JP2017089390A - 内燃機関の吸気装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】内燃機関の負荷変動に対する高い動作応答性を有し、かつ、吸気温度を十分に調整することが可能な内燃機関の吸気装置を提供する。【解決手段】このエンジン100に搭載される吸気装置50は、エンジン本体10(シリンダヘッド2)に取り付けられるとともにスロットル弁32が接続される吸気通路30を有する吸気マニホールド33と、吸気を圧縮する電動エアポンプ51と、電動エアポンプ51により圧縮された吸気を冷気と暖気とに分離するボルテックスチューブ52とを備える。そして、ボルテックスチューブ52から吐出される冷気または暖気のいずれかを、スロットル弁32の上流から吸気通路30に導入するように構成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関の吸気装置に関し、特に、スロットルバルブが接続される吸気通路を有する吸気装置本体を備えた内燃機関の吸気装置に関する。
従来、スロットルバルブが接続される吸気通路を有する吸気装置本体を備えた内燃機関の吸気装置などが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
上記特許文献1には、内燃機関に接続される吸気管に冷却装置が組み込まれた内燃機関の吸気温度の調整装置(内燃機関の吸気装置)が開示されている。この特許文献1に記載の内燃機関の吸気温度の調整装置では、吸気管におけるスロットルバルブの上流に冷却装置が設けられており、吸気は冷却装置により吸気温度を調整した(低下させた)状態でスロットルバルブを介して内燃機関に供給されるように構成されている。なお、冷却装置の具体例として、冷却ファンを有する空冷式(空気/空気冷却器)や冷却剤ポンプを有する水冷式(空気/水冷却器)が挙げられている。そして、制御装置により運転中の内燃機関にノッキングを起こす傾向が検出された際に、調整装置を作動させることによって吸気温度が調整されるように構成されている。
特開平11−270421号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載された内燃機関の吸気温度の調整装置では、空冷式および水冷式のいずれの冷却方式においても、吸気温度をエンジンルーム温度やエンジン冷却水温度よりも低下させることができないため、内燃機関がノッキングを起こす高負荷運転時の吸気温度を十分に調整することができないという問題点がある。また、ノッキングを起こす傾向が検出された際に調整装置が作動し始めるため、吸気温度が実際に調整されるまでにはある程度の時間遅れ(応答遅れ)が発生するという問題点がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、内燃機関の負荷変動に対する高い動作応答性を有し、かつ、吸気温度を十分に調整することが可能な内燃機関の吸気装置を提供することである。
上記目的を達成するために、この発明の一の局面における内燃機関の吸気装置は、内燃機関に取り付けられるとともにスロットルバルブが接続される吸気通路を有する吸気装置本体と、吸気を圧縮する空気圧縮源と、空気圧縮源により圧縮された吸気を冷気と暖気とに分離するボルテックスチューブと、を備え、ボルテックスチューブから吐出される冷気または暖気のいずれかを、スロットルバルブの上流から吸気通路に導入するように構成されている。
この発明の一の局面による内燃機関の吸気装置では、上記のように、ボルテックスチューブから吐出される冷気または暖気のいずれかを吸気通路に導入するように構成する。これにより、エンジンルーム内の空気やエンジン冷却水などを間接的に利用して吸気温度を調整する場合と異なり、ボルテックスチューブにより内燃機関の運転環境(エンジンルーム内の温度)に依存することなく所望の温度として得られた冷気または暖気を迅速に吸気に混合して吸気温度を直接的に調整(冷却または昇温)することができる。したがって、内燃機関の負荷変動に対して高い動作応答性を有して吸気温度を調整することができる。また、ボルテックスチューブから吐出される冷気または暖気のいずれかをスロットルバルブの上流から吸気通路に導入することによって、ボルテックスチューブからの冷気または暖気を、内燃機関の熱影響を受けやすいスロットルバルブを通過する前(上流側)の吸気に混合することができるので、吸気温度を十分に調整(冷却または昇温)することができる。これらの結果、内燃機関の負荷変動に対する高い動作応答性を有し、かつ、吸気温度を十分に調整することができる。
また、上記一の局面による内燃機関の吸気装置では、ボルテックスチューブから吐出される冷気または暖気のいずれかをスロットルバルブの上流から吸気通路に導入することによって、スロットルバルブの上流で吸気温度の調整が行われる分、最適な温度に調整された吸気を内燃機関の各気筒に分配することができる。すなわち、気筒間で吸気温度がばらつくのが抑制されるので、運転中の内燃機関における混合気の燃焼状態を良好に保つことができる。
上記一の局面による内燃機関の吸気装置において、好ましくは、内燃機関の運転状況に応じて、ボルテックスチューブから吐出される冷気または暖気のいずれかを選択的にスロットルバルブの上流に導入するように構成されている。
このように構成すれば、ボルテックスチューブから吐出される冷気または暖気を内燃機関の運転状況に応じて適切に利用して吸気温度を迅速に冷却または昇温することができる。特に、内燃機関の運転状況が急激に変化する場合においても、ボルテックスチューブにより得られる冷気または暖気を利用して最適な吸気温度を迅速に(高い動作応答性で)得ることができる。
上記内燃機関の運転状況に応じて冷気または暖気のいずれかを選択的にスロットルバルブの上流に導入する構成において、好ましくは、内燃機関が高負荷で運転される際に、ボルテックスチューブから吐出される冷気がスロットルバルブの上流から導入されて吸気通路中の吸気に混合されることにより、吸気装置本体に供給される吸気温度を低下させるように構成されている。
