JP2017089204A - 振動打撃式軽量地盤調査機及び振動打撃式地盤調査方法 - Google Patents

振動打撃式軽量地盤調査機及び振動打撃式地盤調査方法 Download PDF

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Abstract

【課題】送電鉄塔等の基礎の支持地盤相当の硬さを調査可能であると共に、人肩で運搬可能な重量まで軽量化された振動打撃式軽量地盤調査機及び振動打撃式地盤調査方法を提供する。【解決手段】振動打撃式軽量地盤調査機10は、真直棒状又は真直筒状に形成された貫入ロッド12と、貫入ロッド12の先端部に装着され、調査地盤に貫入される先端コーン14と、貫入ロッド12の頭部に装着されたノッキングヘッド16と、機械動力を生じさせる機械動力発生部24と、ノッキングヘッド16に装着されると共にこれをその上方から一定の推力でかつ一定の振動数で振動打撃する振動打撃部26と、機械動力発生部で発生した動力を振動打撃部26に伝達する動力伝達部28と、を含んで構成されていると共に、持ち運び可能とされた振動打撃装置18と、貫入ロッド12の貫入速度を測定して記録する貫入速度自動記録装置(ワイヤエンコーダ20、データロガー22)とを備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、振動打撃式軽量地盤調査機及び振動打撃式地盤調査方法に関する。
従来、山岳地に基礎構造物を建設するための地盤調査、例えば山の急斜面に送電鉄塔を建設するための地盤調査では、ボーリング機材や作業足場用の資材等を何らかの運搬手段で調査場所まで搬入し、地盤の硬さを判定するN値を求めるための標準貫入試験や室内力学試験を行うための試料採取等を伴うボーリング調査が行われている。
また、建設地によっては、既に土中にコンクリート製の基礎や杭が埋設されていて、新たな基礎の設計施工の障害となることもあるが、これら埋設物の有無の調査は重機または人力により試掘することにより行われている。
なお、先行技術としては、下記特許文献1〜3等に開示された技術がある。
ところで、山の急斜面に送電鉄塔を建設するような場合、調査地点(原位置)まで標準貫入試験装置及びその付帯設備等を運搬している。具体的には、車両で地盤調査に用いる資機材を運搬可能な位置まで運搬し、この地点から調査地点まで仮設モノレールを敷設し、この仮設モノレールを用いてこれらの資機材を調査地点まで運搬している。
特開2013−224516号公報 特開2003−74045号公報 特開平11−200355号公報
しかしながら、上記資機材の総重量は約1〔t〕にも及ぶため、山岳地の斜面への送電鉄塔の建設において、従来のように地盤調査を行うことは、非常に大掛かりな設備の設置と重量物の運搬を強いられることとなる。このため、作業日程の長期化、重労働化、高コスト化を招き、送電鉄塔の4脚全ての位置での地盤調査が困難であるという大きな課題があった。
この点に鑑み、送電鉄塔の未調査の脚位置でのボーリング調査を補完する軽量で簡易な地盤調査機の開発が検討されており、一例として、簡易動的コーン貫入試験機が挙げられる。この地盤調査機を用いた試験では、先端コーンを備えた貫入ロッドにガイドロッドを装着し、このガイドロッド沿いに5〔kg〕の錘を人力で持ち上げ、50〔cm〕の高さから落下させて一定深度貫入させるための打撃回数をN値に変換して換算N値を求めている。この地盤調査機を用いれば、標高差のある急斜面であっても人肩により資材を運搬することが可能である。しかしながら、この地盤調査機は、送電鉄塔の支持地盤相当の地盤を調査可能であること、という要求性能を満たすことができない。そして、上記要求性能を満たし、かつ標高差のある急斜面を人肩により資材を運搬できる地盤調査機は、上に挙げた地盤調査機を含めて今まで存在していない。
本発明は上記事実を考慮し、送電鉄塔等の基礎の支持地盤相当の硬さを調査可能であると共に、人肩で運搬可能な重量まで軽量化された振動打撃式軽量地盤調査機及びそれを実現可能とする振動打撃式地盤調査方法を得ることが目的である。
請求項1に記載の本発明に係る振動打撃式軽量地盤調査機は、真直棒状又は真直筒状に形成された貫入ロッドと、前記貫入ロッドの先端部に装着され、調査地盤に貫入される先端コーンと、前記貫入ロッドの頭部に装着されたノッキングヘッドと、機械動力を生じさせる機械動力発生部と、前記ノッキングヘッドに装着されると共に当該ノッキングヘッドをその上方から一定の推力でかつ一定の振動数で振動打撃する振動打撃部と、当該機械動力発生部で発生した動力を当該振動打撃部に伝達する動力伝達部と、を含んで構成されていると共に、持ち運び可能とされた振動打撃手段と、前記貫入ロッドの貫入速度を測定して記録する貫入速度自動記録手段とを有している。
請求項1に記載の本発明によれば、貫入ロッドの先端部には先端コーンが装着され、貫入ロッドの頭部にはノッキングヘッドが装着される。さらに、振動打撃手段の振動打撃部がノッキングヘッドに装着される。この状態で、機械動力発生部が作動することにより、機械動力が発生する。発生した機械動力は動力伝達部によって振動打撃部に伝達される。これにより、振動打撃部によって、ノッキングヘッドが一定の推力でかつ一定の振動数で振動打撃される。その結果、貫入ロッドが調査地盤中に貫入され、そのときの貫入ロッドの貫入速度が貫入速度自動記録手段によって測定されて記録される。
このように本発明では、従来の軽量地盤調査機である簡易動的コーン貫入試験機のように人力でノッキングヘッドを打撃してその打撃回数で換算N値を求めるのではなく、機械動力発生部で機械動力を発生させてノッキングヘッドを振動打撃する。このため、人力でノッキングヘッドを打撃する場合に比べて、より強力にノッキングヘッドを打撃することができ、その分、比較的硬い地盤でもその硬軟を調査することが可能になる。
また、振動打撃式軽量地盤調査機は基本的には軽量の構成要素で構成されているものの、それらの中において振動打撃手段を構成する機械動力発生部は比較的重いため、この重力を一定の推力として転用することが可能となる。このため、貫入ロッドを調査地盤に貫入させるための最低限の推力を確保しつつ、振動打撃式軽量地盤調査機を人肩で運搬可能な重量まで総重量を下げることが可能になる。
請求項2に記載の本発明に係る振動打撃式軽量地盤調査機は、請求項1に記載の発明において、前記振動打撃手段において前記貫入ロッドを挟んで前記機械動力発生部と反対側には、当該機械動力発生部と略同等の重量を有するカウンターウエイトが配置されている。
請求項2に記載の本発明によれば、振動打撃手段において機械動力発生部と反対側に機械動力発生部と略同等の重量を有するカウンターウエイトが配置されるため、貫入ロッドを中心にしたときの重量バランスがよくなる。このため、貫入ロッドが調査地盤中に貫入される際に、貫入ロッドの貫入方向が曲がり難くなり、孔曲がりが生じ難くなる。また、推力には機械動力発生部に作用する重力が利用されるため、カウンターウエイトを配置することで、より大きな推力が得られる。
請求項3に記載の本発明に係る振動打撃式軽量地盤調査機は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記機械動力発生部及び前記動力伝達部の少なくとも一方には、前記振動打撃部の振動打撃方向と前記貫入ロッドの軸線方向とが一致するように前記貫入ロッドを保持する保持部を備えたロッドガイドが設けられている。
