遠心ファンで構成されている。ファン22は、電動機25によって回転駆動される。
具体的には、図2、図3に示すように、ファン22は、複数枚の羽根221、主板223、およびシュラウド224を備える。複数枚の羽根221は、各羽根221の間を空気が流通可能なように、電動機25における回転軸252の周方向、すなわち、回転軸252の軸線CLの周りに間隔をあけて環状に配置されている。
各羽根221は、回転軸252の軸方向における吸込口211側の端部がシュラウド224に連結され、回転軸252の軸方向における吸込口211とは反対側の端部が主板223に連結されている。
各羽根221は、図3に示すように、シュラウド224に対向する一端部に、シュラウド224に形成された係合穴224aに係合する第1係合部221aが設けられている。また、各羽根221は、主板223に対向する他端部に、主板223に形成された係合穴223cに係合する第2係合部221bが形成されている。
主板223は、中央部が回転軸252の軸方向における吸込口211側へ窪んだ円錐状の形状を有する部材で構成される。主板223は、各羽根221の端部を連結するプレート部223a、および電動機25の回転軸252に連結されるボス部223bを有する。本実施形態の主板223は、各羽根221が連結されると共に、各羽根221の内側に回転軸252が連結された連結部を構成する。
プレート部223aには、図4に示すように、各羽根221の第2係合部221bに対応する係合穴223cが複数形成されている。図4は、ファン22の軸方向から見た主板223の上面図である。
また、プレート部223aには、各羽根221が結合される部位の背面側に、後述する第1誘導加熱コイル51、第2誘導加熱コイル52を収容する第1溝部225、第2溝部226が形成されている。具体的には、第1溝部225および第2溝部226は、プレート部223aにおける係合穴223cが形成された部位の背面側に形成されている。各溝部225、226は、図5の断面図に示すように、ボス部223bを中心とする円環形状に形成されている。
ボス部223bは、主板223の中央部に形成されて電動機25の回転軸252に嵌合する嵌合部である。本実施形態のボス部223bと回転軸252とは、図示しない回り止めピンにより回り止めされている。従って、回転軸252が回転すると、回転軸252の回転に連動して主板223が回転する。
シュラウド224は、図2、図3に示すように、中央部に吸込口211に対応する大きさの開口部が形成された円盤状の形状を有する部材である。シュラウド224は、各羽根221の軸方向の一端側を連結する部材である。シュラウド224には、各羽根221の第2係合部221bに対応する係合穴223cが複数形成されている。
本実施形態の各羽根221、主板223、およびシュラウド224は、金属材料により構成されている。本実施形態のファン22は、主板223の各係合穴223c、シュラウド224の各係合穴224aに各羽根221の各係合部221a、221bを係合させた状態で、ろう付け接合により一体に構成される。なお、ファン22の主材については、後述する。
図2に示すように、電動機25は、モータ本体部251、金属製(例えば、鉄製)の回転軸252、送風ケース21に連結された支持具253、図示しない駆動回路を備える。モータ本体部251は、回転軸252を介してファン22を回転駆動する駆動手段である。
本実施形態の電動機25は、少なくとも一部が、回転軸252の軸方向に直交する径方向RDにおいて、ファン22と重なり合うように配置されている。具体的には、本実施形態の電動機25は、少なくとも一部が、ファン22における回転軸252の径方向内側に配置されている。
モータ本体部251は、支持具253を介して送風ケース21に支持されている。モータ本体部251は、主板223における吸込口211側へ窪んだ部位に形成される空間に収容されている。
モータ本体部251は、支持具253に固定されたコア251a、コア251aの外側に配置されると共に回転軸252に固定されたロータ251b、ロータ251bの内側に固定されたマグネット251c、回転軸252を支持する軸受251d等を有する。
電動機25は、図示しない駆動回路からモータ本体部251のコア251aに電力が供給されると、コア251aに磁束変化が生じる。これにより、ロータ251bに固定されたマグネット251cを引き寄せる力が発生し、この力を受けてロータ251bが回転軸252と共に回転する。なお、電動機25の主材については、後述する。
続いて、送電回路50は、ファン22を誘導加熱する第1誘導加熱コイル51、第2誘導加熱コイル52、共振回路53、および電源回路54を有して構成される。
第1誘導加熱コイル51および第2誘導加熱コイル52は、ファン22の主板223と対向するように配置されている。本実施形態の各誘導加熱コイル51、52は、主板223における各羽根221の反対側に配置されている。すなわち、本実施形態の各誘導加熱コイル51、52は、各羽根221よりも主板223に近い位置に配置されている。
