JP2017089389A - 選択触媒還元システムおよびドージングバルブ固着検知方法 - Google Patents

選択触媒還元システムおよびドージングバルブ固着検知方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2017089389A
JP2017089389A JP2015215658A JP2015215658A JP2017089389A JP 2017089389 A JP2017089389 A JP 2017089389A JP 2015215658 A JP2015215658 A JP 2015215658A JP 2015215658 A JP2015215658 A JP 2015215658A JP 2017089389 A JP2017089389 A JP 2017089389A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dosing valve
sticking
urea water
fastening
threshold
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015215658A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6638331B2 (ja
Inventor
正信 嶺澤
Masanobu Minesawa
正信 嶺澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Isuzu Motors Ltd
Original Assignee
Isuzu Motors Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Isuzu Motors Ltd filed Critical Isuzu Motors Ltd
Priority to JP2015215658A priority Critical patent/JP6638331B2/ja
Publication of JP2017089389A publication Critical patent/JP2017089389A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6638331B2 publication Critical patent/JP6638331B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/40Engine management systems

Landscapes

  • Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)
  • Exhaust Gas After Treatment (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

【課題】サプライポンプ出力の変化にかかわらず、ポンプ出力によるドージングバルブの開固着を正確に判定することができる選択触媒還元システムおよびドージングバルブ固着検知方法を提供する。
【解決手段】ドージングバルブ制御部は、排気管内のNOxセンサの検出値に基づいて設定された噴射量で尿素水を排気管内に供給するようにドージングバルブを駆動させる駆動電流を供給するとともに、駆動電流が正常動作範囲外である場合にドージングバルブに固着が発生していると判定する駆動電流制御部と、発生した固着が開固着か閉固着かの判定に使用される固着しきい値を、大気圧に基づいて設定する固着しきい値設定部と、ドージングバルブに発生した固着が開固着であるか閉固着であるかを、サプライポンプの出力と固着しきい値とを比較することにより判定する固着判定部と、を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ディーゼルエンジンの排気ガス中のNOxを、尿素水を用いて選択還元する排気ガス浄化システムにおいて、ドージングバルブの異常を検出する選択触媒還元システムおよびドージングバルブ固着検知方法に関する。
トラックやバス等の車両等に搭載されるディーゼルエンジンの排気ガス中のNOxを浄化するための排気ガス浄化システムとして、尿素水等を還元剤として用いてNOxを窒素と水に還元する選択触媒還元(SCR:Selective Catalytic Reduction)システムが開発されている。
SCRシステムは、尿素水タンクに貯留された尿素水をSCR装置上流の排気管に供給し、排気ガスの熱で尿素を加水分解してアンモニアを生成し、このアンモニアによってSCR装置内の触媒でNOxを還元するものである。尿素水は、例えば排気管に設けられたドージングバルブによって適量が供給される。