請求項3に記載の本発明によれば、機械動力発生部及び動力伝達部の少なくとも一方にロッドガイドが設けられており、貫入ロッドを調査地盤中に貫入させる際には、ロッドガイドが備えている保持部に貫入ロッドが保持される。これにより、振動打撃部の振動打撃方向と貫入ロッドの軸線方向とが一致するように保たれる。このため、貫入ロッドが傾いて調査地盤中に貫入されることがなくなる。
請求項4に記載の本発明に係る振動打撃式軽量地盤調査機は、請求項3に記載の発明において、前記ロッドガイドは、前記機械動力発生部に設けられていると共に、当該機械動力発生部を地表面に横置きにしたときに下端部が当該地表面に着地して当該機械動力発生部を当該地表面から浮かせた状態で支えるスタンド部を備えている。
請求項4に記載の本発明によれば、ロッドガイドが機械動力発生部に設けられており、スタンド部を備えている。このため、機械動力発生部を地表に横にして置くときには、スタンド部の下端部を地表面に着地させて機械動力発生部を当該地表面から浮かせた状態で支えることができる。このため、貫入ロッドを継ぎ足すとき等、機械動力発生部を地表面に置く必要が生じたときには、スタンド部を使うことで、機械動力発生部を地表面に置くときの向きや地表面が傾斜している等の状態に気を遣うことなく、機械動力発生部を地表面に置くことができる。また、スタンド部が保持部と一緒にロッドガイドに設けられているため、スタンド部と保持部とを別個独立に設ける場合に比し、部品点数の削減を図ることができる。
請求項5に記載の本発明に係る振動打撃式軽量地盤調査機は、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の発明において、前記先端コーンの最大外径部の外径D1は、前記貫入ロッドの外径D2よりも大きく設定されており、前記貫入ロッドよりも短く、かつ内径φ1が前記先端コーンの最大外径部の外径D1より大きく設定された真直パイプ状のスタンドパイプと、当該スタンドパイプの上端部に取外し可能に装着されると共に略筒状に形成され、当該スタンドパイプ内へ挿入される筒状部の外径D3が前記スタンドパイプの内径φ1より小さくかつ内径φ2が前記貫入ロッドの外径D2より大きく設定されたスペーサと、を更に備えている。
請求項5に記載の本発明によれば、調査地点に到着後、調査を始めるためには、調査地盤中にスタンドパイプをセットし、貫入ロッドをスタンドパイプに挿入させるが、その際の作業は以下の要領で行われる。
まず、貫入ロッドの先端部に先端コーンが装着される。なお、先端コーンの最大外径部の外径D1が貫入ロッドの外径D2よりも大きく設定されているため、貫入ロッドを調査地盤中に振動打撃によって貫入させる際に、貫入ロッドに調査地盤との周面摩擦抵抗は生じない。このため、先端コーンが調査地盤から受ける先端抵抗と上記周面摩擦抵抗の総和よりも大きい振動打撃力をノッキングヘッドに与えれば、貫入ロッドは基本的には調査地盤に貫入されることになる。
次に、調査地点の地表面にスタンドパイプが垂直に立設される。次いで、スタンドパイプ内へ貫入ロッドが挿入される。このとき、先端コーンの最大外径部の外径D1は、スタンドパイプの内径φ1よりも小さく設定されているため、貫入ロッドの先端部に先端コーンを装着させた状態で、スタンドパイプ内へ貫入ロッドを挿入させることができる。
しかし、このままでは、貫入ロッドがふらつかないように貫入ロッドをガイドするというスタンドパイプの本来的な機能の一つが充分に発揮されない。そこで次に、スタンドパイプの上端部に略筒状に形成されたスペーサが装着される。このスペーサの筒状部の外径D3はスタンドパイプの内径φ1より小さくかつ筒状部の内径φ2が貫入ロッドの外径D2よりも大きく設定されているため、スタンドパイプ内に貫入ロッドを挿入させた後でも、スタンドパイプの上端部にスペーサを装着することができる。これにより、スタンドパイプに本来の機能を発揮させることが可能となる。その後、貫入パイプの頭部にノッキングヘッドが装着される。
このように本発明では、調査地盤中にスタンドパイプがセットされることで、貫入ロッドが貫入されて形成された調査地盤の孔の内側にその孔口から当該孔口の周辺の土砂が落ちるのを抑制することができる。また、スタンドパイプの上端部に装着されたスペーサによって、貫入ロッドの位置を常に当該貫入ロッドの軸線と当該貫入ロッドが貫入される孔の軸線とが一致するようにガイドすることができる。
請求項6に記載の本発明に係る振動打撃式地盤調査方法は、機械動力により駆動する振動打撃部によって、先端部に先端コーンが装着された貫入ロッドの頭部に装着されたノッキングヘッドをその上方から一定の推力でかつ一定の振動数で振動打撃し、前記貫入ロッドの貫入速度を測定し、前記貫入ロッドの貫入速度の測定結果に基づいて調査地盤の硬軟を判定している。
請求項6に記載の本発明によれば、貫入ロッドの頭部に装着されたノッキングヘッドが、その上方から一定の推力でかつ一定の振動数で、機械動力により駆動する振動打撃部によって振動打撃される。そして、貫入ロッドの先端部には、先端コーンが装着されており、ノッキングヘッドが振動打撃部で振動打撃されることで、先端コーンが調査地盤に貫入する。このため、送電鉄塔等の基礎の支持地盤相当の硬さの地盤まで貫入ロッドは、貫入されていく。また、標準貫入試験に用いられる地盤調査機が重量物であるハンマーを自由落下させて貫入ロッドに一度に大きな力積を与えるのに対し、本発明では、ある程度の重量がある振動打撃部による一定の高い振動数の振動打撃により小さな力積が連続して積み重ねられ、貫入ロッドに大きな力積が与えられる。
ところで、貫入ロッドは、一定の推力でかつ一定の振動数で振動打撃されるため、調査地盤の硬度に応じて、当該貫入ロッドの貫入速度は異なったものとなる。具体的には、調査地盤が軟らかい場合には、貫入ロッドの貫入速度が大きくなり、当該調査地盤が硬い場合には、当該貫入ロッドの貫入速度が小さくなる。
ここで、本発明では、貫入ロッドの貫入速度が測定される。そして、上述したように、貫入ロッドの貫入速度は調査地盤の硬度に依存するため、当該貫入速度の測定結果に基づいて調査地盤の硬軟を判定することができる。
請求項7に記載の本発明に係る振動打撃式地盤調査方法は、請求項6に記載の発明において、前記貫入ロッドの一定時間毎の貫入深度の測定結果から当該貫入ロッドの所定の深度における第1貫入速度を演算し、予め評価した前記貫入ロッドが所定の地盤に貫入されたときの第2貫入速度と当該所定の地盤の既知のN値との相関関係及び前記第1貫入速度から、前記所定の深度における前記調査地盤のN値を演算することで、当該調査地盤の硬軟を連続的に判定している。
請求項7に記載の本発明によれば、貫入ロッドの一定時間毎の貫入深度の測定結果から当該貫入ロッドの所定の深度における第1貫入速度を演算する。そして、予め評価した、貫入ロッドが所定の地盤に貫入されたときの第2貫入速度と当該所定の地盤の既知のN値との相関関係及び第1貫入速度から、所定の深度における調査地盤のN値が演算される。その結果、演算により求められた換算N値によって調査地盤の連続的な硬軟が判定される。
ところで、標準貫入試験では、調査地盤の硬軟を1〔m〕の試験区間のうち30〔cm〕の区間の平均硬さとして評価するため、この試験区間の残りの70〔cm〕の区間の調査地盤の硬さを判定することができない。つまり、上記試験区間内に構造物に影響を与える薄い滑り面や小空洞があっても、これらの存在を判定することは不可能である。これに対し、本発明では連続的かつ所定区間毎に換算N値が得られるため、構造物の安定に影響を与える地滑り面や小断層の有無の判定が可能である。