また、各誘導加熱コイル51、52は、図5に示すように、主板223のプレート部223aに形成された各溝部225、226の内部に対応する円環状の形状のコイルで構成されている。
本実施形態のファン22と各誘導加熱コイル51、52との間には、所定の間隔が設けられており、ファン22と各誘導加熱コイル51、52とが非接触となっている。また、各誘導加熱コイル51、52は、図示しないが、送風ケース21側に固定されている。このため、ファン22は、各誘導加熱コイル51、52に接触することなく回転可能となっている。
共振回路53および電源回路54は、各誘導加熱コイル51、52へ所定周波数(例えば、25kHz程度)の交流電流を供給する交流供給部を構成している。電源回路54は、交流信号の発生源を構成する回路である。共振回路53は、各誘導加熱コイル51、52がファン22に対向配置された状態で、磁界共鳴するように調整されている。本実施形態では、各誘導加熱コイル51、52に対して単一の共振回路53を接続している。
送電回路50では、電源回路54から交流電流が各誘導加熱コイル51、52へ供給されることで、各誘導加熱コイル51、52の周囲に磁界が発生する。この際、ファン22の主板223には、各誘導加熱コイル51、52の周囲に発生した磁界を打ち消す方向に渦電流(誘導電流)が流れる。ファン22の主板223には、主板223の電気抵抗×渦電流の2乗に相当するジュール熱が発生して発熱する。
この誘導加熱によるファン22の主板223の加熱電力Pは、以下の数式F1の如く、主板223の表皮抵抗Rsに比例すると共に、磁束Hの2乗に比例する。
P∝Rs×H ・・・(F1)
そして、主板223の表皮抵抗Rsは、以下の数式F2の如く、主板223の電気抵抗率ρ、透磁率μ、各誘導加熱コイル51、52に流れる電流Iの周波数fの平方根に比例する。
Rs∝(ρ×μ×f)1/2 ・・・(F2)
また、磁束Hは、以下の数式F3の如く、各誘導加熱コイル51、52のターン数(巻き数)Nと電流Iに比例する。
H∝N×I ・・・(F3)
上述の数式F1〜F3によれば、加熱電力Pは、以下の数式F4で表すことができる。
P∝(ρ×μ×f)1/2×(N×I) ・・・(F4)
数式F4によれば、電気抵抗率ρと透磁率μとの積算値が大きい程、加熱電力が高くなり、電気抵抗率ρと透磁率μとの積算値が小さい程、加熱電力が低くなることが判る。すなわち、電気抵抗率ρと透磁率μとの積算値が小さい材料で構成される部材は、電気抵抗率ρと透磁率μとの積算値が大きい材料で構成される部材よりも加熱され難いことが判る。
ここで、各誘導加熱コイル51、52の周囲には、磁界が発生する磁界領域が形成される。この磁界領域内にある機器は、各誘導加熱コイル51、52の電磁波によって発熱する。
本実施形態では、電動機25を被加熱対象であるファン22の内側に配置している。すなわち、本実施形態では、電動機25と各誘導加熱コイル51、52とが近接する位置関係となっている。このため、電動機25が、各誘導加熱コイル51、52の電磁波により意図せずに加熱されてしまう。
そこで、本実施形態では、電動機25が不必要に加熱されることを抑えるために、電動機25の主材を被加熱対象であるファン22の主材よりも透磁率μと電気抵抗率ρとの積算値(=ρ×μ)が小さい材料で構成している。なお、本実施形態の主材は、部材を構成する材料のうち質量割合が最も大きい材料を意味している。
ここで、銅合金は、電気抵抗率が約0.017[μΩm]、比透磁率が約1であり、その積算値が約0.017となる。また、アルミニウム合金は、電気抵抗率が約0.027[μΩm]、比透磁率が約1であり、その積算値が約0.027となる。さらに、鉄鋼は、電気抵抗率が約0.17[μΩm]、比透磁率が約2000であり、その積算値が約34となる。
このため、本実施形態では、電動機25の主材を銅合金で構成し、ファン22の主材を鉄鋼やアルミニウム合金で構成している。なお、電動機25では、各種構成部材のうち、モータ本体部251のコア251aの質量が最も大きくなる。このため、電動機25の主材は、モータ本体部251のコア251aの材料となる。
また、本実施形態のファン22は、各誘導加熱コイル51、52が、各羽根221よりも主板223に近い位置に配置されている。このため、本実施形態のファン22は、各誘導加熱コイル51、52への通電により主板223が発熱し、主板223の熱が、各羽根221を介して送風空気へ伝達される。すなわち、本実施形態では、主板223が発熱部を構成し、各羽根221が主板223の熱を送風空気へ放熱する放熱部を構成する。
数式F4に示すように、誘導加熱によりファン22を効率よく加熱するためには、ファン22における発熱部を構成する主板223を電気抵抗率ρと透磁率μとの積算値(=ρ×μ)が大きい材料で構成することが望ましい。
一方、ファン22から空気側へ効率よく放熱するためには、空気側に接する部材の温度を均一化させて放熱面積を拡大することが有効となる。このため、ファン22における放熱部を構成する各羽根221を熱伝導率λが大きい材料で構成することが望ましい。