ドージングバルブへの尿素水の供給は、サプライポンプや尿素水圧力センサなどを備えたサプライモジュールによってなされる。サプライモジュールは、吸込ラインを介して尿素水タンクと接続されており、尿素水タンクから吸込ラインを通じて吸い上げた尿素水を、サプライモジュールとドージングバルブとを接続する圧送ラインを通じてドージングバルブに供給する。ドージングバルブの開閉は、DCU(ドージングコントロールユニット)により、SCR装置の上流および/または下流に設けられたNOxセンサの検出値等に応じて制御される。
特開2006−132442号公報
上述したように、ドージングバルブは、高温の排気ガスが流れる排気管に設けられる。ドージングバルブが高温となると、尿素水も高温となり、尿素水中の成分が結晶化してドージングバルブに固着してしまうことがある。具体的には、例えば結晶化した物体がドージングバルブの弁体に固着して、ドージングバルブから排気管に正常に尿素水を供給することができなくなったり、あるいは結晶化した物体がドージングバルブの弁体とシリンダとの間に挟まり、尿素水の噴射を停止できなくなったりする。本明細書では、これらの固着のうち、前者を閉固着、後者を開固着と称する。
閉固着と開固着とでは、それぞれ排気ガス浄化システムの挙動と、解消するために必要な対処とが異なるため、閉固着と開固着とを正確に判別したい、という要望があった。従来、ドージングバルブに尿素水を送るサプライポンプの出力に基づいて閉固着と開固着とを判定する方法があったが、この方法では、ドージングバルブの固着以外の理由によりサプライポンプの出力が変化することがあり、精度よく閉固着と開固着との判定を行うことができなかった。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、サプライポンプ出力の変化にかかわらず、ポンプ出力によるドージングバルブの開固着を正確に判定することができる選択触媒還元システムおよびドージングバルブ固着検知方法を提供することである。
本発明の選択触媒還元システムは、排気管内に尿素水を供給するドージングバルブと、尿素タンク内の尿素水を前記ドージングバルブに供給するサプライポンプと、前記ドージングバルブの動作を制御するドージングバルブ制御部と、を有し、前記ドージングバルブ制御部は、前記排気管内のNOxセンサの検出値に基づいて設定された噴射量で尿素水を前記排気管内に供給するように前記ドージングバルブを駆動させる駆動電流を供給するとともに、前記駆動電流が正常動作範囲外である場合に前記ドージングバルブに固着が発生していると判定する駆動電流制御部と、発生した固着が開固着か閉固着かの判定に使用される固着しきい値を、大気圧に基づいて設定する固着しきい値設定部と、前記ドージングバルブに発生した固着が開固着であるか閉固着であるかを、前記サプライポンプの出力と前記固着しきい値とを比較することにより判定する固着判定部と、を有する。
本発明のドージングバルブ固着検知方法は、排気管内に尿素水を供給するドージングバルブと、尿素タンク内の尿素水を前記ドージングバルブに供給するサプライポンプと、を有する選択触媒還元システムにおいて、前記ドージングバルブにおける固着の発生を検知するドージングバルブ固着検知方法であって、前記排気管内のNOxセンサの検出値に基づいて設定された噴射量で尿素水を前記排気管内に供給するように前記ドージングバルブを駆動させる駆動電流が正常動作範囲外であるか否かの判定を行うステップと、前記駆動電流が正常動作範囲外であると判定された場合に、前記ドージングバルブに固着が発生しているとして、前記ドージングバルブの固着が開固着であるか閉固着であるかの判定に使用される固着しきい値を、大気圧に基づいて設定するステップと、前記固着しきい値を用いて、前記ドージングバルブの固着が開固着であるか閉固着であるかを判定するステップと、を有する。
本開示によれば、サプライポンプ出力の変化にかかわらず、ポンプ出力によるドージングバルブの開固着を正確に判定することができる。
SCRシステムの構成の一例を示す図 DCUの構成の一例について説明するための図 固着しきい値と大気圧との関係の一例を示す図 SCRシステムの動作例を説明するためのフローチャート
<発明に至る経緯>
ドージングバルブは、バルブの開閉を制御する駆動電流を増減することで、DCUにより開閉制御される。ドージングバルブが固着してしまった場合には、このコイル電流が異常値を示すため、DCUはドージングバルブの駆動電流を監視することで固着の有無を検出することができる。しかし、固着の存在は検出できても、その固着が閉固着であるか、開固着であるかは、ドージングバルブの駆動電流からは分からないため、これについては別途判定する必要があった。