このように構成すれば、内燃機関が高負荷で運転される際に吸気温度を十分に低下させることができるので、ノッキングが発生する前にノッキングが発生する要因(負荷の上昇に伴う過度な圧縮混合気の温度の上昇)を取り除くことができる。この結果、内燃機関が高負荷で運転される際のノッキングの発生を未然に回避ことができる。また、ノッキングの発生が抑制されるので、内燃機関のエネルギ効率(混合気の爆発エネルギをエンジン動力に変換する効率)が向上される分、燃費(燃料消費率)を向上させることができる。
上記内燃機関の運転状況に応じて冷気または暖気のいずれかを選択的にスロットルバルブの上流に導入する構成において、好ましくは、内燃機関の始動時および内燃機関が低負荷で運転される際に、ボルテックスチューブから吐出される暖気がスロットルバルブの上流から導入されて吸気通路中の吸気に混合されることにより、吸気装置本体に供給される吸気温度を上昇させるように構成されている。
このように構成すれば、冷間始動時および冷間始動直後の暖機運転時に吸気温度を十分に昇温させることができるので、スロットルバルブの凍結を防止することができる。また、スロットルバルブの凍結防止用の温水循環回路(エンジン冷却水回路)を設ける必要がないので、エンジンブロックの構成を簡素化させることができる。また、適温まで昇温された吸気と燃料との混合を行うことができるので、燃料の霧化を促進することができる。また、内燃機関が低負荷で運転される際に、昇温されることで相対的に密度が小さくなった吸気を内燃機関に供給することができるので、同じ空気の質量流量を得るためにスロットルバルブを開き気味に制御することができる。これにより、スロットルバルブにおける前後差圧が減少して、内燃機関におけるポンピングロス(吸排気損失)を低減することができる。
上記一の局面による内燃機関の吸気装置において、好ましくは、ボルテックスチューブから吐出される冷気または暖気のいずれかを、スロットルバルブの上流で、かつ、スロットルバルブを回動可能に保持するスロットルボディの近傍から導入するように構成されている。
このように構成すれば、冷気を利用してスロットルボディ自体の温度を低下させることができるので、スロットルバルブが内燃機関側の熱を受けて加熱されるのを容易に抑制することができる。したがって、吸気温度の調整(冷却)をより容易に行うことができる。また、暖気を利用してスロットルボディ自体を昇温させることもできるので、スロットルバルブが凍結するのを容易に防止することができる。
上記一の局面による内燃機関の吸気装置において、好ましくは、空気圧縮源は、電動エアポンプを含み、内燃機関の運転状況に応じて電動エアポンプの回転数が制御されることにより圧縮空気を得るとともに、圧縮空気がボルテックスチューブに供給されてボルテックスチューブから吐出される冷気または暖気のいずれかを、スロットルバルブの上流に導入するように構成されている。
このように構成すれば、内燃機関の運転状況に対して高い応答性を有して電動エアポンプの回転数を制御することができるので、所望の温度および流量を有する冷気または暖気を迅速に得て吸気主流に混合させることができる。この結果、内燃機関の負荷変動に対する高い動作応答性を有し、かつ、吸気温度を確実に調整することが可能な吸気システムを容易に得ることができる。
上記一の局面による内燃機関の吸気装置において、好ましくは、ボルテックスチューブから吐出される冷気または暖気のいずれか一方がスロットルバルブの上流から吸気通路に導入されるとともに、冷気または暖気のいずれか他方は、内燃機関外に排出されるように構成されている。
このように構成すれば、吸気温度の調整に利用されない側の冷気または暖気を吸気系に影響を与えることなく系外に排出することができるので、低負荷運転から高負荷運転に至るまでの内燃機関の運転状態を良好に保ち続けることができる。
上記一の局面による内燃機関の吸気装置において、好ましくは、ボルテックスチューブから吐出される冷気または暖気のいずれか一方がスロットルバルブの上流から吸気通路に導入されるとともに、冷気または暖気のいずれか他方は、熱交換器を介して熱交換されることにより他の熱源として利用可能に構成されている。
このように構成すれば、吸気温度の調整に利用されない排熱(冷気または暖気)を、熱交換器を介して回収して他の熱源として再利用することができるので、空気圧縮源に投入されたエネルギを回収することができる分、内燃機関が搭載される車両(自動車)全体としてのエネルギ効率を向上させることができる。
なお、上記一の局面による内燃機関の吸気装置において、以下の構成も考えられる。
(付記項1)
すなわち、上記内燃機関の運転状況に応じて冷気または暖気のいずれかを選択的にスロットルバルブの上流に導入する内燃機関の吸気装置において、内燃機関が低負荷運転から高負荷運転に切り替わる際に、ボルテックスチューブから吐出される冷気がスロットルバルブの上流から導入されて吸気通路中の吸気に混合されることにより、吸気装置本体に供給される吸気温度を低下させるように構成されている。
(付記項2)
また、上記一の局面による内燃機関の吸気装置において、吸気通路におけるエアクリーナから分流された吸気を、空気圧縮源により圧縮するように構成されている。
(付記項3)
また、上記空気圧縮源が電動エアポンプを含む内燃機関の吸気装置において、電動エアポンプは、内燃機関の運転状況に応じて回転数が制御されるかまたは電力が供給されずに停止されるように構成されている。
(付記項4)
また、上記ボルテックスチューブから吐出される冷気または暖気のいずれか他方が他の熱源として利用可能な内燃機関の吸気装置において、熱交換器を介して熱交換される冷気または暖気は、熱交換後に吸気通路におけるエアクリーナに導入されるように構成されている。