そこで、本実施形態では、各羽根221を主板223よりも熱伝導率λの高い材料で構成し、主板223を各羽根221よりも電気抵抗率ρと透磁率μとの積算値(=ρ×μ)が大きい材料で構成している。なお、熱伝導率λ、電気抵抗率ρ、透磁率μは、温度依存性があることから、同一温度条件下で比較した際の前述の条件を満たす材料を採用することが望ましい。
具体的には、本実施形態では、各羽根221の主材をアルミニウム合金で構成し、主板223の主材を鉄鋼(例えば、ステンレス)で構成している。なお、アルミニウム合金は、熱伝導率λが約237[W/mK]であり、鉄鋼の熱伝導率(λ≒80[W/mK])よりも極めて高い値となる。各材料の熱伝達率は、300Kでの値を記載している。また、鉄鋼は、電気抵抗率が約0.17[μΩm]、比透磁率が約2000であり、その積算値が、アルミニウム合金における電気抵抗率(ρ≒0.027[μΩm])と比透磁率(μ≒1)との積算値よりも極めて大きい値となる。
また、本実施形態のファン22のシュラウド224は、比較的軽量となるアルミニウム合金で構成している。なお、シュラウド224は、軽量であることが望ましいことから、樹脂等の材料で構成してもよい。
続いて、制御回路100は、CPU、ROMやRAMといった記憶部を含むマイクロコンピュータと、その周辺回路で構成されている。制御回路100は、記憶部に記憶された制御プログラムに基づいて、各種演算処理を行い、出力側に接続された駆動回路や、電源回路54等の作動を制御する回路である。制御回路100は、送風機20の作動中に、空調ユニット10側からの要求に応じて電源回路54等の作動を制御する通電制御部を構成する。なお、制御回路100の記憶部は、非遷移的実体的記憶媒体で構成される。
次に、本実施形態の送風装置2の作動を説明する。まず、駆動回路からモータ本体部251のコア251aに電力が供給されると、電動機25の回転軸252が回転する。そして、ファン22は、回転軸252の回転に連動して回転する。ファン22の回転により、図6に示すように、送風ケース21の吸込口211から回転軸252の軸方向に沿って吸い込まれた空気が、回転軸252の径方向RDの外側に向かって吹き出される。そして、ファン22から吹き出された空気は、送風ケース21の吐出口213、および空調用ダクト19を介して車室内へ吹き出される。
この状態で、送電回路50の電源回路54から交流電流が各誘導加熱コイル51、52へ供給されると、各誘導加熱コイル51、52の周囲に磁界が発生する。この際、ファン22の主板223には、各誘導加熱コイル51、52の周囲に発生した磁界を打ち消す方向に渦電流(誘導電流)が流れる。ファン22の主板223には、主板223の電気抵抗×渦電流の2乗に相当するジュール熱が発生して発熱する。そして、主板223の熱は、各羽根221を介して、送風ケース21に吸い込まれた空気に放熱される。これにより、ファン22に吸い込まれた空気が加熱される。ファン22で加熱された空気は、空調用ダクト19を介して車室内へ吹き出される。
以上説明した本実施形態の送風装置2は、電動機25の主材をファン22の主材よりも透磁率と電気抵抗率との積算値が小さい材料で構成している。これによれば、電動機25が不必要に加熱されることを抑えて、ファン22を誘導加熱により集中して加熱することができるので、ファン22の熱を空気側へ効率よく放出させることが可能となる。そして、各誘導加熱コイル51、52からの電磁波の電動機25への影響を抑えられるので、電動機25のレイアウトが制限されることもない。
従って、本実施形態の送風装置2によれば、電動機25のレイアウトの自由度を確保しつつ、誘導加熱によるファン22の加熱の効率化を図ることが可能となる。
ここで、各誘導加熱コイル51、52から電動機25への電磁波の影響を避けるためには、回転軸252の軸方向においてファン22と電動機25と離すことが有効と考えられる。ところが、この場合、回転軸252の軸方向における送風装置2の体格が長くなってしまう。
これに対して、本実施形態の送風装置2は、各誘導加熱コイル51、52からの電磁波の電動機25への影響が少ない。このため、電動機25の一部を各誘導加熱コイル51、52に近接するファン22の内側に配置する構成としている。従って、本実施形態の送風装置2によれば、回転軸252の軸方向における体格を抑えることができる。
ここで、誘導加熱では、各誘導加熱コイル51、52と被加熱対象とが接近するほど、被加熱対象に流れる電流の量が増えて、被加熱対象の加熱量が増大する。逆に、誘導加熱では、各誘導加熱コイル51、52と被加熱対象との距離が離れるほど、被加熱対象に流れる電流の量が少なくなって、被加熱対象の加熱量が減少する。
このため、本実施形態の如く、各誘導加熱コイル51、52がファン22の羽根221よりも主板223に近い位置に配置されている場合、羽根221よりも主板223を誘導加熱により集中して加熱する構成とすることが望ましい。