請求項8に記載の本発明に係る振動打撃式地盤調査方法は、一定の振動数で一定の推力を付与可能な振動打撃部によって貫入ロッドを調査地盤に貫入させる貫入工程と、前記貫入ロッドの貫入量に応じた信号を記録装置に出力可能な測定部で当該貫入ロッドの前記調査地盤への一定時間毎の貫入深度を測定する測定工程と、前記測定部から前記信号が前記記録装置に出力されて当該記録装置に前記一定時間毎の貫入深度が記録される記録工程と、計算部で前記記録装置に記録された前記一定時間毎の貫入深度から前記貫入ロッドの所定の深度における第1貫入速度を求める計算工程と、記憶部に記憶された所定の地盤における既知のN値と前記貫入ロッドが前記振動打撃部で当該所定の地盤に貫入されたときの第2貫入速度との予め求められた関係及び前記第1貫入速度に基づき、判定部で前記調査地盤の一定区間毎に連続的に硬軟を判定する判定工程とを有している。
請求項8に記載の本発明によれば、貫入工程では、貫入ロッドが振動打撃部によって一定の推力でかつ一定の振動数で調査地盤に打ち込まれる。測定工程では、測定部で貫入ロッドの調査地盤への一定時間毎の貫入深度が測定されて、当該貫入ロッドの貫入量に応じた信号が記録装置に出力される。つまり、貫入工程と測定工程とは同時に行われる。記録工程では、測定部から信号が記録装置に出力されて当該記録装置に一定時間毎の貫入深度が記録される。計算工程では、計算部で記録装置に記録された一定時間毎の貫入深度から貫入ロッドの所定の深度における第1貫入速度が求められる。判定工程では、記憶部に記憶された所定の地盤における既知のN値と貫入ロッドが振動打撃部で当該所定の地盤に貫入されたときの第2貫入速度との予め求められた関係及び第1貫入速度に基づき、判定部で調査地盤の硬軟が一定区間毎に連続的に判定される。
このように本発明によれば、従来の重量物を用いて地盤を調査する方式の地盤調査方法に比し、地盤調査機の小型化及び軽量化が図られ、当該地盤調査機の持ち運びが容易になる。しかも、送電鉄塔等の基礎の支持地盤相当の硬さを有するか否かを第1貫入速度の換算式による換算N値によって具体的に判定することができる。
以上説明したように、請求項1に記載の本発明に係る振動打撃式軽量地盤調査機は、送電鉄塔等の基礎の支持地盤相当の硬さを調査可能であると共に、人肩で運搬可能な重量まで軽量化することができるという優れた効果を有する。
請求項2に記載の本発明に係る振動打撃式軽量地盤調査機は、孔曲がりによる測定精度の低下を抑制し、かつ作業時間を短縮することができるという優れた効果を有する。
請求項3に記載の本発明に係る振動打撃式軽量地盤調査機は、測定精度を向上させることができるという優れた効果を有する。
請求項4に記載の本発明に係る振動打撃式軽量地盤調査機は、作業性を向上させることができると共に、機械動力発生部を錆による腐食から保護してその耐久性を向上させることができ、更に部品点数の削減により構造の簡素化、軽量化を図ることができるという優れた効果を有する。
請求項5に記載の本発明に係る振動打撃式軽量地盤調査機は、孔口の孔壁保護、孔曲がりの防止及び貫入ロッドのふらつきの抑制をすることができるという優れた効果を有する。
請求項6記載の本発明に係る振動打撃式地盤調査方法は、人肩で運搬可能な重量まで軽量化された地盤調査機で送電鉄塔等の基礎の支持地盤相当の硬さの調査地盤を調査することができるという優れた効果を有する。
請求項7記載の本発明に係る振動打撃式地盤調査方法は、調査地盤の所定の深度におけるN値及び構造物の安定に影響を与える地滑り面や小断層の有無を連続したデータで評価し、当該調査地盤が送電鉄塔等の基礎の支持地盤として適切であるか否かを判定することができるという優れた効果を有する。
請求項8記載の本発明に係る振動打撃式地盤調査方法は、人肩で運搬可能な重量まで軽量化された地盤調査機で送電鉄塔等の基礎の支持地盤相当の硬さの調査地盤を調査することが可能になるという優れた効果を有する。
本実施形態に係る振動打撃式軽量地盤調査機の概略構成を示す全体構成図である。 図1に示される振動打撃式軽量地盤調査機を用いて実際に地盤調査するときの様子を説明するための説明図である。 図1に示される機械動力発生部とガイドロッドを示す図1の3−3線に沿った平断面である。 図1に示される振動打撃部の内部構造を概略的に示す縦断面図である。 図1に示される貫入ロッド及びスタンドパイプを示す縦断面図である。である。 本実施形態に係る振動打撃式軽量地盤調査システムの概略構成を示すブロック図である。 本実施形態に係る振動打撃式軽量地盤調査システムの制御装置で行われる処理の一例を示すフローチャートである。 砂質土におけるN値と貫入速度Uとの関係を縦軸をN値とし横軸を貫入速度U〔mm/S〕として示したグラフである。
図1〜図8を用いて、本実施形態に係る振動打撃式軽量地盤調査機10及び振動打撃式地盤調査方法について説明する。
図1に示されるように、本実施形態に係る振動打撃式軽量地盤調査機10は、貫入ロッド12と、先端コーン14と、ノッキングヘッド16と、「振動打撃手段」としての振動打撃装置18と、「貫入速度自動記録手段」としてのワイヤエンコーダ20及びデータロガー22と、を含んで構成されている。以下、概ねこの順に説明していくが、ワイヤエンコーダ20及びデータロガー22については、後述する振動打撃式軽量地盤調査システム90の説明の中で説明することにする。
貫入ロッド12は、真直棒状(円柱状)又は真直筒状(円筒状)に形成されている。各貫入ロッド12の長さは後述するように所定の長さに設定されており、当該貫入ロッド12を複数本継ぎ足して使用するようになっている。
貫入ロッド12の先端部には、先端コーン14が装着されている。図5に示されるように、先端コーン14は、円錐台形状に形成された上部14Aと、円錐形状に形成された下部14Bとが一体化されている。さらに、上部14Aからは外周面に雄ねじが形成された円柱状の挿入部が一体に形成されている。貫入ロッド12の先端部の内周面には図示しない雌ねじが形成されており、先端コーン14の挿入部を貫入ロッド12の先端部内へ螺入させることにより、先端コーン14が貫入ロッド12の先端部に装着されるようになっている。
また、図4に示されるように、貫入ロッド12の頭部には、ノッキングヘッド16が装着されている。ノッキングヘッド16は、貫入ロッド12よりも大径(上部外径が40〔mm〕)とされた略円柱状に形成されており、先端部に向かうにすれて縮径されている。ノッキングヘッド16の先端部には、外周面に雄ねじが形成された図示しない円筒状の挿入部が一体に形成されている。貫入ロッド12の頭部の内周面には図示しない雌ねじが一体に形成されており、ノッキングヘッド16の挿入部を貫入ロッド12の頭部内へ螺入させることにより、ノッキングヘッド16が貫入ロッド12の頭部に装着されるようになっている。
図1に戻り、振動打撃装置18は、機械動力を生じさせる機械動力発生部24と、ノッキングヘッド16に装着されると共にノッキングヘッド16をその上方から一定の推力でかつ一定の振動数で振動打撃する振動打撃部26と、機械動力発生部24で発生した動力を振動打撃部26に伝達する動力伝達部28と、を含んで構成されている。
機械動力発生部24は、小型エンジンにより駆動するユニットとされており、図3に示されるように、本体部30と、この本体部30の側方に配置されてガソリンが貯留される樹脂製の燃料タンク32と、を備えている。本体部30の図示しない出力軸には出力側傘歯車が設けられている。
