JP2017089134A - 締切工法および止水壁構造体 - Google Patents

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【課題】施工性を向上して短い施工期間で止水壁構造体を形成できるようにする。【解決手段】一部が水没した橋脚2の周囲に間隔を介して取り囲むようにリング体8を設置して形成した止水壁構造体70の内側の水を排出して作業場を提供する締切工法であって、水面6上に位置する橋桁部3の部分に設置した昇降装置4と水面6との間の橋脚2の外面に止水壁構造体70の内径よりも小さい外径の足場5を設置し、昇降装置4に対する重量を軽減するためのフロート20がリング体8に設置された浮力付リング体7aを足場5よりも鉛直方向下方に降下させ、その浮力付リング体7aの水面から露出する上端部に、さらに別のリング体8または別の浮力付リング体7bを鉛直方向に積み重ねるように連結して止水壁構造体70を形成した後、止水壁構造体70を水中に沈めて水底部に設置したときの内側の水を排出する。【選択図】図9

Description

本発明は、締切工法および止水壁構造体に関し、特に、河川や海等の水中に立設された橋脚の補強・補修を行う際に好適な締切工法および止水壁構造体に関する。
従来、水中に立設された橋脚の補強・補修を行うにあたり、橋脚の周囲に作業に必要な空間を残して当該橋脚を筒状の止水壁で囲い、その止水壁の内側空間の水を汲み上げることによりドライな作業空間を提供する締切工法が用いられている。
このような締切工法の一例として、止水壁本体を構成する複数のライナープレートにそれぞれ設けられた浮力タンクの浮力により、フーチングの上面に立設された円柱状の橋脚の周囲に当該複数のライナープレートを浮かばせながら1個づつ水平方向に連結することによって止水壁本体を形成する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2011−58172号公報
しかしながら、この特許文献1の締切工法では、水面からフーチングの上面までの水深に応じてライナープレートを鉛直方向に複数積み重ねて止水壁本体を形成する際、ライナープレートの鉛直方向の連結および固定といった潜水夫の水中作業が多く必要とされていた。したがって、この締切工法では、施工性が悪く、止水壁本体を形成するまでに長い施工期間を要するという問題があった。
本発明は、上記の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、施工性を向上し、これまでよりも短い施工期間で止水壁構造体を形成し得る締切工法および止水壁構造体を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明は、少なくとも一部が水没した構造物の周囲に間隔を介して取り囲むようにリング体を設置することにより止水壁構造体を形成し、前記止水壁構造体の内側の水を排出して作業場を提供する締切工法であって、水面上に位置する前記構造物の部分に昇降装置を設置し、前記昇降装置と水面との間における前記構造物の外面に前記止水壁構造体の内径よりも小さい外径の足場を設置する第1工程と、前記リング体の前記昇降装置に対する重量を軽減するための浮力体が前記リング体に設置された浮力付リング体を前記足場よりも鉛直方向下方に前記昇降装置により降下させる第2工程と、前記足場よりも鉛直方向下方に降下させた前記浮力付リング体の水面から露出する上端部に、さらに別のリング体または別の浮力付リング体を鉛直方向に積み重ねるように連結して前記止水壁構造体を形成する第3工程と、前記止水壁構造体を水中に沈めて水底部に設置する第4工程と、水底部に設置した前記止水壁構造体の内側の水を排出する第5工程とを有することを特徴とする。
本発明において、前記第2工程では、所定の補強リングを介して前記リング体に前記浮力体を取り付けることにより前記浮力付リング体を形成する浮力付リング体形成工程を含むことを特徴とする。
本発明において、前記第2工程では、前記浮力体が設置されていないリング体の水に沈む力と、前記浮力体の浮力との比が1よりも大きくなるように設定された前記浮力付リング体を用いることを特徴とする。