そこで、本実施形態では、ファン22の各羽根221を主板223よりも熱伝導率の高い材料で構成し、主板223を各羽根221よりも透磁率と電気抵抗率との積算値が大きい材料で構成している。
これによれば、誘導加熱による主板223の加熱のより一層の効率化を図ることができる。さらに、ファン22の各羽根221を連結する主板223を誘導加熱により効率よく加熱すると共に、誘導加熱により加熱された主板223の熱を、熱伝導率の高い各羽根221を介して空気側へ効率よく放熱させることが可能となる。
ここで、ファン22における各羽根221から空気側への熱移動は、動かないように固定された平板から空気側へ熱が移動する場合と比較して、各羽根221が回転することで生ずる遠心力により各羽根221の表面に形成される境界層が薄くなる。このため、ファン22では、前述の平板から空気側へ熱が移動する場合と比較して、各羽根221から空気側へ熱が移動し易くなる。
また、羽根221は複数枚あるので、各羽根221における空気と接する面積を充分に確保することができ、充分な伝熱量で空気を加熱することができる。さらに、各羽根221は、熱伝導率の高い材料で構成されているため、各羽根221の温度が羽根221の全域で均一に近くなり、効率よく空気側へ熱を移動させることができる。
従って、本実施形態の送風装置2によれば、誘導加熱によるファン22の加熱の効率化と、ファン22から空気への放熱の効率化を両立させることが可能となる。
また、主板223には、各誘導加熱コイル51、52に対応する形状を有する第1溝部225、第2溝部226を形成し、各溝部225、226の内部に非接触状態で各誘導加熱コイル51、52を収容している。
これによれば、ファン22において被加熱部位を構成する主板223における各誘導加熱コイル51、52と対向する面積を大きくすることができるので、主板223における被加熱面積を充分に確保することができる。
さらに、主板223と各誘導加熱コイル51、52との距離を近づけることができるので、各誘導加熱コイル51、52の電磁誘導作用によって主板223に流れる電流を増大させることができる。従って、誘導加熱による主板223の加熱のより一層の効率化を図ることができる。
また、本実施形態では、主板223自体が各誘導加熱コイル51、52の通電により生ずる磁束の漏れを遮蔽する磁気シールドとしても機能する。このため、各誘導加熱コイル51、52を鎖交する磁束が送風装置2の周辺機器へ影響してしまうことを抑えることができる。
さらに、本実施形態では、ファン22が回転軸252の軸方向の一端側から吸い込んだ空気を径方向に吹き出す遠心ファンで構成している。そして、各誘導加熱コイル51、52を、ファン22の軸方向の他端側であって主板223における各羽根221と反対側に配置している。これによれば、各誘導加熱コイル51、52がファン22により生成される気流を乱す要因とならないので、各誘導加熱コイル51、52の追加に伴うファン性能の低下を回避可能となる。
なお、本実施形態では、ファン22を加熱する加熱部を2つの誘導加熱コイル51、52で構成する例について説明したが、これに限定されない。誘導加熱コイル51は、1つ以上であればよい。このことは、以降の実施形態についても同様である。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について図7を参照して説明する。本実施形態では、図7に示すように、電動機25は、回転軸252の軸方向に直交する径方向RDにおいて、ファン22と重なり合わないように配置されている。具体的には、本実施形態の電動機25は、ファン22における回転軸252の軸方向外側に配置されている。
その他の構成は、第1実施形態と同様である。本実施形態の送風装置2は、第1実施形態と同様に、電動機25の主材をファン22の主材よりも透磁率と電気抵抗率との積算値が小さい材料で構成している。従って、本実施形態の送風装置2によっても、電動機25のレイアウトの自由度を確保しつつ、誘導加熱によるファン22の加熱の効率化を図ることが可能となる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について図8〜図10を参照して説明する。本実施形態では、図8に示すように、誘導加熱コイル55を送風ケース21におけるファン22の羽根221と対向する部位に配置している点が第1実施形態と相違している。本実施形態の誘導加熱コイル55は、主板223よりも各羽根221に近い位置に配置されている。
ここで、誘導加熱では、誘導加熱コイル55と被加熱対象とが接近する程、被加熱対象の加熱量が増大し、誘導加熱コイル55と被加熱対象との距離が離れる程、被加熱対象の加熱量が減少する。
このため、ファン22は、誘導加熱コイル55に近接する各羽根221の方が主板223よりも発熱し易い配置構造となっている。すなわち、本実施形態では、誘導加熱コイル55への通電により各羽根221が発熱し、発熱した各羽根221の熱が送風空気に放出される。