従来、ドージングバルブの固着が閉固着か開固着かを判定する方法として、上記駆動電流に基づいてドージングバルブの固着が判定されている状態で、サプライポンプのポンプ出力が所定のしきい値以上であった場合に、開固着であると判定する方法があった。
ところで、圧送ライン内の尿素水の圧力等により、ドージングバルブに生じた固着が自然に解消されることがある。ドージングバルブの固着が解消されれば圧送ラインの圧力は即座に所定の圧力まで下がり、サプライポンプの出力も圧送ラインの圧力に合わせて調整される。
ここで、ドージングバルブの駆動電流に基づく固着の有無の判定は、複数回の駆動時の駆動電流に基づいて行なわれるため、判定結果が出るまでに時間がかかる場合がある。このように固着判定に時間がかかる場合、実際には固着が既に解消されているにもかかわらず、ドージングバルブの駆動電流に基づき固着判定では固着と判定されるとともに、固着解消による圧送ラインの圧力低下に対応するため、サプライポンプが出力上昇される。ここで、サプライポンプの出力が所定のしきい値以上であった場合、実際には固着が解消されているにもかかわらず、開固着と判定されてしまう。
サプライポンプの出力が上昇する原因としては、例えば以下のような事態に対応する場合等がある。例えば、車両が高地に位置する場合には、低大気圧となるため尿素水内に溶け込んでいる空気が気泡として析出し、これがサプライポンプ内に入ることでポンプ効率が低下することがある。また、何かの要因で尿素水タンク中の尿素水の温度が高温になると、尿素水内に溶け込んでいる空気が気泡として析出し、これがサプライポンプ内に入ることでポンプ効率が低下する場合がある。
このようなサプライポンプの効率低下に対応するため、DCUはポンプ出力を上昇させる。しかしながら、上記開固着を判定するための所定のしきい値はポンプ出力に対するデューティ比であるため、ポンプ出力を上昇させると、開固着ではなくてもポンプ出力が上記しきい値を超えてしまい、開固着の誤検出が発生する可能性がある。
これに対応するためには、しきい値をより高いポンプ出力に設定すればよい。しかしながら、しきい値をより高い値に設定すると、ポンプ出力を上昇させていない場合に、開固着と判定できない場合が発生してしまう。
このような経緯から、本発明では、例えば大気圧の変化や尿素水温の変化等によりポンプ出力が低下し、DCUがポンプ出力を上昇する制御を行った時でも、開固着と誤判定されてしまうような事態を回避し、正確に閉固着と開固着との判定を行うことができる選択触媒還元システムを考案した。
なお、閉固着と開固着とが誤判定されてしまうと、以下のような事態が生じうる。SCR装置には通常尿素水から生成されたアンモニアが貯留されているが、開固着が検出された場合には、SCR装置に貯留されたアンモニアの貯め込み量と、実際のアンモニアの貯め込み量との乖離幅が大きくならないようにするため、尿素水が最大噴射量で噴射されていると仮定してアンモニアの貯め込み量を算出する。開固着が誤検出されると、実際には最大噴射量で噴射されていないにもかかわらず、最大噴射量で噴射されているとして貯め込み量が算出されるので、実際の貯め込み量と計算上の貯め込み量との間に大きな乖離が生じる。これにより、固着が解消された後、適正な噴射量となるまで時間がかかり、アンモニアスリップ(SCR装置の下流側にアンモニアが流出すること)のリスクが増大してしまう。このような事態を回避するために、本発明では、、正確に閉固着と開固着との判定を行うことを目的とする。
<実施の形態>
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の選択触媒還元システムに対応するSCRシステム100の構成の一例を示す図である。トラックやバス等の車両に搭載されたディーゼルエンジンの排気管10には、SCR装置11が接続されている。SCR装置11の上流側には尿素水Uを噴射するドージングバルブ12が、SCR装置11の上流側および下流側には、NOxセンサ13が設けられる。
SCR装置11は、ドージングバルブ12から噴射される尿素水が排気ガスの高温により加水分解され生成されたアンモニアを用いて、SCR装置11内の触媒によってNOxを窒素ガスと水蒸気に還元することで排気ガスを浄化する。SCR装置11上流のNOxセンサと下流のNOxセンサ13は、SCR装置11の処理後の排気ガス中のNOxを検出し、SCR装置11の下流の排ガス中のNOx値が定常となっていることをモニタし、DCU14へ計測値を送信する。なお、NOxセンサ13はSCR装置11の上流および下流に配するように説明したが、必ずしも上流側と下流側の両方に配される必要はなく、SCR装置11の上流および/または下流に配置されればよい。