本発明の第1実施形態によるエンジンおよび吸気装置の構成を模式的に示した図である。 本発明の第1実施形態によるエンジンの制御構成を示したブロック図である。 本発明の第1実施形態による吸気装置の動作状態を示した図である。 本発明の第1実施形態による吸気装置の動作状態を示した図である。 本発明の第2実施形態による吸気装置の構成および動作状態を示した図である。 本発明の第2実施形態による吸気装置の構成および動作状態を示した図である。 本発明の第1変形例によるエンジンおよび吸気装置の構成を模式的に示した図である。 本発明の第2変形例によるエンジンおよび吸気装置の構成を模式的に示した図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
図1〜図4を参照して、本発明の第1実施形態によるエンジン100について説明する。
(エンジンの概略構成)
本発明の第1実施形態による車両(自動車)用のエンジン100(内燃機関の一例)は、図1に示すように、エンジン本体10を備える。ガソリン機関からなるエンジン本体10は、複数の気筒(シリンダ1a)が形成されたシリンダブロック1と、シリンダブロック1の上部に締結されるシリンダヘッド2と、シリンダブロック1の下部に締結されるクランクケース3と、シリンダヘッド2に被せられたヘッドカバー2aとを含む。また、エンジン本体10には、吸気通路30と排気通路40とが接続されている。シリンダブロック1内でピストン4が往復動することにより、吸引・圧縮・膨張(燃焼)・排気の1サイクルが連続的に繰り返されてクランク軸5が回転されるように構成されている。
シリンダヘッド2には、カムシャフトの回転により周期的に開閉される吸気バルブ6および排気バルブ7と、点火プラグ8とが組み込まれている。シリンダヘッド2は、燃焼室9と、燃焼室9に吸入空気を送り込む吸気ポート11と、排気ガスが排出される排気ポート12とを有する。また、自然吸気式のエンジン100は、吸気通路30を含む吸気装置50(内燃機関の吸気装置の一例)を備える。以下に、吸気装置50の詳細な構成について説明する。
(吸気通路および排気通路の構成)
吸気通路30では、空気取入口30aから吸気ポート11に向かって、エアクリーナ31と、スロットル弁32(スロットバルブの一例)と、吸気マニホールド33(吸気装置本体の一例)とが、この順に接続されている。エアクリーナ31は、吸入空気中の塵や埃などを除去するとともに吸気騒音を低減する役割を有する。スロットル弁32は、スロットルボディ32a内に回動可能に収容されており、吸気マニホールド33への吸入空気量を制御する役割を有する。吸気マニホールド33は、サージタンクとその下流側に配置され枝分かれする吸気管群(図示せず)を含む。そして、吸気管群の下流側が吸気ポート11a(シリンダブロック1)に接続されている。また、排気通路40では、排気ポート12から空気排出口40aに向かって、燃焼室9から排出される排気ガスを集合させる排気マニホールド41と、触媒装置(触媒コンバータ)42と、マフラー43とが、この順に接続されている。
(吸気装置(吸気システム)の詳細な構成)
そして、第1実施形態では、吸気通路30に対して電動エアポンプ51(空気圧縮源の一例)とボルテックスチューブ52とが付加されて、吸気装置50が構成されている。ここで、吸気装置50の制御的な構成としては、図2に示すように、エンジン100の制御を統括するECU(制御部)80に対して、アクセル開度センサ(図示せず)からのアクセルペダルの開度情報、エンジン100の回転数情報、吸気通路30に設けられた吸気流量センサ(図示せず)からの吸入空気量の情報、燃料噴射量の情報および吸気温度センサ(図示せず)からの吸気温度の情報が入力される。ECU80は、これらの情報に基づいて所定の判断を行い、スロットル弁32の開度制御、電動エアポンプ51の駆動制御および後述する三方弁53および54の開閉制御を行うように構成されている。なお、ECU80には、ROM81およびRAM82が接続されている。ROM81には、ECU80が実行する制御プログラムや、電動エアポンプ51の運転制御内容が規定された動作テーブル85などが格納されている。また、RAM82は、制御プログラムが実行される際に用いられる制御上のパラメータや、吸気温度の検出値などが一時的に保存される。
また、図1に示すように、ボルテックスチューブ52は、電動エアポンプ51から吐出された圧縮空気が注入される入口部52aと、冷気が吐出される冷気吐出口52bと、暖気が吐出される暖気吐出口52cとを有する。そして、ボルテックスチューブ52では、入口部52aから圧縮空気が注入されることによって、圧縮された吸気を冷気と暖気とに分離するいわゆるボルテックス効果が生み出される。なお、電動エアポンプ51に吸引される吸気温度に対して冷気吐出口52bから吐出される冷気は、約20K(ケルビン)の温度差を有して低下される。また、ボルテックスチューブ52の暖気吐出口52cから吐出される暖気は、吸気温度に対して約20K(ケルビン)の温度差を有して上昇される。
また、エアクリーナ31のフィルタ31aの下流側と電動エアポンプ51の吸引口51aとが通気路61により接続されるとともに、電動エアポンプ51の吐出口51bと、ボルテックスチューブ52の入口部52aとが通気路62により接続されている。これにより、電動エアポンプ51が始動された場合、エアクリーナ31を通過した吸気の一部が電動エアポンプ51に吸入されて圧縮されるとともに、圧縮空気がボルテックスチューブ52に注入される。また、ボルテックスチューブ52の冷気吐出口52bおよび暖気吐出口52cには、それぞれ、三方弁53および三方弁54が設けられている。そして、三方弁53および54の一方出口側は、通気路63を介して吸気通路30に連通されるとともに、三方弁53および54の他方出口側は、通気路64を介して消音器55に連通されている。また、通気路64における消音器55の下流側は、大気開放されている。