振動打撃部26は、図4に示されるように、略直方体形状の本体部34と、この本体部34の下面から下方へ延出された略円筒状のガイドパイプ36と、を含んで構成されている。
本体部34は、側面視で円形に形成された空洞の収容部38が形成された金属製のケース40を備えている。ケース40の収容部38内には、直交する一方の径方向の両端部が面取りされかつ他方の径方向の両端部が円弧状に形成された金属製の回転部材42が収容されている。回転部材42の他方の径方向の両端部の外周面と収容部38の内周面との間には、所定の隙間44が形成されている。さらに、回転部材42の他方の径方向の両端部の片側には、側面視でU字状に形成された空洞のローラ収容部46が形成されている。このローラ収容部46内には、外径がローラ収容部46の開口幅よりも僅かに小さく設定されたローラ48が収容されている。
また、ケース40の下部中央には、収容部38と連通された所定径寸法のガイド孔50が形成されている。このガイド孔50内には、振動打撃部に相当するアンビル52の一部が上下動可能に収容されている。アンビル52は、側面視で逆T字状に形成されており、円柱形状の本体部52Aと、この本体部52Aの下端部に一体に形成されかつ本体部52Aよりも大径とされた打撃部52Bと、によって構成されている。本体部52Aの外径はガイド孔50の内径より僅かに小さく設定されている。アンビル52の本体部52Aの上部がガイド孔50内に収容されており、他の部分は上述したガイドパイプ36内に配置されている。さらに、アンビル52の打撃部52Bは、前述したノッキングヘッド16の上端面に当接されている。なお、アンビル52は、図示しない付勢手段によって回転部材42側へ付勢されており、回転部材42の回転により遠心力が付与されたローラ48により打撃されて振動するようになっている。
上記構成の回転部材42の軸芯部には、図示しない回転軸が立設されている。この回転軸の先端部には図示しない入力側傘歯車が設けられている。
図1に戻り、動力伝達部28は、側面視で逆L字状に形成されており、縦管部28Aと横管部28Bとを含んで構成されている。縦管部28A内には、軸方向両端部に傘歯車が設けられた図示しない第1駆動力伝達シャフトが収容されている。同様に、横管部28Bには、軸方向両端部に傘歯車が設けられた図示しない第2駆動力伝達シャフトが収容されている。第1駆動力伝達シャフトの下端部に設けられた傘歯車は、前述した振動打撃部26の出力側傘歯車と噛み合っている。また、第1駆動力伝達シャフトの上端部に設けられた傘歯車は、第2駆動力伝達シャフトの外端部に設けられた傘歯車と噛み合っている。さらに、第2駆動力伝達シャフトの内端部に設けられた傘歯車は、上述したケース40内に収容された入力側傘歯車と噛み合っている。これにより、機械動力発生部24で発生した回転力が動力伝達部28を介して振動打撃部26に伝達され、回転部材42を所定の回転速度で回転するようになっている。なお、縦管部28Aは、図示しない樹脂製のカバーで覆われており、振動打撃装置18を作動させるときは、当該縦管部28Aを把持するようになっている。
なお、機械動力発生部24で発生した駆動力(回転力)を動力伝達部28を介して振動打撃部26へ伝達するための駆動力伝達機構の構成は、上記構成に限らず、他の構成を用いてもよい。例えば、プーリーとベルトを使った駆動力伝達機構を採用してもよい。また、本実施形態の機械動力発生部24は、一例として、ノッキングヘッド16を1分間に6000回打撃する能力を備えている。
上述した振動打撃装置18において、貫入ロッド12を挟んで機械動力発生部24と反対側には、機械動力発生部24と略同等の重量(一例として、5〔kg〕)を有するカウンターウエイト54が配置されている。具体的には、振動打撃部26のケース40には、動力伝達部28の横管部28Bと反対側にカウンタービーム56が張り出されている。カウンタービーム56は横管部28Bの延長線上に配置されている。また、カウンタービーム56の先端部には、カウンターウエイト54がワイヤ58で着脱可能に吊り下げられている。なお、図1の2点鎖線部分に示されるように、カウンタービーム56は機械動力発生部24の上方側に取り付けられると共に、動力伝達部28の横管部28Bと反対側に張り出される構成としてもよい。また、カウンタービーム56をこのような構成とする場合には、カウンタービーム56の先端部にカウンターウエイト54が直接的に取り付けられる。
上述した振動打撃装置18の機械動力発生部24には、ロッドガイド60が一体的に設けられている。図3に示されるように、ロッドガイド60は、当該ロッドガイド60の機械動力発生部24への取り付けに用いられる一対のベース部60A、貫入ロッド12の保持に用いられる単一の保持部60B及びスタンド部60Cを含んで構成されている。
一対のベース部60Aは、動力伝達部28における頂部にボルト62でそれぞれ固定されている。また、スタンド部60Cは、鋼製の板材を平面視でM字状に屈曲させることにより構成されている。さらに、スタンド部60Cの中間部には、先端が縦管部28Aに向かって凸となるV字状の屈曲部60C1が一体に形成されている。また、スタンド部60Cは、平面視で、屈曲部60C1と縦管部28Aとの間に燃料タンク32が配置されないようにかつ屈曲部60C1、縦管部28A及び燃料タンク32の給油口に取り付けられた給油キャップ64がこの順に並ぶように配置されている。換言すれば、スタンド部60Cは、その屈曲部60C1が縦管部28Aを挟んで給油キャップ64の反対側となるように配置されている。但し、スタンド部60Cと燃料タンク32(給油キャップ64を含む)の配置関係は、上記配置に限らない。また、スタンド部60Cは、縦管部28Aの軸方向に見て、その屈曲部60C1が設けられた部分が、機械動力発生部24よりも縦管部28Aの径方向外側に張り出した状態となっている。
上述したスタンド部60Cにおける屈曲部60C1の外側には、保持部60Bが一体的に設けられている。保持部60Bは、円環状に形成された金属製の部材で構成されている。また、保持部60Bの軸線は、動力伝達部28における縦管部28Aの軸線に対して平行に配置されている。より詳しくは、保持部60Bは、その内径が貫入ロッド12の外径D2よりも僅かに大きく設定されており、当該貫入ロッド12を挿通可能に構成されている。また、振動打撃部26による貫入ロッド12への振動打撃方向は、縦管部28Aの軸方向に設定されているため、貫入ロッド12が保持部60Bに挿通された状態では、振動打撃部26の振動打撃方向と貫入ロッド12の軸線方向とが一致することになる。
また、詳しくは後述するが、本実施形態では、図5に示されるように、調査を始めるにあたって調査地盤G中にスタンドパイプ66をセットする。そして、貫入ロッド12は、スペーサ68を装着された状態で、スタンドパイプ66に挿入されるようになっている。
スタンドパイプ66は、真直パイプ状(丸パイプ状)に形成されており、その長さが貫入ロッド12よりも短く設定されると共に、その内径φ1が先端コーン14の最大外径部の外径D1より大きく設定されている。
一方、スペーサ68は、略筒状に形成されており、筒状部68Aと当該筒状部68Aに一体に設けられた鍔部68Bとを含んで構成されている。詳しくは、筒状部68Aの外径D3は、スタンドパイプ66の内径φ1より小さく設定されている。また、筒状部68Aの内径φ2は貫入ロッド12の外径D2より大きく設定されており、スタンドパイプ66内に挿入可能とされている。