本発明において、少なくとも一部が水没した構造物の周囲に間隔を介して取り囲むことにより形成された空間の水を排出して作業場を提供する止水壁構造体であって、前記止水壁構造体を形成するため、前記構造物の周囲に間隔を介して取り囲んだ状態で鉛直方向に積層された形状を有する複数のリング体と、水面上に位置する前記構造物の部分に設置された昇降装置を介して前記足場よりも鉛直方向下方に順次降下される前記複数のリング体の前記昇降装置に対する重量を軽減するため、前記複数のリング体にそれぞれ設置された浮力体とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、従来よりも水中作業を一段と低減して施工性を向上させ、これまでよりも短い施工期間で止水壁構造体を形成することができる。
本発明の実施の形態に係る締切工法において昇降装置の設置および足場の設置の設置工程の説明に供する工程図である。 本発明の実施の形態に係る締切工法において浮力付リング体を連結する連結工程の説明に供する工程図である。 本発明の実施の形態に係る締切工法において昇降装置により吊り下げ可能な重量のリング体を示す図である。 本発明の実施の形態に係る締切工法において用いられるリング体のライナープレートの構成を示す略線的斜視図である。 本発明の実施の形態に係る締切工法において用いられる補強リングの構成を示す略線的斜視図である。 本発明の実施の形態に係る締切工法において用いられる単体フロートの取付状態の説明に供する図である。 本発明の実施の形態に係る締切工法において浮力付リング体を足場よりも鉛直方向下方に降下させる降下工程の説明に供する工程図である。 本発明の実施の形態に係る締切工法において水面から露出する浮力付リング体の上端部に別の浮力付リング体を軸線方向に沿って積層する積層工程の説明に供する工程図である。 本発明の実施の形態に係る締切工法において複数の浮力付リング体からなる止水壁構造体を水底部に設置し、その止水壁構造体の内側の水を排出する設置排水工程の説明に供する工程図である。 他の実施の形態において単体フロートを止水壁ライナープレートから離間した取付状態の説明に供する図である。 他の実施の形態において単体フロートの代わりに帯状フロートを取り付けた取付状態の説明に供する図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態は一つの例示であり、本発明の範囲において、種々の形態をとり得る。
<締切工法>
まず、本発明の実施の形態における締切工法について、図1乃至図9を用いて説明する。河川や海等の水中に立設された橋脚の補強・補修を行う際には、一時的に橋脚の周囲にドライな作業空間を確保する必要があり、この作業空間を確保する仮設工法を、一般的に水中締切または仮締切と呼び、本発明では特に締切工法と呼ぶ。なお、本発明の締切工法は、水面から橋桁部までの距離(以下、これを「空頭」と呼ぶ。)よりも、水面から水底部までの距離(水深)の方が長い場合に特に有効な発明である。
一般に、締切工法により形成される止水壁構造体は、河川や海等の設備環境によっても異なるが、周囲の水による静水圧、水の流れによる流水圧、波による波圧等に対する十分な強度および止水性能が必要とされている。本発明の止水壁構造体を介して作業者が補強・補修作業を行う対象の構造物は、例えば少なくとも一部が水没した既設の橋脚である。
図1に示すように、水底の地盤中に埋設された図示しない基礎杭の上には、フーチング1が形成されている。フーチング1には橋脚2が一体に形成されており、その橋脚2の上端には水平方向に張り出した梁部を含む橋桁部3が一体に形成されている。
本実施の形態に係る締切工法では、橋脚2の上端において一体化された橋桁部3の所定位置に昇降装置4を設置する。すなわち、昇降装置4は、水面6上に位置する橋桁部3または橋脚2の任意の部分に設置される。昇降装置4は、ワイヤー4aを巻き上げる巻上装置からなり、そのワイヤー4aの先端には昇降対象物である後述するリング体8(図2)や浮力付リング体7a(図7)を吊り上げ、または、吊り下げるためのフック(図示せず)が設けられている。
そして、締切工法では、昇降装置4と水面6との間における橋脚2の外周面に、この締切工法により形成する後述の止水壁構造体70(図9)の内径よりも小さい外径の足場5を設置する。足場5は、水上で作業者が止水壁構造体70を形成する作業エリアを提供するために用いられる。このような昇降装置4および足場5の設置は、本発明の締切工法における第1工程(設置工程)に相当する。なお、第1工程では、昇降装置4を設置した後に足場5を設置するだけでなく、足場5を設置した後に昇降装置4を設置したり、昇降装置4および足場5を同時に設置してもよい。