これにより、第1実施形態では、ボルテックスチューブ52から吐出される冷気または暖気のいずれかがスロットル弁32の上流から吸気通路30に導入されるように構成されている。この場合、ECU80の指令に基づき、エンジン100の運転状況に応じてボルテックスチューブ52からの冷気または暖気が、選択的にスロットルボディ32aの近傍から吸気通路30に導入されるように構成されている。
たとえば、エンジン100が十分に暖機された状態で運転される際に、車両の加速操作が乗員により行われたとする。これにより、エンジン100はそれまでの低負荷運転から高負荷運転に切り替わり始める。この際、図3に示すように、アクセルペダル(図示せず)の踏み込みを検出したECU80(図2参照)の指令に基づき電動エアポンプ51が始動される。また、これと同時に、三方弁53および54によるボルテックスチューブ52の下流側の空気(冷気および暖気)の流れ方向が「第1の状態」に切り替えられる。これにより、エアクリーナ31の下流で電動エアポンプ51により圧縮された吸気(圧縮空気)がボルテックスチューブ52に注入されるとともに、冷気吐出口52bから吐出される冷気が、三方弁53および通気路63を矢印A方向に流通してスロットル弁32の上流から吸気通路30に導入される。そして、エアクリーナ31から吸気通路30を介して運ばれる吸気に、ボルテックスチューブ52からの冷気が混合されて吸気温度が低下された状態で吸気が吸気マニホールド33に供給される。一方、暖気吐出口52cから吐出される暖気は、三方弁54および通気路64を矢印B方向に流通して消音器55を介して外部(不図示のエンジンルームの下部領域など)に排出される。
また、車両の加速時に加えて、エンジン100が高負荷で運転を継続されている最中も、ボルテックスチューブ52からの冷気をスロットル弁32の上流から吸気通路30に導入して吸気温度が適切な温度になるように調整されるように構成されている。この際、電動エアポンプ51の回転数が制御されることによって、圧縮空気の圧力が調整されるとともに、吸気通路30に導入される冷気の温度が調整される。したがって、吸気マニホールド33に供給される冷却後の吸気温度が一定の温度域に保たれるように構成されている。
このように、エンジン100の負荷が増加するタイミングに合わせて電動エアポンプ51の起動とともに冷気が作られて吸気主流に混合することにより、熱的な遅れを伴うことなく吸気温度が低下される。したがって、ノッキングの発生よりも先に吸気温度が低下されるので、加速時に発生しやすいノッキングの発生が未然に抑制される。また、ノッキングの発生が抑制されるので、運転時(加速時)のドライバビリティも向上される。なお、冷気がスロットルボディ32aの近傍から吸気通路30に導入されるので、シリンダブロック1近傍の熱を受けやすいスロットルボディ32aも冷やされる。また、スロットルボディ32aが冷やされるので内部のスロットル弁32も過剰昇温されず適切な温度に保たれる。したがって、スロットル弁32を通過した吸気は確実に適切な温度に調整された状態で、吸気マニホールド33に供給されるようになる。また、スロットル弁32の手前(上流)で冷気が混合されるので、吸気マニホールド33におけるサージタンクおよび吸気管群(図示せず)を通過する過程でのミキシングも良好になる。したがって、吸気温度が個々のシリンダ1a間でばらつくことなく燃焼室9に供給されるように構成されている。
また、他の場面として、エンジン100の始動直後(冷間始動時)や暖機運転中においては、図4に示すように、この運転状態を検出したECU80(図2参照)の指令に基づき電動エアポンプ51が始動される。また、これと同時に、三方弁53および54によるボルテックスチューブ52の下流側の空気(冷気および暖気)の流れ方向が「第2の状態」に切り替えられる。これにより、エアクリーナ31の下流で電動エアポンプ51により圧縮された圧縮空気がボルテックスチューブ52に注入されるとともに、暖気吐出口52cから吐出される暖気が三方弁54および通気路63を矢印C方向に流通してスロットル弁32の上流から吸気通路30に導入される。そして、エアクリーナ31から吸気通路30を介して運ばれる吸気にボルテックスチューブ52からの暖気が混合されて吸気温度が上昇された状態で吸気が吸気マニホールド33に供給される。一方、冷気吐出口52bから吐出される冷気は、三方弁54および通気路64を矢印D方向に流通して消音器55を介して外部に排出される。このように、エンジン100の始動直後(冷間始動時)や暖機運転中においては、暖気が即座に作られて吸気主流に混合することにより吸気温度を上昇させるので、スロットル弁32の凍結が防止される。また、適温まで昇温された吸気と燃料とが混合されるので、燃料の霧化が促進されるとともに、アイドル回転数も安定する。
なお、暖機運転終了後も、走行風によりエンジンルーム内が適切な温度(過剰に熱くない状態)になっていてノッキングの発生が起きないような場合にも、ボルテックスチューブ52からの暖気を利用して吸気温度を上昇させるように構成されている。すなわち、エンジン100が低負荷で運転される際に、昇温されることで相対的に密度が小さくなった吸気がシリンダ1aに供給されるので、同じ空気の質量流量を得るためにスロットル弁32は開き気味に制御される。これにより、スロットル弁32における絞り抵抗が低減されるので、エンジン本体10におけるポンピングロス(吸排気損失)が低減される。
また、エンジン100の運転状況に応じて電動エアポンプ51の回転数が制御される一方、吸気への冷気または暖気の混合による吸気温度の調整が必要のない場合には、電動エアポンプ51には電力が供給されずに停止されるように構成されている。第1実施形態によるエンジン100に搭載される吸気装置50は、上記のように構成されている。
(第1実施形態の効果)