一方、鍔部68Bは、筒状部68Aの上端部の外周に沿って形成されており、その外径D5は、スタンドパイプ66の外径D4と同程度とされている。従って、スペーサ68をスタンドパイプ66に挿入しても、スタンドパイプ66の上端部にスペーサ68の鍔部68Bが引っ掛かり、スペーサ68が脱落しないようになっている。
次に、図6を用いて、本実施形態に係る振動打撃式軽量地盤調査システム90の全体構成の一例について説明する。振動打撃式軽量地盤調査システム90は、上述した振動打撃式軽量地盤調査機10のワイヤエンコーダ20及びデータロガー22の他、パーソナルコンピュータ94(以下、「パソコン94」と称する)を備えている。
ワイヤエンコーダ20は、図1に示されるように、ワイヤ20Aとエンコーダ部20Bとを含んで構成されている。ワイヤ20Aの一端部は、振動打撃式軽量地盤調査機10のカウンタービーム56に係止されている。また、ワイヤ20Aの他端部は、エンコーダ部20Bに連結されている。そして、貫入ロッド12の貫入量、即ち貫入ロッド12の深度に応じてエンコーダ部20Bからワイヤ20Aが引き戻されると共に、当該深度に応じてエンコーダ部20Bから信号が出力されるようになっている。そして、エンコーダ部20Bから出力された信号は、ワイヤエンコーダ20に接続されたデータロガー22に送られるようになっている。なお、ワイヤエンコーダ20及びデータロガー22には、図示しないバッテリー等から電力が供給されている。なお、カウンタービーム56を図1の2点鎖線のように構成する場合には、ワイヤ20Aの一端部は動力伝達部28の横管部28Bに係止される。
一方、データロガー22は、ワイヤエンコーダ20から送られた信号を記録可能な構成とされており、貫入ロッド12の所定時間毎における深度を表示したり、当該所定時間毎における深度をワイヤエンコーダ20に接続されたパソコン94等に出力することが可能となっている。つまり、データロガー22は、記録されたワイヤエンコーダ20の信号から貫入ロッド12の所定時間毎の貫入深度を測定可能な構成とされており、計算部の一部としても機能している。なお、本実施形態では、一定時間、具体的には0.5秒毎に貫入ロッド12が貫入された貫入深度DLを測定している。
パソコン94は、データロガー22と共に計算部を構成しかつ後述する第1貫入速度としての貫入速度V〔mm/S〕を計算するCPU104と、記憶部としてのハードディスク106とを含んで構成されている。ハードディスク106には、砂質土や真砂土等の地盤に貫入ロッド12を振動打撃式軽量地盤調査機10で貫入させたときの第2貫入速度としての貫入速度U〔mm/S〕と当該地盤のN値との関係が記憶されている。具体例を示すと、図8のグラフに示されるように、縦軸を砂質土で構成された地盤のN値とすると共に、横軸を当該地盤に貫入ロッド12を貫入させたときの貫入速度Uとして複数プロットし、最尤推定法等の手法を用いて得られたグラフがハードディスク106に記憶されている。なお、記憶部としては適宜サーバー等も用いることが可能である。
そして、CPU104では、貫入ロッド12の所定時間毎の深度DLから当該貫入ロッド12の所定の深度Lにおける貫入速度Vが求められるようになっている。詳しくは、上述したようにデータロガー22には、0.5秒毎における貫入ロッド12の貫入深度DLが記録されているため、当該貫入深度DLの和が貫入ロッド12の深度Lとなる。そして、深度Lの所定の区間において貫入深度DLを0.5秒で除することで、当該所定の区間における貫入速度Vが近似的に求められる。なお、データロガー22に記録された貫入深度DLが1秒毎のものであれば、貫入深度DLはそのまま貫入ロッド12の秒速となる。また、貫入深度DLの測定間隔が短いときには、この貫入深度DLは、貫入ロッド12の加速度とみなすこともできる。さらに、上述したデータロガー22が、ワイヤエンコーダ20から送られた信号の記録と出力の機能のみを備えている場合には、当該信号と振動打撃式軽量地盤調査機10の振動打撃の周期を基に、CPU104で、所定時間毎における貫入ロッド12の深度並びに貫入速度を求めることも可能である。この場合には、CPU104のみが計算部として機能することとなる。
また、CPU104では、上記のように求めた貫入速度Vと調査地盤Gと同じ土壌で構成された地盤における既知のN値と貫入速度Uとの関係を示す上記グラフを用いて、貫入速度Vから調査地盤GのN値を求めることが可能となっている。詳しくは、図8のグラフのN値と貫入速度Uとの関係式に貫入速度Vを代入して調査地盤GのN値が求められる。つまり、図8のグラフのN値と貫入速度Uとの関係式は、貫入速度Vから調査地盤GのN値を求めるための換算式とみなすことができる。そして、CPU104では、調査地盤Gを構成する土壌の種類に応じた貫入速度UとN値が既知な地盤のN値との関係と貫入速度Vに基づき、当該調査地盤Gの換算N値を連続的に求め、当該調査地盤Gの硬軟を連続的に判定するようになっている。つまり、CPU104は、判定部としても機能している。なお、調査地盤Gの換算N値を精度良く求めるには、調査地盤Gの各地層がどのような土壌で構成されているかを予め調査しておくことが有効であり、そのためには、調査地盤Gの基準となる地点での標準貫入試験が行われることが好ましい。従って、本実施形態では、標準貫入試験から得られた調査地盤Gの地層の構成もハードディスク106に記憶されている。
(本実施形態の作用及び効果)
次に、本実施形態の作用並びに効果を説明する。まず、本実施形態に係る振動打撃式軽量地盤調査機10を用いた地盤調査の作業手順の概要し、その説明を通して本実施形態に係る振動打撃式軽量地盤調査機10の作用及び効果について説明する。その後、本実施形態に係る振動打撃式地盤調査方法の作用及び効果を改めて説明することにする。
<振動打撃式軽量地盤調査機を用いた地盤調査の作業手順の概要>
まず、振動打撃式軽量地盤調査機10を山岳地等の調査地点まで人肩にて運び込む。次いで、図2(A)に示されるように、測定地点にスタンドパイプ66を地表面GLに対して垂直に貫入させる。これと並行して、貫入ロッド12が組み立てられる。具体的には、貫入ロッド12の先端部に先端コーン14が装着される。この状態で、貫入ロッド12が先端コーン14からスタンドパイプ66内へ挿入される。貫入ロッド12の挿入後、スタンドパイプ66の上端部にスペーサ68が嵌合される。その後、振動打撃装置18のロッドガイド60の保持部60Bを貫入ロッド12に挿入させて、貫入ロッド12の頭部にノッキングヘッド16が装着される。
次に、振動打撃装置18がノッキングヘッド16に装着される。具体的には、振動打撃装置18の振動打撃部26がノッキングヘッド16の上端部に装着される。次いで、振動打撃部26のケース40から張出したカウンタービーム56の先端部に、カウンターウエイト54を吊り下げるためのワイヤ58の端部を係止させる。これにより、貫入ロッド12の半径方向の一方側には機械動力発生部24が配置され、貫入ロッド12の半径方向の他方側には機械動力発生部24と略同等の重量を有するカウンターウエイト54が配置される。振動打撃装置18の装着後、カウンタービーム56の長手方向中間部にワイヤエンコーダ20のワイヤ20Aの先端部を係止させると共に、ワイヤエンコーダ20とデータロガー22とを接続して測定結果が記録される状態にする。