NOxセンサ13の検出値はDCU(Dosing Control Unit)14に入力される。DCU14は、NOxセンサ13の検出値や後述するECM26からの出力値に応じてドージングバルブ12の開閉制御を行う。なお、DCU14は本発明のドージングバルブ制御部に対応している。
DCU14は、図示は省略するが、例えばCPUがメモリから所定のプログラムを読み出して実行することにより、以下の動作を行う。
DCU14は、NOxセンサ13からの検出値等に応じてドージングバルブ12を制御する。具体的には、DCU14は、尿素水UをSCR装置11へ尿素水を噴射する量やタイミングを算出し、サプライポンプ18を駆動させて尿素水Uを規定圧まで高め、ドージングバルブ12を開閉して算出したタイミングで算出した量の尿素水Uを噴射させる。
ドージングバルブ12から噴射される尿素水Uは、尿素水タンク15に貯留されている。ドージングバルブ12が開状態のとき、尿素水Uは、サクションライン16からサプライモジュール17のサプライポンプ18に吸引され圧送ライン20にてドージングバルブ12に圧送される。この際、フィルタ19を通して尿素水中の異物が除去される。また、余剰の尿素水Uは、フィルタ19の吐出側の圧送ライン20から戻しライン21によって尿素水タンク15内に戻される。
尿素水タンク15内には、尿素水センサ22が設けられる。尿素水センサ22は、尿素水タンク15内の尿素水Uのレベルを計測し、DCU14へ送信する。
また、DCU14には、主に燃料噴射制御を行うECM(エンジンコントロールモジュール)26と接続される。また、ECM26は、接続された大気圧センサ27から大気圧に関する情報を取得する。ECM26からDCU14へ、大気圧に関する情報や車速信号、各種入力情報、ECM26の制御情報等が送信される。そして、DCU14には、バッテリー24が接続され、電力が供給される。また、DCU14には、イグニッションキー25のON、OFF信号が入力される。なお、大気圧センサ27はECM26に接続されている必要はなく、他の構成、例えばDCU14に接続されていてもよい。
このようなSCRシステム100において、DCU14は、尿素水内の成分がドージングバルブ12に固着してしまった場合に、固着を検出するとともに、その固着が開固着であるか閉固着であるかを正確に判定する。以下では、DCU14の構成および各構成の動作について詳細に説明する。
図2は、DCU14の構成の一例について説明するための図である。図2に示すように、DCU14は、噴射量指示部141、駆動電流制御部142、ポンプ出力制御部143、固着しきい値設定部144、固着判定部145、および復帰検知部146を有する。
噴射量指示部141は、NOxセンサ13の検出値、排気管10を流れる排気ガスの流量や、排気ガスの温度等に基づいて、ドージングバルブ12によって排気管10に噴射される尿素水Uの量を指示する。排気ガスの流量や温度は、排気管10に設置された、図示しない排気ガス流量センサまたはECM26で計算される推定排気ガス流量や排気ガス温度センサによって取得される。
駆動電流制御部142は、噴射量指示部141が設定した尿素水Uの噴射量に応じて、所定の周期t0毎に時間t1だけドージングバルブ12に通電することで、ドージングバルブ12から尿素水Uを噴射させる。この時間t1は、噴射量指示部141が設定した尿素水Uの噴射量によって決定される時間である。噴射量指示部141が設定した尿素水Uの噴射量に応じた時間t1の決定方法については、本発明では特に限定しない。以下では、駆動電流制御部142がドージングバルブ12に供給する電流をドージングバルブ12の駆動電流と称する。
また、駆動電流制御部142は、ドージングバルブ12に固着が生じていた場合は、ドージングバルブ12への駆動電流の異常によりこれを検出する。異常であるか否かの判定は、駆動電流の現在値が、例えば実験的あるいは経験的に得られた駆動電流の正常動作範囲外であるか否かを検知することによって行えばよい。なお、駆動電流の正常動作範囲とは、ドージングバルブ12に固着が発生していない状態で、駆動電流制御部142がドージングバルブの開閉制御を行う際に生じる駆動電流の範囲である。
ポンプ出力制御部143は、尿素水タンク15からサクションライン16および圧送ライン20を介してドージングバルブ12まで尿素水Uを圧送するサプライポンプ18のポンプ出力を制御する。ポンプ出力制御部143は、例えば、圧送ライン20内の圧力が所定の目標値に維持されるように、例えば図示しない圧力センサにより測定される圧送ライン20内の圧力と目標値との偏差に基づいてサプライポンプ18の出力をフィードバック制御する。