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第1実施形態では、上記のように、ボルテックスチューブ52から吐出される冷気または暖気のいずれかを吸気通路30に導入するように構成する。これにより、エンジンルーム内の空気やエンジン冷却水などを間接的に利用して吸気温度を調整する場合と異なり、ボルテックスチューブ52によりエンジン100の運転環境(エンジンルーム内の温度)に依存することなく所望の温度として得られた冷気または暖気を迅速に吸気に混合して吸気温度を直接的に調整(冷却または昇温)することができる。したがって、エンジン100の負荷変動に対して高い動作応答性を有して吸気温度を調整することができる。また、ボルテックスチューブ52から吐出される冷気または暖気のいずれかをスロットル弁32の上流から吸気通路30に導入することによって、ボルテックスチューブ52からの冷気または暖気を、エンジン本体10の熱影響を受けやすいスロットル弁32を通過する前(上流側)の吸気に混合することができるので、吸気温度を十分に調整(冷却または昇温)することができる。これらの結果、エンジン100の負荷変動に対する高い動作応答性を有し、かつ、吸気温度を十分に調整することができる。
また、第1実施形態では、ボルテックスチューブ52から吐出される冷気(暖気)をスロットル弁32の上流から吸気通路30に導入することによって、スロットル弁32の上流で吸気温度の調整(冷却または昇温)が行われる分、最適な温度に調整された吸気をエンジン100の各気筒(各シリンダ1a)に分配することができる。すなわち各々のシリンダ1aの間で吸気温度がばらつくのが抑制されるので、運転中のエンジン100における混合気の燃焼状態を良好に保つことができる。
また、第1実施形態では、エンジン100の運転状況に応じて、ボルテックスチューブ52から吐出される冷気または暖気のいずれかを選択的にスロットル弁32の上流に導入するように構成する。これにより、ボルテックスチューブ52から吐出される冷気または暖気をエンジン100の運転状況に応じて適切に利用して吸気温度を迅速に冷却または昇温することができる。特に、エンジン100の運転状況が急激に変化する場合においても、ボルテックスチューブ52により得られる冷気または暖気を利用して最適な吸気温度を迅速に(高い動作応答性で)得ることができる。
また、第1実施形態では、エンジン100が高負荷で運転される際に、ボルテックスチューブ52から吐出される冷気がスロットル弁32の上流から導入されて吸気通路30中の吸気に混合されることにより、吸気マニホールド33に供給される吸気温度を低下させるように構成する。これにより、エンジン100が高負荷で運転される際に吸気温度を十分に低下させることができるので、ノッキングが発生する前にノッキングが発生する要因(負荷の上昇に伴う過度な圧縮混合気の温度の上昇)を取り除くことができる。この結果、エンジン100が高負荷で運転される際のノッキングの発生を未然に回避することができる。また、ノッキングの発生が抑制されるので、エンジン100のエネルギ効率(混合気の爆発エネルギをエンジン動力に変換する効率)が向上される分、燃費(燃料消費率)を向上させることができる。
また、第1実施形態では、エンジン100の始動時およびエンジン100が低負荷で運転される際に、ボルテックスチューブ52から吐出される暖気がスロットル弁32の上流から導入されて吸気通路中の吸気に混合されることにより、吸気マニホールド33に供給される吸気温度を上昇させるように構成する。これにより、冷間始動時および冷間始動直後の暖機運転時に吸気温度を十分に昇温させることができるので、スロットル弁32の凍結を防止することができる。また、スロットル弁32の凍結防止用の温水循環回路(エンジン冷却水回路)を設ける必要がないので、エンジンブロック1の構成を簡素化させることができる。また、適温まで昇温された吸気と燃料との混合を行うことができるので、燃料の霧化を促進することができる。また、エンジン100が低負荷で運転される際に、昇温されることで相対的に密度が小さくなった吸気をシリンダ1aに供給することができるので、同じ空気質量流量を得るためにスロットル弁32を開き気味に制御することができる。これにより、スロットル弁32における前後差圧が減少して、エンジン本体10におけるポンピングロスを低減することができる。
また、第1実施形態では、ボルテックスチューブ52から吐出される冷気または暖気のいずれかを、スロットル弁32の上流で、かつ、スロットル弁32を回動可能に保持するスロットルボディ32aの近傍から導入するように構成する。これにより、冷気を利用してスロットルボディ32a自体の温度を低下させることができるので、スロットル弁32がエンジン100側の熱を受けて加熱されるのを容易に抑制することができる。したがって、吸気温度の調整(冷却)をより容易に行うことができる。また、暖気を利用してスロットルボディ32a自体を昇温させることもできるので、スロットル弁32が凍結するのを容易に防止することができる。
また、第1実施形態では、エンジン100の運転状況に応じて電動エアポンプ51の回転数を制御して圧縮空気を得るとともに、この圧縮空気がボルテックスチューブ52に供給されてボルテックスチューブ52から吐出される冷気または暖気のいずれかを、スロットル弁32の上流に導入するように構成する。これにより、エンジン100の運転状況に対して高い応答性を有して電動エアポンプ51の回転数を制御することができるので、所望の温度および流量を有する冷気または暖気を迅速に得て吸気主流に混合させることができる。この結果、エンジン100の負荷変動に対する高い動作応答性を有し、かつ、吸気温度を確実に調整することが可能な吸気装置50を容易に得ることができる。