このため、本実施形態では、各羽根221を主板223よりも電気抵抗率ρと透磁率μとの積算値(=ρ×μ)が大きい材料で構成している。具体的には、本実施形態では、各羽根221の主材を鉄鋼で構成し、主板223の主材をアルミニウム合金で構成している。なお、鉄鋼は、電気抵抗率が約0.17[μΩm]、比透磁率が約2000であり、その積算値が、アルミニウム合金における電気抵抗率(ρ≒0.027[μΩm])と比透磁率(μ≒1)との積算値よりも極めて大きい値となる。
また、前述したように、誘導加熱コイル55と被加熱対象とが接近するほど、被加熱対象の加熱量が増大する。このため、本実施形態では、送風ケース21とファン22の各羽根221とが近接する部位に誘導加熱コイル55を配置している。具体的には、図9に示すように、本実施形態では、スクロール状の空気流路を有する送風ケース21のノーズ部210から空気流れ上流側の部位までの領域に誘導加熱コイル55を配置している。なお、ノーズ部210は、送風ケース21の巻き始めと巻き終わりとが連通した部位である。
本実施形態の誘導加熱コイル55は、送風ケース21内部を流通する空気の抵抗とならないように、図10に示すように、送風ケース21の壁面に沿って延びる面形状に構成されている。
その他の構成は、第1実施形態と同様である。本実施形態の送風装置2は、第1実施形態と同様に、電動機25の主材をファン22の主材よりも透磁率と電気抵抗率との積算値が小さい材料で構成している。従って、本実施形態の送風装置2によっても、電動機25のレイアウトの自由度を確保しつつ、誘導加熱によるファン22の加熱の効率化を図ることが可能となる。
また、本実施形態の如く、誘導加熱コイル55がファン22の主板223よりも羽根221に近い位置に配置されている場合、主板223よりも羽根221を誘導加熱により集中して加熱する構成とすることが望ましい。
そこで、本実施形態では、各羽根221を主板223よりも透磁率と電気抵抗率との積算値が大きい材料で構成している。これによれば、誘導加熱によるファン22の加熱のより一層の効率化を図ることができる。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について、図11〜図13を参照して説明する。本実施形態では、送風機20Aのファン22A、23Aをクロスフローファンで構成している点が第1実施形態と相違している。クロスフローファンは、回転軸252を交差する方向に空気を流すファンである。
本実施形態の送風機20Aは、図11、図12に示すように、第1ファン22A、第2ファン23A、各ファン22A、23Aを収容する送風ケース21A、および電動機25を有する。
第1ファン22Aは、回転軸252の周方向に沿って間隔をあけて配置された複数枚の羽根221A、および各羽根221Aにおける回転軸252の一端側を連結する第1エンドプレート261を有する。
第1エンドプレート261は、図13に示すように、第1ファン22Aの各羽根221Aの一端側に連結されると共に、電動機25の回転軸252に連結されている。第1エンドプレート261には、第1ファン22Aの各羽根221Aが結合される部位の背面側に、第3誘導加熱コイル56を収容する第3溝部261aが形成されている。
また、第2ファン23Aは、図11、図12に示すように、回転軸252の周りに配置された複数枚の羽根231A、および各羽根231Aにおける回転軸252の他端側を連結する第2エンドプレート262を有する。
第2エンドプレート262は、図13に示すように、第2ファン23Aの各羽根231Aの他端側に連結されると共に、電動機25の回転軸252に連結されている。第2エンドプレート262には、各羽根231Aが結合される部位の背面側に、第4誘導加熱コイル57を収容する第4溝部262aが形成されている。本実施形態の各エンドプレート261、262は、各羽根221A、231Aが連結されると共に、回転軸252が連結された連結部26を構成する。
各ファン22A、23Aは、図11、図13に示すように、回転軸252の軸方向に並ぶように中間プレート27により連結されており、1つの筒状体として構成されている。中間プレート27は、円環状に形成されており、各羽根221A、231Aを連結している。なお、中間プレート27は、電動機25の回転軸252には連結されていない。
続いて、送風ケース21Aには、図12に示すように、吸込口211Aと吐出口213Aとの間に、ファン22の回転により発生した気流の逆流を防止するスタビライザ215が形成されている。スタビライザ215は、ファン22側に向かって突出する突出形状を有する。
また、本実施形態の電動機25は、図13に示すように、少なくとも一部が、回転軸252の軸方向に直交する径方向RDにおいて、第1ファン22Aの第1エンドプレート261と重なり合うように配置されている。
このように構成される送風機20Aでは、各ファン22A、23Aの回転に伴いスタビライザ215付近を中心とする渦流(循環流)が誘起される。これにより、送風ケース21Aの吸込口211Aから吸い込まれた空気が回転軸252を交差する方向に沿って流れ、吐出口213Aから吹き出される。