固着しきい値設定部144は、後述する固着判定部145が固着の種類を判定するためのポンプ出力の固着しきい値を設定する。固着しきい値設定部144による固着しきい値の設定方法は、例えば以下のようにすればよい。
固着しきい値設定部144は、まず、固着しきい値の初期値をサプライポンプ18のポンプ出力によって設定する。固着しきい値の初期値については本発明では特に限定せず、例えば実験的あるいは経験的に設定される値であればよい。具体的には、固着しきい値の初期値は例えばポンプ出力(デューティ出力)の1%等とすればよい。
固着しきい値設定部144は、次に、大気圧に応じて、上記設定した固着しきい値の初期値を修正し、最終的な固着しきい値を決定する。大気圧に関する情報は、大気圧センサ27から取得される。固着しきい値設定部144は、大気圧が低い場合には固着しきい値が高く、大気圧が高い場合には低くなるように固着しきい値を修正する。
図3に、固着しきい値と大気圧との関係の一例を示す。図3に示すように、固着しきい値と大気圧とは線形関係にはないが、固着しきい値は、大気圧が小さいほど固着しきい値が高く、大気圧が大きいほど固着しきい値が低くなるように固着しきい値の設定を行えばよい。
なお、大気圧に応じた固着しきい値の修正量については、例えば実験的あるいは経験的に得られる値を使用すればよい。一例として、例えば尿素水内に気泡が発生する大気圧以下では固着しきい値が高くなるように設定し、それより高い大気圧では固着しきい値を初期値のままとするようにすればよい。
また、固着しきい値設定部144は、さらに尿素水タンク15内の尿素水Uの温度に応じて固着しきい値を修正するようにしてもよい。尿素水タンク15内の尿素水Uの温度は、例えば図示しない尿素水温センサ等によって検出し、尿素水温が所定の温度より高い場合には、固着しきい値が高くなるように設定すればよい。この所定の温度とは、例えば尿素水内に気泡が発生する温度である。
固着しきい値設定部144によって設定された最終的な固着しきい値は、上述したように、所定の固着しきい値の初期値を大気圧および/または尿素水の温度で修正したものである。この固着しきい値の修正は、大気圧が低い場合、あるいは尿素水温が高い場合、尿素水内に気泡が発生し、この気泡がサプライポンプ18に入り込むことによってポンプ出力が低下することを想定している。すなわち、大気圧が低い場合、あるいは尿素水温が高い場合でも、その状況に応じて固着しきい値が設定されるので、後述する固着判定部145は固着の種類を正確に判定することができるようになる。
固着判定部145は、駆動電流制御部142が固着の発生を検出した場合に、その固着の種類の判定、すなわち、開固着であるか閉固着であるかの判定を行う。固着判定部145は、現在のポンプ出力が固着しきい値設定部144が設定した固着しきい値よりも高い場合には開固着と判定し、そうでない場合は閉固着と判定する。この判定の理由は、開固着の場合には、閉固着よりもポンプ出力が増大するからである。
復帰検知部146は、駆動電流制御部142によって固着が検出された後、サプライポンプ18のポンプ出力を監視することで、ドージングバルブ12が固着から復帰した場合にその検知を行う。復帰検知部146による復帰の検知は、駆動電流制御部142によるドージングバルブ12への駆動電流の異常が解消されるとともに、サプライポンプ18のポンプ出力が所定の復帰しきい値以下である場合に、ドージングバルブ12が固着から復帰したと判定する。
この復帰しきい値は、上記した固着しきい値とは独立した値である。復帰しきい値は、例えば復帰検知部146によりサプライポンプ18のポンプ出力に応じて設定される。復帰しきい値は、SCRシステム100が正常に動作している状態におけるサプライポンプ18の値の変動範囲に基づく、実験的あるいは経験的に得られる値を使用すればよい。一例としては、復帰しきい値は、例えばサプライポンプ18の正常出力値を、大気圧センサ27から取得した大気圧および、噴射量指示部141によって設定されるドージングバルブ12の噴射量に応じて設定される。すなわち、例えば尿素水内に気泡が発生する大気圧以下ではサプライポンプ18の出力は低下するので、復帰しきい値を低く設定すればよい。あるいは、例えば噴射量指示部141によって設定されるドージングバルブ12の噴射量が小さい場合には、ポンプ出力は低下するので復帰しきい値を低く、噴射量が大きい場合には、ポンプ出力が上昇するので復帰しきい値を高く設定すればよい。
このように復帰しきい値を適切に設定することにより、復帰検知部146は、ドージングバルブ12が固着から復帰したか否かを正確に検知することができるようになる。
以上、本実施の形態に係るSCRシステム100の構成について説明した。以下では、SCRシステム100の動作例について説明する。図4は、SCRシステム100の動作例を説明するためのフローチャートである。