また、第1実施形態では、ボルテックスチューブ52から吐出される冷気または暖気のいずれか一方をスロットル弁32の上流から吸気通路に導入するとともに、冷気または暖気のいずれか他方を、エンジン100外に排出するように構成する。これにより、吸気温度の調整に利用されない側の冷気または暖気を吸気系(吸気通路30)に影響を与えることなく系外に排出することができるので、低負荷運転から高負荷運転に至るまでのエンジン100の運転状態を良好に保ち続けることができる。
また、第1実施形態では、エンジン100が低負荷運転から高負荷運転に切り替わる際に、ボルテックスチューブ52から吐出される冷気をスロットル弁32の上流から導入して吸気通路30中の吸気に混合することにより、吸気マニホールド33に供給される吸気温度を低下させるように構成する。これにより、エンジン100の負荷が増加するタイミングに合わせて電動エアポンプ51の起動とともに冷気が作られて吸気主流に混合することができるので、熱的な遅れを伴うことなく吸気温度を低下させることができる。したがって、ノッキングの発生よりも先に吸気温度が低下されるので、加速時に発生しやすいノッキングの発生を未然に抑制することができる。また、ノッキングの発生が抑制されるので、運転時(加速時)のドライバビリティ(運転のしやすさ)を向上させることができる。
また、第1実施形態では、エアクリーナ31から分流された吸気を電動エアポンプ51により圧縮するように構成する。これにより、塵や埃などが除去された吸気の一部を用いて圧縮空気を得ることができるので、ボルテックスチューブ52から吐出される冷気または暖気の清浄度が保たれた状態で吸気主流への混合を行うことができる。したがって、清浄度が保たれた状態で適温になった吸気をエンジン本体10に供給することができる。
また、第1実施形態では、エンジン100の運転状況に応じて回転数が制御されるかまたは電力が供給されずに停止されるように電動エアポンプ51を構成する。これにより、吸気への冷気または暖気の混合による吸気温度の調整が必要のない場合には、電動エアポンプ51への電力供給を停止させることができるので、車両(自動車)におけるバッテリーの電力消費を抑制することができる。
[第2実施形態]
次に、図2、図5および図6を参照して、第2実施形態について説明する。この第2実施形態では、過給機20付きのエンジン200に本発明を適用した例について説明する。なお、図中において、上記第1実施形態と同様の構成には、同じ符号を付して図示する。
第2実施形態によるエンジン200(内燃機関の一例)は、図5に示すように、排気タービン駆動式の過給機(ターボチャージャ)20と、その下流側に配置されたインタクーラ35とを備える。すなわち、過給機20では、排気ガス流により回転されるタービンホイール21と、タービンシャフト23を介してタービンホイール21に接続され吸気を圧縮するコンプレッサホイール22とが、ハウジング20a内に回転可能に収容されている。
そして、吸気通路230は、エアクリーナ31と、コンプレッサホイール22と、過給機20により圧縮された吸入空気を冷却するインタクーラ35と、スロットル弁32と、吸気マニホールド33とにより構成されている。また、排気通路240は、排気マニホールド41とタービンホイール21と触媒装置42とマフラー43とによって構成されている。過給機20を有するエンジン200では、同一排気量の無過給エンジンに比べてシリンダ1aに多量の空気が供給されて充填効率が高められる分、エンジン出力が増加される。
ここで、第2実施形態では、吸気通路230に対して電動エアポンプ51およびボルテックスチューブ52が付加されて吸気装置250(内燃機関の吸気装置の一例)が構成されている。すなわち、ボルテックスチューブ52から吐出される冷気または暖気のいずれかが、スロットル弁32の上流でかつインタクーラ35の下流の部分から吸気通路230に導入されるように構成されている。
したがって、エンジン200においても、過給機20が機能を発揮する車両の加速時や高負荷で運転を継続されている最中においては、図5に示すように、ボルテックスチューブ52からの冷気をスロットル弁32の上流から吸気通路230に導入して吸気温度を低下させることにより吸気温度の最適化が図られている。また、エンジン200の始動直後(冷間始動時)や暖機運転中においては、図6に示すように、ボルテックスチューブ52からの暖気をスロットル弁32の上流から吸気通路230に導入して吸気温度を上昇させることにより吸気温度の最適化が図られている。
また、第2実施形態では、図5および図6に示すように、通気路64における消音器55の上流側に熱交換器90が設けられている。そして、ボルテックスチューブ52から吐出される冷気または暖気のいずれか一方が吸気通路230に導入されるとともに、冷気または暖気のいずれか他方は、熱交換器90を介して熱交換されることにより車両内における他の熱源として利用可能に構成されている。
たとえば、冷気が吸気通路230に導入される場合(エンジン200において吸気温度を低下させる運転条件にある場合)、不要な暖気の熱が熱交換器90を介して車両内で温熱(昇温)を必要とする構成要素または熱媒体の熱源に利用されるように構成されている。また、暖気が吸気通路230に導入される場合(エンジン200において吸気温度を昇温させる運転条件にある場合)、不要な冷気の熱が熱交換器90を介して車両内で冷熱(冷却)を必要とする構成要素または熱媒体の熱源に利用されるように構成されている。なお、熱交換器90は、車両の運転状況に応じて冷気または暖気と被利用側の熱媒体との熱交換を行わせる場合と行わなくさせる場合とがECU80(図2参照)の指令に基づいて切り替え可能に構成されている。したがって、熱交換器90を機能させない場合には、不要な暖気または冷気は熱交換されることなく消音器55を介して系外に排出される。なお、第2実施形態におけるその他の構成は上記第1実施形態と同様である。