上記準備が整ったら、図2(B)に示されるように、機械動力発生部24を駆動させる。機械動力発生部24を駆動させると、その駆動力が動力伝達部28を介して振動打撃部26に伝達される。これにより、ケース40内の回転部材42が収容部38内を回転し、ローラ48がアンビル52の本体部52Aを通過する際にアンビル52はローラ48によって1回打撃される。アンビル52は、打撃されると付勢力に抗して下方へ移動し、ノッキングヘッド16を下方へ押し下げる。この動作の繰返しにより、振動打撃装置18は、ノッキングヘッド16を一定の推力でかつ一定の振動数(6000回/分程度)で振動打撃する。
なお、貫入試験は、貫入ロッド12の地表高さ1〔m〕から開始され、50〔cm〕貫入した時点で一旦停止される。停止後、カウンターウエイト54を含めた振動打撃装置18が、ノッキングヘッド16から取外される。次いで、ノッキングヘッド16が貫入ロッド12から取り外され、新たな貫入ロッド12が継ぎ足される。その後、ノッキングヘッド16が再び貫入ロッド12の頭部に装着され、振動打撃装置18が再びノッキングヘッド16にセットされる。そして、次の50〔cm〕分の貫入試験が開始される。
上述した貫入試験の試験結果となる測定値(即ち、貫入ロッド12の0.5秒毎の貫入深度DL)は、データロガー22に自動的に記録される。
このように本実施形態では、従来の軽量地盤調査機である簡易動的コーン貫入試験機のように人力でノッキングヘッドを打撃してその打撃回数で換算N値を求めるのではなく、機械動力発生部24で機械動力を発生させてノッキングヘッド16を振動打撃する。このため、人力でノッキングヘッド16を打撃する場合に比べて、より強力にノッキングヘッド16を打撃することができ、その分、比較的硬い地盤でもその硬軟を調査することが可能になる。
また、振動打撃式軽量地盤調査機10は基本的には軽量の構成要素で構成されているものの、それらの中において振動打撃装置18を構成する機械動力発生部24は比較的重いため、この重力を一定の推力として転用することが可能となる。
さらに、本実施形態では、標準貫入試験のように重量物であるハンマーを自由落下させて貫入ロッドに一度に大きな力積を与える試験とは異なり、振動打撃部26による一定の振動数の振動打撃で小さな力積が連続して積み重ねられ、貫入ロッド12に大きな力積が与えられる。具体的には、標準貫入試験に用いられるハンマーと比べて小型で軽量なローラ48に回転部材42の高速回転(6000回転/分程度)で遠心力が付与されると共に、当該ローラ48にアンビル52が打撃されて振動することで貫入ロッド12に大きな力積が与えられる。
このため、本実施形態では、貫入ロッド12を調査地盤Gに貫入させるための最低限の推力を確保しつつ、振動打撃式軽量地盤調査機10を人肩で運搬可能な重量まで総重量を下げることが可能になる。
因みに、表1には、従来の地盤調査機と本実施形態に係る振動打撃式軽量地盤調査機10との貫入方法や機械重量、性能等が比較して示されている。この表を使って従来の地盤調査機を用いた場合と本実施形態に係る振動打撃式軽量地盤調査機10を用いた場合とを比較してみると、以下の2点を読み取ることができる。
・第1に、動力が人力のものでは、要求性能を満たさない。送電鉄塔の基礎の支持地盤相当の硬さを判定するには、N値30少なくともN値25を測定可能であることが要求されるが、例えば、簡易動的コーン貫入試験やオランダ式貫入試験では、最大N値は10で足りない。動的回転式サウンディングでも、最大N値は20であり、要求性能を満たさない。これに対し、本実施形態に係る振動打撃式軽量地盤調査機10の最大N値は30である。また、本実施形態に係る振動打撃式軽量地盤調査機10の最大深度は、少なくとも10〔m〕程度は確認されており、送電鉄塔の基礎の支持地盤の調査に要求される性能を備えているといえる。
なお、標準貫入試験によって地盤調査を行う場合には、調査地盤のN値が50程度であっても対応可能であり、最大深度もボーリングによって送電鉄塔等の基礎の支持地盤に到達可能な深度とすることができるため、要求性能は満たすが、当該地盤調査に用いられる機材の総重量は1〔t〕にも及ぶ。このため、既に説明したように、標準貫入試験装置及びその付帯設備等を運搬するには、車両で運搬可能な位置から調査地点まで仮設モノレール等を敷設することが必要になる等、非常に大掛かりな設備の設置と重量物の運搬を強いられ、作業日程の長期化、重労働化、高コスト化といった課題を招く。
・第2に、動力がエンジンである地盤調査機は機械重量が重く、人肩で当該地盤調査機を運搬するのは不可能である。例えば、表1中、最も軽量な小型エンジンを使用しているのは小型動的貫入試験機であるが、機械重量は150〔kg〕あり、人肩で持ち運びすることは不可能である。これに対し、本実施形態に係る振動打撃式軽量地盤調査機10の機械重量は30〔kg〕程度であるので、人肩で運搬することが可能である。
因みに、ミニラムサウンディングは、要求性能を満足しつつ軽量なものとして開発されてきたが、機材の総重量が290[kg]あるため、標高差のある急斜面を人肩で運搬できるところまでの軽量化には至らなかった。
以上の説明から分かるように、本実施形態に係る振動打撃式軽量地盤調査機10は、送電鉄塔等の基礎の支持地盤相当の硬さを調査可能であると共に、人肩で運搬可能な重量まで軽量化することができる。
また、本実施形態では、振動打撃装置18において機械動力発生部24と反対側に機械動力発生部24と略同等の重量を有するカウンターウエイト54が配置されるため、貫入ロッド12を中心にしたときの重量バランスがよくなる。このため、貫入ロッド12が調査地盤Gに貫入される際に、貫入ロッド12の貫入方向が曲がり難くなり、孔曲がりが生じ難くなる。また、推力には機械動力発生部24に作用する重力が利用されるため、カウンターウエイト54を配置することで、より大きな推力が得られる。その結果、本実施形態によれば、孔曲がりによる測定精度の低下を抑制し、かつ作業時間を短縮することができる。
さらに、本実施形態では、機械動力発生部24にロッドガイド60が設けられており、貫入ロッド12を調査地盤G中に貫入させる際には、ロッドガイド60が備えている保持部60Bに貫入ロッド12が保持される。これにより、振動打撃部26の振動打撃方向と貫入ロッド12の軸線方向とが一致するように保たれる。このため、貫入ロッド12が傾いて調査地盤G中に貫入されることがなくなる。その結果、本実施形態によれば、測定精度を向上させることができる。
また、本実施形態では、ロッドガイド60が機械動力発生部24に設けられているだけでなく、ロッドガイド60がスタンド部60Cを備えている。このため、機械動力発生部24を地表面GLに横にして置くときには、スタンド部60Cの下端部を地表面GLに着地させて機械動力発生部24を当該地表面GLから浮かせた状態で支えることができる。このため、貫入ロッド12を継ぎ足すとき等、機械動力発生部24を地表面GLに置く必要が生じたときには、スタンド部60Cを使うことで、機械動力発生部24を地表面GLに置くときの向きや地表面GLが傾斜している等の状態に気を遣うことなく、機械動力発生部24を地表面GLに置くことができる。その結果、本実施形態によれば、作業性を向上させることができると共に、機械動力発生部24を錆による腐食から保護してその耐久性を向上させることができる。また、スタンド部60Cが保持部60Bと一緒にロッドガイド60に一体に設けられているため、スタンド部60Cと保持部60Bとを別個独立に設ける場合に比し、部品点数の削減を図ることができる。このため、振動打撃式軽量地盤調査機10の構造の簡素化、軽量化を図ることができる。