本実施形態では、第1実施形態と同様に、電動機25の主材を、各ファン22A、23Aの主材よりも電気抵抗率ρと透磁率μとの積算値が小さい材料で構成している。具体的には、本実施形態では、電動機25の主材を銅合金で構成し、ファン22の主材を鉄鋼やアルミニウム合金で構成している。
また、本実施形態では、第1実施形態と同様に、連結部を構成する各エンドプレート261、262の主材を各羽根221A、231Aの主材よりも電気抵抗率ρと透磁率μとの積算値が大きい材料で構成している。具体的には、本実施形態では、各羽根221A、231Aの主材をアルミニウム合金で構成し、各エンドプレート261、262を鉄鋼で構成している。
さらに、本実施形態の各ファン22A、23Aの中間プレート27は、比較的軽量となるアルミニウムで構成している。なお、中間プレート27は、軽量であることが望ましいことから、樹脂等の材料で構成してもよい。
続いて、本実施形態の送電回路50は、各ファン22A、23Aを誘導加熱する第3誘導加熱コイル56、第4誘導加熱コイル57、共振回路53、および電源回路54を有して構成される。本実施形態の各誘導加熱コイル56、57は、各羽根221A、231Aよりも各エンドプレート261、262に近い位置に配置されている。
第3誘導加熱コイル56は、第1エンドプレート261と対向するように配置されている。本実施形態の第3誘導加熱コイル56は、第1エンドプレート261における各羽根221Aの反対側に配置されている。第3誘導加熱コイル56は、第1エンドプレート261に形成された第3溝部261aの内部に対応する円環状の形状のコイルで構成され、第3溝部261aの内部に第3溝部261aと非接触に収容されている。
第4誘導加熱コイル57は、第2エンドプレート262と対向するように配置されている。本実施形態の第4誘導加熱コイル57は、第2エンドプレート262における各羽根231Aの反対側に配置されている。第4誘導加熱コイル57は、第2エンドプレート262に形成された第4溝部262aの内部に対応する円環状の形状のコイルで構成され、第4溝部262aの内部に第4溝部262aと非接触に収容されている。
その他の構成は、第1実施形態と同様である。次に、本実施形態の送風装置2の作動を説明する。まず、駆動回路からモータ本体部251のコアに電力が供給されると、電動機25の回転軸252が回転する。そして、各ファン22A、23Aは、回転軸252の回転に連動して回転する。各ファン22A、23Aの回転により、送風ケース21Aの吸込口211Aから吸い込まれた空気が、回転軸252と交差する方向に各ファン22A、23Aの内部を通過して吹き出される。そして、各ファン22A、23Aから吹き出された空気は、送風ケース21Aの吐出口213A、および空調用ダクトを介して車室内へ吹き出される。
この状態で、送電回路50の電源回路54から交流電流が各誘導加熱コイル56、57へ供給されると、各誘導加熱コイル56、57の周囲に磁界が発生する。この際、各ファン22A、23Aの各エンドプレート261、262には、各誘導加熱コイル56、57の周囲に発生した磁界を打ち消す方向に渦電流(誘導電流)が流れて発熱する。そして、各エンドプレート261、262の熱は、各羽根221A、231Aを介して、送風ケース21に吸い込まれた空気に放熱される。これにより、ファン22に吸い込まれた空気が加熱され、ファン22で加熱された空気が空調用ダクトを介して車室内へ吹き出される。
以上説明した本実施形態の送風装置2は、第1実施形態と同様に、電動機25の主材をファン22の主材よりも透磁率と電気抵抗率との積算値が小さい材料で構成している。従って、本実施形態の送風装置2によっても、電動機25のレイアウトの自由度を確保しつつ、誘導加熱によるファン22A、23Aの加熱の効率化を図ることが可能となる。
(第5実施形態)
次に、第5実施形態について図14、図15を参照して説明する。本実施形態では、図14、図15に示すように、誘導加熱コイル58を送風ケース21Aにおける各ファン22A、23Aの羽根221A、231Aと対向する部位に配置している点が第4実施形態と相違している。
本実施形態の誘導加熱コイル58は、各エンドプレート261、262よりも各羽根221A、231Aに近い位置に配置されている。すなわち、本実施形態の各ファン22A、23Aは、誘導加熱コイル58に近接する各羽根221A、231Aの方が各エンドプレート261、262よりも発熱し易い配置構造となっている。
このため、本実施形態では、本実施形態では、各羽根221A、231Aを各エンドプレート261、262よりも電気抵抗率ρと透磁率μとの積算値(=ρ×μ)が大きい材料で構成している。具体的には、本実施形態では、各羽根221A、231Aの主材を鉄鋼で構成し、各エンドプレート261、262の主材をアルミニウム合金で構成している。