(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第2実施形態では、上記のように、過給機20付きのエンジン200に対して吸気装置250を適用することによって、自然吸気式のエンジン100に対して瞬間的に高出力が得られるエンジン200においても、負荷変動に追従性よく(熱的な遅れを伴うことなく)吸気温度の調整を行うことができる。したがって、車両の加速時のノッキングの発生が抑制される分、運転時のドライバビリティを効果的に向上させることができる。
また、第2実施形態では、ボルテックスチューブ52から吐出される冷気または暖気のいずれか一方をスロットル弁32の上流から吸気通路230に導入するとともに、冷気または暖気のいずれか他方を、熱交換器90を介して熱交換することにより車両内の他の熱源として利用可能に構成する。これにより、吸気温度の調整に利用されない排熱(冷気または暖気)を、熱交換器90を介して回収して他の熱源として再利用することができるので、電動エアポンプ51に投入された電力エネルギを回収することができる分、エンジン200が搭載される車両全体としてのエネルギ効率を向上させることができる。なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
[変形例]
今回開示された実施形態は、全ての点で例示であり制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記第1および第2実施形態では、吸気温度の調整に利用されない側の冷気または暖気(第2実施形態においては熱交換器90を通過した後の空気)を消音器55を介して外部(エンジンルームの下部領域など)に排出したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図7に示す本発明の第1変形例のように、熱交換器90を設ける一方で消音器55を設けずに、吸気温度の調整に利用されない側の空気(冷気または暖気が熱交換器90を通過した後の空気)を、エアクリーナ31のフィルタ31aの直後のハウジング31bに戻すように吸気装置150を構成してもよい。なお、図7では、利用されない暖気を熱交換してエアクリーナ31に戻す例を示している。ハウジング31bは、消音器の役割も果たすように内部流路が構成されているので、この部分に冷気または暖気を戻すのが好ましい。なお、この変形例の構成は、上記第2実施形態における過給機20付きのエンジン200(図5参照)おける吸気装置(吸気システム)にも適用可能である。
また、図8に示す本発明の第2変形例のような構成も適用可能である。具体的には、EGRガス(排気再循環ガス)を吸気マニホールド33におけるサージタンク33aに戻すEGR通路95が設けられたエンジン180(内燃機関の一例)に対して本発明を適用してもよい。この場合、EGR通路95には、EGRクーラ96およびEGR制御弁97が設けられている。そして、低負荷運転時に暖気を吸気通路30に導入して吸気温度を上昇させる一方、吸気温度の調整に利用されない冷気をEGRクーラ96内に流通させてEGRガスの温度を低下させるように吸気装置190(内燃機関の吸気装置の一例)を構成してもよい。低負荷運転時には、スロットル弁32を開き気味に制御してポンピングロス(吸排気損失)を低減するが、EGRガスの導入先となるサージタンク33aの負圧(吸引圧)が小さくなるためEGRガスが導入しにくくなる。また、この傾向は、大量EGRが要求される低燃費エンジンで顕著となる。そこで、ボルテックスチューブ52から吐出される不要な冷気を利用してEGRガスを冷却することによりガス密度を高めることができるので、低負荷運転時のEGRガスの導入量(質量流量)を確保し、NOx(窒素酸化物)の発生を抑え、低燃費性を実現することができる。
また、上記第1および第2実施形態では、吸気温度の調整に利用されない側の冷気または暖気を、消音器55を介して外部に排出したが、本発明はこれに限られない。たとえば、消音器55通過後の空気流の圧力(正圧)を利用して、エンジン本体10(クランクケース3)の換気のための新気の導入に利用してもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、電動エアポンプ51を空気圧縮源として設けたが、本発明はこれに限られない。たとえば、エンジン100(クランク軸5)の駆動力を機械式または電磁式のクラッチ機構のオン/オフ制御により取り出してエアポンプを駆動することにより、吸気を圧縮するように構成してもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、構成上、ボルテックスチューブ52を吸気マニホールド33と別体として構成したが、本発明はこれに限られない。たとえば、電動エアポンプ51およびボルテックスチューブ52が一体化されたユニットが吸気マニホールド33に一体的に組み込まれていてもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、吸気温度の調整に利用されない側の冷気または暖気(第2実施形態においては熱交換器90を通過した後の空気)を消音器55を介して外部(エンジンルームの下部領域など)に排出したが、本発明はこれに限られない。たとえば、消音器55を設けずに、吸気温度の調整に利用されない側の冷気または暖気を、触媒装置42の下流でかつマフラー43の上流の位置から排気通路40に排出してもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、三方弁53および54を設けてボルテックスチューブ52から吐出される冷気および暖気の流通方向を選択的に切り替えたが、本発明はこれに限られない。たとえば、1回の切り替え動作でバルブ内に形成された2つの経路の外部への接続態様が第1の状態と第2の状態とに交互に切り替え可能な単一の切替弁(たとえば空調機に使用される四方弁やロータリー式の切替弁など)を用いて冷気および暖気の流路を構成してもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、ガソリン機関からなる自動車用のエンジン1の吸気装置100に本発明を適用したが、本発明はこれに限られない。すなわち、ディーゼルエンジンおよびガスエンジンなどの内燃機関に対して本発明を適用してもよい。また、設備機器の動力源として設置される内燃機関の吸気装置に本発明を適用してもよい。