ステップS1において、駆動電流制御部142は、ドージングバルブ12の駆動電流が異常値であるか否かを判定する。すなわち、駆動電流の現在値が、正常動作範囲外である場合は異常、そうでない場合は正常と判定する。そして、本ステップS1において、駆動電流が異常値であると判定された場合は、ドージングバルブ12に固着が発生しているので、処理はステップS2に進み、そうでない場合は、固着は発生していないため、ステップS1の処理が繰り返される。
ステップS1において固着が発生していると判定された場合、ステップS2において、固着しきい値設定部144が固着しきい値の設定を行う。固着しきい値は、上述したように、例えばサプライポンプ18のポンプ出力や大気圧、尿素水タンク15内の尿素水Uの温度等に基づいて設定される。
ステップS3において、固着判定部145は固着の種類、すなわち開固着であるか閉固着であるか否かの判定を行う。固着判定部145は、上述したように、現在のポンプ出力が固着しきい値設定部144が設定した固着しきい値よりも高い場合には開固着と判定し、そうでない場合は閉固着と判定する。
ステップS4において、復帰検知部146は、復帰検知のための復帰しきい値を設定する。復帰しきい値は、上述したように、例えばサプライポンプ18の正常時のポンプ出力や大気圧等に基づいて設定される。
ステップS5において、復帰検知部146は、駆動電流が正常動作範囲内であるか否か、および、サプライポンプ18のポンプ出力が正常動作範囲内であるか否かを判定することで、ドージングバルブ12が固着から復帰したか否かの判定を行う。駆動電流が正常動作範囲内であるとともに、サプライポンプ18のポンプ出力が復帰しきい値より小さい場合に、復帰検知部146はドージングバルブ12が固着から復帰したと判定する。本ステップS5において、ドージングバルブ12が固着から復帰したと判定された場合、処理は終了し、そうでない場合、ステップS5が繰り返される。
以上説明したように、本発明の実施の形態に係るSCRシステム100は、排気管内に尿素水を供給するドージングバルブと、尿素タンク内の尿素水をドージングバルブに供給するサプライポンプと、ドージングバルブの動作を制御するドージングバルブ制御部と、を有し、ドージングバルブ制御部は、排気管内のNOxセンサの検出値に基づいて設定された噴射量で尿素水を排気管内に供給するようにドージングバルブを駆動させる駆動電流を供給するとともに、駆動電流が正常動作範囲外である場合にドージングバルブに固着が発生していると判定する駆動電流制御部と、発生した固着が開固着か閉固着かの判定に使用される固着しきい値を、大気圧に基づいて設定する固着しきい値設定部と、ドージングバルブに発生した固着が開固着であるか閉固着であるかを、サプライポンプの出力と固着しきい値とを比較することにより判定する固着判定部と、を有する。
このような構成により、本発明の実施の形態に係るSCRシステム100は、駆動電流によりドージングバルブ12の固着が検知された場合に、サプライポンプ18のポンプ出力と大気圧とによって設定された固着しきい値を用いて開固着か閉固着かの判定を行う。このため、大気圧が変動した場合でも、大気圧の変動に応じた固着しきい値を用いて開固着か閉固着かの判定を行うので、当該判定を正確に行うことができるようになる。
また、本発明の実施の形態に係るSCRシステム100は、駆動電流制御部によって固着が発生していると判定された後に、駆動電流制御部が供給する駆動電流が正常動作範囲内に戻るとともに、サプライポンプのポンプ出力が所定の復帰しきい値より小さい場合に、ドージングバルブの固着が解消されたと判定する復帰検知部、をさらに有し、所定の復帰しきい値は、サプライポンプの出力値、大気圧、およびNOxセンサの検出値に基づいて設定された噴射量に基づいて設定される。
このような構成により、本発明の実施の形態に係るSCRシステム100は、ドージングバルブ12が固着から復帰したか否かの判定を行うとき、そのときのポンプ出力と大気圧に応じた復帰しきい値を用いて判定を行うので、当該判定を正確に行うことができるようになる。
本発明は、排気ガス中のNOxを浄化する選択触媒還元システムに有用である。
100 SCRシステム
10 排気管
11 SCR装置
12 ドージングバルブ
13 NOxセンサ
14 DCU
141 噴射量指示部
142 駆動電流制御部
143 ポンプ出力制御部
144 固着しきい値設定部
145 固着判定部
146 復帰検知部
15 尿素水タンク
16 サクションライン
17 サプライモジュール
18 サプライポンプ
19 フィルタ
20 圧送ライン
21 戻しライン
22 尿素水センサ
24 バッテリー
25 イグニッションキー
26 ECM
27 大気圧センサ