また、誘導加熱コイル58と被加熱対象とが接近するほど、被加熱対象の加熱量が増大する。このため、本実施形態では、図15に示すように、送風ケース21Aのうち、各ファン22A、23Aの各羽根221A、231Aと近接する部位に誘導加熱コイル58を配置している。なお、本実施形態の誘導加熱コイル58は、第3実施形態と同様に、送風ケース21の壁面に沿って延びる面形状に構成されている。
その他の構成は、第4実施形態と同様である。本実施形態の送風装置2は、第3実施形態と同様に、電動機25の主材を各ファン22A、23Aの主材よりも透磁率と電気抵抗率との積算値が小さい材料で構成している。従って、本実施形態の送風装置2によっても、電動機25のレイアウトの自由度を確保しつつ、誘導加熱によるファン22A、23Aの加熱の効率化を図ることが可能となる。
また、本実施形態の如く、誘導加熱コイル58が各ファン22A、23Aの各エンドプレート261、262よりも各羽根221A、231Aに近い位置に配置されている場合、各羽根221A、231Aを誘導加熱により集中して加熱する構成とすることが望ましい。
そこで、本実施形態では、各羽根221を各エンドプレート261、262よりも透磁率と電気抵抗率との積算値が大きい材料で構成している。これによれば、誘導加熱によりファン22A、23Aの加熱のより一層の効率化を図ることができる。
(他の実施形態)
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下のように種々変形可能である。
上述の各実施形態では、送風装置2を車両用空調装置に適用する例について説明したが、これに限定されない。送風装置2は、車両等の移動体に限らず、家庭や工場等に利用される定置型の空調装置に適用してもよい。また、送風装置2は、空調装置に限らず、例えば、機器の温度を調整する装置に適用してもよい。なお、送風装置2を空調装置に適用する場合、送風機20の位置は、蒸発器13やヒータコア14といった温度調整機器の空気流れ下流側ではなく、当該温度調整機器の空気流れ上流側に配置してもよい。
上述の各実施形態では、電動機25の主材を銅合金とし、ファン22の主材を鉄鋼やアルミニウム合金とする例について説明したが、これに限定されない。例えば、電動機25の主材をアルミニウム合金で構成し、ファン22の主材を鉄鋼で構成してもよい。なお、電動機25の主材がファン22の主材よりも電気抵抗率ρと透磁率μとの積算値が小さい材料で構成されていれば、ファン22の各部材を同一の金属材料にて構成されていてもよい。
上述の各実施形態では、電動機25のモータ本体部251をコア251aの外側にロータが配置されたアウターロータ型の電動モータで構成する例について説明したが、これに限定されない。例えば、モータ本体部251を、コアの内側にロータが配置されたインナロータ型の電動モータで構成してもよい。
上述の各実施形態では、ファン22の各構成要素をろう付け接合により一体化する例について説明したが、これに限らず、各構成要素を溶接により一体に構成してもよい。また、ファン22の各構成要素に金属材料以外の材料(例えば、樹脂)で構成される要素がある場合には、当該要素については別工程で連結すればよい。
上述の各実施形態では、複数の誘導加熱コイル51、52、56、57に対して単一の共振回路53を接続する例について説明したが、これに限定されない。すなわち、複数の誘導加熱コイル51、52、56、57に対応して共振回路53を複数設け、各誘導加熱コイル51、52、56、57に対して個別に共振回路53を接続してもよい。このような構成は、第3実施形態の如く、各誘導加熱コイル56、57との間にファン22A、23Aが介在して、距離が離れてしまう場合に好適である。
上述の各実施形態では、送風装置2自体が共振回路53、および電源回路54を備える例について説明したが、これに限定されず、他の装置の電源回路等から誘導加熱コイル51、52、55〜58に交流電流を供給する構成としてもよい。
上述の各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上述の各実施形態は、可能な範囲で適宜組み合わせることができる。
上述の各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されない。
上述の各実施形態において、構成要素等の形状、位置関係、材料等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係、材料等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係、材料等に限定されない。
(まとめ)
上述の実施形態の一部または全部で示された第1の観点によれば、送風装置は、電動機の主材を、ファンの主材よりも透磁率と電気抵抗率との積算値が小さい材料で構成している。