続いて、図2に示すように、締切工法では、作業者が足場5の上すなわち水上で、複数のライナープレート9を水平方向に互いに連結することにより下側のリング体8を形成する。作業者は、この下側のリング体8に昇降装置4のワイヤー4aを取り付け、昇降装置4により水面6から下側のリング体8の上端部が露出するように吊り下げる。この場合、図3に示すように、昇降装置4の吊り下げ可能な重量は、鉛直方向に沿って積み重ねられた2段分のリング体8の合計重量である。
リング体8を構成するライナープレート9は、図4に示すように、波付けされた薄鋼板からなるセクション9sの四辺にフランジが設けられた構造物である。このセクション9sの図中における鉛直方向の上端および下端には、長手方向フランジ9a、9aが水平方向に沿って形成され、図中における水平方向の左端および右端には短手方向フランジ9b、9bが鉛直方向に沿って形成されている。
長手方向フランジ9aには、ライナープレート9同士をボルトおよびナットにより鉛直方向に互いに連結するための複数の貫通孔9ahが形成されている。短手方向フランジ9bには、ライナープレート9同士をボルトおよびナットにより水平方向に互いに連結するための複数の貫通孔9bhが形成されている。
作業者は、足場5の上で、このライナープレート9を水平方向に互いに複数連結することにより図2における下側のリング体8を形成する。そして、作業者は、足場5の上で、更に別のライナープレート9を水平方向に互いに複数連結することにより図2における上側のリング体8を形成する。その後、作業者は、足場5の上で、下側のリング体8と上側のリング体8との間に補強リング10を介在させた状態で両者を鉛直方向に積み重ねるように連結する。
図5に示すように、補強リング10はH型鋼からなり、複数の補強リング片10sが水平方向に沿って互いに連結されることによりリング状に構成されたものである。補強リング10は、ライナープレート9の長手方向フランジ9aが当接されるウェブ11と、当該ウェブ11の左右両側に一体に設けられた外側フランジ12out、内側フランジ12inとを備えている。
ウェブ11には、所定間隔で設けられた複数の貫通孔11hが形成されている。これら複数の貫通孔11hは、ライナープレート9の長手方向フランジ9aに設けられた複数の貫通孔9ahと同一ピッチで設けられている。
外側フランジ12outには、鉛直方向の上段および下段に水平方向に沿って複数の貫通孔12uh、12dhがそれぞれ形成されている。これら複数の貫通孔12uh、12dhは、ウェブ11の貫通孔11hと同一ピッチで設けられている。
図6(A)に示すように、作業者は、足場5の上で、下側のリング体8のライナープレート9における長手方向フランジ9aの上に補強リング10のウェブ11を載置し、そのウェブ11の上に上側のリング体8のライナープレート9における長手方向フランジ9aを載置する。
そして、補強リング10のウェブ11における複数の貫通孔11hと、ライナープレート9の長手方向フランジ9aにおける複数の貫通孔9ahとを互いに対向させた状態で、図示しないボルトおよびナットにより、下側のリング体8、補強リング10、および、上側のリング体8を鉛直方向に沿って互いに積み重ねるように連結する。すなわち、下側のリング体8のライナープレート9における長手方向フランジ9aと上側のリング体8のライナープレート9における長手方向フランジ9aとの間に補強リング10を挟み付けた状態で三者が一体に固定される。
このようにして下側のリング体8と上側のリング体8とが補強リング10を介して互いに連結された後、作業者は、足場5の上で、補強リング10に対して単体フロート20を取り付ける。
単体フロート20は、図6(B)および(C)に示すように、例えば発泡スチロールの楕円体で形成された独立した単体の浮力体である。単体フロート20は、その中心部を貫通するようにロープ挿通孔20hが形成されているとともに、そのロープ挿通孔20hにロープ20rが挿通されている。
具体的には、U字形の連結金具であるシャックル13のU字状本体部に単体フロート20のロープ20rを引っ掛けた状態で、補強リング10の外側フランジ12outの鉛直方向下段に設けられた貫通孔12dh、および、シャックル13のU字状本体部の貫通孔にピンを差し込んでナットで締め付けることにより単体フロート20を補強リング10に取り付ける。なお、この場合、リング状に構成された補強リング10の互いに対向する位置に単体フロート20が取り付けられる。このような、補強リング10を介してリング体8に単体フロート20を取り付けることにより浮力付リング体7aを形成するのは、本発明の締切工法における浮力付リング体形成工程に相当する。