Claims (6)

  1. 排気管内に尿素水を供給するドージングバルブと、
    尿素タンク内の尿素水を前記ドージングバルブに供給するサプライポンプと、
    前記ドージングバルブの動作を制御するドージングバルブ制御部と、
    を有し、
    前記ドージングバルブ制御部は、
    前記排気管内のNOxセンサの検出値に基づいて設定された噴射量で尿素水を前記排気管内に供給するように前記ドージングバルブを駆動させる駆動電流を供給するとともに、前記駆動電流が正常動作範囲外である場合に前記ドージングバルブに固着が発生していると判定する駆動電流制御部と、
    発生した固着が開固着か閉固着かの判定に使用される固着しきい値を、大気圧に基づいて設定する固着しきい値設定部と、
    前記ドージングバルブに発生した固着が開固着であるか閉固着であるかを、前記サプライポンプの出力と前記固着しきい値とを比較することにより判定する固着判定部と、
    を有する選択触媒還元システム。
  2. 前記固着しきい値設定部は、前記固着しきい値を、前記サプライポンプの現在のポンプ出力に基づいて設定する、
    請求項1に記載の選択触媒還元システム。
  3. 前記固着しきい値設定部は、前記固着しきい値を、前記排気管に供給される前の前記尿素水の温度に基づいて設定する、
    請求項1または2に記載の選択触媒還元システム。
  4. 前記固着判定部は、前記サプライポンプの出力が前記固着しきい値より高い場合に、開固着と判定する、
    請求項1から3のいずれか一項に記載の選択触媒還元システム。
  5. 前記駆動電流制御部によって固着が発生していると判定された後に、前記駆動電流制御部が供給する前記駆動電流が正常動作範囲内に戻るとともに、前記サプライポンプのポンプ出力が所定の復帰しきい値より小さい場合に、前記ドージングバルブの固着が解消されたと判定する復帰検知部、
    をさらに有し、
    前記所定の復帰しきい値は、前記サプライポンプの出力値、大気圧、および前記NOxセンサの検出値に基づいて設定された噴射量に基づいて設定される、
    請求項1から4のいずれか一項に記載の選択触媒還元システム。
  6. 排気管内に尿素水を供給するドージングバルブと、尿素タンク内の尿素水を前記ドージングバルブに供給するサプライポンプと、を有する選択触媒還元システムにおいて、前記ドージングバルブにおける固着の発生を検知するドージングバルブ固着検知方法であって、
    前記排気管内のNOxセンサの検出値に基づいて設定された噴射量で尿素水を前記排気管内に供給するように前記ドージングバルブを駆動させる駆動電流が正常動作範囲外であるか否かの判定を行うステップと、
    前記駆動電流が正常動作範囲外であると判定された場合に、前記ドージングバルブに固着が発生しているとして、前記ドージングバルブの固着が開固着であるか閉固着であるかの判定に使用される固着しきい値を、大気圧に基づいて設定するステップと、
    前記固着しきい値を用いて、前記ドージングバルブの固着が開固着であるか閉固着であるかを判定するステップと、
    を有するドージングバルブ固着検知方法。
JP2015215658A 2015-11-02 2015-11-02 選択触媒還元システムおよびドージングバルブ固着検知方法 Active JP6638331B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015215658A JP6638331B2 (ja) 2015-11-02 2015-11-02 選択触媒還元システムおよびドージングバルブ固着検知方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015215658A JP6638331B2 (ja) 2015-11-02 2015-11-02 選択触媒還元システムおよびドージングバルブ固着検知方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017089389A true JP2017089389A (ja) 2017-05-25
JP6638331B2 JP6638331B2 (ja) 2020-01-29