さらに、本実施形態では、貫入ロッド12、先端コーン14、スタンドパイプ66及びスペーサ68の径寸法に一定の大小関係を持たせたので、以下の作用及び効果が得られる。即ち、先端コーン14の最大外径部14Cの外径D1が貫入ロッド12の外径D2よりも大きく設定されているため、貫入ロッド12を調査地盤G中に振動打撃によって貫入させる際に、貫入ロッド12に調査地盤Gとの周面摩擦抵抗は生じない。このため、先端コーン14が調査地盤Gから受ける先端抵抗と上記周面摩擦抵抗の総和よりも大きい振動打撃力をノッキングヘッド16に与えれば、貫入ロッド12は基本的には貫入されることになる。また、先端コーン14の最大外径部14Cの外径D1は、スタンドパイプ66の内径φ1よりも小さく設定されているため、貫入ロッド12の先端部に先端コーン14を装着させた状態で、スタンドパイプ66内へ貫入ロッド12を挿入させることができる。
しかし、このままでは、貫入ロッド12がふらつかないように貫入ロッド12をガイドするというスタンドパイプ66の本来的な機能の一つが充分に発揮されない。そこで次に、スタンドパイプ66の上端部に略筒状に形成されたスペーサ68が装着される。このスペーサ68の筒状部68Aの外径D3はスタンドパイプ66の内径φ1より小さくかつ筒状部68Aの内径φ2が貫入ロッド12の外径D2よりも大きく設定されているため、スタンドパイプ66内に貫入ロッド12を挿入させた後でも、スタンドパイプ66の上端部にスペーサ68を装着することができる。これにより、スタンドパイプ66に本来の機能を発揮させることが可能となる。なお、最後にノッキングヘッド16が貫入ロッド12の頭部に装着される。
このため、本実施形態では、調査地盤G中にスタンドパイプ66がセットされることで、貫入ロッド12が貫入されて形成された調査地盤Gの孔の内側にその孔口から当該孔口の周辺の土砂が落ちるのを抑制することができる。また、スタンドパイプ66の上端部に装着されたスペーサ68によって、貫入ロッド12の位置を常に当該貫入ロッド12の軸線と当該貫入ロッドが貫入される孔の軸線とが一致するようにガイドすることができる。したがって、本実施形態によれば、孔口の孔壁保護、孔曲がりの防止及び貫入ロッド12のふらつきの抑制をすることができる。
ところで、貫入ロッド12は、上述したように、一定の推力でかつ一定の振動数で振動打撃されるため、調査地盤Gの硬度に応じて、当該貫入ロッド12の貫入速度Vは異なったものとなる。具体的には、調査地盤Gが軟らかい場合には、貫入ロッド12の貫入速度がV大きくなり、当該調査地盤Gが硬い場合には、当該貫入ロッド12の貫入速度Vが小さくなる。
ここで、本実施形態では、上述したように貫入ロッド12の貫入速度Vを測定可能な構成となっている。そして、貫入ロッド12の貫入速度Vは調査地盤Gの硬度に依存するため、当該貫入速度Vの測定結果に基づいて調査地盤Gの硬軟を判定することが可能である。以下に示される本実施形態に係る振動打撃式地盤調査方法は、この考え方に基づくものである。
<振動打撃式地盤調査方法>
以下、図7に示されるフローチャートを用いて、本実施形態に係る振動打撃式地盤調査方法、即ち振動打撃式軽量地盤調査システム90による地盤調査手順の一例を示す。なお、振動打撃式軽量地盤調査システム90は、図7に示されるフローチャートに限らず他の手順により行われてもよい。
この調査フローが開始されると、まず、貫入工程S110で、貫入ロッド12が振動打撃装置18の振動打撃部26によって一定の推力でかつ一定の振動数で調査地盤Gに打ち込まれる。
また、貫入工程S110と同時に測定工程S112が行われる。この測定工程S112では、ワイヤエンコーダ20で貫入ロッド12の調査地盤Gへの一定時間毎(例えば0、5秒毎)の貫入深度DLが測定される。
次に、記録工程S114では、ワイヤエンコーダ20から信号がデータロガー22に出力されて当該データロガー22に一定時間毎の貫入深度DLが記録される。
次に、計算工程S116では、パソコン94のCPU104でデータロガー22に記録された一定時間毎の貫入深度DLから貫入ロッド12の所定の深度Lにおける貫入速度Vが求められる。
次に、判定工程S118では、ハードディスク106に記憶された調査地盤Gと同種の土壌で構成された地盤における地盤の既知のN値と貫入速度Uとの関係を示すグラフ(図8参照)及び貫入速度Vに基づき、パソコン94のCPU104で調査地盤Gの硬軟が判定される。なお、上述したように、ハードディスク106には、調査地盤Gの地層の構成が記憶されており、データロガー22には、貫入ロッド12の深度Lも測定されているため、貫入ロッド12がどの深度でどの種類の土壌に貫入されているかも把握することができる。また、本実施形態では、0.5秒毎の貫入深度DLが測定されるため、連続的に貫入速度Vの速度変化を求めることができる。このため、本実施形態では、調査地盤Gの硬軟を貫入速度Vから換算した換算N値によって具体的にかつ連続的に判定することができる。
なお、計算工程S116及び判定工程S118は、データロガー22に記録された貫入深度DLのデータをパソコン94に送って表計算ソフトで処理することが可能である他、専用のプログラムを用いて処理する等種々の方法を採り得る。
そして、終了判定工程S120では、調査地盤Gの調査を終了するか否かが判定される。具体的には、調査地盤Gの調査の続行が必要でかつ貫入ロッド12の貫入が可能な場合は、調査地盤Gの調査が続行される。一方、調査地盤Gの調査の続行が不要な場合又は貫入ロッド12が貫入不能となった場合には、上記調査フローは終了する。
つまり、本実施形態に係る振動打撃式地盤調査方法では、貫入ロッド12の貫入深度DLの測定結果から当該貫入ロッド12の所定の深度Lにおける貫入速度Vが演算される。そして、予め評価した貫入ロッド12が所定の地盤に貫入されたときの貫入速度Uと当該所定の地盤の既知のN値との相関関係(図8のグラフ)及び貫入速度Vから、所定の深度Lにおける調査地盤Gの換算N値が演算される。その結果、演算により求められた換算N値によって調査地盤Gの連続的な硬軟が判定される。
ところで、標準貫入試験では、調査地盤の硬軟を1〔m〕の試験区間のうち30〔cm〕の区間の平均硬さとして評価するため、この試験区間の残りの70〔cm〕の区間の調査地盤の硬さを判定することができない。つまり、上記試験区間内に構造物に影響を与える薄い滑り面や小空洞があっても、これらの存在を判定することは不可能である。これに対し、本実施形態では、所定の深度Lを所定区間、即ち上記試験区間よりも短い任意の短区間で区切り、連続的かつ所定区間毎(短区間毎)に換算N値が得られるため、構造物の安定に影響を与える地滑り面や小断層の有無の判定が可能である。したがって、本実施形態によれば、調査地盤Gの所定の深度LにおけるN値及び構造物の安定に影響を与える地滑り面や小断層の有無を連続したデータで評価し、調査地盤Gが送電鉄塔等の基礎の支持地盤として適切であるか否かを判定することができる。
なお、判定工程S118では、貫入速度Vの代わりに、調査地盤Gに貫入ロッド12が貫入速度Vで所定の深度Lまで貫入されるまでの貫入時間Tを用いることもできる。具体的には、図8に示されるグラフの横軸を貫入ロッド12が試験地盤に振動打撃式軽量地盤調査機10で所定の深度Lまで貫入されるまでにかかった貫入時間Sとしたものを用意する。そして、このグラフと貫入時間Tに基づき、パソコン94のCPU104で当該貫入時間Tから調査地盤Gの換算N値を求めて当該調査地盤Gの硬軟を判定する。
〔上記実施形態の補足説明〕