なお、単体フロート20は、補強リング10の外側フランジ12outの鉛直方向下段に設けられた貫通孔12dhにシャックル13を介して取り付けるようにした場合について述べたが、これに限らず、補強リング10の外側フランジ12outの鉛直方向上段に設けられた貫通孔12uhにシャックル13を介して取り付けるようにしてもよい。
ロープ20rは所定の長さに設定されており、単体フロート20がロープ20rを介して補強リング10に取り付けられた状態では、単体フロート20と補強リング10とがほぼ密着した状態となる。この単体フロート20は、水中でリング体8が浮いているときの傾き状態のバランスを考慮して補強リング10の互いに対向する位置に2個または複数取り付けられるが、設定すべき浮力および水中での傾き状態のバランスを考慮した任意の個数が任意の位置に取り付けられてもよい。なお、単体フロート20は、補強リング10に対して予め取り付けられていてもよい。
このようにして下側のリング体8、上側のリング体8、補強リング10、および、単体フロート20により第1層(最下層)の浮力付リング体7aが構成される。ただし、これに限るものではなく、1つのリング体8のライナープレート9に所定の装着プレート(図示せず)を介して単体フロート20を直接取り付けるようにしてもよい。この場合、1つのリング体8および単体フロート20だけで浮力付リング体7aが構成される。或いは、複数のリング体8と単数または複数の単体フロート20との組み合わせにより1つの浮力付リング体7aを構成することも可能である。
ここで、浮力付リング体7aは、2個または複数の単体フロート20が取り付けられていない状態で水中に沈む力を100%とすると、2個または複数の単体フロート20による浮力が90%以上100%未満となるように設定されている。
すなわち、2個または複数の単体フロート20が取り付けられていない状態の浮力付リング体7aの水中に沈む力と、2個または複数の単体フロート20による浮力との比が1よりも大きくなるように設定されている。これにより、2個または複数の単体フロート20は、浮力付リング体7aが水中に沈もうとする重量を見かけ上ほぼ0に軽減するとともに、水中に沈む力の方が浮力よりも僅かに大きくなるため、浮力付リング体7aが水面6に向かって浮かび上がるのを防止している。
締切工法では、図7に示すように、第1層の浮力付リング体7aを足場5よりも鉛直方向下方に向かって昇降装置4により移動させ、第1層の浮力付リング体7aにおける上側のリング体8の上端部を水面6から露出した位置まで降下させる。このような昇降装置4による浮力付リング体7aの降下は、本発明の締切工法における第2工程(降下工程)に相当する。なお、第2工程には、上述した浮力付リング体形成工程を含んでもよい。
締切工法では、作業者は、足場5の上で、水面6から露出する上側のリング体8のライナープレート9における長手方向フランジ9aの上に、第2層の浮力付リング体7bを構成すべき下側のリング体8のライナープレート9における長手方向フランジ9aを載置した後、ボルトおよびナットにより鉛直方向に沿って互いに積み重ねるように連結する。
締切工法では、図8に示したように、作業者は、足場5の上で、第2層の浮力付リング体7bを構成すべき下側のリング体8のライナープレート9の上に補強リング10のウェブ11を載置し、そのウェブ11の上に上側のリング体8のライナープレート9における長手方向フランジ9aを載置した後、ボルトおよびナットにより鉛直方向に沿って互いに積み重ねるように連結する。
図8に示すように、第2層の浮力付リング体7bを構成すべき下側のリング体8と上側のリング体8とが補強リング10を介して互いに連結された後、作業者は、足場5の上で、下側のリング体8と上側のリング体8との間に装着された補強リング10に2個または複数の単体フロート20を取り付ける。これにより、下側のリング体8、上側のリング体8、補強リング10、および、2個または複数の単体フロート20により第2層の浮力付リング体7bが構成される。このような第1層の浮力付リング体7aおよび第2層の浮力付リング体7bを鉛直方向に積み重ねるように連結することは、本発明の締切工法における第3工程(連結工程)に相当する。