Family

ID=58767432

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015215658A Active JP6638331B2 (ja) 2015-11-02 2015-11-02 選択触媒還元システムおよびドージングバルブ固着検知方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6638331B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020139426A (ja) * 2019-02-27 2020-09-03 ボッシュ株式会社 還元剤供給装置及びその制御方法
CN114810298A (zh) * 2021-01-18 2022-07-29 长城汽车股份有限公司 尿素喷嘴故障检测方法、装置、存储介质及车辆

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020139426A (ja) * 2019-02-27 2020-09-03 ボッシュ株式会社 還元剤供給装置及びその制御方法
CN114810298A (zh) * 2021-01-18 2022-07-29 长城汽车股份有限公司 尿素喷嘴故障检测方法、装置、存储介质及车辆
CN114810298B (zh) * 2021-01-18 2023-10-27 长城汽车股份有限公司 尿素喷嘴故障检测方法、装置、存储介质及车辆

Also Published As

Publication number Publication date
JP6638331B2 (ja) 2020-01-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9605574B2 (en) Urea water pipe clogging detection device for urea selective catalytic reduction
JP4874364B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
US8061331B2 (en) Fuel injector for internal combustion engine
KR101438630B1 (ko) 선택적 촉매 환원(scr) 시스템의 우레아 분사 노즐의 막힘 방지 방법
US8133444B2 (en) Exhaust gas purification system for internal combustion engine
EP2942502B1 (en) Urea water consumption diagnostic device for urea scr
JP5678475B2 (ja) Scrシステム
US20110099983A1 (en) Reducing agent injection valve abnormality detection device and abnormality detection method, and internal combustion engine exhaust gas purification system
KR101758582B1 (ko) Scr 배기 가스 후-처리 시스템에서 온도 센서를 체크하는 방법
JP4666018B2 (ja) 内燃機関の排気浄化装置
JP4706627B2 (ja) エンジンの排気浄化装置
JPWO2012090555A1 (ja) 還元剤供給装置の異常診断装置及び還元剤供給装置
US20120126989A1 (en) Method for diagnosing a fault of an scr system
US20160109420A1 (en) Failure determination device for emission control apparatus of internal combustion engine
JP5906637B2 (ja) 異物除去方法及び選択還元触媒システム
US10450922B2 (en) Urea water injection system and method for preventing crystallization in urea water injection device
JP2010106671A (ja) エンジンの排気浄化装置
US10844768B2 (en) Abnormality determination device
JP2011149366A (ja) 還元剤噴射弁の詰まり診断装置及び詰まり診断方法並びに内燃機関の排気浄化装置
JP6638331B2 (ja) 選択触媒還元システムおよびドージングバルブ固着検知方法
KR101490947B1 (ko) 환원제 분사시스템의 리크 감지방법
WO2018047554A1 (ja) 制御装置
JP6926852B2 (ja) 電子制御装置
CN109209587B (zh) 用于校准scr系统中的压力传感器的方法
JP2008223770A (ja) 還元剤経路の詰まり判定装置及び還元剤経路の詰まり判定方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181029

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20190612

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190716

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190717

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190913

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20191024

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20191126

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20191209

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6638331

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150