上述した本実施形態では、調査地盤が送電鉄塔等の基礎の支持地盤として適切であるか否かを判定するために本発明に係る振動打撃式地盤調査機及び振動打撃式地盤調査方法を用いたが、これに限らず、既設の基礎の有無や寸法を把握するための地盤探査機等として利用することも可能である。
また、上述した本実施形態では、ハードディスク106に記憶されたデータ、貫入ロッド12の貫入速度又は貫入時間を基に調査地盤Gの換算N値を求めて調査地盤Gの硬軟を判定していた。つまり、地盤のN値という絶対的な指標で調査地盤Gの硬軟を判定していたが、これに限らない。
どういうことかというと、ハードディスク106に記憶された地盤のN値に関するデータが無くとも、調査地盤Gの深度に応じた相対的な硬軟を求めることは可能である。詳しくは、ワイヤエンコーダ20及びデータロガー22では、貫入ロッド12の所定時間毎の深度が測定可能であるため、ワイヤエンコーダ20及びデータロガー22を用いれば、貫入ロッド12の各深度における貫入速度Vを測ることで、調査地盤Gの深度に応じた相対的な硬軟を求めることができる。また、調査地盤G中に既設のコンクリート製の基礎や杭が埋設されている場合には、当該基礎や杭の埋設されている深度における貫入ロッド12の貫入速度が著しく小さくなる。このため、埋設された既設のコンクリート製の基礎や杭の有無や寸法を把握することが可能である。
さらに、上述した本実施形態では、カウンターウエイト54を備えていたが、これに限らず、カウンターウエイト54を省略してもよい。また、カウンターウエイト54の構成も上述のものに限らず、振動打撃式軽量地盤調査機10の作動による機械動力発生部24側で発生するモーメントを相殺(キャンセル)できるものであればよい。一例として、カウンターウエイト54に代えて、所定の容量を有する容器に現地で採集された土砂を入れたものを用いてもよい。
加えて、上述した本実施形態では、機械動力発生部24にロッドガイド60を一体的に設けたが、これに限らず、動力伝達部にロッドガイドを設けてもよいし、機械動力発生部と動力伝達部の両方にロッドガイド60を設けてもよい。さらに、ロッドガイド60を省略してもよい。
また、上述した本実施形態では、CPU104で調査地盤Gの硬軟まで判定されていたが、これに限らない。つまり、「調査地盤Gの硬軟の判定」には、例えば、データロガー98やパソコン94のディスプレイ等に貫入ロッド12の貫入速度V等の測定結果を表示して、作業者が調査地盤Gの硬軟を判定可能な状態にすることも含まれる。
10 振動打撃式軽量地盤調査機
12 貫入ロッド
14 先端コーン
16 ノッキングヘッド
18 振動打撃装置(振動打撃手段)
20 ワイヤエンコーダ(貫入速度自動記録装置、測定部)
22 データロガー(貫入速度自動記録装置、記録装置、計算部)
24 機械動力発生部
26 振動打撃部
28 動力伝達部
54 カウンターウエイト
60 ロッドガイド
60B 保持部
60C スタンド部
66 スタンドパイプ
68 スペーサ
68A 筒状部
104 CPU(計算部、判定部)
106 ハードディスク(記憶部)
110 貫入工程
112 測定工程
114 記録工程
116 計算工程
118 判定工程
G 調査地盤
GL 地表面

Claims (8)

  1. 真直棒状又は真直筒状に形成された貫入ロッドと、
    前記貫入ロッドの先端部に装着され、調査地盤に貫入される先端コーンと、
    前記貫入ロッドの頭部に装着されたノッキングヘッドと、
    機械動力を生じさせる機械動力発生部と、前記ノッキングヘッドに装着されると共に当該ノッキングヘッドをその上方から一定の推力でかつ一定の振動数で振動打撃する振動打撃部と、当該機械動力発生部で発生した動力を当該振動打撃部に伝達する動力伝達部と、を含んで構成されていると共に、持ち運び可能とされた振動打撃手段と、
    前記貫入ロッドの貫入速度を測定して記録する貫入速度自動記録手段と、
    を有する振動打撃式軽量地盤調査機。
  2. 前記振動打撃手段において前記貫入ロッドを挟んで前記機械動力発生部と反対側には、当該機械動力発生部と略同等の重量を有するカウンターウエイトが配置されている、
    請求項1に記載の振動打撃式軽量地盤調査機。
  3. 前記機械動力発生部及び前記動力伝達部の少なくとも一方には、前記振動打撃部の振動打撃方向と前記貫入ロッドの軸線方向とが一致するように前記貫入ロッドを保持する保持部を備えたロッドガイドが設けられている、
    請求項1又は請求項2に記載の振動打撃式軽量地盤調査機。
  4. 前記ロッドガイドは、前記機械動力発生部に設けられていると共に、当該機械動力発生部を地表面に横置きにしたときに下端部が当該地表面に着地して当該機械動力発生部を当該地表面から浮かせた状態で支えるスタンド部を備えている、
    請求項3に記載の振動打撃式軽量地盤調査機。
  5. 前記先端コーンの最大外径部の外径D1は、前記貫入ロッドの外径D2よりも大きく設定されており、
    前記貫入ロッドよりも短く、かつ内径φ1が前記先端コーンの最大外径部の外径D1より大きく設定された真直パイプ状のスタンドパイプと、
    当該スタンドパイプの上端部に取外し可能に装着されると共に略筒状に形成され、当該スタンドパイプ内へ挿入される筒状部の外径D3が前記スタンドパイプの内径φ1より小さくかつ内径φ2が前記貫入ロッドの外径D2より大きく設定されたスペーサと、
    を更に備えている、
    請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の振動打撃式軽量地盤調査機。
  6. 機械動力により駆動する振動打撃部によって、先端部に先端コーンが装着された貫入ロッドの頭部に装着されたノッキングヘッドをその上方から一定の推力でかつ一定の振動数で振動打撃し、
    前記貫入ロッドの貫入速度を測定し、
    前記貫入ロッドの貫入速度の測定結果に基づいて調査地盤の硬軟を判定する、
    振動打撃式地盤調査方法。
  7. 前記貫入ロッドの一定時間毎の貫入深度の測定結果から当該貫入ロッドの所定の深度における第1貫入速度を演算し、
    予め評価した前記貫入ロッドが所定の地盤に貫入されたときの第2貫入速度と当該所定の地盤の既知のN値との相関関係及び前記第1貫入速度から、前記所定の深度における前記調査地盤のN値を演算することで、当該調査地盤の硬軟を連続的に判定する、
    請求項6に記載の振動打撃式地盤調査方法。
  8. 一定の振動数で一定の推力を付与可能な振動打撃部によって貫入ロッドを調査地盤に貫入させる貫入工程と、
    前記貫入ロッドの貫入量に応じた信号を記録装置に出力可能な測定部で当該貫入ロッドの前記調査地盤への一定時間毎の貫入深度を測定する測定工程と、
    前記測定部から前記信号が前記記録装置に出力されて当該記録装置に前記一定時間毎の貫入深度が記録される記録工程と、
    計算部で前記記録装置に記録された前記一定時間毎の貫入深度から前記貫入ロッドの所定の深度における第1貫入速度を求める計算工程と、
    記憶部に記憶された所定の地盤における既知のN値と前記貫入ロッドが前記振動打撃部で当該所定の地盤に貫入されたときの第2貫入速度との予め求められた関係及び前記第1貫入速度に基づき、判定部で前記調査地盤の硬軟を一定の区間毎に連続的に判定する判定工程と、
    を有する振動打撃式地盤調査方法。
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