また、第2の観点によれば、送風装置は、ファンおよび電動機の少なくとも一部が回転軸の軸方向に直交する径方向にて重なり合っている。そして、電動機の少なくとも一部が、ファンにおける径方向の内側に配置されている。これによると、送風機の回転軸の軸方向における体格を抑えることができる。
また、第3の観点によれば、送風装置は、ファンが、回転軸の周方向に沿って間隔をあけて配置された複数枚の羽根、および複数枚の羽根が連結されると共に、回転軸が連結された連結部を有している。また、誘導加熱コイルが、複数枚の羽根よりも連結部に近い位置に配置されている。そして、複数枚の羽根の主材が、電動機の主材よりも透磁率と電気抵抗率との積算値が大きい材料で構成され、連結部の主材が、複数枚の羽根の主材よりも透磁率と電気抵抗率との積算値が大きい材料で構成されている。このように、誘導加熱により連結部を集中して加熱する構成とすれば、効率よくファンを加熱することが可能となる。
また、第4の観点によれば、送風装置は、例えば、電動機の主材を銅合金、複数枚の羽根の主材をアルミニウム合金、連結部の主材を鉄鋼で構成する。これによると、電動機の主材をファンの主材よりも透磁率と電気抵抗率との積算値が小さい構成とすることができる。
また、第5の観点によれば、送風装置は、ファンが、回転軸の周方向に沿って間隔をあけて配置された複数枚の羽根、および複数枚の羽根が連結されると共に、回転軸が連結された連結部を有している。また、誘導加熱コイルが、連結部よりも複数枚の羽根に近い位置に配置されている。そして、連結部の主材が、電動機の主材よりも透磁率と電気抵抗率との積算値が大きい材料で構成され、複数枚の羽根の主材が、連結部の主材よりも透磁率と電気抵抗率との積算値が大きい材料で構成されている。このように、誘導加熱により各羽根を集中して加熱する構成とすれば、効率よくファンを加熱することが可能となる。
また、第6の観点によれば、送風装置は、例えば、電動機の主材を銅合金、複数枚の羽根の主材を鉄鋼、連結部の主材をアルミニウム合金で構成する。これによると、電動機の主材をファンの主材よりも透磁率と電気抵抗率との積算値が小さい構成とすることができる。
2 送風装置
22、22A、23A ファン
223 主板(連結部)
25 電動機
26 連結部(第1、第2エンドプレート)
51、52、55〜58 誘導加熱コイル
53 共振回路(交流供給部)
54 電源回路(交流供給部)

Claims (6)

  1. 空気を送風する送風装置であって、
    回転することにより空気を吸い込んで吹き出すファン(22、22A、23A)と、
    前記ファンに連結された回転軸(252)を有し、前記回転軸を介して前記ファンを回転駆動する電動機(25)と、
    前記ファンを誘導加熱により加熱する誘導加熱コイル(51、52、55、56、57、58)と、
    前記誘導加熱コイルに所定周波数の交流電流を供給する交流供給部(53、54)と、を備え、
    前記電動機の主材は、前記ファンの主材よりも透磁率と電気抵抗率との積算値が小さい材料で構成されている送風装置。
  2. 前記ファンおよび前記電動機は、少なくとも一部が前記回転軸の軸方向に直交する径方向にて重なり合っており、
    前記電動機の少なくとも一部は、前記ファンにおける前記径方向の内側に配置されている請求項1に記載の送風装置。
  3. 前記ファンは、前記回転軸の周方向に沿って間隔をあけて配置された複数枚の羽根(221、221A、231A)、および前記複数枚の羽根が連結されると共に、前記回転軸が連結された連結部(223、26)を有しており、
    前記誘導加熱コイルは、前記複数枚の羽根よりも前記連結部に近い位置に配置されており、
    前記複数枚の羽根の主材は、前記電動機の主材よりも透磁率と電気抵抗率との積算値が大きい材料で構成され、
    前記連結部の主材は、前記複数枚の羽根の主材よりも透磁率と電気抵抗率との積算値が大きい材料で構成されている請求項1または2に記載の送風装置。
  4. 前記電動機の主材は、銅合金であり、
    前記複数枚の羽根の主材は、アルミニウム合金であり、
    前記連結部の主材は、鉄鋼である請求項3に記載の送風装置。
  5. 前記ファンは、前記回転軸の周方向に沿って間隔をあけて配置された複数枚の羽根(221、221A、231A)、および前記複数枚の羽根が連結されると共に、前記回転軸が連結された連結部(223、26)を有しており、
    前記誘導加熱コイルは、前記連結部よりも前記複数枚の羽根に近い位置に配置されており、
    前記連結部の主材は、前記電動機の主材よりも透磁率と電気抵抗率との積算値が大きい材料で構成され、
    前記複数枚の羽根の主材は、前記連結部の主材よりも透磁率と電気抵抗率との積算値が大きい材料で構成されている請求項1または2に記載の送風装置。
  6. 前記電動機の主材は、銅合金であり、
    前記複数枚の羽根の主材は、鉄鋼であり、
    前記連結部の主材は、アルミニウム合金である請求項5に記載の送風装置。
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