20 過給機
30、230 吸気通路
31 エアクリーナ
32 スロットル弁(スロットルバルブ)
32a スロットルボディ
33 吸気マニホールド(吸気装置本体)
33a サージタンク
35 インタクーラ
40 排気通路
50、150、190、250 吸気装置(内燃機関の吸気装置)
51 電動エアポンプ(空気圧縮源)
52 ボルテックスチューブ
53、54 三方弁
61、62、63、64 通気路
80 ECU
90 熱交換器
95 EGR通路
100、180、200 エンジン(内燃機関)

Claims (8)

  1. 内燃機関に取り付けられるとともにスロットルバルブが接続される吸気通路を有する吸気装置本体と、
    吸気を圧縮する空気圧縮源と、
    前記空気圧縮源により圧縮された吸気を冷気と暖気とに分離するボルテックスチューブと、を備え、
    前記ボルテックスチューブから吐出される冷気または暖気のいずれかを、前記スロットルバルブの上流から前記吸気通路に導入するように構成されている、内燃機関の吸気装置。
  2. 前記内燃機関の運転状況に応じて、前記ボルテックスチューブから吐出される冷気または暖気のいずれかを選択的に前記スロットルバルブの上流に導入するように構成されている、請求項1に記載の内燃機関の吸気装置。
  3. 前記内燃機関が高負荷で運転される際に、前記ボルテックスチューブから吐出される冷気が前記スロットルバルブの上流から導入されて前記吸気通路中の吸気に混合されることにより、前記吸気装置本体に供給される吸気温度を低下させるように構成されている、請求項2に記載の内燃機関の吸気装置。
  4. 前記内燃機関の始動時および前記内燃機関が低負荷で運転される際に、前記ボルテックスチューブから吐出される暖気が前記スロットルバルブの上流から導入されて前記吸気通路中の吸気に混合されることにより、前記吸気装置本体に供給される吸気温度を上昇させるように構成されている、請求項2または3に記載の内燃機関の吸気装置。
  5. 前記ボルテックスチューブから吐出される冷気または暖気のいずれかを、前記スロットルバルブの上流で、かつ、前記スロットルバルブを回動可能に保持するスロットルボディの近傍から導入するように構成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の内燃機関の吸気装置。
  6. 前記空気圧縮源は、電動エアポンプを含み、
    前記内燃機関の運転状況に応じて前記電動エアポンプの回転数が制御されることにより圧縮空気を得るとともに、前記圧縮空気が前記ボルテックスチューブに供給されて前記ボルテックスチューブから吐出される冷気または暖気のいずれかを、前記スロットルバルブの上流に導入するように構成されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の内燃機関の吸気装置。
  7. 前記ボルテックスチューブから吐出される冷気または暖気のいずれか一方が前記スロットルバルブの上流から前記吸気通路に導入されるとともに、前記冷気または前記暖気のいずれか他方は、前記内燃機関外に排出されるように構成されている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の内燃機関の吸気装置。
  8. 前記ボルテックスチューブから吐出される冷気または暖気のいずれか一方が前記スロットルバルブの上流から前記吸気通路に導入されるとともに、前記冷気または前記暖気のいずれか他方は、熱交換器を介して熱交換されることにより他の熱源として利用可能に構成されている、請求項1〜7のいずれか1項に記載の内燃機関の吸気装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
RU2807850C1 (ru) * 2023-02-06 2023-11-21 Федеральное государственное казенное военное образовательное учреждение высшего образования "ВОЕННАЯ АКАДЕМИЯ МАТЕРИАЛЬНО-ТЕХНИЧЕСКОГО ОБЕСПЕЧЕНИЯ имени генерала армии А.В. Хрулева" Министерства обороны Российской Федерации Устройство терморегулирования наддувочного воздуха эжекционного типа

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RU2807850C1 (ru) * 2023-02-06 2023-11-21 Федеральное государственное казенное военное образовательное учреждение высшего образования "ВОЕННАЯ АКАДЕМИЯ МАТЕРИАЛЬНО-ТЕХНИЧЕСКОГО ОБЕСПЕЧЕНИЯ имени генерала армии А.В. Хрулева" Министерства обороны Российской Федерации Устройство терморегулирования наддувочного воздуха эжекционного типа

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