このとき、第1層の浮力付リング体7aと第2層の浮力付リング体7bとが鉛直方向に互いに積み重ねられるように連結されているが、第1層の浮力付リング体7aの昇降装置4に対する水中の重量は、2個または複数の単体フロート20の浮力により見かけ上ほぼ0となっている(アルキメデスの原理)。すなわち、第2層の浮力付リング体7bの重量だけが昇降装置4に負荷された状態となる。
さらに、締切工法では、第2工程および第3工程を繰り返すことにより、図9に示すように、第1層の浮力付リング体7a〜第4層の浮力付リング体7dを相互に連結する。そして、第4層の浮力付リング体7dの上側のリング体8に対して、第5層(最上層)となる下側のリング体8を積み重ねるように連結し、その下側のリング体8に上側のリング体8を積み重ねるように連結することにより、最終的な止水壁構造体70を橋脚2の周囲に間隔を介して取り囲むように形成する(第3工程)。
この場合、第5層となる下側のリング体8の下方に第1層の浮力付リング体7a〜第4層の浮力付リング体7dが全て連結されているが、水中に存在する全ての単体フロート20により第1層の浮力付リング体7a〜第4層の浮力付リング体7dの昇降装置4に負荷される総重量が見かけ上0となっている。このため、第5層における2つのリング体8の重量だけが昇降装置4に負荷され、それ以上の重量が負荷されることはない。
締切工法では、このようにして形成された止水壁構造体70を昇降装置4により水中に沈め、水底部のフーチング1の上に止水コンクリート等により水密性を持たせた状態で潜水夫により設置する。このような止水壁構造体70の設置は、本発明の締切工法における第4工程(水底部設置工程)に相当する。
最後に、締切工法では、橋脚2の周囲に間隔を介して取り囲むように形成された止水壁構造体70の内側空間の水をポンプ等で排水することにより、橋脚2の周囲に乾燥したドライ空間の作業場を提供する。このような止水壁構造体70の内側空間の水の排水は、本発明の締切工法における第5工程(排水工程)に相当する。
このような締切工法により形成される止水壁構造体70は、橋脚2の外周面に間隔を介して取り囲んだ状態で鉛直方向に複数積層された形状を有する複数のリング体8と、水面上に位置する橋桁部3または橋脚2の任意の部分に設置された昇降装置4を介して足場5よりも鉛直方向下方に順次降下される複数のリング体8の昇降装置4に対する重量を軽減するため、当該複数のリング体8にそれぞれ設置された単体フロート20とを備えることになる。
<作用および効果>
本発明の締切工法によれば、昇降装置4のワイヤー4aにより2つのリング体8の合計重量を超える水中の浮力付リング体7a〜7dについては、それぞれに設置された単体フロート20の浮力により、浮力付リング体7a〜7dの昇降装置4に負荷される重量を軽減し、昇降装置4に対する浮力付リング体7a〜7dの合計重量を見かけ上0とすることができる。
これにより、水上に設置された足場5の上で、作業者が第1層〜第4層の浮力付リング体7a〜7dを順番に形成する際、浮力付リング体7a〜7dを鉛直方向下方の水中に順次降下させていっても、水面6から露出している2つのリング体8の重量以上の荷重が昇降装置4にかかることがない。かくして、本発明の締切工法では、2つのリング体8の重量以上の定格荷重を有する大規模な昇降装置4を用意する必要がなく、既存の昇降装置4を用いて鉛直方向に長く連結させた止水壁構造体70を低コストで形成することができる。
また、この締切工法では、第1層〜第4層の浮力付リング体7a〜7d、および、第5層の2つのリング体8を鉛直方向に積み重ねるように連結する作業を、全て足場5の上で作業者が行うことができるので、従来に比して潜水夫による水中作業を大幅に削減し、止水壁構造体70の施工性を格段に向上させることができる。
さらに、この締切工法では、補強リング10に対して互いに対向する位置に合計2個または複数の単体フロート20を取り付けることにより、水中において浮力付リング体7a〜7dの水平状態をバランス良く維持し、作業者が足場5の上でリング体8同士を水平方向および鉛直方向に連結する際の施工性を向上させることができる。
さらに、この締切工法では、橋脚2の補強・補修工事等が終了した後、止水壁構造体70の最上層にある第5層の2つのリング体8を分解撤収する際、第1層〜第4層の浮力付リング体7a〜7dにそれぞれ単体フロート20が取り付けられているので、昇降装置4には第5層の2つのリング体8の重量以上の荷重がかかることがない。このため、水上の足場5の上で作業者がリング体8の分解作業を容易に実施することができる。したがって、撤収時においても、潜水夫による水中作業を大幅に削減し、施工性を格段に向上させることができる。
<他の実施の形態>
なお、上述した実施の形態においては、補強リング10に対して単体フロート20をほぼ密着した状態で設置するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、補強リング10から単体フロート20を離間した状態で設置するようにしてもよい。
この場合、図10(A)〜(C)に示すように、補強リング10の外側フランジ12outの鉛直方向上段に設けられた貫通孔12uhにシャックル13を介して取り付ける単体フロート20に補強リング10から離間する程度の長さを有するロープ20rsを用いるようにすればよい。こうすれば、補強リング10から単体フロート20を離間した状態で浮かべることができるので、水面6の揺れを単体フロート20で吸収し、浮力付リング体7a〜7dに水面6の揺れが及ぶことを防止することができる。
また、上述した実施の形態においては、補強リング10に対して互いに対向するように2個または複数の単体フロート20を設置するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、図11(A)〜(C)に示すように、補強リング10の外周面に密着するようにドーナッツ形に形成された帯状フロート22を設置するようにしてもよい。この場合、帯状フロート22を巻き付けるように複数設けられたロープ22rを用いて、補強リング10の外側フランジ12outの鉛直方向上段または下段に設けられた貫通孔12uhまたは12dhにシャックル13を介して取り付ければよい。
1 フーチング
2 橋脚
3 橋桁部
4 昇降装置
4a ワイヤー
5 足場
6 水面
7 浮力付リング体
8 リング体
9 ライナープレート
10 補強リング
11 ウェブ
12out 外側フランジ
12in 内側フランジ
13 シャックル
20 単体フロート
22 帯状フロート

Claims (4)

  1. 少なくとも一部が水没した構造物の周囲に間隔を介して取り囲むようにリング体を設置することにより止水壁構造体を形成し、前記止水壁構造体の内側の水を排出して作業場を提供する締切工法であって、
    水面上に位置する前記構造物の部分に昇降装置を設置し、前記昇降装置と水面との間における前記構造物の外面に前記止水壁構造体の内径よりも小さい外径の足場を設置する第1工程と、
    前記リング体の前記昇降装置に対する重量を軽減するための浮力体が前記リング体に設置された浮力付リング体を前記足場よりも鉛直方向下方に前記昇降装置により降下させる第2工程と、
    前記足場よりも鉛直方向下方に降下させた前記浮力付リング体の水面から露出する上端部に、さらに別のリング体または別の浮力付リング体を鉛直方向に積み重ねるように連結して前記止水壁構造体を形成する第3工程と、
    前記止水壁構造体を水中に沈めて水底部に設置する第4工程と、
    水底部に設置した前記止水壁構造体の内側の水を排出する第5工程と
    を有することを特徴とする締切工法。
  2. 前記第2工程では、所定の補強リングを介して前記リング体に前記浮力体を取り付けることにより前記浮力付リング体を形成する浮力付リング体形成工程を含む
    ことを特徴とする請求項1に記載の締切工法。
  3. 前記第2工程では、前記浮力体が設置されていないリング体の水に沈む力と、前記浮力体の浮力との比が1よりも大きくなるように設定された前記浮力付リング体を用いる
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の締切工法。
  4. 少なくとも一部が水没した構造物の周囲に間隔を介して取り囲むことにより形成された空間の水を排出して作業場を提供する止水壁構造体であって、
    前記止水壁構造体を形成するため、前記構造物の周囲に間隔を介して取り囲んだ状態で鉛直方向に積層された形状を有する複数のリング体と、
    水面上に位置する前記構造物の部分に設置された昇降装置を介して前記足場よりも鉛直方向下方に順次降下される前記複数のリング体の前記昇降装置に対する重量を軽減するため、前記複数のリング体にそれぞれ設置された浮力体と
    を備えることを特徴とする止水壁構造体。
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